JP4061584B2 - Electric disc brake - Google Patents

Electric disc brake Download PDF

Info

Publication number
JP4061584B2
JP4061584B2 JP2003053034A JP2003053034A JP4061584B2 JP 4061584 B2 JP4061584 B2 JP 4061584B2 JP 2003053034 A JP2003053034 A JP 2003053034A JP 2003053034 A JP2003053034 A JP 2003053034A JP 4061584 B2 JP4061584 B2 JP 4061584B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
linear motion
disc
force
disk
brake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003053034A
Other languages
Japanese (ja)
Other versions
JP2004263748A (en
Inventor
拓也 臼井
貴康 坂下
浩隆 及川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2003053034A priority Critical patent/JP4061584B2/en
Publication of JP2004263748A publication Critical patent/JP2004263748A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4061584B2 publication Critical patent/JP4061584B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To cancel the braking operation of an electric disc brake when failing. <P>SOLUTION: The electric disc brake reduces the speed of the rotation of a rotor 17 of an electric motor 9 using a differential reducing mechanism 10 and drives a rotary disc 27 of a ball ramp mechanism 12 to move a direct acting disc 30 forward against the spring force of a disc spring 38, thrust brake pads 5, 6 against a disc rotor 2 and generate braking force. When the driving force of the electric motor 9 is lost by failure such as breakage during braking operation, the spring force of the disc spring 38 moves the direct acting disc 30 backward against resistance force on the direct action of the direct acting disc 30, generated by the rotating resistance force relative to the rotary disc 27 of the ball ramp mechanism 12, the differential reducing mechanism 10 and the electric motor 9, thus accurately canceling the braking operation. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&amp;NCIPI

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電動モータ等の回転アクチュエータの回転運動を直線運動に変換してブレーキパッドをディスクロータに押圧することによって制動力を発生させる電動ディスクブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動モータのロータの回転運動をボールねじ機構、ボールランプ機構等の回転−直線運動変換機構を用いてピストンの直線運動に変換し、ピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧させることにより、制動力を発生させるようにした電動ディスクブレーキが知られている。電動ディスクブレーキは、運転者のブレーキペダル踏力(または変位量)をセンサによって検出し、コントローラによって、この検出値に基づいて電動モータの回転を制御することより、所望の制動力を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような電動ディスクブレーキにおいては、制動中に断線等のフェイル発生により電動モータが停止すると、回転−直線運動変換機構等の内部抵抗等によってブレーキパッドがディスクロータに押付けられたままとなり、制動がロックされて解除できなくなることがある。この場合、車両の移動が困難になる等の問題を生じる。
【0004】
このため、フェイル時に制動ロックを解除すべく、例えば特許文献1には、電動モータのロータに戻し力(回転力)を付与するばね手段を設けたもの、特許文献2には、電動モータの減速機構にフェイル時にブレーキパッドを戻すための補助モータを設けたもの、また、特許文献3には、フェイル時には、ロック機構を解除し、回転−直線運動変換機構全体を後退させてブレーキパッドを戻すようにしたものが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
国際公開00−60255号パンフレット
【特許文献2】
特表2000−507333号公報
【特許文献3】
特表2000−506348号公報
【0006】
しかしながら、これらの特許文献1乃至3に記載されたものは、いずれも構造が複雑であり、スペース上の制約および製造コストの面で問題を有している。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造でフェイル時には確実に制動ロックを解除することができる電動ディスクブレーキを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、回転部材の回転運動と直動部材の直線運動とを相互に変換可能な変換機構と、前記回転部材を駆動する回転アクチュエータとを備え、前記直動部材によってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させる電動ディスクブレーキであって、
前記直動部材を前記ディスクロータから離れる方向へ付勢する付勢手段が設けられており、該付勢手段の付勢力は、前記回転アクチュエータの非駆動時において、前記変換機構の前記直動部材の移動に対して作用する前記回転部材についての回転抵抗力よりも大きく、
前記変換機構は、ボールランプ機構であり、該ボールランプ機構の傾斜溝は、前記直動部材の移動方向の垂直面に対して、前記ブレーキパッドへの押圧力の大きい範囲における傾斜よりも、押圧力の小さい範囲での傾斜が大きくなっていることを特徴とする。
このように構成したことにより、制動状態において、回転アクチュエータの駆動力が消失されると、付勢手段の付勢力によって、直動部材が回転部材についての回転抵抗力に抗して移動して、制動が解除される。また、ブレーキパッドへの押圧力の大きい範囲では、傾斜溝の傾斜が小さいのでボールランプ機構による倍力比が大きくなり、押圧力の小さい範囲では、傾斜溝の傾斜が大きいので、ボールランプ機構の直動部材に作用する反力による回転部材の戻しトルクが大きくなる。
請求項2の発明に係る電動ディスクブレーキは、上記請求項1の構成において、前記ブレーキパッドの摩耗に応じて該ブレーキパッドと前記直動部材との位置を調整可能なパッド摩耗補償機構が設けられ、前記付勢手段は前記直動部材を直接付勢するものであることを特徴とする。
このように構成したことにより、ブレーキパッドの摩耗に応じて、パッド摩耗補償機構によってブレーキパッドと直動部材との位置が調整され、直動部材と回転部材との相対位置が変化しないので、直動部材に対する付勢手段の付勢力が一定に維持される
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る電動ディスクブレーキ1は、車輪(図示せず)とともに回転するディスクロータ2の一側(通常は車体に対して内側)にキャリパ本体3が配置されており、キャリパ本体3には、略C字形に形成されてディスクロータ2を跨いで反対側へ延びる爪部4がボルト(図示せず)によって一体的に結合されている。ディスクロータ2の両側、すなわち、ディスクロータ2とキャリパ本体3との間およびディスクロータ2と爪部4の先端部との間に、それぞれブレーキパッド5,6が設けられている。ブレーキパッド5,6は、車体側に固定されるキャリヤ7によってディスクロータ2の軸方向に沿って移動可能に支持されて、制動トルクをキャリヤ7で受けるようになっている。また、キャリパ本体3には、スライドピン(図示せず)が取付けられており、このスライドピンがキャリア2に摺動可能に挿通されて、キャリパ本体3がディスクロータ2の軸方向に沿って移動可能に案内されている。
【0010】
キャリパ本体3には、電動モータ9(回転アクチュエータ)と、電動モータ9の回転を減速する差動減速機構10と、差動減速機構10によって減速された電動モータ9の回転運動を直線運動に変換して、ブレーキパッド5に当接するピストン11を進退動させるボールランプ機構12(変換機構)と、ブレーキパッド5,6の磨耗に応じてピストン11の位置を調整するパッド磨耗補償機構13とが設けられている。
【0011】
電動モータ9は、キャリパ本体3に固定されたステータ14と、キャリパ本体3に軸受15,16によって回転可能に支持された中空のロータ17とを備え、コネクタ18を介して接続されたコントローラ(図示せず)からの駆動電流によって回転し、ロータ17に装着されたレゾルバ19によって、その回転位置が検出され、所望の角度だけ回転させることができる。
【0012】
差動減速機構10は、電動モータ9のロータ17に、中空の偏心軸20が一体に形成され、偏心軸20の外周に、円筒状の外歯車部材21が軸受22を介して回転可能に取付けられている。外歯車部材21には、軸方向両側に入力側外歯23および出力側外歯24が形成されている。キャリパ本体3には、外歯車部材21の入力側外歯23に噛合う内歯を有する固定リングギヤ25がボルト26によって固定されている。また、出力側外歯24は、ボールランプ機構12の回転ディスク27(後述)に一体に形成されたリングギヤ28の内歯に噛合わされている。
【0013】
これにより、ロータ17の回転が偏心軸20及び軸受22によって外歯車部材21に偏心回転として伝達され、固定リングギヤ25に入力側外歯23が噛合わされた外歯部材21が公転しながら自転して、この外歯部材21の出力側外歯24にリングギヤ28が噛合わされた回転ディスク27が所定の減速比をもって回転する。
【0014】
差動減速機構10の減速比Nは、外歯車部材21の入力側外歯23の歯数Z1、固定リングギヤ25の内歯の歯数Z2、出力側外歯24の歯数Z3、リングギヤ28の内歯の歯数Z4とすると、N=1−(Z2×Z3)/(Z1×Z4)となる。
【0015】
ボールランプ機構12は、キャリパ本体3に軸受29(アキシャル軸受)によって回転可能に支持されて軸方向に固定された回転ディスク27(回転部材)と、軸方向に移動可能かつ回転可能に支持された直動ディスク30(直動部材)とが互いに対向させて配置し、回転ディスク27及び直動ディスク30の互いの対向面にそれぞれ形成された周方向のボール溝31,32(傾斜溝)間に転動体であるボール33(鋼球)を装入したものである。そして、回転ディスク27が回転すると、ボール33が傾斜したボール溝31,32内を転動することにより、回転ディスク27の回転角度に応じて直動ディスク30が軸方向に移動する。直動ディスク30には、ピストン11に固定された調整ねじ部材34が螺合されており、直動ディスク30と調整ねじ部材34とを相対回転させることにより、ピストン11をブレーキパッド5に対して進退動させてパッドクリアランスを調整することができる。
【0016】
回転ディスク27には、電動モータ9の偏心軸20に挿入される円筒部35が一体に形成されており、また、直動ディスク30には、回転ディスク27の円筒部35を貫通して電動モータ9のロータ17内に挿入される円筒部36が一体に形成されている。キャリパ本体3には、ロータ17、回転ディスク27及び直動ディスク30の軸心に沿って延びる支持ロッド37がナット37Aによって取付けられている。この支持ロッド37に形成された鍔部と直動ディスク30の円筒部36の先端部との間に、積層された複数の皿ばね38(付勢手段)が介装されており、皿ばね38のばね力(付勢力)によって直動ディスク30が回転ディスク27側、すなわち、ディスクロータ2から離れる方向へ常時付勢されている。
【0017】
ボールランプ機構12は、回転ディスク27の回転及び直動ディスク30の直線運動を相互に変換可能なものであり、回転ディスク27を回転させることにより、直動ディスク30を直動させることができ、また、反対に直動ディスク30を直動させることにより、回転ディスク27を回転させられるようにボール溝31,32の傾斜角度が設定されている。そして、皿ばね38のばね力は、電動モータ9の駆動力が消失された状態において、回転ディスク27についての回転抵抗力、すなわち、ボールランプ機構12、差動減速機構10及び電動モータ9の回転抵抗力によって生じる直動ディスク30の移動(直動)に対する抵抗力よりも大きく、電動モータ9によって回転ディスク27を回転させて、直動ディスク30を皿ばね38のばね力に抗して移動させた後、電動モータ9の駆動力が消失されると、ボールランプ機構12及び差動減速機構10及び電動モータ9の回転抵抗力に抗して、回転ディスク27を逆回転させて直動ディスク30を原位置まで戻せる大きさに設定されている。
【0018】
パッド摩耗補償機構13は、直動ディスク30の円筒部36の外周に嵌合されたスプリングホルダ39及びリミッタ40と、これらの間を回転方向に所定のセット荷重をもって弾性的に結合するコイルスプリング41(捩りばね)と有している。スプリングホルダ39は、ピン42によって円筒部36に固定されている、リミッタ40は、回転ディスク27の円筒部35との間でパッドクリアランスに相当する一定範囲の相対回転が可能なように、所定の遊びをもって円筒部35の先端部に係合されている。そして、回転ディスク27の回転がコイルスプリング41を介して直動ディスク30に伝達されることにより、ブレーキパッド5,6に磨耗が生じたとき、直動ディスク30が回転ディスク27と共に回転して、調整ねじ部材34を前進させ、パッドクリアランスを一定に調整する。
【0019】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
制動時には、コントローラは、運転者のブレーキペダル踏力(または変位量)をブレーキぺダルセンサによって検出し、この検出値に基づいて、ドライバ回路によって各車輪の電動ディスクブレーキ1の電動モータ9に駆動電流を出力して、ロータ17を所定のトルクで所定の回転角だけ回転させる。ロータ17の回転は、差動減速機構10によって所定の減速比で減速され、ボールランプ機構12によって直線運動に変換されて、ピストン11を前進させる。ピストン11によって、一方のブレーキパッド5がディスクロータ2に押圧され、その反力によってキャリパ本体3がキャリヤ7のスライドピンに沿って移動して、爪部4が他方のブレーキパッド6をディスクロータ2に押圧する。これにより、制動力が発生する。また、制動解除時には、電動モータ9を逆回転させて、ピストン11を後退させ、ブレーキパッド5,6をディスクロータ2から離間させて制動解除する。
【0020】
次に、パッド摩耗補償機構13の作動について説明する。
ブレーキパッド5,6の摩耗がない場合は、制動初期において、電動モータ9のロータ17の回転によって回転ディスク27がパッドクリアランスに相当するリミッタ40との遊びの分だけ直動ディスク30に対して回転することにより、直動ディスク30がパッドクリアランス分だけ前進して、ブレーキパッド5,6がディスクロータ2に接触する。更に回転ディスク27が回転すると、ブレーキパッド5,6がディスクロータ2に押圧される際の反力によって、調整ねじ部材34と直動ディスク30との間のねじ部の摩擦抵抗が増大してスプリングホルダ39とリミッタ40との間のコイルスプリング41のセット荷重よりも大きくなり、直動ディスク30の回転が阻止される。これにより、コイルスプリング41が撓んで回転ディスク27と直動ディスク30とが相対回転することによって、直動ディスク30が前進してブレーキパッド5,6をディスクロータ2に押圧する。
【0021】
ブレーキパッドに摩耗が生じた場合は、、制動初期において、電動モータ9のロータ17の回転によって回転ディスク27がパッドクリアランスに相当するリミッタ40との遊びの分だけ直動ディスク30に対して回転しても、ブレーキパッド5,6は、摩耗があるため、ディスクロータ2に接触しない。この状態では、調整ねじ部材34と直動ディスク30との間のねじ部の摩擦抵抗は、スプリングホルダ39とリミッタ40との間のコイルスプリング41のセット荷重より小さいので、回転ディスク27が更に回転すると、その回転力がコイルスプリング41を介して直動ディスク30を回転させ、調整ねじ部材34を前進させてブレーキパッド5,6がディスクロータ2に接触するまでパッド磨耗分の隙間をつめる。ブレーキパッド5,6がディスクロータ2に接触した後は、上記のように、調整ねじ部材34と直動ディスク30との間のねじ部の摩擦抵抗が増大して直動ディスク30の回転が阻止され、回転ディスク27と直動ディスク30との間に相対回転が生じて、直動ディスク30が前進してブレーキパッド5,6をディスクロータ2に押圧する。
【0022】
このようにして、ブレーキパッド5,6の摩耗に応じて調整ねじ部材34を前進させることができ、パッドクリアランスを常に一定に調整することができる。
【0023】
次に、制動中に断線等のフェイル発生によって電動モータ9の駆動力が消失された場合について説明する。
制動中に断線等のフェイル発生によって電動モータ9の駆動力が消失した場合、制動時の直動ディスク30の移動によって圧縮された皿ばね38のばね力は、回転ディスク27をボールランプ機構12、差動減速機構10及び電動モータ9の回転抵抗力に抗して回転させながら、直動ディスク30を原位置まで後退させる。これにより、ブレーキパッド5,6をディスクロータ2から離間させることができ、制動を解除することができる。
【0024】
このようにして、制動中に断線等のフェイルが発生した場合には、制動を確実に解除することができるので、車両を容易に移動、退避させることができる。皿ばね38のばね力を利用して、簡単な機械的構造によって確実に制動を解除することができるので、別途、動力源を必要とせず、信頼性が高く、低コストであり、また、小型化が可能である。また、パッド摩耗補償機構13によってブレーキパッド5,6の摩耗に応じてブレーキパッド5と直動ディスク30と位置を調整することにより、ブレーキパッド5,6の摩耗にかかわらず、ボールランプ機構12のストロークを一定に維持することができるので、ブレーキパッド5,6の摩耗によって皿ばね38のばね力が過度に増大することがなく、安定した作動を得ることができる。これにより、倍力比を大きくするために設けられた差動減速機構10によって制動解除時の抵抗力が大きくなっている場合でも、フェイル時には確実に制動を解除することができ、差動減速機構10による制動ロックの問題を解消することができる。
【0025】
次に、ボールランプ機構12のボール溝31,32の傾斜について図2乃至図4を参照して説明する。
ボールランプ機構12においては、制動状態において回転ディスク27に作用している電動モータ9の駆動力を解除すると、ブレーキパッド5,6から直動ディスク30に作用する反力によって回転ディスク27を原位置側へ戻そうとする戻しトルクが発生する。一方、回転ディスク27には、回転ディスク27自体、差動減速機構10及び電動モータ9等の回転抵抗力が作用している。そして、回転ディスク27は、上記戻しトルクが、回転抵抗力よりも大きいとき、原位置側へ回転し、回転抵抗力と釣合ったところで停止することになる。
【0026】
ここで、回転ディスク27の戻しトルクT0は、ブレーキパッド5,6のディスクロータ2への押圧力F(ディスクロータ2からの反力)、ボール溝31,32のリードL(回転ディスク27の一回転あたりの直動ディスク30の直動距離)、ボールランプ機構12、差動減速機構10及び電動モータ9の逆効率η´(直線運動から回転運動への変換時の機械効率)とすると、
T0=F×L/2π・η´
で表すことができ、回転ディスク27についての回転抵抗トルクT1は、押圧力Fを変数とする関数K(F)、ボールランプ機構12、差動減速機構10及び電動モータ9の無負荷時の回転抵抗トルクK0とすると、
T1=K(F)+K0
で表すことができる。
【0027】
図2に示すように、ボール溝31,32のリードLを小さくした場合(L=L1)と、大きくした場合(L=L2)の戻しトルクT0と押圧力Fとの関係及び回転抵抗トルクT1と押圧力Fとの関係を図4に示す。図4において、線分▲1▼はリードL=L1(一定)の場合のボールランプ機構12の戻しトルクT0、線分▲2▼はリードL=L2(一定)の場合のボールランプ機構12の戻しトルクT0、曲線▲3▼は回転ディスク27についての回転抵抗トルクT1、曲線▲4▼は後述するようにリードLとしてL1とL2とを組合わせた場合のボールランプ機構12の戻しトルクT0を示す。
【0028】
図4から分かるように、押圧力F=F1のとき、電動モータ9の駆動力が消失されると、リードLが小さい場合(L=L1)には、戻しトルクT0が回転抵抗トルクT1よりも大きい領域では、回転ディスク27が原位置側へ戻され、押圧力FがF=F2となったとき、戻しトルクT0と回転抵抗トルクT1とが釣合って回転ディスク27が停止する。また、リードLが大きい場合(L=l2)には、戻しトルクT0が回転抵抗トルクT1よりも大きい領域では、回転ディスク27が原位置側へ戻され、押圧力FがF=F3となったとき、戻しトルクT0と回転抵抗トルクT1とが釣合って回転ディスク27が停止する。このように、リードLを大きくすることにより、押圧力Fに対する戻しトルクT0の割合が大きくなり、戻しトルクT0が回転抵抗トルクT1よりも大きくなる領域を広くすることができ、戻しトルクT0による回転ディスク27の戻り量を大きくすることができる。
【0029】
一方、ブレーキパッド5,6のディスクロータ2への押圧力Fは、電動モータ9の駆動トルクT、差動減速機構10及びボールランプ機構12の正効率η(回転運動から直線運動への変換時の機械効率)、差動減速機構の減速比nとすると、
F=T×2πηn/L
で表すことができる。そして、リードLを大きくすると、倍力比が小さくなり、電動モータ9に必要な駆動トルクTが大きくなるという問題を生じる。
【0030】
そこで、図3に示すように、ボール溝31,32のリードLを2段階とし、大きな押圧力Fを必要としない非制動側の領域、すなわち、ブレーキパッド5への押圧力の小さい範囲では、ボール溝31,32の傾斜を大きくしてリードLを大きくし(L=L2)、大きな押圧力Fを必要とする制動側の領域、すなわち、ブレーキパッド5への押圧力の大きい範囲では、ボール溝31,32の傾斜を小さくしてリードLを小さくする(L=L1)ことにより、制動時には、小さなリードL1によって倍力比を大きくして充分な制動力を得ることができ、また、電動モータ9の駆動力が消失された場合には、戻しトルクT0を大きくして戻り量を大きくすることができる。この場合、図4中に曲線▲4▼で示すように、押圧力Fの大きい領域では、リードL1による戻しトルクT0が発生し、押圧力Fの小さい領域では、リードL2による戻しトルクT0が発生することにより、押圧力FがF=F3となるまで回転ディスク27を戻すことができる。
【0031】
これにより、皿ばね38の負担を軽減してばね力を小さくすることができるので、制動時に必要な電動モータ9の駆動トルクを低減することができ、省電力化を図ることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係る電動ディスクブレーキによれば、制動状態において、回転アクチュエータの駆動力が消失されると、付勢手段の付勢力によって、直動部材が回転部材についての回転抵抗力に抗して移動して、制動を確実に解除することができる。更に、ブレーキパッドへの押圧力の大きい範囲では、傾斜溝の傾斜が小さいのでボールランプ機構による倍力比が大きくなり、押圧力の小さい範囲では、傾斜溝の傾斜が大きいので、ボールランプ機構の直動部材に作用する反力による回転部材の戻しトルクが大きくなる。その結果、充分な制動力を得ると共に、フェイル時には確実に制動を解除することができる。
請求項2の発明に係る電動ディスクブレーキによれば、更に、ブレーキパッドの摩耗に応じて、パッド摩耗補償機構によってブレーキパッドと直動部材との位置が調整され、直動部材と回転部材との相対位置が変化しないので、直動部材に対する付勢手段の付勢力が一定に維持されて、安定した作動を得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動ディスクブレーキの縦断面図である。
【図2】図1の装置において、一定のリードを有するボールランプ機構のボール溝を拡大して示す図である。
【図3】図1の装置において、2段階のリードを有するボールランプ機構のボール溝を拡大して示す図である。
【図4】図1の装置において、回転ディスクの戻しトルク及び回転抵抗トルクとブレーキパッドの押圧力との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 電動ディスクブレーキ
2 ディスクロータ
5,6 ブレーキパッド
9 電動モータ(回転アクチュエータ)
12 ボールランプ機構(変換機構)
13 パッド摩耗補償機構
27 回転ディスク(回転部材)
30 直動ディスク(直動部材)
31,32 ボール溝(傾斜溝)
38 皿ばね(付勢手段)
[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to an electric disc brake that generates a braking force by converting a rotary motion of a rotary actuator such as an electric motor into a linear motion and pressing a brake pad against a disc rotor.
[0002]
[Prior art]
The rotational motion of the rotor of the electric motor is converted into the linear motion of the piston using a rotation-linear motion conversion mechanism such as a ball screw mechanism or a ball ramp mechanism, and the braking force is increased by pressing the brake pad against the disc rotor by the piston. An electric disc brake adapted to be generated is known. The electric disc brake can detect a driver's brake pedal depression force (or displacement amount) with a sensor and a controller can control the rotation of the electric motor based on the detected value to obtain a desired braking force. .
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in such an electric disc brake, when the electric motor stops due to the occurrence of a failure such as disconnection during braking, the brake pad remains pressed against the disc rotor by an internal resistance or the like of the rotation-linear motion conversion mechanism, etc. The braking may be locked and cannot be released. In this case, problems such as difficulty in moving the vehicle occur.
[0004]
For this reason, in order to release the braking lock at the time of failure, for example, Patent Document 1 is provided with spring means for applying a return force (rotational force) to the rotor of the electric motor, and Patent Document 2 is a deceleration of the electric motor. The mechanism is provided with an auxiliary motor for returning the brake pad at the time of failure, and Patent Document 3 discloses that at the time of failure, the lock mechanism is released and the entire rotation-linear motion conversion mechanism is retracted to return the brake pad. What is made is described.
[0005]
[Patent Document 1]
International Publication No. 00-60255 Pamphlet [Patent Document 2]
JP 2000-507333 A [Patent Document 3]
JP 2000-506348 A [0006]
However, all of those described in Patent Documents 1 to 3 have a complicated structure and have problems in terms of space constraints and manufacturing costs.
[0007]
The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to provide an electric disc brake that can release a braking lock with reliability with a simple structure.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the invention according to claim 1 includes a conversion mechanism capable of mutually converting the rotational motion of the rotating member and the linear motion of the linear motion member, and a rotary actuator that drives the rotating member. An electric disc brake that generates a braking force by pressing a brake pad against the disc rotor by the linear motion member,
An urging means for urging the linear motion member in a direction away from the disk rotor is provided, and the urging force of the urging means is the linear motion member of the conversion mechanism when the rotary actuator is not driven. larger than the rotation resistance force for the rotating member acting against the movement of the rather,
The conversion mechanism is a ball ramp mechanism, and the inclined groove of the ball ramp mechanism is pressed against the vertical plane in the moving direction of the linear motion member rather than the tilt in a range where the pressing force to the brake pad is large. It is characterized in that the inclination in a small pressure range is large .
With this configuration, when the driving force of the rotary actuator disappears in the braking state, the direct acting member moves against the rotational resistance force of the rotating member by the urging force of the urging means, The braking is released. In addition, since the inclination of the inclined groove is small in the range where the pressing force to the brake pad is large, the boost ratio by the ball ramp mechanism is large, and in the range where the pressing force is small, the inclination of the inclined groove is large. The return torque of the rotating member due to the reaction force acting on the linear motion member increases.
The electric disk brake according to the invention of claim 2 is provided with a pad wear compensation mechanism capable of adjusting a position of the brake pad and the linear motion member in accordance with wear of the brake pad in the configuration of claim 1. The urging means urges the linear motion member directly.
With this configuration, the position of the brake pad and the linear motion member is adjusted by the pad wear compensation mechanism in accordance with the wear of the brake pad, and the relative position between the linear motion member and the rotating member does not change. The urging force of the urging means on the moving member is kept constant .
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
As shown in FIG. 1, the electric disc brake 1 according to the present embodiment has a caliper body 3 disposed on one side (usually inside the vehicle body) of a disc rotor 2 that rotates with wheels (not shown). The caliper body 3 is integrally coupled with a claw portion 4 formed in a substantially C shape and extending to the opposite side across the disk rotor 2 by bolts (not shown). Brake pads 5 and 6 are provided on both sides of the disc rotor 2, that is, between the disc rotor 2 and the caliper body 3, and between the disc rotor 2 and the tip of the claw portion 4, respectively. The brake pads 5 and 6 are supported by a carrier 7 fixed to the vehicle body so as to be movable along the axial direction of the disc rotor 2, and receive the braking torque by the carrier 7. Further, a slide pin (not shown) is attached to the caliper body 3, and the slide pin is slidably inserted into the carrier 2 so that the caliper body 3 moves along the axial direction of the disc rotor 2. Guided as possible.
[0010]
The caliper body 3 includes an electric motor 9 (rotation actuator), a differential reduction mechanism 10 that reduces the rotation of the electric motor 9, and a rotary movement of the electric motor 9 that is decelerated by the differential reduction mechanism 10 is converted into a linear movement. A ball ramp mechanism 12 (conversion mechanism) that moves the piston 11 that contacts the brake pad 5 forward and backward, and a pad wear compensation mechanism 13 that adjusts the position of the piston 11 according to the wear of the brake pads 5 and 6. It has been.
[0011]
The electric motor 9 includes a stator 14 fixed to the caliper body 3, and a hollow rotor 17 rotatably supported by the caliper body 3 by bearings 15 and 16, and is connected to a controller (see FIG. The rotating position is detected by a resolver 19 mounted on the rotor 17 and rotated by a desired angle.
[0012]
In the differential reduction mechanism 10, a hollow eccentric shaft 20 is formed integrally with the rotor 17 of the electric motor 9, and a cylindrical external gear member 21 is rotatably attached to the outer periphery of the eccentric shaft 20 via a bearing 22. It has been. The external gear member 21 is formed with input side external teeth 23 and output side external teeth 24 on both sides in the axial direction. A fixed ring gear 25 having internal teeth that mesh with the input side external teeth 23 of the external gear member 21 is fixed to the caliper body 3 by bolts 26. The output side external teeth 24 are meshed with internal teeth of a ring gear 28 formed integrally with a rotary disk 27 (described later) of the ball ramp mechanism 12.
[0013]
Thereby, the rotation of the rotor 17 is transmitted as an eccentric rotation to the external gear member 21 by the eccentric shaft 20 and the bearing 22, and the external tooth member 21 in which the input side external teeth 23 are engaged with the fixed ring gear 25 rotates while rotating. The rotating disk 27 in which the ring gear 28 is engaged with the output side external teeth 24 of the external tooth member 21 rotates with a predetermined reduction ratio.
[0014]
The reduction ratio N of the differential reduction mechanism 10 is the number of teeth Z1 of the input side external teeth 23 of the external gear member 21, the number of teeth Z2 of the internal teeth of the fixed ring gear 25, the number of teeth Z3 of the output side external teeth 24, the ring gear 28 If the number of inner teeth is Z4, N = 1− (Z2 × Z3) / (Z1 × Z4).
[0015]
The ball ramp mechanism 12 is supported by a caliper body 3 rotatably supported by a bearing 29 (axial bearing) and fixed in the axial direction, and a rotating disk 27 (rotating member) supported in an axially movable and rotatable manner. Between the circumferential ball grooves 31 and 32 (inclined grooves) formed on the mutually facing surfaces of the rotating disk 27 and the linearly moving disk 30, the linearly moving disk 30 (linearly moving member) is disposed opposite to each other. A ball 33 (steel ball) which is a rolling element is inserted. When the rotating disk 27 rotates, the ball 33 rolls in the inclined ball grooves 31 and 32, so that the linearly moving disk 30 moves in the axial direction according to the rotation angle of the rotating disk 27. An adjustment screw member 34 fixed to the piston 11 is screwed to the linear motion disk 30. By rotating the linear motion disk 30 and the adjustment screw member 34 relative to each other, the piston 11 is moved relative to the brake pad 5. The pad clearance can be adjusted by moving forward and backward.
[0016]
The rotating disk 27 is integrally formed with a cylindrical portion 35 that is inserted into the eccentric shaft 20 of the electric motor 9, and the linear motion disk 30 passes through the cylindrical portion 35 of the rotating disk 27 and is electrically driven. A cylindrical portion 36 inserted into the nine rotors 17 is integrally formed. A support rod 37 that extends along the axis of the rotor 17, the rotary disk 27, and the linear motion disk 30 is attached to the caliper body 3 by nuts 37A. A plurality of stacked disc springs 38 (biasing means) are interposed between the flange portion formed on the support rod 37 and the tip portion of the cylindrical portion 36 of the linear motion disk 30. Due to this spring force (biasing force), the linearly moving disk 30 is constantly urged in the direction away from the rotating disk 27, that is, in the direction away from the disk rotor 2.
[0017]
The ball ramp mechanism 12 is capable of mutually converting the rotation of the rotating disk 27 and the linear motion of the linearly moving disk 30, and by rotating the rotating disk 27, the linearly moving disk 30 can be directly moved. On the other hand, the inclination angles of the ball grooves 31 and 32 are set so that the rotary disk 27 can be rotated by linearly moving the linear disk 30. The spring force of the disc spring 38 is the rotational resistance of the rotating disk 27 in the state where the driving force of the electric motor 9 is lost, that is, the rotation of the ball ramp mechanism 12, the differential reduction mechanism 10 and the electric motor 9. It is larger than the resistance force against the movement (linear motion) of the linear motion disk 30 caused by the resistance force, and the electric motor 9 rotates the rotary disk 27 to move the linear motion disk 30 against the spring force of the disc spring 38. After that, when the driving force of the electric motor 9 is lost, the rotating disk 27 is rotated in the reverse direction against the rotational resistance force of the ball ramp mechanism 12, the differential reduction mechanism 10 and the electric motor 9, thereby moving the linearly moving disk 30. Is set to a size that can return to the original position.
[0018]
The pad wear compensation mechanism 13 includes a spring holder 39 and a limiter 40 that are fitted to the outer periphery of the cylindrical portion 36 of the linear motion disk 30, and a coil spring 41 that elastically couples them with a predetermined set load in the rotational direction. (Torsion spring). The spring holder 39 is fixed to the cylindrical portion 36 by a pin 42, and the limiter 40 has a predetermined range so that relative rotation within a certain range corresponding to the pad clearance is possible between the limiter 40 and the cylindrical portion 35 of the rotating disk 27. The end portion of the cylindrical portion 35 is engaged with play. Then, the rotation of the rotating disk 27 is transmitted to the linear motion disk 30 via the coil spring 41, so that when the brake pads 5 and 6 are worn, the linear motion disk 30 rotates together with the rotational disk 27, The adjustment screw member 34 is advanced, and the pad clearance is adjusted to be constant.
[0019]
The operation of the present embodiment configured as described above will be described next.
During braking, the controller detects the driver's brake pedal depression force (or displacement) with the brake pedal sensor, and based on this detection value, the driver circuit supplies a drive current to the electric motor 9 of the electric disc brake 1 of each wheel. The rotor 17 is rotated by a predetermined rotation angle with a predetermined torque. The rotation of the rotor 17 is decelerated at a predetermined reduction ratio by the differential reduction mechanism 10 and converted into a linear motion by the ball ramp mechanism 12 to advance the piston 11. One brake pad 5 is pressed against the disk rotor 2 by the piston 11, and the reaction force causes the caliper body 3 to move along the slide pin of the carrier 7, so that the claw portion 4 moves the other brake pad 6 to the disk rotor 2. Press on. Thereby, a braking force is generated. Further, at the time of releasing the brake, the electric motor 9 is reversely rotated to retract the piston 11, and the brake pads 5, 6 are separated from the disc rotor 2 to release the brake.
[0020]
Next, the operation of the pad wear compensation mechanism 13 will be described.
If the brake pads 5 and 6 are not worn, the rotating disk 27 rotates with respect to the linearly moving disk 30 by the amount of play with the limiter 40 corresponding to the pad clearance by the rotation of the rotor 17 of the electric motor 9 in the initial stage of braking. As a result, the linear motion disk 30 moves forward by the pad clearance, and the brake pads 5 and 6 come into contact with the disk rotor 2. When the rotating disk 27 further rotates, the frictional resistance of the threaded portion between the adjusting screw member 34 and the linearly moving disk 30 increases due to the reaction force when the brake pads 5 and 6 are pressed against the disk rotor 2, and the spring increases. The set load of the coil spring 41 between the holder 39 and the limiter 40 becomes larger, and the rotation of the linear motion disk 30 is prevented. As a result, the coil spring 41 is bent and the rotating disk 27 and the linearly moving disk 30 rotate relative to each other, whereby the linearly moving disk 30 moves forward and presses the brake pads 5 and 6 against the disk rotor 2.
[0021]
If the brake pads are worn, in the initial stage of braking, the rotation of the rotor 17 of the electric motor 9 causes the rotating disk 27 to rotate relative to the linearly moving disk 30 by the amount of play with the limiter 40 corresponding to the pad clearance. Even so, the brake pads 5 and 6 do not contact the disk rotor 2 due to wear. In this state, the frictional resistance of the thread portion between the adjustment screw member 34 and the linear motion disk 30 is smaller than the set load of the coil spring 41 between the spring holder 39 and the limiter 40, so the rotating disk 27 further rotates. Then, the rotational force rotates the linearly moving disk 30 via the coil spring 41, and the adjustment screw member 34 is advanced to fill the gap for pad wear until the brake pads 5, 6 contact the disk rotor 2. After the brake pads 5 and 6 come into contact with the disk rotor 2, as described above, the frictional resistance of the screw portion between the adjusting screw member 34 and the linear motion disk 30 increases, and the rotation of the linear motion disk 30 is prevented. As a result, relative rotation occurs between the rotating disk 27 and the linearly moving disk 30, and the linearly moving disk 30 moves forward and presses the brake pads 5 and 6 against the disk rotor 2.
[0022]
In this way, the adjusting screw member 34 can be advanced in accordance with the wear of the brake pads 5 and 6, and the pad clearance can be always adjusted to be constant.
[0023]
Next, a case where the driving force of the electric motor 9 is lost due to the occurrence of a failure such as disconnection during braking will be described.
When the driving force of the electric motor 9 disappears due to the occurrence of a failure such as disconnection during braking, the spring force of the disc spring 38 compressed by the movement of the linear motion disk 30 during braking causes the rotating disk 27 to move to the ball ramp mechanism 12, While rotating against the rotational resistance force of the differential reduction mechanism 10 and the electric motor 9, the linear motion disk 30 is retracted to the original position. As a result, the brake pads 5 and 6 can be separated from the disc rotor 2, and braking can be released.
[0024]
Thus, when a failure such as a disconnection occurs during braking, the braking can be reliably released, so that the vehicle can be easily moved and retracted. By using the spring force of the disc spring 38, braking can be reliably released with a simple mechanical structure, so there is no need for a separate power source, high reliability, low cost, and small size. Is possible. Further, by adjusting the positions of the brake pad 5 and the linear motion disk 30 according to the wear of the brake pads 5 and 6 by the pad wear compensation mechanism 13, the ball ramp mechanism 12 can be adjusted regardless of the wear of the brake pads 5 and 6. Since the stroke can be kept constant, the spring force of the disc spring 38 does not increase excessively due to wear of the brake pads 5 and 6, and stable operation can be obtained. As a result, even when the resistance at the time of brake release is increased by the differential reduction mechanism 10 provided to increase the boost ratio, the brake can be reliably released at the time of failure, and the differential reduction mechanism The problem of braking lock by 10 can be solved.
[0025]
Next, the inclination of the ball grooves 31 and 32 of the ball ramp mechanism 12 will be described with reference to FIGS.
In the ball ramp mechanism 12, when the driving force of the electric motor 9 acting on the rotating disk 27 in the braking state is released, the rotating disk 27 is moved to the original position by the reaction force acting on the linearly acting disk 30 from the brake pads 5 and 6. A return torque is generated to return to the side. On the other hand, the rotational resistance force of the rotating disk 27 itself, the differential speed reduction mechanism 10, the electric motor 9, etc. acts on the rotating disk 27. Then, when the return torque is greater than the rotational resistance force, the rotating disk 27 rotates to the original position side and stops when it balances the rotational resistance force.
[0026]
Here, the return torque T0 of the rotating disk 27 includes the pressing force F (reaction force from the disk rotor 2) of the brake pads 5 and 6 to the disk rotor 2, the lead L of the ball grooves 31 and 32 (one of the rotating disks 27). (The linear motion distance of the linear motion disk 30 per rotation), the ball ramp mechanism 12, the differential reduction mechanism 10 and the reverse efficiency η ′ of the electric motor 9 (mechanical efficiency at the time of conversion from linear motion to rotational motion)
T0 = F × L / 2π ・ η´
The rotation resistance torque T1 for the rotating disk 27 is a function K (F) with the pressing force F as a variable, the rotation of the ball ramp mechanism 12, the differential reduction mechanism 10 and the electric motor 9 at no load. If the resistance torque is K0,
T1 = K (F) + K0
Can be expressed as
[0027]
As shown in FIG. 2, the relationship between the return torque T0 and the pressing force F when the lead L of the ball grooves 31, 32 is reduced (L = L1) and increased (L = L2), and the rotational resistance torque T1 FIG. 4 shows the relationship between the pressure and the pressing force F. In FIG. 4, the line segment (1) is the return torque T0 of the ball ramp mechanism 12 when the lead L = L1 (constant), and the line segment (2) is the ball ramp mechanism 12 when the lead L = L2 (constant). The return torque T0, curve (3) is the rotational resistance torque T1 for the rotary disk 27, and curve (4) is the return torque T0 of the ball ramp mechanism 12 when L1 and L2 are combined as the lead L as will be described later. Show.
[0028]
As can be seen from FIG. 4, when the driving force of the electric motor 9 disappears when the pressing force F = F1, when the lead L is small (L = L1), the return torque T0 is greater than the rotational resistance torque T1. In the large region, when the rotary disk 27 is returned to the original position side and the pressing force F becomes F = F2, the return torque T0 and the rotational resistance torque T1 balance and the rotary disk 27 stops. Further, when the lead L is large (L = l2), in the region where the return torque T0 is larger than the rotational resistance torque T1, the rotary disk 27 is returned to the original position side, and the pressing force F becomes F = F3. At this time, the return torque T0 and the rotation resistance torque T1 are balanced, and the rotating disk 27 stops. Thus, by increasing the lead L, the ratio of the return torque T0 to the pressing force F increases, and the region where the return torque T0 is larger than the rotational resistance torque T1 can be widened. The return amount of the disk 27 can be increased.
[0029]
On the other hand, the pressing force F of the brake pads 5 and 6 to the disc rotor 2 is determined by the driving torque T of the electric motor 9, the positive efficiency η of the differential reduction mechanism 10 and the ball ramp mechanism 12 (during conversion from rotational motion to linear motion Mechanical efficiency), and the reduction ratio n of the differential reduction mechanism,
F = T × 2πηn / L
Can be expressed as When the lead L is increased, the boost ratio is decreased, and the drive torque T necessary for the electric motor 9 is increased.
[0030]
Therefore, as shown in FIG. 3, the lead L of the ball grooves 31 and 32 has two stages, and in the non-braking side region that does not require a large pressing force F, that is, in the range where the pressing force to the brake pad 5 is small, By increasing the inclination of the ball grooves 31 and 32 and increasing the lead L (L = L2), in the braking side area that requires a large pressing force F, that is, in the range where the pressing force to the brake pad 5 is large, the ball By reducing the inclination of the grooves 31 and 32 and reducing the lead L (L = L1), at the time of braking, it is possible to obtain a sufficient braking force by increasing the boost ratio with the small lead L1. When the driving force of the motor 9 is lost, the return torque T0 can be increased to increase the return amount. In this case, as indicated by curve (4) in FIG. 4, in the region where the pressing force F is large, the return torque T0 is generated by the lead L1, and in the region where the pressing force F is small, the return torque T0 is generated by the lead L2. Thus, the rotating disk 27 can be returned until the pressing force F becomes F = F3.
[0031]
Thereby, since the load of the disc spring 38 can be reduced and the spring force can be reduced, the driving torque of the electric motor 9 necessary for braking can be reduced, and power saving can be achieved.
[0032]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the electric disc brake of the invention of claim 1, when the driving force of the rotary actuator disappears in the braking state, the linearly acting member is rotated by the urging force of the urging means. It is possible to move against the rotational resistance force and to release the brake reliably. Furthermore, in the range where the pressing force to the brake pad is large, the inclination of the inclined groove is small, so the boost ratio by the ball ramp mechanism is large. In the range where the pressing force is small, the inclination of the inclined groove is large. The return torque of the rotating member due to the reaction force acting on the linear motion member increases. As a result, sufficient braking force can be obtained, and braking can be reliably released during a failure.
According to the electric disc brake of the invention of claim 2, the position of the brake pad and the linear motion member is further adjusted by the pad wear compensation mechanism according to the wear of the brake pad, and the linear motion member and the rotary member Since the relative position does not change, the urging force of the urging means with respect to the linear motion member is maintained constant, and a stable operation can be obtained .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of an electric disc brake according to an embodiment of the present invention.
2 is an enlarged view showing a ball groove of a ball ramp mechanism having a certain lead in the apparatus of FIG. 1;
FIG. 3 is an enlarged view showing a ball groove of a ball ramp mechanism having a two-stage lead in the apparatus of FIG. 1;
4 is a graph showing the relationship between the return torque and rotational resistance torque of the rotating disk and the pressing force of the brake pad in the apparatus of FIG. 1. FIG.
[Explanation of symbols]
1 Electric disc brake
2 Disc rotor
5,6 Brake pads
9 Electric motor (rotary actuator)
12 Ball ramp mechanism (conversion mechanism)
13 Pad wear compensation mechanism
27 Rotating disc (Rotating member)
30 Linear motion disk (linear motion member)
31,32 Ball groove (inclined groove)
38 Disc spring (biasing means)

Claims (2)

回転部材の回転運動と直動部材の直線運動とを相互に変換可能な変換機構と、前記回転部材を駆動する回転アクチュエータとを備え、前記直動部材によってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させる電動ディスクブレーキであって、
前記直動部材を前記ディスクロータから離れる方向へ付勢する付勢手段が設けられており、該付勢手段の付勢力は、前記回転アクチュエータの非駆動時において、前記変換機構の前記直動部材の移動に対して作用する前記回転部材についての回転抵抗力よりも大きく、
前記変換機構は、ボールランプ機構であり、該ボールランプ機構の傾斜溝は、前記直動部材の移動方向の垂直面に対して、前記ブレーキパッドへの押圧力の大きい範囲における傾斜よりも、押圧力の小さい範囲での傾斜が大きくなっていることを特徴とする電動ディスクブレーキ。
A conversion mechanism capable of mutually converting the rotational motion of the rotary member and the linear motion of the linear motion member; and a rotary actuator that drives the rotary member, and the brake pad is pressed against the disk rotor by the linear motion member to control the rotation. An electric disc brake for generating power,
An urging means for urging the linear motion member in a direction away from the disk rotor is provided, and the urging force of the urging means is the linear motion member of the conversion mechanism when the rotary actuator is not driven. larger than the rotation resistance force for the rotating member acting against the movement of the rather,
The conversion mechanism is a ball ramp mechanism, and the inclined groove of the ball ramp mechanism is pressed against the vertical plane in the moving direction of the linear motion member rather than the tilt in a range where the pressing force to the brake pad is large. An electric disc brake characterized by a large inclination in a small pressure range .
前記ブレーキパッドの摩耗に応じて該ブレーキパッドと前記直動部材との位置を調整可能なパッド摩耗補償機構が設けられ、前記付勢手段は前記直動部材を直接付勢するものであることを特徴とする請求項1に記載の電動ディスクブレーキ。  A pad wear compensation mechanism capable of adjusting the position of the brake pad and the linear motion member according to wear of the brake pad is provided, and the biasing means directly biases the linear motion member; The electric disc brake according to claim 1, wherein
JP2003053034A 2003-02-28 2003-02-28 Electric disc brake Expired - Fee Related JP4061584B2 (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003053034A JP4061584B2 (en) 2003-02-28 2003-02-28 Electric disc brake

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003053034A JP4061584B2 (en) 2003-02-28 2003-02-28 Electric disc brake

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004263748A JP2004263748A (en) 2004-09-24
JP4061584B2 true JP4061584B2 (en) 2008-03-19

Family

ID=33117759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003053034A Expired - Fee Related JP4061584B2 (en) 2003-02-28 2003-02-28 Electric disc brake

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4061584B2 (en)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180133100A (en) * 2017-06-05 2018-12-13 주식회사 만도 Parking brake device of disk brake

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005053555B3 (en) * 2005-11-08 2007-08-02 Gkn Driveline International Gmbh Ball ramp arrangement with variable pitch of the ball grooves
JP2007139023A (en) * 2005-11-16 2007-06-07 Advics:Kk Disc brake device
JP6376883B2 (en) * 2014-07-31 2018-08-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 Disc brake

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180133100A (en) * 2017-06-05 2018-12-13 주식회사 만도 Parking brake device of disk brake
KR101937474B1 (en) 2017-06-05 2019-04-11 주식회사 만도 Parking brake device of disk brake

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004263748A (en) 2004-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4958015B2 (en) Electric disc brake
CN111561527B (en) Motion conversion mechanism and electric brake actuator including the same
WO2007013542A1 (en) Electric direct-acting actuator and electric brake device
CN110307275B (en) Electric brake actuator
JP4032386B2 (en) Electric disc brake
JP2007321862A (en) Motor driven disc brake
JP4747590B2 (en) Electric disc brake
JP2016050629A (en) Gear unit and brake device
JP4061584B2 (en) Electric disc brake
JP5466259B2 (en) Disc brake booster
JP5077604B2 (en) Electric disc brake
JP2008115880A (en) Electric disc-brake
JP2008157378A (en) Motor-driven disc brake
JP4288501B2 (en) Electric brake device
JP4623316B2 (en) Electric disc brake
US6880680B2 (en) Electrically actuatable disc brake
JP4706860B2 (en) Electric disc brake
JP3915068B2 (en) Electric disc brake
WO2020195921A1 (en) Electric braking device
JP5077603B2 (en) Electric disc brake
JP4706809B2 (en) Electric disc brake
JP2004068976A (en) Wedge actuation type brake device
JP2004060867A (en) Electric disc brake and electric brake device
JP2004183694A (en) Disk brake
JP2004060864A (en) Electric disc brake device

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4061584

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees