JP4076877B2 - Method for producing high acidity vinegar - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高酸度食酢に関し、さらに詳しくはアルコール濃度が非常に低く、その結果として酢酸エチル含有量を低くすることができて刺激臭が軽減されたマイルドな香味の高酸度食酢とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高酸度食酢は 酸度が10%以上の食酢をいい、通常の食酢が酸度4〜5%程度であるのに対して比較的高濃度の酢酸を含有しており、また、主原料が醸造用アルコール(エタノール)、酵母エキス、有機酸、および有機酸塩類などであって、無色透明に近いためにホワイトビネガーなどとも呼称され、主に食品原料加工用に用いられている。
【0003】
高酸度食酢の発酵は、通常、酸度10%以上にまで発酵できる酢酸菌、例えばアセトバクター・ヨーロペウス(Acetobacter europaeus)(例えば、非特許文献1参照)やアセトバクター・アルトアセチゲネス(Acetobacter altoacetigenes)MH−24(FERM BP−491)(例えば、特許文献1参照)などを用い、通気攪拌型の発酵槽(深部発酵装置)を用いた深部培養法による発酵によって製造されている。
【0004】
その発酵においては、発酵液中のアルコール(エタノール)が酢酸菌によって酢酸に変換されて酢酸が蓄積してくるとともに、次第にアルコール濃度が減少してくることになる。
【0005】
そして、アルコール濃度が0.1容量%程度になると、酢酸菌が失活してしまい、また、発酵液が激しい発泡性を有する状態に変化する結果、発酵の進行が止まり、かつ発酵液が激しく発泡して発酵槽外に流出するなどの現象が発生することから、深部培養法による発酵によって完全にアルコール濃度がゼロの食酢を製造することは出来ず、通常はある程度のアルコールが残留した高酸度食酢しか製造できなかった。
【0006】
これまでに最も低いアルコール濃度の高酸度食酢としては、実際は0.1容量%のものが限界であった(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
一方、食酢中に残留したアルコールは、酢酸と非酵素的に反応し、酢酸エチルを生成することが知られている。その結果、アルコール濃度の高い高酸度食酢においては、発酵終了後の時間経過に伴い酢酸エチルが蓄積してくることになる。
【0008】
このような機構で発生する食酢中の酢酸エチルは、刺激性の強い臭いの原因であることに注目し、酢酸100重量部あたり、0.04〜0.4容量部の酢酸エチル、0.01〜1.33容量部のエチルアルコール及び0.00007〜0.007重量部のクエン酸を含有するマイルドホワイトビネガーが提唱されており、この場合、酸度が10%の高酸度食酢においては、アルコール濃度は0.001〜0.133容量%であると試算される(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
しかし、該公報における実施例においては、酸度10%の高酸度食酢の場合はアルコール濃度0.1容量%付近となったところで、また酸度が15%の高酸度食酢の場合にはアルコール濃度が0.2容量%付近となったところで発酵を止めたことが記載されており、結局、これまでのところ、0.1容量%未満のアルコール濃度まで発酵させた酸度10%以上の高酸度食酢の製造に成功した実例は報告されていない。
【0010】
【特許文献1】
特開昭60−80471号公報
【0011】
【特許文献2】
特開昭 53−44696号公報
【0012】
【特許文献3】
特開平11−178565号公報
【0013】
【非特許文献1】
「システマティック・アンド・アプライド・マイクロバイオロジー(Systematic and Applied Microbiology)」、15巻、p.386〜392、1992年
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
食酢中のアルコール(エタノール)は、同じく食酢中の主成分である酢酸と、化学的に反応し、酢酸エチルに変化するため、アルコール濃度が高ければ高い程、この化学反応が進行しやすく、また、酢酸エチルは、その臭いが刺激的であるが故に、嫌われる傾向が認められるので、なるべく少ないアルコール含量の食酢製造法の開発が望まれている。
【0015】
しかしながら、高濃度食酢の製造においてアルコール濃度が低下すると、酢酸菌が失活し(場合によっては死滅し)、また、同時に激しく発泡して発酵能力が失われてしまう。具体的には、半連続法(連続式回分法)による従来の発酵では、発酵末期でアルコール(エタノール)残量が少なく(例えば、0.1%未満に)なると、酢酸菌が急激に死滅し、また、同時に激しく発泡して発酵能力を失ってしまい、さらに再仕込みが行われてもスムースに発酵が再開しなくなってしまう。
【0016】
すなわち、上記のように、高酸度食酢の製造において、刺激臭を低下させるためにはアルコール濃度を低下させなければならず、しかしながらアルコール濃度を低下させると酢酸菌が死滅するため、双方を同時に両立せしめることは、不可能ないし極めて困難なことである。本発明は、このように両立し得ない相反する条件を同時に両立達成して、刺激臭が弱い高濃度食酢を効率的に工業生産する目的でなされたものである。
【0017】
本発明の目的は、刺激臭が弱い高酸度食酢を提供することを目的とし、その手段として、例えば0.1容量%未満のより低いアルコール濃度まで発酵させる方法を提供して、その結果、酢酸エチル含量が低く刺激臭が弱いマイルドな香味の高酸度食酢を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、深部発酵による高酸度食酢の発酵の際に、0.1容量%未満のアルコール濃度の領域でも、酢酸菌を失活させず、激しい発泡を起こさせずに、安定して酢酸発酵を継続させることができる方法について鋭意検討し、その結果、アルコール濃度が0.1容量%よりも低下する時までに、生酸速度を制限することによって、酢酸菌の失活を防ぎ、激しい発泡を抑制して、正常に酢酸発酵を継続でき、高酸度食酢中のアルコール濃度を低下せしめ得ることをはじめて見出し、そして更に研究の結果、生酸速度の数値限定にもはじめて成功し、例えば、発酵液中への酸素溶解速度を制限したり、発酵温度を低下させたりして、生酸速度を0.08%/時間以下、好ましくは0.002〜0.08%/時間となるように制限することによって、正常に酢酸発酵を継続でき、高濃度食酢中のアルコール濃度を0.1容量%未満の殆どゼロにすることが可能となることを見出し、本発明を完成させることが出来たのである。
【0019】
すなわち本発明は、酸度が10%以上でアルコール濃度が0.1容量%未満に低下する時までに、供給酸素量を低下させ、生酸速度を0.002%〜0.080%/時間の範囲となるように低下させて、アルコール濃度が0.1容量%未満まで発酵させることを特徴とする深部培養法による高酸度食酢の製造方法に関する。
【0020】
また本発明は、酸度が10%以上でアルコール濃度が0.1容量%未満に低下する時までに、供給酸素量を低下させ、生酸速度を0.002%〜0.080%/時間の範囲となるように低下させて、アルコール濃度が0.1容量%未満まで発酵させることを特徴とする深部培養法による高酸度食酢の製造方法によって製造された、酸度が10%以上でアルコール濃度が0.1容量%未満の高酸度食酢に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の高酸度食酢の製造に用いる酢酸菌としては、酸度10%まで発酵できる酢酸菌であればいずれでも良いが、例えば前述のアセトバクター・ヨーロペウス(Acetobacter europaeus)やアセトバクター・アルトアセチゲネス(Acetobacter altoacetigenes)MH−24(FERM BP−491)などを挙げることができる。
【0022】
また、発酵液の組成は、高酸度食酢が癖のないものであることが要求されることから原材料の使用を極力抑える必要があるが、反面、酢酸菌の増殖を支えて発酵を行わせる為に酢酸菌の栄養源を必要量含有する必要があるので、例えば、発酵開始時において、酸度4〜10%、アルコール1〜4容量%、酵母エキス0.005〜1重量/容量%、ブドウ糖0.005〜1重量/容量%などの組成とする例が挙げられる。
【0023】
なお、使用する酢酸菌の性質などを考慮して、構成成分は適宜変更されるべきであり、例えば、ペプトンや微生物エキスを用いたり、フラクトースや蔗糖などの糖類を添加することも可能である。
【0024】
このような組成の発酵液中に前述の酢酸菌を接種して発酵が開始されるが、菌の増殖が確認されて発酵が開始された後、アルコールが消費されアルコール濃度が0.5〜3容量%になった段階で、酸度0.1〜10%、エタノール10〜90容量%、酵母エキス0.005〜0.5重量/容量%、ブドウ糖0.005〜1重量/容量%の組成の添加液を、アルコール濃度が0.4〜3容量%を維持するように制御しつつ発酵液に添加し、発酵が継続される。なお、この場合の各原料についても上記と同様に、適宜各種のものが使用できる。
【0025】
酢酸発酵に用いられる発酵装置としては、例えば、一般的な通気攪拌型の深部発酵装置を使用することができる。
【0026】
また、発酵方式としては、回分発酵法、半連続発酵法、二段発酵法など、従来から実施されてきた各種の方式を採用することができる。
【0027】
発酵に用いる原料は発酵開始時に全量を発酵装置に加えてもよく、また、発酵の進行に伴って適量を適切な速度で添加供給する方法(流加培養法)なども採用することもできる。
【0028】
通気方法についても、従来公知の方法が採用でき、何ら制限がなく、例えば、空気、酸素ガス等の酸素を含む気体を通気管を通じて供給する方法などが挙げられる。
【0029】
通気量は、酸度が10%を越え、アルコール濃度が0.1容量%になるまでは、発酵状況などを考慮して適宜設定すれば良く、例えば0.02〜1vvm(通気容量/発酵液量/分)の通気量で、発酵液の下部に供給し、これを攪拌機で分散させ、発酵液中の溶存酸素が0.2〜8ppm程度を維持するように制御すれば良い。
【0030】
また、発酵温度についても同様であり、酸度が10%を越え、アルコール濃度が0.1容量%になるまでは、15℃〜38℃で実施される。
このようにして、発酵が開始され、さらに発酵が進行して酸度が10%以上となり、アルコール濃度が0.1%付近になった段階で、通気攪拌を停止し、発酵を終了するのが従来の方法であったが、本発明においては、この段階までに発酵の条件を変化させ、生酸速度を0.002〜0.08%/時間となるように低下させてさらに発酵を継続する。
【0031】
本発明においては、アルコール濃度が0.1容量%よりも低下するときまでに、例えば0.4〜0.8容量%、好ましくは、0.5〜0.7容量%となったときに、生酸速度を低下させる。生産速度を低下させる具体的な方法としては、通気攪拌条件を低下させて酸素溶解速度を低下させたり、発酵温度を低下させて酢酸菌の発酵活力を弱めたりする方法があり、例えば、それまで0.4vvm程度で通気していたのを0.1vvmに低下させる、あるいは500rpmの回転数で攪拌していたのを300rpmの回転数に下げる、さらに通気攪拌型の深部発酵装置から散気管通気のみの発酵装置に発酵液を移動して発酵を継続する、また30℃で発酵していたのを25℃に下げるなどの方法が例示される。
【0032】
また、生酸速度が0.08%/時間よりも低ければ激しい発泡は見られないが、完全に菌が死滅するとアルコール濃度の減少は望めない。従って、発酵していることが認識できる生酸速度である0.002%/時間以上、好ましくは0.01%/時間以上の生酸速度にする必要がある。本発明において、生酸速度は、0.002〜0.08%/時間とするのが良いが、好ましくは0.01〜0.08%/時間、更に好ましくは0.03〜0.08%/時間となるように低下せしめると良い。
【0033】
なお、本発明においては、発酵液中のアルコール濃度を精密に測定して制御する必要があり、例えば、精度が高いアルコール測定装置であるガスクロマトグラフィーや、ガスセンサーなどを利用するのが好ましい。
【0034】
なお、ガスクロマトグラフィーを用いた測定の際は、例えば、島津製作所製ガスクロマトグラフィー(GC−17A)で、GLサイエンス製カラム(TC−WAX:0.53mm×30m)を用い、ディテクション220℃、カラム温度40℃で5分間保持し、4℃/分の条件で220℃まで昇温させて220℃で10分保持する測定条件で、試料を1μl用いる方法などが例示される。
【0035】
また、本発明における酸度とは、以下のようにして測定し、計算した結果得られる酢酸換算濃度(重量/容量%)を意味する。すなわち、測定用試料として食酢(発酵液)5mlをビーカーにとり、1N水酸化ナトリウムを用い、フェノールフタレンを指示薬として中和滴定し、得られた滴定量(ml)を1.2倍して酢酸濃度換算した値を酸度とし、%で表わした。
【0036】
さらに、本発明で言う生酸速度とは、発酵の経過とともにアルコールが酸化されて酢酸が発酵液中に蓄積するのであるが、上記の方法で測定した発酵液の酸度(%)の上昇割合を時間当りに計算した値である。
【0037】
以上のような条件で発酵させることによって、従来は避けられなかった酢酸菌の失活に伴う激しい発泡と発酵停止現象を防止し、安定的に酢酸発酵を継続させることができるようにし、最終的に酸度が10%以上で、アルコール濃度が0.1容量%未満の高酸度食酢を効率良く製造することができた。例えば、アルコール濃度が0.07容量%以下、具体的には0.03〜0.04容量%の高酸度食酢を製造することができ、アルコール濃度が0.02容量%以下といったアルコール濃度が極めて低い高酸度食酢の製造も充分可能となった。
【0038】
その結果、化学的に生成する酢酸エチルの量を従来より少なくすることが可能となり、例えば0.02%以下、更には0.01%以下とすることができ、所望する場合、0.005%以下とすることも充分可能となり、刺激性の弱いマイルドな高酸度食酢を製造することがはじめて可能となった。
【0039】
【実施例】
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0040】
【比較例1】
種菌液の調製を以下のように行った。
自吸式通気攪拌型の深部発酵が可能な10Kl容量の種菌用発酵槽に、酸度7%、アルコール3容量%、酵母エキス(アサヒビール製)0.2重量/容量%、グルコース0.2重量/容量%の組成の発酵液を5KL仕込み、これに凍結保存してあったアセトバクター・アルトアセチゲネスMH−24(FERM BP−491)を添加し、発酵温度30℃、回転数700rpm、通気量0.15vvmで酢酸発酵を開始させた。
【0041】
3週間後に明らかな増殖が認められ、酢酸発酵が開始してアルコール濃度が2容量%になった段階で、酸度3%、アルコール55容量%、酵母エキス(アサヒビール製)0.2重量/容量%、グルコース0.2重量/容量%の組成の添加液を流加し、発酵液のアルコール濃度が2〜2.5容量%の範囲になるように制御しつつ発酵を継続した。
【0042】
発酵が進行し、酸度13%となった段階でガスクロマトグラフによりアルコール濃度を測定し、酸度とアルコール濃度の合計が16%となるように前記添加液の添加量を調整した。なお、アルコール濃度の測定は、島津製作所製ガスクロマトグラフィー(GC−17A)で、GLサイエンス製カラム(TC−WAX:0.53mm×30m)を用い、ディテクション220℃、カラム温度40℃で5分間保持し、4℃/分の条件で220℃まで昇温させて220℃で10分保持する測定条件で、試料を1μl用いる方法で測定した。
【0043】
さらに酢酸発酵を継続させ、酸度が15.3%でアルコール濃度が0.3容量%になった時点で、2.7KLの発酵液が残留するように発酵液を種菌用発酵槽から取り出した。この時点で、約3.3KLの酸度15.3%、アルコール濃度0.3容量%の発酵液が得られた。
【0044】
その後、種菌用発酵槽内に残留している発酵液の通気攪拌を止めることなく、原料液を仕込み、全体を酸度7%、アルコール3容量%、酵母エキス(アサヒビール製)0.2重量/容量%、グルコース0.2重量/容量%の組成とし、さらに同様にして発酵を継続した。
【0045】
これ以降は、同様にして酸度15%以上の発酵を行い、発酵液を一部取り出した後、原料液を再度仕込んで酸度を低下させて発酵を再開させるサイクルを繰り返す半連続発酵を繰り返す中で、この種菌用発酵槽中の発酵液を種菌液として使用した。
【0046】
続いて、10L容量のジャーファーメンター(三ツワ理化学工業社製)に、種菌用発酵槽において原料液の仕込みが完了した直後の発酵液を5L移植し、発酵温度30℃、回転数500rpm、通気量0.15vvmで発酵を開始させた。
ジャーファーメンターには種菌液のみを移植しているので、殆ど増殖誘導期も無く5〜10時間後には明らかな増殖が認められた。
【0047】
その後、アルコール濃度が2容量%になった段階で、酸度3%、アルコール55容量%、酵母エキス(アサヒビール製)0.2重量/容量%、グルコース0.2重量/容量%の添加液を流加し、発酵液のエタノール濃度が2〜2.5容量%の範囲になるように制御しつつ発酵を継続した。
【0048】
48.25時間目に酸度13.6%、アルコール濃度2.05容量%、酸度とアルコール濃度の合計が15.65%となったところで、添加液の流加を停止した。
【0049】
その後、さらに発酵を継続させたところ、発酵開始から63.5時間目で、酸度が15.49%、アルコール濃度が0.1容量%となったが、この時点から急激に発泡が起こり、さらに2時間後にはジャーファーメンター上部から泡が急激に溢れ出す状態になった(泡立ち12cm以上)。
【0050】
この発泡が起こる直前までの生酸速度は0.126%/時間であったが、最終的に発泡が激しくなり、発酵が停止したのは酸度15.5%、アルコール濃度は0.05容量%であった。
このような状態の発酵経過を図1に示す。
【0051】
以上の結果、一般的に行われているような酢酸発酵条件では、アルコール濃度が低下して0.1容量%付近となった時点から急激な発泡が起き、最終的には発酵が停止することが確認された。
アルコール濃度が低い時の発泡を抑制する為には、少なくともアルコール濃度が0.1容量%になる時点までに何らかの対処方法が必要なことがわかった。
【0052】
【実施例1】
比較例1と同じ方法で仕込み、発酵を行って、アルコール濃度が2容量%になった段階で、比較例1と同じように添加液を流加し、発酵液のアルコール濃度が2〜2.5容量%の範囲になるように制御して発酵を継続した。
【0053】
発酵開始から45時間目に酸度13.54%、アルコール濃度2.14容量%、酸度とアルコール濃度の合計が15.68%となったところで、添加液の流加を停止した。
【0054】
さらに発酵開始から55時間目に、酸度が14.99%、アルコール濃度が0.62容量%となった時点で、発酵温度を30℃から25℃に低下させた。
その結果、酢酸菌の発酵活性が低下し、生酸速度は0.03%/時間に低下した。
【0055】
この状態で発酵をさらに継続したところ、発酵開始から73.25時間目にアルコール濃度が発泡の臨界点である0.1容量%になったが、この場合は全く発泡は起こらず、さらに発酵開始から78.25時間目の酸度が15.56%、アルコール濃度が0.03容量%となった発酵を停止させた時点でも、発泡は認められなかった(発酵停止時の泡立ち0cm)。
上記の発酵条件変更後のアルコール濃度と発泡状態の経過を図2に示した。
【0056】
このように、アルコール濃度が0.1容量%になる前に温度を低下させて生酸速度を0.03%/時間に低下させることで、激しい発泡を起こすことなくアルコール濃度を0.1容量%未満にできることがわかった。
【実施例2】
比較例1と同じ条件で仕込みを行い、アルコール濃度が2容量%になった段階で、比較例1と同じように添加液を流加し、発酵液のアルコール濃度が2〜2.5容量%の範囲になるように制御して発酵を行った。
【0057】
発酵開始後49時間目に酸度13.82%、アルコール濃度2.27容量%、酸度とアルコール濃度の合計が15.68%となったので、添加液の流加を停止した。
【0058】
発酵開始から62時間目、酸度が15.53%、アルコール濃度が0.52容量%の時点で、散気管通気のみの発酵装置に発酵液を移動して酸素の溶解効率を約1/2とした。その結果、酢酸菌の発酵活性が低下し、生酸速度は0.08%/時間に低下した。
【0059】
この状態で発酵を継続したところ、発酵開始から68.25時間目にアルコール濃度が発泡の臨界点である0.1容量%になったが、全く発泡は認められなかった。さらに、醗酵開始から71.2時間目で、酸度が15.58%、アルコール濃度が0.04容量%となったところで発酵を停止した時点でも、殆ど発泡は見られなかった(発酵停止時の泡立ち1cm)。
上記の発酵条件変更後のアルコール濃度と発泡状態の経過を図3に示す。
【0060】
このように、アルコール濃度が0.1容量%になる前に供給酸素量を低下させて生酸速度を0.08%/時間に低下させることで、激しい発泡をおこすことなく発酵を継続させることができ、アルコール濃度を0.1容量%未満にできることがわかった。
【0061】
【実施例3】
実施例2の方法で製造したアルコール濃度0.04容量%の高酸度食酢(本発明品)の酢酸エチル量について、30℃で10ヶ月間保存し、保存中の経時的な変化を調べた。比較対照としては、一般的なアルコール濃度が0.34容量%の高酸度食酢(従来品)を用いた。その結果を図4に示した。
【0062】
図4から、本発明品は、アルコール濃度が低いため、酢酸エチルの生成量が保存試験開始時及び保存終了時ともに、従来品の1/5以下程度に低いことがわかった。
【0063】
【実施例4】
実施例3で用いたアルコール濃度が0.04容量%の高酸度食酢(本発明品)と、アルコール濃度が0.34容量%の高酸度食酢(従来品)について、官能検査員24名による官能検査を実施した。その結果を表1に示した。
【0064】
上記結果から、本発明品は明らかに酢酸エチル臭が低減されていることがわかった。また、食酢としても好ましいと感じる人が多いことが確認できた。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、アルコール濃度が0.1容量%になっても激しい発泡を起こさせずに酢酸発酵できる方法が提供され、その結果従来よりも低いアルコール濃度の高酸度食酢が製造でき、生成する酢酸エチルの濃度をより低く抑えて酢酸エチル臭を低減したマイルドな高酸度食酢を安定して提供することが可能になった。
【0066】
このマイルドな高酸度食酢は、嗜好が多様化し、よりマイルドなものが求められてきている現在の食生活の中にあって、生酢としての利用はもちろん、ソース、マヨネーズ、調味酢などの加工用食酢としても利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1におけるアルコール濃度と起泡状態の経過を示す。
【図2】実施例1におけるアルコール濃度と起泡状態の経過を示す。
【図3】実施例2におけるアルコール濃度と起泡状態の経過を示す。
【図4】従来品と本発明品の酢酸エチル濃度の経時変化を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a high acidity vinegar, and more specifically, the alcohol concentration is very low, and as a result, the ethyl acetate content can be lowered, and the mild flavored high acidity vinegar with reduced irritating odor and method for producing the same About.
[0002]
[Prior art]
High acidity vinegar refers to vinegar with an acidity of 10% or more, while ordinary vinegar has an acidity of about 4-5% and contains a relatively high concentration of acetic acid, and the main ingredient is alcohol for brewing (Ethanol), yeast extract, organic acid, organic acid salt, and the like, which are nearly colorless and transparent, are also called white vinegar and are used mainly for processing food ingredients.
[0003]
Fermentation of high acidity vinegar is usually acetic acid bacteria that can be fermented to an acidity of 10% or more, such as Acetobacter europaeus (see, for example, Non-Patent Document 1) and Acetobacter altoacetigenes MH. -24 (FERM BP-491) (for example, refer patent document 1) etc., and is manufactured by fermentation by the deep culture method using the aeration stirring type fermenter (deep fermentation apparatus).
[0004]
In the fermentation, alcohol (ethanol) in the fermentation broth is converted into acetic acid by acetic acid bacteria, acetic acid accumulates, and the alcohol concentration gradually decreases.
[0005]
When the alcohol concentration is about 0.1% by volume, the acetic acid bacteria are inactivated, and the fermentation liquid is changed to a state having a strong foaming property. As a result, the progress of fermentation is stopped and the fermentation liquid is intense. Since a phenomenon such as foaming and outflow from the fermenter occurs, it is impossible to produce vinegar with completely zero alcohol concentration by fermentation by the submerged culture method, and usually high acidity with some alcohol remaining Only vinegar could be produced.
[0006]
As a high acidity vinegar having the lowest alcohol concentration so far, the limit is actually 0.1% by volume (see, for example, Patent Document 2).
[0007]
On the other hand, alcohol remaining in vinegar is known to react with acetic acid non-enzymatically to produce ethyl acetate. As a result, in high acidity vinegar having a high alcohol concentration, ethyl acetate accumulates with the passage of time after the end of fermentation.
[0008]
Focusing on the fact that ethyl acetate in vinegar generated by such a mechanism is a cause of a strong irritating odor, 0.04 to 0.4 parts by volume of ethyl acetate, 0.01% per 100 parts by weight of acetic acid Mild white vinegar containing ˜1.33 parts by volume of ethyl alcohol and 0.00007 to 0.007 parts by weight of citric acid has been proposed. In this case, in high acidity vinegar having an acidity of 10%, the alcohol concentration Is estimated to be 0.001 to 0.133% by volume (see, for example, Patent Document 3).
[0009]
However, in the examples in this publication, in the case of a high acidity vinegar having an acidity of 10%, the alcohol concentration is close to 0.1% by volume, and in the case of a high acidity vinegar having an acidity of 15%, the alcohol concentration is 0. It is described that the fermentation was stopped when it was close to 2% by volume, and so far, the production of high acidity vinegar with an acidity of 10% or more fermented to an alcohol concentration of less than 0.1% by volume so far. No successful examples have been reported.
[0010]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 60-80471
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 53-44696 [0012]
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-178565 [0013]
[Non-Patent Document 1]
“Systematic and Applied Microbiology”, Volume 15, p. 386-392, 1992 [0014]
[Problems to be solved by the invention]
Alcohol (ethanol) in vinegar reacts chemically with acetic acid, which is also the main component in vinegar, and changes to ethyl acetate. Therefore, the higher the alcohol concentration, the easier this chemical reaction proceeds. Since ethyl acetate has an irritating odor, a tendency to be hated is recognized. Therefore, development of a method for producing vinegar with as little alcohol content as possible is desired.
[0015]
However, when the alcohol concentration is lowered in the production of high-concentration vinegar, the acetic acid bacteria are deactivated (in some cases, killed), and at the same time, they are violently foamed and the fermentation ability is lost. Specifically, in conventional fermentation by the semi-continuous method (continuous batch method), when the remaining amount of alcohol (ethanol) is low (for example, less than 0.1%) at the end of fermentation, the acetic acid bacteria die rapidly. In addition, the foaming is intensely foamed at the same time, losing the fermentation ability, and even if recharging is performed, the fermentation does not resume smoothly.
[0016]
That is, as described above, in the production of high acidity vinegar, in order to reduce the irritating odor, the alcohol concentration must be decreased. However, if the alcohol concentration is decreased, the acetic acid bacteria are killed. It is impossible or extremely difficult to let you know. The present invention has been made for the purpose of efficiently industrially producing a high-concentration vinegar having a weak irritating odor by simultaneously achieving the conflicting conditions that cannot be achieved in this way.
[0017]
An object of the present invention is to provide a high acidity vinegar with a weak pungent odor, and as a means thereof, for example, a method of fermenting to a lower alcohol concentration of less than 0.1% by volume is provided. A mild acid high acidity vinegar having a low ethyl content and a weak pungent odor is provided.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
In the fermentation of high acidity vinegar by deep fermentation, the present inventors can stably deactivate acetic acid bacteria without causing severe foaming even in an alcohol concentration region of less than 0.1% by volume. By intensively studying how acetic acid fermentation can be continued, as a result, by limiting the rate of raw acid by the time when the alcohol concentration falls below 0.1% by volume, the inactivation of acetic acid bacteria is prevented, It was discovered for the first time that acetic acid fermentation can be continued normally by suppressing severe foaming and the alcohol concentration in high acidity vinegar can be reduced. By limiting the oxygen dissolution rate in the fermentation broth or lowering the fermentation temperature, the raw acid rate is 0.08% / hour or less, preferably 0.002 to 0.08% / hour. By restricting to Te, normally can continue acetic acid fermentation, the alcohol concentration in the high-concentration vinegar found that it is possible to almost zero of less than 0.1 volume percent, it was able to complete the present invention.
[0019]
That is, the present invention reduces the amount of oxygen supplied and reduces the raw acid rate from 0.002% to 0.080% / hour by the time when the acidity is 10% or more and the alcohol concentration is reduced to less than 0.1% by volume . It is related with the manufacturing method of the high acidity vinegar by the submerged culture method characterized by making it fall so that it may become a range and fermenting alcohol concentration to less than 0.1 volume%.
[0020]
In addition, the present invention reduces the amount of oxygen supplied by the time when the acidity is 10% or more and the alcohol concentration is reduced to less than 0.1% by volume, and the raw acid rate is 0.002% to 0.080% / hour. Produced by a method for producing high acidity vinegar by a submerged culture method, wherein the alcohol concentration is 10% or more and the alcohol concentration is 10% or more. It relates to a high acidity vinegar of less than 0.1% by volume.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The acetic acid bacterium used in the production of the high acidity vinegar of the present invention may be any acetic acid bacterium that can be fermented to an acidity of 10%. For example, the aforementioned Acetobacter europaeus or Acetobacter altoacetigenes ( Acetobacter altoacetigenes) MH-24 (FERM BP-491).
[0022]
In addition, the composition of the fermentation liquor requires that the high acidity vinegar be free of koji, so it is necessary to suppress the use of raw materials as much as possible. On the other hand, in order to support the growth of acetic acid bacteria and perform fermentation Therefore, for example, at the start of fermentation, the acidity is 4 to 10%, the alcohol is 1 to 4% by volume, the yeast extract is 0.005 to 1% by weight / volume,
[0023]
The constituent components should be appropriately changed in consideration of the properties of the acetic acid bacteria to be used. For example, peptone or microbial extract can be used, or saccharides such as fructose and sucrose can be added.
[0024]
Fermentation is started by inoculating the above-mentioned acetic acid bacteria in the fermented liquid having such composition, but after the growth of the bacteria is confirmed and fermentation is started, alcohol is consumed and the alcohol concentration is 0.5-3. At the stage of reaching volume%, the acidity is 0.1 to 10%, ethanol is 10 to 90 volume%, yeast extract is 0.005 to 0.5 weight / volume%, and glucose is 0.005 to 1 weight / volume%. The additive solution is added to the fermentation solution while maintaining the alcohol concentration at 0.4 to 3% by volume, and the fermentation is continued. In this case, various materials can be used as appropriate in the same manner as described above.
[0025]
As a fermentation apparatus used for acetic acid fermentation, for example, a general aeration and stirring type deep fermentation apparatus can be used.
[0026]
Moreover, as a fermentation system, the various systems conventionally implemented, such as a batch fermentation method, a semi-continuous fermentation method, and a two-stage fermentation method, are employable.
[0027]
The raw material used for fermentation may be added to the fermentation apparatus in its entirety at the start of fermentation, and a method of adding and feeding an appropriate amount at an appropriate rate as the fermentation progresses (a fed-batch culture method) may also be employed.
[0028]
As the ventilation method, a conventionally known method can be adopted and there is no limitation, and examples thereof include a method of supplying a gas containing oxygen such as air or oxygen gas through a ventilation pipe.
[0029]
The aeration amount may be set as appropriate in consideration of the fermentation conditions until the acidity exceeds 10% and the alcohol concentration reaches 0.1% by volume, for example, 0.02 to 1 vvm (aeration capacity / fermentation liquid amount). / Min), the amount of aeration may be supplied to the lower part of the fermentation broth and dispersed with a stirrer so that the dissolved oxygen in the fermentation broth is maintained at about 0.2 to 8 ppm.
[0030]
Moreover, it is the same also about fermentation temperature, and it implements at 15 to 38 degreeC until an acidity exceeds 10% and alcohol concentration becomes 0.1 volume%.
In this way, fermentation is started, and further, fermentation proceeds, acidity becomes 10% or more, and alcohol concentration is close to 0.1%. However, in the present invention, the fermentation conditions are changed up to this stage, the raw acid rate is lowered to 0.002 to 0.08% / hour, and the fermentation is continued.
[0031]
In the present invention, by the time when the alcohol concentration falls below 0.1% by volume, for example, 0.4 to 0.8% by volume, preferably 0.5 to 0.7% by volume, Reduce raw acid rate. Specific methods for reducing the production rate include a method of lowering the aeration stirring condition to lower the oxygen dissolution rate, or a method of lowering the fermentation temperature to weaken the fermentation vitality of acetic acid bacteria. Aeration at about 0.4 vvm is reduced to 0.1 vvm, or agitation at 500 rpm is reduced to 300 rpm, and only aeration tube ventilation from the aeration and stirring type deep fermentation apparatus Examples include a method in which the fermentation liquid is transferred to the fermentation apparatus and the fermentation is continued, or the fermentation at 30 ° C. is lowered to 25 ° C.
[0032]
Further, if the raw acid rate is lower than 0.08% / hour, severe foaming is not observed, but if the bacteria are completely killed, the alcohol concentration cannot be reduced. Therefore, it is necessary to set a raw acid rate of 0.002% / hour or more, preferably 0.01% / hour or more, which is a raw acid rate that can be recognized as being fermented. In the present invention, the raw acid rate is preferably 0.002 to 0.08% / hour, preferably 0.01 to 0.08% / hour, more preferably 0.03 to 0.08%. / It is good to reduce so that it becomes time.
[0033]
In the present invention, it is necessary to precisely measure and control the alcohol concentration in the fermentation broth. For example, it is preferable to use gas chromatography, a gas sensor, or the like, which is a highly accurate alcohol measuring device.
[0034]
In the measurement using gas chromatography, for example, Shimadzu gas chromatography (GC-17A) is used, and a GL Science column (TC-WAX: 0.53 mm × 30 m) is used, and the detection is 220 ° C. Examples include a method in which 1 μl of the sample is used under measurement conditions of holding the column temperature at 40 ° C. for 5 minutes, raising the temperature to 220 ° C. at 4 ° C./min, and holding at 220 ° C. for 10 minutes.
[0035]
The acidity in the present invention means the acetic acid equivalent concentration (weight / volume%) obtained as a result of measurement and calculation as follows. That is, 5 ml of vinegar (fermented liquid) as a measurement sample was placed in a beaker, neutralized with 1N sodium hydroxide and neutralized with phenolphthalene as an indicator, and the titration (ml) obtained was multiplied by 1.2 to acetic acid. The value in terms of concentration was defined as acidity and expressed in%.
[0036]
Furthermore, the raw acid rate referred to in the present invention means that the alcohol is oxidized and acetic acid accumulates in the fermentation broth as the fermentation progresses. The rate of increase in acidity (%) of the fermentation broth measured by the above method is as follows. It is a value calculated per hour.
[0037]
By fermenting under the conditions as described above, it is possible to prevent the severe foaming and fermentation stoppage phenomenon accompanying the inactivation of acetic acid bacteria, which was unavoidable in the past, so that acetic acid fermentation can be continued stably, and finally In addition, it was possible to efficiently produce a high acidity vinegar having an acidity of 10% or more and an alcohol concentration of less than 0.1% by volume. For example, a high acidity vinegar having an alcohol concentration of 0.07% by volume or less, specifically 0.03-0.04% by volume, can be produced, and the alcohol concentration is extremely low such that the alcohol concentration is 0.02% by volume or less. Production of low high acidity vinegar is also possible.
[0038]
As a result, it is possible to reduce the amount of chemically produced ethyl acetate as compared with the conventional case, for example, 0.02% or less, further 0.01% or less, and if desired, 0.005% It was also possible to make the following, and it became possible for the first time to produce a mild high acidity vinegar with weak irritation.
[0039]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated concretely, this invention is not limited to these Examples.
[0040]
[Comparative Example 1]
The seed solution was prepared as follows.
Self-priming aeration and stirring type fermenter for inoculum with 10Kl capacity capable of deep fermentation, acidity 7%,
[0041]
After 3 weeks, obvious growth was observed, and when acetic acid fermentation started and the alcohol concentration reached 2% by volume, acidity was 3%, alcohol was 55% by volume, yeast extract (manufactured by Asahi Breweries) 0.2 wt / volume. Fermentation was continued while controlling the concentration of alcohol in the fermentation broth to be in the range of 2 to 2.5 vol%.
[0042]
When the fermentation progressed and the acidity reached 13%, the alcohol concentration was measured by gas chromatography, and the addition amount of the additive solution was adjusted so that the sum of the acidity and alcohol concentration was 16%. The alcohol concentration was measured by Shimadzu Gas Chromatography (GC-17A) using a GL Science column (TC-WAX: 0.53 mm × 30 m) with a detection temperature of 220 ° C. and a column temperature of 40 ° C. The sample was measured by a method using 1 μl of the sample under the measurement conditions of holding for 4 minutes, raising the temperature to 220 ° C. at 4 ° C./min, and holding at 220 ° C. for 10 minutes.
[0043]
Furthermore, acetic acid fermentation was continued, and when the acidity reached 15.3% and the alcohol concentration reached 0.3% by volume, the fermentation broth was removed from the fermenter for inoculum so that 2.7 KL of the fermentation broth remained. At this point, a fermentation broth having an acidity of 15.3% and an alcohol concentration of 0.3% by volume of about 3.3 KL was obtained.
[0044]
Then, without stopping aeration and stirring of the fermentation broth remaining in the fermenter for inoculum, the raw material solution was charged, the whole was 7% acidity, 3% alcohol, 0.2% yeast extract (Asahi Breweries) Fermentation was continued in the same manner with a composition of volume% and glucose 0.2 wt / volume%.
[0045]
Thereafter, in the same manner, the fermentation is carried out at an acidity of 15% or more, and after taking out a part of the fermentation broth, the semi-continuous fermentation is repeated in which the raw material solution is charged again and the acidity is lowered to restart the fermentation. The fermented liquid in this fermenter for inoculum was used as the inoculum.
[0046]
Subsequently, 5 L of the fermented liquid immediately after the preparation of the raw material liquid in the inoculum fermenter was transplanted to a 10 L capacity jar fermenter (manufactured by Mitsuwa Chemical Corporation), fermentation temperature 30 ° C., rotation speed 500 rpm, aeration Fermentation was started with an amount of 0.15 vvm.
Since only the seed solution was transplanted to the jar fermenter, there was almost no growth induction period, and obvious growth was observed after 5 to 10 hours.
[0047]
Thereafter, when the alcohol concentration reached 2% by volume, an additive solution containing 3% acidity, 55% alcohol, 0.2% / volume% yeast extract (made by Asahi Breweries), and 0.2% weight / volume glucose was added. Fermentation was continued while controlling the ethanol concentration of the fermentation broth to be in the range of 2 to 2.5% by volume.
[0048]
At 48.25 hours, when the acidity was 13.6%, the alcohol concentration was 2.05% by volume, and the sum of the acidity and the alcohol concentration was 15.65%, the feeding of the additive solution was stopped.
[0049]
Thereafter, when the fermentation was further continued, the acidity was 15.49% and the alcohol concentration was 0.1% by volume at 63.5 hours from the start of the fermentation. After 2 hours, the foam suddenly overflowed from the upper part of the jar fermenter (foaming 12 cm or more).
[0050]
The rate of raw acid until just before this foaming was 0.126% / hour, but the foaming finally became intense, and the fermentation stopped when the acidity was 15.5% and the alcohol concentration was 0.05% by volume. Met.
The fermentation process in such a state is shown in FIG.
[0051]
As a result of the above, under acetic acid fermentation conditions that are generally performed, rapid foaming occurs from the time when the alcohol concentration decreases to near 0.1% by volume, and eventually the fermentation stops. Was confirmed.
In order to suppress foaming when the alcohol concentration is low, it has been found that some countermeasure is required at least until the alcohol concentration reaches 0.1% by volume.
[0052]
[Example 1]
The same method as in Comparative Example 1 was used for fermentation, and when the alcohol concentration reached 2% by volume, the additive solution was fed in the same manner as in Comparative Example 1, and the alcohol concentration of the fermentation solution was 2 to 2. Fermentation was continued while controlling to be in the range of 5% by volume.
[0053]
At 45 hours after the start of fermentation, when the acidity was 13.54%, the alcohol concentration was 2.14% by volume, and the sum of the acidity and the alcohol concentration was 15.68%, the feeding of the additive solution was stopped.
[0054]
Furthermore, at 55 hours after the start of fermentation, when the acidity reached 14.99% and the alcohol concentration reached 0.62% by volume, the fermentation temperature was lowered from 30 ° C to 25 ° C.
As a result, the fermentation activity of the acetic acid bacteria decreased, and the raw acid rate decreased to 0.03% / hour.
[0055]
When the fermentation was further continued in this state, the alcohol concentration became 0.1% by volume, which is the critical point of foaming, at 73.25 hours from the start of fermentation. In this case, foaming did not occur at all, and further fermentation started. No foaming was observed even when the fermentation was stopped when the acidity at the time of 78.25 hours was 15.56% and the alcohol concentration was 0.03% by volume (0 cm of foaming when fermentation was stopped).
The progress of the alcohol concentration and foaming state after the above fermentation condition change is shown in FIG.
[0056]
Thus, by reducing the temperature before the alcohol concentration reaches 0.1% by volume and reducing the raw acid rate to 0.03% / hour, the alcohol concentration is reduced to 0.1% without causing severe foaming. It was found that it can be made less than%.
[Example 2]
The same conditions as in Comparative Example 1 were used, and when the alcohol concentration reached 2% by volume, the additive solution was fed in the same manner as in Comparative Example 1, and the alcohol concentration in the fermentation broth was 2 to 2.5% by volume. Fermentation was carried out while controlling so as to be in the range.
[0057]
At 49 hours after the start of the fermentation, the acidity was 13.82%, the alcohol concentration was 2.27% by volume, and the total acidity and alcohol concentration was 15.68%, so the feeding of the additive solution was stopped.
[0058]
At 62 hours after the start of fermentation, when the acidity is 15.53% and the alcohol concentration is 0.52% by volume, the fermentation solution is transferred to a fermenter that only ventilates the aeration tube so that the oxygen dissolution efficiency is about ½. did. As a result, the fermentation activity of the acetic acid bacteria decreased, and the raw acid rate decreased to 0.08% / hour.
[0059]
When fermentation was continued in this state, the alcohol concentration became 0.1% by volume, which is the critical point of foaming, at 68.25 hours from the start of fermentation, but no foaming was observed. Furthermore, even when the fermentation was stopped when the acidity was 15.58% and the alcohol concentration was 0.04% by volume at 71.2 hours from the start of fermentation, almost no foaming was observed (when fermentation was stopped). Foaming 1cm).
The progress of the alcohol concentration and foaming state after the above fermentation condition change is shown in FIG.
[0060]
Thus, fermentation is continued without causing intense foaming by reducing the amount of oxygen supplied to reduce the raw acid rate to 0.08% / hour before the alcohol concentration reaches 0.1% by volume. It was found that the alcohol concentration could be less than 0.1% by volume.
[0061]
[Example 3]
The amount of ethyl acetate of the high acidity vinegar (invention product) having an alcohol concentration of 0.04% by volume produced by the method of Example 2 was stored at 30 ° C. for 10 months, and the change over time during storage was examined. As a comparative control, a high acidity vinegar (conventional product) having a general alcohol concentration of 0.34% by volume was used. The results are shown in FIG.
[0062]
FIG. 4 shows that the product of the present invention has a low alcohol concentration, so that the amount of ethyl acetate produced is as low as 1/5 or less of the conventional product both at the start of storage test and at the end of storage.
[0063]
[Example 4]
For the high acidity vinegar (invention product) with an alcohol concentration of 0.04% by volume and the high acidity vinegar (conventional product) with an alcohol concentration of 0.34% by volume used in Example 3, 24 sensory inspectors Inspection was conducted. The results are shown in Table 1.
[0064]
From the above results, it was found that the product of the present invention clearly has a reduced ethyl acetate odor. Moreover, it has confirmed that there are many people who feel that it is preferable also as vinegar.
[0065]
【The invention's effect】
According to the present invention, there is provided a method capable of fermenting acetic acid without causing severe foaming even when the alcohol concentration becomes 0.1% by volume. As a result, a high acidity vinegar having a lower alcohol concentration than conventional can be produced Accordingly, it is possible to stably provide a mild high acidity vinegar in which the concentration of ethyl acetate is reduced to reduce the odor of ethyl acetate.
[0066]
This mild, high acidity vinegar is in the current diet where tastes are diversified and milder ones are being sought. It can also be used as edible vinegar.
[Brief description of the drawings]
1 shows the alcohol concentration and the progress of foaming in Comparative Example 1. FIG.
FIG. 2 shows the progress of alcohol concentration and foaming state in Example 1.
FIG. 3 shows the progress of alcohol concentration and foaming state in Example 2.
FIG. 4 shows changes with time in ethyl acetate concentrations of a conventional product and a product of the present invention.
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