JP4037513B2 - Rubber composition for tire - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ表面の茶変色の原因である老化防止剤やワックスの表面移行を防止して、外観上の美観を保つタイヤ用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用タイヤには、原料ゴムとして、天然ゴム、ブタジエンゴム等のジエン系ゴムが用いられている。原料ゴムのオゾンや酸素による老化、また経日や走行に伴う硬化による亀裂を防止する目的で、原料ゴムにアミン系の老化防止剤、パラフィン系のワックス等を配合したゴム組成物が用いられている。
しかし、これらの老化防止剤やワックスは短期間でブルーム現象を起こしやすく、経日とともにタイヤ表面に移行してタイヤ表面を茶変色させる。茶変色したタイヤは外観が著しく悪く、その商品価値は低くなる。この問題を解決するため、従来はシリコン系塗布剤(特開昭60−38205号公報、これを従来例1とする)やポリエチレングリコールのアルコール溶液(特開昭63−41203号公報、これを従来例2とする)をタイヤ表面に塗布したり、ゴム成分中に界面活性剤を配合する(特開平5−194790号公報、これを従来例3とする)等して外観不良を防止しようとしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
塗布剤の使用には以下の問題点がある。一般に塗布剤は、タイヤ表面が磨耗するため効果の持続性に劣る。またタイヤが磨耗すると塗布剤が飛散するため、環境に悪影響を与え、好ましくない。加えてタイヤ製造過程において塗装工程を設ける必要もあり煩雑である。
上記従来例1は、シリコン系塗布材を塗布することでビード部が滑り易くなり、タイヤのリム外れが生じ易く車の安全性が低下するという問題がある。上記従来例2のポリエチレングリコール系の塗布剤は、耐リム外れ性能を保持しつつタイヤ表面の茶変色を防ぐことができるが、OH基による極性のために非極性のタイヤ表面と反発しあうため、表面に均一塗布させることが困難である。
【0004】
また上記従来例3にも効果はあるが、老化防止剤やワックスによるタイヤの茶変色を防止するには不十分である。他方、老化防止剤の配合量を低下させることによりブルーム現象を抑制することも考えられるが、老化防止剤含有量の減少は耐候性の低下につながり好ましくない。
本発明はこのような技術的背景に鑑みてなされたのであり、その目的とするところは、耐オゾン性、耐酸化性等のゴム物性を低下させることなく、当該特性を維持するための添加剤によるブルーム現象をはじめとするタイヤの外観変化を防止し、更にこの変色防止効果を長時間維持するタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、以下の手段を講じた。すなわち天然ゴム及びジエン系合成ゴムよりなる群の中から選ばれる少なくとも1種のゴムにアミン系老化防止剤およびカーボンブラックを混合したタイヤ用ゴム組成物において、さらに前記アミン系老化防止剤を吸着するためにDBP給油量の値が前記カーボンブラックよりも大きな300cm 3 /100g以上であるカーボンブラックを前記ゴム100重量部に対し0.5〜10重量部配合した。
【0006】
上記ジエン系ゴムとしては、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、合成ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられ、これらのジエン系ゴムは単独または混合してもよく、また天然ゴムと併用してもよい。
アミン系老化防止剤としては、例えばN−フェニル−N’−(1、3ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等が用いられる。アミン系老化防止剤の配合量としては、一般にゴム成分100重量部に対して1〜5重量部であることが好ましい。
【0007】
本発明ではアミン系老化防止剤の表面移行によるタイヤ茶変色を防止するために、アミン系老化防止剤を吸着できる物質(以下、吸着物質)について検討した。吸着テストではサンプルとして備長炭(荒く砕いたものと細かく砕いたものの二種)、カーボンN330(タイヤゴムに一般に使用されているカーボンブラックの一種)、シリカVN3、多孔性カーボンブラックを用いた。その結果、多孔性カーボンブラックの吸着量が極めて大きいことがわかったので、当該物質を吸着物質として使用することとした。
【0008】
また前記多孔性カーボンブラックは、そのDBP給油量が300cm3 /100g以上であるものを採用した。前記多孔性の基準を明確にするために、カーボンブラックの多孔性に相関するファクターであるDBP給油量について規定した。
通常タイヤゴムに使用されるカーボンブラックのDBP給油量は、おおよそ100cm3 /100g程度である。例えば先述のカーボンN330のDBP給油量は101cm3 /100g、カーボンN220のDBP給油量は115cm3 /100gである。これらのカーボンブラックのアミン系老化防止剤の吸着能力が低いことは、従来のタイヤの表面が茶変色することから明らかである。従って通常のカーボンブラックのDBP給油量は、多孔性の指標とはならない。
【0009】
またDBP給油量の値が300cm 3 /100g以上であるカーボンブラックにケッチェンブラックを採用した。該ケッチェンブラックは多孔性のカーボンブラックとして知られている。本発明に使用したのは、例えばDBP給油量が495cm3 /100gのケッチェンブラックEC600JDである。この他にも、例えばDBP給油量が360cm3 /100gのケッチェンブラックEC等が例示できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
まずはじめに、本発明の目的のアミン系老化防止剤の表面移行の防止を図るために、吸着物質について検討した。吸着テストで使用したサンプルは、前述の通り備長炭(荒く砕いたものと細かく砕いたものの二種)、カーボンN330、シリカVN3、ケッチェンブラックEC600JDである。
吸着テストの方法を以下に説明する。老化防止剤N−(1、3−ジブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(以下6cと略記する)1gを100・のメタノールに溶解させたメタノール溶液を作成した。ロートに脱脂綿をつめて各サンプル10gを乗せ、十分にメタノールで洗浄した後に前記メタノール溶液5・を満遍なくサンプルに流し込んだ。この上から更にメタノール10・を流し、出てきた溶液を100倍に希釈したものを試料溶液とした。
【0011】
次に前記試料溶液の290nmにおける吸光度をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。この測定値が低いほど、サンプルが前記6cを多く吸着したことを意味する。ケッチェンブラックEC600JDに通した試料溶液の吸光度は他のサンプルのそれと比較して著しく低く、これよりケッチェンブラックの吸着能力が極めて優れていることがわかった。
タイヤゴムに通常使用されているカーボンN330は備長炭やシリカよりは吸着能力を持つことがわかるが、ケッチェンブラックより明らかに劣る。よってケッチェンブラックを、アミン系老化防止剤を吸着する物質として使用することにした。
【0012】
【表1】

Figure 0004037513
【0013】
次にケッチェンブラックの構造について説明する。ケッチェンブラックは、外側に薄くグラファイト結晶が集まったような中空シェル構造を持つ(本発明においては、当該構造をもって多孔性を規定し、以後当該構造と同様または類似の構造を、多孔構造とする)。この多孔構造が、ケッチェンブラックの吸着能力の高さに寄与していると考えられる。
またケッチェンブラックのDBP給油量が大きいことも当該構造によるものであり、先述したDBP給油量と多孔性の相関はここにおいて説明される。従ってDBP給油量が大きいカーボンブラックは上記多孔構造持つと考えられ、当該カーボンブラックは多孔性であるといえる。よってアミン系老化防止剤の吸着能力に優れ、該防止剤のタイヤ表面への移行を効果的に防止できる。
【0014】
従って本発明で使用する吸着物質は、ケッチェンブラックに限定されるものではなく、上記多孔構造を持つDBP給油量の大きい多孔性カーボンブラックであればよい。
ここでカーボンブラックの多孔性の指標となるDBP給油量について説明する。タイヤゴムに通常使用するカーボンブラックのDBP給油量は、おおよそ100cm3 /100g程度である。例えば先述のカーボンN330のDBP給油量は101cm3 /100g、カーボンN220のDBP給油量は115cm3 /100gである。これらのカーボンブラックのアミン系老化防止剤の吸着能力が低いことは、従来のタイヤの表面が茶変色することから明らかである。100cm3 /100g程度のDBP給油量では、多孔性カーボンブラックであるとはいえない。
【0015】
これらと比較して、ケッチェンブラックのDBP給油量は極めて大きい。例えばケッチェンブラックECは360cm3 /100g、前記EC600JDは495cm3 /100gである。吸着物質に使用する多孔性カーボンブラックのDBP給油量は、前記ケッチェンブラックと同程度であることが最も望ましい。しかし、DBP給油量はそれぞれのカーボンブラックで固有の値を持つため、程度の同一を明確に規定することは困難である。従って本発明では、DBP給油量がおおよそ300cm3 /100g以上であることを多孔性の指標とした。
【0016】
よって本発明における吸着物質として、ケッチェンブラックのみならず上記DBP給油量が300cm3 /100g以上の多孔性カーボンブラックでも使用可能であるとした。
次に、具体的なゴム組成物の例を挙げて詳細に説明する。上述の過程で選択したケッチェンブラックEC600JD(以下、EC600JD)を使用して、表2に示すような配合の五種類のゴム組成物を作成した(単位は重量部)。カーボンN550とEC600JD以外の成分については全て同一で、配合量もすべて同量である。使用したゴムはNRとBRであるが、これらに限定されるものではない。先述したスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、合成ポリイソプレンゴム等のジエン系ゴムであってもよい。これらジエン系ゴムは単独で使用してもよく.上述のように混合してもよい。また混合されるゴムの種類も限定されない。
【0017】
使用した老化防止剤は先述の6cであるが、これに限定されることはない。また、加硫促進剤はN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(以下、NSと略記)を使用したが、これに限定されるものではない。
比較例1は、前記ゴム成分に対しカーボンN550を50phr配合したものである。カーボンN550はタイヤゴムに通常使用されるカーボンブラックである。本例はEC600JDを配合しない、通常のタイヤ用ゴム組成物の配合例である。
【0018】
比較例2は比較例1の配合にEC600JDを0.1phr配合したものである。比較例3は前記ゴム成分に対しカーボンN550を30phr、EC600JDを20phr配合したものである。
実施例1は前記ゴム成分に対しカーボンN550を48phr、EC600JDを2phr配合したもの、実施例2は前記ゴム成分に対しカーボンN550を45phr、EC600JDを5phr配合したものである。
これらの組成物を屋外で一週間放置して、変色の程度を評価した。また、それぞれのゴム組成物の引張応力M300、引っ張り強さTB ,伸びEB 、スプリング硬さHS の各ゴム物性も測定し、併せて評価した。これらの結果も表2に示す。
【0019】
【表2】
Figure 0004037513
【0020】
〔評価方法〕上記引張応力M300、引っ張り強さTB ,伸びEB の測定には株式会社島津製作所製のAUTO GRAPH AGS−500Dを用いた。試験片はダンベル状3号形で、その厚みは約2mmである。試験速度は500mm/min 、試験温度は24±2℃の条件で行った。なお、引張応力は伸び300%のときの値である。
またスプリング硬さHS については、JISK6301に従いJIS−A硬度を測定した。変色テスト結果は、それぞれの試験片を屋外で一週間放置した後の目視結果である。試験片が茶変色すれば×、茶変色が起こらなければ◎、ほとんど茶変色が起こらなければ〇、と評価した。
【0021】
〔評価結果〕実施例1、2の変色テストの結果より、ケッチェンブラック、すなわち多孔性カーボンブラックをゴム成分に配合すれば、ゴム組成物の茶変色を防止できることが確認された。
ここにおいて、前記多孔性カーボンブラックの配合量は、タイヤゴムとしての物性に悪影響を及ぼさない範囲内でなければならない。つまり、上記具体例に示すケッチェンブラックを配合したゴム組成物の前記各測定値が、比較例1(通常のタイヤ用ゴム組成物の配合例)のそれと大幅に異なるのは好ましくない。この観点より前記EC600JDを配合したゴム組成物の物性について評価し、併せてケッチェンブラックの配合量について説明する。
【0022】
ケッチェンブラックの配合量(以下、配合量とする)が、先述した所定量0.5〜10phrの範囲内であるとき(実施例1及び2)、表2の物性の各数値には比較例1の各数値と多少の差異がみられるが、タイヤ走行性においては許容範囲内である。
配合量が10phr以上であれば、例えば比較例4のように12phrであれば、変色防止効果はあるが各物性数値が比較例1と大きく異なりタイヤ走行性において好ましくなく、高コストでもある。比較例3のように20phrであれば、この傾向は更に顕著になる。したがって配合量は10phr以下がよい。
【0023】
配合量が先述した所定量以下の場合、例えば比較例2の0.1phr、比較例3の0.3phrとすれば、各測定値は比較例1のそれとほぼ同じで差はほとんどない。しかし期待する変色防止効果はえられないため問題外である。
以上の評価より、ケッチェンブラックの配合量について以下のようにいうことができる。0.5phr以下であれば期待する変色防止効果は得られず、10phr以上であれば、変色防止効果は顕著であるがタイヤの走行性に影響するうえ、高コストである。従ってケッチェンブラックの配合量は0.5〜10phrであることが望ましく、特に1〜5phrが好ましい。
【0024】
なお本発明のタイヤ用ゴム組成物は、自動車用タイヤのトレッド部やサイドウォール部を構成するゴム組成物として使用されるが、特に茶変色が問題となるサイドウォール部において有利である。
【0025】
【発明の効果】
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、多孔性カーボンブラックの配合によりアミン系老化防止剤の表面移行を防止する。従って本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いれば、耐オゾン性や耐酸化性等のゴム物性を低下させることなく、老化防止剤のブルーム現象やタイヤ表面の茶変色を防止し、外観上の美観を保ったタイヤを作成することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rubber composition for tires that prevents the surface migration of an anti-aging agent and wax, which is a cause of brown discoloration on the tire surface, and maintains the appearance of the tire.
[0002]
[Prior art]
In automobile tires, diene rubbers such as natural rubber and butadiene rubber are used as raw rubber. For the purpose of preventing aging of raw rubber by ozone and oxygen, and cracking due to curing due to aging and running, rubber composition containing raw material rubber containing amine-based anti-aging agent, paraffin wax, etc. is used. Yes.
However, these anti-aging agents and waxes tend to cause a bloom phenomenon in a short period of time, and with the passage of time, the tire surface shifts to the tire surface, causing the tire surface to turn brown. A tire that has turned brown will have a very poor appearance and its commercial value will be low. In order to solve this problem, conventionally, a silicon-based coating agent (Japanese Patent Laid-Open No. 60-38205, which is referred to as Conventional Example 1) or an alcohol solution of polyethylene glycol (Japanese Patent Laid-Open No. 63-41203, which has been conventionally used) Example 2) was applied to the tire surface, or a surfactant was blended in the rubber component (Japanese Patent Laid-Open No. 5-194790, which is referred to as Conventional Example 3) to prevent poor appearance. .
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The use of the coating agent has the following problems. Generally, the coating agent is inferior in sustainability of the effect because the tire surface is worn. Further, when the tire is worn, the coating agent is scattered, which adversely affects the environment and is not preferable. In addition, it is necessary to provide a painting process in the tire manufacturing process, which is complicated.
The conventional example 1 has a problem that the bead portion is easily slipped by applying the silicon-based coating material, and the rim of the tire is likely to come off and the safety of the vehicle is lowered. The polyethylene glycol-based coating agent of Conventional Example 2 can prevent brown discoloration of the tire surface while maintaining anti-rim removal performance, but repels the non-polar tire surface due to the polarity due to the OH group. It is difficult to uniformly apply to the surface.
[0004]
The conventional example 3 is also effective, but is insufficient to prevent the tire from being discolored by an anti-aging agent or wax. On the other hand, it is conceivable to suppress the Bloom phenomenon by lowering the blending amount of the anti-aging agent, but a decrease in the anti-aging agent content leads to a decrease in weather resistance, which is not preferable.
The present invention has been made in view of such a technical background, and an object thereof is an additive for maintaining the properties without deteriorating rubber physical properties such as ozone resistance and oxidation resistance. An object of the present invention is to provide a tire rubber composition that prevents a change in the appearance of a tire, such as a bloom phenomenon due to the above, and further maintains this discoloration prevention effect for a long time.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the following measures were taken. That is, in a tire rubber composition in which an amine-based antioxidant and carbon black are mixed with at least one rubber selected from the group consisting of natural rubber and diene-based synthetic rubber, the amine-based antioxidant is further adsorbed. the value of the DBP oil absorption was blended 0.5 to 10 parts by weight with respect to large 300 cm 3/100 g or more in the rubber 100 parts by weight of carbon black than the carbon black in order.
[0006]
Examples of the diene rubber include styrene-butadiene copolymer rubber, synthetic polyisoprene rubber, and butadiene rubber. These diene rubbers may be used alone or in combination, and may be used in combination with natural rubber. .
As the amine-based antioxidant, for example, N-phenyl-N ′-(1,3dimethylbutyl) -p-phenylenediamine, N-phenyl-N′-isopropyl-p-phenylenediamine, and the like are used. As a compounding quantity of an amine type anti-aging agent, it is generally preferable that it is 1-5 weight part with respect to 100 weight part of rubber components.
[0007]
In the present invention, in order to prevent tire tea discoloration due to surface migration of the amine-based antioxidant, a substance capable of adsorbing the amine-based antioxidant (hereinafter referred to as an adsorbed substance) was examined. In the adsorption test, Bincho charcoal (two kinds of coarsely crushed and finely crushed), carbon N330 (one kind of carbon black generally used for tire rubber), silica VN3, and porous carbon black were used as samples. As a result, it was found that the amount of adsorption of the porous carbon black was extremely large, so that the substance was used as an adsorbing substance.
[0008]
Also, the porous carbon black, the DBP oil absorption is adopted what is 300 cm 3/100 g or more. In order to clarify the standard of porosity, the amount of DBP oil supply, which is a factor correlated with the porosity of carbon black, was defined.
DBP oil absorption of carbon black normally used for tire rubber is approximately 100 cm 3/100 g or so. For example DBP oil absorption of the foregoing carbon N330 is 101 cm 3/100 g, DBP oil absorption of the carbon N220 is 115cm 3 / 100g. It is clear from the fact that the surface of the conventional tire is brown-colored that the carbon black has a low adsorption ability of the amine-based antioxidant. Therefore, the DBP oil amount of normal carbon black is not an index of porosity.
[0009]
Also, the value of DBP oil absorption was adopted Ketchen black in the carbon black is 300cm 3 / 100g or more. The Ketchen black is known as the porosity of the carbon black. Was used in the present invention, for example, DBP oil absorption is Ketjen Black EC600JD of 495cm 3 / 100g. In addition to this, for example, DBP oil absorption can be exemplified Ketjen Black EC and the like of 360 cm 3/100 g.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described based on specific examples.
First, in order to prevent the surface migration of the amine-based anti-aging agent of the present invention, the adsorbed substances were examined. The samples used in the adsorption test are Bincho charcoal (two kinds of coarsely crushed and finely crushed), carbon N330, silica VN3, and ketjen black EC600JD as described above.
The adsorption test method will be described below. A methanol solution was prepared by dissolving 1 g of the anti-aging agent N- (1,3-dibutyl) -N′-phenyl-p-phenylenediamine (hereinafter abbreviated as 6c) in 100 · methanol. Absorbent cotton was packed in the funnel, and 10 g of each sample was placed thereon. After thoroughly washing with methanol, the methanol solution 5 was uniformly poured into the sample. Methanol 10 · was further allowed to flow from above, and a solution obtained by diluting the solution 100 times was used as a sample solution.
[0011]
Next, the absorbance at 290 nm of the sample solution was measured. The results are shown in Table 1. The lower the measured value, the more the sample adsorbed 6c. The absorbance of the sample solution passed through Ketjen Black EC600JD was significantly lower than that of the other samples, indicating that the Ketjen Black adsorption ability was extremely superior.
Carbon N330, which is usually used for tire rubber, is found to be more adsorbable than Bincho charcoal and silica, but is clearly inferior to ketjen black. Therefore, it was decided to use ketjen black as a substance that adsorbs amine-based antioxidants.
[0012]
[Table 1]
Figure 0004037513
[0013]
Next, the structure of ketjen black will be described. Ketjen Black has a hollow shell structure in which thin graphite crystals are gathered on the outside (in the present invention, the structure defines the porosity, and the structure similar to or similar to the structure is hereinafter referred to as a porous structure) ). This porous structure is considered to contribute to the high adsorption ability of ketjen black.
Moreover, the large DBP oil supply amount of Ketjen Black is also due to this structure, and the correlation between the DBP oil supply amount and the porosity described above will be explained here. Therefore, carbon black having a large DBP oil supply amount is considered to have the porous structure, and it can be said that the carbon black is porous. Therefore, it is excellent in the adsorption capacity of the amine-based anti-aging agent, and the migration of the inhibitor to the tire surface can be effectively prevented.
[0014]
Therefore, the adsorbing substance used in the present invention is not limited to ketjen black, and may be any porous carbon black having a porous structure and a large DBP oil supply amount.
Here, the DBP oil supply amount that is an index of the porosity of carbon black will be described. The DBP oil absorption amount of the carbon black to be commonly used in tire rubber is approximately 100cm 3 / 100g about. For example DBP oil absorption of the foregoing carbon N330 is 101 cm 3/100 g, DBP oil absorption of the carbon N220 is 115cm 3 / 100g. It is clear from the fact that the surface of the conventional tire is brown-colored that the carbon black has a low adsorption ability of the amine-based antioxidant. The DBP oil absorption of about 100 cm 3/100 g, it can not be said a porous carbon black.
[0015]
Compared with these, the DBP oil supply amount of Ketjen Black is extremely large. For example Ketjen black EC is 360 cm 3/100 g, the EC600JD is 495cm 3 / 100g. It is most desirable that the DBP oil supply amount of the porous carbon black used for the adsorbing material is approximately the same as that of the ketjen black. However, since the DBP oil supply amount has a unique value for each carbon black, it is difficult to clearly define the same degree of degree. In the present invention, therefore, was porous indication that DBP oil absorption is approximately 300 cm 3/100 g or more.
[0016]
Thus as the adsorbent material in the present invention, and the above DBP oil absorption not Ketjenblack only can also be used in the above porous carbon black 300 cm 3/100 g.
Next, a specific rubber composition will be described in detail. Using the ketjen black EC600JD (hereinafter referred to as EC600JD) selected in the above-described process, five types of rubber compositions having the composition shown in Table 2 were prepared (unit: parts by weight). Components other than carbon N550 and EC600JD are all the same, and the blending amounts are all the same. The rubbers used are NR and BR, but are not limited thereto. Diene rubbers such as the styrene-butadiene copolymer rubber and the synthetic polyisoprene rubber described above may be used. These diene rubbers may be used alone. You may mix as mentioned above. The type of rubber to be mixed is not limited.
[0017]
The anti-aging agent used is 6c described above, but is not limited thereto. Further, although N-tert-butyl-2-benzothiazolylsulfenamide (hereinafter abbreviated as NS) was used as a vulcanization accelerator, it is not limited to this.
In Comparative Example 1, 50 phr of carbon N550 was blended with the rubber component. Carbon N550 is carbon black commonly used for tire rubber. This example is a blending example of an ordinary tire rubber composition that does not blend EC600JD.
[0018]
In Comparative Example 2, 0.1 phr of EC600JD was added to the formulation of Comparative Example 1. In Comparative Example 3, 30 phr of carbon N550 and 20 phr of EC600JD were blended with the rubber component.
In Example 1, 48 phr of carbon N550 and 2 phr of EC600JD were blended with the rubber component, and in Example 2, 45 phr of carbon N550 and 5 phr of EC600JD were blended with the rubber component.
These compositions were left outdoors for a week to evaluate the degree of discoloration. Further, the respective rubber physical properties of the tensile stress M300, tensile strength T B , elongation E B , and spring hardness H S of each rubber composition were measured and evaluated together. These results are also shown in Table 2.
[0019]
[Table 2]
Figure 0004037513
[0020]
[Evaluation Method] The above tensile stress M300, tensile strength T B, the measurement of the elongation E B were used AUTO GRAPH AGS-500D manufactured by Shimadzu Corporation. The test piece is dumbbell-shaped No. 3, and the thickness is about 2 mm. The test speed was 500 mm / min and the test temperature was 24 ± 2 ° C. The tensile stress is a value when the elongation is 300%.
As for the spring hardness H S , JIS-A hardness was measured in accordance with JISK6301. The discoloration test result is a visual result after each test piece is left outdoors for a week. The test piece was evaluated as x when the brown color changed, ◎ when no brown color change occurred, and ◯ when almost no brown color change occurred.
[0021]
[Evaluation Results] From the results of the discoloration test in Examples 1 and 2, it was confirmed that brown discoloration of the rubber composition could be prevented by adding ketjen black, that is, porous carbon black, to the rubber component.
Here, the blending amount of the porous carbon black must be within a range that does not adversely affect the physical properties of the tire rubber. That is, it is not preferable that the measured values of the rubber composition containing the ketjen black shown in the above specific examples are significantly different from those of Comparative Example 1 (a typical example of a rubber composition for a tire). From this point of view, the physical properties of the rubber composition blended with the EC600JD are evaluated, and the blending amount of ketjen black is also described.
[0022]
When the blending amount of ketjen black (hereinafter referred to as blending amount) is within the range of the predetermined amount of 0.5 to 10 phr described above (Examples 1 and 2), the numerical values of the physical properties in Table 2 are comparative examples. Although there are some differences from the numerical values of 1, the tire running performance is within an allowable range.
If the blending amount is 10 phr or more, for example, if it is 12 phr as in Comparative Example 4, there is an effect of preventing discoloration, but each physical property value is greatly different from that in Comparative Example 1, which is not preferable in terms of tire running performance and is high in cost. If it is 20 phr like the comparative example 3, this tendency will become more remarkable. Therefore, the blending amount is preferably 10 phr or less.
[0023]
When the blending amount is equal to or less than the above-mentioned predetermined amount, for example, 0.1 phr of Comparative Example 2 and 0.3 phr of Comparative Example 3, each measured value is almost the same as that of Comparative Example 1, and there is almost no difference. However, it is out of the question because the expected discoloration prevention effect cannot be obtained.
From the above evaluation, it can be said as follows about the compounding quantity of ketjen black. If it is 0.5 phr or less, the expected discoloration prevention effect cannot be obtained. If it is 10 phr or more, the discoloration prevention effect is remarkable, but it affects the running performance of the tire and is expensive. Therefore, the amount of ketjen black is desirably 0.5 to 10 phr, and particularly preferably 1 to 5 phr.
[0024]
The tire rubber composition of the present invention is used as a rubber composition constituting a tread portion or a sidewall portion of an automobile tire, and is particularly advantageous in a sidewall portion where brown discoloration is a problem.
[0025]
【The invention's effect】
The rubber composition for tires of the present invention prevents the surface migration of the amine-based anti-aging agent by blending porous carbon black. Therefore, by using the tire rubber composition of the present invention, it is possible to prevent the bloom phenomenon of the anti-aging agent and the brown discoloration of the tire surface without deteriorating the rubber physical properties such as ozone resistance and oxidation resistance. It is possible to create a tire that keeps the same.

Claims (2)

天然ゴム及びジエン系合成ゴムよりなる群の中から選ばれる少なくとも1種のゴムにアミン系老化防止剤およびカーボンブラックを混合したタイヤ用ゴム組成物において、
さらに前記アミン系老化防止剤を吸着するためにDBP給油量の値が前記カーボンブラックよりも大きな300cm 3 /100g以上であるカーボンブラックを前記ゴム100重量部に対し0.5〜10重量部配合した
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
In a tire rubber composition in which an amine anti-aging agent and carbon black are mixed with at least one rubber selected from the group consisting of natural rubber and diene synthetic rubber,
The value of the DBP oil absorption is 0.5 to 10 parts by weight compounded to the rubber 100 parts by weight of carbon black is large 300 cm 3/100 g or more than the carbon black for further adsorbing the amine antioxidant The rubber composition for tires characterized by the above-mentioned.
DBP給油量の値が300cm 3 /100g以上であるカーボンブラックがケッチェンブラックである
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
The tire rubber composition according to claim 1, the values of DBP oil absorption is characterized in that carbon black is 300 cm 3/100 g or more is Ketjenblack.
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