JP4070340B2 - 付着珪藻培養器および付着珪藻回収方法 - Google Patents

付着珪藻培養器および付着珪藻回収方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工的に短期間で大量に培養される付着珪藻を効率良く回収する付着珪藻培養器および付着珪藻回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、このような付着珪藻は、自然状態では水深の浅い水路の底や、水が溢れ出ている水槽の壁など、水が断えず流れているような箇所に繁茂している。この付着珪藻は、アワビ、ナマコ、ウニなどの水産生物の幼若個体の餌料として利用されている。
【0003】
そして、従来より、例えば、特開昭64−67175号公報に開示されるように、付着珪藻を人工的に短期間で大量に培養し、その培養した付着珪藻を効率良く回収するようにした付着珪藻培養器が知られている。
【0004】
この付着珪藻培養器は、上下方向に延びる透光性のパイプ内に、そのパイプの略中心軸線上からブラシ繊維を略水平方向に放射状に延ばしてなるブラシが挿入され、パイプ下端のキャップに供給通路及び排出通路が連結されている一方、パイプ上端のキャップにオーバーフロー通路が連結されている。そして、パイプ内に供給通路を介して供給された培養水がオーバーフロー通路を介して排出されることで、パイプ内に培養水が流通し、ブラシ繊維に付着する付着珪藻を培養するようになされている。この場合、ブラシ繊維に付着した付着珪藻は、ブラシの周囲に設けた扱きリングをシリンダなどの駆動手段によって上下方向に移動させることで扱き取られ、この扱き取られた付着珪藻がパイプ内の培養水の全量と共に排出通路を介してパイプの下方から回収されるようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パイプ内の容量は、付着珪藻の培養を図る上である程度確保する必要がある。このことから、付着珪藻の回収時にパイプ内の培養水を全量抜き取る場合には、パイプ内から排出される培養水の全量は多大な量となる。このため、培養水の単位容量当たりに占める付着珪藻の割合が自ずと少なくなって、付着珪藻の密度が低くなり、付着珪藻を効率良く回収することができないものとなる。
【0006】
また、ブラシ繊維についても、その線径が小さい(例えば0.2mm程度)と、付着珪藻の付着面積を確保する上で有利ではあるが、ブラシ繊維の中心部(パイプの中心軸線付近)付近において目詰まりを起こすなどして長期に亘って繰り返し安定した収穫が望めないばかりでなく、扱きリングによる経時的な扱きによりブラシ繊維の形状が変形してブラシ繊維同士が絡み合うなどし、頻繁なブラシのメンテナンスケアが余儀なくされる。このため、ブラシのメンテナンスケアにその都度時間を割かれ、付着付着珪藻の培養が足止めされることになり、付着珪藻を効率良く回収することができない。
【0007】
さらに、付着珪藻の扱き取りを終えた状態では、ブラシ繊維が扱きリングに当接してブラシ繊維が略水平状態ではなく無理やり上下方向に反り返るため、すぐにブラシ繊維に癖が付いてしまう。このため、ブラシ繊維間に疎密が生じ、付着珪藻の付着面積が減少し、付着珪藻を効率良く回収することができない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、付着珪藻の高密度回収、頻繁なブラシのメンテナンスケア防止、又はブラシ繊維の癖付き防止を可能とし、付着珪藻を効率良く回収し得る付着珪藻培養器又は付着珪藻回収方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係わる発明が講じた解決手段は、付着珪藻を培養する付着珪藻培養器として、上下方向に延びる透光性のパイプと、パイプの下端部に連結され、パイプ内に培養水を下方から供給する供給通路と、パイプの上端部に連結され、供給通路からパイプ内に供給された培養水のオーバーフロー分を上方から排出するオーバーフロー通路と、パイプ内に設けられ、パイプの略中心軸線上から略水平方向で放射状に延ばして設けられたブラシ繊維に付着珪藻を付着させて培養するブラシと、このブラシに対しその半径方向途中位置において上下方向に相対移動可能に支持され、ブラシ繊維を上下方向に撓ませることによってブラシ繊維に付着した付着珪藻を扱き取る扱きリングと、この扱きリング及びブラシの一方を他方に対し上下方向に相対移動させる駆動手段と、この駆動手段により扱きリング及びブラシの一方を相対移動するに先立ってパイプ内の培養水を下方から排出する排出通路とを具備する。そして、扱きリングにより扱き取られた付着珪藻を、パイプ内に下方から供給通路を介して供給される培養水のオーバーフロー分と共にパイプの上方からオーバーフロー通路を介して回収するようになされたものにしている。
【0010】
請求項1の場合、パイプ内に供給通路を介して下方から供給された培養水がオーバーフロー通路を介して排出されることで、パイプ内に培養水が流通し、ブラシに付着する付着珪藻が培養されるようになされている。
【0011】
そして、ブラシに付着した付着珪藻を回収する場合には、パイプ内の培養水を排出通路を介して下方から排出してから、シリンダなどの駆動手段によりブラシの半径方向途中位置において扱きリング及びブラシの一方を他方に対し上下方向に相対移動させることで付着珪藻を扱き取り、この状態で、パイプ内に供給通路を介して下方から培養水を供給する。扱き取られた付着珪藻は、培養水の比重と遜色なく軽いものであることから、培養水の供給に伴い培養水の上層に浮遊してパイプ内を上方に移動し、オーバーフローする培養水のオーバーフロー分と共にパイプの上方からオーバーフロー通路を介して回収されることになる。
【0012】
これにより、付着珪藻の回収時には培養水のオーバーフロー分のみがオーバーフロー通路を介して排出され、この付着珪藻の回収時に排出される培養水は、パイプ内の培養水を全量抜き取る場合に比べてきわめて少ない量となる。このため、培養水の単位容量当たりに占める付着珪藻の割合が自ずと多くなり、付着珪藻が高密度で回収され、付着珪藻を効率良く回収することが可能となる。
【0013】
請求項2に係わる発明が講じた解決手段は、駆動手段について、扱きリングによる付着珪藻の扱き取りを終えた停止状態で扱きリングにより上下方向に撓むブラシ繊維を略水平方向に戻すように、扱きリング及びブラシの一方をパイプの略中心軸線方向に進退移動させる進退移動手段を備える構成としたものである。
【0014】
請求項2の場合、付着珪藻の扱き取りを終えた状態で、ブラシ繊維が扱きリングに当接してブラシ繊維が略水平状態ではなく無理やり上下方向に反り返っていても、進退移動手段によって扱きリング及びブラシの一方がパイプの略中心軸線方向に進退移動し、ブラシ繊維が略水平方向に戻されることになる。このため、扱きリングによってブラシ繊維に癖が付くことが防止され、ブラシ繊維間に疎密が生じることがない。これにより、付着珪藻の付着面積が効果的に確保され、付着珪藻を効率良く回収することが可能となる。
【0015】
また、請求項3に係わる発明が講じた解決手段は、ブラシの直径が、パイプの内径よりも長くされていることであるパイプの内径よりも若干長い直径のブラシを適用した場合には、扱きリングにより扱かれて上下方向に交互に撓むブラシによって、パイプの内周面が洗浄されることになる。このため、パイプの内周面に付着する付着珪藻も掻き落とせ、付着珪藻の回収効率を高めることが可能となる上、パイプの透光性が常時十分に確保されて付着珪藻の培養を効率良く行えることになる
【0016】
また、請求項4に係わる発明が講じた解決手段は、ブラシ繊維を、ナイロン製として扱きリングによる経時的な扱きによっても形状変形不能に剛性を確保するように線径を0.4mm〜1.0mmに設定している。この場合には、ブラシ繊維の線径が小さい(例えば0.2mm程度)ものに起きがちなブラシ繊維の中心部(パイプの中心軸線付近)付近での目詰まりが、線径を太くしたブラシ繊維によって解消される。その上、付着珪藻の付着面積も十分に確保され、長期に亘って繰り返し安定した十分な付着珪藻の収穫が望めることになる。ここで、ブラシ繊維の線径を0.4mm〜1.0mmに設定した理由について述べる。ブラシ繊維の線径が0.4mm未満であると、扱きリングによる経時的な扱きによって形状変形が起こり易く、ブラシ繊維同士の絡み合いが生じ、剛性が不十分なものとなる。これに対し、ブラシ繊維の線径が1.0mmを超えると、付着珪藻の付着面積を十分に確保することができず、付着珪藻の培養が量的に不十分となり、付着珪藻の収穫量が落ちることになる。
【0017】
すなわち、ブラシ繊維の付着面積の増大と、扱きリングによる付着珪藻の扱き取り性能との間には相関関係があり、付着珪藻を一定期間毎に繰り返し回収する場合には、ブラシ繊維の線径を小さくして付着面積を増大させるほど回収回数毎の付着珪藻の回収量が激減し、その反面、ブラシ繊維の線径を大きくして付着面積を減少させるほど回収回数毎の付着珪藻の回収量が安定する。そのため、ブラシ繊維の線径を、0.4mm〜1.0mmに設定することで、ブラシ繊維の中心部付近での目詰まりを解消しつつ回収回数毎の付着珪藻の回収量を安定させ、長期に亘って繰り返し安定した付着珪藻の収穫を可能とするようにしている。
【0020】
さらに、請求項5に係わる発明が講じた解決手段は上下方向に延びる透光性のパイプと、パイプの下端部に連結され、パイプ内に培養水を下方から供給する供給通路と、パイプの上端部に連結され、供給通路からパイプ内に供給された培養水のオーバーフロー分を上方から排出するオーバーフロー通路と、パイプ内に設けられ、パイプの略中心軸線上から略水平方向で放射状に延ばして設けられたブラシ繊維に付着珪藻を付着させて培養するブラシと、このブラシに対しその半径方向途中位置において上下方向に相対移動可能に支持され、ブラシ繊維を上下方向に撓ませることによってブラシ繊維に付着した付着珪藻を扱き取る扱きリングと、この扱きリング及びブラシの一方を他方に対し上下方向に相対移動させる駆動手段と、この駆動手段により扱きリング及びブラシの一方を相対移動するに先立ってパイプ内の培養水を下方から排出する排出通路とを具備して付着珪藻を培養する付着珪藻培養器での付着珪藻回収方法において、排出通路からパイプ内の培養水を排出した後、扱きリング及びブラシの一方を他方に対し上下方向に相対移動させて付着珪藻を扱きリングにより扱き取り、その後パイプ内に供給通路を介して下方から培養水を供給して培養水をオーバーフローさせることによって扱き取られた付着珪藻をパイプの上方からオーバーフロー通路を介して回収することを特徴とするしたがって、本発明に係る付着珪藻培養器を有効に機能させ所望の効果を発揮させることが可能となる
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図3は本発明の実施形態に係わる付着珪藻培養器を示している。図1〜図3において、付着珪藻培養器Xは、ケーシング1と、5本のパイプ2と、各パイプ2に対し培養水としての海水を供給する供給通路3(図2に表れる)と、各パイプ2内から海水のオーバーフロー分を排出するオーバーフロー通路4(図2に表れる)と、各パイプ2内に設けられたブラシ5と、各パイプ2内に設けられた扱きリング6と、この各扱きリング6を駆動する駆動手段としてのエアシリンダ7(図3に表れる)と、各パイプ2内の海水を排出する排出通路8(図2に表れる)とを具備している。以下、上に述べた各構成について個別に詳細に説明する。
【0023】
<ケーシング>
ケーシング1は、図1に示すように、正面視で略矩形枠状を呈する枠体11と、この枠体11を後方(図1では紙面奥方向)から塞ぐ後壁パネル12と、枠体11の左右両側部に対しそれぞれ上下一対のヒンジ13,13を介して観音開き可能に支持され、枠体11を前方(図1では紙面手前方向)から塞ぐ左右一対の蓋板14,14とを備えている。このケーシング1は、枠体11下部の左右両側端を前後方向(図1では手前奥方向)に延びる脚部11a,11aによって、前後方向に傾倒不能に設置されてなる。
【0024】
後壁パネル12には、左右方向に延びる2本1組の蛍光管取付部12a,…が上下方向5箇所に設けられ、この各蛍光管取付部12aによって、合わせて10本の蛍光管12b,…が取り付けられるようになされている。
【0025】
各蓋板14の内側面(閉塞状態で各蛍光管取付部12aと対向する面)は、そのほぼ全域に亘って装着されたアルミ製の反射板14aを備え、蓋板14閉塞時に各蛍光管12bの光を枠体11内で反射させるようになされている。
【0026】
<パイプ>
各パイプ2は、図2及び図3にも示すように、内径略95mmで長さ略1500mmに形成された上下方向に延びる透明ガラス筒よりなり、外方からの採光が採り入れられるようになされている。これらのパイプ2は、それぞれケーシング1の枠体11内に左右方向に順に並べて配置されている。各パイプ2の上下両端部には、合成樹脂製の上側及び下側キャップ21,22が設けられている。この各キャップ21,22と、パイプ2の上下両端部とは、それぞれ塩化ビニール製の筒部材23,23よって外嵌めされている。また、各キャップ21,22と各筒部材23との間は、Oリング24を介してシールされ、確実な水密状態が得られるようになされている。
【0027】
上側キャップ21は、その上面に固着された四角形状のプレート21aを備え、このプレート21aを介して枠体11の上部にボルト21b及びナット21cにより締結されている。
【0028】
下側キャップ22は、その下面に固着された四角形状のプレート22aを備え、このプレート22aを介して枠体11の下部に直付けされている。
【0029】
<供給通路>
供給通路3は、図2に示すように、下側キャップ22内に設けられ、一端がパイプ2の下端部に連通している。この供給通路3の他端は、下側キャップ22の一側方(図2では左側)に開口し、図示しない海水供給タンクから延びる海水供給管31の下流端に連結されている。そして、海水供給タンクからの海水は、海水供給管31から供給通路3を介してパイプ2内に下方(下側キャップ22側)から供給されるようになされている。また、海水供給管31の途中には切換弁(図示せず)が設けられ、この切換弁によって、パイプ2内への海水の供給が停止されるようになされている。この場合、海水供給タンクから海水供給管31及び供給通路3を介してパイプ2内に供給される海水の供給流速は、1時間当たり40リットルの速さに設定されている。
【0030】
<オーバーフロー通路>
オーバーフロー通路4は、上側キャップ21内に設けられ、一端がパイプ2の上端部に連通している。このオーバーフロー通路4の他端は、上側キャップ21の他側方(図2では右側)に開口し、図示しない海水排出部から延びる第1海水排出管41の上流端に連結されている。そして、パイプ2内に供給通路3を介して下方から供給された海水は、パイプ2内を満たした状態でオーバーフローするオーバーフロー分のみがオーバーフロー通路4を介して上方から排出され、パイプ2内において下方から上方に流通するようになされている。
【0031】
第1海水排出管41は、その途中に3方切換弁42を備えている。この3方切換弁42は、付着珪藻回収容器43(図6〜図11参照)に一端が連結された回収管44の他端を連結し、切換操作によって、回収管44を閉鎖して第1海水排出管41を連通させる一方、第1海水排出管41の連通を禁止して回収管44を開放するようになされている。
【0032】
<ブラシ>
ブラシ5は、図4及び図5に示すように、4本の針金51,…にブラシ繊維としてのナイロン製のフィラメント52,…を挟んで撚って形成されてなる。このブラシ5は、各針金51をパイプ2の中心軸線上に位置付けた状態で、パイプ2の中心軸線上より各フィラメント52を略水平方向に放射状に延ばして設けられている。図2に示すように、各針金51は、その上下両端が上側及び下側キャップ21,22に差し込まれることによって、移動不能に支持されている。
【0033】
図5に示すように、各フィラメント52は、各針金51に対しパイプ2の中心軸線方向所定間隔置きに設けられ、付着珪藻G(図6〜図11に表れる)を付着させて培養するようになされている。また、各フィラメント52は、線径が略0.4〜1.0mmのものが使用され、一例として線径が0.4mmの場合には5万本近く用いられ、その場合には、全表面積が2万平方センチメートルとなるようになされている。さらに、ブラシ5は、その直径が略97mm程度のものが用いられ、パイプ2の内径よりもブラシ5の直径が若干長くなるように設定されている。
【0034】
<扱きリング>
扱きリング6は、図1及び図3に示すように、パイプ2の中心軸線方向所定間隔置きに設けられ、ブラシ5の半径方向途中位置に位置付けられている。各扱きリング6は、その内周面側において互いに周方向に180°位相した位置を上下方向に延びる2本の操作ロッド61,61に固着され、この各操作ロッド61の上下方向への移動に伴い上下方向に移動するようになされている。そして、各操作ロッド61に伴い上下方向に移動する各扱きリング6によって、フィラメント52,…に付着した付着珪藻Gが扱き取られるようになされている。この場合、扱きリング6は、その中心径が略78mmのものが用いられ、フィラメント52をブラシ5の半径方向外方に向かって8割付近の位置から扱くようになされている。
【0035】
<エアシリンダ>
エアシリンダ7は、図3に示すように、枠体11の上部に立設されたシリンダチューブ71と、シリンダチューブ71に対し伸長時に上方に伸長する伸縮可能なピストンロッド72とを備えている。このエアシリンダ7の外方には断面略逆凹字状の進退部材73が設けられている。この進退部材73は、その底部にピストンロッド72の先端が取り付けられ、ピストンロッド72の伸長動に応じてパイプ2の中心軸線方向に進退移動するようになされている。進退部材73下端の左右両側には一対の進退ロッド74,74の上端が固着されている。この各進退ロッド74は、それぞれ上側キャップ21に対し上下方向に摺動移動可能に貫通し、その下端が各操作ロッド61,61の上端に連結されるようになされている。
【0036】
各進退ロッド74は、上側キャップ21に対しそれぞれOリング75を介してシールされ、確実な水密状態が得られるようになされている。また、上側キャップ21にはそれぞれOリング75のシール性能を個別に検出する検出孔76,76が設けられ、この各検出孔76からの漏水によってOリング75のシール性能の低下を検出できるようになされている。なお、エアシリンダ7にはキャップ78が被覆され、このキャップ78によって、可動部であるエアシリンダ7の保護がなされるようにしている。
【0037】
<排出通路>
排出通路8は、図2に示すように、下側キャップ22内に設けられ、一端がパイプ2の下端部に連通している。この排出通路8の他端は、下側キャップ22の他側方に開口し、図示しない海水排出部から延びる第2海水排出管81の上流端に連結されている。そして、パイプ2内の海水は、パイプ2の下方から排出通路8及び第2海水排出管81を介して海水排出部に排出されるようになされている。また、第2海水排出管81の途中には切換弁(図示せず)が設けられ、この切換弁によって、パイプ2内からの海水の排出を停止するようになされている。
【0038】
<本発明の特徴部分の構成>
エアシリンダ7は、図3に示すように、扱きリング6をパイプ2の略中心軸線方向に進退移動させる進退移動手段としての付勢スプリング77を備えている。この付勢スプリング77は、ピストンロッド72の外方に巻回された状態で、シリンダチューブ71と進退部材73の底部との間に縮装されている。また、図5に示すように、付勢スプリング77は、各扱きリング6により付着珪藻Gを扱き取った状態で伸縮動を停止するエアシリンダ7により収縮し、この収縮状態から中立位置まで戻る付勢力によって、ピストンロッド72を若干量(例えば30mm程度)伸長動させて各扱きリング6を扱き取り完了位置(図5に一点鎖線で示す位置)から初期位置(図5に実線で示す,付着珪藻Gの扱き取りを行う前の培養状態の位置)に戻すようになされている。そして、ブラシ5の各フィラメント52は、パイプ2の中心軸線方向において扱きリング6と対応する位置に設けられてはおらず、各扱きリング6と干渉することなく略水平方向に放射状に延びる位置にのみ設けられている。この場合、各フィラメント52は、付勢スプリング77の収縮状態から中立位置まで戻る際の付勢力によって、各扱きリング6を初期位置に戻すことで、略水平方向に放射状に延びる状態に戻されるようになされている。
【0039】
ここで、付着珪藻培養器Xにより付着珪藻Gを培養する場合の手順及びその培養した付着珪藻Gを収穫する場合の手順を図6〜図11に基づいて順に説明する。この場合、図1における5本のパイプ2,…は、右端から順に1日ずつずらせて培養及び収穫を行うものとする。また、ブラシ5としては、各フィラメント52に付着付着珪藻を接種したもの、又は予め少量の付着珪藻が付着したものが使用されているものとする。なお、図6〜図11中、Uは海水の表面を示し、図中矢印は海水の流れ方向を示している。
【0040】
先ず、付着珪藻Gを培養する場合の手順について説明する。
図1において右端に示すパイプ2に対応する第2海水排出管81途中の切換弁を切り換えて海水の排出を停止させた後、海水供給管31の切換弁を切り換えてパイプ2内への海水の供給停止を解除する。これによって、海水供給タンク内の海水が海水供給管31から供給通路3を介してパイプ2内に下方から供給され、ブラシ5の下方から順にフィラメント52が海水で浸されることになる。このとき、第1海水排出管41途中の三方切換弁42を切換操作し、回収管44を閉鎖して第1海水排出管41を連通させておく。
【0041】
その後、図6に示すように、パイプ2内が海水で満たされると海水がオーバーフローすることになるが(パイプ内を満たす海水量としてはほぼ9リットルが必要)、そのオーバーフロー分のみをオーバーフロー通路4を介してパイプ2の上方から排出させ、このオーバーフロー分をオーバーフロー通路4から第1海水排出管41を介して海水排出部に排出する。この場合、パイプ2内が海水で満たされても供給通路3からの海水の供給を継続して行うことで、パイプ2内において海水が下方から上方に流通する。これにより、フィラメント52に付着培養し始めた付着珪藻Gに対し栄養分に富む新鮮な海水が絶えず供給され、付着珪藻Gの培養を増殖させることが可能となる。
【0042】
以上のことを確認した後、各蛍光管12bを点灯させる。この各蛍光管12bの点灯を確認した後、蓋板14,14を閉塞状態にする。これによって、各蛍光管12bの光を各反射板14aによって枠体11内で反射させる。
【0043】
以降、上で述べた手順に従って順次左隣のパイプ2での付着珪藻の培養を1日ずつ日をずらせて開始する。
【0044】
そして、全てのパイプ2での付着珪藻の培養を完了する5日目が経過した時点で、最初のパイプ2(図1に示す右端のパイプ2)で培養した付着珪藻Gの収穫を行う。
【0045】
具体的には、図7に示すように、海水供給管31の切換弁を切り換えてパイプ2内への海水の供給を停止した後、第2海水排出管81途中の切換弁を切り換え、これにより、パイプ2内の海水を、排出管8から第2海水排出管81を経て海水排出部に全量排出する。そして、第1海水排出管41途中の3方切換弁42を切換操作し、第1海水排出管41の連通を禁止して回収管44を開放させておく。
【0046】
次いで、図8に示すように、第2海水排出管81途中の切換弁を切り換えてパイプ2内からの海水の排出を停止した後、各扱きリング5による付着珪藻Gの扱き取りを行う。
【0047】
つまり、エアシリンダ7のピストンロッド72を伸縮動させ、この伸長動に応じて進退部材73をパイプ2の中心軸線方向に進退移動するとともに、これに伴い一対の進退ロッド74,74を介して各操作ロッド61,61を上下方向に往復動させる。これにより、ブラシ5の半径方向途中位置において各フィラメント52を各扱きリング6により扱き、各フィラメント52に付着している付着珪藻Gを剥離させる(扱き取る)。
【0048】
その後、エアシリンダ7の伸縮動を停止し、ピストンロッド72を収縮位置に位置付けて各扱きリング6による付着珪藻Gの扱き取りを完了する。このとき、ピストンロッド72外方の付勢スプリング77がエアシリンダ7により収縮し、この収縮状態から中立位置まで戻る付勢スプリング77の付勢力によって、ピストンロッド72を若干量(例えば30mm程度)伸長動させることで、各扱きリング6を扱き取り完了位置(図5に一点鎖線で示す位置)から初期位置(図5に実線で示す位置)まで上方に戻すことが行われる。これにより、図5に示すように、各フィラメント52が、各扱きリング6と干渉する二点鎖線位置から干渉回避する実線位置まで略水平方向に放射状に延びる状態に戻されることになる。このため、扱きリング6によってフィラメント52に癖が付くことが防止され、フィラメント52間に疎密が生じることがない。その結果、付着珪藻Gの付着面積を効果的に確保することができる。
【0049】
また、パイプ2の内径よりも若干長い直径のブラシ5が適用されているので、扱きリング6により扱かれた際に上下方向に交互に撓むフィラメント52によって、パイプ2の内周面が洗浄されることになる。このため、パイプ2の内周面に付着する付着珪藻Gも掻き落とせ、付着珪藻Gの回収効率を高めることができる上、パイプ2の透光性が常時十分に確保されて付着珪藻Gの培養を効率良く行うことができる。
【0050】
それから、図9に示すように、海水供給管31の切換弁を切り換えてパイプ2内への海水の供給停止を解除し、海水供給タンク内の海水を海水供給管31から供給通路3を介してパイプ2内に下方から供給する。このとき、フィラメント52から剥離した付着珪藻Gは、その比重が海水の比重と遜色のない軽いものであることから、パイプ2内に下方から供給される海水の供給流速に乗って海水の上層付近を漂いながら上方に移動する。その後、図10に示すように、パイプ2内が海水で満たされると、海水の上層付近を漂いながら上方に移動する付着珪藻Gを、海水のオーバーフロー分と共にオーバーフロー通路4を介してパイプ2の上方から排出させ、このオーバーフロー分をオーバーフロー通路4から第1海水排出管41及び回収管44を介して付着珪藻回収容器43に回収する。
【0051】
このとき、各フィラメント52から剥離した付着珪藻Gは海水の供給流速に乗って上層付近を漂うので、図11に示すように、オーバーフロー通路4からのオーバーフロー分に伴って付着珪藻Gが付着珪藻回収容器43に順次回収され、付着珪藻Gを付着珪藻回収容器43に全て回収するに必要な海水のオーバーフロー分としては、パイプ2内の全量の半分にも満たない略4リットルもあれば十分に回収できることになる。
【0052】
しかる後、第1海水排出管41途中の三方切換弁42を切換操作し、回収管44を閉鎖して第1海水排出管41を連通させることで海水をタンク2内で流通させ、次回(5日後)の回収に備えてフィラメント52に残る付着珪藻Gを培養する。この場合、付着珪藻Gの収穫後には、前回の付着珪藻Gが若干(培養した付着珪藻Gの10%程度)残るので、それらを元種として繰り返し培養し得ることが可能となる。
【0053】
以降、上で述べた手順に従って順次左隣のパイプ2の付着珪藻Gの回収を1日ずつ日をずらせて繰り返し行う。
【0054】
ここで、フィラメント52の線径を0.4mm〜1.0mmに設定した理由を表1及び表2に基づいて説明する。
【0055】
【表1】
Figure 0004070340
【0056】
【表2】
Figure 0004070340
【0057】
この表1及び表2から明らかなように、線径が小さいほど収穫量が多いことが判明している。しかし、これは初回(1回目)に限ったことで、回を重ねる都度収穫量が激減している。その理由としては、フィラメント52の線径が0.2mm程度のものでは、扱きリングによる経時的な扱きによって形状変形が起こり易く、ブラシ繊維同士の絡み合いが生じ、剛性が不十分なものとなる。このことから、フィラメント52は、線径が0.4mm以上必要であることが判る。
【0058】
これに対し、線径が大きいほど収穫量が安定していることが判る。しかし、フィラメント52の線径が1.0mmを超えると、付着珪藻Gの付着面積を十分に確保することができず、付着付着珪藻Gの培養が量的に不十分となり、付着珪藻Gの収穫量が落ちることが予測できる。
【0059】
すなわち、フィラメント52の付着面積の増大と、扱きリング6による付着珪藻Gの扱き取り性能との間には相関関係があり、付着珪藻Gを一定期間毎に繰り返し回収する場合には、フィラメント52の線径を小さくして付着面積を増大させるほど回収回数毎の付着珪藻Gの回収量が激減し、その反面、フィラメント52の線径を大きくして付着面積を減少させるほど回収回数毎の付着珪藻Gの回収量が安定する。そのため、フィラメント52の線径を、0.4mm〜1.0mmに設定することで、フィラメント52の中心部付近での目詰まりを解消しつつ回収回数毎の付着珪藻Gの回収量を安定させ、長期に亘って繰り返し安定した付着珪藻Gの収穫を行えることになる。
【0060】
しかも、このようにフィラメント52は、その線径を0.4mm〜1.0mmに設定することで、扱きリングによる経時的な扱きによっても形状変形不能な剛性が確保され、フィラメント52同士の絡み合いが生じることがない。そのため、フィラメントが細いもののように頻繁にブラシのメンテナンスケアを行う必要がなく、付着珪藻Gの培養が足止めされることなく連続して行え、付着珪藻Gを効率良く回収することができることになる。
【0061】
次に、線径が0.5mmのフィラメントを用いて5日間培養した付着珪藻をパイプ2の上方と下方とからそれぞれ回収する場合の違いを表3に示す。
【0062】
【表3】
Figure 0004070340
【0063】
この表3から明らかなように、パイプ2内で培養された75gの付着珪藻が収穫可能な量であるが、パイプの下方から付着珪藻を回収するものでは、その回収時にパイプ内の海水の全量(略9リットル)が付着珪藻と共に排出されるため、海水の単位容量当たりに占める付着珪藻の割合つまり海水の1リットル当たりに占める付着付着珪藻Gの割合は略8gとなる。この場合、付着珪藻Gが低密度で回収されるため、遠心分離機にかけて水分を遠心分離する必要がある。
【0064】
これに対し、パイプ2の上方から付着珪藻Gを回収する本発明のものでは、海水の供給流速によって付着珪藻が上層に浮遊するため、パイプ2の上方からのオーバーフロー分と共に付着珪藻が排出され、付着珪藻Gを全て回収するに必要な海水のオーバーフロー分が略4リットルもあれば十分であることから、海水の1リットル当たりに占める付着珪藻Gの割合は略18gとなる。これにより、本発明の付着付着珪藻培養器Xによれば、各パイプ2ごとに付着珪藻Gが高密度で回収され、遠心分離機による水分の遠心分離を不要とし、付着珪藻Gを毎日効率良く回収することができることになる。
【0065】
なお、本実施形態では、各扱きリング6による付着珪藻Gの扱き取りを完了した時点で、付勢スプリング77の付勢力によって、各扱きリング6を扱き取り完了位置から初期位置まで上方に戻すようにしたが、モータなどのアクチュエータにより、各扱きリングが扱き取り完了位置から初期位置まで戻されるようにしても良い。また、リミットスイッチなどを用いてエアシリンダ自体により、各扱きリングが扱き取り完了位置から初期位置まで戻されるようにしても良い。この場合、各扱きリングを戻す方向としては、各扱きリングによる付着珪藻の扱き取りを完了する直前に移動した方向と逆方向となる。
【0066】
また、本実施形態では、ブラシの直径をパイプの内径よりも若干長くしたが、ブラシの直径とパイプの内径とが同じであっても良い。
【0067】
さらに、本実施形態では、付着珪藻Gをパイプ21の上方から回収したが、付着珪藻が排出通路を介してパイプ内の全量の海水と共にパイプ下方から回収されるようにしても良い。一方、本実施形態では、各扱きリングを扱き取り完了位置から初期位置まで戻す付勢スプリング77を設けたが、フィラメントの材質が反りなどに強く変形しないものであれば、特に必要不可欠なものではない。
【0068】
しかも、本実施形態では、付着珪藻を培養するに当たり海水を用いたが、天然の海水は勿論のこと、人工海水や、海水に栄養塩類を添加したものであっても良い。また、淡水により培養される淡水の付着珪藻についても適用できるのは勿論である。
【0069】
さらにまた、本実施形態では、各蛍光管12bの光を枠体11内で反射させたが、枠体を屋外に設置し、自然光の下で付着珪藻を培養するようにしても良い。この場合、各パイプに対し直射日光が直接照射されない場所が好ましい。
【0070】
加えて、本実施形態では、エアシリンダにより扱きリングを上下移動させたが、扱きリングに対しブラシが駆動手段によって上下移動するようにしても良い。また、透明ガラス筒よりなるパイプ2を用いたが、すりガラスなど不透明なガラス筒又はアクリル製の筒であっても良い。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1における付着珪藻培養器によれば、扱き取った付着珪藻を、パイプ下方から供給する培養水のオーバーフロー分と共にパイプの上方から回収することで、付着珪藻を高密度で回収し、付着珪藻を効率良く回収することができる。
【0072】
本発明の請求項2における付着珪藻培養器によれば、経時的な扱きによっても形状変形不能に剛性強度を確保し得る線径にブラシ繊維を設定することで、頻繁なブラシのメンテナンスケアを不要とし、付着珪藻の培養を連続して行え、付着珪藻を効率良く回収することができる。
【0073】
本発明の請求項3における付着珪藻培養器によれば、ナイロンよりなるブラシ繊維の線径を、0.4mm〜1.0mmに設定することで、ブラシ繊維の中心部付近での目詰まりを解消することができる上、長期に亘り繰り返し安定して十分に付着珪藻を収穫することができる。
【0074】
本発明の請求項4における付着珪藻培養器によれば、進退移動手段を進退移動させて上下方向に撓むブラシ繊維を略水平方向に戻すことで、扱きリングによるブラシ繊維への癖付きを防止してブラシ繊維間の疎密を防止し、付着珪藻の付着面積を効果的に確保でき、付着珪藻を効率良く回収することができる。
【0075】
さらに、本発明の請求項4における付着珪藻培養器によれば、パイプの内径よりも若干長い直径のブラシを適用することで、パイプの内周面に付着する付着珪藻を掻き落として付着珪藻の回収効率を高めることができる上、パイプの透光性を常時十分に確保して付着珪藻の培養を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる付着珪藻培養器の正面図である。
【図2】各通路付近で切断したパイプの断面図である。
【図3】操作ロッド付近で切断したパイプの断面図である。
【図4】パイプの横断面図である。
【図5】付勢スプリングによる扱きリングの移動を説明するパイプの拡大断面図である。
【図6】付着珪藻の培養状態を示すパイプの模式図である。
【図7】付着珪藻の扱き取りに備えた海水の排出状態を示すパイプの模式図である。
【図8】付着珪藻の扱き取り状態を示すパイプの模式図である。
【図9】海水を供給し始めた際の付着珪藻の浮遊状態を示すパイプの模式図である。
【図10】海水がオーバーフローし始めた際の付着珪藻の浮遊状態を示すパイプの模式図である。
【図11】付着珪藻の回収を完了した状態を示すパイプの模式図である。
【符号の説明】
2 パイプ
3 供給通路
4 オーバーフロー通路
5 ブラシ
52 ブラシ繊維
6 扱きリング
7 エアシリンダ(駆動手段)
77 付勢スプリング(進退移動手段)
8 排出通路
G 付着珪藻
X 付着珪藻培養器

Claims (5)

  1. 付着珪藻を培養する付着珪藻培養器において、
    上下方向に延びる透光性のパイプと、
    パイプの下端部に連結され、パイプ内に培養水を下方から供給する供給通路と、
    パイプの上端部に連結され、供給通路からパイプ内に供給された培養水のオーバーフロー分を上方から排出するオーバーフロー通路と、
    パイプ内に設けられ、パイプの略中心軸線上から略水平方向で放射状に延ばして設けられたブラシ繊維に付着珪藻を付着させて培養するブラシと、
    このブラシに対しその半径方向途中位置において上下方向に相対移動可能に支持され、ブラシ繊維を上下方向に撓ませることによってブラシ繊維に付着した付着珪藻を扱き取る扱きリングと、
    この扱きリング及びブラシの一方を他方に対し上下方向に相対移動させる駆動手段と、
    この駆動手段により扱きリング及びブラシの一方を相対移動するに先立ってパイプ内の培養水を下方から排出する排出通路とを具備し、
    扱きリングにより扱き取られた付着珪藻は、パイプ内に下方から供給通路を介して供給される培養水のオーバーフロー分と共にパイプの上方からオーバーフロー通路を介して回収されるようになされていることを特徴とする付着珪藻培養器。
  2. 請求項1に記載の付着珪藻培養器であって
    駆動手段は、扱きリングによる付着珪藻の扱き取りを終えた停止状態で扱きリングにより上下方向に撓むブラシ繊維を略水平方向に戻すように、扱きリング及びブラシの一方をパイプの略中心軸線方向に進退移動させる進退移動手段を備えていることを特徴とする付着珪藻培養器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の付着珪藻培養器であって、
    ブラシの直径は、パイプの内径よりも長くされていることを特徴とする付着珪藻培養器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の付着珪藻培養器であって
    ブラシ繊維は、ナイロン製とされ扱きリングによる扱きによっても剛性を確保するように線径を0.4mm〜1.0mmに設定されていることを特徴とする付着珪藻培養器。
  5. 上下方向に延びる透光性のパイプと、パイプの下端部に連結され、パイプ内に培養水を下方から供給する供給通路と、パイプの上端部に連結され、供給通路からパイプ内に供給された培養水のオーバーフロー分を上方から排出するオーバーフロー通路と、パイプ内に設けられ、パイプの略中心軸線上から略水平方向で放射状に延ばして設けられたブラシ繊維に付着珪藻を付着させて培養するブラシと、このブラシに対しその半径方向途中位置において上下方向に相対移動可能に支持され、ブラシ繊維を上下方向に撓ませることによってブラシ繊維に付着した付着珪藻を扱き取る扱きリングと、この扱きリング及びブラシの一方を他方に対し上下方向に相対移動させる駆動手段と、この駆動手段により扱きリング及びブラシの一方を相対移動するに先立ってパイプ内の培養水を下方から排出する排出通路とを具備して付着珪藻を培養する付着珪藻培養器での付着珪藻回収方法において、
    排出通路からパイプ内の培養水を排出した後、扱きリング及びブラシの一方を他方に対し上下方向に相対移動させて付着珪藻を扱きリングにより扱き取り、その後パイプ内に供給通路を介して下方から培養水を供給して培養水をオーバーフローさせることによって扱き取られた付着珪藻をパイプの上方からオーバーフロー通路を介して回収することを特徴とする付着珪藻回収方法
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