JP4075663B2 - 電波伝搬特性推定システム及びその方法並びにプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電波伝搬特性推定システム及びその方法並びにプログラムに関し、特に送信点より放射される電波を複数の電波線(レイ)に近似し前記複数のレイの経路を追跡して受信点に到達するレイを検出するレイトレーシング手法による電波伝搬特性推定によって周波数伝達関数を求める電波伝搬特性推定システムの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
極短パルスを変調をかけずにそのままアンテナから放出するUWB(Ultra Wide Band) 通信方式は、ミキサ等の非線形回路が不要であるなどの特徴から、低コストな近距離高速無線通信方式として着目されている。パルス波形、アンテナ指向性、送信パワー等の最適設計に際しては、実電波伝搬環境の正確な把握、すなわちチャネル推定が不可欠である。近距離通信のためのチャネル推定法としては、幾何光学近似による電波伝搬解析手法、いわゆるレイトレーシング法が一般的である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
レイトレーシング法では、送信点から放射される電波をレイと呼ばれる電波線に分解し、各レイの伝搬経路を反射、透過、回折により模擬し、各受信点に到達するレイ(各受信点近傍を通過するレイ)を検出することで目的とする電波伝搬特性の推定を行う。このとき、送信点から放射される電波はコヒーレント波(以下、CWと称す)である。反射係数、透過係数及び回折係数は、CWの設定周波数(中心周波数)並びにレイの入射角に応じてしかるべき値が設定される。
【0004】
レイトレーシング法について図面を用いて説明する。図9は所定の観測領域(観測空間)内に送信点T1、受信点R1、構造物O1〜O3とが与えられた場合のレイトレーシングについて説明するための図である。
【0005】
図9において、送信点T1から放射されたレイRa1はまず構造物O1へ入射する。反射点Rf1において反射レイRa2と透過レイRa3が発生し、それぞれのレイは各方向へさらに伝搬する。このとき反射点Rf1における反射レイRa2の電力pr1は、送信点T1から放射された電力に反射係数並びに送信点T1から反射点Rf1に至る伝搬経路による空間減衰量を乗じることにより与える。
【0006】
さらに、反射レイRa2はエッジ構造物O2のエッジRf2へ到達し、エッジRf2にて回折レイRa4が発生する。エッジRf2における回折レイRa4の電力pr2は、電力pr1に回折係数並びに反射点Rf1からエッジRf2に至る伝搬経路による空間減衰量を乗じることで与えられる。
【0007】
回折レイRa4はさらに構造物O3へと入射し、透過レイRa6と反射レイRa5が生成される。透過点Rf3における透過レイRa6の電力pr3は、電力pr2に透過係数並びにエッジRf2から透過点Rf3に至る伝搬経路による空間減衰量を乗じることで与えられる。
【0008】
透過レイRa6は受信点R1へ到達し、受信点R1における受信電力pr4は透過点Rf3から受信点R1に至る伝搬経路による空間減衰量を電力pr3に乗じることで与えられる。
【0009】
受信点R1に到達したレイRa6に対して、その受信強度pr4並びに送信点T1から受信点R1に至る総伝搬経路長により規定される到来遅延時間を基に図10に示すような遅延プロファイルが記録される。図10において、横軸101はレイが送信点T1から受信点R1に到達するのに要した到来遅延時間を、縦軸102は受信強度を示している。
【0010】
同様に、互いに異なる経路を通って送信点T1から受信点R1に到達する他の全てのレイについてもその到来遅延時間並びに受信強度を記録することで、最終的には、図11に示すような遅延プロファイルが得られる。図10において、横軸111は各レイが送信点T1から受信点R1に到達するのに要した到来遅延時間を、縦軸102は受信強度を示している。
【0011】
図9〜11では、受信点に到来するレイの受信強度のみを記録したが、キャリアの位相回転についても考慮可能である。位相を考慮する場合には、図9のpr1〜pr4は電力ではなく電磁界振幅となり、その値は複素数で与えられる。この場合、反射係数、透過係数及び回折係数もそれぞれ複素数で与えられる。
【0012】
図9〜11を用いて説明したレイトレーシング法では、位相を考慮することにより受信点での複素インパルス応答が取得される。位相を考慮して得られた受信点での複素インパルス応答をフーリエ変換することにより、当該受信点での周波数伝達関数を得ることが可能となる。図12には、レイトレーシングによりある受信点に対して得られた複素インパルス応答をフーリエ変換した結果である周波数伝達関数が示されている。図12に示したように、送信点から放射されるCWの周波数fを中心とし、周波数の正負両方向に無限に広がった周波数特性が得られる。
【0013】
【非特許文献1】
S. Y. Seidel and T. S. Rappaport, “Site-Specific Propagation Prediction for Wireless In-Building Personal Communication System Design, ” IEEE Trans VehTechnol, 43, 4, pp.879-891, 1994
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
レイトレーシングで用いられる反射係数、透過係数、回折係数及び空間減衰量は、周波数依存性を持つ。したがって、レイトレーシングにより得られる図12に例示した周波数伝達関数は、周波数が送信点から放射されるCWの設定周波数fから離れるほど関数の値が不正確なものとなる。すなわち、レイトレーシング法は広い占有周波数帯域幅を有する通信方式、例えばUWB通信方式等を対象とした電波伝搬特性推定には不向きであった。
【0015】
本発明の目的は、レイトレーシングを用いて広い占有周波数帯域幅を有する通信方式に適合した電波伝搬特性推定を行なうことができる電波伝搬特性推定システム及びその方法並びにプログラムを提供することである。
さらに、本発明の目的は、上記電波伝搬特性推定の演算処理量を削減することができる電波伝搬特性推定システム及びその方法並びにプログラムを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明による電波伝搬特性推定システムは、送信点より放射される電波を複数の電波線(レイ)に近似し前記複数のレイの経路を追跡して受信点に到達するレイを検出するレイトレーシング手法による電波伝搬特性推定によって周波数伝達関数を求める電波伝搬特性推定システムであって、所望の無線通信システムの無線信号スペクトルを複数の帯域に分割し、これら複数の帯域それぞれの所定周波数の各々を前記送信点より放射される電波の周波数として、前記電波伝搬特性推定によって前記所定周波数の各々毎に周波数伝達関数を求める第1の手段と、前記第1の手段により求められた周波数伝達関数を基に前記無線通信システムにおける電波伝搬特性を求める第2の手段とを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明による電波伝搬特性推定方法は、送信点より放射される電波を複数の電波線(レイ)に近似し前記複数のレイの経路を追跡して受信点に到達するレイを検出するレイトレーシング手法による電波伝搬特性推定によって周波数伝達関数を求める電波伝搬特性推定方法であって、所望の無線通信システムの無線信号スペクトルを複数の帯域に分割し、これら複数の帯域それぞれの所定周波数の各々を前記送信点より放射される電波の周波数として、前記電波伝搬特性推定によって前記所定周波数の各々毎に周波数伝達関数を求める第1のステップと、前記第1のステップにより求められた周波数伝達関数を基に前記無線通信システムにおける電波伝搬特性を求める第2のステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明によるプログラムは、送信点より放射される電波を複数の電波線(レイ)に近似し前記複数のレイの経路を追跡して受信点に到達するレイを検出するレイトレーシング手法による電波伝搬特性推定によって周波数伝達関数を求める電波伝搬特性推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、所望の無線通信システムの無線信号スペクトルを複数の帯域に分割し、これら複数の帯域それぞれの所定周波数の各々を前記送信点より放射される電波の周波数として、前記電波伝搬特性推定によって前記所定周波数の各々毎に周波数伝達関数を求める第1のステップと、前記第1のステップにより求められた周波数伝達関数を基に前記無線通信システムにおける電波伝搬特性を求める第2のステップとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、評価対象の広い占有帯域幅を有する無線通信システムにおける送信点及び受信点間の電波伝搬特性を求めるために、送信点より放射される電波の周波数を当該無線通信システムの占有帯域内で変えながらレイトレーシングによる電波伝搬特性推定を複数回行うことにより周波数伝達関数を複数求める。そして、これら周波数伝達関数を周波数軸上で合成し、この合成結果を当該無線通信システムにおける送信点及び受信点間の電波伝搬特性とする。
【0019】
また、本発明によれば、送信点より放射される電波の周波数によらずレイの伝搬経路は同一であることに着目し、レイの伝搬経路探索処理は1回だけ行なうようにする。この1回の探索処理により検出された受信点に到達するレイの各々について、反射係数、透過係数、回折係数及び空間減衰量を電波の設定周波数に応じて適宜設定することにより、探索処理を複数回行うことなく周波数伝達関数をそれぞれ求める。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態によれば、評価対象の広い占有帯域幅を有する無線通信システムにおける送信点及び受信点間の電波伝搬特性を求めるために、まず、送信点より放射される電波に近似された複数のレイの経路を追跡し、受信点に到達するレイを検出する。また、評価対象の無線通信システムの占有帯域をMつの狭帯域に分割し、これらMつの狭帯域の中心周波数f1〜fMの各々を送信点より放射される電波の周波数とする。
【0021】
そして、受信点に到達するレイの各々の伝搬経路上の反射点、透過点、回折点における反射係数、透過係数、回折係数及び当該伝搬経路による空間減衰量を周波数f1〜fMそれぞれに応じて求める。これにより、送信点より放射される電波の周波数がそれぞれ周波数f1〜fMである場合の受信点でのインパルス応答が求められる。そして、これらインパルス応答をそれぞれフーリエ変換することにより周波数伝達関数が得られ、これら周波数伝達関数を周波数軸上で合成し、この合成結果を評価対象の無線通信システムにおける送信点及び受信点間の電波伝搬特性とするものである。
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態による電波伝搬特性推定方法(広帯域チャネル推定方法)の動作を説明するための図であり、図9と同じ状況(すなわち、所定の観測領域(観測空間)内に送信点T1、受信点R1、構造物O1〜O3とが与えられた状況)を想定している。
【0023】
図1において、送信点T1から放射されたレイRa1は構造物O1へ入射する。このとき、反射点Rf1では反射レイRa2と透過レイRa3が発生する。本発明の実施の形態では、反射点Rf1における反射レイRa2の強度が、周波数による反射係数並びに空間減衰量の違いを反映させて、(r11,r12,・・・,r1M)で与えられる。ここで、Mは周波数インデックスを、rijは、送信点T1からの反射・透過・回折の発生回数がiであり送信点T1より放射される電波の周波数がインデックスjの周波数(周波数j)である場合におけるレイの複素強度を表す。複素強度とは、その位相成分がキャリアの位相回転を表し、大きさの自乗がレイの電力を表す。
【0024】
なお、複素強度r11〜r1Mは、反射点Rf1における反射係数及び送信点T1から反射点Rf1に至る伝搬経路による空間減衰量を周波数f1〜fM各々ごとに求めることにより、求められる。
【0025】
さらに、レイRa2はエッジ構造物O2のエッジRf2へ到達し、エッジRf2にて回折レイRa4が発生する。エッジRf2における回折レイRa4の複素強度が、周波数による回折係数並びに空間減衰量の違いを反映させて、(r21,r22,・・・,r2M)で与えられる。なお、複素強度r21〜r2Mは、エッジRf2における回折係数及び反射点Rf1からエッジRf2に至る伝搬経路による空間減衰量を周波数f1〜fM各々ごとに求めることにより、求められる。
【0026】
レイRa4はさらに構造物O3へと入射し、透過点Rf3において透過レイRa6と反射レイRa5が生成される。透過点Rf3における透過レイRa6の複素強度が、周波数による透過係数並びに空間減衰量の違いを反映させて、(r31,r32,・・・,r3M)で与えられる。なお、複素強度r31〜r3Mは、透過点Rf3における透過係数及びエッジRf2から透過点Rf3に至る伝搬経路による空間減衰量を周波数f1〜fM各々ごとに求めることにより、求められる。
【0027】
レイRa6は受信点R1へ到達する。受信点R1におけるレイRa6の複素強度が、周波数による空間減衰量の違いを反映させて、(r41,r42,・・・,r4M)で与えられる。なお、複素強度r41〜r4Mは、透過点Rf3から受信点R1に至る伝搬経路による空間減衰量を周波数f1〜fM各々ごとに求めることにより、求められる。また、送信点T1から受信点R1に至る総伝搬経路長(レイRa1〜Ra6の伝搬経路長の合計)を基に到来遅延時間が求められる。なお、到来遅延時間は、電波伝搬特性を推定する周波数帯域が、構造物を構成する材質の電気特性が一様であるとみなせる範囲内にある場合、周波数によらず同一であり、例えばUWBのような通信機器が使用する周波数帯域内では一定とみなしても問題ない。
【0028】
送信点T1より放射される複数のレイの経路を追跡する経路追跡処理を行なうことにより検出された受信点R1に到達するレイRa6について、以上説明したようにして周波数f1〜fM各々ごとに受信点R1における複素強度及び到来遅延時間を求める。したがって、本発明の実施の形態によれば、複数の周波数f1〜fMに対する受信点R1における受信特性を、経路追跡処理をM回行なうのではなく1回行うのみで把握することができる。
【0029】
同様に、経路追跡処理により検出された、互いに異なる経路を通って送信点T1から受信点R1に到達する他の全てのレイについても、周波数f1〜fM各々ごとに受信点R1における複素強度及び到来遅延時間を求める。これにより、送信点T1より放射される電波の周波数がそれぞれ周波数f1〜fMである場合の受信点R1での複素インパルス応答が得られる。さらに、これら複素インパルス応答をそれぞれフーリエ変換することにより、送信点T1より放射される電波の周波数がそれぞれ周波数f1〜fMである場合の周波数伝達関数 (チャネル推定結果)が得られる。
【0030】
そして、これら周波数伝達関数を周波数軸上で合成する。図2(a)及び(b)は本発明の実施の形態による電波伝搬特性推定方法における周波数伝達関数の合成について説明するための図である。
【0031】
周波数伝達関数はそれぞれ対応するバンドパスフィルタに入力される。バンドパスフィルタの通過帯域はそれぞれ、周波数f1〜fMを中心周波数とする上述したMつの帯域である。したがって、電波の周波数がf1である場合の周波数伝達関数は、通過帯域がMつの帯域のうちf1を中心周波数とする帯域であるフィルタに入力され、これにより図2(a)に示した周波数伝達関数S1が得られる。同様に、電波の周波数がそれぞれf2〜fMである場合の周波数伝達関数も、対応するバンドパスフィルタにそれぞれ入力され、これにより図2 (a)に示した周波数伝達関数S2〜SMが得られる。
【0032】
そして図2(a)に示すように、周波数伝達関数S1〜SMが周波数軸上に並べられ、これら周波数伝達関数S1〜SMを図2(b)に示すように平滑化して合成する。これにより、評価対象の無線通信システムにおける送信点T1及び受信点R1間の電波伝搬特性としての周波数伝達関数S(広帯域チャネル推定結果)が得られる。
【0033】
なお、図2(a)及び(b)を参照すると、周波数f1〜fMはそれぞれ等間隔に設定されているが、周波数f1〜fMの間隔は不等間隔としてもよい。
【0034】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、複数の周波数伝達関数S1〜SM(複数の狭帯域チャネル推定結果)を合成することにより、レイトレーシングを用いた広帯域チャネル推定が可能になる。また、複数の周波数に対する受信特性が一度の伝搬経路追跡処理によって把握できるため、演算処理量が少なくて済む。
【0035】
本発明の実施の形態における帯域分割数Mは、その値を大きくすればするほどより正確な広帯域チャネル推定が可能となる。しかし、チャネル推定処理に必要なメモリ量や演算処理量はMを大きくすればするほどより大きくなってしまう。図3は本発明の実施の形態における帯域分割数Mについて説明するための図であり、評価対象の無線通信システムの送信信号スペクトルに対して下限周波数と上限周波数を規定し、下限周波数及び上限周波数間のスペクトルをいくつの帯域に分割するかを示している。
【0036】
図3に示すように、送信信号スペクトルの広がりが増えるほど分割数Mの値が増加される。送信信号スペクトルの広がりは、上記下限周波数及び上限周波数間の帯域幅(送信信号スペクトルの帯域幅)、最大パワーとなる周波数を中心としこれよりXdB減衰するパワーを有する下限周波数及び上限周波数間の帯域幅、あるいは送信信号スペクトルの帯域分散である。なお、帯域分散SPは送信信号のスペクトルがTs(f)として与えられる際に式(1)で定義される。
【0037】
【数1】
ただし、式(1)のエネルギー中心周波数fAは、式(2)で与えられる。
【0038】
【数2】
このように送信信号スペクトルの広がりに応じて分割数Mを設定することにより、送信信号の占有帯域に応じて過不足の無い分割数の適値を設定することが可能となり、チャネル推定処理の効率化が達成される。
【0039】
図4は上述した実施の形態の処理動作を実現するための機能ブロックを示す図である。図4において、レイの経路追跡部1は送受信間を結ぶレイの伝搬経路を追跡するブロックであり、このブロックは周波数帯域の分割数Mによらず1回だけ実行される。周波数帯域分割部2は送信信号スペクトルの広がりに応じて最適な帯域分割を実施するブロックである。幾何光学係数計算部3は、レイの経路追跡部1で検出された受信点に到達するレイの伝搬経路中の反射・透過・回折に対し、Mつの分割帯域の中心周波数f1〜fM各々ごとに反射係数・透過係数・回折係数を計算するブロックである。
【0040】
インパルス応答計算部4はMつの分割帯域各々のインパルス応答を受信点ごとに計算するブロックである。周波数伝達関数計算部5はインパルス応答計算部4で求めたインパルス応答をフーリエ変換して周波数伝達関数を計算するブロックである。周波数伝達関数合成部6は、周波数伝達関数計算部5で求めた各分割帯域の周波数伝達関数を各分割帯域の帯域幅を通過帯域とするバンドパスフィルタにより濾過して周波数軸上に並べることにより、評価対象の無線通信システムにおける送信点及び受信点間の電波伝搬特性としての周波数伝達関数を求めるブロックである。
【0041】
制御部7はこれら各部1〜6を制御するものであり、記録媒体8に記憶されているプログラムの動作手順に従って動作して各部の制御を行うものであって、CPU(コンピュータ)からなる。記録媒体8はRAM及びROMからなり、RAMはCPUの作業用メモリであり、ROMはプログラムを格納したものである。上記の実施の形態における動作処理手順は、予めプログラムとしてこのROMに格納しておくことで、制御可能である。
【0042】
図5は本発明の実施の形態の動作を示すフローチャートであり、図4の機能ブロックの動作に従った処理手順となっており、図4の各部1〜6の処理を、ステップD1〜D6として、それぞれ対応して示している。なお、図5において、ステップD2における帯域分割処理をステップD1における経路追跡処理より前に行うようにしてもよい。
【0043】
本発明の実施の形態において、レイトレーシングによる経路追跡演算は一般に負荷が大きく、複雑な伝搬環境を対象とする場合には膨大な計算時間を要することがある。また、所定の観測領域内に受信点R1の他にも受信点が与えられている場合に受信点の総数が増大すると、図4の周波数伝達関数計算部5において実行するフーリエ変換の演算負荷が増えて多くの演算時間が必要になる。さらに、インパルス応答の時間分解能を増大させると、受信点に到来する遅延パルスの到来遅延時間と受信強度を記憶するメモリの消費量が増大し、受信点の総数が大きな場合にはこのメモリ消費量はさらに増大して高価な大容量メモリが必要になる。
【0044】
本発明の実施の形態は単一CPUと単一メモリを用いても実現しうるが、複雑な伝搬環境を精度良く短時間で解析し、なおかつ高価な大容量メモリの使用を回避するには複数のCPUを用いて処理を並列化し、全体のメモリ消費量を複数の小容量メモリに分散させるのが有効である。
【0045】
図6は本発明の実施の形態を複数CPUと複数の小容量メモリを用いて実現する際の基盤システムを説明する図である。図6に示したシステムは、N個の中央演算ユニット(CPU1〜N)A02〜A05、N個のメモリ(メモリ1〜N)A06〜A09、共通記録装置A01、ネットワークA10からなり、各CPUは他の全てのCPUとネットワークA10を介して通信することが可能である。共通記録装置A01は全てのCPU1〜Nから読み書きが可能である。
【0046】
共通記録装置A01はCPUのいずれかの内部に配置される場合があり、この場合、当該CPU以外のCPUはネットワークA10を経由して共通記録装置A01にアクセスする。共通記録装置A01はネットワークA10上に配置される場合がある。共通記録装置A01は、周波数伝達関数の記録や、各CPUを制御するための動作プログラムを格納する等に使用されるものである。
【0047】
図7は経路追跡処理を複数CPUで分散処理する方法について説明する図である。送信点と受信点を結ぶレイの伝搬経路は、送信点を起点とする方位(各レイが放射される方位)ごとに互いに重複なく分類することができる。したがって、送信点を起点とする各方位ごとの経路追跡処理を異なるCPUに割り当てれば全体の経路追跡処理を並列化することができる。図7に、C01〜C04で示される互いに異なるL個の方位(方位1〜L)の経路追跡処理がC11〜C13で示される複数のCPU(CPU1〜N)に割り当てられる様子が示されている。この方法に従えば、経路追跡処理を並列化して短時間で演算を終えることができる。
【0048】
この方法によれば、各CPUのレイの経路追跡部1(図4参照)は、自身に割り当てられた方位に放射されるレイの経路を追跡する。各CPUの幾何光学係数計算部3(図4参照)は、各受信点に到達するレイが検出された場合、周波数帯域分割部2により分割されたMつの帯域の中心周波数f1〜fM各々ごとに、当該レイの伝搬経路における反射・透過・回折の各係数を算出する。
【0049】
各CPUのインパルス応答計算部4(図4参照)は各受信点におけるインパルス応答を求めるために、周波数f1〜fM各々ごとに当該レイの到来遅延時間及び強度を求める。当該レイの到来遅延時間及び強度からは部分的なインパルス応答が求まる。したがって、各受信点におけるインパルス応答の全体を求めるには各CPUのインパルス応答計算部4の計算結果から求まる部分インパルス応答を合成する必要がある。このとき、各CPUに付随するメモリに格納されている部分インパルス応答を、ネットワークA10を通じてメモリ1〜Nのうちの1つに集めると大容量メモリが必要になるが、受信点ごとに部分インパルス応答の集約先のメモリを別にすればメモリの消費量を分散させることができる。そして、集約先のメモリに付随するCPUのインパルス応答計算部4は、周波数f1〜fM各々ごとに部分インパルス応答を合成することにより周波数f1〜fMに対するインパルス応答を求める。
【0050】
さらに、集約先のメモリに付随するCPUの周波数伝達関数計算部5(図4参照)は、周波数f1〜fMに対するインパルス応答をそれぞれフーリエ変換することにより周波数伝達関数を求め、集約先のメモリに付随するCPUの周波数伝達関数合成部6(図4参照)は、求められた周波数伝達関数を合成する。周波数伝達関数計算を集約先メモリに付随するCPUで行うことにより、受信点ごとの周波数伝達関数計算の負荷を容易に分散させることができ、同じく周波数伝達関数合成処理を集約先メモリに付随するCPUで行うことにより、受信点ごとの周波数伝達関数合成処理も各CPUで分散処理できる。なお、集約先のメモリに付随するCPU以外のCPUは周波数伝達関数計算部5及び周波数伝達関数合成部6を有していなくてもよい。
【0051】
最終的に、各集約先のメモリに付随するCPUが合成された伝達関数を、例えばハードディスクのような共通記録装置A01に記録することにより、送信点と各受信点との間の電波伝搬特性の解析を小容量メモリのみを用いて実行することができる。
【0052】
以上説明した方法に従えば、複数のCPUと複数の安価な小容量メモリを用いることで、演算負荷とメモリ消費量を分散させることができ、解析を高速かつ安価に行うことができる。
【0053】
なお、以上説明した方法は、複数のCPU1〜Nの各々が自身に割り当てられたレイについて図5に示したステップD1〜D4の処理を行い、複数のCPU1〜Nのうち集約先のメモリに付随するCPUが図5に示したステップD5及びD6の処理を行うことにより、実現される。
【0054】
上記実施の形態に従った電波伝搬解析システムはスタンドアロン型の計算機を用いても実現できるが、個々のユーザが独自にシステムを構築するとコスト高になる傾向が否めない。図8は、電波伝搬解析部分をネットワークを介して複数のユーザ間で共用するシステムモデルを説明する図である。このモデルでは、ユーザ端末200が広域ネットワーク201を介してサーバ202にアクセスする。サーバ202にはユーザ認証機能と電波伝搬解析機能が含まれており、上記実施の形態で述べた単数もしくは複数CPUを利用した電波伝搬解析システムはこの部分に集約される。
【0055】
図8のシステムにおいて、ユーザはまず、ユーザ端末内に格納されている編集クライアントを用いて環境データの編集を行う(P100)。環境データには解析対象となる空間の構造情報が記されており、電波伝搬解析シミュレータであるサーバ202はこの構造情報をもとにレイトレーシングを行う。また、環境データには解析対象となる無線通信システムの仕様に関する特性情報が記される場合もあり、当該無線通信システムにおける周波数分割の方法等のように当該無線通信システムの特性に応じた電波伝搬解析をこの環境データを介してサーバ202に指示することもできる。
【0056】
次に、作成した環境データをサーバへ転送するためにサーバ202との間でユーザ認証を行い(P101)、アクセス許可を得る(P102)。サーバ202とユーザ端末200の間で交換されるデータは、認証系によるアクセス制御と通信路の暗号化によって機密保持が行われており、環境データの記載内容や解析データが当該ユーザ外の第三者に漏れることのないようにしてある。
【0057】
認証処理が済んだ後は、ユーザの環境データをサーバ202へ転送し(P103)、サーバ202は受信した環境データをもとに電波伝搬解析を行う(P104)。解析が終了すると、解析結果をユーザ端末200に転送し(P105)、ユーザ端末200は解析結果を表示する(P106)。
【0058】
以上のように、この方法に従えば、伝搬解析シミュレータのような高コスト部を集約して共有することで、解析コストを低く抑えることができる。また、システムの中心部分を一元管理できるため、メンテナンスが容易になるという利点もある。
【0059】
【発明の効果】
本発明による効果は、レイトレーシングを用いて広い占有周波数帯域幅を有する通信方式に適合した電波伝搬特性推定を行なうことができることである。その理由は、送信点より放射される電波を複数の電波線(レイ)に近似し前記複数のレイの経路を追跡して受信点に到達するレイを検出するレイトレーシング手法による電波伝搬特性推定によって周波数伝達関数を求める電波伝搬特性推定システムにおいて、所望の無線通信システムの無線信号スペクトルを複数の帯域に分割し、これら複数の帯域それぞれの所定周波数の各々を前記送信点より放射される電波の周波数として、前記電波伝搬特性推定によって前記所定周波数の各々毎に周波数伝達関数を求める第1の手段と、前記第1の手段により求められた周波数伝達関数を基に前記無線通信システムにおける電波伝搬特性を求める第2の手段とを設けるようにしたためである。
【0060】
また、複数のレイの経路を追跡することにより検出された受信点に到達するレイの伝搬損を周波数それぞれについて調べるようにしているので、経路追跡処理を複数回行うことなく当該無線通信システムにおける電波伝搬特性を求めることができ、よって、電波伝搬特性推定の演算処理量の削減及び電波伝搬特性推定処理の高速化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による電波伝搬特性推定方法を説明する図である。
【図2】(a)及び(b)は本発明の実施の形態による電波伝搬特性推定方法における周波数伝達関数の合成について説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態における帯域分割数Mについて説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態の処理動作を実現するための機能ブロックを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態を複数CPUと複数の小容量メモリを用いて実現する際の基盤システムの構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態のプロセスを複数CPUに割り当てる方法を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態による電波伝搬推定システムの構成を示す図である。
【図9】従来の電波伝搬推定方法を説明する図である。
【図10】1本のレイに対する受信点における遅延プロファイルの例を示す図である。
【図11】従来の電波伝搬推定方法により得られる受信点における遅延プロファイルの例を示す図である。
【図12】従来の電波伝搬推定方法により得られる周波数伝達関数の例を示す図である。
【符号の説明】
1 レイの経路追跡部
2 周波数帯域分割部
3 幾何光学係数計算部
4 インパルス応答計算部
5 周波数伝達関数計算部
6 周波数伝達関数合成部
7 制御部
8 記録媒体
A01 共通記録装置
A02〜A05 CPU
A06〜A09 メモリ
A10 ネットワーク
O1〜O3 構造物
R1 受信点
Ra1〜Ra6 レイ
Rf1 反射点
Rf2 エッジ
Rf3 透過点
T1 送信点
Claims (19)
- 送信点より放射される電波を複数の電波線(レイ)に近似し前記複数のレイの経路を追跡して受信点に到達するレイを検出するレイトレーシング手法による電波伝搬特性推定によって周波数伝達関数を求める電波伝搬特性推定システムであって、
所望の無線通信システムの無線信号スペクトルを複数の帯域に分割し、これら複数の帯域それぞれの所定周波数の各々を前記送信点より放射される電波の周波数として、前記電波伝搬特性推定によって前記所定周波数の各々毎に周波数伝達関数を求める第1の手段と、前記第1の手段により求められた周波数伝達関数を基に前記無線通信システムにおける電波伝搬特性を求める第2の手段とを含むことを特徴とする電波伝搬特性推定システム。 - 前記第2の手段は、前記第1の手段により求められた周波数伝達関数を前記複数の帯域をそれぞれ通過帯域とするバンドパスフィルタにより濾過し、濾過された周波数伝達関数を周波数軸上に並べて合成することにより前記電波伝搬特性を得ることを特徴とする請求項1記載の電波伝搬特性推定システム。
- 前記第1の手段は、前記電波伝搬特性推定によって前記所定周波数の各々毎に前記受信点に到達するレイの到来遅延時間及び強度の情報を求める第3の手段を有し、前記第3の手段により求められた前記情報を基に前記所定周波数の各々毎に周波数伝達関数を求めることを特徴とする請求項1又は2記載の電波伝搬特性推定システム。
- 前記第3の手段は、前記受信点に到達するレイの伝搬損を前記所定周波数それぞれについて求めることにより、前記複数のレイの経路の追跡を一度行なうのみで前記所定周波数の各々毎に前記情報を求めることを特徴とする請求項3記載の電波伝搬特性推定システム。
- 前記複数のレイの方位ごとに前記第3の手段を設けて、並列に実行するようにしたことを特徴とする請求項3又は4記載の電波伝搬特性推定システム。
- 前記複数の周波数の数は前記無線信号スペクトルの広がりに応じて設定されることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の電波伝搬特性推定システム。
- 前記無線信号スペクトルの広がりは前記無線信号スペクトルの帯域幅であることを特徴とする請求項6記載の電波伝搬特性推定システム。
- 前記無線信号スペクトルの広がりは前記無線信号スペクトルの帯域分散であることを特徴とする請求項6記載の電波伝搬特性推定システム。
- 前記無線信号スペクトルの広がりは前記無線信号スペクトルのうち、当該スペクトルの最大パワーより所定値だけ小であるパワー以上のパワーを有する帯域幅であることを特徴とする請求項6記載の電波伝搬特性推定システム。
- 送信点より放射される電波を複数の電波線(レイ)に近似し前記複数のレイの経路を追跡して受信点に到達するレイを検出するレイトレーシング手法による電波伝搬特性推定によって周波数伝達関数を求める電波伝搬特性推定方法であって、
所望の無線通信システムの無線信号スペクトルを複数の帯域に分割し、これら複数の帯域それぞれの所定周波数の各々を前記送信点より放射される電波の周波数として、前記電波伝搬特性推定によって前記所定周波数の各々毎に周波数伝達関数を求める第1のステップと、前記第1のステップにより求められた周波数伝達関数を基に前記無線通信システムにおける電波伝搬特性を求める第2のステップとを含むことを特徴とする電波伝搬特性推定方法。 - 前記第2のステップは、前記第1のステップにより求められた周波数伝達関数を前記複数の帯域をそれぞれ通過帯域とするバンドパスフィルタにより濾過し、濾過された周波数伝達関数を周波数軸上に並べて合成することにより前記電波伝搬特性を得ることを特徴とする請求項10記載の電波伝搬特性推定方法。
- 前記第1のステップは、前記電波伝搬特性推定によって前記所定周波数の各々毎に前記受信点に到達するレイの到来遅延時間及び強度の情報を求める第3のステップを有し、前記第3のステップにより求められた前記情報を基に前記所定周波数の各々毎に周波数伝達関数を求めることを特徴とする請求項10又は11記載の電波伝搬特性推定方法。
- 前記第3のステップは、前記受信点に到達するレイの伝搬損を前記所定周波数それぞれについて求めることにより、前記複数のレイの経路の追跡を一度行なうのみで前記所定周波数の各々毎に前記情報を求めることを特徴とする請求項12記載の電波伝搬特性推定方法。
- 前記複数のレイの方位ごとに前記第3のステップを並列に実行するようにしたことを特徴とする請求項12又は13記載の電波伝搬特性推定方法。
- 前記複数の周波数の数は前記無線信号スペクトルの広がりに応じて設定されることを特徴とする請求項10〜14いずれか記載の電波伝搬特性推定方法。
- 前記無線信号スペクトルの広がりは前記無線信号スペクトルの帯域幅であることを特徴とする請求項15記載の電波伝搬特性推定方法。
- 前記無線信号スペクトルの広がりは前記無線信号スペクトルの帯域分散であることを特徴とする請求項15記載の電波伝搬特性推定方法。
- 前記無線信号スペクトルの広がりは前記無線信号スペクトルのうち、当該スペクトルの最大パワーより所定値だけ小であるパワー以上のパワーを有する帯域幅であることを特徴とする請求項15記載の電波伝搬特性推定方法。
- 送信点より放射される電波を複数の電波線(レイ)に近似し前記複数のレイの経路を追跡して受信点に到達するレイを検出するレイトレーシング手法による電波伝搬特性推定によって周波数伝達関数を求める電波伝搬特性推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
所望の無線通信システムの無線信号スペクトルを複数の帯域に分割し、これら複数の帯域それぞれの所定周波数の各々を前記送信点より放射される電波の周波数として、前記電波伝搬特性推定によって前記所定周波数の各々毎に周波数伝達関数を求める第1のステップと、前記第1のステップにより求められた周波数伝達関数を基に前記無線通信システムにおける電波伝搬特性を求める第2のステップとを含むことを特徴とするプログラム。
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