JP4073214B2 - 接地装置の接地投入確認方法及び接地投入確認装置 - Google Patents

接地装置の接地投入確認方法及び接地投入確認装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送配電線等の電力系統が接地装置の接点投入により接地されていることを確認する接地投入確認方法、及びこの方法を実施するための接地投入確認装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
接地装置の接点を投入して系統回線を接地する接地投入は、系統保守作業の安全性を確保するため、確実に行われなければならない。通常、接地装置駆動部にはリミットスイッチ等の投入確認センサが設置されており、このセンサ情報から接地投入状態を確認することができる。
しかし、接地装置の接点の接触部に異物が挿入されたり、接触子自体が損傷したりすると、投入確認センサによる検出だけでは接点が確実に投入されているか否かを確認できないこともある。よって、安全性・信頼性を一層確保するため、接地装置の投入状態を直接目視で確認することが行われたりしている。
【0003】
ここで、ガス絶縁接地装置のような密閉型接地装置では、内部への異物の混入は考えにくく、通常、目視確認することは不要と思われる。しかし、密閉型ゆえに接点の損傷等を目視で確認することは困難である。また、気中接地装置においても、接点位置によっては目視確認が困難なことも多い。
そこで、各種センサを使用して電気的に接点投入を検出することでヒューマンエラーを無くし、目視確認を省力化するニーズは高く、各種の方式が考えられている。
【0004】
例えば、接地系統の接地線に変流器を設置してその2次側巻線に接続された電源の電流から変流器の1次側電流を検出することにより1次側接地系統の接地状態を確認する方式として、特開昭60−245434号公報記載の発明があり、気中電波による送電線の誘導電流を検出する方式を用いたものに特開平04−272627号公報記載の発明がある。
【0005】
また、ガス絶縁接地装置において、外部から注入した電流信号の状態を確認する方式として、特開平02−246709号公報記載の発明がある。
更に、接地装置の主接触子の他に確認用の補助接触子及び確認回路を設置し、接点が投入されると補助接触子も接続されて確認回路が閉ループ回路となり、注入した電流信号が還流することを検出して接地装置の動作状態を確認する方式として、特公昭56−54649号公報や実公昭57−1376号公報に記載された発明がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
既存の接地装置(リミットスイッチのような投入確認センサのみが設置されている装置)を新たに交換することなくそのまま使用して接地投入を確認する方式は、前述の通り各種提案されている。
ここで、接地線に流れる電流を計測すれば、接地装置の投入状態以外に、接地系統の状態を併せて監視することができる。例えば、接地系統に誘導される電流の要因として、多回線が並行している送電系統における隣接運転回線からの誘導電流や、特開平04−272627号のように気中電波からの誘導電流が考えられるため、このような接地系統では、単に接地装置の動作監視だけでなく、これら接地系統の誘導電流レベルについても、実際に送電線に上って保守作業する側としては把握しておきたいところである。
【0007】
上述した誘導電流の有無によって接地装置の投入状態(接地装置の接点の開閉状態)を監視する方式は、電流センサによる電流検出機能だけで判定可能であることから、安価な監視装置を容易に実現することが可能である。また、前述の如く本方式によれば、単に接地装置の投入状態を監視するだけでなく、接地系統の状態そのものを把握・監視することも可能である。
【0008】
しかしながら、接地線の誘導電流は、系統構成や運用条件により必ずしも得られるとは限らず、特に気中電波から受ける誘導電流は欲しいときに得られるものではないことから、接地装置の状態監視に本方式が常に適用できるとは限らない。
【0009】
そこで、このように誘導電流が得られない場合、接地系統に何らかの監視信号を故意に注入してその有無を検出することにより、接地投入を確認する方式が考えられる。系統の自端側と相手端側の接地装置が共に動作して接点が閉じている場合、系統回線を含む接地系統の閉ループ回路に前記監視信号(監視電流)が流れることを検出すれば、接地投入状態を確認することができる。
このとき、監視信号の周波数が高いと、系統のリアクタンス成分によりそのインピーダンスが高くなり、電流が流れにくくなる。よって、接地装置の動作監視に当たっては、商用周波数以下程度の低周波数信号を注入した方が効果的であると考えられる。
【0010】
しかし、このように接地系統に低周波信号を注入する場合には、次の2つの問題がある。
まず、低周波信号の注入により自端側の接地装置の投入状態を確認する際に、相手端側の接地装置が投入されていて系統回線を含む閉ループが形成されていることが前提であり、相手端側の接地装置が開放状態または投入異常の状態では、本方式による投入確認は不可能である。
次に、例えば変流器を使って系統に低周波信号を注入した場合、注入した監視信号の電圧レベルEは以下の数式1のようになる。
【0011】
【数1】
E=A×f×N×S×B
A:波形率(正弦波の場合は4.44、矩形波の場合は4)
f:監視信号の周波数
N:変流器の巻数(貫通型の場合1ターン)
S:変流器の鉄心断面積
B:変流器の磁束密度
【0012】
上記数式1によれば、監視信号の周波数を低くすると信号の電圧レベルが低下し、接地系統への信号注入とその検出を困難にする。
【0013】
そこで、次に監視信号として高周波信号を注入することを考える。信号の周波数を高くすると、系統のリアクタンス成分によってインピーダンスが高くなり、電流が流れにくくなるが、系統は、抵抗、インダクタンス及びキャパシタによるR,L,Cの分布定数回路となっているので、その分布定数回路の共振周波数と同一周波数の監視信号を注入すれば、系統に監視電流を効果的に流すことができる。
【0014】
上記共振周波数は、系統線路長や相手端の接地装置の動作状態によって異なるが、相手端の接地装置の動作状態に関係なく電流を流すことができるので、いかなる系統構成でも接地系統の自端側の接地装置の投入状態を確認することが可能である。しかし、この共振周波数は上述した系統線路長や相手端側の接地装置の投入状態等の系統条件によって系統ごとに異なるため、その正確な値を事前に特定することは難しい。
また、接地系統であっても、高周波信号を注入すると注入先の系統に高電圧が誘起されたり、高周波信号によって系統に接続されている機器に影響を及ぼす可能性があるので、注意が必要となる。
【0015】
そこで本発明は、上述した種々の問題点を解消し、系統回線の接地状態を確実かつ容易に確認できるようにした接地装置の接地投入確認方法及び接地投入確認装置を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、接地装置の接点投入により接地線に流れる接地電流を検出して接地投入状態を確認するようにした接地装置の接地投入確認方法において、
監視電流の周波数を所定範囲で変化させながら接地線への監視電流の注入及び検出を自端側で繰り返し行い、監視電流が検出されたときの監視電流の周波数により分布定数回路としての系統回線の共振周波数を特定し、
当該特定された共振周波数と、相手端の接地状態により異なる系統回線の共振周波数の理論値とから、自端側及び相手端側の接地投入状態を確認するものである。
【0017】
請求項2記載の発明は、接地装置の接点投入により接地線に流れる接地電流を検出して接地投入状態を確認するようにした接地装置の接地投入確認方法において、
多回線の並行送配電系統のうち停止状態にある自回線について接地装置の接点を投入した際に、自回線の接地線に流れる隣接運転回線からの誘導電流、または、自回線の接地線に流れる充電電流を検出して接地投入状態を確認する第1ステップと、
前記第1ステップにて接地電流が検出されなかった場合に、系統回線の自端側の接地線に低周波数の監視電流を注入し、相手端側の接地線及び前記系統回線を介して形成される閉ループ回路に前記監視電流が流れることを自端側で検出して自端側及び相手端側の接地投入状態を確認する第2ステップと、
前記第2ステップにて接地電流が検出されなかった場合に、監視電流の周波数を所定範囲で変化させながら接地線への監視電流の注入及び検出を自端側で繰り返し行い、監視電流が検出されたときの監視電流の周波数により分布定数回路としての系統回線の共振周波数を特定し、当該特定された共振周波数と相手端の接地状態により異なる系統回線の共振周波数の理論値とから、自端側及び相手端側の接地投入状態を確認する第3ステップと、
を行うものである。
【0018】
請求項3記載の発明は、接地装置の接点投入により接地線に流れる接地電流を検出して接地投入状態を確認するようにした接地装置の接地投入確認装置において、
指令により周波数を可変とした監視電流を自回線の接地線に注入するための信号注入制御手段と、
系統回線から接地線に流れる接地電流を計測する計測手段と、
前記信号注入制御手段に、注入する周波数と監視電流の注入とを指令する指令手段と、
接地装置の接点を投入した際に前記計測手段にて計測された接地電流の計測値から接地投入状態を判断する第1の判断手段と、
前記指令手段からの指令に基づいて前記信号注入制御手段により低周波数の監視電流を接地線に注入させた際に前記計測手段にて計測された監視電流の計測値から自端側及び相手端側の接地投入状態を判断する第2の判断手段と、
前記指令手段からの指令に基づいて前記信号注入制御手段により監視電流の周波数を所定範囲で変化させながら監視電流を接地線へ注入させた際に前記計測手段にて計測された監視電流の計測値と監視電流の周波数とにより系統回線の共振周波数を特定し、当該特定された共振周波数と相手端の接地状態により異なる系統回線の共振周波数の理論値とから、自端側及び相手端側の接地投入状態を判断する第3の判断手段と、
を備えたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、この実施形態は、系統回線に接続された接地装置の接点が投入されて接地投入状態になったことを電気的に確認するものであり、基本的には、接地線に流れる電流の有無を検出することにより接地投入を確認するものである。
【0023】
図1は、本実施形態が適用される系統構成を示すものである。
三相送電線等の系統回線2の自端及び相手端の接地線2A,2Bには、接点1A’,1B’を開閉駆動する接地装置1A,1Bが接続されている。このうち、自端接地装置1Aの近傍には、その接点投入状態を確認するための接地投入確認装置3が設置されている。
【0024】
接地投入確認装置3には、接地線2Aに流れる電流を計測するための計測CT4R,4S,4Tと、接地線2Aに強制的に監視信号を注入するための信号注入CT 5R,5S,5Tが接続されている。なお、信号注入CTは、5Zとして示すように三相を一括接続した接地線に1個だけ接続しても良い。
ここで、接地線2Aに対し各相個別に監視信号を注入する場合は、各相ごとの信号注入CT 5R,5S,5Tを用い、三相一括で監視信号を注入する場合には単一の信号注入CT 5Zを用いる。
【0025】
また、接地投入確認装置3には接地装置1Aから投入確認指令が入力されており、接地投入確認装置3からは接地装置1Aの状態表示出力が発せられる。ここで、前記投入確認指令は、接地装置1Aによる接点1A’の投入状態を確認するべく接地投入確認装置3による確認動作を行わせるための指令である。
【0026】
送電線等の電力系統回線2は、通常、並行した複数回線により構成される場合が多いため、停止している回線には隣接運転回線から誘導電流が流れることになる。この停止回線が正常に接地されていれば、接地線に誘導電流が流れることになり、このときの誘導電流を計測CT 4R,4S,4Tにより検出して接地投入確認装置3により停止回線の接地投入を確認することができる。同様なことは、停止回線の接地線に自回線の充電電流が流れる場合にも言える。
上記のように、隣接運転回線からの誘導電流や自回線の充電電流(以下では、誘導電流により代表させるものとする)を検出して接地投入状態を確認する方式をSTEP1とする。
【0027】
しかし、1回線送電線や全回線停止時のように、系統構成や運用条件によっては、常に誘導電流が得られるとは限らない。このときには、前述した信号注入CT 5R,5S,5Tまたは5Zを介して接地線2Aに強制的に監視電流を注入することで、相手端の接地線、系統回線、自端の接地線を含む閉ループ回路で上記監視電流の有無を計測CT 4R,4S,4Tにより検出し、接地投入確認装置3によって自端の接地投入状態を検出、判定する。
すなわち、このときに監視電流が検出されれば、自端及び相手端の接地装置は投入状態にあると判定でき、監視電流が検出されなければ、少なくとも自端及び相手端の接地装置の何れか一方または双方が投入されていないと判定することができる。
【0028】
本発明では、上記信号注入検出方式において、商用周波数程度またはそれ以下の比較的低い周波数の監視信号を注入して検出する低周波信号注入検出方式をSTEP2とし、分布定数回路としての系統の共振周波数相当の高周波の監視信号を注入して検出する高周波信号注入検出方式をSTEP3とする。
【0029】
図2は、接地投入確認装置3の内部構成を示すものである。この装置3は、自端の接地線2Aを流れる電流を計測する計測制御部31と、計測データや接地投入判定結果、装置の自己診断結果等を無線等により遠隔通信する通信インターフェース(I/F)32と、接地線2Aに所定周波数の監視信号を注入するための信号注入制御部33と、装置内の各部へ電源を供給する電源部34とから構成されている。
【0030】
上記計測制御部31は、計測CT 4R,4S,4Tに選択的に接続されるスイッチ311と、その出力側のA/D変換器312と、そのディジタル出力信号が入力されるマイコン314と、マイコン314の出力信号が加えられるディジタル信号出力部(DO)315と、接地装置1Aからの投入確認指令及び後述する周波数制御部333からのクロック信号CLKが入力されるディジタル信号入力部(DI)313とを備えている。
【0031】
また、信号注入制御部33は、電源部34に接続された電源供給用のスイッチ334と、前記ディジタル信号出力部315の出力信号が加えられる周波数制御部333と、この周波数制御部333からのクロック信号CLKが入力される周波数可変信号源332と、その出力側の監視CT335と、周波数可変信号源332の出力信号(監視信号)を信号注入CT 5R,5S,5Tまたは5Zに選択的に印加するためのスイッチ331とからなっている。
なお、前記スイッチ311,331,334はマイコン314からディジタル信号出力部315を介して開閉制御されるものである。
【0032】
以下、接地投入確認装置3の動作を説明する。
図1の接地装置1Aが動作していない通常の系統運用時は、計測制御部31と通信インターフェース32だけが動作しており、マイコン314による装置の自己診断を常時行っている。この時、信号注入制御部33は動作している必要がないので、必要時以外は内部のスイッチ334をOFFして周波数可変信号源332への電源供給を停止し、不要な電源消費を抑制している。
【0033】
また、通常の系統運用時には接地装置1Aの接点1A’は開放状態であるから、接地線2Aには系統の誘導電流は流れず、たとえ接地線2Aに監視信号を注入したとしても、相手端接地装置1Bの接点1B’、系統回線2及び自端接地装置1Aの接点1A’を含む閉ループ回路が形成されずに接地線2Aには電流が流れないので、計測CT 4R,4S,4Tから監視電流は検出されない。
【0034】
よって、接地装置1Aが動作していない時には、定期的に信号注入制御部33と信号注入CT 5R,5S,5Tまたは5Zまでの信号回路、及び、計測制御部31のA/D変換器312等の計測入力が正常か否かを点検するため、定周期で信号注入制御部33の電源供給スイッチ334をONにする。これにより、信号注入CT 5R,5S,5Tまたは5Zに監視信号を印加すると同時に、計測制御部31のスイッチ311を切り替えながら、信号注入制御部33の監視CT335により信号注入CT 5R,5S,5Tまたは5Zに周波数可変信号源332による既知レベルの励磁電流が流れることを監視し、かつ接地線2Aの計測CT 4R,4S,4Tからは監視電流が検出されないことを確認する。
【0035】
前述したSTEP1の誘導電流検出方式では、信号注入制御部33の動作を停止させたまま、接地装置1Aからの投入確認指令をディジタル信号入力部313に取り込み、この投入確認指令をトリガーにして、接地線2Aに流れる誘導電流が計測CT 4R,4S,4Tから得られることをマイコン314により確認し、接地投入状態を確認、判定する。
そして、全回線停止等によって誘導電流がある一定時間得られない場合には、前記STEP2、STEP3の信号注入検出方式により、接地投入状態を確認する。
【0036】
これらの信号注入検出方式では、信号注入制御部33の電源供給スイッチ334をONとして、周波数制御部333及び周波数可変信号源332により制御される各種周波数の監視信号を、スイッチ331及び信号注入CT 5R,5S,5Tまたは5Zを経由して接地線2Aに強制的に注入する。
そして、相手端の接地線2B、系統回線2及び自端の接地線2Aを含む閉ループ回路を経た監視信号を計測CT 4R,4S,4Tにより計測することで、接地投入状態を確認する。
【0037】
なお、図2の構成において、信号注入CTを三相一括の5Zとした場合は、信号注入制御部33のスイッチ331は不要となり、周波数可変信号源332と信号注入CT 5Zとが直結された構成となる。
また、周波数制御部333の出力であるクロック信号CLKを計測制御部31にディジタル信号入力部313経由で取り込むことで、監視信号の周波数の把握と周波数制御部333の監視とを同時に行うことが可能である。
【0038】
図3は、前記各STEP(誘導電流検出方式及び信号注入検出方式)の処理を示すフローチャートであり、主として図2の接地投入確認装置3により実行される処理である。
接地装置1Aからの投入確認指令が入力されると(S1)、STEP1の誘導電流検出方式として、まず各相の検出フラグr=s=t=0とした後、各相の接地線2Aに流れる誘導電流を計測CT 4R,4S,4TによりR相から順に計測し(S2)、誘導電流の有無を判定する(S3)。各相の誘導電流を検出するたびに前記検出フラグを1にすると共に、全相の誘導電流を検出(検出フラグr=s=t=1)した旨の判定処理(S4)によりS23へジャンプして、接地投入状態が正常である旨を表示出力する。この表示出力は、図2における通信インターフェース32やディジタル信号出力部315を介して実行される。
ここで、誘導電流がある一定時間検出されない相があった場合、S4のNo分岐を経て次のSTEP2の処理へ移行する。
【0039】
STEP2の低周波信号注入検出方式では、接地線2Aに商用周波数相当またはそれ以下の低周波数の監視信号を注入するものであるが、この信号注入はSTEP1で接地投入が確認できなかった相(誘導電流が検出されなかった相)のみを対象として行う。また、低周波信号を注入する前に、必ず接地線2Aに誘導電流が存在しないことを確認し(S5,S6)、その後に、S7にて低周波信号を注入する。上記の確認処理(S5,S6)を入れることで、誘導電流の存在時に信号注入CT 5R,5S,5Tまたは5Zから信号注入制御部33への逆入力による障害が発生することを回避している。
この逆入力による障害を防止するために信号注入制御部33に設けられる制御回路については、後に図5を用いて説明する。
なお、低周波信号の注入は、信号注入制御部33内の周波数可変信号源332、スイッチ331及び信号注入CT 5R,5S,5Tまたは5Zを介して行われる。
【0040】
次に、上記S7で注入された低周波信号を計測CTにより計測してその有無を判定し(S8,S9)、前記STEP1の結果と合わせて全相の接地電流が検出されると各相の検出フラグs=r=t=1となり、監視信号の注入停止(S10)及び判定処理(S11)を経て、接地投入状態が正常である旨を表示出力する(S23)。
【0041】
接地線2Aに低周波の監視信号を注入する場合、図4(a)に示すように相手端も接地状態であることによって系統回線2を含む閉ループに監視電流が流れるが、相手端が接地状態でない場合には監視電流が流れないため、自端の接地装置1Aが投入状態か否かの判定は不可能である。この図4(a)において、R+jXは系統のインピーダンスであり、Rは抵抗成分、Xはリアクタンス成分である。なお、低周波信号に対しては、系統回線2と接地間に存在する容量成分は無視することができる。
このように、STEP2による低周波信号注入検出方式では自端側の接地投入を確認できないことがあるので、その場合には、引き続きSTEP3の高周波信号注入検出方式に移行する。
【0042】
系統への高周波の監視信号の注入を考える場合、図4(b)に示す如く系統回線2はR,L,Cによる分布定数回路として考えられる。この分布定数回路の共振周波数相当の高周波信号を接地線2Aに注入すれば、容量成分Cを通して効果的に電流が流れることになる。この時、相手端の接地装置1B(接点1B’)の開閉状態で系統共振周波数が大きく変化するが、何れの状態でも共振周波数は存在するため、相手端の接地状態に関係なく監視電流を流すことが可能であり、この監視電流を検出することで自端の接地装置1Aの接地投入状態を確認することができる。
【0043】
再び図3において、STEP3の高周波信号注入検出方式による判定処理は、前段のSTEP1,STEP2により接地投入が確認できなかった相のみに対して実行される。
ここで、高周波信号を注入する前に、STEP2の時と同様に必ず接地線2Aに誘導電流が存在しないことを確認する(S12,S13)。また、前述したように、系統に高周波信号を印加することで、系統構成や運用条件によっては、高周波信号により系統に高い電圧が誘起されたり、系統に接続されている機器に高周波信号が印加されてしまう問題が考えられる。よって、本実施形態に係る接地投入確認装置のユーザーが、必要に応じてSTEP3の処理をロックできる機能を有している(S14)。
【0044】
上述したS12〜S14等からなるSTEP3の使用条件が満足すれば、周波数fの高周波信号を監視信号として注入することになる(S15)。ここで、監視信号の周波数fは、系統の共振周波数相当の信号とすることで接地線2Aに流れる電流の大きさにピーク点が現れることになるが、この共振周波数は、系統線路長や相手端の接地状態のように系統構成や運用条件に左右されるため、事前に共振周波数を特定して注入するのは困難である。
【0045】
そこで、S15〜S19において、注入する高周波信号の周波数fをFmin値からFmax値までΔf刻みで加算しつつ変化(スイープ)させながらS16,S17により注入電流の有無を検出し、検出された相については検出フラグを1にして監視信号の注入を停止する(S20)。
上記S17による検出結果と前段のSTEP1、STEP2の判定結果とを合わせて、全相につき監視電流が検出されると各相の検出フラグr=s=t=1となり、判定処理(S21)を経て接地投入状態が正常である旨を表示出力する(S23)。ここで、注入する高周波信号の周波数のスイープについては、後述する図6により説明する。
【0046】
STEP1,STEP2,STEP3により接地電流(誘導電流や監視電流)を検出できなかった場合は、接地装置1Aの接点異常または接触部に異物が挿入したと判定し、接地装置投入異常を表示出力する(S22)。
【0047】
次に、図5は信号注入制御部33の出力制御回路を示している。図5において、331Rx,331Sx,331Txは各相の監視信号が入力されるアンドゲート、331Ra,331Sa,331Taは上記アンドゲートの出力によって動作するa接点、331Rb,331Sb,331Tbは上記アンドゲートの出力によって動作するb接点、331yは各相の信号注入CT 5R,5S,5Tの両端にそれぞれ接続された保護素子である。なお、a接点331Ra,331Sa,331Ta及びb接点331Rb,331Sb,331Tbは図2におけるスイッチ331に相当する。
【0048】
通常、監視信号を注入しないときは、b接点331Rb,331Sb,331Tbが閉じており、逆にa接点331Ra,331Sa,331Taは開いている。
これにより、信号注入CT 5R,5S,5Tまたは5Zから系統の誘導電流等の逆入力信号が入ってきても、これらの信号が周波数可変信号源332に入力されることはない。よって、前述した図3のS6等のように、確実に誘導電流等が無いことを確認したのちに、アンドゲートの出力によって上記a接点、b接点を切り換えて監視信号を注入する。
【0049】
次に、図6は前記STEP2,STEP3において接地線に注入される監視信号の波形例を示している。
この種の監視信号としては、正弦波信号や矩形波信号が考えられるが、本実施形態では周波数可変信号源332の構成を簡略化して容易に実現するために、監視信号を矩形波としている。
【0050】
図6(a)のように、STEP2における低周波信号をここでは商用周波数の50Hz相当とし、図6(b)のように、STEP3における高周波信号は10ms周期で信号注入と停止を繰り返しながら周波数fをFminからFmaxまでΔf刻みで変化させている。
これにより、同一周期の矩形波がある一定間隔で複数回得られることから、計測制御部31では、監視電流の検出判定動作を複数回実施することが可能であり、過渡的なノイズ信号と監視信号とを区別して計測、判定することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、接地投入状態を電気的に確認することから、接地装置の接点の損傷や接点への異物挿入による電気的な接地不良を確実に検出することが可能である。また、隣接運転回線からの誘導電流を計測することで接地系統の状態を監視でき、その誘導電流レベルから隣接運転回線の状態も推定することができる。
また、誘導電流が得られないような系統でも、監視信号として低周波信号または高周波スイープ信号を注入してこれらを検出することにより、あらゆる形態の系統を対象として確実に接地投入状態を確認することができる。
【0052】
更に、例えば図4(b)のような系統回線では、相手端の接地状態により系統回線の共振周波数は大きく変化するが、この共振周波数の理論値は、系統定数がわかれば容易に計算可能である。よって、前述したSTEP3の高周波信号注入検出方式によれば系統の共振周波数を把握できることから、系統定数や系統条件が把握できれば、この共振周波数の信号を注入して検出することで、相手端の接地状態まで自端から判定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態が適用される系統構成を示す図である。
【図2】図1における接地投入確認装置の構成図である。
【図3】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】信号注入検出方式における監視電流経路の説明図である。
【図5】本発明の実施形態における信号注入制御部の出力制御回路の構成図である。
【図6】本発明の実施形態における監視信号の波形例等を示す図である。
【符号の説明】
1A 自端接地装置
1B 相手端接地装置
1A’,1B’ 接点
2 系統回線
2A,2B 接地線
3 接地投入確認装置
4R,4S,4T 計測CT
5R,5S,5T,5Z 信号注入CT
31 計測制御部
32 通信インターフェース
33 信号注入制御部
34 電源部
311,331,334 スイッチ
312 A/D変換器
313 ディジタル信号入力部(DI)
314 マイコン
315 ディジタル信号出力部(DO)
331Ra,331Sa,331Ta a接点
331Rb,331Sb,331Tb b接点
331Rx,331Sx,331Tx アンドゲート
331y 保護素子
332 周波数可変信号源
333 周波数制御部
335 監視CT

Claims (3)

  1. 接地装置の接点投入により接地線に流れる接地電流を検出して接地投入状態を確認するようにした接地装置の接地投入確認方法において、
    監視電流の周波数を所定範囲で変化させながら接地線への監視電流の注入及び検出を自端側で繰り返し行い、監視電流が検出されたときの監視電流の周波数により分布定数回路としての系統回線の共振周波数を特定し、
    当該特定された共振周波数と、相手端の接地状態により異なる系統回線の共振周波数の理論値とから、自端側及び相手端側の接地投入状態を確認することを特徴とする、接地装置の接地投入確認方法。
  2. 接地装置の接点投入により接地線に流れる接地電流を検出して接地投入状態を確認するようにした接地装置の接地投入確認方法において、
    多回線の並行送配電系統のうち停止状態にある自回線について接地装置の接点を投入した際に、自回線の接地線に流れる隣接運転回線からの誘導電流、または、自回線の接地線に流れる充電電流を検出して接地投入状態を確認する第1ステップと、
    前記第1ステップにて接地電流が検出されなかった場合に、系統回線の自端側の接地線に低周波数の監視電流を注入し、相手端側の接地線及び前記系統回線を介して形成される閉ループ回路に前記監視電流が流れることを自端側で検出して自端側及び相手端側の接地投入状態を確認する第2ステップと、
    前記第2ステップにて接地電流が検出されなかった場合に、監視電流の周波数を所定範囲で変化させながら接地線への監視電流の注入及び検出を自端側で繰り返し行い、監視電流が検出されたときの監視電流の周波数により分布定数回路としての系統回線の共振周波数を特定し、当該特定された共振周波数と相手端の接地状態により異なる系統回線の共振周波数の理論値とから、自端側及び相手端側の接地投入状態を確認する第3ステップと、
    を行うことを特徴とする、接地装置の接地投入確認方法。
  3. 接地装置の接点投入により接地線に流れる接地電流を検出して接地投入状態を確認するようにした接地装置の接地投入確認装置において、
    指令により周波数を可変とした監視電流を自回線の接地線に注入するための信号注入制御手段と、
    系統回線から接地線に流れる接地電流を計測する計測手段と、
    前記信号注入制御手段に、注入する周波数と監視電流の注入とを指令する指令手段と、
    接地装置の接点を投入した際に前記計測手段にて計測された接地電流の計測値から接地投入状態を判断する第1の判断手段と、
    前記指令手段からの指令に基づいて前記信号注入制御手段により低周波数の監視電流を接地線に注入させた際に前記計測手段にて計測された監視電流の計測値から自端側及び相手端側の接地投入状態を判断する第2の判断手段と、
    前記指令手段からの指令に基づいて前記信号注入制御手段により監視電流の周波数を所定範囲で変化させながら監視電流を接地線へ注入させた際に前記計測手段にて計測された監視電流の計測値と監視電流の周波数とにより系統回線の共振周波数を特定し、当該特定された共振周波数と相手端の接地状態により異なる系統回線の共振周波数の理論値とから、自端側及び相手端側の接地投入状態を判断する第3の判断手段と、
    を備えたことを特徴とする、接地装置の接地投入確認装置。
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