JP4031085B2 - ゴルフパターのフェース方向確認装置及びゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法 - Google Patents

ゴルフパターのフェース方向確認装置及びゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフパターを現実に構えた場合にそのフェース方向、すなわち打球方向と直交する方向が正確であるか否かを確認するための装置、及び、ゴルフパターを構えた際にそのフェース方向が視覚的に正確な方向を向くような指標をゴルフパターに形成する方法、及び、前記の指標形成方法によりゴルフパターにフェース方向の指標を形成したゴルフパターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ゴルフパターのフェース方向が、標的であるカップに向う直線に正確に直交するように構えているか否かを確認する装置はなく、カップを設けたマット上にカップに向うラインとそのラインに直交するラインを表示した練習用マットを使用し、前記直交ラインに沿わせて練習することにより、フェース方向が正確な方向に向くように矯正するようにしていた。また、ゴルフパターにおいても打球方向又は打球方向に直交する方向にラインを表示したものが使用されており、このラインをゴルフパターを構える際の目安にしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際のゴルフ場のグリーン上には前記のような指標となる直交ラインは表示されていないため、従来の練習用マットによりいくら練習を重ねても、結局自らの視覚による感覚だけを頼りにしてパターのフェース方向を定めなければならず、前記のような練習方法では到底矯正し得るものではなかった。
【0004】
そして、自らの視覚による感覚だけを頼りにパターのフェース方向を正確に定めることは極めて困難であり、訓練等では到底矯正し得るものではない。その理由は、人間の目が2つあり、しかもその一方が利き目であることに起因する。すなわち、人間が立った状態でカップの方向を見定め、足元にてカップの方向から直交するラインに合せてゴルフパターのフェース方向を定めるには、ゴルフパターのフェースを自分の身長程度の距離を隔てて左の目では左側から、また右の目では右側から見ることになり、しかも肉体的な問題として左右の目の視力の差や視線方向の違いが相俟って、左右の目の視覚の相違によりフェースの方向にずれが生じ、また、利き目と利き目でない目とで見ることにより焦点がそれぞれ異なるため、これによってもフェース方向にずれが生ずることになる。したがって、自分自身が正確に構えているつもりでも、そこには視覚による錯覚が存在し、現実にはフェース方向がカップからの方向と正確に直交したラインには合致しておらず、若干なりともフェース方向が時計回り又は反時計回りにずれているのである。
【0005】
このような理由があるため、パターに打球方向又は打球方向に直交するラインを表示しても、そのラインはパターを打つ人の視覚的感覚が正確であった場合に限って利用でき、そうでない場合には、むしろ正確なショットを妨げるものでさえあった。
【0006】
ちなみにゴルフパターの頂面にフェースライン、すなわちフェース面と頂面との角部によって形成されるラインとは異なる方向にややずらして指標ラインを表示し、フェース方向のずれを修正し得るようにしたパターが考案されているが、やはりフェースラインが目に入るために指標ラインのみを直視してゴルフパターを構えることはできず、しかも両方のラインが見えるために視覚的にバランスを失い、このような指標ラインは逆効果になる場合もあった。
【0007】
本発明者は、長年に亘り鋭意研究を重ね、フェース方向がどの程度ずれているのかを正確に確認できる装置を発明し、また、そのずれにより算出される偏位角からゴルフパターに正確な指標を形成する方法を見出し、さらに単なるラインではなく視覚的な錯覚を利用した指標を形成することにより正規のフェースラインが気にならずに指標のみを直視してゴルフパターを構えることができるゴルフパターを案出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るゴルフパターのフェース方向確認装置は、所定長さを有するマット上の一端側に光線を発する光源を設置し、他端側に光線方向を確認するための反射鏡を設置し、前記光源と反射鏡との間における光源側に反射鏡からの反射光点を検出する透光板を配し、該透光板の前方に打球標的部を配してなるものである。このように構成することにより、前記光源からの光線が反射鏡により光源に向って反射されるように光線方向を調整して前記透光板上に基準光による基準光点を決め、ゴルフパターを光源と反射鏡との間における反射鏡側にて打球標的部に照準を合せて構えた後、光源から光線を発射すれば、ゴルフパターのフェース面に光線が反射して、その反射光が透光板に当って透光板上に反射光による反射光点が検出できるので、反射光点が基準光点と一致していれば、正確なフェース方向で構えていることが確認でき、また、反射光点と基準光点とが不一致であれば、フェース方向が不正確であることが確認でき、しかも反射光点と基準光点との距離の度合によりどの程度不正確であるかを確認することができる。
【0009】
また、本発明に係るゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法は、所定長さを有するマット上の一端側に光線を発する光源を設置し、他端側に光線方向を確認するための反射鏡を設置し、前記光源と反射鏡との間における光源側に反射鏡からの反射光点を検出する透光板を配し、該透光板の前方に打球標的部を配し、前記光源からの光線が反射鏡により光源に向って反射されるように光線方向を調整して前記透光板上に基準光による基準光点を決めた後、ゴルフパターを光源と反射鏡との間における反射鏡側にて打球標的部に照準を合せて構え、そして光源から光線を発射してゴルフパターのフェース面に反射させることにより前記透光板上に反射光による反射光点を検出し、前記基準光点と反射光点との距離を測定することにより、基準光と反射光とがなす偏位角を算出し、この偏位角を修正する仮想フェースラインの指標を形成することにより行なう。このような形成方法を採用することにより、実際的に狂いを修正した仮想フェースラインの指標を形成することができる。
【0010】
さらに本発明に係るゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法として、前記の指標形成方法において、該指標が色彩の変化により形成し、目の錯覚を利用して正規のフェースラインが目立たないようにすることも効果的である。
【0011】
さらにまた、本発明に係るゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法として、前記の指標形成方法において、該指標がパターの形状の変形により形成し、目の錯覚を利用して正規のフェースラインが目立たないようにすることも好適である。
【0012】
そして、本発明に係るゴルフパターは、上記のゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法によりゴルフパターに指標を形成したものである。したがって、現実にパッティングを行う際に、パターにもともと形成されている正規のフェースラインを気にすることなく、仮想フェースラインの指標によって正確なパッティングを行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るゴルフパターのフェース方向確認装置の使用状態を示す斜視図であり、図2は、前記フェース方向確認装置の平面図であり、図3は、前記フェース方向確認装置のIII−III線断面図である。また、図4は、前記のフェース方向確認装置における設定時の光の流れを示す模式図であり、図5は、前記のフェース方向確認装置における使用時の光の流れを示す模式図であり、図6は、実際にパターを構えた際の偏位を示す模式図であり、図7は、ゴルフパターにフェース方向の指標を形成する状態を概略的に示した模式図であり、図8は、ゴルフパターにフェース方向の指標を形成したパターヘッドの部分図である。
【0014】
図1〜図3において、10はゴルフパターのフェース方向確認装置である。該フェース方向確認装置10には、所定長さを有するマット1上の一端側に光線を発する光源2が設置されている。この光源としてはレーザー光線等の直進性の光源を使用するのが適切である。また、マット1上の他端側に光源2から発射された光線の方向が正確であるか否かを確認するための反射鏡3が設置されており、図4に示すように光源2から発射された光線が反射鏡3により光源2に戻るように光源2の光線発射方向を調節する。光源2と反射鏡3との間には、光源側に反射鏡3からの反射光を感知検出する透光板4が配されており、該透光板4は、光源2側の光線は透過し、反射鏡3側の光線は反射するように表面コーティングがなされている。そして、該透光板4の前方には、ゴルフカップ相当径の孔によって打球標的部5が形成されている。なお、マット1は人工芝マットを使用し、ゴルフ状のグリーンの感覚が得られるようにしている。
【0015】
本発明に係るフェース方向確認装置10は上記した構成よりなり、その使用手順は次のとおりである。すなわち、光源2からの光線が反射鏡3により光源2に向って反射されて透光板4上に検出された光線を基準光とし、透光板上における検出点を基準光点とする。そして、図1に示すようにゴルフパター7のヘッド7aを光源と反射鏡との間における反射鏡側のパターセット位置6にて打球標的部5に照準を合せて構える。その後、光源2から光線を発射すれば、パターヘッド7aのフェース面に光線が反射して、その反射光が透光板に当る。そうすると透光板上に反射光による反射光点が検出できる。この際、反射光点が基準光点と一致していれば、正確なフェース方向で構えていることが確認できる。また、反射光点と基準光点とが不一致であれば、フェース方向が不正確であることが確認できる。このとき反射光点と基準光点との距離の度合によりどの程度不正確であるかを確認することができる。
【0016】
上記のようにフェース方向確認装置を構成した結果、ゴルファーはパターを構えるだけで瞬時にゴルフパターのフェース方向が正確であるか否かを確認することができ、またどの程度不正確かも容易に判断することができるので、パターのフェース方向を矯正する練習具として使用することができる。また、パターのフェース方向を矯正せず、次に述べる方法により、パターの構えが不正確であってもパターのフェース方向を正確にすることができるようにパター自体を着色または変形するための測定装置としても使用することができる。
【0017】
図5は、反射光点と基準光点とが不一致の状態を模式的に表わしたものであり、反射光点から基準光点までの距離を測定してこれをXとし、パターヘッドの位置から透光板までの距離を測定してこれをLとすれば、式tanθ=X/Lにより基準光と反射光とがなす偏位角θが算出できる。そしてこの算出された偏位角θは、図6に示すように前記基準光に直交するフェースラインとゴルフパターを構えた際の正規のフェースラインとの偏位角θとなり、図7に示すようにこの偏位角を修正する仮想フェース面の指標線aを表示する。この指標線aは、ゴルファー個々のパッティング技術及び視力に基づいて形成したものであるから、現実に即して正確である。そして、図7における指標線aの左側の偏位角領域bを例えば芝生の色に近い色彩に着色し、指標線aの右側の領域は目に鮮かに映る色彩に着色する。このようにすれば視覚による錯覚によって仮想フェース面の指標線aに基いてパターフェースを構えるようになるため、正規のフェース面は基準光すなわち打球方向と直交する状態で構えるようになるので、ゴルフボールを打とうとする方向に正確なショットができる。なお、偏位角領域bを目立たない色彩に着色して視覚による錯覚を起させるようにしてもよい。このようにして色彩の変化による指標が形成できる。
【0018】
なお、上記のように色彩による錯覚ではなく、図8に示すように形状の変化による視覚的な錯覚を起させるようにしてもよい。すなわち、指標線aに沿って下方の1部を明確に切断した後、正規のフェース面に対してなだらかな曲面をもって連続させ、このなだらかな曲面により正規のフェースラインが目立たないようにし、前記の切断部による明瞭な形状線があたかも正規のフェースラインの如く錯覚を起させるようにしてもよい。
【0019】
このように指標の形成方法により指標を形成したゴルフパターは、現実にパッティングを行う際に、パターにもともと形成されているフェース面を気にすることなく、仮想フェース面の指標によって正確なパッティングを行なうことができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のゴルフパターのフェース方向確認装置によると、ゴルファーはパターを構えるだけで瞬時にゴルフパターのフェース方向が正確か否かを確認することができ、またどの程度不正確かも容易に判断できるので、パターのフェース方向を矯正する練習具として使用できることはもちろん、パターのフェース方向を矯正せず、パターの構えが不正確であってもパターのフェース方向を正確にすることができるようにパター自体を着色または変形させるための指標を設定する測定装置としても使用することができる。
【0021】
本発明の請求項2に記載のゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法によれば、請求項1に記載のフェース方向確認装置を使用してフェース方向の狂いを測定し、計算により指標を形成するラインを算出できるので便利であり、形成された指標が実際に即していて正確であるという利点がある。
【0022】
本発明の請求項3に記載のゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法は、色彩による目の錯覚を利用する指標の形成方法であり、また請求項4に記載のゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法はパターの形状の変化による指標の形成方法であるから、パターの正規のフェースラインが気にならずにパッティングを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴルフパターのフェース方向確認装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るゴルフパターのフェース方向確認装置の平面図である。
【図3】本発明に係るゴルフパターのフェース方向確認装置のIII−III線断面図である。
【図4】本発明に係るゴルフパターのフェース方向確認装置における設定時の光の流れを示す模式図である。
【図5】本発明に係るゴルフパターのフェース方向確認装置における使用時の光の流れを示す模式図である。
【図6】実際にパターを構えた際の偏位を示す模式図である。
【図7】本発明に係るものであって、ゴルフパターにフェース方向の指標を形成する状態を概略的に示した模式図である。
【図8】本発明に係るものであって、ゴルフパターにフェース方向の指標を形成したパターヘッドの部分図である。
【符号の説明】
1……マット
2……光源
3……反射鏡
4……透光板
5……打球標的部
6……パターセット位置
7……ゴルフパター
7a……パターヘッド
10……ゴルフパターのフェース方向確認装置
a………指標線
b………偏位角領域
X………反射光点から基準光点までの距離
L………パターヘッドの位置から透光板までの距離
θ………偏位角

Claims (4)

  1. 所定長さを有するマット上の一端側に光線を発する光源を設置し、他端側に光線方向を確認するための反射鏡を設置し、前記光源と反射鏡との間における光源側に反射鏡からの反射光点を検出する透光板を配し、該透光板の前方に打球標的部を配してなることを特徴とするゴルフパターのフェース方向確認装置。
  2. 所定長さを有するマット上の一端側に光線を発する光源を設置し、他端側に光線方向を確認するための反射鏡を設置し、前記光源と反射鏡との間における光源側に反射鏡からの反射光点を検出する透光板を配し、該透光板の前方に打球標的部を配し、前記光源からの光線が反射鏡により光源に向って反射されるように光線方向を調整して前記透光板上に基準光による基準光点を決めた後、ゴルフパターを光源と反射鏡との間における反射鏡側にて打球標的部に照準を合せて構え、そして光源から光線を発射してゴルフパターのフェース面に反射させることにより前記透光板上に反射光による反射光点を検出し、前記基準光点と反射光点との距離を測定することにより、基準光と反射光とがなす偏位角を算出し、この偏位角を修正する仮想フェースラインの指標を形成することを特徴とするゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法。
  3. 請求項2におけるゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法において、該指標が色彩の変化により形成することを特徴とするゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法。
  4. 請求項2におけるゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法において、該指標がパターの形状の変化により形成することを特徴とするゴルフパターにおけるフェース方向の指標形成方法。
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