JP4093399B2 - 信号符号化方法及び信号符号化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は信号符号化方法及び信号符号化装置に関し、特に生体信号等の不規則な信号を高能率に符号化可能な信号符号化方法及び信号符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、信号を解析、符号化する手法としては、フーリエ変換やウェーブレット変換が広く知られており、様々な分野で用いられている。フーリエ変換は信号波形を三角関数の無限級数に変換する手法であり、ウェーブレット変換は信号波形をマザーウェーブレットと呼ばれる基準波形を拡大、縮小及び平行移動させたウェーブレットの和に変換する手法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
フーリエ変換は無限の幅を有する三角関数を用いて波形を表すため、変換結果であるフーリエ級数には時間成分が存在せず、信号波形にどのような周波数成分が含まれているかを知ることはできるが、特定の周波数成分が信号波形中にいつ現れるのかといった時間情報を得ることができない。
【0004】
また、心電波形に代表される生体信号のように不規則な信号をフーリエ級数を用いて高精度に表す(近似する)ためには、多くの項数が必要となり、符号化効率が良くない。
【0005】
一方、ウェーブレット変換では、有限の幅を有するマザーウェーブレットを用いて波形を表すため、変換結果からは信号波形が含む周波数成分のみならずその周波数成分が現れる時間についての情報も得ることが可能である。また、適切なマザーウェーブレットを設定することにより、生体信号のような不規則な信号についても高能率な符号化が可能である。
【0006】
しかし、ウェーブレット変換ではマザーウェーブレットを設定する必要があり、この設定は容易でない。
【0007】
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、生体信号のような不規則な信号を高能率に符号化可能な信号符号化方法及び信号符号化装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、入力信号を符号化する信号符号化方法であって、入力信号を、所定周期の同期タイミングで同期し、かつ同期タイミング以外では互いに同期しない複数の標本化周波数で標本化し、複数の同期標本化系列を生成するに標本化ステップと、入力信号の一周期に含まれる極値を検出する極値検出ステップと、予め定められた基準変調条件に従って、隣接する極値間で用いるべき同期標本化系列を決定する時間スケール変換ステップと、時間スケール変換ステップで決定された同期標本化系列に含まれる標本から変換信号を生成する変換信号生成ステップと、変換信号をフーリエ変換するフーリエ変換ステップとを有することを特徴とする信号符号化方法に存する。
【0009】
また、本発明の別の要旨は、入力信号を符号化する信号符号化方法であって、入力信号に類似した標準信号を、所定の基準波に変換するための測定スケール及び時間スケールの変換条件を取得する変換条件取得ステップと、入力信号の一周期に含まれる極値を検出する極値検出ステップと、入力信号を標準信号に対して求めた測定スケール及び時間スケールの変換条件によって変換し、変換波を生成する変換ステップと、標準信号から生成した基準波と、入力信号から生成した変換波の差分信号を取得する差分ステップと、差分信号をフーリエ変換するフーリエ変換ステップとを有することを特徴とする信号符号化方法に存する。
【0010】
また、本発明の別の要旨は、入力信号を符号化する信号符号化装置であって、入力信号を、所定周期の同期タイミングで同期し、かつ同期タイミング以外では互いに非同期の複数の標本化周波数で標本化し、複数の同期標本化系列を生成する標本化手段と、入力信号の一周期に含まれる極値を検出する極値検出手段と、予め定められた基準変調条件に従って、隣接する極値間で用いるべき同期標本化系列を決定する時間スケール変換手段と、時間スケール変換手段で決定された同期標本化系列に含まれる標本から変換信号を生成する変換信号生成手段と、変換信号をフーリエ変換するフーリエ変換手段とを有することを特徴とする信号符号化装置に存する。
【0011】
また、本発明の別の要旨は、入力信号を符号化する信号符号化装置であって、入力信号に類似した標準信号を、所定の基準波に変換するための測定スケール及び時間スケールの変換条件を取得する変換条件取得手段と、入力信号の一周期に含まれる極値を検出する極値検出手段と、入力信号を標準信号に対して求めた測定スケール及び時間スケールの変換条件によって変換し、変換波を生成する変換手段と、標準信号から生成した基準波と、入力信号から生成した変換波の差分信号を取得する差分手段と、差分信号をフーリエ変換するフーリエ変換手段とを有することを特徴とする信号符号化装置に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
本発明に係る信号符号化方法は、変調(時刻、測定スケールの伸縮)および窓(解析時刻、および区間のこと)を多重系列化標本によってリアルタイムに具現化し、時系列的な周波数解析を実現する方法であって、瞬時のスケール変換、瞬時の窓幅によってにマザーウェーブレットを設定することなく、時系列周波数解析を具現化するものである。
【0013】
このように、本発明に係る信号符号化方法は時刻スケールに”ゆらぎ”を与えて信号を観測する変調観測の一種であり、以下の説明において、変調された時刻スケールを変調時刻スケールと呼ぶ。また、ある観測窓の信号を母集団と呼び、任意の時刻スケール刻みにおいて等間隔標本の標本分布を信号分布と呼ぶ。従って、信号分布は変調方法に従い、変調時刻スケールにおける(等間隔時刻の)信号分布は無変調時刻スケールにおける信号分布に変調時刻スケールの刻み幅を掛けた分布になる。
【0014】
時刻スケールの変調により、同期系列化標本における同期時刻も系列化標本も一様に変調される。従って、フーリエ級数の定数項である信号バイアスm0も変調時刻標本の標本平均である。変調時刻における瞬時スペクトルは変調時刻刻みでの同期標本化であるから、成分の軌跡は変調刻みで正弦波となる。フーリエ級数の和は時刻を変調刻み幅でプロットした軌跡がもとの信号と同じ形態となる。これは、変調標本化によって、時間区分的に変調された周波数の成分が求まることを表す。
【0015】
時刻スケールを変調することは、信号を周波数成分と定数成分に分配することに相当するが、高い周波数成分を低い周波数成分に、あるいはその逆に変調するように分配することが可能で、これは換言すれば時刻スケールの変調によって周波数帯域のダイナミックレンジが拡大されることを意味し、フーリエ級数の少ない項数によって広帯域の信号観測が可能となる。
【0016】
以下、本発明に係る信号符号化方法を、信号波形の一例としての心電波形に適用した場合について説明する。
【0017】
1基本周期に2r個の極値を有する図1のような信号を、測定スケールxの目盛り幅Δxで標本化することを考える。統計的にΔxは階級幅であり、k番目の階級の代表値がxであるときのヒストグラムを考えることに相当する。つまり、隣り合う極値の測定区分[xi,xi+1]の標本xkの度数は1だが区分外では度数は0である。即ち、信号の確率密度関数(分布関数)p(x)は極値の個数によって生成される。
【0018】
ここに分布関数p(x)で表される分布は等間隔の時間信号に対応する分布ではない。統計学における標本の分布とは信号xの分布である。x(t)=sin(2πt)1周期の分布がq(x)=1/(2π√(1-x2))である。しかし、階級幅Δxの離散化標本のヒストグラムから得られるxである確率は何周期であろうが一様分布p(x)になる。したがってq(x)は等間隔時刻標本の分布である。統計学における分布が時間を含む遭遇確率ならばq(x)である。ここで考える分布は、関数があるxを通る個数である。
【0019】
上述した分布関数p(x)は極値間が単調であるという条件から図2のような極値間を直線で結んだ三角波の分布関数と同類である。言い換えれば極値間がどのような単調増加あるいは単調減少するのかについての情報はp(x)には存在しない。その様な情報は極値間の周波数成分に存在する。心電図(ECG)信号でこのことに言及すれば、P,Q,R,S,T,Uのように各波を分類することは、極値に関する情報であって、分布関数p(x)の情報である。同様に、ミネソタコードにおけるrsr’のようなコードは分布関数p(x)の情報である。他方、心電図信号におけるPQ時間幅、QRS時間幅や、ST下降を水平型、ジャンクション型等に分類することは時間(サンプリング)と関連した単調増加あるいは単調減少の情報である。
【0020】
図3に示すような、隣り合う2個の極値(ピーク)の区分座標(ti,xi)、(ti+1,xi+1)の測定スケールを基準区間幅x(tl)-x(tm)に、“一様に”圧縮あるいは伸展するスケール変換を考え、一定振幅の信号に変換する。
【0021】
ここに、i番目の極値間のスケール拡大率kiは、
ki=(x(tl)-x(tm))/(x(ti)-x(ti+1))
で与えられ、変換および逆変換公式は以下の通りである。
変換:Xc(ti+t)=Kix(ti+1)+x(tm)
逆変換:X(ti+t)=(1/Ki)xc(ti+t)+x(ti+1)-(1/Ki)x(tm)
【0022】
スケール変換された図3の信号は、その振幅が一定にされたため、その分布関数p(x)が一様分布に変換されたことになる。このことは、一様分布p(x)は図3に元波形と共に示した三角波の分布と一致することであり、分布関数p(x)の情報がすべて取り除かれて、サンプリング情報に変換できることを意味する。
【0023】
測定スケールを一様に変換することにより、波形にペアノ曲線が出現する。ここで言うペアノ曲線とは、測定スケール変換によって拡大された区間に出現する図4の点Pのような新たな極値である。言い換えれば、測定スケール目盛りが粗いΔxでは見えなかった変動がΔx/2の目盛りで出現すると、分布が一様分布にならないことに対応する。したがって、一様分布へのスケール変換においてペアノ曲線を生成させない条件は、各時間区分のサンプリング比率を振幅拡大率の逆数の比とすることである。
【0024】
即ち、測定スケールの拡大や圧縮による測定の相違を避けるには、ki倍に拡大された区分を基準の(1/ki)倍で一様に時間サンプリングすればよい。
【0025】
信号の処理技術の基盤はピークからピークの区分処理だが、情報としての信号は極値の系列をいう。特に、目測を基本とする心電図診断における符号化は、描画の大きさ、幅などのスケールが定められている。これはペアノ曲線を生成させない条件である。
【0026】
2r個の極値系列からなる信号を一定の振幅に測定スケール変換することはピークからピークの各時間区分の測定スケール幅Δxも同時に変換することであり、これは各区分の時間サンプリングを基準の(1/ki)倍とすることである。
【0027】
さて、上述の測定スケールの変換によって元信号(図5(a))が各時間区分において基準の(1/ki)倍された図5(b)になったものとすると、図5(b)の信号から一様に時間サンプリングされた測定情報は最初に考えた測定情報を保存している。
【0028】
上述のように、各区分の時間サンプリングΔtiを基準の(1/ki)倍とするΔtiとすることで情報は保存される。さて、図5(b)の信号からの標本化周期Δtの標本(現実にはΔti=Δt/kiの標本)は各区分の階級幅Δxiの標本である。
【0029】
ここに、信号値とは各区分の階級幅Δxiに対応する時間の階級幅Δtiの“標本平均”である。したがって、階級幅Δtiをn等分したn個の時刻に対応する信号値がΔxiの標本であるなしにかかわらず、その“標本平均”が階級幅Δxiの標本であることによって、階級幅Δtiの標本がペアノ曲線か、単調増減であるかを統計的には区別できないことが目測である。目測は読み取り系統誤差によって一様分布を与える。
【0030】
一方、階級幅Δtiをn等分した“標本そのもの”は、単調増減信号であるかペアノ曲線であるかを観測できる。言い換えれば、階級幅Δtiをn等分した時刻のサンプリングでは単調信号なら無条件に一様分布だが、ペアノ曲線のときは、階級幅Δtiの範囲のペアノ曲線(極値を持つ信号)を単調な信号になるように間引き観測しなければ一様分布にはならないことであり、Δtiをn等分した時刻のサンプリングの標本なら単調増減信号であれペアノ曲線であれその周波数成分が生じることである。ただし、単調増減信号は各区分幅に関連した基本周期であり、ペアノ曲線ではある区分の階級幅Δtiに関連した基本周期として観測される。
【0031】
さて、上述した一様な測定・時間スケール変換信号から、一様分布を保証する一定の測定スケール目盛Δx=Δxk/nの標本化、すなわち階級幅Δxiをn等分する変調スケールサンプリングを考える。スケール変換は、2r個の極値で区切られたk番目の区分を基準とし、その区分を階級幅Δxkによってn等分する標本化とする。これは、目測の条件からは区分iの階級幅ΔxiをΔxi=Δxk/(n/ki)とする標本化、即ち、区分iの階級幅Δxiを(n/ki)で等分する標本化であって、上述のように、この標本化はペアノ曲線を観測しない標本化である。心電波形を例として具体的なイメージを述べれば、ミネソタコードで指定された基準以外の変化は無視するような時間標本化のタイミングの解析である。図6にそのような時間標本化タイミングの求め方を示した。図6(a)の波形の区分iの階級幅Δxiを(n/ki)で等分する標本化を行うタイミングを図6(a)に、図6(a)の全区分について同様の標本化(変調標本化)を行い、この変調標本化の標本を等間隔に並べた信号の形態に着目すると、図6(b)に示すように、極値の数が2r個のとき振幅が一定のr個の三角波になるのが解かる。
【0032】
しかし、離散化処理では測定スケール目盛り幅Δxが小さいとき、xiからΔxだけ離れたxi+Δxの標本化タイミングの時刻が見出せない事態が起こる。これは図4に示したようなペアノ曲線(極値間が単調増減でなく、ランダムノイズや極値のある信号)が無視されたことによる。したがって、変換信号を三角波とするには、標本化タイミングの時刻を与えて、それに適切な値を与える処理が必要になる。
【0033】
即ち、標本化タイミングtiの時刻の標本xから次の標本x+lΔxの標本化タイミングti+lまでの時刻が存在しないとき、時刻ti+lまでの時刻ti+1,ti+2,...,ti+l-1の標本をti+j・(ti+l-ti)/lの等分割の標本化タイミングの時刻として、その時刻標本を採用すれば、r個の三角波の対応する時刻にぺアノ曲線が加重した変換波形が得られる。ぺアノ曲線がランダムノイズであれば時間窓に一様にぺアノ曲線が三角波に加重される。ぺアノ曲線はti+l-tiに関連した基本周期の信号である。一方、単調な形態の信号では三角波の変換信号となるから、変換波形から三角波を差し引いた差分信号はペアノ曲線である。
【0034】
このような標本化タイミングを信号の変調コードとして、極値の大きさや時間幅のゆらぐ別な信号に適用することを考える。ピーク位置の“ゆらぎ”を一様に伸縮させ上述の極値にフィットさせたときの変換信号である。
【0035】
ところで、離散化標本ではΔxを細かくしたとき標本化タイミングの時刻が存在しないとき、等分割の標本化タイミングの時刻を補間することを述べたが、その“標本値”としてxi+j・(xi+l-xi)/lなる単調な補間値を用いるものとする。この処理は、ペアノ曲線を無視して単調な信号とする目測信号の処理である。したがって、三角波を差し引いた差分信号(三角波からのズレ)は、元信号とゆらぎ信号との単調増減の波形の違いを反映することになる。差分信号の基本周期はズレ幅であり、差分信号波形はそのフーリエ数成分で表現できる。
【0036】
これまで、階級幅Δxiをn等分する時間変調スケール標本化は、単調な信号の抽出にも、ペアノ曲線の抽出にも適用できることを説明してきた。しかし、時間の変調スケール変換をゆらぎ信号(振幅幅、ピーク幅が一定しない信号)に適用するとき、測定スケールや時間スケールを単に一様な伸縮させたフィッティングは得策であると言い難い。生理学的なゆらぎは測定スケールにも時間スケールにも関与するからである。たとえば心電図信号におけるST波形パターンは時間スケールの変調による変換より測定スケールの変調が適切である。
【0037】
医学的には心電図信号は心筋の興奮、回復分布など測定スケールに対応する情報と刺激伝導系のような時間スケールと関連する調節情報からなる。調節は信号の大きさとは独立し、心筋の興奮、回復のトリガとしての役割であることが知られており、これらの変換の合成によって心電図信号が形成される。実際に、興奮、回復分布に関連する診断基準はジャンクション型のST下降とか、0.05mVの下降など大きさによって分類され、このようなパターンは時間スケール変換より測定スケール変換の違いに診断価値がある。一方、PQ延長のような不整脈情報は時間スケール変換の違いに診断価値がある。
【0038】
ところで、上述した一様な階級幅Δxiをn等分する時間サンプリング(測定スケールの変調を行なっていない変換)と、変調測定スケールの変換信号とが同じ三角波になることは、系列化標本において、測定スケールのいわゆる等間隔の系列化標本と変調された時間スケールの等間隔な系列化標本とが測定スケールの変調に対応することであるのがわかる。実際、単調増加を直線的とする変調測定スケール変換では時間スケール変換、即ち、調節が一様となる。
【0039】
図7から、単調増加を直線的とする測定スケールの変調変換は区分的に傾きが異なる三角波(図7(b))となることがわかる。この三角波を傾きの同じ三角波(図7(c))に変換する時間スケール変換は、“目測”を同じにするための区分的に一様な時間スケール変換である。生理学的な表現でいえば、心筋の興奮の時間コントロールが一様に調節されるならば、単なる一様な時間スケール変換である。
【0040】
心筋は機能的合胞体であることが知られているから、生理的なゆらぎの範囲では、興奮や回復分布のゆらぎは興奮伝導の速さ(化学反応速度)に依存した一様な小さい変化であって、分布の形態を大きく変える要因ではない。
【0041】
一方で、刺激伝導系の調節は、これらの分布に先行する遅延による比較的大きなゆらぎであるから、測定スケールの変調を行なうべき区分と時間スケールを行なうべき区分がピークとは異なる波形区分になることがわかる。たとえば、測定スケールの変調はQRSやT分布部分で大きく、時間スケール変換の変調はQRSやT分布の始まりでは大きくすべきこと、またゆらぎ信号への適応は時間スケール変換の変調とすべきことが予測できる。
【0042】
区分幅のみのフィッティングが必要なとき、変調時間スケールを一様に拡大してフィッティングさせたときに生ずる、元波形と三角波の“ずれ”が、興奮や回復分布に対応する部分であれば、フィッティングするまえの変調時間スケールの興奮や回復分布の部分と遅延部分との変調比率を変えることが補正の基本的な考え方となる。
【0043】
ただし、測定スケールや時間スケールを補正する方法は一様ではないし、興奮・回復の大きさも単に調節に帰する一様なものではない。ただ、生理的なゆらぎのときには、ゆらぎに適応する時間スケールのフィッティングは単なる一様なスケール変換した波形をさらに時間スケールを変調させてフィッティングさせたものである。
【0044】
測定スケールや時間スケールの変調は医学的な情報に依存するのだが、ずれのある三角波を測定スケール変調と時間変調に振り分けることによってゆらぎの医学情報を分析できる。
【0045】
興奮分布を疾病と関連づけ、異なる変調コードと位置付けたとき、測定スケールと時間スケールの数学的な関係は信号の微細区分の傾きのみに依存するから、刺激伝導系との“ゆらぎ”に係わる医学的な見解は折線近似として表現できる。より定量的な適応フィッティングはCO2、O2、あるいは薬物など通常の心筋のゆらぎの要因について、折線近似を反応とする量反応関係に依存する。時刻変調の適応フィッティング関数が定まるとき、生理的なゆらぎに適応した時間スケールの最適変調変換を見出すことは、逆に三角波からの“ズレ”からその波形を引き起こす要因を心電図信号から同定できることを表す。
【0046】
さて、適応フィッティングによっても三角波から差分信号が存在すれば、少なくとも医学的には原因不明の何らかの異常である。異常位置は明確であるから診断情報としての質は高い。また、差分信号によって生理的もしくは病理学的な判読も可能である。言い換えれば、病理学的構造のずれが、病的な変調コードによって再変換することで三角波に変換できるからである。
【0047】
如何なるフィッティングもできないゆらぎは、差分波形の周波数成分情報によって元波形に復元できるが、その出現時間帯域は既知であり、その差分信号の基本周期が与えられる(検出できる)から、三角波からその周波数成分は少数項のフーリエ級数で表現できる。つまり、変調コードも出現時間帯域も既知なので、その変調系列化標本のタイミングは求まり、差分波形の変調フーリエ成分の振幅と位相を情報として元波形を再現できる。
【0048】
図10は、本発明に係る信号符号化方法を実施可能な信号符号化装置の構成例を示すブロック図である。
同期系列標本化部100は、複数の発振器を有し、複数の系列標本化が並列して行われる。各系列は一定間隔で標本化を行うと共に、所定の同期タイミングで全系列の標本化タイミングが同期し、それ以外の標本化タイミングでは同時に複数の系列での標本化が行われないような異なる周波数で標本化が行われるように発振器の基本周波数及び分周比が定められる。このような多重標本化系列を生成することにより、瞬時に適切な標本化周波数を有する標本化系列の標本を得ることができる。
【0049】
このような同期系列標本化部100は、素数の積の実数倍の基本周波数を有する複数の発振器を用いることによって実現できる。標本化周波数は符号化対象となる信号の周波数特性及び性質(変動の急峻さや頻度等)により適宜定めればよい。
【0050】
記憶部200は、同期系列標本化部100で標本化された標本(サンプル)のバッファや、変調条件を表すパラメータの格納領域や、制御部300の作業領域として用いられる。
【0051】
制御部300は、図示しないCPUやRAM、ROM等から構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより信号符号化処理を実現させる。なお、このような汎用的な制御部を用いたソフトウェア処理ではなく、以下に説明する処理の一部又は全部を専用のハードウェアによって実現することも可能であり、その場合処理の高速化が実現できる。
【0052】
以下、心電図信号を符号化する場合を例にして、符号化処理について説明する。図11に示すフローチャートは、基本変調条件を設定する際の処理である。まず、同期系列標本化部100により心電波形を標本化し、標本を複数の多重標本化系列として記憶部200に記憶する(ステップS101)。
【0053】
次に、制御部300は、記憶部200に記憶された標本値から、信号の一周期内に含まれるピークを検出する(ステップS103)。心電図信号の場合、その一周期にはP,Q,R,S,T,Uの6つのピークが存在し、Rが他のピークと比較して顕著に大きな値となることが分かっているため、例えば信号の最大値をRとして、その前後のピークを順に定めることによって信号の周期及びピークを特定することができる。
【0054】
そして、一周期分の信号波形標本の隣り合う2個の極値の区分座標の測定スケールを予め定めた基準区間幅に、“一様に”圧縮あるいは伸展するスケール変換を行い、一定振幅の信号に変換する(ステップS105)。なお、基準区間幅は例えば特公平6−44300号に記載される実時間フーリエ変換法による瞬時スペクトルから求めることができる(実時間フィルタから最適窓幅の情報が得られる)。
【0055】
具体的にはステップS103で検出したピークのうち、隣り合うピーク間の振幅が基準区間幅になるよう、記憶部200に記憶されたピーク及びピーク間の標本値に定数を乗じる。
【0056】
次に、時間スケールの変換を行う(ステップS107)。時間スケールの変換は、上述のように、ピーク値で区切られた区分を階級幅によってn等分する標本化がなされるよう、各区分内で選択すべき標本を決定することである。
【0057】
ステップS109において、制御部300は、ステップS105及びステップS107で決定した変調条件を基準変調条件として記憶する。記憶される変調条件としては、ピーク区間毎の基準区間幅と、標本化タイミング(多重標本系列のうち、利用すべき標本系列に関する情報)である。
なお、基準変調条件の決定は、基準心電図信号の複数周期に対して行い、それらの平均値など、統計処理を行った値とすることも可能である。
【0058】
次に、決定された基準変調条件を用いて、符号化対象となる心電図信号(対象信号)の符号化処理について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS101で同期系列標本化部100により、標本化処理を行い、順次記憶部200へ格納してゆく。次に、ステップS103で、上述したようにピーク検出を行うと共に、検出したピークから一周期分の信号波形標本を割り出す。
【0059】
そして、この一周期分の信号波形標本に対し、記憶部200に記憶された基準変調条件を用いて、測定スケール変換(ステップS111)及び時間スケール変換(ステップS113)を行う。すなわち、ステップS103で検出したピークを用い、基準区間幅になるようピーク間毎の測定スケール変換倍率を定めて一定振幅(=基準区間幅)の信号に変換した後、ピーク間で特定の時間間隔の標本を選択する。
【0060】
次に、記憶部200に記憶された、基準波形に対応する三角波(を形成する標本)を用い、対象信号から得られた三角波と、基準波形から得られた三角波の差分信号を求める(ステップS115)。
【0061】
そして、この差分信号に対してフーリエ変換を行い、所定項数のフーリエ級数を補正係数として取得する(ステップS117)。ステップS119で、対象信号の極値座標情報と補正係数を記憶部200に保存する。
ステップS103〜S119の処理を対象信号の各周期毎に繰り返すことで、対象信号の符号化処理が行われる。
【0062】
図8は対象信号である心電波形(a)を多重同期系列標本化(標本点513点、256項である。変調の効果は129項から256項の平均値の分布の分散と等しい分散の最大項数として、統計的に最大フーリエ成分項数nを評価する。このnは513点の独立同期時刻で独立に評価できるから、最適な変調スケール(Pに最適、QRSに最適など)を調べることや、特徴抽出に最適な基準波を見出すことができる。)変調スケールでPQRSTU各波のピークを検出し、測定スケール変換によって等振幅の波形に変換し(b)、これを時間スケール変換(極値間を等分割するような区分化)して三角波(c)を得、これを逆時間スケール変換(d)と逆測定スケール変換(e)によって復元した波形である。復元した信号波形(e)は元波形(a)に完全に一致する。三角波cにおけるピークP’、Q’、R’、S’、T’、U’はそれぞれ元波形のピークP、Q、R、S、T、Uに対応する。
【0063】
図9は、QRS波にノッチが見られる心電図信号(対象信号)(b)に測定スケール変換を行い(d)、さらに時間スケール変換を行って求めた三角波(f)と、基準信号(a)を測定スケール変換(c)、時間スケール変換して求めた三角波(e)との差分信号(g)を求めたものである。差分信号が対象信号と基準信号との際を強調し、QRS(のR−S区間)にノッチが存在するのが解かる。
【0064】
このように、本実施形態の信号符号化方法によれば、対象信号を予め定めた変調条件によって測定スケール及び時間スケール変調し、一定の振幅、周期を有する三角波に変換することにより、基準信号との差が明瞭となるほか、基準信号に対する変調条件があれば、後はピーク値及び基準信号との差に関する情報(少数項のフーリエ級数)のみから対象信号を正確に復元可能であり、効率の良い符号化が可能である。
【0065】
すなわち、本実施形態に係る符号化方法を情報伝送に適用するとき、受信側に予め変調条件(基準区間幅と区間倍率(時間スケールのピーク区間毎の倍率))を送ってあれば、対象信号の2r個のピーク座標情報と適応フィッティングから概略の対象信号を復元できる。また、基準信号との差を示す修正情報(補正係数)を少数項のフーリエ成分の振幅、位相により伝送すれば、対象信号を完全に再現できる。
【0066】
本実施形態に係る符号化方法は対象信号の周波数成分数に情報伝送量が依存しない特徴がある。例えば通常の心電図信号では、一周期(一心拍)あたりP,Q,R,S,T,U波のピーク座標情報、即ち2r=6個の情報で概略が、当初の補正係数を基本周期5項程度と見積もれば、5×2=10個であるから、通常では、16個の情報で1心拍を正確に復元可能に表現できる符号化が実現できる。
【0067】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、測定スケール変調と時間スケール変調の両方を行い、元波形を一定振幅、周期の三角波に変換するものであったが、本実施形態に係る符号化方法は時間スケール変調のみを用いて符号化を行うことを特徴とする。
【0068】
図13を用いて、対象信号として心電図信号を用いた場合の本実施形態における時間スケール変調について説明する。
図13には対象信号である心電図信号の一周期が波形Aとして示されている。また、本実施形態に従って時間スケール変調された心電図信号を波形Bとして示す。また、矩形波Cは区間倍率である。波形図の下に示される区間a,b,c,d,eはそれぞれ元波形Aにおけるピーク間区間であり、それぞれPQ、QR、RS、ST、TU区間に相当する。区間a’,b’,c’,d’,e’は時間スケール変調後のピーク間区間であり、それぞれ元波形における区間a〜eに対応する。
【0069】
さらに、図のp(j)、は原信号の窓幅Tの時間区分割合、q(j)は対応する変換信号の時間区分割合である。局所変調観測のための時間スケール変換はp(j)、q(j)の時間区分割合とk(j)=q(j)/p(j)なる時間区分の局所拡大率によって定義することにより、任意の時間スケール変換を設定できる。p(j)、q(j)の具体的な求め方は様々な方法が考えられる。
【0070】
例えば、n+1〜2nの系列化標本の標本平均のヒストグラムの分散によって、統計的に標本平均の一致を解析条件とすること。例えば10系列で表現するなら、11系列から20系列の10個の標本平均の分散の分布でその時刻の瞬時スペクトルが10項で表現できるか否かを統計的に検定すること。
【0071】
ここで、系列化標本の分散は用いてはならない。系列化標本の分散は平均によってキャンセルされる1〜n項の成分によって作られる分散である。n+1〜2n項の平均値は高域の周波数成分からなるから、その平均値の分布の分散でよい。即ち、この標本化では、ガウスの標本論よりはるかに速く平均値が一致する。
【0072】
言い換えれば、ガウスが述べるランダムな標本化は平均値で見ればある変調サンプリングの一つの標本化に過ぎない。ガウス分布の分散となるなら、1〜n項の成分は存在しないことを表す。
どのような変調条件が最適であるかは対象となる信号そのものに依存するが、第1の実施形態と同様、対象信号の極値を検出して、極値間の周期を最終的にどのような周波数にするかによって定めればよい。ここでは、第1の実施形態と同様にピーク値で区切られた区分を階級幅によってn等分する標本化がなされるような条件(標本化周波数)を定めたものとする。
【0073】
図16は、本実施形態に係る符号化方法の手順を示す。なお、この符号化手順を実施可能な符号化装置のハードウェア構成は、第1の実施形態と同一で良いためここでの説明は省略する。
【0074】
まず、ステップS101において、第1の実施形態と同様にして対象信号の多重同期系列標本化を行い、信号のピーク検出及び一周期の区切り検出を行う(ステップS103)。次に、予め定められた変調条件によって、時間スケールの変換を行う(ステップS121)。変調条件は信号の隣接するピークに挟まれた区間(ピーク区間)毎に定められた標本化周波数であり、実際にはピーク区間毎に変調条件の標本化周波数で標本化を行う標本化系列の標本を選択する。
【0075】
図17は、時間スケールの変調とこの変調による系列化標本との関係を示す図である。図17左に、変調前の多重同期系列化標本の系列毎の標本化タイミングを示す。この標本化時間スケールをピーク区間毎に図17中央に示すように変調する。そして、このような変調標本化系列を用いることによって、図17右図の縦軸に示すような波形が横軸に示すような周波数成分の少ない波形に変換される。
【0076】
従って、ステップS121においては、ピーク間区間毎に予め定められた変調条件に当てはまる系列化標本を選択することにより、時間スケールの変換が行われる。
【0077】
そして、変換後の信号に対し、フーリエ変換を行い、所定数の項数を符号化結果として保存する(ステップS123)。ここで、符号化結果として用いるフーリエ級数の項数は任意に設定可能である。
【0078】
図14及び図15に、図13における対象信号とその時間スケール変調信号の瞬時フーリエ成分を示す。図14は成分の時間軌跡、図15はその振幅スペクトルである。図14(a)及び図15上段に示す元信号と比較し、図14(b)及び図15下段に示す変調信号はかなり少ない成分で表現可能なことが分かる。大まかに見て、無変調元信号では約80項、変調信号では20項程度で表現できることが図から理解される。
【0079】
また、図18に、無変調の元信号と時間スケール変調を行った信号のフーリエ級数を逆変換して得られる信号波形を、項数n=5、10、20、30、70について示す。
【0080】
図において、波形Aが元信号、波形Bが波形Aから求めたフーリエ級数を逆変換して得た再生波形、波形Cが本実施形態による符号化方法により時間スケール変調を行った信号から得たフーリエ級数と変調条件を用いて得た再生波形である。
【0081】
図18(a)〜(e)から明らかなように、本実施形態に係る符号化方法を用いた場合、目視上では20項もあれば十分な精度の再生波形が得られる。これに対し、無変調信号から得たフーリエ級数を用いた場合、70項でも精度は十分でない。
このように、本実施形態によれば、少ない情報で精度の良い信号の符号化が可能となる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による信号符号化方法及び装置によれば、同期時刻における系列化標本平均の一致から、同期時刻ごとに、統計的な最大フーリエ成分項数を定義でき、時間区分的な情報を持つ信号では、測定スケール及び時間スケールの変換とフーリエ解析の精度とを選択できるため、生体信号のような不規則な信号波形を少ない情報で精度良く符号化できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1基本周期に2r個の極値を有する信号の例を示す図である。
【図2】図1の信号とその極値を直線で結んだ信号を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における測定スケール変換を説明する図である。
【図4】ペアノ曲線の例を示す図である。
【図5】時間スケールを一様に変換した信号を変換前の信号と比較した図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における時間スケール変換を実現する標本化タイミングの決定方法を説明する図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における測定スケール変換及び時間スケール変換により得られる三角波を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における符号化方法の過程で得られる波形及び符号化結果から再生した波形を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における符号化方法で対象信号を符号化した場合の各種波形を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る信号符号化方法を実施可能な信号符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の第1の実施形態における基本変調条件決定処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態における符号化処理手順を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態における対象波形とその時間スケール変調波形並びに区間倍率を示す図である。
【図14】図13における対象信号とその時間スケール変調信号の瞬時フーリエ成分(成分の時間軌跡)を示す図である。
【図15】図13における対象信号とその時間スケール変調信号の瞬時フーリエ成分(振幅スペクトル)を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態における符号化処理手順を説明するフローチャートである。
【図17】時間スケールの変調とこの変調による系列化標本との関係を示す図である。
【図18】無変調の元信号と時間スケール変調を行った信号のフーリエ級数を逆変換して得られる信号波形を、項数n=5、10、20、30、70について示した図である。
Claims (8)
- 入力信号を符号化する信号符号化方法であって、
前記入力信号を、所定周期の同期タイミングで同期し、かつ前記同期タイミング以外では互いに同期しない複数の標本化周波数で標本化し、複数の同期標本化系列を生成するに標本化ステップと、
前記入力信号の一周期に含まれる極値を検出する極値検出ステップと、
予め定められた基準変調条件に従って、隣接する前記極値間で用いるべき前記同期標本化系列を決定する時間スケール変換ステップと、
前記時間スケール変換ステップで決定された同期標本化系列に含まれる標本から変換信号を生成する変換信号生成ステップと、
前記変換信号をフーリエ変換するフーリエ変換ステップとを有することを特徴とする信号符号化方法。 - 入力信号を符号化する信号符号化方法であって、
前記入力信号に類似した標準信号を、所定の基準波に変換するための測定スケール及び時間スケールの変換条件を取得する変換条件取得ステップと、
前記入力信号の一周期に含まれる極値を検出する極値検出ステップと、
前記入力信号を前記標準信号に対して求めた測定スケール及び時間スケールの変換条件によって変換し、変換波を生成する変換ステップと、
前記標準信号から生成した基準波と、前記入力信号から生成した変換波の差分信号を取得する差分ステップと、
前記差分信号をフーリエ変換するフーリエ変換ステップとを有することを特徴とする信号符号化方法。 - 前記入力信号を、所定周期の同期タイミングで同期し、かつ前記同期タイミング以外では互いに非同期の複数の標本化周波数で標本化し、複数の同期時刻系列を生成する標本化ステップをさらに有することを特徴とする請求項2記載の信号符号化方法。
- 前記測定スケールの変換条件が、隣接する前記極値間に含まれる標本値を、前記極値の差が所定の一定値となるように変換するための条件であることを特徴とする請求項3記載の信号符号化方法。
- 前記時間スケールの変換条件が、隣接する前記極値間で用いるべき前記同期標本化系列に関する条件であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の信号符号化方法。
- 前記基準波が一定振幅及び一定の傾きを有する三角波であることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の信号符号化方法。
- 入力信号を符号化する信号符号化装置であって、
前記入力信号を、所定周期の同期タイミングで同期し、かつ前記同期タイミング以外では互いに非同期の複数の標本化周波数で標本化し、複数の同期標本化系列を生成するに標本化手段と、
前記入力信号の一周期に含まれる極値を検出する極値検出手段と、
予め定められた基準変調条件に従って、隣接する前記極値間で用いるべき前記同期標本化系列を決定する時間スケール変換手段と、
前記時間スケール変換手段で決定された同期標本化系列に含まれる標本から変換信号を生成する変換信号生成手段と、
前記変換信号をフーリエ変換するフーリエ変換手段とを有することを特徴とする信号符号化装置。 - 入力信号を符号化する信号符号化装置であって、
前記入力信号に類似した標準信号を、所定の基準波に変換するための測定スケール及び時間スケールの変換条件を取得する変換条件取得手段と、
前記入力信号の一周期に含まれる極値を検出する極値検出手段と、
前記入力信号を前記標準信号に対して求めた測定スケール及び時間スケールの変換条件によって変換し、変換波を生成する変換手段と、
前記標準信号から生成した基準波と、前記入力信号から生成した変換波の差分信号を取得する差分手段と、
前記差分信号をフーリエ変換するフーリエ変換手段とを有することを特徴とする信号符号化装置。
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