JP4089221B2 - Polymer solid electrolyte and battery - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高分子固体電解質に関し、特に、電池、キャパシター、センサー等の電気化学デバイス用材料として好適な高分子固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電池、キャパシター、センサーなどの電気化学デバイスを構成する電解質は、イオン伝導性の点から溶液またはペースト状のものが用いられているが、液漏れによる機器の損傷の恐れがあること、また電解液を含浸させるセパレーターを必要とするので、デバイスの超小型化、薄型化に限界があることなどの問題点が指摘されている。これに対し無機結晶性物質、無機ガラス、有機高分子系物質などの固体電解質が提案されている。有機高分子系物質は一般に加工性、成形性に優れ、得られる固体電解質が柔軟性、曲げ加工性を有し、応用されるデバイスの設計の自由度が高くなることなどの点からその進展が期待されている。しかしながら、イオン伝導性の面では他の材質より劣っているのが現状である。
【0003】
エチレンオキシドの単独重合体とアリカリ金属イオン系におけるイオン伝導性の発見より、高分子固体電解質の研究は活発に行われるようになった。その結果、ポリマーマトリックスとしては、その運動性の高さ及び金属カチオンの溶解性の点でポリエチレンオキシドなどのポリエーテルが最も有望と考えられている。イオンの移動はポリマーの結晶部ではなくアモルファス部分で起こることが予測されている。それ以来、ポリエチレンオキシドの結晶性を低下させるために、種々のエポキシドとの共重合が行われてきている。特公昭62−249361号公報には、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体からなる固体電解質、米国特許USP 4,818,644号公報にはエチレンオキシドとメチルグリシジルエーテルとの共重合体からなる固体電解質が示されている。しかしながら、いずれもイオン伝導度は必ずしも満足のいくものではなかった。
【0004】
また、ジエチレングリコールメチルグリシジルエーテル−エチレンオキシド共重合体に特定のアルカリ金属塩を含有させて高分子固体電解質に応用する試みが特開平9−324114号公報に提案されているが、実用的に充分なイオン伝導度の値は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、加工性、成形性、機械的強度、柔軟性や耐熱性などに優れており、かつイオン伝導性も優れている高分子固体電解質を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、側鎖にシロキサン結合を有するポリエーテル重合体と、電解質塩化合物を含むことを特徴とする高分子固体電解質である。詳しくは(A)側鎖にシロキサン結合を有するポリエーテル重合体と、(B)電解質塩化合物、(C)要すれば存在する、非プロトン性有機溶媒、および数平均分子量が200〜5000の直鎖型または分岐型のポリアルキレングリコールの誘導体から選択された可塑剤を含むことを特徴とする高分子固体電解質である。
【0007】
ポリエーテル重合体(A)は、側鎖にシロキサン結合(−SiO−)を有するものであり、更に、架橋反応が可能な反応性官能基を有していてもよい重合体である。
【0008】
側鎖にシロキサン結合を有する架橋可能なポリエーテル重合体の製造方法は、シロキサン結合を有するオキシラン化合物との共重合をする方法、あるいは、不飽和基を有するポリエーテル重合体にSi-H基を有するポリシロキサン化合物をヒドロシリル化反応によりグラフトする方法などがある。
【0009】
シロキサン結合を有するオキシラン化合物との共重合により製造する方法では、
(I)構成単位(i)を誘導するオキシラン化合物(エチレンオキシド)と、
(II)構成単位(ii)を誘導するオキシラン化合物と、
(III)構成単位(iii)を誘導するオキシラン化合物とを共重合することによって、ポリエーテル重合体を得ることができる。
オキシラン化合物(I)〜(III)に加えて、
(IV)構成単位(iv)を誘導する架橋可能な反応性基を有するオキシラン化合物を更に共重合してもよい。
【0010】
【化5】
【化6】
[式中、R1は炭素数4以下のアルキル基または -CH2-O-(-CH2-CH2-O-)n-CH3または-CH2-O-CH[(-CH2-CH2-O-)n-CH3]2を表し、nは0〜12 の整数を示す。]
式(ii)において、R1の例は、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基であり、nは、例えば、0〜8、特に1〜4の整数であってよい。
【0011】
【化7】
[式中、R3は炭素数1〜5のアルキレン基又は(Si)-CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C)基、xは0〜50、yは0〜50、zは0〜5、pは0〜50の整数を示す。]
【0012】
式(iii)において、R3の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基およびペンチル基であり、xおよびyは例えば、0〜50、特に、0〜20の整数であり、zは、例えば、0〜5、特に、0〜3の整数であり、pは、例えば、0〜50、特に、0〜30の整数である。
【0013】
【化8】
[式中、R2は反応性基を有する官能基を示す。]
【0014】
構成単位(i)を誘導するオキシラン化合物(I)は、エチレンオキシドである。
構成単位(ii)を誘導するオキシラン化合物(II)には、置換基を有していてもよいアルキレンオキサイド、グリシジルエーテル化合物などが挙げられる。具体的には、プロピレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、1,2-エポキシヘキサン、エチレングリコールメチルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールメチルグリシジルエーテル、トリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル、1,3-ビス(2-メトキシエトキシ)プロパン2-グリシジルエーテル、1,3-ビス[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]プロパン2-グリシジルエーテルなどのオキシラン化合物が挙げられる。
【0015】
構成単位(iii)を誘導するシロキサン結合を有するオキシラン化合物(III)の例は、式(iii-1)で表される化合物である。
【化9】
[式中、R3は炭素数1〜5のアルキレン基又は (Si)-CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C)、xは0〜50、yは0〜50、zは0〜5、pは0〜50の整数を示す。]
【0016】
オキシラン化合物(iii-1)は,好ましくは式(iii-2)および式(iii-3)で表される化合物である。
【化10】
[式中、R3は炭素数1〜5のアルキレン基又は (Si)-CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C)、xは1〜10の整数を示す。]
【化11】
[式中、R3は炭素数1〜5のアルキレン基又は (Si)-CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C)、yは0〜10の整数を示す。]
【0017】
構成単位(iv)を誘導する反応性官能基を有するオキシラン化合物の反応性官能基の例は、(a)反応性ケイ素基、(b)メチルエポキシ基、(c)エチレン性不飽和基または(d)ハロゲン原子である。
【0018】
(a)反応性ケイ素基を有するオキシラン化合物には、2-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4-グリシドキシブチルメチルトリメトキシシラン、3-(1,2−エポキシ)プロピルトリメトキシシラン、4-(1,2−エポキシ)ブチルトリメトキシシラン、5-(1,2−エポキシ)ペンチルトリメトキシシラン、1-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
これらの中で、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランが特に好ましい。
【0019】
(b)メチルエポキシ基を有するオキシラン化合物には、2,3-エポキシプロピル-2',3'-エポキシ-2'-メチルプロピルエーテル、エチレングコール-2,3-エポキシプロピル-2',3'-エポキシ-2'-メチルプロピルエーテル、及びジエチレングリコール-2,3-エポキシプロピル-2',3'-エポキシ-2'-メチルプロピルエーテル、2-メチル-1,2,3,4-ジエポキシブタン、2-メチル-1,2,4,5-ジエポキシペンタン、2-メチル-1,2,5,6-ジエポキシヘキサン、ヒドロキノン-2,3-エポキシプロピル-2',3'-エポキシ-2'-メチルプロピルエーテル、カテコール-2,3-エポキシプロピル-2',3'-エポキシ-2'-メチルプロピルエーテルなどが挙げられる。
【0020】
その中でも、特に2,3-エポキシプロピル-2',3'-エポキシ-2'-メチルプロピルエーテル、及びエチレングリコール-2,3-エポキシプロピル-2',3'-エポキシ-2'-メチルプロピルエーテルが好ましい。
【0021】
(c)エチレン性不飽和基を有するオキシラン化合物には、アリルグリシジルエーテル、4-ビニルシクロヘキシルグリシジルエーテル、α-テルピニルグリシジルエーテル、シクロヘキセニルメチルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルフェニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、3,4-エポキシ-1-ブテン、3,4-エポキシ-1-ペンテン、4,5-エポキシ-2-ペンテン、1,2-エポキシ-5,9-シクロドデカジエン、3,4-エポキシ-1-ビニルシクロヘキセン、1,2-エポキシ-5-シクロオクテン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ソルビン酸グリシジル、ケイ皮酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、グリシジル-4-ヘキセノエートが用いられる。
好ましくは、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルが挙げられる。
【0022】
(d)ハロゲン原子を有するオキシラン化合物には、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、エピクロロヒドリンが挙げられる。
【0023】
側鎖にシロキサン結合を有するポリエーテル重合体の重合法は、エチレンオキサイド部分の開環反応により重合体を得る重合法であり、本出願人の特開昭63−154736号公報および特開昭62−169823号公報に記載の方法と同様にして行われる。
【0024】
重合反応は次のようして行える。開環重合用触媒として有機アルミニウムを主体とする触媒系、有機亜鉛を主体とする触媒系、有機錫-リン酸エステル縮合物触媒系などを用いて、各モノマーを溶媒の存在下又は不存在下、反応温度10〜80℃、撹拌下で反応させることによってポリエーテル重合体が得られる。なかでも、作られる重合体の重合度および性質などの点から、有機錫-リン酸エステル縮合物触媒系が特に好ましい。重合反応において反応性官能基は反応せず、反応性官能基を有するポリエーテル重合体が得られる。
【0025】
不飽和基を有するポリエーテル重合体にSi-H基を有するポリシロキサン化合物をヒドロシリル化反応によりグラフトして、側鎖にシロキサン結合を有するポリエーテル重合体を得る方法では、構成単位(i)を誘導するオキシラン化合物(I)(エチレンオキシド)と、構成単位(ii)を誘導するオキシラン化合物(II)を、必要により構成単位(iv)を誘導する架橋可能な反応性基(不飽和基)を有するオキシラン化合物(IV)とともに、共重合して得られたポリマーに、式(v)で示されるSi-H基を有するポリシロキサン化合物をヒドロシリル化反応によりグラフトすることによってポリエーテル重合体が得られる。
【0026】
【化12】
【化13】
[式中、R1は炭素数4以下のアルキル基または -CH2-O-(-CH2-CH2-O-)n-CH3または-CH2-O-CH[(-CH2-CH2-O-)n-CH3]2を表し、nは0〜12 の整数を示す。]
【0027】
【化14】
[式中、R3は炭素数1〜5のアルキレン基又は(Si)-CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C)、xは0〜50、yは0〜50、zは0〜5、pは0〜50の整数を示す。]
【化15】
[式中、R2は反応性基を有する官能基を示す。]
【化16】
[式中、xは0〜50、yは0〜50、zは0〜5、pは0〜50の整数を示す。]
【0028】
ヒドロシリル化反応の触媒の例としては、パラジウム、白金などの遷移金属あるいはそれらの化合物、錯体が挙げられる。また、過酸化物、アミン、ホスフィンも用いられる。最も一般的な触媒はジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、塩化白金酸、白金カルボニルビニルメチル錯体などの白金錯体が挙げられる。
【0029】
本発明の高分子固体電解質に使われるポリエーテル重合体に含まれる構成単位(i)の割合は10〜80重量%、好ましくは20〜80重量%、構成単位(ii)の割合は10〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、構成単位(iii)の割合は2〜70重量%、好ましくは2〜60重量%、構成単位(iv)の割合は0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%である。
【0030】
構成単位(iii)の割合が2重量%以上であると、イオン伝導性がより高い。また、90重量%以下であると、電解質塩化合物の溶解性が良好であり、イオン伝導性が高い。
【0031】
一般にガラス転移温度を下げることによりイオン伝導性が向上することは知られているが、本発明のポリエーテル重合体の場合はイオン伝導性の向上効果は格段に大きいことがわかった。
【0032】
ポリエーテル重合体の分子量は、良好な加工性、成形性、機械的強度、柔軟性を得るために、重量平均分子量104〜107の範囲内、好ましくは105〜5×106の範囲内のものが好ましい。
【0033】
本発明においてはポリエーテル重合体のガラス転移温度は−65℃以下、融解熱量は60J/g以下のものが好ましい。ガラス転移温度及び融解熱量が上記値にあると、イオン伝導性が高い。ポリエーテル重合体のガラス転移温度及び融解熱量は示差走査熱量計(DSC)により測定したものである。
【0034】
本発明のポリエーテル重合体は、共重合体であることが好ましい。ポリエーテル重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれのタイプでも良い。ランダム共重合体の方がよりポリエチレンオキシドの結晶性を低下させる効果が大きいので好ましい。
【0035】
反応性官能基が反応性ケイ素基である重合体の架橋方法としては、反応性ケイ素基と水との反応によって架橋できる。反応性を高めるには、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート等のスズ化合物、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート等のアルミニウム等のアルミニウム化合物などの有機金属化合物、あるいは、ブチルアミン、オクチルアミン等のアミン系化合物などを触媒として用いても良い。
【0036】
反応性官能基がメチルエポキシ基であるポリエーテル重合体の架橋方法においてはポリアミン類、酸無水物類などが用いられる。
ポリアミン類としては、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ポリアミン等が挙げられる。ポリアミンの添加量はポリアミンの種類により異なるが、通常、可塑剤を除いた組成物全体(即ち、固体電解質から可塑剤を除いた組成物)の0.1〜10重量%の範囲である。
【0037】
酸無水物類としては、無水マレイン酸、無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。酸無水物類の添加量は酸無水物の種類により異なるが、通常、可塑剤を除いた組成物全体の0.1〜10重量%の範囲である。これらの架橋には促進剤を用いても良く、ポリアミン類の架橋反応にはフェノール、クレゾール、レゾルシンなどがあり、酸無水物類の架橋反応にはベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノエチル)フェノール、ジメチルアニリンなどがある。促進剤の添加量は促進剤により異なるが、通常、架橋剤の0.1〜10重量%の範囲である。
【0038】
反応性官能基がエチレン性不飽和基であるポリエーテル重合体の架橋方法としては、有機過酸化物、アゾ化合物等から選ばれるラジカル開始剤、紫外線、電子線等の活性エネルギー線が用いられる。更には、水素化ケイ素を有する架橋剤を用いる事もできる。
【0039】
有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル等、通常架橋用途に使用されているものが用いられ、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、等が挙げられる。有機過酸化物の添加量は有機過酸化物の種類により異なるが、通常、可塑剤を除いた組成物全体の0.1〜10重量%の範囲内である。
【0040】
アゾ化合物としてはアゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物等、通常架橋用途に使用されているものが用いられ、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2-メチル-N-フェニルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'-アゾビス(2-メチルプロパン)、2,2'-アゾビス[2-(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。アゾ化合物の添加量はアゾ化合物の種類により異なるが、通常、可塑剤を除いた組成物全体の0.1〜10重量%の範囲内である。
【0041】
紫外線等の活性エネルギー線照射による架橋においては、反応性官能基含有モノマー成分のうち、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ケイ皮酸グリシジルが特に好ましい。
また、増感助剤としてジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、フェニルケトン等のアセトフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン等のチオキサントン類、3-スルホニルアジド安息香酸、4-スルホニルアジド安息香酸等のアジド類等を任意に用いることができる。
【0042】
架橋助剤としてエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジメタクリレート、アリルメタリクレート、アリルアクリレート、ジアリルマレート、トリアリルイソシアヌレート、ビスフェニルマレイミド、無水マレイン酸等を任意に用いることができる。
【0043】
エチレン性不飽和基を架橋する水素化ケイ素を有する化合物としては、少なくとも2個の水素化ケイ素を有する化合物が用いられる。特にポリシロキサン化合物またはポリシラン化合物が良い。
ポリシロキサン化合物としては式(a-1)もしくは式(a-2)で表される線状ポリシロキサン化合物、又は式(a-3)で表される環状ポリシロキサン化合物がある。
【0044】
【化17】
【化18】
【化19】
【0045】
但し、式(a-1)〜式(a-3)式に於いてR10, R11, R12, R13, R14,R15, R16, R17 および R18は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基を表し、n≧2 、 m≧0 、2≦m+n≦300を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基などの低級アルキル基が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基が好ましい。
【0046】
ポリシラン化合物としては式(b-1)で表される線状ポリシラン化合物が用いられる。
【化20】
但し、式(b-1)に於いてR19, R20, R21, R22及びR23 は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基を表し、n≧2 、 m≧0 、2≦m+n≦100を表す。
【0047】
ヒドロシリル化反応の触媒の例としては、パラジウム、白金などの遷移金属あるいはそれらの化合物、錯体が挙げられる。また、過酸化物、アミン、ホスフィンも用いられる。最も一般的な触媒はジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、塩化白金酸が挙げられる。
【0048】
ハロゲン原子含有のポリエーテル重合体の架橋方法としては、ポリアミン類、メルカプトイミダゾリン類、メルカプトピリミジン類、チオウレア類、ポリメルカプタン類等の架橋剤が用いられる。ポリアミン類としては、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。メルカプトイミダゾリン類としては2-メルカプトイミダゾリン、4-メチル-2-メルカプトイミダゾリン等が挙げられる。メルカプトピリミジン類としては2-メルカプトピリミジン、4,6-ジメチル-2-メルカプトピリミジン、等が挙げられる。チオウレア類としてはエチレンチオウレア、ジブチルチオウレアなどが挙げられる。ポリメルカプタン類としては2-ジブチルアミノ-4,6-ジメチルカプト-s-トリアジン、2-フェニルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、等が挙げられる。架橋剤の添加量は架橋剤の種類により異なるが、通常、可塑剤を除いた組成物全体の0.1〜30重量%の範囲である。
【0049】
また、高分子固体電解質に更に受酸剤となる金属化合物を添加することは、ハロゲン含有ポリマーの熱安定性の見地から有効である。このような受酸剤となる金属酸化物としては、周期律表第II族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期律表VIa族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸塩等がある。具体的な例としては、マグネシア、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、鉛丹、ステアリン酸錫、等を挙げることができる。上記受酸剤となる金属化合物の配合量は種類により異なるが、通常、可塑剤を除いた組成物全体の0.1〜30重量%の範囲である。
【0050】
本発明において用いられる電解質塩化合物は、架橋されていないかまたは架橋されているポリエーテル重合体、および可塑剤からなる混合物に可溶であることが好ましい。本発明においては、以下に挙げる塩化合物が好ましく用いられる。
【0051】
即ち、金属陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウムイオン、及びグアニジウムイオンから選ばれた陽イオンと、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、硝酸イオン、AsF6 −、PF6 −、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7,7,8,8-テトラシアノ-p-キノジメタンイオン、X1SO3 −、[(X1SO2)(X2SO2)N]−、[(X1SO2)(X2SO2)(X3SO2)C]−、及び[(X1SO2)(X2SO2)YC]−から選ばれた陰イオンとからなる化合物が挙げられる。但し、X1、X2、X3及びYは電子吸引性基である。好ましくはX1、X2、及びX3は各々独立して炭素数が1から6迄のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール基であり、Yはニトロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基又はシアノ基である。X1、X2及びX3は各々同一であっても、異なっていてもよい。金属陽イオンとしては遷移金属の陽イオンを用いる事ができる。好ましくはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn及びAg金属から選ばれた金属の陽イオンが用いられる。又、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca及びBa金属から選ばれた金属の陽イオンを用いても好ましい結果が得られる。電解質塩化合物として前述の化合物を2種類以上併用することは自由である。
【0052】
本発明において、電解質塩化合物の使用量は、ポリエーテル重合体100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは3〜20重部の範囲がよい。電解質塩化合物の量が50重量部以下であると、加工性、成形性及び得られた固体電解質の機械的強度や柔軟性が良好であり、さらにイオン伝導性も高い。
【0053】
可塑剤は、非プロトン性有機溶媒、または数平均分子量が200〜5000の直鎖型または分岐型のポリアルキレングリコールである。
非プロトン性有機溶媒としては、非プロトン性のエーテル類及びエステル類が好ましい。具体的には、プロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジメトキプロパン、3-メチル-2-オキサゾリドン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、4,4-メチル-1,3-ジオキソラン、tert-ブチルエーテル、iso-ブチルエーテル、1,2-エトキシメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングライム、エチレンジグライム、メチルテトラグライム、メチルトリグライム、メチルジグライム、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等が挙げられ、これらの2種以上の混合物を用いても良い。特に好ましいのはプロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、ブチレンカーボネート、3-メチル-2-オキサゾリンである。又ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテルも特に好ましい有機溶媒である。
【0054】
直鎖型または分岐型のポリアルキレングリコールの誘導体としては、数平均分子量が200〜5000のポリアルキレングリコールから得られるものである。ポリアルキレングリコールとしてはポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール等が挙げられ、その誘導体としては炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のアルケニル基からなるエステル誘導体又はエーテル誘導体がある。
【0055】
誘導体の内、エーテル誘導体としてはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジアリルエーテル等のジエーテル類、エステル誘導体としては、ポリアルキレングリコールジ酢酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールジ酢酸エステル)等のジエステル類を挙げることができる。
【0056】
使用するポリアルキレングリコールの数平均分子量の更に好ましい範囲は200〜2000である。
可塑剤の配合割合は任意であるが、ポリエーテル重合体100重量部に対して、0〜2000重量部、好ましくは5〜1000重量部である。
【0057】
高分子固体電解質を使用する際に難燃性が必要な場合には、難燃剤を使用できる。難燃剤として、臭素化エポキシ化合物、テトラブロムビスフェノールA、塩素化パラフィン等のハロゲン化物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸エステル、ポリリン酸塩、及びホウ酸亜鉛から選択して有効量を添加する。
【0058】
本発明の高分子固体電解質の製造方法は特に制約はないが、通常夫々の成分を機械的に混合すればよい。架橋を必要とするポリエーテル重合体の場合には、それぞれの成分を機械的に混合後、架橋させるなどの方法によって製造されるが、架橋後に可塑剤に長時間浸漬して含浸させても良い。機械的に混合する手段としては、各種ニーダー類、オープンロール、押出機などを任意に使用できる。
【0059】
反応性官能基が反応性ケイ素基である場合に、架橋反応に用いられる水の量は、雰囲気中の湿気によっても容易に起こるので特に制限されない。短時間冷水又は温水浴に通すか、又はスチーム雰囲気にさらす事で架橋する事もできる。
【0060】
反応性官能基がエチレン性不飽和基である場合に、ラジカル開始剤を利用すると、10℃〜200℃の温度条件下1分〜20時間で架橋反応が終了する。また、紫外線等のエネルギー線を利用する場合、一般には増感剤が用いられる。通常、10℃〜150℃の温度条件下0.1秒〜1時間で架橋反応が終了する。水素化ケイ素を有する架橋剤では10℃〜180℃の温度条件下10分〜10時間で架橋反応が終了する。
【0061】
電解質塩化合物および可塑剤をポリエーテル重合体に混合する方法は特に制約されないが、電解質塩化合物および可塑剤を含む有機溶媒にポリエーテル重合体を長時間浸漬して含浸させる方法、電解質塩化合物および可塑剤をポリエーテル重合体へ機械的に混合させる方法、ポリエーテル重合体および電解質塩化合物を可塑剤に溶かして混合させる方法あるいはポリエーテル重合体を一度他の有機溶媒に溶かした後、可塑剤を混合させる方法などがある。有機溶媒を使用して製造する場合は、各種の極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が単独、或いは混合して用いられる。
【0062】
本発明で示された高分子固体電解質は機械的強度と柔軟性に優れており、その性質を利用して大面積薄膜形状の固体電解質とすることが容易に得られる。例えば本発明の高分子電解質を用いた電池の作製が可能である。この場合、正極材料としてはリチウム-マンガン複合酸化物、コバルト酸リチウム、五酸化バナジウム、オリビン型リン酸鉄、ポリアセチレン、ポリピレン、ポリアニリン、ポリフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリピロール、ポリフラン、ポリアズレン等がある。負極材料としてはリチウムがグラファイトあるいはカーボンの層間に吸蔵された層間化合物、リチウム金属、リチウム-鉛合金等がある。また高い電気伝導性を利用してアルカリ金属イオン、Cuイオン、Caイオン、及びMgイオン等の陽イオンのイオン電極の隔膜としての利用も考えられる。本発明の高分子固体電解質は特に電池、キャパシター、センサー等の電気化学デバイス用材料として好適である。
【0063】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0064】
以下の例において、分析は次のようにして行った。
ポリエーテル多元共重合体のモノマー換算組成は1H NMR スペクトルにより求めた。
ポリエーテル多元共重合体の分子量測定にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定を行い、標準ポリスチレン換算により分子量を算出した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定は株式会社島津製作所の測定装置 RID-6A、昭和電工(株)製カラムのショウデックス KD-807、KD-806、KD-806M 及びKD-803、及び溶媒 DMF(ジメチルホルムアミド) を用いて 60℃で行った。
【0065】
ガラス転移温度、融解熱量は理学電気(株)製示差走査熱量計 DSC8230B を用い、窒素雰囲気中、温度範囲 -100〜80℃、昇温速度 10℃/min で測定した。
導電率σを測定するためにサンプルフィルムを事前に 70℃、12時間真空乾燥を行った。導電率の測定は 15℃で行い、フィルムを SUS 製の電極ではさみ、電圧 0.5V、周波数範囲 5Hz〜1MHz の交流法を用い、複素インピーダンス法により算出した。
【0066】
合成例1(触媒の製造)
撹拌機、温度計及び蒸留装置を備えた3つ口フラスコにトリブチル錫クロライド10g及びトリブチルホスフェート35gを入れ、窒素気流下に撹拌しながら250℃で20分間加熱して留出物を留去させ残留物として固体状の縮合物質を得た。以後これを重合用触媒として使用した。
【0067】
実施例1
内容量 3L のガラス製4つ口フラスコの内部を窒素置換し、これに触媒として触媒の製造例で示した縮合物質5gと水分10ppm以下に調整したプロピレンオキシド20g、アリルグリシジルエーテル8g及び溶媒としてn−ヘキサン2,000gを仕込み、エチレンオキシド124gはアリルグリシジルエーテルの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加し、ポリシロキサンを有するオキシラン化合物(式(11))200gをアリルグリシジルエーテルの重合率が 20% 時に添加した。重合反応はメタノールで停止した。デカンテーションによりポリマーを取り出した後、減圧下常温で 24時間、更に減圧下 45℃で 10時間乾燥してポリマー 150gを得た。この共重合体のガラス転移温度は-72℃、重量平均分子量は85万、融解熱量は34J/gであった。
【0068】
1H NMR スペクトルによるこの重合体のモノマー換算組成分析結果はポリシロキサンを有するオキシラン化合物(式(11))9重量%、エチレンオキシド 76重量%、プロピレンオキシド11重量%、アリルグリシジルエーテル 4重量% であった。
【化21】
(Mn 2,000)
【0069】
実施例2
内容量3Lのガラス製 4つ口フラスコの内部を窒素置換し、これに触媒として触媒の製造例で示した縮合物質5gと水分10ppm以下に調整したジエチレングリコールメチルグリシジルエーテル160g、3,4-エポキシ-1ブテンエーテル15g及び溶媒としてn-ヘキサン2,000gを仕込み、エチレンオキシド340gは3,4−エポキシ−1ブテンエーテルの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加し、シロキサン結合を有するオキシラン化合物(式(12))320gを3,4-エポキシ-1ブテンエーテルの重合率が20%時に添加した。重合反応はメタノールで停止した。デカンテーションによりポリマーを取り出した後、常圧下40℃で24時間、更に減圧下45℃で10時間乾燥してポリマー542gを得た。この共重合体のガラス転移温度は-76℃、重量平均分子量は105万、融解熱量は3J/gであった。
【0070】
1H NMR スペクトルによるこの重合体のモノマー換算組成分析結果はシロキサン結合を有するオキシラン化合物(式(12))18重量%、ジエチレングリコールメチルグリシジルエーテル 24重量%、エチレンオキシド 56重量%、3,4−エポキシ−1ブテンエーテル 2重量% であった。
【化22】
【0071】
実施例3
実施例1で得られたポリエーテル共重合体1g、及び有機過酸化物ジクミルパーオキサイド0.015gをアセトニトリル20ml に溶解し、LiTFSI (リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド)0.15g のテトラヒドロフラン溶液5mlを混合した。この混合液をポリテトラフルオロエチレン製モールド上にキャストして乾燥した後、窒素雰囲気下、140℃、30分加熱して架橋フィルムを得た。固体電解質の導電率は2.5 x 10−4S/cmであった。
【0072】
実施例4
実施例2で得られたポリエーテル共重合体 1g、及び有機過酸化物ベンゾイルオキサイド0.015gをアセトニトリル 20ml に溶解し、LiTFSI 0.15g のテトラヒドロフラン溶液5mlを混合した。この混合液をポリテトラフルオロエチレン製モールド上にキャストして乾燥した後、窒素雰囲気下、100℃、3hr加熱して架橋フィルムを得た。固体電解質の導電率は4.2 x 10−4S/cmであった。
【0073】
実施例5
300mlのガラス製フラスコの内部を窒素置換し、メチルエチルケトン 100ml を加えて、エチレンオキシド/トリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル/アリルグリシジルエーテル= 47/47/6 重量%の3元共重合体(重量平均分子量は 105万) 10g、塩化白金酸 0.3g、LiTFSI 0.15g、Si-H を有するポリシロキサン化合物(式(13))1g、および架橋剤として両末端に Si-H を有するポリシロキサン化合物(式(14))1g を添加して溶解させた。
この混合液の 10ml をポリテトラフルオロエチレン製モールド上にキャストして、溶媒を除去し、40℃で1時間後、架橋フィルムを得た。実施例1と同様の方法で架橋フィルムの特性を測定した。
固体電解質の導電率は 2.3 x 10−4S/cm であった。
【0074】
【化23】
(n/m=2, Mn 1,500)
【化24】
(Mn 500)
【0075】
比較例1
シロキサン結合を有するオキシラン化合物を用いずに、実施例1と同様の操作で重合を行った。得られた共重合体のモノマー換算組成分析結果はエチレンオキシド80重量%、プロピレンオキシド16重量%、アリルグリシジルエーテル4重量%であり、ガラス転移温度は-63℃、重量平均分子量は125万、融解熱量は61J/gであった。
【0076】
このポリエーテル共重合体1g、及び架橋剤ジクミルパーオキサイド0.015gをアセトニトリル20mlに溶解し、LiTFSI 0.15gを含むテトラヒドロフラン溶液5mlを混合した。この混合液をポリテトラフルオロエチレン製モールド上にキャストして乾燥した後、窒素雰囲気下、140℃、30分加熱して、架橋フィルムを得た。実施例1と同様の方法で架橋フィルムの特性を測定した。固体電解質の導電率は 5.2 x 10−5S/cm であった。
【0077】
比較例2
実施例5で使用した、エチレンオキシド/トリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル/アリルグリシジルエーテル= 47/47/6 重量%の3元共重合体(重量平均分子量は 105万) 1g、及び架橋剤ベンゾイルオキサイド 0.015g をアセトニトリル 20ml に溶解し、LiTFSI 0.15g のテトラヒドロフラン溶液5mlを混合した。この混合液をポリテトラフルオロエチレン製モールド上にキャストして乾燥した後、窒素雰囲気下、100℃、3hr加熱して架橋フィルムを得た。固体電解質の導電率は 7.1 x 10−5S/cm であった。
【0078】
実施例6
電解質として実施例3で得られた高分子固体電解質、負極としてリチウム金属箔、及び正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いて二次電池を構成した。高分子固体電解質のサイズは 10mm x 10mm x 0.1mm である。リチウム箔のサイズは 10mm x 10mm x 0.1mm である。コバルト酸リチウムは所定量の炭酸リチウム及び炭酸コバルト粉体を混合した後 900℃で 5時間焼成する事により調製した。次にこれを粉砕し、得られたコバルト酸リチウム 85重量部に対してアセチレンブラック 5重量部、実施例1で得られた共重合体 10重量部、および LiTFSI 5重量部を加えロールで混合した後、30MPa の圧力で 10mm x 10mm x 0.5mm にプレス成形して電池の正極とした。
【0079】
実施例3で得られた高分子固体電解質をリチウム金属箔と正極ではさみ、界面が密着するように1MPaの圧力をかけながら 25℃で電池の充放電特性を調べた。初期の端子電圧 3.8 Vでの放電電流は 0.1mA/cm2であり、0.1mA/cm2で充電可能であった。本実施例の電池は容易に薄いものに作製できるので、軽量でしかも大容量の電池になる。
【0080】
実施例7
実施例1で得られたポリエーテル共重合体 1g、及び架橋剤ジクミルパーオキサイド0.015g と、LiTFSI 0.15gのプロピレンカ−ボネ−ト溶液 0.5ml を混合した。この混合液をポリテトラフルオロエチレン製モールド上にキャストした後、窒素雰囲気下、140℃で 30分間加熱して、ゲル状の架橋フィルムを得た。15℃における固体電解質の導電率は 1.1 x 10−3S/cm であった。
【0081】
実施例8
実施例2で得られたポリエーテル共重合体1g、及び架橋剤ベンゾイルオキサイド 0.015g と、LiTFSI 0.15gを含むテトラエチレングリコールジメチルエ−テル溶液 0.5ml を混合した。この混合液をポリテトラフルオロエチレン製モールド上にキャストした後、窒素雰囲気下、100℃、3hr加熱して、ゲル状の架橋フィルムを得た。20℃における固体電解質の導電率は 8.7 x 10−4S/cmであった。
【0082】
実施例9
実施例2で得られたポリエーテル共重合体1g、及び架橋剤ジクミルパーオキサイド 0.015gと、LiTFSI 0.15gを含むテトラエチレングリコールジメチルエ−テル溶液 0.5ml を混合した。この混合液をポリテトラフルオロエチレン製モールド上にキャストした後、窒素雰囲気下、140℃で 10分間加熱して、ゲル状の架橋フィルムを得た。20℃における固体電解質の導電率は 7.8 x 10−4S/cmであった。
【0083】
実施例10
電解質として実施例7で得られたゲル状高分子固体電解質、負極としてリチウム金属箔、及び正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いて二次電池を構成した。高分子固体電解質のサイズは 10mm x 10mm x 0.1mmである。リチウム箔のサイズは 10 mm x 10mm x 0.1mm である。コバルト酸リチウムは所定量の炭酸リチウム及び炭酸コバルト粉体を混合した後 900℃で 5時間焼成する事により調製した。次にこれを粉砕し、得られたコバルト酸リチウム 85重量部に対してアセチレンブラック 5重量部と実施例1で得られた共重合体 10重量部および LiTFSI 5重量部を加えロールで混合した後、30MPaの圧力で 10mm x 10mm x 0.5mm にプレス成形して電池の正極とした。
【0084】
実施例7で得られた高分子固体電解質をリチウム金属箔と正極ではさみ、界面が密着するように1MPaの圧力をかけながら 25℃で電池の充放電特性を調べた。初期の端子電圧3.8Vでの放電電流は0.1mA/cm2であり、0.1mA/cm2で充電可能であった。本実施例の電池は容易に薄いものに作製できるので、軽量でしかも大容量の電池になる。
【0085】
実施例11
電解質として実施例8で得られたゲル状高分子固体電解質、負極としてリチウム金属箔、及び正極としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いて二次電池を構成した。高分子固体電解質のサイズは10mm x 10mm x 0.1mmである。リチウム箔のサイズは 10mm x 10mm x 0.1mm である。コバルト酸リチウムは所定量の炭酸リチウム及び炭酸コバルト粉体を混合した後 900℃で 5時間焼成する事により調製した。次にこれを粉砕し、得られたコバルト酸リチウム 85重量部に対してアセチレンブラック5重量部と実施例2で得られた共重合体 10重量部、LiClO4 5重量部を加えロールで混合した後、30MPaの圧力で 10mm x 10mmx 0.5mm にプレス成形して電池の正極とした。
実施例8で得られた高分子固体電解質をリチウム金属箔と正極ではさみ、界面が密着するように 1MPaの圧力をかけながら25℃で電池の充放電特性を調べた。初期の端子電圧 3.8Vでの放電電流は 0.1mA/cm2であり、0.1mA/cm2で充電可能であった。本実施例の電池は容易に薄いものに作製できるので、軽量でしかも大容量の電池になる。
【0086】
【発明の効果】
本発明の高分子固体電解質は加工性、成形性、機械的強度、柔軟性や耐熱性などに優れており、かつそのイオン伝導性は著しく改善されている。したがって固体電池(特に、二次電池)をはじめ、大容量コンデンサー、表示素子、例えばエレクトロクロミックディスプレイなど電子機器への応用、更にゴムやプラスチック材料用の帯電防止剤又は制電材料への応用が期待される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polymer solid electrolyte, and more particularly to a polymer solid electrolyte suitable as a material for electrochemical devices such as batteries, capacitors and sensors.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, electrolytes constituting electrochemical devices such as batteries, capacitors, and sensors have been in solution or paste form from the viewpoint of ion conductivity, but there is a risk of equipment damage due to liquid leakage, Since a separator impregnated with an electrolytic solution is required, problems such as limitations in miniaturization and thinning of devices have been pointed out. In contrast, solid electrolytes such as inorganic crystalline substances, inorganic glasses, and organic polymer substances have been proposed. Organic polymer materials are generally excellent in processability and moldability, and the solid electrolyte obtained has flexibility and bending workability, and the progress has been made in terms of increasing the degree of freedom in the design of applied devices. Expected. However, the current state is that it is inferior to other materials in terms of ion conductivity.
[0003]
With the discovery of ionic conductivity in ethylene oxide homopolymers and ant-kari metal ion systems, solid polymer electrolytes have been actively researched. As a result, polyethers such as polyethylene oxide are considered most promising as a polymer matrix in terms of high mobility and solubility of metal cations. It is predicted that ion migration will occur in the amorphous part of the polymer, not in the crystalline part. Since then, copolymerization with various epoxides has been carried out in order to reduce the crystallinity of polyethylene oxide. Japanese Patent Publication No. 62-249361 discloses a solid electrolyte composed of a copolymer of ethylene oxide and propylene oxide, and US Pat. No. 4,818,644 discloses a solid electrolyte composed of a copolymer of ethylene oxide and methyl glycidyl ether. It is shown. However, none of the ionic conductivities were always satisfactory.
[0004]
An attempt to apply a specific alkali metal salt to a diethylene glycol methyl glycidyl ether-ethylene oxide copolymer and apply it to a polymer solid electrolyte has been proposed in JP-A-9-324114. Conductivity values are not available.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a solid polymer electrolyte that is excellent in processability, moldability, mechanical strength, flexibility, heat resistance, and the like and also has excellent ion conductivity.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is a solid polymer electrolyte comprising a polyether polymer having a siloxane bond in a side chain and an electrolyte salt compound. Specifically, (A) a polyether polymer having a siloxane bond in the side chain, (B) an electrolyte salt compound, (C) an aprotic organic solvent present if necessary, and a number average molecular weight of 200 to 5000 A polymer solid electrolyte comprising a plasticizer selected from a chain-type or branched-type polyalkylene glycol derivative.
[0007]
The polyether polymer (A) is a polymer that has a siloxane bond (—SiO—) in the side chain and may further have a reactive functional group capable of a crosslinking reaction.
[0008]
The method for producing a crosslinkable polyether polymer having a siloxane bond in the side chain is a method of copolymerizing with an oxirane compound having a siloxane bond, or a Si—H group is added to a polyether polymer having an unsaturated group. There is a method of grafting a polysiloxane compound having a hydrosilylation reaction.
[0009]
In the method of producing by copolymerization with an oxirane compound having a siloxane bond,
(I) an oxirane compound (ethylene oxide) from which the structural unit (i) is derived;
(II) an oxirane compound from which structural unit (ii) is derived;
(III) A polyether polymer can be obtained by copolymerizing with an oxirane compound that derives the structural unit (iii).
In addition to the oxirane compounds (I) to (III),
(IV) An oxirane compound having a crosslinkable reactive group for deriving the structural unit (iv) may be further copolymerized.
[0010]
[Chemical formula 5]
[Chemical 6]
[Where R1Is an alkyl group having 4 or less carbon atoms or -CH2-O-(-CH2-CH2-O-)n-CH3Or -CH2-O-CH [(-CH2-CH2-O-)n-CH3]2N represents an integer of 0-12. ]
In formula (ii), R1Are methyl, ethyl, propyl and butyl groups, and n may be, for example, an integer from 0 to 8, in particular from 1 to 4.
[0011]
[Chemical 7]
[Where R3Is an alkylene group having 1 to 5 carbon atoms or (Si) -CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C) group, x is 0-50, y is 0-50, z is 0-5, p is an integer of 0-50. ]
[0012]
In formula (iii), R3Are methyl, ethyl, propyl, butyl and pentyl groups, x and y are for example integers from 0 to 50, in particular from 0 to 20, z is for example from 0 to 5, In particular, it is an integer of 0 to 3, and p is an integer of 0 to 50, particularly 0 to 30, for example.
[0013]
[Chemical 8]
[Where R2Represents a functional group having a reactive group. ]
[0014]
The oxirane compound (I) from which the structural unit (i) is derived is ethylene oxide.
Examples of the oxirane compound (II) from which the structural unit (ii) is derived include alkylene oxides and glycidyl ether compounds which may have a substituent. Specifically, propylene oxide, methyl glycidyl ether, butyl glycidyl ether, styrene oxide, phenyl glycidyl ether, 1,2-epoxyhexane, ethylene glycol methyl glycidyl ether, diethylene glycol methyl glycidyl ether, triethylene glycol methyl glycidyl ether, 1, Examples include oxirane compounds such as 3-bis (2-methoxyethoxy) propane 2-glycidyl ether and 1,3-bis [2- (2-methoxyethoxy) ethoxy] propane 2-glycidyl ether.
[0015]
An example of the oxirane compound (III) having a siloxane bond that derives the structural unit (iii) is a compound represented by the formula (iii-1).
[Chemical 9]
[Where R3Is an alkylene group having 1 to 5 carbon atoms or (Si) -CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C), x is 0-50, y is 0-50, z is 0-5, p is an integer of 0-50. ]
[0016]
The oxirane compound (iii-1) is preferably a compound represented by formula (iii-2) or formula (iii-3).
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[Where R3Is an alkylene group having 1 to 5 carbon atoms or (Si) -CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C), x represents an integer of 1 to 10. ]
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[Where R3Is an alkylene group having 1 to 5 carbon atoms or (Si) -CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C), y represents an integer of 0 to 0. ]
[0017]
Examples of the reactive functional group of the oxirane compound having a reactive functional group that derives the structural unit (iv) include (a) a reactive silicon group, (b) a methylepoxy group, (c) an ethylenically unsaturated group, or ( d) A halogen atom.
[0018]
(A) The oxirane compound having a reactive silicon group includes 2-glycidoxyethyltrimethoxysilane, 3-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane, 4-glycidoxybutyl Methyltrimethoxysilane, 3- (1,2-epoxy) propyltrimethoxysilane, 4- (1,2-epoxy) butyltrimethoxysilane, 5- (1,2-epoxy) pentyltrimethoxysilane, 1- ( 3,4-epoxycyclohexyl) methylmethyldimethoxysilane, 2- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane.
Of these, 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane and 3-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane are particularly preferred.
[0019]
(B) The oxirane compound having a methylepoxy group includes 2,3-epoxypropyl-2 ′, 3′-epoxy-2′-methylpropyl ether, ethyleneglycol-2,3-epoxypropyl-2 ′, 3 '-Epoxy-2'-methylpropyl ether and diethylene glycol-2,3-epoxypropyl-2', 3'-epoxy-2'-methylpropyl ether, 2-methyl-1,2,3,4-diepoxy Butane, 2-methyl-1,2,4,5-diepoxypentane, 2-methyl-1,2,5,6-diepoxyhexane, hydroquinone-2,3-epoxypropyl-2 ', 3'-epoxy -2'-methylpropyl ether, catechol-2,3-epoxypropyl-2 ', 3'-epoxy-2'-methylpropyl ether, and the like.
[0020]
Among them, especially 2,3-epoxypropyl-2 ', 3'-epoxy-2'-methylpropyl ether and ethylene glycol-2,3-epoxypropyl-2', 3'-epoxy-2'-methylpropyl Ether is preferred.
[0021]
(C) The oxirane compound having an ethylenically unsaturated group includes allyl glycidyl ether, 4-vinylcyclohexyl glycidyl ether, α-terpinyl glycidyl ether, cyclohexenyl methyl glycidyl ether, p-vinylbenzyl glycidyl ether, allylphenyl glycidyl ether. Ether, vinyl glycidyl ether, 3,4-epoxy-1-butene, 3,4-epoxy-1-pentene, 4,5-epoxy-2-pentene, 1,2-epoxy-5,9-cyclododecadiene, 3,4-epoxy-1-vinylcyclohexene, 1,2-epoxy-5-cyclooctene, glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, glycidyl sorbate, glycidyl cinnamate, glycidyl crotonic acid, glycidyl-4-hexenoate It is done.
Preferably, allyl glycidyl ether, glycidyl acrylate, and glycidyl methacrylate are used.
[0022]
(D) Examples of the oxirane compound having a halogen atom include epibromohydrin, epiiodohydrin, and epichlorohydrin.
[0023]
The polymerization method of a polyether polymer having a siloxane bond in the side chain is a polymerization method for obtaining a polymer by a ring-opening reaction of an ethylene oxide moiety. Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 63-1554736 and 62 This is carried out in the same manner as described in Japanese Patent No. 169823.
[0024]
The polymerization reaction can be performed as follows. Using a catalyst system mainly composed of organoaluminum, a catalyst system composed mainly of organic zinc, or an organotin-phosphate ester condensate catalyst system as a ring-opening polymerization catalyst, each monomer is present in the presence or absence of a solvent. The polyether polymer is obtained by reacting with stirring at a reaction temperature of 10 to 80 ° C. Among these, an organic tin-phosphate ester condensate catalyst system is particularly preferable from the viewpoint of the degree of polymerization and properties of the polymer to be produced. In the polymerization reaction, the reactive functional group does not react, and a polyether polymer having a reactive functional group is obtained.
[0025]
In a method of grafting a polysiloxane compound having a Si-H group to a polyether polymer having an unsaturated group by a hydrosilylation reaction to obtain a polyether polymer having a siloxane bond in the side chain, the structural unit (i) The oxirane compound (I) to be derived (ethylene oxide) and the oxirane compound (II) to derive the structural unit (ii) have a crosslinkable reactive group (unsaturated group) to derive the structural unit (iv) if necessary. A polyether polymer is obtained by grafting a polysiloxane compound having a Si—H group represented by the formula (v) to the polymer obtained by copolymerization together with the oxirane compound (IV) by a hydrosilylation reaction.
[0026]
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[Where R1Is an alkyl group having 4 or less carbon atoms or -CH2-O-(-CH2-CH2-O-)n-CH3Or -CH2-O-CH [(-CH2-CH2-O-)n-CH3]2N represents an integer of 0-12. ]
[0027]
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[Where R3Is an alkylene group having 1 to 5 carbon atoms or (Si) -CH2-CH2-CH2-O-CH2-(C), x is 0-50, y is 0-50, z is 0-5, p is an integer of 0-50. ]
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[Where R2Represents a functional group having a reactive group. ]
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[Wherein, x represents an integer of 0 to 50, y represents 0 to 50, z represents 0 to 5, and p represents an integer of 0 to 50. ]
[0028]
Examples of the hydrosilylation reaction catalyst include transition metals such as palladium and platinum, or compounds and complexes thereof. In addition, peroxides, amines, and phosphines are also used. The most common catalysts include platinum complexes such as dichlorobis (acetonitrile) palladium (II), chlorotris (triphenylphosphine) rhodium (I), chloroplatinic acid, platinum carbonyl vinylmethyl complex and the like.
[0029]
The proportion of the structural unit (i) contained in the polyether polymer used in the polymer solid electrolyte of the present invention is 10 to 80% by weight, preferably 20 to 80% by weight, and the proportion of the structural unit (ii) is 10 to 80%. % By weight, preferably 10 to 70% by weight, the proportion of the structural unit (iii) is 2 to 70% by weight, preferably 2 to 60% by weight, and the proportion of the structural unit (iv) is 0 to 30% by weight, preferably 0 -20% by weight.
[0030]
When the proportion of the structural unit (iii) is 2% by weight or more, the ion conductivity is higher. Moreover, the solubility of an electrolyte salt compound is favorable in it being 90 weight% or less, and ion conductivity is high.
[0031]
In general, it is known that the ionic conductivity is improved by lowering the glass transition temperature. However, the polyether polymer of the present invention has been found to have a much greater effect of improving the ionic conductivity.
[0032]
The molecular weight of the polyether polymer has a weight average molecular weight of 10 in order to obtain good processability, moldability, mechanical strength and flexibility.4-107Within the range, preferably 105~ 5x106Those within the range are preferred.
[0033]
In the present invention, the polyether polymer preferably has a glass transition temperature of −65 ° C. or less and a heat of fusion of 60 J / g or less. When the glass transition temperature and the heat of fusion are at the above values, the ion conductivity is high. The glass transition temperature and the heat of fusion of the polyether polymer are those measured by a differential scanning calorimeter (DSC).
[0034]
The polyether polymer of the present invention is preferably a copolymer. The polyether polymer may be either a block copolymer or a random copolymer. Random copolymers are preferred because they have a greater effect of reducing the crystallinity of polyethylene oxide.
[0035]
As a method for crosslinking a polymer in which the reactive functional group is a reactive silicon group, crosslinking can be performed by a reaction between the reactive silicon group and water. To increase reactivity, tin compounds such as dibutyltin dilaurate and dibutyltin malate, titanium compounds such as tetrabutyl titanate and tetrapropyl titanate, aluminum compounds such as aluminum such as aluminum trisacetylacetonate and aluminum trisethylacetoacetate, etc. An organometallic compound or an amine compound such as butylamine or octylamine may be used as a catalyst.
[0036]
Polyamines, acid anhydrides and the like are used in the method for crosslinking a polyether polymer in which the reactive functional group is a methyl epoxy group.
Examples of polyamines include aliphatic polyamines such as diethylenetriamine and dipropylenetriamine, and aromatic polyamines such as 4,4′-diaminodiphenyl ether, diaminodiphenylsulfone, m-phenylenediamine, and xylylenediamine. The amount of polyamine added varies depending on the type of polyamine, but is usually in the range of 0.1 to 10% by weight of the entire composition excluding the plasticizer (ie, the composition excluding the plasticizer from the solid electrolyte).
[0037]
Examples of the acid anhydrides include maleic anhydride, phthalic anhydride, methylhexahydrophthalic anhydride, tetramethylene maleic anhydride, tetrahydrophthalic anhydride and the like. The amount of acid anhydride added varies depending on the type of acid anhydride, but is usually in the range of 0.1 to 10% by weight of the total composition excluding the plasticizer. Accelerators may be used for these crosslinks, such as phenol, cresol, and resorcin for polyamine cross-linking reactions, and benzyldimethylamine and 2- (dimethylaminoethyl) phenol for cross-linking reactions of acid anhydrides. And dimethylaniline. The addition amount of the accelerator varies depending on the accelerator, but is usually in the range of 0.1 to 10% by weight of the crosslinking agent.
[0038]
As a method for crosslinking a polyether polymer whose reactive functional group is an ethylenically unsaturated group, a radical initiator selected from organic peroxides, azo compounds and the like, and active energy rays such as ultraviolet rays and electron beams are used. Furthermore, a crosslinking agent having silicon hydride can also be used.
[0039]
Examples of organic peroxides include ketone peroxides, peroxyketals, hydroperoxides, dialkyl peroxides, diacyl peroxides, peroxy esters, and the like that are usually used for crosslinking. (t-Butylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane, di-t-butyl peroxide, t-butylcumyl peroxide, dicumyl peroxide, 2,5-dimethyl-2,5-di (t -Butylperoxy) hexane, benzoyl peroxide, and the like. The amount of organic peroxide added varies depending on the type of organic peroxide, but is usually in the range of 0.1 to 10% by weight of the total composition excluding the plasticizer.
[0040]
As the azo compound, those usually used for crosslinking such as an azonitrile compound, an azoamide compound, an azoamidine compound, etc. are used. 2,2′-azobisisobutyronitrile, 2,2′-azobis (2-methylbutyrate) Nitrile), 2,2'-azobis (4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile), 2,2-azobis (2-methyl-N-phenylpropionamidine) dihydrochloride, 2,2'-azobis [2- (2-imidazolin-2-yl) propane], 2,2'-azobis [2-methyl-N- (2-hydroxyethyl) propionamide], 2,2'-azobis (2-methylpropane) 2,2′-azobis [2- (hydroxymethyl) propionitrile] and the like. The addition amount of the azo compound varies depending on the kind of the azo compound, but is usually in the range of 0.1 to 10% by weight of the whole composition excluding the plasticizer.
[0041]
In crosslinking by irradiation with active energy rays such as ultraviolet rays, among the reactive functional group-containing monomer components, allyl glycidyl ether, glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, and glycidyl cinnamate are particularly preferable.
Further, as sensitization aids, diethoxyacetophenone, 2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-1-one, acetophenones such as phenyl ketone, benzoin ethers such as benzoin and benzoin methyl ether, benzophenone, 4- Benzophenones such as phenylbenzophenone, thioxanthones such as 2-isopropylthioxanthone and 2,4-dimethylthioxanthone, and azides such as 3-sulfonyl azidobenzoic acid and 4-sulfonylazidebenzoic acid can be arbitrarily used.
[0042]
Crosslinking aids such as ethylene glycol diacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, oligoethylene glycol diacrylate, oligoethylene glycol dimethacrylate, allyl methacrylate, allyl acrylate, diallyl malate, triallyl isocyanurate, bisphenylmaleimide, maleic anhydride, etc. Can be used arbitrarily.
[0043]
As the compound having silicon hydride that crosslinks an ethylenically unsaturated group, a compound having at least two silicon hydrides is used. In particular, a polysiloxane compound or a polysilane compound is preferable.
Examples of the polysiloxane compound include a linear polysiloxane compound represented by the formula (a-1) or the formula (a-2), and a cyclic polysiloxane compound represented by the formula (a-3).
[0044]
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[0045]
However, in the formulas (a-1) to (a-3), R10, R11, R12, R13, R14, R15, R16, R17 And R18Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms or an alkoxy group, and represents n ≧ 2, m ≧ 0, 2 ≦ m + n ≦ 300. The alkyl group is preferably a lower alkyl group such as a methyl group or an ethyl group. The alkoxy group is preferably a lower alkoxy group such as a methoxy group or an ethoxy group.
[0046]
As the polysilane compound, a linear polysilane compound represented by the formula (b-1) is used.
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Where R in formula (b-1)19, R20, R21, R22And R23 Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms or an alkoxy group, and represents n ≧ 2, m ≧ 0, 2 ≦ m + n ≦ 100.
[0047]
Examples of the hydrosilylation reaction catalyst include transition metals such as palladium and platinum, or compounds and complexes thereof. In addition, peroxides, amines, and phosphines are also used. The most common catalysts include dichlorobis (acetonitrile) palladium (II), chlorotris (triphenylphosphine) rhodium (I), and chloroplatinic acid.
[0048]
As a method for crosslinking the halogen atom-containing polyether polymer, a crosslinking agent such as polyamines, mercaptoimidazolines, mercaptopyrimidines, thioureas, and polymercaptans is used. Examples of polyamines include triethylenetetramine and hexamethylenediamine. Examples of mercaptoimidazolines include 2-mercaptoimidazoline and 4-methyl-2-mercaptoimidazoline. Examples of mercaptopyrimidines include 2-mercaptopyrimidine, 4,6-dimethyl-2-mercaptopyrimidine, and the like. Examples of thioureas include ethylene thiourea and dibutyl thiourea. Examples of the polymercaptans include 2-dibutylamino-4,6-dimethylcapto-s-triazine, 2-phenylamino-4,6-dimercaptotriazine, and the like. Although the addition amount of a crosslinking agent changes with kinds of crosslinking agent, it is the range of 0.1-30 weight% of the whole composition except a plasticizer normally.
[0049]
In addition, it is effective from the viewpoint of the thermal stability of the halogen-containing polymer to add a metal compound as an acid acceptor to the polymer solid electrolyte. Examples of metal oxides that serve as such acid acceptors include Group II metal oxides, hydroxides, carbonates, carboxylates, silicates, borates, phosphites, periodic There are oxides of group VIa metals, basic carbonates, basic carboxylates, basic phosphites, basic sulfites, tribasic sulfates and the like. Specific examples include magnesia, magnesium hydroxide, magnesium carbonate, calcium silicate, calcium stearate, red lead, tin stearate, and the like. The compounding amount of the metal compound serving as the acid acceptor varies depending on the type, but is usually in the range of 0.1 to 30% by weight of the entire composition excluding the plasticizer.
[0050]
The electrolyte salt compound used in the present invention is preferably soluble in a mixture composed of an uncrosslinked or crosslinked polyether polymer and a plasticizer. In the present invention, the following salt compounds are preferably used.
[0051]
That is, a cation selected from a metal cation, ammonium ion, amidinium ion, and guanidinium ion, and a chlorine ion, bromine ion, iodine ion, perchlorate ion, thiocyanate ion, tetrafluoroborate ion, Nitrate ion, AsF6 −, PF6 −, Stearylsulfonate ion, octylsulfonate ion, dodecylbenzenesulfonate ion, naphthalenesulfonate ion, dodecylnaphthalenesulfonate ion, 7,7,8,8-tetracyano-p-quinodimethane ion, X1SO3 −, [(X1SO2) (X2SO2) N]−, [(X1SO2) (X2SO2) (X3SO2) C]−, And [(X1SO2) (X2SO2YC]−And a compound comprising an anion selected from However, X1, X2, X3And Y is an electron-withdrawing group. Preferably X1, X2And X3Are each independently a perfluoroalkyl group or perfluoroaryl group having 1 to 6 carbon atoms, and Y is a nitro group, nitroso group, carbonyl group, carboxyl group or cyano group. X1, X2And X3May be the same or different. As the metal cation, a cation of a transition metal can be used. Preferably, a metal cation selected from Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, and Ag metal is used. In addition, preferable results can be obtained by using a metal cation selected from Li, Na, K, Rb, Cs, Mg, Ca and Ba metals. It is free to use two or more kinds of the aforementioned compounds in combination as the electrolyte salt compound.
[0052]
In the present invention, the amount of the electrolyte salt compound used is in the range of 1 to 50 parts by weight, preferably 3 to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polyether polymer. When the amount of the electrolyte salt compound is 50 parts by weight or less, workability, moldability, mechanical strength and flexibility of the obtained solid electrolyte are good, and ion conductivity is high.
[0053]
The plasticizer is an aprotic organic solvent or a linear or branched polyalkylene glycol having a number average molecular weight of 200 to 5,000.
As the aprotic organic solvent, aprotic ethers and esters are preferable. Specifically, propylene carbonate, γ-butyrolactone, butylene carbonate, ethylene carbonate, dimethyl carbonate, ethyl methyl carbonate, diethyl carbonate, 1,2-dimethoxyethane, 1,2-dimethoxypropane, 3-methyl-2-oxazolidone , Tetrahydrofuran, 2-methyltetrahydrofuran, 1,3-dioxolane, 4,4-methyl-1,3-dioxolane, tert-butyl ether, iso-butyl ether, 1,2-ethoxymethoxyethane, diethylene glycol dimethyl ether, diethylene glycol diethyl ether, tri Ethylene glycol dimethyl ether, triethylene glycol diethyl ether, tetraethylene glycol dimethyl ether, tetraethylene glycol diethyl ether, ethylene glyme, ethylene diglyme Methyl tetraglyme, methyl triglyme, methyl diglyme, methyl formate, methyl acetate, methyl propionate and the like, may be used a mixture of two or more thereof. Particularly preferred are propylene carbonate, γ-butyrolactone, butylene carbonate, and 3-methyl-2-oxazoline. Diethylene glycol dimethyl ether, diethylene glycol diethyl ether, triethylene glycol dimethyl ether, triethylene glycol diethyl ether, tetraethylene glycol dimethyl ether, and tetraethylene glycol diethyl ether are also particularly preferred organic solvents.
[0054]
The linear or branched polyalkylene glycol derivative is obtained from a polyalkylene glycol having a number average molecular weight of 200 to 5,000. Examples of the polyalkylene glycol include polyethylene glycol and polypropylene glycol. Derivatives thereof include ester derivatives and ether derivatives composed of an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms and an alkenyl group having 3 to 8 carbon atoms.
[0055]
Among the derivatives, ether derivatives include diethers such as dimethyl ether, diethyl ether, dipropyl ether, and diallyl ether, and ester derivatives include diesters such as polyalkylene glycol diacetate (for example, polyethylene glycol diacetate). be able to.
[0056]
A more preferable range of the number average molecular weight of the polyalkylene glycol used is 200 to 2,000.
The blending ratio of the plasticizer is arbitrary, but it is 0 to 2000 parts by weight, preferably 5 to 1000 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polyether polymer.
[0057]
A flame retardant can be used when flame retardancy is required when using a polymer solid electrolyte. Flame retardants include brominated epoxy compounds, tetrabromobisphenol A, halides such as chlorinated paraffin, antimony trioxide, antimony pentoxide, aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, phosphate ester, polyphosphate, and zinc borate Select from and add an effective amount.
[0058]
The method for producing the solid polymer electrolyte of the present invention is not particularly limited, but usually each component may be mechanically mixed. In the case of a polyether polymer that requires crosslinking, it is produced by a method of mechanically mixing and then crosslinking the respective components. However, it may be impregnated by immersing in a plasticizer for a long time after crosslinking. . Various kneaders, open rolls, extruders, and the like can be arbitrarily used as the mechanical mixing means.
[0059]
When the reactive functional group is a reactive silicon group, the amount of water used for the cross-linking reaction is not particularly limited because it easily occurs due to moisture in the atmosphere. It can also be crosslinked by passing through a cold or warm water bath for a short time or by exposing to a steam atmosphere.
[0060]
When the reactive functional group is an ethylenically unsaturated group and the radical initiator is used, the crosslinking reaction is completed in 1 minute to 20 hours under a temperature condition of 10 ° C to 200 ° C. Moreover, when using energy rays, such as an ultraviolet-ray, a sensitizer is generally used. Usually, the crosslinking reaction is completed within 0.1 seconds to 1 hour under temperature conditions of 10 ° C to 150 ° C. In the crosslinking agent having silicon hydride, the crosslinking reaction is completed in 10 minutes to 10 hours under a temperature condition of 10 ° C. to 180 ° C.
[0061]
The method of mixing the electrolyte salt compound and the plasticizer with the polyether polymer is not particularly limited, but the method of immersing the polyether polymer in an organic solvent containing the electrolyte salt compound and the plasticizer for a long period of time, the electrolyte salt compound, and A method in which a plasticizer is mechanically mixed with a polyether polymer, a method in which a polyether polymer and an electrolyte salt compound are dissolved in a plasticizer and mixed, or after a polyether polymer is once dissolved in another organic solvent, the plasticizer There is a method of mixing. When producing using an organic solvent, various polar solvents such as tetrahydrofuran, acetone, acetonitrile, dimethylformamide, dimethyl sulfoxide, dioxane, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone and the like are used alone or in combination.
[0062]
The solid polymer electrolyte shown in the present invention is excellent in mechanical strength and flexibility, and can be easily obtained as a solid electrolyte having a large area thin film shape by utilizing its properties. For example, a battery using the polymer electrolyte of the present invention can be produced. In this case, the positive electrode material includes lithium-manganese composite oxide, lithium cobaltate, vanadium pentoxide, olivine-type iron phosphate, polyacetylene, polypyrene, polyaniline, polyphenylene, polyphenylene sulfide, polyphenylene oxide, polypyrrole, polyfuran, polyazulene, etc. . Examples of the negative electrode material include an intercalation compound in which lithium is occluded between graphite or carbon layers, lithium metal, and a lithium-lead alloy. Moreover, utilization as a diaphragm of ion electrodes of cations, such as alkali metal ion, Cu ion, Ca ion, and Mg ion, is also considered using high electrical conductivity. The polymer solid electrolyte of the present invention is particularly suitable as a material for electrochemical devices such as batteries, capacitors and sensors.
[0063]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples.
[0064]
In the following examples, the analysis was performed as follows.
The monomer equivalent composition of the polyether multi-component copolymer is1Determined by 1 H NMR spectrum.
For measuring the molecular weight of the polyether multi-component copolymer, gel permeation chromatography measurement was performed, and the molecular weight was calculated in terms of standard polystyrene. Gel permeation chromatography was measured by Shimadzu Corporation RID-6A, Showa Denko Co., Ltd. column Shodex KD-807, KD-806, KD-806M and KD-803, and solvent DMF (dimethylformamide). ) At 60 ° C.
[0065]
The glass transition temperature and the heat of fusion were measured using a differential scanning calorimeter DSC8230B manufactured by Rigaku Denki Co., Ltd. in a nitrogen atmosphere at a temperature range of −100 to 80 ° C. and a heating rate of 10 ° C./min.
In order to measure the conductivity σ, the sample film was vacuum dried at 70 ° C. for 12 hours in advance. The conductivity was measured at 15 ° C., and the film was sandwiched between SUS electrodes and calculated by the complex impedance method using an alternating current method with a voltage of 0.5 V and a frequency range of 5 Hz to 1 MHz.
[0066]
Synthesis Example 1 (Manufacture of catalyst)
In a three-necked flask equipped with a stirrer, thermometer and distillation apparatus, 10 g of tributyltin chloride and 35 g of tributyl phosphate are added and heated at 250 ° C. for 20 minutes with stirring under a nitrogen stream to distill off the distillate and remain. As a product, a solid condensate was obtained. Thereafter, this was used as a polymerization catalyst.
[0067]
Example 1
The inside of a glass 4-necked flask with an internal volume of 3 L was replaced with nitrogen, and 5 g of the condensate shown in the catalyst preparation example as a catalyst, 20 g of propylene oxide adjusted to a water content of 10 ppm or less, 8 g of allyl glycidyl ether and n as a solvent -2,000 g of hexane was charged, and 124 g of ethylene oxide was added in succession while monitoring the polymerization rate of allyl glycidyl ether by gas chromatography, and 200 g of oxirane compound having polysiloxane (formula (11)) had a polymerization rate of allyl glycidyl ether. Added at 20%. The polymerization reaction was stopped with methanol. After taking out the polymer by decantation, the polymer was dried at room temperature under reduced pressure for 24 hours and further under reduced pressure at 45 ° C. for 10 hours to obtain 150 g of a polymer. This copolymer had a glass transition temperature of −72 ° C., a weight average molecular weight of 850,000, and a heat of fusion of 34 J / g.
[0068]
1The results of monomer composition analysis of this polymer by H NMR spectrum were 9% by weight of an oxirane compound having polysiloxane (formula (11)), 76% by weight of ethylene oxide, 11% by weight of propylene oxide, and 4% by weight of allyl glycidyl ether. .
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(Mn 2,000)
[0069]
Example 2
The inside of a glass 4-necked flask with an internal volume of 3 L was purged with nitrogen, and 5 g of the condensate shown in the catalyst preparation example as a catalyst and 160 g of diethylene glycol methyl glycidyl ether adjusted to a water content of 10 ppm or less, 3,4-epoxy- 1 g of butene ether 15 g and 2,000 g of n-hexane as a solvent were charged. Ethylene oxide 340 g was sequentially added while monitoring the polymerization rate of 3,4-epoxy-1 butene ether by gas chromatography, and an oxirane compound having a siloxane bond ( 320 g of the formula (12)) was added when the polymerization rate of 3,4-epoxy-1-butene ether was 20%. The polymerization reaction was stopped with methanol. The polymer was taken out by decantation and then dried at 40 ° C. under normal pressure for 24 hours and further at 45 ° C. for 10 hours under reduced pressure to obtain 542 g of polymer. This copolymer had a glass transition temperature of -76 ° C, a weight average molecular weight of 1,050,000, and a heat of fusion of 3 J / g.
[0070]
1The results of monomer composition analysis of this polymer by 1 H NMR spectrum are as follows: oxirane compound having a siloxane bond (formula (12)) 18% by weight, diethylene glycol methyl glycidyl ether 24% by weight, ethylene oxide 56% by weight, 3,4-epoxy-1 Butene ether was 2% by weight.
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[0071]
Example 3
1 g of the polyether copolymer obtained in Example 1 and 0.015 g of organic peroxide dicumyl peroxide were dissolved in 20 ml of acetonitrile, and 5 ml of a tetrahydrofuran solution of 0.15 g of LiTFSI (lithium bis (trifluoromethylsulfonyl) imide). Were mixed. The mixture was cast on a polytetrafluoroethylene mold and dried, and then heated at 140 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere to obtain a crosslinked film. The conductivity of the solid electrolyte is 2.5 x 10-4S / cm.
[0072]
Example 4
1 g of the polyether copolymer obtained in Example 2 and 0.015 g of organic peroxide benzoyl oxide were dissolved in 20 ml of acetonitrile, and 5 ml of a tetrahydrofuran solution of 0.15 g of LiTFSI was mixed. The mixture was cast on a polytetrafluoroethylene mold and dried, and then heated at 100 ° C. for 3 hours in a nitrogen atmosphere to obtain a crosslinked film. The conductivity of the solid electrolyte is 4.2 x 10-4S / cm.
[0073]
Example 5
The inside of a 300 ml glass flask was purged with nitrogen, 100 ml of methyl ethyl ketone was added, and ethylene oxide / triethylene glycol methyl glycidyl ether / allyl glycidyl ether = 47/47/6 wt% terpolymer (weight average molecular weight of 105 10 g), chloroplatinic acid 0.3 g, LiTFSI 0.15 g, 1 g of polysiloxane compound having Si—H (formula (13)), and polysiloxane compound having Si—H as both crosslinkers (formula (14) ) 1g was added and dissolved.
10 ml of this mixed solution was cast on a polytetrafluoroethylene mold to remove the solvent, and after 1 hour at 40 ° C., a crosslinked film was obtained. The properties of the crosslinked film were measured in the same manner as in Example 1.
The conductivity of the solid electrolyte is 2.3 x 10-4S / cm.
[0074]
Embedded image
(n / m = 2, Mn 1,500)
Embedded image
(Mn 500)
[0075]
Comparative Example 1
Polymerization was carried out in the same manner as in Example 1 without using an oxirane compound having a siloxane bond. The monomer-converted composition analysis results of the obtained copolymer were 80% by weight of ethylene oxide, 16% by weight of propylene oxide, 4% by weight of allyl glycidyl ether, a glass transition temperature of −63 ° C., a weight average molecular weight of 1.25 million, and a heat of fusion. Was 61 J / g.
[0076]
1 g of this polyether copolymer and 0.015 g of the crosslinking agent dicumyl peroxide were dissolved in 20 ml of acetonitrile, and 5 ml of a tetrahydrofuran solution containing 0.15 g of LiTFSI was mixed. The mixture was cast on a polytetrafluoroethylene mold and dried, and then heated at 140 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere to obtain a crosslinked film. The properties of the crosslinked film were measured in the same manner as in Example 1. The conductivity of the solid electrolyte is 5.2 x 10-5S / cm.
[0077]
Comparative Example 2
1 g of ethylene oxide / triethylene glycol methyl glycidyl ether / allyl glycidyl ether = 47/47/6 wt% terpolymer used in Example 5 (weight average molecular weight is 1.05 million) and cross-linking agent benzoyl oxide 0.015 g Was dissolved in 20 ml of acetonitrile and mixed with 5 ml of a solution of 0.15 g of LiTFSI in tetrahydrofuran. The mixture was cast on a polytetrafluoroethylene mold and dried, and then heated at 100 ° C. for 3 hours in a nitrogen atmosphere to obtain a crosslinked film. The conductivity of the solid electrolyte is 7.1 x 10-5S / cm.
[0078]
Example 6
A secondary battery was constructed using the solid polymer electrolyte obtained in Example 3 as the electrolyte, lithium metal foil as the negative electrode, and lithium cobaltate (LiCoO2) as the positive electrode active material. The size of the solid polymer electrolyte is 10mm x 10mm x 0.1mm. The size of the lithium foil is 10mm x 10mm x 0.1mm. Lithium cobaltate was prepared by mixing a predetermined amount of lithium carbonate and cobalt carbonate powder and firing at 900 ° C for 5 hours. Next, this was pulverized, 5 parts by weight of acetylene black, 10 parts by weight of the copolymer obtained in Example 1 and 5 parts by weight of LiTFSI were added to 85 parts by weight of the obtained lithium cobaltate and mixed by a roll. Thereafter, it was press-molded to 10 mm x 10 mm x 0.5 mm at a pressure of 30 MPa to obtain a positive electrode for the battery.
[0079]
The polymer solid electrolyte obtained in Example 3 was sandwiched between a lithium metal foil and a positive electrode, and the charge / discharge characteristics of the battery were examined at 25 ° C. while applying a pressure of 1 MPa so that the interface was in close contact. The discharge current at the initial terminal voltage of 3.8 V is 0.1 mA / cm2And 0.1mA / cm2It was possible to charge with. Since the battery of this embodiment can be easily made thin, the battery is lightweight and has a large capacity.
[0080]
Example 7
1 g of the polyether copolymer obtained in Example 1 and 0.015 g of the crosslinking agent dicumyl peroxide were mixed with 0.5 ml of a propylene carbonate solution of LiTFSI 0.15 g. The mixture was cast on a polytetrafluoroethylene mold and then heated at 140 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere to obtain a gel-like crosslinked film. The conductivity of the solid electrolyte at 15 ° C is 1.1 x 10-3S / cm.
[0081]
Example 8
1 g of the polyether copolymer obtained in Example 2 and 0.015 g of the crosslinking agent benzoyl oxide were mixed with 0.5 ml of a tetraethylene glycol dimethyl ether solution containing 0.15 g of LiTFSI. This mixed solution was cast on a polytetrafluoroethylene mold and then heated at 100 ° C. for 3 hours in a nitrogen atmosphere to obtain a gel-like crosslinked film. The conductivity of the solid electrolyte at 20 ° C is 8.7 x 10-4S / cm.
[0082]
Example 9
1 g of the polyether copolymer obtained in Example 2, 0.015 g of the crosslinking agent dicumyl peroxide, and 0.5 ml of a tetraethylene glycol dimethyl ether solution containing 0.15 g of LiTFSI were mixed. The mixture was cast on a polytetrafluoroethylene mold and then heated at 140 ° C. for 10 minutes in a nitrogen atmosphere to obtain a gel-like crosslinked film. The conductivity of the solid electrolyte at 20 ° C is 7.8 x 10-4S / cm.
[0083]
Example 10
The gel polymer solid electrolyte obtained in Example 7 as an electrolyte, a lithium metal foil as a negative electrode, and lithium cobaltate (LiCoO as a positive electrode active material)2) To constitute a secondary battery. The size of the polymer solid electrolyte is 10 mm x 10 mm x 0.1 mm. The size of the lithium foil is 10 mm x 10 mm x 0.1 mm. Lithium cobaltate was prepared by mixing a predetermined amount of lithium carbonate and cobalt carbonate powder and firing at 900 ° C for 5 hours. Next, this was pulverized, 5 parts by weight of acetylene black, 10 parts by weight of the copolymer obtained in Example 1 and 5 parts by weight of LiTFSI were added to 85 parts by weight of the obtained lithium cobaltate and mixed with a roll. Then, it was press-molded to 10 mm x 10 mm x 0.5 mm at a pressure of 30 MPa to obtain a positive electrode for the battery.
[0084]
The polymer solid electrolyte obtained in Example 7 was sandwiched between a lithium metal foil and a positive electrode, and the charge / discharge characteristics of the battery were examined at 25 ° C. while applying a pressure of 1 MPa so that the interface was in close contact. The discharge current at the initial terminal voltage of 3.8V is 0.1mA / cm2And 0.1mA / cm2It was possible to charge with. Since the battery of this embodiment can be easily made thin, the battery is lightweight and has a large capacity.
[0085]
Example 11
The gel polymer solid electrolyte obtained in Example 8 as the electrolyte, lithium metal foil as the negative electrode, and lithium cobaltate (LiCoO as the positive electrode)2) To constitute a secondary battery. The size of the polymer solid electrolyte is 10 mm x 10 mm x 0.1 mm. The size of the lithium foil is 10mm x 10mm x 0.1mm. Lithium cobaltate was prepared by mixing a predetermined amount of lithium carbonate and cobalt carbonate powder and firing at 900 ° C for 5 hours. Next, this was pulverized, 5 parts by weight of acetylene black and 10 parts by weight of the copolymer obtained in Example 2 were added to 85 parts by weight of the obtained lithium cobaltate, LiClO.4 After adding 5 parts by weight and mixing with a roll, it was press-molded to 10 mm x 10 mm x 0.5 mm at a pressure of 30 MPa to obtain a positive electrode for the battery.
The solid polymer electrolyte obtained in Example 8 was sandwiched between a lithium metal foil and a positive electrode, and the charge / discharge characteristics of the battery were examined at 25 ° C. while applying a pressure of 1 MPa so that the interface was in close contact. The discharge current at the initial terminal voltage of 3.8V is 0.1mA / cm2And 0.1mA / cm2It was possible to charge with. Since the battery of this embodiment can be easily made thin, the battery is lightweight and has a large capacity.
[0086]
【The invention's effect】
The solid polymer electrolyte of the present invention is excellent in processability, moldability, mechanical strength, flexibility, heat resistance and the like, and its ionic conductivity is remarkably improved. Therefore, it is expected to be applied to electronic devices such as solid batteries (especially secondary batteries), large-capacity capacitors and display elements such as electrochromic displays, and further to antistatic agents or antistatic materials for rubber and plastic materials. Is done.
Claims (6)
側鎖にシロキサン結合を有するポリエーテル重合体は、式 (i) で表される構成単位と、式 (ii) で表される構成単位と、式 (iii) で表される構成単位と、式 (iv) で表される架橋可能な構成単位とを有する共重合体であり、ポリエーテル重合体が反応性官能基を利用して架橋した架橋ポリマーであることを特徴とする記載の高分子固体電解質。
The polyether polymer having a siloxane bond in the side chain includes a structural unit represented by the formula (i) , a structural unit represented by the formula (ii) , a structural unit represented by the formula (iii) , and a formula (iv) a copolymer having a crosslinkable structural unit, wherein the polyether polymer is a crosslinked polymer crosslinked using a reactive functional group. Electrolytes.
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