JP4055989B2 - テープガイド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープガイドに関するものであり、特にテープにエアを吹き付けて浮上させるテープガイドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
データ、音楽、映像等の記録媒体として磁気テープが広く知られ、生産、使用されている。この磁気テープを磁気テープドライブや磁気テープワインダ等の装置上で好適に搬送させるために、磁気テープの走行方向及び幅方向をガイドするテープガイドが、一般的に広く使用されている。
【0003】
テープガイドに関する先行技術としては、磁気テープにエアを吹き付けて、磁気テープをガイド面から浮上させるテープガイドが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような、磁気テープをエアの圧力により浮上させてガイドするタイプのテープガイドは、ガイド面に細かい孔を均一に有しているのが望ましい。
【0004】
また、本願出願人は、このような技術背景に基づいて、焼結金属からなる円筒状のガイド体を備えたテープガイドを使用し、このガイド体の中空部にエアを吹き込み、ガイド体内部の気孔を通過させて、外周面からエアを吹き出し、磁気テープを浮上させてガイドしていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−117598号公報(第2−6頁、第1−4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した焼結金属からなる円筒状のガイド体は、気孔の分布が磁気テープの幅方向について不均一であっため、磁気テープが斜めに浮上し、その結果磁気テープが予期せぬ方向へ偏ってガイドされるという問題があった。
【0007】
また、前記した特許文献1に記載された発明では、エッチングにより細かい孔をガイド面に形成していたが、エッチングという方法を使用するため、ガイド体の厚さが0.05〜0.2mmと極めて薄く、強度が弱いため、扱いにくいとともに、装置上の所定の位置に配置するために複雑な構造をとらねばならなかった。
【0008】
そこで、本発明は、好適にテープ浮上させてガイドするテープガイドを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、テープの走行をガイドするテープガイドにおいて、周面に複数のエア吹き出し孔を有する筒状のガイド体を備え、前記テープの幅方向において、中央付近の前記エア吹き出し孔は、外側のエア吹き出し孔より大きいことを特徴とするテープガイドである。
【0010】
ここで、テープとは、長尺の帯状体を意味し、例えば磁気テープ等が挙げられる。
【0011】
このようなテープガイドによれば、ガイドするテープの幅方向において、中央付近のエア吹き出し孔が、外側のエア吹き出し孔より大きいので、エア吹き付け量は中央付近で多くなり、テープを浮上させる浮上力は中央付近で大きくなる。したがって、テープは、テープガイドの幅方向中央付近の圧力が高い部分で安定し、幅方向にずれにくい状態で、ガイドされる。
【0012】
第2の発明は、テープの走行をガイドするテープガイドにおいて、周面に直径0.2mm以下の複数のエア吹き出し孔を有し、セラミックス材料から形成された円筒状のガイド体を備えたことを特徴とするテープガイドである。
【0013】
このようなテープガイドによれば、エア吹き出し孔からテープにエアを吹き付けて浮上させ好適にガイドすることができる。また、ガイド体が耐摩耗性を有するセラミックス材料で形成されているので、長期間使用したり、高速で走行するテープをガイドしてガイド体が発熱しても、ガイド体が磨耗しにくくすることができる。なお、このようなセラミックス材料で形成されたテープガイドにおいても、幅方向中央付近のエア吹き出しを外側のエア吹き出し孔よりも大きく形成するのがより好ましい。
【0014】
第3の発明は、第2の発明のガイド体の製造方法であって、(a)セラミックスの粉末を円筒形状に圧縮して圧粉体にする工程、(b)前記圧粉体にエア吹き出し孔を機械加工により設ける工程、(c)前記エア吹き出し孔が設けられた圧粉体を焼結する工程含むことを特徴とするテープガイド用ガイド体の製造方法である。
【0015】
ここで、エア吹き出し孔を機械加工により設ける工程とは、例えば、ドリルにより穿孔し、エア吹き出し孔を設ける工程を意味する。
【0016】
このようなテープガイド用ガイド体の製造方法によれば、セラミックスの粉末を円筒形状に圧縮して圧粉体を形成した後に、焼結前の圧粉体に機械加工でエア吹き出し孔を設けるので、速く、低いコストで細かい孔を形成することができる。そして、その後、エア吹き出し孔が設けられた圧粉体を焼結することにより、セラミックス材料からなる硬質のテープガイド用ガイド体を製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。第1実施形態は、本発明に係るテープガイドを備えたテープワインダ装置であるが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
なお、実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0018】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係るテープガイドを備えたテープワインダ装置について、図1を参照して説明する。参照する図面において、図1は第1実施形態に係るテープガイドを備えたテープワインダ装置の正面図である。
【0019】
(テープワインダ装置)
テープワインダ装置Wは、磁気テープTが巻回された供給用のテープリール30、30(一般的に「パンケーキ」と呼ばれている)から、出荷用のケースCに装入されているテープリール71に、磁気テープTを所望の長さに切断・小分けして巻回し、これを排出する装置である。
【0020】
テープワインダ装置Wの前面パネルP側には、図1に示すように、供給用のテープリール30、30と、ケースCを収める巻取り装置70が設けられている。巻取り装置70には、磁気テープTを所望長さに切断するカッタ等の切断手段(図示しない)とテープリール71を回転させる電動モータ等の駆動手段(図示しない)とを備えている。
これらの他にテープワインダ装置Wには、磁気テープTの幅方向の両端を研磨するブレード装置40と、磁気テープTの両面を清掃するクリーニング装置50、50と、走行中の磁気テープTの張力を調節する張力調整装置60と、磁気テープTを巻回したテープリール71を収容したケースCの排出収容部90と、磁気テープTを巻回する前のケースCが貯蔵されているケースストック部80と、テープワインダ装置Wの運転を操作する操作盤100とが設けられている。
【0021】
また、供給用テープリール30、30は、テープワインダ装置Wに2つ設けられているので、片方の供給用テープリール30がなくなったときには、テープガイド10a又はテープガイド10bを使用することにより供給用テープリール30を切り換えて、連続的に磁気テープTを供給できるようになっている。
【0022】
磁気テープTは、供給用のテープリール30から引き出されて、巻取り装置70に取り付けられたテープリール71まで、ブレード装置40、クリーニング装置50、50、張力調節装置60を経由するように、適宜な位置に設けられたテープガイド10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10hにガイドされている。
これらのテープガイド10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10hは、同様の構成であり、また、同様の機能を備えている。したがって、以下テープガイド10aについて詳細に説明し、その他のテープガイド10b、10c、10d、10e、10f、10g、10hについては、説明を省略する。
【0023】
(テープガイド)
続いて、テープガイド10aについて、図2から図5を参照して詳細に説明する。参照する図面において、図2は第1実施形態に係るテープガイドの一部分解斜視図である。図3は、図2に示す第1実施形態係るテープガイドの要部を示した図面である。図4(a)は図3に示す第1実施形態に係るテープガイドのエアガイド体の正面図であり、図4(b)は図4(a)に示す第1実施形態に係るテープガイドのX−X’断面図である。図5は、図3に示す第1実施形態に係るテープガイドのY−Y’断面である。
【0024】
テープガイド10aは、図2に示すように、パネルPの表面に着脱自在に固定されたガイド支持体2と、ガイド支持体2の頭部に固定され磁気テープTをガイドするガイド面1aを有するエアガイド体1(ガイド体)と、このエアガイド体1をガイド支持体2とで狭持する上ガイド部材3とを主要部として構成されている。
【0025】
(ガイド支持体)
ガイド支持体2は、略円柱状の部材であり、その下面がパネルPに当接した状態で、パネルP背面側からの図示しないボルトで固定されている。
ガイド支持体2の頭部は、略円錐台の形状をしており、その台部に相当する上面2cには上方に突出した段違い上面2dが形成されている。
【0026】
ガイド支持体2の傾斜面2bは、後記する上ガイド部材3の傾斜面3aとで、磁気テープTをガイド面2aへ案内する。つまり、テープワインダ装置Wに磁気テープTをセットするときに、磁気テープTをテープガイド10aのエアガイド体1に掛けやすくなっており、磁気テープTの走行中はその幅方向の移動を規制できるようになっている(図5参照)。
段違い上面2dは、後記するエアガイド体1の内周面に嵌合する外径を有し、エアガイド体1の位置決めをする。
【0027】
ガイド支持体2の内部には、軸方向に段違い上面2dと下面とを連通する空洞部2aが形成されている。空洞部2aは、パネルP内部の空洞部Paを介して、パネルPの背面側のホース取付部材4に接続されたホース6に連通している。そして、ホース6に接続されたエア圧縮機(図示しない)を稼動すると、ホース6、空洞部Pa、空洞部2aを経由して、ガイド支持体2の頭部からエアが吹き出すようになっている。
【0028】
(上ガイド部材)
上ガイド部材3は、図5に示すように、2つの円錐台が互いの底面で結合したような略円盤状を呈する部材である。
上ガイド部材3の下面3b側には、傾斜面3aが形成されている(図5参照)。この傾斜面3aにより、前記したガイド支持体2の傾斜面2bと同様に、磁気テープTを掛けやすく、また、磁気テープTの幅方向の移動を規制できるようになっている。
また、上ガイド部材3の下面3bには、前記したガイド支持体2の段違い上面2dと同様に、突出した段違い下面3cが形成されており、エアガイド体1と上ガイド部材3の位置決めをしている。
【0029】
上ガイド部材3の軸方向の中央には、貫通孔3dが形成されている。そして、図2に示すように、ボルト7を、貫通孔3d、エアガイド体1の中空部1dに挿通し、ガイド支持体2の軸線上に形成されたボルト穴2eに螺合することにより、エアガイド体1は上ガイド部材3とガイド支持体2に挟持された状態で、ガイド支持体2に取り付けられている。また、ボルト7で締結することにより、エアガイド体1は、回転しないようになっている。このように、エアガイド体1はボルト7でガイド支持体2に着脱自在に取り付けられているので、エアガイド体1が変形、変質、汚損等したときには、容易に取り換えたり、洗浄したりすることが可能となっている。
【0030】
(エアガイド体)
エアガイド体1は、円筒状の部材であり、その外周面は磁気テープTをガイドするガイド面1aである。ガイド面1aには、エアガイド体1の径方向に沿って断面が円形の複数のエア吹き出し孔1b、1cが穿設されており、このエア吹き出し孔1b、1cを介して、エアガイド体1の中空部1dと外側のガイド面1aとが連通している。したがって、前記したエア圧縮機(図示しない)から、ホース6、パネル空洞部Pa、空洞部2a、中空部1dを経由して供給されたエアは、複数のエア吹き出し孔1b、1cを通過してガイド面1aから吹き出して、磁気テープTをガイド面1aから、所定距離dだけ浮上できるようになっている(図3、図4(b)、図5参照)。
【0031】
エア吹き出し孔1b、1cは、共に、直径が0.2mm以下であり、また、エア吹き出し孔1bは、エア吹き出し孔1cより孔径が大きくなるように形成されている。さらに、エア吹き出し孔1bは、図4(a)に示すように、ガイドする磁気テープTの幅方向において、つまり、エアガイド体1の軸方向において、ガイド面1aの中央に設けられており、その外側に等間隔で且つ両端の近傍にエア吹き出し孔1c、1cがそれぞれ設けられている。このように、磁気テープTの幅方向において、ガイド面1aの中央に、その外側より孔径の大きいエア吹き出し孔1bが形成されていることにより、エア吹き出し孔1bからのエアの吹き出し量は、エア吹き出し孔1cからの吹き出し量より多くなる(図5参照)。すなわち、磁気テープTをガイド面1aから浮上させる浮上力は、磁気テープTの幅方向において、中央の中央浮上力Fcが、その外側の外側浮上力Fo、Foより大きくなる。したがって、磁気テープTの長手方向(走行方向)に発生する張力Tは、エアガイド体1の幅方向の中央が高くその外側が小さくなるような勾配で発生するので、磁気テープTはエアガイド体1の幅方向中央に安定し、移動しにくくなっている。
なお、図4(a)に示すエアガイド体1は、磁気テープTの幅方向において、エア吹き出し孔1b、1cとが3列状になるように形成したが、さらに多くの複数列状となるようにしても良い。
【0032】
エア吹き出し孔1b、1cは、ガイド面1aの周方向に、ラップ角度θに応じて適宜な間隔で形成されている。ラップ角度θとは、図4(b)に示すように、磁気テープTが、エアガイド体1のガイド面1aから浮上して非接触的に通行可能とする角度を意味する。なお、このラップ角度θは、磁気テープTの走行方向の変更角度、つまりテープガイド10aの設置場所に応じて、適宜変更することが可能である。また、このようにラップ角度θに応じて、吹き出し孔1b、1cを形成することにより、エアの消費量を抑えることができる。
【0033】
エアガイド体1の端面と、この端面に接触する上ガイド部材3及びガイド支持体2の接触面は、精密な研磨が施され平坦であることが好ましい。このように平坦であると、エアガイド体10aの中空部に送り込まれたエアは、エア吹き出し孔1b、1c以外から、外部に漏れにくくすることができる。また、この他に例えば、Oリング等を追加して設けて密閉性を高めてもよい。
【0034】
エアガイド体1は、耐熱性、耐摩耗性を備える硬質の材料から形成されることが好ましい。このような材料としては、セラミックス材料が好適であり、例えば耐摩耗性が非常に高いジルコニア(ZrO2)が挙げられる。
また、エアガイド体1の厚みは、焼結前の穿孔ができる限り、適宜な厚さ、例えば2mm〜10mm程度とすることができる。そのため、エアガイド体1自体の強度も高く、取り扱いやすくすることができる。
【0035】
(エアガイド体1の製造方法)
次に、第1実施形態に係るテープガイド10aのエアガイド体1の製造方法について説明する。
ガイド体1の形状に対応した円筒状の空隙部を有するダイにセラミックスの粉末を充填し、パンチにより圧縮成形し圧粉体とする。そして、この圧粉体に、例えばドリルによる機械加工により、所望の位置にエア吹き出し孔1b、1cを穿孔する。そして、このエア吹き出し孔1b、1cが形成された圧粉体を焼結し、エアガイド体1を製造する。このように、焼結前の比較的機械加工しやすい状態の圧粉体に、エア吹き出し孔1b、1cを設けるので、エア吹き出し孔1b、1cが小さくても、容易に且つ効率良く、精密に、エア吹き出し孔1b、1cを形成することができる。
【0036】
このようにエア吹き出し孔1b、1cが、機械加工で形成されたことにより、確実に磁気テープTを浮上させることができる。また、エア吹き出し孔1b、1cの大きさが、正確に管理できるようになり、テープガイド10aに供給するエアの圧力を管理することにより、エア吹き出し孔1b、1cから吹き出すエア量を把握することができる。
【0037】
したがって、以上説明したテープガイド10aを備えるテープワインダ装置Wにより、磁気テープTが供給用テープリール30からテープリール71に巻回される工程において、磁気テープTを好適にガイド体1から浮上させることができる。また、磁気テープTの幅方向にずれにくくなっているので、テープリール71に磁気テープTをその巻姿が乱れること無く巻回することができる。よって、テープリール71に巻回された磁気テープTが、例えば振動等により、その両端部が折れ曲がったりすることを防止できる。
【0038】
続いて、第1実施形態に係るテープガイドの作用と効果について述べる。
供給用テープリール30をワインダ装置Wに取り付け、磁気テープTを引き出して、ブレード装置40、クリーニング装置50、50、張力調節装置60を経由するように、テープガイド10a、10c、・・・に掛けた後、巻取り装置70に取り付けたケースCのテープリール71に適宜な方法で固定する。そして、操作盤100を操作し、図示しないエア圧縮機を作動させて、テープガイド10a、10b、10c・・・のエアガイド体1・・・のエア吹き出し孔1b、1c・・・からエアを磁気テープTに吹き付け浮上させる。それから、図示しない電動モータ等の駆動手段を作動させ、テープリール71を回転させて、テープリール71に磁気テープTを巻き取っていく。
【0039】
磁気テープTは、各テープガイド10a・・・において、図3に示すように、ガイド面1a・・・から好適に浮上し、また図5に示すように、磁気テープTの幅方向において、中央の浮上力Fcが大きくなっている。したがって、磁気テープTが高速で走行しても幅方向にずれにくくなっており、テープリール71に整った巻姿で巻回される。
【0040】
テープリール71に所定量の磁気テープTが巻回されると、巻取り装置70に設けられた図示しない切断手段により、磁気テープTが切断・接合されて、ケースCごとに排出される。
【0041】
そして、所定量の磁気テープTが巻回されたテープリール71はケースCごとに排出され、テープワインダ装置Wの稼動を終了する。
【0042】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。
【0043】
本発明に係るエアガイド体1を、ジルコニア(ZrO2)で形成し、ガイドする磁気テープTの幅方向に3列でエア吹き出し孔1b、1cを設けた。なお、中央のエア吹き出し孔1bは直径0.2mm、その両側のエア吹き出し孔1c、1cは直径0.15mmとし、周方向の間隔は、20°毎とし、ラップ角度θは100°とした。
さらに、比較例として従来のエアガイド体(平均気孔径約2μmの焼結金属からなる)を作製した。
【0044】
そして、本発明に係るエアガイド体1を備えるテープガイド10a(以下、「本発明品」と略称する)と、従来の焼結金属製のエアガイド体を備えるテープガイド(以下、「従来品」と略称する)をそれぞれ作製し、磁気テープTの走行試験を行った。走行試験結果を図6に示す。
【0045】
図6に示されるように、従来品は、磁気テープTの幅方向において、上ガイド部材3側の浮上高さが大きくなるようにして偏りが生じていることが分かる。
一方、本発明品は、磁気テープTの幅方向において、ほぼ一定の浮上高さであることがわかる。
【0046】
また、従来品と本発明品を備えるワインダ装置Wについて、所定期間、稼動した運転結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004055989
【0048】
ここで、巻姿NG率は、磁気テープTの巻姿が乱れたテープリール71の百分率を示し、低い値が好ましい。
D.O.1μ・D.O.及び(PSCL)・1μsD・0は、工程能力指数を示し、大きい値が好ましい。
エア消費量は、テープワインダ装置Wの稼動により消費されたエア量を示し、少ない値が好ましい。
保全工数削減・流量は、テープワインダ装置Wの保全に係る時間を示し、小さい値が好ましい。
【0049】
表1より、テープガイドを本発明品に変更することにより、巻姿NG率を約5%から2%に低減することができ、テープリール71に巻回された磁気テープTの巻姿が向上したことがわかる。
D.O.1μ・D.O.及び(PSCL)・1μsD・0値が、それぞれ増加したことにより、品質が向上したことがわかる。
エア消費量は、108Lから72Lへ減少した。これは、焼結金属製のエアガイド体では、周面の全方向にエアが吹き出されていたが、本発明に係るエアガイド体1は、ラップ角度θに応じて、エア吹き出し孔1b、1cが形成されたからと考えることができる。
保全工数削減・流量は、10分から1分へ減少し、保全工数が大幅に削減できることが分かる。
【0050】
(変形例)
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以下のような、適宜変更が可能である
【0051】
前記した第1実施形態では、テープガイド10a、10b、・・・を備えるテープワインダ装置Wについて説明したが、テープガイド10a、10b、・・・は、この他にサーボライタや各種テープドライブ装置(例えば、ビデオカメラ、VTR装置、カセットレコーダ等)に適用しても良い。
【0052】
前記した第1実施形態では、支持体2が取り付けられたパネルPの背面側から、エアを供給したが、その他に例えば、パネルPの前面側で、支持体2の側面からエアを供給しても良い。
【0053】
前記した第1実施形態のエアガイド体1には、ガイドするテープの幅方向において、中央に大きなエア吹き出し孔1bを形成したが、その他に例えば、エア吹き出し孔1b、1cを同じ大きさし、中央付近にエア吹き出し孔が密集するように設けて、中央付近のテープ浮上力が大きくなるようにしても良い。
【0054】
前記した第1実施形態のエアガイド体1が、磁気テープTの走行中に回転して、ラップ角度θ(図4(b)参照)に対応するエア吹き出し穴1b、1cの位置がずれないように、例えばエアガイド体1、ガイド支持体2、上ガイド部材3が互いに接触する面に、例えばキー等を追加して形成し、エアガイド体1が回転しないように、また、設置位置が視認できるようにしても良い。
【0055】
前記した第1実施形態では、円筒状のエアガイド体1をガイド支持体2と上ガイド部材3とで挟持してテープガイド10aを構成し、ガイド支持体2と上ガイド部材3とで磁気テープを幅方向に規制し、両端面に蓋をするようにしエア吹き出し孔1b、1c以外からエアが漏れないようにしたが、その他に例えば、エアガイド体1の両端部にフランジ部を一体的に形成しても良いし、また、エアガイド1を片側が閉じた有底の円筒状に形成しても良い。
【0056】
前記した第1実施形態では、円筒状のエアガイド体1を備えてテープガイド10aを構成したが、その他に例えば、半円筒状のエアガイド体や、断面が扇形のの筒体のエアガイド体を使用してテープガイド10aを構成しても良い。
【0057】
【発明の効果】
本発明によると、好適にテープ浮上させてガイドするテープガイドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るテープガイドを備えるテープワインダ装置の正面図である。
【図2】第1実施形態に係るテープガイドの一部分解斜視図である。
【図3】図2に示す第1実施形態係るテープガイドの要部を示した図面である。
【図4】(a)は図3に示す第1実施形態に係るテープガイドのエアガイド体の正面図であり、(b)は図4(a)に示す第1実施形態に係るテープガイドのX−X’断面図である。
【図5】図3に示す第1実施形態に係るテープガイドのY−Y’断面である。
【図6】本発明に係るテープガイドと従来のテープガイドについて、ガイド面からの浮上高さを比較したグラフである。
【符号の説明】
1 エアガイド体(ガイド体)
1a ガイド面(周面)
1b、1c エア吹き出し孔
2 ガイド支持体
3 上ガイド部材
4 ホース取付部材
6 ホース
T 磁気テープ(テープ)
P パネル

Claims (1)

  1. テープの走行をガイドするテープガイドにおいて、
    周面に複数のエア吹き出し孔を有する筒状のガイド体を備え、
    前記テープの幅方向において、中央付近の前記エア吹き出し孔は、外側のエア吹き出し孔より大きいことを特徴とするテープガイド。
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