JP4051486B2 - 一酸化炭素の嫌気性発酵 - Google Patents

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Description

本発明は、有機酸、単一細胞タンパク質(「SCP」)、水素、アルコールおよび有機酸の塩のような生成物、材料、中間体などをある工業的過程の廃ガス流から生産するための生物学的方法、処理、微生物および装置に向けられ、また、より具体的には、この変換を成し遂げるための嫌気性条件下での連続気体基質醗酵を利用する方法に関する。
有機酸、アルコール、水素および有機酸の塩を生産するための慣習的方法は石油由来の供給原料の化学合成である。急速に上昇する石油の価格は、これらの価値ある物資を、復活できるかもしくは廃棄物を供給原料として利用する醗酵法による生産にかなりの興味を生じさせた。単一細胞タンパク質は醗酵の副生成物として生産されて動物飼料補足物(supplement)として使用される。
慣習的な工業的過程により生産される巨大な量の大気汚染物質および温室ガスに関する増大する懸念もまた存在する。環境保護局(Environmental Protection Agency)は、最近、年間に600万トンを越える一酸化炭素およびほぼ400万トンの水素が工業複合体により放出されたと推定した。この廃一酸化炭素および水素の本質的部分すなわちおよそ260万トンの一酸化炭素および50万トンの水素は、カーボンブラック製造およびコークス生産の結果である。大量の一酸化炭素もしくは水素は、アンモニア工業(1991年に125,144トンの一酸化炭素)、石油精製(1000バレルあたり8トン)、製鋼工場(生産された鋼1トンあたり152ポンド)および木材の硫酸塩パルプ化(パルプ1トンあたり286ポンド)によってもまた生産される。1991年にはアジピン酸工業は40,773トンの一酸化炭素を生じさせ、これは価値あるまたは易燃焼性の燃料として燃焼されてきた。多くの場合、これらのガスは大気に直接放出されて環境に過重汚染の重荷をおく。
典型的には、工業製品の製造からの廃ガスは低圧かつ低温で放出される。現在の技術はこれらの希釈ガスをこうした条件下で利用し得ない。これらの廃流から水素もしくは一酸化炭素を分離かつ回収するのに現存する技術を適合させることは高価かつ非実用的であろう。
前述に照らして、石油由来の供給原料の化学合成以外による、上記廃ガスを利用するための、そして有機酸、アルコール、水素および有機酸の塩のような生成物、材料、中間体などを生産するための費用効率のよいかつ実用的な方法、微生物および装置の必要性が存在する。
本発明に従えば、有機酸、アルコール、水素、単一細胞タンパク質および/もしくは有機酸の塩のような生成物、材料、中間体などが、工業的過程の廃一酸化炭素、水素および/もしくは二酸化炭素から生産され、それにより同時にエネルギーおよび化学的供給原料を節約しつつ環境汚染を低下させる。
より具体的には、本発明は、一酸化炭素の嫌気性発酵により発酵産物を生産する嫌気性バチルス スミトリイ(Bacillus smithlii)バクテリウムおよび栄養培地を含有するバイオリアクターで一酸化炭素を含んで成るガスを発酵する工程、および発酵ブロスから発酵産物を回収する工程、を含むことを特徴とする発酵産物の生産方法を提供する。また、かような方法で使用できる、ATCC No.55404の同定特性の全てを有する微生物バチルス スミトリイ(Bacillus smithlii)ERI−H2株の生物学的に純粋な培養物およびバチルス スミトリイ(Bacillus smithlii)ERI−H2株(ATCC55404)を含有する混合培養物も提供する。
本発明の例示的方法に従えば、希釈ガス混合物の所望の成分が、直接経路により廃ガス成分を利用して所望の化合物を生産する嫌気性細菌の1種もしくはそれ以上の培養株を含有するバイオリアクターに導入される。化合物は、生産される化合物に適する回収方法を利用して、別個の容器(1個もしくは複数)中で水相から回収される。回収方法の例は、抽出、蒸留もしくはそれらの組み合わせ、または他の効率的な回収方法を包含する。細菌が水相から取り出され、そして毒性を避けかつ高細胞濃度を維持するよう再循環され、こうして反応速度を最大にする。細胞分離は、所望の場合は、遠心分離、膜限外濾過もしくは他の技術により成し遂げられる。
本発明によれば、一酸化炭素、水素および/もしくは二酸化炭素からの有機酸、水素、単一細胞タンパク質、アルコールおよび/もしくは有機酸の塩のような生成物、中間体、材料などの生産のための方法および/もしくは微生物も提供できる。
本発明によれば、また、油精製、カーボンブラック、コークス、アンモニアおよびメタノール生産のような工業的過程の廃ガス流からの有機酸、アルコール、水素、単一細胞タンパク質および/もしくは塩のような品目の生産のための方法、微生物および装置も提供できる。
本明細書で使用されるところの「廃ガス」もしくは「廃ガス流」という用語は、他の元素もしくは気体状態の二酸化炭素、窒素およびメタンを包含する化合物と混合され、かつ、典型的には直接もしくは燃焼によるかのいずれかで大気に放出もしくは排気される一酸化炭素および水素を意味する。通常、放出は標準的な煙突の温度および圧下で起こる。従って、本発明の方法は、これらの大気汚染物質を有機酸、アルコールおよび有機酸の塩のような有用な生成物に変換するのに適する。これらの生成物は、酢酸、プロピオン酸および酪酸;メタノール、エタノール、プロパノールおよびn−ブタノール;加えて酢酸マグネシウムカルシウム(CMA)および酢酸カリウム(KA)のような塩を包含するがしかしこれらに制限されない。
一酸化炭素および水もしくは水素および二酸化炭素をアルコールならびに酸および酸の塩に変換することが知られている嫌気性細菌は、アセトバクテリウム キブイ(Acetobacterium kivui)、A.ウーディイ(A.woodii)、クロストリジウム アセチクム(Clostridium aceticum)、ブチリバクテリウム メチロトロフィクム(Butyribacterium methylotrophicum)、C.アセトブチリクム(C.acetobutylicum)、C.フォルモアセチクム(C.formoaceticum)、C.クルイベリ(C.kluyveri)、C.テルモアセチクム(C.thermoaceticum)、C.テルモセルム(C.thermocellum)、C.テルモヒドロスルフリクム(C.thermohydrosulfuricum)、C.テルモサッカロリチクム(C.thermosaccharolyticum)、ユーバクテリウム リモスム(Eubacterium limosum)、C.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)PETCおよびペプトストレプトコッカス プロダクツス(Peptostreptococcus productus)を包含する。一酸化炭素および水から水素を産生することが知られている嫌気性細菌は、ロドスピリルム ルブルム(Rhodospirillum rubrum)およびロドシュードモナス ゲラチノサ(Rhodopseudomonas gelatinosa)を包含する。
より具体的には、アセトバクテリウム キブイ(Acetobacterium kivui)、ペプトストレプトコッカス プロダクツス(Peptostreptococcus productus)、アセトバクテリウム ウーディイ(Acetobacterium woodii)、クロストリジウム テルモアセチクム(Clostridium thermoaceticum)およびユーバクテリウム リモスム(Eubacterium limosum)のような細菌種は、反応:
4CO+2HO→CHCOOH+2CO dG=−39kcal/反応(1)によりアセテートを産生する。
多くの嫌気性細菌はまた、水素および二酸化炭素から酢酸を産生することも知られている。これらの細菌単離物は、A.キブイ(A.kivui)、P.プロダクツス(P.productus)およびアセトバクテリウム属(Acetobacterium)の種を包含し、これらは等式
4H+2CO→CHCOOH+2H dG=−25kJ/反応(2)
に従って水素および二酸化炭素を嫌気的に酸化することによりホモ酢酸醗酵を利用する。
アセトバクテリウム ウーディイ(Acetobacterium woodii)およびアセトアネロビウム ノテレ(Acetoanaerobium noterae)は上の反応に従って水素および二酸化炭素からアセテートを産生するが、しかし、アセテートに加えて、A.ノテレ(A.noterae)は若干のプロピオネートおよびブチレートを産生する。別の化学独立栄養細菌クロストリジウム アセチクム(Clostridium aceticum)は、グリシンデカルボキシラーゼ経路を使用して二酸化炭素からアセテートを産生する。
A.キブイ(A.kivui)、P.プロダクツス(P.productus)およびA.ウーディイ(A.woodii)のような若干の細菌は一酸化炭素および水もしくは水素および二酸化炭素のいずれかからアセテートを産生する。P.プロダクツス(P.productus)はとりわけ迅速な変換速度を与え、また、一酸化炭素に対する高耐性を示すが;しかしながら、この生物体は等式(2)を上回る等式(1)に従う好みを示す。
これらの列挙された細菌に加え、一酸化炭素および水もしくは水素および二酸化炭素から酢酸もしくはエタノールを産生する付加的なクロストリジウム(clostridia)の2種の株が単離されている。1種は桿形のグラム陽性の非好熱性嫌気菌クロストリジウム ルジュングダーリイ(Clostridium ljungdahlii)ERI2であり、これは優れた酢酸収量を与え、かつ、生成物の回収を大きく高める低pHではたらく。C.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)ERI2はグルコースの活発な酢酸発生醗酵を実施する。それはまたまれに胞子を形成し、そして六単糖もしくは水:二酸化炭素の主に酢酸発生の醗酵を実施する。それは周毛性鞭毛で運動性である。ERI2と称されるC.ルジュングダーリイ(C.ljungdhalii)のこの新規株は天然の水源から単離され、そして、アメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)、メリーランド州ロックビルに1992年12月8日に寄託された(受託番号55380)。
本発明の生成物の製造において、上で列挙された細菌の「混合株」が利用されてよい。混合株により、2種もしくはそれ以上の嫌気性細菌の混合された培養物が意味される。この混合株は、本明細書に記述される方法において使用される場合、有機酸(酢酸などのような)もしくはそれらの塩、アルコール、水素、SCPなどを産生する。
本発明の開発において、この変換を高効率で演じる(enact)嫌気性細菌の新規株が単離されている。加えて、醗酵条件に対する改変は、いくつかの株において酢酸の代わりにエタノールの産生をもたらし得る。利用される特定の微生物(1種もしくは複数)に依存して、廃ガスからの生成物の形成において考慮されなければならない変数は、栄養素の構成要素および濃度、培地、圧、温度、ガス流速、液体流速、反応pH、攪拌速度(連続攪拌タンク反応器(Continuously Stirred Tank Reactor)を利用する場合)、接種レベル、阻害を避けるための最大基質(導入されるガス)濃度ならびに阻害を避けるための最大生成物濃度を包含する。
本発明の例示的態様に従い、また、図面の図1に示されるように、変換過程の第一段階は嫌気性細菌のための栄養培地(10)の調製である。栄養培地の含有物は利用される嫌気性菌の型および所望の生成物を基礎として変動することができる。栄養素は、連続攪拌(CSTR)、固定化細胞(ICR)、細流床(Trickle Bed)(TBR)、バブルカラム(Bubble Column)、ガスリフト醗酵槽(Gas Lift Fermenters)、もしくは他の適する醗酵反応器を包含する型の1個もしくはそれ以上の容器および/もしくは塔から成るバイオリアクターもしくは醗酵槽(12)に定常的に供給される。バイオリアクター(12)内に、ガス変換過程で利用される単一もしくは混合された種のいずれかの嫌気性細菌の培養物が存する。CTRS、TBR、バブルカラムおよびガスリフト醗酵槽については、これらの細菌は反応器の液相全体に分散して生存するが、しかし、ICRについては、細菌は内部充填物媒体に付着する。この充填物媒体は、最大表面積、高物質移送速度、低い圧力低下、均一な気体および液体分配を提供しなければならず、また、栓形成、詰まり、ネスチング(nesting)および壁にワールチャネリング(wall channeling)を最小にしなければならない。こうした媒体材料の例は、セラミックバールサドル(Berl saddle)、ラシッヒ環(Raschig ring)もしくは他の高性能充填物である。
廃ガス(14)はバイオリアクター(12)に連続的に導入される。ガスはこの過程の効率を最大にする時間の期間、バイオリアクター(12)中に保持される。不活性および反応されない基質ガスを含有する排気ガス(16)がその後放出される。液体流出物(18)が遠心分離器、中空ファイバー膜もしくは他の濾過装置(20)に進められて浮遊されて運ばれる微生物を分離する。これらの微生物(22)は、より迅速な反応速度を生じる高細胞濃度を維持するためにバイオリアクター(12)に戻される(細胞再循環)。
当該方法の次の段階は、浸透物もしくは遠心分離物(24)からの所望の生物学的に産生された生成物(1種もしくは複数)の分離である。図1に描かれた態様において、浸透物もしくは遠心分離物(24)は抽出チャンバー(26)に進められ、ここでそれは溶媒(28)と接触される。溶媒(28)は、所望の最終生成物に対する高分配係数、高回収係数、ヒトに対する低毒性、細菌に対する低毒性、水との不混和性、適切に高い沸点を有すべきであり、またバイオリアクターの構成要素と乳濁液を形成すべきでない。溶媒と水相との間の溶質の分配は、熱力学的実行可能性および最終生成物を取り出すのに必要とされる溶媒の量を決定することができる。典型的な溶媒は、適する溶媒中の二級および三級アミン、トリブチルホスフェート、酢酸エチル、トリオクチルホスフィンオキシドおよび適する共溶媒中の関連化合物、長鎖アルコール、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルムならびにテトラクロロエチレンを包含する。
水相(30)中の栄養素および物質はバイオリアクター(12)に戻され、そして溶媒/酸/水溶液(32)が蒸留カラム(34)に進み、そこでそれは酸および水(36)から溶媒(28)を分離するのに十分な温度に加熱される。溶媒(28)は、抽出に至適の温度に温度を低下させる冷却チャンバー(38)を通って蒸留カラム(34)から進み、その後再使用のため抽出チャンバー(26)に戻る。酸および水の溶液(36)は最終蒸留カラム(40)に進み、ここで所望の最終生成物(42)が水から分離されそして取り出される。水(44)は栄養素の調製のため再循環される。
図2は廃ガス(48)からの道路除氷剤、酢酸マグネシウムカルシウム(CAM)(46)の生産方法を示す。この方法は溶媒抽出による図1の酢酸法に同一である。すなわち、同一の生物体、栄養素および過程条件が、反応容器を包含する連続醗酵で使用される。同様に、中空ファイバー膜、遠心分離もしくは他の濾過装置による細胞再循環がこの方法において同一に使用される。最後に、抽出チャンバーでの酢酸の抽出、次いで酸を含まない培地の再循環が使用される。
抽出後、CMAの生産方法は図1の酢酸の生産方法と大きく異なる。CMA法において、酢酸および少量の水を含有する溶媒(50)がCMA生産のための反応容器(52)に送られる。溶媒流の水含量は酢酸抽出に使用される溶媒に依存する。再度、適する共溶媒中の二級および三級アミン、トリブチルホスフェート、酢酸エチル、トリオクチルホスフィンオキシドならびに適する共溶媒中の関連化合物、長鎖アルコール、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルムならびにテトラクロロエチレンのような溶媒が使用されてよく、結果を左右する。CMAのための反応容器(52)は、最も適しては連続攪拌タンク反応器(Continuous Stirred Tank Reactor)(CSTR)であるが、とは言え他の反応器系が使用されてよい。水中の苦石灰および酸化マグネシウムの混合物(54)が酢酸および水を含有する溶媒に添加される。反応が起こり、飽和レベルもしくはその下で水性溶液中でCMAを生産する。
CMA、水および溶媒(56)が、その後、水および溶媒相を分離するため沈降装置(58)に送られる。溶媒相(60)は再循環のため抽出チャンバーに戻される。CMA/水(62)は乾燥/ペレット化(64)に送られてペレットにされたCMA生成物を生産する。
酢酸カリウム(KA)は、苦石灰の代わりに苛性カリ(もしくは酸化カリウム)を用いることにより代替生成物として生産され得る。KAは50パーセント水性溶液として生産されるため、乾燥およびペレット化は必要とされない。
図3は廃ガスからのエタノールの生産方法を示す。図1におけるように、廃ガス(66)および栄養素(68)が微生物の培養物を含有する反応器(70)に供給される。反応器は図1の叙述において上述された型のいずれであってもよい。エタノール生産過程で使用される生物体は酢酸/アセテートの代わりにエタノールを産生することが可能でなくてはならない。一般に、4.0〜5.5の低醗酵pHが栄養素制限と結合されて必要とされる。これらの低下されたpHレベルではたらくことが可能である上に列挙された細菌が、エタノール生産のこの方法において使用され得る。
廃ガスは、必要とされる栄養素と一緒にエタノール産生が可能な生物体の培養物を含有する反応器に供給される。エタノールが、図1におけると類似の様式で生成物として生産される。細胞再循環(72)が反応器中の細胞濃度を高めるために使用されてよいが、しかし、この操作はこの過程をはたらかせるのに必要とされない。培地中に希釈エタノールを含有する細胞再循環装置からの浸透物(74)は蒸留(76)に送られ、ここで水(78)およびエタノール(80)が分離される。95パーセントエタノールが蒸留カラムの頂上から出、また、水(消費された培地)がカラムの底部から出る。消費された培地は水の再循環として反応器に戻される。95パーセントエタノールはモレキュラーシーブ系(82)に送られて無水エタノール(84)を生産する。
かように、本発明に従えば、今や、価値ある化学的供給原料の消費を低下させるのみならず、しかしまた多くの産業の廃ガス流から危険な大気汚染物質を除去する気体基質醗酵により、価値ある有機酸、アルコールもしくは有機酸の塩を生産することが可能である。これらの化学物質を生物学的に得るための従来の方法は糖の醗酵を基礎とした。
上に記述された方法において、当該方法は1大気圧以上で実施されることが好ましい。好ましくは、それは30大気圧まで、またより好ましくは20大気圧まで、そして最も好ましくは15大気圧までの圧で実施されることが好ましい。
以下の特定の例は本発明を具体的に説明するがしかしこれを制限しないために提出される。他の方法で示されない限り、明細書および請求の範囲中の全ての部分およびパーセンテージは体積を基礎とする。
<例1> カーボンブラック廃ガスからの酢酸の生産
この実施例は、カーボンブラック製造の炉排気のものに合致する組成の廃ガスを酢酸に変換するのに利用される方法に向けられる。この廃ガスは、約13パーセントの一酸化炭素、14パーセントの水素および5パーセントの二酸化炭素の組成を有し、残存する68パーセントは主として痕跡の酸素およびイオウ化合物を含む窒素である。この廃ガスは、不十分な空気でのガスもしくは油の部分的酸化の結果として生産されて無定形炭素を生じ、約1.2ポンドの一酸化炭素が1ポンドの元素炭素あたり生産される。これらの廃ガスは重大な大気汚染の問題を生じ、そしてまた、現在は回収されていない価値ある化学的供給原料の資源を代表する。
本方法の開発において、カーボンブラック廃ガスから酢酸を生産するための2個の別個の経路が研究された。直接経路は、それぞれ等式(1)および(2)に従って一酸化炭素および水もしくは水素および二酸化炭素を酢酸に直接変換する。間接経路は水ガス交代反応(water gas shift reaction)、次いで水素および二酸化炭素からの酢酸の生産により一酸化炭素および水の水素および二酸化炭素への変換を伴う。この間接経路は当該技術のより小さく効率的な利用であることが見出された。
試験された酢酸源(acetogen)を表1に要約する。一酸化炭素から直接酢酸を産生するこれらの細菌のうち、A.キブイ(A.kivui)および新規に単離された株C.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)ERI2は一酸化炭素および水素双方の利用についてはるかに優れた速度を示す。さらなる実験はこれらの2種の嫌気性細菌を使用して進行した。
一酸化炭素および水素を同時に利用する細菌に対する明らかな利点が存在する。これは廃ガスの最も効率的な使用を提供し、そして最大量の大気汚染物質を除去するとみられる。
酢酸を生産するための記述された方法のベンチスケール操作
図面の図4に示されるように、かつ、本発明の一態様に従い、ベンチスケールの連続的変換系がニュー ブランズウィック サイエンティフィク カンパニー(New Brunswick Scientific Co.,Inc.)、ニュージャージー州エディソンからのバイオフロー(BioFlo)IIC醗酵槽(150)を包含することが示される。醗酵槽(150)は、攪拌モーター、pH制御器、泡制御器、サーモスタット、溶解酸素プローブ、栄養素ポンプおよび2.5L培養容器を装備される。作業容積は可変である(1.5〜2.0L)。他の可変の稼動パラメータは、培地供給速度(希釈速度)、ガス流速(ガス保持時間)、攪拌(rpm)を包含する。排出される、すなわち排気ガスは、水トラップおよびサンプリング口を介して排出フードに固定された冷却器を通って醗酵槽(150)を出る。
培養培地(152)は蠕動ポンプ(コール パーマー(Cole Parmer)からの)により交差流中空ファイバーモジュール(154)を通って再循環される。再循環速度は約80〜100mL/分である。中空ファイバーモジュール(154)は以下の特徴を有する;表面積は0.35ftであり、孔径は0.2μmであり、そして管腔径は1mmである。浸透物(156)は貯蔵タンク(158)にポンプで送られる(供給物貯蔵)。培養物細胞はライン(155)に沿って醗酵槽に戻される。
2段階混合機および沈降器構成部品を包含する向流酢酸抽出系は、第一および第二混合機(160)および(162)ならびに第一および第一沈降タンク(164)および(166)を包含する。貯蔵(158)からの浸透物(168)は流量制御器(170)を通って混合機(160)にポンプで送られる。溶媒(172)は流量制御器(176)を通って溶媒貯蔵(174)から混合機(162)にポンプで送られる。混合機(160)および混合機(162)双方は、水相および溶媒相の良好な混合を達成するための攪拌機構を装備される。混合機(160)および(162)からの双方の相の混合物は、それぞれ沈降器(164)および(166)に導かれる。相分離は沈降器中で成し遂げられる。沈降器(164)からの水相(178)は混合機(162)にポンプで送られ、沈降器(164)からの溶媒相(180)は分離器(182)にポンプで送られ、沈降器(166)からの水相(184)はラフィネート貯蔵(186)にポンプで送られ、そして沈降器(166)からの溶媒相(188)は混合機(160)にポンプで送られる。ラフィネートはライン(190)に沿ってCSTR 50に再循環される。この再循環ライン(190) は阻害因子を除去するために(192)で部分的に浸出される。
酢酸を負荷された溶媒(180)は予加熱器(196)を通って蒸留フラスコ(194)にポンプで送られる。蒸留フラスコ(194)は、液相およびガス相中の温度を監視しかつ制御する2個の熱電対(196)および(198)を装備される。蒸留のための加熱温度は酢酸の最大揮発を達成するよう設定される。酢酸蒸気は冷却器(100)中で凝縮され、そしてフラスコ(102)中に収集される。ストリップされた溶媒(104)は冷却コイル(106)を通って溶媒貯蔵(174)にポンプで送られる。
図4に図解されるような記述された方法のベンチスケール操作を実験室で組立、至適化された条件下での量的収量を決定した。培養物に供給された栄養素混合物は以下のようであった。すなわち
1.リン酸一カリウム 3.00g/L
リン酸二カリウム 3.00g/L
硫酸アンモニウム 6.00g/L
塩化ナトリウム 6.00g/L
硫酸マグネシウム二水和物 1.25g/L
から成る80.0mlの塩
2. 1.0gの酵母抽出物
3. 1.0gのトリプチカーゼ
4. 3.0mlのPFN(フェニング(Pfenning))痕跡金属溶液
塩化第一鉄四水和物 1500mg
硫酸亜鉛七水和物 100mg
塩化マンガン四水和物 30mg
ホウ酸 300mg
塩化コバルト六水和物 200mg
塩化銅一水和物 10mg
塩化ニッケル六水和物 20mg
モリブデン酸ナトリウム二水和物 30mg
セレン酸ナトリウム 10mg
蒸留水 1000ml
5. 10.0mlのビタミンB類
塩酸ピリドキサル 10mg
リボフラビン 50mg
塩酸チアミン 50mg
ニコチン酸 50mg
D−パントテン酸カルシウム 50mg
リポ酸 60mg
p−アミノ安息香酸 50mg
葉酸 20mg
ビオチン 20mg
シアノコバラミン 50mg
蒸留水 1000ml
6. 0.5gの塩酸システイン
7. 0.06gの塩化カルシウム二水和物
8. 2.0gの炭酸水素ナトリウム
9. 1.0mlのリサズリン(Resazurin)(0.01%)
10. 920.0mlの蒸留水
A.キブイ(A.kivui)との使用のためには栄養素溶液を6.6にpH調節した一方、新規株C.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)ERI2についてはpHを4.9に調節した。より低いpHではたらく能力は酢酸の回収で大きな利点である。この溶液をその後、20%二酸化炭素および80%窒素雰囲気で20分間散布し(sparged)、その後嫌気的に移させ(transferred)そして15分間オートクレーブした。
多数の実験を、連続攪拌反応器(CSTR)および固定化細胞反応器(ICR)の双方で実施した。得られた結果を以下のデータに例示する。細菌株A.キブイ(A.kivui)およびC.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)ERI2を利用するCSTR実験
CSTRならびに嫌気性細菌C.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)ERI2およびA.キブイ(A.kivui)とともに稼働するベンチスケール系は、ニュー ブランズウィック サイエンティフィク(New Brunswick Scientific)のバイオフロー(BioFlo)IIc醗酵槽、細胞再循環のための中空ファイバー膜ユニットならびに抽出および蒸留カラムから成った。栄養素混合物を、1分あたり3.2立方センチメートルの速度でバイオリアクターに供給した。反応器の容量は2.5リットルであり、その内で1.5リットルの一定の液体レベルを維持した。液体を、1分あたりおよそ500立方センチメートルの速度で導入されたガスと共に1分あたり1000回転までの可変速度で攪拌した。至適ガス保持時間は3分の範囲内であった。ガス供給は細菌によるその取り込みとともに変動し、これは順に細胞密度の関数となった。
バイオリアクターからの液体を、1分あたり55ないし70ミリリットルの速度で中空ファイバー膜に進めた。中空ファイバー膜から、浸透物を1分あたり1.5ミリリットルの速度で集めた。この浸透物の分析は、この段階の酢酸/アセテート濃度が1リットルあたり20グラムの過剰の範囲にわたることを示す。4.9のpHで稼動させれば、この生成物の42パーセントは、C.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)ERI2を使用して、酸の形態であった。A.キブイ(A.kivui)については、酸の収量は1.4パーセントのみであった。変換速度および生成物収量を包含する2種の細菌についての多様な試行の結果を表2および3に要約する。
細菌株C.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)ERI2を利用するICR実験
細胞を支持するための織物を充填された2インチ外径×24インチ高さのガラスチューブおよび固定化培地としてのエンカマト(Enkamat)7020から成る固定化細胞反応器(ICR)もまた、当該酢酸生産方法において試験した。酢酸生成嫌気菌としてC.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)ERI2を用い、100パーセントの一酸化炭素および79パーセントの水素を20分のガス保持時間で変換した。取り出された液体中の酢酸濃度は1リットルあたりおよそ6.0グラムであった。ICR研究の結果を表4に要約する。
ICRは、反応器を稼働させるためのエネルギー費用が大きく低下されることにおいて、工業的スケールへのある魅力を有する。充填物材料、溶液相および圧の適正な選択がCSTRのものに近づく生産を生じうる。
酢酸回収
多様な溶媒を浸透物からの酢酸回収について試験し、結果を表5に要約する。トリブチルホスフェートは高分配係数および高沸点の双方を有すると同定された。溶媒および細胞分離器からの浸透物を2段階抽出過程において混合した。あるいは、抽出カラムを使用し得た。浸透物を3リットルフラスコに導入し、ここでそれを流入する溶媒と混合した。1部分の浸透物に対し1部分の溶媒の比が良好にはたらき、かつ高回収率を与えた。合わせられた液体を混合機から4リットルの沈降チャンバーに進め、そこで溶媒/酢酸混合物が水および栄養素からより低い密度の相として分離する。およそ15分の保持時間を沈降タンク中で使用した。より低い密度の相を抽出しそして蒸留フラスコに供給した。ラフィネートを第一沈降器から第二混合器に進め、そこでそれを再度溶媒と接触させ、その後第二沈降チャンバーから取り出した。これは酢酸のより完全な抽出を見込み;酸の回収はトリブチルホスフェートを使用して82パーセントから96パーセント以上まで増大した。この沈降器からの溶媒/酢酸混合物を第一混合機に戻す一方、水および有機物のラフィネートをバイオリアクターに戻した。
蒸留ユニットは沸騰マントルを伴う5リットルフラスコであった。還流を伴う共通の蒸留カラムを完全な酸回収のために使用し得た。トリブチルホスフェートの高沸点のため、ほぼ完全な回収が一段階で成し遂げられる。溶媒/酢酸混合物を120°Cに加熱し、酢酸を凝縮コイル中の頭頂で収集した。この単一段階の系において70パーセントの蒸留効率が達成された。
溶媒混合物もまた試し、そして混合溶媒の分配係数を表6に要約する。
<例2> カーボンブラック廃ガスからの酢酸の生産
より高圧で細胞反応における物質移動は系を増大された圧で稼働させることによりさらに高められ得る。単純なバッチ実験を実施してこの系の力学を試験した。反応速度が、有効保持時間の対応する低下を伴って圧に対し直線的比率で増大したことが見出された。増大された圧で稼働させることの別の利点は、反応器の容積もまた直線的様式で低下され得る、すなわち、10大気圧での稼働は1気圧で稼働する反応器の10分の1の容積をもつ反応器を必要とすることである。図5および6は増大された圧でのそれぞれ細胞密度および酢酸濃度の増大を示す。この酢酸濃度は大気圧でのバッチ反応器についての典型的なバッチ濃度をはるかに越える。
<例3> 界面活性剤を含むカーボンブラック廃ガスからの酢酸の生産
物質移動は界面活性剤の使用によってもまた増大される。表7は多様な商業的界面活性剤の存在下でのC.ルジュングダーリイ(C.ljungdahlii)ERI2で実施された一酸化炭素取り込み試験の結果を表す。各場合において、100(パーセント)の対照値はバッチ醗酵における一酸化炭素取り込みを、また、サンプル値は界面活性剤の存在下でのバッチ醗酵における対照のパーセントを表す。
表 1
一酸化炭素、水素および二酸化炭素転化について
試験された酢酸発生細菌
細菌経路 一細菌炭素および水素の同時消費
直接経路
P.プロダクッス なし
E.リモスム なし
A.ノテレ なし
C.アセチクム なし
C.テルモアセチクム なし
S.スフェロイデス なし
A.ウーディイ あり
A.キブイ あり
C.ルジュングターリイ ERI2 あり
間接経路
R.ゲラチノサ なし
R.ルブルム なし
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<例4> カーボンブラック廃ガスからのCMAの生産
窒素中の主要成分として約14パーセントの一酸化炭素、17パーセントの水素および4パーセントの二酸化炭素を含有するカーボンブラック廃ガスを、6気圧37℃に維持されかつクロストリジウム ルジュングダーリイ単離物ER12、ATCC寄託物55380を含有する160Lの連続攪拌タンク反応器中に散布する。廃ガスは、不十分な空気での炭化水素の部分的酸化の結果として生産されて無定形炭素を生じ、1ポンドの元素炭素あたり約1.2ポンドの一酸化炭素が生産される。これらの廃ガスは重大な大気汚染問題を生じ、そしてまた、現在回収されていない価値ある化学的供給原料の資源を代表する。ガス保持時間(標準的状態でのガス流速に対する反応器容積の比と定義される)を0.52分に維持する。水、塩基性塩(base salts)、ビタミンB類、窒素源および硫化物源を含有する水性液体培地を、1.05時間−1の液体希釈速度(反応器容積に対する液体流速の比と定義される)で反応器に供給する。この反応器中の攪拌速度は322rpmであり、温度は37℃であり、そして稼働pHは5.03である。これらの条件下での一酸化炭素の転化は83パーセントであり、また、水素の転化は54パーセントであった。中空ファイバー膜細胞再循環ユニットを使用して反応器の内側で10.5g/Lの細胞濃度を維持した。13.2g/Lの酢酸/アセテートを含有する反応器からの希釈酢酸/アセテート生成物流を3段階向流抽出装置に送り、ここでそれを溶媒で抽出する。供給物に対する溶媒の比は4に対し1である。酢酸/アセテート生成物流中の酢酸は3.7g/Lである。抽出器を離れる溶媒中の酢酸濃度は16.7g/Lである。抽出からの水(培地)は再循環として醗酵槽に戻される。
苦石灰/酸化マグネシウムを溶媒相中で直接酢酸に添加してCMAを生じさせる。反応後、飽和されたCMA溶液を乾燥およびペレット化に送り、3/7のモル比のCa2+/Mg2+を含有する1.15ポンドのCMAが酢酸1ポンドあたり形成される。
<例5> カーボンブラック廃ガスからの酢酸の生産
窒素中に約14パーセントの一酸化炭素、17パーセントの水素および4パーセントの二酸化炭素を含有するカーボンブラック廃ガスを、1.58気圧、37℃で稼働しかつクロストリジウム ルジュングダーリイ単離物ERI2、ATCC寄託物55380を含有する144Lの細流床反応器中に散布する。細流床反応器はラシッヒ環もしくはバールサドルのような商業的充填物で充填されたカラムであり、ここで液体およびガスがカラムを通る流れにより相互と接触される。本実施例において、液体およびガス双方が同時の様式で頂上からカラムに入るが、とは言え向流(ガスが底部に入り、液体が頂上に入る)が可能である。ガス保持時間を0.46分に維持し、そして液体培地希釈速度は0.57時間−1である。液体培地は実施例1でと同一の構成要素を含有する。反応器中の攪拌を、60gpmの再循環速度を使用する液体再循環により提供する。反応器中の稼働pHは5.05である。これらの条件下での一酸化炭素の転化は57パーセントであり、また、水素転化は58パーセントである。中空ファイバーユニットを使用して反応器の内側で13.6g/Lの細胞濃度を維持する。
6.4g/Lの複合酢酸/アセテートおよび2g/Lの酢酸を含有する希釈酢酸/アセテート生成物流を3段階向流抽出カラムに送る。供給物に対する溶媒の比は1:4である。反応器を離れる溶媒中の酢酸は10g/Lである。抽出ユニットからの水(培地)を再循環として反応器に戻す。
酢酸を含有する溶媒を蒸留に送って酸および溶媒を回収する。真空溶媒蒸留カラムおよび酢酸蒸留カラムを分離で使用する。氷酢酸が最終生成物として生産される。
<例6> カーボンブラック廃ガスからの酢酸カリウムの生産
例4のカーボンブラック廃ガスを使用してCMAの代わりに酢酸カリウムを作成する。全ての醗酵および溶媒抽出条件は同じままである。苛性カリ(酸化カリウム)を使用して酢酸と反応させて溶媒相中で直接酢酸カリウムの50パーセント溶液を生じさせる。
<例7> コークス炉廃ガスからのSCPの生産
約6パーセントの一酸化炭素、2パーセントの二酸化炭素、57パーセントの水素、5パーセントの窒素および27パーセントの気体炭水化物を含有するコークス炉廃ガスを、例4で前に記述されたように細胞再循環を伴う連続攪拌タンク反応器に供給する。この反応器を使用して希酢酸もしくはエタノールのような生成物を生産する。加えて、反応器の内側の細胞濃度は13.6g/Lである。これらの細胞(微生物)を、動物飼料としての細菌の単一細胞タンパク質を生産するために収穫し得る。細胞を含有する反応器からのパージ流を乾燥機に送って乾燥単一細胞タンパク質を処理する。
<実施例1> 精製装置廃ガスからの水素の生産
約45パーセントの一酸化炭素、50パーセントの水素および5パーセントのメタンを含有する精製装置(refinery)廃ガスを、1993年3月18日にアメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection)、メリーランド州ロックヴィルに寄託されそして寄託物受託番号55404を与えられたバチルス スミトリイ(Bacillus smithlii)単離物ERIH2を含有する、50℃かつ数インチの水圧で稼働する1LのCSTR中に散布する。反応器への培地は1.0g/Lのトウモロコシ浸積液(steep liqour)である。廃ガス中の一酸化炭素を水と一緒に二酸化炭素および水素に転化する。90パーセント転化で、出口ガス流は、3.2パーセントの一酸化炭素、64.4パーセントの水素、28.8パーセントの二酸化炭素および3.6パーセントのメタンを含有する。一酸化炭素、二酸化炭素およびメタンを溶媒抽出によりガス流から取り出す。
<実施例2> カーボンブラック廃ガスからの他の化学物質の生産
窒素中に約14パーセントの一酸化炭素、17パーセントの水素および4パーセントのメタンを含有するカーボンブラック廃ガスを、37℃かつ数インチの水圧で稼働する1LのCSTR中に散布する。反応器中の培地は、水、ビタミンB類、塩および鉱物を含有する基礎塩混合物である。反応器中の単一もしくは混合培養物は、メタノール、プロパノール、ブタノール、プロピオン酸、酪酸の液相生成物もしくは他の所望の生成物を生産する。この系は本質的に実施例6でと同一に設定される。希釈生成物形成の後、生成物を、抽出、蒸留もしくは他の公知の生成物回収技術から成る適当な生成物回収系で回収する。複数の生成物が生産される場合は段階的生成物回収系を使用する。
かように、本発明の結果として、廃ガスを有機酸例えば酢酸を包含する酸、アルコール、水素、SCPもしくは有機酸の塩に転化するための高度に効果的な改良方法が提供され、それによりとりわけ主目的が完全に実現されることが認識されることができる。改変および/もしくは変更が、具体的に説明された態様において本発明からの離脱なしになされうることが企図されかつ先行する記述および付随する図面から当業者に明らかであることができる。従って、前述の記述および付随する図面は好ましい態様を具体的に説明するのみでありかつ制限していないこと、また、本発明の真の技術思想および範囲は付録として付けられた請求の範囲への言及により決定されることが明白に意図される。
廃ガスからの酢酸の生産方法の概略図である。 廃ガスからのCMAの生産方法の概略図である。 廃ガスからのエタノールの生産方法の概略図である。 本発明の態様に従った連続醗酵系の図解表示である。 対時間細胞濃度(OD)のグラフでの実例である。 対時間酢酸(HAC)のグラフでの表示である。

Claims (3)

  1. ATCC No.55404の同定特性の全てを有する微生物バチルス スミトリイ(Bacillus smithlii)ERI−H2株の生物学的に純粋な培養物。
  2. バチルス スミトリイ(Bacillus smithlii)ERI−H2株(ATCC55404)を含有する混合培養物。
  3. 一酸化炭素の嫌気性発酵により水素を生産する嫌気性バチルス スミトリイ(Bacillus smithlii)ERI−H2株(ATCC55404)および栄養培地を含有するバイオリアクターで一酸化炭素を含んで成るガスを発酵する工程、およびバイオリアクターから水素を回収する工程、を含むことを特徴とする水素の生産方法。
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