JP4050423B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、リニアスケール等の長尺の被処理基板におけるプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体及び液晶ディスプレイ(LCD)等の製造工程において、表面をプラズマ処理するプラズマ処理装置では、アルミニウム等の導電性材料からなるハウジング内に基板をロボットアームによって処理室内に搬入した後、処理室内を排気して減圧し、処理室に各種反応ガスを導入し、プラズマを生成してプラズマ処理を行うようになっている。処理が完了した後、処理室から基板を搬送ロボットアームによって搬出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被処理基板のサイズが大きくなると処理室も大型に構成する必要がある。さらに、被処理基板が大きくなると、搬送ロボットも大型のものが必要となり、搬送時間の遅延化にもなる。さらに、リニアスケール等の長尺の被処理基板になると、これを収容するための処理室も幅方向に長く必要であり、被処理基板に向けて反応ガスを吹き付けるものは、ガス供給に偏りが生じ、処理の不均一が生じるという問題がある。
【0004】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、長尺の被処理基板を搬送しながら連続的に処理することができ、処理能率の向上を図ることができるとともに、反応ガスを被処理基板に対して均一に吹き付け、均一に処理ができるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述した目的を達成するために、請求項1は、長尺の被処理基板をその長手方向に搬送する搬送路と、この搬送路の途中に設けられ搬送する前記被処理基板が通過可能な減圧された処理室と、前記被処理基板を大気雰囲気から前記処理室へ搬入するための搬入側コンダクタンスシールと、前記被処理基板を前記処理室から大気雰囲気へ搬出するための搬出側コンダクタンスシールとからなり、前記処理室に反応ガスを導入し、プラズマを生成して処理室内で前記被処理基板に連続的に処理を行うことを特徴とするプラズマ処理装置にある。
【0006】
請求項2は、請求項1の前記処理室の一方の側壁には前記被処理基板を処理室に搬入する搬入口が設けられ、他方の側壁には前記被処理基板を処理室から搬出する搬出口が設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項3は、請求項2の前記搬入口及び搬出口は、前記被処理基板が通過するときには、該搬入口及び搬出口が略塞がれる状態に、前記被処理基板と前記搬入口及び搬出口との隙間を狭くし、コンダクタンスを小さくして圧力勾配を作ることによって真空シールを行うことを特徴とする。
【0008】
請求項4は、請求項2または3の前記搬入口及び搬出口にはゲートバルブが設けられていることを特徴とする。
請求項5は、請求項1の前記搬入側コンダクタンスシール及び前記搬出側コンダクタンスシールには、前記被処理基板を搬送案内するための案内路が設けられ、前記案内路の断面積は、被処理基板の断面積より僅かに大きく、前記被処理基板が通過するときには、該案内路の入口及び出口が略塞がれる状態になることを特徴とする。
請求項6は、請求項5の前記案内路の途中には中間排気室が設けられ、これら中間排気室は排気管路を介して排気ポンプに接続されていることを特徴とする。
請求項7は、請求項5の前記案内路の入口と出口には、ゲートバルブが設けられていることを特徴とする。
請求項8は、請求項4または7の前記ゲートバルブは前記被処理基板の搬送に同期して、順次開閉することを特徴とする。
【0009】
前記構成によれば、搬送路を搬送する被処理基板の一部が処理室に搬入されると、処理室内に進入した部分が処理され、被処理基板の搬送中に連続的に処理が行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図3は第1の実施形態を示し、図1及び図2はプラズマ処理装置の縦断正面図、図3は同処理装置の斜視図である。
【0012】
本プラズマ処理装置は、長尺の被処理基板Aとして、例えば、リニアスケール用ガラス板(長さ300cm×幅10cm×厚さ1cm)をプラズマ処理するもので、図中1は、被処理基板Aを水平状態で長手方向に搬送する搬送路である。搬送路1の後方には後続する被処理基板Aを挟持搬送する複数個の搬送ローラ2が設けられ、搬送ローラ2によって後続の被処理基板Aを挟持搬送することにより、前方の被処理基板Aが押されながら矢印方向に一定速度で搬送されるようになっている。
【0013】
搬送路1の途中には被処理基板Aを処理する処理室3を構成するハウジング4が設けられている。このハウジング4は、例えばアルミニウム等の導電性材料からなり、処理室3の左右方向の幅は被処理基板Aの長さの数分の1の大きさであり、処理室3は排気管路5aを介して第1の排気ポンプ5に接続されている。
【0014】
ハウジング4の一方の側壁4aには被処理基板Aの搬入口6が設けられ、他方の側壁4bには被処理基板Aの搬出口7が設けられている。
【0015】
搬入口6及び搬出口7は被処理基板Aの断面積より僅かに大きく、被処理基板Aが通過しているときには、搬入口6及び搬出口7が被処理基板Aによって略塞がれる状態にあるが、被処理基板Aの処理面(例えば上面)は非接触状態にある。さらに、搬入口6及び搬出口7にはゲートバルブ8,9が設けられている。
【0016】
前記ハウジング4の外部における一側部には搬送路1に沿って搬入側コンダクタンスシール10が設けられ、他側部には搬送路1に沿って搬出側コンダクタンスシール11が設けられている。搬入側コンダクタンスシール10には搬入口6と連通し、被処理基板Aを搬送案内する案内路12が設けられ、搬出側コンダクタンスシール11には搬出口7と連通し、被処理基板Aを搬送案内する案内路13が設けられている。さらに、案内路12の入口12a及び案内路13の出口13aも被処理基板Aの断面積より僅かに大きく、被処理基板Aが通過しているときには、入口12a及び出口13aが被処理基板Aによって略塞がれる状態にあるが、被処理基板Aの処理面(例えば上面)は非接触状態にある。さらに、入口12a及び出口13aにはゲートバルブ14,15が設けられている。
【0017】
さらに、案内路12,13の途中には中間排気室16,17が設けられ、これら中間排気室16,17は排気管路18,19を介して第2の排気ポンプ20に接続されている。
【0018】
前述のように構成されたプラズマ処理装置によれば、第1の排気ポンプ5によって処理室3内を排気して減圧することができ、第2の排気ポンプ20によって中間排気室16,17を排気して減圧することができる。
【0019】
次に、プラズマ処理装置における作用について説明する。
【0020】
搬入側コンダクタンスシール10の案内路12のゲートバルブ14が作動して入口12aが開放した状態で、搬送路1の後続の被処理基板Aが搬送ローラ2によって挟持搬送されると、最前端の被処理基板Aは後続の被処理基板Aによって押されるため前進する。
【0021】
従って、最前端の被処理基板Aは入口12aから搬入側コンダクタンスシール10の案内路12に進入する。このとき、処理室3内は第1の排気ポンプ5によって排気して減圧され、中間排気室16,17は第2の排気ポンプ20によって排気して減圧されている。
【0022】
被処理基板Aがさらに搬送されて搬入口6に接近すると、ゲートバルブ8が開放し、被処理基板Aの先端部が処理室3に進入する。このとき、処理室3においては、ガス供給源(図示しない)からエッチングガス(例えばSFガス)を吐出させるとともに、排気管路5aを介して処理室3内を真空引きしているため、処理室3内を低圧力雰囲気に維持する。次いで、高周波電源(図示しない)から13.56MHzのプラズマ生成用高周波電力を印加することにより、処理室3内に均一な電界が形成され、かかる電界により、処理室3内にプラズマが励起され、処理室3内を搬送中の被処理基板Aに対して均一な処理が施される。
【0023】
被処理基板Aがさらに前進し、先端部が搬出口7に接近すると、ゲートバルブ9が開口し、処理が完了した被処理基板Aの先端部は搬出口7から搬出側コンダクタンスシール11の案内路13に進入する。そして、処理室3内には被処理基板Aの未処理部分が進入して前述と同様にプラズマ処理される。
【0024】
被処理基板Aがさらに前進し、先端部が出口13aに接近すると、ゲートバルブ18が開口し、処理が完了した被処理基板Aの先端部は搬出側コンダクタンスシール11の出口13aから搬出される。このようにして長尺の被処理基板Aは処理室3を通過中に連続的に処理が行われ、1枚の被処理基板Aの処理が完了すると、後続する被処理基板Aが処理室3に進入して同様の処理が行われる。
【0025】
従って、被処理基板Aが長尺のものであっても、被処理基板Aの全体を処理室3に収容させる必要はなく、処理室3を通過させるだけで搬送中に処理が行えるため、処理室3を小型に構成することができ、しかも搬送ロボットによって被処理基板Aを処理室3内に搬入・搬出する必要はなく、処理装置の構成の簡素化と処理能率の向上を図ることができる。
【0026】
なお、前記実施形態においては、搬入側及び搬出側コンダクタンスシール10,11にそれぞれ1個の中間排気室16,17を設けたが、多段に設けて圧力差を小さくすることにより、真空シールを確実に行えるとともに、被処理基板Aの搬送も円滑に行える。
【0027】
また、搬入口6及び搬出口7を被処理基板Aの断面積より僅かに大きく、被処理基板Aが通過しているときには、搬入口6及び搬出口7が被処理基板Aによって略塞がれる状態にしたが、被処理基板Aの処理面(例えば上面)に対向する部分を除き、メカニカルシールを設けてもよい。
【0028】
なお、実施形態においては、被処理基板としてリニアスケール用ガラス板について説明したが、これに限定されるものではない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、搬送路の途中に被処理基板が通過可能な処理室を設け、処理室に反応ガスを導入し、プラズマを生成して処理室内で被処理基板に連続的に処理することにより、長尺の被処理基板を搬送しながら連続的に処理することができ、処理室の小型化と処理能率の向上を図ることができるとともに、反応ガスを被処理基板に対して均一に吹き付け、均一に処理ができるという効果がある。
さらに、処理室と大気雰囲気との間を搬入側コンダクタンスシール及び搬出側コンダクタンスシールによってシールすることにより、処理室のみを減圧すればよく、減圧装置の小型化が図れるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す、プラズマ処理装置の縦断正面図。
【図2】同実施形態のプラズマ処理装置の縦断正面図。
【図3】同実施形態のプラズマ処理装置の斜視図。
【符号の説明】
1…搬送路
3…処理室
6…搬入口
7…搬出口

Claims (8)

  1. 長尺の被処理基板をその長手方向に搬送する搬送路と、この搬送路の途中に設けられ搬送する前記被処理基板が通過可能な減圧された処理室と、前記被処理基板を大気雰囲気から前記処理室へ搬入するための搬入側コンダクタンスシールと、前記被処理基板を前記処理室から大気雰囲気へ搬出するための搬出側コンダクタンスシールとからなり、
    前記処理室に反応ガスを導入し、プラズマを生成して処理室内で前記被処理基板に連続的に処理を行うことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記処理室の一方の側壁には前記被処理基板を処理室に搬入する搬入口が設けられ、他方の側壁には前記被処理基板を処理室から搬出する搬出口が設けられていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記搬入口及び搬出口は、前記被処理基板が通過するときには、該搬入口及び搬出口が略塞がれる状態に、前記被処理基板と前記搬入口及び搬出口との隙間を狭くし、コンダクタンスを小さくして圧力勾配を作ることによって真空シールを行うことを特徴とする請求項2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記搬入口及び搬出口にはゲートバルブが設けられていることを特徴とする請求項2または3記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記搬入側コンダクタンスシール及び前記搬出側コンダクタンスシールには、前記被処理基板を搬送案内するための案内路が設けられ、前記案内路の断面積は、被処理基板の断面積より僅かに大きく、前記被処理基板が通過するときには、該案内路の入口及び出口が略塞がれる状態になることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記案内路の途中には中間排気室が設けられ、これら中間排気室は排気管路を介して排気ポンプに接続されていることを特徴とする請求項5記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記案内路の入口と出口には、ゲートバルブが設けられていることを特徴とする請求項5記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記ゲートバルブは前記被処理基板の搬送に同期して、順次開閉することを特徴とする請求項4または7記載のプラズマ処理装置。
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