JP4028774B2 - Trochoid pump - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インナーロータに僅かの加工を施すことで、キャビテーション或いは脈動等を防止し、流体をスムーズに吸入,吐出させることができるトロコイドポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、自動車等のエンジン潤滑油のポンプとしてトロコイドポンプが広く使用されている。このトロコイドポンプは、図9に示すように、トロコイド歯形のインナーロータ及びアウターロータを備えたものである。このトロコイドポンプは、インナーロータとアウターロータとの噛み合い箇所で両者が密着状態となり、そのために液体送出流時におけるキャビテーションにより引き起こされた気泡が破壊されることによって、送出流中に圧力の突然の変動が起こり得るものであった。
【0003】
そこで、その圧力の突然の変動による影響を防止するとともに、キャビテーション泡がポンプ又はモータの駆動により破壊されないようにするためにデッドスペースが設けられたものが特許2818723号に示されている。これは、トロコイドポンプのインナーロータの歯底面にデッドスペースとして溝が形成されたものである。そして、この溝にキャビテーション泡が集中するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのトロコイドポンプにおいて、インナーロータの歯底面に形成される溝は、キャビテーション泡が集まるように歯底面に局部的に溝が形成されたものであり、適宜の大きさとすることで、歯底面を局部的に削除されたものである。そのために、その溝とした削除箇所には、応力集中がしやすくなり、ひいてはインナーロータの強度を確保することが難しい。また、キャビテーション泡を多量に集中させるために、そのデッドスペースを確保しようとすると溝が大きくなり、インナーロータの歯底面を局部的に大きく削除することとなり、インナーロータの強度の脆弱化が避けられないという課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を行った結果、本発明を、外歯を有するインナーロータと、該インナーロータの外歯と噛み合うトロコイド歯形の内歯を有するアウターロータとからなり、前記インナーロータは、前記アウターロータと適正に噛み合うトロコイド歯形曲線であって,第1歯先を有する第1歯形曲線と、該第1歯形曲線の第1歯底よりも中心側寄りに深く形成された第2歯底を有する第2歯形曲線とから複合されるものとし、前記インナーロータの歯先の形状は前記第1歯形曲線の第1歯先とし、歯底の形状は前記第2歯形曲線の第2歯底としてなるトロコイドポンプとしたことにより、トロコイドポンプにおけるキャビテーションの発生を防止し、振動及び騒音が低減でき、且つ構造が極めて簡単であり、ロータ自体の強度も十分に確保することができ、上記課題を解決したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明のトロコイドポンプは、図1(A)に示すように、一般のトロコイドポンプと同様にケーシング内に形成されたロータ室1にトロコイド歯形のインナーロータ5及びアウターロータ6が内装されている。ロータ室1にはその円周方向に沿ってほぼ外周寄りに吸入ポート2と吐出ポート3とが形成されている。前記吸入ポート2及び吐出ポート3は、ロータ室1の中心に対して左右対称となる位置に形成される。
【0007】
そのインナーロータ5は、歯数においてアウターロータ6よりも一つ少なく、インナーロータ5が一回転すると、アウターロータ6は一歯分遅れて回転する関係となる。このようにインナーロータ5は外方に突出する歯先5a及び内方に凹状の歯底5bを有し、同様にアウターロータ6は内周側より中心側に向かって突出する歯先6a及び凹状の歯底6bを有している。そして、インナーロータ5とアウターロータ6とが常時一箇所で噛み合い、インナーロータ5の歯先5aがアウターロータ6の歯底6bに挿入し、またアウターロータ6の歯先6aがインナーロータ5の歯底5bに挿入する。
【0008】
そして、これらの動作によりインナーロータ5とアウターロータ6との間には、図1(A)に示すように、仕切られた複数の空隙部s,s,…が形成され、回転するインナーロータ5とアウターロータ6により前記吸入ポート2側でその空隙部sが次第に容積を増加しつつ吸入ポート2から流体を吸入し、また吐出ポート3側で空隙部sが次第に容積を減少させつつ、吐出ポート3から流体の吐出を行う(図3参照)。
【0009】
本発明におけるインナーロータ5の形状は、図2(A),(B)に示すように、二つの歯形曲線によって複合されて形成されたものである。その一つは、アウターロータ6のトロコイド歯形に対応する通常のトロコイド歯形を有する形状の曲線であり、以下これを第1歯形曲線Mと称する。該第1歯形曲線Mのみからなるトロコイド曲線は、アウターロータ6との噛み合いが通常のトロコイドの噛み合い関係となる。次に、前記第1歯形曲線Mとともに前記インナーロータ5の外形を構成する別の歯形曲線が存在する。これは、前記第1歯形曲線Mと同じ歯数であるが、異なる形状のトロコイド歯形曲線であり、以下,第2歯形曲線Nと称し、第1歯形曲線Mのみからなるインナーロータ5とした場合よりも内方に深く湾曲する歯底曲線を形成したものである。
【0010】
これらの第1歯形曲線Mと第2歯形曲線Nとを以下に示すように複合してインナーロータ5を構成する。まず、第1歯形曲線Mのピッチ円P上又はそれより内側で第2歯形曲線Nをそれぞれの歯先が一致するように重ね合わせる。このようにして、前記インナーロータ5の外形は、歯先5aが第1歯形曲線Mの第1歯先M1 となり、その歯底5bが第2歯形曲線Nの第2歯底N2 となる。すなわち、そのインナーロータ5の歯先5aが前記アウターロータ6の歯底6bとが接触するときには密着状となる。
【0011】
このように、図2(C)に示すように、インナーロータ5は、その歯先5aの形状は、前記第1歯形曲線Mの第1歯先M1 の形状に倣って形成され、また歯底5bは前記第2歯形曲線Nの第2歯底N2 の形状に倣って形成されたものである。そして、第1歯形曲線Mと第2歯形曲線Nとを複合させてインナーロータ5が構成され、その歯先5aの歯形形状は、ピッチ円Pを基準として前記第1歯形曲線Mの第1歯先M1 が適用され、歯底5bには前記ピッチ円Pより内方に位置する第2歯形曲線Nの第2歯底N2 が適用される。
【0012】
上述した第1歯形曲線Mと第2歯形曲線Nとから構成されるインナーロータ5において、歯底5bの曲線形状は、前記第2歯形曲線Nが使用されることにより、第1歯形曲線Mのみからなるインナーロータ5とした場合よりも内方に深く湾曲する歯底曲線を形成することができる。その結果、前記インナーロータ5の隣接する歯先5a,5aと、前記アウターロータ6の隣接する歯先6a,6aとにより囲まれた範囲の容積,すなわち歯間容積を拡大させることができる。
【0013】
これによって、インナーロータ5の歯底5bと,アウターロータ6の歯先6aとの噛み合い状態において、前記歯底5bは第2歯形曲線Nの第2歯底N1 が使用されているので、三日月形状の拡大空隙部qが構成されることになる。該三日月形状の拡大空隙部qは、アウターロータ6の歯先6aの外周に沿って形成され、且つインナーロータ5の歯底5b側がほぼ引き込むようにして形成されたものである。三日月形状に拡大空隙部qにおいて、三日月形状には、筋,線形状から、ほぼ半月状の形状まで種々存在する。また、アウターロータ6の歯先6aの両側に二つに別れて三日月形状の拡大空隙部qが形成されることもある。その拡大空隙部qには、図4,図5に示すように、吐出ポート3から吸入ポート2に移動する歯間容積への流体の流れ込みを緩やかに導入させる役目を有し、キャビテーションの発生を抑制して、振動や騒音を防止することができるものである。なお、この拡大空隙部qは、前記空隙部sが最小となったときに残った空隙部位ともいえる。
【0014】
しかも、このように歯間容積の拡大箇所が第2歯形曲線Nとの複合によって、歯底5bすべてがほぼトロコイド歯形曲線となるので、拡大空隙部qが従来技術における局部的な矩形状等の溝形状とは異なり、応力集中がほとんど作用することなく、その拡大空隙部q付近のインナーロータ5の歯底5bと、アウターロータ6の歯先6aに均一に作用し、荷重が分散され、その結果、ロータの強度を損なうことが低減でき、強度の確保ができる。
【0015】
その第2歯形曲線Nは、前記第1歯形曲線Mと同じ歯数にしながらも、数多くの歯形曲線を設定することができる。このような種々の第2歯形曲線との複合により、インナーロータ5の歯間容積を所望量に適宜拡大して設定することができる。そのインナーロータ5の歯底5bを第2歯形曲線にすることで、歯底5bを歯形曲線のピッチ円Pより下側の第2歯底N2 とし、第1歯形曲線Mのみによる第1歯底M2 よりも容積を大きく適宜設定できる。
【0016】
本発明におけるインナーロータ5は、歯底5bの歯形曲線を第2歯形曲線又はその近似曲線K(円弧含む)にすることにより、歯底面の周長方向に容積を拡大した歯底面にすることができ、応力集中を防ぎ、ロータ強度を損なうことなく確保することができる。これに対して、従来技術では、歯間容積を単に拡大するために、歯底面のほぼ中心箇所に局部的な溝が形成され、該溝の拡大を行うことになるが、このような局部的な溝の拡大は、歯底面との急激な形状変化箇所が存在し、このような箇所に応力集中が発生しやすく、ひいてはロータ強度の確保が難しくなる。
【0017】
また、インナーロータ5の歯底5bをピッチ円Pの内側に設定して歯間容積を拡大することで、吸入初期から吸入工程全体において流体が滑らかに流動し、その充填性を向上させることができ、ひいてはキャビテーションを抑制することができる。このような歯間容積の拡大において、インナーロータ5の歯底5bに設定される拡大容積を最大容積の3%乃至10%増加させる。この最大容積は、通常のトロコイド歯形曲線によって形成される場合を基準にしたものである。
【0018】
前述したように、その最大容積を3%乃至10%の範囲で増加させることにより、インナーロータ5の回転角に対する容積の変化率が緩やかにできる。図7のグラフは、インナーロータ5の回転角(deg)と容積変化率(%)についての関係を示すものである。このグラフには、容積増加率は、3%,5%及び10%となる3種の新歯形と、従来歯形のものが示されている。このグラフ(図7)に示されているように、10%の増加率となる歯底5b形状のものが最も容積変化率を少なくできる。
【0019】
特に、吸入工程における容積変化率を緩やかにすることができるので、図4,図5に示すように、容積内への流体の流入を徐々に満たすことができ、充填率を向上させることができ、キャビテーションの発生を抑制することができる。従来タイプ(図9参照)のものでは、容積変化率が大きいため、容積内への流体の流入が急激になり、流体が滑らかに流動することができず、充填率が低下し、キャビテーションの発生を抑制することが難しいものであった。
【0020】
そのインナーロータ5の歯底5bには、第2歯形曲線Nの第2歯底N2 の代わりに近似曲線Kが適用されることもある。その近似曲線Kは、図6に示すように真円曲線Kaや、図8に示すように楕円曲線Kb等による曲線が存在する。また、第2歯形曲線Nの第2歯底N2 の最深部と近似曲線Kによる歯底5bとの最深部とが一致していればよい。このように、インナーロータ5の歯底5bを第2歯形曲線N又は該第2歯形曲線Nに近似する近似曲線Kにした場合、簡易曲線形状によりインナーロータ5の歯底5bを形成することができるので、インナーロータ5の金型成形における成形性を容易にすることができる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の発明は、外歯を有するインナーロータ5と、該インナーロータ5の外歯と噛み合うトロコイド歯形の内歯を有するアウターロータ6とからなり、前記インナーロータ5は、前記アウターロータ6と適正に噛み合うトロコイド歯形を構成する第1歯形曲線Mと,該第1歯形曲線Mの歯底面よりも中心側寄りに深く形成された歯底面を有する第2歯形曲線Nとから複合されるものとし、前記インナーロータ5の歯先形状は前記第1歯形曲線Mの歯先形状とし、歯底形状は前記第2歯形曲線Nの歯底形状としてなるトロコイドポンプとしたことにより、流体をスムーズに吸入,吐出させることができ、且つキャビテーション或いは脈動等を防止することができる。
【0022】
上記効果を詳述すると、前記インナーロータ5とアウターロータ6との噛み合い箇所において、拡大空隙部qが形成されるとともに、該拡大空隙部qは、その形状がほぼ三日月形状となるようにしている。該拡大空隙部qの形状は、前記インナーロータ5及びアウターロータ6に対してその外形に適正に馴染むもので、従来のインナーロータの形状に対して極めて僅かに形状が変化するのみである。
【0023】
そのために、前記インナーロータ5及びアウターロータ6ともに動作時に荷重がかかっても応力集中が生じにくいものにすることができる。したがって、本発明のトロコイドポンプによる流体の容積を拡大させることでキャビテーションの発生を抑制することができ、ひいては振動及びそれに伴う騒音を防止し、トロコイドポンプの耐久性を良好なものにできる。
【0024】
さらに、アウターロータ6のトロコイド歯形に適正に噛み合うトロコイド歯形となる第1歯形曲線Mを有するインナーロータ5に対して、歯底面の曲線をそれと異なる第2歯形曲線Nにより、歯底面を内側に位置させることによって、ロータの強度を確保しつつ、ロータの歯間容積の拡大を容易にすることができる。
【0025】
また、インナーロータ5の歯底面における容積拡大は、第2歯形曲線Nのトロコイド歯形形状を種々に変化させて前記第1歯形曲線Mと複合させることにより、適宜設定することが可能である。また、第1歯形曲線と第2歯形曲線との交差位置を第1歯形曲線のピッチ円Pより、内側(歯底側)とすることでインナーロータ5の歯先を残しつつ容積拡大の歯底面を形成することができるので、更にロータの強度を確保することができる。
【0026】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1歯形曲線Mと前記第2歯形曲線Nとの複合によって形成される歯底面に設定される容積は第1歯形曲線Mのみの歯底面に設定される容積の3%乃至10%の増加としてなるトロコイドポンプとしたことにより、最大容積の3%〜10%歯底面の曲線により形成することで、吸入工程における容積変化率を緩やかにすることができる。また、ロータの容積への流体の充填率を向上させることができ、キャビテーションの発生を抑制することができ、脈動を防ぐことができる。
【0027】
請求項3の発明は、請求項2において、前記第2歯形曲線Nの歯底箇所の形状は適宜の近似曲線としてなるトロコイドポンプとしたことにより、異なるトロコイド歯形曲線(第2歯形曲線)に代えて、歯底面箇所の形状を近似した曲線によって、形成することで、形状曲線を簡単にすることができ、作製を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明におけるインナーロータとアウターロータとが噛み合っている状態の正面図
(B)は(A)の拡大空隙部箇所の拡大図
【図2】(A)は第1歯形曲線の正面図
(B)は第2歯形曲線の正面図
(C)は第1歯形曲線と第2歯形曲線とを複合したインナーロータの正面図
【図3】(A)乃至(D)は本発明におけるインナーロータとアウターロータとの回転状態を示す動作図
【図4】(A)はインナーロータとアウターロータとの間に拡大空隙部が構成される直前の要部拡大図
(B)はインナーロータとアウターロータとの間に拡大空隙部が構成された要部拡大図
(C)は拡大空隙部に吸入ポートから流体が入り込む状態の要部拡大図
【図5】(A)はインナーロータとアウターロータとの間に拡大空隙部が構成された最拡大図
(B)は逃げ空隙部に吸入ポートから流体が入り込む状態の最拡大図
【図6】インナーロータの歯底を真円状の近似曲線とした要部拡大図
【図7】本発明の特性を示すグラフ
【図8】インナーロータの歯底を楕円状の近似曲線とした要部拡大図
【図9】従来技術を示す略示図
【符号の説明】
5…インナーロータ
5b…歯底
6…アウターロータ
q…拡大空隙部
M…第1歯形曲線
1 …第1歯先
2 …第1歯底
N…第2歯形曲線
1 …第2歯底面
2 …第2歯底
[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a trochoid pump that can prevent a cavitation or a pulsation by performing a slight process on an inner rotor and can smoothly suck and discharge a fluid.
[0002]
[Prior art]
Currently, trochoid pumps are widely used as pumps for engine lubricating oil for automobiles and the like. As shown in FIG. 9, this trochoid pump includes a trochoidal tooth-shaped inner rotor and outer rotor. In this trochoid pump, both of the inner rotor and outer rotor are brought into close contact with each other, so that bubbles caused by cavitation in the liquid delivery flow are destroyed, causing a sudden change in pressure during the delivery flow. Could happen.
[0003]
Japanese Patent No. 2818723 discloses a dead space in order to prevent the influence of sudden fluctuations in the pressure and prevent the cavitation bubbles from being destroyed by driving the pump or the motor. This is a groove formed as a dead space on the tooth bottom surface of the inner rotor of the trochoid pump. Then, cavitation bubbles are concentrated in this groove.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the trochoid pump, the groove formed on the tooth bottom surface of the inner rotor is a groove formed locally on the tooth bottom surface so that cavitation bubbles gather, and the tooth bottom surface can be locally localized by setting the size appropriately. Has been deleted. For this reason, stress concentration tends to occur in the deleted portion as the groove, and as a result, it is difficult to ensure the strength of the inner rotor. In addition, in order to concentrate a large amount of cavitation bubbles, when trying to secure the dead space, the groove becomes large, and the tooth bottom surface of the inner rotor is largely removed locally, thereby avoiding weakening of the strength of the inner rotor. There is no problem.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Accordingly, as a result of earnest and research conducted by the inventor in order to solve the above-described problems, the present inventor has found that the present invention has an inner rotor having outer teeth and an outer rotor having inner teeth of trochoidal teeth that mesh with the outer teeth of the inner rotor. The inner rotor is a trochoidal tooth profile curve that meshes properly with the outer rotor, and has a first tooth profile curve having a first tooth tip, and closer to the center than the first tooth bottom of the first tooth profile curve. And the shape of the tooth tip of the inner rotor is the first tooth tip of the first tooth profile curve, and the shape of the tooth base is the above-mentioned By adopting the trochoid pump as the second tooth bottom of the second tooth profile curve, cavitation in the trochoid pump can be prevented, vibration and noise can be reduced, and the structure is extremely simple. , The strength of the rotor itself can be sufficiently secured, is obtained by solving the above problems.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. As shown in FIG. 1 (A), the trochoid pump of the present invention has a trochoidal tooth-shaped inner rotor 5 and an outer rotor 6 housed in a rotor chamber 1 formed in a casing in the same manner as a general trochoid pump. In the rotor chamber 1, a suction port 2 and a discharge port 3 are formed substantially along the circumferential direction and closer to the outer periphery. The suction port 2 and the discharge port 3 are formed at positions symmetrical with respect to the center of the rotor chamber 1.
[0007]
The inner rotor 5 is one less in number of teeth than the outer rotor 6, and when the inner rotor 5 rotates once, the outer rotor 6 rotates with a delay of one tooth. Thus, the inner rotor 5 has a tooth tip 5a projecting outward and a concave tooth bottom 5b inward, and the outer rotor 6 similarly has a tooth tip 6a projecting from the inner peripheral side toward the center side and a concave shape. The tooth bottom 6b is provided. The inner rotor 5 and the outer rotor 6 are always meshed at one place, the tooth tip 5a of the inner rotor 5 is inserted into the tooth bottom 6b of the outer rotor 6, and the tooth tip 6a of the outer rotor 6 is the tooth of the inner rotor 5. Insert into bottom 5b.
[0008]
As a result of these operations, a plurality of partitioned gaps s, s,... Are formed between the inner rotor 5 and the outer rotor 6 as shown in FIG. The outer rotor 6 sucks fluid from the suction port 2 while gradually increasing the volume of the gap portion s on the suction port 2 side, and the discharge port 3 while the gap portion s gradually decreases the volume on the discharge port 3 side. 3 discharges fluid (see FIG. 3).
[0009]
As shown in FIGS. 2A and 2B, the shape of the inner rotor 5 in the present invention is formed by combining two tooth profile curves. One of them is a curve having a normal trochoidal tooth profile corresponding to the trochoidal tooth profile of the outer rotor 6, which is hereinafter referred to as a first tooth profile curve M. In the trochoid curve including only the first tooth profile curve M, the meshing with the outer rotor 6 is a normal trochoidal meshing relationship. Next, there is another tooth profile curve that constitutes the outer shape of the inner rotor 5 together with the first tooth profile curve M. This is a trochoidal tooth profile curve having the same number of teeth as the first tooth profile curve M but having a different shape. Hereinafter, the second tooth profile curve N is referred to as the inner rotor 5 consisting only of the first tooth profile curve M. In other words, a root curve that curves deeper inward is formed.
[0010]
These first tooth profile curve M and second tooth profile curve N are combined to form the inner rotor 5 as shown below. First, the second tooth profile curve N is superimposed on the pitch circle P of the first tooth profile curve M or inside thereof so that the respective tooth tips coincide with each other. In this way, the outer shape of the inner rotor 5 is that the tooth tip 5a is the first tooth tip M 1 of the first tooth profile curve M, and the tooth base 5b is the second tooth bottom N 2 of the second tooth profile curve N. . That is, when the tooth tip 5a of the inner rotor 5 comes into contact with the tooth bottom 6b of the outer rotor 6, it is in close contact.
[0011]
Thus, as shown in FIG. 2 (C), the inner rotor 5, the shape of the tooth tip 5a is formed following the first shape of the tip M 1 of the first tooth profile M, also teeth The bottom 5b is formed following the shape of the second tooth bottom N 2 of the second tooth profile curve N. An inner rotor 5 is configured by combining the first tooth profile curve M and the second tooth profile curve N, and the tooth profile of the tooth tip 5a is the first tooth of the first tooth profile curve M on the basis of the pitch circle P. The tip M 1 is applied, and the second tooth bottom N 2 of the second tooth profile curve N located inward of the pitch circle P is applied to the tooth base 5b.
[0012]
In the inner rotor 5 composed of the first tooth profile curve M and the second tooth profile curve N described above, only the first tooth profile curve M can be obtained by using the second tooth profile curve N as the curve shape of the root 5b. It is possible to form a root curve that curves deeper inward than in the case of the inner rotor 5 made of. As a result, the volume of the range surrounded by the adjacent tooth tips 5a, 5a of the inner rotor 5 and the adjacent tooth tips 6a, 6a of the outer rotor 6, that is, the interdental volume can be increased.
[0013]
Thus, the tooth bottom 5b of the inner rotor 5, in the state meshing with the tooth crest 6a of the outer rotor 6, since the tooth bottom 5b and the second tooth bottom N 1 is used in the second tooth profile N, crescent An enlarged gap portion q having a shape is formed. The crescent-shaped enlarged gap portion q is formed along the outer periphery of the tooth tip 6a of the outer rotor 6 and is formed so that the tooth bottom 5b side of the inner rotor 5 is substantially retracted. In the crescent-shaped enlarged space q, the crescent-shaped shape has various shapes ranging from streaks and lines to almost half-moon shaped. Moreover, the crescent-shaped enlarged space | gap part q may be formed in two on both sides of the tooth tip 6a of the outer rotor 6. FIG. As shown in FIGS. 4 and 5, the enlarged gap portion q has a role of gently introducing the flow of fluid into the interdental volume moving from the discharge port 3 to the suction port 2, and prevents the occurrence of cavitation. It is possible to suppress vibration and noise. In addition, it can be said that this enlarged space | gap part q is the space | gap part which remained when the said space | gap part s became minimum.
[0014]
In addition, since the expansion portion of the interdental volume is combined with the second tooth profile curve N in this way, all of the roots 5b become substantially trochoidal tooth profile curves, so that the expansion gap portion q has a local rectangular shape or the like in the prior art. Unlike the groove shape, the stress concentration hardly acts on the tooth bottom 5b of the inner rotor 5 and the tooth tip 6a of the outer rotor 6 near the enlarged gap q, and the load is dispersed. As a result, the loss of the rotor strength can be reduced, and the strength can be ensured.
[0015]
The second tooth profile curve N can have many tooth profile curves while having the same number of teeth as the first tooth profile curve M. By combining with such various second tooth profile curves, the interdental volume of the inner rotor 5 can be appropriately enlarged and set to a desired amount. By making the tooth base 5b of the inner rotor 5 into a second tooth profile curve, the tooth base 5b becomes the second tooth bottom N 2 below the pitch circle P of the tooth profile curve, and the first tooth only by the first tooth profile curve M is obtained. The volume can be appropriately set larger than the bottom M 2 .
[0016]
In the inner rotor 5 according to the present invention, the tooth root curve of the tooth bottom 5b is changed to the second tooth profile curve or an approximate curve K (including an arc) thereof, thereby forming a tooth bottom whose volume is increased in the circumferential direction of the tooth bottom. It is possible to prevent stress concentration and ensure the rotor strength without deteriorating. On the other hand, in the prior art, in order to simply enlarge the interdental volume, a local groove is formed at a substantially central location of the tooth bottom surface, and the groove is enlarged. The enlargement of such a groove has an abrupt shape change portion with the tooth bottom surface, and stress concentration tends to occur at such a portion, and it is difficult to secure the rotor strength.
[0017]
Further, by setting the tooth bottom 5b of the inner rotor 5 to the inside of the pitch circle P and expanding the interdental volume, the fluid can smoothly flow in the entire inhalation process from the beginning of inhalation, and the filling property can be improved. And, in turn, cavitation can be suppressed. In the expansion of the interdental volume, the expansion volume set in the tooth bottom 5b of the inner rotor 5 is increased by 3% to 10% of the maximum volume. This maximum volume is based on the case formed by a normal trochoidal tooth profile curve.
[0018]
As described above, by increasing the maximum volume in the range of 3% to 10%, the rate of change of the volume with respect to the rotation angle of the inner rotor 5 can be moderated. The graph of FIG. 7 shows the relationship between the rotation angle (deg) of the inner rotor 5 and the volume change rate (%). In this graph, three types of new tooth profiles having a volume increase rate of 3%, 5%, and 10% and those of conventional tooth profiles are shown. As shown in this graph (FIG. 7), the shape of the root 5b having an increase rate of 10% can minimize the volume change rate.
[0019]
In particular, since the volume change rate in the suction process can be moderated, the inflow of fluid into the volume can be gradually filled as shown in FIGS. 4 and 5, and the filling rate can be improved. The occurrence of cavitation can be suppressed. In the conventional type (see FIG. 9), since the volume change rate is large, the inflow of fluid into the volume becomes abrupt, the fluid cannot flow smoothly, the filling rate decreases, and cavitation occurs. It was difficult to suppress.
[0020]
An approximate curve K may be applied to the tooth bottom 5 b of the inner rotor 5 instead of the second tooth bottom N 2 of the second tooth profile curve N. The approximate curve K includes a perfect circle curve Ka as shown in FIG. 6 and an elliptic curve Kb as shown in FIG. Further, the deepest part of the second tooth bottom N 2 of the second tooth profile curve N only needs to coincide with the deepest part of the tooth bottom 5b according to the approximate curve K. As described above, when the tooth root 5b of the inner rotor 5 is the second tooth profile curve N or the approximate curve K that approximates the second tooth profile curve N, the tooth bottom 5b of the inner rotor 5 can be formed with a simple curve shape. Since it can do, the moldability in the metal mold | die shaping | molding of the inner rotor 5 can be made easy.
[0021]
【The invention's effect】
The invention of claim 1 comprises an inner rotor 5 having external teeth, and an outer rotor 6 having trochoidal internal teeth that mesh with the external teeth of the inner rotor 5, and the inner rotor 5 includes the outer rotor 6. The first tooth profile curve M that constitutes the trochoidal tooth profile that meshes properly and the second tooth profile curve N that has a bottom surface that is formed deeper toward the center side than the bottom surface of the first tooth profile curve M are combined. The inner rotor 5 has a tooth tip shape of the first tooth profile curve M and a tooth root shape of the tooth shape of the second tooth profile curve N, so that fluid can be sucked smoothly. , And cavitation or pulsation can be prevented.
[0022]
The above effect will be described in detail. An enlarged gap portion q is formed at the meshing position between the inner rotor 5 and the outer rotor 6, and the enlarged gap portion q has a substantially crescent shape. . The shape of the enlarged gap portion q fits the outer shape of the inner rotor 5 and the outer rotor 6 appropriately, and changes only slightly with respect to the shape of the conventional inner rotor.
[0023]
Therefore, both the inner rotor 5 and the outer rotor 6 can be made less likely to cause stress concentration even when a load is applied during operation. Therefore, it is possible to suppress the occurrence of cavitation by enlarging the volume of the fluid by the trochoid pump of the present invention, thereby preventing vibration and accompanying noise and improving the durability of the trochoid pump.
[0024]
Furthermore, with respect to the inner rotor 5 having the first tooth profile curve M that is a trochoidal tooth profile that properly meshes with the trochoidal tooth profile of the outer rotor 6, the root surface is positioned inward by the second tooth profile curve N different from the curve of the root surface. By doing so, it is possible to easily increase the interdental volume of the rotor while securing the strength of the rotor.
[0025]
Further, the volume expansion at the tooth bottom surface of the inner rotor 5 can be appropriately set by changing the trochoidal tooth profile of the second tooth profile curve N in various ways and combining it with the first tooth profile curve M. Further, by setting the intersecting position of the first tooth profile curve and the second tooth profile curve to the inner side (the root side) from the pitch circle P of the first tooth profile curve, the tooth base of the volume expansion while leaving the tooth tip of the inner rotor 5 left. Therefore, the strength of the rotor can be further ensured.
[0026]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the volume set in the root surface formed by the combination of the first tooth profile curve M and the second tooth profile curve N is the root surface of only the first tooth profile curve M. By adopting a trochoid pump that increases 3% to 10% of the set volume, the volume change rate in the inhalation process is moderated by forming it with a curve of 3% to 10% of the maximum volume. Can do. Moreover, the filling rate of the fluid into the volume of the rotor can be improved, the occurrence of cavitation can be suppressed, and pulsation can be prevented.
[0027]
The invention of claim 3 is the trochoid pump in which the shape of the root portion of the second tooth profile curve N is an appropriate approximate curve in claim 2, so that a different trochoid tooth profile curve (second tooth profile curve) is used. Then, by forming the shape of the root surface portion with a curve that approximates the shape, the shape curve can be simplified and the production can be facilitated.
[Brief description of the drawings]
1A is a front view of a state where an inner rotor and an outer rotor are engaged with each other according to the present invention. FIG. 1B is an enlarged view of an enlarged gap portion of FIG. 2A. FIG. The front view of the tooth profile curve (B) is the front view of the second tooth profile curve (C) is the front view of the inner rotor that combines the first tooth profile curve and the second tooth profile curve. FIG. 3 (A) to (D) FIG. 4A is an enlarged view of a main part immediately before an enlarged gap is formed between the inner rotor and the outer rotor. FIG. 4B is an operation diagram showing the rotation state of the inner rotor and the outer rotor in the present invention. Fig. 5C is an enlarged view of the main part in which an enlarged gap is formed between the inner rotor and the outer rotor. Fig. 5A is an enlarged view of the main part in a state where fluid enters the enlarged gap from the suction port. The largest gap is formed between the outer rotor and the outer rotor. Large view (B) is a maximum enlarged view of a state in which fluid enters the escape gap from the suction port. FIG. 6 is an enlarged view of the main part in which the tooth bottom of the inner rotor is a perfect circular approximate curve. Graph showing the characteristics [Fig. 8] Enlarged view of the main part with the inner rotor root being an elliptical approximate curve [Fig. 9] Schematic diagram showing the prior art [Explanation of symbols]
5 ... Inner rotor 5b ... tooth bottom 6 ... outer rotor q ... enlarged gap portion M ... first tooth profile M 1 ... first addendum M 2 ... first dedendum N ... second tooth profile N 1 ... second root surface N 2 ... 2nd tooth bottom

Claims (3)

外歯を有するインナーロータと、該インナーロータの外歯と噛み合うトロコイド歯形の内歯を有するアウターロータとからなり、前記インナーロータは、前記アウターロータと適正に噛み合うトロコイド歯形曲線であって,第1歯先を有する第1歯形曲線と、該第1歯形曲線の第1歯底よりも中心側寄りに深く形成された第2歯底を有する第2歯形曲線とから複合されるものとし、前記インナーロータの歯先の形状は前記第1歯形曲線の第1歯先とし、歯底の形状は前記第2歯形曲線の第2歯底としてなることを特徴とするトロコイドポンプ。  An inner rotor having outer teeth, and an outer rotor having inner teeth of a trochoidal tooth shape meshing with the outer teeth of the inner rotor, wherein the inner rotor is a trochoidal tooth profile curve that meshes properly with the outer rotor, A first tooth profile curve having a tooth tip and a second tooth profile curve having a second tooth root formed deeper toward the center than the first tooth bottom of the first tooth profile curve; A trochoid pump characterized in that the shape of the tooth tip of the rotor is the first tooth tip of the first tooth profile curve, and the shape of the tooth bottom is the second tooth bottom of the second tooth profile curve. 請求項において、前記第2歯底の容積は、第1歯底に設定される容積の3%乃至10%の増加としてなることを特徴とするトロコイドポンプ。The trochoid pump according to claim 1 , wherein the volume of the second tooth bottom is an increase of 3% to 10% of the volume set in the first tooth bottom. 請求項において、前記第2歯形曲線の第2歯底の形状は適宜の近似曲線としてなることを特徴とするトロコイドポンプ。The trochoid pump according to claim 2 , wherein the shape of the second tooth bottom of the second tooth profile curve is an appropriate approximate curve.
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