JP4060264B2 - インプラントの設計方法およびインプラント - Google Patents

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Description

本発明は、インプラントの設計方法およびインプラントに関するものである。
交通事故や、脳腫瘍切除の手術等により、頭蓋骨(頬骨や顎骨を含む)に部分的な欠損を生じた場合、その骨欠損部に人工材料からなるインプラントを埋め込み固定すること(骨欠損部再建術)が行なわれている。
この骨欠損部再建術では、インプラントの材質およびその形状が重要なファクターとなる。
インプラントの材質については、生体親和性に優れたセラミックス等が広く用いられている。
インプラントの形状は、従来、以下のように決定されていた。
骨欠損部を有する頭蓋骨のCTデータを基に、前記頭蓋骨に相当する形状のモデルを木材等により作製し、このモデルの骨欠損部に、紙粘土等をはめ込み、成形することにより、インプラントの形状(骨欠損部にあったと思われる骨体の形状)を決定する。
しかしながら、このような方法でインプラントの形状を予測した場合、形状の適合性が不十分であるという問題点を有していた。例えば、従来の方法では、頭蓋骨を滑らかな球形の連続体として扱うことが多いが、頭蓋は必ずしも円滑な球形の連続体からなるものではなく、各部位における曲率等が一定でないため、得られるインプラントは骨欠損部への形状の適合性に乏しいものとなる。特に、頬骨、顎骨付近の領域では、骨欠損部への形状の十分な適合性を実現することがさらに困難である。
上記のような問題点を解決する目的で、頭蓋骨の複数の断層データを基に、前記頭蓋骨の三次元データを作成し、この三次元データの実質的な対称面について三次元データの骨欠損部と対称な部位の形状データを利用して、インプラントの形状を決定するインプラントの設計方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような方法によれば、作製されるインプラントの骨欠損部への形状の適合性を高めることができる。しかしながら、上記のような骨欠損部を生じた場合(特に、骨欠損部を生じてから骨欠損部再建術までの時間が比較的長い場合)、骨欠損部付近の軟部組織(具体的には、弾性組織、脂肪組織、細網組織等の結合組織や、筋組織、上皮組織等)が、萎縮したり、切断されたり、あるいは、硬膜と癒着(癒合)する等、骨欠損部付近において、骨欠損部を生じる前の状態から大きな変化を生じることが多い。このように軟部組織の状態の変化を生じると、適用されるインプラントが、骨欠損を生じる以前に骨欠損部に存在していた骨体の形状を忠実に再現したものであったとしても、骨欠損部再建術後に、例えば、上記のような軟部組織の状態の変化を生じた部位に対応する部位で、外観上、明らかな凹み等を生じることがあり、患者のQOL(Quality of Life)の観点から好ましくない。
特開2003−070816号公報
本発明の目的は、骨欠損部との形状の適合性に優れ、かつ、骨欠損部に適用した際に、適用部付近における外観上の違和感が生じ難いインプラントおよび該インプラントの設計方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 骨欠損部を有する頭蓋骨に適用するインプラントの設計方法であって、
前記骨欠損部は、前記頭蓋骨の外表面側での面積が、前記頭蓋骨の内表面側での面積よりも大きいものであり、
前記頭蓋骨の複数の断層データを基に、前記頭蓋骨の三次元データを作成する工程と、
前記三次元データの実質的な対称面について前記三次元データの骨欠損部と対称な部位の形状データを利用することにより、欠損骨体形状データを得る工程と、
前記対称面についての前記骨欠損部付近の対称部位の軟部組織の形状データを面対称な位置に移動させて得られる反転軟部組織データと、前記欠損骨体形状データとを重ねあわせ、このような状態で、前記反転軟部組織データの外表面と、前記欠損骨体形状データの外表面との距離を求め、その距離に応じて、前記欠損骨体形状データの外表面側の少なくとも一部に所定の厚さを加える補正を行う工程とを有することを特徴とするインプラントの設計方法。
これにより、骨欠損部との形状の適合性に優れ、かつ、骨欠損部に適用した際に、適用部付近における外観上の違和感が生じ難いインプラントの設計方法を提供することができる。
(2) 前記軟部組織の形状データは、前記断層データを基に作成したものである上記(1)に記載のインプラントの設計方法。
これにより、最終的に得られるインプラントは、骨欠損部との形状の適合性に優れ、かつ、骨欠損部に適用した際における外観上の違和感を特に生じ難いものとなる。また、骨組織(骨欠損部を有する頭蓋骨)と軟部組織との形状の対応や位置関係等を、より正確に知ることができる。また、インプラントを適用される患者の既存のデータをより有効に活用したり、インプラント作成のためのデータの収集等を省略または簡略化することができる。
) 前記インプラントの周方向の少なくとも一部において、前記頭蓋骨の骨切り面の形状と合致するように設計する上記(1)または(2)に記載のインプラントの設計方法。
これにより、インプラントと骨欠損部との形状の適合性は、特に優れたものとなる。
) 前記頭蓋骨の外表面における前記骨切り面の輪郭の形状と合致し、かつ所定の厚さを有する欠損骨体の形状を予測した後、
予測した前記形状のデータを前記骨切り面の輪郭に合致させた状態において、予測した前記形状のデータから、前記頭蓋骨と重なり合う前記外表面よりも内表面側の部位のデータを削除することにより、前記骨切り面の形状と合致するように設計する上記()に記載のインプラントの設計方法。
これにより、インプラントと骨欠損部との形状の適合性を、特に優れたものとすることができる。
) 前記頭蓋骨の外表面における前記骨切り面の輪郭の形状に合致するように、欠損骨体の外表面の輪郭データを作成し、
前記輪郭データを用いて、所定の厚さを有し、かつ厚さ方向にほぼ一定の形状を有する前記欠損骨体の形状を予測し、
その後、予測した前記形状のデータを前記骨切り面の輪郭に合致させた状態において、予測した前記形状のデータから、前記頭蓋骨の前記三次元データと重なり合う前記外表面よりも内表面側の部位のデータを削除することにより、前記骨切り面の形状と合致するように設計する上記()に記載のインプラントの設計方法。
これにより、インプラントと骨欠損部との形状の適合性を、特に優れたものとすることができる。
)前記骨切り面の形状と合致するように処理が施された前記形状データに対して、前記軟部組織の形状データを用い、厚さの補正を加える上記(または(5)に記載のインプラントの設計方法。
これにより、比較的容易に、最終的に得られるインプラントの外表面側の縁部が、頭蓋骨の骨切り面付近の外表面とほぼ同じ面位置になるようにすることができる。その結果、最終的に得られるインプラントは、骨体との形状適合性が特に優れたものとなる。
)前記頭蓋骨の厚さ方向のほぼ全体にわたって、前記インプラントと前記頭蓋骨とが嵌合するように設計する上記(1)ないし()のいずれかに記載のインプラントの設計方法。
これにより、インプラントと骨欠損部との形状の適合性は、特に優れたものとなる。
) 前記インプラントは、頬骨弓の周辺、頬骨弓があるべき部位またはその周辺に適用されるものである上記(1)ないし()のいずれかに記載のインプラントの設計方法。
頬骨弓の周辺は、本来、咀嚼筋等の軟部組織が比較的多く存在する部位であるため、このような部位に骨欠損を生じると、従来においては、インプラントを適用した後であっても、凹み等の外観上の違和感を特に生じ易かったが、本発明によれば、上記のような部位に適用されるインプラントであっても、欠損部との形状の適合性を十分に優れたものとしつつ、適用部付近における外観上の違和感を生じ難いものとすることができる。言い換えると、インプラントが、頬骨弓の周辺、頬骨弓があるべき部位またはその周辺に適用されるものであると、本発明の効果をより顕著に発揮させることができる。
)前記三次元データの作成に用いられる前記断層データのスライス間隔は、0.1〜5mmである上記(1)ないし()のいずれかに記載のインプラントの設計方法。
これにより、三次元データの作成に要する時間が長くなるのを防止しつつ、インプラントの骨欠損部との形状の適合性を特に優れたものとし、かつ、骨欠損部に適用した際における、適用部付近における外観上の違和感を特に生じ難くすることができる。
10) 上記(1)ないし()のいずれかに記載のインプラントの設計方法により設計し、その設計を基に製造されたものであることを特徴とするインプラント。
これにより、骨欠損部との形状の適合性に優れ、かつ、骨欠損部に適用した際に、適用部付近における外観上の違和感が生じ難いインプラントを提供することができる。
11) 原料粉末で構成された層を形成する第1の工程と、
前記層の少なくとも一部に、反応液を接触させ、前記原料粉末を硬化させる第2の工程とを有し、
前記第1の工程と、前記第2の工程とを繰り返し行うことにより、複数の前記層を積層させ、前記設計方法により得られた三次元パターンに対応する形状のインプラントを製造する方法により製造された上記(10)に記載のインプラント。
これにより、複雑な形状のインプラントであっても、特に優れた寸法精度が得られる。
12)空孔率が10〜90vol%である上記(10または(11)に記載のインプラント。
これにより、インプラントの生体親和性が向上する。
本発明によれば、骨欠損部との形状の適合性に優れ、かつ、骨欠損部に適用した際に、適用部付近における外観上の違和感が生じ難いインプラントおよび該インプラントの設計方法を提供することができる。
また、従来、手術時に行っていたインプラントに対するトリミング処理を、省略または簡略化することができる。その結果、手術時間を短縮することが可能となり、患者への負担も軽減できる。
以下、本発明のインプラントの設計方法およびインプラントの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、複数の断層データを基に作製された頭蓋骨の三次元データを示す図、図2は、骨欠損を生じる以前に骨欠損部にあったと思われる骨体(欠損骨体)の外表面形状データを、骨欠損部に重ね合わせた状態を示す図、図3は、骨欠損部に、所定の厚さを有する欠損対称部のデータを重ね合わせた状態を示す図、図4は、頭蓋骨の厚さ方向のほぼ全体にわたって、頭蓋骨の骨切り面と合致するように処理された欠損骨体形状データを示す図、図5、図6は、軟部組織の形状データを利用して、図4に示すような欠損骨体形状データについて形状の補正を行うことにより得られるインプラント形状データの一例を示す図である。なお、図2〜図6においては、上側が、頭蓋骨の三次元データの外表面側であり、下側が、頭蓋骨の三次元データの内表面側である。
本発明において、インプラントは、頭蓋骨(ただし、頬骨、顎骨等を含む)の骨欠損部に適用されるものである。
ところで、頭蓋骨は、複雑な形状を有しているため、従来の設計方法では、十分な形状の適合性を有するインプラントを設計するのが困難であった。また、従来の方法では、例え、骨欠損部(骨切り面)との形状の適合性に優れたインプラントを設計することができたとしても、以下のような問題があった。すなわち、交通事故や、脳腫瘍切除の手術等により、骨欠損部を生じた場合(特に、骨欠損部を生じてから骨欠損部再建術までの時間が比較的長い場合)、骨欠損部付近の軟部組織が、萎縮したり、切断されたり、あるいは、硬膜と癒着(癒合)する等、骨欠損部付近の軟部組織において、骨欠損部を生じる前の状態から大きな変化を生じることが多い。このように軟部組織の状態の変化を生じると、適用されるインプラントが、骨欠損を生じる以前に骨欠損部に存在していた骨体の形状を忠実に再現したものであったとしても、骨欠損部再建術後に、例えば、上記のような軟部組織の状態の変化を生じた部位に対応する部位で、外観上、明らかな凹み等を生じることがあり、患者のQOL(Quality of Life)の観点から好ましくない。特に、頭蓋骨の中でも頬骨弓付近は、本来、咀嚼筋等の軟部組織が比較的多く存在する部位であり、上記のような問題が特に起こり易い部位であった。そこで、以下の説明では、頬骨弓の周辺、頬骨弓があるべき部位またはその周辺に適用されるインプラントおよびその設計方法について、代表的に説明する。このように、インプラントが、軟部組織が比較的多く存在する部位に適用されるものであっても、本発明によれば、上記のような問題の発生を十分に防止することができる。なお、本明細書中において、「軟部組織」とは、骨組織に比べてやわらかい組織のことを指し、具体的には、弾性組織、脂肪組織、細網組織等の結合組織や、筋組織、上皮組織等のことを指す。
まず、本発明のインプラントの設計方法について説明する。
本発明のインプラントの設計方法は、頭蓋骨の複数の断層データを基に、前記頭蓋骨の三次元データを作成する工程と、前記三次元データの実質的な対称面について前記三次元データの骨欠損部と対称な部位の形状データを利用することにより、欠損骨体形状データを得る工程と、前記骨欠損部付近の軟部組織の形状データ、前記対称面についての前記骨欠損部付近の対称部位の軟部組織の形状データのうちの少なくとも一方を利用して、前記欠損骨体形状データについて形状の補正を行う工程とを有する。
[頭蓋骨の三次元データの作成]
まず、図1に示すような、骨欠損部を有する頭蓋骨の三次元データ10を作成する。
頭蓋骨の三次元データ10は、複数の断層データを基に作成したものである。
断層データとしては、例えば、CTフィルム、CTデータ(CT装置から出力されたデータ)や、MRI(磁気共鳴画像:magnetic resonance imaging)の測定データにより得られたもの等を用いることができる。
MRIの測定データから頭蓋骨の複数の断層データを得る場合、その方法は、特に限定されないが、MRIの測定データの閾値を反転することにより閾値反転データを得、該閾値反転データから骨領域の抽出を行うことにより得るのが好ましい。これは、以下のような理由によるものである。
頭蓋骨(骨組織)は、主として、リン酸カルシウム等のリン酸塩で構成されており、他の組織(例えば、筋組織、結合組織、上皮組織等)に比べて、水素原子の含有率が低い。MRIの測定は、通常、水素原子(H)の検出により行われるものであるから、MRIの測定により直接得られるMRIの測定データには、頭蓋骨そのものの像は実質的に現れない。したがって、得られたMRIの測定データの閾値を反転して、閾値反転データを得ることにより、骨領域を明確に画像化し、頭蓋骨(骨組織)部分のデータ(頭蓋骨の断層データ)のみを容易に抽出することができる。
なお、MRIの測定データから頭蓋骨の複数の断層データを得る場合、断層データを得るために放射線を用いる必要がないので、放射線被爆障害の発生等を危惧する必要がなくなる。また、MRIでは、患者の体位を変えることなく任意の断面についての断層データを容易に得ることができるため、測定に伴う患者の負担を解消・軽減することができる。
また、MRIの測定データは、水素原子(H)の核磁気共鳴現象により得られるものに限定されない。例えば、MRIの測定データは、31PのようなH以外の核種の核磁気共鳴現象により得られるものであってもよい。P(リン)は、生体組織の中でも、特に骨組織に偏在している。したがって、31Pを検出するような構成のMRIの測定装置(プローブ)を用いることにより、MRIの測定データとして、明瞭な頭蓋骨(骨組織)そのものの画像データを得ることができる。その結果、上記のような閾値(MRIの測定データの閾値)を反転するような処理を施すことなく、頭蓋骨の断層データを得ることが可能となる。
上記のような複数の断層データを積層することにより、三次元データ10を得ることができる。
断層データのスライス間隔(隣り合う断層データ間の距離)は、特に限定されないが、0.1〜5mmであるのが好ましく、0.3〜3mmであるのがより好ましい。
スライス間隔が前記下限値未満であると、インプラントの大きさによっては、必要となる断層データの数が大きくなり過ぎることにより、三次元データ10の作成に要する時間が長くなるとともに、三次元データ10の精度は実質的に頭打ちとなり、製造されるインプラントの寸法精度のさらなる向上を図るのが困難となる場合がある。
一方、スライス間隔が前記上限値を超えると、三次元データ10の精度が不十分となる可能性がある。
また、三次元データ10は、複数の断層データを積層した後、さらに、その表面について、スムージング処理を施すことにより得られたものであってもよい。これにより、骨欠損部との形状の適合性がさらに向上し、かつ、骨欠損部に適用した際に、適用部付近における外観上の違和感がさらに生じ難くなる。
上記のようにして得られた三次元データ10を基に、骨欠損を生じる以前に骨欠損部にあったと思われる骨体(以下、「欠損骨体」と言う)の形状を予測し、その三次元データを欠損骨体形状データ13として得る。
欠損骨体形状データ13は、以下のようにして得ることができる。
[欠損骨体の外表面形状の予測]
欠損骨体形状データ13を得るために、まず、上述のようにして得られた三次元データ10を基に、欠損骨体が有していたと予測される外表面の輪郭データ131を得る。
輪郭データ131は、三次元データ10の骨切り面104の外表面側の輪郭データをそのまま用いることもできるが、以下のようにして得るのが好ましい。
まず、三次元データ10を、その実質的な対称面102で分割したときに得られる2つの半体、すなわち、骨欠損部101を有する半体11と、骨欠損部101を有さない半体12とを仮想する。
次に、半体12の外表面の形状データのうち少なくとも一部を、対称面102で、半体11側に反転させる(面対称な位置に移動させる)。ここで、反転する半体12の外表面の形状データは、少なくとも、骨欠損部101と対称な部位である欠損対称部103の形状データを含むものであればよい。
このように、半体12の外表面の形状データを反転したときに、該形状データと重なり合う部分は、無欠損部105となっている。したがって、反転した半体12の外表面の形状データのうち、半体11の外表面の形状データと重なり合わなかった部分のみを抽出することにより、欠損骨体が有していたと考えられる外表面の形状を決定することができ、この形状のデータを欠損骨体外表面形状データ132として得ることができる(図2参照)。そして、このようにして得られる欠損骨体外表面形状データ132の輪郭が、求めるべき輪郭データ131である。
このようにして、輪郭データ131を求めることにより、例えば、骨切り面104の外表面側の輪郭の形状が不明瞭な場合であっても、十分に正確な輪郭データ131を得ることができる。
また、このような方法を用いた場合、上述したように、輪郭データ131とともに、欠損骨体が有していたと考えられる外表面全体の形状データ(欠損骨体外表面形状データ132)が得られる。このようにして欠損骨体外表面形状データ132を得ることにより、骨体が本来有している微小な凹凸等の複雑な形状についても予測することが可能となる。その結果、設計されるインプラントは、頭蓋骨(骨欠損部を有する頭蓋骨)との形状適合性が特に優れたものとなる。
本実施形態では、輪郭データ131と、欠損骨体外表面形状データ132とを同時に得る方法について説明したが、これらは、別々に求めるものであってもよい。例えば、輪郭データ131を得た後、欠損骨体外表面形状データ132を決定してもよい。
[欠損骨体の厚さの予測]
前述のようにして予測された欠損骨体外表面形状データ132を用いて、所定の厚さを有する欠損骨体の形状を予測し、欠損骨体形状データ13を得る。
欠損骨体の厚さは、通常、無欠損部105の厚さを基に予測する。
このようにして、欠損骨体の厚さを予測した場合、予測により得られる欠損骨体の輪郭は、通常、その厚さ方向に沿ってほぼ一定の形状を有するものとなる。言い換えると、得られる欠損骨体形状データ13の側面(骨切り面104と接触すべき面)は、その厚さ方向に、実質的に凹凸の無い、平滑な形状を有している。
なお、欠損骨体形状データ13は、例えば、点群、線、平面データ等の三次元のデータであれば、いかなるものであってもよい。
[骨切り面との接触面の形状の予測(補正)]
ところで、骨欠損部を有する頭蓋骨の骨切り面は、一般に、微小な凹凸を有しており、頭蓋骨の厚さ方向に一定の形状を有さないことが多い。通常、骨欠損部の面積は、頭蓋骨の外表面側で大きく、内表面側で小さくなる傾向を示す。
したがって、上述のようにして得られた欠損骨体形状データ13は、三次元データ10の骨欠損部101に重ね合わせたとき、その一部が、重なり部133(図3中、格子線で示した略三角形の部分)として、三次元データ10の無欠損部105と重なり合うことが多い。このような重なり部133を残したままにしておくと、設計されるインプラントは、骨欠損部を有する頭蓋骨に適用したときに、その骨切り面に合致しないものとなる。
そこで、本実施形態では、欠損骨体形状データ13を三次元データ10の骨欠損部101に適用したときに、骨切り面104の形状と合致するように、欠損骨体形状データ13に対して、補正を加える。
このような補正は、例えば、欠損骨体外表面形状データ132が、骨切り面104の外表面側の輪郭に合致する状態としたときに、欠損骨体形状データ13と、無欠損部105とが重なり合う部分(重なり部133)のデータを、欠損骨体形状データ13から除去することにより行う(図4参照)。
上記のような補正を行うことにより、最終的に得られるインプラントは、骨欠損部を有する頭蓋骨との形状の適合性が特に優れたものとなり、適用時における安定性が向上する。
また、上記のように、頭蓋骨の骨切り面の形状と合致するように欠損骨体形状データを得ることにより、最終的に得られるインプラントについて、従来、手術時に行っていたインプラントに対するトリミング処理を、省略または簡略化することができる。その結果、手術時間を短縮することが可能となり、患者への負担も軽減できる。
なお、上記のようにして得られる欠損骨体形状データは、欠損対称部103と、実質的に鏡像の関係にあるものであっても、そうでなくてもよい。
[軟部組織の形状データを用いた補正]
ところで、頭蓋骨に骨欠損部を生じた場合には、前述したように、骨欠損部付近の軟部組織が、萎縮したり、切断されたり、あるいは、硬膜と癒着(癒合)する等、骨欠損部付近の軟部組織において、骨欠損部を生じる前の状態から大きな変化を生じることが多い。このように軟部組織の状態の変化を生じると、適用されるインプラントが、骨欠損を生じる以前に骨欠損部に存在していた骨体の形状を忠実に再現したものであったとしても、骨欠損部再建術後に、例えば、上記のような軟部組織の状態の変化を生じた部位に対応する部位で、外観上、明らかな凹み等を生じることがあり、患者のQOL(Quality of Life)の観点から好ましくない。
そこで、次に、欠損骨体形状データ13(骨切り面104の形状に合致するように補正を加えられた欠損骨体形状データ13)に、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データ、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データのうちの少なくとも一方を利用して、補正を行う。このように、本発明は、軟部組織の形状データを用いてインプラントを設計する点に特徴を有する。これにより、設計されるインプラントは、頭蓋骨の骨欠損部との形状の適合性に優れ、かつ、骨欠損部に適用した際に、適用部付近における外観上の違和感が生じ難いものとなる。
以下、軟部組織の形状データを用いた補正について、詳細に説明する。
前述したように、欠損骨体形状データ13(骨切り面104の形状に合致するように補正を加えられた欠損骨体形状データ13)に対する補正は、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データ、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データのうちの少なくとも一方を利用して行う。
このような軟部組織の形状データは、いかなる方法で得られたものであってもよいが、複数の断層データを基に作成したものであるのが好ましい。断層データとしては、例えば、CTフィルム、CTデータや、MRIの測定データにより得られたもの等を用いることができる。
また、軟部組織の形状データの作成に複数の断層データを用いる場合、該断層データは、頭蓋骨の三次元データ10の作成に用いるものと同一であるのが好ましい。これにより、最終的に得られるインプラント9は、骨欠損部との形状の適合性に優れ、かつ、骨欠損部に適用した際における外観上の違和感を特に生じ難いものとなる。また、軟部組織の形状データの作成に、三次元データ10作成用の断層データを用いることにより、骨組織(骨欠損部を有する頭蓋骨)と軟部組織との形状の対応や位置関係等を、より正確に知ることができる。また、インプラントを適用される患者の既存のデータをより有効に活用したり、インプラント作成のためのデータの収集(例えば、CTやMRIの測定等)等を省略または簡略化することができる。
なお、軟部組織の形状データの作成に、三次元データ10作成用の断層データと同一のものを用いる場合、該断層データ(測定データ)の閾値の変更や反転、測定モードの変更等を行うことにより、骨組織(頭蓋骨)、軟部組織の一方のみのデータを、効率よく抽出することができる。
本発明では、欠損骨体形状データの補正には、軟部組織の中でも特に、骨欠損部付近の軟部組織、頭蓋骨の三次元データの実質的な対称面についての骨欠損部付近の対称部位(欠損対称部付近)の軟部組織の形状データのうちの少なくとも一方を用いる。これにより、最終的に得られるインプラントを骨欠損部に適用した際に、適用部付近における外観上の違和感を、特に生じ難くすることができる。
このような軟部組織の形状データを用いる欠損骨体形状データの補正は、いかなるものであってもよいが、欠損骨体形状データの厚さの補正であるのが好ましい。これにより、インプラントを骨欠損部に適用した際に、適用部付近における外観上の違和感を、特に生じ難くすることができる。
インプラントが適用される骨欠損部付近の軟部組織は、いかなる状態であってもよいが、以下の説明では、図5、図6を参照しつつ、<1>骨欠損部付近の軟部組織が少なくとも一部が萎縮または欠損している場合、および、<2>骨欠損部付近の筋組織が硬膜に癒着している場合について、代表的に説明する。なお、図5中の破線は、欠損骨体形状データ13の外表面(欠損骨体外表面形状データ132)を示し、図6中の破線は、欠損骨体形状データ13の内表面を示す。
<1>骨欠損部付近の軟部組織が少なくとも一部が萎縮または欠損している場合
骨欠損部付近の軟部組織が少なくとも一部が萎縮または欠損している場合、前記のような欠損骨体形状データ13(骨切り面104の形状に合致するように補正を加えられた欠損骨体形状データ13)を、そのままインプラント製造用のデータとして用いると、インプラントを適用した際に、上記萎縮または欠損を生じた部位に対応する部位で、外観上明らかな凹みを生じることが多い。
そこで、欠損部付近の軟部組織が少なくとも一部が萎縮または欠損している場合には、通常、欠損骨体形状データ13に対し、少なくともその一部の厚みが大きくなるような補正を加えることにより、インプラント形状データ14を得る(図5参照)。これにより、上記のような凹みを十分に防止、抑制することができる。
欠損骨体形状データ13に対する厚みの補正は、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データ、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データのうちの少なくとも一方を利用して行う。
骨欠損部101付近の軟部組織の形状データを利用して補正を行う場合、インプラントが適用される部位付近の軟部組織の状態(例えば、軟部組織の萎縮、欠損の度合いや、軟部組織の厚さ等)に関する情報を、上記厚みの補正に直接的に反映させることができる。その結果、最終的に得られるインプラント9は、骨欠損部に適用した際に、適用部位付近における外観上の違和感を特に生じ難いものとなる。
ところで、頭蓋骨が骨欠損部を有する場合、その周辺の軟部組織は、本来あるべき部位とは異なる部位に存在していることが多い。言い換えると、骨欠損部にあるべき骨体が欠損しているため、該骨体に支持されていた軟部組織が本来あるべき部位とは異なる部位に移動していることが多い。このように、骨欠損部付近の軟部組織が本来あるべき部位とは異なる部位に存在している場合、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データを利用して補正を行うことが困難であることが多い。このような場合、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データを利用して補正を行うのが好ましい。これにより、欠損骨体形状データ13に対する厚みの補正を容易に行うことができるとともに、最終的に得られるインプラント9を適用した際に、上記のような凹みを十分に防止、抑制することができる。
また、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データを利用して補正を行う場合、該軟部組織の形状データを対称面102について半体11側に反転させて、すなわち、骨欠損部101付近の対称部位の軟部組織の形状データを面対称な位置に移動させて、得られる反転軟部組織データと、前記のような欠損骨体形状データ13(骨切り面104の形状に合致するように補正を加えられた欠損骨体形状データ13)とを重ねあわせ、このような状態で、反転軟部組織データの外表面(外皮組織の外表面に相当)と、欠損骨体形状データ13の外表面との距離を求め、その距離に応じて、欠損骨体形状データ13の外表面側の少なくとも一部に所定の厚さを加えるのが好ましい。これにより、最終的に得られるインプラント9を適用した際における、上記のような凹みの発生をより確実に防止、抑制することができる。
また、このような場合、欠損骨体形状データ13の外表面から反転軟部組織データの外表面までの長さの1/3〜1/2に相当する厚さを、欠損骨体形状データ13の外表面の少なくとも一部に対して加えるのが好ましい。これにより、上述した効果はさらに顕著なものとなる。
また、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データを利用して補正を行う場合、対称面102についてインプラントを適用する部位と対称な部位付近における軟部組織の形状データを対称面102について反転させて得られる反転軟部組織データと、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データとを重ねあわせ、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データの曲率とほぼ一致するように、前記反転軟部組織データを移動することにより、形状の補正を行ってもよい。これにより、最終的に得られるインプラント9を適用した際における、上記のような凹みの発生をより確実に防止、抑制することができる。
なお、上記のような形状データの反転を行う場合、面対称な位置に反転するのに留まらず、例えば、反転後に、適宜、反転データの移動等の補正を行ってもよい。
また、上記のような補正は、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データ、および、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データの両方を利用して行ってもよい。これにより、欠損骨体形状データ13に対する厚みの補正をより好適に行うことができ、最終的に得られるインプラント9を適用した際における、上記のような凹み等の発生をより確実に防止、抑制することができる。
<2>骨欠損部付近の筋組織が硬膜に癒着している場合
骨欠損部付近の筋組織が硬膜に癒着している場合、前記のような欠損骨体形状データ13(骨切り面104の形状に合致するように補正を加えられた欠損骨体形状データ13)を、そのままインプラント製造用のデータとして用いると、インプラントを適用する際に、前記筋組織を本来あるべき部位、すなわち、頭蓋骨(インプラント)より外表面側に配置しないと、インプラントと頭蓋骨とを確実に嵌合させるのが困難となる。言い換えると、前記筋組織を硬膜から剥離しないと、インプラントと頭蓋骨とを確実に嵌合させるのが困難となる。しかしながら、筋組織と硬膜とが癒着している場合、筋組織を硬膜から剥離しようとすると、硬膜等に損傷を与えるおそれがある。
骨欠損部付近の筋組織が硬膜に癒着している場合には、通常、欠損骨体形状データ13に対し、少なくともその一部の厚みが小さくなるような補正を加えることにより、インプラント形状データ14を得る(図6参照)。これにより、筋組織を硬膜から剥離することなくインプラントを好適に適用することができ、上記のような問題の発生を防止することができる。なお、このような補正は、欠損骨体形状データ13から、その内周面側の一部を除去することにより行うものであるのが好ましい。
欠損骨体形状データ13に対する厚みの補正は、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データ、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データのうちの少なくとも一方を利用して行うことができるが、少なくとも、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データを利用して行うのが好ましい。
骨欠損部101付近の軟部組織の形状データを利用して補正を行う場合、インプラントが適用される部位付近の軟部組織の状態(例えば、硬膜の外表面において筋組織が癒着している面積、硬膜と癒着している筋組織の厚さ等)に関する情報を、上記厚みの補正に直接的に反映させることができる。その結果、最終的に得られるインプラント9は、骨欠損部に適用した際に、適用部位付近における外観上の違和感を特に生じ難いものとなる。
また、上記のような補正は、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データを利用して行うものであってもよいし、骨欠損部101付近の軟部組織の形状データ、および、対称面102についての骨欠損部101付近の対称部位(欠損対称部103付近)の軟部組織の形状データの両方を利用して行うものであってもよい。
以上のようにして得られるインプラント形状データ14は、そのまま、インプラント製造用の形状データとして用いてもよいし、必要に応じて、さらなる補正を加えてもよい。インプラント形状データ14に対して施す補正としては、例えば、その少なくとも一部における曲率、厚さの変更等が挙げられる。このような補正を施すことにより、最終的に得られるインプラントの、頭蓋骨との形状適合性をさらに優れたものとすることができる。
以上のようにして得られるインプラント形状データ14は、その周方向の少なくとも一部において、三次元データ10の骨切り面104の形状に合致するものであるのが好ましく、ほぼ全周にわたって三次元データ10の骨切り面104の形状に合致するものであるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるインプラントは、頭蓋骨の骨欠損部に適用したときの安定性に特に優れたものとなる。
[インプラントおよびインプラントの製造]
本発明のインプラントは、上述の設計を基に製造されたものである。上述したように、本発明においては、骨欠損部付近の軟部組織の状態を考慮してインプラントを設計するため、得られるインプラントは、骨欠損部との形状の適合性に優れ、かつ、骨欠損部に適用した際に、適用部付近における外観上の違和感が生じ難いものとなる。
なお、インプラント製造時において、前述した設計方法で得られた形状データに対して、回転処理等の各種処理を施してもよい。
以下、インプラントの製造方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図7は、インプラントの製造方法の好適な実施形態で用いる製造装置の構成を示す図、図8は、インプラントの製造方法の第1の工程を示す図、図9は、インプラントの製造方法の第2の工程を示す図、図10は、インプラントの製造方法の第3の工程を示す図、図11は、図8〜図10に示す第1の工程〜第3の工程を繰り返し行った状態を示す図、図12は、図8〜図10に示す第1の工程〜第3の工程を繰り返し行うことにより得られたインプラントの形状を示す図である。
本発明のインプラント9は、例えば、図7に示すような製造装置を用いて製造することができる。
図7に示すように、インプラント製造装置1は、原料粉末供給槽2と、インプラント形成ステージ3と、ローラー4と、給液ヘッド5とを有している。
原料粉末供給槽2には、インプラント9の製造に用いられる原料粉末6が貯えられている。
原料粉末供給槽2の底部21は、ピストンとなっており、鉛直方向に移動可能となっている。
インプラント形成ステージ3は、原料粉末供給槽2から供給された原料粉末6と、反応液7とを反応させ、インプラント9を製造するためのステージである。
インプラント形成ステージ3は、ピストン31により鉛直方向に移動可能となっている。
ローラー4は、軸41を中心に回転しつつ、原料粉末供給槽2上およびインプラント形成ステージ3上を略水平方向に移動するものであり、原料粉末供給槽2の原料粉末6を用いて、インプラント形成ステージ3上に層61を形成する機能を有する。
給液ヘッド5は、原料粉末6の層61の少なくとも一部に向けて、反応液7を噴出する機能を有する。また、給液ヘッド5は、図7中の紙面左右方向及び垂直方向に移動可能であり、つまり、給液ヘッド5による反応液7の噴出は、インプラント形成ステージ3上の層61に対して二次元的に行われる。
このようなインプラント製造装置1を用いた製造方法の各工程について、順次説明する。
1.原料粉末で構成された層の形成(第1の工程)
まず、原料粉末供給槽2中の原料粉末6を用いて、インプラント形成ステージ3上に原料粉末6の層61を形成する。
本実施形態では、図8に示すように、ローラー4が、軸41を中心に回転しつつ、原料粉末供給槽2上およびインプラント形成ステージ3上を略水平方向に移動することにより、原料粉末供給槽2の上面付近の原料粉末6が、インプラント形成ステージ3上に供給され、層61が形成される。
このようにして形成される層61の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜0.5mmであるのが好ましく、0.1〜0.3mmであるのがより好ましい。
層61の平均厚さが前記下限値未満であると、層61の各部位での厚さのバラツキが大きくなる傾向を示す。また、製造するインプラント9の大きさによっては、製造に要する時間が長くなり、生産性が低下する。
一方、層61の平均厚さが前記上限値を超えると、後述する反応液7が十分に反応せず、得られるインプラント9の機械的強度が不十分となる可能性がある。また、得られるインプラント9の寸法精度が低下する傾向を示す。
なお、原料粉末供給槽2から供給された原料粉末6の余剰分は、原料粉末回収槽8に回収される。
2.反応液の噴出(第2の工程)
次に、上述のようにして形成した層61の少なくとも一部に、反応液7を接触させる。
これにより、反応液7と、層61を構成する原料粉末6との間で化学反応が進行する。この化学反応により原料粉末6が硬化し、硬化部62が形成される。
これにより、結合材(バインダー)を添加することなく、原料粉末6を硬化させることができる。このため、得られるインプラント9は、不純物の含有量の少ない、純度の高いものとすることができる。その結果、得られるインプラント9は、生体への親和性が特に優れたものとなる。
なお、原料粉末6および反応液7については、後に詳述する。
本実施形態では、反応液7は、給液ヘッド5から液滴として噴出される。
反応液7がこのような液滴であると、目的とする部位において、原料粉末6と反応液7との接触を精度良くかつ効率良く行うことができる。その結果、インプラント9の寸法精度がさらに優れたものとなるとともに、生産性も向上する。
図9に示すように、本工程では、給液ヘッド5は、原料粉末供給槽2上およびインプラント形成ステージ3上を略水平方向に順次移動し、硬化部62が目的のパターンとなるように反応液7の液滴を噴出する。反応液7の噴射パターンは、前述したインプラントの設計方法により得られたインプラントの三次元パターンに基づいて決定する。また、後の工程等において硬化部62が収縮する場合は、その収縮分を考慮して、反応液7の噴射パターンを決定する。
3.第3の工程
その後、図10に示すように、原料粉末供給槽2の底部21を上方に移動させることにより、原料粉末供給槽2内の原料粉末6の上面の高さを調節する。また、インプラント形成ステージ3を下方に移動させることにより、層61の上面の高さを調整する(図10参照)。
このとき、底部21の移動距離は、前記第1の工程で原料粉末供給槽2から供給された原料粉末の高さとほぼ等しいものであるのが好ましい。また、インプラント形成ステージ3の移動距離は、前記第1の工程で形成された層61の平均厚さとほぼ等しいものであるのが好ましい。これにより、積層される複数の層61の厚さをほぼ一定にすることができる。
その後、前記第1の工程、第2の工程および第3の工程を繰り返し行うことにより、図11に示すように、複数の層61が積層され、硬化部62により、前述した設計方法により得られた三次元パターンに対応する形状のインプラントが形成される。
このように、本実施形態では、硬化部62を積み重ねることにより、目的の形状のインプラント9を製造する。これにより、目的とするインプラント9が複雑な形状を有するものであっても、容易に作製することができる。また、これにより、得られるインプラント9は寸法精度に優れるものとなる。さらに、比較的短時間で目的とするインプラント9を作製することができるので、緊急手術等にも対応できる。
その後、図12に示すように、インプラント形成ステージ3を上方に移動し、未硬化の原料粉末6を除去することにより、目的の形状を有するインプラント9が得られる。未硬化の原料粉末6は、例えば、エアーを吹き付けること等により除去することができる。
なお、必要に応じて、例えば、焼結、薬剤(例えば、BMP、TGFのような骨形成因子や、PGのような骨誘導因子等)の含浸等の処理(前処理、中間処理、後処理)を施してもよい。
このようにして得られるインプラント9は、適度な空孔率を有するものであるのが好ましい。これにより、インプラント9を生体内に埋め込んだときに、骨芽細胞がインプラント9の空孔内に侵入し易くなり、骨形成がスムーズに進行する。その結果、インプラント9の安定した効果が得られるまでの期間を短縮することができる。インプラント9の空孔率は、例えば、10〜90vol%であるのが好ましく、30〜80vol%であるのがより好ましい。
また、インプラント9内に形成された空孔の大きさ(空孔径)は、100μm以上(平均値)の連続孔であるのが好ましい。空孔径(平均値)が100μm未満であると、骨芽細胞がインプラント9の空孔内に侵入し難くなり、骨形成が進行し難くなる可能性がある。
一方、インプラント9の空孔率が前記上限値を超えると、インプラント9の機械的強度が十分に得られない可能性がある。
前述したように、本実施形態では、原料粉末6と反応液7との化学反応により、原料粉末6を硬化させる。これにより、結合材(バインダー)を添加することなく、原料粉末6を硬化させることができる。このため、得られるインプラント9は、不純物の含有量の少ない、純度の高いものとすることができる。その結果、得られるインプラント9は、生体への親和性が特に優れたものとなる。
また、原料粉末6および反応液7は、いずれも、生体に対する親和性に優れるものとすることができる。このため、未反応の原料粉末6、反応液7が残存した場合であっても、生体に対する悪影響の発生が効果的に防止される。
以下、原料粉末6および反応液7について詳細に説明する。
<原料粉末>
本実施形態では、原料粉末6として、例えば、α−リン酸三カルシウムと、リン酸四カルシウムと、リン酸水素カルシウムとを含有する粉末を用いることができる。
使用するα−リン酸三カルシウムおよびリン酸四カルシウムは、例えば、それぞれ別個に公知方法で製造したものであってもよいし、ハイドロキシアパタイトを焼成することにより得られたα−リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウムとの混合物を用いてもよい。
ハイドロキシアパタイトを焼成する場合、その焼成条件は、例えば、減圧条件下、1150℃〜1450℃で、1時間程度とされる。
また、リン酸水素カルシウムとしては、公知の任意の方法で製造されたものを使用することができ、無水物(CaHPO)、水和物(例えば、2水和物(CaHPO・2HO)等)のいずれを用いてもよい。
原料粉末6は、上記の3成分の他に、必要に応じて、例えば、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト、β−リン酸三カルシウム、ピロリン酸カルシウム等を含むものであってもよい。
原料粉末6は、後に詳述する反応液7と接触することにより化学反応し、硬化する。
また、原料粉末6は、Ca/P比が1.40〜1.80であるのが好ましく、1.40〜1.67であるのがより好ましい。Ca/P比が1.40未満、あるいは1.80を超えると、硬化反応の反応速度が低下し、また得られるインプラント9の機械的強度が低下する場合がある。
また、原料粉末6中には、必要に応じて、X線造影剤、抗菌剤、BMP、TGF等の骨形成因子、PG等の骨誘導因子等の添加剤が含まれていてもよい。X線造影剤としては、特に制限はなく各種のものを使用でき、例えば、硫酸バリウム、塩基性炭酸ビスマス、ヨードホルムなどが挙げられ、これらの1種以上を使用することができる。また、抗菌剤としては、ヨードホルム、クロルヘキシジンなどが挙げられる。
原料粉末6の平均粒径は、10〜100μmであるのが好ましく、20〜40μmであるのがより好ましい。
原料粉末6の平均粒径が前記下限値未満であると、原料粉末6の取扱いが困難となる。また、原料粉末6の平均粒径が前記下限値未満であると、得られるインプラント9の空孔率が低くなり過ぎ、骨形成が進行し難くなる可能性がある。
一方、原料粉末6の平均粒径が前記上限値を超えると、製造により得られるインプラント9の大きさによっては、十分な寸法精度が得られない可能性がある。
<反応液>
反応液7としては、原料粉末6と化学反応し、原料粉末6を硬化させるものであればいかなるものであってもよいが、水または水を主とするものであるのが好ましい。
これにより、原料粉末6と反応液7との反応によって形成される硬化部62は、特に機械的強度に優れたものとなる。また、反応液7として水または水を主とするものを用いた場合、原料粉末6との反応で、アパタイト(ハイドロキシアパタイトまたはリン酸八カルシウム)を生成することとなるが、このアパタイトは、生体との親和性が特に優れている。このため、より安全性の高いインプラント9を提供することが可能となる。
反応液7中には、水以外の構成成分として、例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、ポリアクリル酸、グルコン酸等の有機酸、リン酸等の無機酸、pH調整剤、増粘剤、X線造影剤、抗菌剤、BMP、TGF等の骨形成因子、PG等の骨誘導因子等が含まれていてもよい。
また、反応液7は、十分な流動性を有するものであれば、不溶性の成分を含むものであってもよい。
以上、本発明のインプラントの設計方法およびインプラントについて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、インプラントは、頬骨弓の周辺、頬骨弓があるべき部位またはその周辺に適用されるものとして説明したが、インプラントの適用部位は、特に限定されず、例えば、頭頂部付近等に適用されるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、欠損骨体形状データに対して、頭蓋骨の三次元データの骨切り面と合致するような補正を行った後に、軟部組織の形状データを用いた補正を行うものとして説明したが、軟部組織の形状データを用いた補正を行った後に、頭蓋骨の三次元データの骨切り面と合致するような補正を行ってもよい。
また、前述した実施形態では、軟部組織の形状データを用いた補正を、所定の厚みを有する欠損骨体形状データについて行うものとして説明したが、このような補正は、実質的に厚みを有さない欠損骨体形状データ(例えば、欠損骨体外表面形状データ等)について行うものであってもよい。言い換えると、実質的に厚みを有さない欠損骨体形状データについて軟部組織の形状データを用いた補正を行い、その後、所定の厚みをもたせるような処理を施してもよい。
また、前述した実施形態では、反応液は、原料粉末と化学反応することにより、原料粉末を硬化させるものとして説明したが、これに限定されない。すなわち、反応液は、原料粉末を硬化させるものであればいかなるものであってもよく、例えば、メチルセルロースやポリビニルアルコールを含む液体等のように、化学反応によらず、原料粉末を硬化させるもの(結合剤)であってもよい。
複数の断層データを基に作製された頭蓋骨の三次元データを示す図である。 骨欠損を生じる以前に骨欠損部にあったと思われる骨体(欠損骨体)の外表面形状データを、骨欠損部に重ね合わせた状態を示す図である。 骨欠損部に、所定の厚さを有する欠損対称部のデータを重ね合わせた状態を示す図である。 頭蓋骨の厚さ方向のほぼ全体にわたって、頭蓋骨の骨切り面と合致するように処理された欠損骨体形状データを示す図である。 軟部組織の形状データを利用して、図4に示すような欠損骨体形状データについて形状の補正を行うことにより得られるインプラント形状データの一例を示す図である。 軟部組織の形状データを利用して、図4に示すような欠損骨体形状データについて形状の補正を行うことにより得られるインプラント形状データの一例を示す図である。 インプラントの製造方法の好適な実施形態で用いる製造装置の構成を示す図である。 インプラントの製造方法の第1の工程を示す図である。 インプラントの製造方法の第2の工程を示す図である。 インプラントの製造方法の第3の工程を示す図である。 図8〜図10に示す第1の工程〜第3の工程を繰り返し行った状態を示す図である。 図8〜図10に示す第1の工程〜第3の工程を繰り返し行うことにより得られたインプラントの形状を示す図である。
符号の説明
1 インプラント製造装置
2 原料粉末供給槽
21 底部
3 インプラント形成ステージ
31 ピストン
4 ローラー
41 軸
5 給液ヘッド
6 原料粉末
61 層
62 硬化部
7 反応液
8 原料粉末回収槽
9 インプラント
10 三次元データ
101 骨欠損部
102 実質的な対称面
103 欠損対称部
104 骨切り面
105 無欠損部
11 半体
12 半体
13 欠損骨体形状データ
131 輪郭データ
132 欠損骨体外表面形状データ
133 重なり部
14 インプラント形状データ

Claims (12)

  1. 骨欠損部を有する頭蓋骨に適用するインプラントの設計方法であって、
    前記骨欠損部は、前記頭蓋骨の外表面側での面積が、前記頭蓋骨の内表面側での面積よりも大きいものであり、
    前記頭蓋骨の複数の断層データを基に、前記頭蓋骨の三次元データを作成する工程と、
    前記三次元データの実質的な対称面について前記三次元データの骨欠損部と対称な部位の形状データを利用することにより、欠損骨体形状データを得る工程と、
    前記対称面についての前記骨欠損部付近の対称部位の軟部組織の形状データを面対称な位置に移動させて得られる反転軟部組織データと、前記欠損骨体形状データとを重ねあわせ、このような状態で、前記反転軟部組織データの外表面と、前記欠損骨体形状データの外表面との距離を求め、その距離に応じて、前記欠損骨体形状データの外表面側の少なくとも一部に所定の厚さを加える補正を行う工程とを有することを特徴とするインプラントの設計方法。
  2. 前記軟部組織の形状データは、前記断層データを基に作成したものである請求項1に記載のインプラントの設計方法。
  3. 前記インプラントの周方向の少なくとも一部において、前記頭蓋骨の骨切り面の形状と合致するように設計する請求項1または2に記載のインプラントの設計方法。
  4. 前記頭蓋骨の外表面における前記骨切り面の輪郭の形状と合致し、かつ所定の厚さを有する欠損骨体の形状を予測した後、
    予測した前記形状のデータを前記骨切り面の輪郭に合致させた状態において、予測した前記形状のデータから、前記頭蓋骨と重なり合う前記外表面よりも内表面側の部位のデータを削除することにより、前記骨切り面の形状と合致するように設計する請求項に記載のインプラントの設計方法。
  5. 前記頭蓋骨の外表面における前記骨切り面の輪郭の形状に合致するように、欠損骨体の外表面の輪郭データを作成し、
    前記輪郭データを用いて、所定の厚さを有し、かつ厚さ方向にほぼ一定の形状を有する前記欠損骨体の形状を予測し、
    その後、予測した前記形状のデータを前記骨切り面の輪郭に合致させた状態において、予測した前記形状のデータから、前記頭蓋骨の前記三次元データと重なり合う前記外表面よりも内表面側の部位のデータを削除することにより、前記骨切り面の形状と合致するように設計する請求項に記載のインプラントの設計方法。
  6. 前記骨切り面の形状と合致するように処理が施された前記形状データに対して、前記軟部組織の形状データを用い、厚さの補正を加える請求項4または5に記載のインプラントの設計方法。
  7. 前記頭蓋骨の厚さ方向のほぼ全体にわたって、前記インプラントと前記頭蓋骨とが嵌合するように設計する請求項1ないしのいずれかに記載のインプラントの設計方法。
  8. 前記インプラントは、頬骨弓の周辺、頬骨弓があるべき部位またはその周辺に適用されるものである請求項1ないしのいずれかに記載のインプラントの設計方法。
  9. 前記三次元データの作成に用いられる前記断層データのスライス間隔は、0.1〜5mmである請求項1ないしのいずれかに記載のインプラントの設計方法。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載のインプラントの設計方法により設計し、その設計を基に製造されたものであることを特徴とするインプラント。
  11. 原料粉末で構成された層を形成する第1の工程と、
    前記層の少なくとも一部に、反応液を接触させ、前記原料粉末を硬化させる第2の工程とを有し、
    前記第1の工程と、前記第2の工程とを繰り返し行うことにより、複数の前記層を積層させ、前記設計方法により得られた三次元パターンに対応する形状のインプラントを製造する方法により製造された請求項10に記載のインプラント。
  12. 空孔率が10〜90vol%である請求項10または11に記載のインプラント。
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