JP4040811B2 - Magnetic head slider processing method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスク装置などに用いられる磁気ヘッドスライダの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク装置などの磁気記録装置では、磁気情報の書き込みあるいは読み出しを行う薄膜磁気ヘッド素子は、ハードディスクなどの記録媒体の記録面に対向して設けられた磁気ヘッドスライダに搭載されている。磁気ヘッドスライダは六面体形状を有しており、その一面には平行な一対のスライダレールが形成されている。スライダレールの表面は、記録媒体の記録面に対向する面となり、エアベアリング面(あるいは浮上面)と呼ばれる。記録媒体が回転すると、記録面とエアベアリング面との間に生じる空気流により磁気ヘッドスライダが記録媒体から僅かに離れる(一般に、浮上するという。)ようになっている。
【0003】
磁気ヘッドスライダにおいてエアベアリング面と稜線を共有する端面には、薄膜磁気ヘッド素子が形成されている。薄膜磁気ヘッド素子は、外部磁場によって抵抗が変化するMR(Magneto-Resistive )膜を含んでおり、このMR膜はその端縁がエアベアリング面と同一面に位置するように形成されている。
【0004】
この磁気ヘッドスライダは、例えば特開平9−180146号公報で提案されているように、次のような工程により製造されるようになっている。
【0005】
まず、所定の例えばセラミックス材料からなる基体(ウエハ)にフォトリソグラフィ法等を用いた薄膜工程によって薄膜磁気ヘッド素子を多数形成する。続いて、そのウエハをダイシング・ソー等を用いて切断して、それぞれが複数個(複数組)の磁気ヘッドスライダを含む複数の短冊状のバーを形成する。こうして得られた複数のバーの切断面を研磨加工した後、バーを切断して個々の磁気ヘッドスライダを得る。
【0006】
一般に、バーの切断面の研磨加工は、(1)MR膜を所定の寸法に加工するための第1の研磨工程と、(2)第1の研磨工程で研磨された面をさらに研磨して例えばクラウンなどと呼ばれる所定形状のエアベアリング面を形成する第2の研磨工程という2つの工程からなっている。なお、クラウンとは、スライダレールの延出方向に湾曲した凸曲面である。
【0007】
第1の研磨加工は、例えばRLG(Resistance Lapping Guide)研磨法と呼ばれる方法で行われる。RLG研磨法では、例えば特開平2−95572号公報により提案されているように、例えばMR膜と隣接した位置などに抵抗膜を形成し、研磨に伴う抵抗膜の抵抗値をフィードバック情報として研磨制御を行うようになっている。
【0008】
一方、第2の研磨加工では、例えばタッチラップ法と呼ばれる研磨を行う。タッチラップ法は、バーをゴムなどの弾性体を介して研磨板に押圧する点で通常の研磨加工と異なっている。弾性体を用いる理由は、バーの研磨板に対する押圧力を被研磨面に亘って均一にするためである。また、タッチラップ法の代わりに、バーから切り出した単体の磁気ヘッドスライダを弾性体を介して研磨板に押圧するいわゆるキスラップ法が用いられることもある。
【0009】
従来より、これらタッチラップ法およびキスラップ法では、バー(またはバーから切り出された単体の磁気ヘッドスライダ)に形成した抵抗膜の抵抗値などに基づくフィードバック制御は行われておらず、研磨開始時から一定時間が経過した時点で研磨を終了するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、どのような研磨法を用いても研磨板の砥粒の摩耗に起因する研磨レートの経時変化は避けられない。そのため、上述したように研磨開始時から一定時間が経過した時点で研磨を終了するという方法では、バー毎に実際の研磨量のばらつきが生ずる可能性がある。このような研磨量のばらつきは、磁気ヘッドスライダのエアベアリング面の形状のばらつきの原因になる。また、第1の研磨工程でせっかくMR素子を正確な寸法に形成しても、第2の研磨工程における研磨量のばらつきのためMR素子の最終的な寸法がばらついてしまうという問題もある。
【0011】
このような問題は、研磨板に砥粒を埋め込む作業(チャージング作業)を頻繁に行うことで解決可能だが、これでは装置を頻繁に停止しなければならず、装置の稼働率が大幅に低下してしまうという問題がある。
【0012】
本発明は、かかる問題点に鑑みて成されたもので、その目的は、加工ばらつきの小さい磁気ヘッドスライダの加工方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による磁気ヘッドスライダの加工方法は、それぞれに薄膜磁気ヘッド素子および抵抗膜が形成された少なくとも一つの磁気ヘッドスライダを含む長尺部材であるバーを弾性部材を用いずに第1の研磨板に対して押圧してバーの所定の面を研磨する第1の研磨工程と、第1の研磨工程の終了したバーまたはこのバーから切り出した単体の磁気ヘッドスライダを剛体からなる支持体により支持しつつ、抵抗膜の抵抗値を検出するためのリード部材と抵抗膜とを電気的に接続する工程と、リード部材が接続されたバーまたは単体の磁気ヘッドスライダを、支持体から、弾性部材を含む保持手段に移し替える工程と、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダを弾性部材を用いて第2の研磨板に対して押圧し第1の研磨工程により研磨された面をさらに研磨する第2の研磨工程とを含み、少なくとも第2の研磨工程において、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダの研磨量に応じて変化する抵抗膜の抵抗値に基づいてフィードバック研磨制御を行うようにしたことを特徴とする。
【0014】
本発明による磁気ヘッドスライダの加工方法によれば、例えば、薄膜磁気ヘッド素子を所定の寸法に形成するために第1の研磨加工を行い、その後、エアベアリング面の形状を所定の形状に形成するために第2の研磨工程を行うことができる。少なくとも第2の研磨工程において抵抗膜の抵抗値に基づくフィードバック研磨を行うようにしたため、例えば研磨板の砥粒の摩耗の度合いに関わらず、常に一定量の研磨が行われる。また、第2の研磨工程に先立って、磁気ヘッドを剛体からなる支持体により支持しつつ抵抗膜とリード部材とを接続し、その後、磁気ヘッドを支持体から(弾性部材を含む)保持手段に移し替えるようにしたので、バーが弾性部材に取り付けられている状態では実施困難な方法(例えばワイヤボンディング法)を容易に行うこともできる。
【0015】
また、上記の抵抗値が所定値に達した時に研磨を終了するようにすることが望ましい。
【0017】
また、上記の第2の研磨工程では、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダを第2の研磨板の研磨面に対してほぼ平行な軸を中心として揺動させるようにすることが望ましい。このようにすれば、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダのエアベアリング面を凸曲面にすることが容易になる。さらに、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダを第2の研磨板の研磨面に対して直交する軸を中心として揺動させるようにしても良い。このようにすれば、研磨板の回転方向とバーの延出方向とのなす角度を変化させて、バーにスメアと呼ばれる一定方向に延びる傷が生じるのを防止することができる。
【0018】
本発明による他の磁気ヘッドスライダの加工方法は、それぞれに薄膜磁気ヘッド素子および抵抗膜が形成された少なくとも一つの磁気ヘッドスライダを含む長尺部材であるバーまたはバーから切り出した単体の磁気ヘッドスライダを剛体からなる支持体により支持しつつ、抵抗膜の抵抗を検出するためのリード部材と抵抗膜とを電気的に接続する工程と、リード部材が接続されたバーまたは単体の磁気ヘッドスライダを、支持体から、弾性部材を含む保持手段に移し替える工程と、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダを弾性部材を用いて研磨板に対して押圧し研磨する研磨工程とを含み、この研磨工程において、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダの研磨量に応じて変化する抵抗膜の抵抗値に基づいてフィードバック研磨制御を行うようにしたものである。
【0019】
本発明の磁気ヘッドスライダの加工方法によれば、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダの研磨量に応じて変化する抵抗膜の抵抗値に基づいてフィードバック研磨制御が行われるため、研磨板の砥粒の摩耗の度合いに関わらず常に同じ量だけ研磨が行われ、正確な形状の磁気ヘッドスライダを形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[磁気ヘッドスライダの構成]
最初に、図1ないし図3を参照して、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの加工方法が適用される磁気ヘッドスライダの構造について説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの加工方法が適用される磁気ヘッドスライダ2を表すものである。磁気ヘッドスライダ2は、図示しないハードディスク内に設けられたアクチュエータアーム3の先端部に取り付けられている。アクチュエータアーム3は、例えば、図示しないボイスコイルモータの駆動力により回動するようになっており、これにより磁気ヘッドスライダ2がハードディスクなどの記録媒体の記録面に沿ってトラックラインを横切る方向xに移動するようになっている。
【0022】
磁気ヘッドスライダ2はほぼ六面体形状のブロックであり、そのうちの一面(図中上側の面)が記録媒体の記録面に近接して対向するように配置されている。この記録媒体の記録面と対向する面には、2本の平行なスライダレール2aが形成されている。スライダレール2aの表面は、エアベアリング面(ABS)2eと呼ばれ、記録媒体が回転する際には、記録媒体の記録面とエアベアリング面2eとの間に生じる空気流により、磁気ヘッドスライダ2が記録面との対向方向yにおいて記録面から離れるように微少量移動し、エアベアリング面2eと記録媒体との間に一定のクリアランスができるようになっている。
【0023】
磁気ヘッドスライダ2のエアベアリング面2eと稜線を共有する一端面(図1においては左側の側端面)には、薄膜磁気ヘッド素子1が設けられている。
【0024】
図2は、薄膜磁気ヘッド素子1の構成を分解して表すものである。図3は、薄膜磁気ヘッド素子1の図1に示したIII−III線に沿った矢視方向の断面構造を表すものである。この薄膜磁気ヘッド素子1は、記録媒体に記録された磁気情報を再生する再生ヘッド部1aと、記録媒体に磁気情報を記録する記録ヘッド部1bとが一体に構成されたものである。
【0025】
図2および図3に示したように、再生ヘッド部1aは、例えば、スライダ2の基体2dの上に、絶縁層11,下部シールド層12,下部シールドギャップ層13,上部シールドギャップ層14および上部シールド層15がこの順に積層された構造を有している。絶縁層11は、例えば、厚さが2μm〜10μmであり、Al2 O3 (アルミナ)により構成されている。下部シールド層12は、例えば、厚さが1μm〜3μmであり、NiFe(ニッケル鉄合金:パーマロイ)などの磁性材料により構成されている。下部シールドギャップ層13および上部シールドギャップ層14は、例えば、厚さがそれぞれ10nm〜100nmであり、Al2 O3 またはAlN(チッ化アルミニウム)によりそれぞれ構成されている。上部シールド層15は、例えば、厚さが1μm〜4μmであり、NiFeなどの磁性材料により構成されている。なお、この上部シールド層15は、記録ヘッド部1bの下部磁極としての機能も兼ね備えている。
【0026】
また、下部シールドギャップ層13と上部シールドギャップ層14との間には、MR(Magneto-Resistive )素子1cが埋設されている。MR素子1cは、記録媒体に書かれた情報を読み取るためのものであり、エアベアリング面2eの側に配置されている。MR素子1cは、AMR(Anisotropic Magneto-Resistive )膜やGMR(Giant Magneto-Resistive )膜からなるMR膜20を含んでいる。なお、AMR膜は、例えばNiFeからなる磁性層を含む単層構造を有するものである。GMR膜は、軟磁性層のほか、例えばCoFe(鉄コバルト合金)からなる強磁性層、例えばMnPt(マンガン白金合金)からなる反強磁性層および例えばCu(銅)からなる非磁性金属層などを含む多層構造を有するものである。
【0027】
図2に示したように、MR膜20のトラック幅方向(図中x方向)における両側には、例えば硬磁性材料からなる磁区制御膜30a,30bが形成されている。この磁区制御膜30a,30bは、MR膜20に一定方向のバイアス磁界を印加することでバルクハウゼンノイズの発生を抑えるためのものである。MR膜20には、トラック幅方向においてMR膜20を挟んで対向するように配置された一対のリード層33a,33bが電気的にそれぞれ接続されている。これらリード層33a,33bは、例えばタンタル(Ta)からなり、下部シールドギャップ層13と上部シールドギャップ層14との間にそれぞれ形成されている。リード層33a,33bは、エアベアリング面2eと反対側に向かってそれぞれ延長されており、上部シールドギャップ層14に形成された図示しない開口部を介して、上部シールドギャップ層14上に所定のパターンに形成された出力端子33c,33dに電気的に接続されている。
【0028】
図3に示したように、記録ヘッド部1bは、例えば、上部シールド層15の上に、Al2 O3 などの絶縁膜よりなる厚さ0.1μm〜0.5μmの記録ギャップ層41を有している。この記録ギャップ層41は、後述する薄膜コイル43,45の中心部に対応する位置に開口部41aを有している。この記録ギャップ層41の上には、例えば厚さ1.0μm〜5.0μmのフォトレジスト層42を介して、厚さ1μm〜3μmの薄膜コイル43およびこれを覆うフォトレジスト層44がそれぞれ形成されている。このフォトレジスト層44の上には、厚さ1μm〜3μmの薄膜コイル45およびこれを覆うフォトレジスト層46がそれぞれ形成されている。
【0029】
記録ギャップ層41およびフォトレジスト層42,44,46の上には、例えば、NiFeまたはFeN(窒化鉄)などの高飽和磁束密度を有する磁性材料よりなる厚さ約3μmの上部磁極47が形成されている。この上部磁極47は、薄膜コイル43,45の中心部に対応して設けられた記録ギャップ層41の開口部41aを介して、上部シールド層15と接触しており、磁気的に連結している。この上部磁極47の上には、図2および図3では図示しないが、例えば、Al2 O3 よりなる厚さ20μm〜30μmのオーバーコート層が全体を覆うように形成されている。これにより、この記録ヘッド部1bは、薄膜コイル43,45に流れる電流によって下部磁極である上部シールド層15と上部磁極47との間に磁束を生じ、記録ギャップ層41の近傍に生ずる磁束によって記録媒体を磁化し、情報を記録するようになっている。
【0030】
このような構造の薄膜磁気ヘッド素子1は、次のように作用する。すなわち、記録ヘッド部1bの薄膜コイル43,45に電流を流すことにより、書き込み用の磁束を発生させ、記録媒体に情報を記録する。また、再生ヘッド部1aのMR膜20にセンス電流を流し、記録媒体からの信号磁界による抵抗変化を検出することにより、記録媒体に記録されている情報を読み出す。
【0031】
[研磨装置]
本実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの加工方法では、2つの研磨工程を含んでいる。第1の研磨工程では、いわゆるRLG研磨法を用い、薄膜磁気ヘッド素子1のMR膜20のMRハイト(エアベアリング面からMR膜20の最遠端までの距離)が目標値となるまでバー5の被研磨面を研磨する。第2の研磨工程では、第1の研磨工程で研磨された面をいわゆるタッチラップ法を用いてさらに研磨し、例えばクラウンと呼ばれる凸曲面を形成する。
【0032】
まず、第1の研磨工程で用いるRLG研磨装置と、第2の研磨工程で用いるタッチラップ研磨装置について説明する。
【0033】
<RLG研磨装置>
図4は、RLG研磨装置6の基本構成を表す図であり、図5はその要部を拡大して表す図である。RLG研磨装置6は、バー5を保持する長尺形状の第1ホルダ60と、Sn(錫)からなる円板の表面にダイヤモンド砥粒を埋めむことにより形成された研磨板61と、研磨板61を回転させる研磨板駆動機構62とを有している。第1ホルダ60のバー5が取り付けられた面と反対の側には、バー5を研磨板61に対して押圧する3つのアクチュエータ63a,63b,63cが設けられている。研磨板駆動機構62とアクチュエータ63a,63b,63cは、例えばCPU(中央処理装置)からなる制御部65によって制御される。
【0034】
第1ホルダ60には、この第1ホルダ60を長手方向に3等分する位置に2つの切り欠き60a,60bが形成されており、この切り欠き60a,60bによって第1ホルダ60は撓み方向に湾曲可能になっている。アクチュエータ63a,63b,63cは、第1ホルダ60の切り欠き60a,60bにより3等分されたそれぞれの箇所を押圧するようになっている。
【0035】
図5に示したように、バー5には、例えば5個のダミー抵抗膜7が、バー5の長手方向に一定の間隔で形成されている。ダミー抵抗膜7は、薄膜磁気ヘッド素子1のMR膜20(図3)とほぼ同一の構成を持つ抵抗膜であり、図示しないフレキシブル基板を介して測定回路64に接続されている。ダミー抵抗膜7は、薄膜磁気ヘッド素子1と同様、磁気ヘッドスライダ2の被研磨面(すなわち、エアベアリング面となる面)と稜線を共有する端面に形成されており、被研磨面の研磨に伴ってダミー抵抗膜7の寸法が小さくなりその抵抗値が変化するようになっている。制御部65は、ダミー抵抗膜7の抵抗値変化に基づいて、3つのアクチュエータ63a,63b,63cを駆動することで、バー5をその長手方向に亘って均等な圧力で研磨板61に押し当てるようになっている。このRLG研磨装置は特開平10−7231号、特開平11−863号などに記載されている公知のものなので、具体的な装置構成例については、詳細説明を省略する。
【0036】
<タッチラップ研磨装置>
図6は、タッチラップ研磨装置8の基本構成を表す図である。タッチラップ研磨装置8は、バー5を保持する長尺部材である第2ホルダ80と、Snからなる円板の表面にダイヤモンド砥粒を埋めむことにより形成された研磨板81と、この研磨板81を回転駆動する研磨板駆動機構82を備えている。第2ホルダ80のバー5を保持する側には例えばゴムからなる弾性部材80aが設けられており、バー5は弾性部材80aに接着固定されている。この弾性部材80aは、バー5をその被研磨面に亘って均等に研磨板81に接触させるためのものである。
【0037】
さらに、タッチラップ研磨装置8は、バー5を研磨板81に対して押圧するアクチュエータ83a,83b,83cと、バー5を研磨板81に対して近接および離間する方向(図中矢印Cで示した方向)に移動させる昇降機構84と、バー5を研磨板81の半径方向(図中矢印Dで示した方向)に沿って移動させるスライド機構85と、バー5を研磨面とほぼ平行な軸Aの周りに所定角度(例えば±20℃)回動させる揺動機構86と、バー5を研磨面とほぼ平行な軸Bの周りに所定角度回動させる回動機構87とを備えている。これらアクチュエータ83a,83b,83c、スライド機構85、揺動機構86および回動機構87は、例えばCPUからなる制御部88によって制御される。
【0038】
アクチュエータ83a,83b,83cは、第2ホルダ80の長手方向一端部、中央部および他端部をそれぞれ研磨板81に対して押圧するようになっている。スライド機構85は、図7に示したように第2ホルダ80を研磨板81の研磨面81aの外周から内周に亘って移動させ、バー5を研磨面81aの全体に均一に接触させるようになっている。また、揺動機構86は、図7に示したように第2ホルダ80を研磨面81aとほぼ平行でかつバー5の長手方向とほぼ平行な軸Aの周りに所定角度の往復揺動させるためのものであり、これにより、バー5の被研磨面が凸曲面(例えばクラウンなど)となるようしている。回動機構87は、第2ホルダ80を研磨面81aとほぼ垂直な軸Bの周りに所定角度の往復回動させることにより、バー5の延出方向の角度を研磨面81aの回転方向に対して変化させ、バー5の被研磨面に研磨板81の回転方向に沿った傷(いわゆるスメア)が生じるのを防止するようになっている。
【0039】
なお、スライド機構85は、制御部88からの動作開始信号を受けると第2ホルダ80の往復移動を開始し、制御部88からの停止信号を受けるまでその往復移動を繰り返すよう構成されている。同様に、揺動機構86および回動機構87は、制御部88からの動作開始信号を受けると所定の角度範囲内での往復揺動(あるいは往復回動)を開始し、制御部88からの停止信号を受けるまでその往復揺動(あるいは往復回動)を繰り返すよう構成されている。
【0040】
バー5に形成された上記例えば5個のダミー抵抗膜7は、フレキシブル基板95(図11)を介して測定回路89に接続されている。制御部88は、測定回路89により検出されるダミー抵抗膜7の抵抗値に基づいてアクチュエータ83a,83b,83cを駆動し、バー5の研磨量がその長手方向に亘って均等になるようにする。
【0041】
[磁気ヘッドスライダの製造方法]
図8は、本実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの加工方法を含む磁気ヘッドスライダの製造方法を表す流れ図である。また、図9は、図8に示した磁気ヘッドスライダの製造方法を説明するための工程毎の斜視図である。まず、図9(A)に示したように、例えばAl2 O3 ・TiCからなる3インチ程度のウェハ4に、薄膜プロセスにより薄膜磁気ヘッド素子1およびダミー抵抗膜7を多数形成する(S10)。
【0042】
ここで、薄膜磁気ヘッド等を形成する薄膜プロセスを、図2および図3を参照して簡単に説明する。
【0043】
まず、例えば、前述のウエハ4の上に、スパッタリング法などによりAl2 O3 などの絶縁材料よりなる絶縁膜11を形成する。次いで、絶縁膜11の上に、例えばスパッタリング法により、NiFeなどの磁性材料よりなる下部シールド層12を選択的に形成する。続いて、下部シールド層12の上に、例えばスパッタリング法によりAl2 O3 膜を成膜し、これを加熱することにより、高絶縁性の下部シールドギャップ層13を形成する。
【0044】
次に、下部シールドギャップ層13の上に、例えばスパッタリング法によりMR膜20を形成するための積層膜を形成したのち、その上に選択的にフォトレジストパターンを形成する。そののち、このフォトレジストパターンをマスクとして、例えばイオンミリングにより積層膜をエッチングし、所定の平面形状およびサイズを有するMR膜20を形成する。次に、下部シールドギャップ層13の上に、例えばスパッタリング法により、磁区制御膜30a,30bおよびリード層33a,33bをそれぞれに形成する。
【0045】
次に、下部シールドギャップ層13,MR膜20およびリード層33a,33bの上に、下部シールドギャップ層13と同様にして、上部シールドギャップ層14を形成する。そののち、上部シールドギャップ層14の上に、例えば、スパッタリング法により上部シールド層15を選択的に形成する。
【0046】
上部シールド層15を形成したのち、その上に、例えば、スパッタリング法により、Al2 O3 などの絶縁材料よりなる記録ギャップ41を形成する。そののち、記録ギャップ41の上に、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト42を選択的に形成する。次いで、フォトレジスト42の上に、例えばメッキあるいはスパッタリング法により、薄膜コイル43を選択的に形成する。続いて、フォトレジスト42および薄膜コイル43の上に、フォトレジスト42と同様にして、フォトレジスト44を選択的に形成し、その上に、薄膜コイル43と同様にして、薄膜コイル45を選択的に形成する。更に、フォトレジスト44および薄膜コイル45の上に、フォトレジスト42と同様にして、フォトレジスト46を選択的に形成する。
【0047】
フォトレジスト46を形成したのち、記録ギャップ41を部分的にエッチングし、薄膜コイル43,45の中心部近傍に開口41aを形成する。そののち、記録ギャップ41、フォトレジスト44,46の上に、例えばスパッタリング法により、NiFeあるいはFeNなどの磁性材料よりなる上部磁極47を形成する。続いて、上部磁極47をマスクとして、例えばイオンミリング法により、記録ギャップ41および上部シールド層15の一部をエッチングする。そののち、上部磁極47の上に、例えばスパッタリング法により、例えばAl2 O3 よりなるオーバーコート(図示せず)を形成する。
【0048】
このようにして、図9(A)に示したように、ウエハ4上に、薄膜磁気ヘッド素子1が多数形成される(図9(A)では一列のみ示す)。
【0049】
続いて、ウェハ4を例えばダイシングソーにより短冊状に切断して、多数のバー5を得る(S12)。図9(B)に示したように、各バー5は、それぞれに少なくとも一つの薄膜磁気ヘッド素子1が形成された複数個の磁気ヘッドスライダ2を含んでいる。また、バー5には、前述のダミー抵抗膜7が一定間隔で配置されている。
【0050】
次に、図9(C)に示したように、バー5のエアベアリング面となる面(図中符号Sで示す)と反対側の面を第1ホルダ60に接着剤を用いて接着固定する。なお、図9(C)では、第1ホルダ60に一本のバ─5を固定しているが、2本以上のバ−5を互いに平行になるように固定してもよい。続いて、測定回路64に接続した図示しないフレキシブル基板とダミー抵抗膜7とを例えばワイヤボンディング法により接続し、ダミー抵抗膜7の抵抗値が測定回路64で測定できるようにする(S13)。続いて、RLG加工機6を用いた第1の研磨加工を開始する(S14)。
【0051】
図10は、RLG研磨装置6によるバー5の研磨工程を表す図である。まず、バー5を所定の押圧力で研磨板61に押しつけると共に研磨板61を回転させ、バー5の研磨を開始する(S100)。次に、制御部65が、所定の時間(例えば、5〜10秒)が経過するごとに、測定回路64によるダミー抵抗膜7の抵抗の検出値を読み出す(S102、S104)。さらに、制御部65は、5つのダミー抵抗膜7の各抵抗検出値からバー5の傾きを算出し(S106)、その傾きを補正すべくアクチュエータ63a,63b,63cを駆動する(S108)。
【0052】
制御部65は、抵抗検出値をMRハイトに換算し、所定のしきい値Rth(目標MRハイト)と比較して(S110)、そのしきい値Rth以上の値であれば(ステップS110;Y)、RLG研磨装置6による研磨を終了する(S112)。一方、抵抗検出値のMRハイト換算値がしきい値Rth未満であれば(ステップS110;N)、再びステップS102に戻り、さらに研磨加工を継続する。なお、抵抗検出値をMRハイトに換算して研磨制御を行う方法は、特願平9−311076号により提案されている。
【0053】
RLG研磨法による第1の研磨工程(図8のステップS14)が完了した後、フレキシブル基板(図示せず)とバー5のダミー抵抗膜7とを接続しているワイヤWを除去する。ワイヤを取り外した後、バー5を第1ホルダ60から取りはずす(S16)。
【0054】
続いて、第2の研磨工程に進むため、タッチラップ研磨装置8の測定回路89に接続されたフレキシブル基板95とバー5のダミー抵抗膜7との接続作業を行い、バー5を第2ホルダ80に固定する(S18)。ここで、バー5が第2ホルダ80の弾性部材80aに固定された状態では、ワイヤボンディング法を用いた接続作業は(超音波が弾性部材80aによって減衰してしまうため)困難である。そこで、ここでは、バー5を第2ホルダ80とは別の吸着治具90で一旦保持し、ワイヤボンディング法を用いてバー5のダミー抵抗膜7とフレキシブル基板95とを接続した後、バー5を第2ホルダ80に移し替えるようにしている。
【0055】
図11は、バー5のダミー抵抗膜7の接続作業を説明するための工程毎の斜視図である。吸着治具90は、弾性部材を含まない剛体により形成されたブロックであり、一本のバー5を保持する吸着面91を有している。この吸着面91には吸着孔93(図11(C))が一列に形成されており、各吸着孔93は共通のパイプ92に連結されている。このパイプ92にはバルブ92aが設けられており、バルブ92aの開閉により一本のバー5の吸着および吸着解除を行うことができる。
【0056】
まず、図11(A)に示したように、バー5の被研磨面(エアベアリング面となる面)を吸着治具90の吸着面に接触させてバルブ92aを開放することにより、バー5を吸着治具90により吸着保持する。次に、バー5のダミー抵抗膜7と、第2保持部材80に取り付けられたフレキシブル基板95上の所定のパターン部分96とをワイヤボンディング法により接続する。すなわち、例えばAu(金)からなるワイヤWの両端部分を超音波により溶融させ、ダミ−抵抗膜7およびパタ−ン部分96にそれぞれ固着する。バー5が剛体からなる吸着治具90により保持されているので、超音波が減衰してしまうことがない。なお、図11では、各ダミ−抵抗膜7にワイヤWが一本ずつ接続されているが、2本のワイヤWを各ダミ−抵抗膜7の(バ−の長手方向における)両端部に接続しても良い。
【0057】
次に、図11(B)に示したように、吸着治具90に保持されたバー5に第2の保持部材80を押し当てる。第2の保持部材80の弾性部材80aは粘着性があるため、バー5は弾性部材80aによって粘着保持される。続いて、図11(C)に示したように、吸着治具90のバルブ92aを閉鎖して吸着を解除すると共に、第2の保持部材80を吸着治具90から離間させ、バー5を吸着治具90から第2の保持部材80に移し替える。このようにして、ダミー抵抗膜7の抵抗を測定回路89により検出可能になる。
【0058】
続いて、タッチラップ研磨法による第2の研磨工程を行う(図8のステップS20)。図12は、第2の研磨工程を表す流れ図である。まず、第2ホルダ80に保持されたバー5を所定の押圧力で研磨板81に押しつけると共に、研磨板回転機構82の駆動を開始し、これによりバー5の研磨動作を開始する(S200)。同時に、制御部88は、スライド機構85、揺動機構86および回動機構87の駆動も開始する。
【0059】
次に、制御部88が、所定の時間(例えば、5〜10秒)ごとに、測定回路89により検出されるダミー抵抗膜7の抵抗値を読み出す(S202,S204)。続いて、例えば5つのダミー抵抗膜7の抵抗検出値からバー5の傾きを算出し(S206)、その傾きを補正すべくアクチュエータ63a,63b,63cを駆動する(S208)。
【0060】
続いて、制御部88は、抵抗検出値をMRハイトに換算し、所定のしきい値Rth(目標MRハイト)と比較して(S210)、そのしきい値Rth以上の値であれば(ステップS210;Y)、研磨を終了する(S212)。一方、抵抗検出値のMRハイト換算値がしきい値Rth未満であれば(ステップS210;N)、再びステップS202に戻り、さらに研磨加工を継続する。
【0061】
第2の研磨工程(図8のステップS20)が完了した後、ダミー抵抗膜7とフレキシブル基板95を接続しているワイヤWを除去する。ワイヤWを除去した後、バー5を第2ホルダ80から取りはずす(S22)。
【0062】
続いて、図13(A)に示したように、例えばフォトリソグラフィ法を用いてバー5のスライダレール加工を行う(S24)。すなわち、バー5に含まれる磁気ヘッドスライダ2の中央部に溝部2gを形成する。なお、この溝部2gの形成により、磁気ヘッドスライダ2のほぼ中央部に配置されていた上述のダミー抵抗膜7(図12)は除去される。各磁気ヘッドスライダ2では、溝部2gを挟んだ両側の部分がスライダレール2aとなり、そのスライダレール2aの表面がエアベアリング面2eとなる。スライダレール形成後、図13(B)に示したように例えばダイシングソーを用いてバー5を切断し、磁気ヘッドスライダ2を分離する(S26)。このようにして、磁気ヘッドスライダ2が得られる。
【0063】
なお、本実施の形態では、第2ホルダ80を研磨面81aとほぼ平行でかつバー5の延出方向とほぼ平行な軸A(図7)の周りに揺動させることでエアベアリング面2eが凸曲面になるようにしているが、以下のような方法も可能である。すなわち、磁気ヘッドスライダ2のエアベアリング面2e以外の面に微少な傷を形成すると、磁気ヘッドスライダ2に生じる残留応力の影響で磁気ヘッドスライダ2が湾曲するため、結果的にエアベアリング面2eを凸曲面にすることができる。この方法は、特許第2859468号により開示されているため、詳細説明を省略する。
【0064】
ここで、RLG研磨装置6の研磨板61は、本発明における「第1の研磨板」の一具体例に対応する。また、タッチラップ装置8の研磨板81は、本発明における「第2の研磨板」の一具体例に対応する。さらに、第2ホルダ80は、本発明における「保持手段」の一具体例に対応し、第2ホルダ80の弾性部材80aは、本発明における「弾性部材」の一具体例に対応する。また、測定回路89は、本発明における「検出手段」の一具体例に対応し、フレキシブル基板95のパターン部96は、本発明における「リード部材」の一具体例に対応する。さらに、吸着治具90は、本発明における「支持体」の一具体例に対応し、吸着孔93、パイプ92およびバルブ92aは、本発明における「吸着手段」の一具体例に対応する。
【0065】
[タッチラップ装置の一例]
最後に、タッチラップ装置8の構成の具体例について説明する。
【0066】
図14は、タッチラップ装置8の外形を表す図である。タッチラップ装置8は、直方体形状のベース800と、そのベース800の上面に立設されたサイドフレーム801とを有しており、ベース800の上面には上述した研磨板81が回転可能に設けられている。サイドフレーム801には、研磨板81の研磨面81aに沿って移動可能なスライド体850が支持されている。
【0067】
スライド体850は、サイドフレーム801に形成された平行な一対のレール851によって摺動可能に保持されている。レール851の間には送りねじ852が設けられており、この送りねじ852がスライド体850に形成された図示しない雌ねじに係合している。サイドフレーム802に取り付けられたスライド用モータ(図示せず)により送りねじ852を回転駆動することにより、スライド体850はレール851に沿って水平に移動する。スライド体850を水平移動させるこれらの機構が、図6におけるスライド機構85に相当する。
【0068】
スライド体850は、レール851によって支持されたスライドベース855と、そのスライドベース855に昇降可能に保持された昇降体840からなっている。スライドベース855には、上下に伸びる案内溝856が形成されており、その案内溝841に昇降体840に形成された被案内部(図示せず)が摺動可能に係合している。また、図14に示したように、スライドベース855には、案内溝841と平行に伸びる送りねじ842が設けられ、この送りねじ842は昇降体840に形成された雌ねじ(図示せず)に係合している。スライドベース855に搭載された昇降用モータ(図示せず)により送りねじ842を回転させると、昇降体840が案内溝841に沿って昇降する。昇降体840を昇降駆動するこれらの機構が、図6における昇降機構84に相当する。
【0069】
図15は、昇降体840を表す斜視図である。昇降体840は、昇降ベース841と、その昇降ベース845にラジアルベアリング842を介して水平面内(すなわち、研磨板81と平行な面内で)回動可能に保持される回動体870からなっている。回動体870は、ラジアルベアリング842の内輪843に固定された支持リング871を有しており、この支持リング871は、昇降体840に搭載された図示しない回動用モータおよびギア列によって水平面内において、図中矢印R1で示したように(すなわち、鉛直方向に延びる軸Bの周りに)所定の角度範囲だけ回動駆動される。回動体870を回動するこれらの機構が、図6における回動機構87に相当する。
【0070】
支持リング871の上面には、後述の揺動体860を揺動可能に保持するための垂直フレーム872が垂直に立設されている。垂直フレーム872は、支持リング871上から鉛直上方に伸びる一対の平行な側壁873と、この一対の側壁873を連結する背後壁874を有し、上面視でコの字形状に形成されている。一対の側壁873の互いに相対する箇所には、水平方向に伸びる一対の支持ピン875がそれぞれ設けられ、その支持ピン875には揺動体860が揺動可能に支持されている。
【0071】
揺動体860は長方形の板状部材であり、その一面には後述のアクチュエータ830a,830b,830cが取り付けられている。また、揺動体60の一端延には上記の一対の支持ピン875に係合する一対の係合片861が取り付けられている。揺動体860は、垂直フレーム872に取り付けられた揺動用モータ862と図示しない送りねじ機構により支持ピン875の周り、すなわち水平方向に延びる軸Aの周りに所定角度範囲内で揺動する。揺動体860を回動するためのこれらの機構が、図6における揺動機構86に相当する。
【0072】
アクチュエータ830a,830b,830cは、例えば圧電素子などを駆動源としてプランジャ831a,831b,831cをそれぞれ直進駆動するよう構成されたものである。アクチュエータ830a,830b,830cは、水平方向に並設されており、それぞれのプランジャ831a,831b,831cの移動方向が鉛直方向になるように配置されている。プランジャ831a,831b,831cの下端部には、例えばリニアガイドなどを介して揺動体860の表面に沿って移動可能に設けられた移動ブロック832a,832b,832cが取り付けられている。さらに、この移動ブロック832a,832b,832cには、リンクレバー833a,833b,833cを介して、上述の第2ホルダ80の上述の第2ホルダ80の長手方向一端部、中央部および多端部がそれぞれが連結されている。
【0073】
アクチュエータ830a,830b,830cは制御部88(図6)によってそれぞれ独立に駆動される。アクチュエータ830a,830b,830cは、それぞれのプランジャの突出量を互いに異ならせることによって、第2ホルダ80を例えば図中破線Eで示したように傾斜させることができるようになっている。第2ホルダ80を傾斜可能に駆動するためのこれらの機構が、図6におけるアクチュエータ83a,83b,83cに対応する。
【0074】
以上説明したタッチラップ装置の動作について図14を参照して説明する。バー5の第2ホルダ80への取り付け作業は、スライド体850を研磨板81から離れた位置(例えばベース800の左側)に移動させ、昇降体840を例えば下降させた状態で行う。バー5の第2ホルダ80への接着およびフレキシブル基板95(図12)とダミー抵抗膜7との接続作業は、例えば作業者が専用の治工具を用いて行う。バー5を第2ホルダ80に取り付けた後、昇降体840を上昇させ、次いでスライド体850をスライドさせて、第2ホルダ80を研磨板81の上部まで移動させる。次に、第2ホルダ80に保持されたバー5が研磨板81の研磨面81aに接触するまで昇降体840を下降させる。
【0075】
続いて、アクチュエータ830a,830b,830cを駆動してバー5を研磨板81に対して押圧すると共に、研磨板81の回転を開始する。タッチラップ装置の制御部は、バー5のダミー抵抗膜7の抵抗を検出し、この抵抗検出値に基づいてアクチュエータ830a,830b,830cを駆動制御することにより、バー5をその長手方向に亘って均等な押圧力で研磨板81に押圧する。
【0076】
一方、研磨板81の回転開始とほぼ同時に、スライド体850の所定の移動範囲内での往復移動、回動体870(図15)の所定角度範囲内での往復回動、および揺動体860の所定角度範囲内での往復揺動を開始する。スライド体850の往復運動によってバー5は研磨板81の研磨面81aの外周部と内周部の間を往復する。また、回動体860の回動によって、研磨板81の回転方向とバー5の延出方向とのなす角度が変化し、バー5にスメアと呼ばれる一定方向に伸びる傷が生じるのが防止される。また、揺動体860の揺動によって、バー5のエアベアリングとなる面を凸曲面にすることができる。
【0077】
[実施の形態による効果]
以上説明したように、本実施の形態では、RLG研磨のみならず、タッチラップ研磨の工程においても、ダミー抵抗膜7の抵抗値変化に基づくフィードバック制御を行うようにしたので、従来のような時間に基づく研磨制御を行う場合と異なり、研磨板81の砥粒の摩耗状態にかかわらず、常に一定の研磨を行うことが可能になる。従って、正確な形状のスライダレールを形成することができる。また、RLG研磨により正確に形成した薄膜磁気ヘッド素子1のMR膜20のMRハイトがタッチラップ研磨で大きく変化することが防止される。
【0078】
また、本実施の形態では、バー5を吸着治具90で一旦保持した状態でバー5とフレキシブル基板95とを接続し、その後、バー5を吸着治具90から第2ホルダ80に移し替えるようにしている。そのため、バー5が弾性部材80aに固定された状態では実施困難な方法(例えばワイヤボンディング法)を容易に行うことができる。
【0079】
加えて、本実施の形態では、第2ホルダ80で保持したバー5を研磨面81aにほぼ平行でかつバーの長手方向に平行な軸A(図7)の周りに所定角度揺動させるようにしたので、磁気ヘッドスライダのエアベアリング面を凸状に湾曲させることが容易になる。また、第2ホルダ80で保持したバー5を研磨面81aに対してほぼ直交する軸B(図7)を中心として揺動させるようにしたので、研磨板81の回転方向とバー5の延出方向とのなす角度を変化させ、バー5に一定方向に延びる傷(いわゆるスメア)が生じるのを防止することができる。
【0080】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記の実施の形態では、第2の研磨工程において、バーを弾性部材を用いて保持しつつ研磨するタッチラップ研磨を行っているが、タッチラップ研磨の代わりに、磁気ヘッドスライダ単体を弾性部材を用いて保持しつつ研磨するキスラップ研磨を行っても良い。
【0081】
また、薄膜磁気ヘッド素子1は、AMR膜やGMR膜を用いたものには限定されず、他のMR膜(例えばTMR(Tunnel-type Magneto-Resistive )膜)を用いたものであっても良い。また、薄膜磁気ヘッド素子は、再生専用ヘッドあるいは記録専用ヘッドであっても良い。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項13のいずれか1に記載の磁気ヘッドスライダの加工方法によれば、弾性部材を用いてバーを研磨板に押圧する研磨工程において、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダの研磨量に応じて変化する抵抗膜の抵抗値に基づいてフィードバック研磨制御を行うようにしたので、例えば研磨板の砥粒の摩耗の度合いに関わらず、常に正確な量の研磨が行われる。従って、磁気ヘッドスライダのエアベアリング面の形状を正確に形成することができる上、磁気ヘッドスライダの端面に形成される薄膜磁気ヘッド素子の寸法のばらつきを低減することができるという効果を奏する。また、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダを剛体からなる支持体により支持しつつ抵抗膜とリード部材を接続し、そのバーまたは単体の磁気ヘッドスライダを、支持体から、弾性部材を含む保持手段に移し替えるようにしたので、バーが弾性部材に支持された状態では実施困難な方法(例えばワイヤボンディング法)を容易に行うことができる。
【0084】
加えて、請求項3ないし請求項7のいずれか1に記載の磁気ヘッドスライダの加工方法または請求項10ないし請求項13のいずれか1に記載の磁気ヘッドスライダの加工方法によれば、支持体に吸着手段を設け、この吸着手段によってバーまたは単体の磁気ヘッドスライダを支持するようにしたので、バー(または単体の磁気ヘッドスライダ)の支持を確実に行うことができると共に、保持手段へのバーの移し替えが容易になるという効果を奏する。
【0085】
また、請求項5ないし請求項7のいずれか1に記載の磁気ヘッドスライダの加工方法または請求項12もしくは請求項13に記載の磁気ヘッドスライダの加工方法によれば、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダを研磨面に対してほぼ平行な軸を中心として揺動させるようにしたので、バーのエアベアリング面を所定の凸曲面(例えばクラウンなど)にすることが容易になるという効果を奏する。
【0086】
また、請求項6または請求項7に記載の磁気ヘッドスライダの加工方法または請求項13に記載の磁気ヘッドスライダの加工方法によれば、バーまたは単体の磁気ヘッドスライダを研磨面に対して直交する軸を中心として揺動させるようにしたので、研磨板の回転方向とバーの延出方向とのなす角度を変化させ、バーに一定方向に伸びる傷(いわゆるスメア)が生じるのを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの加工方法が適用される磁気ヘッドスライダの構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示した磁気ヘッドスライダに搭載された薄膜磁気ヘッド素子の構成を表す分解斜視図である。
【図3】図1に示した磁気ヘッドスライダに搭載された薄膜磁気ヘッド素子のIII−III線に沿った矢視方向の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における磁気ヘッドスライダの加工方法において用いられるRLG研磨装置の概略構成を表す図である。
【図5】図4に示したRLG研磨装置の要部を拡大して表す図である。
【図6】本発明の実施の形態における磁気ヘッドスライダの加工方法において用いられるタッチラップ研磨装置の概略構成を表す図である。
【図7】図6に示したタッチラップ研磨装置における第2ホルダの移動方向を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態における磁気ヘッドスライダの加工方法を含む磁気ヘッドスライダの製造方法を表す流れ図である。
【図9】 図9に示した磁気ヘッドスライダの製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図10】図9に示した磁気ヘッドスライダの製造方法における第1の研磨工程を表す流れ図である。
【図11】図9に示した磁気ヘッドスライダの製造方法における第2ホルダに対するバーの取り付け方法を表す工程図である。
【図12】図9に示した磁気ヘッドスライダの製造方法における第2の研磨工程を表す流れ図である。
【図13】図9に示した磁気ヘッドスライダの製造方法におけるスライダレール形成工程と切断工程を説明するための工程毎の斜視図である。
【図14】図6に示したタッチラップ研磨装置の構成例を表す斜視図である。
【図15】図14に示したタッチラップ研磨装置の要部を表す斜視図である。
【符号の説明】
1…薄膜磁気ヘッド素子、1a…再生ヘッド部、1b…記録ヘッド部、2…スライダ、2a…スライドレール、2e…エアベアリング面、3…アクチュエータアーム、4…ウエハ、5…バー、6…RLG研磨装置、60…第1ホルダ、61…研磨板、62…研磨板駆動機構、63a,63b,63c…アクチュエータ、64…測定回路、65…制御部、7…ダミー抵抗膜、8…タッチラップ装置、80…第2ホルダ、81…研磨板、82…研磨板駆動機構、83a,83b,83c…アクチュエータ、84…昇降機構、85…スライド機構、86…揺動機構、87…回動機構、88…制御部、89…測定回路、90…吸着治具、95…フレキシブル基板。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for processing a magnetic head slider used in a hard disk device or the like.
[0002]
[Prior art]
In a magnetic recording device such as a hard disk device, a thin film magnetic head element for writing or reading magnetic information is mounted on a magnetic head slider provided facing a recording surface of a recording medium such as a hard disk. The magnetic head slider has a hexahedral shape, and a pair of parallel slider rails is formed on one surface thereof. The surface of the slider rail is a surface facing the recording surface of the recording medium, and is called an air bearing surface (or air bearing surface). When the recording medium rotates, the magnetic head slider slightly moves away from the recording medium (generally, it floats) due to the air flow generated between the recording surface and the air bearing surface.
[0003]
A thin film magnetic head element is formed on an end face sharing the ridge line with the air bearing surface in the magnetic head slider. The thin film magnetic head element includes an MR (Magneto-Resistive) film whose resistance is changed by an external magnetic field, and this MR film is formed so that its edge is located on the same plane as the air bearing surface.
[0004]
This magnetic head slider is manufactured by the following process, for example, as proposed in JP-A-9-180146.
[0005]
First, a large number of thin film magnetic head elements are formed on a predetermined substrate (wafer) made of, for example, a ceramic material by a thin film process using a photolithography method or the like. Subsequently, the wafer is cut using a dicing saw or the like to form a plurality of strip-shaped bars each including a plurality (a plurality of sets) of magnetic head sliders. After polishing the cut surfaces of the plurality of bars thus obtained, the bars are cut to obtain individual magnetic head sliders.
[0006]
In general, the cutting process of the cut surface of the bar includes (1) a first polishing process for processing the MR film into a predetermined dimension, and (2) further polishing the surface polished in the first polishing process. For example, it comprises two processes called a second polishing process for forming an air bearing surface of a predetermined shape called a crown or the like. The crown is a convex curved surface that is curved in the extending direction of the slider rail.
[0007]
The first polishing process is performed by a method called RLG (Resistance Lapping Guide) polishing method, for example. In the RLG polishing method, for example, as proposed in Japanese Patent Laid-Open No. 2-95572, a resistance film is formed at a position adjacent to the MR film, for example, and the resistance value of the resistance film accompanying polishing is controlled as feedback information. Is supposed to do.
[0008]
On the other hand, in the second polishing process, for example, polishing called a touch lap method is performed. The touch wrap method is different from a normal polishing process in that the bar is pressed against the polishing plate via an elastic body such as rubber. The reason for using the elastic body is to make the pressing force of the bar against the polishing plate uniform over the surface to be polished. In place of the touch wrap method, a so-called kiss wrap method in which a single magnetic head slider cut out from a bar is pressed against a polishing plate via an elastic body may be used.
[0009]
Conventionally, in the touch wrap method and the kiss wrap method, feedback control based on the resistance value of the resistive film formed on the bar (or a single magnetic head slider cut out from the bar) has not been performed, and from the start of polishing. The polishing is finished when a certain time has passed.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in general, any polishing method inevitably causes a change in the polishing rate with time due to abrasion of abrasive grains on the polishing plate. Therefore, as described above, in the method of ending polishing when a certain time has elapsed from the start of polishing, there is a possibility that the actual polishing amount varies for each bar. Such variation in the polishing amount causes variation in the shape of the air bearing surface of the magnetic head slider. In addition, even if the MR element is accurately formed in the first polishing process, there is a problem that the final dimension of the MR element varies due to variations in the polishing amount in the second polishing process.
[0011]
Such problems can be solved by frequently embedding abrasive grains on the polishing plate (charging work), but this requires frequent shutdown of the equipment, which greatly reduces the operating rate of the equipment. There is a problem of end up.
[0012]
The present invention has been made in view of such problems, and an object of the present invention is to provide a method of processing a magnetic head slider with small processing variations.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
A magnetic head slider processing method according to the present invention includes:A long member including at least one magnetic head slider each having a thin film magnetic head element and a resistance film formed thereon.A first polishing step of polishing a predetermined surface of the bar by pressing the bar against the first polishing plate without using an elastic member;The lead member for detecting the resistance value of the resistance film and the resistance film are electrically connected to the bar after the completion of the first polishing process or the single magnetic head slider cut out from the bar by a rigid support. And a step of transferring the bar or the single magnetic head slider to which the lead member is connected from the support to a holding means including an elastic member,Bar orIs simpleThe magnetic head slider of the body is pressed against the second polishing plate using an elastic member and polished by the first polishing stepIsA second polishing step for further polishing the polished surface.SeeAt least in the second polishing step, it varies depending on the polishing amount of the bar or the single magnetic head slider.Resistance film resistanceOn the basis of thefeedbackPolishing control is performed.
[0014]
According to the magnetic head slider processing method of the present invention, for example, a first polishing process is performed to form a thin film magnetic head element with a predetermined dimension, and then the shape of the air bearing surface is formed into a predetermined shape. Therefore, the second polishing process can be performed. At least in the second polishing stepResistance film resistancebased onfeedbackSince polishing is performed, for example, a constant amount of polishing is always performed regardless of the degree of wear of abrasive grains on the polishing plate.Prior to the second polishing step, the resistance film and the lead member are connected while the magnetic head is supported by a rigid support, and then the magnetic head is moved from the support to the holding means (including the elastic member). Since the transfer is performed, it is possible to easily perform a method (for example, a wire bonding method) that is difficult to implement when the bar is attached to the elastic member.
[0015]
Also, aboveOfIt is desirable to finish polishing when the resistance value reaches a predetermined value.
[0017]
In the second polishing step, it is desirable to swing the bar or the single magnetic head slider about an axis substantially parallel to the polishing surface of the second polishing plate. This makes it easy to make the air bearing surface of the bar or the single magnetic head slider convex. Further, the bar or the single magnetic head slider may be swung around an axis orthogonal to the polishing surface of the second polishing plate. In this way, it is possible to prevent the bar from being damaged in a certain direction called smear by changing the angle between the rotating direction of the polishing plate and the extending direction of the bar.
[0018]
Other magnetic head slider processing methods according to the present invention include thin film magnetic head elements, respectively.And resistive filmAt least one magnetic head slider formed withIt is a long member includingBar or a single magnetic head slider cut out from the barA process of electrically connecting a lead member and a resistive film for detecting resistance of the resistive film while supporting by a rigid support, and supporting a bar or a single magnetic head slider to which the lead member is connected A process of transferring from a body to a holding means including an elastic member, and a bar or a single magnetic head sliderPolishing process by pressing against the polishing plate using an elastic memberWhenIncludingSeeIn this polishing process, it varies depending on the polishing amount of the bar or the single magnetic head slider.Resistance film resistanceOn the basis of thefeedbackPolishing control was performedIs a thing.
[0019]
According to the magnetic head slider processing method of the present invention, the magnetic head slider changes according to the polishing amount of the bar or the single magnetic head slider.Resistance film resistanceOn the basis of thefeedbackSince polishing control is performed, the same amount of polishing is always performed regardless of the degree of abrasion of the abrasive grains on the polishing plate.AndAn accurate magnetic head slider can be formed.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Configuration of magnetic head slider]
First, a structure of a magnetic head slider to which a magnetic head slider processing method according to an embodiment of the present invention is applied will be described with reference to FIGS.
[0021]
FIG. 1 shows a
[0022]
The
[0023]
A thin film
[0024]
FIG. 2 is an exploded view of the configuration of the thin film
[0025]
As shown in FIGS. 2 and 3, the reproducing
[0026]
An MR (Magneto-Resistive) element 1 c is embedded between the lower
[0027]
As shown in FIG. 2, magnetic
[0028]
As shown in FIG. 3, the
[0029]
On the
[0030]
The thin film
[0031]
[Polishing equipment]
The magnetic head slider processing method according to the present embodiment includes two polishing steps. In the first polishing process, a so-called RLG polishing method is used, and the
[0032]
First, an RLG polishing apparatus used in the first polishing process and a touch lap polishing apparatus used in the second polishing process will be described.
[0033]
<RLG polishing equipment>
FIG. 4 is a diagram showing the basic configuration of the
[0034]
The
[0035]
As shown in FIG. 5, for example, five
[0036]
<Touch wrap polishing equipment>
FIG. 6 is a diagram illustrating a basic configuration of the touch
[0037]
Further, the touch
[0038]
The
[0039]
The
[0040]
For example, the five
[0041]
[Method of manufacturing magnetic head slider]
FIG. 8 is a flowchart showing a magnetic head slider manufacturing method including the magnetic head slider processing method according to the present embodiment. FIG. 9 is a perspective view for each step for explaining the method of manufacturing the magnetic head slider shown in FIG. First, as shown in FIG. 9A, for example, Al2OThreeA large number of thin film
[0042]
Here, a thin film process for forming a thin film magnetic head or the like will be briefly described with reference to FIGS.
[0043]
First, for example, Al is formed on the wafer 4 by sputtering or the like.2OThree
[0044]
Next, after forming a laminated film for forming the
[0045]
Next, the upper
[0046]
After the upper shield layer 15 is formed, Al is formed thereon by, for example, sputtering.2OThree
[0047]
After forming the
[0048]
In this way, as shown in FIG. 9A, a large number of thin film
[0049]
Subsequently, the wafer 4 is cut into strips by, for example, a dicing saw to obtain a large number of bars 5 (S12). As shown in FIG. 9B, each
[0050]
Next, as shown in FIG. 9 (C), the surface opposite to the surface (indicated by symbol S in the figure) which becomes the air bearing surface of the
[0051]
FIG. 10 is a diagram illustrating a polishing process of the
[0052]
The
[0053]
After the first polishing step (step S14 in FIG. 8) by the RLG polishing method is completed, the wire W connecting the flexible substrate (not shown) and the
[0054]
Subsequently, in order to proceed to the second polishing step, the connection work between the
[0055]
FIG. 11 is a perspective view for each process for explaining the connection work of the
[0056]
First, as shown in FIG. 11A, the surface to be polished (the surface that becomes the air bearing surface) of the
[0057]
Next, as shown in FIG. 11B, the second holding
[0058]
Subsequently, a second polishing step by a touch lap polishing method is performed (step S20 in FIG. 8). FIG. 12 is a flowchart showing the second polishing step. First, the
[0059]
Next, the
[0060]
Subsequently, the
[0061]
After the second polishing step (step S20 in FIG. 8) is completed, the wire W connecting the
[0062]
Subsequently, as shown in FIG. 13A, the slider rail of the
[0063]
In the present embodiment, the
[0064]
Here, the polishing
[0065]
[Example of touch wrap device]
Finally, a specific example of the configuration of the
[0066]
FIG. 14 is a diagram illustrating the outer shape of the
[0067]
The slide body 850 is slidably held by a pair of
[0068]
The slide body 850 includes a slide base 855 supported by a
[0069]
FIG. 15 is a perspective view showing the lifting
[0070]
On the upper surface of the
[0071]
The rocking
[0072]
The
[0073]
The
[0074]
The operation of the touch wrap device described above will be described with reference to FIG. The attaching operation of the
[0075]
Subsequently, the
[0076]
On the other hand, almost simultaneously with the start of the rotation of the polishing
[0077]
[Effects of the embodiment]
As described above, in this embodiment, feedback control based on the resistance value change of the
[0078]
In the present embodiment, the
[0079]
In addition, in the present embodiment, the
[0080]
While the present invention has been described with reference to the embodiment, the present invention is not limited to this embodiment, and various modifications can be made. For example, in the above embodiment, in the second polishing step, touch lap polishing is performed in which the bar is polished while being held using an elastic member. Instead of touch wrap polishing, the magnetic head slider alone is elastic. You may perform the kiss wrap grinding | polishing which grind | polishes while hold | maintaining using a member.
[0081]
The thin-film
[0082]
【The invention's effect】
As described above,
[0084]
In addition, the claims3Or claims7A method of processing a magnetic head slider according to
[0085]
Claims5Or claims7A method of processing a magnetic head slider according to
[0086]
Claims6Or claims7A method of processing a magnetic head slider according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a configuration of a magnetic head slider to which a magnetic head slider processing method according to an embodiment of the present invention is applied.
2 is an exploded perspective view showing a configuration of a thin film magnetic head element mounted on the magnetic head slider shown in FIG. 1. FIG.
3 is a cross-sectional view taken along the line III-III of the thin film magnetic head element mounted on the magnetic head slider shown in FIG.
FIG. 4 is a diagram showing a schematic configuration of an RLG polishing apparatus used in a magnetic head slider processing method according to an embodiment of the present invention.
5 is an enlarged view showing a main part of the RLG polishing apparatus shown in FIG. 4;
FIG. 6 is a diagram showing a schematic configuration of a touch wrap polishing apparatus used in the magnetic head slider processing method according to the embodiment of the present invention.
7 is a perspective view for explaining a moving direction of a second holder in the touch wrap polishing apparatus shown in FIG. 6. FIG.
FIG. 8 is a flowchart showing a magnetic head slider manufacturing method including a magnetic head slider processing method according to an embodiment of the present invention.
9 is a cross-sectional view for each step for explaining the method of manufacturing the magnetic head slider shown in FIG. 9. FIG.
10 is a flowchart showing a first polishing step in the method of manufacturing the magnetic head slider shown in FIG.
11 is a process diagram illustrating a method of attaching a bar to a second holder in the method of manufacturing the magnetic head slider shown in FIG.
12 is a flowchart showing a second polishing step in the method of manufacturing the magnetic head slider shown in FIG.
13 is a perspective view for each step for explaining a slider rail forming step and a cutting step in the method of manufacturing the magnetic head slider shown in FIG. 9; FIG.
14 is a perspective view illustrating a configuration example of the touch wrap polishing apparatus illustrated in FIG. 6. FIG.
15 is a perspective view showing a main part of the touch wrap polishing apparatus shown in FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (13)
前記第1の研磨工程の終了したバーまたはこのバーから切り出した単体の磁気ヘッドスライダを剛体からなる支持体により支持しつつ、前記抵抗膜の抵抗値を検出するためのリード部材と前記抵抗膜とを電気的に接続する工程と、
前記リード部材が接続されたバーまたは単体の磁気ヘッドスライダを、前記支持体から、弾性部材を含む保持手段に移し替える工程と、
前記バーまたは前記単体の磁気ヘッドスライダを、前記弾性部材を用いて第2の研磨板に対して押圧し、前記第1の研磨工程により研磨された面をさらに研磨する第2の研磨工程と
を含み、
少なくとも前記第2の研磨工程において、前記バーまたは前記単体の磁気ヘッドスライダの研磨量に応じて変化する前記抵抗膜の抵抗値に基づいてフィードバック研磨制御を行うようにしたことを特徴とする磁気ヘッドスライダの加工方法。 The bar is elongated member comprising at least one magnetic head slider head element and the resistive film is formed on each, and pressed against the first polishing plate without using the elastic member, the bars A first polishing step for polishing a predetermined surface;
A lead member for detecting a resistance value of the resistance film while supporting the bar after the first polishing step or a single magnetic head slider cut out from the bar by a support made of a rigid body, and the resistance film Electrically connecting
Transferring the bar or single magnetic head slider to which the lead member is connected from the support to a holding means including an elastic member;
The magnetic head slider of the bar or front Kitan body, the elastic member presses against the second polishing plate using a second polishing step of further polishing the polished surface by the first polishing step viewing including the door,
At least in the second polishing step, feedback polishing control is performed on the basis of the resistance value of the resistance film that changes in accordance with the polishing amount of the bar or the single magnetic head slider. The processing method of the slider.
前記リード部材が接続されたバーまたは単体の磁気ヘッドスライダを、前記支持体から、弾性部材を含む保持手段に移し替える工程と、
前記バーまたは前記単体の磁気ヘッドスライダを、前記弾性部材を用いて研磨板に対して押圧し研磨する研磨工程と
を含み、
前記研磨工程において、前記バーまたは前記単体の磁気ヘッドスライダの研磨量に応じて変化する前記抵抗膜の抵抗値に基づいてフィードバック研磨制御を行うようにしたことを特徴とする磁気ヘッドスライダの加工方法。The head element and the resistive film is Ba Ma other an elongated member comprising at least one magnetic head slider formed respectively supported by a support made of a single magnetic head slider cut out from the bars of a rigid body While electrically connecting a lead member for detecting the resistance of the resistive film and the resistive film;
Transferring the bar or single magnetic head slider to which the lead member is connected from the support to a holding means including an elastic member;
The magnetic head slider of the bar or front Kitan body, seen including a polishing step of pressing polished against the polishing plate with the elastic member,
In the polishing step, feedback polishing control is performed based on a resistance value of the resistance film that changes in accordance with the polishing amount of the bar or the single magnetic head slider. .
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