JP4041424B2 - ジッタ解析方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号のジッタ(位相揺らぎ)を解析する方法および装置において、特に、イーサネット(登録商標)等に代表される通信システム内の信号、ビデオグラフィクチップ等のデジタル回路(半導体デバイス)内あるいはインタフェースにおけるデータ信号のジッタの解析を、その信号の立上りと立下り、デューティサイクル歪みとランダムジッタ等を区別して行なえるようにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、LAN上を伝送するデータ信号のジッタを解析する方法の一つとして、そのデータ信号をデジタルストレージオシロスコープ(以下DSOと記す)に入力して、図7に示すようなアイパターンを表示させ、そのアイパターンの立上りと立下りとが交差する部分の時間幅Twを測定する方法がある。
【0003】
また、別の方法として、データ信号をタイムインターバルアナライザ(以下、TIAと記す)に入力して、データ信号の立上りと立下りの間隔等を測定し、その測定値のヒストグラムからジッタ量を算出する場合もある。
【0004】
このTIAを用いた方法では、データ信号の立上り・立上り間隔、立下り・立下り間隔、立上り・立下り間隔を区別して測定できる。
【0005】
一般に、データ信号に含まれるジッタは、周期性をもつ成分と周期性がもたないランダムな成分を有している。
【0006】
その異なるジッタの分布を最も簡単に表すモデルは、平均および分散が異なる2つのガウス分布(正規分布)が、1/2ずつの重みで重ね合わされたものであり、この状態は、例えば、立上り・立下り間隔と立下り・立上り間隔が異なるデューティサイクル歪みにランダムジッタが加わった状態で近似される。
【0007】
このような分布モデルに対して、前記したTIAを用い、ヒストグラムの裾の部分に対するガウス分布のカーブ合わせ(カーブフィッティング)処理を行い、2つのガウス分布を推定する方法を採用しているものもある(特許文献1)。
【0008】
【特許文献1】
US 6,298,315B1(2001/10/2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したジッタ解析方法のうち、DSOを用いてアイパターンの交差部分の時間幅を観測する方法では、立上りと立下りを共に含むデータから時間幅を求めなければならず、両者のジッタを分離して観測することが困難である。
【0010】
特に、立上りのジッタの分布と立下りのジッタの分布の裾の部分が互いに重なり合っている場合には、測定精度の低下が避けられない。
【0011】
一方、前記した特許文献1のように、TIAの測定値から得られたヒストグラムの裾の部分に対するカーブ合わせ処理を行なって、例えば、前記したように平均と分散が異なる2つのガウス分布を推定する場合、立上りと立下りの平均が接近し、且つ両者の分散が大きく異なるとき、全体の分布の裾に対して、分散が大きい方のガウス分布が支配的となってしまうため、2つのガウス分布が全く異なる確率密度分布をもっているにもかかわらず、カーブ合わせ処理が正しい結果を与えなくなってしまう。
【0012】
また、ガウス分布のような非線形の関数をモデルとしたカーブ合わせ処理は、残差の非線形最適化問題を解く処理であり、このような処理には、一般的に繰り返し演算が必要となり、長い計算時間を要することが多い。
【0013】
また、得られた結果が大域的な残差の最小点ではなく、ローカルな極小点に収束していることもあり、精度の点でも問題がある。
【0014】
本発明は、この問題を解決して、DSOで観測されるようなアイパターンのデータを用いながら、データ信号の立上り・立下り、デューティサイクル歪みとランダムジッタ等を分離してジッタを解析することができるジッタ解析方法および装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のジッタ解析方法は、
データ信号のレベルが所定範囲となる頻度を、前記データ信号のクロック周期内の異なる位相毎に求め、位相対頻度のヒストグラムを作成する段階(S1)と、
前記作成されたヒストグラムから、予め定義された分布モデルの母数推定に必要な次数のモーメントを算出する段階(S2)と、
前記算出されたモーメントに基づいて、前記分布モデルの母数を推定する段階(S3)と、
前記推定された母数に基づいて、前記データ信号のジッタを求める段階(S4)とを含むジッタ解析方法において、
前記分布モデルを、平均m、分散vの正規分布と平均n、分散wの正規分布とを1/2ずつの重みで重ね合わせた分布と定義し、
前記ヒストグラムから次の式、
=(1/N) Σt
ただし、記号 Σは、k=1〜Kまでの総和、t 、n は、第k区間の代表値および出現回数、Nはデータ総数。
により算出した1次から4次までのモーメントM 〜M の値と、
前記分布モデルの1次から4次までのモーメントM 〜M を前記平均と分散で表した以下の式、
=(m+n)/2
=(m +n +v+w)/2
=(m +n +3mv+3nw)/2
=(m +n +6m v+6n w+3v +3w )/2
とに基づいて、前記分布モデルの母数である平均と分散の推定を行なうことを特徴としている。
【0016】
また、本発明のジッタ解析装置は、
データ信号からそのクロック成分を再生するクロック再生手段(21)と、
前記データ信号に対するサンプリングを前記再生されたクロックの周期内の異なる位相タイミングに行うサンプリング手段(22)と、
前記サンプリング手段によって得られたサンプル値が所定範囲となる頻度を前記サンプリングの位相タイミング毎に求めて、位相対頻度のヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段(23)と、
前記ヒストグラム作成手段によって作成されたヒストグラムから、予め定義された分布モデルの母数推定に必要な次数のモーメントを算出するモーメント算出手段(24)と、
前記モーメント算出手段によって算出されたモーメントに基づいて、前記分布モデルの母数を推定する母数推定手段(25)と、
前記母数推定手段によって推定された母数に基づいて、前記データ信号のジッタを求めるジッタ算出手段(26)とを備えたジッタ解析装置において、
前記予め定義された分布モデルが、平均m、分散vの正規分布と平均n、分散wの正規分布とを1/2ずつの重みで重ね合わせた分布であり、
前記モーメント算出手段は、前記ヒストグラムから次の式、
=(1/N) Σt
ただし、記号 Σは、k=1〜Kまでの総和、t 、n は、第k区間の代表値および出現回数、Nはデータ総数。
により1次から4次までのモーメントM 〜M の値を算出し、
前記母数推定手段は、
前記分布モデルの1次から4次までのモーメントM 〜M を前記平均と分散で表した以下の式、
=(m+n)/2
=(m +n +v+w)/2
=(m +n +3mv+3nw)/2
=(m +n +6m v+6n w+3v +3w )/2
と、前記モーメント算出手段によって算出された1次から4次のモーメントの値とに基づいて、前記分布モデルの母数である平均と分散の推定を行なうことを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のジッタ解析方法の手順を示すフローチャートである。このフローチャートにしたがって本発明のジッタ解析方法を説明する。
【0018】
始めに、解析対象のデータ信号のレベルが所定範囲となる頻度を、データ信号のクロック周期内の異なる位相毎に求め、位相対頻度のヒストグラムを作成する(S1)。
【0019】
次に、作成されたヒストグラムから、予め定義された分布モデルの母数推定に必要な次数のモーメントを算出し(S2)、算出したモーメントに基づいて、前記定義した分布モデルの母数を推定する(S3)。
【0020】
そして、推定した母数に基づいて、データ信号のジッタを求める(S4)。
【0021】
上記解析方法の母数推定には、例えば、Karl Pearson が提唱している積率推定法を用いている。
【0022】
この積率推定法は、分布モデルから計算される原点周りのモーメント(平均、2乗平均、3乗平均、…、;これらは母数の関数として表される)と、標本から算出されたモーメントとを等値した連立方程式を解いて母数を推定する方法である。
【0023】
例として、平均m、分散σをもつ単独のガウス分布の場合、理論上の1次、2次のモーメントは、それぞれ、m、m+σである。
【0024】
実測データから算出される1次、2次のモーメントをM、Mとすると、理論値と等値した方程式は、m=M、m+σ=Mとなる。
【0025】
これらを解くと、m=M、σ=M−M が得られ、これらの解は、標本平均、標本分散に他ならない。
【0026】
一般に、各次数についての方程式が得られるから、i個の母数を求めるためには、最低i次までのモーメントが必要になり、実際には、i次を越えるモーメントが必要になる場合もある。
【0027】
換言すれば、i次までの連立方程式の中に独立でない方程式を含むことがある。このような例として、それぞれの分散が等しい2つのガウス分布を等比重で重畳した分布が挙げられる。未知数はそれぞれの平均と共通の分散の3つであるが、この場合でも4次のモーメントが必要となる。平均を消去して、中心モーメントを考えると未知数は2つになるが、このモデルは中心対称な分布であるから、3次モーメントは0であり、意味をなさない。したがって、2次と4次の中心モーメントに関する式を使う必要がある。
【0028】
一般に積率推定法では、連立非線形方程式を解くことになるが、ガウス分布を重ね合わせた分布モデルに対しては、代数方程式を解けばよく、比較的容易である。
【0029】
例えば、図2に示すように、1000Base−SX、LX等の高速のイーサネット(登録商標)上のデータ信号Sのアイパターンを中央付近の電圧レベルVaについて時間方向にスライスして得られる分布(ヒストグラム)Aは、立上り、立下りのそれぞれについて平均、分散が異なる2つのガウス分布Ga、Gbを重畳したもので近似される。
【0030】
十分な長さの観測を行なえば、立上りと立下りとは同数と見なせるから、2つのガウス分布Ga、Gbが全体に占める比重は1/2ずつである。
【0031】
したがって、この分布モデルAは、4つの母数、即ち、2組の平均と分散によって記述することができる。この場合、4つの母数を推定するために、4次までのモーメントを考えればよい。
【0032】
次に、その解法を説明する。
平均m、分散vをもつガウス分布Gaの原点周りの1次から4次までのモーメントは、順に、
m、m+v、m+3mv、m+6mv+3v ……(1)
である。
【0033】
また、平均と分散がそれぞれ(m,v)、(n,w)の2つのガウス分布Ga、Gbを等比重で重畳した分布の場合、全体のモーメントは個々の分布のモーメントの線結合となるから、全体の分布Aの原点周りの1次から4次までのモーメントM〜Mは、次のようになる。
【0034】
Figure 0004041424
【0035】
上記式で、m=u、n=−uとおけば、各中心モーメント(平均値周りのモーメント)Kが次のように得られる。
【0036】
Figure 0004041424
【0037】
一方、観測によって得られたヒストグラムから、原点周りのモーメントおよび中心モーメントは、次のように得られる。
【0038】
Figure 0004041424
【0039】
ただし、上記式(4)で、記号Σは、k=1〜Kまでの総和、t、nは、第k区間の代表値および出現回数、Nは、データ総数である。
【0040】
表記を簡単にするために、測定値から算出された中心モーメントを、K=b、K=c、K=dとおいて理論式と等値すると、以下の式が得られる。
【0041】
Figure 0004041424
【0042】
これらの式からuを消去し、さらに、基本対称式の多項式に変形して、v+w=x、vw=yとおくと、次の式が得られる。
【0043】
Figure 0004041424
【0044】
上記式からyを消去すると、次の3次方程式が得られる。
【0045】
Figure 0004041424
【0046】
上記式(7)の解は、以下の3つとなり、これらの解の1つが求める値となる。
【0047】
Figure 0004041424
【0048】
上記方程式の解について検討すると、先ず、Cardano の方法に従い、x=z+2bとおいて、2次の項をなくすと上式は、以下のようになる。
【0049】
Figure 0004041424
【0050】
この3次方程式の判別式D=q+pについて検討すると、実数根は1つに限らないことが判る。
【0051】
そこで、3つの解の実部の大小関係を調べると、v+w、3uは、ともに非負であるから、根号の部分が虚数であるとき、複素根の実部は、v+w以上である。また、根号の部分が実数であるときでも、3uは{u−3(v−w)/2}1/2以上であることが判る。よって上記3つの解の中で実部が最小のものが求める解である。
【0052】
式(7)の実部最小の解xは、式(9)の実部最小の解zを求め、x=z+2bの関係から得られる。
【0053】
このようにして適正な解xが得られた後に、消去してきた変数を順に求める。
即ち、得られたxを式(6)に代入することでyが得られ、x、yとv、wの関係から、v、wの値が得られ、そのv、wの値と式(5)の第1式からuの値が得られる。
【0054】
さらに、これらの得られたv、w、uの値と中心モーメントとの関係から、原点周りのモーメントまで遡って、m、nの値を、m=M−u、n=M+uの演算で求めることができる。
【0055】
そして、最後に、mとv、nとwのクロスタームを含む3次または4次の原点周りのモーメントを使って、2次方程式の解を無意味に割り当てたv、wについて、m、nとの対応関係を正しく選ぶことができる。
【0056】
例えば、3次モーメント
=(m+n+3mv+3nw)/2
を使う場合、ここまでに得られたm、n、v、wをそのまま用いて得られた値と、vとwを入れ替えて得られた値のうち、前者の方が測定結果Mに近い場合には、v、wがm、nに正しく対応しているとし、後者の方が測定結果Mに近い場合には、v、wの値を入れ替えて対処する。
【0057】
図3は、上記の解析方法にしたがってジッタ解析を行なう実施形態のジッタ解析装置20の構成を示している。
【0058】
図3において、クロック再生手段21は、入力されるデータ信号Sからそのデータ信号Sのクロック成分を再生して、再生したクロック(以下、再生クロックという)Cをサンプリング手段22に出力する。ここで、再生クロックCの周波数をfcとする。
【0059】
サンプリング手段22は、データ信号Sに対するサンプリングを再生クロックCの周期内の異なる位相タイミングに行ってデジタル値に変換し、その変換されたサンプル値sを順次出力する。
【0060】
ここで言う「位相」とは、1クロック周期内の時刻を表し、以後1クロック周期を1UI(unit interval)とする。
【0061】
サンプリング手段22は、図3に示しているように、A/D変換器22aと、そのA/D変換器22aにサンプリングクロックCsを与えるサンプリングクロック発生器22bによって構成される。
【0062】
ここで、A/D変換器22aの動作可能な上限周波数がデータ信号のクロック周波数に対して十分高い場合には、サンプリングクロック発生器22bからデータ信号Sのクロック周波数fcのP(例えばP=100)倍の周波数fsのサンプリングクロックCsを再生クロックCに同期させてA/D変換器22aに与えることで、データ信号Sの1クロック周期内で、異なるP個の位相ポイントのサンプル値を得ることが可能である。
【0063】
しかし、A/D変換器22aの動作可能な上限周波数がデータ信号のクロック周波数に対して十分高くない場合には、上記のようなリアルタイムのサンプリングが行なえないので、サンプリングクロック発生器22bから、次の式を満足するような周波数fsのサンプリングクロックCsを再生クロックcに同期させて発生させ、A/D変換器22aに与える。
【0064】
fs={P/(P+1)}fc
【0065】
ここで、Pを100、再生クロックCの周期をTcとすれば、サンプリング周期Tsは、次式で表される。
【0066】
Ts=1/fs=1.01/fc=1.01Tc
【0067】
つまり、この場合、図4に示すように、サンプリングクロックCsは、データ信号Sの1クロック周期Tc(=1UI)に対して、0.01UIだけ長い周期を有しているため、0UI、0.01UI、0.02UI、…、0.99UIの位相におけるサンプリングを繰り返すことになる。
【0068】
なお、高速なデータ信号をサンプリングする方法としては、上記のように再生クロックCより僅かに周期が長いサンプリングクロックCsを用いる方法の他に、A/D変換器を複数用い、各A/D変換器が異なるタイミングでサンプリングを行なうようにサンプリングクロックをシフトして与えて、各A/D変換器のサンプル値をそのサンプリング順に出力させる構成を採用することもできる。
【0069】
サンプリング手段22によって得られたサンプル値sは、ヒストグラム作成手段23に入力される。
【0070】
ヒストグラム作成手段23は、データ信号Sのレベルが所定範囲に入る回数を、サンプリングの位相毎に累計して、位相対頻度のヒストグラムを作成する。
【0071】
例えば、サンプル値が8ビットで0〜255の範囲の値を取るものとし、再生クロックCの立上り時刻を位相0UIとし、0.01UI、0.02UI、…、0.99UIについてそれぞれ100000サンプルを取得したときに、そのサンプルのうち、値が127(16進表示で7F)であったサンプル値の数n、n、n、…、n99を記憶する。
【0072】
なお、取得した全てのサンプルについてレベル毎、位相毎の度数を2次元配列で記憶しておき、所望のレベルについての度数だけを利用することもできる。
【0073】
ヒストグラム作成手段23は、後述するモーメント算出手段24、母数推定手段25、ジッタ算出手段26とともに、マイクロコンピュータで構成されているが、その機能をブロック化して表すと、図5のように、メモリ23a、アドレスカウンタ23b、加算器23c、比較器23dによって構成される。
【0074】
この場合、サンプリング手段22がサンプリングを行なう各位相0〜0.99UIに対応したアドレスがメモリ23aに割り当てられ、アドレスカウンタ23bはサンプリングクロックCsを0〜99の範囲で巡回的に計数し、その計数値でメモリ23aのアドレスを指定する。
【0075】
比較器23dでサンプル値sが所定範囲と判定されたときに、加算器23cがアドレスカウンタ23bによって示されているアドレスから読み出した値(度数)に1を加えて、同一アドレスの度数を1だけ増加更新する。
【0076】
この動作を繰り返すことで、所定値(前記例では127)のサンプルsについて、各位相毎の度数n、n、n、…、n99からなるヒストグラムを作成することができる。
【0077】
モーメント算出手段24は、ヒストグラム作成手段23によって作成されたヒストグラムに基づいて、前記した母数の推定処理に必要な位相に関する1次から少なくとも4次までのモーメント算出する。
【0078】
先の例で、原点周りのi次モーメントは、次式で求められる。
【0079】
Σ(0.01k)・n
ただし、記号は、k=0〜99までの総和を表す。
【0080】
母数推定手段25は、前記した積率推定方法にしたがって、予め定義した分布モデルから導かれた方程式に、モーメント算出手段24によって算出されたモーメントを代入して、その解を求める。
【0081】
前記したように、定義された分布モデルが、2つのガウス分布Ga、Gbを重ね合わせた分布の場合には、その2つのガウス分布Ga、Gbの平均m、nおよび分散v、wを母数として推定する。
【0082】
ジッタ算出手段26は、推定された母数からジッタ量Jを算出し、図示しない表示器等の出力装置に出力する。
【0083】
前記したように、2つのガウス分布Ga、Gbを重ね合わせた分布モデルで、母数としてそれぞれの分散v、wが求まった場合、これらの平方根を、UIを単位とするrms(実効値)のジッタJとして算出する。また、このジッタJにクロック周期(1UI)の時間を乗じて、単位を時間とするrmsのジッタJ′を算出してもよい。
【0084】
なお、2つの分布Ga、Gbが近接している場合、例えば、2つの標準偏差の比が0.9〜1.1で、2つの平均の差が標準偏差の20パーセント以下のような場合で、データ信号Sのほぼ中心レベルについてのヒストグラムからそれぞれの分布についてのジッタを精度よく求めることは困難となるが、その場合には、図6に示しているように、アイパターンの立上りと立下りの交差位置から離れた複数(図6では2つの例を示す)のレベルVb、Vcについてのヒストグラムを作成し、それに基づいて、前記同様にモーメント算出および母数算出を行い、2つの分布の平均m、m、n、nと分散v、v、w、wをそれぞれ求める。
【0085】
そして、中心レベルVaにおける平均については、各分布の平均値間の直線補間処理、即ち、
m={m(Vb−Va)−m(Vc−Va)}/(Vb−Vc)
n={n(Vb−Va)−n(Vc−Va)}/(Vb−Vc)
によって算出する。
【0086】
また、分散については、各分布の分散の平均演算、即ち、
v=(v+v)/2
w=(w+w)/2
によって算出すればよい。
【0087】
また、レベルを3つ以上にしてより高次の補間を行なえば、さらに精度が高くなる。
【0088】
このように実施形態のジッタ解析装置20では、データ信号Sに対するサンプリングを1クロック周期内の異なる位相で行い、そのサンプリングタイミングの位相毎にサンプル値が所定範囲となる頻度を求め、位相対頻度のヒストグラムを作成し、そのヒストグラムから、予め定義した分布モデルの母数推定に必要なモーメントを算出し、その算出されたモーメントからジッタの分布モデルの母数を推定し、その推定された母数からジッタを求めている。
【0089】
このため、重なり合った立上り・立下りの分布や、デューティサイクル歪みとランダムジッタ等を分離して解析することができる。
【0090】
また、2つのガウス分布が重なり合った典型的な分布モデルに対しては、簡単な連立方程式を解くことで母数を推定でき、非線形最適化問題を解く場合のような繰り返し演算が不要となり、高速なジッタ解析が行なえる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のジッタ解析方法および装置は、解析対象のデータ信号のレベルが所定範囲となる頻度を、データ信号のクロック周期内の異なる位相毎に求め、位相対頻度のヒストグラムを作成し、そのヒストグラムから、予め定義した分布モデルの母数推定に必要なモーメントを算出し、その算出されたモーメントからジッタの分布モデルの母数を推定し、その推定された母数からジッタを求めている。
【0092】
このため、重なり合った立上り・立下りの分布や、デューティサイクル歪みとランダムジッタ等を分離して解析することができる。
【0093】
また、2つのガウス分布が重なり合った分布モデルに対しては、簡単な連立方程式を1次〜4次までのモーメントに基づいて解くことで母数を推定でき、非線形最適化問題を解く場合のような繰り返し演算が不要となり、高速なジッタ解析が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジッタ解析方法の手順を示すフローチャート
【図2】データ信号のアイパターンと、ジッタの分布との関係を示す図
【図3】実施形態のジッタ解析装置の構成を示す図
【図4】実施形態の要部の動作を説明するための図
【図5】実施形態の要部の構成例を示す
【図6】別の処理方法を説明するための図
【図7】従来の解析方法を説明するための図
【符号の説明】
20……ジッタ解析装置、21……クロック再生手段、22……サンプリング手段、23……ヒストグラム作成手段、24……モーメント算出手段、25……母数算出手段、26……ジッタ算出手段

Claims (2)

  1. データ信号のレベルが所定範囲となる頻度を、前記データ信号のクロック周期内の異なる位相毎に求め、位相対頻度のヒストグラムを作成する段階(S1)と、
    前記作成されたヒストグラムから、予め定義された分布モデルの母数推定に必要な次数のモーメントを算出する段階(S2)と、
    前記算出されたモーメントに基づいて、前記分布モデルの母数を推定する段階(S3)と、
    前記推定された母数に基づいて、前記データ信号のジッタを求める段階(S4)とを含むジッタ解析方法において、
    前記分布モデルを、平均m、分散vの正規分布と平均n、分散wの正規分布とを1/2ずつの重みで重ね合わせた分布と定義し、
    前記ヒストグラムから次の式、
    =(1/N) Σt
    ただし、記号 Σは、k=1〜Kまでの総和、t 、n は、第k区間の代表値および出現回数、Nはデータ総数。
    により算出した1次から4次までのモーメントM 〜M の値と、
    前記分布モデルの1次から4次までのモーメントM 〜M を前記平均と分散で表した以下の式、
    =(m+n)/2
    =(m +n +v+w)/2
    =(m +n +3mv+3nw)/2
    =(m +n +6m v+6n w+3v +3w )/2
    とに基づいて、前記分布モデルの母数である平均と分散の推定を行なうことを特徴とするジッタ解析方法
  2. データ信号からそのクロック成分を再生するクロック再生手段(21)と、
    前記データ信号に対するサンプリングを前記再生されたクロックの周期内の異なる位相タイミングに行うサンプリング手段(22)と、
    前記サンプリング手段によって得られたサンプル値が所定範囲となる頻度を前記サンプリングの位相タイミング毎に求めて、位相対頻度のヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段(23)と、
    前記ヒストグラム作成手段によって作成されたヒストグラムから、予め定義された分布モデルの母数推定に必要な次数のモーメントを算出するモーメント算出手段(24)と、
    前記モーメント算出手段によって算出されたモーメントに基づいて、前記分布モデルの母数を推定する母数推定手段(25)と、
    前記母数推定手段によって推定された母数に基づいて、前記データ信号のジッタを求めるジッタ算出手段(26)とを備えたジッタ解析装置において、
    前記予め定義された分布モデルが、平均m、分散vの正規分布と平均n、分散wの正規分布とを1/2ずつの重みで重ね合わせた分布であり、
    前記モーメント算出手段は、前記ヒストグラムから次の式、
    =(1/N) Σt
    ただし、記号 Σは、k=1〜Kまでの総和、t 、n は、第k区間の代表値および出現回数、Nはデータ総数。
    により1次から4次までのモーメントM 〜M の値を算出し、
    前記母数推定手段は、
    前記分布モデルの1次から4次までのモーメントM 〜M を前記平均と分散で表した以下の式、
    =(m+n)/2
    =(m +n +v+w)/2
    =(m +n +3mv+3nw)/2
    =(m +n +6m v+6n w+3v +3w )/2
    と、前記モーメント算出手段によって算出された1次から4次のモーメントの値とに基づいて、前記分布モデルの母数である平均と分散の推定を行なうことを特徴とするジッタ解析装置。
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