JP4060170B2 - 能力切替機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3段階以上の能力切替を1つの切替レバーで行う能力切替機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、上下二段に分割形成された赤熱プレート式バーナを備え、全面で燃焼する強火力設定と下段バーナのみで燃焼する弱火力設定との二種類の火力切替を1つの切替レバーで操作するファン付き赤外線ストーブが知られている。
このストーブでは、上段バーナへのガス供給路が下段バーナへのガス供給路から分岐され、上段バーナ用のガス供給路を開閉する上段バーナ用開閉弁が備えられている。切替レバーが強火力側に操作されると、それに係合したカムが回動し、カム先端のローラーが板バネを介して開閉弁のスピンドルを押して開弁し、上下段両方のバーナへ燃料ガスが供給されて強火力に切り替わる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ストーブの暖房能力を上げたいというニーズが高まっており、これに応えるためには、バーナの数を増やし(例えば、バーナ3組)、しかも、簡単な操作で能力を多段に切り替えることのできる機構にする必要がある。そこで、1つの切替レバーで能力を3段階に切り替える専用の機構を新たに製造しようとすると、製造コストが非常に高くなってしまうという課題があった。
特に、需要の低い機種に対して切替段階数の異なるタイプを生産する場合には、各タイプの需要が半減し、製造型の償却の採算が合わない。
本発明の能力切替機構は上記課題を解決し、3段階以上の能力切替を行う能力多段階切替機構と能力2段階切替機構と部品を兼用して製造コストを抑えることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の能力切替機構は、
少なくとも最下段に配置される第1バーナと、この第1バーナの上段に配置される第2バーナとの2以上のバーナを有する燃焼器具に設けられて、燃料供給されるバーナ数を切り替える能力切替機構であって、
切替フレーム(65)と、
ガス流路(64d)並びに、このガス流路(64d)から分岐されて第1バーナに通じる下ガス流路(64c)および開閉弁(14)が介挿される結路(64b)がその内部に形成され、上記切替フレーム(65)に固定されるとともに、上記ガス流(64d)の上流端から燃料供給を受ける切替部(64)と、
上記切替フレーム(65)に上下方向に回動自在に軸支され、上下方向への回動操作により燃料供給されるバーナ数を切り替える切替レバー(22)と、
この切替レバー(22)の回動に連動して回動するカム(34)を有し、
上記切替レバー(22)が、第1バーナのみ燃焼させる第1火力に対応する位置から、第1バーナと第2バーナとを燃焼させる第2火力に対応する位置にまで回動操作されるときには、上記カム(34)が上記切替部(64)開閉弁(14)に固定されたスピンドルを押圧してガス流路(64d)を開成する能力切替機構において、
第1バーナと第2バーナからなる2段階に能力を切り替える燃焼器具に設けられるときには、切替部(64)(64b)を通る燃料を上記第2バーナに通じせしめる一方、
第2バーナの上段に第3バーナを設けた3段階に能力を切り替える燃焼器具に設けられるときには、
(63c)並びに、この(63c)の途中で分岐される中ガス流(63b)および開閉弁(13)が介挿される上ガス流(63a)がその内部に形成される切替部(63)を、上記切替フレーム(65)に固定し、
切替部(64)結(64b)の下流端と、切替部(63)(63c)の上流端とを連結パイプ(62)を介して接続し、切替部(63)中ガス流(63b)を第2バーナに、上ガス流(63a)を第3バーナにそれぞれ通じせしめ、
上記切替フレーム(65)カム(33)を軸支し、当該カム(33)カム(34)とを連結体(66)を介して連結し、
上記切替レバー(22)を第1火力位置から第2火力位置への延長方向となる第3火力に相当する位置にまで回動させたときには、上記カム(34)により開閉弁(14)が開成された状態が保持されつつ、カム(33)が回動し上記開閉弁(13)に固定されるスピンドルを押圧して開閉弁(13)を開成状態とする
ことを要旨とする。
【0005】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の能力切替機構では、3段階に能力を切り替える燃焼装置に設けられるときに、第1バーナのみ燃焼させる第1火力状態から第1バーナと第2バーナとを燃焼させる第2火力へ切り替えるためには、切替レバーを第1火力位置から第2火力位置へ操作して、その操作に連動して回動する中カムで中開閉弁を開ける。
また、第2火力状態から第1〜第3バーナ全てを燃焼させる第3火力へ切り替えるためには、切替レバーを第2火力位置から第3火力位置へ操作して、中カムに連結体を介して連結したカムを回動させ、そのカムにより開閉弁を開け、上ガス流路を開第3バーナへの燃料供給を行う。
このように、第1火力から第2火力の能力切替に関しては、能力2段階切替機構と同様であるため、その構成部品の共用化を図ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の能力切替機構の好適な実施形態について説明する。
【0007】
本発明の一実施形態としての能力切替機構について図1〜図10を用いて説明する。尚、図7,図9は、中火力位置(第2火力位置)の切替レバーを二点鎖線で示し、弱火力位置(第1火力位置)を一点鎖線で示している。また、図1〜図3の太線矢印は燃料ガスの流れを示している。
図9は、自然燃焼式室内開放型のファン付赤外線ストーブの断面概略図であり、図10は、そのシステム構成図である。
ファン付赤外線ストーブ1(以下、単にストーブ1と呼ぶ)は、前面に輻射開口2が設けられた本体ケース3内に、この輻射開口2に対向させて赤熱プレート式のバーナ4を備える。
【0008】
本体ケース3内の底部には、バーナ4の燃焼ガスを本体ケース3前面下部に設けられた温風吹出口7から送出する送風ファン8が設けられる。バーナ4の後方には、バーナ4の上方近傍に温風吸込口9を有し、送風ファン8に燃焼ガスを導くファン給気筒10が設けられる。ファン給気筒10の後方上部には、複数の冷風吸込口11が設けられ、送出する燃焼ガスを火傷等の危険がない適切な温度にまで冷却するための空気が吸い込まれる。また、本体ケース3後面には、機器外部の空気を本体ケース3内に吸引するための複数の取込口12が設けられる。
ファン給気筒10内は途中まで仕切板46によって、温風吸込口9と連通した温風通路と冷風吸込口11と連通した冷風通路とに分割される。
また、送風ファン8と温風吹出口7とはファン排気筒17によって連通される。
【0009】
従って、送風ファン8を駆動すると、温風吸込口9から燃焼ガスが吸引されると共に、取込口12を介して機器内に吸引された外部空気が冷風吸込口11から吸引される。そして、これらの燃焼ガスと空気とが送風ファン8に吸込まれ均一に混合されて、温風として温風吹出口7から送出される。
【0010】
バーナ4は、燃料ガスと一次空気との混合室を形成するバーナ本体5と、バーナ本体5に装着される多数の炎孔が設けられたセラミックス製の燃焼プレート6とを備えた全一次空気式バーナである。バーナ本体5の基端には、燃料ガスと一次空気とが吸入される吸入口56が開口し、吸入口56に臨んでノズル42が設けられる(図10参照)。
このバーナ4では、ノズル42から噴出された燃料ガスと、その噴出に伴って吸入口56から吸入された一次空気とがバーナ本体5内で良好に混合され、その混合気が燃焼プレート6の炎孔から噴出して、燃焼プレート6上で表面燃焼する。
【0011】
また、バーナ本体5は、上バーナ本体5a(第3バーナ)と中バーナ本体5b(第2バーナ)と下バーナ本体5c(第1バーナ)とに上下三段に分割形成される。そして、燃焼プレート6は、上バーナ本体5a,中バーナ本体5b,下バーナ本体5cとにそれぞれ左右二枚ずつ設けられる構成であり、全面で燃焼する強火力設定と、中バーナ本体5bと下バーナ本体5cとに設けられた四面のみで燃焼する中火力設定と、下バーナ本体5cに設けられた二面のみで燃焼する弱火力設定の三種類の火力切替が行える。
機器正面には、上下に操作して火力切替を行う切替レバー22と、点火レバー21(図10)とが設けられる。尚、符号22aは、切替レバー22のツマミである。
【0012】
また、バーナ4には、図10に示すように、酸素濃度低下に対してバーナ4よりも早く燃焼状態が変化するセンシングバーナ27と、センシングバーナ27で加熱される熱電対23と、バーナ4へ点火するための点火用バーナ28と、点火用バーナ28へ点火するための点火電極29とが設けられる。
【0013】
バーナ4へのガス流路となるメインガス流路41には、上流から順に、点火レバー21の操作力によって機械的に開弁され熱電対23からの起電力によって開弁保持されるマグネット電磁弁24と、点火レバー21の操作力によって機械的に開閉されるメイン弁25と、バーナ4の火力設定を切り替える能力切替機構60とが設けられる。
このマグネット電磁弁24は、室内の酸素濃度が低下してくるとセンシングバーナ27の火炎がリフトし始めて、熱電対23の起電力が低下して吸着保持できなくなりメインガス流路41を遮断する。従って、バーナ4の不完全燃焼を未然に防ぐことができる。
また、メインガス流路41は、メイン弁25と能力切替機構60との間において、上流から順に、点火用バーナ28へのガス流路と、センシングバーナ27へのガス流路とが分岐して形成される。この点火用バーナ28へのガス流路には、点火レバー21を開操作している間のみ開状態となる点火弁55が設けられる。すなわち、点火用バーナ28には、点火操作時のみ火炎が形成される。
【0014】
ストーブ1本体内には、ストーブ1の動作を制御するコントローラ18が設けられると共に、点火スイッチ32も設けられ、この点火スイッチ32からのON信号がコントローラ18へ入力される。この点火スイッチ32は、点火レバー21で点火操作しているときのみONする、つまり点火レバー21を押し下げている時のみONするスイッチである。
【0015】
ここで、点火動作について説明する。
点火レバー21を押し下げていくと、その途中でメイン弁25が開弁され、次に点火スイッチ32がONし点火電極29を連続スパークさせる。
更に、点火レバー21を押し下げると、順に、点火弁55,マグネット電磁弁24が開弁されバーナ4と点火用バーナ28とセンシングバーナ27へのガス流路が開放され、燃料ガスが供給される。そして、点火用バーナ28に着火した火炎が、バーナ4やセンシングバーナ27に火移りしていく。
センシングバーナ27やバーナ4に点火されると、加熱される熱電対23から起電力が発生しマグネット電磁弁24を吸着保持する。
そして、点火レバー21から手を離すと、点火スイッチ32がOFFし、スパークを停止させる。これにより、点火弁55が閉弁して点火用バーナ28へのガス流路は閉じられる。一方、マグネット電磁弁24は、閉弁可能状態となり、熱電対23からの起電力が所定の吸着保持電圧値以下になると閉弁される。
【0016】
次に、バーナ4の火力を切り替える能力切替機構60について図1〜図9を用いて説明する。
能力切替機構60は、図9に示すように、ストーブ1の底面に固定され、図10に示すように、切替レバー22の操作で中バーナ本体5bおよび上バーナ本体5aへのガス流路を開閉する中開閉弁14、上バーナ本体5aへのガス流路を開閉する上開閉弁13を備える。後で詳述するが、弱火力(第1火力)設定時には上開閉弁13,中開閉弁14が閉弁し、中火力(第2火力)設定時には上開閉弁13を閉じたまま中開閉弁14が開弁し、強火力(第3火力)設定時には上開閉弁13,中開閉弁14の両方が開弁する構成となっている。
【0017】
この能力切替機構60は、大別すると、図1,図10に示すように、ガス入口64e(図8)を形成し中開閉弁14を備えた中切替本体(切替部)64と、中切替本体64のガス流路64dを流れるガス圧を所定圧に制御するガスガバナ15と、上開閉弁13を備えた上切替本体(切替部)63と、中切替本体64と上切替本体63とを連通させる連結パイプ62(図9)と、切替レバー22に連動して上開閉弁13,中開閉弁14を開閉させる切替部61とからなる。この中切替本体64と上切替本体63は、アルミダイカスト製である。
【0018】
中切替本体64のガス流路64dには、ガスガバナ15と中開閉弁14との間から分岐して下バーナ本体5cへの流路となる下ガス流路64c、中開閉弁14より下流で上切替本体63への流路となる中連結路64bとが形成され、この中連結路64bに連結パイプ62が接続される。
一方、上切替本体63のガス流路63dには、連結パイプ62に接続される上連結路63cと、上連結路63cと上開閉弁13との間から分岐して中バーナ本体5bへの流路となる中ガス流路63b、上開閉弁13より下流で上バーナ本体5aへの流路となる上ガス流路63aが形成される。
【0019】
また、中開閉弁14は、図1に示すように、中連結路64bを開閉する弁体14aと、弁体14aと一体化され中切替本体64の外側(図1では左側)へ延びたスピンドル14bと、弁体14aを閉成方向(図1では左側)へ付勢するバネ14cとから構成される。
一方、上開閉弁13は、上ガス流路63aを開閉する弁体13aと、弁体13aと一体化され上切替本体63の外側(図1では左側)へ延びたスピンドル13bと、弁体13aを閉成方向(図1では左側)へ付勢するバネ13cとから構成される。この上開閉弁13の構成部品は、中開閉弁14と同一部品である。
【0020】
切替部61の主な構成部品は、上切替本体63,中切替本体64を固定し切替レバー22を軸支する切替フレーム65と、切替フレーム65(後述する左パネル65aの円弧孔65e)を貫通するように折り曲げた突起22b(図4)を備えた切替レバー22と、切替レバー22の突起22bと係合して回動し上から見てコの字形状に曲げられた中カム34、中カム34の後端(図1では左端)に連結される連結板66と、連結板66に連結され中カム34と平行を保ちながら連動(同一方向に回動)し同様にコの字形状に曲げられた上カム33からなる。
【0021】
更に、切替部61には、中カム34の後端に上下に設けられる上部ローラー34d,中部ローラー34eと、上カム33の後端に設けられる下部ローラー33dと、一端がビス止めされ他端が上部ローラー34d,中部ローラー34eとスピンドル14bとの間まで延びた中板バネ44(第2板バネ)と、同様に一端がビス止めされ他端が下部ローラー33dとスピンドル13bとの間まで延びた上板バネ43(第3板バネ)と、切替レバー22が中火力設定位置になるとカチッと鳴るようにした音板バネ67(図4,図7)とが設けられる。この音板バネ67には円孔67aが形成されており、切替レバー22に形成された孔に入っているボール68が、切替レバー22の回動に伴って切替フレーム65上を滑って円孔67aに嵌まる際に鳴るようにしたもので、設定した火力を把握しやすくしている。
【0022】
また、切替フレーム65(後述の左パネル65a)の左側面には、図5に示すように、中段位置にある切替レバー22の上下近傍に上部ボス65f,下部ボス65gが形成される。この切替レバー22が上段・中段の間を移動する際には(図6,図5)上部ボス65fを乗り越え、また、中段・下段の間を移動する際には(図5,図4)下部ボス65gを乗り越えるように構成され、火力変更時の操作感が得られるようにしている。
【0023】
切替フレーム65は、上から見てコの字形状に曲げられ、図8に示すように、左パネル65a,後パネル65b,右パネル65cからなり、後パネル65bの背面には、中切替本体64と上切替本体63とがそれぞれ上下に固定される。
一方、左パネル65aの左側には、切替レバー22(ツマミ22aの図示省略)が上下に回動可能に軸支され、更にその左側に音板バネ67が設けられる。この左パネル65cには、図4に示すように、切替レバー22の回動支点を中心とし突起22bが貫通する円弧孔65eが形成される。
【0024】
また、左パネル65aと右パネル65cとの間には、図8に示すように、カム34,33が左,右パネル65a,65cに軸支されると共に、図1に示すように、緩やかなS字形状で上下方向に延びた板バネ44,43が設けられる。この板バネ44,43の下端が左パネル65aの板バネ支持部65dにそれぞれ固定されている。
【0025】
中カム34は、図8に示すように、左板34aと前板34bと右板34cとからなり、同様に、上カム33も左板33aと前板33bと右板33cとからなり、図4に示すように、中カム34の左板34aの後端には、切替レバー22の突起22bと係合するための切り欠き34fが形成される。また、この突起22bは、切替レバー22の支点Aと中カム34の支点Bとの間に形成され、切替レバー22が上方向(図4では右回り)へ回動すると、カム34,33の後端も上方向(図4では左回り)に回動するようになっている。
【0026】
また、各カム34,33のローラー34d,34e,33dは、図1〜図6に示すように、各板バネ44,43を介して各スピンドル14b,13bを押して各開閉弁14,13を開弁することが可能な位置に設けられる。詳しくは、以下の3つの動作が行える関係位置に設けられる。
【0027】
1. 図1,図4に示すように、切替レバー22が下段(弱火力)にある場合では、各ローラー34d,34e,33dは、各板バネ44,43に当接しない下段に位置する。
つまり、中開閉弁14が閉じている状態であるため、点火操作により中切替本体64のガス流路64dへ流入した燃料ガスは、下ガス流路64cを通って下バーナ本体5cでの燃焼にのみ用いられる。このようにして、弱火力(1段燃焼)で暖房が行われる。
【0028】
2. 図2,図5に示すように、切替レバー22が中段(中火力)にある場合では、上部ローラー34dは板バネ44を押し、下部ローラー33dは板バネ43に当接しない中段に位置する。
つまり、中開閉弁14のスピンドル14bが押されて中開閉弁14が開いている状態であり、かつ上開閉弁13が閉じている状態であるため、中切替本体64へ流入した燃料ガスは、下バーナ本体5cでの燃焼に加えて、連結パイプ62(図9,図10),上切替本体63,中ガス流路63bを通って中バーナ本体5bでの燃焼にも用いられる。このようにして、中火力(2段燃焼)で暖房が行われる。
【0029】
3. 図3,図6に示すように、切替レバー22が上段(強火力)にある場合では、中部ローラー34eは板バネ44を押し、下部ローラー33dは板バネ43に押す回動位置である。
つまり、中開閉弁14が開いている状態であり、かつ上開閉弁13のスピンドル13bが押されて上開閉弁13が開いている状態であるため、中切替本体64へ流入した燃料ガスは、中,下バーナ本体5b,5cでの燃焼に加えて、上ガス流路63aを通って上バーナ本体5aでの燃焼にも用いられる。このようにして、強火力(3段燃焼)で暖房が行われる。
【0030】
上述した構成の能力切替機構60を備えたストーブ1では、1本の切替レバー22を上下に操作するだけで、燃焼させるバーナ本体5の数を切り替えて設定火力で暖房を行うことができる。
【0031】
しかも、本実施形態のストーブ1は、能力2段階切替タイプのストーブ(下バーナ本体5c,中バーナ本体5bのみ備えた従来型ストーブ)の多くの部品を兼用でき、コスト低減を図ることができる。
この従来型ストーブは、図11,図12に示すように、能力切替機構160として、本実施形態のガスガバナ15,中切替本体64,開閉弁14,板バネ44,上カム33,下部ローラー33dを備えている。
従って、本実施形態のストーブ1では、能力3段階切替用の新規部品点数が少なく、価格を低く抑えたまま暖房能力を向上させることができる。
しかも、2段階切替用では、3段階切替用の連結パイプ62に代えて、中バーナ本体5bへの流路となる中ガス流路63bを中切替本体64の中連結路64bに接続すればよく、中切替本体64を2段階切替用と3段階切替用とで兼用できる。このようにして、製造型費の高いアルミダイカスト製の中切替本体64を能力3段階切替用にそのまま利用するため、非常に大きなコスト削減となる。
尚、切替部161のうち切替レバー122,切替フレーム165は、本実施形態の部品の形状と異なるが類似しているため、この代替品(切替レバー22,切替フレーム65)もまた比較的安価に製造できる。
【0032】
加えて、本実施形態のストーブ1は、そもそも上切替本体63の関連部品と中切替本体64の関連部品とにおいて共通部品が多いため安価に製造できる。共通部品の例として、開閉弁13,14の弁体13a,14a、スピンドル13b,14b、バネ13c,14c、および板バネ43,44、ローラー33d,34d,34eなどがある。
【0033】
また、本実施形態の能力切替機構60は、切替フレーム65の左パネル65aに上部ボス65f,下部ボス65gが形成されるため、切替レバー22での火力変更操作が感触で分かり、しかも、音板バネ67とボール68とを設けて中火力設定時にカチッと鳴らすため、例えば、弱火力から強火力と中火力のどちらに設定したのかが切替レバー22の位置を見なくても、音から把握することができ、使い勝手が良い。
【0034】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態では能力を3段階に切り替えていたが、4段階以上切り替えてもよい。
また、本発明をガスストーブに代えてガス給湯器や灯油ストーブなどの燃焼機器に適用してもよい。
更に、操作感を出すためのボス65f,65gを形成しなくてもよく、同様に、音板バネ67,ボール68を設けなくてもよい。この場合には、切替レバーも従来の能力2段階機構161用の切替レバー122と共用できる。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1の能力切替機構によれば、能力切替段階を増やした機種に対して、ベース機種の部品を共用でき、各機種の製造コストを低く抑えることができる。
また、連結体を設けて第カムと第カムとを連動させたため、1つの切替レバーで複数の開閉弁の開閉を制御でき、火力変更操作がしやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】弱火力時の本実施形態としての能力切替機構を右から見た断面図である。
【図2】中火力時の本実施形態としての能力切替機構を右から見た断面図である。
【図3】強火力時の本実施形態としての能力切替機構を右から見た断面図である。
【図4】弱火力時の本実施形態としての切替部を右から見た断面図である。
【図5】中火力時の本実施形態としての切替部を右から見た断面図である。
【図6】強火力時の本実施形態としての切替部を右から見た断面図である。
【図7】強火力時の本実施形態としての切替部を左から見た断面図である。
【図8】強火力時の本実施形態としての能力切替機構の正面図である。
【図9】本実施形態としてのファン付赤外線ストーブの断面概略図である。
【図10】本実施形態としてのファン付赤外線ストーブのシステム構成図である。
【図11】強火力時の従来例の能力切替機構を右から見た断面図である。
【図12】強火力時の従来例の切替部を右から見た断面図である。
【符号の説明】
1…ファン付赤外線ストーブ、4…バーナ、5a,5b,5c…上,中,下バーナ本体、13,14…上,中開閉弁、13b,14b…スピンドル、22…切替レバー、33,34…上,中カム、34d,34e,33d…上,中,下部ローラー、43,44…上,中板バネ、60…能力切替機構、61…切替部、62…連結パイプ、63,64…上,中切替本体、63a,63b,64c…上,中,下ガス流路、63c,64b…上,中連結路、63d,64d…ガス流路、65…切替フレーム、65f,65g…ボス、67…音板バネ、68…ボール。

Claims (1)

  1. 少なくとも最下段に配置される第1バーナと、この第1バーナの上段に配置される第2バーナとの2以上のバーナを有する燃焼器具に設けられて、燃料供給されるバーナ数を切り替える能力切替機構であって、
    切替フレーム(65)と、
    ガス流路(64d)並びに、このガス流路(64d)から分岐されて第1バーナに通じる下ガス流路(64c)および開閉弁(14)が介挿される結路(64b)がその内部に形成され、上記切替フレーム(65)に固定されるとともに、上記ガス流(64d)の上流端から燃料供給を受ける切替部(64)と、
    上記切替フレーム(65)に上下方向に回動自在に軸支され、上下方向への回動操作により燃料供給されるバーナ数を切り替える切替レバー(22)と、
    この切替レバー(22)の回動に連動して回動するカム(34)を有し、
    上記切替レバー(22)が、第1バーナのみ燃焼させる第1火力に対応する位置から、第1バーナと第2バーナとを燃焼させる第2火力に対応する位置にまで回動操作されるときには、上記カム(34)が上記切替部(64)開閉弁(14)に固定されたスピンドルを押圧してガス流路(64d)を開成する能力切替機構において、
    第1バーナと第2バーナからなる2段階に能力を切り替える燃焼器具に設けられるときには、切替部(64)(64b)を通る燃料を上記第2バーナに通じせしめる一方、
    第2バーナの上段に第3バーナを設けた3段階に能力を切り替える燃焼器具に設けられるときには、
    (63c)並びに、この(63c)の途中で分岐される中ガス流(63b)および開閉弁(13)が介挿される上ガス流(63a)がその内部に形成される切替部(63)を、上記切替フレーム(65)に固定し、
    切替部(64)(64b)の下流端と、切替部(63)(63c)の上流端とを連結パイプ(62)を介して接続し、切替部(63)中ガス流(63b)を第2バーナに、上ガス流(63a)を第3バーナにそれぞれ通じせしめ、
    上記切替フレーム(65)カム(33)を軸支し、当該カム(33)カム(34)とを連結体(66)を介して連結し、
    上記切替レバー(22)を第1火力位置から第2火力位置への延長方向となる第3火力に相当する位置にまで回動させたときには、上記カム(34)により開閉弁(14)が開成された状態が保持されつつ、カム(33)が回動し上記開閉弁(13)に固定されるスピンドルを押圧して開閉弁(13)を開成状態とする
    ことを特徴とする能力切替機構。
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