JP4028426B2 - Inkjet recording method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像堅牢性に優れたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。
これらのカラー画像記録材料では、フルカラー画像を再現あるいは記録する為に、いわゆる減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
【0003】
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
【0004】
このようなインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。特に、良好な3原色の色相を有し、光、湿度、熱に対して堅牢であること、中でも多孔質の白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に印字する際に環境中のオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢であることが着色剤に強く望まれている。
【0005】
従来よりマゼンタ染料としては、カップリング成分としてフェノール、ナフトール、アニリン等を用いたアゾ染料が広く使用されてきている。色相の良好なアゾ染料として、特開平11−209673号、特登第3020660号等に開示された染料が知られているが、光堅牢性が劣るという問題点を有する。これを改良するものとして最近良好な色相を有し光堅牢性を向上させた染料が特願2000−220649に開示されている。しかしこれらの特許で知られている染料は、何れもオゾンなどの酸化性ガスに対する堅牢性は極めて不十分である。
【0006】
また、シアン染料としては、フタロシアニン染料やトリフェニルメタン染料が代表的である。最も広範囲に利用されているフタロシアニン系染料は、C.I.Direct Blue 86、同87、同 199に代表され、これらはマゼンタやイエロー染料に比べ耐光性に優れるという特徴があるものの、昨今環境問題として取りあげられることの多い酸化窒素ガスやオゾン等の酸化性ガスによる変色や褪色が著しい。
これまで、耐オゾンガス性を付与したフタロシアニン系染料としては、特開平3−103484号、特開平4−39365号、特開2000−303009号等が開示されているが、いずれも酸化性ガス堅牢性の改良効果は甚だ不十分であり,更なる改良が望まれていた。
一方、 Acid Blue9に代表されるトリフェニルメタン系染料は、色相は良好であるが、耐光性、耐オゾンガス性が著しく劣る。
【0007】
イエロー染料としては、 Direct Yellow 86、 同120 に代表されるようなアゾベンゼン系染料、あるいはAcid Yellow 17のようなピラゾロンアゾ染料、ピリドンアゾ染料などの複素環アゾ染料が用いられてきた。また、キノフタロン系染料もしばしば提案されている。しかしながら、これらの従来より知られている染料では、キノフタロン染料のように色相,特に吸収スペクトルの長波側の裾切れが良好であるものはオゾンや光に対して堅牢でないことが多く、アゾベンゼン系は堅牢ではあるが、長波側のすそ切れが悪いなど、色相と堅牢性を兼備した染料がないというのが現状であった。
【0008】
色再現性に優れ且つ堅牢なフルカラー画像を得るためには、画像を構成する染料に以下の要件が求められる。
3原色の各染料が優れた吸収特性をもつこと
広い色再現域を実現する3原色の染料の最適な組み合わせ
3原色の各染料が高い堅牢性を有すること
染料の相互作用による堅牢性の悪化が生じないこと
3原色の染料の堅牢性のバランスが取れていること
しかしながら、堅牢性、特に昨今インクジェット印刷で大きな問題となっているオゾンなどの酸化性ガスに対する堅牢性については、どのような構造或いは物性がオゾン堅牢性に対して有効に働くのかといった染料の性質に関する報告例はまったく無いため、染料の選択の為の指針が得られないのが現状である。さらには、光に対する堅牢性も兼ね備えているものを選択するとなると、さらに困難を極める。
また、オゾン堅牢性がすぐれた染料を用いたときでも、フルカラー画像の各色のオゾン堅牢性に差が大きいと、画像の変色の原因となることから、各染料、とくにマゼンタ染料とシアン染料のオゾン堅牢性のバランスがとれていることが重要である。これにより、フルカラー画像がオゾン退色する際にも、バランスをとりながら退色するため画像の破綻がおきにくくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、オゾンガスに対する堅牢性に優れ、かつ画像退色時のバランスがとれたカラー着色画像を与えることのできるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、良好な色相と光堅牢性及びガス堅牢性(特に、オゾンガス)の高い着色画像を与えることができるインクジェット記録記録方法を検討したところ、無機媒染剤を含む色材受容層を有するインクジェット記録用シートと、従来知られていない特定の酸化電位を有する染料からなるインクセットとの組み合わせにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、3原色の染料がこのような電位特性を満たしているとき、各染料のオゾンに対する反応性が大きく抑制されるばかりか光堅牢性も向上し、異なる色の染料同志の相互作用も無く混色した部分の褪色にも問題が生じないことが判った。これとは逆に、特にマゼンタ染料、あるいはシアン染料としてこれらの電位の条件を満たしていないものを用いると、画像全体のバランスが大きく崩れ、フルカラー画像としての品質が大きく劣化することが判った。また、色再現性を高める為に昨今用いられている濃度の異なるインクを用いた場合でも、淡色インクの光堅牢性にも問題が生じないことがわかった。さらには、染料自体の安定性が向上したことで、インクの酸化安定性も向上し、商品としての保証期間を延長できることもわかった。
すなわち、本発明は、支持体上に少なくとも1種の無機媒染剤を含む色材受容層を有するインクジェット記録用シート上に、少なくとも1種のイエロー染料を含有するイエローインク、少なくとも1種のマゼンタ染料を含有するマゼンタインク、及び少なくとも1種のシアン染料を含有するシアンインクを最小の構成要素とするインクセットであって、該マゼンタ染料が下記一般式(M− II )で表され、該シアン染料が下記一般式(C− II )で表されるインクジェット記録用インクセットを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法である。
【化1】
[一般式(M− II )中、Z 1 はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、Z 2 は水素原子、脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表し、Qは水素原子、脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表す。
R 1 およびR 2 は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(複素環アミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表し、R 3 、R 4 は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表わし、R 5 およびR 6 は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。]
【化2】
[一般式(C− II )において、X 11 〜X 14 はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO 2 −Z、−SO 2 NR 1 R 2 、スルホ基、−CONR 1 R 2 、又は−CO 2 R 1 を表す。Y 11 〜Y 18 はそれぞれ独立に、一価の置換基を表す。Mは水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。a 11 〜a 14 はそれぞれX 11 〜X 14 の置換基数を表し、独立に1又は2の整数を表す。
Zはそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。R 1 、R 2 はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す]
好ましくは、前記無機媒染剤は、アルミニウム含有化合物、ジルコニウム含有化合物である。
【0011】
【発明の実施の形態】
<インクジェット記録用インク>
−染料−
本発明におけるインクセットでは、下記一般式(M− II )で表されるマゼンタ染料と、下記一般式(C− II )で表されるシアン染料とが用いられる。
【化3】
[一般式(M− II )中、Z 1 はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、Z 2 は水素原子、脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表し、Qは水素原子、脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表す。
R 1 およびR 2 は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(複素環アミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル もしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表し、R 3 、R 4 は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表わし、R 5 およびR 6 は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。]
【化4】
[一般式(C− II )において、X 11 〜X 14 はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO 2 −Z、−SO 2 NR 1 R 2 、スルホ基、−CONR 1 R 2 、又は−CO 2 R 1 を表す。Y 11 〜Y 18 はそれぞれ独立に、一価の置換基を表す。Mは水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。a 11 〜a 14 はそれぞれX 11 〜X 14 の置換基数を表し、独立に1又は2の整数を表す。
Zはそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。R 1 、R 2 はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す]
本発明では酸化電位が0.8V(vs SCE)よりも貴であるマゼンタ染料およびシアン染料が用いられる。酸化電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であるものがより好ましく、1.1V(vs SCE)よりも貴であるものがさらに好ましく、1.15V(vs SCE)より貴であるものがさらに好ましく、1.2V(vs SCE)より貴であるものが最も好ましい。
【0012】
酸化電位の値は、試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表わす。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。
【0013】
酸化電位の値は、下記に詳述するが、化合物がボルタンメトリーにおいて陽極で、化合物の電子が引き抜かれる電位を意味し、その化合物の基底状態におけるHOMOのエネルギーレベルと近似的に一致すると考えられている。
【0014】
発明者らは着色画像のオゾン堅牢性について研究したところ、着色画像に用いる化合物の酸化電位とオゾン堅牢性との間に相関があり、酸化電位の値が飽和カロメル電極(SCE)に対してより貴である化合物を用いることにより、オゾン堅牢性が改良されることがわかった。
【0015】
着色画像のオゾン堅牢性が改良される理由としては、化合物とオゾンガスのHOMO(最高被占軌道)およびLUMO(最低空軌道)の関係によって説明できる。すなわち、着色剤のHOMOとオゾンガスのLUMOとの反応により着色剤が酸化されて、その結果着色画像のオゾン堅牢性が低下していると考えられるため、オゾン堅牢性を向上させるには、着色剤のHOMOを下げてオゾンガスとの反応性を低下させればよい。
【0016】
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New Instrumental Methods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 John Wiley & Sons)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社)に記載されている。
【0017】
酸化電位の測定について具体的に説明する。酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6mol・dm-3溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。
また、用いる支持電解質や溶媒は、被験試料の酸化電位や溶解性により適当なものを選ぶことができる。用いることができる支持電解質や溶媒については藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)101〜118ページに記載がある。
【0018】
酸化電位の値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を用いて校正することにより、測定された電位の値の再現性を保証することができる。
【0019】
本発明における酸化電位は、0.1mol・dm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むN,N−ジメチルホルムアミド中(化合物の濃度は1×10-3mol・dm-3)で、参照電極としてSCE(飽和カロメル電極)、作用極としてグラファイト電極、対極として白金電極を使用し、直流ポーラログラフィーにより測定した値を使用する。
【0020】
本発明に使用する染料は、上記の酸化電位を満足するものであればどのような構造のものでも使用できる。特にイエロー染料はもともと酸化電位が貴(HOMOが低い)ため、構造上の制約が少ない。以下に上記酸化電位を満足するために必要な染料の構造について詳述する。
本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、染料骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ましい。従って、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いて説明すると、ニトロ基、シアノ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のようにσp値が大きい置換基を導入することにより酸化電位をより貴とすることができると言える。
【0021】
ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
【0022】
上記置換基の他、一般に電子陰性度の高い原子を発色団の構成原子として多く含むほど酸化電位を貴とすることが出来る。したがって、例えば発色団の構成要素として、アリール基よりも不飽和ヘテロ環を用いたほうが酸化電位を貴とすることができる。電子陰性度の高いヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げる事ができ、特に窒素原子が好ましい。
【0023】
従って、本発明で用いる染料は発色団がヘテロ原子で構成されているもの、不飽和ヘテロ環を含むもの、電子吸引性基を含むものが好ましい。
ヘテロ原子で構成されている好ましい発色団としては、アゾ染料、アゾメチン染料、フタロシアニン染料等を挙げる事が出来るが、特にアゾ染料が好ましい。
不飽和ヘテロ環としては、5または6員の不飽和ヘテロ環が好ましく、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環などを例として挙げられる。不飽和ヘテロ環は、炭化水素環またはヘテロ環との縮合環を形成しても良い。含窒素ヘテロ環の場合には、窒素原子は4級化されていてもよい。また、互変異性となり得るヘテロ環については、互変異性体の1つのみを記載している場合でも、他の互変異性体も合わせて含まれる。上記のうち好ましいものはチアゾール環、イソチアゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環である。最も好ましくは、イソチアゾール環、ピラゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ピリジン環である。
【0024】
好ましい電子吸引性の置換基としては、ハメットのσp値が0.40以上の置換基が好ましく、さらに0.45以上の置換基が好ましく、0.50以上の置換基が最も好ましい。また、発色団上の置換基として複数の電子吸引性基が存在する場合には、置換基のσp値の総和が0.50以上のものが好ましく、0.60以上が更に好ましく、0.70以上が最も好ましい。σpが0.40以上の電子吸引性基の具体例については、前述の、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)のものを挙げる事が出来る。
【0025】
本発明の好ましい染料は、下記一般式(I)で表されるものの組み合わせである。
(Ch)−(EWG)n 一般式(I)
一般式(I)において、Chは不飽和ヘテロ環を含む発色団を表し、EWGは後述するσp値が0.40以上の電子吸引性の置換基をあらわす。nは1から8までの整数である。
Chとしては不飽和ヘテロ環を発色団に有するアゾ染料、フタロシアニン染料、アゾメチン染料、キノン系染料(アントラキノン染料、アントラピリドン染料等)、カルボニウム染料(トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料等)、及びアジン系染料(オキサジン、チアジン等)の各発色団が挙げられる。好ましいものは不飽和ヘテロ環を発色団に有するアゾ染料、フタロシアニン染料、アゾメチン染料、及びアントラピリドン染料であり、最も好ましいものは、不飽和ヘテロ環を発色団に有するアゾ染料、フタロシアニン染料である。
【0026】
マゼンタおよびイエロー染料として用いることのできる好ましいアゾ染料は下記一般式(II)で表されるものである。
Het(A)−N=N−Het(B) 一般式(II)
一般式(II)において、Het(A)およびHet(B)は5または6員不飽和ヘテロ環を表わす。Het(A)およびHet(B)で表わされる不飽和ヘテロ環の例としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環などが挙げられる。これらの不飽和ヘテロ環はさらに置換基を有している。不飽和ヘテロ環上の置換基同士が結合することで、炭化水素環または不飽和ヘテロ環との縮合環を形成しても良く、さらに縮合環上に置換基を有しても良い。含窒素不飽和ヘテロ環の場合には、窒素原子は4級化されていてもよい。また、互変異性となり得る不飽和ヘテロ環については、互変異性体の1つのみを記載している場合でも、他の互変異性体も合わせて含まれる。
染料が水溶性染料である場合には、置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。
【0027】
Het(A)およびHet(B)で表わされるヘテロ環として好ましくは、チアゾール環、イソチアゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環である。さらに好ましくは、イソチアゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環である。最も好ましくはピラゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、ピリジン環である。
【0028】
Het(A)およびHet(B)は置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスホノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。中でもハロゲン原子、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスホリル基、ホスホノ基、ホスフィノイル基、ホスホニル基、ホスフィノイルオキシ基、ホスフィノイルアミノ基のような置換基を上げることができるが、なかでも電子吸引性基が好ましく、特にσpが0.40以上の置換基が好ましい。σpが0.40以上の置換基としては、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスホノ基、ホスホリル基他、電子吸引性基で置換されたアルキル基(トリハロメチル基、パーフルオロアルキル基、ジシアノメチル基、イミノメチル基等)、電子吸引性基で置換されたアルケニル基(トリシアノビニル基など)、4級塩置換基(スルホニウム基、アンモニウム基、ホスホニウム基)も挙げる事ができる。上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基などが挙げられる。
またヘテロ環上の置換基同士が結合することで、ヘテロ環と縮合環を形成しても良く、さらに縮合環上に置換基を有しても良い。
【0029】
好ましいマゼンタ染料としては、一般式(M−I)で表されるものである。
【化5】
【0030】
一般式(M−I)中、Aは5員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1およびB2は各々−CR1=および−CR2=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子、他方が−CR1=もしくは−CR2=を表す。R5およびR6は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。
【0031】
G、R1およびR2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(複素環アミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。R1とR5、またはR5とR6が結合して5または6員環を形成しても良い。
【0032】
一般式(M−I)において、 Aは5員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。複素環のヘテロ原子の例には、N、O、及びSを挙げることができる。好ましくは含窒素5員複素環であり、複素環に脂肪族環、芳香族環又は他の複素環が縮合していてもよい。Aの好ましい複素環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環を挙げる事ができる。各複素環基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式(a)から(f)で表されるピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましい。
【0033】
【化6】
【0034】
上記一般式(a)から(f)において、R7からR20はG、R1、R2で説明した置換基と同じ置換基を表す。一般式(a)から(f)のうち、好ましいのは一般式(a)、(b)で表されるピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましいのは一般式(a)で表されるピラゾール環である。
【0035】
一般式(M−I)において、B1およびB2は各々−CR1=および−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR1=又は−CR2=を表すが、各々−CR1=、−CR2=を表すものがより好ましい。
【0036】
R5、R6は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル又はアリールスルホニル基、スルファモイル基を表わし、各基は更に置換基を有していても良い。 R5、R6で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキル又はアリールスルホニル基を挙げる事ができる。 さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキル又はアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していても良い。 ただしR5、R6が同時に水素原子であることはない。
【0037】
G、R1、およびR2は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
【0038】
Gで表される置換基としては水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、又は複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)又はアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アニリノ基、アシルアミノ基が最も好ましい。各基は更に置換基を有していても良い。
【0039】
R1、R2で表される好ましい置換基は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げる事ができる。各基は更に置換基を有していても良い。R1とR5、またはR5とR6が結合して5または6員環を形成しても良い。
【0040】
A、R1、R2、R5、R6、Gで表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記G、R1、R2で挙げた置換基を挙げる事ができる。
【0041】
本発明の染料が水溶性染料である場合には、A、R1、R2、R5、R6、G上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
【0042】
本明細書において、脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基及び置換アラルキル基を意味する。脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラルキル基及び置換アラルキル基のアリール部分はフェニル又はナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、及びアリル基をあげる事ができる。
【0043】
本明細書において、芳香族基はアリール基及び置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニル又はナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。芳香族基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6から16がさらに好ましい。芳香族基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル及びm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
【0044】
複素環基には、置換基を有する複素環基及び無置換の複素環基が含まれる。複素環に脂肪族環、芳香族環又は他の複素環が縮合していてもよい。前記複素環基は5員又は6員環の複素環基が好ましい。前記置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、イオン性親水性基などが含まれる。前記複素環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基及び2−フリル基が含まれる。
【0045】
アルキル及びアリールスルホニル基には、置換基を有するアルキル及びアリールスルホニル基、無置換のアルキル及びアリールスルホニル基が含まれる。アルキル及びアリールスルホニル基の例としては、それぞれメチルスルホニル基及びフェニルスルホニル基をあげる事ができる。
【0046】
アルキル及びアリールスルフィニル基には、置換基を有するアルキル及びアリールスルフィニル基、無置換のアルキル及びアリールスルフィニル基が含まれる。アルキル及びアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基及びフェニルスルフィニル基をあげる事ができる。
【0047】
アシル基には、置換基を有するアシル基及び無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチル基及びベンゾイル基が含まれる。
【0048】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
【0049】
アミノ基には、アルキル基、アリール基又は複素環基で置換されたアミノ基が含まれ、アルキル基、アリール基及び複素環基はさらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基及びジエチルアミノ基が含まれる。
【0050】
アリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ基及び無置換のアリールアミノ基が含まれる。前記アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が含まれる。前記アリールアミノ基の例としては、フェニルアミノ基及び2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
【0051】
複素環アミノ基には、置換基を有する複素環アミノ基及び無置換の複素環アミノ基が含まれる。前記複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が含まれる。
【0052】
アルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基及び無置換のアルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、及びイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基及び3−カルボキシプロポキシ基が含まれる。
【0053】
アリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基及び無置換のアリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、及びイオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基及びo−メトキシフェノキシ基が含まれる。
【0054】
シリルオキシ基としては、炭素原子数が1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。前記シリルオキシ基の例には、トリメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれる。
【0055】
複素環オキシ基には、置換基を有する複素環オキシ基及び無置換の複素環オキシ基が含まれる。前記複素環オキシ基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、及びイオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシ基の例には、3−ピリジルオキシ基、3−チエニルオキシ基が含まれる。
【0056】
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルオキシ基及び無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含まれる。
【0057】
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアリールオキシカルボニルオキシ基及び無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれる。
【0058】
アシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基及び無置換基のアシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルアミノ基の例には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N-フェニルアセチルアミノ及び3,5−ジスルホベンゾイルアミノ基が含まれる。
【0059】
ウレイド基には、置換基を有するウレイド基及び無置換のウレイド基が含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基及びアリール基が含まれる。前記ウレイド基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基及び3−フェニルウレイド基が含まれる。
【0060】
スルファモイルアミノ基には、置換基を有するスルファモイルアミノ基及び無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイルアミノ基の例には、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
【0061】
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基及び無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
【0062】
アルキル及びアリールスルホニルアミノ基には、置換基を有するアルキル及びアリールスルホニルアミノ基、及び無置換のアルキル及びアリールスルホニルアミノ基が含まれる。前記スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜20のスルホニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記スルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、N-フェニル-メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、及び3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ基が含まれる。
【0063】
カルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基及び無置換のカルバモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基及びジメチルカルバモイル基が含まれる。
【0064】
スルファモイル基には、置換基を有するスルファモイル基及び無置換のスルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基及びジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
【0065】
アルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基及び無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基が含まれる。
【0066】
アシルオキシ基には、置換基を有するアシルオキシ基及び無置換のアシルオキシ基が含まれる。前記アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルオキシ基の例には、アセトキシ基及びベンゾイルオキシ基が含まれる。
【0067】
カルバモイルオキシ基には、置換基を有するカルバモイルオキシ基及び無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイルオキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
【0068】
アリールオキシカルボニル基には、置換基を有するアリールオキシカルボニル基及び無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含まれる。
【0069】
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアリールオキシカボニルアミノ基及び無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
【0070】
アルキル,アリール及び複素環チオ基には、置換基を有するアルキル,アリール及び複素環チオ基と無置換のアルキル,アリール及び複素環チオ基が含まれる。前記アルキル,アリール及び複素環チオ基としては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキル,アリール及び複素環チオ基の例には、メチルチオ基、フェニルチオ基、2-ピリジルチオ基が含まれる。
【0071】
複素環オキシカルボニル基には、置換基を有する複素環オキシカボニル基及び無置換の複素環オキシカルボニル基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基の例には、2−ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
【0072】
複素環スルホニルアミノ基には、置換基を有する複素環スルホニルアミノ基及び無置換の複素環スルホニルアミノ基が含まれる。前記複素環スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜12の複素環スルホニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルホニルアミノ基の例には、2−チオフェンスルホニルアミノ基、3−ピリジンスルホニルアミノ基が含まれる。
【0073】
複素環スルホニル基には、置換基を有する複素環スルホニル基及び無置換の複素環スルホニル基が含まれる。前記複素環スルホニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルホニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルホニル基の例には、2−チオフェンスルホニル基、3−ピリジンスルホニル基が含まれる
【0074】
複素環スルフィニル基には、置換基を有する複素環スルフィニル基及び無置換の複素環スルフィニル基が含まれる。前記複素環スルフィニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルフィニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルフィニル基の例には、4−ピリジンスルフィニル基が含まれる
【0075】
本発明において、一般式(M−I)で表される染料は、好ましくは下記一般式(M−II)で表される染料である。本発明におけるマゼンタインクは、下記一般式(M− II )で表されるマゼンタ染料を含む。
【0076】
【化7】
【0077】
一般式(M−II)中、Z1はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z1はσp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが好ましく、0.45以上の電子吸引性基が更に好ましく、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、1.0を超えないことが望ましい。好ましい具体的な置換基については後述する電子吸引性置換基を挙げることができるが、中でも、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
【0078】
R1、R2、R5、R6は一般式(M−I)と同義である。R3、R4は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表わす。中でも水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、芳香族基、複素環基が特に好ましい。Z2は水素原子、脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表す。Qは水素原子、脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表す。中でもQは5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群からなる基が好ましい。前記5〜8員環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。その中でも特に芳香族基、複素環基が好ましい。好ましい非金属原子としては、窒素原子、酸素原子、イオウ原子又は炭素原子が挙げられる。そのような環構造の具体例としては、例えばベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサン環、スルホラン環及びチアン環等が挙げらる。
【0079】
一般式(M−II)で説明した各基は更に置換基を有していても良い。これらの各基が更に置換基を有する場合、該置換基としては、一般式(M−I)で説明した置換基、G、R1、R2で例示した基やイオン性親水性基が挙げられる。
【0080】
ハメット置換基定数σp値が0.60以上の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基)を例として挙げることができる。
ハメットσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えばアセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
【0081】
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、及びヘテロ環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル)を挙げることができる。σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子がなどが挙げられる。
【0082】
前記一般式(M−I)で表されるアゾ色素として特に好ましい置換基の組み合わせは、R5及びR6として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R5及びR6が共に水素原子であることは無い。
【0083】
Gとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
【0084】
Aのうち、好ましくはピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、さらにはピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環である。
【0085】
B1およびB2がそれぞれ−CR1=、−CR2=あり、R1,R2は各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
【0086】
好ましいシアン染料としては、下記一般式(C−I)で表される染料を挙げる事ができる。
【0087】
【化8】
【0088】
一般式(C−I)において、X1、X2、X3およびX4はそれぞれ独立にσpが0.40以上の電子吸引性基を表す。Y1、Y2、Y3およびY4はそれぞれ独立に一価の置換基を表す。Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。a1〜a4、b1〜b4は、それぞれX1〜X4、およびY1〜Y4の置換基数を表す。a1〜a4はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、b1〜b4はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。ただしa1〜a4の総和は2以上であり、3以上が好ましく、特にa1=a2=a3=a4=1である場合が最も好ましい。染料が水溶性染料である場合には、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。
【0089】
前記一般式(C−I)で表されるフタロシアニン染料の中でも、一般式(C−II)で表される構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。
本発明におけるシアンインクは、下記一般式(C− II )で表されるシアン染料を含む。以下に本発明の一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料について詳しく述べる。
【0090】
【化9】
【0091】
一般式(C−II)において、X11〜X14はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR1R2、スルホ基、−CONR1R2、又は−CO2R1を表す。Y11〜Y18はそれぞれ独立に、一価の置換基を表す。Mは水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。a11〜a14 はそれぞれX11〜X14の置換基数を表し、独立に1又は2の整数を表す。
Zはそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。
【0092】
一般式(C−II)中、a11〜a14はそれぞれ独立に1または2の整数を表し、特に好ましいのは4≦a11+a12+a13+a14≦6であり、その中でも特に好ましいのはa11=a12=a13=a14=1のときである。
【0093】
X11、X12、X13およびX14は、それぞれ全く同じ置換基であっても良く、あるいは例えばX11、X12、X13およびX14が全て−SO2−Zであるが各Zは互いに異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であっても良く、あるいは例えば−SO2−Zと−SO2NR1R2が同時に置換した場合のように、互いに異なる置換基を含んでいても良い。
【0094】
一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料の中でも、特に好ましい置換基の組み合わせは、以下の通りである。
【0095】
X11〜X14としては、各々独立に−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR1R2、または−CONR1R2が好ましく、特に−SO2−Z、または−SO2NR1R2が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。
【0096】
Zはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
【0097】
R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。ただしR 1 、R 2 が共に水素原子であることは好ましくない。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
【0098】
Y11〜Y18は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、及びスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。a11〜a14はそれぞれ独立に1または2であることが好ましく、特に全てが1であることが好ましい。Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表し、特にCu、Ni、Zn、Alが好ましく、なかでも特に特にCuが最も好ましい。
【0099】
前記(C−I)もしくは(C−II)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくとも2個以上有するものが好ましく、特にスルホ基及び/又はカルボキシル基を少なくとも2個以上有するものが特に好ましい。
【0100】
前記一般式(C−II)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
【0101】
本発明で好ましく使用されるフタロシアニン染料の化学構造としては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のような電子吸引性基を、フタロシアニンの4つの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.6以上となるように導入することが好ましい。
【0102】
前記一般式(C−I)で表されるフタロシアニン誘導体は、その合成法によって不可避的に置換基Xn(n=1〜4)及びYm(m=1〜4)の導入位置及び導入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的であり、従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に平均化して表している場合が多い。本発明では、これらの類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、特定の混合物が特に好ましいことを見出したものである。すなわち前記一般式(C−I)及び(C−II)で表されるフタロシアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下の三種類に分類して定義する。
【0103】
(1)β-位置換型:2及び又は3位、6及び又は7位、10及び又は11位、14及び又は15位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
【0104】
(2)α-位置換型:1及び又は4位、5及び又は8位、9及び又は12位、13及び又は16位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料
【0105】
(3)α,β-位混合置換型:1〜16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン染料
【0106】
本明細書中において、構造が異なる(特に、置換位置が異なる)フタロシアニン染料の誘導体を説明する場合、上記β-位置換型、α-位置換型、α,β-位混合置換型を使用する。
【0107】
本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
【0108】
本発明の一般式(C−I)で表されるフタロシアニン化合物は、WO00/17275、同00/08103、同00/08101、同98/41853、特開平10−36471号などに記載されているように、例えば無置換のフタロシアニン化合物のスルホン化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経て合成することができる。この場合、スルホン化がフタロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される個数も制御が困難である。従って、このような反応条件でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入されたスルホ基の位置と個数は特定できず、必ず置換基の個数や置換位置の異なる混合物を与える。従ってそれを原料として本発明の化合物を合成する時には、複素環置換スルファモイル基の個数や置換位置は特定できないので、本発明の化合物としては置換基の個数や置換位置の異なる化合物が何種類か含まれるα,β-位混合置換型混合物として得られる。
【0109】
前述したように、例えばスルファモイル基のような電子求引性基を数多くフタロシアニン核に導入すると酸化電位がより貴となり、オゾン耐性が高まる。上記の合成法に従うと、電子求引性基が導入されている個数が少ない、即ち酸化電位がより卑であるフタロシアニン染料が混入してくることが避けられない。従って、オゾン耐性を向上させるためには、酸化電位がより卑である化合物の生成を抑えるような合成法を用いることがより好ましい。
【0110】
それに対して、本発明の一般式(C−II)で表されるフタロシアニン化合物は、例えば下記式で表されるフタロニトリル誘導体(化合物P)及び/又はジイミノイソインドリン誘導体(化合物Q)を一般式(C−III)で表される金属誘導体と反応させて得られる。あるいは下記式で表される4-スルホフタル酸誘導体(化合物R)と一般式(C−III)で表される金属誘導体を反応させて得られるテトラスルホフタロシアニン化合物から誘導することができる。
【0111】
【化10】
【0112】
上記各式中、Xpは上記一般式(C−II)におけるX11 、X12 、X13 又はX14に相当する。また、Yq,Yq’はそれぞれ上記一般式(C−II)におけるY11,Y12,Y13,Y14,Y15,Y16,Y17、又はY18に相当する。
【0113】
一般式(C−III):M−(Y)d
一般式(C−III)中、Mは前記一般式(C−II)のMと同一であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価又は2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。
【0114】
即ち、上記の合成法に従えば望みの置換基を特定の数だけ導入することができるのである。特に本発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を数多く導入したい場合には、上記の合成法は一般式(C−I)の合成法と比較して極めて優れたものである。
【0115】
かくして得られる前記一般式(C−II)で表されるフタロシアニン化合物は、通常、Xpの各置換位置における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物の混合物、すなわちβ−位置換型となっている。
【0116】
【化11】
【0117】
上記合成法において、Xpとして全て同一のものを使用すればX11、X12、X13およびX14が全く同じ置換基であるβ位置置換型フタロシアニン染料を得ることができる。一方、Xpとして異なるものを組み合わせて使用すれば、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基をもつ染料や、あるいは、互いに異なる種類の置換基をもつ染料を合成することができる。一般式(C−II)の染料の中でも互いに異なる電子吸引性置換基を持つこれらの染料は、染料の溶解性、会合性、インクの経時安定性などを調整できる為、特に好ましい。
【0118】
本発明では、いずれの置換型においても酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であることが堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、その効果の大きさは前記先行技術から全く予想することができないものであった。また、原因は詳細には不明であるが、中でもα,β−位混合置換型よりはβ−位置換型の方が色相・光堅牢性・オゾンガス耐性等において明らかに優れている傾向にあった。
【0119】
前記一般式(C−I)及び(C−II)で表されるフタロシアニン染料は、前述した特許に従えば合成することが可能であり、特願2001−226275号、同2001−96610号、同2001−47013号、同2001−193638号に記載の方法により合成することができる。また、出発物質、染料中間体及び合成ル−トについてはこれらにより限定されるものでない。
【0120】
本発明で用いるマゼンタ染料、シアン染料は酸化電位が0.8Vよりも貴であることを特徴とするが、シアン染料として広く用いられているフタロシアニンは、会合体を形成している為に酸化電位が多少低くとも堅牢性を補償できるのに対し、マゼンタ染料は会合を形成するものではない為、堅牢性を高める為には酸化電位をシアン染料以上に貴に設定することが好ましい。
【0121】
以下に本発明で用いることのできる染料の好ましい例を示すが、これらは本発明を詳しく説明するためのものであって、これらにより本発明は限定されない。尚、括弧内に染料の酸化電位を示す。
【0122】
まず、本発明に用いることのできる、イエロー染料の具体例〔Y−1〜Y−35〕を挙げる。
【0123】
【化12】
【0124】
【化13】
【0125】
【化14】
【0126】
【化15】
【0127】
【化16】
【0128】
【化17】
【0129】
【化18】
【0130】
次に、本発明に用いることのできる、マゼンタ染料の具体例〔M−1〜M−26〕を挙げる。
【0131】
【化19】
【0132】
【化20】
【0133】
【化21】
【0134】
【化22】
【0135】
【化23】
【0136】
【化24】
【0137】
【化25】
【0138】
【化26】
【0139】
次に、本発明に用いることのできる、シアン染料の具体例〔C−1〜C−50〕を挙げる。
【0140】
【化27】
【0141】
【化28】
【0142】
【化29】
【0143】
【化30】
【0144】
【化31】
【0145】
【化32】
【0146】
【化33】
【0147】
【化34】
【0148】
【化35】
【0149】
本発明に適用しうる化合物例は、このほか特願2001−96610号、同2001−24352号、同2001−47013号、同2001−57063号、同2001−76689号、同2001−193638号、同2001−15614号、同2001−110457号、同2001−110335号にも記載されているが、これらに限定されるものではない。また、前記の各化合物は、ここに挙げた特許に記載された方法で容易に合成できる。
【0150】
−インクジェット記録用インク−
本発明のインクジェット記録用インクセットは少なくとも1種のイエロー染料を含有するイエローインク、少なくとも1種のマゼンタ染料を含有するマゼンタインク、及び少なくとも1種のシアン染料を含有するシアンインクを最小の構成要素とする。各インクに含まれる染料としては、前述の各種染料が用いられる。通常、各インクは、親油性媒体や水性媒体中に染料を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。
必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において添加しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相または水相に添加してもよい。
【0151】
前記乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。
【0152】
前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50重量%含有することが好ましい。
【0153】
前記浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。前記浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30重量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0154】
前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
【0155】
前記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、チオエーテル類、チオウレア類(チオエーテル類とチオウレア類の例は特開2002−36717号公報、また、チオエーテル類の例は特開2002−86904号公報に記載)、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
【0156】
前記防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00重量%使用するのが好ましい。
【0157】
前記pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。前記pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10と夏用に添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
【0158】
前記表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。尚、本発明に係るインクジェット用インクの表面張力は25〜70mPa・sが好ましい。さらに25〜60mN/mが好ましい。また本発明に係るインクジェット用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型やN,N−ジメチル−N−ラウリル−カルボメチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩含有ベタイン型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157、636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
【0159】
前記消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
【0160】
本発明に係る染料が油溶性の場合に水性媒体に分散させる方法としては、特開平11−286637号、特開2001−240763、特開2001−262039、特開2001−247788のように染料と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特開2001−262018、特開2001−240763、特開2001−335734、特願2000−203857のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明における染料を水性媒体中に分散することが好ましい。本発明における染料を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法、使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、前記特許に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、染料を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開平11−286637号、特願2000−87539号の各公報に詳細が記載されていて、本発明に係るインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
【0161】
前記水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
【0162】
本発明のインクセットに用いるインクは、インク100重量部に対して、染料を0.1重量部以上20重量部以下含有するのが好ましい。また、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクは、酸化電位が0.8Vより貴であれば2種類以上の染料を併用してもよい。2種類以上の染料を併用する場合は、染料の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
近年高画質化を目的に、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクがしばしば染料濃度の異なる2種類以上のインクから構成されるが、本発明においては、濃淡各インクで用いられる染料は、いずれも酸化電位が0.8Vより貴であることが望ましい。
【0163】
本発明において、同色相のインクとして2種以上の異なるインクを用いる場合、1種のインク濃度に対して、他種のインク濃度が0.05〜0.5倍であることが好ましい。
【0164】
本発明のインクセットは、フルカラーの画像形成に用いるものであるが、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
【0165】
−インクジェット記録用シート
本発明におけるインクジェット記録用シートは、少なくとも支持体上に色材受容層を有し、この色材受容層には少なくとも1種の無機媒染剤を含有する。
【0166】
無機媒染剤としては、多価の水溶性金属塩や疎水性金属塩化合物が挙げられる。
無機媒染剤の具体例としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
【0167】
具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(塩基性ポリ水酸化アルミニウム)、塩基性乳酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硝酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩基性ギ酸アルミニウム、塩基性スルファミン酸アルミニウム、塩基性アルミニウムグリシネート、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、乳酸チタン、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸ジルコニル、乳酸ジルコニル、コハク酸ジルコニル、しゅう酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、乳酸ジルコニウムナトリウム、塩基性ジルコニウムグリシネート、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドリん酸n水和物、硝酸ガリウム、硝酸ゲルマニウム、硝酸ストロンチウム、酢酸イットリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、硝酸インジウム、硝酸ランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、安息香酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム、オクチル酸セリウム、硝酸プラセオジミウム、硝酸ネオジミウム、硝酸サマリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸エルビウム、硝酸イッテルビウム、塩化ハフニウム、硝酸ビスマス等があげられる。
【0168】
本発明の無機媒染剤としては、アルミニウム含有化合物、チタン含有化合物、ジルコニウム含有化合物、元素周期律表第IIIB族シリーズの金属化合物(塩または錯体)が好ましい。
特にアルミニウム含有化合物、ジルコニウム含有化合物が好ましい。
さらに水溶性アルミニウム化合物(硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物ウムなど)、水溶性ジルコニウム化合物(酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムなど)が好ましい。特にポリ塩化アルミニウムが好ましい。
無機媒染剤は単独で使用しても併用してもよい。併用して用いる場合は、少なくともアルミニウム含有化合物またはジルコニウム含有化合物を含むのが好ましい。更にアルミニウム含有化合物及びジルコニウム含有化合物を併用するのが好ましい。
【0169】
本発明でインク受容層に含まれる上記媒染剤量は、0.01g/m 2 〜5g/m 2 が好ましく、0.1g/m 2 〜3g/m 2 がより好ましい。
【0170】
本発明のインクジェット記録用シートでは、水溶性樹脂を含有することが好ましい。
【0171】
(水溶性樹脂)
上記水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。
また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
【0172】
以上の中でも、特にポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。該ポリビニルアルコールの例としては、特公平4−52786号、特公平5−67432号、特公平7−29479号、特許第2537827号、特公平7−57553号、特許第2502998号、特許第3053231号、特開昭63−176173号、特許第2604367号、特開平7−276787号、特開平9−207425号、特開平11−58941号、特開2000−135858号、特開2001−205924号、特開2001−287444号、特開昭62−278080号、特開平9−39373号、特許第2750433号、特開2000−158801号、特開2001−213045号、特開2001−328345号、特開平8−324105号、特開平11−348417号、特開昭58−181687号、特開平10−259213号、特開2001−72711号、特開2002−103805号、特開2000−63427号、特開2002−308928号、特開2001−205919号、特開2002−264489号等に記載されたものなどがあげられる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水溶性樹脂の例としては、特開平11-165461号公報の[0011]〜[0012]に記載の化合物、特開2001−205919号、特開2002−264489号に記載の化合物などもあげられる。
これら水溶性樹脂はそれぞれ単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。
【0173】
本発明の水溶性樹脂の含有量としては、色材受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
【0174】
(微粒子)
本発明のインクジェット記録用シートでは、その色材受容層が、微粒子を含有することが好ましく、該微粒子と前記水溶性樹脂とを併用することがより好ましい。
色材受容層が微粒子を含有することにより多孔質構造が得られ、これによりインクの吸収性能が向上する。特に、該微粒子の色材受容層における固形分含有量が50質量%以上、より好ましくは60質量%を超えていると、更に良好な多孔質構造を形成することが可能となり、十分なインク吸収性を備えたインクジェット記録用シートが得られるので好ましい。ここで、微粒子の色材受容層における固形分含有量とは、色材受容層を構成する組成物中の水以外の成分に基づき算出される含有量である。
本発明の上記微粒子としては、有機微粒子及び無機微粒子を使用できるが、インク吸収性及び画像安定性の点から、無機微粒子を含有するのが好ましい。
【0175】
上記有機微粒子としては例えば、乳化重合、マイクロエマルジョン系重合、ソープフリー重合、シード重合、分散重合、懸濁重合などにより得られるポリマー微粒子が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアミド、シリコン樹脂、フェノール樹脂、天然高分子等の粉末、ラテックス又はエマルジョン状のポリマー微粒子等が挙げられる。
【0176】
上記無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム等が挙げられる。これらの中でも良好な多孔質構造を形成する観点より、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子又は擬ベーマイトが好ましい。微粒子は1次粒子のまま用いても、又は2次粒子を形成した状態で使用してもよい。これら微粒子の平均一次粒径は2μm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
更に、平均一次粒径が30nm以下のシリカ微粒子、平均一次粒径が30nm以下のコロイダルシリカ、平均一次粒径が20nm以下のアルミナ微粒子、又は平均細孔半径が2〜15nmの擬ベーマイトがより好ましく、特にシリカ微粒子、アルミナ微粒子、擬ベーマイトが好ましい。
【0177】
シリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、「気相法シリカ」とは該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を意味する。本発明に用いるシリカ微粒子としては、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
【0178】
上記気相法シリカは、含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
【0179】
上記気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈折率が低いので、適切な粒子径まで分散をおこなえば受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという特徴がある。受容層が透明であることは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
【0180】
上記気相法シリカの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましく、10nm以下が特に好ましく、3〜10nmが最も好ましい。上記気相法シリカは、シラノール基による水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次粒子径が30nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
【0181】
また、シリカ微粒子は、前述の他の微粒子と併用してもよい。該他の微粒子と上記気相法シリカとを併用する場合、全微粒子中の気相法シリカの含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
【0182】
本発明の無機微粒子としては、アルミナ微粒子、アルミナ水和物、これらの混合物又は複合物も好ましい。この内、アルミナ水和物は、インクを良く吸収し定着することなどから好ましく、特に、擬ベーマイト(Al2O3・nH2O)が好ましい。アルミナ水和物は、種々の形態のものを用いることができるが、容易に平滑な層が得られることからゾル状のベーマイトを原料として用いることが好ましい。
【0183】
擬ベーマイトの細孔構造については、その平均細孔半径は1〜30nmが好ましく、2〜15nmがより好ましい。また、その細孔容積は0.3〜2.0cc/gが好ましく、0.5〜1.5cc/gがより好ましい。ここで、上記細孔半径及び細孔容積の測定は、窒素吸脱着法により測定されるもので、例えば、ガス吸脱着アナライザー(例えば、コールター社製の商品名「オムニソープ369」)により測定できる。
また、アルミナ微粒子の中では気相法アルミナ微粒子が比表面積が大きく好ましい。該気相法アルミナの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましい。
【0184】
上述の微粒子をインクジェット記録用シートに用いる場合は、例えば、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号等公報に開示された態様でも、好ましく用いることができる。
【0185】
本発明の色材受容層を主として構成する、前述の水溶性樹脂と上記微粒子とは、それぞれ単一素材であってもよいし、複数の素材の混合系を使用してもよい。
尚、透明性を保持する観点からは、微粒子特にシリカ微粒子に組み合わされる水溶性樹脂の種類が重要となる。前記気相法シリカを用いる場合には、該水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、その中でも、鹸化度70〜100%のポリビニルアルコール系樹脂がより好ましく、鹸化度80〜99.5%のポリビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。
【0186】
前記ポリビニルアルコール系樹脂は、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基と前記シリカ微粒子の表面シラノール基とが水素結合を形成するため、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖単位とした三次元網目構造を形成し易くなる。この三次元網目構造の形成によって、空隙率が高く十分な強度のある多孔質構造の色材受容層を形成されると考えられる。
インクジェット記録において、上述のようにして得られた多孔質の色材受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みの発生しない真円性の良好なドットを形成することができる。
【0187】
また、ポリビニルアルコール系樹脂は、前記その他の水溶性樹脂を併用してもよい。該他の水溶性樹脂と上記ポリビニルアルコール系樹脂とを併用する場合、全水溶性樹脂中、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
【0188】
<微粒子と水溶性樹脂との含有比>
微粒子(x)と水溶性樹脂(y)との質量含有比〔PB比(x:y)〕は、色材受容層の膜構造及び膜強度にも大きな影響を与える。即ち、質量含有比〔PB比〕が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなるが、密度や強度は低下する傾向にある。
【0189】
本発明の色材受容層は、上記質量含有比〔PB比(x:y)〕としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5:1〜10:1が好ましい。
【0190】
インクジェットプリンターの搬送系を通過する場合、記録用シートに応力が加わることがあるので、色材受容層は十分な膜強度を有していることが必要である。またシート状に裁断加工する場合、色材受容層の割れや剥がれ等を防止する上でも、色材受容層には十分な膜強度を有していることが必要である。これらの場合を考慮すると、前記質量比(x:y)としては5:1以下がより好ましく、一方インクジェットプリンターで、高速インク吸収性を確保する観点からは、2:1以上であることがより好ましい。
【0191】
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の気相法シリカ微粒子と水溶性樹脂とを、質量比(x:y)2:1〜5:1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖とする三次元網目構造が形成され、その平均細孔径が30nm以下、空隙率が50〜80%、細孔比容積が0.5ml/g以上、比表面積が100m 2 /g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
【0192】
(架橋剤)
本発明のインクジェット記録用シートの色材受容層は、前記水溶性樹脂を含む塗布層が更に前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含むことが好ましく、特に前記微粒子と前記水溶性樹脂とを併用し、さらに該架橋剤と水溶性樹脂との架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。
【0193】
上記の水溶性樹脂、特にポリビニルアルコールの架橋には、ホウ素化合物が好ましい。該ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二硼酸塩(例えば、Mg2B2O5、Co2B2O5)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na2B4O7・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB5O8・4H2O、Ca2B6O11・7H2O、CsB5O5)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸が好ましい。
【0194】
上記水溶性樹脂の架橋剤として、ホウ素化合物以外の下記化合物を使用することもできる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
【0195】
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。
上記の架橋剤は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0196】
架橋硬化は、微粒子、水溶性樹脂等を含有する塗布液(以下、「塗布液A」ということがある)及び/又は下記塩基性溶液に架橋剤を添加し、かつ、(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかのときに、pH7.1以上の塩基性溶液(以下、「塗布液B」ということがある)を前記塗布層に付与することにより行うことが好ましい。塩基性溶液は、更にpHは7.5以上が好ましく、特に8以上が好ましい。
上記架橋剤の付与は、ホウ素化合物を例にすると下記のように行われることが好ましい。すなわち、色材受容層が、微粒子、ポリビニルアルコールを含む水溶性樹脂を含有する塗布液(塗布液A)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層である場合、架橋硬化は、(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥塗中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかのときに、pH7.1以上の塩基性溶液(塗布液B)を前記塗布層に付与することにより行われる。架橋剤たるホウ素化合物は、塗布液A、又は塗布液Bのいずれかに含有すればよく、塗布液A及び塗布液Bの両方に含有させておいてもよい。
架橋剤の使用量は、水溶性樹脂に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
【0197】
(媒染剤)
本発明においては、無機媒染剤と併用して、形成画像の耐水性及び耐経時ニジミの向上を図るために、色材受容層に有機媒染剤を含有していてもよい。
上記有機媒染剤としてカチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤が好ましく、該媒染剤を色材受容層中に存在させることにより、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用し色材を安定化し、耐水性や耐経時ニジミを向上させることができる。有機媒染剤および無機媒染剤はそれぞれ複数種で使用しても良い。
【0198】
媒染剤は微粒子と水溶性樹脂を含む前記塗布液Aに添加する方法、又は微粒子との間で凝集を生ずる懸念がある場合は、前記塗布液Bに含有させ塗布する方法を利用できる。
【0199】
上記カチオン性媒染剤としては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
【0200】
上記単量体(媒染モノマー)としては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;
【0201】
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;
【0202】
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
【0203】
具体的には、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;
【0204】
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
【0205】
また、アリルアミン、ジアリルアミンやその誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)が挙げられる。尚、これらのアリルアミンおよびジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
【0206】
前記非媒染モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さいモノマーをいう。
上記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
【0207】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
上記非媒染モノマーも、一種単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
【0208】
更に、前記ポリマー媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと他のモノマー(媒染モノマー、非媒染モノマー)との共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとSO2との共重合体、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリジアリル塩酸塩等に代表される環状アミン樹脂およびその誘導体(共重合体も含む);ポリジエチルメタクリロイルオキシエチルアミン、ポリトリメチルメタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルベンジルメタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルヒドロキシエチルアクリロイルオキシエチルアンモニウムクロリド等に代表される2級アミノ、3級アミノまたは4級アンモニウム塩置換アルキル(メタ)アクリレート重合体及び他のモノマーとの共重合体;ポリエチレンイミンおよびその誘導体、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリビニルアミン及びその誘導体等に代表されるポリアミン系樹脂;ポリアミドーポリアミン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂等に代表されるポリアミド樹脂;カチオン化でんぷん、キトサンおよびキトサン誘導体等に代表される多糖類;ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物等に代表されるジシアンジアミド誘導体;ポリアミジンおよびポリアミジン誘導体;ジメチルアミンエピクロロヒドリン付加重合物等に代表されるジアルキルアミンエピクロロヒドリン付加重合物およびその誘導体;第4級アンモニウム塩置換アルキル基を有するスチレン重合体およびその他のモノマーとの共重合体等も好ましいものとして挙げることができる。
【0209】
前記ポリマー媒染剤として、具体的には、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号、特開平1−161236号、同10−81064号、同10−157277号、同10−217601号、特開2001−138621号、同2000−211235号、同2001−138627号、特開平8−174992号、特公平5−35162号、同5−35163号、同5−35164号、同5−88846号、特許第2648847号、同2661677号等の各公報に記載のもの等が挙げられる。
【0210】
無機媒染剤量と有機媒染剤量を併用する場合は、その比率は保存性とにじみのバランスで決定すればよく、その際使用する媒染剤のなかで、無機媒染剤の比が5%以上、好ましくは10%以上が好ましい。媒染剤量は、0.01g/m 2 〜5g/m 2 が好ましく、0.1g/m 2 〜3g/m 2 がより好ましい。
【0211】
(その他の成分)
本発明のインクジェット記録用シートは、必要に応じて、更に各種の公知の添加剤、例えば酸、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、滲み防止剤、防腐剤、粘度安定剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止剤、マット剤、カール防止剤、耐水化剤等を含有することができる。
【0212】
本発明において、色材受容層は酸を含有していてもよい。酸を添加することで、色材受容層の表面pHを3〜8、好ましくは4〜6に調整する。これにより白地部の耐黄変性が向上するので好ましい。表面pHの測定は、日本紙パルプ技術協会(J.TAPPI)の定めた表面PHの測定の内A法(塗布法)により測定を行う。例えば、前記A法に相当する(株)共立理化学研究所製の紙面用PH測定セット「形式MPC」を使用して該測定を行うことができる。
【0213】
具体的な酸の例としては、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸金属塩(Zn,Al,Ca,Mg等の塩)、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、スルファニル酸、スルファミン酸、α−レゾルシン酸、β−レゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリシン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ビスフェノール酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ほう酸、ボロン酸や前述の有機、無機媒染剤で酸性のもの等が挙げられる。これらの酸の添加量は、色材受容層の表面PHが3〜8になるように決めればよい。
上記の酸は金属塩(例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、セシウム、亜鉛、銅、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、ランタン、イットリウム、マグネシウム、ストロンチウム、セリウムなどの塩)、又はアミン塩(例えばアンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、ポリアリルアミンなど)の形態で使用してもよい。
【0214】
本発明においては、色材受容層が紫外線吸剤、酸化防止剤、滲み防止剤などの保存性向上剤を含有することが好ましい。
これら紫外線吸剤、酸化防止剤、滲み防止剤としては、アルキル化フェノール化合物(ヒンダードフェノール化合物を含む)、アルキルチオメチルフェノール化合物、ヒドロキノン化合物、アルキル化ヒドロキノン化合物、トコフェロール化合物、チオエーテル結合を有する脂肪族、芳香族及び/又は複素環式化合物、ビスフェノール化合物、O−,N−及びS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、ホスホネート化合物、アシルアミノフェノール化合物、エステル化合物、アミド化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化剤、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール化合物、2−ヒドロキシベンゾフェノン化合物、アクリレート、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミン化合物(TEMPO化合物を含む)、2−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5,−トリアジン化合物、金属不活性化剤、ホスフィット化合物、ホスホナイト化合物、ヒドロキシアミン化合物、ニトロン化合物、過酸化物スカベンジャー、ポリアミド安定剤、ポリエーテル化合物、塩基性補助安定剤、核剤、ベンゾフラノン化合物、インドリノン化合物、ホスフィン化合物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、尿素化合物、ヒドラジト化合物、アミジン化合物、糖化合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が挙げられる。
【0215】
これらの中でも、アルキル化フェノール化合物、チオエーテル結合を有する脂肪族、芳香族及び/又は複素環式化合物、ビスフェノール化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化剤、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミン化合物、ヒドロキシアミン化合物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、ヒドラジド化合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が好ましい。
【0216】
具体的な化合物例は、特開2002―36717号、特開平2002―86904号、特願2002-13005号、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特開平11−170686号、特公平4−34512号、EP1138509号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2001−94829号、特開昭47−10537号、同58−111942号、同58−212844号、同59−19945号、同59−46646号、同59−109055号、同63−53544号、特公昭36−10466号、同42−26187号、同48−30492号、同48−31255号、同48−41572号、同48−54965号、同50−10726号、米国特許第2,719,086号、同3,707,375号、同3,754,919号、同4,220,711号、
【0217】
特公昭45−4699号、同54−5324号、ヨーロッパ公開特許第223739号、同309401号、同309402号、同310551号、同第310552号、同第459416号、ドイツ公開特許第3435443号、特開昭54−48535号、同60−107384号、同60−107383号、同60−125470号、同60−125471号、同60−125472号、同60−287485号、同60−287486号、同60−287487号、同60−287488号、同61−160287号、同61−185483号、同61−211079号、同62−146678号、同62−146680号、同62−146679号、同62−282885号、同62−262047号、同63−051174号、同63−89877号、同63−88380号、同66−88381号、同63−113536号、
【0218】
同63−163351号、同63−203372号、同63−224989号、同63−251282号、同63−267594号、同63−182484号、特開平1−239282号、特開平2−262654号、同2−71262号、同3−121449号、同4−291685号、同4−291684号、同5−61166号、同5−119449号、同5−188687号、同5−188686号、同5−110490号、同5−1108437号、同5−170361号、特公昭48−43295号、同48−33212号、米国特許第4814262号、同第4980275号等の各公報に記載のものがあげられる。
【0219】
前記その他の成分は、1種単独でも2種以上を併用してもよい。この前記その他の成分は、水溶性化、分散化、ポリマー分散、エマルション化、油滴化して添加してもよく、マイクロカプセル中に内包することもできる。本発明のインクジェット記録用シートでは、上記その他の成分の添加量としては、0.01〜10g/m 2 が好ましい。
【0220】
また、無機微粒子の分散性を改善する目的で、無機表面をシランカップリング剤で処理してもよい。該シランカップリング剤としては、カップリング処理を行なう部位の他に、有機官能性基(例えば、ビニル基、アミノ基(1級〜3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基)、エポキシ基、メルカプト基、クロロ基、アルキル基、フェニル基、エステル基、チオエーテル基等)を有するものが好ましい。
【0221】
本発明において、色材受容層用塗布液は界面活性剤を含有しているのが好ましい。該界面活性剤としてはカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、フッ素系、シリコン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリーコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロールモノオレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アセチレングリコール類(例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、及び該ジオールのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等)等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類が好ましい。該ノニオン系界面活性剤は、第1の塗布液および第2の塗布液において使用することができる。また、上記ノニオン系界面活性剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0222】
上記両性界面活性剤としては、アミノ酸型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホンアンモニウムベタイン型、アンモニウム硫酸エステルベタイン型、イミダゾリウムベタイン型等が挙げられ、例えば、米国特許第3,843,368号、特開昭59−49535号、同63−236546号、特開平5−303205号、同8−262742号、同10−282619号、特許第2514194号、特許2759795号、特開2000-351269号の各公報等に記載されているものを好適に使用できる。上記両性界面活性剤のなかでも、アミノ酸型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホンアンモニウムベタイン型が好ましい。上記両性界面活性剤は1種で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0223】
前記アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩(例えばステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム )、アルキル硫酸エステル塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン)、スルホン酸塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルスルホコハク酸塩(例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩などがあげられる。
【0224】
前記フッ素系界面活性剤としては、電解フッ素化、テロメリゼーション、オリゴメリゼーションなどの方法を用いてパーフルオロアルキル基を持つ中間体をへて誘導される化合物があげられる。
例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどがあげられる。
【0225】
前記シリコン系界面活性剤としては、有機基で変性したシリコンオイルが好ましく、シロキサン構造の側鎖を有機基で変性した構造、両末端を変性した構造、片末端を変性した構造をとり得る。有機基変性としてアミノ変性、ポリエーテル変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、アルキル変性、アラルキル変性、フェノール変性、フッ素変性等が挙げられる。
【0226】
本発明で界面活性剤の含有量としては、色材受容層用塗布液に対して0.001〜2.0%が好ましく、0.01〜1.0%がより好ましい。また、色材受容層用塗布液として2液以上を用いて塗布を行なう場合には、それぞれの塗布液に界面活性剤を添加するのが好ましい。
【0227】
本発明において、色材受容層はカール防止用に高沸点有機溶剤を含有するのが好ましい。上記高沸点有機溶剤は常圧で沸点が150℃以上の有機化合物で、水溶性又は疎水性の化合物である。これらは、室温で液体でも固体でもよく、低分子でも高分子でもよい。
具体的には、芳香族カルボン酸エステル類(例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジフェニル、安息香酸フェニルなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(例えばアジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸メチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、アセチルクエン酸トリエチルなど)、リン酸エステル類(例えばリン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなど)、エポキシ類(例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸メチルなど)、アルコール類(例えば、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコールなど)、植物油(例えば大豆油、ヒマワリ油など)高級脂肪族カルボン酸(例えばリノール酸、オレイン酸など)等が挙げられる。
【0228】
(支持体)
本発明の支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。色材受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。
【0229】
上記透明支持体に使用可能な材料としては、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ましい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポリエステル類が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易い点で、50〜200μmが好ましい。
【0230】
高光沢性の不透明支持体としては、色材受容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有するものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って求められる値である。具体的には、下記支持体が挙げられる。
【0231】
例えば、アート紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていてもよい。)高光沢性のフィルム;或いは、上記各種紙支持体、上記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体等が挙げられる。
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
【0232】
上記不透明支持体の厚みについても特に制限はないが、取り扱い性の点で、50〜300μmが好ましい。
【0233】
また、上記支持体の表面には、濡れ特性及び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用してもよい。
【0234】
次に、前記レジンコート紙に用いられる原紙について詳述する。
上記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。上記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
【0235】
上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好ましく用いられ、漂白処理をおこなって白色度を向上させたパルプも有用である。
【0236】
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
【0237】
抄紙に使用するパルプの濾水度としては、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される24メッシュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0238】
原紙の坪量としては、30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さとしては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m 2 (JIS P−8118)が一般的である。
更に、原紙剛度としては、JIS P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
【0239】
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては、上記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
【0240】
原紙表面および裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
【0241】
特に、色材受容層を形成する側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広くおこなわれているように、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白剤、群青をポリエチレン中に添加し、不透明度、白色度および色相を改良したものが好ましい。ここで、酸化チタン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜20質量%が好ましく、4〜13質量%がより好ましい。ポリエチレン層の厚みは特に限定はないが、表裏面層とも10〜50μmが好適である。さらにポリエチレン層上に色材受容層との密着性を付与するために下塗り層を設けることもできる。該下塗り層としては、水性ポリエステル、ゼラチン、PVAが好ましい。また、該下塗り層の厚みとしては、0.01〜5μmが好ましい。
【0242】
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理をおこなって通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものも使用できる。
【0243】
支持体にはバックコート層を設けることもでき、このバックコート層に添加可能な成分としては、白色顔料や水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0244】
バックコート層に用いられる水性バインダーとしては、例えば、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、澱粉、カチオン化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0245】
(インクジェット記録用シートの作製)
本発明のインクジェット記録用シートの色材受容層は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等があげられる。色材受容層は、支持体上に1層でもよいし、多層構成になっていてもよく、さらにインク溶媒吸収層、中間層、保護層等を有していてもよい。本発明の無機媒染剤は色材受容層の全層またはインク受理表面付近に存在させればよい。
また、例えば、支持体表面に少なくとも微粒子と水溶性樹脂を含む第一の塗布液(以後、「塗布液(A)」と言うこともある)を塗布し、(1)該塗布と同時、(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前のいずれかに少なくとも塩基性化合物を含むpHが7.1以上の第二の塗布液(以後、「塗布液(B)」と言うこともある)を付与した後、該第二の塗布液を付与した塗布層を架橋硬化させる方法(Wet−on−Wet法)により形成されるのが好ましい。ここで、本発明の無機媒染剤は、上記塗布液(A)あるいは塗布液(B)の少なくとも一方に含有されるのが好ましい。特に塗布液(A)に含有されるのが好ましい。また、上記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤も、上記塗布液(A)あるいは塗布液(B)の少なくとも一方に含有されるのが好ましい。
この様にして架橋硬化させた色材受容層を設けることは、インク吸収性や膜のヒビ割れ防止などの観点から好ましい。
【0246】
本発明において、少なくとも微粒子(例えば、気相法シリカ)と水溶性樹脂(例えば、ポリビニルアルコール)とを含有する色材受容層用塗布液(塗布液(A))は、例えば、以下のようにして調製することができる。即ち、
気相法シリカ微粒子と分散剤を水中に添加して(例えば、水中のシリカ微粒子は10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で例えば20分間(好ましくは10〜30分間)かけて分散させた後、架橋剤(ホウ素化合物)、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(例えば、上記気相法シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)を加え、更に本発明における無機媒染剤を色材受容層用塗布液に含ませる場合には該化合物を加えて、上記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。得られた塗布液は均一なゾル状態であり、これを下記塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させることにより、三次元網目構造を有する多孔質性の色材受容層を形成することができる。
【0247】
また、上記気相法シリカと分散剤とからなる水分散物の調製は、気相法シリカ水分散液をあらかじめ調製し、該水分散液を分散剤水溶液に添加してもよいし、分散剤水溶液を気相法シリカ水分散液に添加してよいし、同時に混合してもよい。また、気相法シリカ水分散液ではなく、粉体の気相法シリカを用いて上記のように分散剤水溶液に添加してもよい。
上記の気相法シリカと分散剤とを混合した後、該混合液を分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径50〜300nmの水分散液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的におこなうという点から、撹拌型分散機、コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましい。
【0248】
また、各工程における溶媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
【0249】
また、上記分散剤としてはカオチン性のポリマーを用いることができる。カオチン性のポリマーとしては、前述の有機媒染剤の例などが挙げられる。また、分散剤としてシランカップリング剤を用いることも好ましい。
上記分散剤の微粒子に対する添加量は、0.1%〜30%が好ましく、1%〜10%が更に好ましい。
【0250】
支持体上に色材受容層を形成した後、該色材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透明性および塗膜強度を向上させることが可能である。しかしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定しておこなう必要がある。
【0251】
カレンダー処理をおこなう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。
また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
【0252】
上記色材受容層の層厚としては、インクジェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm 2 で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm以上の膜が必要となる。
この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、色材受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
【0253】
また、色材受容層の細孔径は、メジアン径で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜0.025μmがより好ましい。
上記空隙率および細孔メジアン径は、水銀ポロシメーター((株)島津製作所製の商品名「ポアサイザー9320−PC2」)を用いて測定することができる。
【0254】
また、色材受容層は、透明性に優れていることが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HGM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定することができる。
【0255】
本発明のインクジェット記録用シートの構成層(例えば、色材受容層あるいはバック層など)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。このポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止等のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、特開平10−228076号の各公報に記載がある。尚、ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を、前記媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止することができる。
【0256】
また、本発明のインクジェット記録用シートは、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号の各公報に記載の方法でも作製可能である。
【0257】
支持体上には、前記色材受容層と支持体との間の接着性を高め、電気抵抗値を適切に調整する等の目的で、下塗層を設けてもよい。
【0258】
尚、前記色材受容層は、支持体の片面のみに設けてもよいし、カール等の変形を防止する等の目的で、支持体の両面に設けてもよい。OHP等で用いる場合であって、前記色材受容層を支持体の片面のみに設ける場合は、その反対側の表面、或いはその両面に、光透過性を高める目的で反射防止膜を設けることもできる。
【0259】
また、前記色材受容層が設けられる側の支持体の表面に、ホウ酸又はホウ素化合物を塗工し、その上に色材受容層を形成することにより、色材受容層の光沢度や表面平滑性を確保し、かつ高温高湿環境下における印画後の画像の経時ニジミを抑制することもできる。
【0260】
−インクジェット記録方法−
本発明のインクジェット記録方法においては、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
【0261】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 なお、実施例中、「部」は「質量部」を意味する。
【0262】
〔実施例1〕
(水性インクの調製)
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後KOH 10mol/LにてpH=9に調整し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターを用いて減圧濾過してライトマゼンタ用インク液を調製した。
【0263】
・下記構造式で示されるマゼンタ染料(T−1) 7.5g/L
・ジエチレングリコール 50g/L
・尿素 10g/L
・グリセリン 200g/L
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 120g/L
・トリエタノールアミン 6.9g/L
・ベンゾトリアゾール 0.08g/L
・2−ピロリドン 20g/L
・サーフィノール465
(界面活性剤 エアープロダクスジャパン製) 10.5g/L
・PROXEL XL−2(殺菌剤:ICIジャパン製) 3.5g/L
【0264】
さらに染料種、添加剤を変えることにより、マゼンタインク、ライトシアンインク、シアンインク、イエローインク、ブラックインクを調整し、表1に示す濃度のインクセット101を作製した。
【0265】
【表1】
【0266】
【化36】
【0267】
【化37】
【0268】
次にインクセット101のライトマゼンタ、マゼンタ、ライトシアン、シアン、イエローの各インクについて染料種を表2に従うように変更し、インクセット102〜106を作製した。尚、染料を変更する場合、等モルずつ置き換えて使用することを基準とし、各インク液の透過濃度がインクセット101と同等となるように染料濃度を調整した。また、染料を併用する場合には等モルずつ使用した。
【0269】
【表2】
(支持体の作製)
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原紙を抄造した。
【0270】
上記原紙の表面サイズを調整するため、ポリビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(住友化学工業(株)製の「Whitex BB」)を0.04%添加し、これを絶乾質量換算で0.5g/m2となるように上記原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダー処理を施して密度1.05g/ccに調整された基紙を得た。
【0271】
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように塗布した。
【0272】
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有し、MFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように押し出し、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、支持体とした。
【0273】
(色材受容層用塗布液Aの調製)
下記組成中の(1)気相法シリカ微粒子と(2)イオン交換水と(3)「シャロールDC−902P」を混合し、KD−P((株)シンマルエンタープライゼス製)を用いて、回転数10000rpmで20分間かけて分散させた後、下記(4)ポリビニルアルコールと(5)ホウ酸と(6)ポリオキシエチレンラウリルエーテルと(7)イオン交換水を含む溶液を加え、更に回転数10000rpmで20分間かけて再度分散を行ない、色材受容層用塗布液Aを調製した。
シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比(PB比=(1):(4))は、4.5:1であり、色材受容層用塗布液AのpHは、3.5で酸性を示した。
【0274】
<色材受容層塗布液Aの組成>
(1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 10.0部
((株)トクヤマ製の「レオロシールQS-30」、平均一次粒子径7nm)
(2)イオン交換水 51.7部
(3)ポリジメチルジアリルアミン系4級アンモニウム塩
(シャロールDC-902P 第一工業製薬株式会社) 0.8部
(4)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)8%水溶液 27.8部
((株)クラレ製の「PVA124」、鹸化度98.5%、重合度2400)
(5)ホウ酸(架橋剤) 0.4部
(6)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤 1.2部
(花王(株)製「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6)
(7)イオン交換水 33.0部
【0275】
(色材受容層用塗布液Bの調製)
上記色材受容層用塗布液Aに、ジルコニウムアセテート(第一稀元素化学工業株式会社 ジルコゾールZA−30、30%水溶液)1.4部加えること以外は同様にして色材受容層用塗布液Bを作成した。
【0276】
(色材受容層用塗布液Cの調製)
上記色材受容層用塗布液Aに、塩基性塩化ジルコニル(第一稀元素化学工業株式会社 ジルコゾールZC-2)1.0部加えること以外は同様にして色材受容層用塗布液Cを作成した。
【0277】
(色材受容層用塗布液Dの調製)
上記色材受容層用塗布液Aに、ポリ塩化アルミニウム(別名:塩基性ポリ水酸化アルミニウム Al2(OH)5Cl、40%水溶液)0.8部加える、ポリビニルアルコール「PVA124」をポリビニルアルコール「PVA235」(株式会社クラレ、鹸化度88%、重合度3500)に変更したこと以外は同様にして色材受容層用塗布液Dを作成した。
【0278】
(色材受容層用塗布液Eの調製)
上記色材受容層用塗布液Aに、ポリ塩化アルミニウム(Al2(OH)5Cl、40%水溶液)0.4部加えること以外は同様にして色材受容層用塗布液Eを作成した。
【0279】
(色材受容層用塗布液Fの調製)
上記色材受容層用塗布液Aに、乳酸チタン0.2部とポリ塩化アルミニウム(40%水溶液)0.7部加えること以外は同様にして色材受容層用塗布液Fを作成した。
【0280】
(色材受容層用塗布液Gの調製)
上記色材受容層用塗布液Aに、硝酸ランタン0.4部加えること以外は同様にして色材受容層用塗布液Gを作成した。
【0281】
(色材受容層用塗布液Hの調製)
上記色材受容層用塗布液Aに、メタクリル酸エステル系4級アンモニウム塩(シャロールDM-283P 第一工業製薬株式会社)1.0部加えること以外は同様にして色材受容層用塗布液Hを作成した。
【0282】
(色材受容層用塗布液Iの調製)
色材受容層用塗布液Aのポリジメチルジアリルアミン系4級アンモニウム塩(シャロールDC-902P 第一工業製薬株式会社)を、1.6部に変更すること以外は同様にして色材受容層用塗布液Iを作成した。
【0283】
(色材受容層用塗布液Jの調製)
上記色材受容層用塗布液Aに、ポリジメチルジアリルアミン系4級アンモニウム塩(PAS-A-1日東紡株式会社)1.0部加えること以外は同様にして色材受容層用塗布液Jを作成した。
【0284】
(色材受容層用塗布液Kの調製)
上記色材受容層用塗布液Aに、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム系4級アンモニウム塩(アデカカチオエースPD-50 旭電化工業株式会社)1.0部加えること以外は同様にして色材受容層用塗布液Kを作成した。
【0285】
(インクジェット記録用シートの作製)
上記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、上記から得た色材受容層用塗布液A〜Kを、支持体のオモテ面にエクストルージョンダイコーターを用いて200ml/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/秒)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。これにより、乾燥膜厚32μmの色材受容層が設けられたインクジェット記録用シート(1)〜(11)を作製した。
【0286】
(画像記録および評価)
インクセット101〜106をインクジェットプリンターPM950C(セイコーエプソン株式会社製)のカートリッジに詰め、前記色材受容層塗布液A〜Kをそれぞれ付与したインクジョット記録用シート(1)〜(11)に画像を印刷し、以下の評価をおこなった。
【0287】
<画像堅牢性>
画像堅牢性についてはグレーの印字サンプルを作製し、以下の評価を行った。(1.光堅牢性:以下の表には「耐光性」と記載)
印字直後の色度(a*1、b*1)および明度(L1)をグレタグ社製SPM100−IIにて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用いてキセノン光(85000ルックス)を7日間照射したのち、再び色度(a*2、b*2)、明度(L2)を測定し、光照射前後の色差(ΔE)を以下の数式(I)に従い求め評価した。
ΔE={(a*1−a*2)2+
(b*1−b*2)2+(L1−L2)2}1/2 数式(I)
色差について反射濃度が1.0、1.3、1.6の3点にて評価し、いずれの濃度でも色差が5未満の場合をA、濃度によって5未満および5以上の両方の評価を含む場合をB、すべての濃度で5以上の場合をCとした。
【0288】
(2.耐オゾン性)
オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボックス内に7日間試料を保存する前後での色差を、光堅牢性と同様の方法により評価した。染料残存率について反射濃度が1.0、1.3、1.6の3点にて評価し、いずれの濃度でも色差が10未満の場合をA、濃度によって10未満および10以上の両方の評価を含む場合をB、すべての濃度で10以上の場合をCとした。尚、ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
以上、すべての評価結果を下記表3に示す。
【0289】
【表3】
【0290】
表3から本発明のインクジェット記録方法による実施例では、比較例に比べ、耐光性、耐オゾン性に優れていることを示しており、また、実施例の方法によると、画像のにじみ、耐水性、耐熱性、光沢度、インク吸収速度、画像濃度のいずれにも優れていた。
【0291】
(実施例2)
実施例1で作製した同じインクを、インクジェットプリンターBJF900(キャノン株式会社製)に詰め、同機にて画像を前記インクジェット記録用シート(4)にプリントし、実施例1と同様な評価を行なったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
【0292】
(実施例3)
実施例1のインクセット101から、ライトマゼンタ、マゼンタ、ライトシアン、シアン、イエローを以下の方法により調製した油溶性染料インクに変更し、インクセット201を調製した。
染料(M−24)8g、界面活性剤(花王製、商品名エマール20C)60gを、高沸点有機溶剤(S−1)6g、高沸点有機溶剤(S−2)10g、添加剤(A−1)1.0gおよび酢酸エチル50mL中に70℃にて溶解させた。この溶液に500mLの脱イオン水をマグネティックスターラーで撹拌しながら添加し、水中油滴型の粗粒分散物を作製した。
高沸点有機溶剤(S−1)、(S−2)および添加剤(A−1)の構造式を以下に示す。
【0293】
【化38】
【0294】
次に、この粗粒分散物をマイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC)にて60MPaの圧力で5回通過させることで微粒子化を行なった。さらに出来上がった乳化物をロータリ−エバポレーターにて酢酸エチルの臭気がなくなるまで脱溶媒を行なった。
上記のようにして得られた疎水性染料の微細乳化物に、ジエチレングリコール140g、グリセリン64g、および尿素などの添加剤を加えた後、脱イオン水を全体量が1リットルになるように加え、KOH 10mol/LにてpH=9に調整することにより表4の濃度に従うライトマゼンタインクを作成した。得られた乳化分散インクの体積平均粒子サイズをマイクロトラックUPA(日機装(株)製)を用いて測定したところ40nmであった。
さらに使用する染料の種類、量、高沸点有機溶剤の量および各種添加剤の種類、量を変更し、表4に示すインクセット201のマゼンタインク、ライトシアンインク、シアンインク、イエローインクを調製した。尚、表4に示すのは、溶剤蒸発後の最終組成物の組成である。
【0295】
【表4】
【0296】
各インクについて、表5のように染料種を変更する以外は201と同様にして、インクセット202〜204を作製した。染料を変更する場合、等モルづつ置き換えて使用することを基準とし、各インク液の透過濃度がインクセット201と同等になるように染料濃度を調節した。
【0297】
【表5】
【0298】
(画像記録および評価)
インクセット201〜204をインクジェットプリンターPM950C(セイコーエプソン株式会社製)のカートリッジに詰め、前記色材受容層を付与したインクジョット記録用シートに画像を印刷し、以下の評価をおこなった。
【0299】
<画像堅牢性>
画像堅牢性についてはグレーの印字サンプルを作製し、以下の評価を行った。(1.光堅牢性:以下の表には「耐光性」と記載)
印字直後の色度(a*1、b*1)および明度(L1)をグレタグ社製SPM100−IIにて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用いてキセノン光(85000ルックス)を7日間照射したのち、再び色度(a*2、b*2)、明度(L2)を測定し、光照射前後の色差(ΔE)を以下の数式(I)に従い求め評価した。
ΔE={(a*1−a*2)2+
(b*1−b*2)2+(L1−L2)2}1/2 数式(I)
色差について反射濃度が1.0、1.3、1.6の3点にて評価し、いずれの濃度でも色差が5未満の場合をA、濃度によって5未満および5以上の両方の評価を含む場合をB、すべての濃度で5以上の場合をCとした。
【0300】
(2.耐オゾン性)
オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボックス内に7日間試料を保存する前後での色差を、光堅牢性と同様の方法により評価した。染料残存率について反射濃度が1.0、1.3、1.6の3点にて評価し、いずれの濃度でも色差が10未満の場合をA、濃度によって10未満および10以上の両方の評価を含む場合をB、すべての濃度で10以上の場合をCとした。尚、ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
以上、すべての評価結果を下記表6に示す。
【0301】
【表6】
【0302】
表6から本発明のインクジェット記録方法による実施例では、比較例に比べ、耐光性、耐オゾン性に優れていることを示しており、また、実施例の方法によると、画像のにじみ、耐水性、耐熱性、光沢度、インク吸収速度、画像濃度のいずれにも優れていた。
【0303】
【発明の効果】
以上のように本発明のインクジェット記録方法によれば、耐光性、耐オゾン性に優れた画像を形成することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording method excellent in image fastness.
[0002]
[Prior art]
In recent years, a material for forming a color image has been mainly used as an image recording material. Specifically, an inkjet recording material, a thermal transfer type image recording material, a recording material using an electrophotographic system, a transfer type halogen, and the like. Silver halide photosensitive materials, printing inks, recording pens and the like are actively used.
In these color image recording materials, the three primary colors (dyes and pigments) of the so-called subtractive color mixing method are used to reproduce or record a full-color image, but it has an absorption characteristic that can realize a preferable color reproduction range. However, the fact is that there are no fast-moving dyes that can withstand various use conditions, and improvements are strongly desired.
The ink jet recording method is rapidly spreading and further developing because of its low material cost, high speed recording, low noise during recording, and easy color recording.
[0003]
Inkjet recording methods include a continuous method in which droplets are continuously ejected and an on-demand method in which droplets are ejected in accordance with image information signals. There are a method of discharging bubbles, a method of generating bubbles in the ink by heat and discharging droplets, a method of using ultrasonic waves, and a method of sucking and discharging droplets by electrostatic force. As the ink for ink jet recording, water-based ink, oil-based ink, or solid (melted type) ink is used.
[0004]
For the colorant used in such ink for ink jet recording, the solvent has good solubility or dispersibility, high density recording is possible, hue is good, light, heat, environment It is robust against active gases (NOx, oxidizing gases such as ozone, SOx, etc.), has excellent fastness to water and chemicals, and has good fixability to image receiving materials and is difficult to bleed. The ink is required to have excellent storage stability, no toxicity, high purity, and availability at low cost. However, it is extremely difficult to search for colorants that meet these requirements at a high level. Especially when printing on image receiving materials that have good three primary color hues and are robust to light, humidity, and heat, especially ink receiving layers containing porous white inorganic pigment particles The colorant is strongly desired to be robust against oxidizing gases such as ozone therein.
[0005]
Conventionally, as magenta dyes, azo dyes using phenol, naphthol, aniline or the like as a coupling component have been widely used. As azo dyes having good hues, there are known dyes disclosed in JP-A-11-209673, Tokuto No. 3020660 and the like, but have a problem that light fastness is inferior. In order to improve this, Japanese Patent Application No. 2000-220649 discloses a dye having a good hue and improved light fastness. However, all of the dyes known in these patents are extremely insufficient in fastness to oxidizing gases such as ozone.
[0006]
Typical cyan dyes are phthalocyanine dyes and triphenylmethane dyes. The most widely used phthalocyanine dyes are represented by CIDirect Blue 86, 87 and 199. These dyes are characterized by their excellent light resistance compared to magenta and yellow dyes, but have been picked up as environmental problems in recent years. Discoloration and fading due to oxidative gases such as nitrogen oxide gas and ozone are often significant.
So far, as phthalocyanine dyes imparted with ozone gas resistance, JP-A-3-103484, JP-A-4-39365, JP-A-2000-30309, etc. have been disclosed. The improvement effect of was extremely insufficient, and further improvement was desired.
On the other hand, triphenylmethane-based dyes typified by Acid Blue 9 have good hue, but are extremely inferior in light resistance and ozone gas resistance.
[0007]
As yellow dyes, azobenzene dyes such as Direct Yellow 86 and 120, or heterocyclic azo dyes such as pyrazolone azo dyes and pyridone azo dyes such as Acid Yellow 17 have been used. Also, quinophthalone dyes are often proposed. However, among these conventionally known dyes such as quinophthalone dyes, which have good hues, particularly those with long tails on the long wave side of the absorption spectrum, are often not fast against ozone and light. The current situation is that there is no dye that has both hue and fastness, such as being strong but having a poor chopping on the long wave side.
[0008]
In order to obtain a robust full color image having excellent color reproducibility, the following requirements are required for the dye constituting the image.
Each primary dye has excellent absorption characteristics
Optimal combination of three primary color dyes to achieve a wide color gamut
Each primary dye has high fastness
No deterioration of fastness due to dye interaction
Balance of fastness of the three primary color dyes
However, fastness, particularly fastness to oxidizing gases such as ozone, which has become a major problem in ink jet printing these days, relates to the properties of dyes such as what structure or physical properties work effectively against ozone fastness. Since there are no reports, there is no guideline for dye selection. Furthermore, it is even more difficult to select one that also has fastness to light.
Even when dyes with excellent ozone fastness are used, if there is a large difference in the ozone fastness of each color in a full-color image, it may cause discoloration of the image, so the ozone of each dye, especially the magenta dye and cyan dye, It is important that the robustness is balanced. As a result, even when a full-color image undergoes ozone fading, the image fading while maintaining a balance is less likely to fail.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the problems in the prior art and achieve the following objects. That is, an object of the present invention is to provide an ink jet recording method which can provide a color-colored image which is excellent in fastness to ozone gas and has a good balance at the time of image fading.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The inventors of the present invention have studied an ink jet recording method capable of giving a colored image with good hue, light fastness and gas fastness (especially ozone gas), and have a colorant receiving layer containing an inorganic mordant. The present inventors have found that the above problems can be solved by combining an ink jet recording sheet with an ink set made of a dye having a specific oxidation potential that has not been conventionally known, and have completed the present invention. That is, when the three primary color dyes satisfy such potential characteristics, the reactivity of each dye to ozone is greatly suppressed, and the light fastness is improved, and there is no interaction between different color dyes. It was found that there was no problem with the discoloration of the part. On the contrary, it was found that when a magenta dye or cyan dye that does not satisfy these potential conditions is used, the balance of the entire image is greatly lost and the quality of the full-color image is greatly deteriorated. It was also found that no problem arises in the light fastness of light-colored inks even when using inks of different densities that have been used recently to improve color reproducibility. Furthermore, it has been found that the improved stability of the dye itself improves the oxidative stability of the ink and extends the warranty period as a product.
That is, the present invention provides a yellow ink containing at least one yellow dye and at least one magenta dye on an inkjet recording sheet having a colorant receiving layer containing at least one inorganic mordant on a support. An ink set comprising a magenta ink containing and a cyan ink containing at least one cyan dye as a minimum component,The magenta dye is represented by the following general formula (M- II The cyan dye is represented by the following general formula (C- II )An inkjet recording method comprising forming an image using an ink set for inkjet recording.
[Chemical 1]
[General formula (M- II ) Medium Z 1 Represents an electron-withdrawing group having a Hammett's substituent constant σp value of 0.20 or more, and Z 2 Represents a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group or a heterocyclic group, and Q represents a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group or a heterocyclic group.
R 1 And R 2 Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom, an aliphatic group, an aromatic group, a heterocyclic group, a cyano group, a carboxyl group, a carbamoyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a heterocyclic oxycarbonyl group, an acyl group, Hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, silyloxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group (including heterocyclic amino group and anilino group), Acylamino, ureido, sulfamoylamino, alkoxycarbonylamino, aryloxycarbonylamino, alkyl or arylsulfonylamino, heterocyclic sulfonylamino, nitro, alkyl or arylthio, alkyl or It represents an arylsulfonyl group, a heterocyclic sulfonyl group, an alkyl- or arylsulfinyl group, heterocyclic sulfinyl group, a sulfamoyl group, a sulfo group or a heterocyclic thio group,, R Three , R Four Each independently represents a hydrogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkyl and arylsulfonyl group, or sulfamoyl group; Five And R 6 Each independently represents a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a carbamoyl group, an alkyl or arylsulfonyl group, or a sulfamoyl group.]
[Chemical 2]
[General formula (C- II ) X 11 ~ X 14 Are independently -SO-Z, -SO 2 -Z, -SO 2 NR 1 R 2 , Sulfo group, -CONR 1 R 2 Or -CO 2 R 1 Represents. Y 11 ~ Y 18 Each independently represents a monovalent substituent. M represents a hydrogen atom, a metal atom or an oxide, hydroxide or halide thereof. a 11 ~ A 14 Are each X 11 ~ X 14 And represents an integer of 1 or 2 independently.
Z is each independently a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, substituted or unsubstituted Represents a heterocyclic group. R 1 , R 2 Each independently represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, a substituted Or an unsubstituted heterocyclic group]
Preferably, the inorganic mordant is an aluminum-containing compound or a zirconium-containing compound.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
<Ink for inkjet recording>
-Dye-
In the ink set of the present invention, the following general formula (M- II And a magenta dye represented by the following general formula (C- II ) And a cyan dye represented by.
[Chemical 3]
[General formula (M- II ) Medium Z 1 Represents an electron-withdrawing group having a Hammett's substituent constant σp value of 0.20 or more, and Z 2 Represents a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group or a heterocyclic group, and Q represents a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group or a heterocyclic group.
R 1 And R 2 Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom, an aliphatic group, an aromatic group, a heterocyclic group, a cyano group, a carboxyl group, a carbamoyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a heterocyclic oxycarbonyl group, an acyl group, Hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, silyloxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group (including heterocyclic amino group and anilino group), Acylamino group, ureido group, sulfamoylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, alkyl or arylsulfonylamino group, heterocyclic sulfonylamino group, nitro group, alkyl Or an arylthio group, an alkyl or arylsulfonyl group, a heterocyclic sulfonyl group, an alkyl or arylsulfinyl group, a heterocyclic sulfinyl group, a sulfamoyl group, a sulfo group, or a heterocyclic thio group; Three , R Four Each independently represents a hydrogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkyl and arylsulfonyl group, or sulfamoyl group; Five And R 6 Each independently represents a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a carbamoyl group, an alkyl or arylsulfonyl group, or a sulfamoyl group.]
[Formula 4]
[General formula (C- II ) X 11 ~ X 14 Are independently -SO-Z, -SO 2 -Z, -SO 2 NR 1 R 2 , Sulfo group, -CONR 1 R 2 Or -CO 2 R 1 Represents. Y 11 ~ Y 18 Each independently represents a monovalent substituent. M represents a hydrogen atom, a metal atom or an oxide, hydroxide or halide thereof. a 11 ~ A 14 Are each X 11 ~ X 14 And represents an integer of 1 or 2 independently.
Z is each independently a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, substituted or unsubstituted Represents a heterocyclic group. R 1 , R 2 Each independently represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, a substituted Or an unsubstituted heterocyclic group]
In the present invention, a magenta dye and a cyan dye having an oxidation potential nobler than 0.8 V (vs SCE) are used. The oxidation potential is more favorable as it is noble, the oxidation potential is more noble than 1.0 V (vs SCE), more preferably noble than 1.1 V (vs SCE), and 1.15 V ( Those more noble than (vs SCE) are more preferred, and those nobler than 1.2 V (vs SCE) are most preferred.
[0012]
The value of the oxidation potential represents the ease of transfer of electrons from the sample to the electrode. The larger the value (the higher the oxidation potential), the less transfer of electrons from the sample to the electrode, in other words, less oxidation. Represent. In relation to the structure of the compound, the oxidation potential becomes more noble by introducing an electron withdrawing group, and the oxidation potential becomes lower by introducing an electron donating group.
[0013]
The value of the oxidation potential, which will be described in detail below, means the potential at which the compound is an anode in voltammetry and the electron of the compound is extracted, and is considered to approximately match the energy level of HOMO in the ground state of the compound. Yes.
[0014]
The inventors have studied the ozone fastness of the colored image. As a result, there is a correlation between the oxidation potential of the compound used in the colored image and the ozone fastness, and the oxidation potential value is higher than that of the saturated calomel electrode (SCE). It has been found that ozone fastness is improved by using noble compounds.
[0015]
The reason why the ozone fastness of the colored image is improved can be explained by the relationship between the HOMO (highest occupied orbit) and LUMO (lowest empty orbit) of the compound and ozone gas. That is, it is considered that the colorant is oxidized by the reaction of the HOMO colorant and the LUMO ozone gas, and as a result, the ozone fastness of the colored image is lowered. The reactivity with ozone gas may be lowered by lowering the HOMO.
[0016]
A person skilled in the art can easily measure the value (Eox) of the oxidation potential. Regarding this method, see, for example, P.I. Delahay, “New Instrumental Methods in Electrochemistry” (1954 Interscience Publishers) and A.D. J. et al. “Electrochemical Methods” by Bard et al. (1980 John Wiley & Sons), “Electrochemical Measurement Method” by Akira Fujishima et al. (1984, Gihodo Publishing Co., Ltd.).
[0017]
The measurement of the oxidation potential will be specifically described. Oxidation potential is 1 × 10 5 in a test sample in a solvent such as dimethylformamide or acetonitrile containing a supporting electrolyte such as sodium perchlorate or tetrapropylammonium perchlorate.-Four~ 1x10-6mol · dm-3Dissolve and measure as a value for SCE (saturated calomel electrode) using cyclic voltammetry or direct current polarography.
The supporting electrolyte and solvent to be used can be selected appropriately depending on the oxidation potential and solubility of the test sample. The supporting electrolytes and solvents that can be used are described in Akira Fujishima et al., “Electrochemical measurement method” (published by Gihodo Publishing Co., Ltd., 1984), pages 101 to 118.
[0018]
The value of the oxidation potential may be deviated by several tens of mil volts due to the influence of the inter-liquid potential difference or the liquid resistance of the sample solution, but the potential measured by calibrating with a standard sample (for example, hydroquinone). The reproducibility of the value of can be guaranteed.
[0019]
The oxidation potential in the present invention is 0.1 mol · dm.-3In N, N-dimethylformamide containing 1 mol of tetrapropylammonium perchlorate as the supporting electrolyte-3mol · dm-3), SCE (saturated calomel electrode) as a reference electrode, a graphite electrode as a working electrode, and a platinum electrode as a counter electrode, and values measured by DC polarography are used.
[0020]
The dye used in the present invention may have any structure as long as it satisfies the above oxidation potential. In particular, yellow dyes have no structural restrictions because they have noble oxidation potential (low HOMO). The dye structure necessary for satisfying the oxidation potential will be described in detail below.
In the present invention, in order to lower the reactivity with ozone as an electrophile, it is desirable to introduce an electron withdrawing group into the dye skeleton to make the oxidation potential more noble. Therefore, using Hammett's substituent constant σp value, which is a measure of the electron withdrawing property and electron donating property of the substituent, the σp value is as in nitro, cyano, sulfinyl, sulfonyl, and sulfamoyl groups. It can be said that the oxidation potential can be made more noble by introducing a large substituent.
[0021]
Hammett's substituent constant σp value will be described briefly. Hammett's rule is a method described in 1935 by L. E. in order to quantitatively discuss the effect of substituents on the reaction or equilibrium of benzene derivatives. P. A rule of thumb proposed by Hammett, which is widely accepted today. Substituent constants determined by Hammett's rule include a σp value and a σm value, and these values can be found in many general books. A. Dean, “Lange's Handbook of Chemistry”, 12th edition, 1979 (Mc Graw-Hill) and “Chemicals” special edition, 122, 96-103, 1979 (Nankodo).
[0022]
In addition to the above-described substituents, the oxidation potential can be made noble as the number of atoms having high electronegativity generally increases as the constituent atoms of the chromophore. Therefore, for example, when an unsaturated heterocycle is used as a constituent of a chromophore rather than an aryl group, the oxidation potential can be made noble. Examples of the heteroatom having a high electronegativity include a nitrogen atom, an oxygen atom, and a sulfur atom, and a nitrogen atom is particularly preferable.
[0023]
Accordingly, the dye used in the present invention is preferably one in which the chromophore is composed of a heteroatom, one containing an unsaturated heterocycle, or one containing an electron-withdrawing group.
Preferred chromophores composed of heteroatoms include azo dyes, azomethine dyes, phthalocyanine dyes and the like, with azo dyes being particularly preferred.
As the unsaturated heterocycle, a 5- or 6-membered unsaturated heterocycle is preferable, and a thiophene ring, furan ring, pyrrole ring, thiazole ring, oxazole ring, imidazole ring, isothiazole ring, isoxazole ring, pyrazole ring, thiadiazole ring. And oxadiazole ring, triazole ring, pyridine ring, pyridazine ring, pyrimidine ring, pyrazine ring and the like. The unsaturated heterocycle may form a condensed ring with a hydrocarbon ring or a heterocycle. In the case of a nitrogen-containing heterocycle, the nitrogen atom may be quaternized. Further, with respect to the heterocycle that can be tautomeric, even when only one tautomer is described, other tautomers are also included. Of these, preferred are a thiazole ring, an isothiazole ring, a pyrazole ring, a thiadiazole ring, a pyridine ring, a pyrimidine ring, and a pyrazine ring. Most preferred are an isothiazole ring, a pyrazole ring, a 1,2,4-thiadiazole ring, a 1,3,4-thiadiazole ring, and a pyridine ring.
[0024]
As a preferred electron-withdrawing substituent, a substituent having a Hammett's σp value of 0.40 or more is preferable, a substituent of 0.45 or more is more preferable, and a substituent of 0.50 or more is most preferable. Further, when a plurality of electron-withdrawing groups are present as substituents on the chromophore, the sum of the σp values of the substituents is preferably 0.50 or more, more preferably 0.60 or more, and 0.70 The above is most preferable. Specific examples of the electron-withdrawing group having σp of 0.40 or more are described in J. A. Dean, “Lange's Handbook of Chemistry”, 12th edition, 1979 (Mc Graw-Hill) and “Chemicals” special edition, 122, 96-103, 1979 (Nankodo) I can do it.
[0025]
Preferred dyes of the present invention are combinations of those represented by the following general formula (I).
(Ch)-(EWG)n Formula (I)
In the general formula (I), Ch represents a chromophore containing an unsaturated heterocycle, and EWG represents an electron-withdrawing substituent having a σp value of 0.40 or more, which will be described later. n is an integer from 1 to 8.
Ch is an azo dye having an unsaturated heterocyclic ring as a chromophore, a phthalocyanine dye, an azomethine dye, a quinone dye (anthraquinone dye, anthrapyridone dye, etc.), a carbonium dye (triphenylmethane dye, xanthene dye, acridine dye, etc.), And chromophores of azine dyes (oxazine, thiazine, etc.). Preferred are azo dyes, phthalocyanine dyes, azomethine dyes, and anthrapyridone dyes having an unsaturated heterocyclic ring in the chromophore, and most preferred are azo dyes and phthalocyanine dyes having an unsaturated heterocyclic ring in the chromophore.
[0026]
Preferred azo dyes that can be used as magenta and yellow dyes are those represented by the following general formula (II).
Het (A) -N = N-Het (B) General formula (II)
In the general formula (II), Het (A) and Het (B) represent a 5- or 6-membered unsaturated heterocycle. Examples of unsaturated heterocycles represented by Het (A) and Het (B) include thiophene ring, furan ring, pyrrole ring, thiazole ring, oxazole ring, imidazole ring, isothiazole ring, isoxazole ring, pyrazole ring, Examples include a thiadiazole ring, an oxadiazole ring, a triazole ring, a pyridine ring, a pyridazine ring, a pyrimidine ring, and a pyrazine ring. These unsaturated heterocycles further have a substituent. When the substituents on the unsaturated heterocycle are bonded to each other, a condensed ring with a hydrocarbon ring or an unsaturated heterocycle may be formed, and further a substituent may be present on the condensed ring. In the case of a nitrogen-containing unsaturated heterocycle, the nitrogen atom may be quaternized. Moreover, about the unsaturated heterocycle which can become tautomerism, even when only one tautomer is described, other tautomers are also included.
When the dye is a water-soluble dye, it preferably has an ionic hydrophilic group as a substituent. Examples of the ionic hydrophilic group as a substituent include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group.
[0027]
The heterocyclic ring represented by Het (A) and Het (B) is preferably a thiazole ring, isothiazole ring, pyrazole ring, thiadiazole ring, pyridine ring or pyrazine ring. More preferably, they are an isothiazole ring, a pyrazole ring, a thiadiazole ring, and a pyridine ring. Most preferred are a pyrazole ring, a 1,2,4-thiadiazole ring and a pyridine ring.
[0028]
Het (A) and Het (B) may have a substituent. Substituents include halogen atoms, alkyl groups (including cycloalkyl groups), alkenyl groups (including cycloalkenyl groups), alkynyl groups, aryl groups, heterocyclic groups, cyano groups, hydroxyl groups, nitro groups, carboxyl groups, Alkoxy group, aryloxy group, silyloxy group, heterocyclic oxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy, amino group (including anilino group), acylamino group, aminocarbonylamino group, alkoxy Carbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, sulfamoylamino group, alkyl and arylsulfonylamino group, mercapto group, alkylthio group, arylthio group, heterocyclic thio group, sulfamoyl group, sulfo group, alkyl and Arylsulfinyl groups, alkyl and arylsulfonyl groups, acyl groups, aryloxycarbonyl groups, alkoxycarbonyl groups, carbamoyl groups, aryl and heterocyclic azo groups, imide groups, phosphino groups, phosphono groups, phosphinyl groups, phosphinyloxy groups, Examples include a phosphinylamino group and a silyl group. Among them, halogen atom, heterocyclic group, cyano group, nitro group, carboxyl group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy, sulfamoyl group, sulfo group, alkyl and arylsulfinyl group, alkyl and arylsulfonyl Raising substituents such as groups, acyl groups, aryloxycarbonyl groups, alkoxycarbonyl groups, carbamoyl groups, imide groups, phosphoryl groups, phosphono groups, phosphinoyl groups, phosphonyl groups, phosphinoyloxy groups, phosphinoylamino groups Among them, an electron-withdrawing group is preferable, and a substituent having σp of 0.40 or more is particularly preferable. Substituents with σp of 0.40 or more include cyano group, nitro group, carboxyl group,Sulfamoyl group, alkyl and arylsulfinyl groups, alkyl and arylsulfonyl groups, acyl groups, aryloxycarbonyl groups, alkoxycarbonyl groups, carbamoyl groups, imide groups, phosphono groups, phosphoryl groups, etc., alkyl groups substituted with electron-withdrawing groups (Trihalomethyl group, perfluoroalkyl group, dicyanomethyl group, iminomethyl group, etc.), alkenyl group substituted with electron-withdrawing group (tricyanovinyl group, etc.), quaternary salt substituent (sulfonium group, ammonium group, phosphonium Group). Among the above functional groups, those having a hydrogen atom may be substituted with the above groups by removing this. Examples of such substituent include alkylcarbonylaminosulfonyl group, arylcarbonylaminosulfonyl group, alkylsulfonylaminocarbonyl group, arylsulfonylaminocarbonyl group and the like.
Moreover, when the substituents on the heterocycle are bonded to each other, a heterocycle and a condensed ring may be formed, and a substituent may be further provided on the condensed ring.
[0029]
Preferred magenta dyes are those represented by the general formula (M-I).
[Chemical formula 5]
[0030]
In general formula (MI), A is a 5-membered heterocyclic diazo component A-NH.2Represents the residue. B1And B2Are each -CR1= And -CR2= Or either one is a nitrogen atom and the other is -CR1= Or -CR2=. RFiveAnd R6Each independently represents a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a carbamoyl group, an alkyl or arylsulfonyl group, or a sulfamoyl group, It may have a substituent.
[0031]
G, R1And R2Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom, an aliphatic group, an aromatic group, a heterocyclic group, a cyano group, a carboxyl group, a carbamoyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a heterocyclic oxycarbonyl group, an acyl group, Hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, silyloxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group (including heterocyclic amino group and anilino group), Acylamino, ureido, sulfamoylamino, alkoxycarbonylamino, aryloxycarbonylamino, alkyl or arylsulfonylamino, heterocyclic sulfonylamino, nitro, alkyl or arylthio, alkyl or Arylsulfonyl group, heterocyclic sulfonyl group, an alkyl- or arylsulfinyl group, heterocyclic sulfinyl group, a sulfamoyl group, a sulfo group or a heterocyclic thio group, and each group may be further substituted. R1And RFiveOr RFiveAnd R6May combine to form a 5- or 6-membered ring.
[0032]
In the general formula (MI), A is a 5-membered heterocyclic diazo component A-NH.2Represents the residue. Examples of heteroatoms for heterocycles include N, O, and S. A nitrogen-containing 5-membered heterocyclic ring is preferable, and an aliphatic ring, an aromatic ring or another heterocyclic ring may be condensed to the heterocyclic ring. Preferable examples of the heterocyclic ring of A include a pyrazole ring, an imidazole ring, a thiazole ring, an isothiazole ring, a thiadiazole ring, a benzothiazole ring, a benzoxazole ring, and a benzoisothiazole ring. Each heterocyclic group may further have a substituent. Of these, the pyrazole ring, imidazole ring, isothiazole ring, thiadiazole ring and benzothiazole ring represented by the following general formulas (a) to (f) are preferable.
[0033]
[Chemical 6]
[0034]
In the general formulas (a) to (f), R7To R20Is G, R1, R2It represents the same substituent as the substituent described in 1. Of the general formulas (a) to (f), preferred are the pyrazole ring and isothiazole ring represented by the general formulas (a) and (b), and the most preferred is represented by the general formula (a). It is a pyrazole ring.
[0035]
In the general formula (MI), B1And B2Are each -CR1= And -CR2= Or either one is a nitrogen atom and the other is -CR1= Or -CR2=, But each -CR1=, -CR2What represents = is more preferable.
[0036]
RFive, R6Each independently represents a hydrogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkyl or arylsulfonyl group, sulfamoyl group, and each group is further substituted. It may have a group. RFive, R6Preferred examples of the substituent represented by can include a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkyl group, or an arylsulfonyl group. More preferred are a hydrogen atom, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkyl or arylsulfonyl group. Most preferably, they are a hydrogen atom, an aryl group, and a heterocyclic group. Each group may further have a substituent. However, RFive, R6Are not simultaneously hydrogen atoms.
[0037]
G, R1And R2Are each independently a hydrogen atom, halogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, cyano group, carboxyl group, carbamoyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, heterocyclic oxycarbonyl group, acyl group , Hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, silyloxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group (including anilino group and heterocyclic amino group) , Acylamino group, ureido group, sulfamoylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, alkyl or arylsulfonylamino group, heterocyclic sulfonylamino group, nitro group, alkyl and arylthio group, heterocyclic thio group, A Kill or arylsulfonyl group, heterocyclic sulfonyl group, an alkyl- or arylsulfinyl group, heterocyclic sulfinyl group, a sulfamoyl group, a sulfo group, each group may be further substituted.
[0038]
Examples of the substituent represented by G include a hydrogen atom, halogen atom, aliphatic group, aromatic group, hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, acyloxy group, heterocyclic oxy group, amino group (anilino group, heterocyclic amino group). Group), an acylamino group, a ureido group, a sulfamoylamino group, an alkoxycarbonylamino group, an aryloxycarbonylamino group, an alkyl and arylthio group, or a heterocyclic thio group, more preferably a hydrogen atom, a halogen atom, An alkyl group, a hydroxy group, an alkoxy group, an aryloxy group, an acyloxy group, an amino group (including an anilino group and a heterocyclic amino group) or an acylamino group, and among them, a hydrogen atom, an anilino group and an acylamino group are most preferable. Each group may further have a substituent.
[0039]
R1, R2Preferred examples of the substituent represented by can include a hydrogen atom, an alkyl group, a halogen atom, an alkoxycarbonyl group, a carboxyl group, a carbamoyl group, a hydroxy group, an alkoxy group, and a cyano group. Each group may further have a substituent. R1And RFiveOr RFiveAnd R6May combine to form a 5- or 6-membered ring.
[0040]
A, R1, R2, RFive, R6In the case where each substituent represented by G further has a substituent, the above-mentioned G, R1, R2The substituents mentioned in the above can be mentioned.
[0041]
When the dye of the present invention is a water-soluble dye, A, R1, R2, RFive, R6, G preferably further has an ionic hydrophilic group as a substituent at any position on G. Examples of the ionic hydrophilic group as a substituent include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group. As the ionic hydrophilic group, a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group are preferable, and a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The carboxyl group, phosphono group and sulfo group may be in the form of a salt. Examples of the counter ion forming the salt include ammonium ion, alkali metal ion (eg, lithium ion, sodium ion, potassium ion) and organic cation. (Eg, tetramethylammonium ion, tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium).
[0042]
In this specification, an aliphatic group means an alkyl group, a substituted alkyl group, an alkenyl group, a substituted alkenyl group, an alkynyl group, a substituted alkynyl group, an aralkyl group, and a substituted aralkyl group. The aliphatic group may have a branch and may form a ring. The number of carbon atoms in the aliphatic group is preferably 1-20, and more preferably 1-16. The aryl part of the aralkyl group and the substituted aralkyl group is preferably phenyl or naphthyl, particularly preferably phenyl. Examples of aliphatic groups include methyl, ethyl, butyl, isopropyl, t-butyl, hydroxyethyl, methoxyethyl, cyanoethyl, trifluoromethyl, 3-sulfopropyl, 4-sulfobutyl, cyclohexyl group, benzyl group, 2-phenethyl Groups, vinyl groups, and allyl groups.
[0043]
In the present specification, the aromatic group means an aryl group and a substituted aryl group. The aryl group is preferably phenyl or naphthyl, particularly preferably phenyl. The number of carbon atoms in the aromatic group is preferably 6 to 20, and more preferably 6 to 16. Examples of the aromatic group include phenyl, p-tolyl, p-methoxyphenyl, o-chlorophenyl and m- (3-sulfopropylamino) phenyl.
[0044]
The heterocyclic group includes a heterocyclic group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic group. The heterocyclic ring may be condensed with an aliphatic ring, an aromatic ring or another heterocyclic ring. The heterocyclic group is preferably a 5-membered or 6-membered heterocyclic group. Examples of the substituent include aliphatic groups, halogen atoms, alkyl and arylsulfonyl groups, acyl groups, acylamino groups, sulfamoyl groups, carbamoyl groups, and ionic hydrophilic groups. Examples of the heterocyclic group include 2-pyridyl group, 2-thienyl group, 2-thiazolyl group, 2-benzothiazolyl group, 2-benzoxazolyl group and 2-furyl group.
[0045]
The alkyl and arylsulfonyl groups include substituted alkyl and arylsulfonyl groups, unsubstituted alkyl and arylsulfonyl groups. Examples of the alkyl and arylsulfonyl groups include a methylsulfonyl group and a phenylsulfonyl group, respectively.
[0046]
Alkyl and arylsulfinyl groups include substituted alkyl and arylsulfinyl groups, unsubstituted alkyl and arylsulfinyl groups. Examples of the alkyl and arylsulfinyl groups include a methylsulfinyl group and a phenylsulfinyl group, respectively.
[0047]
The acyl group includes an acyl group having a substituent and an unsubstituted acyl group. The acyl group is preferably an acyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acyl group include an acetyl group and a benzoyl group.
[0048]
Examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, and a bromine atom.
[0049]
The amino group includes an amino group substituted with an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group, and the alkyl group, aryl group and heterocyclic group may further have a substituent. As the alkylamino group, an alkylamino group having 1 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkylamino group include a methylamino group and a diethylamino group.
[0050]
The arylamino group includes an arylamino group having a substituent and an unsubstituted arylamino group. The arylamino group is preferably an arylamino group having 6 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include a halogen atom and an ionic hydrophilic group. Examples of the arylamino group include a phenylamino group and a 2-chlorophenylamino group.
[0051]
The heterocyclic amino group includes a heterocyclic amino group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic amino group. The heterocyclic amino group is preferably a heterocyclic amino group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group, a halogen atom, and an ionic hydrophilic group.
[0052]
The alkoxy group includes an alkoxy group having a substituent and an unsubstituted alkoxy group. As said alkoxy group, a C1-C20 alkoxy group is preferable. Examples of the substituent include an alkoxy group, a hydroxyl group, and an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxy group include a methoxy group, an ethoxy group, an isopropoxy group, a methoxyethoxy group, a hydroxyethoxy group, and a 3-carboxypropoxy group.
[0053]
The aryloxy group includes an aryloxy group having a substituent and an unsubstituted aryloxy group. The aryloxy group is preferably an aryloxy group having 6 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkoxy group and an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxy group include a phenoxy group, a p-methoxyphenoxy group, and an o-methoxyphenoxy group.
[0054]
The silyloxy group is preferably a silyloxy group substituted with an aliphatic group or aromatic group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the silyloxy group include trimethylsilyloxy and diphenylmethylsilyloxy.
[0055]
The heterocyclic oxy group includes a heterocyclic oxy group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic oxy group. The heterocyclic oxy group is preferably a heterocyclic oxy group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group, an alkoxy group, and an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic oxy group include a 3-pyridyloxy group and a 3-thienyloxy group.
[0056]
The alkoxycarbonyloxy group includes an alkoxycarbonyloxy group having a substituent and an unsubstituted alkoxycarbonyloxy group. The alkoxycarbonyloxy group is preferably an alkoxycarbonyloxy group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the alkoxycarbonyloxy group include a methoxycarbonyloxy group and an isopropoxycarbonyloxy group.
[0057]
The aryloxycarbonyloxy group includes an aryloxycarbonyloxy group having a substituent and an unsubstituted aryloxycarbonyloxy group. The aryloxycarbonyloxy group is preferably an aryloxycarbonyloxy group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the aryloxycarbonyloxy group include a phenoxycarbonyloxy group.
[0058]
The acylamino group includes an acylamino group having a substituent and an unsubstituted acylamino group. The acylamino group is preferably an acylamino group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acylamino group include an acetylamino group, a propionylamino group, a benzoylamino group, an N-phenylacetylamino group, and a 3,5-disulfobenzoylamino group.
[0059]
The ureido group includes a ureido group having a substituent and an unsubstituted ureido group. The ureido group is preferably a ureido group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group and an aryl group. Examples of the ureido group include a 3-methylureido group, a 3,3-dimethylureido group, and a 3-phenylureido group.
[0060]
The sulfamoylamino group includes a sulfamoylamino group having a substituent and an unsubstituted sulfamoylamino group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the sulfamoylamino group include N, N-dipropylsulfamoylamino group.
[0061]
The alkoxycarbonylamino group includes an alkoxycarbonylamino group having a substituent and an unsubstituted alkoxycarbonylamino group. The alkoxycarbonylamino group is preferably an alkoxycarbonylamino group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxycarbonylamino group include an ethoxycarbonylamino group.
[0062]
The alkyl and arylsulfonylamino groups include substituted alkyl and arylsulfonylamino groups, and unsubstituted alkyl and arylsulfonylamino groups. The sulfonylamino group is preferably a sulfonylamino group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the sulfonylamino group include a methylsulfonylamino group, an N-phenyl-methylsulfonylamino group, a phenylsulfonylamino group, and a 3-carboxyphenylsulfonylamino group.
[0063]
The carbamoyl group includes a carbamoyl group having a substituent and an unsubstituted carbamoyl group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the carbamoyl group include a methylcarbamoyl group and a dimethylcarbamoyl group.
[0064]
The sulfamoyl group includes a sulfamoyl group having a substituent and an unsubstituted sulfamoyl group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the sulfamoyl group include a dimethylsulfamoyl group and a di- (2-hydroxyethyl) sulfamoyl group.
[0065]
The alkoxycarbonyl group includes an alkoxycarbonyl group having a substituent and an unsubstituted alkoxycarbonyl group. The alkoxycarbonyl group is preferably an alkoxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxycarbonyl group include a methoxycarbonyl group and an ethoxycarbonyl group.
[0066]
The acyloxy group includes an acyloxy group having a substituent and an unsubstituted acyloxy group. The acyloxy group is preferably an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acyloxy group include an acetoxy group and a benzoyloxy group.
[0067]
The carbamoyloxy group includes a carbamoyloxy group having a substituent and an unsubstituted carbamoyloxy group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the carbamoyloxy group include an N-methylcarbamoyloxy group.
[0068]
The aryloxycarbonyl group includes an aryloxycarbonyl group having a substituent and an unsubstituted aryloxycarbonyl group. The aryloxycarbonyl group is preferably an aryloxycarbonyl group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxycarbonyl group include a phenoxycarbonyl group.
[0069]
The aryloxycarbonylamino group includes an aryloxycarbonylamino group having a substituent and an unsubstituted aryloxycarbonylamino group. The aryloxycarbonylamino group is preferably an aryloxycarbonylamino group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxycarbonylamino group include a phenoxycarbonylamino group.
[0070]
The alkyl, aryl and heterocyclic thio groups include substituted alkyl, aryl and heterocyclic thio groups and unsubstituted alkyl, aryl and heterocyclic thio groups. The alkyl, aryl and heterocyclic thio groups are preferably those having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkyl, aryl and heterocyclic thio groups include a methylthio group, a phenylthio group, and a 2-pyridylthio group.
[0071]
The heterocyclic oxycarbonyl group includes a heterocyclic oxycarbonyl group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic oxycarbonyl group. The heterocyclic oxycarbonyl group is preferably a heterocyclic oxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic oxycarbonyl group include a 2-pyridyloxycarbonyl group.
[0072]
The heterocyclic sulfonylamino group includes a substituted heterocyclic sulfonylamino group and an unsubstituted heterocyclic sulfonylamino group. The heterocyclic sulfonylamino group is preferably a heterocyclic sulfonylamino group having 1 to 12 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic sulfonylamino group include a 2-thiophenesulfonylamino group and a 3-pyridinesulfonylamino group.
[0073]
The heterocyclic sulfonyl group includes a heterocyclic sulfonyl group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic sulfonyl group. The heterocyclic sulfonyl group is preferably a heterocyclic sulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic sulfonyl group include a 2-thiophenesulfonyl group and a 3-pyridinesulfonyl group.
[0074]
The heterocyclic sulfinyl group includes a heterocyclic sulfinyl group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic sulfinyl group. The heterocyclic sulfinyl group is preferably a heterocyclic sulfinyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic sulfinyl group include a 4-pyridinesulfinyl group.
[0075]
In the present invention, the dye represented by the general formula (M-I) is preferably a dye represented by the following general formula (M-II).The magenta ink in the present invention has the following general formula (M- II ) Magenta dye.
[0076]
[Chemical 7]
[0077]
In general formula (M-II), Z1Represents an electron-withdrawing group having a Hammett's substituent constant σp value of 0.20 or more. Z1Is preferably an electron-withdrawing group having a σp value of 0.30 or more, more preferably an electron-withdrawing group of 0.45 or more, and particularly preferably an electron-withdrawing group of 0.60 or more. It is desirable not to exceed. Specific examples of the preferred substituent include an electron-withdrawing substituent described later. Among them, an acyl group having 2 to 20 carbon atoms, an alkyloxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms, a nitro group, a cyano group, An alkylsulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms, an arylsulfonyl group having 6 to 20 carbon atoms, a carbamoyl group having 1 to 20 carbon atoms, and a halogenated alkyl group having 1 to 20 carbon atoms are preferable. Particularly preferred are a cyano group, an alkylsulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms, and an arylsulfonyl group having 6 to 20 carbon atoms, and most preferred is a cyano group.
[0078]
R1, R2, RFive, R6Is synonymous with the general formula (MI). RThree, RFourEach independently represents a hydrogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkyl and arylsulfonyl group, or sulfamoyl group. Of these, a hydrogen atom, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkyl or arylsulfonyl group is preferable, and a hydrogen atom, an aromatic group, and a heterocyclic group are particularly preferable. Z2Represents a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group or a heterocyclic group. Q represents a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group or a heterocyclic group. Among them, Q is preferably a group consisting of a nonmetallic atom group necessary for forming a 5- to 8-membered ring. The 5- to 8-membered ring may be substituted, may be a saturated ring, or may have an unsaturated bond. Of these, aromatic groups and heterocyclic groups are particularly preferred. Preferred nonmetallic atoms include nitrogen atoms, oxygen atoms, sulfur atoms or carbon atoms. Specific examples of such a ring structure include, for example, a benzene ring, cyclopentane ring, cyclohexane ring, cycloheptane ring, cyclooctane ring, cyclohexene ring, pyridine ring, pyrimidine ring, pyrazine ring, pyridazine ring, triazine ring, imidazole ring. , Benzimidazole ring, oxazole ring, benzoxazole ring, thiazole ring, benzothiazole ring, oxane ring, sulfolane ring and thiane ring.
[0079]
Each group described in formula (M-II) may further have a substituent. When each of these groups further has a substituent, examples of the substituent include the substituents described in the general formula (MI), G, R1, R2And the groups exemplified in 1) and ionic hydrophilic groups.
[0080]
Hammett substituent constant σpExamples of the electron withdrawing group having a value of 0.60 or more include a cyano group, a nitro group, and an alkylsulfonyl group (for example, a methanesulfonyl group and an arylsulfonyl group (for example, a benzenesulfonyl group)).
Hammett σpAs the electron-withdrawing group having a value of 0.45 or more, in addition to the above, an acyl group (for example, acetyl group), an alkoxycarbonyl group (for example, dodecyloxycarbonyl group), an aryloxycarbonyl group (for example, m-chlorophenoxycarbonyl), An alkylsulfinyl group (for example, n-propylsulfinyl), an arylsulfinyl group (for example, phenylsulfinyl), a sulfamoyl group (for example, N-ethylsulfamoyl, N, N-dimethylsulfamoyl), a halogenated alkyl group (for example, Trifluoromethyl).
[0081]
Hammett substituent constant σpAs an electron-withdrawing group having a value of 0.30 or more, in addition to the above, an acyloxy group (for example, acetoxy), a carbamoyl group (for example, N-ethylcarbamoyl, N, N-dibutylcarbamoyl), a halogenated alkoxy group (for example, , Trifluoromethyloxy), halogenated aryloxy group (eg, pentafluorophenyloxy), sulfonyloxy group (eg, methylsulfonyloxy group), halogenated alkylthio group (eg, difluoromethylthio), two or more σpAn aryl group substituted with an electron-withdrawing group having a value of 0.15 or more (for example, 2,4-dinitrophenyl, pentachlorophenyl) and a heterocycle (for example, 2-benzoxazolyl, 2-benzothiazolyl, 1- Phenyl-2-Benzimidazolyl). Specific examples of the electron withdrawing group having a σp value of 0.20 or more include a halogen atom in addition to the above.
[0082]
A particularly preferred combination of substituents as the azo dye represented by the general formula (MI) is RFiveAnd R6And preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a heterocyclic group, a sulfonyl group or an acyl group, more preferably a hydrogen atom, an aryl group, a heterocyclic group or a sulfonyl group, most preferably a hydrogen atom, An aryl group and a heterocyclic group. However, RFiveAnd R6Are not hydrogen atoms.
[0083]
G is preferably a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, a hydroxyl group, an amino group or an acylamino group, more preferably a hydrogen atom, a halogen atom, an amino group or an acylamino group, most preferably a hydrogen atom or an amino group. An acylamino group.
[0084]
Among A, a pyrazole ring, an imidazole ring, an isothiazole ring, a thiadiazole ring, and a benzothiazole ring are preferable, a pyrazole ring and an isothiazole ring are further preferable, and a pyrazole ring is most preferable.
[0085]
B1And B2Each -CR1=, -CR2= Yes, R1, R2Are each preferably a hydrogen atom, an alkyl group, a halogen atom, a cyano group, a carbamoyl group, a carboxyl group, a hydroxyl group, an alkoxy group or an alkoxycarbonyl group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group, a carboxyl group, a cyano group or a carbamoyl group. It is a group.
[0086]
Examples of preferable cyan dyes include dyes represented by the following general formula (CI).
[0087]
[Chemical 8]
[0088]
In the general formula (CI), X1, X2, XThreeAnd XFourEach independently represents an electron-withdrawing group having σp of 0.40 or more. Y1, Y2, YThreeAnd YFourEach independently represents a monovalent substituent. M represents a hydrogen atom, a metal element or an oxide, hydroxide or halide thereof. a1~ AFour, B1~ BFourAre each X1~ XFour, And Y1~ YFourRepresents the number of substituents. a1~ AFourEach independently represents an integer of 0 to 4;1~ BFourEach independently represents an integer of 0 to 4. Where a1~ AFourIs 2 or more, preferably 3 or more, particularly a1= A2= AThree= AFour= 1 is most preferred. If the dye is a water-soluble dye, X1, X2, XThree, XFour, Y1, Y2, YThree, YFourIt is preferable to further have an ionic hydrophilic group as a substituent at any of the above positions. Examples of the ionic hydrophilic group as a substituent include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group.
[0089]
Among the phthalocyanine dyes represented by the general formula (CI), a phthalocyanine dye having a structure represented by the general formula (C-II) is more preferable.
The cyan ink in the present invention has the following general formula (C- II ) Containing a cyan dye. The phthalocyanine dye represented by formula (C-II) of the present invention is described in detail below.
[0090]
[Chemical 9]
[0091]
In the general formula (C-II), X11~ X14Are independently -SO-Z, -SO2-Z, -SO2NR1R2, Sulfo group, -CONR1R2Or -CO2R1Represents. Y11~ Y18Each independently represents a monovalent substituent.. MIs a hydrogen atom, a metal atom or an oxide, hydroxide or halide thereof. a11~ A14 EachX11~ X14And represents an integer of 1 or 2 independently.
Z is independently a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, substituted or unsubstituted Represents a heterocyclic group. R1, R2Each independently represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, a substituted Alternatively, it represents an unsubstituted heterocyclic group.
[0092]
In general formula (C-II), a11~ A14Each independently represents an integer of 1 or 2, particularly preferably 4 ≦ a11+ A12+ A13+ A14≦ 6, and among these, a is particularly preferable11= A12= A13= A14= 1.
[0093]
X11, X12, X13And X14Each may be exactly the same substituent or, for example, X11, X12, X13And X14Is all -SO2-Z but each Z may be the same type of substituent, but may be partially different from each other, as in the case where each Z includes different ones.2-Z and -SO2NR1R2May contain different substituents as in the case of simultaneously substituted.
[0094]
Among the phthalocyanine dyes represented by the general formula (C-II), particularly preferred combinations of substituents are as follows.
[0095]
X11~ X14Are each independently -SO-Z, -SO2-Z, -SO2NR1R2Or -CONR1R2In particular, -SO2-Z or -SO2NR1R2Is preferred, -SO2-Z is most preferred.
[0096]
Z is independently preferably a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted heterocyclic group, and most preferably a substituted alkyl group, a substituted aryl group, or a substituted heterocyclic group. . In particular, the case of having an asymmetric carbon in the substituent (use in a racemic form) is preferable because of increasing the solubility of the dye and the ink stability. In addition, for the reason of increasing the association property and improving the fastness, it is preferable that a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, or a sulfonamide group have in the substituent.
[0097]
R1, R2Each independently is preferably a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted heterocyclic group. Among them, a hydrogen atom, a substituted alkyl group, a substituted aryl group, or a substituted heterocyclic group is preferred. A ring group is most preferred. However,R 1 , R 2 It is not preferable that both are hydrogen atoms. In particular, the case of having an asymmetric carbon in the substituent (use in a racemic form) is preferable because of increasing the solubility of the dye and the ink stability. In addition, for the reason of increasing the association property and improving the fastness, it is preferable that a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, or a sulfonamide group have in the substituent.
[0098]
Y11~ Y18Is preferably a hydrogen atom, halogen atom, alkyl group, aryl group, cyano group, alkoxy group, amide group, ureido group, sulfonamido group, carbamoyl group, sulfamoyl group, alkoxycarbonyl group, carboxyl group, and sulfo group, particularly hydrogen. An atom, a halogen atom, a cyano group, a carboxyl group, and a sulfo group are preferable, and a hydrogen atom is most preferable. a11~ A14Are preferably each independently 1 or 2, particularly preferably all 1. M represents a hydrogen atom, a metal element or an oxide, hydroxide or halide thereof, and Cu, Ni, Zn and Al are particularly preferable, and Cu is particularly preferable.
[0099]
When the phthalocyanine dye represented by the above (CI) or (C-II) is water-soluble, it preferably has an ionic hydrophilic group. Examples of the ionic hydrophilic group include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group. As the ionic hydrophilic group, a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group are preferable, and a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The carboxyl group, phosphono group and sulfo group may be in the form of a salt. Examples of the counter ion forming the salt include ammonium ion, alkali metal ion (eg, lithium ion, sodium ion, potassium ion) and organic cation. (Eg, tetramethylammonium ion, tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium). Among the counter ions, alkali metal salts are preferable, and lithium salts are particularly preferable because they increase the solubility of the dye and improve the ink stability.
As the number of ionic hydrophilic groups, those having at least two or more in one molecule of phthalocyanine dye are preferable, and those having at least two sulfo groups and / or carboxyl groups are particularly preferable.
[0100]
Regarding the preferred combination of substituents of the compound represented by the general formula (C-II), a compound in which at least one of various substituents is the above-mentioned preferred group is preferred, and more various substituents are preferred. More preferred are compounds that are groups, and most preferred are compounds in which all substituents are the preferred groups.
[0101]
As the chemical structure of the phthalocyanine dye preferably used in the present invention, an electron-withdrawing group such as a sulfinyl group, a sulfonyl group, and a sulfamoyl group is substituted on each of the four benzene rings of phthalocyanine to replace the entire phthalocyanine skeleton. It is preferable to introduce the group so that the total σp value of the group is 1.6 or more.
[0102]
The phthalocyanine derivative represented by the general formula (CI) inevitably has different introduction positions and introduction numbers of the substituents Xn (n = 1 to 4) and Ym (m = 1 to 4) depending on the synthesis method. It is common to have analog mixtures, so the general formula is often a statistically averaged representation of these analog mixtures. In the present invention, it has been found that a specific mixture is particularly preferable when these analog mixtures are classified into the following three types. That is, the phthalocyanine dye analog mixture represented by the general formulas (CI) and (C-II) is defined by being classified into the following three types based on the substitution positions.
[0103]
(1) β-position substitution type: phthalocyanine dye having a specific substituent at the 2 and / or 3 position, 6 and / or 7 position, 10 and / or 11 position, 14 and / or 15 position.
[0104]
(2) α-position substitution type: phthalocyanine dyes having specific substituents at 1 and / or 4 position, 5 and / or 8 position, 9 and / or 12 position, 13 and / or 16 position
[0105]
(3) α, β-position mixed substitution type: phthalocyanine dye having a specific substituent without regularity at positions 1 to 16
[0106]
In the present specification, when describing derivatives of phthalocyanine dyes having different structures (particularly, different substitution positions), the β-position substitution type, α-position substitution type, and α, β-position mixed substitution type are used. .
[0107]
Examples of the phthalocyanine derivative used in the present invention include “Phthalocyanine—Chemistry and Function” (P. 1-62), C.K. C. Leznoff-A. B. P. Lever co-authored by VCH and published in 'Phthalogicanes-Properties and Applications' (P. 1-54), etc., can be synthesized by combining quoted or similar methods.
[0108]
The phthalocyanine compound represented by the general formula (CI) of the present invention is described in WO00 / 17275, 00/08103, 00/08101, 98/41853, JP-A-10-36471, and the like. In addition, for example, it can be synthesized through sulfonation, sulfonyl chloride formation and amidation reaction of an unsubstituted phthalocyanine compound. In this case, sulfonation can occur at any position of the phthalocyanine nucleus, and the number of sulfonation is difficult to control. Therefore, when a sulfo group is introduced under such reaction conditions, the position and number of the sulfo group introduced into the product cannot be specified, and a mixture in which the number of substituents and the substitution position are different is always given. Therefore, when synthesizing the compound of the present invention using it as a raw material, the number and substitution position of the heterocyclic substituted sulfamoyl group cannot be specified, so the compound of the present invention includes several types of compounds having different numbers of substituents and substitution positions. Α, β-position mixed substitution mixture.
[0109]
As described above, for example, when a large number of electron withdrawing groups such as sulfamoyl groups are introduced into the phthalocyanine nucleus, the oxidation potential becomes more noble and the ozone resistance is enhanced. According to the above synthesis method, it is inevitable that a small amount of electron-withdrawing groups are introduced, that is, a phthalocyanine dye having a lower oxidation potential is mixed. Therefore, in order to improve ozone resistance, it is more preferable to use a synthesis method that suppresses the formation of a compound having a lower oxidation potential.
[0110]
On the other hand, the phthalocyanine compound represented by the general formula (C-II) of the present invention is generally a phthalonitrile derivative (compound P) and / or a diiminoisoindoline derivative (compound Q) represented by the following formula, for example. It is obtained by reacting with a metal derivative represented by the formula (C-III). Alternatively, it can be derived from a tetrasulfophthalocyanine compound obtained by reacting a 4-sulfophthalic acid derivative (compound R) represented by the following formula and a metal derivative represented by the general formula (C-III).
[0111]
[Chemical Formula 10]
[0112]
In the above formulas, Xp represents X in the general formula (C-II).11, X12, X13Or X14It corresponds to. Yq and Yq ′ are each Y in the general formula (C-II).11, Y12, Y13, Y14, Y15, Y16, Y17Or Y18It corresponds to.
[0113]
Formula (C-III): M- (Y) d
In the general formula (C-III), M is the same as M in the general formula (C-II), and Y is monovalent or divalent coordination such as halogen atom, acetate anion, acetylacetonate, oxygen, etc. Child is shown, d is an integer of 1-4.
[0114]
That is, according to the above synthesis method, a specific number of desired substituents can be introduced. In particular, when a large number of electron withdrawing groups are to be introduced in order to make the oxidation potential noble as in the present invention, the above synthesis method is extremely superior to the synthesis method of the general formula (CI). It is.
[0115]
The phthalocyanine compound represented by the above general formula (C-II) thus obtained is usually a compound represented by the following general formula (a) -1 to (a) -4 which is an isomer at each substitution position of Xp. In the β-position substitution type.
[0116]
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[0117]
In the above synthesis method, if all the same Xp are used, X11, X12, X13And X14Β-substituted phthalocyanine dyes having the same substituents can be obtained. On the other hand, by using different combinations of Xp, it is possible to synthesize dyes having the same type of substituents but partially different from each other, or dyes having different types of substituents. . Among the dyes of the general formula (C-II), these dyes having different electron-withdrawing substituents are particularly preferred because they can adjust the solubility of the dye, the associability, the stability with time of the ink, and the like.
[0118]
In the present invention, it has been found that it is very important to improve the fastness that the oxidation potential is noble than 1.0 V (vs SCE) in any substitution type. It was completely unpredictable from the prior art. Although the cause is unknown in detail, the β-position substitution type tends to be clearly superior in terms of hue, light fastness, ozone gas resistance, etc., compared to the α, β-position mixed substitution type. .
[0119]
The phthalocyanine dyes represented by the general formulas (CI) and (C-II) can be synthesized according to the above-mentioned patents, and Japanese Patent Application Nos. 2001-226275, 2001-96610, It can synthesize | combine by the method as described in 2001-47013 and 2001-193638. Further, the starting material, dye intermediate and synthetic route are not limited by these.
[0120]
The magenta dye and cyan dye used in the present invention are characterized in that the oxidation potential is nobler than 0.8 V. However, since phthalocyanine widely used as a cyan dye forms an aggregate, However, the magenta dye does not form an association even if it is somewhat lower, but in order to increase the fastness, it is preferable to set the oxidation potential to be higher than that of the cyan dye.
[0121]
Although the preferable example of the dye which can be used by this invention below is shown, these are for explaining this invention in detail, and this invention is not limited by these. The oxidation potential of the dye is shown in parentheses.
[0122]
First, specific examples [Y-1 to Y-35] of yellow dyes that can be used in the present invention are listed.
[0123]
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[0124]
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[0126]
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[0130]
Next, specific examples [M-1 to M-26] of magenta dyes that can be used in the present invention will be given.
[0131]
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[0139]
Next, specific examples [C-1 to C-50] of cyan dyes that can be used in the present invention will be given.
[0140]
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[0149]
Other examples of compounds that can be applied to the present invention include Japanese Patent Application Nos. 2001-96610, 2001-24352, 2001-47013, 2001-57063, 2001-76689, 2001-193638, Although described also in 2001-15614, 2001-110457, and 2001-110335, it is not limited to these. Each of the above compounds can be easily synthesized by the methods described in the patents listed here.
[0150]
-Ink for ink jet recording-
The ink set for ink-jet recording of the present invention is composed of a yellow ink containing at least one yellow dye, a magenta ink containing at least one magenta dye, and a cyan ink containing at least one cyan dye. And The various dyes described above are used as the dye contained in each ink. Usually, each ink can be prepared by dissolving and / or dispersing a dye in a lipophilic medium or an aqueous medium. Preferably, an aqueous medium is used.
If necessary, other additives may be added within a range that does not impair the effects of the present invention. Other additives include, for example, anti-drying agents (wetting agents), anti-fading agents, emulsion stabilizers, penetration enhancers, ultraviolet absorbers, preservatives, anti-fungal agents, pH adjusters, surface tension adjusters, Well-known additives, such as a foaming agent, a viscosity modifier, a dispersing agent, a dispersion stabilizer, a rust preventive agent, a chelating agent, are mentioned. These various additives are directly added to the ink liquid in the case of water-soluble ink. When the oil-soluble dye is used in the form of a dispersion, it is generally added to the dispersion after the preparation of the dye dispersion, but it may be added to the oil phase or the aqueous phase at the time of preparation.
[0151]
The anti-drying agent is preferably used for the purpose of preventing clogging due to drying of the ink-jet ink at the ink jet port of the nozzle used in the ink-jet recording method.
[0152]
The anti-drying agent is preferably a water-soluble organic solvent having a vapor pressure lower than that of water. Specific examples include ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, polyethylene glycol, thiodiglycol, dithiodiglycol, 2-methyl-1,3-propanediol, 1,2,6-hexanetriol, acetylene glycol derivatives, glycerin. Polyhydric alcohols typified by trimethylolpropane, etc., lower alkyl ethers of polyhydric alcohols such as ethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, diethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, triethylene glycol monoethyl (or butyl) ether 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, heterocyclic rings such as N-ethylmorpholine, sulfolane, dimethyl sulfoxide, 3 Sulfur-containing compounds such as sulfolane, diacetone alcohol, polyfunctional compounds such as diethanolamine, and urea derivatives. Of these, polyhydric alcohols such as glycerin and diethylene glycol are more preferred. Moreover, said anti-drying agent may be used independently and may be used together 2 or more types. These drying inhibitors are preferably contained in the ink in an amount of 10 to 50% by weight.
[0153]
The penetration enhancer is preferably used for the purpose of allowing ink jet ink to penetrate better into paper. Examples of the penetration enhancer include alcohols such as ethanol, isopropanol, butanol, di (tri) ethylene glycol monobutyl ether, 1,2-hexanediol, sodium lauryl sulfate, sodium oleate, and nonionic surfactants. it can. If these are contained in the ink in an amount of 5 to 30% by weight, they usually have a sufficient effect, and it is preferable to use them in a range of addition amounts that do not cause printing bleeding and paper loss (print-through).
[0154]
The ultraviolet absorber is used for the purpose of improving image storage stability. Examples of the ultraviolet absorber include benzotriazoles described in JP-A Nos. 58-185677, 61-190537, JP-A-2-782, JP-A-5-97075, JP-A-9-34057, and the like. Compounds, benzophenone compounds described in JP-A No. 46-2784, JP-A No. 5-194433, US Pat. No. 3,214,463, etc., JP-B Nos. 48-30492, 56-211141, Cinnamic acid compounds described in, for example, Kaihei 10-88106, JP-A-4-298503, 8-53427, 8-239368, 10-182621, JP-A-8- No. 501291, etc., triazine compounds, Research Disclosure No. Compounds described in No. 24239, compounds that emit fluorescence by absorbing ultraviolet rays typified by stilbene-based and benzoxazole-based compounds, so-called fluorescent brighteners, can also be used.
[0155]
The anti-fading agent is used for the purpose of improving image storage stability. As the anti-fading agent, various organic and metal complex anti-fading agents can be used. Organic anti-fading agents include hydroquinones, alkoxyphenols, dialkoxyphenols, phenols, anilines, amines, indanes, chromans, alkoxyanilines, thioethers, thioureas (thioethers and thioureas) Examples include JP-A-2002-36717, and examples of thioethers are described in JP-A-2002-86904), heterocycles, etc., and metal complexes include nickel complexes and zinc complexes. More specifically, Research Disclosure No. No. 17643, Nos. VII to I, J; 15162, ibid. No. 18716, page 650, left column, ibid. No. 36544, page 527, ibid. 307105, page 872, ibid. The compounds described in the patent cited in No. 15162 and the compounds included in the general formulas and compound examples of the representative compounds described in pages 127 to 137 of JP-A-62-215272 can be used.
[0156]
Examples of the antifungal agent include sodium dehydroacetate, sodium benzoate, sodium pyridinethione-1-oxide, p-hydroxybenzoic acid ethyl ester, 1,2-benzisothiazolin-3-one and salts thereof. These are preferably used in an amount of 0.02 to 1.00% by weight in the ink.
[0157]
The neutralizer (organic base, inorganic alkali) can be used as the pH adjuster. For the purpose of improving the storage stability of the ink-jet ink, the pH adjuster is preferably added so that the ink-jet ink has a pH of 6 to 10 for summer, and more preferably pH 7 to 10.
[0158]
Examples of the surface tension adjusting agent include nonionic, cationic and anionic surfactants. The surface tension of the inkjet ink according to the present invention is preferably 25 to 70 mPa · s. Furthermore, 25-60 mN / m is preferable. The viscosity of the inkjet ink according to the present invention is preferably 30 mPa · s or less. Furthermore, it is more preferable to adjust to 20 mPa · s or less. Examples of surfactants include fatty acid salts, alkyl sulfate esters, alkyl benzene sulfonates, alkyl naphthalene sulfonates, dialkyl sulfosuccinates, alkyl phosphate ester salts, naphthalene sulfonate formalin condensates, polyoxyethylene alkyl sulfates. Anionic surfactants such as ester salts, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl allyl ether, polyoxyethylene fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene alkylamine, glycerin fatty acid ester Nonionic surfactants such as oxyethyleneoxypropylene block copolymers are preferred. Further, SURFYNOLS (Air Products & Chemicals), which is an acetylene-based polyoxyethylene oxide surfactant, is also preferably used. Also preferred are amine oxide types such as N, N-dimethyl-N-alkylamine oxide and betaine type amphoteric surfactants containing quaternary ammonium salts such as N, N-dimethyl-N-lauryl-carbomethylammonium. . Further, JP-A-59-157,636, pages (37) to (38), Research Disclosure No. The surfactants described in 308119 (1989) can also be used.
[0159]
As the antifoaming agent, fluorine-based, silicone-based compounds, chelating agents represented by EDTA, and the like can be used as necessary.
[0160]
In the case where the dye according to the present invention is oil-soluble, the method for dispersing in an aqueous medium is as follows. Colored fine particles containing a soluble polymer are dispersed in an aqueous medium, or dissolved in a high-boiling organic solvent as disclosed in JP-A-2001-262018, JP-A-2001-240763, JP-A-2001-335734, and Japanese Patent Application 2000-203857. It is preferred to disperse the dye in the invention in an aqueous medium. The specific method for dispersing the dye in the present invention in the aqueous medium, the oil-soluble polymer to be used, the high-boiling organic solvent, the additive, and the amount used thereof are preferably those described in the above patent. it can. Or you may disperse | distribute dye to a fine particle state with solid. At the time of dispersion, a dispersant or a surfactant can be used. Dispersing devices include simple stirrer, impeller stirring method, in-line stirring method, mill method (for example, colloid mill, ball mill, sand mill, attritor, roll mill, agitator mill, etc.), ultrasonic method, high-pressure emulsification dispersion method (high-pressure homogenizer) Specific examples of commercially available devices include gorin homogenizers, microfluidizers, DeBEE2000, and the like. In addition to the above-mentioned patents, the ink jet recording ink preparation method described above is disclosed in JP-A Nos. 5-148436, 5-295212, 7-97541, 7-82515, and 7-118584. Details are described in Japanese Laid-Open Patent Publication No. 11-286637 and Japanese Patent Application No. 2000-87539, and can also be used for preparing the ink for ink jet recording according to the present invention.
[0161]
As the aqueous medium, a mixture containing water as a main component and optionally adding a water-miscible organic solvent can be used. Examples of the water-miscible organic solvent include alcohols (eg, methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol, isobutanol, sec-butanol, t-butanol, pentanol, hexanol, cyclohexanol, benzyl alcohol), polyvalent Alcohols (eg, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, polypropylene glycol, butylene glycol, hexanediol, pentanediol, glycerin, hexanetriol, thiodiglycol), glycol derivatives (eg , Ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monobutyl Ether, diethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, propylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monobutyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol diacetate, ethylene glycol monomethyl ether acetate, triethylene glycol monomethyl ether , Triethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monophenyl ether), amine (for example, ethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, N-methyldiethanolamine, N-ethyldiethanolamine, morpholine, N-ethylmorpholine, ethylenediamine, diethylenetriamine) , Triethylenetetramine, polyethyleneimine, tetramethylpropylenediamine) and other polar solvents (eg, formamide, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, dimethyl sulfoxide, sulfolane, 2-pyrrolidone, N-methyl- 2-pyrrolidone, N-vinyl-2-pyrrolidone, 2-oxazolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, acetonitrile, acetone). In addition, the said water miscible organic solvent may use 2 or more types together.
[0162]
The ink used in the ink set of the present invention preferably contains 0.1 to 20 parts by weight of the dye with respect to 100 parts by weight of the ink. Further, yellow, magenta, and cyan inks may be used in combination with two or more dyes as long as the oxidation potential is nobler than 0.8V. When two or more kinds of dyes are used in combination, the total dye content is preferably within the above range.
In recent years, yellow, magenta, and cyan inks are often composed of two or more types of inks having different dye concentrations for the purpose of improving the image quality. In the present invention, the dyes used in the light and dark inks are all oxidized. It is desirable that the potential is nobler than 0.8V.
[0163]
In the present invention, when two or more kinds of different inks are used as the ink of the same hue, the density of the other kinds of ink is preferably 0.05 to 0.5 times the density of one kind of ink.
[0164]
The ink set of the present invention is used for forming a full-color image, but in order to adjust the color tone, a black color ink may be further used. Applicable black materials include disazo, trisazo, tetraazo dyes, and carbon black dispersions.
[0165]
-Inkjet recording sheet
The ink jet recording sheet according to the invention has at least a color material receiving layer on a support, and the color material receiving layer contains at least one inorganic mordant.
[0166]
Examples of the inorganic mordant include polyvalent water-soluble metal salts and hydrophobic metal salt compounds.
Specific examples of the inorganic mordant include, for example, magnesium, aluminum, calcium, scandium, titanium, vanadium, manganese, iron, nickel, copper, zinc, gallium, germanium, strontium, yttrium, zirconium, molybdenum, indium, barium, lanthanum, Examples thereof include salts or complexes of metals selected from cerium, praseodymium, neodymium, samarium, europium, gadolinium, dysproprosium, erbium, ytterbium, hafnium, tungsten, and bismuth.
[0167]
Specifically, for example, calcium acetate, calcium chloride, calcium formate, calcium sulfate, barium acetate, barium sulfate, barium phosphate, manganese chloride, manganese acetate, manganese formate dihydrate, manganese ammonium sulfate hexahydrate, chloride chloride Dicopper, ammonium copper (II) chloride dihydrate, copper sulfate, cobalt chloride, cobalt thiocyanate, cobalt sulfate, nickel sulfate hexahydrate, nickel chloride hexahydrate, nickel acetate tetrahydrate, nickel sulfate Ammonium hexahydrate, nickel amidosulfate tetrahydrate, aluminum sulfate, aluminum alum, aluminum sulfite, aluminum thiosulfate, polyaluminum chloride (basic polyaluminum hydroxide), basic aluminum lactate, basic aluminum sulfate, base Basic aluminum nitrate, basic aluminum acetate Ni, basic aluminum formate, basic aluminum sulfamate, basic aluminum glycinate, aluminum nitrate nonahydrate, aluminum chloride hexahydrate, ferrous bromide, ferrous chloride, ferric chloride, sulfuric acid Ferrous sulfate, ferric sulfate, zinc phenolsulfonate, zinc bromide, zinc chloride, zinc nitrate hexahydrate, zinc sulfate, titanium tetrachloride, tetraisopropyl titanate, titanium acetylacetonate, titanium lactate, zirconium acetylacetate , Zirconyl acetate, zirconyl lactate, zirconyl succinate, zirconyl oxalate, zirconyl sulfate, ammonium zirconium carbonate, potassium zirconium carbonate, sodium zirconium lactate, basic zirconium glycinate, zirconyl stearate, zirconyl octylate, zirconyl nitrate , Zirconium oxychloride, hydroxy zirconium chloride, chromium acetate, chromium sulfate, magnesium sulfate, magnesium chloride hexahydrate, magnesium citrate nonahydrate, sodium phosphotungstate, sodium tungsten citrate, 12 tungstophosphoric acid n hydrate , 12 tungstosilicic acid 26 hydrate, molybdenum chloride, 12 molybdophosphoric acid n hydrate, gallium nitrate, germanium nitrate, strontium nitrate, yttrium acetate, yttrium chloride, yttrium nitrate, indium nitrate, lanthanum nitrate, lanthanum chloride, Lanthanum acetate, lanthanum benzoate, cerium chloride, cerium sulfate, cerium octylate, praseodymium nitrate, neodymium nitrate, samarium nitrate, europium nitrate, gadolinium nitrate, dysprosium nitrate, nitric acid Rubiumu, ytterbium nitrate, hafnium chloride, bismuth nitrate, and the like.
[0168]
The inorganic mordant of the present invention is preferably an aluminum-containing compound, a titanium-containing compound, a zirconium-containing compound, or a metal compound (salt or complex) of Group IIIB series of the periodic table of elements.
Particularly preferred are aluminum-containing compounds and zirconium-containing compounds.
Water-soluble aluminum compounds (aluminum sulfate, aluminum alum, aluminum sulfite, aluminum thiosulfate, polyaluminum chloride, aluminum nitrate nonahydrate, aluminum chloride hexahydrate, etc.), water-soluble zirconium compounds (zirconyl acetate, zirconyl sulfate) Zirconium ammonium carbonate, zirconyl nitrate, zirconium oxychloride, zirconium zirconium hydroxy, etc.) are preferred. Polyaluminum chloride is particularly preferable.
The inorganic mordant may be used alone or in combination. When used in combination, it preferably contains at least an aluminum-containing compound or a zirconium-containing compound. Further, it is preferable to use an aluminum-containing compound and a zirconium-containing compound in combination.
[0169]
In the present invention, the amount of the mordant contained in the ink receiving layer is 0.01g / m 2 ~ 5g / m 2 Is preferred, 0.1g / m 2 ~ 3g / m 2 Is more preferable.
[0170]
The ink jet recording sheet of the present invention preferably contains a water-soluble resin.
[0171]
(Water-soluble resin)
Examples of the water-soluble resin include polyvinyl alcohol resins that are resins having a hydroxy group as a hydrophilic structural unit [polyvinyl alcohol (PVA), acetoacetyl-modified polyvinyl alcohol, cation-modified polyvinyl alcohol, anion-modified polyvinyl alcohol, silanol-modified. Polyvinyl alcohol, polyvinyl acetal, etc.], cellulosic resins [methyl cellulose (MC), ethyl cellulose (EC), hydroxyethyl cellulose (HEC), carboxymethyl cellulose (CMC), hydroxypropyl cellulose (HPC), hydroxyethyl methyl cellulose, hydroxypropyl methyl cellulose, etc.] , Chitins, chitosans, starch, resins with ether linkages [polyethylene oxide (PEO), Propylene oxide (PPO), polyethylene glycol (PEG), poly ether (PVE)], and resins having carbamoyl groups [polyacrylamide (PAAM), polyvinyl pyrrolidone (PVP), polyacrylic acid hydrazide, etc.] and the like.
Moreover, the polyacrylic acid salt which has a carboxyl group as a dissociable group, maleic acid resin, alginate, gelatins, etc. can be mentioned.
[0172]
Among these, polyvinyl alcohol resin is particularly preferable. Examples of the polyvinyl alcohol include Japanese Patent Publication No. 4-52786, Japanese Patent Publication No. 5-67432, Japanese Patent Publication No. 7-29479, Japanese Patent No. 2537827, Japanese Patent Publication No. 7-57553, Japanese Patent No. 2502998, and Japanese Patent No. 3053231. JP-A-63-176173, JP-A-2604367, JP-A-7-276787, JP-A-9-207425, JP-A-11-58941, JP-A-2000-135858, JP-A-2001-205924, JP 2001-287444, JP 62-278080, JP 9-39373, JP 2750433, JP 2000-18801, JP 2001-213045, JP 2001-328345, JP 8 -324105, JP-A-11-348417, JP-A58-18168 JP, 10-259213, JP 2001-72711, JP 2002-103805, JP 2000-63427, JP 2002-308928, JP 2001-205919, JP 2002-264489. Etc. are mentioned.
Examples of water-soluble resins other than polyvinyl alcohol resins include compounds described in JP-A-11-165461, [0011] to [0012], JP-A-2001-205919, and JP-A-2002-264489. Examples of the compounds are also mentioned.
These water-soluble resins may be used alone or in combination of two or more.
[0173]
As content of the water-soluble resin of this invention, 9-40 mass% is preferable with respect to the total solid content mass of a color material receiving layer, and 12-33 mass% is more preferable.
[0174]
(Fine particles)
In the ink jet recording sheet of the present invention, the colorant-receiving layer preferably contains fine particles, and more preferably the fine particles and the water-soluble resin are used in combination.
A porous structure is obtained by containing the fine particles in the color material receiving layer, thereby improving the ink absorption performance. In particular, when the solid content of the fine particles in the colorant-receiving layer is 50% by mass or more, more preferably more than 60% by mass, it becomes possible to form a more favorable porous structure, and sufficient ink absorption. This is preferable because an ink jet recording sheet having the properties can be obtained. Here, the solid content in the color material receiving layer of the fine particles is a content calculated based on components other than water in the composition constituting the color material receiving layer.
As the fine particles of the present invention, organic fine particles and inorganic fine particles can be used, but it is preferable to contain inorganic fine particles from the viewpoint of ink absorbability and image stability.
[0175]
The organic fine particles are preferably polymer fine particles obtained by, for example, emulsion polymerization, microemulsion polymerization, soap-free polymerization, seed polymerization, dispersion polymerization, suspension polymerization, and the like. Polyethylene, polypropylene, polystyrene, polyacrylate, polyamide, silicon resin , Phenol resin, natural polymer powder, latex or emulsion polymer fine particles, and the like.
[0176]
Examples of the inorganic fine particles include silica fine particles, colloidal silica, titanium dioxide, barium sulfate, calcium silicate, zeolite, kaolinite, halloysite, mica, talc, calcium carbonate, magnesium carbonate, calcium sulfate, pseudoboehmite, zinc oxide, water. Examples thereof include zinc oxide, alumina, aluminum silicate, calcium silicate, magnesium silicate, zirconium oxide, zirconium hydroxide, cerium oxide, lanthanum oxide, and yttrium oxide. Among these, silica fine particles, colloidal silica, alumina fine particles, or pseudoboehmite are preferable from the viewpoint of forming a good porous structure. The fine particles may be used as primary particles or in a state where secondary particles are formed. The average primary particle size of these fine particles is preferably 2 μm or less, and more preferably 200 nm or less.
Further, silica fine particles having an average primary particle size of 30 nm or less, colloidal silica having an average primary particle size of 30 nm or less, alumina fine particles having an average primary particle size of 20 nm or less, or pseudoboehmite having an average pore radius of 2 to 15 nm is more preferable. In particular, silica fine particles, alumina fine particles, and pseudoboehmite are preferable.
[0177]
Silica fine particles are generally roughly classified into wet method particles and dry method (gas phase method) particles according to the production method. In the above wet method, a method is mainly used in which activated silica is produced by acid decomposition of a silicate, and this is appropriately polymerized and agglomerated and precipitated to obtain hydrous silica. On the other hand, the gas phase method is a method by high-temperature gas phase hydrolysis of silicon halide (flame hydrolysis method), a method in which silica sand and coke are heated and reduced by an arc in an electric furnace and oxidized with air. The method of obtaining anhydrous silica by the (arc method) is the mainstream, and “gas phase method silica” means anhydrous silica fine particles obtained by the gas phase method. As the silica fine particles used in the present invention, gas phase method silica fine particles are particularly preferable.
[0178]
The gas phase method silica is different from hydrous silica in terms of the density of silanol groups on the surface, the presence or absence of vacancies, etc., and exhibits different properties, but is suitable for forming a three-dimensional structure with a high porosity. The reason for this is not clear, but in the case of hydrous silica, the density of silanol groups on the surface of the fine particles is 5 to 8 / nm.2In the case of vapor phase silica, the density of silanol groups on the fine particle surface is 2 to 3 / nm.2Therefore, it is presumed that the structure becomes sparsely soft agglomerated (flocculated), and as a result, has a structure with a high porosity.
[0179]
The above-mentioned vapor phase silica has a particularly large specific surface area, so the ink absorption and retention efficiency is high, and the refractive index is low. Therefore, if the dispersion is made to an appropriate particle size, transparency can be imparted to the receiving layer. It is characterized by high color density and good color development. The transparency of the receiving layer is not only for applications that require transparency such as OHP, but also in terms of obtaining high color density and good color development gloss even when applied to recording sheets such as photo glossy paper. is important.
[0180]
The average primary particle diameter of the vapor phase silica is preferably 30 nm or less, more preferably 20 nm or less, particularly preferably 10 nm or less, and most preferably 3 to 10 nm. Since the vapor phase silica is easily adhered to each other by hydrogen bonding with a silanol group, a structure having a large porosity can be formed when the average primary particle diameter is 30 nm or less, and ink absorption characteristics are effectively improved. Can be improved.
[0181]
Silica fine particles may be used in combination with the other fine particles described above. When the other fine particles and the vapor phase silica are used in combination, the content of the vapor phase silica in all the fine particles is preferably 30% by mass or more, and more preferably 50% by mass or more.
[0182]
As the inorganic fine particles of the present invention, alumina fine particles, alumina hydrate, a mixture or a composite thereof are also preferable. Of these, alumina hydrate is preferable because it absorbs and fixes ink well. In particular, pseudoboehmite (Al2OThree・ NH2O) is preferred. Alumina hydrates can be used in various forms, but it is preferable to use sol boehmite as a raw material because a smooth layer can be easily obtained.
[0183]
About the pore structure of pseudo boehmite, the average pore radius is preferably 1 to 30 nm, and more preferably 2 to 15 nm. The pore volume is preferably 0.3 to 2.0 cc / g, more preferably 0.5 to 1.5 cc / g. Here, the pore radius and pore volume are measured by a nitrogen adsorption / desorption method, and can be measured by, for example, a gas adsorption / desorption analyzer (for example, trade name “Omni Soap 369” manufactured by Coulter). .
Among alumina fine particles, vapor-phase method alumina fine particles are preferable because of their large specific surface area. The average primary particle size of the vapor phase alumina is preferably 30 nm or less, and more preferably 20 nm or less.
[0184]
When the above-mentioned fine particles are used in an inkjet recording sheet, for example, JP-A-10-81064, JP-A-10-119423, JP-A-10-157277, JP-A-10-217601, JP-A-11-348409, JP-A-2001-2001. 138621, 2000-43401, 2000-2111235, 2000-309157, 2001-96897, 2001-138627, JP-A-11-91242, 8-2087, 8-2090 No. 8-2091, No. 8-2093, No. 8-174992, No. 11-192777, JP-A No. 2001-301314, etc. can be preferably used.
[0185]
The water-soluble resin and the fine particles, which mainly constitute the colorant receiving layer of the present invention, may each be a single material or a mixed system of a plurality of materials.
From the viewpoint of maintaining transparency, the type of water-soluble resin to be combined with fine particles, particularly silica fine particles, is important. When the gas phase method silica is used, the water-soluble resin is preferably a polyvinyl alcohol resin, more preferably a polyvinyl alcohol resin having a saponification degree of 70 to 100%, and a saponification degree of 80 to 99.5. % Of polyvinyl alcohol resin is particularly preferable.
[0186]
The polyvinyl alcohol-based resin has a hydroxyl group in its structural unit, and since this hydroxyl group and the surface silanol group of the silica fine particle form a hydrogen bond, a three-dimensional network having a secondary particle of the silica fine particle as a network chain unit. It becomes easy to form a structure. By forming this three-dimensional network structure, it is considered that a color material receiving layer having a porous structure having a high porosity and sufficient strength is formed.
In ink jet recording, the porous colorant receiving layer obtained as described above can absorb ink rapidly by capillary action and form dots with good roundness without ink bleeding.
[0187]
In addition, the polyvinyl alcohol resin may be used in combination with the other water-soluble resin. When the other water-soluble resin and the polyvinyl alcohol resin are used in combination, the content of the polyvinyl alcohol resin in the total water-soluble resin is preferably 50% by mass or more, and more preferably 70% by mass or more.
[0188]
<Content ratio of fine particles to water-soluble resin>
The mass content ratio [PB ratio (x: y)] of the fine particles (x) and the water-soluble resin (y) has a great influence on the film structure and film strength of the colorant receiving layer. That is, as the mass content ratio [PB ratio] increases, the porosity, pore volume, and surface area (per unit mass) increase, but the density and strength tend to decrease.
[0189]
The colorant receiving layer of the present invention prevents the decrease in film strength and cracking during drying caused by the PB ratio being too large as the mass content ratio [PB ratio (x: y)], and When the PB ratio is too small, the voids are easily blocked by the resin, and from the viewpoint of preventing the ink absorbency from being lowered due to the decrease in the void ratio, the ratio is 1.5: 1 to 10: 1. preferable.
[0190]
Since stress may be applied to the recording sheet when passing through the conveyance system of the ink jet printer, the color material receiving layer needs to have sufficient film strength. Further, when cutting into a sheet shape, the color material receiving layer needs to have sufficient film strength in order to prevent the color material receiving layer from being cracked or peeled off. In consideration of these cases, the mass ratio (x: y) is more preferably 5: 1 or less, while it is more preferably 2: 1 or more from the viewpoint of ensuring high-speed ink absorbency in an inkjet printer. preferable.
[0191]
For example, a coating solution in which gas phase method silica fine particles having an average primary particle diameter of 20 nm or less and a water-soluble resin are completely dispersed in an aqueous solution at a mass ratio (x: y) of 2: 1 to 5: 1 is provided on the support. When the coating layer is dried, a three-dimensional network structure in which secondary particles of silica fine particles are network chains is formed, the average pore diameter is 30 nm or less, the porosity is 50 to 80%, the pore ratio Volume is 0.5ml / g or more, specific surface area is 100m 2 / GThe above translucent porous film can be easily formed.
[0192]
(Crosslinking agent)
The colorant-receiving layer of the ink jet recording sheet of the present invention preferably contains a crosslinking agent capable of further crosslinking the water-soluble resin in the coating layer containing the water-soluble resin, and in particular, the fine particles and the water-soluble resin. A preferred embodiment is a porous layer that is used in combination and further cured by a crosslinking reaction between the crosslinking agent and the water-soluble resin.
[0193]
Boron compounds are preferred for the crosslinking of the water-soluble resin, particularly polyvinyl alcohol. Examples of the boron compound include borax, boric acid, and borate (for example, orthoborate, InBO).Three, ScBOThree, YBOThree, LaBOThree, MgThree(BOThree)2, CoThree(BOThree)2Diborate (eg Mg2B2OFive, Co2B2OFive), Metaborates (eg LiBO)2, Ca (BO2)2, NaBO2, KBO2), Tetraborate (eg, Na2BFourO7・ 10H2O), pentaborate (for example, KB)FiveO8・ 4H2O, Ca2B6O11・ 7H2O, CsBFiveOFiveAnd the like. Of these, borax, boric acid, and borate are preferable, and boric acid is particularly preferable in that a crosslinking reaction can be promptly caused.
[0194]
The following compounds other than the boron compound can also be used as the crosslinking agent for the water-soluble resin.
For example, aldehyde compounds such as formaldehyde, glyoxal and glutaraldehyde; ketone compounds such as diacetyl and cyclopentanedione; bis (2-chloroethylurea) -2-hydroxy-4,6-dichloro-1,3,5- Active halogen compounds such as triazine and 2,4-dichloro-6-S-triazine sodium salt; divinylsulfonic acid, 1,3-vinylsulfonyl-2-propanol, N, N′-ethylenebis (vinylsulfonylacetamide) ), Active vinyl compounds such as 1,3,5-triacryloyl-hexahydro-S-triazine; N-methylol compounds such as dimethylolurea and methyloldimethylhydantoin; melamine resins (for example, methylolmelamine, alkylated methylolmelamine) ;Epoxy resin;
[0195]
Isocyanate compounds such as 1,6-hexamethylene diisocyanate; aziridine compounds described in US Pat. Nos. 3,017,280 and 2,983611; carboximide compounds described in US Pat. No. 3,100,704; glycerol triglycidyl Epoxy compounds such as ether; Ethyleneimino compounds such as 1,6-hexamethylene-N, N′-bisethyleneurea; Halogenated carboxaldehyde compounds such as mucochloric acid and mucophenoxycyclolic acid; 2,3-dihydroxy Dioxane compounds such as dioxane; Titanium lactate, aluminum sulfate, chromium alum, potassium alum, metal-containing compounds such as zirconyl acetate and chromium acetate, polyamine compounds such as tetraethylenepentamine, hydrazide compounds such as adipic acid dihydrazide It is a small molecule or polymer or the like containing an oxazoline group two or more.
Said crosslinking agent may be used individually by 1 type, and may be used in combination of 2 or more type.
[0196]
Crosslinking curing is performed by adding a crosslinking agent to a coating solution containing fine particles, a water-soluble resin or the like (hereinafter sometimes referred to as “coating solution A”) and / or the following basic solution, and (1) the coating solution At the same time as the coating layer is formed by coating the coating layer, or (2) either during the drying of the coating layer formed by coating the coating solution and before the coating layer exhibits reduced-rate drying, It is preferable to carry out by applying a basic solution having pH of 7.1 or higher (hereinafter sometimes referred to as “coating liquid B”) to the coating layer. The basic solution further preferably has a pH of 7.5 or more, particularly preferably 8 or more.
The application of the cross-linking agent is preferably performed as described below when a boron compound is taken as an example. That is, when the colorant-receiving layer is a layer obtained by crosslinking and curing a coating layer coated with a coating solution (coating solution A) containing a water-soluble resin containing fine particles and polyvinyl alcohol, the crosslinking and curing is (1) At the same time that the coating layer is formed by coating the coating solution, (2) any time before the coating layer formed by coating the coating solution is dry and before the coating layer exhibits reduced-rate drying And a basic solution (coating solution B) having a pH of 7.1 or higher is applied to the coating layer. The boron compound as a cross-linking agent may be contained in either the coating solution A or the coating solution B, and may be contained in both the coating solution A and the coating solution B.
1-50 mass% is preferable with respect to water-soluble resin, and, as for the usage-amount of a crosslinking agent, 5-40 mass% is more preferable.
[0197]
(mordant)
In the present invention, an organic mordant may be contained in the colorant receiving layer in order to improve the water resistance and aging resistance of the formed image in combination with the inorganic mordant.
Cationic polymer as the organic mordant (Cationic mordant is preferred, and the presence of the mordant in the colorant receiving layer stabilizes the colorant by interacting with the liquid ink having the anionic dye as the colorant. The organic mordant and the inorganic mordant may be used in a plurality of types, respectively.
[0198]
A method of adding a mordant to the coating liquid A containing fine particles and a water-soluble resin, or a method of applying the mordant in the coating liquid B when there is a concern of causing aggregation between the fine particles can be used.
[0199]
As the cationic mordant, a polymer mordant having a primary to tertiary amino group or a quaternary ammonium base as a cationic group is preferably used, but a cationic non-polymer mordant may also be used. it can.
Examples of the polymer mordant include a homopolymer of a monomer having a primary to tertiary amino group and a salt thereof, or a quaternary ammonium base (mordant monomer), the mordant monomer and other monomers (hereinafter, What is obtained as a copolymer or condensation polymer with "non-mordant monomer") is preferred. Moreover, these polymer mordants can be used in any form of a water-soluble polymer or water-dispersible latex particles.
[0200]
Examples of the monomer (mordant monomer) include trimethyl-p-vinylbenzylammonium chloride, trimethyl-m-vinylbenzylammonium chloride, triethyl-p-vinylbenzylammonium chloride, triethyl-m-vinylbenzylammonium chloride, N , N-dimethyl-N-ethyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-Nn-propyl-N -P-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-Nn-octyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-N-benzyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-die Ru-N-benzyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-N- (4-methyl) benzyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-N-phenyl-N -P-vinylbenzylammonium chloride;
[0201]
Trimethyl-p-vinylbenzylammonium bromide, trimethyl-m-vinylbenzylammonium bromide, trimethyl-p-vinylbenzylammonium sulfonate, trimethyl-m-vinylbenzylammonium sulfonate, trimethyl-p-vinylbenzylammonium acetate, trimethyl-m-vinyl Benzylammonium acetate, N, N, N-triethyl-N-2- (4-vinylphenyl) ethylammonium chloride, N, N, N-triethyl-N-2- (3-vinylphenyl) ethylammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-N-2- (4-vinylphenyl) ethylammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-N-2- (4-vinylphenyl) ethylammonium chloride Tate;
[0202]
N, N-dimethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylate, N, N-diethylaminopropyl (meth) acrylate, N, N- Methyl chloride, ethyl chloride, methyl bromide of dimethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylamide, N, N-diethylaminopropyl (meth) acrylamide , Quaternized products of ethyl bromide, methyl iodide or ethyl iodide, or sulfonates, alkyl sulfonates, acetates or alkyl carboxylates substituted with their anions.
[0203]
Specifically, for example, monomethyl diallyl ammonium chloride, trimethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, triethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, trimethyl-2- (acryloyloxy) ethylammonium chloride, triethyl- 2- (acryloyloxy) ethylammonium chloride, trimethyl-3- (methacryloyloxy) propylammonium chloride, triethyl-3- (methacryloyloxy) propylammonium chloride, trimethyl-2- (methacryloylamino) ethylammonium chloride, triethyl-2- (Methacryloylamino) ethylammonium chloride, trimethyl-2- (acryloylamino) ethyl Ammonium chloride, triethyl-2- (acryloylamino) ethylammonium chloride, trimethyl-3- (methacryloylamino) propylammonium chloride, triethyl-3- (methacryloylamino) propylammonium chloride, trimethyl-3- (acryloylamino) propylammonium chloride Triethyl-3- (acryloylamino) propylammonium chloride;
[0204]
N, N-dimethyl-N-ethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, N, N-dimethyl-N-ethyl- 3- (acryloylamino) propylammonium chloride, trimethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium bromide, trimethyl-3- (acryloylamino) propylammonium bromide, trimethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium sulfonate, trimethyl-3- And (acryloylamino) propylammonium acetate.
In addition, examples of copolymerizable monomers include N-vinylimidazole and N-vinyl-2-methylimidazole.
[0205]
In addition, allylamine, diallylamine, its derivatives, salts and the like can be used. Examples of such compounds include allylamine, allylamine hydrochloride, allylamine acetate, allylamine sulfate, diallylamine, diallylamine hydrochloride, diallylamine acetate, diallylamine sulfate, diallylmethylamine and salts thereof (for example, Hydrochloride, acetate, sulfate, etc.), diallylethylamine and salts thereof (for example, hydrochloride, acetate, sulfate, etc.), diallyldimethylammonium salt (chloride, acetic acid as counter anions of the salt) Ion sulfate ions, etc.). In addition, since these allylamines and diallylamine derivatives are inferior in polymerizability in the amine form, they are generally polymerized in the form of a salt and desalted as required.
In addition, a unit such as N-vinylacetamide, N-vinylformamide or the like, which is converted into a vinylamine unit by hydrolysis after polymerization, and a salt thereof can also be used.
[0206]
The non-mordant monomer does not contain a basic or cationic moiety such as a primary to tertiary amino group and a salt thereof, or a quaternary ammonium base, and does not show an interaction with a dye in an inkjet ink. Or the monomer which interaction is substantially small is said.
Examples of the non-mordant monomer include (meth) acrylic acid alkyl ester; (meth) acrylic acid cycloalkyl ester such as cyclohexyl (meth) acrylate; (meth) acrylic acid aryl ester such as phenyl (meth) acrylate; Aralkyl esters such as (meth) benzyl acrylate; Aromatic vinyls such as styrene, vinyl toluene and α-methylstyrene; Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl propionate and vinyl versatic acid; Allyl esters such as allyl acetate Halogen-containing monomers such as vinylidene chloride and vinyl chloride; vinyl cyanide such as (meth) acrylonitrile; olefins such as ethylene and propylene; and the like.
[0207]
The (meth) acrylic acid alkyl ester is preferably a (meth) acrylic acid alkyl ester having 1 to 18 carbon atoms in the alkyl moiety, for example, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, (meth) Propyl acrylate, isopropyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, isobutyl (meth) acrylate, t-butyl (meth) acrylate, hexyl (meth) acrylate, octyl (meth) acrylate, Examples include 2-ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, stearyl (meth) acrylate, and the like.
Of these, methyl acrylate, ethyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, and hydroxyethyl methacrylate are preferable.
The non-mordant monomers can also be used singly or in combination of two or more.
[0208]
Further, as the polymer mordant, polydiallyldimethylammonium chloride, a copolymer of diallyldimethylammonium chloride and other monomers (mordant monomer, non-mordant monomer), diallyldimethylammonium chloride and SO2Copolymers, cyclic amine resins such as polydiallylmethylamine hydrochloride, polydiallyl hydrochloride and derivatives thereof (including copolymers); polydiethylmethacryloyloxyethylamine, polytrimethylmethacryloyloxyethylammonium chloride, poly Copolymerization with secondary amino, tertiary amino or quaternary ammonium salt-substituted alkyl (meth) acrylate polymers represented by dimethylbenzylmethacryloyloxyethylammonium chloride, polydimethylhydroxyethylacryloyloxyethylammonium chloride, and other monomers Polyamine imine and derivatives thereof, polyallylamine and derivatives thereof, polyamine resins typified by polyvinylamine and derivatives thereof, polyamide-polyamine resins, Polyamide resins typified by lyamide epichlorohydrin resin, etc .; polysaccharides typified by cationized starch, chitosan and chitosan derivatives; dicyandiamide derivatives typified by dicyandiamide formalin polycondensate, dicyandiamide diethylenetriamine polycondensate, etc .; Polyamidine and polyamidine derivatives; dialkylamine epichlorohydrin addition polymers such as dimethylamine epichlorohydrin addition polymers and derivatives thereof; styrene polymers having quaternary ammonium salt-substituted alkyl groups and other monomers; A copolymer of the above can also be mentioned as a preferable one.
[0209]
Specific examples of the polymer mordant include JP-A Nos. 48-28325, 54-74430, 54-124726, 55-22766, 55-142339, 60-23850, and 60. -23851, 60-23852, 60-23853, 60-57836, 60-60643, 60-118834, 60-122940, 60-122941, 60-122294 Nos. 60-235134, JP-A-1-161236, U.S. Pat.Nos. 2,484,430, 2,548,564, 3,148,061, 3,309,690, 4,115,124, 4,124,386, 4,193,800, 4,273,853 No. 4282305, No. 4450224, JP-A-1-1612. No. 6, No. 10-81064, No. 10-157277, No. 10-217601, JP-A Nos. 2001-138621, 2000-212235, No. 2001-138627, JP-A No. 8-174992, and JP-B-5 -35162, 5-35163, 5-35164, 5-88846, Japanese Patent Nos. 2648847, 2616677, and the like.
[0210]
When the amount of the inorganic mordant and the amount of the organic mordant are used in combination, the ratio may be determined based on the balance between storage stability and bleeding. Among the mordants used at that time, the ratio of the inorganic mordant is 5% or more, preferably 10%. The above is preferable. The amount of mordant is 0.01g / m 2 ~ 5g / m 2 Is preferred, 0.1g / m 2 ~ 3g / m 2 Is more preferable.
[0211]
(Other ingredients)
The ink jet recording sheet of the present invention may further contain various known additives such as acids, ultraviolet absorbers, antioxidants, fluorescent whitening agents, monomers, polymerization initiators, polymerization inhibitors, and bleeding preventions as necessary. Agents, preservatives, viscosity stabilizers, antifoaming agents, surfactants, antistatic agents, matting agents, anti-curling agents, water-proofing agents, and the like.
[0212]
In the present invention, the colorant receiving layer may contain an acid. By adding an acid, the surface pH of the colorant-receiving layer is adjusted to 3 to 8, preferably 4 to 6. This is preferable because yellowing resistance of the white background portion is improved. The surface pH is measured by the A method (coating method) of the surface PH measurement defined by the Japan Paper Pulp Technology Association (J.TAPPI). For example, the measurement can be performed by using a paper PH measurement set “Type MPC” manufactured by Kyoritsu Riken Co., Ltd. corresponding to the method A.
[0213]
Specific examples of acids include formic acid, acetic acid, glycolic acid, oxalic acid, propionic acid, malonic acid, succinic acid, adipic acid, maleic acid, malic acid, tartaric acid, citric acid, benzoic acid, phthalic acid, isophthalic acid , Glutaric acid, gluconic acid, lactic acid, aspartic acid, glutamic acid, salicylic acid, salicylic acid metal salts (Zn, Al, Ca, Mg, etc.), methanesulfonic acid, itaconic acid, benzenesulfonic acid, toluenesulfonic acid, trifluoromethanesulfone Acid, styrenesulfonic acid, trifluoroacetic acid, barbituric acid, acrylic acid, methacrylic acid, cinnamic acid, 4-hydroxybenzoic acid, aminobenzoic acid, naphthalenedisulfonic acid, hydroxybenzenesulfonic acid, toluenesulfinic acid, benzenesulfinic acid, Sulfanilic acid, sulfamic acid, α-le Rucinic acid, β-resorcinic acid, γ-resorcinic acid, gallic acid, phloroglicin, sulfosalicylic acid, ascorbic acid, erythorbic acid, bisphenolic acid, hydrochloric acid, nitric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, polyphosphoric acid, boric acid, boronic acid and the aforementioned Examples include organic and inorganic mordants that are acidic. What is necessary is just to determine the addition amount of these acids so that the surface PH of a color material receiving layer may be 3-8.
The above acids can be metal salts (eg sodium, potassium, calcium, cesium, zinc, copper, iron, aluminum, zirconium, lanthanum, yttrium, magnesium, strontium, cerium, etc.) or amine salts (eg ammonia, triethylamine, tri Butylamine, piperazine, 2-methylpiperazine, polyallylamine, etc.).
[0214]
In the present invention, it is preferable that the colorant receiving layer contains a preservability improver such as an ultraviolet absorber, an antioxidant, or a bleeding inhibitor.
These UV absorbers, antioxidants, and anti-bleeding agents include alkylated phenol compounds (including hindered phenol compounds), alkylthiomethylphenol compounds, hydroquinone compounds, alkylated hydroquinone compounds, tocopherol compounds, and aliphatics having a thioether bond. , Aromatic and / or heterocyclic compounds, bisphenol compounds, O-, N- and S-benzyl compounds, hydroxybenzyl compounds, triazine compounds, phosphonate compounds, acylaminophenol compounds, ester compounds, amide compounds, ascorbic acid, amines Antioxidants, 2- (2-hydroxyphenyl) benzotriazole compounds, 2-hydroxybenzophenone compounds, acrylates, water-soluble or hydrophobic metal salts, organometallic compounds, metal complexes, hinders Amine compounds (including TEMPO compounds), 2- (2-hydroxyphenyl) 1,3,5-triazine compounds, metal deactivators, phosphite compounds, phosphonite compounds, hydroxyamine compounds, nitrone compounds, peroxides Scavenger, polyamide stabilizer, polyether compound, basic auxiliary stabilizer, nucleating agent, benzofuranone compound, indolinone compound, phosphine compound, polyamine compound, thiourea compound, urea compound, hydrazide compound, amidine compound, sugar compound, hydroxybenzoic acid A compound, a dihydroxybenzoic acid compound, a trihydroxybenzoic acid compound, and the like.
[0215]
Among these, alkylated phenol compounds, aliphatic, aromatic and / or heterocyclic compounds having a thioether bond, bisphenol compounds, ascorbic acid, amine-based antioxidants, water-soluble or hydrophobic metal salts, organometallic compounds , Metal complexes, hindered amine compounds, hydroxyamine compounds, polyamine compounds, thiourea compounds, hydrazide compounds, hydroxybenzoic acid compounds, dihydroxybenzoic acid compounds, trihydroxybenzoic acid compounds, and the like are preferable.
[0216]
Specific examples of the compound include JP-A No. 2002-36717, JP-A No. 2002-86904, Japanese Patent Application No. 2002-13005, JP-A No. 10-182621, JP-A No. 2001-260519, JP-B No. 4-34953, JP-B-4-34513, JP-A-11-170686, JP-B-4-34512, EP1138509, JP-A-60-67190, JP-A-7-276808, JP-A-2001-94829, JP-A-47-. No. 10537, No. 58-111942, No. 58-212844, No. 59-19945, No. 59-46646, No. 59-109055, No. 63-53544, No. 36-10466, No. 42-26187. 48-30492, 48-31255, 48-41572, 48-54965, 50-10726, US Pat. Nos. 2,719,086, 3,707,375, 3,754,919, 4,220,711,
[0217]
Japanese Patent Publication Nos. 45-4699, 54-5324, European Published Patent Nos. 223739, 309401, 309402, 3105301, 310552, 459416, German Published Patent No. 3435443, Kaisho 54-48535, 60-107384, 60-107383, 60-125470, 60-125471, 60-125472, 60-287485, 60-287486, 60-287487, 60-287488, 61-160287, 61-18854, 61-2111079, 62-146678, 62-146680, 62-146679, 62- No. 282885, No. 62-262047, No. 63-051174, Nos. 63-89877, 63-88380 same issue, same 66-88381 JP, same 63-113536 issue,
[0218]
63-163351, 63-203372, 63-224989, 63-251282, 63-267594, 63-182484, JP-A-1-239282, JP-A-2-262654, 2-71262, 3-121449, 4-291865, 4-291684, 5-611166, 5-119449, 5-188687, 5-188686, 5 No. 110490, No. 5-110437, No. 5-170361, No. 48-43295, No. 48-33212, U.S. Pat. Nos. 4,814,262, No. 4,980,275, and the like. .
[0219]
The other components may be used alone or in combination of two or more. These other components may be added after being water-solubilized, dispersed, polymer-dispersed, emulsified or oil-dropped, or may be encapsulated in microcapsules. In the ink jet recording sheet of the present invention, the addition amount of the other components is 0.01 to 10%.g / m 2 Is preferred.
[0220]
Further, for the purpose of improving the dispersibility of the inorganic fine particles, the inorganic surface may be treated with a silane coupling agent. Examples of the silane coupling agent include an organic functional group (for example, vinyl group, amino group (primary to tertiary amino group, quaternary ammonium base), epoxy group, mercapto, in addition to the site for coupling treatment. A group having a group, a chloro group, an alkyl group, a phenyl group, an ester group, a thioether group, or the like).
[0221]
In the present invention, the colorant-receiving layer coating liquid preferably contains a surfactant. As the surfactant, any of cationic, anionic, nonionic, amphoteric, fluorine and silicon surfactants can be used.
Examples of the nonionic surfactant include polyoxyalkylene alkyl ethers and polyoxyalkylene alkyl phenyl ethers (for example, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol diethyl ether, polyoxyethylene lauryl ether, polyoxyethylene stearyl ether, polyoxyethylene Ethylene nonylphenyl ether), oxyethylene / oxypropylene block copolymer, sorbitan fatty acid esters (for example, sorbitan monolaurate, sorbitan monooleate, sorbitan trioleate, etc.), polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters (for example, polyoxyethylene) Sorbitan monolaurate, polyoxyethylene sorbitan monooleate, polyoxyethylene sorbitan Lyolate, etc.), polyoxyethylene sorbitol fatty acid esters (eg, polyoxyethylene sorbitol tetraoleate), glycerin fatty acid esters (eg, glycerol monooleate), polyoxyethylene glycerin fatty acid esters (polyoxymonostearate) Ethylene glycerol, monooleic acid polyoxyethylene glycerin, etc.), polyoxyethylene fatty acid esters (polyethylene glycol monolaurate, polyethylene glycol monooleate, etc.), polyoxyethylene alkylamine, acetylene glycols (eg, 2, 4, 7) , 9-tetramethyl-5-decyne-4,7-diol, and ethylene oxide adducts, propylene oxide adducts, and the like of the diols), and polyoxy Ruki alkylene alkyl ethers are preferable. The nonionic surfactant can be used in the first coating solution and the second coating solution. Moreover, the said nonionic surfactant may be used independently and may use 2 or more types together.
[0222]
Examples of the amphoteric surfactant include amino acid type, carboxyammonium betaine type, sulfoammonium betaine type, ammonium sulfate betaine type, imidazolium betaine type and the like. For example, US Pat. No. 3,843,368, JP, JP-A-59-49535, JP-A-63-236546, JP-A-5-303205, JP-A-8-262742, JP-A-10-282619, JP-A-2514194, JP-A-2759597, JP-A-2000-351269, etc. Can be used preferably. Of the amphoteric surfactants, the amino acid type, carboxyammonium betaine type, and sulfoneammonium betaine type are preferable. The amphoteric surfactants may be used alone or in combination of two or more.
[0223]
Examples of the anionic surfactant include fatty acid salts (for example, sodium stearate, potassium oleate), alkyl sulfate esters (for example, sodium lauryl sulfate, triethanolamine lauryl sulfate), and sulfonates (for example, sodium dodecylbenzene sulfonate). Alkyl sulfosuccinate (for example, sodium dioctyl sulfosuccinate), alkyl diphenyl ether disulfonate, alkyl phosphate, and the like.
Examples of the cationic surfactant include alkylamine salts, quaternary ammonium salts, pyridinium salts, imidazolium salts and the like.
[0224]
Examples of the fluorosurfactant include compounds derived from an intermediate having a perfluoroalkyl group using a method such as electrolytic fluorination, telomerization, or oligomerization.
Examples thereof include perfluoroalkyl sulfonates, perfluoroalkyl carboxylates, perfluoroalkyl ethylene oxide adducts, perfluoroalkyl trialkyl ammonium salts, perfluoroalkyl group-containing oligomers, and perfluoroalkyl phosphate esters.
[0225]
As the silicon-based surfactant, silicon oil modified with an organic group is preferable, and a structure in which a side chain of a siloxane structure is modified with an organic group, a structure in which both ends are modified, and a structure in which one end is modified can be taken. Examples of the organic group modification include amino modification, polyether modification, epoxy modification, carboxyl modification, carbinol modification, alkyl modification, aralkyl modification, phenol modification, and fluorine modification.
[0226]
In the present invention, the content of the surfactant is preferably 0.001 to 2.0%, more preferably 0.01 to 1.0% with respect to the coating solution for the colorant receiving layer. When two or more liquids are used as the colorant-receiving layer coating liquid, it is preferable to add a surfactant to each coating liquid.
[0227]
In the present invention, the colorant receiving layer preferably contains a high boiling point organic solvent for curling prevention. The high-boiling organic solvent is an organic compound having a boiling point of 150 ° C. or higher at normal pressure, and is a water-soluble or hydrophobic compound. These may be liquid or solid at room temperature, and may be low molecules or polymers.
Specifically, aromatic carboxylic acid esters (for example, dibutyl phthalate, diphenyl phthalate, phenyl benzoate, etc.), aliphatic carboxylic acid esters (for example, dioctyl adipate, dibutyl sebacate, methyl stearate, dibutyl maleate) , Dibutyl fumarate, triethyl acetyl citrate, etc.), phosphate esters (eg, trioctyl phosphate, tricresyl phosphate, etc.), epoxies (eg, epoxidized soybean oil, epoxidized fatty acid methyl, etc.), alcohols (eg, stearyl) Alcohol, ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, glycerol, diethylene glycol monobutyl ether (DEGMBE), triethylene glycol monobutyl ether, glycerol Methyl ether, 1,2,3-butanetriol, 1,2,4-butanetriol, 1,2,4-pentanetriol, 1,2,6-hexanetriol, thiodiglycol, triethanolamine, polyethylene glycol, etc. ), Vegetable oils (eg, soybean oil, sunflower oil, etc.) and higher aliphatic carboxylic acids (eg, linoleic acid, oleic acid, etc.).
[0228]
(Support)
As the support of the present invention, any of a transparent support made of a transparent material such as plastic and an opaque support made of an opaque material such as paper can be used. In order to make use of the transparency of the colorant receiving layer, it is preferable to use a transparent support or a highly glossy opaque support.
[0229]
The material that can be used for the transparent support is preferably a material that is transparent and can withstand radiant heat when used in an OHP or a backlight display. Examples of the material include polyesters such as polyethylene terephthalate (PET); polysulfone, polyphenylene oxide, polyimide, polycarbonate, polyamide and the like. Of these, polyesters are preferable, and polyethylene terephthalate is particularly preferable.
Although there is no restriction | limiting in particular as thickness of the said transparent support body, 50-200 micrometers is preferable at the point which is easy to handle.
[0230]
As the highly glossy opaque support, one having a glossiness of 40% or more on the surface on which the colorant receiving layer is provided is preferable. The glossiness is a value determined according to the method described in JIS P-8142 (75-degree specular gloss test method for paper and paperboard). Specifically, the following supports are mentioned.
[0231]
For example, high gloss paper support such as art paper, coated paper, cast coated paper, baryta paper used for silver salt photographic support, polyester such as polyethylene terephthalate (PET), nitrocellulose, cellulose acetate , Cellulose esters such as cellulose acetate butyrate, and plastic films such as polysulfone, polyphenylene oxide, polyimide, polycarbonate, and polyamide are made opaque by adding a white pigment or the like (surface calendering may be applied). Glossy film; or a support in which a polyolefin coating layer containing or not containing a white pigment is provided on the surface of a highly glossy film containing the various paper supports, the transparent support or the white pigment. Etc.
A white pigment-containing foamed polyester film (for example, foamed PET containing polyolefin fine particles and forming voids by stretching) can also be suitably exemplified. Furthermore, resin-coated paper used for silver salt photographic printing paper is also suitable.
[0232]
Although there is no restriction | limiting in particular also about the thickness of the said opaque support body, 50-300 micrometers is preferable at the point of handleability.
[0233]
The surface of the support may be subjected to corona discharge treatment, glow discharge treatment, flame treatment, ultraviolet irradiation treatment or the like in order to improve wettability and adhesion.
[0234]
Next, the base paper used for the resin-coated paper will be described in detail.
The base paper is made from wood pulp as a main raw material and, if necessary, paper using synthetic pulp such as polypropylene or synthetic fibers such as nylon or polyester in addition to wood pulp. As the above-mentioned wood pulp, any of LBKP, LBSP, NBKP, NBSP, LDP, NDP, LUKP, NUKP can be used, but more LBKP, NBSP, LBSP, NDP, LDP with more short fibers are used. preferable.
However, the ratio of LBSP and / or LDP is preferably 10% by mass or more and 70% by mass or less.
[0235]
The pulp is preferably a chemical pulp (sulfate pulp or sulfite pulp) with few impurities, and a pulp having a whiteness improved by bleaching is also useful.
[0236]
In the base paper, sizing agents such as higher fatty acids and alkyl ketene dimers, white pigments such as calcium carbonate, talc and titanium oxide, paper strength enhancing agents such as starch, polyacrylamide and polyvinyl alcohol, fluorescent whitening agents, polyethylene glycols A water retaining agent such as a dispersant, a softening agent such as a quaternary ammonium, and the like can be appropriately added.
[0237]
The freeness of the pulp used for papermaking is preferably 200 to 500 ml as defined by CSF, and the fiber length after beating is a 24 mesh residual mass% and a 42 mesh residual as defined in JIS P-8207. 30 to 70% of the sum with the mass% of is preferable. In addition, it is preferable that the mass% of 4 mesh remainder is 20 mass% or less.
[0238]
The basis weight of the base paper is preferably 30 to 250 g, and particularly preferably 50 to 200 g. The thickness of the base paper is preferably 40 to 250 μm. The base paper can be given a high smoothness by calendering at the paper making stage or after paper making. Base paper density is 0.7-1.2g / m 2 (JIS P-8118) is common.
Furthermore, the base paper stiffness is preferably 20 to 200 g under the conditions specified in JIS P-8143.
[0239]
A surface sizing agent may be applied to the surface of the base paper. As the surface sizing agent, a sizing agent similar to the size that can be added to the base paper can be used.
The pH of the base paper is preferably 5 to 9 when measured by a hot water extraction method defined in JIS P-8113.
[0240]
The polyethylene covering the front and back surfaces of the base paper is mainly low-density polyethylene (LDPE) and / or high-density polyethylene (HDPE), but some other LLDPE, polypropylene, etc. can also be used.
[0241]
In particular, the polyethylene layer on the side that forms the colorant-receiving layer is added with rutile or anatase-type titanium oxide, fluorescent whitening agent, ultramarine, and polyethylene, as is widely done in photographic paper. Those with improved transparency, whiteness and hue are preferred. Here, as a titanium oxide content, about 3-20 mass% is preferable with respect to polyethylene, and 4-13 mass% is more preferable. Although the thickness of a polyethylene layer does not have limitation in particular, 10-50 micrometers is suitable for both front and back layers. Further, an undercoat layer can be provided on the polyethylene layer in order to provide adhesion to the colorant receiving layer. As the undercoat layer, aqueous polyester, gelatin and PVA are preferable. Moreover, as thickness of this undercoat layer, 0.01-5 micrometers is preferable.
[0242]
Polyethylene-coated paper can be used as glossy paper, or when it is melt-extruded onto the surface of the base paper and coated, the matte surface or silky surface that can be obtained with ordinary photographic printing paper by so-called molding Can also be used.
[0243]
A back coat layer can be provided on the support, and examples of components that can be added to the back coat layer include a white pigment, an aqueous binder, and other components.
Examples of white pigments contained in the backcoat layer include light calcium carbonate, heavy calcium carbonate, kaolin, talc, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide, zinc oxide, zinc sulfide, zinc carbonate, satin white, and aluminum silicate. , Diatomaceous earth, calcium silicate, magnesium silicate, synthetic amorphous silica, colloidal silica, colloidal alumina, pseudoboehmite, aluminum hydroxide, alumina, lithopone, zeolite, hydrous halloysite, magnesium carbonate, magnesium hydroxide, white inorganic pigment, styrene And organic pigments such as polyethylene plastic pigments, acrylic plastic pigments, polyethylene, microcapsules, urea resins, and melamine resins.
[0244]
Examples of the aqueous binder used in the back coat layer include styrene / maleate copolymer, styrene / acrylate copolymer, polyvinyl alcohol, silanol-modified polyvinyl alcohol, starch, cationized starch, casein, gelatin, carboxy Examples thereof include water-soluble polymers such as methyl cellulose, hydroxyethyl cellulose, and polyvinyl pyrrolidone, and water-dispersible polymers such as styrene butadiene latex and acrylic emulsion.
Examples of other components contained in the backcoat layer include an antifoaming agent, an antifoaming agent, a dye, a fluorescent brightening agent, a preservative, and a water-proofing agent.
[0245]
(Preparation of inkjet recording sheet)
The colorant receiving layer of the ink jet recording sheet of the present invention is not particularly limited, and a known coating method can be used. Examples include an extrusion die coater, an air doctor coater, a bread coater, a rod coater, a knife coater, a squeeze coater, a reverse roll coater, a bar coater, and the like. The colorant receiving layer may be a single layer on the support or may have a multilayer structure, and may further have an ink solvent absorption layer, an intermediate layer, a protective layer, and the like. The inorganic mordant of the present invention may be present in the entire color material receiving layer or in the vicinity of the ink receiving surface.
Further, for example, a first coating liquid containing at least fine particles and a water-soluble resin (hereinafter sometimes referred to as “coating liquid (A)”) is applied to the surface of the support, and (1) 2) A second coating liquid having a pH of 7.1 or more containing at least a basic compound in the course of drying of the coating layer formed by the coating and before the coating layer exhibits a reduced rate of drying. After that, the coating layer to which the second coating solution is applied is crosslinked and cured (Wet-on-Wet method). preferable. Here, the inorganic mordant of the present invention is preferably contained in at least one of the coating liquid (A) and the coating liquid (B). In particular, it is preferably contained in the coating solution (A). Moreover, it is preferable that the crosslinking agent which can bridge | crosslink the said water-soluble resin is also contained in at least one of the said coating liquid (A) or a coating liquid (B).
Providing a colorant-receiving layer that has been crosslinked and cured in this manner is preferable from the viewpoints of ink absorptivity and prevention of film cracking.
[0246]
In the present invention, the colorant-receiving layer coating solution (coating solution (A)) containing at least fine particles (for example, vapor phase method silica) and a water-soluble resin (for example, polyvinyl alcohol) is, for example, as follows. Can be prepared. That is,
Vapor phase silica fine particles and a dispersant are added to water (for example, silica fine particles in water are 10 to 20% by mass), and a high-speed rotating wet colloid mill (for example, “Clairemix” manufactured by M Technique Co., Ltd.) For example, at a high speed of 10,000 rpm (preferably 5000 to 20000 rpm), for example, for 20 minutes (preferably 10 to 30 minutes) and then dispersed, followed by a crosslinking agent (boron compound) and a polyvinyl alcohol (PVA) aqueous solution. (For example, PVA having a mass of about 1/3 of the above-mentioned vapor phase silica) is added, and when the inorganic mordant in the present invention is further included in the coating material for the colorant receiving layer, the compound is added. It can be prepared by dispersing under the same rotation conditions as described above. The obtained coating solution is in a uniform sol state, and a porous colorant receiving layer having a three-dimensional network structure can be formed by applying the coating solution onto a support by the following coating method and drying it. .
[0247]
In addition, the preparation of the aqueous dispersion composed of the above-mentioned vapor phase method silica and a dispersant may be carried out by preparing a vapor phase method silica aqueous dispersion in advance and adding the aqueous dispersion to the aqueous dispersant solution. The aqueous solution may be added to the vapor phase silica aqueous dispersion or may be mixed at the same time. Further, instead of vapor phase silica aqueous dispersion, powder vapor phase silica may be used and added to the aqueous dispersant solution as described above.
After mixing said vapor phase silica and a dispersing agent, the mixed liquid is refined using a disperser, whereby an aqueous dispersion having an average particle diameter of 50 to 300 nm can be obtained. As a disperser used for obtaining the aqueous dispersion, various types of conventionally known dispersers such as a high-speed rotary disperser, a medium agitating disperser (ball mill, sand mill, etc.), an ultrasonic disperser, a colloid mill disperser, and a high pressure disperser. Although a disperser can be used, a stirrer-type disperser, a colloid mill disperser, or a high-pressure disperser is preferable from the viewpoint that the formed fine particles are efficiently dispersed.
[0248]
Moreover, water, an organic solvent, or these mixed solvents can be used as a solvent in each process. Examples of the organic solvent that can be used for the coating include alcohols such as methanol, ethanol, n-propanol, i-propanol, and methoxypropanol, ketones such as acetone and methyl ethyl ketone, tetrahydrofuran, acetonitrile, ethyl acetate, and toluene. It is done.
[0249]
In addition, a chaotic polymer can be used as the dispersant. Examples of the chaotic polymer include the aforementioned organic mordants. It is also preferable to use a silane coupling agent as the dispersant.
The amount of the dispersant added to the fine particles is preferably 0.1% to 30%, more preferably 1% to 10%.
[0250]
After the colorant receiving layer is formed on the support, the colorant receiving layer is made of, for example, a super calender, a gloss calendar, etc., and subjected to a calendering process between the roll nips under heat and pressure, so that surface smoothness, gloss It is possible to improve the degree, transparency and coating strength. However, the calendar process may cause a decrease in the porosity (that is, the ink absorptivity may be decreased), so it is necessary to set conditions under which the decrease in the porosity is small.
[0251]
As roll temperature in the case of performing a calendar process, 30-150 degreeC is preferable and 40-100 degreeC is more preferable.
Moreover, as a linear pressure between rolls at the time of a calendar process, 50-400 kg / cm is preferable and 100-200 kg / cm is more preferable.
[0252]
The layer thickness of the colorant-receiving layer needs to be determined in relation to the porosity in the layer because it needs to have an absorption capacity sufficient to absorb all droplets in the case of inkjet recording. For example, the ink amount is 8 nL /mm 2 In the case where the porosity is 60%, a film having a layer thickness of about 15 μm or more is required.
Considering this point, in the case of inkjet recording, the thickness of the colorant receiving layer is preferably 10 to 50 μm.
[0253]
The pore diameter of the colorant receiving layer is preferably 0.005 to 0.030 μm, more preferably 0.01 to 0.025 μm in terms of median diameter.
The porosity and pore median diameter can be measured using a mercury porosimeter (trade name “Pore Sizer 9320-PC2” manufactured by Shimadzu Corporation).
[0254]
The colorant receiving layer is preferably excellent in transparency. As a guideline, the haze value when the colorant receiving layer is formed on the transparent film support is 30% or less. Preferably, it is 20% or less.
The haze value can be measured using a haze meter (HGM-2DP: Suga Test Instruments Co., Ltd.).
[0255]
A polymer fine particle dispersion may be added to a constituent layer (for example, a colorant receiving layer or a back layer) of the inkjet recording sheet of the present invention. This polymer fine particle dispersion is used for the purpose of improving film properties such as dimensional stabilization, curling prevention, adhesion prevention, and film cracking prevention. The polymer fine particle dispersion is described in JP-A-62-245258 and JP-A-10-228076. If a polymer fine particle dispersion having a low glass transition temperature (40 ° C. or lower) is added to the layer containing the mordant, cracking and curling of the layer can be prevented. Further, even when a polymer fine particle dispersion having a high glass transition temperature is added to the back layer, curling can be prevented.
[0256]
Further, the inkjet recording sheet of the present invention is disclosed in JP-A Nos. 10-81064, 10-119423, 10-157277, 10-217601, 11-348409, and JP-A-2001-138621. 2000-43401, 2000-2111235, 2000-309157, 2001-96897, 2001-138627, JP-A-11-91242, 8-2087, 8-2090, 8 It can also be produced by the methods described in the publications Nos. -2091 and 8-2093.
[0257]
An undercoat layer may be provided on the support for the purpose of improving the adhesion between the colorant receiving layer and the support and appropriately adjusting the electric resistance value.
[0258]
The colorant receiving layer may be provided only on one side of the support, or may be provided on both sides of the support for the purpose of preventing deformation such as curling. In the case of use in OHP or the like, when the colorant receiving layer is provided only on one side of the support, an antireflection film may be provided on the opposite side surface or both sides for the purpose of increasing light transmittance. it can.
[0259]
Further, by applying boric acid or a boron compound to the surface of the support on the side where the color material receiving layer is provided, and forming the color material receiving layer thereon, the glossiness and surface of the color material receiving layer Smoothness can be ensured and blurring with time of an image after printing in a high-temperature and high-humidity environment can also be suppressed.
[0260]
-Inkjet recording method-
In the ink jet recording method of the present invention, the ink jet recording method is not limited, and a known method, for example, a charge control method in which ink is ejected using electrostatic attraction, or a drop-on-demand method using vibration pressure of a piezo element. Method (pressure pulse method), acoustic ink method that converts electrical signals into acoustic beams, irradiates ink, and ejects ink using radiation pressure, and forms bubbles by heating ink and uses generated pressure Used for thermal ink jet system. Inkjet recording methods use a method of ejecting a large number of low-density inks called photo inks in a small volume, a method of improving image quality using a plurality of inks having substantially the same hue and different concentrations, and colorless and transparent inks. The method is included.
[0261]
【Example】
Examples of the present invention will be described below, but the present invention is not limited to these examples. In the examples, “part” means “part by mass”.
[0262]
[Example 1]
(Preparation of water-based ink)
After adding deionized water to the following components to make 1 liter, the mixture was stirred for 1 hour while being heated at 30 to 40 ° C. Thereafter, the pH was adjusted to 9 with KOH 10 mol / L, and filtration under reduced pressure was performed using a microfilter having an average pore size of 0.25 μm to prepare an ink liquid for light magenta.
[0263]
-Magenta dye (T-1) represented by the following structural formula 7.5 g / L
・ Diethylene glycol 50g / L
・ Urea 10g / L
・ Glycerin 200g / L
・ Triethylene glycol monobutyl ether 120g / L
・ Triethanolamine 6.9g / L
・ Benzotriazole 0.08g / L
・ 2-Pyrrolidone 20g / L
・ Surfinol 465
(Surfactant manufactured by Air Products Japan) 10.5g / L
・ PROXEL XL-2 (bactericidal agent: manufactured by ICI Japan) 3.5g / L
[0264]
Further, magenta ink, light cyan ink, cyan ink, yellow ink, and black ink were adjusted by changing the dye species and additives, and ink set 101 having the density shown in Table 1 was produced.
[0265]
[Table 1]
[0266]
Embedded image
[0267]
Embedded image
[0268]
Next, the dye types of the light magenta, magenta, light cyan, cyan, and yellow inks of the ink set 101 were changed as shown in Table 2, and ink sets 102 to 106 were produced. When changing the dye, the dye concentration was adjusted so that the transmission density of each ink liquid was equivalent to that of the ink set 101 on the basis of equimolar replacement. Moreover, when using together dye, it used equimolar.
[0269]
[Table 2]
(Production of support)
Wood pulp consisting of 100 parts of LBKP is beaten to 300 ml Canadian freeness with a double disc refiner, 0.5 parts of epoxidized behenamide, 1.0 part of anionic polyacrylamide, 0.1 part of polyamide polyamine epichlorohydrin, 0.5 part of cationic polyacrylamide All parts were added at an absolutely dry mass ratio to the pulp, and weighed by a long paper machine to 170 g / m.2Paper was made.
[0270]
In order to adjust the surface size of the base paper, 0.04% of a fluorescent whitening agent (“Whiteex BB” manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.) is added to a 4% aqueous solution of polyvinyl alcohol, and this is 0 in terms of absolute dry mass. .5g / m2The base paper was impregnated so as to become, dried, and then subjected to a calendar treatment to obtain a base paper adjusted to a density of 1.05 g / cc.
[0271]
After the corona discharge treatment was performed on the wire surface (back surface) side of the obtained base paper, high-density polyethylene was coated to a thickness of 19 μm using a melt extruder to form a resin layer composed of a mat surface. (Hereinafter, the resin layer surface is referred to as “back surface”). The resin layer on the back side is further subjected to corona discharge treatment, and thereafter, as an antistatic agent, aluminum oxide (“Alumina sol 100” manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.) and silicon dioxide (“Nissan Chemical Industries, Ltd. Snowtex O ")) in water at a mass ratio of 1: 2 is a dry mass of 0.2 g / m2It applied so that it might become.
[0272]
Furthermore, after the corona discharge treatment is applied to the felt surface (surface) side where the resin layer is not provided, anatase-type titanium dioxide 10%, a trace amount of ultramarine blue, and a fluorescent whitening agent 0.01% (vs. polyethylene) A low-density polyethylene containing MFR (melt flow rate) 3.8 is extruded using a melt extruder to a thickness of 29 μm, and a high gloss thermoplastic resin layer is formed on the surface side of the base paper. (Hereinafter, this high-gloss surface is referred to as a “front side”), which was used as a support.
[0273]
(Preparation of coating material A for colorant receiving layer)
(1) Gas phase method silica fine particles and (2) ion-exchanged water and (3) “Charol DC-902P” in the following composition are mixed, and KD-P (manufactured by Shinmaru Enterprises Co., Ltd.) is used. After dispersing for 20 minutes at a rotational speed of 10,000 rpm, a solution containing the following (4) polyvinyl alcohol, (5) boric acid, (6) polyoxyethylene lauryl ether, and (7) ion-exchanged water is added, and the rotational speed is further increased. Dispersion was performed again at 10,000 rpm for 20 minutes to prepare a coating material A for a colorant receiving layer.
The mass ratio between the silica fine particles and the water-soluble resin (PB ratio = (1) :( 4)) is 4.5: 1. Indicated.
[0274]
<Composition of Color Material Receiving Layer Coating Liquid A>
(1) Gas phase method silica fine particles (inorganic fine particles) 10.0 parts
("Reoroseal QS-30" manufactured by Tokuyama Corporation, average primary particle size 7 nm)
(2) Ion exchange water 51.7 parts
(3) Polydimethyldiallylamine-based quaternary ammonium salt
(Charol DC-902P Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) 0.8 parts
(4) Polyvinyl alcohol (water-soluble resin) 8% aqueous solution 27.8 parts
("PVA124" manufactured by Kuraray Co., Ltd., saponification degree 98.5%, polymerization degree 2400)
(5) Boric acid (crosslinking agent) 0.4 parts
(6) Polyoxyethylene lauryl ether (surfactant 1.2 parts
("Emulgen 109P" manufactured by Kao Corporation (10% aqueous solution), HLB value 13.6)
(7) Ion exchange water 33.0 parts
[0275]
(Preparation of coating solution B for colorant receiving layer)
Coloring material receiving layer coating solution B, except that 1.4 parts of zirconium acetate (Zircozole ZA-30, 30% aqueous solution) is added to the coating material A for coloring material receiving layer. It was created.
[0276]
(Preparation of coating material C for colorant receiving layer)
A coating solution C for colorant receiving layer was prepared in the same manner except that 1.0 part of basic zirconyl chloride (Dilcozol ZC-2) was added to the above coating solution A for coloring material receiving layer. did.
[0277]
(Preparation of coating material D for colorant receiving layer)
The coating solution A for the colorant receiving layer is coated with polyaluminum chloride (also known as basic polyaluminum hydroxide Al).2(OH)FiveCl, 40% aqueous solution), and 0.8 parts of polyvinyl alcohol “PVA124” was changed to polyvinyl alcohol “PVA235” (Kuraray Co., Ltd., saponification degree 88%, polymerization degree 3500). Coating solution D was prepared.
[0278]
(Preparation of coating solution E for colorant receiving layer)
The above coating material A for the colorant receiving layer is coated with polyaluminum chloride (Al2(OH)Five(Cl, 40% aqueous solution) A coloring material receiving layer coating solution E was prepared in the same manner except that 0.4 part was added.
[0279]
(Preparation of coating material F for colorant receiving layer)
A colorant receiving layer coating solution F was prepared in the same manner except that 0.2 part of titanium lactate and 0.7 part of polyaluminum chloride (40% aqueous solution) were added to the coating material A for the colorant receiving layer.
[0280]
(Preparation of coating solution G for colorant receiving layer)
A colorant receiving layer coating solution G was prepared in the same manner except that 0.4 part of lanthanum nitrate was added to the colorant receiving layer coating solution A.
[0281]
(Preparation of coating solution H for colorant receiving layer)
The colorant receiving layer coating solution H is the same except that 1.0 part of methacrylic acid ester quaternary ammonium salt (Charol DM-283P, Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) is added to the coating material A for the colorant receiving layer It was created.
[0282]
(Preparation of coating solution I for colorant receiving layer)
Application for coloring material receiving layer in the same manner except that the polydimethyldiallylamine-based quaternary ammonium salt (Charol DC-902P Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) in the coating liquid A for coloring material receiving layer is changed to 1.6 parts. Liquid I was prepared.
[0283]
(Preparation of coating solution J for colorant receiving layer)
In the same manner, except that 1.0 part of polydimethyldiallylamine-based quaternary ammonium salt (PAS-A-1 Nittobo Co., Ltd.) is added to the coating material A for the coloring material receiving layer, the coating solution J for the coloring material receiving layer is used. Created.
[0284]
(Preparation of coating solution K for colorant receiving layer)
In the same manner, except that 1.0 part of polychlorinated dimethylmethylene piperidinium-based quaternary ammonium salt (Adekathioace PD-50 Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.) is added to the coating liquid A for the colorant receiving layer. A layer coating solution K was prepared.
[0285]
(Preparation of inkjet recording sheet)
After the corona discharge treatment is applied to the front surface of the support, the colorant receiving layer coating liquids A to K obtained above are applied to the front surface of the support at 200 ml / m using an extrusion die coater.2(Application step), and dried with a hot air dryer at 80 ° C. (wind speed 3 to 8 m / second) until the solid content concentration of the coating layer reached 20%. Thereby, inkjet recording sheets (1) to (11) provided with a colorant receiving layer having a dry film thickness of 32 μm were prepared.
[0286]
(Image recording and evaluation)
The ink sets 101 to 106 are packed in a cartridge of an ink jet printer PM950C (manufactured by Seiko Epson Corporation), and images are printed on the ink jet recording sheets (1) to (11) to which the colorant receiving layer coating liquids A to K are respectively applied. Printed and evaluated as follows.
[0287]
<Image robustness>
For image fastness, a gray print sample was prepared and evaluated as follows. (1. Light fastness: “Light resistance” is described in the table below)
Immediately after printing, the chromaticity (a * 1, b * 1) and lightness (L1) were measured with Gretag SPM100-II, and then irradiated with xenon light (85000 lux) using an Atlas weather meter for 7 days. After that, the chromaticity (a * 2, b * 2) and lightness (L2) were measured again, and the color difference (ΔE) before and after the light irradiation was determined and evaluated according to the following formula (I).
ΔE = {(a * 1-a * 2)2+
(B * 1-b * 2)2+ (L1-L2)2}1/2 Formula (I)
For color differences, the reflection density is evaluated at three points of 1.0, 1.3, and 1.6, and when the color difference is less than 5 at any density, A includes both evaluations of less than 5 and 5 or more depending on the density. The case was B, and the case of 5 or more at all concentrations was C.
[0288]
(2. Ozone resistance)
The color difference before and after storing the sample for 7 days in a box where the ozone gas concentration was set to 0.5 ppm was evaluated by the same method as the light fastness. The residual ratio of dye is evaluated at three points of reflection density of 1.0, 1.3, and 1.6. A is the case where the color difference is less than 10 at any density, and both the evaluation is less than 10 and 10 or more depending on the density. Was included, and C was defined as 10 or more at all concentrations. The ozone gas concentration in the box was set using an ozone gas monitor (model: OZG-EM-01) manufactured by APPLICS.
All the evaluation results are shown in Table 3 below.
[0289]
[Table 3]
[0290]
Table 3 shows that the examples according to the ink jet recording method of the present invention are superior in light resistance and ozone resistance as compared with the comparative examples. Further, according to the method of the examples, image bleeding and water resistance are shown. It was excellent in all of heat resistance, glossiness, ink absorption speed, and image density.
[0291]
(Example 2)
When the same ink prepared in Example 1 was packed in an inkjet printer BJF900 (manufactured by Canon Inc.), an image was printed on the inkjet recording sheet (4) with the same machine, and the same evaluation as in Example 1 was performed. The same results as in Example 1 were obtained.
[0292]
(Example 3)
From ink set 101 of Example 1, light magenta, magenta, light cyan, cyan, and yellow were changed to oil-soluble dye inks prepared by the following method to prepare ink set 201.
8 g of a dye (M-24), 60 g of a surfactant (product name: EMAL 20C), 6 g of a high boiling organic solvent (S-1), 10 g of a high boiling organic solvent (S-2), an additive (A- 1) Dissolved in 70 g of 1.0 g and 50 mL of ethyl acetate. 500 mL of deionized water was added to this solution while stirring with a magnetic stirrer to prepare an oil-in-water type coarse particle dispersion.
Structural formulas of the high-boiling organic solvents (S-1) and (S-2) and the additive (A-1) are shown below.
[0293]
Embedded image
[0294]
Next, the coarse particle dispersion was passed through a microfluidizer (MICROFLUIDEX INC) at a pressure of 60 MPa for 5 times to make fine particles. Further, the resulting emulsion was removed with a rotary evaporator until the odor of ethyl acetate disappeared.
After adding additives such as 140 g of diethylene glycol, 64 g of glycerin and urea to the fine emulsion of the hydrophobic dye obtained as described above, deionized water is added so that the total amount becomes 1 liter, and KOH The light magenta ink according to the density | concentration of Table 4 was created by adjusting pH = 9 at 10 mol / L. The volume average particle size of the obtained emulsified and dispersed ink was measured using Microtrac UPA (manufactured by Nikkiso Co., Ltd.) and found to be 40 nm.
Further, the kind and amount of the dye used, the amount of the high-boiling organic solvent, and the kinds and amounts of various additives were changed to prepare magenta ink, light cyan ink, cyan ink, and yellow ink of the ink set 201 shown in Table 4. Table 4 shows the composition of the final composition after evaporation of the solvent.
[0295]
[Table 4]
[0296]
For each ink, ink sets 202 to 204 were prepared in the same manner as 201 except that the dye type was changed as shown in Table 5. When changing the dye, the dye concentration was adjusted so that the transmission density of each ink liquid was equivalent to that of the ink set 201, based on the fact that it was used by replacing it in equimolar amounts.
[0297]
[Table 5]
[0298]
(Image recording and evaluation)
The ink sets 201 to 204 were packed in a cartridge of an ink jet printer PM950C (manufactured by Seiko Epson Corporation), an image was printed on the ink jet recording sheet provided with the color material receiving layer, and the following evaluation was performed.
[0299]
<Image robustness>
For image fastness, a gray print sample was prepared and evaluated as follows. (1. Light fastness: “Light resistance” is described in the table below)
Immediately after printing, the chromaticity (a * 1, b * 1) and lightness (L1) were measured with Gretag SPM100-II, and then irradiated with xenon light (85000 lux) using an Atlas weather meter for 7 days. After that, the chromaticity (a * 2, b * 2) and lightness (L2) were measured again, and the color difference (ΔE) before and after the light irradiation was determined and evaluated according to the following formula (I).
ΔE = {(a * 1-a * 2)2+
(B * 1-b * 2)2+ (L1-L2)2}1/2 Formula (I)
For color differences, the reflection density is evaluated at three points of 1.0, 1.3, and 1.6, and when the color difference is less than 5 at any density, A includes both evaluations of less than 5 and 5 or more depending on the density. The case was B, and the case of 5 or more at all concentrations was C.
[0300]
(2. Ozone resistance)
The color difference before and after storing the sample for 7 days in a box where the ozone gas concentration was set to 0.5 ppm was evaluated by the same method as the light fastness. The residual ratio of dye is evaluated at three points of reflection density of 1.0, 1.3, and 1.6. A is the case where the color difference is less than 10 at any density, and both the evaluation is less than 10 and 10 or more depending on the density. Was included, and C was defined as 10 or more at all concentrations. The ozone gas concentration in the box was set using an ozone gas monitor (model: OZG-EM-01) manufactured by APPLICS.
All the evaluation results are shown in Table 6 below.
[0301]
[Table 6]
[0302]
Table 6 shows that the examples of the ink jet recording method of the present invention are superior in light resistance and ozone resistance as compared with the comparative examples. Further, according to the method of the examples, image bleeding and water resistance are shown. It was excellent in all of heat resistance, glossiness, ink absorption speed, and image density.
[0303]
【The invention's effect】
As described above, according to the ink jet recording method of the present invention, an image excellent in light resistance and ozone resistance can be formed.
Claims (2)
R 1 およびR 2 は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(複素環アミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表し、R 3 、R 4 は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表わし、R 5 およびR 6 は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。]
Zはそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。R 1 、R 2 はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す]A yellow ink containing at least one yellow dye, a magenta ink containing at least one magenta dye on an inkjet recording sheet having a colorant receiving layer containing at least one inorganic mordant on the support; and An ink set comprising a cyan ink containing at least one cyan dye as a minimum component, wherein the magenta dye is represented by the following general formula (M- II ), and the cyan dye is represented by the following general formula (C- An ink jet recording method comprising forming an image using the ink set for ink jet recording represented by II ) .
R 1 and R 2 are each independently a hydrogen atom, halogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, cyano group, carboxyl group, carbamoyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, heterocyclic oxycarbonyl Group, acyl group, hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, silyloxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group (heterocyclic amino group, anilino Group), acylamino group, ureido group, sulfamoylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, alkyl or arylsulfonylamino group, heterocyclic sulfonylamino group, nitro group, alkyl or arylthio group, Represents an alkyl or arylsulfonyl group, a heterocyclic sulfonyl group, an alkyl or arylsulfinyl group, a heterocyclic sulfinyl group, a sulfamoyl group, a sulfo group, or a heterocyclic thio group, and R 3 and R 4 each independently represents a hydrogen atom, aliphatic Group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkyl and arylsulfonyl group, or sulfamoyl group, R 5 and R 6 are each independently a hydrogen atom, Represents a group, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a carbamoyl group, an alkyl or arylsulfonyl group, or a sulfamoyl group. ]
Z is each independently a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, substituted or unsubstituted Represents a heterocyclic group. R 1 and R 2 are each independently a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, substituted or unsubstituted Represents an aryl group or a substituted or unsubstituted heterocyclic group ]
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