JP4029932B2 - Shaft-like heated object heating device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軸状被加熱物を熱処理するのに利用される軸状被加熱物の加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸状被加熱物を熱処理するに当たり、図5(A)に示すような基本構成を有する装置が使用される場合がある。図中Wは軸状被加熱物、80は軸状被加熱物Wの全体を加熱する多段ヒータ、90は多段ヒータ80を構成するヒータ81、82、83への電力量を各々調節するため電力調節部である。まず、ヒータ81、82、83の全てに交流を通電すると、軸状被加熱物Wの外表面が予備加熱される。このときの軸状被加熱物Wの軸方向の温度パターンは図5(B)に示す通りである。その後、ヒータ81、82、83に与える各電力をこの順番で順次最大に変化させると、軸状被加熱物Wの外表面上の最高ピーク点が順番に移行する。このときの軸状被加熱物Wの軸方向の温度パターンは図5(C)に示す通りである。このような過程を経て軸状被加熱物が熱処理される(関連する装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。)
【0003】
【特許文献1】
特開平6−69141号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヒータ81、82、83を上下方向に並べた構造の多段ヒータ80を用いて軸状被加熱物Wを加熱している以上、ヒータ81、82、83に与える電力をこの順番に最大にしても、軸状被加熱物Wの表面上の最高温度点が図5(C)に示す通り軸方向に一定とはならずヒータ81、82、83のピッチ間隔に応じて波うつ形になる。即ち、軸状被加熱物W上の最高温度点を軸方向に連続的に推移させることが不可能であり、この点が軸状被加熱物Wに対して所望の熱処理を行う上で大きな問題となっている。
【0005】
本発明は上記した背景の下で創作されたものであり、その目的とするところは、従来装置に内在する問題を抜本的に解消することが可能な軸状被加熱物の加熱装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の軸状被加熱物の加熱装置は、軸状被加熱物の全体をその周りから間接的に加熱する円筒状抵抗発熱体と、円筒状抵抗発熱体をその周りから誘導加熱する誘導円形コイルと、誘導円形コイルを円筒状抵抗発熱体に沿って連続的に相対移動させる移動機構とを備えており、円筒状抵抗発熱体を予め直接抵抗加熱したときの温度に比べて高い温度に誘導円形コイルを用いて部分的に誘導加熱させ、この状態で移動機構を動作させ、これを通じて軸状被加熱物上の最高温度領域を軸方向に連続的に推移させる構成となっている。
【0007】
具体的には、軸状被加熱物の全体をその周りから間接的に加熱するカーボン製の円筒状抵抗発熱体と、円筒状抵抗発熱体を不活性ガス又は減圧の下に置くために円筒状抵抗発熱体を収容する石英菅と、石英菅外に配置されており且つ円筒状抵抗発熱体をその周りから誘導加熱する誘導円形コイルと、誘導円形コイルを円筒状抵抗発熱体及び石英菅に沿って連続的に相対移動させる移動機構とを備えており、円筒状抵抗発熱体を予め直接抵抗加熱したときの温度に比べて高い温度に誘導円形コイルを用いて部分的に誘導加熱させ、この状態で移動機構を動作させ、これを通じて軸状被加熱物上の最高温度領域を軸方向に連続的に推移させる構成にすると良い。
【0008】
好ましくは、円筒状抵抗発熱体上における誘導円形コイル直下の誘導加熱領域の幅を狭くするためのシールドリングが誘導円形コイルの反移動方向側の付近に配設されており、移動機構を用いてシールドリングを円筒状抵抗発熱体に対して誘導円形コイルとともに相対移動させる構成にすることが望ましい。この場合、誘導円形コイルに対するシールドリングの位置関係が調整可能な構成にすることがより望ましい。
【0009】
本発明の別の軸状被加熱物の加熱装置は、軸状被加熱物の全体をその周りから間接的に加熱する円筒状抵抗発熱体と、円筒状抵抗発熱体をその周りから誘導加熱する誘導円形コイルと、誘導円形コイルの反移動方向側の付近に配設され且つ円筒状抵抗発熱体に向けてその周りから冷却媒体を噴射する環状冷却ジャケットと、誘導円形コイル及び環状冷却ジャケットを円筒状抵抗発熱体に沿って連続的に相対移動させる移動機構とを備えており、円筒状抵抗発熱体を予め直接抵抗加熱したときの温度に比べて高い温度に誘導円形コイルを用いて部分的に誘導加熱させ、この状態で移動機構及び環状冷却ジャケットを動作させ、これを通じて軸状被加熱物上の最高温度領域を軸方向に連続的に推移させる構成となっている。
【0010】
具体的には、円筒状抵抗発熱体として二珪化モリブデン製のものを用いるようにすると良い。
【0011】
好ましくは、環状冷却ジャケットは電磁シールドに適した素材を用いて作製されており、円筒状抵抗発熱体上における誘導円形コイル直下の誘導加熱領域の幅を狭くするためのシールドリングを兼ねるようにすることが望ましい。この場合、誘導円形コイルに対する環状冷却ジャケットの位置関係が調整可能な構成にすることがより望ましい。
【0012】
上記した軸状被加熱物の加熱装置の円筒状抵抗発熱体は、より好ましくは、放熱し易い箇所の付近の部分の厚みがそれ以外の部分に比べて薄くするようにすることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は第1の実施の形態を説明するための図であって、(A)は軸状被加熱物の加熱装置の模式的構成図、(B)は軸状被加熱物の軸方向の温度パターンを示す図である。
【0014】
第1の実施の形態に係る軸状被加熱物の加熱装置は図1に示すような構成となっている。同装置は、軸状被加熱物Wの全体をその周りから間接的に加熱するカーボン製の円筒状抵抗発熱体10と、円筒状抵抗発熱体10を不活性ガス(ここでは窒素ガス等を用いている)下に置くために円筒状抵抗発熱体10を収容する透明の石英菅1と、石英菅1外に配置されており且つ円筒状抵抗発熱体10をその周りから誘導加熱する誘導円形コイル20と、誘導円形コイル20を円筒状抵抗発熱体10及び石英菅1に沿って連続的に移動させる移動機構30とを備えている。最も特徴的であるのは、円筒状抵抗発熱体10を予め直接抵抗加熱したときの温度に比べて高い温度に誘導円形コイル20を用いて部分的に誘導加熱させ、この状態で移動機構30を動作させ、これを通じて軸状被加熱物W上の最高温度領域を軸方向に連続的に推移させる基本構成になっている点である。以下、各部の詳細について説明する。
【0015】
円筒状抵抗発熱体10は、軸状被加熱物Wに比べて大きな内径を有した円筒体であって、ここでは軸状被加熱物Wに比べて若干長いものが用いられている。円筒状抵抗発熱体10の外表面上の上端、下端付近には、商用周波数の単相電流を生成する電源50に接続するための給電端子11、12が設けられている。給電端子11、12は円筒状抵抗発熱体10の全体に均一した電流が流れるように図1中に示すように円筒状抵抗発熱体10の軸芯を基準とした対称位置に配置されている。
【0016】
円筒状抵抗発熱体10としてカーボン製のものを用いたのは、低温域から高温域にかけての電気的特性が優れており、誘導円形コイル20により誘導加熱が行われても何ら支障がないので、同装置には最も理想的な発熱体だからである。ここでは軸状被加熱物Wを1000℃以上の高温で熱処理することを想定しており、このような高温で大気中に置いたときには酸化して厚みが薄くなるとともに寿命が極端に短くなることから、ここでは石英菅1の中に配置している。石英菅1内には窒素等の不活性ガスが流されている。
【0017】
なお、石英菅1の内の空気を抜いて軸状被加熱物Wを減圧下で熱処理するようにしてもかまわない。また、円筒状抵抗発熱体10自体の材質や軸状被加熱物Wの熱処理温度との関係で、円筒状抵抗発熱体10が容易に酸化しないときには石英菅1を省略するようにしても良い。
【0018】
誘導円形コイル20は、円筒状抵抗発熱体10の外径に比べて少し大きな内径を有した環状体であって、ここでは銅製のパイプを円状に湾曲して作製されたものを用いている。移動機構30に連結された状態で、高周波電源30に電気接続されるとともに図外の冷却用配管に接続されている。冷却用配管を通じて供給された冷却水が誘導円形コイル20の内部を流通してその温度上昇が防止されている。
【0019】
移動機構30はボールネジ機構やモータが組み合わされたものであって、モータの回転運動をボールネジ機構により直線運動に変換し、誘導円形コイル20を図示矢印方向に移動させる構成となっている。
【0020】
高周波電源40は円筒状抵抗発熱体10を誘導加熱するための数十KHzの高周波電流を生成するインバータ電源であって、高周波電流を誘導円形コイル20に供給するようになっている。
【0021】
なお、移動機構30、高周波電源40及び電源50に対してシーケンス制御を行うシーケンサ等については図示省略されている。
【0022】
以下、同装置の動作について説明する。まず、円筒状抵抗発熱体10の内部に軸状被加熱物Wを配置する。この状態で、図外のスイッチがオンにされると、電源50が動作する。この結果、円筒状抵抗発熱体10が通電され発熱し(直接抵抗加熱)、円筒状抵抗発熱体10の輻射により軸状被加熱物Wが加熱される(間接抵抗加熱)。即ち、軸状被加熱物Wの予備加熱が行われる。このときの軸状被加熱物10の温度をT1(図1(B)参照)とし、円筒状抵抗発熱体10の温度をT1’(T1’>T1)とする。
【0023】
円筒状抵抗発熱体10に通電してから所定時間経過後に高周波電源40が動作する。この結果、誘導円形コイル20に高周波電流が供給され、円筒状抵抗発熱体10のうち誘導円形コイル20に対向した部分の周辺が誘導加熱される。このときの軸状被加熱物Wの当該部分の周辺の温度をT2(T2>T1)とし(図1(B)参照。)、円筒状抵抗発熱体10の当該部分の周辺の温度をT2’(T2’>T2)とする。このように円筒状抵抗発熱体10を予め直接抵抗加熱したときの温度T1’に比べて高い温度(T2’)に誘導円形コイル20により部分的に誘導加熱される。
【0024】
その後、誘導円形コイル20に高周波電流が供給された状態で、高周波電源40が動作してから所定時間経過後に移動機構30が動作する。この結果、誘導円形コイル20が円筒状抵抗発熱体10に沿って図示矢印の方向に連続的に移動する。すると、円筒状抵抗発熱体10上の最高温度領域(温度T2’)が軸方向に連続的に推移する。これに伴って、軸状被加熱物Wの最高温度領域(温度T2)が軸方向に連続的に推移する。よって、軸状被加熱物Wに対して所望の熱処理(を行うことが可能になる。ここでいう熱処理として、例えば、光ファイバ母材の焼結上の処理等がある。しかも従来装置による場合とは異なり、たとえ誘導円形コイル20に大電流を流したとしても、その構造上、特別な絶縁設計を施す必要がない。
【0025】
なお、高周波電源40や移動機構30を動作させるタイミング、誘導円形コイル20を移動させる速度、その移動のパターン等については、軸状被加熱物W及び円筒状抵抗発熱体10の熱容量等を考慮して適宜設定すれば良い。また、移動機構30により円筒状抵抗発熱体10を軸状被加熱物Wとともに誘導円形コイル20に対して移動させるようにしても良い。さらに、電源50、高周波電源40及び移動機構30を一斉に動作させるようにしても良い。これらの点は後述する第2の実施の形態についても同様である。
【0026】
次に、第1の実施の形態の変形例を図2を参照して説明する。図2(A)は軸状被加熱物の加熱装置の模式的構成図、(B)は軸状被加熱物の軸方向の温度パターンを示す図である。
【0027】
この変形例においては、シールドリング70が誘導円形コイル20の反移動方向側の付近に配設されており、移動機構30を用いてシールドリング70を円筒状抵抗発熱体10に対して誘導円形コイル20とともに移動させるようにしている。
【0028】
シールドリング70は、誘導円形コイル20と略同じ大きさの環状体であって、ここでは銅製のパイプを円状に湾曲して作製されたものを用いており、移動機構30に取り付けられている。具体的には、ボルト等を用いて機構移動機構30に位置調整可能に取り付けられている。これにより誘導円形コイル20に対する環状冷却ジャケット60の位置関係、ここではシールドリング70と誘導円形コイル20との距離間隔が各々調整可能になっている。
【0029】
シールドリング70は、誘導円形コイル20の近くの上方位置に配置されていることから、この付近の電磁界の広がりが抑制され、そのため円筒状抵抗発熱体10上における誘導円形コイル20直下の誘導加熱領域の幅が狭くなり、温度パターンの山が急峻になって改善される(図2(B)参照)。この点で軸状被加熱物Wに対して一層望ましい熱処理を行うことが可能になる。また、軸状被加熱物Wの軸方向の温度パターンについては、誘導円形コイル20に対するシールドリング70の位置関係の調整を通じて微調整することが可能であり、この点でも所望の熱処理を行う上でメリットがある。
【0030】
次に、第1の実施の形態の別の変形例を図3を参照して説明する。図3は軸状被加熱物の加熱装置のうち円筒状抵抗発熱体の断面図である。
【0031】
給電端子11、12には熱伝導の高い銅製の配線ラインが接続されるので、円筒状抵抗発熱体10’のうち給電端子11、12の付近が一番放熱し易いと言える。この変形例においては、円筒状抵抗発熱体10’のうち放熱し易い箇所、即ち、給電端子11、12の付近の部分111、112の厚みがそれ以外の部分に比べて薄くされている。円筒状抵抗発熱体10’には均一に電流が流れるものの、厚みの薄くされた部分は他の部分に比べて発熱量が大きくなるので、結果として、予熱加熱時の円筒状抵抗発熱体10’、ひいては軸状被加熱物Wの軸方向の温度パターンが均一化される。
【0032】
このように予熱加熱時の軸状被加熱物Wの軸方向の温度パターンが均一である状態の下で、上記したように誘導円形コイル20により円筒状抵抗発熱体10’の誘導加熱が行われ、軸状被加熱物Wの最高温度領域(温度T2)が軸方向に連続的に推移することになる。即ち、温度T2が常に安定し、この点で軸状被加熱物Wに対して一層望ましい熱処理を行うことが可能になる。
【0033】
なお、上記変形例においては、円筒状抵抗発熱体10’の内周面を切り欠いて部分111、112としたが、その代わりに外周面に同様の切り欠くようにしてもかまわない。また、円筒状抵抗発熱体10’の内周面のうち温度の低い部分に切り欠きを形成する代わりに、温度が高い部分の内周面又は外周面に突起を形成するようにしてもかまわない。この場合であっても円筒状抵抗発熱体10’の当該部分の断面積が大きくなり、発熱量が他の部分に比べて低下する結果、上記と全く同様の結果が得られる。
【0034】
以下、第2の実施の形態を図4を参照して説明する。図4(A)は軸状被加熱物の加熱装置の模式的構成図、(B)は軸状被加熱物の軸方向の温度パターンを示す図である。
【0035】
第2の実施の形態に係る軸状被加熱物の加熱装置は図4に示すような構成となっている。即ち、軸状被加熱物Wの全体をその周りから間接的に加熱する円筒状抵抗発熱体10’’と、円筒状抵抗発熱体10’’をその周りから誘導加熱する誘導円形コイル20と、誘導円形コイル20の反移動方向側の付近に配設され且つ円筒状抵抗発熱体に向けてその周りから冷却媒体を噴射する環状冷却ジャケット60と、誘導円形コイル20及び環状冷却ジャケット60を円筒状抵抗発熱体10’’に沿って連続的に移動させる移動機構30とを備えている。そして、円筒状抵抗発熱体10’’を予め直接抵抗加熱したときの温度に比べて高い温度に誘導円形コイル20を用いて部分的に誘導加熱させ、この状態で移動機構30及び環状冷却ジャケット60を動作させ、これを通じて軸状被加熱物W上の最高温度領域を軸方向に連続的に推移させる構成となっている。第1の実施の形態と同一部品については同一の部品番号を用いて表して説明を省略し、異なる部分を中心として以下説明する。
【0036】
第2の実施の形態においては、冷却ガスを円筒状抵抗発熱体10’’に直接噴射させていることから、円筒状抵抗発熱体10’’等を石英菅1に入れた状態で加熱することは困難である。そのため、ここでは円筒状抵抗発熱体10’’として大気中で1000℃以上の高温に耐え得る二珪化モリブデン製(ここではMoSi2 に鉄・クロム・アルミを添加して製造されたもの) を用いている。即ち、軸状被加熱物W及び円筒状抵抗発熱体10’’を大気下に置き、この状態で軸状被加熱物W等を加熱するようにようにしている。
【0037】
環状冷却ジャケット60は、誘導円形コイル20と略同じ大きさの環状体であって、ここでは銅製のパイプを円状に湾曲して作製されたものを用いており、誘導円形コイル20と所定間隔を開けて平行になるように移動機構30に取り付け付けられている。具体的には、ボルト等を用いて機構移動機構30に位置調整可能に取り付けられており、これにより誘導円形コイル20に対する環状冷却ジャケット60の位置関係、ここでは環状冷却ジャケット60と誘導円形コイル20との距離間隔が調整可能になっている。
【0038】
環状冷却ジャケット60は、移動機構30に連結された状態で図外の冷却ガス用配管に接続されている。冷却ガス用配管を通じて供給された冷却ガス(ここでは窒素ガス等)が環状冷却ジャケット60の内部を流通し、その内面に周方向に複数形成された噴射口から冷却ガスが円筒状抵抗発熱体10’’に向けて真っ直ぐに噴射するようになっている。
【0039】
冷却ガス用配管の途中に設けられた図外のバルブは上記シーケンサ等により開閉制御され、移動機構30が動作した時点で開状態にされるようになっている。そのため、円筒状抵抗発熱体10’’に対する誘導円形コイル20による誘導加熱と環状冷却ジャケット60の動作による強制冷却とが同時に行われる。
【0040】
環状冷却ジャケット60については、誘導円形コイル20の反移動方向側の上側付近に位置しているので、円筒状抵抗発熱体10’’のうち誘導円形コイル20に対向している現時点の最高温度領域ではなく、その直前の最高温度領域、言い換えると、誘導円形コイル20が通り過ぎて温度が徐々に低下している領域に向けて冷却ガスが噴射され、当該領域が強制冷却される。これにより円筒状抵抗発熱体10’' 上の誘導円形コイル20直下の誘導加熱領域の幅が狭くなる。
【0041】
しかも環状冷却ジャケット60は電磁シールドに適した銅材を用いて作製されており、シールドリングを兼ねていることから、これにより円筒状抵抗発熱体10’’上の誘導円形コイル20直下の誘導加熱領域の幅が更に狭くなる。これらの結果、温度パターンの山が急峻になって改善される(図4(B)参照)。その結果、第1の実施の形態等に比べ、、軸状被加熱物Wに対して一層望ましい熱処理を行うことが可能になる。また、軸状被加熱物Wの軸方向の温度パターンについては、誘導円形コイル20に対する環状冷却ジャケット60の位置関係の調整を通じて微調整することが可能であり、この点でも所望の熱処理を行う上でメリットがある。ここでいう熱処理として、例えば、光ファイバ母材の焼結上の処理等がある。
【0042】
なお、第2の実施の形態においても図3に示す例と全く同様に円筒状抵抗発熱体10’’のうち放熱し易い箇所の厚みをそれ以外の部分に比べて薄くするようにするようにことが望ましい。
【0043】
なお、本発明の軸状被加熱物の加熱装置は第1及び2の実施の形態に限定されず、円筒状抵抗発熱体を予め直接抵抗加熱したときの温度に比べて高い温度に誘導円形コイルを用いて部分的に誘導加熱させ、この状態で移動機構を動作させ、これを通じて軸状被加熱物上の最高温度領域を軸方向に連続的に推移させる構成となっている限り、どのような形態をとっても良く、円筒状抵抗発熱体等の構造、材質、供給電圧等については適宜設計変更すれば良い。
【0044】
【発明の効果】
以上、本発明に係る軸状被加熱物の加熱装置による場合、軸状被加熱物上の最高温度点を軸方向に連続的に推移させることが可能な構成となっているので、軸状被加熱物に対して高品位な熱処理を施すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するための図であって、(A)は軸状被加熱物の加熱装置の模式的構成図、(B)は軸状被加熱物の軸方向の温度パターンを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の変形例を説明するための図であって、(A)は軸状被加熱物の加熱装置の模式的構成図、(B)は軸状被加熱物の軸方向の温度パターンを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の別の変形例を説明するための図であって、円筒状抵抗発熱体の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を説明するための図であって、(A)は軸状被加熱物の加熱装置の模式的構成図、(B)は軸状被加熱物の軸方向の温度パターンを示す図である。
【図5】従来例を説明するための図であって、(A)は軸状被加熱物の加熱装置の模式的構成図、(B)(C)は軸状被加熱物の軸方向の温度パターンを示す図である。
【符号の説明】
W 軸状被加熱物
1 石英菅
10 円筒状抵抗発熱体
20 誘導円形コイル
30 移動機構
40 高周波電源
50 電源[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a heating apparatus for a shaft-shaped heated object that is used for heat-treating a shaft-shaped heated object.
[0002]
[Prior art]
When heat-treating the shaft-shaped object to be heated, an apparatus having a basic configuration as shown in FIG. 5A may be used. In the figure, W is a shaft-shaped object to be heated, 80 is a multi-stage heater for heating the whole of the shaft-shaped object to be heated, 90 is electric power for adjusting the amount of electric power to each of the
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-6-69141 [0004]
[Problems to be solved by the invention]
Maximum However, over the heating of the shaft-like object to be heated W using a multi-stage heater 8 0 structure formed by arranging a
[0005]
The present invention has been created under the above-described background, and an object of the present invention is to provide a heating apparatus for a shaft-like object to be heated that can drastically solve problems inherent in conventional apparatuses. There is.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
A heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated according to the present invention includes a cylindrical resistance heating element that indirectly heats the entire shaft-shaped heating object from the periphery thereof, and an induction circle that induction-heats the cylindrical resistance heating element from the periphery thereof. It has a coil and a moving mechanism that continuously moves the induction circular coil along the cylindrical resistance heating element, and induces the cylindrical resistance heating element to a temperature higher than that when the cylindrical resistance heating element is directly resistance-heated in advance. A circular coil is used for partial induction heating, and the moving mechanism is operated in this state, whereby the maximum temperature region on the axially heated object is continuously shifted in the axial direction.
[0007]
Specifically, a cylindrical resistance heating element made of carbon that indirectly heats the entire shaft-shaped object to be heated from its surroundings, and a cylindrical shape for placing the cylindrical resistance heating element under an inert gas or reduced pressure A quartz cage containing a resistance heating element, an induction circular coil arranged outside the quartz cage and induction-heating the cylindrical resistance heating element from its periphery, and the induction circular coil along the cylindrical resistance heating element and the quartz cage In this state, the cylindrical resistance heating element is partially induction-heated using an induction circular coil to a temperature higher than the temperature when the cylindrical resistance heating element is directly resistance-heated in advance. It is preferable to operate the moving mechanism so that the maximum temperature region on the shaft-shaped object to be heated is continuously shifted in the axial direction.
[0008]
Preferably, a shield ring for narrowing the width of the induction heating region directly under the induction circular coil on the cylindrical resistance heating element is disposed in the vicinity of the side opposite to the movement direction of the induction circular coil. It is desirable that the shield ring be moved relative to the cylindrical resistance heating element together with the induction circular coil. In this case, it is more desirable that the positional relationship of the shield ring with respect to the induction circular coil is adjustable.
[0009]
Another heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated according to the present invention includes a cylindrical resistance heating element that indirectly heats the entire shaft-shaped heating object from the periphery thereof, and induction heating of the cylindrical resistance heating element from the periphery thereof. An induction circular coil, an annular cooling jacket that is disposed in the vicinity of the side opposite to the direction of movement of the induction circular coil and injects a cooling medium from the periphery toward the cylindrical resistance heating element, and the induction circular coil and the annular cooling jacket are cylindrical And a moving mechanism that continuously moves relative to the cylindrical resistance heating element, partially using an induction circular coil at a temperature higher than that when the cylindrical resistance heating element is directly resistance-heated in advance. In this state, the moving mechanism and the annular cooling jacket are operated in this state, and the maximum temperature region on the axially heated object is continuously shifted in the axial direction through this.
[0010]
Specifically, it is preferable that a cylindrical resistance heating element made of molybdenum disilicide is used.
[0011]
Preferably, the annular cooling jacket is made of a material suitable for electromagnetic shielding, and also serves as a shield ring for narrowing the width of the induction heating region immediately below the induction circular coil on the cylindrical resistance heating element. It is desirable. In this case, it is more desirable that the positional relationship of the annular cooling jacket with respect to the induction circular coil is adjustable.
[0012]
More preferably, in the cylindrical resistance heating element of the heating device for the shaft-shaped object to be heated, the thickness in the vicinity of the portion where heat is easily radiated is made thinner than the other portions.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. 1A and 1B are diagrams for explaining the first embodiment, in which FIG. 1A is a schematic configuration diagram of a heating device for a shaft-shaped heated object, and FIG. 1B is an axial view of the shaft-shaped heated material. It is a figure which shows a temperature pattern.
[0014]
The heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated according to the first embodiment has a configuration as shown in FIG. The apparatus uses a cylindrical
[0015]
The cylindrical
[0016]
The reason why the cylindrical
[0017]
Note that the air in the
[0018]
The induction
[0019]
The moving
[0020]
The high
[0021]
Note that a sequencer that performs sequence control on the moving
[0022]
Hereinafter, the operation of the apparatus will be described. First, the shaft-shaped object W is disposed inside the cylindrical
[0023]
The high
[0024]
Thereafter, the moving
[0025]
Note that the timing for operating the high-
[0026]
Next, a modification of the first embodiment will be described with reference to FIG. FIG. 2A is a schematic configuration diagram of a heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated, and FIG. 2B is a diagram illustrating an axial temperature pattern of the shaft-shaped object to be heated.
[0027]
In this modification, the
[0028]
The
[0029]
Since the
[0030]
Next, another modification of the first embodiment will be described with reference to FIG. FIG. 3 is a cross-sectional view of a cylindrical resistance heating element in a heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated.
[0031]
Since the copper wiring lines with high heat conduction are connected to the
[0032]
As described above, the induction heating of the cylindrical
[0033]
In the above modification, the inner peripheral surface of the cylindrical
[0034]
Hereinafter, the second embodiment will be described with reference to FIG. FIG. 4A is a schematic configuration diagram of a heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated, and FIG. 4B is a diagram illustrating an axial temperature pattern of the shaft-shaped object to be heated.
[0035]
The heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated according to the second embodiment has a configuration as shown in FIG. That is, a cylindrical
[0036]
In the second embodiment, since the cooling gas is directly injected onto the cylindrical
[0037]
The
[0038]
The
[0039]
A valve (not shown) provided in the middle of the cooling gas pipe is controlled to be opened and closed by the sequencer or the like, and is opened when the moving
[0040]
Since the
[0041]
In addition, since the
[0042]
Also in the second embodiment, the thickness of the portion that easily radiates heat in the cylindrical resistance heating element 10 '' is made thinner than the other portions, just like the example shown in FIG. It is desirable.
[0043]
In addition, the heating apparatus for the axially heated object of the present invention is not limited to the first and second embodiments, and the induction circular coil is heated to a temperature higher than the temperature when the cylindrical resistance heating element is directly resistance-heated in advance. As long as it has a configuration in which the maximum temperature region on the shaft-shaped object to be heated is continuously shifted in the axial direction through partial induction heating using this, operating the moving mechanism in this state, It may take a form, and the design, structure, material, supply voltage, etc. of the cylindrical resistance heating element etc. may be changed as appropriate.
[0044]
【The invention's effect】
As described above, in the case of the heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated according to the present invention, the maximum temperature point on the shaft-shaped object to be heated can be continuously shifted in the axial direction. High-quality heat treatment can be performed on the heated object.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 is a diagram for explaining a first embodiment of the present invention, in which (A) is a schematic configuration diagram of a heating device for a shaft-shaped object to be heated, and (B) is a shaft-shaped object to be heated. It is a figure which shows the temperature pattern of this axial direction.
FIGS. 2A and 2B are diagrams for explaining a modification of the first embodiment of the present invention, in which FIG. 2A is a schematic configuration diagram of a heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated, and FIG. It is a figure which shows the temperature pattern of the axial direction of a to-be-heated material.
FIG. 3 is a view for explaining another modification of the first embodiment of the present invention, and is a cross-sectional view of a cylindrical resistance heating element.
FIGS. 4A and 4B are diagrams for explaining a second embodiment of the present invention, in which FIG. 4A is a schematic configuration diagram of a heating apparatus for a shaft-shaped object to be heated, and FIG. 4B is a shaft-shaped object to be heated; It is a figure which shows the temperature pattern of this axial direction.
FIGS. 5A and 5B are diagrams for explaining a conventional example, in which FIG. 5A is a schematic configuration diagram of a heating apparatus for an axially heated object, and FIGS. 5B and 5C are axial views of the axially heated object. It is a figure which shows a temperature pattern.
[Explanation of symbols]
W shaft-shaped object to be heated 1
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