JP4052899B2

JP4052899B2 - meat sauce

Info

Publication number: JP4052899B2
Application number: JP2002238867A
Authority: JP
Inventors: 博文大原; 敦祥石川
Original assignee: QP Corp
Current assignee: Kewpie Corp
Priority date: 2002-08-20
Filing date: 2002-08-20
Publication date: 2008-02-27
Anticipated expiration: 2022-08-20
Also published as: JP2004073100A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肉類、特に挽肉がたっぷり入った脂肪分を含むミートソースやビーフシチュー等の加工食品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
肉がたっぷり入った、例えばミートソースやビーフシチュ、ジャージャー麺の挽肉の具等の加工食品は、炒める、煮込む等の調理を施していくと、加工食品中の油分が表面に浮いてしまう状態となる。肉の配合率が少ない場合には、油浮き現象は確認され難く、たとえ確認できたとしても、脂肪分の絶対含有率が低い為に、際立って少ないが、脂肪分の多い部位の肉を使用したり、たとえ、脂肪分が少ない部位を用いたとしても、肉を加工食品の全配合質量基準で１０％以上、更には２０％以上配合すると、油浮き現象が顕著に確認される。油浮きの状態は、パスタの本場イタリアの高級なミートソースとしては、極一般的でイタリア人には、抵抗感の無いパスタソースとなっているが、日本人においては、油分が表面に浮いていることで、油っぽく抵抗感を感じる人が少なくない。この油浮きの状態は、常温保存可能なレトルト食品（容器包装詰加圧加熱殺菌食品）とする場合、１００℃を超える温度で加圧加熱殺菌することで、更に顕著に油浮きをしてしまうものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、肉を具材としてたっぷり入れても、油浮きせず、味の深みとコクを付与した加工食品を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、肉類の配合率が全配合質量基準で１０％以上であり、脂肪含有率が７％以上３０％以下である１００℃を越える加熱殺菌を施したミートソースにおいて、卵黄、及び／又は、リゾリン脂質を配合し、前記卵黄の配合率が水分を除く固形分として全配合質量基準で０．５％以上３．５％以下であり、前記リゾリン脂質の配合率が全配合質量基準で０．０２％以上０．５％以下であるミートソース、である。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「％」は「質量％」を意味する。
【０００６】
本発明に用いる肉類としては、牛、豚、鶏等、食用に供される食肉であればいずれでもよい。肉類を用いる場合、各種加工食品に合わせて、好みの形状、大きさにカットして用いればよく、肉類を加工食品に多く配合する場合には、食べ易さ、美味しさの観点から、特に挽肉にして用いるとよい。挽肉の大きさは適宜選択すればよい。例えば、業務用のチョッパーを用いて挽肉にする場合には目開きφ5〜15ｍｍ程度のプレートを用いて挽肉にすればよく、必要に応じて２回以上挽いたものでもよい。そして、用いる肉類の脂肪分が多い場合や、肉類の配合率が多くなると、調理中、あるいは保管中に、油分が滲み出てきて、いわゆる「油浮き」の状態となる。特に、加工食品に対し、肉類を全配合質量基準で約１０％以上配合すると、油浮きが気になり始め、更には、約２０％以上配合すると油浮きが目立つものとなる。また、加工食品に対し、肉類を６０％以下程度、好ましくは５０％以下程度にするとより良い。これよりも多く配合すると、ボソボソとしたそぼろ状のような加工食品になる傾向になるからである。
【０００７】
また、加工食品には、肉類の他に、その他の原料由来の脂肪分が添加されることが多く、加工食品全体の脂肪含有率としては、加工食品に対し全配合質量基準で５％以上、更には７％以上である場合に、油浮き現象が顕著に確認されるようになるので、卵黄又はリゾリン脂質を配合することで、抑制することができる。なお、加工食品の脂肪含有率としては、３０％以下程度にしておくと油浮きを効果的に抑制でき好ましい。
【０００８】
本発明に用いる卵黄としては、卵を割卵して卵白と分離して得られる液卵黄や、前記液卵黄を、濾過、殺菌、凍結、乾燥等の各種処理を施したものをそのまま、或いは液状に戻したもの、更にはコレステロール等の成分の一部を除去したものでもよい。風味や食感を特に重視する場合には、生の液卵黄を用いるとよい。卵黄の配合率としては、卵黄の水分を除く固形分として、加工食品に対し、全配合質量基準で、約０．５％以上３．５％以下であると、味の深みとコクを効果的に付与でき、油浮き現象を抑制するものとなる。なお、卵黄には、増粘安定剤、多糖類、蛋白質類、塩類、ミネラル類、調味料等を適宜添加したものでもよい。
【０００９】
また、卵黄に代えて、あるいは、併用して、リゾリン脂質を用いるとよい。リゾリン脂質とは、リン脂質のグリセロール骨格の１位または２位に結合した脂肪酸残基のいずれか一方が加水分解により水酸基となったものであり、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジン酸等を挙げることができる。これらは単独で、あるいはこれらの混合物で、若しくは、これらを主成分とする組成物で配合しうる。リゾリン脂質の配合率としては、加工食品に対し、全配合質量基準で、０．０２％以上０．５％以下、好ましくは、０．０５％以上０．３５％以下であると、風味も良好で、かつ、油浮きの現象を効果的に抑制できる。
【００１０】
具体的にリゾリン脂質としては、卵黄、大豆、ナタネ等から抽出したリン脂質を常法によりホスフォリパーゼにて酵素処理したものであり、上記卵黄等を直接ホスフォリパーゼで酵素処理した後、エタノール等の溶剤で抽出して得られるリゾリン脂質でも構わない。リゾリン脂質は、リゾリン脂質濃度１００％の純粋なものに限る必要はなく、粗製のリゾリン脂質（例えば、リゾリン脂質濃度１０〜６０％程度のもの）であっても差し支えない。このようなリゾリン脂質として市販されている例えば「卵黄レシチンＬＰＬ−２０」（キユーピー株式会社製：リゾリン脂質約２０％含有品：リゾリン脂質組成はリゾフォスファチジルコリン約８０％対リゾホスファチジルエタノールアミン約２０％）等を用いることができる。なお、リゾリン脂質として、卵黄由来の卵黄リゾリン脂質を用いると、本発明の加工食品に用いた場合、風味がより好ましいものが得られる。
【００１１】
その他、リゾリン脂質として用いる方法としては、卵黄にホスフォリパーゼを直接作用させて、卵黄中に含まれるリン脂質を加水分解し、リゾリン脂質に分解したものを、そのまま又は乾燥等して用いることもできる。このようにして得られるリゾリン脂質は、リポ蛋白質中でリゾリン脂質に分解されており、リゾホスフォリポ蛋白質として用いるとよい。
【００１２】
なお、ホスフォリパーゼとしては、リン脂質を加水分解する酵素で、リン脂質の１位又は２位のエステル結合を加水分解するホスフォリパーゼＡ_１、ホスフォリパーゼＡ_２を用いればよい。また、これらの酵素とともに他の酵素、例えばリパーゼ、プロテアーゼなどを併用しても構わない。そして、リゾリン脂質の含有率は、イヤトロスキャン法（TLC−FID法）で分析することができる。
【００１３】
本発明の加工食品としては、肉類を豊富に用いるミートソース、トマトソース、ボルシチ、ミネストローネ、シチュー、ドミグラスソース、ビーフシチュー、ジャージャー麺や坦々麺、肉味噌ラーメン等の肉の具や、また、麻婆豆腐、麻婆茄子、青椒肉絲（青椒牛肉糸、チンジャオロースー）、回鍋肉等の素として用いる肉入りソースの素、等として用いることができる。
【００１４】
これらの中でも、特に酸味のあるソースに、味の深みやコクが新たに付与でき、まろやかとなるので、トマト系や酸性調味料を使用するｐＨ４．０〜６．５程度、好ましくはｐＨ４．０〜５．５程度の加工食品に本発明は好適である。なお、本発明において加工食品のｐＨは、１０ｇをストマッカー袋に採り、清水で１０質量倍に希釈し、オルガノ社製のストマッカー（４００−Ｔ）を用いてノーマルスピードで６０秒間、ストマッカー処理し、その処理物をｐＨメーター（ＭＰ２２５、メトラー・トレド社製）で測定した値である。
【００１５】
また、１００℃を超える温度で加熱殺菌を施す加工食品においては、特に油浮き現象が生じやすいが、本発明は効果的に油浮きを抑制するので、レトルト食品にも好適である。なお、常温で保管できるように、1００℃を超える温度で加熱殺菌を施す場合、加熱殺菌の目安として、F0値を管理値として、Ｆ0値4以上となるように加熱殺菌するとよい。F0値の上限値に制限はないが、Ｆ0値１２以下程度でよく、これを超えて加熱殺菌を施しても、得られる食品の風味・食感が劣る傾向となるからである。また、静菌剤等との併用や、チルド保管、あるいは、常温保管する必要が無い場合等には、F0値は０以上４未満でもよく、適宜必要に応じ選択すればよい。
【００１６】
なお、従来カルボナーラソースは、卵黄を完全に凝固しないように、茹で上げたパスタに絡めて、その余熱で卵黄成分を半熟状に仕上げるパスタソースであり、卵黄の配合率が通常、固形分で６％程度と多く配合することによって、卵黄（卵）の風味を味わうソースであり、ｐＨは６程度のもので、また、肉類を配合するとしても、ベーコンを全配合質量基準でせいぜい５〜８％配合する程度である。これに対し本発明の加工食品は、肉類を１０％以上、更には２０％以上を配合し、卵黄を本来配合しない加工食品、特に低ｐＨの加工食品に、油浮きを抑制し、コクと味の深みを付与するために、あえて卵黄を配合するものであり、従来のカルボナーラソースとは、全く発想が異なり、更には、卵黄（卵）の風味が感じられない程度配合するだけで、効果が得られるものであり、本発明の加工食品に従来のカルボナーラソースは含まれないものである。逆に、本発明の加工食品に、卵黄を固形分で６％以上添加すると、卵黄（卵）臭が感じられるようになり、加工食品自体の素材の風味が感じられ難くなる。
【００１７】
そして、本発明において、卵黄及び／又はリゾリン脂質を用いる場合、卵黄単独より、卵黄とリゾリン脂質の併用又はリゾリン脂質を用いると、油浮きをより効果的に抑制する傾向があり、更にはリゾホスフォリポ蛋白を乾燥せずに用いると、油浮き抑制、風味の面からより好ましい。
【００１８】
また、本発明の加工食品には、その他適宜任意の成分として、例えば、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチ、レギュラーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、タピオカ澱粉などの天然澱粉、またはそれらにアルファ化などの処理を施した加工澱粉や冷水膨潤性澱粉、架橋、エステル化、エーテル化、アルデヒド化、酸化などの処理を施した化工澱粉や、加圧加熱等物理処理した湿熱処理澱粉、そして、食塩、グルタミン酸ナトリウム、動植物等のエキス類、アミノ酸等の調味料類や、鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、銅、セレン、マンガン、コバルト、ヨウ素等のミネラル類、あるいはこれらミネラル類を高度に含有した酵母、スクラロース、ステビア、マルチトール、アセスルファムカリウム等の甘味料、からし粉、胡椒等の香辛料、酢酸ソーダ、グリシン、ポリリジン、卵白リゾチーム、プロタミン等の静菌剤、その他、油脂類、ホエー、カゼイン等の蛋白質類、デキストリン、オリゴ糖、糖アルコール、水飴、キサンタンガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、アラビアガム、タマリンドガム、アルギン酸ソーダ、カラヤガム、トラガントガム、寒天、カラギーナン、ファーセルラン、プルラン、ゼラチン、コラーゲン、食物繊維、ビタミン類、キレート剤、β―カロチン、クチナシ、アナトー色素などの着色成分等を適宜添加してもよい。そして、副原料として、例えば、ポテト、玉ねぎ、人参、マッシュルーム、シメジ、エノキダケ、グリンピース、パセリ、ピーマン、セロリ、カボチャ、豆類、コーン、ニンニク、ハム、ソーセージ、エビ、タコ、イカ、ツナ、鮭、貝類、タラコ、数の子、カニ、等適宜好みに応じて添加してもよい。
【００１９】
以下、本発明の代表的な製造方法を説明する
肉類が１０％以上となるように、その他の原料と配合を調整し、卵黄又は／リゾリン脂質を準備する。卵黄を添加する場合には、殻付生卵を割卵して卵白と分離して用いればよく、また、業務用で市販されている「凍結卵黄」や「凍結加糖卵黄（ショ糖２０％添加）」等を解凍して用いるとよい。リゾリン脂質を用いる場合には、業務用で市販されているものを用いればよく、例えば「ＬＰＬ−２０（キユーピー株式会社製：リゾリン脂質２０％含有）」等を用いればよい。
【００２０】
卵黄をホスフォリパーゼで処理して用いる場合には、液卵黄を用意し、ホスフォリパーゼＡ_１又はホスフォリパーゼＡ_２を添加して酵素処理を行なう。酵素処理を行う前に、必要に応じて、卵黄を作用する酵素の至適pHに適宜調整するとよい。添加量は酵素処理の条件によっても異なるが、通常、液卵黄１kgに対して３００〜３００００ユニット程度である。また、この酵素処理の条件は、液卵黄の量あるいは種類によって多少変動するが、４５℃〜５５℃で１時間〜１０時間程度反応させればよい。また、必要に応じて、酵素処理した液卵黄は、０．５〜５．０倍量程度の清水を加えて、７０℃〜９０℃程度加熱する等により、酵素失活を行なってもよい。酵素処理を終えた液卵黄を、そのまま、或いは、乾燥して用いればよく、乾燥する場合には、スプレードライやフリーズドライ等適宜常法に従えばよい。含有するリゾリン脂質が所定量配合できるように酵素処理を行い、配合率を適宜選択すればよい。液卵黄の酵素処理における分解率の目安としては、酵素処理後におけるリン脂質とリゾリン脂質の合計質量に対する、リゾリン脂質の質量の割合として１０％以上１００％以下程度、望ましくは３０％以上８０％以下程度にすると、リゾリン脂質と卵黄成分を所定量配合しやすいものとなる。
【００２１】
これらの卵黄及び／又はリゾリン脂質、肉類、その他の具材、調味料、ソース類、清水等を、それぞれ所定量づつ、加熱撹拌釜に順次投入し、常法に従い加熱調理を行えばよい。また、１００℃を超える加熱殺菌を施す場合には、加圧加熱が可能な撹拌釜を用いればよく、加熱処理後、必要に応じ袋、容器等に、無菌充填し、密封するとよい。あるいは、レトルトパウチや缶詰等の耐熱性の容器に充填密封してから、１００℃を超える温度で常法に従い加熱殺菌を施してもよい。常温保存可能な容器包装詰加圧加熱殺菌食品とする場合には、F０値が４以上となるように留意して、加熱殺菌の時間を適宜調節すればよい。このようにして得られる本発明の加工食品は、肉類由来の油浮きが抑制され、味の深みとコクを付与されたものとのなる。
【００２２】
以下、本発明の加工食品を実施例により具体的に説明する。
【００２３】
実施例１
生卵黄に１０％の水酸化ナトリウム溶液を加えてｐH７．０に調整したものに、ホスホリパーゼＡ₂を２０００ユニット／卵黄１kg添加し、５０℃で５時間酵素処理を行ない、ホスホリパーゼＡ₂による分解率７２％の酵素処理卵黄を得た。その他、牛肉の挽肉、適宜の大きさにカットした野菜（玉葱、人参）、トマトペースト、ドミグラスソース、調味料（バター、香辛料、塩等）を下記表１記載のとおり準備し、清水で１００％となるように調節し、配合率を決定して、加熱撹拌釜に順次投入し、９５℃で１０分間撹拌しながら、加熱した。これをアルミ層付レトルトパウチに１４０ｇづつ充填密封し、レトルト釜で、１１６℃、３５分間（F0値６）の加熱殺菌調理を行い、本発明の加工食品であるミートソース（ｐH５、脂肪含有率１０．７％）を得た。
なお、翌日、レトルトパウチごと、得られたミートソースを湯煎により温めた後、開封したところ、牛肉の配合率が３０％もあるにも関わらず、油浮きが抑制され、味の深みとコクがあるミートソースであった。
【００２４】
【表１】

【００２５】
（参考試験）肉類の配合率
実施例１表１の配合を基本にして、酵素処理卵黄を添加せず、牛肉（肉類）を下記表２に示すとおりに変えた以外は、実施例１と同様にして、ミートソース（加工食品）を製造し、常温で１日保管後、レトルトパウチごと湯煎により温めた後、開封し、スープ皿に取り出して、状態を比較した。結果を表２に示す。
表２から、肉類を１０％配合すると油浮きが確認され始め、２０％以上配合すると油浮きが目立ち、更には２５％配合すると非常に目立つことが分る。
【００２６】
【表２】

【００２７】
（評価試験）リゾリン脂質の適正配合率
実施例１表１の配合を基本にして、酵素処理卵黄を、卵黄及び／又はリゾリン脂質（ＬＰＬ−２０：リゾリン脂質含有率20％）に変えて、配合率を表３に示すとおりにした以外は実施例１と同様にして、常温保存可能な加工食品を製造した。得られた加工食品を常温で１日保管後、レトルトパウチごと湯煎により温めた後、開封し、スープ皿に取り出して、状態と食味の観点を、専門のパネラーにより比較した。なお、加糖卵黄はショ糖２０％を含有する冷凍卵黄を解凍して用いた。結果を表３に示す。
【００２８】
【表３】

《油脂分離抑制効果の評価基準》
◎：油脂分離が非常に抑制されている
○：油脂分離が抑制されている
△：油脂分離がやや抑制されている
×：油脂分離抑制効果がやや劣る
《香味評価》
◎：味の深みとコクが非常に良好
○：味の深みとコクがある
△：味の深み・コクが若干劣る、又は、まろやかになり過ぎ気味である
×：まろやか過ぎて加工食品の素材の味が感じられ難くなる
又は、卵黄（卵）臭が感じられる
【００２９】
表３より、加工食品に対する卵黄配合率は、水分を除く固形分換算で０．５〜３．５％程度、また、リゾリン脂質の配合率を０．０２〜０．５％程度、好ましくは、０．０５〜０．３５％程度とすると、油浮きを効果的に抑制し、かつ、味の深みとコクを付与することがわかる。
【００３０】
【発明の効果】
本発明によれば、肉類を多量に配合しても、油浮きが抑制され、更に、味の深みとコクが付与されるので、具沢山な高級感のある加工食品を提供できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to processed foods such as meat sauce and beef stew that contain meat, especially fat containing plenty of ground meat.
[0002]
[Prior art]
Processed foods with plenty of meat, such as meat sauce, beef stew, minced meat in jar noodles, etc. will be in a state where the oil content in the processed food will float on the surface when fried, stewed, etc. . When the blending ratio of meat is small, the oil floating phenomenon is difficult to be confirmed, and even if it can be confirmed, the absolute content of fat is low. However, even if a portion with a small amount of fat is used, if the meat is blended in an amount of 10% or more, further 20% or more based on the total blended mass of the processed food, the oil floating phenomenon is remarkably confirmed. The state of oil floating is extremely common as a high-class Italian meat sauce of pasta, and it is a pasta sauce with no resistance to Italians, but in Japan the oil is floating on the surface Many people feel oily resistance. When this oil float state is a retort food that can be stored at room temperature (container-packaging pressurized heat sterilized food), the oil floats more remarkably by sterilizing at a temperature exceeding 100 ° C. Is.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the present invention provides a processed food that does not float on oil even when plenty of meat is used as an ingredient, and has a rich taste and richness.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention provides a meat sauce having a meat sterilization temperature exceeding 100 ° C., wherein the meat content is 10% or more and the fat content is 7% or more and 30% or less, based on the total mass, in the yolk and / or , Lysophospholipid is blended, the blending ratio of the egg yolk is 0.5% or more and 3.5% or less based on the total blending mass as a solid content excluding moisture, and the blending ratio of the lysophospholipid is 0 based on the total blending mass 0.02% to 0.5% meat sauce.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail below. In the present invention, “%” means “mass%”.
[0006]
The meat used in the present invention may be any meat that can be used for food, such as cows, pigs, and chickens. When using meat, it can be used by cutting it into a desired shape and size according to various processed foods. When blending a lot of meat into processed foods, it is especially ground meat from the viewpoint of ease of eating and deliciousness. It is good to use it. What is necessary is just to select the magnitude | size of ground meat suitably. For example, when using a commercial chopper to make minced meat, it may be made into minced meat using a plate with an opening of about 5 to 15 mm, and may be ground two or more times as necessary. When the fat content of the meat to be used is large or the blending ratio of the meat increases, the oil oozes out during cooking or storage, resulting in a so-called “oil floating” state. In particular, when about 10% or more of meat is blended with processed foods on the basis of the total blending mass, oil floating starts to be anxious, and when about 20% or more is blended, oil floating becomes conspicuous. Moreover, it is better to make meats about 60% or less, preferably about 50% or less with respect to processed foods. This is because adding more than this tends to result in a processed food that looks like a rag.
[0007]
In addition to meat, processed food often contains fats derived from other raw materials, and the fat content of the processed food as a whole is 5% or more based on the total blended mass of the processed food, Furthermore, when it is 7% or more, the oil floating phenomenon is remarkably confirmed. Therefore, it can be suppressed by blending egg yolk or lysophospholipid. The fat content of the processed food is preferably about 30% or less because oil floating can be effectively suppressed.
[0008]
The egg yolk used in the present invention is a liquid egg yolk obtained by splitting an egg and separating it from egg white, or the liquid egg yolk subjected to various treatments such as filtration, sterilization, freezing and drying as it is or in a liquid state. What was returned to (2), Furthermore, what removed some components, such as cholesterol, may be used. If the flavor and texture are particularly important, raw liquid egg yolk may be used. The egg yolk content is about 0.5% to 3.5% of the total mass of processed food as a solid content excluding the water content of egg yolk. The oil floating phenomenon can be suppressed. The egg yolk may be appropriately added with a thickening stabilizer, polysaccharides, proteins, salts, minerals, seasonings and the like.
[0009]
Moreover, it is good to use lysophospholipid instead of egg yolk or together. The lysophospholipid is one in which either one of the fatty acid residues bonded to the 1-position or 2-position of the glycerol skeleton of the phospholipid is converted into a hydroxyl group by hydrolysis, and lysophosphatidylcholine, lysophosphatidylethanolamine, lysophosphatidylserine, Examples include lysophosphatidylglycerol, lysophosphatidylinositol, and lysophosphatidic acid. These may be blended singly or as a mixture thereof or as a composition containing these as a main component. The blending ratio of lysophospholipids is 0.02% or more and 0.5% or less, preferably 0.05% or more and 0.35% or less, based on the total blending mass based on the processed food. In addition, the oil floating phenomenon can be effectively suppressed.
[0010]
Specifically, as lysophospholipid, phospholipid extracted from egg yolk, soybean, rapeseed and the like is enzymatically treated with phospholipase by a conventional method. After the egg yolk etc. is directly treated with phospholipase, ethanol A lysophospholipid obtained by extraction with a solvent such as The lysophospholipid is not necessarily limited to a pure one having a lysophospholipid concentration of 100%, and may be a crude lysophospholipid (for example, one having a lysophospholipid concentration of about 10 to 60%). For example, “yolk lecithin LPL-20” (manufactured by Kewpie Co., Ltd .: about 20% lysophospholipid content: lysophospholipid composition is about 80% lysophosphatidylcholine versus about lysophosphatidylethanolamine. 20%) and the like can be used. In addition, when egg yolk-derived egg yolk lysophospholipid is used as the lysophospholipid, when it is used in the processed food of the present invention, a more preferable flavor is obtained.
[0011]
In addition, as a method of using as lysophospholipid, phospholipase can be directly acted on egg yolk to hydrolyze phospholipid contained in egg yolk, and it can be used as it is or after drying into lysophospholipid. it can. The lysophospholipid obtained in this way is decomposed into lysophospholipid in lipoprotein, and may be used as lysophospholipoprotein.
[0012]
As the phospholipase, phospholipid hydrolyzing enzyme, 1- or 2-position phosphate ester linkage hydrolyzes follower lipase A ₁ of the _{phospholipid,} may be used phospholipase A _2. In addition to these enzymes, other enzymes such as lipase and protease may be used in combination. And the content rate of a lysophospholipid can be analyzed by the eartroscan method (TLC-FID method).
[0013]
As the processed food of the present invention, meat sauce such as meat sauce, tomato sauce, borscht, minestrone, stew, domiglas sauce, beef stew, jar noodles, tandan noodles, meat miso ramen, etc. It can be used as a source of meat-containing sauce used as a raw material such as tofu, mushrooms, green potato meat candy (blue potato beef thread, chinjao roux), and hot pot meat.
[0014]
Among these, since the taste depth and richness can be newly imparted to a particularly sour sauce, the pH becomes about 4.0 to 6.5 using a tomato or acidic seasoning, preferably pH 4.0. The present invention is suitable for processed foods of about ~ 5.5. In the present invention, the processed food has a pH of 10 g in a stomacher bag, diluted 10 mass times with fresh water, and treated with a stomacher (400-T) made by Organo Corporation at normal speed for 60 seconds. It is a value obtained by measuring the treated product with a pH meter (MP225, manufactured by METTLER TOLEDO).
[0015]
Moreover, in the processed food which heat-sterilizes at the temperature exceeding 100 degreeC, although an oil floating phenomenon is easy to produce especially, since this invention suppresses oil floating effectively, it is suitable also for a retort food. In addition, when heat sterilization is performed at a temperature exceeding 100 ° C. so that it can be stored at normal temperature, heat sterilization may be performed so that the F0 value is a control value and the F0 value is 4 or more as a guide for heat sterilization. The upper limit value of the F0 value is not limited, but may be about the F0 value of 12 or less, and even if heat sterilization is performed beyond this, the flavor and texture of the obtained food tend to be inferior. Further, when it is not necessary to use a bacteriostatic agent, chilled storage, or room temperature storage, the F0 value may be 0 or more and less than 4, and may be selected as appropriate.
[0016]
In addition, the conventional carbonara sauce is a pasta sauce that is entangled with pasta boiled so that the egg yolk is not completely solidified, and the yolk component is finished in a semi-ripe shape with the residual heat, and the blending ratio of the egg yolk is usually 6 in solid content. % Is a sauce that tastes the flavor of egg yolk (egg), and has a pH of about 6, and even if meat is blended, bacon is at most 5 to 8% based on the total blended mass It is a grade to mix | blend. On the other hand, the processed food of the present invention contains 10% or more of meat, further 20% or more, and suppresses oil floating in processed foods that do not originally contain egg yolk, especially processed foods with low pH, and is rich and tasteful. The egg yolk is intentionally blended in order to give it a deep taste, and the concept is completely different from the conventional carbonara sauce. The obtained processed food of the present invention does not contain conventional carbonara sauce. Conversely, when 6% or more of egg yolk is added to the processed food of the present invention in a solid content, an egg yolk (egg) odor can be felt, and the flavor of the processed food itself is less likely to be felt.
[0017]
In the present invention, when egg yolk and / or lysophospholipid is used, the combined use of egg yolk and lysophospholipid or lysophospholipid tends to suppress oil floating more effectively than egg yolk alone, and lysophospholipoprotein It is more preferable from the viewpoint of oil floating suppression and flavor when used without drying.
[0018]
In addition, the processed food of the present invention includes other optional ingredients such as wheat starch, potato starch, waxy corn starch, regular corn starch, high amylose corn starch, tapioca starch and other natural starches, or a treatment such as pregelatinization. Processed starch, cold-water-swellable starch, modified starch, which has been subjected to crosslinking, esterification, etherification, aldehyde formation, oxidation, etc., wet-heat-treated starch that has been physically processed such as under pressure, and salt, sodium glutamate , Extracts such as animals and plants, seasonings such as amino acids, minerals such as iron, calcium, potassium, magnesium, zinc, copper, selenium, manganese, cobalt, iodine, or yeast highly containing these minerals, Sucralose, stevia, maltitol, acesulfame potassium, etc. Sweeteners, mustard powder, spices such as pepper, bacteriostatic agents such as sodium acetate, glycine, polylysine, egg white lysozyme, protamine, and other proteins such as fats and oils, whey, casein, dextrin, oligosaccharides, sugar alcohols, Chickenpox, xanthan gum, konjac mannan, locust bean gum, guar gum, pectin, gum arabic, tamarind gum, sodium alginate, karaya gum, tragacanth gum, agar, carrageenan, farsellan, pullulan, gelatin, collagen, dietary fiber, vitamins, chelating agent Further, coloring components such as β-carotene, gardenia, and anato dye may be added as appropriate. And as an auxiliary ingredient, for example, potato, onion, carrot, mushroom, shimeji, enoki mushroom, green peas, parsley, pepper, celery, pumpkin, beans, corn, garlic, ham, sausage, shrimp, octopus, squid, tuna, salmon, Shellfish, octopus, number child, crab, etc. may be added according to preference.
[0019]
Hereinafter, the egg yolk or / lysophospholipid is prepared by adjusting the blending with other raw materials so that the meat explaining the typical production method of the present invention is 10% or more. When egg yolk is added, the shelled raw egg may be split and used separately from the egg white. In addition, commercially-available “frozen egg yolk” and “frozen sweetened egg yolk (with 20% sucrose added) ) "Etc. may be used after being thawed. When using lysophospholipid, what is marketed for business use may be used, for example, “LPL-20 (manufactured by QP Corporation: containing 20% lysophospholipid)” or the like may be used.
[0020]
When egg yolk is treated with phospholipase and used, liquid egg yolk is prepared, and phospholipase A ₁ or phospholipase A ₂ is added to perform enzyme treatment. Before performing the enzyme treatment, it may be appropriately adjusted to the optimum pH of the enzyme that acts on the egg yolk as necessary. The amount added varies depending on the enzyme treatment conditions, but is usually about 300 to 30000 units per kg of liquid egg yolk. The enzyme treatment conditions vary somewhat depending on the amount or type of liquid egg yolk, but may be reacted at 45 ° C. to 55 ° C. for about 1 hour to 10 hours. If necessary, the enzyme-treated liquid egg yolk may be deactivated by adding about 0.5 to 5.0 times the amount of fresh water and heating at about 70 to 90 ° C. The liquid egg yolk that has been subjected to the enzyme treatment may be used as it is or after drying, and in the case of drying, a conventional method such as spray drying or freeze drying may be appropriately followed. Enzyme treatment is performed so that a predetermined amount of the lysophospholipid contained can be blended, and the blending ratio may be appropriately selected. As a standard of the degradation rate in enzyme treatment of liquid egg yolk, the ratio of the mass of lysophospholipid to the total mass of phospholipid and lysophospholipid after enzyme treatment is about 10% to 100%, preferably 30% to 80%. If it is about, it becomes easy to mix a predetermined amount of lysophospholipid and egg yolk component.
[0021]
These egg yolks and / or lysophospholipids, meats, other ingredients, seasonings, sauces, fresh water, etc. may be sequentially added to a heating and stirring vessel in a predetermined amount and cooked according to a conventional method. Moreover, when heat-sterilization exceeding 100 degreeC is performed, what is necessary is just to use the stirring pot which can be heated under pressure, and it is good to aseptically fill and seal a bag, a container, etc. as needed after heat processing. Or after filling and sealing a heat-resistant container such as a retort pouch or canned food, it may be subjected to heat sterilization at a temperature exceeding 100 ° C. according to a conventional method. In the case of a container-packaging-packed, heat-sterilized food that can be stored at room temperature, the time for heat sterilization may be appropriately adjusted while paying attention to an F0 value of 4 or more. The processed food of the present invention obtained in this way has meat-derived oil floatation suppressed, and is given a deep taste and richness.
[0022]
Hereinafter, the processed food of the present invention will be specifically described with reference to examples.
[0023]
Example 1
To those adjusted to pH7.0 by adding 10% sodium hydroxide solution to the raw egg yolk, phospholipase A ₂ was added 2000 units / yolk 1 kg, subjected to 5 hours enzyme treatment at 50 ° C., decomposition rate by phospholipase A ₂ 72% enzyme-treated egg yolk was obtained. In addition, ground beef, vegetables cut into an appropriate size (onion, carrots), tomato paste, domigrass sauce, seasonings (butter, spices, salt, etc.) are prepared as shown in Table 1 below, and 100% with fresh water. The blending ratio was determined, and the mixture was sequentially charged into a heating and stirring tank and heated at 95 ° C. with stirring for 10 minutes. This is filled and sealed 140g at a time in a retort pouch with an aluminum layer, and sterilized by heating at 116 ° C for 35 minutes (F0 value 6) in a retort kettle, and the meat sauce (pH 5, fat content 10) that is the processed food of the present invention. 0.7%).
The next day, the retort pouch and the meat sauce obtained were warmed in a hot water bath and then opened, but despite the beef blending ratio of 30%, oil floatation was suppressed, and there was a deep taste and richness. It was a meat sauce.
[0024]
[Table 1]

[0025]
(Reference test) Mixing rate of meat Example 1 Same as Example 1 except that the beef (meat) was changed as shown in Table 2 below without adding enzyme-treated egg yolk based on the formulation in Table 1. Then, meat sauce (processed food) was produced, stored at room temperature for 1 day, warmed with a hot water bath together with the retort pouch, then opened, taken out into a soup dish, and the states were compared. The results are shown in Table 2.
From Table 2, it can be seen that when 10% of the meat is blended, oil floating starts to be confirmed, when 20% or more is blended, the oil floating is conspicuous, and when 25% is blended, it is very conspicuous.
[0026]
[Table 2]

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(Evaluation test) Proper blending ratio of lysophospholipid Example 1 Based on the blend of Table 1, the enzyme-treated egg yolk was changed to egg yolk and / or lysophospholipid (LPL-20: lysophospholipid content 20%) and blended A processed food that can be stored at room temperature was produced in the same manner as in Example 1 except that the rate was set as shown in Table 3. The obtained processed food was stored at room temperature for 1 day, then warmed together with a retort pouch in a hot water bath, then opened, taken out into a soup dish, and the viewpoints of state and taste were compared by a specialized panelist. The sweetened egg yolk was used after thawing frozen egg yolk containing 20% sucrose. The results are shown in Table 3.
[0028]
[Table 3]

<< Evaluation criteria for oil and fat separation inhibiting effect >>
◎: Fat separation is very suppressed ○: Fat separation is suppressed Δ: Fat separation is somewhat suppressed ×: Fat separation suppression effect is slightly inferior
◎: Depth and richness are very good ○: Depth and richness △: Depth and richness are slightly inferior, or it is too mellow ×: It is too mellow The taste is difficult to feel or the yolk (egg) odor is felt. [0029]
From Table 3, the yolk blending ratio for processed food is about 0.5 to 3.5% in terms of solid content excluding moisture, and the blending ratio of lysophospholipid is about 0.02 to 0.5%, preferably It can be seen that when the content is about 0.05 to 0.35%, oil floating is effectively suppressed, and a deep taste and richness are imparted.
[0030]
【The invention's effect】
According to the present invention, even when a large amount of meat is blended, oil floatation is suppressed, and further, a deep taste and richness are imparted, so that a processed food with a lot of luxury can be provided.

Claims

Mixing egg yolks and / or lysophospholipids in meat sauce that has been heat sterilized over 100 ° C with a meat content of 10% or more and a fat content of 7% or more and 30% or less based on the total mass The blending ratio of the egg yolk is 0.5% or more and 3.5% or less based on the total blending mass as a solid content excluding moisture, and the blending ratio of the lysophospholipid is 0.02% or more and 0 based on the total blending mass. Meat sauce that is less than 5% .