JP4071478B2 - Impeller for fluid transmission device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,車両や産業機械に使用される,トルクコンバータや流体継手を含む流体伝動装置の羽根車に関し,特に,円環状のシェルと,このシェルの内側面の定位置に配置される複数枚のブレードと,これらブレードの半径方向内端部をシェルに対して押さえながらシェルの内周側の内側面にロー付けされるリテーナプレートと,シェル及びリテーナプレートの内周縁部に溶接されるハブとを備えるものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる流体伝動装置用羽根車は,例えば特開昭58−97448号公報に開示されているように,既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかゝる流体伝動装置用羽根車では,シェル及びハブの間の溶接に際して,ハブの外周に形成した位置決めフランジの一側面にシェルの一側面を衝き当て,位置決めフランジ及びシェル間に隅肉溶接を施している。
【0004】
こうした従来のものでは,リテーナプレートのシェルに対する結合は,ロー付けのみに頼っており,その結合強度の強化が要求されている。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,シェル及びハブ間の結合部を利用して,リテーナプレートのシェルに対する結合力を効果的に強化し得るようにした,前記流体伝動装置用羽根車を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,椀状且つ環状のシェルと,このシェルの内側面の定位置に結合される複数枚のブレードと,シェルの内側面にロー付けされてこれらブレードの半径方向内端部を押さえる環状のリテーナプレートと,シェル及びリテーナプレートの中心孔に嵌合されるハブとを備える,流体伝動装置用羽根車において,シェル及びリテーナプレートの中心孔が略同径とされると共に,シェルがその中心孔の内周縁部でハブの外周に外側面からTIG溶接されて,ハブの外周に形成された位置決めフランジとシェルとの間でリテーナプレートが挟持されるように構成され,シェル及びリテーナプレートの合わせ面間に,それらのロー付けの際,溶融したロー材がシェルとハブとのTIG溶接部に流出するのを阻止するロー材阻止手段が設けられていることを第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,リテーナプレートは,ハブの位置決めフランジと,ハブに溶接されたシェルとの間に強固に挟持されることになり,リテーナプレート及びシェル間の結合力を効果的に補強することができる。また,シェル及びリテーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周縁部外側のTIG溶接部に流出するのをロー材阻止手段により防ぐことができ,したがってシェル及びハブ間のTIG溶接を,ロー材に阻害されることなく確実に実施することができる。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,リテーナプレートの位置決めフランジとの当接面が切削加工されていると共に,シェル及びリテーナプレートが嵌合する,ハブの外周面の軸方向長さが,シェル及びリテーナプレートの合計板厚と略等しく設定されていることを第2の特徴とする。
【0009】
この第2の特徴によれば,シェル及びハブ間の溶接に直接関与しない,ハブの位置決めフランジは薄肉化が可能であることに加えて,シェル及びハブの外側面を略面一とすることができ,ハブの軸方向寸法の短縮を図り,流体伝動装置用羽根車のコンパクト化に寄与し得る。
【0010】
さらに本発明は,第1の特徴に加えて,リテーナプレートの位置決めフランジとの当接面が切削加工されていると共に,前記ロー材阻止手段が,シェル及びリテーナプレートの合わせ面の一方に形成した環状突起を全周に亙り他方の合わせ面に密着させることによって構成されていることを第3の特徴とする。
【0011】
この第3の特徴によれば,シェル及びリテーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周縁部外側のTIG溶接部に流出するのを環状突起により防ぐことができる。
【0012】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記ロー材阻止手段が,シェル及びリテーナプレートの合わせ面の一方に形成した環状突起を全周に亙り他方の合わせ面に溶接することによって構成されていることを第4の特徴とする。
【0013】
この第4の特徴によれば,シェル及びリテーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周縁部外側に流出するのを環状突起により防ぐことができる。しかも環状突起を相手部材に溶接することで,シェル,ブレード及びリテーナプレートからなる羽根車の半成品を簡単に得ることができる。
【0014】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記ロー材阻止手段が,シェル及びリテーナプレートの合わせ面の少なくとも一方に,他方の合わせ面に密着する油性ペンキからなるシール膜を形成し,シェル及びリテーナプレート間を数箇所(51)でスポット溶接することによって構成されていることを第5の特徴とする。
【0015】
この第5の特徴によれば,シェル及びリテーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周縁部外側に流出するのをシール膜により防ぐことができる。
【0016】
尚,前記流体伝動装置及び羽根車は,後述する本発明の実施例におけるトルクコンバータT及びタービン羽根車3に対応する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0018】
図1は本発明の第1実施例に係るトルクコンバータの縦断側面図,図2は上記トルクコンバータのタービン羽根車の一部平面図,図3は図2の3−3線拡大断面図,図4は上記トルクコンバータの製造工程説明図,図5は本発明の第2実施例を示す,図3との対応図,図6は本発明の第3実施例を示す,図3との対応図である。
【0019】
先ず,図1〜図4に示す本発明の第1実施例の説明より始める。図1において,流体伝動装置としてのトルクコンバータTは,ポンプ羽根車2と,それと対置されるタービン羽根車3と,それらの内周部間に配置されるステータ羽根車4とを備え,これら三羽根車2,3,4間には作動オイルによる動力伝達のための循環回路6が画成される。
【0020】
ポンプ羽根車2のシェル2sの外周部には,タービン羽根車3の外側面を覆うサイドカバー5が溶接により一体的に連設される。サイドカバー5の外周面には,周方向に配列される複数の連結ボス7を有するリング体,もしくは分離独立した複数の連結ボス7が溶接されており,それら連結ボス7に,エンジンのクランク軸1に結合した駆動板8がボルト9で固着される。タービン羽根車3のハブ3hとサイドカバー5との間にスラストニードルベアリング36が介裝される。
【0021】
トルクコンバータTの中心部にクランク軸1と同軸上に並ぶ出力軸10が配置され,この出力軸10は,タービン羽根車3のハブ3hにスプライン嵌合されると共に,サイドカバー5中心部の支持筒5aに軸受ブッシュ18を介して回転自在に支承される。出力軸10は図示しない多段変速機の主軸となる。
【0022】
出力軸10の外周には,ステータ羽根車4のハブ4hをフリーホイール11を介して支承する円筒状のステータ軸12が配置され,これら出力軸10及びステータ軸12間には,それらの相対回転を許容するニードルベアリング13が介裝される。ステータ軸12の外端部は図示しないミッションケースに回転不能に支持される。
【0023】
ステータ羽根車4のハブ4hの軸方向両端面と,これらに対向するポンプ羽根車2及びタービン羽根車3の各ハブ2h,3hの端面との間にスラストニードルベアリング37,37′が介裝され,これらスラストニードルベアリング37,37′と前記スラストニードルベアリング36とにより,ポンプ羽根車2及びサイドカバー5間でのタービン羽根車3及びステータ羽根車4の軸方向移動が規制される。
【0024】
またステータ軸12の外周には,ポンプ羽根車2に結合した補機駆動軸20が相対回転可能に配置され,この補機駆動軸20によって,トルクコンバータTに作動オイルを供給するオイルポンプ(図示せず)が駆動される。
【0025】
タービン羽根車3及びサイドカバー5間には,前記循環回路6と外周側で連通するクラッチ室22が画成され,このクラッチ室22に,タービン羽根車3及びサイドカバー5間を直結し得るロックアップクラッチLが設けられる。
【0026】
図1〜図3により前記タービン羽根車3について詳細に説明する。
【0027】
タービン羽根車3は,椀状且つ環状のシェル3s,このシェル3sの内側面の定位置にロー付けされる多数枚のブレード3b,3b…,シェル3sの内側面にロー付けされてこれらブレード3b,3b…の半径方向内端部を押さえる環状のリテーナプレート3r,全ブレード3b,3b…の中間部相互を連結するコア3c及び,シェル3s及びリテーナプレート3rの中心孔に嵌合されるハブ3hから構成される。
【0028】
シェル3sには,周方向に並ぶ多数の位置決め凹部25,25…が形成されており,各凹部25に,各ブレード3bの半径方向内端に形成された位置決め突起26が係合される。
【0029】
一方,リテーナプレート3rは,その外周縁部で全ブレード3b,3b…の各位置決め突起26を位置決め凹部25側に押し付けるように配置される。またこのリテーナプレート3rには,各ブレード3bが係合する位置決め用の切欠き27,27…が設けられる。
【0030】
また各ブレード3bには,コア3cとの対向縁に位置決め突起28が形成されており,この位置決め突起28が係合する位置決め孔29がコア3cに穿設される。
【0031】
図3に明示するように,シェル3sの前記位置決め凹部25,25…より半径方向内方において,シェル3s及びリテーナプレート3rの合わせ面の一方(図示例ではリテーナプレート3r側)に,他方の合わせ面に全周に亙りプロジェクション溶接される環状突起30が形成される。この環状突起30は,シェル3s及びリテーナプレート3r間のロー付け時,溶融したロー材31がシェル3sの内周縁部から流出するのを防いで,シェル3s及びハブ3h間の溶接を阻害させないためのものである。
【0032】
図3から明らかなように,シェル3s及びリテーナプレート3rの中心孔は略同径とされる。そしてシェル3s及びリテーナプレート3rは,ハブ3hの外周面に嵌合され,且つハブ3hの外周に突設された位置決めフランジ32の外側面にリテーナプレート3r側を当接するように配置される。その際,必要に応じてリテーナプレート3rの,位置決めフランジ32との当接面33が切削加工される。またハブ3hの,シェル3s及びリテーナプレート3rとの嵌合面の軸方向長さyをシェル3s及びリテーナプレート3rの合計板厚tと略等しく設定して,シェル3s及びハブ3hの外側面は略面一とされる。その外側面においてシェル3s及びハブ3hは相互にTIG溶接され,その溶接部を符号35で示す。
【0033】
而して,リテーナプレート3rは,ハブ3hの位置決めフランジ32と,ハブ3hに溶接されたシェル3sとの間に強固に挟持されることになるから,リテーナプレート3r及びシェル3s間のロー付けを効果的に補強する。したがって,ブレード3b,3b…群をシェル3sに対して強力に保持して,大なる遠心力に抗することができる。
【0034】
またハブ3hの位置決めフランジ32は,単にリテーナプレート3rを支承するのみで,シェル3s及びハブ3h間の溶接に直接関与しないから,その薄肉化が可能である上,シェル3s及びハブ3hの外側面が略面一とされることで,ハブ3hの軸方向寸法の短縮を図り,タービン羽根車3のコンパクト化に寄与し得る。
【0035】
次に,図4を参照しながらタービン羽根車3の製造工程について説明する。
【0036】
先ず,環状に配列された多数のブレード3b,3b…上にコア3cを溶接により仮付けして,ブレード3b,3b…及びコア3cからなる第1半成品40を製作しておき,これを図4(A)に示すように,組立治具43上に既にセットされたシェル3s上の定位置にセットし,そのシェル3sの定位置にリテーナプレート3rを載置して,溶接機48によりリテーナプレート3rの前記環状突起30(図3参照)をシェル3sにプロジェクション溶接する。
【0037】
次に図4(B)に示すように,ブレード3b,3b…群の上部に環状その他の形状のロー材31(銅ロー)を載置し,これを図4(C)に示すように加熱炉49で加熱することにより,上記ロー材31を溶融すれば,溶けたロー材31が毛細管現象によりシェル3s,ブレード3b,3b…群,リテーナプレート3r及びコア3cの各合わせ面間に浸透するが,リテーナプレート3rの環状突起30が全周に亙りシェル3sに溶接されているから,溶けたロー材31は,該突起30から半径方向内方への流れを阻止される。こうして,環状突起30から半径方向内方のシェル3s及びリテーナプレート3rの合わせ面間へのロー材31の浸入を防止する。その後,上記製品を加熱炉49から取り出し,ロー材31の固化を待って,ロー付けは終了する。こうして,シェル3s,ブレード3b,3b…,シェル3s及びリテーナプレート3rからなる第2半成品41を製作する。
【0038】
最後に,必要に応じて,リテーナプレート3rのハブ3hの位置決めフランジ32との当接面33を適当に切削した後,図4(D)に示すように,組立治具44上にハブ3h及び上記第2半成品41をセットし,即ち前述のようにシェル3s及びリテーナプレート3rをハブ3hの外周面に嵌合すると共に,ハブ3hの位置決めフランジ32の外側面にリテーナプレート3rの当接面33を当接させる(図(3)参照)。そしてシェル3s及びハブ3hの外側面をTIG溶接機50により溶接するのであるが,このとき溶接熱によりシェル3s及びリテーナプレート3r間のロー材31が再溶融しても,その溶融ロー材31は,シェル3s及びリテーナプレート3r間を全周に亙り結合している環状突起30により,シェル3s及びハブ3h間の溶接箇所まで流出することが阻止される。したがって,シェル3s及びハブ3h間は,ロー材31に阻害されることなく良好に溶接することができる。しかもリテーナプレート3rの環状突起30はシェル3sに溶接することで,シェル3s,ブレード3b,3b…,コア3c及びリテーナプレート3rからなる第2半成品41を簡単に得ることができる。
【0039】
次に,図5により本発明の第2実施例について説明する。
【0040】
この第2実施例は,リテーナプレート3r及びシェル3s間を複数箇所51でスポット溶接して,リテーナプレート3rの環状突起30をその全周に亙りシェル3sに圧接させた点を除けば,前記第1実施例と同様の構成であり,図5中,第1実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。この場合も環状突起30は,シェル3s側に形成してもよい。
【0041】
この第2実施例においても,シェル3s及びリテーナプレート3r間のロー付け時,溶融ロー材31がシェル3sの内周縁部外側に流出するのを環状突起30により防ぐことができ,したがってシェル3s及びハブ3h間の溶接を,ロー材31に阻害されることなく確実に実施することができる。
【0042】
最後に,図6により本発明の第3実施例について説明する。
【0043】
この第3実施例では,前記第1及び第2実施例の環状突起30に代えて,シェル3s及びリテーナプレート3rの内周端部の両方の合わせ面に油性ペンキからなるシール剤を塗布してシール膜52,52を形成し,これらシール膜52,52を相互に密着させるべく,シェル3s及びリテーナプレート3r間を数箇所51でスポット溶接する。この場合,シール膜52は,シェル3s及びリテーナプレート3rの一方の合わせ面にのみ形成して,これを他方の合わせ面に圧接させることでもよい。その他の構成は第1及び第2実施例と同様であるから,図6中,第1及び第2実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0044】
この第3実施例においては,シェル3s及びリテーナプレート3r間のロー付け時,溶融ロー材31がシェル3sの内周縁部まで流出するのをシール膜52,52により防ぐことができ,したがってシェル3s及びハブ3h間の溶接を,ロー材31に阻害されることなく確実に実施することができる。
【0045】
尚,前記ポンプ羽根車2も,タービン羽根車3と基本的に同様の構成であり,また同様の方法で製造されるものである。
【0046】
また本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,本発明は,ステータ羽根車4を持たない流体継手のポンプ羽根車やタービン羽根車にも適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば,椀状且つ環状のシェルと,このシェルの内側面の定位置に結合される複数枚のブレードと,シェルの内側面にロー付けされてこれらブレードの半径方向内端部を押さえる環状のリテーナプレートと,シェル及びリテーナプレートの中心孔に嵌合されるハブとを備える,流体伝動装置用羽根車において,シェル及びリテーナプレートの中心孔が略同径とされると共に,シェルがその中心孔の内周縁部でハブの外周に外側面からTIG溶接されて,ハブの外周に形成された位置決めフランジとシェルとの間でリテーナプレートが挟持されるように構成され,シェル及びリテーナプレートの合わせ面間に,それらのロー付けの際,溶融したロー材がシェルとハブとのTIG溶接部に流出するのを阻止するロー材阻止手段が設けられているので,リテーナプレートは,ハブの位置決めフランジと,ハブに溶接されたシェルとの間に強固に挟持されることになり,リテーナプレート及びシェル間の結合力を効果的に補強することができる。また,シェル及びリテーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周縁部外側のTIG溶接部に流出するのをロー材阻止手段により防ぐことができ,したがってシェル及びハブ間のTIG溶接を,ロー材に阻害されることなく確実に実施することができる。
【0048】
また本発明の第2の特徴によれば,リテーナプレートの位置決めフランジとの当接面が切削加工されていると共に,シェル及びリテーナプレートが嵌合する,ハブの外周面の軸方向長さが,シェル及びリテーナプレートの合計板厚と略等しく設定されているので,シェル及びハブ間の溶接に直接関与しない,ハブの位置決めフランジは薄肉化が可能であることに加えて,シェル及びハブの外側面を略面一とすることができ,ハブの軸方向寸法の短縮を図り,流体伝動装置用羽根車のコンパクト化に寄与し得る。
【0049】
さらに本発明の第3の特徴によれば,リテーナプレートの位置決めフランジとの当接面 が切削加工されていると共に,前記ロー材阻止手段が,シェル及びリテーナプレートの合わせ面の一方に形成した環状突起を全周に亙り他方の合わせ面に密着させることによって構成されているので,シェル及びリテーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周縁部外側のTIG溶接部まで流出するのを環状突起により防ぐことができる。
【0050】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,前記ロー材阻止手段が,シェル及びリテーナプレートの合わせ面の一方に形成した環状突起を全周に亙り他方の合わせ面に溶接することによって構成されているので,シェル及びリテーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周縁部外側まで流出するのを環状突起により防ぐことができる。しかも環状突起を相手部材に溶接することで,シェル,ブレード及びリテーナプレートからなる羽根車の半成品を簡単に得ることができる。
【0051】
さらにまた本発明の第5の特徴によれば,前記ロー材阻止手段が,シェル及びリテーナプレートの合わせ面の少なくとも一方に,他方の合わせ面に密着する油性ペンキからなるシール膜を形成し,シェル及びリテーナプレート間を数箇所でスポット溶接することによって構成されているので,シェル及びリテーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周縁部外側まで流出するのをシール膜により防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るトルクコンバータの縦断側面図。
【図2】 上記トルクコンバータのタービン羽根車の一部平面図。
【図3】 図2の3−3線拡大断面図。
【図4】 上記トルクコンバータの製造工程説明図。
【図5】 本発明の第2実施例を示す,図3との対応図。
【図6】 本発明の第3実施例を示す,図3との対応図。
【符号の説明】
T・・・・・・流体伝動装置(トルクコンバータ)
3・・・・・・羽根車(タービン羽根車)
3b・・・・・ブレード
3c・・・・・コア
3h・・・・・ハブ
3s・・・・・シェル
30・・・・・環状突起
31・・・・・ロー材
32・・・・・位置決めフランジ
33・・・・・当接面
35・・・・・TIG溶接部
51・・・・・スポット溶接箇所
52・・・・・シール膜[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an impeller for a hydraulic power transmission device including a torque converter and a fluid coupling used in vehicles and industrial machines, and more particularly to an annular shell and a plurality of sheets arranged at fixed positions on the inner surface of the shell. A retainer plate that is brazed to the inner peripheral surface of the shell while holding the radially inner ends of the blades against the shell, and a hub that is welded to the inner peripheral edge of the shell and the retainer plate. It is related with the improvement of a bag.
[0002]
[Prior art]
Such a hydraulic power transmission for the impeller, for example, Japanese as disclosed in Japanese Sho 58-97448, is already known.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In conventional impellers for fluid transmission devices, when welding between the shell and the hub, one side of the shell is abutted against one side of the positioning flange formed on the outer periphery of the hub, and fillet welding is performed between the positioning flange and the shell. Has been given.
[0004]
In such conventional devices, the retainer plate is connected to the shell only by brazing, and the strength of the bond is required to be strengthened.
[0005]
The present invention has been made in view of such circumstances, and the fluid transmission device described above is capable of effectively strengthening the coupling force of the retainer plate to the shell using the coupling portion between the shell and the hub. An object is to provide an impeller.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention comprises a saddle-like and annular shell, a plurality of blades coupled to a fixed position on the inner surface of the shell, and brazed to the inner surface of the shell. an annular retainer plate for pressing a radially inner end, and a hub which is fitted into the center hole of the shell and the retainer plate, the impeller fluid transmission device, the center hole of the shell and the retainer plate and substantially the same diameter with the shell is TIG welded from the outer surface to the outer periphery of the hub at the inner peripheral edge of the central hole, arranged to the retainer plate is held between the outer periphery formed locating flange and shell of the hub The brazing material prevents the molten brazing material from flowing out to the TIG weld between the shell and the hub during the brazing between the mating surfaces of the shell and the retainer plate. That blocking means are provided to the first feature.
[0007]
According to the first feature, the retainer plate is firmly held between the positioning flange of the hub and the shell welded to the hub, and the coupling force between the retainer plate and the shell is effectively reduced. Can be reinforced. Also, when brazing between the shell and the retainer plate, the molten brazing material can be prevented from flowing out to the TIG welded portion outside the inner peripheral edge of the shell by the brazing material blocking means, and therefore TIG welding between the shell and the hub is prevented. , It can be carried out reliably without being obstructed by the brazing material.
[0008]
The present invention, in addition to the first feature, the abutment surface of the positioning flange of the retainer plate is machined, the shell and the retainer plate is fitted, the axial length of the outer peripheral surface of the hub The second feature is that it is set to be approximately equal to the total thickness of the shell and the retainer plate.
[0009]
According to the second feature, the positioning flange of the hub that is not directly involved in the welding between the shell and the hub can be thinned, and the outer surface of the shell and the hub can be made substantially flush. Therefore, the axial dimension of the hub can be shortened, which can contribute to the compactness of the impeller for the fluid transmission device .
[0010]
In addition to the first feature of the present invention, the contact surface of the retainer plate with the positioning flange is cut, and the brazing material blocking means is formed on one of the mating surfaces of the shell and the retainer plate. that it is configured by the bringing into close contact with the other of the mating surfaces over an annular projection on the entire periphery to the third feature.
[0011]
According to the third feature, during brazing between the shell and retainer plate, that the molten brazing material flows out to the TIG welds of the inner peripheral edge portion outside the side of the shell can be prevented by the annular protrusion.
[0012]
Furthermore, in the present invention, in addition to the first feature, the brazing material blocking means is formed by welding an annular protrusion formed on one of the mating surfaces of the shell and the retainer plate over the entire circumference to the other mating surface. It is the fourth feature that it is configured.
[0013]
According to the fourth feature, when brazing between the shell and retainer plate, that the molten brazing material flows out to the inner peripheral edge portion outside the side of the shell can be prevented by the annular protrusion. Moreover, a semi-finished product of an impeller comprising a shell, a blade and a retainer plate can be easily obtained by welding the annular protrusion to the mating member.
[0014]
The present invention, in addition to the first feature, the brazing material blocking means, at least one of the mating surfaces of the shell and retainer plate to form a seal film consisting of oil paint in close contact with the other of the mating surfaces, it is a fifth aspect of being configured by that spot welding at several points between the shell and retainer plate (51).
[0015]
According to the fifth feature, it is possible to prevent during brazing between the shell and retainer plate, that the molten brazing material flows out to the inner peripheral edge portion outside the side of the shell by the seal film.
[0016]
Incidentally, the fluid power transmission device and the impeller corresponds to the torque converter T and the
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below based on examples of the present invention shown in the accompanying drawings.
[0018]
1 is a longitudinal side view of a torque converter according to a first embodiment of the present invention, FIG. 2 is a partial plan view of a turbine impeller of the torque converter, and FIG. 3 is an enlarged sectional view taken along line 3-3 in FIG. 4 is an explanatory diagram of the manufacturing process of the torque converter, FIG. 5 shows a second embodiment of the present invention, a correspondence diagram with FIG. 3, and FIG. 6 shows a third embodiment of the present invention, a correspondence diagram with FIG. It is.
[0019]
First, the description starts with the description of the first embodiment of the present invention shown in FIGS. In FIG. 1, a torque converter T as a fluid transmission device includes a
[0020]
A
[0021]
An
[0022]
A
[0023]
[0024]
An auxiliary
[0025]
A
[0026]
The
[0027]
[0028]
A number of positioning recesses 25, 25,... Arranged in the circumferential direction are formed in the
[0029]
On the other hand, the
[0030]
Each
[0031]
As clearly shown in FIG. 3, one of the mating surfaces of the
[0032]
As is apparent from FIG. 3, the center holes of the
[0033]
Thus, the
[0034]
Further, the
[0035]
Next, the manufacturing process of the
[0036]
First, a
[0037]
Next, as shown in FIG. 4 (B), an annular or other shaped brazing material 31 (copper solder) is placed on top of the
[0038]
Finally, if necessary, the
[0039]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
[0040]
In the second embodiment, except that the
[0041]
Also in the second embodiment, it is possible to prevent during brazing between the
[0042]
Finally, a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
[0043]
In this third embodiment, instead of the
[0044]
In the third embodiment, when brazing between the
[0045]
The
[0046]
The present invention is not limited to the above-described embodiments, and various design changes can be made without departing from the scope of the invention. For example, the present invention can also be applied to a fluid-coupled pump impeller or turbine impeller that does not have the stator impeller 4.
[0047]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a bowl-like and annular shell, a plurality of blades coupled to a fixed position on the inner surface of the shell, and a radial direction of these blades brazed to the inner surface of the shell comprising an annular retainer plate for pressing an inner end portion and a hub which is fitted into the center hole of the shell and the retainer plate, the impeller fluid transmission device, the center hole of the shell and retainer plate are substantially the same diameter together, the shell is TIG welded from the outer surface to the outer periphery of the hub at the inner peripheral edge of the center hole is configured to retainer plate is held between the locating flanges and the shell formed on the outer circumference of the hub, A brazing material blocking means that prevents molten brazing material from flowing out to the TIG weld between the shell and the hub when the brazing between the mating surfaces of the shell and the retainer plate. Since is provided, the retainer plate includes a positioning flange of the hub, would be firmly held between the shell welded to the hub, effectively reinforce the bonding force between the retainer plate and the shell be able to. Also, when brazing between the shell and the retainer plate, the molten brazing material can be prevented from flowing out to the TIG welded portion outside the inner peripheral edge of the shell by the brazing material blocking means, and therefore TIG welding between the shell and the hub is prevented. , It can be carried out reliably without being obstructed by the brazing material.
[0048]
Further, according to the second feature of the present invention, the contact surface of the retainer plate with the positioning flange is machined, and the axial length of the outer peripheral surface of the hub to which the shell and the retainer plate are fitted is Since it is set to be approximately equal to the total thickness of the shell and retainer plate, the positioning flange of the hub that does not directly participate in welding between the shell and the hub can be thinned. Therefore, the axial dimension of the hub can be shortened and the impeller for the fluid transmission device can be made compact.
[0049]
Further, according to the third feature of the present invention, the contact surface of the retainer plate with the positioning flange is cut, and the brazing material blocking means is formed on one of the mating surfaces of the shell and the retainer plate. since the projections are formed by the bringing into close contact with the mating surface of the other over the entire circumference, when brazing between the shell and the retainer plate, until TIG welds of the inner peripheral edge portion outside the side of the shell melted brazing material Outflow can be prevented by the annular protrusion .
[0050]
According to yet a fourth aspect of the present invention, the brazing material blocking means, the shell and by the welding to the mating surface while entire circumference over the other mating surfaces of the annular projections formed on the retainer plate which is configured, when brazing between the shell and retainer plate, that the molten brazing material from flowing to the inner peripheral edge portion outside the side of the shell can be prevented by the annular protrusion. Moreover, a semi-finished product of an impeller comprising a shell, a blade and a retainer plate can be easily obtained by welding the annular protrusion to the mating member.
[0051]
According Furthermore to a fifth aspect of the present invention, the brazing material blocking means, at least one of the mating surfaces of the shell and retainer plate to form a seal film consisting of oil paint in close contact with the other of the mating surfaces, the shell and which is configured by that spot welding at several points between the retainer plates, shells and during brazing between the retainer plate, the sealing membrane from the molten brazing material from flowing to the inner peripheral edge portion outside the side of the shell Can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal side view of a torque converter according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partial plan view of a turbine impeller of the torque converter.
3 is an enlarged cross-sectional view taken along line 3-3 of FIG.
FIG. 4 is an explanatory view of a manufacturing process of the torque converter.
FIG. 5 is a view corresponding to FIG. 3, showing a second embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a view corresponding to FIG. 3, showing a third embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
T ・ ・ ・ ・ ・ ・ Fluid transmission device (torque converter)
3. ... impeller (turbine impeller)
3b ···
33 …… Abutting surface
35 ... TIG welded part
51...
Claims (5)
シェル(3s)及びリテーナプレート(3r)の中心孔が略同径とされると共に,シェル(3s)がその中心孔の内周縁部でハブ(3h)の外周に外側面からTIG溶接されて,ハブ(3h)の外周に形成された位置決めフランジ(32)とシェル(3s)との間でリテーナプレート(3r)が挟持されるように構成され,
シェル(3s)及びリテーナプレート(3r)の合わせ面間に,それらのロー付けの際,溶融したロー材(31)がシェル(3s)とハブ(3h)とのTIG溶接部(35)に流出するのを阻止するロー材阻止手段(30,52)が設けられていることを特徴とする,流体伝動装置用羽根車。A bowl-like and annular shell (3s), a plurality of blades (3b) coupled to a fixed position on the inner surface of the shell (3s), and braided to the inner surface of the shell (3s) an annular retainer plate for pressing a radially inner end portion of the 3b) (3r), the shell (3s) and a hub (3h) which is fitted into the central hole of the retainer plate (3r), blades for hydraulic transmission In the car,
The center hole of the shell (3s) and the retainer plate (3r) has substantially the same diameter, and the shell (3s) is TIG welded from the outer surface to the outer periphery of the hub (3h) at the inner peripheral edge of the center hole. between the hub locating flanges (32) formed on the outer periphery of the (3h) and the shell (3s) is configured to retainer plate (3r) is held,
When brazing between the mating surfaces of the shell (3s) and the retainer plate (3r), the molten brazing material (31) flows out into the TIG weld (35) between the shell (3s) and the hub (3h). An impeller for a fluid transmission device, characterized in that a brazing material blocking means (30, 52) is provided for blocking the movement .
リテーナプレート(3r)の位置決めフランジ(32)との当接面(33)が切削加工されていると共に,シェル(3s)及びリテーナプレート(3r)が嵌合する,ハブ(3h)の外周面の軸方向長さ(y)が,シェル(3s)及びリテーナプレート(3r)の合計板厚(t)と略等しく設定されていることを特徴とする,流体伝動装置用羽根車。The impeller for a fluid transmission device according to claim 1,
The contact surface (33) of the retainer plate (3r) with the positioning flange (32) is cut, and the outer surface of the hub (3h) is fitted with the shell (3s) and the retainer plate (3r). An impeller for a fluid transmission device, wherein an axial length (y) is set to be substantially equal to a total thickness (t) of a shell (3s) and a retainer plate (3r).
リテーナプレート(3r)の位置決めフランジ(32)との当接面(33)が切削加工されていると共に,前記ロー材阻止手段が,シェル(3s)及びリテーナプレート(3r)の合わせ面の一方に形成した環状突起(30)を全周に亙り他方の合わせ面に密着させることによって構成されていることを特徴とする,流体伝動装置用羽根車。The impeller for a fluid transmission device according to claim 1 ,
The contact surface (33) of the retainer plate (3r) with the positioning flange (32) is cut, and the brazing material blocking means is provided on one of the mating surfaces of the shell (3s) and the retainer plate (3r). characterized in that it is constructed by that to form the annular projection (30) in close contact with the mating surface of the other over the entire circumference, the fluid transmission device for an impeller.
前記ロー材阻止手段が,シェル(3s)及びリテーナプレート(3r)の合わせ面の一方に形成した環状突起(30)を全周に亙り他方の合わせ面に溶接することによって構成されていることを特徴とする,流体伝動装置用羽根車。The impeller for a fluid transmission device according to claim 1 ,
The brazing material blocking means is configured by the welding to the shell (3s) and the other mating surface mating surface while the formed annular projections (30) over the entire periphery of the retainer plate (3r) An impeller for a fluid transmission device.
前記ロー材阻止手段が,シェル(3s)及びリテーナプレート(3r)の合わせ面の少なくとも一方に,他方の合わせ面に密着する油性ペンキからなるシール膜(52)を形成し,シェル(3s)及びリテーナプレート(3r)間を数箇所(51)でスポット溶接することによって構成されていることを特徴とする,流体伝動装置用羽根車。The impeller for a fluid transmission device according to claim 1 ,
The brazing material blocking means, at least one of the mating surfaces of the shell (3s) and the retainer plate (3r), forming a seal film (52) consisting of oil paint in close contact with the other of the mating surfaces, the shell (3s) and characterized in that it is constructed by that spot welding with a retainer plate (3r) several places between (51), hydraulic transmission apparatus for an impeller.
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