JP4093522B2

JP4093522B2 - Surface multipolar anisotropic ring magnet forming apparatus and surface multipolar anisotropic ring magnet

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Publication number: JP4093522B2
Application number: JP2000358351A
Authority: JP
Inventors: 和也嶋川; 光彦赤堀; 国士大野
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 2000-11-24
Filing date: 2000-11-24
Publication date: 2008-06-04
Anticipated expiration: 2020-11-24
Also published as: JP2002164237A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェライトからなる磁石粒子を含有し、外周面に複数の磁極を有する表面多極異方性リング磁石と、この磁石の製造に用いる成形装置とに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ステッピングモータ用のロータには、表面多極異方性リング磁石が用いられている。表面多極異方性リング磁石は、磁気異方性をもった磁石粒子を含有し、外周面に複数の磁極を有する。このものは、成形時に外周面に多極の異方性を付与し、焼結後に、この異方性に対応するように多極に着磁することにより製造される。表面多極異方性リング磁石中において、磁石粒子の磁化容易軸が連なる方向は、隣接する磁極を弧状に結ぶ方向である。そのため、表面多極異方性リング磁石は、径方向に異方性を付与したラジアル異方性リング磁石に比べ、磁気特性や着磁性において有利である。
【０００３】
表面多極異方性リング磁石における磁石粒子としては、安価で高性能であることから、Ｓｒフェライト等の六方晶マグネトプランバイト型フェライトからなる板状粒子が用いられることが多い。六方晶フェライトからなる板状粒子を、図４に模式的に示す。このフェライト板状粒子は、磁化困難軸であるａ軸が主面の面内方向に存在し、磁化容易軸であるｃ軸は板面に垂直である。
【０００４】
図３に、表面多極異方性リング磁石の製造に用いられる従来の成形装置の例を示す。図３は、金型のリング状成形空間の軸に垂直な面で切ったときの断面図であり、上パンチ、下パンチ等の図示は省略してある。この成形装置は、円筒状の型枠３と円柱状のコアロッド５とを有する。型枠３は高透磁率磁性材料から構成され、型枠３の内周面には、非磁性超硬材料からなるスリーブ４が填め込まれ、スリーブ４の内周面とコアロッド５の外周面とにより成形空間２が構成されている。製造される磁石の極数をｎとしたとき、型枠３内にはｎ個の溝が設けられ、これらの溝内に磁界印加用のコイル６が埋め込まれている。なお、図示例はｎ＝１２である。これらのコイルにより、型枠３のうち隣接するコイル間に存在する領域が磁極となり、成形空間２内に円弧状の磁束が存在するように配向用磁界が印加される。
【０００５】
図７に、このような成形装置を用いてフェライト板状粒子を磁場中成形することにより製造されたリング磁石について、フェライト板状粒子１１の配向の様子を示す。図中に示されるフェライト板状粒子１１の断面は、ｃ軸を含む断面である。図示されるように、フェライト板状粒子１１はそのｃ軸方向が磁束と平行になるように配向する。コイル６に流す電流を大きくして配向磁界強度を高くするほどフェライト板状粒子の配向度は高くなり、磁石の磁気特性は高くなる。
【０００６】
近年、ステッピングモータの小型化および高性能化への要求に伴い、表面多極異方性リング磁石に対しても高性能化への要求が高まっている。表面多極異方性リング磁石の性能を向上させるには、上述したように磁石中におけるフェライト板状粒子の配向度を高めればよい。
【０００７】
しかし、フェライト板状粒子を用いた異方性磁石は、フェライト板状粒子の配向に依存して熱膨張率にも異方性が生じる。具体的には、磁化容易軸方向の熱膨張率は磁化困難軸方向の熱膨張率の約１．５倍となる。そのため、フェライト板状粒子の配向度を高くするほど熱膨張率の異方性が高くなる。その結果、焼結後、降温する際に、図７に示すように隣り合う地点１２、１２間に引張応力が発生する。そのため、磁極間にクラック（極間クラック）が発生しやすく、歩留まりの低下を招いてしまう。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フェライト板状粒子を用いた表面多極異方性リング状磁石において、磁極間でのクラック発生を防ぐことを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記（１）の本発明により達成される。
（１）表面多極異方性リング磁石を焼結法により製造する際に、磁場中成形工程において用いられる成形装置であって、筒状の型枠と、スリーブと、コアロッドとを有し、スリーブの内周面とコアロッドの外周面とにより成形空間が構成されており、型枠のうち少なくともスリーブに接する領域が高透磁率材から構成され、スリーブが非磁性材料から構成されており、製造される磁石の極数をｎとしたとき、型枠内に磁界印加用のコイルがｎ個存在し、スリーブ断面は、内周が円形かつ外周がｎ角形であり、このｎ角形の各頂点が、隣り合うコイル間に存在する表面多極異方性リング磁石の成形装置。
【００１０】
ところで、フェライト板状粒子の熱膨張率の異方性によって表面多極異方性リング状磁石にクラックが生じることは、特公昭６３−５８８６号公報および特公平３−４０４８７号公報に記載されている。ただし、これら各公報では、リング状磁石の内周側に磁気配向されていない領域を所定幅設けることでクラック発生を防ごうとしており、前記Ｂ／Ａを制御する本発明とはクラック防止手段が全く異なる。また、これら各公報には、本発明の成形装置は開示されておらず、その示唆もない。
【００１１】
【発明の実施の形態】
フェライト板状粒子を含有する表面多極異方性リング磁石を焼結法により製造するに際しては、一般に、フェライト原料粉末を磁場中で成形してリング状の成形体を得、この成形体を焼結した後、着磁する工程を設ける。フェライト原料粉末としては、例えば、いわゆる仮焼によって固相反応により製造したものや、共沈法や水熱合成法などにより製造したものが用いられる。磁場中成形は、湿式または乾式で行われる。
【００１２】
上記製造工程において湿式または乾式で磁場中成形を行う際に、以下に説明する本発明の成形装置を用いれば、フェライト板状粒子の配向が制御されて、前記した極間クラックが抑制される。
【００１３】
まず、本発明の成形装置の第１の構成例について説明する。図１に、第１の構成例の主要部を断面図として示す。図１に示す成形装置は、スリーブ４の形状が異なるほかは、図３に示す従来の成形装置と同様な構造であり、ｎ（＝１２）極の磁石を製造するための装置である。
【００１４】
図１において、スリーブ４断面は内周が円形かつ外周が正ｎ角形であり、このｎ角形の各頂点が、隣り合うコイル６、６間の中間位置に存在し、この付近が磁極となって、成形空間２内に配向用磁界が印加される。このように、外周が多角形のスリーブ４を設けることにより、成形空間２内に充填されたフェライト板状粒子の配向が制御され、極間クラック発生を抑制することができる。
【００１５】
スリーブ４の厚さは、極間クラック抑制効果が高くなるように適宜決定すればよい。ただし、スリーブ４の最小厚さ、すなわち隣り合う頂点の中間位置におけるスリーブ４の厚さ、が薄すぎると、スリーブ４の機械的強度が不十分となり、また、スリーブ４の摩耗の影響が大きくなるため、スリーブ４が破壊するおそれがある。一方、スリーブ４の最小厚さが厚すぎると、スリーブの最小厚さに対する、ｎ角形の頂点におけるスリーブ厚さ（最大厚さ）の比が小さくなる結果、外周が多角形のスリーブ４を設けることによる極間クラック抑制効果が低くなってしまう。また、成形空間２内に印加できる磁界の強度が低くなってしまう。そのため、スリーブ４の最小厚さは、好ましくは０．２〜１．０mm、より好ましくは０．３〜０．５mmである。
【００１６】
次に、参考例による成形装置の構成について説明する。図２に、参考例の主要部を断面図として示す。この成形装置は、筒状の型枠３とコアロッド５とを有し、型枠３の内周面とコアロッド５の外周面とにより成形空間２が構成されている。製造される磁石の極数をｎとしたとき、型枠３内には磁界印加用のコイル６がｎ個存在する。図２はｎ＝１２の場合を示している。型枠３は非磁性材料から構成され、型枠３内にｎ個の高透磁率材３１が埋設され、各高透磁率材３１は、隣り合うコイル６、６間に存在する。
【００１７】
図２に示す装置において、型枠３断面の内周は円形であり、一方、高透磁率材３１は、成形空間２側の表面が凹んでいる。その結果、各高透磁率材３１の成形空間２側表面と型枠３内周面との距離が、隣り合うコイル６、６の中間位置において最も大きくなっている。すなわち、高透磁率材３１と成形空間２との間に存在する非磁性材料（型枠３）の厚さが、隣り合うコイル６、６の中間位置において最も厚くなっている。一方、図１では、高透磁率材（型枠３）と成形空間２との間に存在する非磁性材料（スリーブ４）の厚さが、隣り合うコイル６、６の中間位置において最も厚くなっている。したがって、図２に示す装置においても、図１に示す装置と同様に成形空間２内のフェライト板状粒子の配向を制御することができ、その結果、極間クラック発生を抑制できる。
【００１８】
なお、図２に示す装置では、各高透磁率材３１の成形空間２側表面が正ｎ角形の辺上に存在するように、高透磁率材３１の成形空間２側表面の形状が設定されることが好ましい。これにより、図１の成形装置と同等の効果が得られる。
【００１９】
次に、図２に示す構成の利点を説明する。図１に示す成形装置を製造するためには、スリーブ４を焼き嵌めする必要がある。そのため、スリーブ４には機械的強度が必要とされるので、スリーブ厚さを著しく薄くすることはできない。これに対し図２に示す成形装置では、高透磁率材３１の形状に適合する空間を型枠３にあらかじめ形成しておき、この空間に高透磁率材３１を嵌入ないし挿入する。寸法の大きなスリーブは薄肉化すると全体の強度が低くなってしまうが、図２において高透磁率材３１と成形空間２とを隔てる領域は短いため、この領域を薄肉化しても十分な強度を保つことができる。したがって、コイル６に流す電流をより小さくしても、この領域を薄肉化すれば、図１に示す構成と同等の強度の磁界を成形空間に印加することができる。これにより、容量の大きな電源が不要となるほか、コイル６への負担が軽減されるため、成形装置の寿命が向上する。
【００２０】
図２において、高透磁率材３１の成形空間２側表面と型枠３内周面との最小距離は、図１におけるスリーブ４の最小厚さと同等、すなわち好ましくは０．２〜１．０mm、より好ましくは０．３〜０．５mmとすればよい。図２における高透磁率材３１の成形空間２側表面と型枠３内周面との最小距離が、図１におけるスリーブ４の最小厚さと同じであっても、隣り合うコイル６、６間の中間位置における非磁性材料（図１ではスリーブ４、図２では型枠３）の厚さは、図２のほうが薄くなる。
【００２１】
さらに、図２に示す構成では、型枠３が構造材として全体の強度を受け持つため、高透磁率材３１については、機械的強度を実質的に考慮せずに磁気特性の点だけで材料選定を行うことができる。したがって、機械的強度は比較的低いが透磁率が著しく高い材料を利用することができるので、電流のさらなる削減が可能である。例えば、図１に示す構成において型枠３を構成する強磁性材料には、強度確保のために焼き入れ鋼を利用することが一般的であり、焼き入れにより透磁率が低下してしまうが、図２における高透磁率材３１では焼き入れする必要がない。高透磁率材３１の構成材料としては、純鉄、鋼、鉄系合金が好ましい。鉄系合金としては、例えばパーメンジュール鋼が好ましい。
【００２２】
高透磁率材３１を嵌入ないし挿入するための空間を型枠３に形成する手段は特に限定されないが、放電加工を利用することが好ましく、特に、ワイヤー放電加工を利用することが好ましい。ワイヤー放電加工を利用すれば、型枠３の強度低下を招くことなく、高透磁率材３１が入る空間を形成できる。
【００２３】
図２に示す構成では、型枠３の半径方向に測定した高透磁率材３１の長さが、型枠３の半径方向に測定したコイル６の長さ（コイル６を埋め込んだ溝の長さ）よりも大きいことが好ましい。これにより、コイル６から発生する磁束を有効に利用でき、高強度の磁界を成形空間２内に印加できる。
【００２４】
なお、高透磁率材３１と型枠３の外周面との距離は特に限定されず、型枠３において十分な機械的強度が得られるように適宜決定すればよいが、通常、２mm以上とすることが好ましい。
【００２５】
なお、本発明の成形装置の各部に用いる具体的構成材料は、従来の成形装置の各部に用いられる磁性材料や非磁性材料と同様のものであってよく、特に限定されない。ただし、図２の高透磁率材３１については、前述したように焼き入れしていない材料を用いることが好ましい。
【００２６】
本発明の成形装置を用いるに際し、磁場中成形工程以外の工程は従来の磁石製造工程と同様にして行えばよい。すなわち、成形後、通常の条件で焼結し、必要に応じて表面を研磨して形状を整えればよい。
【００２７】
次に、本発明の成形装置を用いることにより極間クラックが防止できる理由について説明する。
【００２８】
図６は、本発明の成形装置を用いて磁場中成形することにより製造されたリング磁石について、フェライト板状粒子１１の配向を示す断面図である。一方、図７は、前記したように図３に示す従来の成形装置を用いて磁場中成形することにより製造されたリング磁石について、フェライト板状粒子１１の配向を示す断面図である。図中に示されるフェライト板状粒子１１の断面は、ｃ軸を含む断面である。これらの図において、ｃ軸が磁石半径方向とほぼ平行であるフェライト板状粒子１１の存在領域について注目すると、この存在領域の幅（磁石周方向の寸法）は、図６のほうが図７に比べ狭いことがわかる。前述したように、フェライト板状粒子では、磁化容易軸であるｃ軸方向の熱膨張率が、磁化困難軸方向である粒子面内（ｃ面）方向の熱膨張率の約１．５倍であるため、焼結後、冷却される際に、隣接する地点１２、１２間において引張応力が発生する。図６では図７に比べ、ｃ軸が磁石半径方向とほぼ平行であるフェライト板状粒子１１の存在領域が狭いため、この引張応力が小さくなる。そのため本発明の成形装置を用いた場合には、従来の成形装置を用いた場合に比べ、極間クラックの発生が少なくなると考えられる。
【００２９】
次に、極間クラックを抑制するために特に有効な配向パターンについて説明する。
【００３０】
図５に、表面多極異方性リング磁石の一部を断面図として示す。図５に示すように、磁石の外周半径をＤとし、磁極の数をｎとすると、極間距離ＬはＬ＝２πＤ／ｎで表される。ここで、磁石外周面から磁石半径方向に測った距離がＬ／２以下である円環状領域を領域Ａとする。また、領域Ａと内径および外径が同じであって、かつ、磁石粒子として、ｃ軸と磁石半径方向とのなす角度が１０度以下であるものだけを含む扇状の領域を領域Ｂとする。そして、領域Ａの面積をＡで表し、領域Ｂの面積をＢで表す。本発明者らの研究によれば、Ｂ／Ａが０．１２以下となるようにフェライト板状粒子１１の配向を制御すれば、極間クラックを顕著に抑制できることがわかった。ただし、Ｂ／Ａが小さすぎると、板状粒子の配向度が低くなりすぎるため、Ｂ／Ａは好ましくは０．１０以上とする。Ｂ／Ａは、磁石の断面ないし研磨面を顕微鏡で観察することにより求めることができる。板状粒子の主面と磁石半径方向とのなす角度を測定するに際しては、磁石の軸方向（厚さ方向）に垂直な断面ないし研磨面を顕微鏡により観察する。表面多極異方性リング磁石では、図６および図７に示すように、フェライト板状粒子の主面が観察面に対しほぼ垂直な状態となっているため、前記角度を容易に測定することができる。
【００３１】
なお、領域Ｂを決定するに際し、磁石外周面から半径方向に測った距離がＬ／２以下の領域における板状粒子の配向を調べるのは、磁石外周面からの距離がＬ／２を超える領域では磁石粒子の磁場配向が不十分となって磁石粒子の向きにランダム性が生じてしまい、磁場配向の指標とすることが難しくなるからである。
【００３２】
表面多極異方性リング磁石の極間クラックは、フェライト板状粒子の配向度が高い場合に多くなる。また、磁石の半径方向幅が極間距離に対し比較的小さい場合には、フェライト板状粒子の熱膨張率の異方性の影響が大きくなるため、この場合にも極間クラックは発生しやすくなる。本発明の成形装置は、これらのいずれの場合にも極間クラックの発生を抑制することができる。ただし、図５における磁石の半径方向幅Ｗ（外径から内径を減じた値）がＬ／２未満であると磁石内周部にクラックが生じやすくなるため、本発明ではＷ≧Ｌ／２とする。
【００３３】
本発明において、フェライト板状粒子はＳｒフェライトやＢａフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトから構成されればよく、その具体的組成は特に限定されない。また、本発明において磁石の極数は特に限定されない。ただし、極数が少ないと極間距離が大きくなるため極間クラックが発生しやすくなり、一方、極数が多いと極間クラックは発生しにくくなるので、本発明が特に有効な極数は、４〜３２極である。
【００３４】
【実施例】
実施例１
図１に示す構成をもつ本発明の成形装置（ただし、ｎ＝２４）を用い、Ｓｒフェライトからなる板状粒子を用いて、以下の手順で表面多極異方性リング磁石を製造した。
【００３５】
成形装置において、型枠３は焼き入れ鋼から、スリーブ４は非磁性超硬材料からそれぞれ構成し、スリーブ４の最小厚さは０．３mmとし、極数は２４とした。成形に際しては、パルス電流を６回印加した。パルス電流の強度は、表１に示すものとした。成形後、成形体を空気中において１２４０℃で焼成し、焼結体を得た。次いで、焼結体を研磨し、外径１８．０mm、内径１２．０mm、高さ１１．４mmの２４極異方性リング磁石サンプルを得た。
【００３６】
比較例１
図３に示す構成をもつ従来の成形装置（ただし、ｎ＝２４）を用いたほかは実施例１と同様にして、２４極異方性リング磁石サンプルを作製した。
【００３７】
評価１
実施例１および比較例１で得られた各サンプルについて、総磁束量を測定し、また、極間クラック発生の有無を調べ、また、顕微鏡観察により前記Ｂ／Ａを求めた。これらの結果を表１に示す。なお、表１に示すクラック発生率は、測定サンプル１００個中において極間クラックが発生していたサンプルの比率である。
【００３８】
【表１】

【００３９】
表１から本発明の効果が明らかである。実施例１と比較例１とでは、電流値が同じ場合には総磁束がほぼ同じとなっている。しかし、従来の成形装置を用いた比較例１の各サンプルでは、Ｂ／Ａが０．１２を超えており、総磁束量が大きくなるにしたがって極間クラック数が急激に増えているのに対し、本発明の成形装置を用いた実施例１の各サンプルでは、Ｂ／Ａが０．１２以下であり、極間クラックは全く認められない。
【００４０】
実施例２
成形空間の寸法を変え、かつ、磁場中成形の際の電流値を表２に示すものとしたほかは実施例１と同様にして、外径２２．０mm、内径１６．０mm、高さ１９．０mmの２４極異方性リング磁石サンプルを作製した。
【００４１】
比較例２
比較例１で使用した成形装置を用いたほかは実施例２と同様にして、２４極異方性リング磁石サンプルを作製した。
【００４２】
評価２
実施例２および比較例２で得られた各サンプルについて、実施例１および比較例１と同様な測定を行った。これらの結果を表２に示す。
【００４３】
【表２】

【００４４】
表２から本発明の効果が明らかである。すなわち、実施例サンプルと比較例サンプルとの間に、表１と同様な関係が認められる。
【００４５】
実施例３
成形空間の寸法を変え、かつ、磁場中成形の際の電流値を表３に示すものとしたほかは実施例１と同様にして、外径２３．０mm、内径１６．０mm、高さ１１．８mmの２４極異方性リング磁石サンプルを作製した。
【００４６】
比較例３
比較例１で使用した成形装置を用いたほかは実施例３と同様にして、２４極異方性リング磁石サンプルを作製した。
【００４７】
評価３
実施例３および比較例３で得られた各サンプルについて、実施例１および比較例１と同様な測定を行った。これらの結果を表３に示す。
【００４８】
【表３】

【００４９】
表３から本発明の効果が明らかである。すなわち、実施例サンプルと比較例サンプルとの間に、表１と同様な関係が認められる。
【００５０】
【発明の効果】
本発明の成形装置を用いて、磁場中成形の際にフェライト板状粒子の配向を制御することにより、配向度の高い表面多極異方性リング磁石において生じやすい極間クラックを防ぐことができる。そのため、高特性の表面多極異方性リング磁石を歩留まりよく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の成形装置の主要部を示す断面図である。
【図２】参考例による成形装置の主要部を示す断面図である。
【図３】従来の成形装置の主要部を示す断面図である。
【図４】フェライト板状粒子を示す斜視図である。
【図５】表面多極異方性リング磁石の一部を示し、領域Ａおよび領域Ｂを説明するための平面図である。
【図６】本発明の成形装置を用いて製造された表面多極異方性リング磁石の一部を示す断面図である。
【図７】従来の成形装置を用いて製造された表面多極異方性リング磁石の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
２成形空間
３型枠
４スリーブ
５コアロッド
６コイル
１１フェライト板状粒子
１２地点 [0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a surface multipolar anisotropic ring magnet containing magnet particles made of ferrite and having a plurality of magnetic poles on the outer peripheral surface, and a molding apparatus used for manufacturing the magnet.
[0002]
[Prior art]
A surface multipolar anisotropic ring magnet is used for a rotor for a stepping motor. The surface multipolar anisotropic ring magnet contains magnet particles having magnetic anisotropy and has a plurality of magnetic poles on the outer peripheral surface. This is manufactured by imparting multipolar anisotropy to the outer peripheral surface during molding and magnetizing the multipolar so as to correspond to this anisotropy after sintering. In the surface multipolar anisotropic ring magnet, the direction in which the magnetization easy axes of the magnet particles are continuous is a direction in which adjacent magnetic poles are connected in an arc. Therefore, the surface multipolar anisotropic ring magnet is advantageous in terms of magnetic properties and magnetization compared to the radial anisotropic ring magnet having anisotropy in the radial direction.
[0003]
As the magnet particles in the surface multipolar anisotropic ring magnet, plate-like particles made of hexagonal magnetoplumbite type ferrite such as Sr ferrite are often used because they are inexpensive and have high performance. FIG. 4 schematically shows plate-like particles made of hexagonal ferrite. In this ferrite plate-like particle, the a axis that is the hard axis of magnetization exists in the in-plane direction of the main surface, and the c axis that is the easy axis of magnetization is perpendicular to the plate surface.
[0004]
In FIG. 3, the example of the conventional shaping | molding apparatus used for manufacture of a surface multipolar anisotropic ring magnet is shown. FIG. 3 is a cross-sectional view taken along a plane perpendicular to the axis of the ring-shaped molding space of the mold, and illustration of an upper punch, a lower punch, and the like is omitted. This molding apparatus has a cylindrical mold 3 and a columnar core rod 5. The mold 3 is made of a high magnetic permeability magnetic material. A sleeve 4 made of a nonmagnetic cemented carbide material is fitted into the inner peripheral surface of the mold 3, and the inner peripheral surface of the sleeve 4 and the outer peripheral surface of the core rod 5 are Thus, a molding space 2 is configured. When the number of poles of the magnet to be manufactured is n, n grooves are provided in the mold 3, and a magnetic field application coil 6 is embedded in these grooves. In the illustrated example, n = 12. By these coils, an area existing between adjacent coils in the mold 3 becomes a magnetic pole, and an orientation magnetic field is applied so that an arc-shaped magnetic flux exists in the molding space 2.
[0005]
FIG. 7 shows the orientation of the ferrite plate-like particles 11 in a ring magnet manufactured by forming the ferrite plate-like particles in a magnetic field using such a forming apparatus. The cross section of the ferrite plate-like particle 11 shown in the figure is a cross section including the c-axis. As shown in the figure, the ferrite plate-like particles 11 are oriented so that their c-axis direction is parallel to the magnetic flux. As the current flowing through the coil 6 is increased to increase the orientation magnetic field strength, the degree of orientation of the ferrite plate-like particles increases, and the magnetic characteristics of the magnet increase.
[0006]
In recent years, with the demand for miniaturization and higher performance of stepping motors, there is an increasing demand for higher performance of surface multipolar anisotropic ring magnets. In order to improve the performance of the surface multipolar anisotropic ring magnet, the degree of orientation of the ferrite plate-like particles in the magnet may be increased as described above.
[0007]
However, an anisotropic magnet using ferrite plate-like particles has anisotropy in thermal expansion coefficient depending on the orientation of the ferrite plate-like particles. Specifically, the thermal expansion coefficient in the easy magnetization axis direction is about 1.5 times the thermal expansion coefficient in the hard magnetization axis direction. Therefore, the higher the degree of orientation of the ferrite plate-like particles, the higher the anisotropy of the thermal expansion coefficient. As a result, when the temperature is lowered after sintering, a tensile stress is generated between the

adjacent points

12 and 12 as shown in FIG. Therefore, cracks (inter-electrode cracks) are easily generated between the magnetic poles, resulting in a decrease in yield.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to prevent generation of cracks between magnetic poles in a surface multipolar anisotropic ring-shaped magnet using ferrite plate-like particles.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
Such an object is achieved by the present invention described in (1) below.
(1) When manufacturing a surface multipolar anisotropic ring magnet by a sintering method, it is a molding device used in a molding process in a magnetic field, and has a cylindrical formwork, a sleeve, and a core rod, A molding space is formed by the inner peripheral surface of the sleeve and the outer peripheral surface of the core rod, and at least a region in contact with the sleeve of the mold is made of a high magnetic permeability material, and the sleeve is made of a nonmagnetic material. When the number of magnet poles is n, n coils for applying a magnetic field are present in the mold, and the sleeve has a circular inner periphery and an outer peripheral n-gonal shape. An apparatus for forming a surface multipolar anisotropic ring magnet existing between adjacent coils.
[0010]
Incidentally, it is described in Japanese Patent Publication No. 63-5886 and Japanese Patent Publication No. 3-40487 that cracks are generated in the surface multipolar anisotropic ring-shaped magnet due to the anisotropy of the thermal expansion coefficient of the ferrite plate-like particles. Yes. However, in each of these publications, an attempt is made to prevent the occurrence of cracks by providing a predetermined width in a region that is not magnetically oriented on the inner peripheral side of the ring-shaped magnet. The present invention for controlling the B / A includes a crack prevention means. Completely different. Further, these publications do not disclose or suggest the molding apparatus of the present invention.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
When manufacturing a surface multipolar anisotropic ring magnet containing ferrite plate-like particles by a sintering method, generally, a ferrite raw material powder is molded in a magnetic field to obtain a ring-shaped molded body, and this molded body is sintered. After ligation, a step of magnetizing is provided. As the ferrite raw material powder, for example, a powder produced by a solid phase reaction by so-called calcination, a powder produced by a coprecipitation method, a hydrothermal synthesis method, or the like is used. Molding in a magnetic field is performed by a wet method or a dry method.
[0012]
When forming in a magnetic field by wet or dry method in the above production process, the orientation of the ferrite plate-like particles is controlled and the above-described inter-electrode crack is suppressed by using the molding apparatus of the present invention described below.
[0013]
First, the 1st structural example of the shaping | molding apparatus of this invention is demonstrated. FIG. 1 is a cross-sectional view showing the main part of the first configuration example. The molding apparatus shown in FIG. 1 has the same structure as the conventional molding apparatus shown in FIG. 3 except that the shape of the sleeve 4 is different, and is an apparatus for manufacturing an n (= 12) pole magnet.
[0014]
In FIG. 1, the cross section of the sleeve 4 has a circular inner periphery and a regular n-gonal outer periphery, and each apex of the n-gonal shape exists at an intermediate position between the adjacent coils 6 and 6, and this vicinity serves as a magnetic pole. A magnetic field for orientation is applied in the molding space 2. As described above, by providing the sleeve 4 having a polygonal outer periphery, the orientation of the ferrite plate-like particles filled in the molding space 2 is controlled, and the generation of cracks between the electrodes can be suppressed.
[0015]
What is necessary is just to determine the thickness of the sleeve 4 suitably so that the inter-electrode crack suppression effect may become high. However, if the minimum thickness of the sleeve 4, that is, the thickness of the sleeve 4 at an intermediate position between adjacent vertices, is too thin, the mechanical strength of the sleeve 4 becomes insufficient, and the influence of wear of the sleeve 4 increases. For this reason, the sleeve 4 may be broken. On the other hand, if the minimum thickness of the sleeve 4 is too large, the ratio of the sleeve thickness (maximum thickness) at the apex of the n-gon to the minimum thickness of the sleeve is reduced, so that the sleeve 4 having a polygonal outer periphery is provided. The effect of suppressing inter-electrode cracks due to is reduced. Further, the strength of the magnetic field that can be applied in the molding space 2 is lowered. Therefore, the minimum thickness of the sleeve 4 is preferably 0.2 to 1.0 mm, more preferably 0.3 to 0.5 mm.
[0016]
Next, the configuration of the molding apparatus according to the reference example will be described. In FIG. 2, the principal part of a reference example is shown as sectional drawing. This molding apparatus has a cylindrical mold 3 and a core rod 5, and a molding space 2 is constituted by the inner peripheral surface of the mold 3 and the outer peripheral surface of the core rod 5. When the number of poles of the magnet to be manufactured is n, n coils 6 for applying a magnetic field exist in the mold 3. FIG. 2 shows the case where n = 12. The mold 3 is made of a nonmagnetic material, and n high permeability materials 31 are embedded in the mold 3, and each high permeability material 31 exists between the adjacent coils 6 and 6.
[0017]
In the apparatus shown in FIG. 2, the inner periphery of the cross section of the mold 3 is circular, while the high permeability material 31 has a concave surface on the molding space 2 side. As a result, the distance between the surface of the high permeability material 31 on the molding space 2 side and the inner peripheral surface of the mold 3 is the largest at the intermediate position between the adjacent coils 6 and 6. That is, the thickness of the nonmagnetic material (form frame 3) existing between the high magnetic permeability material 31 and the molding space 2 is thickest at the intermediate position between the adjacent coils 6 and 6. On the other hand, in FIG. 1, the thickness of the nonmagnetic material (sleeve 4) existing between the high magnetic permeability material (form frame 3) and the molding space 2 is thickest at the intermediate position between the adjacent coils 6 and 6. ing. Therefore, also in the apparatus shown in FIG. 2, the orientation of the ferrite plate-like particles in the molding space 2 can be controlled in the same way as the apparatus shown in FIG.
[0018]
In the apparatus shown in FIG. 2, the shape of the surface of the high permeability material 31 on the molding space 2 side is set so that the surface of the high permeability material 31 on the side of the molding space 2 exists on the side of the regular n-gon. It is preferable. Thereby, the effect equivalent to the shaping | molding apparatus of FIG. 1 is acquired.
[0019]
Next, advantages of the configuration shown in FIG. 2 will be described. In order to manufacture the molding apparatus shown in FIG. 1, it is necessary to shrink fit the sleeve 4. For this reason, the sleeve 4 is required to have mechanical strength, so that the sleeve thickness cannot be remarkably reduced. On the other hand, in the molding apparatus shown in FIG. 2, a space suitable for the shape of the high magnetic permeability material 31 is formed in the mold 3 in advance, and the high magnetic permeability material 31 is inserted or inserted into this space. When the sleeve having a large size is thinned, the overall strength is lowered. However, since the region separating the high magnetic permeability material 31 and the molding space 2 is short in FIG. 2, sufficient strength is maintained even if the region is thinned. be able to. Therefore, even if the current flowing through the coil 6 is made smaller, if the area is made thinner, a magnetic field having the same strength as that of the configuration shown in FIG. 1 can be applied to the forming space. This eliminates the need for a large-capacity power source and reduces the burden on the coil 6, thereby improving the life of the molding apparatus.
[0020]
2, the minimum distance between the surface of the high permeability material 31 on the molding space 2 side and the inner peripheral surface of the mold 3 is equal to the minimum thickness of the sleeve 4 in FIG. 1, that is, preferably 0.2 to 1.0 mm. More preferably, it may be 0.3 to 0.5 mm. Even if the minimum distance between the molding space 2 side surface of the high permeability material 31 in FIG. 2 and the inner peripheral surface of the mold 3 is the same as the minimum thickness of the sleeve 4 in FIG. The thickness of the nonmagnetic material (the sleeve 4 in FIG. 1 and the mold 3 in FIG. 2) at the intermediate position is thinner in FIG.
[0021]
Further, in the configuration shown in FIG. 2, since the mold 3 is responsible for the overall strength as a structural material, the material of the high permeability material 31 is selected only in terms of magnetic properties without substantially considering the mechanical strength. It can be performed. Therefore, a material having a relatively low mechanical strength but a remarkably high magnetic permeability can be used, so that the current can be further reduced. For example, in the ferromagnetic material constituting the mold 3 in the configuration shown in FIG. 1, it is common to use hardened steel to ensure strength, and the magnetic permeability decreases due to quenching, The high permeability material 31 in FIG. 2 does not need to be quenched. As a constituent material of the high magnetic permeability material 31, pure iron, steel, and an iron-based alloy are preferable. For example, permendur steel is preferable as the iron-based alloy.
[0022]
The means for forming a space for inserting or inserting the high magnetic permeability material 31 in the mold 3 is not particularly limited, but it is preferable to use electric discharge machining, and particularly preferably to use wire electric discharge machining. If wire electric discharge machining is used, a space into which the high magnetic permeability material 31 enters can be formed without causing a decrease in strength of the mold 3.
[0023]
In the configuration shown in FIG. 2, the length of the high permeability material 31 measured in the radial direction of the mold 3 is the length of the coil 6 measured in the radial direction of the mold 3 (the length of the groove in which the coil 6 is embedded). ) Is preferably larger. Thereby, the magnetic flux generated from the coil 6 can be used effectively, and a high-strength magnetic field can be applied in the molding space 2.
[0024]
The distance between the high magnetic permeability material 31 and the outer peripheral surface of the mold 3 is not particularly limited, and may be appropriately determined so that sufficient mechanical strength can be obtained in the mold 3, but is usually 2 mm or more. It is preferable.
[0025]
In addition, the specific constituent material used for each part of the shaping | molding apparatus of this invention may be the same as the magnetic material and nonmagnetic material used for each part of the conventional shaping | molding apparatus, and is not specifically limited. However, for the high permeability material 31 in FIG. 2, it is preferable to use a material that has not been quenched as described above.
[0026]
When using the forming apparatus of the present invention, the steps other than the forming step in the magnetic field may be performed in the same manner as the conventional magnet manufacturing step. That is, after molding, sintering may be performed under normal conditions, and the surface may be polished as necessary to adjust the shape.
[0027]
Next, the reason why inter-electrode cracks can be prevented by using the molding apparatus of the present invention will be described.
[0028]
FIG. 6 is a cross-sectional view showing the orientation of the ferrite plate-like particles 11 in a ring magnet manufactured by molding in a magnetic field using the molding apparatus of the present invention. On the other hand, FIG. 7 is a cross-sectional view showing the orientation of the ferrite plate-like particles 11 in the ring magnet manufactured by forming in the magnetic field using the conventional forming apparatus shown in FIG. 3 as described above. The cross section of the ferrite plate-like particle 11 shown in the figure is a cross section including the c-axis. In these figures, when attention is paid to the existence region of the ferrite plate-like particles 11 in which the c-axis is substantially parallel to the magnet radial direction, the width (dimension in the magnet circumferential direction) of this existence region is larger in FIG. 6 than in FIG. You can see that it is narrow. As described above, in the ferrite plate-like particles, the coefficient of thermal expansion in the c-axis direction, which is the easy axis of magnetization, is about 1.5 times the coefficient of thermal expansion in the in-plane (c-plane) direction, which is the direction of the hard axis. For this reason, tensile stress is generated between

adjacent points

12 and 12 when cooled after sintering. In FIG. 6, compared with FIG. 7, the tensile stress is reduced because the existence region of the ferrite plate-like particles 11 whose c-axis is substantially parallel to the magnet radial direction is narrow. For this reason, when the molding apparatus of the present invention is used, it is considered that the generation of inter-electrode cracks is reduced as compared with the case of using the conventional molding apparatus.
[0029]
Next, an alignment pattern that is particularly effective for suppressing inter-electrode cracks will be described.
[0030]
FIG. 5 is a sectional view showing a part of the surface multipolar anisotropic ring magnet. As shown in FIG. 5, when the outer peripheral radius of the magnet is D and the number of magnetic poles is n, the distance L between the poles is expressed by L = 2πD / n. Here, an annular region whose distance measured in the magnet radial direction from the magnet outer peripheral surface is L / 2 or less is defined as region A. Region B is defined as a sector-shaped region including the region A having the same inner diameter and outer diameter, and including only magnet particles whose angle between the c-axis and the magnet radial direction is 10 degrees or less. The area of the region A is represented by A, and the area of the region B is represented by B. According to the study by the present inventors, it has been found that cracks between the electrodes can be remarkably suppressed by controlling the orientation of the ferrite plate-like particles 11 so that B / A is 0.12 or less. However, if B / A is too small, the degree of orientation of the plate-like particles becomes too low, so B / A is preferably 0.10 or more. B / A can be determined by observing the cross section or polished surface of the magnet with a microscope. When measuring the angle formed between the main surface of the plate-like particle and the magnet radial direction, a cross section or polished surface perpendicular to the axial direction (thickness direction) of the magnet is observed with a microscope. In the surface multipolar anisotropic ring magnet, as shown in FIG. 6 and FIG. 7, the main surface of the ferrite plate-like particle is in a state substantially perpendicular to the observation surface, so that the angle can be easily measured. Can do.
[0031]
In determining the region B, the orientation of the plate-like particles in the region whose distance measured in the radial direction from the outer peripheral surface of the magnet is L / 2 or less is the region where the distance from the outer peripheral surface of the magnet exceeds L / 2. In this case, the magnetic field orientation of the magnet particles becomes insufficient and randomness occurs in the direction of the magnet particles, making it difficult to use as an index of the magnetic field orientation.
[0032]
Interpolar cracks in the surface multipolar anisotropic ring magnet increase when the degree of orientation of the ferrite plate-like particles is high. In addition, when the radial width of the magnet is relatively small with respect to the distance between the poles, the effect of anisotropy of the thermal expansion coefficient of the ferrite plate-like particles becomes large. Become. The molding apparatus of the present invention can suppress the occurrence of inter-electrode cracks in any of these cases. However, if the radial width W of the magnet in FIG. 5 (the value obtained by subtracting the inner diameter from the outer diameter) is less than L / 2, cracks are likely to occur in the inner periphery of the magnet, and in the present invention, W ≧ L / 2. To do.
[0033]
In the present invention, the ferrite plate-like particles may be composed of magnetoplumbite type ferrite such as Sr ferrite and Ba ferrite, and the specific composition thereof is not particularly limited. In the present invention, the number of poles of the magnet is not particularly limited. However, if the number of poles is small, the distance between the poles increases, so that cracks between the poles are likely to occur.On the other hand, if the number of poles is large, the cracks between the poles are less likely to occur. 4 to 32 poles.
[0034]
【Example】
Example 1
A surface multipolar anisotropic ring magnet was manufactured using the molding apparatus of the present invention having the configuration shown in FIG. 1 (where n = 24) and using plate-like particles made of Sr ferrite in the following procedure.
[0035]
In the molding apparatus, the mold 3 was made of hardened steel, the sleeve 4 was made of a nonmagnetic cemented carbide material, the minimum thickness of the sleeve 4 was 0.3 mm, and the number of poles was 24. During molding, a pulse current was applied 6 times. The intensity of the pulse current was as shown in Table 1. After molding, the compact was fired in air at 1240 ° C. to obtain a sintered body. Next, the sintered body was polished to obtain a 24-pole anisotropic ring magnet sample having an outer diameter of 18.0 mm, an inner diameter of 12.0 mm, and a height of 11.4 mm.
[0036]
Comparative Example 1
A 24-pole anisotropic ring magnet sample was produced in the same manner as in Example 1 except that the conventional molding apparatus (where n = 24) having the configuration shown in FIG. 3 was used.
[0037]
Evaluation 1
For each sample obtained in Example 1 and Comparative Example 1, the total magnetic flux was measured, the presence or absence of inter-electrode cracks was examined, and the B / A was determined by microscopic observation. These results are shown in Table 1. In addition, the crack generation rate shown in Table 1 is the ratio of samples in which inter-electrode cracks occurred in 100 measurement samples.
[0038]
[Table 1]

[0039]
From Table 1, the effect of the present invention is clear. In Example 1 and Comparative Example 1, the total magnetic flux is almost the same when the current value is the same. However, in each sample of Comparative Example 1 using a conventional molding apparatus, B / A exceeds 0.12, whereas the number of inter-electrode cracks rapidly increases as the total magnetic flux amount increases. In each sample of Example 1 using the molding apparatus of the present invention, B / A is 0.12 or less, and no cracks between the electrodes are observed.
[0040]
Example 2
The outer diameter was 22.0 mm, the inner diameter was 16.0 mm, and the height was 19.19, except that the dimensions of the molding space were changed and the current values during molding in a magnetic field were as shown in Table 2. A 0 mm 24-pole anisotropic ring magnet sample was prepared.
[0041]
Comparative Example 2
A 24-pole anisotropic ring magnet sample was produced in the same manner as in Example 2 except that the molding apparatus used in Comparative Example 1 was used.
[0042]
Evaluation 2
For each sample obtained in Example 2 and Comparative Example 2, the same measurement as in Example 1 and Comparative Example 1 was performed. These results are shown in Table 2.
[0043]
[Table 2]

[0044]
From Table 2, the effect of the present invention is clear. That is, the same relationship as in Table 1 is recognized between the example sample and the comparative example sample.
[0045]
Example 3
The outer diameter was 23.0 mm, the inner diameter was 16.0 mm, and the height was 11.1 as in Example 1, except that the dimensions of the molding space were changed and the current values during molding in the magnetic field were as shown in Table 3. An 8 mm 24-pole anisotropic ring magnet sample was prepared.
[0046]
Comparative Example 3
A 24-pole anisotropic ring magnet sample was produced in the same manner as in Example 3 except that the molding apparatus used in Comparative Example 1 was used.
[0047]
Evaluation 3
For each sample obtained in Example 3 and Comparative Example 3, the same measurement as in Example 1 and Comparative Example 1 was performed. These results are shown in Table 3.
[0048]
[Table 3]

[0049]
From Table 3, the effect of the present invention is clear. That is, the same relationship as in Table 1 is recognized between the example sample and the comparative example sample.
[0050]
【The invention's effect】
By controlling the orientation of the ferrite plate-like particles during molding in a magnetic field using the molding apparatus of the present invention, it is possible to prevent interpolar cracks that are likely to occur in a surface multipolar anisotropic ring magnet with a high degree of orientation. . Therefore, it becomes possible to manufacture a high-performance surface multipolar anisotropic ring magnet with high yield.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a main part of a molding apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a main part of a molding apparatus according to a reference example .
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a main part of a conventional molding apparatus.
FIG. 4 is a perspective view showing ferrite plate-like particles.
FIG. 5 is a plan view showing a part of a surface multipolar anisotropic ring magnet and explaining a region A and a region B;
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a part of a surface multipolar anisotropic ring magnet manufactured using the molding apparatus of the present invention.
FIG. 7 is a cross-sectional view showing a part of a surface multipolar anisotropic ring magnet manufactured using a conventional molding apparatus.
[Explanation of symbols]
2 Molding space
3 Formwork
4 Sleeve
5 Core rod
6 coils
11 Ferrite plate particles
12 points

Claims

When producing a surface multipolar anisotropic ring magnet by a sintering method, a molding device used in a molding process in a magnetic field,
A cylindrical mold frame, a sleeve, and a core rod, and a molding space is formed by the inner peripheral surface of the sleeve and the outer peripheral surface of the core rod, and at least a region in contact with the sleeve in the mold frame is a high permeability material. The sleeve is made of a non-magnetic material,
When the number of poles of the magnet to be manufactured is n, n coils for applying a magnetic field exist in the mold,
The sleeve cross-section has a circular inner periphery and an outer periphery having an n-gonal shape, and a surface multipolar anisotropic ring magnet forming apparatus in which each apex of the n-gonal shape exists between adjacent coils.