JP4034102B2 - Front fork - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二輪車の前輪側に架装されて、前輪に入力される路面振動を吸収するフロントフォークの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
二輪車の前輪側に架装されて、前輪に入力される路面振動を吸収するフロントフォークとしては、従来から種々の提案があるが、その中に、フロントフォークの伸縮作動時における設定の減衰力発生を保障し得るようにした提案がある。
【0003】
すなわち、図5に示すフロントフォークは、懸架バネSの配在下に車体側チューブたるアウターチューブ1に対して車軸側チューブたるインナーチューブ2が出没可能に挿通されると共に、インナーチューブ2の軸芯部に起立するシリンダ3内にアウターチューブ1の軸芯部に垂設されるピストンロッド4の下端側が出没可能に挿通されるとしている。
【0004】
このとき、懸架バネSの上端は、図示しないが、アウターチューブ1の上端側に係止され、また、懸架バネSの下端は、シリンダ3の上端開口を閉塞するヘッド部3aに後述するバネ受を兼ねるフリーピストン6の配在下に担持されるとしている。
【0005】
そして、このフロントフォークは、ピストンロッド4の下端部に連設のピストン部5でシリンダ3内に伸側油室R1と圧側油室R2とを画成し、この伸側油室R1と圧側油室R2がピストン部5を介して相互に連通されると共に、圧側油室R2がシリンダ3外に画成されるリザーバー室Rに連通されるとしている。
【0006】
このとき、ピストン部5には、図示しないが、伸長作動時に作動する伸側減衰バルブと収縮作動時に作動する吸い込みバルブあるいは背圧バルブが配在されていて、フロントフォークの伸長作動時に伸側油室R1からの油が伸側減衰バルブを通過して圧側油室R2に流出することで設定の伸側減衰力が発生するとしている。
【0007】
ちなみに、フロントフォークの収縮作動時には、膨張する伸側油室R1に吸い込みバルブあるいは背圧バルブを介して圧側油室R2からの油が補給される。
【0008】
また、シリンダ3内の下端部には、同じく図示しないが、収縮作動時に作動する圧側減衰バルブと伸長作動時に作動する吸い込みバルブを有するベースバルブ部が配在されていて、フロントフォークの収縮作動時に圧側油室R2からの油が圧側減衰バルブを通過してリザーバー室Rに流出することで設定の圧側減衰力が発生するとしている。
【0009】
ちなみに、フロントフォークの伸長作動時には、圧側油室R2において不足することになる油がベースバルブ部における吸い込みバルブを介してリザーバー室Rから補給される。
【0010】
ところで、このフロントフォークは、リザーバー室Rにおける油中に配在されながら懸架バネSの下端を担持しアウターチューブ1に対してインナーチューブ2が出没する伸縮作動時にシリンダ3内における油圧を保障するフリーピストン6を有するとしている。
【0011】
このとき、フリーピストン6は、環状に形成されていて、外周をインナーチューブ2の内周に摺接させながら内周をピストンロッド4の外周に隙間aを有して対向する筒状ガイドロッド7の外周に摺接させ、懸架バネSの附勢力に抗して上昇し得るように構成されている。
【0012】
その結果、リザーバー室Rは、フリーピストン6の下方側となるリザーバー室R部分と、このフリーピストン6の上方側となるリザーバー室r部分とに、見掛上、分断されることになり、このリザーバー室r部分には、図示しないが、油面を境にしてエア室が画成されるとしている。
【0013】
一方、筒状ガイドロッド7は、シリンダ3の開口端を閉塞する下端側にピストンロッド4の貫通を許容するベアリング部材8と、ピストンロッド4の外周に摺接しながらリザーバー室Rからの油がシリンダ3内に流入することを許容するがその逆流を阻止するチェックシール9とを有するとしている。
【0014】
そして、この筒状ガイドロッド7は、上端近傍にその内外周側の連通を許容する通孔7aを有していて、この通孔7aに上昇してきたフリーピストン6の下方側が連通するときに、フリーピストン6の下方側の油、すなわち、リザーバー室R部分が上記の通孔7aおよび隙間aを介してリザーバー室r部分に流出するとしている。
【0015】
それゆえ、上記したフロントフォークにあっては、アウターチューブ1に対してインナーチューブ2が出没する伸縮作動時に、リザーバー室Rにフリーピストン6を有するがゆえに、このフリーピストン6の下方でシリンダ3の外周側となるリザーバー室R部分における油圧が保障されることになる。
【0016】
すなわち、このリザーバー室R部分は、フロントフォークの伸縮作動時に、懸架バネSで背後側から附勢されているフリーピストン6によって言わば常時加圧状態におかれるから、フリーピストン6の上方側となるリザーバー室r部分、すなわち、油面を境にしてエア室に連通するリザーバー室r部分に比較して、言わば高圧化されていることになる。
【0017】
したがって、このリザーバー室R部分に連通するシリンダ3内の圧側油室R2およびこの圧側油室R2に連通する伸側油室R1における油圧がリザーバー室R部分における加圧の影響を受けて保障されることになる。
【0018】
それゆえ、たとえば、このフロントフォークの収縮作動時に、膨張する伸側油室R1が負圧にならずして、伸側油室R1にバキューム現象を招来させず、したがって、伸側油室R1に油の吸い込み不足を招来しないことになる。
【0019】
その結果、このフロントフォークが反転して伸長作動するときに伸側油室R1に油不足を招来していないから、ピストン部5に配在の伸側減衰バルブを油が通過することで発生される伸側減衰力が設定の通りに発生されることになる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したリザーバー室Rにフリーピストン6を有するフロントフォークにあっては、その組立作業に手間を要する不具合があると指摘される可能性がある。
【0021】
すなわち、上記したフロントフォークの組立時には、フリーピストン6をいわゆる所定位置に落とし込んだ後に懸架バネSを挿入し、この懸架バネSの附勢力でフリーピストン6をシリンダ3のヘッド部3aに定着させるように着座させるとしている。
【0022】
このとき、フロントフォーク内には、必要量の油が注入されているが、組立前のフロントフォークが最伸長状態にあって、したがって、図6中に破線図で示すように、油面Oが筒状ガイドロッド7の縦方向の中間部にあるときには、この状態からフリーピストン6を落とし込むと、同図中に実線図で示すように、フリーピストン6の下方に油面Oを境にしてエアが封じ込められることになる。
【0023】
そして、このエアを封じ込めた状態のままフロントフォークを組み上げることはできないから、このエアを外部に放出させる作業、すなわち、フリーピストン6をいわゆる落とし込んだ後に、懸架バネSを挿入した状態のままあるいは懸架バネSを挿入しない状態のままアウターチューブ1に対してインナーチューブ2を出没させる操作を繰り返し、フリーピストン6の下方に残存するエアを外部に放出させる作業を要することになる。
【0024】
その結果、このフリーピストン6を有するフロントフォークの組立作業にあっては、最終的な組立前に、アウターチューブ1に対してインナーチューブ2を出没させる操作を繰り返すことが必須になり、その組立作業に手間を要することになる不具合がある。
【0025】
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、フリーピストンを有することで所定の機能を発揮し得るようにするのはもちろんであるが、フリーピストンを有するがゆえに組立作業に手間を要しないようにして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるフロントフォークを提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、この発明によるフロントフォークの構成を、基本的には、インナーチューブの軸芯部に起立するシリンダ内にアウターチューブの軸芯部に垂設されるピストンロッドの下端側が懸架バネの配在下に出没可能に挿通され、ピストンロッドの先端に連設のピストン部でシリンダ内に伸側油室と圧側油室とが画成され、この伸側油室と圧側油室がピストン部を介して相互に連通されると共に圧側油室がシリンダ外に画成されるリザーバー室に連通され、かつ、リザーバー室における油中に配在されながら懸架バネの下端を担持してシリンダ内の油圧を保障するフリーピストンを有してなるフロントフォークにおいて、フリーピストンが懸架バネの下端を担持しながらインナーチューブの内周に摺接する外周側体と、この外周側体の内周にこの外周側体の下方から分離可能に嵌合しながらピストンロッドの外周に摺接する内周側体とからなるとする。
【0027】
それゆえ、フロントフォークの組立時には、フリーピストンを構成する内周側体を先にいわゆる落し込むようにし、この内周側体が油中に沈んだことが確認された後に、同じくフリーピストンを構成する外周側体を落とし込むようにすることで、フリーピストンの下方にエアを封じ込めることなく、フリーピストンを所定位置に収装することが可能になる。
【0028】
そして、上記した構成において、より具体的には、シリンダの上端開口をピストンロッドの挿通下に閉塞するヘッド部材がフリーピストンにおける外周側体を担持すると共にシリンダ外と通孔を介して連通しながらフリーピストンを構成する外周側体から分離して下降する内周側体を臨在させる凹部を有してなり、内周側体が凹部に臨在するときにこの内周側体と外周側体との間に通路を形成してなるとする。
【0029】
それゆえ、フリーピストンがヘッド部材に着座しているときで、しかも、このフリーピストンの上方がフリーピストンの下方に比較して異常に高圧化されるときには、このフリーピストンを構成する外周側体がヘッド部材に担持されてそれ以上下降し得ない状態にある一方で、このフリーピストンを構成する内周側体がヘッド部材に形成の凹部内に落ち込むようにして下降し得ることになり、このとき、フリーピストンにおける外周側体と内周側体との間に通路が形成されることになる。
【0030】
その結果、この通路を介してフリーピストンの上方の油圧がこのフリーピストンの下方に解放されることになり、このとき、内周側体を臨在させる凹部が通孔を介してヘッド部材の外側たるリザーバー室に連通することから、フリーピストンの上方から下方に解放された油圧がリザーバー室に解放されることになる。
【0031】
また、ピストンロッドの上端側に介装されて収縮する懸架バネの座屈を阻止するバネガイドの下端に上昇したフリーピストンが隙間を有して対向するときに、このフリーピストンの下方がピストンロッドに形成のバイパス路を介してこのフリーピストンの上方に連通するように設定されてなるとする。
【0032】
それゆえ、フリーピストンの下方に油が溜まり過ぎることになるとき、この溜まり過ぎることになる油がフリーピストンの上方に流出されて、その分、フリーピストンの下方における油が溜まり過ぎが解消されることになる。
【0033】
そしてまた、ピストンロッドの上端側に介装されて収縮する懸架バネの座屈を阻止するバネガイドの下端に上昇したフリーピストンが当接するときに、このフリーピストンを構成する内周側体のそれ以上の上昇が阻止される一方で、このフリーピストンを構成する外周側体が内周側体から分離してさらに上昇するように設定されてなるとする。
【0034】
それゆえ、フリーピストンの下方における異常な高圧化でフリーピストンがバネガイドの下端に当接されるときには、このフリーピストンを構成する内周側体がバネガイドの下端に当接されてそれ以上上昇し得ない状態にある一方で、このフリーピストンを構成する外周側体が内周側体から分離することで、外周側体と内周側体との間に通路が形成されることになる。
【0035】
その結果、この通路を介してフリーピストンの下方の高圧がこのフリーピストンの上方に解放されることになり、その分、フリーピストンの下方における高圧化が解消されることになる。
【0036】
さらに、フリーピストンにおける内周側体がこの内周側体の上方からの油の下方への通過を許容するがこの内周側体の下方からの油の上方への通過を阻止するチェックシールを有してなるとする。
【0037】
それゆえ、フリーピストンが通常の油圧環境で昇降するときには、フリーピストンの上方からの油がチェックシールの内周とピストンロッドの外周との間を挿通してフリーピストンの下方に流入することになり、このとき、チェックシールとピストンロッドとの間の油が潤滑油として機能することになる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるフロントフォークにあっても、基本的には、前記した従来のフロントフォークと同様の構成を有している。
【0039】
それゆえ、以下に図示するところにあって、その構成が前記した従来のフロントフォークと同様となるところについては、図中に同一の符号を付するのみとして、要する場合を除き、その詳しい説明を省略し、以下には、この発明において特徴となるところを中心に説明する。
【0040】
すなわち、この発明によるフロントフォークにあっては、図1に示すように、フリーピストン6が懸架バネSの下端を担持しながらインナーチューブ2の内周に摺接する外周側体61と、この外周側体61の内周にこの外周側体61の下方から分離可能に嵌合しながらピストンロッド4の外周に摺接する内周側体62とからなるとしている。
【0041】
このとき、フリーピストン6を構成する外周側体61および内周側体62は、それぞれ環状に形成されていて、外周側体61に対して内周側体62が下方から嵌合するときに一体化されるとしている。
【0042】
すなわち、内周側体62の下端外周に突出形成された環状リブ部62a(図3参照)が外周側体61の下端内周に形成された環状凹溝61a(図3参照)に嵌合するときに、外周側体61に対して内周側体62が上方に離脱することが阻止されて両者の一体化が実現されるとしている。
【0043】
それゆえ、このフロントフォークにあっては、組立時に、フリーピストン6を構成する内周側体62を先にいわゆる落し込むようにし、この内周側体62が油中に沈んだことが確認された後に、同じくフリーピストン6を構成する外周側体61を落とし込むようにすることで、フリーピストン6の下方にエアを封じ込めることなく、フリーピストン6を所定位置に収装することが可能になる。
【0044】
そして、フロントフォークの組立時にフリーピストン6の下方にエアを封じ込めないから、従来であれば、フリーピストン6を落とし込んだ後に、アウターチューブ1に対してインナーチューブ2を出没させる操作を繰り返してフリーピストン6の下方に残存するエアを外部に放出させる作業を要したことに比較して、この発明では、上記の作業を要しないことになる。
【0045】
また、このフロントフォークにあって、これが伸縮作動しない静止状態にあるときには、図1中に実線図で示すように、フリーピストン6がいわゆる一体化された状態でシリンダ3のヘッド部を構成する後述のヘッド部材31に着座することになる。
【0046】
さらに、このフロントフォークにあって、これが伸縮作動するとき、特に、収縮作動するときには、図1中に仮想線図で示すように、一体化された状態のままインナーチューブ2内で上昇することになる。
【0047】
ちなみに、フリーピストン6にあって、外周側体61の外周には、シール63が介装されていて、インナーチューブ2の内周との間におけるいわゆるシール性を保障している。
【0048】
ところで、このフロントフォークにあっては、シリンダ3の上端開口をピストンロッド4の挿通下に閉塞するヘッド部材31がフリーピストン6における外周側体61を担持するとしている。
【0049】
そして、このヘッド部材31は、シリンダ3の外側、すなわち、リザーバー室Rと通孔31aで連通しながらフリーピストン6を構成する外周側体61から分離して下降する内周側体62を臨在させる凹部31bを有している。
【0050】
それゆえ、このヘッド部材31にあっては、フリーピストン6がヘッド部材31に着座しているときで、しかも、このフリーピストン6の上方がフリーピストン6の下方に比較して異常に高圧化されるときに、図2に示すように、外周側体61を担持してそれ以上下降し得ない状態にする一方で、内周側体62を外周側体61から分離させてヘッド部材31に形成の凹部31b内に落し込むように下降させ得ることになり、このとき、外周側体61と内周側体62との間に通路を形成させることになる。
【0051】
その結果、この通路を介してフリーピストン6の上方の油圧がこのフリーピストン6の下方に解放されることになり、このとき、内周側体62を臨在させる凹部31bが通孔31aを介してヘッド部材31の外側たるリザーバー室Rに連通しているから、フリーピストン6の上方から下方に解放された油圧がリザーバー室Rに解放されることになる。
【0052】
ちなみに、図示するところでは、ヘッド部材31の上端にシート部材32を係止させるように有していて、このシート部材32に上記の外周側体61を着座させるとし、また、このシート部材32の外周をインナーチューブ2の内周に摺接させるとしている。
【0053】
そして、このヘッド部材31にあっては、下端側の軸芯部にピストンロッド4を貫通させているが、このとき、この下端側の内周にバックアップリング8aで背後から附勢された状態で保持されているベアリング部材8をピストンロッド4に摺接させている。
【0054】
一方、図示するフロントフォークにあっては、詳しくは図示しないが、図3に示すように、ピストンロッド4の上端側にバネガイド10を介装させていて、このバネガイド10によって収縮する懸架バネSにおける座屈を阻止するとしている。
【0055】
そして、このバネガイド10を有するフロントフォークが大きいストロークで収縮されるときには、図4に示すように、フリーピストン6がこのバネガイド10の下端に近隣する、すなわち、隙間bを有して対向することになるが、このとき、図示するところでは、このフリーピストン6の下方がピストンロッド4に形成されてバイパス路を構成する上下の通孔4a,4bを介してこのフリーピストン6の上方に連通するとしている。
【0056】
このとき、図示するところでは、上記の上下の通孔4a,4bは、後述するチェックシール9に干渉しない間隔を有するとしており、その一方で、このチェックシール9を内周に有する内周側体62にあっては、チェックシール9の抜け出しを阻止するホルダー11に通孔11aを形成して、このフリーピストン6の下方をバイパス路に連通し得るように配慮している。
【0057】
なお、上記のホルダー11は、内周側体62における下端内周のカシメ加工によって所定位置に定着される環状ストッパ12によって内周側体62の下方への抜け出しが阻止されている。
【0058】
それゆえ、フリーピストン6の下方に油が溜まり過ぎることになるとき、当然油圧も高くなるが、この溜まり過ぎることになる油がフリーピストン6の上方に流出されて、その分、フリーピストン6の下方における油が溜まり過ぎ、すなわち、油圧の高圧化が解消されることになる。
【0059】
また、上記のバネガイド10を有するフロントフォークが大きいストロークで収縮され、しかも、このときの油圧が異常に高い場合には、図3に示すように、フリーピストン6を構成する内周側体62がバネガイド10の下端に当接されてそれ以上上昇し得ない状態におかれる一方で、同じくこのフリーピストン6を構成する外周側体61が内周側体62から分離して上昇し、外周側体61と内周側体62との間に通路を形成することになる。
【0060】
その結果、この通路を介してフリーピストン6の下方の高圧がこのフリーピストン6の上方に解放されることになり、その分、フリーピストン6の下方における高圧化が解消されることになる。
【0061】
以上のように構成されたフリーピストン6にあっては、図4に示すように、このフリーピストン6を構成する内周側体62がその上方からの油の下方への通過を許容するが、その下方からの油の上方への通過を阻止するチェックシール9を有してなるとしている。
【0062】
それゆえ、フリーピストン6が通常の油圧環境下で昇降するときには、フリーピストン6の上方からの油がチェックシール9の内周とピストンロッド4の外周との間を挿通してフリーピストン6の下方に流出することになり、このとき、チェックシール9とピストンロッド4との間の油が潤滑油として機能することになる。
【0063】
前記したところでは、この発明におけるフロントフォークがアウターチューブを車体側チューブとし、インナーチューブを車軸側チューブとする倒立型に設定されているが、この発明の意図するところからすれば、アウターチューブを車軸側チューブとし、インナーチューブを車体側チューブとする正立型に設定されてなるとしても良く、その場合における作用効果も異ならない。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明にあっては、組立時に、フリーピストンを構成する内周側体を先に落し込むようにし、この内周側体が油中に沈んだことが確認された後に、同じくフリーピストンを構成する外周側体を落とし込むようにすることで、フリーピストンの下方にエアを封じ込めることなくして、フリーピストンを所定位置に収装することが可能になる。
【0065】
そして、フロントフォークの組立時にフリーピストンの下方にエアを封じ込めないから、従来であれば、フリーピストンを落とし込んだ後に、アウターチューブに対してインナーチューブを出没させる操作を繰り返してフリーピストンの下方に残存するエアを外部に放出させる作業を要したことに比較して、上記の作業を要しないことになる。
【0066】
また、フロントフォークが伸縮作動しない静止状態にあるときには、フリーピストンがいわゆる一体化された状態でシリンダのヘッド部に着座し、フロントフォークが伸縮作動するときには、一体化された状態のままインナーチューブ内で昇降することになる。
【0067】
そして、請求項2の発明にあっては、フリーピストンがヘッド部材に着座しているときで、しかも、このフリーピストンの上方がフリーピストンの下方に比較して異常に高圧化されるときには、外周側体がヘッド部材に担持されてそれ以上下降し得ない状態になる一方で、内周側体が外周側体から分離してヘッド部材に形成の凹部内に落し込むように下降し得ることになり、このとき、外周側体と内周側体との間に通路を形成されることになる。
【0068】
その結果、この通路を介してフリーピストンの上方の油圧がこのフリーピストンの下方に解放されることになり、このとき、内周側体を臨在させる凹部が通孔を介してヘッド部材の外側たるリザーバー室に連通しているから、フリーピストンの上方から下方に解放された油圧がリザーバー室に解放されることになる。
【0069】
また、請求項3の発明にあっては、フリーピストンの下方に油が溜まり過ぎることになるとき、この溜まり過ぎることになる油がバイパス路を介してフリーピストンの上方に流出されて、その分、フリーピストンの下方における油が溜まり過ぎ、すなわち、油圧の高圧化が解消されることになる。
【0070】
さらに、請求項4の発明にあっては、フリーピストンの下方における異常な高圧化でフリーピストンがバネガイドの下端に当接されるときには、バネガイドの下端に当接されてそれ以上上昇し得ない内周側体から外周側体が分離して上昇することになり、このとき、外周側体と内周側体との間に形成される通路を介してフリーピストンの下方の高圧がフリーピストンの上方に解放されることになり、その分、フリーピストンの下方における高圧化が解消されることになる。
【0071】
そしてさらに、請求項5の発明にあっては、フリーピストンが通常の油圧環境下で昇降するときには、フリーピストンの上方からの油がチェックシールの内周とピストンロッドの外周との間を挿通してフリーピストンの下方に流出することになり、このとき、チェックシールとピストンロッドとの間の油が潤滑油として機能することになる。
【0072】
その結果、この発明によれば、フリーピストンを有することで所定の機能を発揮し得るようにするのはもちろんであるが、フリーピストンを有しても組立作業に手間を要することならず、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるフロントフォークを一部破断して示す部分正面図である。
【図2】フリーピストンが最下降して上下に分離した状態を示す部分縦断面図である。
【図3】フリーピストンが最上昇して上下に分離した状態を示す部分縦断面図である。
【図4】フリーピストンの上下側がバイパス路を介して連通している状態を示す部分拡大縦断面図である。
【図5】従来例としてのフロントフォークを図1と同様に示す図である。
【図6】図5に示すフロントフォークの組立時におけるフリーピストンの状態を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 アウターチューブ
2 インナーチューブ
3 シリンダ
4 ピストンロッド
4a ,4b バイパス路を構成する通孔
5 ピストン部
6 フリーピストン
8 ベアリング部材
8a バックアップリング
9 チェックシール
10 バネガイド
11 ホルダー
11a,31a 通孔
12 環状ストッパ
31 ヘッド部材
31b 凹部
32 シート部材
61 外周側体
62 内周側体
63 シール
R リザーバー室
R1 伸側油室
R2 圧側油室
S 懸架バネ
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an improvement in a front fork that is mounted on a front wheel side of a two-wheeled vehicle and absorbs road surface vibrations input to the front wheel.
[0002]
[Prior art]
There have been various proposals for a front fork that is mounted on the front wheel side of a motorcycle and absorbs road surface vibrations that are input to the front wheel. Among them, a set damping force is generated when the front fork is retracted. There is a proposal to ensure that.
[0003]
That is, in the front fork shown in FIG. 5, the inner tube 2 that is the axle side tube is inserted into the outer tube 1 that is the vehicle body side tube under the arrangement of the suspension spring S so that the inner tube 2 can be projected and retracted. It is assumed that the lower end side of the piston rod 4 suspended from the shaft core portion of the outer tube 1 is inserted into the cylinder 3 standing upright so as to be able to protrude and retract.
[0004]
At this time, although not shown, the upper end of the suspension spring S is locked to the upper end side of the outer tube 1, and the lower end of the suspension spring S is received by a head portion 3 a that closes the upper end opening of the cylinder 3. It is assumed that it is carried under the presence of a free piston 6 that also serves as
[0005]
The front fork defines an extension side oil chamber R1 and a compression side oil chamber R2 in the cylinder 3 with a piston portion 5 connected to the lower end of the piston rod 4, and the extension side oil chamber R1 and the pressure side oil chamber R2. The chamber R2 communicates with each other via the piston portion 5, and the compression side oil chamber R2 communicates with a reservoir chamber R defined outside the cylinder 3.
[0006]
At this time, although not shown in the drawing, the piston portion 5 is provided with an expansion side damping valve that operates during the extension operation and a suction valve or a back pressure valve that operates during the contraction operation. It is assumed that the set extension side damping force is generated by the oil from the chamber R1 passing through the extension side damping valve and flowing into the compression side oil chamber R2.
[0007]
Incidentally, during the contraction operation of the front fork, the expansion side oil chamber R1 is replenished with oil from the compression side oil chamber R2 via the suction valve or the back pressure valve.
[0008]
Although not shown in the drawing, a base valve portion having a pressure side damping valve that operates during contraction operation and a suction valve that operates during extension operation is disposed at the lower end portion of the cylinder 3, and when the front fork is contracted. The oil from the pressure side oil chamber R2 passes through the pressure side damping valve and flows out into the reservoir chamber R, so that a set pressure side damping force is generated.
[0009]
Incidentally, when the front fork is extended, the oil that is insufficient in the compression side oil chamber R2 is replenished from the reservoir chamber R via the suction valve in the base valve portion.
[0010]
By the way, this front fork is free in order to ensure the hydraulic pressure in the cylinder 3 during the expansion and contraction operation that supports the lower end of the suspension spring S while being disposed in the oil in the reservoir chamber R and the inner tube 2 protrudes and retracts with respect to the outer tube 1. It has a piston 6.
[0011]
At this time, the free piston 6 is formed in an annular shape, and the inner periphery has a gap a on the outer periphery of the piston rod 4 while the outer periphery is in sliding contact with the inner periphery of the inner tube 2. opposite It is configured to be brought into sliding contact with the outer periphery of the cylindrical guide rod 7 and to rise against the urging force of the suspension spring S.
[0012]
As a result, the reservoir chamber R is apparently divided into a reservoir chamber R portion below the free piston 6 and a reservoir chamber r portion above the free piston 6. Although not shown, an air chamber is defined in the reservoir chamber r portion with the oil level as a boundary.
[0013]
On the other hand, the cylindrical guide rod 7 has a bearing member 8 that allows the piston rod 4 to pass through to the lower end side that closes the opening end of the cylinder 3, and oil from the reservoir chamber R is in sliding contact with the outer periphery of the piston rod 4. 3 is provided with a check seal 9 that allows the gas to flow into 3 but prevents its backflow.
[0014]
And this cylindrical guide rod 7 has the through-hole 7a which accept | permits the communication of the inner and outer peripheral side in the vicinity of the upper end, and when the lower side of the free piston 6 rising to this through-hole 7a communicates, It is assumed that the oil below the free piston 6, that is, the reservoir chamber R portion flows out to the reservoir chamber r portion through the through hole 7a and the gap a.
[0015]
Therefore, in the above-described front fork, since the free piston 6 is provided in the reservoir chamber R when the inner tube 2 is extended and retracted relative to the outer tube 1, the cylinder 3 is disposed below the free piston 6. The hydraulic pressure in the reservoir chamber R portion on the outer peripheral side is ensured.
[0016]
That is, the reservoir chamber R portion is always in a pressurized state by the free piston 6 urged from the back side by the suspension spring S during the expansion and contraction operation of the front fork. In other words, the pressure is higher than that of the reservoir chamber r portion, that is, the reservoir chamber r portion communicating with the air chamber with the oil surface as a boundary.
[0017]
Therefore, the hydraulic pressure in the pressure side oil chamber R2 in the cylinder 3 communicating with the reservoir chamber R portion and the extension side oil chamber R1 communicating with the pressure side oil chamber R2 is guaranteed by the influence of pressurization in the reservoir chamber R portion. It will be.
[0018]
Therefore, for example, during the contraction operation of the front fork, the expansion side oil chamber R1 does not become negative pressure, and does not cause a vacuum phenomenon in the expansion side oil chamber R1, and therefore, the expansion side oil chamber R1 There will be no shortage of oil.
[0019]
As a result, when the front fork is reversed and extended, no oil shortage is caused in the expansion side oil chamber R1, and therefore the oil is generated when the oil passes through the expansion side damping valve disposed in the piston portion 5. The extension side damping force is generated as set.
[0020]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the front fork having the free piston 6 in the reservoir chamber R described above, there is a possibility that it may be pointed out that there is a problem that requires time for assembling work.
[0021]
That is, when the front fork is assembled, the suspension spring S is inserted after the free piston 6 is dropped into a so-called predetermined position, and the free piston 6 is fixed to the head portion 3a of the cylinder 3 by the urging force of the suspension spring S. Trying to sit down.
[0022]
At this time, the required amount of oil is injected into the front fork, but the front fork before assembly is in the most extended state. Therefore, as shown by the broken line in FIG. When the free piston 6 is dropped from this state when it is in the middle portion in the longitudinal direction of the cylindrical guide rod 7, air is shown below the free piston 6 with the oil level O as a boundary, as shown by a solid line in the figure. Will be contained.
[0023]
Since the front fork cannot be assembled in a state where the air is contained, the operation of releasing the air to the outside, that is, after the free piston 6 is dropped, the suspension spring S is inserted or suspended. The operation of causing the inner tube 2 to protrude and retract with respect to the outer tube 1 without inserting the spring S is repeated, and the work of releasing the air remaining below the free piston 6 to the outside is required.
[0024]
As a result, in the assembly work of the front fork having the free piston 6, it is essential to repeat the operation of moving the inner tube 2 in and out of the outer tube 1 before final assembly. There is a problem that requires time and effort.
[0025]
The present invention was devised in view of such a current situation. The object of the present invention is to provide a free piston so that a predetermined function can be exhibited. Because it has a piston, it takes time to assemble Don't need Thus, it is to provide a front fork that is optimal for expecting improvement in its versatility.
[0026]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-described object, the front fork according to the present invention basically has a lower end of a piston rod suspended from the axial core portion of the outer tube in a cylinder standing on the axial core portion of the inner tube. The extension side oil chamber and the compression side oil chamber are defined in the cylinder by a piston portion continuously connected to the tip of the piston rod, and the extension side oil chamber and the compression side oil chamber are defined in the cylinder. Are communicated with each other via the piston portion, and the pressure side oil chamber is communicated with a reservoir chamber defined outside the cylinder, and the lower end of the suspension spring is supported while being distributed in the oil in the reservoir chamber. In the front fork having a free piston that ensures the hydraulic pressure inside, the free piston carries the lower end of the suspension spring and slidably contacts the inner periphery of the inner tube; And it consists of an inner circumference side member in sliding contact with the inner periphery of the outer peripheral side member to the outer periphery of the piston rod while fitted in separable from below the outer peripheral side of.
[0027]
Therefore, when assembling the front fork, the inner peripheral body constituting the free piston is first dropped, and after confirming that the inner peripheral body has submerged in the oil, the free piston is also configured. By dropping the outer peripheral side body to be performed, the free piston can be accommodated at a predetermined position without enclosing air below the free piston.
[0028]
In the above configuration, more specifically, the head member that closes the upper end opening of the cylinder under the insertion of the piston rod carries the outer peripheral body of the free piston and communicates with the outside of the cylinder through the through hole. It has a recess that allows the inner periphery side body that is separated from the outer periphery side body that constitutes the free piston to fall, and when the inner periphery side body is exposed to the recess, the inner periphery side body and the outer periphery side body Assume that a passage is formed between them.
[0029]
Therefore, when the free piston is seated on the head member, and when the pressure above the free piston is abnormally high compared to the position below the free piston, the outer peripheral body constituting the free piston is While being supported by the head member and not being able to descend any further, the inner peripheral body constituting this free piston can be lowered so as to fall into the recess formed in the head member. A passage is formed between the outer peripheral side body and the inner peripheral side body of the free piston.
[0030]
As a result, the hydraulic pressure above the free piston is released to the lower side of the free piston through the passage, and at this time, the recess for allowing the inner peripheral body to reside is outside the head member through the through hole. Since it communicates with the reservoir chamber, the hydraulic pressure released from the upper side to the lower side of the free piston is released to the reservoir chamber.
[0031]
In addition, a free piston that rises at the lower end of the spring guide that prevents buckling of the suspension spring that is interposed at the upper end side of the piston rod and contracts Opposite with a gap In some cases, it is assumed that the lower side of the free piston is set to communicate with the upper side of the free piston through a bypass passage formed in the piston rod.
[0032]
Therefore, when the oil is excessively accumulated below the free piston, the excessive oil is discharged to the upper side of the free piston, so that the oil below the free piston is eliminated. It will be.
[0033]
Further, when the raised free piston comes into contact with the lower end of the spring guide, which prevents buckling of the suspension spring interposed and contracted at the upper end side of the piston rod, it exceeds that of the inner peripheral side body constituting this free piston. It is assumed that the outer peripheral side body constituting the free piston is set so as to be further lifted by being separated from the inner peripheral side body.
[0034]
Therefore, when the free piston is brought into contact with the lower end of the spring guide due to abnormally high pressure below the free piston, the inner peripheral body constituting the free piston can be brought into contact with the lower end of the spring guide and can be further raised. On the other hand, when the outer peripheral side body constituting the free piston is separated from the inner peripheral side body, a passage is formed between the outer peripheral side body and the inner peripheral side body.
[0035]
As a result, the high pressure below the free piston is released above the free piston through this passage, and the high pressure below the free piston is eliminated accordingly.
[0036]
Further, a check seal that allows the inner circumferential side body of the free piston to pass downward from the upper side of the inner circumferential side body but prevents passage of oil from the lower side of the inner circumferential side body is provided. Suppose you have it.
[0037]
Therefore, when the free piston moves up and down in a normal hydraulic environment, oil from above the free piston passes between the inner periphery of the check seal and the outer periphery of the piston rod and flows into the lower portion of the free piston. At this time, the oil between the check seal and the piston rod functions as a lubricating oil.
[0038]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described below on the basis of the illustrated embodiment. The front fork according to the present invention basically has the same configuration as the conventional front fork described above.
[0039]
Therefore, in the place shown in the following, where the structure is the same as that of the conventional front fork described above, the same reference numerals are given in the drawing, and detailed explanations thereof will be given unless necessary. In the following, the description will focus on the features of the present invention.
[0040]
That is, in the front fork according to the present invention, as shown in FIG. 1, an outer peripheral side body 61 slidably contacting the inner periphery of the inner tube 2 while the free piston 6 supports the lower end of the suspension spring S, and the outer peripheral side An inner peripheral body 62 is slidably contacted with the outer periphery of the piston rod 4 while being detachably fitted to the inner periphery of the body 61 from below the outer peripheral body 61.
[0041]
At this time, the outer peripheral side body 61 and the inner peripheral side body 62 constituting the free piston 6 are each formed in an annular shape, and are integrated when the inner peripheral side body 62 is fitted to the outer peripheral side body 61 from below. It is going to be made.
[0042]
In other words, the annular rib portion 62a (see FIG. 3) formed to protrude from the outer periphery of the lower end of the inner peripheral body 62 is fitted into the annular groove 61a (see FIG. 3) formed at the inner periphery of the lower end of the outer peripheral body 61. Sometimes, the inner peripheral side body 62 is prevented from separating upward from the outer peripheral side body 61, and the integration of both is realized.
[0043]
Therefore, in this front fork, when assembling, the inner peripheral side body 62 constituting the free piston 6 is first dropped, and it is confirmed that the inner peripheral side body 62 is submerged in the oil. After that, by dropping the outer peripheral side body 61 that also constitutes the free piston 6, the free piston 6 can be accommodated at a predetermined position without containing air below the free piston 6.
[0044]
In addition, since air cannot be contained below the free piston 6 when the front fork is assembled, conventionally, after the free piston 6 is dropped, the operation of causing the inner tube 2 to appear in and out of the outer tube 1 is repeated. Compared with the fact that the work of releasing the air remaining below 6 is required, the present invention does not require the above work.
[0045]
Further, when the front fork is in a stationary state in which it does not expand and contract, as shown by a solid line in FIG. 1, the free piston 6 constitutes the head portion of the cylinder 3 in a so-called integrated state, which will be described later. The head member 31 is seated.
[0046]
Further, when this front fork is expanded and contracted, particularly when it is contracted, as shown in a phantom diagram in FIG. 1, the front fork rises in the inner tube 2 while being integrated. Become.
[0047]
Incidentally, in the free piston 6, a seal 63 is interposed on the outer periphery of the outer peripheral side body 61, so that a so-called sealing property with the inner periphery of the inner tube 2 is ensured.
[0048]
By the way, in this front fork, the head member 31 that closes the upper end opening of the cylinder 3 under the insertion of the piston rod 4 supports the outer peripheral body 61 of the free piston 6.
[0049]
And this head member 31 makes the inner peripheral side body 62 which separates and descends from the outer peripheral side body 61 which comprises the free piston 6 exist outside the cylinder 3, ie, the reservoir chamber R, and the communicating hole 31a. A recess 31b is provided.
[0050]
Therefore, in the head member 31, the free piston 6 is seated on the head member 31, and the upper portion of the free piston 6 is abnormally increased in pressure compared to the lower portion of the free piston 6. 2, the outer peripheral body 61 is supported so that it cannot be lowered any more, while the inner peripheral body 62 is separated from the outer peripheral body 61 and formed on the head member 31. In this case, a passage can be formed between the outer peripheral side body 61 and the inner peripheral side body 62.
[0051]
As a result, the hydraulic pressure above the free piston 6 is released to the lower side of the free piston 6 through this passage, and at this time, the recess 31b in which the inner peripheral side body 62 is present is formed through the through hole 31a. Since it communicates with the reservoir chamber R which is the outside of the head member 31, the hydraulic pressure released downward from above the free piston 6 is released to the reservoir chamber R.
[0052]
Incidentally, in the figure, the sheet member 32 is locked to the upper end of the head member 31, and the outer peripheral side body 61 is seated on the sheet member 32. The outer periphery is brought into sliding contact with the inner periphery of the inner tube 2.
[0053]
In the head member 31, the piston rod 4 is passed through the shaft core portion on the lower end side. At this time, the inner periphery on the lower end side is urged from behind by the backup ring 8 a. The retained bearing member 8 is brought into sliding contact with the piston rod 4.
[0054]
On the other hand, in the illustrated front fork, although not shown in detail, as shown in FIG. 3, a spring guide 10 is interposed on the upper end side of the piston rod 4, and the suspension spring S contracted by the spring guide 10. It is supposed to prevent buckling.
[0055]
When the front fork having the spring guide 10 is contracted with a large stroke, the free piston 6 is placed at the lower end of the spring guide 10 as shown in FIG. Neighboring, that is, facing each other with a gap b However, at this time, as shown in the drawing, the lower side of the free piston 6 is formed on the piston rod 4 and communicates with the upper side of the free piston 6 via the upper and lower through holes 4a and 4b constituting the bypass path. If so.
[0056]
At this time, as shown in the drawing, the upper and lower through holes 4a and 4b have an interval that does not interfere with a check seal 9 described later, and on the other hand, an inner peripheral side body having the check seal 9 on the inner periphery. In 62, a through hole 11a is formed in the holder 11 for preventing the check seal 9 from coming out, and consideration is given so that the lower portion of the free piston 6 can communicate with the bypass passage.
[0057]
The holder 11 is prevented from being pulled out downward by the annular stopper 12 fixed at a predetermined position by caulking at the inner periphery of the lower end of the inner periphery body 62.
[0058]
Therefore, when the oil is excessively accumulated below the free piston 6, the oil pressure naturally increases. However, the excessive oil is allowed to flow out above the free piston 6, and the free piston 6 The oil in the lower part is accumulated too much, that is, the increase in the hydraulic pressure is eliminated.
[0059]
Further, when the front fork having the spring guide 10 is contracted with a large stroke and the hydraulic pressure at this time is abnormally high, as shown in FIG. While being placed in a state where the lower end of the spring guide 10 is in contact with the lower end of the spring guide 10, the outer peripheral side body 61 constituting the free piston 6 is separated from the inner peripheral side body 62 and rises. A passage is formed between 61 and the inner peripheral body 62.
[0060]
As a result, the high pressure below the free piston 6 is released above the free piston 6 through this passage, and the high pressure below the free piston 6 is eliminated accordingly.
[0061]
In the free piston 6 configured as described above, as shown in FIG. 4, the inner peripheral side body 62 constituting the free piston 6 allows passage of oil downward from above, The check seal 9 is provided to prevent the oil from passing upward from below.
[0062]
Therefore, when the free piston 6 moves up and down under a normal hydraulic environment, oil from above the free piston 6 passes between the inner periphery of the check seal 9 and the outer periphery of the piston rod 4 and is below the free piston 6. At this time, the oil between the check seal 9 and the piston rod 4 functions as a lubricating oil.
[0063]
As described above, the front fork in the present invention is set in an inverted type in which the outer tube is the vehicle body side tube and the inner tube is the axle side tube. However, from the intent of the present invention, the outer tube is the axle. The side tube may be set upright and the inner tube as the vehicle body side tube, and the operation and effects in that case are not different.
[0064]
【The invention's effect】
As described above, in the invention of claim 1, it is confirmed that the inner peripheral side body constituting the free piston is first dropped during assembly, and the inner peripheral side body is submerged in the oil. After that, by dropping the outer peripheral side body that also constitutes the free piston, the free piston can be accommodated in a predetermined position without enclosing air below the free piston.
[0065]
And, since air cannot be confined below the free piston when the front fork is assembled, conventionally, after dropping the free piston, the operation of retracting the inner tube with respect to the outer tube is repeated to remain below the free piston. Compared to the fact that the work for releasing the air to be discharged to the outside is required, the above work is not required.
[0066]
When the front fork is in a stationary state where it does not expand and contract, the free piston sits on the cylinder head in a so-called integrated state. Will go up and down.
[0067]
According to the second aspect of the present invention, when the free piston is seated on the head member, and when the pressure on the upper side of the free piston is abnormally increased compared to the lower side of the free piston, While the side body is supported by the head member and cannot be lowered any more, the inner peripheral side body is separated from the outer peripheral side body and can be lowered so as to fall into the recess formed in the head member. At this time, a passage is formed between the outer peripheral side body and the inner peripheral side body.
[0068]
As a result, the hydraulic pressure above the free piston is released to the lower side of the free piston through the passage, and at this time, the recess for allowing the inner peripheral body to reside is outside the head member through the through hole. Since it communicates with the reservoir chamber, the hydraulic pressure released downward from above the free piston is released to the reservoir chamber.
[0069]
In the invention of claim 3, when the oil is excessively accumulated below the free piston, the excessive oil is allowed to flow out above the free piston through the bypass passage, Therefore, the oil below the free piston is excessively accumulated, that is, the increase in the hydraulic pressure is eliminated.
[0070]
Furthermore, in the invention of claim 4, when the free piston is brought into contact with the lower end of the spring guide due to abnormally high pressure below the free piston, the inner end of the spring guide cannot be further raised due to contact with the lower end of the spring guide. The outer peripheral side body rises separately from the peripheral side body. At this time, the high pressure below the free piston is increased above the free piston through the passage formed between the outer peripheral side body and the inner peripheral side body. Therefore, the high pressure under the free piston is eliminated accordingly.
[0071]
Further, in the invention of claim 5, when the free piston moves up and down in a normal hydraulic environment, oil from above the free piston is inserted between the inner periphery of the check seal and the outer periphery of the piston rod. Thus, the oil flows out below the free piston. At this time, the oil between the check seal and the piston rod functions as a lubricating oil.
[0072]
As a result, according to the present invention, it is possible to perform a predetermined function by having a free piston. It is ideal for expecting improved versatility.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial front view of a front fork according to the present invention, partially broken away.
FIG. 2 is a partial longitudinal sectional view showing a state in which a free piston descends downward and is separated vertically.
FIG. 3 is a partial longitudinal sectional view showing a state in which the free piston is lifted up and separated vertically.
FIG. 4 is a partially enlarged longitudinal sectional view showing a state in which the upper and lower sides of the free piston communicate with each other through a bypass path.
FIG. 5 is a view showing a front fork as a conventional example in the same manner as FIG.
6 is a partial longitudinal sectional view showing a state of a free piston when the front fork shown in FIG. 5 is assembled.
[Explanation of symbols]
1 Outer tube
2 Inner tube
3 cylinders
4 Piston rod
4a, 4b Through-holes constituting bypass path
5 Piston part
6 Free piston
8 Bearing material
8a Backup ring
9 Check seal
10 Spring guide
11 Holder
11a, 31a through hole
12 Annular stopper
31 Head member
31b recess
32 Sheet material
61 outer side
62 Inner circumference side body
63 Seal
R Reservoir chamber
R1 Extension side oil chamber
R2 pressure side oil chamber
S Suspension spring

Claims (5)

インナーチューブの軸芯部に起立するシリンダ内にアウターチューブの軸芯部に垂設されるピストンロッドの下端側が懸架バネの配在下に出没可能に挿通され、ピストンロッドの先端に連設のピストン部でシリンダ内に伸側油室と圧側油室とが画成され、この伸側油室と圧側油室がピストン部を介して相互に連通されると共に圧側油室がシリンダ外に画成されるリザーバー室に連通され、かつ、リザーバー室における油中に配在されながら懸架バネの下端を担持してシリンダ内の油圧を保障するフリーピストンを有してなるフロントフォークにおいて、フリーピストンが懸架バネの下端を担持しながらインナーチューブの内周に摺接する外周側体と、この外周側体の内周にこの外周側体の下方から分離可能に嵌合しながらピストンロッドの外周に摺接する内周側体とからなることを特徴とするフロントフォーク  The piston part that is slidably inserted under the suspension spring and the lower end of the piston rod that is suspended from the shaft part of the outer tube is inserted into the cylinder that stands on the shaft part of the inner tube, and is connected to the tip of the piston rod. Thus, an extension side oil chamber and a pressure side oil chamber are defined in the cylinder. The extension side oil chamber and the pressure side oil chamber are communicated with each other via a piston portion, and the pressure side oil chamber is defined outside the cylinder. In a front fork having a free piston that communicates with a reservoir chamber and that is disposed in oil in the reservoir chamber and supports the lower end of the suspension spring to ensure the hydraulic pressure in the cylinder, the free piston is connected to the suspension spring. An outer peripheral side body that is in sliding contact with the inner periphery of the inner tube while carrying the lower end, and an outer periphery of the piston rod while being detachably fitted to the inner periphery of the outer peripheral side body from below the outer peripheral side body. Front fork, characterized in that consists of an inner circumference side member in sliding contact with the シリンダの上端開口をピストンロッドの挿通下に閉塞するヘッド部材がフリーピストンを構成する外周側体を担持すると共にシリンダ外と通孔を介して連通しながらフリーピストンを構成する外周側体から分離して下降する内周側体を臨在させる凹部を有してなり、この凹部に内周側体が臨在するときにこの内周側体と外周側体との間に通路を形成してなる請求項1に記載のフロントフォーク  The head member that closes the upper end opening of the cylinder under the insertion of the piston rod carries the outer peripheral body constituting the free piston and is separated from the outer peripheral body constituting the free piston while communicating with the outside of the cylinder through the through hole. A recess is formed to allow the inner peripheral side body to descend and the inner peripheral side body is present in the concave portion, and a passage is formed between the inner peripheral side body and the outer peripheral side body. Front fork according to 1 ピストンロッドの上端側に介装されて収縮する懸架バネの座屈を阻止するバネガイドの下端に上昇したフリーピストンが隙間を有して対向するときに、このフリーピストンの下方がピストンロッドに形成のバイパス路を介してこのフリーピストンの上方に連通してなる請求項1に記載のフロントフォークWhen the free piston that has risen at the lower end of the spring guide, which is interposed on the upper end side of the piston rod and prevents the buckling of the suspension spring that contracts, faces with a gap, the lower part of this free piston is formed on the piston rod. The front fork according to claim 1, wherein the front fork communicates with the free piston via a bypass. ピストンロッドの上端側に介装されて収縮する懸架バネの座屈を阻止するバネガイドの下端に上昇したフリーピストンが当接するときに、このフリーピストンを構成する内周側体のそれ以上の上昇が阻止される一方で、このフリーピストンを構成する外周側体が内周側体から分離してさらに上昇し、内周側体と外周側体との間に通路を形成してなる請求項1に記載のフロントフォーク  When the raised free piston comes into contact with the lower end of the spring guide that prevents buckling of the suspension spring that is interposed on the upper end side of the piston rod and contracts, the inner peripheral side body that constitutes the free piston further rises. The outer peripheral side body constituting the free piston is further separated from the inner peripheral side body and further raised, and a passage is formed between the inner peripheral side body and the outer peripheral side body. Listed front forks フリーピストンにおける内周側体がピストンロッドとの間でこの内周側体の上方からの油の下方への通過を許容するがこの内周側体の下方からの油の上方への通過を阻止するチェックシールを有してなる請求項1に記載のフロントフォーク  The inner peripheral body of the free piston allows passage of oil from the upper side of the inner peripheral body to the piston rod, but prevents passage of oil from the lower side of the inner peripheral body. The front fork according to claim 1, further comprising a check seal.
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