JP4039017B2 - Fire extinguishing system for precision processing equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電加工装置のような精密加工装置の消火システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、精密加工を行うには可燃性の加工液を用いる精密加工装置がよく使用されている。なかでも、例えば金属の型を製造する型加工のような精密加工を行う場合には、精密加工装置として放電加工装置が使用されている。
【0003】
放電加工装置によって行う放電加工は、絶縁性を有する加工液を加工槽に満たし、加工槽に満たした加工液中に金属製の加工対象物を配置し、一方を正、他方を負となるように前記加工対象物と電気的に接続された工具電極を加工対象物に接近させ、工具電極と加工対象物との間に電圧をかけて放電を生じさせることで加工対象物を除去加工するものである。
【0004】
このような放電加工では加工液として、通常は灯油のような可燃性を有する油が用いられる。放電加工は、加工槽に満たされた加工液中において、若干の隙間を介して対向配置された工具電極と加工対象物との間に放電を生じさせることで行うもので、放電が正常に加工液中において生じる場合、即ち、工具電極及び加工対象物の互いに対向して放電が生じる部位が加工液中に位置する場合には、これらの加工部が高温になっても加工液中には酸素が無いため発火することはない。しかし、何らかの原因で、例えば加工槽に満たされた加工液の液面付近で放電が生じたりした場合、液面の上方には空気中の酸素があるため加工液に引火して火災が発生する危険性があるものであった。そこで、条例や法令等によって以下のような規定が設けられている。
・加工槽内の加工部分以外の加工液の温度が設定温度を越えた場合、自動的に放電加工を停止する装置を設置すること
・加工液の液面高さが設定値以下に低下した場合、自動的に放電加工を停止する装置を設置すること
・アーク放電で工具電極が上昇する異常を検出した場合、自動的に放電加工を停止する装置を設置すること(アーク放電で工具電極が上昇する異常とは、工具電極と加工対象物との間に炭化物が発生して成長し、これによって加工液の液面上から下方の液面中に挿入している工具電極の下端部が押し上げられることで、このようにして工具電極の下端部が液面付近に位置した状態で放電が行われると、加工液に引火する危険性がある)
・加工液に着火した場合、自動的に消火する装置を設置すること
・引火点が70℃以下の加工液を使用しないこと
・吹きかけ加工を行わないこと
・工具電極を確実に取り付けて異常な放電が生じるのを防止すること
・必要な点検及び整備を行って火災予防上有効に保持すること
しかし、このような規定に従って種々の装置を設けると共にこれらの装置の管理を適切に実施しても、作業者の人的ミス・エラーによって放電加工中に火災が発生する危険性は残るため、このような人的ミス・エラーを減少させるべく一部を自動運転で行えるようにはしたものの、無人での全自動運転は達成されておらず依然として作業者による作業が必要であり、火災の際に人命に関わる危険性があるものであった。
【0005】
そこで、このような加工作業を行う場合には、現場(即ち加工室)での作業者とは別に、遠隔地において現場での火災の発生を監視する監視者を配置することが考えられた。この従来の精密加工装置の消火システムについて説明する。
【0006】
まず、従来の精密加工装置の消火システムにおける構成について説明する。密閉可能な加工室内に精密加工装置を配設し、この精密加工装置を駆動するための電源及び制御手段を設け、精密加工装置で発生した火災を検知して消火する自動消火装置を精密加工装置に設ける。また、加工室内で火災が発生した場合にこれを検知する火災検知手段を設けると共にこの火災を消火可能な消火手段を設け、消火手段による消火を遠隔操作によって行うことを可能とする遠隔操作手段を設ける。火災検知手段としては、煙センサーと温度センサーとが加工室内に配置される。監視者は、現場から離れた遠隔地としての監視室に配置されており、遠隔操作手段によって消火手段による消火を行うものである。
【0007】
このような従来の精密加工装置の消火システムにおいては、自動消火装置の熱検知センサーが火災を検知し、また更に、加工室に設けた温度センサーが加工室内の火災を検知したりすると、監視室に火災を検知したことが送信され、これらの送信信号に基づいて監視室の監視者が火災を認知して、遠隔操作手段により遠隔操作で消火装置を作動させて消火を行うものである。
【0008】
ところで、消火装置による消火は、二酸化炭素や窒素等の消火剤を火炎に噴射して行うものであるが、この二酸化炭素や窒素等の消火剤は人体に有害であり、特に二酸化炭素の場合には大量に吸い込むと、中毒症状を引き起こして死に至る場合があるものであった。
【0009】
監視者の遠隔操作による消火では、監視者は監視室に居て、自動消火装置から火災を感知した信号か又は、火災検知手段から火災を検知した信号によって火災を認知し、これによって消火手段を遠隔操作で操作して消火するものであるが、加工室内に作業者がいるか否かは認知することができないものであった。このため、自動消火装置又は火災検知手段からの火災を検知した信号に基づいて監視者が監視室より遠隔操作で消火を行う際、もし仮に作業者が加工室内にいた場合には、消火手段より噴射される二酸化炭素のような消火剤により作業者が中毒死する危険性があるため、実際に火災が発生した時には監視者か又は作業者以外の者が加工室に駆けつけて人の手によって消火を行うものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、監視者が遠隔操作にて消火手段で加工室内の火災を消火可能な精密加工装置の消火システムにおいて、監視者が監視室より遠隔操作で消火を行う際に、加工室内に作業者が居るか否かを確認して消火可能か否かを判断することが可能な精密加工装置の消火システムを提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る精密加工装置の消火システムは、放電加工装置2aのような可燃性の加工液を用いる精密加工装置2の消火システムであって、精密加工装置2が加工装置本体21と電源及び制御手段22と加工液タンク24とからなる型彫り放電加工装置2bであり、密閉可能な加工室1内に加工装置本体21を配設すると共に電源及び制御手段22と加工液タンク24とを加工室1外に配設し、精密加工装置2に該精密加工装置2で発生した火災を検知して消火する自動消火装置23を設け、精密加工装置2を駆動する電源及び制御手段22とは別体の空調用の電源制御手段3aを設け、加工室1に前記空調用の電源制御手段3aで駆動される加工室1内の空気を調節する空調装置4を設け、加工室1に加工室1内の火災と人Mの有無とをそれぞれ検知する火災検知手段5と人検知手段6とを設けると共に加工室1内の火災を消火可能な消火手段7を設け、火災検知手段5と人検知手段6とによる検知結果より加工室1内の火災を消火するか否かを判定する判定手段3bを設け、該判定手段3bによる判定結果に基づいて上記消火手段7による消火を遠隔操作によって行うことを可能とする遠隔制御手段3cを設けることを特徴とするものである。このような構成とすることで、監視者が遠隔操作にて消火手段7で加工室1内の火災を消火しようとする際、加工室1内に作業者Mが居る場合に遠隔操作で消火手段7より消化剤を噴射して加工室1内の人Mが消火剤の二酸化炭素中毒等を引き起こして死に至るのを防ぐことが可能となる。そして、発熱が大きい部分を加工室1外に配設することで、空調装置4が空調するのに要するエネルギーが少なく済むようになり、また、加工液タンク24を加工室1外に配設することで、加工室1内で火災が発生した際に加工液に引火して延焼するのを防止することができる。
【0012】
また、精密加工装置2に設けた自動消火装置23が火災を検知して消火を行った際、火災検知手段5による検知結果が火災中であり且つ人検知手段6による検知結果が無人である場合に消火手段7による消火を行う判定を下す判定手段3bを設けることが好ましい。このような構成とすることで、監視者が遠隔操作にて消火手段7で加工室1内の火災を消火しようとする際、加工室1内に作業者Mが居る場合には判定手段3bによる消火するとの判定が下されないので、遠隔操作で消火手段7より消化剤を噴射することによって加工室1内の人Mが消火剤の二酸化炭素中毒等を引き起こして死に至ることを防ぐことができ、また、加工室1内に作業者が居ない場合には判定手段3bによって消火するとの判定が下されるため、迅速に消火手段7による消火を行うことができる。
【0013】
また、加工室1の壁を不燃材又は準不燃材で構成することが好ましい。このような構成とすることで、加工室1内に火災が発生した場合、この火災が加工室1外に延焼するのを阻止することができる。
【0015】
また、加工室1内の不活性ガス濃度を計測する濃度計測手段と加工室1内のガスを排気する排気手段83とを設け、精密加工装置2による加工時に加工室1内に不活性ガスを充填すると共に加工時以外に排気手段83で加工室1内の不活性ガスを排気することが好ましい。このような構成とすることで、放電加工の際に可燃性の加工液に引火するのを防止することができて火災に対する安全性を高めることが可能となり、また、放電加工の際に作業者Mが加工室1内に立ち入れないようにすることで、加工室1内で火災が発生した際に作業者Mに火災の被害が及ぶのを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明においては、精密加工装置2として放電加工装置2aを用いるものである。放電加工装置2aは、金属の型を製造する型加工のような精密加工を行う場合によく用いられるもので、特に図示はしないが、絶縁性を有する加工液を加工槽に満たし、加工槽に満たした加工液中に金属製の加工対象物を配置し、一方を正、他方を負となるように前記加工対象物と電気的に接続された工具電極を加工対象物に接近させ、工具電極と加工対象物との間に電圧をかけて放電を生じさせることで加工対象物を除去加工するものである。そして、放電加工では加工液として灯油のような可燃性を有する油が用いられ、この加工液に引火して火災が発生する危険性があるため、自動消火装置23等の装置を設置することが義務付けられているものであり、以下に説明する。
【0018】
まず、本実施形態の構成について図1に基づいて説明する。
【0019】
不燃材又は準不燃材からなる壁材を用いて、密閉可能な加工室1を形成する。このように不燃材又は準不燃材からなる壁材を用いて加工室1の壁を形成し、この壁にて室内を密閉するように加工室1を形成することで、加工室1内に火災が発生した場合、この火災が加工室1外に延焼するのを阻止することができる。ここで、不燃材(不燃材料)とは、建築材料に通常の火災による火熱が加えられた場合に加熱開始後20分間に材料自体が燃焼せず、かつ防火上有害な変形・溶融などがなく、室内面に用いる場合は有害な煙・ガスを発生しない材料で、例えばコンクリート,煉瓦,瓦,石綿スレート,鉄,アルミニウム,ガラス,モルタル,漆喰等が挙げられる。また、準不燃材(準不燃材料)とは、不燃材料に準ずる防火性能を有するもので、建築材料に通常の火災による火熱が加えられた場合に加熱開始後10分間に材料自体が燃焼しないものをいい、木毛セメント板,石膏ボード等が挙げられる。
【0020】
この加工室1内には、上述した放電加工装置2aを配設するものである。放電加工装置2aは、加工対象物,工具電極が配置されて放電加工が行われる加工装置本体21と、加工装置本体21を駆動するための電源及び制御手段22とからなる。そして、放電加工装置2aは可燃性の加工液を用いており、火災が発生する危険性があるため、放電加工装置2aには上述したように自動消火装置23が設置される。自動消火装置23は、内部に熱感知器(図示せず)が設けてあり、放電加工装置2aで火災が発生した際、この熱感知器が火災による熱を感知すると共に窒素ガス等の消火剤を火炎に噴射して消火を行うものである。また、本実施形態では、放電加工装置2aに後述する火災検知手段5としての温度センサー51を設置し、この温度センサー51によって加工室1内の火災を検知可能とするものである。
【0021】
また、加工室1には、加工室1内の空気の状態を調節する空調装置4を設けるものである。この空調装置4は、放電加工装置2aを駆動する上述した電源及び制御手段22とは別体の空調用の電源制御手段3aで駆動されるものである。空調用の電源制御手段3aは、加工室1の外に配置される加工室制御部3の一部として設けられる。また更に加工室1内には、加工室1内の空気の温度を計測する温度センサー41を設け、この温度センサー41によって計測した温度に基づいて空調装置4が作動するもので、温度センサー41も上記空調用の電源制御手段3aに接続される。
【0022】
また更に、加工室1には、加工室1内で火災が発生した場合にこれを検知する火災検知手段5とこの火災を消火可能な消火手段7とを設け、この火災検知手段判定手段5と消火手段7とを遠隔制御手段3cに接続すると共に上述した自動消火装置23も同様に遠隔制御手段3cに接続してあり、遠隔制御手段3cは加工室1から遠隔地に設けてある監視室9の操作部(図示せず)に接続してある。火災検知手段5は、上述した放電加工装置2aに設置する温度センサー51と加工室1内に設ける煙センサー52とからなり、これらは遠隔制御手段3cに接続される。この遠隔制御手段3cは、上述した加工室制御部3の空調用の電源制御手段3aとは別に設けられるのであるが、この空調用の電源制御手段3aと接続されてこれを遠隔制御可能にしてある。消火手段7は、この火災検知手段5からの火災を検知した際の信号を受けたりして、監視者が監視室9の操作部より遠隔操作で消火するもので、炭酸ガスや窒素等のガスを火炎に噴射して消火を行うものである。
【0023】
そして更に、本実施形態においては、加工室1内の人(作業者M)の存在の有無を検知する人検知手段6を設けてこれを遠隔制御手段3cに接続してあると共に、この人検知手段6と火災検知手段5とからの検知信号に基づいて、火災を消火するか否かを判定する判定手段3bが設けてある。人検知手段6として、赤外線等を感知するものやその他の人からの信号を感知する人センサー61が加工室1内に設置される。判定手段3bは、加工室制御部3に遠隔制御手段3c及び空調用の電源制御手段3aとは別に設けられ、遠隔制御手段3cに接続される。また、本実施形態では、監視カメラ81を加工室1内に設けてこれを遠隔制御手段3cに接続してあり、監視者が監視室9で監視カメラ81からの映像を監視することが可能である。
【0024】
また、加工室1内にスピーカ及びマイク82を設置してこれを遠隔制御手段3cに接続すると共に、監視室9にもスピーカ及びマイク(特に図示せず)を設置して遠隔制御手段3cに接続してあり、監視室9に居る監視者と加工室1内にいる作業者Mに指示を与えたり作業者から指示を受けたりすることが可能となっている。
【0025】
次に、判定手段3bでの判定方法について図2に基づいて説明する。
【0026】
加工室1内に配設した放電加工装置2aにおいて火災が発生すると、放電加工装置2aに設置してある自動消火装置23の熱検知器が火災を検知して消火剤を自動的に噴射するが、この時、自動消火装置23の熱検知器での火災の検知が判定手段3bに送信され、判定手段3bはこの火災の検知を受けて動作を開始する。判定手段3bは火災検知手段5(即ち温度センサー51及び煙センサー52)及び人検知手段6からの検知信号を受け、まず、火災検知手段5からの検知信号によって延焼中か鎮火したかを判断する。この時点で鎮火していれば、消火は終了し、判定手段3bの動作も終了する。そして、鎮火していない場合、次に判定手段3bは人検知手段6からの検知信号によって加工室1内に人(作業者M)が居るか否かを判断する。ここで人が居ない場合には、判定手段3bは「消火手段7による消火を行う」旨の判定を監視室9の操作部を介して監視者に通知し、監視者が遠隔操作にて消火手段7による消火を行い、消火を終了する。そして、加工室1内に人が居る場合には、監視室9の監視者がスピーカ及びマイク82を介して加工室1内に居る人Mに加工室1より退去するよう指示する。そして、監視カメラ81にて加工室1内に居た人Mが退去して加工室1内が無人であることを確認した後、遠隔操作にて消火手段7による消火を行うものである。
【0027】
以上のような構成によれば、加工室1内に人検知手段6を設けると共に判定手段3bを設けたことで、監視者が遠隔操作にて消火手段7で加工室1内の火災を消火しようとする際、加工室1内に作業者Mが居る場合には判定手段3bによる消火するとの判定が下されないので、遠隔操作で消火手段7より消化剤を噴射することによって加工室1内の人が消火剤の二酸化炭素中毒等を引き起こして死に至ることを防ぐことができ、また、加工室1内に作業者Mが居ない場合には判定手段3bによって消火するとの判定が下されるため、迅速に消火手段7による消火を行うことができる。
【0028】
次に、他の実施形態について図3に基づいて説明する。図3に示す本実施形態も、図1に示す上実施形態と基本的に同様であり、主に異なる点についてのみ説明する。
【0029】
本実施形態においては、精密加工装置2として、加工装置本体21と、加工用電源部22aと制御装置部22bと加工液温度制御装置22cとからなる電源及び制御手段22と、加工液タンク24とからなる型彫り放電加工装置2aを用いるものである。そして、この型彫り放電加工装置2aのうち、加工装置本体21を加工室1内に配設し、電源及び制御手段22と加工液タンク24とを加工室1外に配設するものである。
【0030】
このような構成によれば、電気回路での発熱が大きい加工用電源部22aと制御装置部22bと、加工液をラジエータで冷却するため熱源となる加工液温度制御装置22cとを加工室1外に配設することで、空調装置4が空調するのに要するエネルギーが少なく済むようになり、また、加工液タンク24を加工室1外に配設することで、加工室1内で火災が発生した際に加工液に引火して延焼するのを防止することができる。
【0031】
更にこれに加えて、特に図示はしないが、加工室1内の不活性ガス濃度を計測する濃度計測手段と加工室1内のガスを排気する排気手段83とを設け、型彫り放電精密加工装置2による放電加工の際に、加工室1内に不活性ガスを充填し、加工時以外に排気手段83で加工室1内の不活性ガスを排気するようにしてもよい。
【0032】
このようにすることで、放電加工の際に可燃性の加工液に引火するのを防止することができて火災に対する安全性を高めることが可能となり、また、放電加工の際に作業者が加工室1内に立ち入れないようにすることで、加工室1内で火災が発生した際に作業者に火災の被害が及ぶのを防止することができる。
【0033】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、放電加工装置のような可燃性の加工液を用いる精密加工装置の消火システムであって、精密加工装置が加工装置本体と電源及び制御手段と加工液タンクとからなる型彫り放電加工装置であり、密閉可能な加工室内に加工装置本体を配設すると共に電源及び制御手段と加工液タンクとを加工室外に配設し、精密加工装置に該精密加工装置で発生した火災を検知して消火する自動消火装置を設け、精密加工装置を駆動する電源及び制御手段とは別体の空調用の電源制御手段を設け、加工室に前記空調用の電源制御手段で駆動される加工室内の空気を調節する空調装置を設け、加工室に加工室内の火災と人の有無とをそれぞれ検知する火災検知手段と人検知手段とを設けると共に加工室内の火災を消火可能な消火手段を設け、火災検知手段と人検知手段とによる検知結果より加工室内の火災を消火するか否かを判定する判定手段を設け、該判定手段による判定結果に基づいて上記消火手段による消火を遠隔操作によって行うことを可能とする遠隔制御手段を設けたので、火災検知手段及び消火手段で火災を早期に検知・消火して延焼を防止できるものであって、監視者が遠隔操作にて消火手段で加工室内の火災を消火しようとする際、加工室内に作業者が居る場合に遠隔操作で消火手段より消化剤を噴射して加工室内の人が消火剤の二酸化炭素中毒等を引き起こして死に至るのを防ぐことが可能となる。そして、発熱が大きい部分を加工室外に配設することで、空調装置が空調するのに要するエネルギーが少なく済むようになり、また、加工液タンクを加工室外に配設することで、加工室内で火災が発生した際に加工液に引火して延焼するのを防止することができる。
【0034】
また請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、精密加工装置に設けた自動消火装置が火災を検知して消火を行った際、火災検知手段による検知結果が火災中であり且つ人検知手段による検知結果が無人である場合に消火手段による消火を行う判定を下す判定手段を設けたので、監視者が遠隔操作にて消火手段で加工室内の火災を消火しようとする際、加工室内に作業者が居る場合には判定手段による消火するとの判定が下されないので、遠隔操作で消火手段より消化剤を噴射することによって加工室内の人が消火剤の二酸化炭素中毒等を引き起こして死に至ることを防ぐことができ、また、加工室内に作業者が居ない場合には判定手段によって消火するとの判定が下されるため、迅速に消火手段による消火を行うことができる。
【0035】
また請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、加工室の壁を不燃材又は準不燃材で構成したので、加工室内に火災が発生した場合、この火災が加工室外に延焼するのを阻止することができる。
【0037】
また請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、加工室内の不活性ガス濃度を計測する濃度計測手段と加工室内のガスを排気する排気手段とを設け、精密加工装置による加工時に加工室内に不活性ガスを充填すると共に加工時以外に排気手段で加工室内の不活性ガスを排気したので、放電加工の際に可燃性の加工液に引火するのを防止することができて火災に対する安全性を高めることが可能となり、また、放電加工の際に作業者が加工室内に立ち入れないようにすることで、加工室内で火災が発生した際に作業者に火災の被害が及ぶのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の説明図である。
【図2】同上における判定手段の判定方法のフロー図である。
【図3】本発明の他の実施形態の説明図である。
【符号の説明】
1 加工室
2 精密加工装置
2a 放電加工装置
22 電源及び制御装置
23 自動消火装置
3a 空調用の電源制御手段
3b 判定手段
3c 遠隔制御手段
4 空調装置
5 火災検知手段
6 人検知手段
7 消火手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fire extinguishing system for a precision machining apparatus such as an electric discharge machining apparatus.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a precision processing apparatus using a flammable processing liquid is often used for precision processing. In particular, when performing precision machining such as mold machining for producing a metal mold, an electric discharge machining apparatus is used as the precision machining apparatus.
[0003]
In the electric discharge machining performed by the electric discharge machining apparatus, the machining tank is filled with an insulating machining liquid, a metal workpiece is placed in the machining liquid filled in the machining tank, and one is positive and the other is negative. The tool electrode electrically connected to the workpiece is brought close to the workpiece, and the workpiece is removed by applying a voltage between the tool electrode and the workpiece to generate an electric discharge. It is.
[0004]
In such electric discharge machining, a flammable oil such as kerosene is usually used as a machining fluid. Electric discharge machining is performed by generating an electric discharge between the tool electrode and the object to be machined facing each other through a slight gap in the machining liquid filled in the machining tank. When it occurs in the liquid, that is, when the parts where the discharge of the tool electrode and the object to be processed are opposed to each other are located in the machining liquid, the oxygen is not contained in the machining liquid even if these processed parts become high temperature. Because there is no, it does not ignite. However, for some reason, for example, when a discharge occurs near the liquid level of the machining liquid filled in the machining tank, there is oxygen in the air above the liquid level, so the work liquid is ignited and a fire occurs. It was dangerous. Therefore, the following provisions are provided by regulations and laws.
・ Install a device that automatically stops electrical discharge machining when the temperature of the machining fluid other than the machining area in the machining tank exceeds the set temperature. ・ When the liquid level of the machining fluid falls below the set value. Install a device that automatically stops electrical discharge machining. • If an abnormality that raises the tool electrode due to arc discharge is detected, install a device that automatically stops electrical discharge machining (the tool electrode rises due to arc discharge). An abnormality that occurs is that carbide is generated between the tool electrode and the workpiece and grows, thereby pushing up the lower end of the tool electrode inserted into the lower liquid surface from above the liquid surface of the machining liquid. Thus, if the discharge is performed in such a state that the lower end portion of the tool electrode is located near the liquid surface, there is a risk of igniting the machining fluid)
・ Install a device that automatically extinguishes when the machining fluid ignites ・ Do not use a machining fluid with a flash point of 70 ° C or less ・ Do not perform spraying ・ Abnormal discharge with the tool electrode securely attached・ To prevent fires from occurring and to carry out necessary inspections and maintenance, and to keep them effective for fire prevention. However, even if various devices are installed in accordance with these regulations and these devices are properly managed, Since there is still a risk of fires occurring during electrical discharge machining due to human error / error of the operator, some parts can be operated automatically in order to reduce such human error / error. The full-automatic operation of the system was not achieved, and it was still necessary for the workers to work, and there was a risk of human life in the event of a fire.
[0005]
Therefore, when performing such a machining operation, it has been considered to arrange a monitor for monitoring the occurrence of a fire at a remote site separately from the worker at the site (that is, the machining room). The fire extinguishing system of this conventional precision processing apparatus will be described.
[0006]
First, the structure in the fire extinguishing system of the conventional precision processing apparatus is demonstrated. A precision processing device is installed in a sealable processing chamber, a power supply and control means are provided to drive the precision processing device, and an automatic fire extinguishing device that detects and extinguishes fires that occur in the precision processing device is a precision processing device. Provided. In addition, there is provided a fire detection means for detecting when a fire has occurred in the processing chamber, a fire extinguishing means capable of extinguishing the fire, and a remote operation means capable of performing fire extinguishing by the fire extinguishing means by remote control. Provide. As the fire detection means, a smoke sensor and a temperature sensor are arranged in the processing chamber. The supervisor is arranged in a monitoring room as a remote place away from the site, and extinguishes fire by the fire extinguishing means by remote control means.
[0007]
In such a conventional fire extinguishing system for precision processing equipment, if the heat detection sensor of the automatic fire extinguishing equipment detects a fire, and the temperature sensor provided in the processing room detects a fire in the processing room, The fact that a fire has been detected is transmitted, and the supervisor in the monitoring room recognizes the fire based on these transmission signals, and the fire extinguishing device is operated by remote operation by remote control means to extinguish the fire.
[0008]
By the way, extinguishing with a fire extinguishing device is performed by injecting a fire extinguisher such as carbon dioxide or nitrogen into the flame. This fire extinguishing agent such as carbon dioxide or nitrogen is harmful to the human body, especially in the case of carbon dioxide. Inhaled in large quantities can cause poisoning and death.
[0009]
In the case of fire extinguishing by remote monitoring by the supervisor, the supervisor is in the monitoring room and recognizes the fire by the signal from the fire extinguisher that detects the fire or the signal from the fire detection means that detects the fire. Although it is extinguished by operating remotely, it is impossible to recognize whether there is an operator in the processing chamber. For this reason, when the supervisor performs fire extinguishing by remote control from the monitoring room based on the signal from the fire extinguisher or the fire detection means, if the worker is in the processing room, the fire extinguishing means There is a risk of workers being poisoned by fire extinguishing agents such as carbon dioxide injected, so when a fire actually occurs, a supervisor or someone other than the worker rushes to the processing room and extinguishes the fire manually. It was something to do.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to provide a supervisor in a fire extinguishing system for a precision machining apparatus in which a fire extinguisher can extinguish a fire in a processing chamber by fire extinguishing means by remote control. To provide a fire extinguishing system for precision machining equipment that can determine whether or not a worker can be extinguished by checking whether or not there is an operator in the processing room when performing fire extinguishing remotely from the monitoring room It is to be an issue.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
Extinguishing system precision machining apparatus according to the present invention in order to solve the aforementioned problems is a precision machining apparatus 2 in fire extinguishing systems using flammable processing fluid such as discharge machining apparatus 2a, precision machining apparatus 2 is processed This is a die-sinking electric
[0012]
Further, when the automatic
[0013]
Moreover, it is preferable to comprise the wall of the
[0015]
Further, a concentration measuring means for measuring the inert gas concentration in the
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0017]
In the present invention, the electric discharge machining apparatus 2 a is used as the precision machining apparatus 2. The electric discharge machining apparatus 2a is often used in the case of performing precision machining such as mold machining for producing a metal mold. Although not particularly illustrated, the machining tank is filled with an insulating machining fluid, A metal workpiece is placed in the filled machining fluid, and a tool electrode electrically connected to the workpiece is brought close to the workpiece so that one is positive and the other is negative. The workpiece is removed by applying a voltage between the workpiece and the workpiece to generate an electric discharge. In electric discharge machining, flammable oil such as kerosene is used as the machining fluid, and there is a risk of igniting the machining fluid and causing a fire. Therefore, an apparatus such as the automatic
[0018]
First, the structure of this embodiment is demonstrated based on FIG.
[0019]
The
[0020]
In the
[0021]
The
[0022]
Furthermore, the
[0023]
Further, in the present embodiment, the human detection means 6 for detecting the presence or absence of a person (worker M) in the
[0024]
Further, a speaker and
[0025]
Next, the determination method in the determination means 3b is demonstrated based on FIG.
[0026]
When a fire occurs in the electric discharge machining apparatus 2a disposed in the
[0027]
According to the above configuration, by providing the human detection means 6 and the determination means 3b in the
[0028]
Next, another embodiment will be described with reference to FIG. The present embodiment shown in FIG. 3 is basically the same as the upper embodiment shown in FIG. 1, and only different points will be described.
[0029]
In the present embodiment, the precision processing device 2 includes a processing device
[0030]
According to such a configuration, the machining power supply unit 22a and the control device unit 22b that generate a large amount of heat in the electric circuit, and the machining fluid
[0031]
In addition to this, although not particularly shown, a concentration measuring means for measuring the inert gas concentration in the
[0032]
By doing so, it is possible to prevent flammable machining fluid from being ignited during electric discharge machining, and it is possible to increase the safety against fire. By preventing entry into the
[0033]
【The invention's effect】
As described above, the invention according to
[0034]
Further, in the invention according to claim 2, in addition to the effect of the invention according to
[0035]
Further, in the invention according to
[0037]
In the invention according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a flowchart of the determination method of the determination means in the same as above.
FIG. 3 is an explanatory diagram of another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (4)
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