JP4019227B2 - 訓練装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肢体を動かす訓練装置に関し、特に肢体動作時の筋電(活動電位)を計測し、より高度な訓練を行う医療機器、医学リハビリテーション装置およびスポーツトレーニング装置としての動作を目的とする訓練装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、肢体を動かす目的で、身体の各関節に対応した訓練装置が各種ある。これらの装置は、並進あるいは回転の1自由度を持つ装置により、肢体を動かすようになっているものが多い(例えば、特開昭60−232158号「医療装置」、特公平4−14028号「人の関節を動かす装置」、特開昭61−170464号「受動運動訓練装置」、特開昭60−179062号「手関節の機能回復訓練装置」)。
【0003】
これらの装置の主な機能として、訓練する関節の過負荷時に装置を一時停止する機能、訓練する関節の角度と負荷の推定機能、屈曲・伸展運動の範囲の設定機能、動作スピード・動作時間の設定機能、安全停止機能などがある。
また、筋力測定・訓練を目的とした装置には、以下のようなものがある。
・CYBEX 6000 サイベックス社
・筋力測定装置 マストランMST−2000 サイベックス社
・BTE Dynatrac 日本メディックス社
・筋機能訓練測定装置 KIN−COM 500H チャティクス社
これら装置も同様に、主に回転1自由度を持つ装置により肢体を動かすようになっている。装置の主な機能としては、上述した機能に加えて、装置可動部の訓練負荷(抵抗)の設定機能、訓練条件の設定機能(関節可動域訓練・自動介助訓練・筋力評価訓練など)、訓練中における筋力と関節可動域の表示機能(バイオフィードバック)、平均筋力や最大筋力とその時の関節角度と、体重支持指数(Weight bearing index:大腿四頭筋を体重あたりの筋力で表した指数)の表示機能など各種ある。
【0004】
一方、筋電の情報をもとに、電動義手の開閉を比例制御する装置がある。
例えば、
・Viennatone Hand オーストリアViennatone社
・Fidelity Hand アメリカ VA-NU Fidelity社
がある。
【0005】
これら装置では、切断端残存部の1組の拮抗筋(屈筋群と伸筋群)より得られた筋電をそれぞれ増幅し、整流平滑する。これら信号を差動増幅器により互いに減算し、義手を駆動するDCモータの制御信号とし、対象物を保持する。本方式によれば屈筋よりの筋電が大きいときに義手が閉じるようにしておくと、「切断前の感覚」で義手が操作できる。
【0006】
また、特開昭57−177736号は、療法士による障害者の機能回復訓練における微妙な訓練動作とそれに対応する患者の反応動作を相関的なものとして解析し、回復訓練の動作過程を把握して、それに基づいて療法士に代るシミュレータにより障害者の回復訓練を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の肢体を動かす訓練装置は、肢体の運動・筋力に関しての機能だけしかなく、訓練する肢体の筋電までも考慮した機能を持っていない。また、上述した義手のように、筋電の情報を用いて装置の動作を制御するものがあるが、これらは筋電情報をもとに肢体の筋力や関節を動作させる治療・訓練を目的としたものではない。特開昭57−177736号は筋電情報をもとに訓練を行なっているが、訓練目的に応じてインピーダンス制御のインピーダンス定数を変えることは行なっていないため、筋力の個人差に対応することはできない。
【0008】
本発明の目的は、筋力の個人差に対応し、高度な肢体運動が行なえる訓練装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の訓練装置は、
肢体を動かす訓練器と、
肢肢の運動に関係する筋肉上の皮膚に取り付けられた複数の電極と、
前記電極の出力から肢体各部位の骨格筋の活動電位を計測する筋電計測装置と、
あらかじめ設定された、訓練器のインピーダンス制御におけるインピーダンス定数の最小値、最大値をそれぞれZs、Zmとし、訓練の最終目的の活動電位の値をVmとしたとき、筋電計測装置で計測された活動電位Vkに対してインピーダンス定数Zを
Vk<Vmのとき Z={(Zm−Zs)/Vm}・Vk+Zs
Vk≧Vmのとき Z=Zm
のように定めるインピーダンス定数修正部と、インピーダンス定数Zで訓練器の動作をインピーダンス制御する制御部を含むコントローラ装置を有する。
【0010】
本発明は、肢体動作中における各種骨格筋の筋電を計測・フィードバックし、訓練器が訓練者の筋力および訓練目的(インピーダンス定数の最小値、最大値)に応じて動作するので、筋電までも考慮した安全で高度な肢体運動が行える。
本発明の実施態様によれば、インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎に得られた活動電位の最大の振幅値をインピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする。
【0011】
本発明の実施態様によれば、インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎に得られた活動電位の振幅値の平均をインピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする。
本発明の実施態様によれば、インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られた活動電位の値の積分値をインピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする。
【0012】
本発明の実施態様によれば、インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られた活動電位の波形からFFTによる周波数変換を行ない、そのパワースペクトルを求め、周波数の帯域分布をインピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vxとする。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態の訓練装置の構成図である。本実施形態の訓練装置は、肢体106を動かす訓練器101と、腹直筋上の皮膚にとりつけられた表面電極107aと、下部背筋群上の皮膚にとりつけられた表面電極107bと、大腿四頭筋上の皮膚にとりつけられた表面電極107cと、ハムストリングス上の皮膚にとりつけられた表面電極107dと、下腿三頭筋上の皮膚にとりつけられた表面電極107eと、表面電極107a〜107eにより各種骨格筋の活動電位(筋電)を計測し、筋電データの加工を行う筋電計測装置102と、筋電計測装置102の情報を受けて、評価関数に基づいて筋電情報に対してインピーダンス定数Zを決定するインピーダンス定数修正部103、インピーダンス定数修正部103で決定されたインピーダンス定数Zで訓練器101の動作をコントロールする制御部104とを含むコントローラ装置105で構成されている。
【0014】
訓練器101は、訓練器土台101aと、訓練器土台101a上に設置された枠101bと、枠101bに設けられたボールスクリュー(不図示)と、コントローラ装置105によって制御され、ボールスクリュー101cを駆動するモータ(不図示)と、ボールスクリューによって枠101bに沿って往復運動する可動部分101cと、可動部分101cを肢体106に固定する肢体把持部101dと、リンク間にフリー軸をはさみ、可動部分101cの動作につれて動くリンク機構101eで構成されている。
【0015】
図2はコントローラ装置105のブロック図である。
制御部104は、目標軌道に従って訓練器101が動作する際に、肢体106からの反力Fを可動部分101cと肢体把持部101dに取り付けられた力センサ(不図示)により測定し、外力Fに対する可動部分101cと肢体把持部101dの応答が慣性M、粘性B、弾性Kからなる仮想の機械的インピーダンスを実現するように、訓練器101の動きを制御する。仮想インピーダンス定数(M,B,K)から目標軌道xd(力ゼロにおいて可動部分101cと肢体把持部101dの位置がとるべき軌道)に対するインピーダンス制御による偏差δxをδx(s)=F(s)/(Ms2 +Bs+K)(ただし、sはラプラス演算子)で算出し、この目標軌道xdと偏差δxとの和を新たな運動指令xrとしてサーボ系に与えることで、肢体106に対する訓練器101のインピーダンス制御を実現する。
【0016】
次に、インピーダンス定数修正部103において、筋電Vkから評価関数201を介してインピーダンス定数Zを生成する過程を図3をもとに説明する。ここで、インピーダンス定数Zとは、例えば上記仮想バネ定数Kである。図3において、Zsはインピーダンス定数Zの最小値、Zmはインピーダンス定数Zの最大値、Vmは訓練の最終目標である筋電Vkである。
【0017】
本図は、上記の筋の中で、主要な筋(訓練対象の筋など)の活動電位Vkに対する装置可動部のインピーダンス定数(動作の柔らかさ)Zを決定する評価関数201のグラフである。定数Zs,Zm,Vmは、筋力トレーナー・訓練者等が個人別、訓練メニューに応じて設定し、変更する。
図3において、筋電電位Vkとインピーダンス定数Zの関係は、
301の領域、すなわちVk<Vmの時、Z={(Zm−Zs) /Vm}・Vk+Zs (比例関係)
302の領域、すなわちVk≧Vmの時、Z=Zm (一定)
に設定されている。このように、目標の筋電Vmが得られるまで、筋電Vkに応じたインピーダンス定数Zを設定する。また、Vk≧Vmの時、Z=Zm(一定)としているのは、そのときの訓練中における目標の筋電Vmが得られており、これ以上の筋力を必要としないためである。
【0018】
上記の方法により、訓練対象者の筋電に応じた装置可動部のインピーダンス定数Zが変更でき、個人差に応じた筋力増強訓練が行える。また、自動運動、他動運動(CPM)などの訓練目的および訓練対象者別に、筋電に対応した装置可動部のインピーダンス定数Zを決定することで、筋電Vkを計測して装置の動作を制御することができる。
【0019】
なお、インピーダンス定数修正部103への入力情報である筋電電位Vkとしては、筋電の振幅値、筋電の平均値、筋電の累積演算結果、筋電の周波数分布が考えられる。
筋電の振幅値をインピーダンス定数修正部103への入力情報とする場合では、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎で得られる筋電の最大の振幅値を入力とし、図3で示した評価関数201により筋電の評価を行う。以後の処理は上記実施形態で述べた方法と同様であり、目的の訓練メニュー(他動運動、自動介助運動、自動運動または抵抗運動など)、訓練者別に応じてインピーダンス制御を用いて訓練器101の動作を制御する。
【0020】
筋電の平均値をインピーダンス定数修正部103への入力情報とする場合では、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎で得られる筋電の振幅値の平均を入力し、図3で示した評価関数201により筋電の評価を行う。以後は同様の制御方法により訓練器101の動作を制御する。
筋電の累積演算処理結果をインピーダンス定数修正部103への入力情報とする場合では、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られる筋電値の累積積分を入力し、図3で示した評価関数201により筋電の評価を行う。以後は同様の制御方法により訓練器101の動作を制御する。
【0021】
筋電の周波数分布の変移をインピーダンス定数修正部103の入力情報とする場合では、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られる筋電波形からFFTによる周波数変換を行いそのパワースペクトルを求め、周波数の帯域分布(最大の周波数帯域または平均の周波数帯域)を情報とし、図3で示した評価関数201で評価を行う。以後は同様の制御方法により装置の動作を制御する。
【0022】
なお、インピーダンスZを変化させることで、訓練器101の位置、速度、負荷を可変にすることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、肢体を動かす訓練装置において、訓練者の各種骨格筋を計測し、その筋電を計測することで、筋力の個人差に対応し、高度な肢体運動が効果的に行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の訓練装置の概略ブロック図である。
【図2】インピーダンス定数修正部103と制御部104のブロック図である。
【図3】インピーダンス定数修正部103内の評価関数201の説明図である。
【符号の説明】
101 訓練器
102 筋電計測装置
101a 訓練器土台
101b 枠
101c 可動部分
101d 肢体把持部
101e リンク機構
103 インピーダンス定数修正部
104 制御部
105 コントローラ装置
106 肢体(訓練対象)
107a 腹直筋にとりつけられた電極
107b 下部背筋群にとりつけられた電極
107c 大腿四頭筋にとりつけられた電極
107d ハムストリングスにとりつけられた電極
107e 下腿三頭筋にとりつけられた電極
201 評価関数
301 インピーダンス定数変更領域
302 インピーダンス定数固定領域
Vk 筋電
Z インピーダンス定数
【発明の属する技術分野】
本発明は、肢体を動かす訓練装置に関し、特に肢体動作時の筋電(活動電位)を計測し、より高度な訓練を行う医療機器、医学リハビリテーション装置およびスポーツトレーニング装置としての動作を目的とする訓練装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、肢体を動かす目的で、身体の各関節に対応した訓練装置が各種ある。これらの装置は、並進あるいは回転の1自由度を持つ装置により、肢体を動かすようになっているものが多い(例えば、特開昭60−232158号「医療装置」、特公平4−14028号「人の関節を動かす装置」、特開昭61−170464号「受動運動訓練装置」、特開昭60−179062号「手関節の機能回復訓練装置」)。
【0003】
これらの装置の主な機能として、訓練する関節の過負荷時に装置を一時停止する機能、訓練する関節の角度と負荷の推定機能、屈曲・伸展運動の範囲の設定機能、動作スピード・動作時間の設定機能、安全停止機能などがある。
また、筋力測定・訓練を目的とした装置には、以下のようなものがある。
・CYBEX 6000 サイベックス社
・筋力測定装置 マストランMST−2000 サイベックス社
・BTE Dynatrac 日本メディックス社
・筋機能訓練測定装置 KIN−COM 500H チャティクス社
これら装置も同様に、主に回転1自由度を持つ装置により肢体を動かすようになっている。装置の主な機能としては、上述した機能に加えて、装置可動部の訓練負荷(抵抗)の設定機能、訓練条件の設定機能(関節可動域訓練・自動介助訓練・筋力評価訓練など)、訓練中における筋力と関節可動域の表示機能(バイオフィードバック)、平均筋力や最大筋力とその時の関節角度と、体重支持指数(Weight bearing index:大腿四頭筋を体重あたりの筋力で表した指数)の表示機能など各種ある。
【0004】
一方、筋電の情報をもとに、電動義手の開閉を比例制御する装置がある。
例えば、
・Viennatone Hand オーストリアViennatone社
・Fidelity Hand アメリカ VA-NU Fidelity社
がある。
【0005】
これら装置では、切断端残存部の1組の拮抗筋(屈筋群と伸筋群)より得られた筋電をそれぞれ増幅し、整流平滑する。これら信号を差動増幅器により互いに減算し、義手を駆動するDCモータの制御信号とし、対象物を保持する。本方式によれば屈筋よりの筋電が大きいときに義手が閉じるようにしておくと、「切断前の感覚」で義手が操作できる。
【0006】
また、特開昭57−177736号は、療法士による障害者の機能回復訓練における微妙な訓練動作とそれに対応する患者の反応動作を相関的なものとして解析し、回復訓練の動作過程を把握して、それに基づいて療法士に代るシミュレータにより障害者の回復訓練を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の肢体を動かす訓練装置は、肢体の運動・筋力に関しての機能だけしかなく、訓練する肢体の筋電までも考慮した機能を持っていない。また、上述した義手のように、筋電の情報を用いて装置の動作を制御するものがあるが、これらは筋電情報をもとに肢体の筋力や関節を動作させる治療・訓練を目的としたものではない。特開昭57−177736号は筋電情報をもとに訓練を行なっているが、訓練目的に応じてインピーダンス制御のインピーダンス定数を変えることは行なっていないため、筋力の個人差に対応することはできない。
【0008】
本発明の目的は、筋力の個人差に対応し、高度な肢体運動が行なえる訓練装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の訓練装置は、
肢体を動かす訓練器と、
肢肢の運動に関係する筋肉上の皮膚に取り付けられた複数の電極と、
前記電極の出力から肢体各部位の骨格筋の活動電位を計測する筋電計測装置と、
あらかじめ設定された、訓練器のインピーダンス制御におけるインピーダンス定数の最小値、最大値をそれぞれZs、Zmとし、訓練の最終目的の活動電位の値をVmとしたとき、筋電計測装置で計測された活動電位Vkに対してインピーダンス定数Zを
Vk<Vmのとき Z={(Zm−Zs)/Vm}・Vk+Zs
Vk≧Vmのとき Z=Zm
のように定めるインピーダンス定数修正部と、インピーダンス定数Zで訓練器の動作をインピーダンス制御する制御部を含むコントローラ装置を有する。
【0010】
本発明は、肢体動作中における各種骨格筋の筋電を計測・フィードバックし、訓練器が訓練者の筋力および訓練目的(インピーダンス定数の最小値、最大値)に応じて動作するので、筋電までも考慮した安全で高度な肢体運動が行える。
本発明の実施態様によれば、インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎に得られた活動電位の最大の振幅値をインピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする。
【0011】
本発明の実施態様によれば、インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎に得られた活動電位の振幅値の平均をインピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする。
本発明の実施態様によれば、インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られた活動電位の値の積分値をインピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする。
【0012】
本発明の実施態様によれば、インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られた活動電位の波形からFFTによる周波数変換を行ない、そのパワースペクトルを求め、周波数の帯域分布をインピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vxとする。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態の訓練装置の構成図である。本実施形態の訓練装置は、肢体106を動かす訓練器101と、腹直筋上の皮膚にとりつけられた表面電極107aと、下部背筋群上の皮膚にとりつけられた表面電極107bと、大腿四頭筋上の皮膚にとりつけられた表面電極107cと、ハムストリングス上の皮膚にとりつけられた表面電極107dと、下腿三頭筋上の皮膚にとりつけられた表面電極107eと、表面電極107a〜107eにより各種骨格筋の活動電位(筋電)を計測し、筋電データの加工を行う筋電計測装置102と、筋電計測装置102の情報を受けて、評価関数に基づいて筋電情報に対してインピーダンス定数Zを決定するインピーダンス定数修正部103、インピーダンス定数修正部103で決定されたインピーダンス定数Zで訓練器101の動作をコントロールする制御部104とを含むコントローラ装置105で構成されている。
【0014】
訓練器101は、訓練器土台101aと、訓練器土台101a上に設置された枠101bと、枠101bに設けられたボールスクリュー(不図示)と、コントローラ装置105によって制御され、ボールスクリュー101cを駆動するモータ(不図示)と、ボールスクリューによって枠101bに沿って往復運動する可動部分101cと、可動部分101cを肢体106に固定する肢体把持部101dと、リンク間にフリー軸をはさみ、可動部分101cの動作につれて動くリンク機構101eで構成されている。
【0015】
図2はコントローラ装置105のブロック図である。
制御部104は、目標軌道に従って訓練器101が動作する際に、肢体106からの反力Fを可動部分101cと肢体把持部101dに取り付けられた力センサ(不図示)により測定し、外力Fに対する可動部分101cと肢体把持部101dの応答が慣性M、粘性B、弾性Kからなる仮想の機械的インピーダンスを実現するように、訓練器101の動きを制御する。仮想インピーダンス定数(M,B,K)から目標軌道xd(力ゼロにおいて可動部分101cと肢体把持部101dの位置がとるべき軌道)に対するインピーダンス制御による偏差δxをδx(s)=F(s)/(Ms2 +Bs+K)(ただし、sはラプラス演算子)で算出し、この目標軌道xdと偏差δxとの和を新たな運動指令xrとしてサーボ系に与えることで、肢体106に対する訓練器101のインピーダンス制御を実現する。
【0016】
次に、インピーダンス定数修正部103において、筋電Vkから評価関数201を介してインピーダンス定数Zを生成する過程を図3をもとに説明する。ここで、インピーダンス定数Zとは、例えば上記仮想バネ定数Kである。図3において、Zsはインピーダンス定数Zの最小値、Zmはインピーダンス定数Zの最大値、Vmは訓練の最終目標である筋電Vkである。
【0017】
本図は、上記の筋の中で、主要な筋(訓練対象の筋など)の活動電位Vkに対する装置可動部のインピーダンス定数(動作の柔らかさ)Zを決定する評価関数201のグラフである。定数Zs,Zm,Vmは、筋力トレーナー・訓練者等が個人別、訓練メニューに応じて設定し、変更する。
図3において、筋電電位Vkとインピーダンス定数Zの関係は、
301の領域、すなわちVk<Vmの時、Z={(Zm−Zs) /Vm}・Vk+Zs (比例関係)
302の領域、すなわちVk≧Vmの時、Z=Zm (一定)
に設定されている。このように、目標の筋電Vmが得られるまで、筋電Vkに応じたインピーダンス定数Zを設定する。また、Vk≧Vmの時、Z=Zm(一定)としているのは、そのときの訓練中における目標の筋電Vmが得られており、これ以上の筋力を必要としないためである。
【0018】
上記の方法により、訓練対象者の筋電に応じた装置可動部のインピーダンス定数Zが変更でき、個人差に応じた筋力増強訓練が行える。また、自動運動、他動運動(CPM)などの訓練目的および訓練対象者別に、筋電に対応した装置可動部のインピーダンス定数Zを決定することで、筋電Vkを計測して装置の動作を制御することができる。
【0019】
なお、インピーダンス定数修正部103への入力情報である筋電電位Vkとしては、筋電の振幅値、筋電の平均値、筋電の累積演算結果、筋電の周波数分布が考えられる。
筋電の振幅値をインピーダンス定数修正部103への入力情報とする場合では、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎で得られる筋電の最大の振幅値を入力とし、図3で示した評価関数201により筋電の評価を行う。以後の処理は上記実施形態で述べた方法と同様であり、目的の訓練メニュー(他動運動、自動介助運動、自動運動または抵抗運動など)、訓練者別に応じてインピーダンス制御を用いて訓練器101の動作を制御する。
【0020】
筋電の平均値をインピーダンス定数修正部103への入力情報とする場合では、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎で得られる筋電の振幅値の平均を入力し、図3で示した評価関数201により筋電の評価を行う。以後は同様の制御方法により訓練器101の動作を制御する。
筋電の累積演算処理結果をインピーダンス定数修正部103への入力情報とする場合では、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られる筋電値の累積積分を入力し、図3で示した評価関数201により筋電の評価を行う。以後は同様の制御方法により訓練器101の動作を制御する。
【0021】
筋電の周波数分布の変移をインピーダンス定数修正部103の入力情報とする場合では、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られる筋電波形からFFTによる周波数変換を行いそのパワースペクトルを求め、周波数の帯域分布(最大の周波数帯域または平均の周波数帯域)を情報とし、図3で示した評価関数201で評価を行う。以後は同様の制御方法により装置の動作を制御する。
【0022】
なお、インピーダンスZを変化させることで、訓練器101の位置、速度、負荷を可変にすることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、肢体を動かす訓練装置において、訓練者の各種骨格筋を計測し、その筋電を計測することで、筋力の個人差に対応し、高度な肢体運動が効果的に行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の訓練装置の概略ブロック図である。
【図2】インピーダンス定数修正部103と制御部104のブロック図である。
【図3】インピーダンス定数修正部103内の評価関数201の説明図である。
【符号の説明】
101 訓練器
102 筋電計測装置
101a 訓練器土台
101b 枠
101c 可動部分
101d 肢体把持部
101e リンク機構
103 インピーダンス定数修正部
104 制御部
105 コントローラ装置
106 肢体(訓練対象)
107a 腹直筋にとりつけられた電極
107b 下部背筋群にとりつけられた電極
107c 大腿四頭筋にとりつけられた電極
107d ハムストリングスにとりつけられた電極
107e 下腿三頭筋にとりつけられた電極
201 評価関数
301 インピーダンス定数変更領域
302 インピーダンス定数固定領域
Vk 筋電
Z インピーダンス定数
Claims (5)
- 肢体を動かす訓練器と、
肢体の運動に関係する筋肉上の皮膚に取り付けられた複数の電極と、
前記電極の出力から肢体各部位の骨格筋の活動電位を計測する筋電計測装置と、
あらかじめ設定された、前記訓練器のインピーダンス制御におけるインピーダンス定数の最小値、最大値をそれぞれZs、Zmとし、訓練の最終目的の活動電位の値をVmとしたとき、前記筋電計測装置で計測された活動電位Vkに対してインピーダンス定数Zを
Vk<Vmのとき Z={(Zm−Zs)/Vm}・Vk+Zs
Vk≧Vmのとき Z=Zm
のように定めるインピーダンス定数修正部と、前記インピーダンス定数Zで前記訓練器の動作をインピーダンス制御する制御部を含むコントローラ装置を有する訓練装置。 - 前記インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎に得られた活動電位の最大の振幅値を前記インピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする、請求項1記載の訓練装置。
- 前記インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間毎に得られた活動電位の振幅値の平均を前記インピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする、請求項1記載の訓練装置。
- 前記インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られた活動電位の積分値を前記インピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする、請求項1記載の訓練装置。
- 前記インピーダンス定数修正部は、訓練動作中において、あらかじめ設定された周期区間内で得られた活動電位の波形からFFTによる周波数変換を行ない、そのパワースペクトルを求め、周波数の帯域分布を前記インピーダンス定数修正部への入力情報である活動電位Vkとする、請求項1記載の訓練装置。
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