JP4037343B2 - 電子透かしの誤り率推定装置及び方法並びにプログラム - Google Patents

電子透かしの誤り率推定装置及び方法並びにプログラム Download PDF

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この発明は、画像データなどのディジタルデータに秘匿させた電子透かし情報の信頼性を推定する電子透かしの誤り率推定装置、電子透かしの誤り率推定方法及びこれをコンピュータに実行させるプログラムに関するものである。
電子透かし技術のうち、処理対象の画像から取り出した透かし情報が予め定められた所望のオリジナル情報と一致するか否かを判定する方法として、例えば非特許文献1に開示されるものがある。本方法では、処理対象の情報から電子透かし情報を検出するのに必要な情報は既知であるが、実際に電子透かし情報が埋め込まれているかどうかについては未知である。
非特許文献1の電子透かし技術の具体的な処理について説明する。
先ず、処理対象の画像に電子透かし情報が埋め込まれているとすれば、あるディジタル値の透かし信号が繰り返しN回埋め込まれているものとする。また、処理画像からN回分の情報を各々検出することによって、N個のうち、有意(透かし有り)がn(nはN>nの整数)回、無意(透かし無し)が(N−n)個だけ検出されたものとする。ここで、透かし有りとは、検出した情報のビット列がオリジナルの透かし情報のビットパターンと一致したことを指している。
検出結果が有意と判定される確率は、処理対象の画像に電子透かし情報が埋め込まれていない場合であっても、検出結果のディジタルデータについてビット当たり独立に1/2である。そこで、上記方法では、処理対象の画像に電子透かし情報が埋め込まれていないと仮定し、この仮定においてN回のうちn回だけ検出結果が有意、つまり透かし有りと検出される確率を求める。この確率は、検出結果が二項分布に従うと仮定して下記式(1)で表される。
Figure 0004037343
上述したように検出結果ではN回のうちn回は有意である。従って、上記式(1)により算出された値が十分小さければ、電子透かし情報が埋め込まれていないという仮定を棄却することができる。この場合、上記方法では、処理対象の画像に対して電子透かし情報が埋め込まれているものと判定される。また、上記式(1)は、電子透かし情報が埋め込まれていないという仮定が誤っている確率、いわゆる確信度を与えるものでもある。
崔潤基,相澤清晴,"誤り確率に基づく電子透かしの判定法と動画像透かしへの適用",電子情報通信学会論文誌,D−II,pp.1300−1309,2002年8月
従来の電子透かし技術は、処理対象の情報に電子透かし情報が埋め込まれているかどうかを知らないときに、電子透かし情報の有無やその検出結果の信頼性を判断するのには有用である。しかしながら、従来の電子透かし技術は、処理対象の情報から検出したビットパターン自体が誤っている確率を推定するものでない。
このため、上述した従来の方法では、電子透かし情報が埋め込まれていることを知っているが、処理対象の情報から電子透かし情報を検出する際にその内容が誤って検出されたかどうかを正確に判断するのには適していないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、処理対象の情報に電子透かしが埋め込まれていることを知っていることを前提として、当該処理対象の情報から電子透かし情報を検出した結果を用いて、その各ビットの復号結果が誤っている確率(復号誤り率)を推定する電子透かしの誤り率推定装置、電子透かしの誤り率推定方法及びこれをコンピュータに実行させるプログラムを得ることを目的とする。
この発明に係る電子透かしの誤り率推定装置は、電子透かし情報がそのビットパターンを構成するビットごとに複数回繰り返し埋め込まれた処理対象の情報から、当該電子透かし情報を上記ビットごとに埋め込まれた回数分検出する電子透かし検出部と、電子透かし情報の上記埋め込み回数分の検出結果のばらつきを求め、当該検出結果のばらつきから電子透かし情報の上記ビットごとのビット誤り率を推定するビット誤り率推定部と、電子透かし情報の上記ビットごとの上記埋め込み回数分の検出結果と上記ビットごとに推定されたビット誤り率とから上記検出結果の確率的挙動を解析し、当該解析結果として上記埋め込み回数分の検出結果のうち多く検出されたディジタル値で各ビットの値を復号した結果が誤っている復号誤り率を推定する復号誤り率推定部とを備えるものである。
この発明によれば、処理対象の情報からの電子透かし情報の検出結果が誤っている確率をビット誤り率として推定し、当該ビット誤り率の推定値及び検出結果を用いて処理対象の情報から検出した電子透かし情報のビットパターンを構成する各ビットの復号結果が誤っている確率(復号誤り率)を推定するので、処理対象の情報からの電子透かし情報の検出処理の精度をより正確に推定することができるという効果がある。
実施の形態1.
処理対象の情報に電子透かし情報を埋め込む際、採用した電子透かし挿入方式によって電子透かし情報を埋め込むべき処理対象の情報中の部位が規定される。例えば、周波数軸方式では、処理対象の画像や音声データを周波数分解し、特定の周波数成分に対して電子透かし情報の周波数成分が拡散加重される。また、空間軸方式などでは、処理対象の画像データを構成する画素を複数のブロックに分割し、輝度を表すビット情報に対して直接電子透かし情報の成分が付加される。
このような処理対象の情報中の特定の周波数成分や輝度のビット情報が、上述した電子透かし情報を埋め込むべき処理対象の情報中の部位に相当する。ここでは、このような電子透かし挿入方式によって規定される処理対象の情報の部位に電子透かし情報のMビットのビットパターンを構成する各ビットの値がそれぞれN回繰り返し埋め込まれているものとする(M,Nは、正の整数)。
処理対象の情報としては、ディジタルデータで表された静止画、動画、音声、音楽などがある。また、電子透かし情報には、処理対象の情報についての著作権者や利用者の識別情報、著作権者の権利情報、当該情報の利用条件、その利用時に必要な秘密情報、コピー制御情報などがある。
図1は、この発明の実施の形態1による電子透かしの誤り率推定装置の構成を示すブロック図である。図に示すように、誤り率推定装置1は、電子透かし検出回路(電子透かし検出部)2、ビット誤り推定回路(ビット誤り率推定部)3、選択回路4及び誤り率計算回路(復号誤り率推定部)5を備えて構成される。電子透かし検出回路2は、電子透かし挿入方式で規定された処理対象の情報中の部位から電子透かし情報のMビットのビットパターンを構成するビットごとにそれぞれN回検出して復号する。
ビット誤り推定回路3は、電子透かし検出回路2の検出結果についてそのばらつきを算出すると共に、このばらつきから電子透かし情報のビットパターンを構成するビットごとに推定されるビット誤り率(Bit Error Rate;BER)を算出する。ここで、検出結果のばらつきとは、例えば電子透かし情報についての全ての検出回数(M×N)に対して、Mビットの各チャネルのN回検出でディジタル値0,1のうち検出された回数が少なかった方の回数が占める割合を示している。このばらつきについての詳細は後述する。
また、ビット誤り推定回路3が推定するビット誤り率は、電子透かし挿入方式によって規定された処理対象の情報中の部位からの電子透かし情報のビットごとの検出誤り率を推定したものに相当する。選択回路4は、電子透かし検出回路2が復号した電子透かし情報のビットごとの検出結果のうち、所定のビットの結果を選択して誤り率計算回路5に出力する。
誤り率計算回路5は、ビット誤り推定回路3が推定したビット誤り率と、これに対応するビットの検出結果とを用いて、当該ビットを多数決復号した結果が誤っている確率(復号誤り率)の推定値を算出する。なお、電子透かしの誤り率推定装置1は、汎用のパーソナルコンピュータやワークステーションのコンピュータを、電子透かし検出回路2、ビット誤り推定回路3、選択回路4及び誤り率計算回路5として機能させるプログラムを用いて具現化することができる。
次に、図1及び図2に示す電子透かしの誤り率推定処理のフローチャートに沿って、電子透かしの誤り率推定装置1の動作を説明する。なお、処理対象の情報としては、画像データを例に挙げる。また、上述したように、当該画像データには、電子透かし挿入方式によって規定される部位にMビットの電子透かし情報の各ビットの値がそれぞれN回繰り返し埋め込まれているものとする(M,Nは、正の整数)。
また、本発明での電子透かしの誤り率推定方法は、処理対象の情報から電子透かし情報を検出するために必要な全ての情報は既知であるが、Mビットの電子透かし情報の各ビットのディジタル値が0か1かは未知であることを前提としている。
電子透かしの誤り率推定装置1に入力された処理対象の画像データは、ホスト信号として電子透かし検出回路2に入力される(ステップST1)。電子透かし検出回路2は、当該ホスト信号を解析して、電子透かし挿入方式によって規定される部位から電子透かし情報の各ビットのディジタル信号をそれぞれN回検出して復号する(ステップST2)。
次に、電子透かし検出回路2は、電子透かし情報の各ビットのN回検出結果のうち、ディジタル値0が検出された回数ni(i=1,2,3,・・・,M)を抽出し、ビット誤り推定回路3に出力する。ビット誤り推定回路3は、電子透かし検出回路2から(M×N)ビットの検出結果としてniを入力すると、繰り返し埋め込み回数Nを基にして、Mビットの各ビットのN回の検出でディジタル値0,1のうち検出された回数が少なかった方の回数を求める。
例えば、電子透かし情報を構成するk番目のビットについてのN回の検出のうち、ディジタル値0がnk回であると、1が検出された回数は(N−nk)回となる。ここで、nkと(N−nk)のうち少ない方の回数をm(k)と表す。但し、nkと(N−nk)が同数である場合は任意に選ぶものとし、Nが奇数であればnkと(N−nk)のうち少ない方を選ぶものとする。
以上のようにパラメータを設定することで、電子透かし情報についての(M×N)ビットの検出結果におけるm(k)とN−m(k)との関係は、図3のように図示することができる。さらに、(M×N)ビットの検出結果についてのばらつきRを下記式(2)で定義する。
Figure 0004037343
ビット誤り推定回路3は、上記式(2)を用いて(M×N)ビットの検出結果のばらつきRを算出する(ステップST3)。このように、電子透かし情報の各ビットのN回検出処理において少なく検出された方の回数の総和をとり、これの全検出回数(M×N)に対する割合がばらつきRとして求められる。
続いて、ビット誤り推定回路3は、ばらつきRから電子透かし情報の各ビットの検出チャネルでのビット誤り率pを推定する(ステップST4)。ビット誤り率pが十分小さければ、ばらつきRで表される検出結果の誤りの比率がビット誤り率pの推定値となる。一方、ビット誤り率pが大きくなるにつれて、ばらつきRで表される検出結果の誤りの比率からの誤差が大きくなる。そこで、(M×N)ビットの検出結果について二項分布を仮定して、電子透かし情報の各ビットの検出チャネルでのビット誤り率pを用いてばらつきRを下記式(3)のように表す。
Figure 0004037343
上記式(3)では、ばらつきRとビット誤り率pの関係が与えられている。この式はpについて解くことはできないが、ばらつきRをpの単調増加関数として表現している。そこで、ビット誤り推定回路3は、先に求めたばらつきRを上記式(3)に代入し、例えばバイセクション法などを用いてビット誤り率pの推定値を数値として求める。
このように、電子透かし情報の検出結果が二項分布するものと仮定して、検出結果のばらつきを上記式(3)のようなビット誤り率pをパラメータとする関数として表し、この関数から上記電子透かし情報のビットパターンを構成するビットごとのビット誤り率pの推定値を数値として求めることで、正確なビット誤り率pを推定することができる。
ビット誤り推定回路3は、上述のようにして各チャネルのビット誤り率pの推定値を算出すると、これを誤り率計算回路5に出力する。このとき、選択回路4は、電子透かし検出回路2からビット誤り推定回路3に出力される検出結果niのうち、ビット誤り推定回路3が誤り率計算回路5に出力したビット誤り率pに対応するniを選択して誤り率計算回路5に出力する。
誤り率計算回路5では、電子透かし情報のビットごとの検出結果及びこれに対応するビット誤り率pの推定値を用いて上記検出結果の確率的挙動を解析し、この解析結果として電子透かし情報のビットごとに多数決復号した結果の誤り率Peの推定値を算出する(ステップST5)。以下に具体的な処理を説明する。先ず、選択回路4によって電子透かし情報のk番目のビットについての検出結果nk(N回繰り返し検出結果のうち、ディジタル値0が検出された回数)が選択され、ビット誤り推定回路3からk番目のビットについて検出チャネルのビット誤り率pの推定値が誤り率計算回路5に入力されたものとする。
誤り率計算回路5に対して、選択回路4からk番目のビットについての回数nkを入力したものとすると、1が検出された回数は(N−nk)回となる。ここで、N回のうちディジタル値1がm回(即ち、m=(N−nk))、ディジタル値0が(N−m)回(即ち、(N−m)=nk)検出されていたものとする。但し、mは、N>mの正の整数である。
このとき、一般性を失うことなくm<(N−m)とすると、ディジタル値0と検出された回数の方が多いことから、誤り率計算回路5による多数決復号によって、k番目のビットはディジタル値0に復号される。これは、実際にk番目のビットとしてディジタル値0を処理対象の情報に埋め込んで伝送したのであれば復号は正しく、ディジタル値1を埋め込んで伝送したのであれば、当該復号処理は誤っていることとなる。従って、復号結果が誤っている確率Peは、下記式(4)で表される。
Figure 0004037343
但し、P(1|m)は1がm回検出されたという条件のもとで、電子透かし情報の当該ビットの実際の値が1となるという検出結果の確率的挙動を表す条件付確率である。ここで、ベイズの定理を用いて上記式(4)を下記式(5)のように表す。
Figure 0004037343
但し、P(m|1)は1を処理対象の情報に埋め込んで伝送したとき、m回の1が検出されるという検出結果の確率的挙動を表す条件付確率、P(1)は1を処理対象の情報に埋め込んで伝送する確率、P(m)はm回の1が検出される確率である。このように、ベイズの定理を用いて検出結果の確率的挙動を表現することで、復号結果が誤っているという最終的な仮定成立の確率計算に対して、ディジタル値1を処理対象の情報に埋め込んで伝送したとき、m回の1が検出されるというような事前知識を使用することができ、正確な誤り率Peを推定することができる。
ここで、ディジタル値0と1は等確率で伝送されるものと仮定すると、下記式(6)のようになる。
Figure 0004037343
また、上記式(5)のP(m)は、上述した関係式(6)を用いて下記式(7)のように表すことができる。
Figure 0004037343
さらに、上記式(6)と上記式(7)を用いると、上記式(5)は下記式(8)のように表すことができる。このようにして、検出結果の確率的挙動を表す条件付き確率を用いて復号結果が誤っている確率Peを表現することで、検出結果の確率的挙動の解析結果として確率Peを求めることができる。
Figure 0004037343
ここで、P(m|0)とP(m|1)は、二項分布を用いて下記式(9)、式(10)のようにそれぞれ表すことができる。これにより、電子透かし情報の埋め込み回数分の検出結果とビット誤り率pとから検出結果の確率的挙動を表すP(m|0)やP(m|1)を数値として算出することができる。
Figure 0004037343
Figure 0004037343
誤り率計算回路5では、ビット誤り推定回路3からのビット誤り率pとこれに対応するビットについてのN回検出結果とを上記式(8)〜(10)に代入して、上記検出結果の確率的挙動の最終的な解析結果として当該ビットについての復号結果が誤っている確率Peの推定値を算出する。この算出結果の確率Peは、誤り率計算回路5から当該確率Peを利用して電子透かし情報に関する処理を実行する外部の装置に出力される(ステップST6)。
図4は、電子透かし情報の復号結果が誤っている確率Peと電子透かし情報のビットごとの全検出回数のうち少ない方の回数との関係を示すグラフであり、電子透かし情報の検出処理について計算機シミュレーションを実行し、実施の形態1による電子透かしの誤り率推定処理で求めた誤り率の精度を評価したものである。
このシミュレーションは、M=32ビットの電子透かし情報がN=9回繰り返し埋め込まれる電子透かし情報を想定し、そのそれぞれのビットが0.2の確率で誤って検出されるものとして実行した。このとき、上述した実施の形態1による電子透かしの誤り率推定処理を施して、検出者が(32×9)ビットの検出結果を知っているものとして、この結果から32ビットの電子透かし情報の各ビットを9回多数決復号した場合の誤り率を、そのビットのディジタル値0,1の検出比率から推定した。
ここで、図4に示すグラフの横軸は、(32×9)ビットの検出結果においてディジタル値0,1の検出比率を検出回数の少ない方の回数で示したものである。例えば、横軸の数値4は、9回の検出処理においてディジタル値0が4回で1が5回検出されたか、又は、0が5回で1が4回検出されたことを表している。図4のグラフの縦軸は、実施の形態1による電子透かしの誤り率推定処理を施して推定した復号結果についての誤り率(Pe)であり、90%の信頼度の範囲をエラーバーで表示した。例えば、検出回数の少ない方の回数が2のとき、誤り率の推定値の90%は、およそ4×10−4から5×10−3の範囲に入っていることを示す。
図中の実線は、実際の誤り率であり、3×10回の試行における誤り率の平均値である。当該グラフから、本発明の電子透かしの誤り率推定では、検出回数の少ない方の回数が0のときのように最も相対的な誤差が大きい場合であっても、平均値から10±1倍程度の誤差となる精度で推定が可能であることがわかる。この誤差は、電子透かし情報の埋め込み回数を増やすなどして検出結果の数を増やすほど小さくすることができる。
なお、上述した処理では、電子透かし情報の各ビットはN回の検出結果の多いほうに復号される、いわゆる多数決復号又は硬判定による繰り返し復号を採用した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、誤り率計算回路5が、N回の検出ごとにその検出結果の信頼度を算出し、その信頼度に応じた重み付けを行って、誤り率計算回路5が最終的な復号結果を求めるようにしてもよい。このような処理を、繰り返し符号の軟判定復号という。
この軟判定復号は、硬判定復号に比べて復号結果の誤り率を小さくすることが知られている。従って、このことを考慮して、検出結果の信頼度に応じた重み付け処理として、上記式(8)の推定値を軟判定による信頼度に応じたゲインr(>1)で除算して、Pe/rを復号結果についての誤り率の推定値としてもよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、電子透かし情報がそのビットパターンを構成するビットごとに複数回繰り返し埋め込まれた処理対象の情報から、当該電子透かし情報を上記ビットごとに埋め込まれた回数分検出する電子透かし検出回路2と、電子透かし情報の埋め込み回数分の検出結果のばらつきRを求め、当該ばらつきRから電子透かし情報の上記ビットごとのビット誤り率pを推定するビット誤り率推定回路3と、電子透かし情報の上記ビットごとの埋め込み回数分の検出結果と上記ビットごとに推定されたビット誤り率pとから上記検出結果の確率的挙動を解析し、この解析結果として埋め込み回数分の検出結果のうち多く検出されたディジタル値で各ビットの値を復号した結果が誤っている復号誤り率を推定する誤り率計算回路5とを備えるので、処理対象の情報からの電子透かし情報の検出結果自体が誤っている確率をビット誤り率pとして推定し、当該ビット誤り率p及び上記検出結果を用いて処理対象の情報から検出した電子透かし情報のビットパターンを構成する各ビットの復号結果が誤っている確率Peを推定することができる。これにより、処理対象の情報からの電子透かし情報の検出処理の精度をより正確に推定することができる。
また、処理対象の情報から電子透かし情報を検出する処理に依存せず、処理対象の情報から電子透かし情報を検出するために必要な全ての情報が既知であることを前提として、検出結果のばらつきRを用いて電子透かし情報のビットごとの検出誤りであるビット誤り率pの推定値を算出し、電子透かし情報のビットごとの検出結果と当該ビットについてのビット誤り率pとを用いて当該ビットについて確率Peを算出することから、電子透かし挿入方式に依存せず様々な電子透かし技術に適用することが可能である。
さらに、電子透かし情報の検出結果自体の誤りであるビット誤り率pの推定値を算出することから、処理対象の情報からの検出結果に誤りが多くても、この検出結果に誤りがないものとして処理を実行することがない。つまり、ビット誤り率pが高い場合であっても、ビット誤り率pの値を考慮した正確な推定を行うことが可能である。
なお、上記実施の形態1では、検出結果のばらつきRを求める処理と、これを用いてビット誤り率pを求める処理とをビット誤り推定回路3で実行する例を示したが、別個の構成部でそれぞれの処理を実行する構成にしてもよい。
この発明の実施の形態1による電子透かしの誤り率推定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1による電子透かしの誤り率推定装置の動作を示すフローチャートである。 電子透かし情報についての(M×N)ビットの検出結果におけるm(k)とN−m(k)との関係を示す図である。 電子透かし情報の復号結果が誤っている確率Peと電子透かし情報のビットごとの全検出回数のうち少ない方の回数との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 電子透かしの誤り率推定装置、2 電子透かし検出回路(電子透かし検出部)、3 ビット誤り推定回路(ビット誤り率推定部)、4 選択回路、5 誤り率計算回路(復号誤り率推定部)。

Claims (6)

  1. 電子透かし情報がそのビットパターンを構成するビットごとに複数回繰り返し埋め込まれた処理対象の情報から、当該電子透かし情報を上記ビットごとに埋め込まれた回数分検出する電子透かし検出部と、
    上記電子透かし情報の上記埋め込み回数分の検出結果のばらつきを求め、当該検出結果のばらつきから上記電子透かし情報の上記ビットごとのビット誤り率を推定するビット誤り率推定部と、
    上記電子透かし情報の上記ビットごとの上記埋め込み回数分の検出結果と上記ビットごとに推定されたビット誤り率とから上記検出結果の確率的挙動を解析し、当該解析結果として上記埋め込み回数分の検出結果のうちで多く検出されたディジタル値で上記各ビットの値を復号した結果が誤っている復号誤り率を推定する復号誤り率推定部と
    を備えた電子透かしの誤り率推定装置。
  2. ビット誤り率推定部は、電子透かし情報の検出結果が二項分布するものと仮定して、上記検出結果のばらつきをビット誤り率をパラメータとする関数として表し、この関数から上記電子透かし情報のビットパターンを構成するビットごとのビット誤り率の推定値を数値として求めることを特徴とする請求項1記載の電子透かしの誤り率推定装置。
  3. 復号誤り率推定部は、電子透かし情報のビットごとの埋め込み回数分の検出結果にベイズの定理を適用してその確率的挙動を解析し、当該解析結果として上記各ビットについての復号誤り率を推定することを特徴とする請求項1記載の電子透かしの誤り率推定装置。
  4. 復号誤り率推定部は、電子透かし情報を構成するビットパターンのビットごとの埋め込み回数分の検出結果についてその信頼度をそれぞれ算出すると共に、上記ビットごとの上記埋め込み回数分の検出結果と上記ビットごとに推定されたビット誤り率とから推定した結果に上記信頼度に応じた重み付けを施した値を、復号誤り率の推定値として算出することを特徴とする請求項1記載の電子透かしの誤り率推定装置。
  5. プログラムされたコンピュータによって処理対象の情報に埋め込まれた電子透かし情報の誤り率を推定する方法において、
    上記電子透かし情報がそのビットパターンを構成するビットごとに複数回繰り返し埋め込まれた処理対象の情報から、当該電子透かし情報を上記ビットごとに埋め込まれた回数分検出するステップと、
    上記電子透かし情報の上記埋め込み回数分の検出結果のばらつきを求め、当該検出結果のばらつきから上記電子透かし情報の上記ビットごとのビット誤り率を推定するステップと、
    上記電子透かし情報の上記ビットごとの上記埋め込み回数分の検出結果と上記ビットごとに推定されたビット誤り率とから上記検出結果の確率的挙動を解析し、当該解析結果として上記埋め込み回数分の検出結果のうちで多く検出されたディジタル値で上記各ビットの値を復号した結果が誤っている復号誤り率を推定するステップと
    を備えたことを特徴とする電子透かしの誤り率推定方法。
  6. 電子透かし情報がそのビットパターンを構成するビットごとに複数回繰り返し埋め込まれた処理対象の情報から、当該電子透かし情報を上記ビットごとに埋め込まれた回数分検出する電子透かし検出部、
    上記電子透かし情報の上記埋め込み回数分の検出結果のばらつきを求め、当該検出結果のばらつきから上記電子透かし情報の上記ビットごとのビット誤り率を推定するビット誤り率推定部、
    上記電子透かし情報の上記ビットごとの上記埋め込み回数分の検出結果と上記ビットごとに推定されたビット誤り率とから上記検出結果の確率的挙動を解析し、当該解析結果として上記埋め込み回数分の検出結果のうちで多く検出されたディジタル値で上記各ビットの値を復号した結果が誤っている復号誤り率を推定する復号誤り率推定部
    としてコンピュータを機能させるプログラム。
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