JP4075113B2 - Optical fiber amplifier and erbium-doped optical fiber - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重方式の光伝送システムにおいて、異なる波長を有する複数の信号光(多波長の信号光)を一括増幅する光ファイバ増幅器及び増幅用光ファイバであるエルビウム添加光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信の大容量高速化に伴い、波長多重(WDM:Wavelength division Multiplexing)伝送方式に関する研究・開発がなされている。このWDM伝送方式において、最も重要な光素子の一つが、多波長の信号光を一括増幅する光増幅器である。この光増幅器は、高利得・低雑音であって、信号光波長帯域において、利得スペクトルが平坦であることが要求されるため、従来より、希土類元素としてのEr(エルビウム)元素を添加したエルビウム添加光ファイバ(EDF:Er-Doped Fiber)を採用した光ファイバ増幅器(EDFA:Er-Doped Fiber Amplifier)が用いられている。
【0003】
上記EDFは、図6に示すように、コア領域21aと、当該コア領域21aの外周に設けられたクラッド領域21bと、励起光強度の高いコア領域21aの中心部分にのみにErが添加されたEr層22と、からなるものである。このEDFにおける信号光強度分布及び添加Er濃度分布を示したのが図7であり、この図において、横軸はEDFの縦断面における半径方向位置を表し、縦軸は信号光光強度と添加Er濃度をともに表している。図7より明らかなように、コア領域21aの中心部分にErが一様な濃度で添加されている。
【0004】
ここで、上記EDFを用いたEDFAに関しては、例えば、「M.Fukusima et al."Flat gain Erbium-doped fiber amplifier in 1570nm-1600nm region for dense WDM transmission systems",OFC'97,Postdeadline papers 3.1997(古河電工)」(以後、従来例1と呼ぶ)、「小野 他 ”1.58μm帯Er添加光ファイバ増幅器”97年春季電子情報通信学会総合大会C-3-86(NTT)」(以後、従来例2と呼ぶ)等に記載がなされている。
【0005】
上記従来例1では、波長=1570nm〜1600nmの範囲に存在する信号光を増幅する場合には、波長1564nmの大パワーのダミー信号光を入射させ、これにより、EDFを強く飽和させて当該EDF内の長手方向に平均化した反転分布を40%程度まで低下させ、上記波長の範囲で利得を平坦化した光増幅を行えることが述べられている。このとき、上記EDFを強く飽和させることにより、単位長当たりの利得が低下するため、所望の利得を得るべく、EDF長を長く設定する必要がある。
【0006】
また、上記従来例2では、EDFを長尺化することにより、励起光が届かない励起光の弱い領域、すなわち飽和の強い領域を形成し(EDFを強く飽和させ)、これにより、上記とほぼ同様な波長帯において、利得を平坦化した光増幅を行えることが述べられている。このとき、EDFの単位長当たりの利得は低いため、上記EDFを構成するホストガラスを石英系ガラスとしたもの(石英系EDF)では、所望の利得を得るために必要なEDFの長さは、200m程度であり、上記ホストガラスをフッ化物ガラスとしたもの(フッ化物EDF)では、石英系EDFの1/5の長さである40m程度であることが述べられている。なお、上記石英系EDFでは、利得平坦化の目的で、さらに所定量のAl(アルミニウム)が添加されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来例1、2では、所望の利得を得るには、最も多用される石英系EDFのままではEDFを長くしなければならず、短尺化を図れないといった問題があった。
【0008】
また、従来例2のように、ホストガラスをフッ化物ガラスとすれば、EDFの短尺化を図れるが、当該フッ化物ガラスは、信頼性に劣るとともに製造コストが高く、実用性に劣るといった問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、短尺化されると共に実用性に優れたエルビウム添加光ファイバを備えて、所望の平坦化した利得を得ることができる光ファイバ増幅器、及び、増幅用光ファイバであるエルビウム添加光ファイバを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバ増幅器は、所定の基準軸に沿って伸びたコア領域、当該コア領域の外周に設けられたクラッド領域、コア領域及びクラッド領域中のコア領域に隣接する領域の双方にエルビウムを添加することにより構成したエルビウム添加部を有し、石英系ガラスをホストガラスとするエルビウム添加光ファイバと、このエルビウム添加光ファイバの入力側及び出力側の少なくとも一方側に接続されたWDMカプラと、このWDMカプラに接続され、波長1.48μm帯の励起光を出力する励起用光源と、エルビウム添加光ファイバを飽和させ、信号光の波長略1570nm〜略1600nmの範囲において、光ファイバ増幅器の利得を平坦化するエルビウム添加光ファイバ飽和手段と、を具備した。
【0011】
この光ファイバ増幅器によれば、エルビウム添加光ファイバ飽和手段により、エルビウム添加光ファイバを強く飽和させる(エルビウム添加光ファイバの長手方向に平均化した反転分布を低下させる)ため、信号光の波長略1570nm〜略1600nmの範囲において、平坦化された増幅器利得が得られるようになる。ここで、従来技術では、EDFを強く飽和させることにより単位長当たりの利得が低下するため、所望の利得を得るべく、EDF長を長く設定する必要があったが、一方、本発明では、エルビウム添加範囲がクラッド領域にまで広げられるため、信号光とエルビウム添加部分との重なり合う部分が大きくなり、単位長さ当たりの利得が増やされるようになる。従って、エルビウム添加光ファイバの長さを長くして利得の増加を図るという必要がなくなり、短尺化が図られるようになると共に、エルビウム添加光ファイバの長さの短尺化を図るべくホストガラスに例えばフッ化物ガラスを用いるという必要がなくなり、信頼性の確保及び製造コストの上昇防止が図られるようになる。また、エルビウム添加範囲を広げることにより単位長さ当たりの利得を増やすようにすれば、短尺化が図られると共に、この短尺化により背景損失の影響が低減されるようになる。従って、従来技術のようにエルビウム添加光ファイバの長さを長くすることにより利得を増やす場合に比して、短尺化により背景損失の影響が抑えられる分、さらに有利となる。
【0012】
このとき、エルビウムのファイバ断面の半径方向の分布が、入射される信号光のモードフィールド径より外に及んでいると、上述した信号光とエルビウム添加部分との重なり合う部分が非常に大きくなるため、エルビウム添加光ファイバの必要長が非常に短くなり、ホストガラスを例えばフッ化物ガラスとした場合と同程度まで短くされるようになる。
【0013】
また、このとき、エルビウムが添加された領域と同じ領域に、Alが所定量添加されていることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、本発明に係る光ファイバ増幅器(EDFA)を表した構成図である。このEDFAは、半導体レーザ(図示せず)から出射され、光ファイバ伝送路2を伝送されてきた多波長の信号光を入力して一括増幅し、光ファイバ伝送路7に出力するものであり、活性元素としてエルビウムを添加したエルビウム添加光ファイバ(EDF)1の入力には、融着部10を介して、WDMカプラ4の出力が接続されている。このWDMカプラ4の一方の入力には、上記EDF1に励起光を供給するための励起用レーザ光源8が接続されていると共に、他方の入力には、アイソレータ3の出力が接続されている。
【0020】
一方、上記EDF1の出力には、融着部10を介して、WDMカプラ5の一端子が接続されており、このWDMカプラ5の他方の入力には、上記EDF1に励起光を供給するための励起用レーザ光源9が接続されていると共に、カプラ5の出力には、アイソレータ6の入力が接続されている。
【0021】
上記アイソレータ3,6は、光を一方向にのみ透過させるものであって、アイソレータ3は、光ファイバ伝送路2側からEDF1側への方向には光を通過させるが、その逆方向には光を通過させないものであり、アイソレータ6は、EDF1側から光ファイバ伝送路7側への方向には光を通過させるが、その逆方向には光を通過させないものである。
【0022】
また、上記WDMカプラ4は、励起用レーザ光源8からの励起光をEDF1側へ出力すると共に、アイソレータ3を透過した信号光を入力してEDF1側へ通過させる。また、上記WDMカプラ5は、励起用レーザ光源9からの励起光をEDF1に出力すると共に、EDF1で増幅された信号光を入力してアイソレータ6へ通過させる。
【0023】
上記EDF1は、上記励起用レーザ光源8,9からの励起光(波長1.48μm帯)により双方向励起され、これにより反転分布が形成される。そして、この反転分布が形成されている時に、多波長信号光(波長1.58μm帯:各信号光の中心波長が略1570nm〜略1600nmの範囲内にある複数の信号光)が入力すると、その信号光を一括増幅して出力する。
【0024】
このEDF1は、ホストガラスを石英系ガラスとしたものであり、この石英系ガラスは、信頼性が高く且つ製造コストが安いという特性を有している。
【0025】
当該EDF1は、図2に示すように、所定の基準軸1cに沿って伸び(紙面に垂直な方向に伸び)、屈折率n1を有するコア領域1aと、当該コア領域1aの外周に設けられ、屈折率n2(<n1)を有するクラッド領域1bと、後述の所定領域(所定位置)にErが添加されたEr(エルビウム)層12と、から構成されており、利得平坦化の目的で、上記Er層12と同じ領域にさらにAl(アルミニウム)が所定量添加されている。
【0026】
上記Er層12は、図2に示すように、その軸心がコア領域1aの軸心1cと同軸の断面円形状となっている。
【0027】
特に、本実施形態においては、上記Er層12は、短尺化を図るべく、コア領域1a及びクラッド領域1b、すなわちコア領域1aの外側部分まで拡大されている。
【0028】
このEDF1における信号光強度分布及び添加Er濃度分布を示したのが図3であり、この図において、横軸はEDF1の縦断面における半径方向位置を表し、縦軸は信号光光強度と添加Er濃度をともに表している。図3より明らかなように、コア領域1aの外側部分までErが添加されている。
【0029】
なお、Er層12は、本実施形態においては、より好ましいとして、その軸心がコア領域1aの軸心1cと同軸の断面円形状となっているが、必ずしも断面円形状でなくても良く、またコア領域1aの軸心1cと同軸でなくても良い。
【0030】
斯くの如く構成されたEDFAは、以下のように作用する。すなわち、図1を参照すれば、励起用レーザ光源8から出力された励起光がWDMカプラ4を介してEDF1に供給され、また励起用レーザ光源9から出力された励起光がWDMカプラ5を介して上記EDF1に供給されている時に、半導体レーザから光ファイバ伝送路2を伝送されてきた多波長信号光がEDFAに入力すると、その多波長信号光はアイソレータ3を通過し、EDF1に入力して一括増幅される。続いて、このEDF1から出力された多波長信号光は、WDMカプラ5、アイソレータ6を順次通過し、光ファイバ伝送路7に出力される。
【0031】
このとき、本実施形態においては、エルビウム添加光ファイバ飽和手段として、励起用レーザ光源8,9からの励起光を弱めてEDF1を強く飽和させる励起光調整手段を用いている。この励起光調整手段は、例えば、励起用レーザ光源8,9にコントローラ8a,9aを設けて当該コントローラ8a,9aにより電流を調整して励起光を最適化するというものであり、これにより、上記EDF1が強く飽和し(EDF1の長手方向に平均化した反転分布が低下し)、1.58μm帯の波長の範囲において、利得を平坦化した光増幅を行うことができる。ここで、本実施形態においては、EDF1の長手方向に平均化した反転分布が40%程度に最適化している。なお、反転分布の定義式は以下の式(1)で表される。
【0032】
反転分布=N2/(N1+N2) …(1)
但し、N1は基底準位のEr密度をEDFの長手方向に平均化したもの
N2は励起準位のEr密度をEDFの長手方向に平均化したもの
また、EDF1を強く飽和させる他の方法としては、例えば、従来例1で説明したダミー信号光を入射させる等の方法がある。
【0033】
次に、上記EDFAの利得Gについて説明する。上記EDFAの利得Gは以下の式(2)で表される。
【0034】
G=ζ・(σe・N2−σa・N1)・L−α・L …(2)
但し、ζは信号光とEr添加部分との重なりを表す閉じ込め係数
σeは誘導放出断面積
σaは吸収断面積
N1は基底準位のEr密度をEDFの長手方向に平均化したもの
N2は励起準位のEr密度をEDFの長手方向に平均化したもの
LはEDFの長さ
αは単位長さ当たりの背景損失である。
【0035】
ここで、従来技術では、上記利得Gを増やすために、上記EDFの長さLを大きくするようにしていたが、本実施形態では、EDFの長さLを大きくすることなくEr添加部分の直径(以下Er添加径と記す)を広げ、これにより、上記信号光及び励起光とEr添加部分との重なりを表す閉じ込め係数ζを大きくして、上記利得Gを増やすようにしている。
【0036】
本発明者は、上記作用・効果を確認すべく、以下の条件で、図1に示したEDFAを動作させた。すなわち、励起光の波長を1.48μm帯として、双方向からEDF1に対して200mWづつの励起光パワーで供給する一方で、信号光の波長を1568、1570、1572、1574nmの2nm刻みの4波WDM信号とすると共に、信号光入力を−10dBm/ch×4波、すなわちトータル信号光入力を−4dBmとし、さらに上記WDMカプラ4,5として、1.48/1.55μmWDMカプラを用いた。
【0037】
また、上記EDF1としては、以下の表1に示す諸元のEDFを用いた。
【0038】
【表1】
【0039】
なお、表1に示す信号光のモードフィールド径(MFD)は、波長1570nmにおけるものである。また、一般にMFDは、波長にほぼ正比例するので、励起光のMFDは、信号光の波長を1570nmとすると、信号光のMFDの1.48/1.57倍で与えられ、この値は、信号光のMFDよりも小さい。
【0040】
図4及び図5は、Er添加径を最大8μmまで変化させた時の最大信号光出力と、EDF長との関係を表したものであり、図4にEr添加径と最大信号光出力との関係を、図5にEr添加径とEDF長との関係を、それぞれ示す。上記最大信号光出力とは、あるEr添加径のEDFに対して一定の信号光入力と励起光入力とを与えて、EDFの長さを変化させた時の光出力の最大値のことであり、上記EDF長とは、上記最大信号光出力を得るのに必要なEDFの長さのことである。
【0041】
ここで、通常のAl添加石英系EDF(従来例2に記載のもの)では、Er添加径が1.0〜1.4μm程度である。従って、上記動作条件では、図5に示すように、45mを越えるEDF長が必要となる。特に、Er添加径を1.0μmとした場合には、図5に示すように、100mを越えるEDF長が必要となる。このとき、7.5dB/km程度の背景損失の影響が現れるため、EDFAとしての最大信号光出力は、図4に示すように、低い値となっている。
【0042】
一方、図5に示すように、Er添加径を広げれば、EDF長を低減できるというのが判る。特に、Er添加径を信号光のMFDと同程度まで広げると、図5に示すように、EDF長は9m程度となり、通常のAl添加石英系EDF長の1/5以下となる。これは、従来例2で説明した、通常のAl添加石英系EDFに対してホストガラスをフッ化物ガラスとした場合と比較しても、同比率の改善となっている。
【0043】
すなわち、Er添加径を信号光のMFDと同程度まで広げれば、信頼性に劣ると共に製造コストの高いフッ化物EDFを用いることなく、通常の実用性に優れた石英系EDFであっても、EDF長をフッ化物EDFと同程度に短くすることができることになる。さらにEr添加径を広げれば、図5に示すように、未だ若干EDFを短縮することが可能である。
【0044】
そして、このように、Er添加径を広げることにより上記係数ζを大きくし、上記利得Gを大きくすれば、EDFを短尺化できるため、上記背景損失の影響α・Lを低減できる(上記式(2)参照)。従って、従来技術のようにEDFの長さLを大きくすることにより上記利得Gを増やすのに比して、背景損失の影響α・Lを抑えることができる分、さらに有利である。
【0045】
因みに、Er添加濃度は、現状の製造プロセスでは、上記表1に示した値がほぼ限界に当たる濃度である。また、このEr添加濃度としては、製造上の実績を考慮すると、1000ppm前後が望ましい。
【0046】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるというのはいうまでもなく、例えば、上記実施形態においては、EDFAを、EDF1の入力側及び出力側の両方から励起光を供給する双方向励起型としているが、例えば励起用レーザ光源9及びWDMカプラ5の無い前方励起や励起用レーザ光源8及びWDMカプラ4の無い後方励起に対しても同様に適用できる。
【0047】
また、光通信システムでは、シングルモード光ファイバが主流なため、本発明のEDFAを、シングルモード光ファイバの光通信システムに適用するのが好適であるが、マルチモード光ファイバの光通信システムに対しても適用できる。
【0048】
なお、特開平4−20938号公報には、活性元素イオンが主として光ファイバのクラッドにドープされているものの開示があり、また特開平3−289633号公報には、活性元素が主として光ファイバのコアとクラッドの境界近傍にドープされているものの開示があり、また特開平4ー199031号公報には、光ファイバのクラッドに希土類元素をドープした時でも、一定程度の光増幅ができるという開示があるが、これらは、コア領域及びクラッド領域の双方にエルビウムを添加すると共にエルビウム添加光ファイバを飽和させることによって、エルビウム添加光ファイバを短尺化すると共に実用性に優れたものとしつつ、信号光の波長略1570nm〜略1600nmの範囲において、所望の平坦化した増幅器利得を得ることができるという本発明とは、全く異なるものである。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り本発明の光ファイバ増幅器は、エルビウム添加光ファイバ飽和手段によって、エルビウム添加光ファイバを強く飽和させるため、信号光の波長略1570nm〜略1600nmの範囲において、利得を平坦化した光増幅を行なうことができる。このとき、コア領域及びクラッド領域の双方にエルビウムを添加しているため、信号光とエルビウム添加部分との重なり合う部分が大きくなる。このため、単位長さ当たりの利得が増え、エルビウム添加光ファイバの長さを長くして利得の増加を図るという必要がない。その結果、エルビウム添加光ファイバの短尺化を図り得ると共に、エルビウム添加光ファイバの長さの短尺化を図るべくホストガラスに例えばフッ化物ガラスを用いるという必要がなく、エルビウム添加光ファイバを実用性に優れたものとし得るようになっている。すなわち、短尺化されると共に実用性に優れたエルビウム添加光ファイバを備えて、所望の平坦化した利得を得ることができる光ファイバ増幅器を提供することができる。
【0050】
また、エルビウム添加範囲を広げることにより単位長さ当たりの利得を増やすようにすれば、短尺化が図られると共に、この短尺化により背景損失の影響が低減されるようになる。このため、従来技術のようにエルビウム添加光ファイバの長さを長くすることにより利得を増やす場合に比して、短尺化により背景損失の影響が抑えられる分、本発明の光ファイバ増幅器は、さらに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光ファイバ増幅器を表した構成図である。
【図2】 図1中のエルビウム添加光ファイバを表した断面図である。
【図3】 エルビウム添加光ファイバにおける信号光強度及び添加エルビウム濃度を表した分布図である。
【図4】 エルビウム添加径と最大信号光出力との関係を表した特性図である。
【図5】 エルビウム添加径と最大信号光出力を得るのに必要なエルビウム添加光ファイバ長との関係を表した特性図である。
【図6】 従来技術におけるエルビウム添加光ファイバを表した断面図である。
【図7】 従来技術のエルビウム添加光ファイバにおける信号光強度及び添加エルビウム濃度を表した分布図である。
【符号の説明】
1…エルビウム添加光ファイバ、1a…コア領域、1b…クラッド領域、1c…基準軸、4,5…WDMカプラ、8,9…励起用光源、8a,9a…エルビウム添加光ファイバ飽和手段、12…エルビウム添加部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical fiber amplifier that collectively amplifies a plurality of signal lights having different wavelengths (multi-wavelength signal light) and an erbium-doped optical fiber that is an amplification optical fiber in a wavelength division multiplexing optical transmission system. .
[0002]
[Prior art]
With the increase in capacity and speed of optical communication, research and development have been conducted on wavelength division multiplexing (WDM) transmission systems. In this WDM transmission system, one of the most important optical elements is an optical amplifier that collectively amplifies multi-wavelength signal light. Since this optical amplifier is required to have high gain and low noise and to have a flat gain spectrum in the signal light wavelength band, erbium doped with an Er (erbium) element as a rare earth element has been conventionally used. An optical fiber amplifier (EDFA: Er-Doped Fiber Amplifier) that employs an optical fiber (EDF: Er-Doped Fiber) is used.
[0003]
As shown in FIG. 6, in the EDF, Er is added only to the
[0004]
Here, regarding the EDFA using the above EDF, for example, “M. Fukusima et al.“ Flat gain Erbium-doped fiber amplifier in 1570 nm-1600 nm region for dense WDM transmission systems ”, OFC '97, Postdeadline papers 3.1997 (Furukawa (Electric Works) ”(hereinafter referred to as Conventional Example 1),“ Ono et al., “1.58 μm-band Er-doped fiber amplifier”, 1997 Spring Electronics and Information Communication Society General Conference C-3-86 (NTT) ”(hereinafter, Conventional Example 2) And so on).
[0005]
In the above conventional example 1, when a signal light existing in the range of wavelength = 1570 nm to 1600 nm is amplified, a large-power dummy signal light having a wavelength of 1564 nm is made incident, thereby strongly saturating the EDF and causing the inside of the EDF. The inversion distribution averaged in the longitudinal direction is reduced to about 40%, and it is stated that optical amplification with flattened gain can be performed in the above wavelength range. At this time, since the gain per unit length is decreased by strongly saturating the EDF, it is necessary to set the EDF length long in order to obtain a desired gain.
[0006]
Further, in the above-described conventional example 2, by extending the EDF, a region where excitation light does not reach, that is, a region where excitation light is weak, that is, a region where saturation is strong, is formed (EDF is strongly saturated). It is described that optical amplification with a flattened gain can be performed in a similar wavelength band. At this time, since the gain per unit length of the EDF is low, when the host glass constituting the EDF is made of silica glass (quartz EDF), the length of the EDF necessary to obtain a desired gain is It is about 200 m, and in the case where the above-mentioned host glass is made of fluoride glass (fluoride EDF), it is described that the length is about 40 m, which is 1/5 of the length of the quartz EDF. In the quartz-based EDF, a predetermined amount of Al (aluminum) is further added for the purpose of gain flattening.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in the conventional examples 1 and 2, in order to obtain a desired gain, there is a problem that the EDF has to be lengthened with the most frequently used quartz-based EDF and cannot be shortened.
[0008]
Moreover, if the host glass is a fluoride glass as in Conventional Example 2, the EDF can be shortened. However, the fluoride glass is inferior in reliability and high in manufacturing cost and inferior in practicality. there were.
[0009]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems, and is an optical fiber amplifier that is provided with an erbium-doped optical fiber that is shortened and has excellent practicality, and can obtain a desired flattened gain. An object of the present invention is to provide an erbium-doped optical fiber that is an optical fiber for amplification.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
An optical fiber amplifier according to the present invention includes a core region extending along a predetermined reference axis, a cladding region provided on an outer periphery of the core region, a core region, and a region adjacent to the core region in the cladding region. An erbium-doped optical fiber having an erbium-doped portion constituted by adding a silica-based glass as a host glass, and a WDM coupler connected to at least one of the input side and the output side of the erbium-doped optical fiber; The pumping light source connected to the WDM coupler and outputting pumping light having a wavelength of 1.48 μm and the erbium-doped optical fiber are saturated, and the gain of the optical fiber amplifier is within the wavelength range of about 1570 nm to about 1600 nm of the signal light. And an erbium-doped optical fiber saturation means for flattening.
[0011]
According to this optical fiber amplifier, the erbium-doped optical fiber saturation means strongly saturates the erbium-doped optical fiber (lowers the inversion distribution averaged in the longitudinal direction of the erbium-doped optical fiber), so that the wavelength of the signal light is approximately 1570 nm. A flattened amplifier gain can be obtained in a range of about 1600 nm. Here, in the prior art, since the gain per unit length is lowered by strongly saturating the EDF, it is necessary to set the EDF length to be long in order to obtain a desired gain. Since the addition range is extended to the cladding region, the overlapping portion of the signal light and the erbium-added portion is increased, and the gain per unit length is increased. Therefore, it is not necessary to increase the gain by increasing the length of the erbium-doped optical fiber, and the length can be shortened. For example, the host glass can be shortened to shorten the length of the erbium-doped optical fiber. There is no need to use fluoride glass, and reliability can be ensured and manufacturing costs can be prevented from rising. Further, if the gain per unit length is increased by expanding the erbium addition range, the length can be shortened and the influence of background loss can be reduced by this shortening. Therefore, as compared with the case where the gain is increased by increasing the length of the erbium-doped optical fiber as in the prior art, it is further advantageous because the influence of the background loss can be suppressed by shortening the length.
[0012]
At this time, if the radial distribution of the fiber cross section of the erbium extends outside the mode field diameter of the incident signal light, the overlapping portion of the signal light and the erbium-added portion described above becomes very large. The required length of the erbium-doped optical fiber becomes very short, and it becomes as short as when the host glass is made of fluoride glass, for example.
[0013]
At this time, it is preferable that a predetermined amount of Al is added to the same region to which erbium is added.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. In the description of the drawings, the same elements are denoted by the same reference numerals, and redundant description is omitted.
[0019]
FIG. 1 is a block diagram showing an optical fiber amplifier (EDFA) according to the present invention. This EDFA is a multi-wavelength signal light emitted from a semiconductor laser (not shown) and transmitted through the optical
[0020]
On the other hand, one terminal of the
[0021]
The
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
The
[0025]
As shown in FIG. 2, the
[0026]
As shown in FIG. 2, the
[0027]
In particular, in the present embodiment, the
[0028]
FIG. 3 shows the signal light intensity distribution and the added Er concentration distribution in the
[0029]
The
[0030]
The EDFA configured as described above operates as follows. That is, referring to FIG. 1, the excitation light output from the excitation
[0031]
At this time, in the present embodiment, as the erbium-doped optical fiber saturation means, excitation light adjusting means for weakening the excitation light from the excitation
[0032]
Inversion distribution = N 2 / (N 1 + N 2 ) (1)
N 1 is the average of the Er density of the ground level in the longitudinal direction of the EDF
N 2 is obtained by averaging the Er density of excited levels in the longitudinal direction of the EDF. Another method for strongly saturating the
[0033]
Next, the gain G of the EDFA will be described. The gain G of the EDFA is expressed by the following equation (2).
[0034]
G = ζ · (σ e · N 2 −σ a · N 1 ) · L−α · L (2)
Where ζ is a confinement coefficient representing the overlap between the signal light and the Er added portion.
σ e is the stimulated emission cross section
σ a is the absorption cross section
N 1 is obtained by averaging the Er density of the ground level in the longitudinal direction of the EDF
N 2 is obtained by averaging the Er density of excited levels in the longitudinal direction of EDF
L is the length of the EDF
α is the background loss per unit length.
[0035]
Here, in the prior art, the length L of the EDF is increased in order to increase the gain G. However, in this embodiment, the diameter of the Er added portion is not increased without increasing the length L of the EDF. (Hereinafter referred to as the Er-added diameter) is expanded to increase the gain G by increasing the confinement coefficient ζ representing the overlap of the signal light and excitation light with the Er-added portion.
[0036]
The present inventor operated the EDFA shown in FIG. 1 under the following conditions in order to confirm the above actions and effects. That is, the wavelength of the pumping light is set to 1.48 μm band, and the pumping light power is supplied to the
[0037]
Moreover, as said EDF1, the EDF of the item shown in the following Table 1 was used.
[0038]
[Table 1]
[0039]
The mode field diameter (MFD) of the signal light shown in Table 1 is that at a wavelength of 1570 nm. In general, the MFD is almost directly proportional to the wavelength. Therefore, when the wavelength of the signal light is 1570 nm, the MFD of the excitation light is given by 1.48 / 1.57 times the MFD of the signal light. It is smaller than MFD of light.
[0040]
4 and 5 show the relationship between the maximum signal light output when the Er addition diameter is changed to a maximum of 8 μm and the EDF length. FIG. 4 shows the relationship between the Er addition diameter and the maximum signal light output. FIG. 5 shows the relationship between the Er addition diameter and the EDF length. The maximum signal light output is the maximum value of the light output when the length of the EDF is changed by applying a constant signal light input and excitation light input to an EDF with a certain Er added diameter. The EDF length is the length of the EDF necessary to obtain the maximum signal light output.
[0041]
Here, in an ordinary Al-added quartz-based EDF (described in Conventional Example 2), the Er-added diameter is about 1.0 to 1.4 μm. Therefore, under the above operating conditions, as shown in FIG. 5, an EDF length exceeding 45 m is required. In particular, when the Er addition diameter is 1.0 μm, an EDF length exceeding 100 m is required as shown in FIG. At this time, since the influence of background loss of about 7.5 dB / km appears, the maximum signal light output as the EDFA has a low value as shown in FIG.
[0042]
On the other hand, as shown in FIG. 5, it can be seen that the EDF length can be reduced by increasing the Er addition diameter. In particular, when the Er addition diameter is expanded to the same extent as the MFD of the signal light, as shown in FIG. 5, the EDF length becomes about 9 m, which is 1/5 or less of the normal Al-added quartz EDF length. This is an improvement of the same ratio as compared with the case where the host glass is made of fluoride glass with respect to the normal Al-added quartz-based EDF described in the conventional example 2.
[0043]
That is, if the Er-added diameter is expanded to the same extent as the MFD of the signal light, it is inferior in reliability and without using a fluoride EDF having a high manufacturing cost. The length can be made as short as the fluoride EDF. If the Er addition diameter is further increased, as shown in FIG. 5, it is still possible to slightly shorten the EDF.
[0044]
Thus, if the coefficient ζ is increased by increasing the Er addition diameter and the gain G is increased, the EDF can be shortened, so that the influence α · L of the background loss can be reduced (the above formula ( 2)). Therefore, as compared with the case where the gain G is increased by increasing the length L of the EDF as in the prior art, it is more advantageous because the influence α · L of the background loss can be suppressed.
[0045]
Incidentally, in the current manufacturing process, the Er addition concentration is a concentration at which the value shown in Table 1 almost reaches the limit. In addition, the Er addition concentration is preferably around 1000 ppm in view of manufacturing results.
[0046]
Although the invention made by the present inventor has been specifically described based on the embodiments, the present invention is not limited to the above embodiments, and various modifications can be made without departing from the scope of the invention. Needless to say, in the above-described embodiment, for example, the EDFA is a bi-directional pump type that supplies pump light from both the input side and the output side of the
[0047]
Also, since single mode optical fibers are the mainstream in optical communication systems, it is preferable to apply the EDFA of the present invention to single mode optical fiber optical communication systems, but for multimode optical fiber optical communication systems. Even applicable.
[0048]
JP-A-4-20938 discloses that active element ions are mainly doped in the cladding of an optical fiber, and JP-A-3-289633 discloses an active fiber core mainly in an optical fiber. There is a disclosure of what is doped in the vicinity of the boundary of the cladding, and JP-A-4-199031 discloses that a certain degree of light amplification can be achieved even when a rare earth element is doped in the cladding of an optical fiber. However, in these methods, by adding erbium to both the core region and the cladding region and saturating the erbium-doped optical fiber, the length of the erbium-doped optical fiber is shortened, and the wavelength of the signal light is excellent. In the range of about 1570 nm to about 1600 nm, a desired flattened amplifier gain can be obtained. The present invention that that is completely different.
[0049]
【The invention's effect】
As described above in detail, the optical fiber amplifier of the present invention flattens the gain in the wavelength range of about 1570 nm to about 1600 nm of the signal light in order to strongly saturate the erbium-doped optical fiber by the erbium-doped optical fiber saturation means. Optical amplification can be performed. At this time, since erbium is added to both the core region and the cladding region, the overlapping portion of the signal light and the erbium-added portion becomes large. For this reason, the gain per unit length is increased, and it is not necessary to increase the gain by increasing the length of the erbium-doped optical fiber. As a result, the length of the erbium-doped optical fiber can be shortened, and there is no need to use, for example, fluoride glass as the host glass in order to shorten the length of the erbium-doped optical fiber. It can be considered excellent. That is, it is possible to provide an optical fiber amplifier that is provided with an erbium-doped optical fiber that is shortened and has excellent practicality and that can obtain a desired flattened gain.
[0050]
Further, if the gain per unit length is increased by expanding the erbium addition range, the length can be shortened and the influence of background loss can be reduced by this shortening. For this reason, as compared with the case where the gain is increased by increasing the length of the erbium-doped optical fiber as in the prior art, the effect of the background loss can be suppressed by shortening the length, so that the optical fiber amplifier of the present invention is further reduced. It is advantageous.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram showing an optical fiber amplifier according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the erbium-doped optical fiber in FIG.
FIG. 3 is a distribution diagram showing signal light intensity and doped erbium concentration in an erbium-doped optical fiber.
FIG. 4 is a characteristic diagram showing the relationship between the erbium added diameter and the maximum signal light output.
FIG. 5 is a characteristic diagram showing a relationship between an erbium-added diameter and an erbium-added optical fiber length necessary for obtaining a maximum signal light output.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing an erbium-doped optical fiber in the prior art.
FIG. 7 is a distribution diagram showing signal light intensity and doped erbium concentration in a conventional erbium-doped optical fiber.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (4)
このエルビウム添加光ファイバの入力側及び出力側の少なくとも一方側に接続されたWDMカプラと、
このWDMカプラに接続され、波長1.48μm帯の励起光を出力する励起用光源と、
前記エルビウム添加光ファイバを飽和させ、信号光の波長略1570nm〜略1600nmの範囲において、光ファイバ増幅器の利得を平坦化するエルビウム添加光ファイバ飽和手段と、
を具備したことを特徴とする光ファイバ増幅器。Consists of adding erbium to both a core region extending along a predetermined reference axis, a cladding region provided on the outer periphery of the core region, the core region and a region adjacent to the core region in the cladding region An erbium-doped optical fiber having a silica-based glass as a host glass,
A WDM coupler connected to at least one of the input side and the output side of the erbium-doped optical fiber;
A pumping light source connected to the WDM coupler and outputting pumping light having a wavelength of 1.48 μm;
Saturating the erbium-doped optical fiber, and erbium-doped optical fiber saturation means for flattening the gain of the optical fiber amplifier in the range of the wavelength of the signal light from about 1570 nm to about 1600 nm;
An optical fiber amplifier comprising:
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