JP4061794B2 - Flame atomic absorption spectrophotometer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、霧化した試料液をフレーム中に導入して試料を原子化するフレーム式原子吸光分光光度計に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子吸光分光光度計では、試料を原子蒸気化する必要がある。原子化の方法には、化学炎を用いるフレーム法と化学炎を用いないフレームレス法とがある。フレーム式原子吸光分光光度計では、それぞれ別個に供給される燃料ガスと助燃ガスとをチャンバ内部で混合し、これをバーナのスリット開口から噴出させて燃焼させることによりフレームを形成するようにしている。
【0003】
このようなフレーム式原子吸光分光光度計では、目的元素によって、その分析に最適な燃料ガス及び助燃ガスの種類や燃料ガスの流量、バーナの高さ(垂直方向位置)が相違する。そのため、それぞれの測定元素に応じてこれらのパラメータを適宜変更する必要がある。具体的には、燃料ガスとしてはアセチレンガスが最も広く利用されており、助燃ガスとしては空気が利用されることが多いが、フレーム中で強固な酸化物を生成するような元素(アルミニウム、チタンなど)を分析する場合には、更に温度が高く還元性雰囲気の強いフレームを形成することができる一酸化二窒素を助燃ガスとして利用する。従って、複数の目的元素を順次測定する場合、助燃ガスの種類の切換えが必要となることがある。
【0004】
ところが、助燃ガスの種類によって燃焼速度は異なるので、例えば燃焼速度の遅い助燃ガス(例えば空気)から燃焼速度の速い助燃ガス(例えば一酸化二窒素)に切り換わる際に燃料ガスが不足し、発火点がバーナの内部側へ移動して逆火が発生し易くなる。この逆火を防止するため、従来、このような助燃ガスの切換えを行う際には、それに先立って燃料ガスの流量を所定量だけ増量するような制御を行うようにしている。この制御は、燃料ガスを増加させるためのバイパス管に設けられたバルブを開放することで達成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フレーム式原子吸光分光光度計において、目的元素の検出感度を向上させるには、燃料ガス流量をできるだけ小さく抑えるほうが有利であることが知られている。しかしながら、燃料ガス流量を小さくすると、燃焼自体は不安定になる傾向がある。そのため、上述したような助燃ガスの切換えに際して、助燃ガスの切換えバルブ及び燃料ガスのバイパス管バルブの切換え動作や、バーナの移動により燃焼状態の安定性が更に低下し、炎の吹き消えや逆火などの不具合を引き起こす可能性が高まる。これを防止する方法として、助燃ガス切換えバルブや燃料ガスバイパス管バルブをよりスムーズに切換え動作が行える構造としたり、バーナの移動速度をより遅くすることが考え得るが、このような切換えバルブは高価であり、またバーナの移動速度を遅くすると分析所要時間が長引くことになるという欠点がある。
【0006】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、燃料ガス流量が比較的小さく設定されているときに助燃ガスの種類の切換えを行った場合でも、炎の吹き消えや逆火を防止することができるフレーム式原子吸光分光光度計を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明は、燃料ガス及び助燃ガスをバーナで燃焼させてフレームを形成し、該フレーム中に試料液を噴霧することにより試料を原子化するフレーム式原子吸光分光光度計において、
a)複数種類の助燃ガスを択一的に選択して前記バーナに供給する流路切換え手段と、
b)前記バーナに供給する燃料ガスの流量を調節する流量調節手段と、
c)前記バーナを高さ方向に移動させる移動手段と、
d)前記助燃ガスをガスAからガスBに切り換えるとともに前記バーナの高さを調節するに際し、ガスA及びガスBと燃料ガスとのそれぞれの組合せに対する安定燃焼に必要な燃料ガス流量の何れか大きいほうの値となるように前記流量調節手段を制御し、引き続いて助燃ガスを切り換えるべく前記流路切換え手段を制御し、そのあとにガスBと燃料ガスとの組み合わせによる安定燃焼に必要な燃料ガス流量が確保されている状態で前記移動手段により前記バーナの高さを調節し、次いでガスBと燃料ガスとの組合せによる最適分析が行えるような燃料ガス流量となるように前記流量調節手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態及び効果】
この発明に係るフレーム式原子吸光分光光度計では、制御手段は、助燃ガスをガスAからガスBに切り換える前に、ガス切換え前後の各助燃ガス(ガスA及びガスB)と燃料ガスとのそれぞれの組合せにおいて燃焼が安定して行われるような燃料ガス流量のうちの大きいほうの値となるように燃料ガス流量を一旦設定する。そのあとに助燃ガスを切り換え、助燃ガスが切り換わってほぼ定常的なフレーム状態、つまり安定した燃焼になったあとに、燃料ガス流量が切換え後のガスBと燃料ガスとの組合せによる分析のために最適になるように設定する。通常、ガスAと燃料ガスとの組合せによる分析に最適な燃料ガス流量はその組合せに対する安定燃焼に必要な燃料ガス流量よりも小さいが、上記制御により、助燃ガスの切換え時点ではガスAと燃料ガスとの組合せによる安定燃焼に必要な燃料ガス流量以上が確保されるから、流路切換え手段の動作によっても炎の吹き消えや逆火を防止できる。また、この場合、流路切換え手段の切換え動作があまりスムーズでなくても構わないので、特に高価なバルブ等を備える必要もない。
【0009】
また、ガスAと燃料ガスとの組合せに対して安定燃焼が行える燃料ガス流量がガスBと燃料ガスとの組合せに対して安定燃焼が行える燃料ガス流量よりも大きい場合には、助燃ガスを切り換えたあとに、燃料ガス流量をガスBと燃料ガスとの組合せに対して安定燃焼が行える燃料ガス流量に一旦落とし、その状態で燃焼が安定してからガスBと燃料ガスとの組合せによる分析が最適に行える燃料ガス流量に設定し直す。これによれば、助燃ガス切換え直後に無駄に燃料ガスを費やすことがなく、しかも燃料ガスが多過ぎることによる不完全燃焼も回避することができる。
【0010】
また、本発明に係る原子吸光分光光度計で、助燃ガスの切換えに伴うバーナの高さの調節は、上記流路切換え手段を制御したあと、ガスBと燃料ガスとの組み合わせによる安定燃焼に必要な燃料ガス流量が確保されている状態で行われる。即ち、上述のように助燃ガスを切り換えたあとに、燃料ガス流量をガスBと燃料ガスとの組合せに対して安定燃焼が行える燃料ガス流量に一旦落とすように流量調節手段が制御される場合には、その状態で燃焼が略安定するのを待ってバーナの移動を行い、それからガスBと燃料ガスとの組合せによる最適分析が行えるような燃料ガス流量となるように流量調節手段を再び制御すればよい。一方、助燃ガスを切り換えた直後に燃料ガスの流量を一旦落とさない場合には、助燃ガスを切り換えてからその状態で燃焼が略安定するのを待ってバーナの移動を行い、それからガスBと燃料ガスとの組合せによる最適分析が行えるような燃料ガス流量となるように流量調節手段を制御すればよい。これによれば、バーナの移動に際しても炎の吹き消えや逆火を防止できる。また、バーナの移動速度を遅くしなくてもよいので、分析所要時間が長引くこともない。
【0011】
【実施例】
以下、本発明に係るフレーム式原子吸光分光光度計の一実施例を図面を参照して説明する。
図1は本実施例によるフレーム式原子吸光分光光度計の構成図である。フレーム15を形成するためのバーナ14は、モータ制御部12により制御されるバーナ移動モータ13により垂直方向(図1中に矢印で示した方向)に移動自在になっている。燃料ガスであるアセチレンガス(C2H2)を充填したアセチレンガスボンベ22に接続された燃料ガス管16には流量を任意に設定することが可能な流量制御バルブ19が設けられており、この流量制御バルブ19をパスするように設けられたバイパス管18には開放時の流量が所定値(ここでは5L/min)になるバルブ20が設けられている。一方、バーナ14に一端が接続された助燃ガス管17は、三方切換バルブ21を介して一酸化二窒素(N2O)を充填した一酸化二窒素ボンベ23又は空気を供給するエアコンプレッサ24の何れかに選択的に接続されるようになっている。
【0012】
分析制御部10は、分析手順に相当する制御プログラムや分析に必要な各種パラメータを格納したメモリを備えており、この制御プログラムに従って、モータ制御部12と、上記各バルブ19、20、21の動作を制御するガス制御部11とを制御している。
【0013】
上述のように、この装置では、燃料ガスはアセチレンガスの一種類のみであり、助燃ガスは空気と一酸化二窒素の二種類である。従って、助燃ガスと燃料ガスの組合せは、空気−アセチレンと、一酸化二窒素−アセチレンの二種類である。燃焼が安定するような燃料ガスの流量範囲は助燃ガスの種類に依存して決まっており、空気−アセチレン炎では約2L/min以上、一酸化二窒素−アセチレン炎では約7L/min以上である。一方、前述したように検出感度の点から考えると分析に最適な燃料ガス流量は多くの場合上記値よりも小さい。このような分析に最適な燃料ガス流量の値(以下「分析最適値」という)は、予め実験等により求められ、パラメータの一つとしてメモリに格納される。ここでは、一例として、空気−アセチレン炎に対する分析最適値は0.8L/min、一酸化二窒素−アセチレン炎に対する分析最適値は5.2L/minであるものとする。
【0014】
この原子吸光分光光度計では、助燃ガスを空気→一酸化二窒素、又は一酸化二窒素→空気と切り換える際に特徴的な制御を行うことによって、その切換えに伴って発生する可能性のある炎の吹き消えや逆火を抑えるようにしている。
【0015】
図4は、助燃ガス切換え前に分析制御部10で実行される燃料ガス流量設定処理のフローチャートである。
まず、現測定(つまり助燃ガス切換え前)の助燃ガスが空気であるか否かを判定し(ステップS21)、空気でない場合には一酸化二窒素であるか否かを判定する(ステップS24)。空気でも一酸化二窒素でもない場合(つまり他の助燃ガスが接続されている場合)にはステップS30へ進む。
【0016】
ステップS21で現測定の助燃ガスが空気であると判定されると、次の測定(つまり助燃ガス切換え後)の助燃ガスが一酸化二窒素であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで一酸化二窒素である場合には、判定値Dを2〔L/min〕とする(ステップS23)。この判定値Dは、助燃ガス切換え後の一酸化二窒素−アセチレン炎において燃焼が安定する燃料ガス流量の下限値7L/minから、後述の如く以降の処理で一律に増加される流量5L/minを差し引いた値である。上記ステップS22で次測定の助燃ガスが一酸化二窒素でないと判定されるとステップS30へ進む。
【0017】
上記ステップS24で現測定の助燃ガスが一酸化二窒素であると判定されると、次測定の助燃ガスが空気であるか否かを判定する(ステップS25)。ここで空気である場合には、判定値Dを7〔L/min〕とする(ステップS26)。この判定値Dは、助燃ガス切換え後の空気−アセチレン炎において燃焼が安定する燃料ガス流量の下限値2L/minに、後述の如く以降の処理で一律に減少される流量5L/minを加えた値である。また、上記ステップS25で次測定の助燃ガスが空気でないと判定されるとステップS30へ進む。
【0018】
ステップS23又はS26で判定値Dが決まったならば、その時点での燃料ガス流量が判定値Dより小さいか否かを判定し(ステップS27)、小さい場合には燃料ガスの流量目標値を判定値Dに設定する(ステップS28)。そして、この流量目標値をガス制御部11に対して制御コマンドとして送信する(ステップS29)。一方、助燃ガスの切換えが、空気→一酸化二窒素、又は一酸化二窒素→空気というパターンでないと判定された場合には、燃料ガスの流量目標値を変更することなく(ステップS30)処理を終了する。
【0019】
次に、上記フローチャートを利用して行われる具体的な動作に関し、助燃ガスを空気→一酸化二窒素に切り換える場合の動作を図2及び図5を参照しつつ説明する。図2はこの助燃ガスの切換え処理について、分析制御部10、ガス制御部11及びモータ制御部12で行われる処理の手順を示すフローチャート、図5は同処理期間における燃料ガスの流量変化を示すグラフである。
【0020】
助燃ガスの切換えに先立って、まず分析制御部10は図4のフローチャートで説明した手順で燃料ガスの流量設定処理を実行する(ステップS1)。即ち、この場合には、ステップS21→S22→S23と進んでD=2とする。ここで、燃料ガス流量が分析最適値0.8L/minに設定されていたとすると、ステップS27→S28→S29と進み、ガス制御部11に対して燃料ガスの流量を2L/minとすべく制御コマンドを送信する。
【0021】
これに応じてガス制御部11は、流量制御バルブ19の開度を制御する(ステップS2)。すると、図5に示すように時刻t1で燃料ガス流量は0.8→2L/minに増加する。そのあと、分析制御部10はガス制御部11に対し助燃ガス切換え制御コマンドを送信する(ステップS3)。ガス制御部11はこのコマンドを受け取ると、まずそれまで閉鎖していたバイパス管バルブ20を開放させる(ステップS4)。バイパス管18に流通する燃料ガス流量は5L/minであるから、バーナ14に供給される燃料ガス流量は時刻t2で2→7L/minに増加する。
【0022】
引き続いて時刻t3において、ガス制御部11は三方切換バルブ21を作動させ、助燃ガス管17への接続をエアコンプレッサ24から一酸化二窒素ボンベ23に切り換える(ステップS5)。この切換えに際してフレーム15自体は揺らいだりするが、燃料ガス流量は一酸化二窒素−アセチレンの安定燃焼に必要な7L/minが確保されているので、吹き消えや逆火は生じない。そのあと、フレーム15が安定する時間を見込んで所定時間(ここでは3秒)待機し(ステップS6)、それから時刻t4において、分析制御部10はモータ制御部12に対し、予め定めたパラメータに従ってバーナ14の高さを変えるべくバーナ移動制御コマンドを送信する(ステップS7)。モータ制御部12はこれに応じてバーナ移動モータ13を制御し、バーナ14は垂直移動する(ステップS8)。このバーナ14の移動期間中にも燃焼が不安定になる恐れがあるが、上記理由により吹き消えや逆火は生じない。
【0023】
バーナ14の移動に費やす最大時間を見込んだ時間が経過したあと(又はモータ13の動作が停止したあと)、分析制御部10は予め定めたパラメータに従って燃料ガスの流量目標値を分析最適値5.2L/minに設定し、これを制御コマンドとしてガス制御部11へ送信する(ステップS9)。これに応じてガス制御部11は、流量制御バルブ19の開度を制御する(ステップS10)。すると、時刻t5で燃料ガス流量は7→5.2L/minに減少し、一酸化二窒素−アセチレンの組合せによる最適な分析が行える。
【0024】
なお、時刻t2〜t3の間隔が長過ぎると燃料ガスが無駄に消費されるばかりでなく不完全燃焼により煤が発生する一因となるから、t2で流量制御バルブ19の開度を制御したあと実際にバーナ14に供給される燃料ガスの流量が増加するまでの遅延時間以上で、且つできるだけ短い方が好ましい。
【0025】
上記説明とは逆に、助燃ガスを一酸化二窒素→空気に切り換える場合の動作を図3及び図6を参照しつつ説明する。図3は図2と類似しているが、ステップS4、S5に相当するS14、S15の処理の順序が入れ替わっていると共に、ステップS15ではバルブ20を開く代わりに、それまで開いているバルブ20を閉鎖する。従って、このとき燃料ガス流量は5L/min減少する。
【0026】
助燃ガスの切換えに先立って、まず分析制御部10は図4のフローチャートで説明した手順で燃料ガスの流量設定処理を実行する(ステップS11)。即ち、この場合には、ステップS21→S24→S25→S26と進んでD=7とする。ここで、燃料ガス流量が分析最適値5.2L/minに設定されていたとすると、ステップS27→S28→S29と進み、ガス制御部11に対して燃料ガスの流量を7L/minとすべく制御コマンドを送信する。
【0027】
これに応じてガス制御部11は、流量制御バルブ19の開度を制御する(ステップS12)。すると、図6に示すように時刻t6で燃料ガス流量は5.2→7L/minに増加する。これにより、一酸化二窒素−アセチレン炎の燃焼は安定状態となる。そのあと、分析制御部10はガス制御部11に対し助燃ガス切換え制御コマンドを送信する(ステップS13)。ガス制御部11はこのコマンドを受け取ると、まず、時刻t7において、ガス制御部11は三方切換バルブ21を作動させ、助燃ガス管17への接続を一酸化二窒素ボンベ23からエアコンプレッサ24に切り換える(ステップS14)。そして、引き続いてそれまで開放していたバイパス管バルブ20を閉鎖させる(ステップS15)。これにより、燃料ガス流量は時刻t8で7→2L/minに減少する。
【0028】
上記助燃ガスの切換えに際してフレーム15自体は揺らいだりするが、燃料ガス流量は一酸化二窒素−アセチレンの安定燃焼に必要な7L/min以上が確保されているので、吹き消えや逆火は生じない。なお、時刻t7〜t8の間隔が長過ぎると燃料ガスが無駄に消費されるばかりでなく不完全燃焼により煤が発生する一因となるから、t7で三方切換バルブ21を作動させたあと実際にバーナ14に供給される助燃ガスの種類が変化するまでの遅延時間以上で、且つできるだけ短い方が好ましい。
【0029】
そのあと、フレーム15が安定する時間を見込んで所定時間待機し(ステップS16)、それから時刻t9において、分析制御部10はモータ制御部12に対し、予め定めたパラメータに従ってバーナ14の高さを変えるべくバーナ移動制御コマンドを送信する(ステップS17)。モータ制御部12はこれに応じてバーナ移動モータ13を制御し、バーナ14は垂直移動する(ステップS18)。このバーナ14の移動期間中にも燃焼が不安定になる恐れがあるが、燃料ガス流量は空気−アセチレンの安定燃焼に必要な2L/min以上が確保されているので、吹き消えや逆火は生じない。
【0030】
移動に費やす最大時間を見込んだ時間が経過したあと(又はモータ13の動作が停止したあと)、分析制御部10は予め定めたパラメータに従って燃料ガスの流量目標値を分析最適値0.8L/minに設定し、これを制御コマンドとしてガス制御部11へ送信する(ステップS19)。これに応じてガス制御部11は、流量制御バルブ19の開度を制御する(ステップS20)。すると、時刻t10で燃料ガス流量は2→0.8L/minに減少し、空気−アセチレンの組合せによる最適な分析が行える。
【0031】
このようにして本実施例の原子吸光分光光度計では、助燃ガスを切換えた場合でも炎の吹き消えや逆火が防止できる。また、助燃ガスの切換えの前後で最低限必要な分だけ燃料ガスが増量されるので、燃料ガスが特に無駄に使用されることもない。
【0032】
なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨の範囲において適宜変形及び修正することができることは明らかである。
即ち、例えば、助燃ガスの種類は他のものでもよく、燃料ガスとの組合せにより安定燃焼が行える燃料ガス流量に応じて上記例中の数値を適宜に変更すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるフレーム式原子吸光分光光度計の構成図。。
【図2】 助燃ガスを空気から一酸化二窒素に切り換える際の、分析制御部、ガス制御部及びモータ制御部で行われる処理の手順を示すフローチャート。
【図3】 助燃ガスを一酸化二窒素から空気に切り換える際の、分析制御部、ガス制御部及びモータ制御部で行われる処理の手順を示すフローチャート。
【図4】 助燃ガス切換え前に分析制御部で実行される燃料ガス流量設定処理のフローチャート。
【図5】 助燃ガスを空気から一酸化二窒素に切り換える際の、切換え処理期間における燃料ガスの流量変化を示すグラフ。
【図6】 助燃ガスを一酸化二窒素から空気に切り換える際の、切換え処理期間における燃料ガスの流量変化を示すグラフ。
【符号の説明】
10…分析制御部
11…ガス制御部
12…モータ制御部
13…バーナ移動モータ
14…バーナ
15…フレーム
16…燃料ガス管
17…助燃ガス管
18…バイパス管
19…流量制御バルブ
20…バイパス管バルブ
21…三方切換バルブ
22…アセチレンガスボンベ
23…一酸化二窒素ボンベ
24…エアコンプレッサ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a flame atomic absorption spectrophotometer that atomizes a sample by introducing an atomized sample liquid into the frame.
[0002]
[Prior art]
In an atomic absorption spectrophotometer, it is necessary to vaporize a sample. Atomization methods include a flame method using a chemical flame and a flameless method not using a chemical flame. In the flame type atomic absorption spectrophotometer, fuel gas and auxiliary combustion gas supplied separately are mixed inside the chamber, and this is ejected from the slit opening of the burner and burned to form a frame. .
[0003]
In such a frame-type atomic absorption spectrophotometer, the types of fuel gas and auxiliary combustion gas, the flow rate of the fuel gas, and the burner height (vertical direction position) optimum for the analysis differ depending on the target element. Therefore, it is necessary to appropriately change these parameters according to each measurement element. Specifically, acetylene gas is most widely used as the fuel gas, and air is often used as the auxiliary combustion gas. However, an element that produces a strong oxide in the flame (aluminum, titanium, etc.) Etc.), dinitrogen monoxide capable of forming a flame having a higher temperature and a strong reducing atmosphere is used as a combustion gas. Therefore, when measuring a plurality of target elements sequentially, it may be necessary to switch the type of auxiliary combustion gas.
[0004]
However, since the combustion speed varies depending on the type of auxiliary combustion gas, for example, when the auxiliary combustion gas (for example, air) having a low combustion speed is switched to the auxiliary combustion gas (for example, dinitrogen monoxide) having a high combustion speed, the fuel gas is insufficient and ignition occurs. The point moves to the inner side of the burner, and backfire is likely to occur. In order to prevent this backfire, conventionally, when such auxiliary combustion gas is switched, control is performed to increase the flow rate of the fuel gas by a predetermined amount prior to that. This control is achieved by opening a valve provided in the bypass pipe for increasing the fuel gas.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, it is known that in a flame atomic absorption spectrophotometer, it is advantageous to keep the fuel gas flow rate as small as possible in order to improve the detection sensitivity of the target element. However, when the fuel gas flow rate is reduced, the combustion itself tends to become unstable. Therefore, when the auxiliary combustion gas is switched as described above, the stability of the combustion state is further lowered by the switching operation of the auxiliary combustion gas switching valve and the fuel gas bypass pipe valve, and the movement of the burner, so that the flame is blown out or flashback. The possibility of causing such troubles increases. In order to prevent this, it is conceivable that the auxiliary combustion gas switching valve and the fuel gas bypass pipe valve can be structured so that the switching operation can be performed more smoothly, or the moving speed of the burner can be made slower, but such a switching valve is expensive. In addition, there is a disadvantage that the time required for analysis is prolonged if the moving speed of the burner is slowed down.
[0006]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and the object of the present invention is to provide a flame even when the type of auxiliary combustion gas is switched when the fuel gas flow rate is set to be relatively small. The object of the present invention is to provide a flame atomic absorption spectrophotometer that can prevent blowout and flashback.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention provides a flame type atomic absorption method in which a fuel gas and an auxiliary combustion gas are burned by a burner to form a frame, and a sample liquid is sprayed into the frame to atomize the sample. In the spectrophotometer,
a) a flow path switching means for alternatively selecting a plurality of types of auxiliary combustion gas and supplying the same to the burner;
b) a flow rate adjusting means for adjusting the flow rate of the fuel gas supplied to the burner;
c) moving means for moving the burner in the height direction;
The d) the supporting gas Saishi To adjust the height of the burner with switching from gas A in the gas B, one of the fuel gas flow rate required for stable combustion for each combination of gas A and gas B and the fuel gas The flow rate adjusting means is controlled so that the larger value is obtained, the flow path switching means is subsequently controlled to switch the auxiliary combustion gas, and then necessary for stable combustion by the combination of gas B and fuel gas. The flow rate adjusting means adjusts the height of the burner by the moving means in a state in which the fuel gas flow rate is ensured, and then achieves a fuel gas flow rate so that optimum analysis can be performed by a combination of gas B and fuel gas. Control means for controlling
It is characterized by having.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the flame type atomic absorption spectrophotometer according to the present invention, before the auxiliary combustion gas is switched from the gas A to the gas B, the control means each of the auxiliary combustion gases (gas A and gas B) and the fuel gas before and after the gas switching. In this combination, the fuel gas flow rate is once set so as to be the larger value of the fuel gas flow rates at which combustion is performed stably. After that, the auxiliary combustion gas is switched, and after the auxiliary combustion gas is switched to an almost steady flame state, that is, stable combustion, the fuel gas flow rate is analyzed by the combination of the gas B and the fuel gas after switching. Set to be optimal. Usually, the optimal fuel gas flow rate for analysis by the combination of gas A and fuel gas is smaller than the fuel gas flow rate required for stable combustion for the combination, but by the above control, gas A and fuel gas are switched at the time of switching of the auxiliary combustion gas. Since the fuel gas flow rate required for stable combustion by the combination with the above is ensured, it is possible to prevent the flame from being blown off or backfired by the operation of the flow path switching means. In this case, the switching operation of the flow path switching means may not be so smooth, and it is not necessary to provide an expensive valve or the like.
[0009]
When the fuel gas flow rate at which stable combustion is possible for the combination of gas A and fuel gas is greater than the fuel gas flow rate at which stable combustion is possible for the combination of gas B and fuel gas, the auxiliary combustion gas is switched. After that, the fuel gas flow rate is temporarily reduced to a fuel gas flow rate at which stable combustion can be performed for the combination of gas B and fuel gas, and after the combustion is stabilized in this state, analysis by the combination of gas B and fuel gas is performed. Reset to the optimal fuel gas flow rate. According to this, fuel gas is not wasted immediately after the auxiliary combustion gas is switched, and incomplete combustion due to excessive fuel gas can be avoided.
[0010]
Further, by atomic absorption spectrophotometer according to the present invention, adjustment of the height of the wake cormorants burner switching of combustion aid gas after controlling the flow path switching unit, a stable combustion in combination with the gas B and the fuel gas It is performed in a state where a necessary fuel gas flow rate is secured. In other words, after the auxiliary combustion gas is switched as described above, the flow rate adjusting means is controlled so as to temporarily drop the fuel gas flow rate to the fuel gas flow rate at which stable combustion is possible for the combination of gas B and fuel gas. may have line movement of the burner waiting for the substantially stable combustion in this state, then again controls the flow rate adjusting means so that the fuel gas flow rate, such as can be performed optimally analysis in combination with gas B and the fuel gas do it. On the other hand, if the flow rate of the fuel gas is not temporarily reduced immediately after the auxiliary combustion gas is switched, the burner is moved after the auxiliary combustion gas is switched and the combustion is substantially stabilized in that state, and then the gas B and the fuel are moved. What is necessary is just to control a flow volume adjustment means so that it may become the fuel gas flow volume which can perform the optimal analysis by the combination with gas. According to this, even when the burner moves, it is possible to prevent the flame from being blown out and backfire. In addition, since it is not necessary to slow down the burner moving speed, the time required for analysis is not prolonged.
[0011]
【Example】
Hereinafter, an embodiment of a flame type atomic absorption spectrophotometer according to the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a block diagram of a flame atomic absorption spectrophotometer according to this embodiment. The
[0012]
The
[0013]
As described above, in this apparatus, the fuel gas is only one type of acetylene gas, and the auxiliary combustion gas is two types of air and dinitrogen monoxide. Therefore, there are two types of combinations of auxiliary combustion gas and fuel gas: air-acetylene and dinitrogen monoxide-acetylene. The flow range of the fuel gas that stabilizes the combustion is determined depending on the type of the auxiliary combustion gas, and is about 2 L / min or more for the air-acetylene flame and about 7 L / min or more for the dinitrogen monoxide-acetylene flame. . On the other hand, as described above, in view of detection sensitivity, the optimal fuel gas flow rate for analysis is often smaller than the above value. The value of the fuel gas flow rate optimum for such analysis (hereinafter referred to as “analysis optimum value”) is obtained in advance by experiments or the like, and is stored in the memory as one of the parameters. Here, as an example, the optimal analysis value for air-acetylene flame is 0.8 L / min, and the optimal analysis value for dinitrogen monoxide-acetylene flame is 5.2 L / min.
[0014]
In this atomic absorption spectrophotometer, a flame that may be generated by switching the auxiliary combustion gas by performing characteristic control when switching from air to dinitrogen monoxide or dinitrogen monoxide to air. I try to suppress blowout and flashback.
[0015]
FIG. 4 is a flowchart of the fuel gas flow rate setting process executed by the
First, it is determined whether or not the auxiliary combustion gas for the current measurement (that is, before switching the auxiliary gas) is air (step S21). If it is not air, it is determined whether or not it is dinitrogen monoxide (step S24). . If it is neither air nor dinitrogen monoxide (that is, if another auxiliary combustion gas is connected), the process proceeds to step S30.
[0016]
If it is determined in step S21 that the currently measured auxiliary combustion gas is air, it is determined whether or not the auxiliary combustion gas in the next measurement (that is, after the auxiliary combustion gas is switched) is dinitrogen monoxide (step S22). Here, in the case of dinitrogen monoxide, the determination value D is set to 2 [L / min] (step S23). This determination value D is a flow rate of 5 L / min that is uniformly increased in the subsequent processing as described later from the lower limit value 7 L / min of the fuel gas flow rate at which combustion is stabilized in the dinitrogen monoxide-acetylene flame after the auxiliary combustion gas is switched. Is the value obtained by subtracting. If it is determined in step S22 that the auxiliary combustion gas for the next measurement is not dinitrogen monoxide, the process proceeds to step S30.
[0017]
If it is determined in step S24 that the current measurement auxiliary gas is dinitrogen monoxide, it is determined whether or not the next measurement auxiliary gas is air (step S25). If it is air, the determination value D is set to 7 [L / min] (step S26). The determination value D is obtained by adding a flow rate of 5 L / min, which is uniformly reduced in the subsequent processing as described later, to the lower limit value 2 L / min of the fuel gas flow rate at which combustion is stabilized in the air-acetylene flame after switching the auxiliary combustion gas. Value. If it is determined in step S25 that the auxiliary combustion gas for the next measurement is not air, the process proceeds to step S30.
[0018]
If the determination value D is determined in step S23 or S26, it is determined whether or not the fuel gas flow rate at that time is smaller than the determination value D (step S27), and if it is smaller, the fuel gas flow rate target value is determined. A value D is set (step S28). Then, this flow rate target value is transmitted as a control command to the gas control unit 11 (step S29). On the other hand, if it is determined that the switching of the auxiliary combustion gas is not the pattern of air → dinitrogen monoxide or dinitrogen monoxide → air, the process is performed without changing the target flow rate of the fuel gas (step S30). finish.
[0019]
Next, regarding a specific operation performed using the above flowchart, an operation when the auxiliary combustion gas is switched from air to dinitrogen monoxide will be described with reference to FIGS. FIG. 2 is a flowchart showing a procedure of processing performed by the
[0020]
Prior to the switching of the auxiliary combustion gas, the
[0021]
In response to this, the
[0022]
Subsequently, at time t3, the
[0023]
After the time expected for the maximum time spent for the movement of the
[0024]
If the interval between the times t2 and t3 is too long, not only is the fuel gas consumed unnecessarily, but it also contributes to the generation of soot due to incomplete combustion. Therefore, after the opening of the
[0025]
Contrary to the above description, the operation when the auxiliary combustion gas is switched from dinitrogen monoxide to air will be described with reference to FIGS. FIG. 3 is similar to FIG. 2, but the order of the processes of S14 and S15 corresponding to steps S4 and S5 is switched, and instead of opening the
[0026]
Prior to the switching of the auxiliary combustion gas, first, the
[0027]
In response to this, the
[0028]
Although the
[0029]
After that, waiting for a predetermined time in anticipation of the time for the
[0030]
After the time expected for the maximum time spent for movement has elapsed (or after the operation of the
[0031]
In this way, in the atomic absorption spectrophotometer of this embodiment, it is possible to prevent the flame from being blown out or backfired even when the auxiliary combustion gas is switched. Further, since the amount of fuel gas is increased by a minimum necessary amount before and after the auxiliary combustion gas is switched, the fuel gas is not particularly wasted.
[0032]
Note that the above embodiment is merely an example, and it is obvious that the embodiment can be appropriately changed and modified within the scope of the present invention.
That is, for example, other types of auxiliary combustion gas may be used, and the numerical values in the above examples may be appropriately changed according to the flow rate of the fuel gas that can perform stable combustion in combination with the fuel gas.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram of a flame atomic absorption spectrophotometer according to an embodiment of the present invention. .
FIG. 2 is a flowchart showing a procedure of processes performed by an analysis control unit, a gas control unit, and a motor control unit when switching the auxiliary combustion gas from air to dinitrogen monoxide.
FIG. 3 is a flowchart showing a procedure of processes performed in an analysis control unit, a gas control unit, and a motor control unit when the auxiliary combustion gas is switched from nitrous oxide to air.
FIG. 4 is a flowchart of a fuel gas flow rate setting process executed by an analysis control unit before auxiliary gas switching.
FIG. 5 is a graph showing a change in the flow rate of fuel gas during the switching process when the auxiliary combustion gas is switched from air to dinitrogen monoxide.
FIG. 6 is a graph showing a change in the flow rate of the fuel gas during the switching processing period when the auxiliary combustion gas is switched from nitrous oxide to air.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (1)
a)複数種類の助燃ガスを択一的に選択して前記バーナに供給する流路切換え手段と、
b)前記バーナに供給する燃料ガスの流量を調節する流量調節手段と、
c)前記バーナを高さ方向に移動させる移動手段と、
d)前記助燃ガスをガスAからガスBに切り換えるとともに前記バーナの高さを調節するに際し、ガスA及びガスBと燃料ガスとのそれぞれの組合せに対する安定燃焼に必要な燃料ガス流量の何れか大きいほうの値となるように前記流量調節手段を制御し、引き続いて助燃ガスを切り換えるべく前記流路切換え手段を制御し、そのあとにガスBと燃料ガスとの組み合わせによる安定燃焼に必要な燃料ガス流量が確保されている状態で前記移動手段により前記バーナの高さを調節し、次いでガスBと燃料ガスとの組合せによる最適分析が行えるような燃料ガス流量となるように前記流量調節手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするフレーム式原子吸光分光光度計。In a flame type atomic absorption spectrophotometer that atomizes a sample by burning a fuel gas and an auxiliary combustion gas with a burner to form a frame and spraying a sample liquid into the frame,
a) a flow path switching means for alternatively selecting a plurality of types of auxiliary combustion gas and supplying the same to the burner;
b) a flow rate adjusting means for adjusting the flow rate of the fuel gas supplied to the burner;
c) moving means for moving the burner in the height direction;
The d) the supporting gas Saishi To adjust the height of the burner with switching from gas A in the gas B, one of the fuel gas flow rate required for stable combustion for each combination of gas A and gas B and the fuel gas The flow rate adjusting means is controlled so that the larger value is obtained, the flow path switching means is subsequently controlled to switch the auxiliary combustion gas, and then necessary for stable combustion by the combination of gas B and fuel gas. The flow rate adjusting means adjusts the height of the burner by the moving means in a state in which the fuel gas flow rate is ensured, and then achieves a fuel gas flow rate so that optimum analysis can be performed by a combination of gas B and fuel gas. Control means for controlling
A frame type atomic absorption spectrophotometer characterized by comprising:
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