JP4060749B2 - 梯子補助器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、梯子補助器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電柱等の円柱状に形成された柱に梯子を立てかける際に使用される梯子補助器が広く知られている。一般に梯子補助器は、その本体に柱を狭持するためのアームを有し、梯子上部に取り付けられる。そして、梯子補助器が取り付けられた梯子は柱に立てかけた後、アームにて柱を狭持する。これによって、梯子の上部は、柱に固定され、梯子は安定した状態で柱に立てかけられる。このような、柱を狭持し梯子を固定するための梯子補助器が種々提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1では、梯子補助器は、その本体に回動自在に取り付けられた2本のアームを有し、両アームは、スプリングによって相互に開くように付勢されている。また、同梯子補助器が柱に押し付けられると、柱の当接面によって両アームの一端が押され、その反力によってアームが回動し、柱を狭持する。これによって、梯子補助器が取り付けられた梯子は、安定して柱に固定することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−270264号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の梯子補助器では、その構造が複雑となり、部品点数が多くなっていた。そのため、材料費及び生産工程がかかり生産コストが高くなっていた。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものである。その目的は、部品点数及び生産工程を減らし、生産コストを低減できる梯子補助器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、梯子に対して取り付けられ、その梯子を柱に対して安定して設置するための一対の基材を備えた梯子補助器であって、前記基材は、前記梯子の一方の支持棒に一端に形成された固定部を固定することにより前記梯子のステップと平行に配置される基部と、前記基部の他端から同基部に対して垂直に延出している連結部と、前記連結部の先端と連設されるとともに円弧状に延出形成されたアーム部とを有し、左右対称に配置された一対の基材を前記連結部が相対向するように連結したことを要旨とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、前記固定部に梯子の支持棒を取り付け、柱に前記アーム部を当接させることによって、梯子を支持し安定して設置することができる。また、前記基部と前記連結部と前記アーム部とを一体形成したことによって、部品点数が少なくなり梯子補助器の構造が簡素化された。その結果、梯子補助器の操作を簡素化することができるので、梯子補助器の操作性を向上させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の梯子補助器において、前記固定部は四角筒状の筒部であり、その筒部に前記支持棒を固定するための固定手段が取着されており、前記連結部に位置調節用の調節手段が取着されたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記固定部は、四角筒状の筒部に形成され、その筒部に支持棒を固定するための固定手段を設けた。従って、前記固定部に梯子の支持棒を挿入した後、固定手段にて固定することによって梯子補助器を梯子に取り付けることができる。また、アーム部を基部の他側に連設された連結部を介して円弧状に延出形成した。従って、アーム部を柱の外周面に沿って当接させ、調節手段によって位置を調節することによって、梯子補助器は、電柱に密着するので、梯子は、より安定して設置することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の梯子補助器において、前記一対の基材のアーム部には、滑り止め手段を設けたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記一対の基材のアーム部には、滑り止め手段を設けた。従って、滑り止め手段によって前記梯子補助器のアーム部は、滑ることがなく柱に当接する。その結果、前記梯子補助器が取り付けられた梯子は、より安定して柱に立てかけることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の梯子補助器において、前記滑り止め手段は、前記一対の基材のアーム部の先端部間に架設したゴム部材であることを要旨とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記滑り止め手段は、前記一対の基材のアーム部の先端部間に架設したゴム部材である。従って、ゴム部材は、安価であるので、前記梯子補助器の材料費を軽減することができる。その結果、前記梯子補助器の生産コストを低減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の梯子補助器を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0023】
図1は、本発明における梯子補助器の概略を説明するための平面図である。図2は、本発明における梯子補助器用基材の概略を説明するための斜視図である。図1に示すように、梯子補助器1は、梯子補助器用基材として一対の基材2を備えている。そして、図2に示すように、前記基材2は、基部3と、前記基部3に連設する連結部4と、同連結部4に支持されるとともに連設されている円弧状のアーム部5とを備えている。また、前記基部3には、その基端部に固定部としての四角形状の筒部6が形成されている。そして、前記基部3の筒部6のアーム部5側の側面には、ネジ穴7が形成されている。また、前記連結部4には、その側面を貫通してネジ穴8が形成されている。さらに、前記アーム部5の先端部には、穴部9が設けられている。
【0024】
次に、前記梯子補助器1の概略について説明をする。前記梯子補助器1では、上述したように、一対の前記基材2を備え、図1に示すように、両基材2を左右対称となるように一方を反転させ並設している。そして、両基材2には、連結部4のネジ穴8を介して、ネジ棒10が挿設され、同ネジ棒10の両端部に取り付けられた調節手段としての蝶ナット11を螺合することによって、両基材2はアーム部5の内側面が相対向するように連結されている。これによって、前記梯子補助器1には、一対の基材2のアーム部5によって、半円弧状の支持部12が形成される。また、前記支持部12は、前記蝶ナット11によって、その支持できる柱のサイズを調整することができる。詳しくは、前記蝶ナット11を緩めると前記支持部12は開き、同支持部12の支持できる柱のサイズを大きくすることができる。また、前記蝶ナット11を締めると前記支持部12は閉じて、同支持部12の支持できる柱のサイズを小さくすることができる。
【0025】
前記支持部12の両端間には、前記アーム部5の先端に形成した穴部9にリング13を介して滑り止め手段及びゴム部材としてのゴム14が架設されている。前記ゴム14は、前記支持部12にて支持された柱を保持するための滑り止めである。
【0026】
一対の前記基材2の筒部6に形成されたネジ穴7には、それぞれに固定手段としての蝶ネジ15が設けられ、取り付け部16が形成されている。この取り付け部16は、梯子の上端部に前記梯子補助器1本体を取り付けるためのものであって、同取り付け部16に梯子が取り付けられると、同蝶ネジ15を締めて梯子を螺合し固定する。
【0027】
本実施形態では、前記基材2は、アルミニウムからなり、同アルミニウムのビレットをダイスから押し出して成形する押し出し加工法によって成形されたものである。また、前記基材2の表面には、陽極酸化皮膜処理がなされている。そして、前記基材2の筒部6は、押し出し加工による同基材2の成形の際に、前記ダイスの形状に基づいて複数の中空部17とともに成形される。また、前記基材2は、中空部17が成形されることによって、可塑性を有するので、同アーム部5からなる支持部12は可塑性を有する。また、本実施形態の基材2は、アルミニウムからなるが、この限りではなく、鉄、プラスチック等の押し出し加工が可能な材料に変更してもよい。
【0028】
以上のように構成された梯子補助器1の作用について、図3〜図5に従って説明する。
図3は、本実施形態における梯子補助器1の作用を説明するための斜視図である。図4は、同梯子補助器1の作用を説明するための側面図である。図5は、同図4における梯子補助器1のA−A線方向の断面図である。
【0029】
図3に示すように、前記梯子20は、左右に一つずつ支持棒21を備え、両支持棒21間には、ステップ22が複数段設けられている。
そして、前記梯子20の上端部(ステップ22の最上段より上の部分)に前記梯子補助器1を取り付ける。まず、蝶ナット11及び蝶ネジ15を緩め取り付け部16の筒部6に前記梯子20の支持棒21を挿入し易くする。そして、前記取り付け部16に前記梯子20の支持棒21をそれぞれ挿入した後、前記蝶ネジ15を締める。これによって、前記梯子補助器1は、前記蝶ネジ15にて前記梯子20の上部に取り付けられる。このとき、あわせて蝶ナット11を調整し締め付けて、予め柱としての電柱30の側面外周より若干大きく合わせて、支持部12の支持できる範囲を調整する。そして、図3に示すように、前記梯子20を電柱30に立てかける。このとき、図4に示すように、前記電柱30には、前記梯子補助器1の支持部12の内側面(アーム部5の側面)が当接する。
【0030】
これによって、前記支持部12は、電柱30を包むように当接するので、前記梯子20は、同電柱30に対して固定することができる。このとき、図5に示すように、前記支持部12に架設されたゴム14は、前記電柱30の外周面によって押され、前記支持部12の内側面と電柱30の外周面の間で圧持される。さらに、前記ゴム14は、前記電柱30の外周面によって押されると、その外周面に沿って撓み、その張力によって同ゴム14は、前記電柱30に密着する。従って、前記電柱30と前記支持部12との間には、前記ゴム14によって摩擦力が働き、滑り止めとなる。これによって、前記梯子補助器1を取り付けた梯子20は、電柱30から滑らず安定して立てかけることができる。また、前記ゴム14は、緩衝性を有するので、同電柱30及び同梯子補助器1の支持部12の表面を保護することとができる。
【0031】
以上のように構成された本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、前記梯子補助器1は、一対の基材2を、左右対称となるように反転させて形成した。従って、前記梯子補助器1では、同じ基材2を用いるので、部品点数を減らすことができた。その結果、材料費及び生産工程を軽減することができるので、生産コストを低減する事ができる。
【0032】
(2)本実施形態では、前記梯子補助器用基材としての基材2は、押し出し加工法によって前記基部3と、前記連結部4、と前記アーム部5とを一体形成させた。従って、各要素3〜5の接続に部品を要さないので部品点数を減らすことができた。その結果、材料費及び生産工程を軽減させることができるので、生産コストを低減することができる。また、押し出し加工法により大量生産することができるので、前記梯子補助器1及び前記梯子補助器用基材2を安価で生産することができる。
【0033】
(3)本実施形態では、前記梯子補助器1は、滑り止め手段として、前記支持部12の両端間に、前記リング13を介してゴム14を架設した。従って、ゴム14は安価であるので、材料費を軽減することができる。また、前記ゴム14は前記リング13を介して設けられているので、簡単に交換することができる。従って、前記ゴム14を定期的に交換することによって、前記ゴム14の経年劣化による滑り止め効果の減少を防ぐことができる。その結果、前記梯子補助器は、使用年数に係わらず前記対象物を安定して狭持することができるので、前記梯子補助器の耐久性を向上することができる。
【0034】
(4)本実施形態では、前記梯子補助器1は、前記蝶ナット11を調整することによって、前記支持部12の支持できる柱のサイズを調整できるように構成した。その結果、前記蝶ナット11を調整することによって、柱に適応して使用することができるので、操作性を向上させることができる。
【0035】
(5)本実施形態では、前記基材2は、アルミニウムから成形させた。従って、前記基材2から形成される前記梯子補助器1は、軽量とすることができた。その結果、前記梯子補助器1は、軽量で扱いやすいので、同梯子補助器1の操作性を向上することができる。
【0036】
(6)本実施形態では、前記基材2には、ダイスの形状に基づいて複数の中空部17を成形した。従って、前記基材2の成形の際に、使用されるアルミニウムを軽減することができる。さらに、前記基材2は、可塑性を備え、軽量化を図ることができた。その結果、使用されるアルミニウムを減らせるので、材料費を軽減らすことができ、生産コストの低減することができる。さらに、可塑性及び軽量化を図ることができたので、前記基材2を用いた梯子補助器1の操作性を向上させることができる。
【0037】
なお、発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
・上記実施形態では、前記支持部12の両端間に滑り止め手段及びゴム部材としてゴム14を架設したが、この限りではなく、例えば、前記支持部12の内側面に滑り止め手段としてゴム等の滑り止め部材を直接設けてもよい。また、押し出し加工による前記基材2の成形の際に、前記アーム部5の内側面に複数の凸部を成形させ滑り止め手段としてもよい。
【0038】
・上記実施形態では、梯子補助器用基材2を押し出し加工法にて形成したが、この限りではなく、例えば、せん断加工法等のプレス加工法にて形成してもよい。
【0039】
・上記実施形態では、柱を電柱30に具体化し前記梯子補助器1を用いたが、この限りではなく、例えば、杉等の背の高い木に登る際に使用してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4に記載の発明によれば、部品点数及び生産工程を減らし、生産コストを低減できる梯子補助器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における梯子補助装置の概略を説明するための平面図。
【図2】 本発明における梯子補助装置用基材の概略を説明するための斜視図。
【図3】 本実施形態における梯子補助装置の作用を説明するための斜視図。
【図4】 同梯子補助装置の作用を説明するための側面図。
【図5】 同図4における同梯子補助装置のA−A線方向の断面図。
【符号の説明】
1…梯子補助器、2…梯子補助器用基材としての基材、3…基部、4…連結部、5…アーム部、6…固定部としての筒部、11…調整手段としての蝶ナット、14…滑り止め手段及びゴム部材としてのゴム、15…固定手段としての蝶ネジ、20…梯子、21…支持棒、30…柱としての電柱。
Claims (4)
- 梯子に対して取り付けられ、その梯子を柱に対して安定して設置するための一対の基材を備えた梯子補助器であって、
前記基材は、前記梯子の一方の支持棒に一端に形成された固定部を固定することにより前記梯子のステップと平行に配置される基部と、
前記基部の他端から同基部に対して垂直に延出している連結部と、
前記連結部の先端と連設されるとともに円弧状に延出形成されたアーム部とを有し、
左右対称に配置された一対の基材を前記連結部が相対向するように連結したことを特徴とする梯子補助器。 - 請求項1に記載の梯子補助器において、
前記固定部は四角筒状の筒部であり、その筒部に前記支持棒を固定するための固定手段が取着されており、
前記連結部に位置調節用の調節手段が取着されたことを特徴とする梯子補助器。 - 請求項1又は2に記載の梯子補助器において、
前記一対の基材のアーム部には、滑り止め手段を設けたことを特徴とする梯子補助器。 - 請求項3に記載の梯子補助器において、
前記滑り止め手段は、前記一対の基材のアーム部の先端部間に架設したゴム部材であることを特徴とする梯子補助器。
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JP2003128335A JP4060749B2 (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 梯子補助器 |
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JP2004332335A JP2004332335A (ja) | 2004-11-25 |
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CN105421991A (zh) * | 2015-11-26 | 2016-03-23 | 国网浙江省电力公司台州供电公司 | 一种绝缘梯专用固定装置 |
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2003
- 2003-05-06 JP JP2003128335A patent/JP4060749B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN105421991B (zh) * | 2015-11-26 | 2017-07-07 | 国网浙江省电力公司台州供电公司 | 一种绝缘梯专用固定装置 |
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