JP4060436B2 - 熱回収装置および使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般にガス状の燃料のバーナーに関する。より特には、本発明はこのようなバーナーを用いてエネルギー効率良く燃料を燃焼させることに関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素燃料のバーナー(oxy−fuel burners)および技術は、ガラス製造、廃棄物の焼却、鋼の再加熱、アルミニウムの溶融、および鉄の溶融のような高温プロセスにおいてますます使用されている。それは、高い熱伝達率、燃料消費の低減(エネルギーの節約)、煙道ガスの低減された量、ならびに、窒素酸化物(NOx )、一酸化炭素(CO)、および粒子のような汚染物質の放出の低減という利益がもたらされるからである。
【0003】
これらの高温プロセスにおいて使用される酸素は、技術的に純粋な酸素(99.99%)か、または純度が80%まで下がる様々なグレードの工業的な酸素であり得る。
【0004】
酸素による燃焼の代わりに空気による燃焼を代用することがもたらす煙道ガスの量の低減にもかかわらず、特に高温プロセスでの煙道ガスにおいて著しい量のエネルギーが失われている。例えば、すべての燃料が純粋酸素とともに燃焼させられて炉の排気での煙道ガスの温度が1350℃のオーダーとなるような酸素燃料によって燃焼する(oxy−fuel fired)ガラス炉においては、燃料の燃焼によって放出されるエネルギーの典型的に30%ないし40%が煙道ガス中で失われる。酸素燃料によって燃焼する炉の運転経済性を改善するために煙道ガスから利用可能なエネルギーをいくらか回収することは有利なことであろう。
【0005】
煙道ガスからエネルギーを回収するための多くの技術が利用可能である。これらの技術は、空気燃料によって燃焼する(air−fuel fired)炉に対して証明されて、または説明されている。以下の議論から明らかになる困難性があるために、同様な技術は酸素燃料の炉に対しては依然として実証する必要がある。
【0006】
ある技術は、煙道ガス中の利用可能なエネルギーを用いて、炉の中に原料を装填する前にこの原料を予熱して乾燥させることからなる。ガラスを溶融させる場合、原料としては、一般にカレット(cullet)と呼ばれるリサイクルされたガラス、比較的高い水分含量を有するバッチ材料と呼ばれる微粉砕された形状の他の薬品および鉱物からなる。バッチ/カレット予熱器内において、煙道ガスと原料との間でエネルギーの交換が行われる。このような装置は一般に入手可能であり、例えばドイツのウェーザイム(Wertheim)にあるジッペ社(Zippe Inc.)から入手することができる。経験によれば、詰まる(plug)傾向があるために、バッチが原材料の50%を上回るものであるときには、この技術を実施することは難しい。このことのために、カレットの大部分を使用する限られた数のガラス溶融作業のみに技術の適用範囲が限られている。この技術の別の欠点は、材料予熱器内において煙道ガスの入口温度が一般に600℃を下回らなければならないことである。1000℃よりも高い温度において煙道ガスが生成される酸素燃料によって燃焼する炉の場合には、材料予熱器の前で煙道ガスを冷却することが必要となる。
【0007】
空気燃料炉のエネルギー効率は、煙道ガスからの利用可能なエネルギーを利用して燃焼空気を予熱するときに大いに改善される。煙道ガスからの熱のいくらかを熱交換器内で燃焼空気に伝達する換熱器(recuperators)、および、燃焼空気を後で予熱するために煙道ガスからの熱のいくらかをセラミックまたは耐熱性材料内に蓄積する再生器は、この目的のために工業界で行われている最も一般的な技術である。このような技術は、極めて反応性の高い高温の酸素を取り扱う危険があるために、酸素燃料によって燃焼する炉の場合には適用するのが難しい。
【0008】
熱化学的なエネルギーの回収(燃料のリフォーミングとしても知られている)が、別の技術である。これは、反応器(リフォーマー)内で燃料を蒸気または二酸化炭素または2つの混合物と反応させて燃料の熱含有量を増加させることと、ならびに、水素(H2 )および一酸化炭素(CO)を含み最初の燃料よりも高い熱含有量を有する燃焼の混合物を生成することからなる。リフォーミング反応は、高温(典型的には900℃)で起こり、吸熱であり、またプロセスに要求される高温のガスを生成しリフォーミング反応のためのエネルギーを供給するために煙道ガスの高温度を利用している。実際には、ガラスプラントでの燃料の消費量は、燃料リフォーミングシステムを設置する高い資本コストを経済的に正当化するほどには高くはない。リフォーマーの複雑さ、および高温のH2 およびCOを取扱うことに関連する安全上の制約が、この技術のさらなる欠点である。酸素燃料炉の場合、煙道ガスからの利用可能なエネルギーは典型的にはすべての燃料をリフォームするには十分ではなく、煙道ガスに加えてさらにエネルギー源が一般的に必要であるが、このことは装置の複雑さに加わるものである。
【0009】
電力および熱を一緒に発生させること(すなわち、高温の煙道ガスを利用して電気と蒸気を同時に発生させる)が、他の技術である。これは、煙道ガスからエネルギーを回収することに利用することができ、また煙道ガスを炉内に再循環させる以外の他の目的に使用する。この取組みの不利な点は、資本コストが非常に高くなる傾向にあることである。しかし、この選択肢は非常に高温の熱を出力する炉(30メガワットを上回る電力をもたらすような炉)に対して実行することができる。
【0010】
環境規制がよりきびしくなっていることに伴い、多くの工業界に対して汚染低減システムの設置が要求されている。これらの装置は、典型的に高温プロセスに使用される酸素燃料炉の排気において見られる非常に高い温度を取扱うことはできない。例えば、酸素燃料で燃焼するガラスタンク炉の出口において、温度は典型的に約1300℃ないし約1450℃である。煙道ガスが汚染低減システム (静電換熱器、または粒状物質から煙道ガスをきれいにする場合のバグハウスであり得る)によって処理され得る前に、ガスを冷却することは非常に好ましいことである。これは一般に、周囲空気によってガスを希釈するかもしくは蒸発して高温のガスと接触する水を噴霧することでガスの冷却をもたらすことによってか、または、これらの技術を組み合わせることによって行われる。空気を用いて希釈することは汚染低減システムによって処理すべきガスの量を増やし、コストを増加させる。水を噴出することは、ガスの露点を上昇させ汚染低減装置を無理やり高温で動作させることになる。これは、煙道ガスの水分の含有量が60重量%もの高さとなり得る酸素燃料によって燃焼する炉に対して特に本当のことである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、要求されるのは、特に酸素燃料バーナーを使用している高温プロセスにおいて、さもなければ大気へと無駄にされる利用可能な熱の少なくとも一部を効率良くかつ比較的低い資本コストで回収し、同時に煙道ガスを冷却する方法および装置(またはシステム)である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、高温の酸化剤、高温の燃料、または両方によって動作する1または複数の酸素燃料バーナーと、煙道ガスのチャネル内に配置された一次の (primary)熱交換器を使用することとを組み合わせる方法および装置が提供される。本明細書で用いられている「酸化剤」という用語は、(工業界で定義されている)純粋酸素または酸素富化空気を意味するために使用される。本明細書で用いられている「プロセスガス」は、燃焼生成物でないすべてのガスを含むガスおよび粒子を参照する。一次の熱交換器は、バーナーで使用される酸化剤、燃料、または両方に高温の煙道ガスからの熱の少なくとも一部を伝達する中間安全流体(intermediate safe fluid)(例えば空気または窒素)を、使用している。一次の熱交換器の機能は、中間安全流体(以下、単に中間流体(intermediate fluid)と言う)に高温の煙道ガスからの熱の少なくとも一部を伝達することである。熱交換器内において煙道ガスのエネルギーを取り除くことは、煙道ガスの量を増やすことなく、またこれらのガスの水分含有量を増やすことなく、煙道ガスを冷却する便利な手段である。ガスを大気へと排出する前に設置することができる汚染低減装置の大きさはより小さくすることができ、また装置のコストをより低くすることができる。そして本明細書で説明しているように、ある程度の中間流体の熱含量が酸化剤、燃料または両方に伝達される。酸素燃料バーナーを用いて、炉内において高温の酸化剤および高温の燃料が燃焼させられる。
【0013】
本発明の最初の側面は、高温の煙道ガスから熱を回収するために好適な装置であって、
(a)高温の中間流体を生じさせ高温の煙道ガスを冷却するために高温の煙道ガス温度を有する高温の煙道ガスと高温の煙道ガス温度を下回る冷たい中間流体温度を有する最初は冷たい中間流体との間で熱を伝達させる少なくとも1つの一次の手段と、
(b)冷却された中間流体を生じさせるために燃料または酸化剤を高温の中間流体によって予熱する予熱手段を伴い高温の煙道ガスの主たる流れを生じさせる1または複数の酸化剤燃料のバーナーと、
(c)少なくとも1つの予熱手段に高温の中間流体を輸送するための輸送手段と
を具備することを特徴とする装置である。
【0014】
本発明の好ましい装置は、中間流体が気体、より好ましくは空気である装置である。可能な他の流体としては、蒸気、二酸化炭素、窒素、もしくはこれらの混合物、または液体が含まれる。
【0015】
本発明のこの側面および他の側面において、熱交換器の壁を通して熱を伝達することによって高温の中間流体は間接的に熱を酸化剤もしくは燃料へ伝達することができるか、または、酸化剤もしくは燃料と混合することによって直接的に高温の中間流体の一部が熱を交換することができる。ほとんどの場合、熱伝達が間接的であるときに、言い換えれば、中間流体が酸化剤もしくは燃料と混合しない熱交換器を使用することによって、熱伝達はより経済的でかつより安全である。しかし、本発明によって熱を交換する両方の手段が熟慮されていることを留意しておくことは重要である。さらに、今述べた2つのメカニズムのどちらかを用いて、高温の煙道ガスによって中間流体を加熱することが可能である。
【0016】
本発明の1つの好ましい装置においては、冷却された中間流体を熱を伝達する一次の手段に輸送して返す。
【0017】
熱を伝達する一次の手段は、セラミック換熱器として工業界で知られているセラミック熱交換器と、およびさらに金属換熱器と呼ばれている金属熱交換器とからなる群から選ばれる、1または複数の熱交換器を備えていることが好ましい。
【0018】
本発明に係る装置は、熱を伝達する一次の手段が二重殻の輻射(double shell radiation)の輻射の換熱器であることが好ましい。
【0019】
本発明において有用な予熱手段は、セラミック熱交換器と、金属熱交換器と、高温の中間流体の流れによる加熱およびそれによって加熱される酸化剤または燃料の流れによる冷却が交互に(alternatively)行われる再生手段と、およびこれらの組合わせとからなる群から選ばれる熱交換器を備えている。
【0020】
高温の中間流体の流れによる加熱および酸化剤または燃料の流れによる冷却が交互に行われる再生手段の場合には、典型的にまた好ましくは、セラミック球または丸石(pebbles)のような不活性媒体を含む本(present)2つの容器がある。場合次第で、セラミック球、丸石または他の不活性媒体が高温の中間流体によって加熱される再生モードで1つの容器が使用される一方で、他は動作モード中に使用されて高温媒体からの熱を燃料または酸化剤に伝達するために燃料または酸化剤と接触する。そして、容器への流れは適時に切換えられる。
【0021】
本発明のこの側面に係る1つの好ましい装置としては、並列な予熱手段において高温の中間流体が燃料または酸化剤と熱を交換する、言い換えれば、高温流体の流れが2つの流れに分割されて、第1のバーナー予熱手段において1つの流れが燃料と熱を交換し、第2のバーナー予熱手段において第2の流れが酸化剤と熱を交換する。その代わりに、そしておそらく安全上の理由からより好ましくは、1または複数の酸化剤予熱器において中間流体は最初に酸化剤と熱を交換し、次に、直列の交換器における1または複数の燃料予熱器において燃料と熱を交換する。
【0022】
本発明の装置は、酸化剤および燃料が炎を形成するように混合する炉内に酸化剤および燃料が別々に噴出されるバーナーを含んでいることが好ましい。さらに、本発明の別の好ましい装置としては、バーナーブロックを通して酸化剤および燃料が炉内に噴出されるバーナーを含んでいる。
【0023】
本発明の別の側面は、高温の煙道ガスから熱を回収するために好適な装置であって、
(a)高温の中間流体を生じさせ高温の煙道ガスを冷却するために高温の煙道ガス温度を有する高温の煙道ガスと高温の煙道ガス温度を下回る冷たい中間流体温度を有する最初は冷たい中間流体との間で熱を伝達させる少なくとも1つの一次の手段と、
(b)冷却された中間流体を生じさせるために高温の中間流体が酸化剤または燃料または酸化剤および燃料の両方と熱を交換する高温の中間流体の経路と酸化剤のための酸化剤経路と燃料のための燃料経路とを有するとともに高温の煙道ガスの主たる流れを生じさせる1または複数の酸化剤燃料のバーナーと、
(c)酸化剤燃料バーナーに高温の中間流体を輸送するための輸送手段と
を具備することを特徴とする装置である。
【0024】
本発明の最初の側面とともに、中間流体としては、蒸気、二酸化炭素、窒素、もしくはこれらの混合物、または液体を使用することができるが、空気であることが好ましい。
【0025】
本発明の1つの好ましい装置においては、最初は冷たい中間流体に高温の煙道ガスからの熱を伝達する一次の伝達手段に、冷却された中間流体を輸送して返す。
【0026】
本発明のこの側面において、炉の耐熱性の壁を通る穴によって、燃料の経路、酸化剤の経路、および高温の中間流体の経路が規定されていることが好ましい。すなわち、同じ材料(耐火物またはセラミック)からなるという点でバーナーは炉壁と一体であることが好ましい。その代わりに、バーナー技術において知られているように、バーナーブロックを通る穴によって、燃料の経路、酸化剤の経路、および高温の中間流体の経路が規定されていることが好ましい。ここで、バーナーブロックは炉壁内に位置づけられている。このようなバーナーブロックは、例えば、ともに出願中の米国特許出願、連続番号08/668,758、1996年6月24日 に出願済、(S.4029XCIP)、欧州特許出願0754,912Aとして公開済、 および、連続番号08/ 、 に出願済、(S.4209)におい て記載されており、これらはすべて引用により本明細書において取入れられている。
【0027】
本発明のこの側面に係る1つの好ましい装置としては、並列な予熱器において高温の中間流体が燃料または酸化剤と熱を交換する、言い換えれば、高温流体の流れが2つの流れに分割されて、第1のバーナー熱交換器において1つの流れが燃料と熱を交換し、第2のバーナー熱交換器において第2の流れが酸化剤と熱を交換する。
【0028】
その代わりに、そしておそらくより好ましくは、高温の中間流体が最初に酸化剤と熱を交換し次に燃料と熱を交換することによって中間流体が燃料および酸化剤と直列の交換器にて熱を交換することであり、これはより安全であると考えられる。
【0029】
中間流体が空気であり燃焼のための酸化剤が酸素である場合に、酸素の供給が中断したときに高温の空気の流れをバーナーに向けることによって高温の空気を燃焼のための酸化剤として有利に使用することができる。
【0030】
本発明の第3の態様は、燃料を酸化剤とともに燃焼させることにより生じる高温の煙道ガスから熱を回収する方法であって、
(a)高温の煙道ガスの主たる流れを生じさせるために1または複数の酸化剤燃料バーナー内で酸化剤とともに燃料を燃焼させる、
(b)高温の中間流体を生じさせるために高温の煙道ガスと最初の中間流体との間で熱を伝達させる一次の手段を通して高温の煙道ガスと最初の中間流体温度を有する最初の中間流体とを流す、
(c)該高温の煙道ガスの主たる流れを生じさせる1または複数の酸化剤燃料バーナーに燃料および酸化剤が入る前に高温の中間流体によって燃料、酸化剤、または両方を予熱する1または複数の予熱手段を通して高温の中間流体を流すことによって燃料、酸化剤または両方に高温の中間流体から熱を伝達させる
各工程を含むことを特徴とする方法である。
【0031】
本発明の第4の態様は、燃料を酸化剤とともに燃焼させることにより生じる高温の煙道ガスから熱を回収する方法であって、
(a)高温の煙道ガスの主たる流れを生じさせるために1または複数の酸化剤燃料バーナー内で酸化剤とともに燃料を燃焼させる、
(b)高温の中間流体を生じさせるために高温の煙道ガスと最初の中間流体との間で熱を伝達させる一次の手段を通して高温の煙道ガスと最初の中間流体温度を有する最初の中間流体とを流す、
(c)冷却された中間流体を生じさせるために高温の中間流体が酸化剤または燃料または酸化剤および燃料の両方と熱を交換する高温の中間流体の経路と酸化剤のための酸化剤経路と燃料のための燃料経路とを有するとともに高温の煙道ガスの主たる源を生じさせる1または複数の酸化剤燃料のバーナーを通して高温の中間流体を流すことによって燃料、酸化剤または両方に高温の中間流体から熱を伝達させる、
各工程を含むことを特徴とする方法である。
【0032】
中間流体の同じ温度において燃料および酸化剤が中間流体と熱を交換する態様に、これらの方法は厳密に限られるものではないということを、本明細書における記載から理解しなければならない。高温の中間流体を最初に酸化剤と接触させてより低い温度を有する中間流体を生じさせ、続いてこのより低い温度の中間流体の熱を燃料と交換することが好ましい態様もある。さらに、前述したように、高温の中間流体が酸化剤、燃料または両方と混合し得ることが考慮された態様もある。
【0033】
本発明の他の側面は、側方から火を入れる炉(furnace fired from the side)に関係する。本発明のこの側面は、複数の酸化剤燃料バーナーを使用するような炉において熱を回収する方法であって、
(a)炉の第1の側にバーナーの第1の部分が取付けられ炉の反対の側にバーナーの第2の部分が取付けられた側方に取付けられた(side−mounted)複数のバーナー内で酸化剤とともに燃料を燃焼させることによって高温の煙道ガスの主たる流れを生じさせる、
(b)最初の温度(約1000℃ないし約1700℃の温度であることが好ましい)において煙道の煙出し(stack)を通して高温の煙道ガスを流す、
(c)高温の中間流体を生じさせるために熱を伝達させる一次の手段(輻射の(radiative)金属製の換熱器が好ましい)を通して最初の中間流体温度を有する最初の中間流体(約25℃の周囲温度における空気であることが好ましい)を流すことで最初の中間流体を(好ましくは約500ないし約900℃の温度まで)予熱する、
(d)高温の中間流体の流れを炉の第1の側へ流れる第1の流れおよび炉の反対の側へ流れる第2の流れの2つの流れに分割し、該炉の第1および反対の側のそれぞれには複数の酸化剤予熱器および複数の燃料予熱器および複数のバーナーのための位置があり(酸化剤予熱器の数はバーナーの数よりも少ない方が好ましく、燃料予熱器の数はバーナーの数よりも少ない方が好ましく、バーナーは酸化剤および燃料の予熱器の数を減らすために組ごとにグループにまとめられていることが好ましい)、
(e)冷却された中間流体の第1および第2の流れならびに加熱された酸化剤の複数の流れ(加熱された酸化剤は約400ないし約800℃の温度を有することが好ましい)を生じさせるために直列の1または複数の酸化剤予熱器(金属またはセラミックであることが好ましい)を通して高温の中間流体の第1および第2の流れのそれぞれを流す、
(f)低温の中間流体および複数の加熱された燃料の流れを生じさせるために(燃料を約200ないし約300℃の温度まで加熱することが好ましい)やはり直列に設置された燃料予熱器を通して冷却された中間流体を流す、
(g)高温の燃料ガスの主たる流れを生じさせるために加熱された酸化剤および加熱された燃料の流れをバーナーの数に等しい量の流れに分割することで燃料を炉内で燃焼させる
各工程を含むことを特徴とする方法である。
【0034】
また、本発明の他の側面は一方の端から火を入れる炉(furnace fired from one end)に関係する。本発明のこの側面は、このような炉内において有効な熱を回収する方法であって、
(a)端から火を入れる炉(end−fired furnace)の一方の端に位置し装填材料にエネルギーの主たる部分を供給する一次の酸化剤燃料バーナー、および端から火を入れる炉内の燃焼帯をより良くカバーするために一般に一次のバーナーの反対に位置する1または複数の追加の通常の酸化剤燃料バーナー内において燃料を燃焼させる、
(b)最初の温度(約1000℃ないし約1700℃の温度であることが好ましい)において煙出しを通して高温の煙道ガスを流す、
(c)高温の中間流体を生じさせるために熱を伝達させる一次の手段(輻射の金属製の換熱器であることが好ましい)を通して最初の中間流体温度を有する最初の中間流体(約25℃の周囲温度における空気であることが好ましい)を流すことで最初の中間流体を(好ましくは約500ないし約900℃の温度まで)予熱する、
(d)第1の冷却された中間流体および予熱された酸化剤を生成するために酸化剤予熱器に高温の中間流体を流す、
(e)第1の冷却された中間流体よりも低い温度を有する第2の冷却された中間流体および加熱された燃料を生成するために(約300℃の温度において煙出しに第2の冷却された中間流体を流すことが好ましい)燃料予熱器に冷却された中間流体を流す、
(f)通常のバーナーも高温の煙道ガスに寄与しながら炉を出て行く高温の煙道ガスの主たる部分を生じさせるために一次の酸化剤燃料バーナーに加熱された酸化剤および加熱された燃料の流れを流す
各工程を含むことを特徴とする方法である。
【0035】
さらに、本発明の別の側面は、やはり一方の端から火を入れる炉内において熱を回収することに関し、この側面はこのような炉から熱を回収する第1の方法と同様であるが、この炉は複数の一次のバーナー(典型的には2つ)を有し、高温の中間流体は熱を伝達する一次の手段を出た後に複数の流れに分割されて、複数の酸化剤予熱器に、そして複数の燃料予熱器に輸送される。
【0036】
本発明のさらなる利点および側面は、以下の説明および請求項を吟味することによって明らかになる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の装置は少なくとも以下の3つの部材を備えている。第1の部材は、炉の煙道の煙出し内に配置されているか、または少なくとも煙道ガスと接触している一次の熱伝達手段である。典型的な市販の炉においては、運転中の煙道ガスは典型的にまた好ましくは高温であり、約1000℃ないし約1700℃の温度を有している。ガラス工業において見られるようないくつかのプロセスにおいては、高温の煙道ガスはしばしば粒子、またはSO2 、NOx 、COのような有毒な種、および未燃焼の炭化水素を運ぶ。また、煙道ガスは、揮発性の形態のNaOH、硫酸塩、硼酸塩などのような腐食性の要素も含み得る。
【0038】
一次の熱伝達手段は、上記の範囲の温度に耐えることができなければならない。好ましくは、インコネル600、ハステロイなどのような耐熱性の金属、またはセラミック材料が模範的である。一次の熱伝達手段にとって好適な他の材料には、セラミックがコートされた金属のような金属とセラミックの材料の複合材料が含まれる。
【0039】
前述したように、一次の熱伝達手段は、酸化剤または燃料または両方へ煙道ガスからいくらかの熱を伝達させるために、中間流体を使用する。中間流体は、きれいで、非毒性で、また不燃性であることが好ましい。さらに、中間流体は、熱伝達手段において高温の煙道ガスによって約800ないし1600℃まで加熱することが可能でなくてはならない。中間流体は、空気、窒素、二酸化炭素、水蒸気などのような気体を含んでいることが好ましい。他の好ましい中間流体としては、水、グリコールなどでこれらの混合物を含む液体を含んでいることが好ましい。本発明において使用する中間流体としては、空気が特に好ましい。
【0040】
本発明の装置の第2の部材は、燃料、酸化剤または両方と熱を交換するために、燃料バーナーの周辺へ高温の中間流体を輸送する輸送手段である。このように、炉のバーナーに火を入れるために用いる酸化剤または燃料に高温の煙道ガスは接触しないことが好ましい。煙道ガス中に一般に見出される粒子、腐食性ガス、および揮発性要素が、酸化剤、燃料またはバーナーそれ自体を汚染することがなく、また輸送手段を汚染することがないため、このことは特に有利である。
【0041】
熱輸送手段は、典型的にまた好ましくは、耐熱性金属に沿って内部で並べられ得る炭素鋼パイプである。エキゾティック(exotic)な材料を使用することは、エキゾティックな材料の費用のために、耐火物に沿って内部で並べられ得る炭素鋼パイプほどには好ましくはないが、インコネル600、ハステロイ、およびステンレス鋼310のような、耐火物に沿って内部で並べなくても良い他のさらにエキゾティックな金属材料を使用することができる。輸送手段からの熱損失を最小限にし、中間流体をその最初の高い温度にまたは実質的にそれに近く維持するために、熱輸送手段の外側の表面は絶縁されている。
【0042】
本発明の装置および方法の第3の特徴は、予熱手段と組合わされた酸素燃料バーナーである。バーナーは、炎が炉内で形成されて炉の装填材料に熱を供給するように、燃料(予熱されているかまたはされていない)および酸化剤(予熱されているかまたはされていない)を炉内へと噴出する手段を与える。予熱器は、もちろん、バーナーへ送られる酸化剤および/または燃料を予熱する機能を持つ。これは、バーナー内部の他の手段または仕切りを通して高温の中間流体が燃料または酸化剤または両方と熱を伝達するような、バーナー内に組込まれた(integrated)熱交換器によって、行われる。その代わりにバーナー予熱器は、レンガまたはセラミック球の床が高温の中間流体によって予熱され、そして酸化剤または燃料がバーナーへ入る前にそれを予熱するように酸化剤または燃料がそこを通って流れるようにされるタイプであり得る。連続した動作のために酸化剤または燃料の連続した流れがバーナーにおいて要求されるときに、レンガまたはセラミック球の第2の床を酸化剤または燃料のために与えることができる。バーナー予熱器は、並列または直列であり得る。一連の態様において、高温で起こりうるわずかな燃料の熱分解(cracking)も防止するために中間流体のより高温(hotter)の部分によって酸素または酸化剤を予熱することが好ましい。バーナー内に組み込まれた熱交換器によって燃料および酸化剤の両方が予熱され、バーナー内に組み込まれた予熱器によって燃料が予熱されるとともにレンガまたはセラミック球の床によって酸化剤が予熱されるような構成が好ましい。
【0043】
重大な安全上の問題なしにバーナーが燃料とともに高温の酸化剤を用いることができるためには、主に高温の酸化剤を取扱うことに難しさがある。従って、高温の酸素と接触する本発明の装置および方法において使用されるバーナーの部品は、高温の酸素または他の酸化剤と共存する(compatible)材料で作られていることが好ましい。これらの共存する材料は、シリカ、アルミナ、アルミナ−ジルコニア−シリカ、ジルコニアなどのような耐熱性の酸化物であることが好ましい。その代わりに、高温の酸素を使用しても燃焼しないセラミック金属合金を用いることができる。高温の酸素にさらされる表面上のセラミック材料によって金属材料をコーティングすることも、酸化剤燃料バーナーの構造に使用することができる。
【0044】
本発明の好ましい態様においては、バーナーは炉壁の一部を形成し得るか、またはバーナーは炉壁の外部の別個のバーナーブロックであり得る。
【0045】
図面を参照して、本発明の他の側面および様々なバーナーの態様がさらに理解される。
【0046】
図1は、本発明の装置の3つの主な部材を示す概略的なプロセスフロー図である。すなわち、図1は、一次の熱伝達手段2、一連のバーナー6へ一次の熱伝達手段2から中間流体を輸送する輸送手段4を示している。問題とする炉の煙道の煙出し内に配置されることが好ましい一次の熱伝達手段2において、最初の温度を有する中間流体10の冷たい流れと並流の関係にあることが好ましい交換器2を通して、高温の煙道ガス8を供給する。一次の熱伝達手段2には、向流または直交流(cross flow)熱交換形式も可能である。中間流体の流れ10は、一次熱伝達手段2内の煙道ガスと熱を交換する。高温の中間流体12として中間流体は一次の熱伝達手段2を退出する。次に、冷たい燃料14と冷たい酸化剤16が予熱器へと入るバーナー予熱器20に、輸送手段4によって高温の中間流体12が輸送される。別個の予熱器20aおよび20bがさらに表示されてそこにあることが好ましい。また、図1は、バーナー6自身および炉壁18を示す。
【0047】
図2は、本発明に係る好ましい有効なバーナーの一つを示す。ここでは、冷たい燃料ガス14がバーナーに入る燃料ガス入口が与えられ、また、冷たい酸化剤16がバーナーに入る酸化剤入口が与えられている。バーナーと一体である予熱器内において高温の中間流体12は燃料ガス14と熱を交換する一方で、バーナーと一体である予熱器内において高温の中間流体は冷たい酸化剤の流れ16とも熱を交換する。暖かい燃料および酸化剤は別個にバーナーの出口へ輸送されて、炉壁18内に位置するバーナーブロック6’を通して炉内に放出される。
【0048】
図3aは、バーナー予熱器20aおよび20bが高温の中間流体12、冷たい燃料14および冷たい酸化剤16の流れに対して並列な関係に配置されている態様を示す。予熱器20aは暖かい燃料の流れ14’および冷たい(warm)中間の流れ10aを生じさせる。同様に、バーナー予熱器20bは暖かい酸化剤の流れ16’および冷たい中間の流れ10bを生じさせる。
【0049】
図3bは、高温の中間流体12の流れに対して直列な流れに配置されている2つのバーナー予熱器20aおよび20bの概略的なプロセスフロー図を示す。すなわち、高温の中間流体12はバーナーバーナー予熱器20aに入って最初に冷たい酸化剤の流れ16と熱を交換して、暖かい酸化剤の流れ16’を生成する。酸化剤と熱を交換したのち、より冷たい中間流体の流れ12’は輸送手段4を通って第2のバーナー予熱器20b内に流れていき、その結果、高温の中間流体は冷たい燃料の流れ14と熱を交換して暖かい燃料の流れ14’を生成する。次に、暖かい中間の流れ10は前述の煙道ガス交換器に戻る。
【0050】
図4は、炉壁18内に配置された燃料噴出器8および酸化剤噴出器7を通して高温の酸化剤16’および高温の燃料14’が炉内に別個に注入される、本発明での有効なバーナーを示す。1997年1月22日に公開された公開された欧州特許出願第0754,914号に、本発明の別の有効なバーナーが示されている。
【0051】
図5は、以下のようにして使用することが可能なバーナー6ならびに複(dual)予熱器20aおよび20bの概略的なプロセスフロー図を示す。完全に開または完全に閉で動作することが好ましい流れ調整装置30aないし30hのポジションに依存して、冷たい酸化剤16は予熱器20aまたは20bのどちらかに入る。例えば、流れ調整装置30eが閉で流れ調整装置30fが開であるとともに、流れ調整装置30a、30bおよび30dが閉で、流れ調整装置30g、30cおよび30hが開であれば、冷たい酸化剤16の流れは複数のセラミック球24によって満たされている床20aに入ることが可能である。この場合、暖かい酸化剤16’がバーナー6に入ることが可能となる。その代わりに、流れ調整装置30fが閉で流れ調整装置30eが開であるとともに、流れ調整装置30a、30bおよび30dが開で、流れ調整装置30c、30gおよび30hが閉であっても良く、その結果、冷たい酸化剤の流れ16が床20bに入ることが可能となり、バーナー6に入ることが可能な暖かい酸化剤の流れ16’を生じさせる。もちろん、中間流体が好ましくはガス状の窒素のような不活性流体であるとすれば、冷たい燃料の流れ14に対しても同様の配置を思い描くことが可能である。この場合、運転コストを下げるために不活性の中間流体は再循環されることが好ましい。メタンまたは他のいくつかの燃料とともにO2 を燃焼させることによって中間流体内の酸素を消費することで、さらに別の不活性中間流体を生成することが可能である。その結果、複数の燃焼生成物が一次の熱伝達手段内でさらに加熱されて中間熱伝達流体として使用されることになる。図5に示した装置を使用して、床20bが高温の中間流体の流れ12を用いて再生されている間、床20aは酸化剤の流れを予熱するために動作していることが可能である。調整装置はバルブまたは流体の流れ調整器であっても良い。
【0052】
図6は、バーナーおよびバーナー予熱手段が実際に炉壁の一部を形成する態様を示す。すなわち、最初に燃料14の冷たい流れが炉壁18を通って高温の中間流体の流れ12と並流で接触することを可能にする炉壁18が示されている。さらに、冷たい酸化剤の流れ16が高温の中間流体の流れ12と向流で熱を交換して、暖かい酸化剤の流れ16’を形成する。
【0053】
【実施例】
以下の実施例は単に本発明を示すためだけのものであり、本発明を限定するものではない。
【0054】
(実施例1)
ガラス工業において使用される炉の煙道ガスからの廃熱のいくらかを回収するために、本発明の装置の一つは提案される。炉の引き抜き速度(pull rate)としては、一日あたり250メートルトンのソーダ石灰ガラスに等しいと仮定する。炉の中へ周囲温度にて55重量%のカレットおよび45重量%のバッチ混合物を装填する。このガラスを合成(elaboration)する熱はメートルトンあたり575kWhであったが、これは、バッチ中に含まれる水分を蒸発させるのに必要なエネルギー、バッチ中での化学反応のエンタルピー、1400℃での溶融ガラスのエンタルピーを説明する。図7は炉の実例であり、6a、6b、6cなどの各バーナーへ高温の中間流体12が輸送される(図では3つのバーナーのみが示されている)。以下に説明するように、各バーナー6内で燃料14(ここでは天然ガス)および酸化剤16が予熱される。一次の熱伝達手段2内で中間流体(空気)10の流れを暖めるために高温の煙道ガス8が用いられた(図8)。炉の一方の側のバーナーの組および炉の他方の側のバーナーの組に供給するために、炉で高温の空気の流れ12が分割された(再び、簡単にするために、図7では3つのバーナーのみが示されている)。図9は、輸送手段4の一部を断面で示す。この態様において、輸送手段4は、高温の中間流体12を輸送する間の熱損失を減少させるために絶縁材料27によって覆われ耐熱性材料28に沿って並べられた炭素鋼パイプ26である。
【0055】
バーナーへ供給される酸化剤のモル組成(molar composition)は、真空スウィング(vacuum swing)吸着酸素プラントの生成物であり、90%O2 、5%N2 および5%アルゴンである。燃料は10.55 kWh/Nm3 の熱含量を有する天然ガスである。炉内のバッチの化学分解および材料の湿度のために溶融ガラスのメートルトンあたり41%の水および59%のCO2 から構成されるガス混合物の69.6Nm3 を、バッチおよびカレット材料は放出する。ポート、クラウン(crown)および壁を通る損失の総計は、3300kWに等しい。
【0056】
研究されたすべてのケースについて、煙道ガスの温度は1420℃に等しいと仮定している。また、燃料を完全に燃焼させるのに必要な5%の分子酸素は空気浸入から来ており、乾燥量基準で(on a dry basis)測定した2%の酸素を煙道ガスは含んでいると仮定している。
【0057】
酸化剤および天然ガスの両方は室温(25℃)でバーナーへ供給されていると仮定して、基礎計算を行った。対応する必要な燃料エネルギーは10,180kWであった。対応する純粋酸素の消費量は一日あたり83.7メートルトンであった。
【0058】
熱交換器、流体予熱器および温度のレベルに依存して、前述の炉の構成に対する本発明の装置から期待することができる燃料および酸化剤の節約を、以下の3つの実施例は示している。
【0059】
(実施例2)
一番めのケースにおいては、冷たい中間流体としての3150Nm3 の空気を25℃から1100℃へ予熱するために使用される一次の熱伝達手段として機能するあるセラミック熱交換器媒体によって、煙道ガスのエネルギーは部分的に回収される。一次の熱伝達手段の出口での煙道ガスの温度は850℃に等しい。バーナーへ高度に絶縁されたパイプを通して高温の中間流体が輸送されており、熱損失を無視できると仮定できる。直列に設置された高温の熱交換器(予熱器)の組を通して高温の中間流体が流れる。炉内に設置されたバーナーと同じ数の組の熱交換器がある。それぞれのバーナーにたいして、まず酸素が1000℃まで予熱され、次に天然ガスが250℃まで予熱される。中間流体は第2の熱交換器を210℃で出て行く。一日あたり250メートルトンのガラスを製造するのに必要な燃料は9080kWに下がり、これは10.8%の燃料の節約および酸素消費量の同等の減少に対応する。
【0060】
(実施例3)
二番目のケースにおいては、現在の従来技術のために温度の下限を課している一次の熱伝達手段として機能するある金属の熱交換器媒体によって、中間流体としての3150Nm3 の空気は700℃にのみ予熱される。煙道ガスは熱交換器媒体を1040℃で出て行く。この実施例に対しても、高温の中間流体を輸送する手段内での熱損失は無視される。再び、炉内に設置された各バーナーに対して、酸化剤および天然ガス燃料を予熱するために熱交換器(予熱器)の組が直列の構成で設置されている。中間流体を300℃まで冷却することによって、酸素を600℃まで予熱することができ、天然ガスを260℃まで予熱することができる。必要な燃料は9,467kWまで下がり、これは燃料および酸素の7.0%の節約に対応する。
【0061】
(実施例4)
この実施例は実施例3に似ているが、バーナーでの熱交換器(予熱器)は並列に配置されている。4200Nm3 の中間流体は約700℃に予熱されて、何ら著しい熱損失もなくバーナーに輸送され、そして各バーナーにおいて流れは分割される。中間流体が280℃に冷却される間に、酸化剤および天然ガスの両方は600℃に予熱される。ここでの必要な燃料は9、182kWであり、これは9.8%の燃料および酸化剤の消費量の節約につながる。
【0062】
可能な炉の構成を議論している以下の実施例において、本発明の創造的な装置を使用する方法が説明されている。
【0063】
(実施例5)
最初の構成は、例えば12の酸化剤燃料バーナーを使用する側から火を入れる炉(side fired furnace)内において、使用することができる(図10)。この燃焼させる構成は、ガラス工業での酸化剤燃料燃焼炉として最も良く知られているものである。この実施例において、数値は説明の目的のためだけに与えられており、本発明の装置を使用する方法においては異なる温度レベルを使用することが可能である。煙道ガス8は約1420℃で煙出し45を通って炉を出て行く。冷たい中間流体である空気10は、輻射の金属の換熱器33を通って循環ファン32によって排出され、約700℃に予熱される。より冷たい煙道ガス22は、その後、約1000℃のより低い温度において処理することができる。高温の中間流体の流量は炉のそれぞれの側へ分割されて流れ12aおよび12bになる。この特定の態様においては、酸化剤および燃料予熱器の数を減らすために、炉のそれぞれの側のバーナーは組ごとのグループにまとめられている。炉のそれぞれの側に位置するバーナーを用いて、バーナーの他のグループを形成することができる。この配置において、それぞれの側の6つのバーナー (43)に対して、3つの酸素予熱器(35)および3つの天然ガス予熱器(36)があるだけである。直列に設置された3つの天然ガス予熱器を通ってより冷たい中間流体37が流れる前に、直列の3つの酸化剤予熱器(金属もしくはセラミック)を通って高温の中間流体12aが流れる。冷たい酸化剤16および冷たい燃料14は、それぞれ約600℃および約260℃に予熱される。高温の酸化剤および高温の燃料16’および14’は、2つのバーナー43aおよび43bの間で分割されて、約1420℃で煙道ガス8をある程度生じさせた炉内において燃焼させられる。冷たい中間流体38は6番目の熱交換器を出て、約300℃で煙出しへと排出される。
【0064】
(実施例6)
2番目の構成(図11)は、例えばエネルギーの主要部を供給する唯一の大きな酸素バーナー(oxy−burner)43、ならびに燃焼帯をより良くカバーするためのいくつかの追加の通常の酸素燃料バーナー47aおよび47bを有する端から火を入れる炉内において、使用することができる。再び、この実施例において、数値は説明の目的のためだけに与えられており、本発明の装置を使用する方法においては異なる温度レベルを使用することが可能である。この構成は、中間流体、酸素および燃料の高温流体を管で送ることを最小にしている。冷たい中間流体である空気31は、煙出し45によって約1420℃で炉を出て行く燃焼ガス44によって輻射の(例えば)金属の換熱器33内において約700℃まで予熱される前に、循環ファン32を通過する。冷却された炉の排気46は、その後に処理または排出することができる。次に、高温の中間流体34は、直列の2つの熱交換器35および36を(それぞれ)通って流れることにより、冷たい酸化剤39および冷たい天然ガス40を予熱する。冷たい中間流体38は約300℃で煙出しへと流れる。高温のガス、つまり約600℃の酸素41および約260℃の天然ガス42がバーナー43内で燃焼させられることで、炉を出て行く約1420℃の煙道ガス44が生じる(バーナー47aおよび47bも煙道ガスに寄与する)。
【0065】
(実施例7)
3番目の構成(図12)は、2つの大きな酸素ガスバーナー(oxy−gasburners)のみを有する端から火を入れる炉内において、使用することができる。この解は、高温の流体、つまり中間流体、酸素および天然ガスを管で送ることを制限している。再び、この実施例において、数値は説明の目的のためだけに与えられており、本発明の装置を使用する方法においては異なる温度レベルを使用することが可能である。冷たい中間流体である空気31は、約1420℃で炉を出て行く煙道ガス44によって金属の輻射の換熱器33内において予熱される前に、循環ファン32を通って排出される。次に、より冷たい排気46は煙道ガス処理へと行くか、または約1000℃で煙出しを通って排出される。高温の中間流体は炉のそれぞれの側へ分割されて約700℃の流れ34aおよび34bになる。高温の流れ34aが直列の熱交換器35および36を通って流れることで、最初に冷たい酸素39を予熱し、次に冷たい天然ガス40を予熱する。次に、冷たい中間流体38が約300℃で排出される。約600℃の高温の酸素41および約260℃の高温の天然ガス42がバーナー43a内で燃焼させられることで、煙道ガス44が生じる。煙出し45を通って炉を出て行く煙道ガス44に対して、他の高温の流体のバーナー43bならびに燃焼バーナー47aおよび47bも寄与している。
【0066】
特定の態様について参照してきたがこれらは説明するためだけのものであり、当該技術に精通した者が請求項の範囲を逸脱することなくこのような態様を変更することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法および装置を示す概略的なプロセスフロー図。
【図2】本発明に係る一つの好ましいバーナーを示す図。
【図3】高温の中間流体および酸化剤および燃料の間にある並列および直列の熱交換を示す概略的なプロセスフロー図。
【図4】本発明に係る一つの好ましいバーナーを示す図。
【図5】2つの再生の熱交換器を使用する本発明の方法および装置を示す概略的なプロセスフロー図。
【図6】本発明において有用な第1の一体化された壁/バーナー/熱交換器を示す概略的なプロセスフロー図。
【図7】ガラス製造工業において使用される典型的な炉を示す平面図。
【図8】本発明において使用する冷たい中間流体および高温の煙道ガスの間で熱を交換する熱交換手段を示す概略的なプロセスフロー図。
【図9】高温の空気を中間流体として使用するときに一連のバーナーへ輸送する(heating)ための本発明において有用なマニフォールドを示す概略的なプロセスフロー図。
【図10】一例として側方から火を入れるタイプのガラス炉に適用された本発明の装置を用いる方法を示す概略的なプロセスフロー図。
【図11】一つの予熱された酸素燃料バーナーを使用する端から火を入れるタイプのガラス炉を示す概略的なプロセスフロー図。
【図12】2つの予熱された酸素燃料バーナーを使用する端から火を入れるイプのガラス炉を示す概略的なプロセスフロー図。
【符号の説明】
2…一次の熱伝達手段
4…輸送手段
6、43、47…バーナー
6’…バーナーブロック
8、44…煙道ガス
10、12、31、34、37、38…中間流体
14、40、42…燃料
16、39、41…酸化剤
18…炉壁
20、35、36…予熱器
24…セラミック球
26…炭素鋼パイプ
27…絶縁材料
28…耐熱性材料
30…流れ調整装置
32…循環ファン
33…換熱器
44…炉
45…煙出し
46…排気
Claims (20)
- 燃焼工程からの高温の煙道ガスを冷却する方法であって、
a)高温の煙道ガスを一次の熱伝達手段を通して流し、
b)該一次の熱伝達手段を通して最初の中間流体温度を有する最初の中間流体を流し、それによって熱を交換し、高温の煙道ガスを冷却して冷却された煙道ガスおよび高温の中間流体を生じさせ、
c)冷却された煙道ガスの排出に先立って、冷却された煙道ガスを処理手段に流し、
d)高温の中間流体を適切な熱交換手段に流し、熱を酸化剤および/または燃料、および/または装填材料に輸送して、冷たい中間流体をつくり、
e)冷却された中間流体を大気に放出する
ことを含む、方法。 - 高温の煙道ガスから熱を回収する方法であって、
a)1つ以上の酸化剤燃料バーナー内で酸化剤とともに燃料を燃焼し、高温の煙道ガスの主たる流れをつくり、該高温の煙道ガスの主たる流れと他の燃焼生成物およびプロセスガスを混合して高温の煙道ガスをつくり、
b)一次の熱伝達手段を通して高温の煙道ガスおよび最初の中間流体温度を有する最初の中間流体を流し、高温の煙道ガスと最初の中間流体との間で熱を輸送して高温の中間流体をつくり、
c)該高温の煙道ガスの主たる流れをつくる1つ以上の酸化剤燃料バーナーに入る燃料および酸化剤に先立って、燃料、酸化剤、または両方のいずれかを高温の中間流体によって予熱する1つ以上の予熱手段を通して高温の中間流体を流すことによって、高温の中間流体からの熱を燃料、酸化剤、または両方のいずれかに輸送し、その後に大気に放出される冷却された中間流体をつくる
工程を含む方法。 - 該最初の中間流体が気体である、請求項2記載の方法。
- 該気体が空気、水蒸気、二酸化炭素、窒素および燃料と酸化剤との燃焼によって発生したガスからなる群より選択される、請求項3記載の方法。
- 該気体が空気である、請求項4記載の方法。
- 該最初の中間流体が液体である、請求項2記載の方法。
- 複数の酸化剤燃料バーナーを使用する側から火を入れる炉において熱を回収する方法であって、
a)炉の第1の側にバーナーの第1の部分が取り付けられ炉の反対の側にバーナーの第2の部分が取り付けられた側方に取り付けられた複数のバーナー内において燃焼する燃料からの燃焼生成物と酸化剤とを混合することによって高温の煙道ガスの主たる流れを生じさせ、高温の煙道ガスを形成するために該高温の煙道ガスの主たる流れを他の燃焼生成物およびプロセスガスと混合し、
b)最初の温度において煙道の煙出しを通して高温の煙道ガスを流し、高温の煙道ガスを一次の熱伝達手段で流し、
c)熱を輸送して高温の煙道ガスとの間接の接触を介して最初の中間流体を予熱するための該一次の熱伝達手段を通して最初の中間流体温度を有する最初の中間流体を流し、こうして高温の中間流体を生じさせ、
d)高温の中間流体を2つの流れに分割し、第1の流れは炉の第1の側に流れ、ならびに第2の流れは炉の反対の端に流れ、炉の第1および第2の側のそれぞれは複数の酸化剤予熱器および複数の燃料予熱器、および複数のバーナーの位置であり、
e)高温の中間流体の第1のおよび第2の流れを直列の1つ以上の酸化剤予熱器を通して流し、したがって冷却された中間流体の第1および第2の流れ、および複数の加熱された酸化剤の流れを生じさせ、
f)直列に設置された燃料予熱器を通して冷却された中間流体を流し、それによって低温の中間流体および複数の加熱された燃料の流れを生じさせ、
g)加熱された酸化剤および加熱された燃料の流れを分割し、流れを炉内で燃料を燃焼するバーナーの数に等しくし、したがって高温の煙道ガスの主たる流れを生じさせ、
h)前記低温の中間流体を大気に放出する
ことを含む方法。 - 該中間流体が気体である、請求項7記載の方法。
- 該気体が空気、水蒸気、二酸化炭素、窒素および燃料と酸化剤との燃焼によって発生する気体からなる群より選択される、請求項8記載の方法。
- 該気体が空気である、請求項9記載の方法。
- 該最初の中間流体が液体である、請求項7記載の方法。
- 高温の煙道ガスからの熱回収に適切な装置であって、
a)高温の煙道ガス温度を有する高温の煙道ガスと、高温の煙道ガス温度より低い最初の中間流体温度を有する最初の中間流体との間で熱を輸送し、高温の中間流体を生じさせ、高温の煙道ガスを冷却する、少なくとも1つの一次の熱伝達手段と、
b)高温の煙道ガスの主たる流れをつくる1つ以上の酸化剤燃料バーナーであって、酸化剤燃料バーナーは燃料または酸化剤のいずれかが高温の中間流体によって予熱される予熱手段に結合し、こうして冷却された中間流体をつくる1つ以上の酸化剤燃料バーナーと、
c)高温の中間流体を少なくとも1つの予熱手段に輸送する輸送手段と、
d)冷却した中間流体を大気に放出する手段と
を含む、装置。 - 該一次の熱伝達手段が煙道ガスダクト内に位置する導管を含み、高温の煙道ガスは導管の外側と接触し、最初の中間流体は導管に入り、高温の中間流体は導管を出るようになっている、請求項12記載の装置。
- 該一次の熱伝達手段が煙道ガスダクト内に位置する導管を含み、高温の煙道ガスは導管の内側と接触し、最初の中間流体の一部が導管に入り、高温の煙道ガスと混ざり高温の中間流体の一部を生じさせるようになっている、請求項12記載の装置。
- 該一次の熱伝達手段が、導入の複数の最初の中間流体および導出の高温の中間流体の少なくとも1つのチャネル、導入の高温の煙道ガスおよび導出の冷却された煙道ガスの少なくとも1つのチャネルを規定するセラミック流路を含む熱交換器を含む、請求項12記載の装置。
- 該予熱手段がセラミック要素を含む、請求項12記載の装置。
- 該セラミックが球状であることを特徴とする、請求項16記載の装置。
- 該予熱手段がニッケルを基礎とする要素を含む、請求項12記載の装置。
- 該バーナーがセラミック要素を含む、請求項12記載の装置。
- 該予熱手段が該バーナーと一体である、請求項12記載の装置。
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