JP4061496B2 - Method for manufacturing light emitting device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は発光素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(AlxGa1−x)yIn1−yP混晶(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1;以下、AlGaInP混晶、あるいは単にAlGaInPとも記載する)により発光層部が形成された発光素子は、薄いAlGaInP活性層を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、高輝度の素子を実現できる。
【0003】
例えば、AlGaInP発光素子を例に取れば、n型GaAs基板上にヘテロ形成させる形にて、n型GaAsバッファ層、n型AlGaInPクラッド層、AlGaInP活性層、p型AlGaInPクラッド層をこの順序にて積層し、ダブルへテロ構造をなす発光層部を形成する。発光層部への通電は、素子表面に形成された金属電極を介して行なわれる。ここで、金属電極は遮光体として作用するため、例えば発光層部主表面の中央部のみを覆う形で形成され、その周囲の電極非形成領域から光を取り出すようにする。
【0004】
この場合、金属電極の面積をなるべく小さくしたほうが、電極の周囲に形成される光漏出領域の面積を大きくできるので、光取出し効率を向上させる観点において有利である。従来、電極形状の工夫により、素子内に効果的に電流を拡げて光取出量を増加させる試みがなされているが、この場合も電極面積の増大はいずれにしろ避けがたく、光漏出面積の減少により却って光取出量が制限されるジレンマに陥っている。また、クラッド層のドーパントのキャリア濃度ひいては導電率は、活性層内でのキャリアの発光再結合を最適化するために多少低めに抑えられており、面内方向には電流が広がりにくい傾向がある。これは、電極被覆領域に電流密度が集中し、光漏出領域における実質的な光取出量が低下してしまうことにつながる。そこで、クラッド層と電極との間に、キャリア濃度を高めた低抵抗率の電流拡散層を形成する方法が採用されている。他方、厚膜の電流拡散層を素子裏面側に配置し、素子基板に兼用させる構成も考えられる(この場合、該電流拡散層は導電性の素子基板とみなすこともできるが、本明細書ではこれも広義に電流拡散層の概念に属するものとみなす)。従来、このような電流拡散層は、発光層部とともに、有機金属気相成長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy:以下、MOVPE法ともいう) により形成されることが多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような発光素子における電流拡散層は、面内方向に電流を十分に拡げるために、層厚をある程度大きく設定すること、例えば発光層部よりは厚みを大きくして形成されるのが一般的である。しかし、MOVPE法は層成長速度が小さく、十分な厚さの電流拡散層を成長させるには非常な長時間を要し、製造能率の低下とコストの増大を招く問題がある。また、III族元素源としてMOVPE法に使用する有機金属は一般に高価である。さらに、MOVPE法においては、結晶性の向上を図るために、III族元素源に対してV族元素源(AsH3、PH3など)を相当大きな比率(10〜数百倍)にて配合しなければならないことも、コスト上は不利に作用する。
【0006】
また、MOVPE法により成長された電流拡散層には、有機金属分子からのH(水素)やC(炭素)が残留しやすい。そして、電流拡散層の導電型をZn(亜鉛)やMg(マグネシウム)のドーピングによりp型とする場合、特に残留したHがZnあるいはMg(特にZn)と結合し、アクセプタ活性を低下させることが知られており、電流拡散層として必要な導電率を確保するには、比較的多量のZnないしMgの添加が必要となる。しかし、ZnやMgを多量に添加すると、以下のような問題を生ずる。
【0007】
すなわち、発光素子は、通電を継続するに伴い発光輝度が次第に低下する。例えば、一定電流により素子への通電を開始した直後に測定した発光輝度を初期輝度とし、積算通電時間の経過に従い減少する発光輝度を追跡したとき、発光輝度が予め定められた限界輝度に到達する時間、あるいは評価通電時間を一定値(例えば1000時間)に固定したときの、初期輝度に対する評価通電時間経過後の輝度の比(以下、これを素子ライフと称する)は、素子寿命を評価するための一定の尺度となりえる。そして、電流拡散層中の、特に発光層部と隣接する部分のZn含有濃度が高くなりすぎると、この素子ライフが低下しやすくなる。
【0008】
本発明は、電流拡散層を効率よく形成できる発光素子の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子の製造方法は、
単結晶基板上に、それぞれIII−V族化合物半導体からなる発光層部と電流拡散層と、発光層部に発光駆動電圧を印加するための電極とをこの順序で形成した発光素子の製造方法において、
単結晶基板はオフアングルを有するものが使用され、
該オフアングルを有する単結晶基板上に、2種以上のIII族元素を含む混晶化合物半導体よりなる発光層部を有機金属気相成長法により形成する第一の気相成長工程と、
発光層部の形成後に実施される、電流拡散層を形成するためのハイドライド気相成長法による第二の気相成長工程とを有し、
発光層部は、2種以上のIII族元素を含む(Al x Ga 1−x ) y In 1−y P(ただし、0≦x≦1,0<y≦1)にて構成される第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層が電極側からこの順序にて積層されたダブルへテロ構造を有するものであることを特徴とする。
【0010】
【0011】
本発明の発光素子の製造方法においては、2種以上のIII族元素を含む混晶化合物半導体よりなる発光層部(以下、「混晶発光層部」あるいは単に「発光層部」という)を、有機金属気相成長法(MOVPE法)により成長する。その際、オフアングルを有する単結晶基板を用いることを前提とする。本明細書において、「オフアングルを有する」とは、化合物半導体層が積層される単結晶基板の結晶主軸が、<100>または<111>等に定められた基準方向に対し一定の角度傾けてあることをいう。
【0012】
MOVPE法により混晶発光層部を成長する場合、上記のようなオフアングルを有さない基板を用いると、混晶中にてIII族原子がランダムに分布せず、原子配列の望まざる規則化や分布の偏りを生じることがある。このような規則化や偏りの生じた領域は、本来期待される混晶半導体とは異なるバンドギャップエネルギーを有するので、結果として結晶全体のバンドギャップエネルギーに分布を生じてしまい、発光スペクトルプロファイルや中心波長のバラツキを招く。しかしながら、適度なオフアングルを単結晶基板に付与しておくことで、上記のようなIII族元素の規則化や偏りが大幅に軽減され、発光スペクトルプロファイルや中心波長の揃った発光素子が得られる。
【0013】
そして、このようなMOVPE法により成長した混晶発光層部の上に、III−V族化合物半導体よりなる電流拡散層を、ハイドライド気相成長法(Hydride Vapor Phase Epitaxial Growth Method:以下、HVPE法という)を用いて形成する。HVPE法は、蒸気圧の低いGa(ガリウム)を塩化水素との反応により気化しやすいGaClに転換し、該GaClを媒介とする形でV族元素源ガスとGaとを反応させることにより、III−V族化合物半導体層の気相成長を行なう方法である。MOVPE法による層成長速度が約4μm/時であるのに対しHVPE法では約9μm/時であり、HVPE法によると層成長速度をMOVPE法よりも大きくでき、ある程度厚さを要する電流拡散層も非常に高能率にて形成できるので、原材料費をMOVPE法よりもはるかに低く抑えることができる。さらに、オフアングルを付与した単結晶基板を用いた場合に、最終的に得られる電流拡散層の表面に、結晶に起因したファセットや面荒れがほとんど生じず、ひいては平滑性の良好な電流拡散層が得られる。また、HVPE法では、III族元素源として高価な有機金属を使用せず、III族元素源に対するV族元素源(AsH3、PH3など)の配合比率もはるかに少なくて済む(例えば1/3倍程度)ので、コスト的に有利である。
【0014】
また、電流拡散層の発光層部に面しているのと反対側の主表面には、発光層部に発光駆動電圧を印加するための電極が形成される。そして、オフアングルを付与した単結晶基板を用いることにより、電流拡散層の表面が平滑化されると、電流拡散層上に形成される電極との密着性も良好となる。また、その電極にワイヤを、画像処理を用いて自動ボンディングする際に、面荒れによる画像の誤検出が軽減され、ひいてはワイヤボンディング工程での能率向上や、歩留まり改善にも寄与する。
【0015】
なお、電流拡散層の成長速度を改善することのみに主眼を置いた従来技術として、特開平5−275740号公報に開示された発光素子の製造方法がある。この公報には、電流拡散層の成長方法として気相エピタキシャル成長法(Vapor Phase Epitaxy:以下、VPE法という)と、液相エピタキシャル成長法(Liquid Phase Epitaxy:以下、LPE法という)とが並列的に開示されており、両方法の優劣については何ら開示はなされていない。また、発光層部におけるIII族元素の規則化や偏り防止のために、オフアングルを付与した単結晶基板を用いる点についても開示はない。さらに、VPE法が具体的にどのようなVPE法であるのかについても、何ら開示されていない(MOVPE法も、VPE法の一種である)。
【0016】
しかし、オフアングルを有する単結晶基板を用いた場合についての、VPE法とLPE法との差異について本発明者らが詳細に検討を行ったところ、以下のことが明らかになった。すなわち、図5に示すように、オフアングルを有さない基板を用いた場合は、VPE法とLPE法とのいずれを用いても、得られる電流拡散層の表面は比較的平滑なものが得られる。ただし、前記したオーダリングにより発光波長ばらつきを生ずるため、VPE法とLPE法のいずれを用いても良好な発光素子は得ることができない。他方、上記のように、オフアングルを付与した単結晶基板を用いると、LPE法では、オフアングルに起因すると思われるファセットや面荒れが極端にひどくなり、さらには、III族原子の分布にも大きな偏りを生ずる結果、到底発光素子の製造には適用できないものしか得ることができない。また、仮に使用できたとしても、画像処理を用いて電極にワイヤを自動ボンディングする際に、面荒れによる画像の誤検出が頻繁に生じ、ワイヤボンディング工程での能率及び歩留まり低下を招いてしまう。すなわち、本発明においては、混晶発光層部の発光性能を確保するためにオフアングルが付与された単結晶基板を用い、電流拡散層の成長方法としてHVPE法を敢えて採用することにより、健全な電流拡散層を得ることが初めて可能となったのである。
【0017】
特に電流拡散層の材質として、GaAs1−aPa(0≦a≦1)を採用すると、HVPE法による成長が容易で、高品質の電流拡散層を得やすくなる利点がある。なお、本発明において、GaAs1−aPa(0≦a≦1)は、GaP混晶比aが1の場合を含むので、GaPの概念を含んでいる。他方、GaP混晶比aが0の場合も含むので、GaAsも概念として含むが、GaAsはGaPよりもバンドギャップが小さいので発光層部24からの発光光束に対する吸収を生じやすい。従って、GaP混晶比aは0より大きく設定することが望ましい。
【0018】
本発明においては、電流拡散層をHVPE法により成長するので、MOVPE法と異なりHやCの残留が生じにくい。従って、電流拡散層を、ドーパントをZn及び/又はMgとしたp型GaAs1−aPa(0≦a≦1)層として形成する場合、添加したZn及び/又はMgがHと結合してアクセプタ活性を低下させる心配がほとんどない。このことは、必要な導電率を確保するためのZn及び/又はMg添加量を、MOVPE法による電流拡散層と比較してはるかに少量に留めることができることを意味し、結果として、Zn及び/又はMg含有濃度の軽減により前述の素子ライフを大幅に向上することができる。この効果は、ドーパントとしてZnを用いる場合に特に著しい。HVPE法(ハイドライド気相成長法)により形成された電流拡散層のH濃度は、例えば7×1017/cm3以下に留めることが可能であり、検出限界以下(例えば1×1017/cm3程度あるいはそれ以下)とすることも比較的容易である。つまり、電流拡散層のハイドライド気相成長法により形成された部分のH濃度は、7×1017/cm3以下とすることができる。なお、ドーパントをZn及び/又はMgとしたp型GaAs1−aPa(0≦a≦1)層からなる電流拡散層は、光吸収を抑制して光取出し効率を向上させるため、発光層部のピーク発光波長に対応した光エネルギーよりもバンドギャップエネルギーが大きくなるように、GaP混晶比aを選択することが望ましい。
【0019】
電流拡散層のZn及び/又はMgのキャリア濃度は、例えば1×1017/cm3以上5×1019/cm3以下とすることができる。電流拡散層のZn及び/又はMgのキャリア濃度が1×1017/cm3未満では十分な導電率と電流拡散効果が得られず、5×1019/cm3を超えると合金化により結晶性が損なわれる。なお、ZnとMgとは各々単独で用いることもできるし、併用することもできる。
【0020】
本発明においては、電流拡散層を成長速度の大きいHVPE法にて成長するので、MOVPEでは現実的な時間の範囲内で成長困難な20μm以上の電流拡散層も、比較的高能率に得られる利点がある。特に、50μm以上の厚さに電流拡散層を成長させれば、該電流拡散層を素子基板に兼用させることも可能となる。この場合、該素子基板を兼用する電流拡散層は、発光層部の光取出面側に配置してもよいし(この場合、電流拡散層の主表面の一部領域のみが電極にて覆われる)、裏面側に配置してもよい。
【0021】
裏面側に配置する場合は、発光層部からの光に対し透光性を有する該電流拡散層の裏面を部分的に覆うコンタクト層を形成することができる。また、電流拡散層の裏面側にてコンタクト層を、該コンタクト層の非形成領域とともに覆う、反射層を兼ねた金属電極で覆うこともできる。この場合、コンタクト層は金属電極と電流拡散層との接合抵抗を低減する役割を果たす。他方、電流拡散層の裏面側にて該コンタクト層を、コンタクト層の非形成領域とともにAgペースト等の金属ペースト層で覆うこともできる。いずれの態様においても、特にコンタクト層の非形成領域において金属電極又は金属ペースト層による発光光束の反射効果を高めることができる。
【0022】
なお、電流拡散層の厚さが200μmを超えると、HVPE法を用いているといえども成長時間が相当長くなり、製造能率の低下につながる場合がある。このような観点から、電流拡散層(第二の気相成長工程において形成される)の形成厚さは200μm以下とすることが望ましい。ただし、電流拡散層が過度に薄くなれば、電流拡散効果が十分に得られなくなって発光効率の低下につながる。従って、電流拡散層の厚さは、5μm以上は確保しておくことが望ましい。なお、電流拡散層を素子基板に兼用させない場合は、製造能率を優先させて、その形成厚さを50μm未満に留めることが望ましい。特に、成長温度が比較的高い場合(例えば800℃以上)は、電流拡散層の厚さを50μm以上に増加させても発光強度の大幅な増加は望めないので、電流拡散層の厚さを50μm未満、望ましくは20μm以下に留めることが望ましいといえる。他方、後述のごとく、成長用の単結晶基板のオフアングル最適化により、HVPE法による電流拡散層の成長温度は大幅に低減できるので、この場合は、電流拡散層を厚膜化することにより発光強度をさらに向上でき、50μm以上の層厚設定が有効となる場合がある。
【0023】
電流拡散層の電極を形成する側の主表面を含む表層部には、多数キャリアを生じさせるためのドーパント含有濃度(例えば、電流拡散層がp型である場合には、前述のZn及び/又はMgなどのp型ドーパントの含有濃度)が電流拡散層内の残余の部分よりも高くされた、高濃度ドーピング層を形成することが望ましい。このような高濃度ドーピング層を形成することにより、電流拡散層表層部での電流の面内拡散効果が高められ、十分な電流拡散効果が得られる。また、層の全体に渡ってドーパント含有濃度を高めるのではなく、表層部だけ選択的に高濃度化するので、ドーパント含有濃度が過剰となることによる前述の素子ライフ低下(特に、Znをp型ドーパントとして用いた場合)や、多数キャリアによる光の散乱損失といった問題も生じにくい。特に、電流拡散層の層厚を20μm以下に薄く設定する場合、高濃度ドーピング層を設けることの効果は大きい。
【0024】
本発明においては、電流拡散層をHVPE法にて形成するので、高濃度ドーピング層は以下のようにして形成すると能率的である。すなわち、第二の気相成長工程において、III−V族化合物半導体の原料ガスとともにドーパントガスを供給して電流拡散層を形成し、第二の気相成長工程後において電流拡散層の表面からドーパントを追加拡散して高濃度ドーピング層を形成する。この追加拡散も、ドーパントガスを用いた気相拡散により実施できる。このようにすると、HVPE法による電流拡散層の成長に引き続き、高濃度ドーピング層形成のための追加拡散処理を、真空拡散等の気相拡散処理により簡便に行なうことができるので能率的である。
【0025】
高濃度ドーピング層を形成することのメリットは、ドーパントをZn及び/又はMgとしたp型GaAs1−aPa(0≦a≦1:発光層部のピーク発光波長に対応した光エネルギーよりもバンドギャップエネルギーが大きい)により電流拡散層を構成する場合に特に顕著である。すなわち、本発明においては、HVPE法により電流拡散層を成長するので、Hとの結合により不活性化するZnあるいはMg(特にZn)の量が少なく、元からZnあるいはMgの添加量を削減することができる。その結果、素子ライフ低下等を生ずる限界量までのZnあるいはMgの濃度マージンが大きく、高濃度ドーピング層を形成しても素子ライフ等に与える影響を本質的に小さく留めることができる。なお、GaAs1−aPa中においてはMgよりもZnのほうが拡散速度が大きい。従って、高濃度ドーピング層を追加拡散にて形成する場合、Znを採用するほうが、必要な厚さの高濃度ドーピング層をより短時間にて形成できるのでより能率的である。なお、電流拡散層にハイドライド気相成長法により形成されたHVPE層部を形成する場合、該HVPE層部は、発光層部に近い主表面側においてドーパント含有濃度を、p型クラッド層のドーパント含有濃度よりも低く設定しておくと、素子ライフの低下抑制を一層効果的に図ることができる。
【0026】
具体的には、電流拡散層のZn及び/又はMgのキャリア濃度が、高濃度ドーピング層において2×1018/cm3以上5×1019/cm3以下となっていることが望ましい。高濃度ドーピング層のZn及び/又はMgのキャリア濃度が2×1018/cm3未満では、高濃度ドーピング層の面内方向の電流拡散促進効果に乏しくなり、5×1019/cm3を超えると、合金化により結晶性が損なわれる懸念が生ずる。また、高濃度ドーピング層の厚さは1μm以上4μm以下に調整することが望ましい。厚さが1μm未満では面内方向電流拡散の促進効果に乏しく、4μmを超えると電流拡散層全体に占める高濃度ドーピング層の厚さ比率が大きくなりすぎ、同様に、素子ライフや発光強度の低下を招く惧れがある。
【0027】
一方、電流拡散層内の、高濃度ドーピング層以外の部分においては、Zn及び/又はMgのキャリア濃度が1×1017/cm3以上2×1018/cm3以下となっていることが望ましい。該部分のZn及び/又はMgのキャリア濃度が1×1017/cm3未満では、該部分の直列抵抗が増大し、発光効率の低下を招く。他方、2×1018/cm3を超えると、該部分から発光層部側へZn及び/又はMgが多く拡散し、発光性能の低下等を生ずる場合がある(特にZnを採用した場合は、その傾向が大きい)。
【0028】
なお、電流拡散層はGaPにて構成すれば、GaPは比較的広いバンドギャップを有しているので、発光層部から発光波長の短い光が放出されている場合でも光吸収を起しにくい。従って、光取出し効率を確保する上で有利であり、また、光吸収抑制を考慮したときの発光層部の材料選択幅も広げられる利点がある。
【0029】
一方、GaAsを配合したGaAs1−aPaにより電流拡散層を構成すると、以下のような利点が生ずる。すなわち、ドーパントをZnとして前記した追加拡散処理により高濃度ドーピング層を形成する場合、Znの拡散速度は、GaP中よりもGaAs1−aPa中の方が大きく、必要な厚さの高濃度ドーピング層を短時間にて形成できる。なお、この目的にてGaAs1−aPaを採用する場合は、所望の発光波長に相当するバンドギャップより大きくなるように、GaPの混晶比aが0.5以上0.9以下の範囲で設定することが望ましい。ただし、GaPの混晶比aが0.9を超えると、GaAsの混晶比が小さくなりすぎ、Znの拡散促進効果が十分に得られなくなる場合がある。
【0030】
また、電流拡散層の電極形成側部分を、それ以外の部分よりもGaAs混晶比1−aが大きい高GaAs混晶比GaAs1−aPa(0≦a<1)層とし、当該高GaAs混晶比GaAs1−aPa層に、Znをドーパントとする高濃度ドーピング層を形成すると、高GaAs混晶比GaAs1−aPa層でのZn拡散速度を大きくすることができるので、高濃度ドーピング層をより効率的に形成することができる。例えば、電流拡散層の要部をGaPで形成する場合でも、電極形成側部分のみGaAsP層としておけば、前記したZnの追加拡散により高濃度ドーピング層をより短時間にて形成できる。高GaAs混晶比GaAs1−aPa層は高濃度ドーピング層よりも少し(0.5μmから2μm程度)厚く形成するのがよく、高濃度ドーピング層を例えば1μm以上4μm以下にて形成する場合、高GaAs混晶比GaAs1−aPa層は2μm以上5μm以下にて形成するとよい。
【0031】
本発明において、電流拡散層は、その全体をHVPE法にて形成することを排除しない。しかし、電流拡散層と、発光層部の該電流拡散層と接する部分とが、格子定数の互いに異なるIII−V族化合物半導体にて構成される場合、その格子定数差がある程度大きい場合は、発光層部上に直接HVPE法により電流拡散層を形成すると、電流拡散層の結晶性が低下し、発光性能の低下を招くおそれがある。そこで、このような場合、電流拡散層は、発光層部と接する部分を有機金属気相成長法により形成されるMO層部とし、それ以外の部分をハイドライド気相成長法により形成されるHVPE層部とすれば、電流拡散層の結晶性が向上し、ひいては発光特性の良好な発光素子が得られる。
【0032】
次に、本発明の発光素子においては、電流拡散層内に、該電流拡散層とは導電型の異なるIII−V族化合物半導体よりなる電流阻止層を埋設形成することができる。電極は遮光体として作用するため、この電極に素子駆動のための電圧を印加した場合、素子内の電流密度は電極直下付近で高く、光取出領域となる電極の周囲領域では低くなることにより、光取出効率が低下しやすくなる。そこで、上記のような電流阻止層を、例えば電極の電極直下位置において電流拡散層中に埋設形成すれば、電流阻止層により電流に電極領域外への迂回が生じ、光取出効率を高めることができる。なお、本明細書において電流阻止層は、電流拡散層に属さないものとして考える。
【0033】
この場合、該電流阻止層を埋設形成する電流阻止層形成工程が必要となる。そして、本発明においては、電流拡散層内の、電極側において該電流阻止層を覆う部分を少なくとも、第二の気相成長工程(つまり、HVPE法)により形成する。電流阻止層を埋設形成する際に、電流阻止層を覆う電流拡散層部分をMOVPE法やLPE法で形成すると、例えば図13(b)に示すように、最終的な電流拡散層の表面に、電流阻止層の形状がパターンダレした大きな段差が結晶欠陥を伴って生じやすい問題がある。このような段差や結晶欠陥は、電極との導通不良を招いたり、あるいは前記したような画像処理を用いて電極にワイヤを自動ボンディングする際には、画像の誤検出要因となって、ワイヤボンディング工程での能率及び歩留まり低下を招く場合がある。しかし、HVPE法で電流阻止層を覆う電流拡散層部分を形成すると、例えば図13(a)に示すように、そのような段差や結晶欠陥がほとんど生じず、表面の平滑な電流拡散層が得られ、上記のような不具合が生じにくい。
【0034】
電流阻止層形成工程は、具体的には以下のような工程を含むものとして実施することができる。
▲1▼第三の気相成長工程:発光層部の上に、電流拡散層の一部をなす第一導電型のIII−V族化合物半導体よりなる第一層と、電流阻止層をなす第二の導電型のIII−V族化合物半導体よりなる第二層とを有機金属気相成長法(MOVPE法)により順次形成する。
▲2▼エッチング工程:得られた第二導電型の化合物半導体層を、電流阻止層となるべき部分を残して残余の部分をエッチング除去する。
そして、第二の気相成長工程は、第一層と同一導電型のIII−V族化合物半導体からなる第三層を、第二層のエッチング後の残余部分をくるむようにハイドライド気相成長法(HVPE法)により形成する。
【0035】
第一層は、電流拡散層の、電流阻止層に対する下地となる部分をなすものであり、第二層は電流阻止層をなす部分である。上記方法によると、第一層及び第二層を形成する第三の気相成長工程を、発光層部の形成される第一の気相成長工程に続く形で、同じMOVPE法により実施できるので能率的である。これら第一の気相成長工程及び第三の気相成長工程を同一の成長容器内で基板を容器外に取り出さずに連続的に行なうと、特に効果が大きい。
【0036】
この場合、第三の気相成長工程が終了すると、基板を容器外に取り出して、HVPE法により第二の気相成長工程を行なうための容器に移し替える必要がある。このとき、第一層及び第二層は容器外の雰囲気にさらされるので、酸化の影響が問題になる場合がある。また、後述のように第二層を化学エッチングする場合は、そのエッチング時に受ける酸化も考慮する必要がある。この観点においては、第一層及び第二層を、いずれも、酸化されやすい元素であるAl(アルミニウム)を含有しないIII−V族化合物半導体により形成するとよい。具体的には、第一層、第二層及び第三層をいずれもGaAs1−aPa(0≦a≦1:発光層部のピーク発光波長に対応した光エネルギーよりもバンドギャップエネルギーの大きい)により形成することができる。これは、第三層をHVPE法にて形成する際に、GaAs1−aPa(0≦a≦1)が最も成長が容易で高品質のものが得られるためであり、MOVPEにより形成される第二層も、これに合わせ込む形でGaAs1−aPa(0≦a≦1)を採用する。また、第一層を同じGaAs1−aPa(0≦a≦1:発光層部のピーク発光波長に対応した光エネルギーよりもバンドギャップエネルギーの大きい)とすることにより、第三の気相成長工程において、MOVPE法により第一層を形成後、第二層の形成に移行する際に原料ガスの切り替えが不要となり、製造が容易となる。なお、各層のGaP混晶比aを同じに設定しておくと、製造がより容易となる。また、不要なバンド端不連続も生じないので、それによる発光性能の低下等も懸念する必要がなくなる。
【0037】
なお、第二層と第一層とは、同じGaAs1−aPa(0≦a≦1)であっても導電型は反対とされる。例えば、第三層を、Zn及び/又はMgをドーパントとしたp型GaAs1−aPa(0≦a≦1)層とする場合、第二層はSi(シリコン)等をドーパントとするn型GaAs1−aPa(0≦a≦1)層とする。なお、この場合の電流拡散層は、MOVPE法による第一層と、HVPE法による第三層とでドーパントの種別を異ならせてもよい。例えば、第三層のドーパントをZnとする場合、第一層のドーパントをZnとするほかに、Znに代えてMgを用いることも可能である。
【0038】
GaAs1−aPa(0≦a≦1)よりなる第一層のドーパントをMgにしておくと、GaAs1−aPa中のMgの拡散速度は小さいので、該第一層のMgが発光層部側に逆拡散して、発光特性を低下させたりする不具合が生じにくい。また、この第一層と接触する第三層には、高濃度ドーピング層を形成することが電流拡散効果を高める上でより有利である。この高濃度ドーピング層をZnの追加拡散により形成する場合、第三層の高濃度ドーピング層以外の部分、つまり、第一層と接する部分のドーパント含有濃度を、1×1017/cm3以上2×1018/cm3以下に十分に低く設定しておくと、高濃度ドーピング層からのZnの拡散の影響が第三層を経て発光層部に及ぶ不具合を効果的に抑制することができる。
【0039】
次に、エッチング工程において、第二層をエッチングする方法としては、気相エッチングを行なってもよいが、エッチング液を用いた化学エッチングが簡便で、能率もよいので本発明に好適に採用できる。この化学エッチングは、第二層に対するエッチング活性が、第一層に対するエッチング活性よりも高く、第二層のみを選択的にエッチングできるものを使用することが好ましい。しかし、第一層と第二層とが同一材質の化合物半導体よりなる場合、第一層と第二層とに対して顕著なエッチング活性差を有したエッチング液を得ることは容易ではなく、例えばやむを得ずエッチング活性差の小さい液を用いてエッチングを行なうと、選択エッチング能力が不足して、第一層にまでエッチングの影響が大きく及んでしまう不具合を生ずる。
【0040】
このような場合、第一層と第二層との間に、両層のいずれとも材質の異なるIII−V族化合物半導体からなる第四層を介挿形成し、エッチング工程において、第四層をエッチストップ層として第二層を第一のエッチング液により化学的に選択エッチングすることが有効である。つまり、第二層とは材質の相違する第四層を、該第二層の下地として形成しておけば、材質が同じである第一層と第二層とに対しては適当なエッチング液が見つからなくても、材質が相違する第二層と第四層とであれば、適当な選択エッチング性を有したエッチング液を容易に見出すことができる。そして、このようなエッチング液を第一のエッチング液として用いることにより、エッチング工程においては該第四層がエッチストップ層として作用し、第二層を容易に選択エッチングできる。また、この第四層は、第二層の電流阻止層として残る部分の直下はエッチングされずに残留するが、その残留部分は電流阻止層により電流が遮られる部分に生ずるので、発光特性等には何ら影響しない。
【0041】
この第四層は、Alを含有しないIII−V族化合物半導体にて形成することが望ましい。すなわち、第二層を第一のエッチング液により選択エッチングする際に、エッチストップ層となる第四層にAlが含有されていると、エッチング液とAlとが反応して絶縁性のAl酸化層が形成される場合がある。後述の通り、第四層の露出部分を第二のエッチング液によりエッチング除去して第三層の形成を行なう場合は、Al酸化層はそのエッチングの妨げとなる。また、第四層を残して第三層を形成すると、Al酸化層により直列抵抗が増加する上、第三層の第四層上へのエピタキシャル成長が妨げられる場合がある。いずれも、発光特性の低下につながる。
【0042】
例えば、第二層をAldGa1−dP(0<d≦1)又は(AlbGa1−b)cIn1−cP(0<b≦1;0≦c≦0.5)にて形成する場合は、第一層をGaAs1−aPa(0≦a≦1)にて形成し、第二層に対するエッチング液として、例えば塩酸を用いる。すると、特に第四層を設けなくとも第二層を第一層に対して問題なく選択エッチングできる。しかし、第二層に含まれるAlの酸化が問題となる場合は、第二層もGaAs1−aPa(0≦a≦1)にて形成することが有効である。この場合は、第二層を化学エッチングにより選択エッチングすることが難しくなるので、例えば第二層よりもGaPの混晶比が大きいGaAs1−bPb(a<b≦1)にて形成された第四層を介挿すると、第二層と第四層との間には選択エッチング性を付与しやすくなる。特に、第二層と第一層とがGaAs1−aPa(0.5≦a≦0.9)からなり、第四層がGaPとされている場合、第四層によるエッチストップ効果が顕著である。この場合、第一のエッチング液としては、一例として硫酸あるいは硫酸と過酸化水素水との混合液を使用することにより、第四層をエッチストップ層とした第二層の選択エッチングを効果的に行なうことができる。
【0043】
第四層の厚みは1nm以上100nm以下に調整することが望ましい。該厚みが1nm未満ではエッチストップ効果が十分に得られず、100nmより厚く形成することは、エッチストップ効果が飽和して不経済である。
【0044】
例えば、第四層をエッチストップ層として第二層の外側を第一のエッチング液により化学的に選択エッチングした後、当該第二層の外側に露出している第四層を、第一層をエッチストップ層として第二のエッチング液により化学的に選択エッチングして第一層を露出させ、その後、第二の気相成長工程により第三層を第一層の外側と接するように形成することができる。このようにすると、電流阻止層として残った第二層の周囲において、電流拡散層をなす第一層と第三層との間に、不要な第四層が残留せず、該第四層による光吸収等の問題も生じにくい。なお、第四層の厚さを10nm以上50nm以下の小さな範囲に設定すれば、第四層による光吸収等の影響はほとんど生じないので、第二層の外側に露出している第四層をエッチングせずに第三層を形成することも可能である。
【0045】
発光層部は、2種以上のIII族元素を含む(AlxGa1−x)yIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0<y≦1)にて構成される第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層が、発光層部に発光駆動電圧を印加するための電極側からこの順序にて積層されたダブルへテロ構造を有するものとして形成できる。活性層の両側に形成されるクラッド層とのバンドギャップ差に起因したエネルギー障壁により、注入されたホールと電子とが狭い活性層中に閉じ込められて効率よく再結合するので、非常に高い発光効率を実現できる。さらに、活性層の組成調整により、広範囲の発光波長を実現することができる。そして、本発明の効果がより顕著に発揮されるのは、電流拡散層を、Zn及び/又はMgをドーパントとして用いたp型層とする場合であり、この場合は、第一導電型クラッド層をp型(AlxGa1−x)yIn1−yPにて構成する。
【0046】
(AlxGa1−x)yIn1−yPからなる発光層部は、単結晶基板としてオフアングルを有さないものを使用したとき、前記したIII族原子(Al,Ga,In)の規則化や分布の偏りにより、バンドギャップエネルギーが小さくなる側にシフトしやすく、結果として発光波長が短波長側にばらつきやすくなる問題がある。例えば、これを解消するためにはバンドギャップエネルギーの高いAlPの混晶比を大きくして、発光波長のずれを補償する方法が考えられる。しかし、AlPの混晶比を高めることは、間接遷移成分が増える方向にバンド構造が変化するので、発光強度が低下しやすくなり、望ましくない。従って、(AlxGa1−x)yIn1−yPからなる発光層部は、オフアングルを有する単結晶基板を使用することのメリットが最も大きく、本発明の効果が顕著である。
【0047】
(AlxGa1−x)yIn1−yPにて発光層部を構成する場合、単結晶基板は、<100>方向又は<111>方向を基準方向として、該基準方向に対するオフアングルが1゜以上25゜以下の主軸を有するGaAs単結晶基板とすることができる。オフアングルが1゜未満では既に説明した発光特性(発光スペクトルプロファイルや中心波長)のバラツキ抑制効果に乏しく、25゜を超えると正常な発光層部成長が不能となる問題がある。本発明の効果は、特に<100>方向を基準方向としてオフアングルが上記の主軸を有するGaAs単結晶基板を用いた場合に、特に顕著である。
【0048】
単結晶基板は、オフアングルが10°以上20°以下の主軸を有するGaAs単結晶基板とすることがより望ましい。このような高角度のオフアングルを有するGaAs単結晶を用いると、HVPEによる第二の気相成長工程にて最終的に得られる電流拡散層の表面を平滑化する効果が一層高められる。本発明者らが検討したところ、オフアングルの1゜以上10°未満の単結晶基板を用いると、HVPEにて得られる電流拡散層の表面においては、ファセット的な振幅の小さい一様な凹凸の形成は効果的に防止されるものの、振幅の大きな突起状の結晶欠陥が少なからず残留することがあり、ワイヤボンディング工程等における誤検出等の不具合につながる場合があった。しかし、オフアングルを10°以上20°以下の範囲に大きくすると、こうした突起状の結晶欠陥発生を効果的に抑制できることがわかった。
【0049】
また、突起状の結晶欠陥発生防止も含め、平滑で良好な表面状態の電流拡散層を得るには、HVPE法による電流拡散層の成長温度を適正化することも、工程上考慮すべき重要なポイントである。そして、オフアングルを10°以上20°以下の範囲に設定すると、そのような電流拡散層の適正な成長温度範囲を低温側に引き下げることができるのも、重要な効果の一つである。電流拡散層の成長温度を低温化できれば、該電流拡散層の下地をなす発光層部に加わる、電流拡散層成長時の熱履歴を和らげることができ、発光層部のp−n接合をなすドーパントプロファイルの拡散劣化が生じにくい。特にダブルへテロ構造の発光層部の場合は、発光再結合の効率を高めるため、活性層のドーパント濃度はなるべく低くしたい要請がある。従って、電流拡散層の成長温度の低温化により、クラッド層側から活性層側へのドーパント拡散を抑制することにより、発光素子の内部量子効率を高めることができ、発光性能を大幅に改善することができる。また、成長温度の低減により、上記ドーパントプロファイルを良好に維持したまま電流拡散層の層厚を増やすことができるので、該電流拡散層を特に50μm以上に厚膜化したときの発光強度の向上効果がとりわけ著しくなる利点もある。
【0050】
オフアングルが10°未満となるか、又はオフアングルが20°を超えると、突起状の結晶欠陥発生防止効果及び電流拡散層の適正成長温度の低温化効果が不十分となる場合がある。オフアングルはより望ましくは13°以上17°以下に設定するのがよい。
【0051】
この場合、第二の気相成長工程において、GaAsPからなる電流拡散層をハイドライド気相成長法により成長する場合、該成長温度を640℃以上750℃以下の温度に設定することが望ましい。成長温度が640℃以下では電流拡散層の表面の平滑化効果、特に突起状の欠陥の発生抑制効果が十分に得られなくなる。また、750℃以下では、発光層部のドーパントプロファイルの拡散劣化防止効果が十分に達成できなくなる。なお、上記成長温度は、より望ましくは680℃以上720℃以下(特にオフアングルが13°以上17°以下の場合)に設定するのがよい。また、このような温度設定により、電流拡散層を50μm以上(200μm以下)に厚膜化させたときの、発光強度向上効果が特に著しくなる。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である発光素子100を示す概念図である。発光素子100は、n型GaAs単結晶基板(以下、単に基板という)1の第一主表面上に発光層部24が形成されている。該基板1は、図2の工程▲1▼に示すように、<100>方向を基準方向として、該基準方向に対するオフアングルが1゜以上25゜以下の主軸Aを有するものである(主軸Aは、<111>方向を基準として同様のオフアングルを有するものであってもよい)。図1に戻り、この基板1の第一主表面MP1と接するようにn型GaAsバッファ層2が形成され、該バッファ層2上に発光層部24が形成される。そして、その発光層部24の上に電流拡散層7が形成され、その電流拡散層7の上に、発光層部24に発光駆動電圧を印加するための第一電極9が形成されている。また、基板1の第二主表面MP2側には、同じく第二電極20が全面に形成されている。第一電極9は、第一主表面PFの略中央に形成され、該第一電極9の周囲の領域が発光層部24からの光取出領域とされている。また、第一電極9の中央部に電極ワイヤ17を接合するためのAu等にて構成されたボンディングパッド16が配置されている。
【0061】
発光層部24は、ノンドープ(AlxGa1−x)yIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、p型(AlzGa1−z)yIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるp型クラッド層6とn型(AlzGa1−z)yIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるn型クラッド層4とにより挟んだ構造を有する。図1の発光素子100では、第一電極9側にp型AlGaInPクラッド層6が配置されており、第二電極20側にn型AlGaInPクラッド層4が配置されている。従って、通電極性は第一電極9側が正である。なお、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm3程度を上限とする)をも排除するものではない。
【0062】
電流拡散層7は、ドーパントをZnとしたp型GaP層として形成されている。また、電流拡散層7中のH及びZn含有濃度は、それぞれ、p型クラッド層6のH及びZn含有濃度よりも小さくされてなる。さらに、電流拡散層7には、第一電極9に対応する位置に、n型AldGa1−dP(例えばd=0.2)よりなる電流阻止層10が埋設形成されている。電流拡散層7の形成厚さt1は、例えば5μm以上200μm以下(一例として、50μm)である。また、電流阻止層10の厚さは0.05μm以上1μm以下(例えば0.1μm)である。
【0063】
電流拡散層7の第一電極9を形成する側の主表面を含む表層部には、Zn含有濃度が電流拡散層7内の残余の部分よりも高くされた、高濃度ドーピング層8が形成されている。電流拡散層7のZnのキャリア濃度は、高濃度ドーピング層8において2×1018/cm3以上5×1019/cm3以下(例えば、1×1019/cm3)であり、高濃度ドーピング層8以外の部分において1×1017/cm3以上2×1018/cm3以下(例えば、8×1017/cm3)とされている。
【0064】
高濃度ドーピング層8の厚さt2は1μm以上4μm以下(例えば3μm)である。高濃度ドーピング層8の厚さt2は、ドーパントが最も高濃度となる電流拡散層表層部のp型ドーパント含有濃度(本実施形態ではZn含有濃度)をNmaxとし、他方、電流拡散層7の拡散の影響を受けていない部分でのp型ドーパント含有濃度をNminとしたとき、層厚方向において略(Nmax+Nmin)/2となる位置を、高濃度ドーピング層8と残余の部分との境界位置として定めることにより特定される。なお、各層中のドーパント含有濃度及びH濃度は、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)により測定されたものをいう。また、キャリア濃度は周知の導電率測定により特定可能である。
【0065】
電流拡散層7のうち、p型クラッド層6と電流阻止層10との間に位置する部分は、MOVPE法により形成された第一層7aである。また、電流阻止層10(及び第四層11)に関して第一層7aの反対側には、該第一層7aとともに電流阻止層10をくるむように覆う形で、電流拡散層7の要部をなす第三層7bが形成されている。この第三層7bは、後述するHVPE法により形成されたものであり、第一電極9側の表層部がZnの追加拡散により前述の高濃度ドーピング層8とされている。
【0066】
電流拡散層7中のH濃度は、HVPE法の採用により、MOVPE法によるp型クラッド層6のH濃度(通常、15×1017/cm3程度)よりも小さく設定できる。本実施形態では、電流拡散層7のうち第一層7aだけはMOVPE法により形成され、この部分のH濃度は多少高くなる。しかし、第三層7bのH濃度は7×1017/cm3以下であり、通常、2×1017以下である。第一層7aの厚さは第三層7bの厚さよりもはるかに小さいので、いずれにしても、電流拡散層7中のH濃度はp型クラッド層6のH濃度よりも十分に低い値となる。そして、電流拡散層7の要部をなす第三層7bのうち、高濃度ドーピング層8を除いた部分は、Zn含有濃度をp型クラッド層のZn含有濃度より低く設定しても、Hとの結合により不活性化するZnの量が少ないので、十分な導電性を確保することができる。その結果、素子ライフの向上を図ることができる。
【0067】
また、電流拡散層7は、面内方向の電流拡散が主に高濃度ドーピング層8にて進む。そして、電流拡散層7における高濃度ドーピング層8以外の内層部分は、ドーパントによるキャリア濃度が低く面内方向の抵抗率が高いので、電流は該内層部分に入ると面内方向への再拡散が生じにくく、電極9の外側領域に迂回しつつ流れやすくなる。その結果、光取出し効率が向上する。
【0068】
なお、本実施形態では、第一層7aと第三層7bとを同じ化合物半導体(具体的にはGaP)により形成しているが、互いに異なる化合物半導体にて形成することもできる(例えば、第一層7aをGaAs1−aPa(発光層部のピーク発光波長に対応した光エネルギーよりもバンドギャップエネルギーの大きい)とし、第三層7bをGaPとする)。また、第一層7aと第三層7bとはいずれもp型ドーパントが添加される。p型ドーパントとして、本実施形態のように両層7a,7bともZnを採用することもできるが、MOVPEにて形成される第一層7aのドーパントは、p型クラッド層6側への拡散を生じにくいMg及び/又はCとし、HVPEにて形成される第三層7bのドーパントをZnとしてもよい。
【0069】
以下、図1の発光素子100の製造方法について説明する。
まず、図2の工程▲1▼に示すように、オフアングルを付与したGaAs単結晶基板1を用意する。そして、工程▲2▼に示すように、その基板1の第一主表面MP1に、n型GaAsバッファ層2を例えば0.5μm、次いで、発光層部24として、各々(AlxGa1−x)yIn1−yPよりなる、1μmのn型クラッド層4(n型ドーパントはSi)、0.6μmの活性層(ノンドープ)5、及び1μmのp型クラッド層6(p型ドーパントはMg:有機金属分子からのCもp型ドーパントとして寄与しうる)を、この順序にてエピタキシャル成長させる(第一の気相成長工程)。これら各層のエピタキシャル成長は、公知のMOVPE法により行なわれる。Al、Ga、In(インジウム)、P(リン)の各成分源となる原料ガスとしては以下のようなものを使用できる;
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など;
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など;
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など。
・P源ガス;トリメチルリン(TMP)、トリエチルリン(TEP)、ホスフィン(PH3)など。
【0070】
次に、図3の工程▲3▼では、上記第一の気相成長工程の反応容器内にて引き続き、すでに形成された発光層部24の上に、p型GaPからなる第一層7a(MO層部である)と、電流阻止層をなすn型AldGa1−dP(例えばd=0.2)からなる第二層10’とをMOVPE法により順次形成する。次に、第二層10’の、電流阻止層10として残す部分の表面を、フォトレジスト層30にて覆う。そして、工程▲4▼に進み、塩酸からなる第一のエッチング液によりエッチングすると、第二層10’の、フォトレジスト層30にて覆われなかった部分が選択的にエッチングされる。エッチングが終了したら、洗浄後、フォトレジスト層30を除去する。
【0071】
図4の工程▲5▼に進み、p型GaPよりなる第三層7b(HVPE層部である)を、HVPE法により、電流阻止層10をくるむように成長させる(第二の気相成長工程)。HVPE法は、具体的には、容器内にてIII族元素であるGaを所定の温度に加熱保持しながら、そのGa上に塩化水素を導入することにより、下記(1)式の反応によりGaClを生成させ、キャリアガスであるH2ガスとともに基板上に供給する。
Ga(液体)+HCl(気体) → GaCl(気体)+1/2H2‥‥(1)
GaPの場合、成長温度は例えば640℃以上860℃以下に設定する。また、V族元素であるPは、PH3をキャリアガスであるH2とともに基板上に供給する。さらに、p型ドーパントであるZnは、DMZn(ジメチル亜鉛)の形で供給する。GaClはPH3との反応性に優れ、下記(2)式の反応により、Gaとの間で効率よく、電流拡散層7の要部をなす第三層7bを成長させることができる:
GaCl(気体)+PH3(気体)
→GaP(固体)+HCl(気体)+H2(気体)‥‥(2)
【0072】
図5を用いて既に説明した通り、HVPE法にて電流拡散層7を形成すると、基板1にオフアングルが付与されているにもかかわらず、非常に平滑な層表面を得ることができる。なお、オフアングルが10°以上20°以下(望ましくは13°以上17°以下)の主軸を有するGaAs単結晶基板を用いると、電流拡散層7の表面への振幅の大きな突起状の結晶欠陥が形成抑制に効果があり、また、平滑な表面状態を得るための、HVPE法による電流拡散層7の適正な成長温度を、640℃以上750℃以下(より望ましくは680℃以上720℃以下)に下げることができ、p型クラッド層6及びn型クラッド層4から活性層5へのドーパント拡散を抑制することができ、ひいては発光層部24のドーパントプロファイルの拡散劣化を抑制することができる。
【0073】
第三層7bの成長が終了したら工程▲6▼に進み、別の容器に移し替えて、例えば650〜750℃(例えば700℃)で加熱しながらV族元素化合物(Zn3As2、Zn3P2など)の蒸気を流通させ、真空拡散を行なう。すると、Zn成分が第三層7bの電極形成側部分に追加拡散され、高濃度ドーピング層8が形成される。拡散時間は、高濃度ドーピング層8の形成厚さt2をどの程度にするかに応じて調整される。なお、p型クラッド層6に使用するp型ドーパントは、拡散係数が比較的小さいMg及び/又はCを使用することにより、HVPE法により電流拡散層7を形成する際に、その成長温度への加熱によるp型クラッド層6から活性層5へのp型ドーパントの拡散を抑制することができ、発光強度の向上に寄与する。
【0074】
以上の工程が終了すれば、真空蒸着法により第一電極9及び第二電極20を形成し、さらに第一電極9上にボンディングパッド16を配置して、適当な温度で電極定着用のベーキングを施す。そして、第二電極20をAgペースト等の導電性ペーストを用いて支持体を兼ねた図示しない端子電極に固着する一方、ボンディングパッド16と別の端子電極とにまたがる形態でAu製のワイヤ17をボンディングし、さらに樹脂モールドを形成することにより、発光素子100が得られる。なお、ワイヤ17のボンディングは、カメラにより素子の第一表面を画像撮影し、周知の画像処理方法によりボンディングパッド16領域を識別して、自動ボンディング装置にて行なう。このとき、ボンディングパッド16が配置される電流拡散層7の表面が平滑なので、ボンディングパッド16領域を誤検出する不具合も生じにくい。
【0075】
以下、本発明の発光素子の種々の変形例について説明する(図1の発光素子100と同一構成部分には同一の符号を付与して詳細は省略し、相違点のみ説明する)。図6の発光素子200は、電流阻止層10を、電流拡散層7をなす第一層7a及び第三層7bと同じGaAsP(ただし、導電型はn型)にて構成した例である。この場合は、図3の工程が、図7のように変更される。すなわち、工程▲7▼に示すように、GaPからなる第四層11’をエッチストップ層として形成し、工程▲8▼に示すように、電流阻止層10となるGaAs1−aPa(0.5≦a≦0.9)からなる第二層10’を、例えば硫酸−過酸化水素水混合液を用いて選択エッチングする。さらに工程▲9▼においては、電流阻止層10の周囲に露出している第四層11’をエッチング除去する。電流阻止層10の下側の第四層11は残留する。以降の工程は、図4と同じである。
【0076】
電流拡散層をGaAs1−aPa(0.5≦a≦0.9)、電流阻止層をAldGa1−dP(例えばd=0.2)にて構成する場合、HVPE法によるGaAs1−aPa層(第三層7b)の形成が、前記(2)式において、PH3とともにAsH3が併用され、成長温度が、640℃〜830℃とやや低めに設定される。
【0077】
そして、Znを気相拡散させて高濃度ドーピング層8を形成する際に、電流拡散層がGaAs1−aPaにて形成されていると、GaPと比較して、同じ温度におけるZnの拡散速度が大幅に向上する。例えば、650〜750℃程度の処理温度を採用する場合は、GaPの場合の拡散時間を30〜60%も短縮することができる。また、GabAs1−bPは、上記のようにHVPE法により成長する際の成長温度が低い。従って、発光層部側に、p型のGabAs1−bPからなる電流拡散層をHVPE法により成長する際に、そのp型ドーパント(例えばZn)が発光層部側に過度に拡散したり、あるいは発光層部24に含まれるp型クラッド層6内のp型ドーパントが活性層5内に拡散したりして、発光性能を低下させたりする不具合が、より生じにくい。
【0078】
電流拡散層7を上記のようにGaAsPにて構成する場合、従来のLPE法を採用した場合は、ロット内あるいはロット間での組成のバラツキを生じやすい問題があったが、本発明のようにHVPE法を採用すると、このような組成のバラツキがLPE法よりもはるかに生じにくくなる利点がある。
【0079】
なお、図8の発光素子300に示すように、第四層11’の厚さが1nm以上50nm以下の小さな値とされていれば、電流阻止層(第二層)10の外側に露出している第四層11’をエッチングせずに第三層7bを形成することができる。この場合、電流阻止層10の外側においても、第一層7aと第三層7bとの間には第四層11’が介在形成された構造となる。第四層11’を上記のように極薄く形成することで、バンド不連続等の影響も小さくなり、発光層部24への通電も支障なく行なうことができる。当然、第四層11’のエッチングを省略できるので、工程も簡便である。
【0080】
また、図9の発光素子400は、電流阻止層を省略した構成を示している。この場合も、まず電流拡散層7の発光層部24と接する部分7pをMOVPE法によるMO層部として形成し、電流拡散層7のそれ以外の部分をHVPE法によるHVPE層部として形成するとよい。
【0081】
図10の発光素子500は、電流拡散層7の要部をGaPにより形成し、電流拡散層7の電極形成側部分のみGaAsP層7sとして形成するとともに、そのGaAsP層7s内にZnをドーパントとする高濃度ドーピング層8を、前述の追加拡散により形成した例である。GaAsP内のZnの拡散速度はGaP内よりも大きいので、高濃度ドーピング層8をより短時間にて形成できる。また、HVPE法によると、電流拡散層7の成長途中で組成を変更すること(この場合、GaP→GaAsP)が、V族元素ガス(AsH3及びPH3)の配合比率の変更により、容易に行なうことができる(特にLPE法よりも)。
【0082】
以上のすべての実施形態においては、活性層5は上記実施形態では単一層として形成していたが、これを、バンドギャップエネルギーの異なる複数の化合物半導体層が積層されたもの、具体的には、量子井戸構造を有するものとして構成することもできる。量子井戸構造を有する活性層は、混晶比の調整によりバンドギャップが互いに相違する2層、すなわちバンドギャップエネルギーの小さい井戸層と大きい障壁層とを、各々電子の平均自由工程もしくはそれ以下の厚さ(一般に、1原子層〜数nm)となるように格子整合させる形で積層したものである。上記構造では、井戸層の電子(あるいはホール)のエネルギーが量子化されるため、例えば半導体レーザー等に適用した場合に、発振波長をエネルギー井戸層の幅や深さにより自由に調整でき、また、発振波長の安定化、発光効率の向上、さらには発振しきい電流密度の低減などに効果がある。さらに、井戸層と障壁層とは厚さが非常に小さいため、2〜3%程度までであれば格子定数のずれが許容され、発振波長領域の拡大も容易である。なお、量子井戸構造は、井戸層を複数有する多重量子井戸構造としてもよいし、井戸層を1層のみ有する単一量子井戸構造としてもいずれでもよい。なお、障壁層の厚さは、例えばクラッド層と接するもののみ50nm程度とし、他は6nm程度とすることができる。また、井戸層は5nm程度とすることができる。
【0083】
また、基板1の上に発光層部24をバッファ層2を介して直接形成していたが、基板1と発光層部24との間に、光取出し効率を向上させるために反射層を介挿してもよい。反射層としては、例えば、特開平7−66455号公報に開示されているような、屈折率の相違する半導体膜を複数積層したものを利用することができる。
【0084】
また、図15の発光素子600は、図1の発光素子100のGaAs単結晶基板1をエッチング等により除去し、代わって反射用の金属層102(例えばAu層あるいはAg層である)を介して、導電性基板であるSi基板(Al等の金属板でもよい)を貼り合わせたものである。金属層102と発光層部24との間には、両者の接合抵抗を低減するためのコンタクト層102c(本実施形態ではn型層4と接するAuBe層とされているが、p型層と接する場合はAuGeNi層を使用できる)が分散形成されている。コンタクト層102cの非形成利領域では、金属層102による反射効果が特に高い。また、図16の発光素子100は、図1の発光素子100のGaAs単結晶基板1をエッチング等により除去し、代わって透明導電性基板であるGaP基板103(本実施形態ではn型)を貼り合わせたものである。GaP基板103の側面103Sからの光取出が可能である。本実施形態では、GaP基板103の裏面にコンタクト層120cが分散形成され、該コンタクト層120cの非形成領域とともに、発光層部24に発光駆動電圧を印加するための電極120(例えばAu電極)により覆われている(電極120に換えてAgペースト層を形成してもよい)。
【0085】
図17の発光素子800は、素子基板を兼用した厚膜の電流拡散層90を、発光層部24(n型クラッド層4、活性層5及びp型クラッド層6の積層順は、図1と逆である)の裏面側に成長させた例を示すものである。ここでは、電流拡散層90を、HVPE法によるp型GaPのエピタキシャル成長層としており、その厚さtbは50μm以上200μm以下(例えば100μm)である。GaPは発光層部24からの発光光束に対して透明であり、その側面90sからも光取出が可能となる。本実施形態においては、発光層部24の該光取出面側(p型クラッド層6側)に透光性を有するコンタクト用導電層91が設けられ、電極9及びボンディングパッド16が該コンタクト用導電層91上に設けられている。このコンタクト用導電層91は、例えばGaP、GaAsP、AlGaAs、AlGaInPなどで構成できるが、導電性酸化物で構成してもよい。
【0086】
図17の発光素子800を製造する場合、図2の工程▲2▼を実施した後、発光層部24のGaAs基板1と反対側(p型クラッド層6側)の主表面上に、HVPE法により電流拡散層90を直接厚膜成長させる。その後、GaAs基板1を除去し、その除去された側(n型クラッド層4側)の発光層部24の主表面に、コンタクト用導電層91を、HVPE法によりエピタキシャル成長することができる(例えば、コンタクト用導電層91をGaP、GaAsPで構成する場合)。他方、コンタクト用導電層91をAlGaAsあるいはAlGaInP等で構成する場合のように、GaAs基板1上にコンタクト用導電層91をMOVPE法で成長しておき、さらに発光層部24を成長した後、GaAs基板1を除去するようにしてもよい。なお、AlGaInPにてコンタクト用導電層91を形成する場合、発光層部側のクラッド層(図17ではn型クラッド層4)をなすAlGaInPと同じ混晶比としてもよいし、異なる混晶比としてもよい。同じ混晶比とする場合、クラッド層よりもドーパント濃度を高め、導電性を高めておくことが望ましい。また、異なる混晶比とする場合は、発光層部24の活性層5よりもバンドギャップが大きくなる混晶比を採用することが、透光性を高める観点において望ましい。
【0087】
なお、図16の発光素子700及び図17の発光素子800においては、GaP基板103ないし電流拡散層90の裏面には、コンタクト層120c(図16では、n型GaP基板103と接するAuBe層であり、図17では、p型GaPからなる電流拡散層90と接するAuGeNi層である)が分散形成されている。本実施形態では、このコンタクト層120cが、コンタクト層120cの非形成利領域とともに、発光層部24に発光駆動電圧を印加するための電極120(例えばAu電極)により覆われている(電極120に換えてAgペースト層を形成してもよい)。これにより、コンタクト層120cの非形成利領域では、電極120による反射効果を高めることができる。
【0088】
図11は、<100>方向を基準方向として、該基準方向に対するオフアングルが2゜である主軸を有したGaAs単結晶基板1上に、図1と同様の積層構造の発光層部24及び電流拡散層7の第一層7aをMOVPE法により形成し、電流拡散層7の第三層7bをHVPE法にて形成した発光素子の、電流拡散層7側の表面を示すものである。平滑で良好な表面状態が得られていることがわかる。他方、図12は、電流拡散層7の第三層7bをLPE法にて形成した発光素子の、電流拡散層7側の表面を示すものであるが、ファセットに起因した大きな凹凸が見られ、電極形成して素子化することは事実上不可能であった。
【0089】
一方、以下のような実験も行った。
すなわち、図1における第一電極9、ボンディングパッド16および電極ワイヤ17を除いた形の発光素子の製造を行なった。また、電流拡散層7の形成厚さを10μm、電流阻止層10の厚さを0.1μmとした。また、比較のため、電流拡散層7の全体をMOVPE法により形成した発光素子も製造した。
【0090】
上記発光素子の第一主表面PFにおける、電流阻止層が形成された直上近傍の表面の状態を、該表面に対し垂直方向から光学顕微鏡にて観察することにより評価した。その結果を図13に示す。図13(a)が実施例、図13(b)が比較例の観察結果である。倍率は、いずれも200倍であり、特に、パターンダレした領域は、明度が小さく観察される。
【0091】
図13(b)の比較例においては、電流阻止層エッジに対応した領域(図の点線で囲ったA領域)に、パターンダレによる大きな段差に基づく強いコントラストが観測される。また、その段差領域には、多数の結晶欠陥パターンも見られる。一方、図13(a)に示す実施例でも、電流阻止層エッジに対応したA領域のコントラストは小さく、段差の程度は小さい。また、結晶欠陥パターンもほとんどみられない。すなわち、電流拡散層をHVPE法にて形成した場合、電流阻止層エッジに対応した表面領域が、MOVPE法で形成したものに比べて格段に平滑であり、結晶欠陥も少ないことがわかる。
【0092】
次に、図1の発光素子を製造するためのダイシング前の基板を、各層が以下の厚さとなるように形成した。なお、使用したGaAs単結晶基板は、<100>方向を基準方向として、該基準方向に対するオフアングルを2°以上20°以下の範囲で種々に設定したものを用いている。
・p型AlGaInPクラッド層6=1μm(Mgドーピング濃度:1×1017〜3×1017/cm3);
・AlGaInP活性層5=0.6μm(発光波長650nm)(ノンドープ);
・n型AlGaInPクラッド層4=1μm(Siドーピング濃度:4×1017〜10×1017/cm3);
・電流拡散層7:5〜50μm
・電流阻止層10:0.1μm。
【0093】
なお、HVPE法による電流拡散層7の形成厚さは5μm以上50μm以下の値にて種々に設定し、成長温度は640℃以上840℃以下の範囲で種々に設定した。得られた基板は、電流拡散層7の表面を光学顕微鏡により観察するとともに、平面外径20μm以上の粗大な突起状結晶欠陥の、単位面積当たり個数を計数した(判定条件を表下に示している)。該結果を表1にまとめて示す。
【0094】
【表1】
【0095】
この結果によると、オフアングルが10°以上20°以下の範囲では、電流拡散層7の成長温度を790℃以下の比較的低温に設定した場合でも、電流拡散層7の表面における突起状結晶欠陥の形成個数を顕著に減少でき、平滑で良好な層表面が得られていることがわかる。特に、オフアングルを、13゜以上17°以下の範囲内の値である15°に設定したとき、電流拡散層7の成長温度を690℃ないし640℃まで下げても、突起状結晶欠陥の形成抑制効果はあまり損なわれていないことがわかる。また。図14は、各オフアングルでの、電流拡散層7の表面状態が最適化される下限温度において、種々の厚さにGaP電流拡散層をHVPE法により成長したときの、発光層部24のメサ輝度(特開昭51−144185号公報参照)の測定結果を示すものである。通常、電流拡散層7の厚さが大きくなるほど電流の面内拡散効果が高められ、発光層部24に電流を均一供給できるので、メサ輝度は該電流拡散層7の厚さとともに増加する。しかし、電流拡散層の成長厚さがある程度大きくなれば、その成長の熱履歴に発光層部24が曝される時間が長くなり、ドーパントプロファイルの拡散劣化が進行して、メサ輝度の増加傾向は鈍ることになる。図14の結果によると、オフアングルを15°に設定した場合、表1の結果からも明らかな通り、電流拡散層7の表面状態が最適化される下限温度は690℃であり、オフアングルが2°である場合の840℃よりも150℃も低い。その結果、電流拡散層7の厚さに対するメサ輝度の増加率の鈍りが小さく、特に電流拡散層7を25μm以上に設定したときのメサ輝度の相対値は、オフアングルが2°の場合よりも、10〜40%近くも増大していることがわかる。また、図14には、比較のため、オフアングルが15°で、成長温度を890℃に設定した場合も結果も示しているが、この場合は電流拡散層膜厚に対するメサ輝度の増加率の鈍りが相当大きくなっている。つまり、オフアングルが15°で成長温度を690℃とした場合に良好な結果が得られている要因は、成長温度の低減によりドーパントプロファイルの拡散防止が図られているためであることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発光素子の一例を積層構造にて示す模式図。
【図2】 図1の発光素子の製造工程を示す説明図。
【図3】 図2に続く説明図。
【図4】 図3に続く説明図。
【図5】 単結晶基板のオフアングルの有無に基づく、HVPE法とLPE法との相違点を対比して示す模式図。
【図6】 図1の発光素子の、第一の変形例を示す図。
【図7】 図6の発光素子の製造工程の、図3の工程との相違点を抜き出して示す説明図。
【図8】 図1の発光素子の、第二の変形例を示す図。
【図9】 図1の発光素子の、第三の変形例を示す図。
【図10】 図1の発光素子の、第四の変形例を示す図。
【図11】 電流拡散層をHVPE法にて形成した発光素子の外観写真。
【図12】 電流拡散層をLPE法にて形成した発光素子の外観写真。
【図13】 電流阻止層エッジ付近の電流拡散層表面形態を、HVPE法とMOVPE法とで比較して示す外観写真。
【図14】 GaAs単結晶基板のオフアングルを種々の値に設定したときの、メサ輝度と電流拡散層厚さとの関係を測定した実験結果を示すグラフ。
【図15】 図1の発光素子の、第五の変形例を示す図。
【図16】 図1の発光素子の、第六の変形例を示す図。
【図17】 図1の発光素子の、第七の変形例を示す図。
【符号の説明】
1 単結晶基板
4 n型クラッド層(第二導電型クラッド層)
5 活性層
6 p型クラッド層(第一導電型クラッド層)
7 電流拡散層
7a 第一層
7b 第三層
8 高濃度ドーピング層
9 第一電極
10 電流阻止層
10’ 第二層
11 第四層
24 発光層部
100 発光素子[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a light emitting device.InRelated.
[0002]
[Prior art]
(AlxGa1-x)yIn1-yA light emitting device having a light emitting layer portion formed of P mixed crystal (where 0 ≦ x ≦ 1, 0 ≦ y ≦ 1; hereinafter also referred to as AlGaInP mixed crystal or simply AlGaInP) has a thin AlGaInP active layer, By adopting a double hetero structure sandwiched between an n-type AlGaInP clad layer and a p-type AlGaInP clad layer having a larger band gap, a high-luminance device can be realized.
[0003]
For example, taking an AlGaInP light emitting device as an example, an n-type GaAs buffer layer, an n-type AlGaInP cladding layer, an AlGaInP active layer, and a p-type AlGaInP cladding layer are formed in this order in a heterogeneous form on an n-type GaAs substrate. The light emitting layer part which laminates | stacks and makes a double hetero structure is formed. Energization of the light emitting layer portion is performed via a metal electrode formed on the element surface. Here, since the metal electrode functions as a light shield, it is formed, for example, so as to cover only the central portion of the main surface of the light emitting layer portion, and light is extracted from the surrounding electrode non-formation region.
[0004]
In this case, reducing the area of the metal electrode as much as possible can increase the area of the light leakage region formed around the electrode, which is advantageous from the viewpoint of improving the light extraction efficiency. Conventionally, attempts have been made to increase the light extraction amount by effectively spreading the current in the element by devising the electrode shape, but in this case also the increase in the electrode area is unavoidable anyway, the light leakage area On the contrary, it falls into a dilemma where the amount of light extraction is limited by the decrease. In addition, the carrier concentration of the dopant in the clad layer, and thus the conductivity, is kept somewhat low in order to optimize the light emission recombination of carriers in the active layer, and the current tends not to spread in the in-plane direction. . This leads to concentration of current density in the electrode coating region, and a substantial light extraction amount in the light leakage region is reduced. Therefore, a method of forming a low resistivity current diffusion layer with an increased carrier concentration between the clad layer and the electrode is employed. On the other hand, a configuration in which a thick current diffusion layer is disposed on the back side of the element and also serves as an element substrate is conceivable (in this case, the current diffusion layer can also be regarded as a conductive element substrate, This is also considered to belong to the concept of current spreading layer in a broad sense). Conventionally, such a current diffusion layer is often formed by a metal organic vapor phase epitaxy (hereinafter also referred to as MOVPE method) together with a light emitting layer portion.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In order to sufficiently spread the current in the in-plane direction, the current diffusion layer in the light emitting element as described above is generally formed with a certain layer thickness, for example, with a larger thickness than the light emitting layer portion. Is. However, the MOVPE method has a low layer growth rate, and it takes a very long time to grow a current diffusion layer having a sufficient thickness. This causes a problem that the manufacturing efficiency is lowered and the cost is increased. Moreover, the organic metal used for the MOVPE method as a group III element source is generally expensive. Further, in the MOVPE method, in order to improve the crystallinity, a group V element source (AsH) is used with respect to a group III element source.3, PH3Etc.) must be blended at a considerably large ratio (10 to several hundred times), which is disadvantageous in terms of cost.
[0006]
In addition, H (hydrogen) and C (carbon) from organometallic molecules tend to remain in the current diffusion layer grown by the MOVPE method. When the conductivity type of the current spreading layer is changed to p-type by doping with Zn (zinc) or Mg (magnesium), particularly the remaining H is combined with Zn or Mg (especially Zn), and the acceptor activity is lowered. It is known that a relatively large amount of Zn or Mg needs to be added in order to ensure the necessary conductivity for the current spreading layer. However, when Zn or Mg is added in a large amount, the following problems occur.
[0007]
That is, as the light emitting element continues to be energized, the light emission luminance gradually decreases. For example, when the emission luminance measured immediately after starting to energize the element with a constant current is used as the initial luminance, and the emission luminance that decreases as the cumulative energization time elapses is traced, the emission luminance reaches a predetermined limit luminance. The ratio of the luminance after elapse of the evaluation energization time with respect to the initial luminance when the time or the evaluation energization time is fixed at a constant value (for example, 1000 hours) (hereinafter referred to as element life) is for evaluating the element life. It can be a certain scale. If the Zn content concentration in the current diffusion layer, particularly in the portion adjacent to the light emitting layer portion, becomes too high, the device life tends to decrease.
[0008]
The present invention provides a method for manufacturing a light emitting device capable of efficiently forming a current spreading layer.TaskAnd
[0009]
[Means for solving the problems and actions / effects]
the aboveofIn order to solve the problem, a method for manufacturing a light-emitting device of the present invention includes:
In a method for manufacturing a light-emitting element, a light-emitting layer portion, a current diffusion layer, and an electrode for applying a light-emission driving voltage to the light-emitting layer portion are formed in this order on a single crystal substrate. ,
A single crystal substrate having an off-angle is used,
A first vapor phase growth step of forming a light emitting layer portion made of a mixed crystal compound semiconductor containing two or more group III elements on the single crystal substrate having the off-angle by a metal organic vapor phase growth method;
A second vapor phase growth step by a hydride vapor phase growth method for forming a current diffusion layer, which is performed after the formation of the light emitting layer portion,
The light emitting layer portion contains two or more group III elements (Al x Ga 1-x ) y In 1-y To the double in which the first conductivity type cladding layer, the active layer and the second conductivity type cladding layer constituted by P (where 0 ≦ x ≦ 1, 0 <y ≦ 1) are laminated in this order from the electrode side It has a terror structureIt is characterized by that.
[0010]
[0011]
In the method for producing a light emitting device of the present invention, a light emitting layer portion composed of a mixed crystal compound semiconductor containing two or more Group III elements (hereinafter referred to as “mixed crystal light emitting layer portion” or simply “light emitting layer portion”), Growing by metal organic vapor phase epitaxy (MOVPE method). In this case, it is assumed that a single crystal substrate having an off-angle is used. In this specification, “having an off-angle” means that the crystal main axis of the single crystal substrate on which the compound semiconductor layers are stacked is inclined at a certain angle with respect to a reference direction defined as <100> or <111>. Say something.
[0012]
When growing a mixed crystal light emitting layer by the MOVPE method, using a substrate that does not have an off-angle as described above, group III atoms are not randomly distributed in the mixed crystal, and the atomic arrangement is undesirably ordered. And uneven distribution may occur. Such an ordered or biased region has a band gap energy different from that of the originally expected mixed crystal semiconductor, resulting in a distribution in the band gap energy of the entire crystal, resulting in an emission spectrum profile or center. This leads to wavelength variations. However, by imparting an appropriate off-angle to the single crystal substrate, the ordering and bias of the group III elements as described above are greatly reduced, and a light-emitting element with uniform emission spectrum profile and center wavelength can be obtained. .
[0013]
Then, a current diffusion layer made of a III-V compound semiconductor is formed on the mixed crystal light emitting layer grown by the MOVPE method, and this is referred to as a hydride vapor phase epitaxy method (hereinafter referred to as HVPE method). ). In the HVPE method, Ga (gallium) having a low vapor pressure is converted into GaCl which is easily vaporized by reaction with hydrogen chloride, and a group V element source gas and Ga are reacted in a form mediated by the GaCl. This is a method for performing vapor phase growth of a group V compound semiconductor layer. The layer growth rate by the MOVPE method is about 4 μm / hour, whereas the layer growth rate by the HVPE method is about 9 μm / hour. According to the HVPE method, the layer growth rate can be increased as compared with the MOVPE method, and there is a current diffusion layer that requires a certain amount of thickness. Since it can be formed with very high efficiency, the raw material cost can be kept much lower than that of the MOVPE method. Furthermore, when a single crystal substrate with an off-angle is used, the current diffusion layer surface that is finally obtained is almost free from facets and surface roughness due to crystals, and thus has excellent smoothness. Is obtained. Further, in the HVPE method, an expensive organic metal is not used as a group III element source, but a group V element source (AsH with respect to a group III element source).3, PH3Etc.) is much smaller (for example, about 1/3 times), which is advantageous in terms of cost.
[0014]
In addition, an electrode for applying a light emission driving voltage to the light emitting layer portion is formed on the main surface opposite to the light emitting layer portion of the current spreading layer. When the surface of the current diffusion layer is smoothed by using the single crystal substrate provided with an off-angle, the adhesion with the electrode formed on the current diffusion layer is also improved. Further, when the wire is automatically bonded to the electrode by using image processing, erroneous detection of an image due to surface roughness is reduced, and as a result, the efficiency in the wire bonding process is improved and the yield is also improved.
[0015]
Incidentally, as a conventional technique that focuses only on improving the growth rate of the current diffusion layer, there is a method for manufacturing a light emitting element disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 5-275740. In this publication, a vapor phase epitaxial growth method (hereinafter referred to as VPE method) and a liquid phase epitaxial growth method (hereinafter referred to as LPE method) are disclosed in parallel as methods for growing a current spreading layer. No disclosure is made about the superiority or inferiority of both methods. Further, there is no disclosure regarding the use of a single crystal substrate provided with an off-angle for ordering group III elements in the light emitting layer portion and preventing bias. Furthermore, there is no disclosure what kind of VPE method the VPE method is specifically (the MOVPE method is also a kind of VPE method).
[0016]
However, when the present inventors examined in detail the difference between the VPE method and the LPE method when using a single crystal substrate having an off-angle, the following became clear. That is, as shown in FIG. 5, when a substrate having no off-angle is used, the surface of the current diffusion layer obtained is relatively smooth regardless of whether the VPE method or the LPE method is used. It is done. However, since the emission wavelength varies due to the above-described ordering, a good light emitting element cannot be obtained by using either the VPE method or the LPE method. On the other hand, as described above, when a single crystal substrate with an off-angle is used, the facet and surface roughness considered to be caused by the off-angle are extremely severe in the LPE method. As a result of the large bias, only those that are not applicable to the manufacture of light emitting devices can be obtained. Even if it can be used, when the wire is automatically bonded to the electrode using image processing, erroneous detection of an image due to surface roughness frequently occurs, leading to a reduction in efficiency and yield in the wire bonding process. That is, in the present invention, by using a single crystal substrate provided with an off-angle in order to ensure the light emission performance of the mixed crystal light emitting layer part, and by daringly adopting the HVPE method as a method for growing the current diffusion layer, It became possible for the first time to obtain a current spreading layer.
[0017]
In particular, the material of the current spreading layer is GaAs1-aPaEmploying (0 ≦ a ≦ 1) is advantageous in that growth by the HVPE method is easy and it is easy to obtain a high-quality current diffusion layer. In the present invention, GaAs1-aPaSince (0 ≦ a ≦ 1) includes the case where the GaP mixed crystal ratio a is 1, it includes the concept of GaP. On the other hand, since the case where the GaP mixed crystal ratio a is 0 is included, GaAs is also included as a concept. However, since GaAs has a smaller band gap than GaP, absorption with respect to the luminous flux from the light emitting
[0018]
In the present invention, since the current diffusion layer is grown by the HVPE method, unlike the MOVPE method, H and C are unlikely to remain. Therefore, the current spreading layer is a p-type GaAs in which the dopant is Zn and / or Mg.1-aPaWhen the layer is formed as a (0 ≦ a ≦ 1) layer, there is almost no fear that the added Zn and / or Mg is combined with H to reduce the acceptor activity. This means that the amount of Zn and / or Mg added to ensure the required electrical conductivity can be kept much smaller compared to the current spreading layer by the MOVPE method. As a result, Zn and / or Alternatively, the aforementioned device life can be significantly improved by reducing the Mg content concentration. This effect is particularly remarkable when Zn is used as a dopant. The H concentration of the current diffusion layer formed by the HVPE method (hydride vapor phase epitaxy) is, for example, 7 × 1017/ Cm3Can be kept below and below the detection limit (eg 1 × 1017/ Cm3Degree or less) is also relatively easy. That is, the H concentration of the portion formed by the hydride vapor phase growth method of the current diffusion layer is 7 × 10.17/ Cm3It can be as follows. Note that p-type GaAs with Zn and / or Mg as a dopant.1-aPaThe current diffusion layer composed of (0 ≦ a ≦ 1) layers suppresses light absorption and improves light extraction efficiency, so that the band gap energy is larger than the light energy corresponding to the peak emission wavelength of the light emitting layer portion. In addition, it is desirable to select the GaP mixed crystal ratio a.
[0019]
The carrier concentration of Zn and / or Mg in the current spreading layer is, for example, 1 × 1017/
[0020]
In the present invention, since the current spreading layer is grown by the HVPE method having a high growth rate, a current spreading layer of 20 μm or more which is difficult to grow within the practical time range can be obtained with relatively high efficiency. There is. In particular, if the current diffusion layer is grown to a thickness of 50 μm or more, the current diffusion layer can also be used as an element substrate. In this case, the current diffusion layer also serving as the element substrate may be disposed on the light extraction surface side of the light emitting layer portion (in this case, only a partial region of the main surface of the current diffusion layer is covered with the electrode). ), May be arranged on the back side.
[0021]
When arranged on the back surface side, a contact layer that partially covers the back surface of the current diffusion layer having translucency with respect to light from the light emitting layer portion can be formed. In addition, the contact layer can be covered with a metal electrode also serving as a reflective layer, covering the contact layer together with the non-formation region of the contact layer on the back side of the current diffusion layer. In this case, the contact layer plays a role of reducing the junction resistance between the metal electrode and the current diffusion layer. On the other hand, the contact layer can be covered with a metal paste layer such as an Ag paste together with the non-formation region of the contact layer on the back surface side of the current diffusion layer. In any aspect, the reflection effect of the emitted light beam by the metal electrode or the metal paste layer can be enhanced particularly in the non-contact region of the contact layer.
[0022]
If the thickness of the current spreading layer exceeds 200 μm, the growth time becomes considerably long even if the HVPE method is used, which may lead to a decrease in manufacturing efficiency. From such a viewpoint, it is desirable that the formation thickness of the current diffusion layer (formed in the second vapor phase growth step) be 200 μm or less. However, if the current diffusion layer becomes excessively thin, the current diffusion effect cannot be obtained sufficiently, leading to a decrease in light emission efficiency. Therefore, it is desirable to ensure that the thickness of the current diffusion layer is 5 μm or more. In the case where the current spreading layer is not used as the element substrate, it is desirable to give priority to manufacturing efficiency and keep the formation thickness below 50 μm. In particular, when the growth temperature is relatively high (for example, 800 ° C. or higher), it is not possible to expect a significant increase in light emission intensity even if the thickness of the current diffusion layer is increased to 50 μm or more. It can be said that it is desirable to keep it less than, desirably 20 μm or less. On the other hand, as will be described later, the growth temperature of the current diffusion layer by the HVPE method can be significantly reduced by optimizing the off-angle of the single crystal substrate for growth. In this case, light emission is achieved by increasing the thickness of the current diffusion layer. The strength can be further improved, and a layer thickness setting of 50 μm or more may be effective.
[0023]
In the surface layer portion including the main surface on the side where the electrode of the current spreading layer is formed, a dopant-containing concentration for generating majority carriers (for example, when the current spreading layer is p-type, the aforementioned Zn and / or It is desirable to form a high-concentration doping layer in which the concentration of p-type dopants such as Mg is higher than the remaining portion in the current diffusion layer. By forming such a high concentration doping layer, the in-plane diffusion effect of the current in the surface layer portion of the current diffusion layer is enhanced, and a sufficient current diffusion effect is obtained. In addition, since the dopant concentration is not increased over the entire layer, but only the surface layer is selectively increased, the above-described device life reduction due to excessive dopant concentration (particularly, Zn is p-type). When used as a dopant), light scattering loss due to majority carriers is less likely to occur. In particular, when the thickness of the current spreading layer is set to 20 μm or less, the effect of providing the high concentration doping layer is great.
[0024]
In the present invention, since the current diffusion layer is formed by the HVPE method, it is efficient to form the highly doped layer as follows. That is, in the second vapor phase growth step, a dopant gas is supplied together with the source gas of the III-V compound semiconductor to form a current diffusion layer, and after the second vapor phase growth step, the dopant is applied from the surface of the current diffusion layer. Is diffused to form a high-concentration doping layer. This additional diffusion can also be performed by vapor phase diffusion using a dopant gas. In this case, subsequent to the growth of the current diffusion layer by the HVPE method, an additional diffusion process for forming the high-concentration doping layer can be easily performed by a vapor phase diffusion process such as vacuum diffusion, which is efficient.
[0025]
The merit of forming the high-concentration doped layer is that p-type GaAs with Zn and / or Mg as the dopant.1-aPaThis is particularly remarkable when the current diffusion layer is formed by (0 ≦ a ≦ 1: the band gap energy is larger than the light energy corresponding to the peak emission wavelength of the light emitting layer portion). That is, in the present invention, since the current diffusion layer is grown by the HVPE method, the amount of Zn or Mg (particularly Zn) that is inactivated by bonding with H is small, and the amount of Zn or Mg added from the beginning is reduced. be able to. As a result, the Zn or Mg concentration margin up to the limit amount that causes a decrease in device life or the like is large, and even if a high concentration doping layer is formed, the influence on the device life or the like can be essentially kept small. GaAs1-aPaAmong them, Zn has a higher diffusion rate than Mg. Therefore, when forming the high-concentration doping layer by additional diffusion, it is more efficient to use Zn because the high-concentration doping layer having the required thickness can be formed in a shorter time. In addition, when forming the HVPE layer part formed by the hydride vapor phase epitaxy method in the current spreading layer, the HVPE layer part has a dopant containing concentration on the main surface side close to the light emitting layer part, and a dopant containing concentration of the p-type cladding layer. If the concentration is set lower than the concentration, it is possible to more effectively suppress the decrease in element life.
[0026]
Specifically, the carrier concentration of Zn and / or Mg in the current diffusion layer is 2 × 10 4 in the high concentration doping layer.18/
[0027]
On the other hand, in portions other than the high-concentration doping layer in the current diffusion layer, the carrier concentration of Zn and / or Mg is 1 × 10 6.17/
[0028]
Note that if the current spreading layer is made of GaP, GaP has a relatively wide band gap, so that even when light having a short emission wavelength is emitted from the light emitting layer portion, light absorption hardly occurs. Therefore, there is an advantage in securing the light extraction efficiency, and there is an advantage that the material selection range of the light emitting layer portion when the light absorption suppression is taken into consideration can be widened.
[0029]
On the other hand, GaAs mixed with GaAs1-aPaIf the current spreading layer is constituted by the above, the following advantages are produced. That is, when a high-concentration doped layer is formed by the above-described additional diffusion treatment using Zn as a dopant, the diffusion rate of Zn is higher than that in GaP.1-aPaThe inside is larger and a high-concentration doping layer having a required thickness can be formed in a short time. For this purpose, GaAs1-aPaIs adopted, the GaP mixed crystal ratio a is preferably set in the range of 0.5 or more and 0.9 or less so as to be larger than the band gap corresponding to the desired emission wavelength. However, if the GaP mixed crystal ratio a exceeds 0.9, the mixed crystal ratio of GaAs becomes too small, and the Zn diffusion promoting effect may not be sufficiently obtained.
[0030]
In addition, the electrode forming side portion of the current diffusion layer is a high GaAs mixed crystal ratio GaAs having a GaAs mixed crystal ratio 1-a larger than that of the other portion.1-aPa(0 ≦ a <1) layer and the high GaAs mixed crystal ratio GaAs1-aPaWhen a high-concentration doped layer using Zn as a dopant is formed in the layer, a high GaAs mixed crystal ratio GaAs1-aPaSince the Zn diffusion rate in the layer can be increased, the high-concentration doping layer can be formed more efficiently. For example, even when the main part of the current diffusion layer is formed of GaP, if only the electrode forming side part is a GaAsP layer, the high concentration doping layer can be formed in a shorter time by the additional diffusion of Zn. High GaAs mixed crystal ratio GaAs1-aPaThe layer is preferably formed to be slightly thicker (about 0.5 μm to 2 μm) than the high-concentration doping layer. When the high-concentration doping layer is formed with a thickness of, for example, 1 μm to 4 μm, a high GaAs mixed crystal ratio GaAs1-aPaThe layer is preferably formed with a thickness of 2 μm to 5 μm.
[0031]
In the present invention, it is not excluded that the current spreading layer is entirely formed by the HVPE method. However, when the current diffusion layer and the portion of the light emitting layer portion in contact with the current diffusion layer are composed of III-V group compound semiconductors having different lattice constants, if the difference in lattice constant is large to some extent, light emission When the current diffusion layer is formed directly on the layer portion by the HVPE method, the crystallinity of the current diffusion layer is lowered, and the light emission performance may be lowered. Therefore, in such a case, the current diffusion layer has an MO layer portion formed by metal organic vapor phase epitaxy at the portion in contact with the light emitting layer portion and an HVPE layer formed at other portions by hydride vapor phase epitaxy. If it is a part, the crystallinity of the current diffusion layer is improved, and as a result, a light emitting element having good light emitting characteristics can be obtained.
[0032]
Next, in the light emitting device of the present invention, a current blocking layer made of a III-V group compound semiconductor having a conductivity type different from that of the current diffusion layer can be embedded in the current diffusion layer. Since the electrode acts as a light shield, when a voltage for driving the element is applied to this electrode, the current density in the element is high near the electrode and lower in the area around the electrode that becomes the light extraction area. The light extraction efficiency tends to decrease. Therefore, if the current blocking layer as described above is embedded in the current diffusion layer, for example, at a position immediately below the electrode of the electrode, the current blocking layer causes the current to be detoured outside the electrode region, thereby increasing the light extraction efficiency. it can. In the present specification, the current blocking layer is considered as not belonging to the current diffusion layer.
[0033]
In this case, a current blocking layer forming step for embedding the current blocking layer is required. In the present invention, at least a portion of the current diffusion layer that covers the current blocking layer on the electrode side is formed by the second vapor phase growth process (that is, HVPE method). When the current blocking layer is buried and formed by forming the current spreading layer portion covering the current blocking layer by the MOVPE method or the LPE method, for example, as shown in FIG. 13B, on the surface of the final current spreading layer, There is a problem that a large level difference in the shape of the current blocking layer is likely to occur with crystal defects. Such steps and crystal defects may cause poor electrical continuity with the electrode, or may cause false detection of the image when the wire is automatically bonded to the electrode using image processing as described above. In some cases, the efficiency and yield of the process may be reduced. However, when the current diffusion layer portion covering the current blocking layer is formed by the HVPE method, for example, as shown in FIG. 13A, such a step or crystal defect hardly occurs and a current diffusion layer having a smooth surface is obtained. Therefore, it is difficult for the above problems to occur.
[0034]
Specifically, the current blocking layer forming step can be implemented as including the following steps.
(1) Third vapor phase growth step: a first layer made of a first-conductivity-type III-V compound semiconductor forming a part of the current diffusion layer and a current blocking layer formed on the light emitting layer. A second layer made of a group III-V compound semiconductor of two conductivity types is sequentially formed by metal organic vapor phase epitaxy (MOVPE method).
{Circle around (2)} Etching step: The remaining second conductive type compound semiconductor layer is etched away with the remaining portion remaining as a current blocking layer.
In the second vapor phase growth step, a hydride vapor phase growth method (in which a third layer made of a group III-V compound semiconductor having the same conductivity type as the first layer is wrapped around the remaining portion after etching of the second layer ( HVPE method).
[0035]
The first layer is a portion of the current spreading layer that serves as a base for the current blocking layer, and the second layer is a portion that forms the current blocking layer. According to the above method, the third vapor phase growth step for forming the first layer and the second layer can be performed by the same MOVPE method in the form following the first vapor phase growth step for forming the light emitting layer portion. It is efficient. When the first vapor growth step and the third vapor growth step are continuously performed in the same growth vessel without taking the substrate out of the vessel, the effect is particularly great.
[0036]
In this case, when the third vapor phase growth step is completed, the substrate needs to be taken out of the vessel and transferred to a vessel for performing the second vapor phase growth step by the HVPE method. At this time, since the first layer and the second layer are exposed to the atmosphere outside the container, the influence of oxidation may be a problem. In addition, when the second layer is chemically etched as will be described later, it is necessary to consider the oxidation received during the etching. In this aspect, both the first layer and the second layer may be formed of a III-V group compound semiconductor that does not contain Al (aluminum), which is an easily oxidizable element. Specifically, the first layer, the second layer, and the third layer are all made of GaAs.1-aPa(0 ≦ a ≦ 1: the band gap energy is larger than the light energy corresponding to the peak emission wavelength of the light emitting layer portion). This is because when the third layer is formed by the HVPE method, GaAs1-aPa(0.ltoreq.a.ltoreq.1) is the easiest to grow and a high-quality one can be obtained. The second layer formed by MOVPE is formed in conformity with GaAs.1-aPa(0 ≦ a ≦ 1) is adopted. Also, the first layer is the same GaAs1-aPa(0 ≦ a ≦ 1: the band gap energy is larger than the light energy corresponding to the peak emission wavelength of the light emitting layer portion), in the third vapor phase growth step, after the first layer is formed by the MOVPE method When shifting to the formation of the second layer, it is not necessary to switch the source gas, and the manufacturing becomes easy. In addition, if the GaP mixed crystal ratio a of each layer is set to be the same, manufacture becomes easier. In addition, since unnecessary band edge discontinuity does not occur, there is no need to worry about a decrease in light emission performance due to this.
[0037]
The second layer and the first layer are the same GaAs1-aPaEven if (0 ≦ a ≦ 1), the conductivity type is reversed. For example, the third layer is p-type GaAs using Zn and / or Mg as a dopant.1-aPaWhen the (0 ≦ a ≦ 1) layer is used, the second layer is an n-type GaAs having Si (silicon) or the like as a dopant.1-aPa(0 ≦ a ≦ 1) layer. In this case, the type of dopant in the current spreading layer may be different between the first layer by the MOVPE method and the third layer by the HVPE method. For example, when the third layer dopant is Zn, it is possible to use Mg instead of Zn in addition to Zn as the first layer dopant.
[0038]
GaAs1-aPaWhen the dopant of the first layer made of (0 ≦ a ≦ 1) is Mg, GaAs1-aPaSince the diffusion rate of Mg in the inside is small, it is difficult to cause a problem that Mg in the first layer is reversely diffused toward the light emitting layer portion to deteriorate the light emission characteristics. In addition, it is more advantageous to form a high-concentration doping layer in the third layer in contact with the first layer in order to enhance the current diffusion effect. When this high-concentration doped layer is formed by additional diffusion of Zn, the dopant content in the portion other than the third high-concentration doped layer, that is, the portion in contact with the first layer is set to 1 × 1017/
[0039]
Next, as a method for etching the second layer in the etching step, vapor phase etching may be performed, but chemical etching using an etching solution is simple and efficient, and can be suitably employed in the present invention. For this chemical etching, it is preferable to use a chemical etching that has a higher etching activity for the second layer than that for the first layer and can selectively etch only the second layer. However, when the first layer and the second layer are made of the same material compound semiconductor, it is not easy to obtain an etching solution having a significant etching activity difference with respect to the first layer and the second layer. If etching is unavoidably performed using a solution having a small difference in etching activity, the selective etching ability is insufficient, and a problem that etching influences greatly to the first layer occurs.
[0040]
In such a case, a fourth layer made of a III-V group compound semiconductor, which is made of a different material for both layers, is interposed between the first layer and the second layer, and the fourth layer is formed in the etching step. It is effective to chemically and selectively etch the second layer with the first etchant as the etch stop layer. In other words, if a fourth layer having a different material from that of the second layer is formed as a base of the second layer, an appropriate etching solution is used for the first layer and the second layer having the same material. If the second layer and the fourth layer are made of different materials, an etchant having appropriate selective etching properties can be easily found even if the material is not found. By using such an etching solution as the first etching solution, the fourth layer acts as an etch stop layer in the etching process, and the second layer can be easily and selectively etched. In addition, the fourth layer remains directly under the portion remaining as the current blocking layer of the second layer without being etched, but the remaining portion is generated in the portion where the current is blocked by the current blocking layer. Has no effect.
[0041]
This fourth layer is preferably formed of a III-V compound semiconductor that does not contain Al. That is, when the second layer is selectively etched with the first etchant, if the fourth layer serving as the etch stop layer contains Al, the etchant and Al react to react with the insulating Al oxide layer. May be formed. As will be described later, when the third layer is formed by etching away the exposed portion of the fourth layer with the second etchant, the Al oxide layer hinders the etching. In addition, when the third layer is formed while leaving the fourth layer, the series resistance is increased by the Al oxide layer, and the epitaxial growth of the third layer on the fourth layer may be hindered. Either of these leads to deterioration of the light emission characteristics.
[0042]
For example, the second layer is made of AldGa1-dP (0 <d ≦ 1) or (AlbGa1-b)cIn1-cWhen forming with P (0 <b ≦ 1; 0 ≦ c ≦ 0.5), the first layer is made of GaAs.1-aPaFor example, hydrochloric acid is used as the etching solution for the second layer. Then, the second layer can be selectively etched with respect to the first layer without any problem even without providing the fourth layer. However, when the oxidation of Al contained in the second layer becomes a problem, the second layer is also GaAs.1-aPaIt is effective to form (0 ≦ a ≦ 1). In this case, it is difficult to selectively etch the second layer by chemical etching. For example, GaAs having a GaP mixed crystal ratio larger than that of the second layer.1-bPbWhen the fourth layer formed by (a <b ≦ 1) is interposed, selective etching property is easily imparted between the second layer and the fourth layer. In particular, the second and first layers are GaAs1-aWhen it is made of Pa (0.5 ≦ a ≦ 0.9) and the fourth layer is made of GaP, the etch stop effect by the fourth layer is remarkable. In this case, as the first etchant, for example, sulfuric acid or a mixed solution of sulfuric acid and hydrogen peroxide water is used as an example, so that selective etching of the second layer using the fourth layer as an etch stop layer is effectively performed. Can be done.
[0043]
The thickness of the fourth layer is desirably adjusted to 1 nm or more and 100 nm or less. If the thickness is less than 1 nm, the etch stop effect cannot be sufficiently obtained, and forming it thicker than 100 nm is uneconomical because the etch stop effect is saturated.
[0044]
For example, after the fourth layer is an etch stop layer and the second layer outside is chemically and selectively etched with a first etchant, the fourth layer exposed outside the second layer is replaced with the first layer. As the etch stop layer, the first layer is exposed by chemical selective etching with a second etching solution, and then the third layer is formed in contact with the outside of the first layer by a second vapor phase growth process. Can do. In this way, an unnecessary fourth layer does not remain between the first layer and the third layer forming the current diffusion layer around the second layer remaining as the current blocking layer. Problems such as light absorption are less likely to occur. If the thickness of the fourth layer is set to a small range of 10 nm or more and 50 nm or less, there is almost no influence of light absorption or the like by the fourth layer. It is also possible to form the third layer without etching.
[0045]
The light emitting layer portion contains two or more group III elements (AlxGa1-x)yIn1-yThe first conductive type cladding layer, the active layer and the second conductive type cladding layer configured by P (where 0 ≦ x ≦ 1, 0 <y ≦ 1) apply a light emission driving voltage to the light emitting layer portion. It can be formed as having a double heterostructure laminated in this order from the electrode side. The energy barrier due to the band gap difference between the active layer and the clad layer formed on both sides of the active layer allows the injected holes and electrons to be confined in the narrow active layer and efficiently recombined. Can be realized. Furthermore, a wide range of emission wavelengths can be realized by adjusting the composition of the active layer. The effect of the present invention is more remarkably exhibited when the current spreading layer is a p-type layer using Zn and / or Mg as a dopant. In this case, the first conductivity type cladding layer P-type (AlxGa1-x)yIn1-yIt consists of P.
[0046]
(AlxGa1-x)yIn1-yWhen the light emitting layer portion made of P is a single crystal substrate having no off-angle, the band gap energy is small due to the regularization of the group III atoms (Al, Ga, In) and the uneven distribution. As a result, there is a problem that the emission wavelength tends to vary toward the short wavelength side. For example, in order to solve this problem, a method of compensating for a shift in emission wavelength by increasing the mixed crystal ratio of AlP having a high band gap energy can be considered. However, increasing the mixed crystal ratio of AlP is not desirable because the band structure changes in the direction in which the indirect transition component increases, and the emission intensity tends to decrease. Therefore, (AlxGa1-x)yIn1-yThe light emitting layer portion made of P has the greatest merit of using a single crystal substrate having an off angle, and the effect of the present invention is remarkable.
[0047]
(AlxGa1-x)yIn1-yIn the case where the light emitting layer portion is composed of P, the single crystal substrate is a GaAs single crystal having a main axis whose off angle with respect to the reference direction is 1 ° or more and 25 ° or less with the <100> direction or the <111> direction as the reference direction. It can be a substrate. If the off-angle is less than 1 °, the effect of suppressing variation in the emission characteristics (emission spectrum profile and center wavelength) already described is poor, and if it exceeds 25 °, normal light-emitting layer portion growth becomes impossible. The effect of the present invention is particularly remarkable when a GaAs single crystal substrate having the above main axis with the <100> direction as the reference direction is used.
[0048]
The single crystal substrate is more preferably a GaAs single crystal substrate having a main axis with an off angle of 10 ° to 20 °. When a GaAs single crystal having such a high off-angle is used, the effect of smoothing the surface of the current diffusion layer finally obtained in the second vapor phase growth process using HVPE is further enhanced. As a result of studies by the present inventors, when a single crystal substrate having an off angle of 1 ° or more and less than 10 ° is used, the surface of the current diffusion layer obtained by HVPE has uniform unevenness with a small facet-like amplitude. Although the formation is effectively prevented, there are cases where a large number of crystal defects having a large amplitude remain, which may lead to problems such as erroneous detection in the wire bonding process. However, it has been found that when the off-angle is increased to a range of 10 ° or more and 20 ° or less, the occurrence of such projecting crystal defects can be effectively suppressed.
[0049]
In addition, in order to obtain a current diffusion layer having a smooth and good surface state including prevention of protrusion-like crystal defects, it is also important to consider the process to optimize the growth temperature of the current diffusion layer by the HVPE method. It is a point. One of the important effects is that when the off-angle is set in the range of 10 ° to 20 °, the appropriate growth temperature range of such a current diffusion layer can be lowered to the low temperature side. If the growth temperature of the current diffusion layer can be lowered, the thermal history during the growth of the current diffusion layer applied to the light emitting layer part that forms the base of the current diffusion layer can be reduced, and the dopant that forms the pn junction of the light emitting layer part Difficult to diffuse profiles. In particular, in the case of a light emitting layer portion having a double hetero structure, there is a demand for making the dopant concentration of the active layer as low as possible in order to increase the efficiency of light emission recombination. Therefore, by reducing the growth temperature of the current diffusion layer and suppressing dopant diffusion from the cladding layer side to the active layer side, the internal quantum efficiency of the light emitting device can be increased, and the light emission performance is greatly improved. Can do. In addition, since the thickness of the current diffusion layer can be increased while maintaining the above dopant profile well by reducing the growth temperature, the effect of improving the light emission intensity when the current diffusion layer is increased to a thickness of 50 μm or more. There is also an advantage that becomes particularly significant.
[0050]
When the off-angle is less than 10 ° or the off-angle exceeds 20 °, the effect of preventing the formation of projection-like crystal defects and the effect of lowering the appropriate growth temperature of the current diffusion layer may be insufficient. The off-angle is more preferably set to 13 ° to 17 °.
[0051]
In this case, when the current diffusion layer made of GaAsP is grown by the hydride vapor phase growth method in the second vapor phase growth step, the growth temperature is preferably set to a temperature of 640 ° C. or higher and 750 ° C. or lower. When the growth temperature is 640 ° C. or lower, the effect of smoothing the surface of the current diffusion layer, particularly the effect of suppressing the occurrence of protrusion-like defects cannot be obtained sufficiently. Further, at 750 ° C. or lower, the effect of preventing the diffusion deterioration of the dopant profile of the light emitting layer portion cannot be sufficiently achieved. The growth temperature is more preferably set to 680 ° C. or more and 720 ° C. or less (particularly when the off-angle is 13 ° or more and 17 ° or less). In addition, with such temperature setting, the effect of improving the light emission intensity is particularly remarkable when the current diffusion layer is thickened to 50 μm or more (200 μm or less).
[0052]
[0053]
[0054]
[0055]
[0056]
[0057]
[0058]
[0059]
[0060]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a conceptual diagram showing a
[0061]
The light emitting
[0062]
The
[0063]
In the surface layer portion including the main surface of the
[0064]
The thickness t2 of the high
[0065]
A portion of the
[0066]
The H concentration in the
[0067]
Further, in the
[0068]
In the present embodiment, the
[0069]
Hereinafter, a method for manufacturing the
First, as shown in step (1) in FIG. 2, a GaAs
Al source gas; trimethylaluminum (TMAl), triethylaluminum (TEAl), etc .;
Ga source gas; trimethylgallium (TMGa), triethylgallium (TEGa), etc .;
In source gas; trimethylindium (TMIn), triethylindium (TEIn), etc.
P source gas; trimethyl phosphorus (TMP), triethyl phosphorus (TEP), phosphine (PH3)Such.
[0070]
Next, in step (3) of FIG. 3, the
[0071]
Proceeding to step (5) in FIG. 4, the
Ga (liquid) + HCl (gas) → GaCl (gas) + 1 / 2H2(1)
In the case of GaP, the growth temperature is set to, for example, 640 ° C. or more and 860 ° C. or less. Further, P which is a group V element is PH.3Is the carrier gas H2At the same time, it is supplied onto the substrate. Further, Zn which is a p-type dopant is supplied in the form of DMZn (dimethylzinc). GaCl is PH3The
GaCl (gas) + PH3(gas)
→ GaP (solid) + HCl (gas) + H2(Gas) (2)
[0072]
As already described with reference to FIG. 5, when the
[0073]
When the growth of the
[0074]
When the above steps are completed, the
[0075]
Hereinafter, various modifications of the light-emitting element of the present invention will be described (the same components as those of the light-emitting
[0076]
GaAs current spreading layer1-aPa(0.5 ≦ a ≦ 0.9), the current blocking layer is made of AldGa1-dWhen configured with P (for example, d = 0.2), GaAs by the HVPE method1-aPaThe formation of the layer (
[0077]
When the high-
[0078]
When the current spreading
[0079]
As shown in the
[0080]
Further, the
[0081]
In the
[0082]
In all the above embodiments, the
[0083]
Further, although the light emitting
[0084]
15 removes the GaAs
[0085]
The light-emitting
[0086]
When the
[0087]
In the light-emitting
[0088]
FIG. 11 shows a light emitting
[0089]
On the other hand, the following experiment was also conducted.
That is, a light emitting device having a shape excluding the
[0090]
The state of the surface of the first main surface PF of the light-emitting element in the vicinity immediately above where the current blocking layer was formed was evaluated by observing with an optical microscope from a direction perpendicular to the surface. The result is shown in FIG. FIG. 13A shows the observation result of the example, and FIG. 13B shows the observation result of the comparative example. The magnification is 200 times in all cases, and in particular, the lightness is observed in the pattern sagging region.
[0091]
In the comparative example of FIG. 13B, strong contrast based on a large step due to pattern sagging is observed in a region corresponding to the edge of the current blocking layer (A region surrounded by a dotted line in the figure). A large number of crystal defect patterns are also seen in the step region. On the other hand, also in the embodiment shown in FIG. 13A, the contrast of the region A corresponding to the edge of the current blocking layer is small and the level of the step is small. Further, almost no crystal defect pattern is observed. That is, when the current spreading layer is formed by the HVPE method, the surface region corresponding to the edge of the current blocking layer is much smoother than that formed by the MOVPE method, and there are few crystal defects.
[0092]
Next, a substrate before dicing for manufacturing the light emitting device of FIG. 1 was formed so that each layer had the following thickness. The GaAs single crystal substrate used has a <100> direction as a reference direction and various off-angles with respect to the reference direction set in a range of 2 ° to 20 °.
P-type
AlGaInP
N-type
・ Current diffusion layer 7: 5 to 50 μm
Current blocking layer 10: 0.1 μm.
[0093]
The thickness of the
[0094]
[Table 1]
[0095]
According to this result, when the off-angle is in the range of 10 ° to 20 °, even if the growth temperature of the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram illustrating an example of a light-emitting element of the present invention in a stacked structure.
2 is an explanatory view showing a manufacturing process of the light-emitting element of FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is an explanatory diagram following FIG. 2;
FIG. 4 is an explanatory diagram following FIG. 3;
FIG. 5 is a schematic diagram showing the difference between the HVPE method and the LPE method based on the presence or absence of an off-angle of a single crystal substrate.
6 is a diagram showing a first modification of the light emitting element of FIG. 1. FIG.
FIG. 7 is an explanatory view showing a difference between the manufacturing process of the light emitting element of FIG. 6 and the process of FIG. 3;
FIG. 8 is a diagram showing a second modification of the light emitting element of FIG.
FIG. 9 is a view showing a third modification of the light emitting element of FIG. 1;
10 is a diagram showing a fourth modification of the light emitting element in FIG. 1; FIG.
FIG. 11 is an external view photograph of a light-emitting element in which a current diffusion layer is formed by an HVPE method.
FIG. 12 is an appearance photograph of a light-emitting element in which a current diffusion layer is formed by an LPE method.
FIG. 13 is an external photograph showing the surface form of the current diffusion layer in the vicinity of the edge of the current blocking layer in comparison with the HVPE method and the MOVPE method.
FIG. 14 is a graph showing experimental results obtained by measuring the relationship between mesa luminance and current diffusion layer thickness when the off-angle of the GaAs single crystal substrate is set to various values.
FIG. 15 is a diagram showing a fifth modification of the light-emitting element in FIG. 1;
FIG. 16 is a diagram showing a sixth modification of the light emitting element in FIG. 1;
FIG. 17 is a diagram showing a seventh modification of the light emitting element in FIG. 1;
[Explanation of symbols]
1 Single crystal substrate
4 n-type cladding layer (second conductivity type cladding layer)
5 Active layer
6 p-type cladding layer (first conductivity type cladding layer)
7 Current spreading layer
7a 1st layer
7b 3rd layer
8 High concentration doping layer
9 First electrode
10 Current blocking layer
10 'second layer
11 Fourth layer
24 Light emitting layer
100 light emitting device
Claims (19)
前記単結晶基板はオフアングルを有するものが使用され、
該オフアングルを有する単結晶基板上に、2種以上のIII族元素を含む混晶化合物半導体よりなる発光層部を有機金属気相成長法により形成する第一の気相成長工程と、
前記発光層部の形成後に実施される、前記電流拡散層を形成するためのハイドライド気相成長法による第二の気相成長工程とを有し、
前記発光層部は、2種以上のIII族元素を含む(Al x Ga 1−x ) y In 1−y P(ただし、0≦x≦1,0<y≦1)にて構成される第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層が前記電極側からこの順序にて積層されたダブルへテロ構造を有するものであることを特徴とする発光素子の製造方法。A method for manufacturing a light-emitting element, wherein a light-emitting layer part and a current diffusion layer each made of a III-V group compound semiconductor and an electrode for applying a light-emission driving voltage to the light-emitting layer part are formed in this order on a single crystal substrate In
The single crystal substrate is used having an off-angle,
A first vapor phase growth step of forming a light emitting layer portion made of a mixed crystal compound semiconductor containing two or more group III elements on the single crystal substrate having the off-angle by a metal organic vapor phase growth method;
A second vapor phase growth step by a hydride vapor phase growth method for forming the current diffusion layer, which is performed after the formation of the light emitting layer portion,
The light emitting layer portion is composed of (Al x Ga 1-x ) y In 1-y P (where 0 ≦ x ≦ 1, 0 <y ≦ 1) containing two or more Group III elements . A method of manufacturing a light-emitting element, wherein the one-conductivity-type clad layer, the active layer, and the second-conductivity-type clad layer have a double heterostructure laminated in this order from the electrode side .
前記第二の気相成長工程後において前記電流拡散層の表面から前記ドーパントを追加拡散して前記高濃度ドーピング層を形成する請求項5記載の発光素子の製造方法。In the second vapor phase growth step, a dopant gas is supplied together with a source gas of a III-V compound semiconductor to form the current diffusion layer,
The method for manufacturing a light-emitting element according to claim 5, wherein the high-concentration doping layer is formed by additionally diffusing the dopant from the surface of the current diffusion layer after the second vapor phase growth step.
前記電流拡散層の、前記電極側において該電流阻止層を覆う部分を少なくとも、前記第二の気相成長工程により形成することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載の発光素子の製造方法。A current blocking layer forming step of burying and forming a current blocking layer made of a III-V group compound semiconductor having a conductivity type different from that of the current spreading layer in the current spreading layer;
10. The method according to claim 1, wherein at least a portion of the current diffusion layer that covers the current blocking layer on the electrode side is formed by the second vapor phase growth process. 11. Manufacturing method of light emitting element.
前記発光層部の上に、前記電流拡散層の一部をなす第一導電型のIII−V族化合物半導体よりなる第一層と、前記電流阻止層をなす第二の導電型のIII−V族化合物半導体よりなる第二層とを有機金属気相成長法により順次形成する第三の気相成長工程と、
得られた第二導電型の化合物半導体層を、前記電流阻止層となるべき部分を残して残余の部分をエッチング除去するエッチング工程とを有し、
前記第二の気相成長工程は、前記第一層と同一導電型のIII−V族化合物半導体からなる第三層を、前記第二層のエッチング後の残余部分をくるむように前記ハイドライド気相成長法により形成するものであることを特徴とする請求項10記載の発光素子の製造方法。The current blocking layer forming step includes
A first layer made of a first-conductivity-type III-V compound semiconductor forming part of the current diffusion layer and a second-conductivity-type III-V forming the current blocking layer on the light emitting layer portion. A third vapor phase growth step of sequentially forming a second layer made of a group III compound semiconductor by a metal organic vapor phase growth method;
The obtained second conductive type compound semiconductor layer has an etching step of removing the remaining portion by etching while leaving the portion to be the current blocking layer,
In the second vapor phase growth step, the hydride vapor phase growth is performed so that a third layer made of a group III-V compound semiconductor having the same conductivity type as the first layer is wrapped around the remaining portion after the etching of the second layer. The method of manufacturing a light emitting element according to claim 10, wherein the light emitting element is formed by a method.
前記エッチング工程において、前記第四層をエッチストップ層として前記第二層を化学的に選択エッチングすることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。Between the first layer and the second layer, a fourth layer made of a III-V group compound semiconductor of which both layers are different from each other is formed,
14. The method of manufacturing a light emitting device according to claim 11, wherein in the etching step, the second layer is chemically selectively etched using the fourth layer as an etch stop layer. 15. .
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