JP4018181B2 - Glycosaminoglycan derivative and process for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリコサミノグリカン誘導体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
グリコサミノグリカン(以下、「GAG」ということがある)には抗血栓剤であるヘパリンや関節炎の治療剤であるヒアルロン酸のように、すでにその有用性が明らかなものと、コンドロイチン硫酸などのように用途開発が十分なされていないものがある。一方、ペプチドやタンパク質等は様々な優れた薬理作用を示すため有用な医薬品となる可能性を秘めた化合物群であるが、生体内での不安定さのため実用化が困難である場合が多い。そこでこれらの化合物を高分子化合物で修飾することで生体内での安定性を高めることが知られており、生体適合性に優れたGAGとアミノ酸、ペプチド、タンパク質、脂質、その他の低分子有機化合物等との複合体(多糖ハイブリット)はそのような目的に適したものであると考えられ、両者の有用性を増したり、新たな機能を持たせることが出来る。
【0003】
例えば、ヒアルロン酸は動物組織中に天然に存在し生体再吸収性を有すると共に毒物学的および免疫学的作用が存在しないためそれ自体が薬剤、化粧品として利用されており、これに医薬品や生理活性ペプチドを結合させたものは優れたドラッグデリバリーシステムの薬剤となる。またヒアルロン酸を化学修飾により不溶化することで生体適合性にすぐれた医療用材料となる。
【0004】
上記の多糖ハイブリットを得るためのGAGの化学修飾法としては、GAGが有機溶媒に不溶であることからGAGをジメチルホルムアミド(DMF)に懸濁させピリジンを触媒とし酸塩化物と反応させる方法(Eur.J.Biochem.,1,46-50(1967)、Chem.Express,6(9),647-650(1991))、およびGAGがカルボキシル基を有し水溶性であるため、水溶液中、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HONSu)等の存在下で水溶性カルボジイミド(WSC)のような活性化縮合剤と処理することでGAGとアミン類とを結合させる方法が知られている。
【0005】
また、ヘパリンのナトリウム塩をアンモニウム塩または3級アミン塩に置換し、DMFに可溶にした後、ジメチルアミノピリジンを触媒とし、カルボン酸の対称酸無水物と反応させる方法が知られている(Carbohydr.Res.,236,107−119(1992))。
一方、ペプチドの化学合成法として、塩化ジメチルホスフィノチオイル(Mpt−Cl)を用いる混合酸無水物法によってアミノ酸を縮合する反応が知られている(Chem.Lett.,1,p45-48(1982))。この方法は、ペプチド合成においてアミノ酸の水酸基を無保護で反応でき、またアルコール系の溶媒中でも反応することができる方法である。また、酢酸、安息香酸、グリコール酸、グルクロン酸等のカルボン酸とMpt−Clとから誘導される混合酸無水物とグルコサミンまたはガラクトサミン等のアミノ糖とを反応させるN−アシルアミノ糖の製造方法が知られている(特開昭61-197589)。
【0006】
しかしながら、グリコサミノグリカンを含む多糖の化学修飾にハロゲン化ジ低級アルキルホスフィノチオイルを用いた混合酸無水物法は使用されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の、GAGの化学修飾法では、加熱や長時間の反応など過酷な反応条件が必要であり、しばしば低分子化や副反応を伴っていた。また、WSCのような活性化縮合剤を使用する方法は、活性化縮合剤や活性化されたカルボキシル基が水と反応して徐々に分解する上、反応が遅いため過剰の試薬を使用することからアミド化率をコントロールすることが困難であった。また過剰に使用した活性化縮合剤やその分解物、また特にアシル転移により副生するアシル尿素の除去が困難なため、しばしば問題となっていた。
【0008】
さらに、ヘパリンのアンモニウム塩または3級アミン塩をカルボン酸の対称酸無水物と反応させる方法は、対称酸無水物が不安定であるので反応中に分解するためカルボン酸を所望量ヘパリンに導入することが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、GAGを温和な条件下、短時間に化学修飾を施す方法および該方法で製造しうるGAG誘導体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究の結果、上記課題を以下の構成によって解決する事に成功した。
すなわち本発明は、
1)カルボン酸とハロゲン化ジ低級アルキルホスフィノチオイルとを反応させて得られる混合酸無水物と、水酸基またはアミノ基を有するグリコサミノグリカンとを反応させ、該混合酸無水物のカルボニル基と該グリコサミノグリカンの水酸基もしくはアミノ基とをエステル結合またはアミド結合させることを特徴とする、カルボン酸と該グリコサミノグリカンとがエステル結合またはアミド結合してなるグリコサミノグリカン誘導体の製造法、
2)カルボン酸が、カルボキシル基以外の官能基が保護基で保護されたものであり、上記エステル結合反応またはアミド結合反応後、該保護基を除去する上記1)記載のグリコサミノグリカン誘導体の製造法、
3)カルボキシル基を有するグリコサミノグリカンとハロゲン化ジ低級アルキルホスフィノチオイルとを反応させて、該グリコサミノグリカンとハロゲン化ジ低級アルキルホスフィノチオイルとからなるグリコサミノグリカン混合酸無水物を製造することを特徴とするグリコサミノグリカン誘導体の製造法、
4)カルボキシル基を有するグリコサミノグリカンとハロゲン化ジ低級アルキルホスフィノチオイルとを反応させて得られるグリコサミノグリカン混合酸無水物と、1級アミンまたは2級アミンとを反応させ、該混合酸無水物のカルボニル基と該アミンのアミノ基とをアミド結合させることを特徴とする、該グリコサミノグリカンと1級アミンまたは2級アミンとがアミド結合してなるグリコサミノグリカン誘導体の製造法、
5)無水の有機溶媒中で中和剤の存在下で反応させることを特徴とする上記1)〜4)のいずれかに記載の製造法、
6)水混和性有機溶媒を含んだ水溶液中で反応させることを特徴とする上記1)または4)記載の製造法、
7−1)上記グリコサミノグリカンがコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸またはこれらに水酸基もしくはアミノ基を有するスペーサー化合物が結合されたスペーサー化合物結合グリコサミノグリカンであり、カルボン酸が1または2以上のカルボキシル基を有する生理活性物質である、上記1)記載の方法で製造されたカルボン酸と水酸基またはアミノ基を有するグリコサミノグリカンとがエステル結合またはアミド結合してなるグリコサミノグリカン誘導体、
7−2)上記グリコサミノグリカンがコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸またはこれらのカルボキシル基にスペーサー化合物としてジアミンを共有結合させたアミノ基を有するスペーサー化合物結合グリコサミノグリカンであり、カルボン酸がインドメタシン、デオキシコール酸、アセチルサリチル酸、サラゾスルファピリジン、メトトレキサート、ロイシンエンケファリン、ロイシン、セリン、グリシンまたはグルタミンである1)の方法で製造されたカルボン酸と水酸基またはアミノ基を有するグリコサミノグリカンとがエステル結合またはアミド結合してなるグリコサミノグリカン誘導体、
8−1)上記グリコサミノグリカンがコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸またはこれらにカルボキシル基を有するスペーサー化合物が結合されたスペーサー化合物結合グリコサミノグリカンであり、1級アミンまたは2級アミンが1級アミノ基または2級アミノ基を有する生理活性物質である上記4)記載の方法で製造されたカルボキシル基を有するグリコサミノグリカンと1級アミンまたは2級アミンとがアミド結合してなるグリコサミノグリカン誘導体、
8−2)上記グリコサミノグリカンがコンドロイチン硫酸またはヒアルロン酸であり、1級アミンまたは2級アミンがベスタチン、トラネキサム酸、アドリアマイシン、メトトレキサート、フェニルアラニンまたはグルタミンである上記4)記載の方法で製造されたカルボキシル基を有するグリコサミノグリカンと1級アミンまたは2級アミンとがアミド結合してなるグリコサミノグリカン誘導体である。
【0010】
以下、本発明につき、詳細に説明する。
本発明で使用する、カルボン酸とハロゲン化ジ低級アルキルホスフィノチオイル(以下、Rpt−Xと記す。Xはハロゲン、Rptはジ低級アルキルホスフィノチオイル基:一般式R2 P=S(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基)を示す。)とを反応させて得られる混合酸無水物(以下、「混合酸無水物A」ともいう)は、該カルボン酸とRpt−Xとを−25℃から40℃、好ましくは0℃から25℃で1分間から1時間、好ましくは1分間から10分間反応させることにより得られる。また、カルボキシル基を有するグリコサミノグリカンとRpt−Xとを反応させて得られるグリコサミノグリカン混合酸無水物(以下、「混合酸無水物B」ともいう)は、カルボキシル基を有する該GAGとRpt−Xとを上記混合酸無水物Aの調製条件と同じ条件下で反応させることにより得られる。
【0011】
混合酸無水物Aの生成反応は、以下の式(1)で表される。
R′−COOH + Rpt−X → R′−COORpt (1)
(R′はカルボン酸のひとつのカルボキシル基を除く残基である。)
混合酸無水物Bの生成反応は、以下の式(2)で表される。
gag−COOH + Rpt−X → gag−COORpt (2)
(gagはGAGのひとつのカルボキシル基を除く残基である。)
本発明において、GAGとは、GAG自体およびGAG自体にスペーサー化合物等を導入した誘導体を含む概念である。
【0012】
上記(2)式の混合酸無水物B、即ち、gag−COORptは、本発明の方法で生成されるGAG誘導体の一種であり、かつ更にこれと1級アミンまたは2級アミンと反応して得られる新規GAG誘導体の原料でもある。
【0013】
上記式(1)の反応に使用されるカルボン酸は、Rpt−Xと反応しうるカルボキシル基を有する化合物を全て包含し、該化合物のカルボキシル基以外の官能基(例えば、アミノ基、水酸基等)が保護基で保護された化合物であってもよい。
カルボン酸としては、具体的にはアミノ基を保護したアミノ酸(Fmoc-Gln-OH、Fmoc-Leu-OH 、Z-Leu-OH、Boc-Leu-OH、Fmoc-Pro-OH、Boc-Gly-OH、Z-Gly-OH、Fmoc-Ser(OtBu)-OH、等、ここでFmoc- は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、Z-はベンジルオキシカルボニル基、Boc-は第3ブトキシカルボニル基、tBuは第3ブチル基をそれぞれ示す。)、アミノ基を上記アミノ酸の場合と同様に保護したペプチド、分子内にカルボキシル基を持ち有用な薬理作用を有する生理活性物質(例えば、インドメタシン、デオキシコール酸、アセチルサリチル酸、サラゾスルファピリジン、ニコチン酸、チオクト酸、インドール−3酢酸、レチノイン酸、メトトレキサート等)、スペーサー化合物としてジカルボン酸を公知の方法でアミノ基あるいは水酸基を有する化合物に結合させカルボキシル基を持たせた該化合物、脂肪族カルボン酸(パルミチン酸、リノール酸、リノレン酸等)、ケイ皮酸、サリチル酸、trans-エポキシコハク酸等が挙げられる。
【0014】
また、上記式(2)の反応に使用されるカルボキシル基を有するGAGとしては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸等が挙げられる。特にヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸は、生体適合性、GAG誘導体の活性持続性等の点で優れるので好ましい。
上記のGAGは、由来、分子量には限定されないが、一般的には分子量約1万〜500万、好ましくは約2万〜200万が挙げられる。また遊離型または塩型のGAGのいずれも使用できるが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン(例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン等の3級アミン等)塩等のアルカリ塩が好ましく、特に一般的には入手し易いナトリウム塩またはカリウム塩が好ましい。
【0015】
上記カルボキシル基を有するGAGとしては、少なくともカルボキシル基を有するように、例えばカルボキシル基を有するスペーサー化合物等の公知化合物を公知の手法により結合することにより合成することもできる。
合成に使用するスペーサー化合物としては、ジカルボン酸、アミノ酸あるいはこれらのカルボキシル基に保護基を導入した誘導体等が挙げられる。
【0016】
スペーサー化合物としては、例えば、R1 −(CH2 )n −R2 (R1 =R2 =カルボキシル基、またはR1 =保護されたカルボキシル基かつR2 =アミノ基、nが2〜18)が挙げられるが、これに制限されるものではない。ここで、保護基は、スペーサー化合物を結合したGAG作成後にカルボキシル基の保護基を脱保護できるものであればよい。
【0017】
尚、本発明においては、便宜上「カルボキシル基を有するGAG」は「カルボン酸」には包含されないものと定義する。
Rpt−Xは、公知のものを使用できるが、好ましくは塩化物、臭化物等を用い、低級アルキル基としては炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基のものを用いる。具体的には塩化ジメチルホスフィノチオイル(Mpt−Cl)が例示される。
【0018】
混合酸無水物AまたはBの生成反応の際、カルボキシル基がフリーの酸である場合には混合酸無水物AまたはBの形成(カルボキシル基の活性化)に伴い発生する塩酸を中和するための塩基、好ましくはトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン等の3級アミンをRpt−Xと等モル量添加することが好ましい。またカルボキシル基が該塩基の塩である場合にはさらに塩基を添加する必要はない。
【0019】
上記生成反応は、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ジクロロメタン等の単一または混合された有機溶媒中、好ましくは無水の有機溶媒中で行われる。
例えば、カルボン酸をRpt−Xと反応させて(活性化して)混合酸無水物Aを製造する場合は、クロロホルムやDMF等の非プロトン性有機溶媒中で反応させる。またカルボキシル基を有するGAGのカルボキシル基を同様に活性化して混合酸無水物Bを製造する場合には、公知の方法によりGAGのカルボキシル基や硫酸基のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)またはアルカリ土類金属塩等をアンモニウム塩または3級アミン塩に置換することでDMF等の非プロトン性有機溶媒に可溶化したものを使用して反応させることができる。この場合、GAGを有機溶媒に溶解後モレキュラーシーブ等を用いて残留する水分を除去すると、混合酸無水物の分解が抑えられるので、この操作を行わない場合に比べて後述の1級アミンまたは2級アミンの導入率が向上する。
【0020】
カルボン酸またはカルボキシル基を有するGAGに対して、Rpt−Xは過剰に用いることも可能であるが、通常1.0〜1.2当量、好ましくは等モル(1.0当量)を使用すれば、所望の混合酸無水物を得ることが出来る。酸無水物法には対称酸無水物法と混合酸無水物法が知られており、所望の酸無水物を得るために前記対称酸無水物法を用いると、2当量以上のカルボン酸が必要であるのに対し、本発明の混合酸無水物法においては等モル程度のカルボン酸、カルボキシル基を有するGAGでよい。
【0021】
このようにして得られる混合酸無水物は、単離することも可能であるが、そのまま混合酸無水物Aは水酸基もしくはアミノ基を有するGAGと、混合酸無水物Bは、1級アミンもしくは2級アミンと反応させることによりグリコサミノグリカン誘導体を生成することもできる。
混合酸無水物Aと水酸基を含有するGAGとの反応は、例えば以下の式(3)で表される。
【0022】
R′−COORpt + HO−gag → R′−COO−gag (3)
混合酸無水物Aとアミノ基を有するGAGとの反応は、例えば、以下の式(4)で表される。
R′−COORpt + H2 N−gag→R′−CONH−gag (4)
混合酸無水物Bと1級アミンもしくは2級アミンとの反応は、例えば1級アミンとの反応を例示すると、以下の式(5)で表される。
【0023】
gag−COORpt + H2 N−A →gag−CONH−A (5)
(Aはアミンから1個のアミノ基を除いた残基を表す。)
前記式(3)の反応によって、カルボン酸を、水酸基を有するGAGに導入する場合、該GAGの水酸基に混合酸無水物Aを反応させ、エステル結合を形成させることにより導入することができる。この際、反応に使用される溶媒は水混和性有機溶媒を含んだ水溶液及び無水の有機溶媒が挙げられるが、反応効率の良さを考慮すると無水の有機溶媒であることが好ましい。
【0024】
水混和性有機溶媒としては、具体的にはジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、アセトアミド、DMF、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、N−メチルピロリドン、ピリジン等が挙げられる。
前記水溶液としては、前記例示した水混和性有機溶媒のいずれかから選択される1種以上の総計で約0〜50%の範囲を含む水溶液が挙げられる。
【0025】
無水の有機溶媒としては、具体的には前記例示した水混和性有機溶媒およびクロロホルム、ジクロロメタン等の単一または混合された溶媒が挙げられる。
水酸基を有するGAGとしては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸等のGAGおよびその誘導体等が挙げられる。また、これらのGAGに水酸基を有するスペーサー化合物を結合した化合物であってもよい。
【0026】
具体的方法としては、混合酸無水物Aを、GAG(遊離型)、GAGのナトリウム塩もしくはカリウム塩等、またはGAGのナトリウム塩もしくはカリウム塩等をアンモニウム塩もしくは3級アミン塩に置換したGAGと−25℃から60℃、好ましくは0℃から25℃で5分間から24時間反応させる。この際、N,N−ジアルキルアミノピリジン系触媒、特に4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)あるいは4−ピロリジノピリジン等のエステル化反応の触媒を添加することが好ましく、この触媒添加によりさらに温和な条件での反応が可能となる。
【0027】
また、反応によって生成する酸を中和する目的で酸の中和剤として、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等の3級アミンまたは炭酸水素ナトリウムのような無機塩基を添加することが好ましい。
前記式(4)の反応によって混合酸無水物Aとアミノ基を有するGAGとを、または前記式(5)の反応によって混合酸無水物Bと1級アミンもしくは2級アミン(以下、「アミノ基を有するGAG、1級アミンもしくは2級アミン」をまとめてアミノ成分ということがある)とを反応させる場合は、−25℃から60℃、好ましくは0℃から25℃で、5分間から24時間、好ましくは30分間から2時間、上記無水の有機溶媒中または水混和性有機溶媒を含んだ水溶液中で反応させることができる。この際、反応の進行と共に生成する酸(ジ低級アルキルチオホスフィン酸)を中和する目的で、酸の中和剤として上記中和剤を添加することが好ましい。該水溶液の含水率としては、0〜80容量%が挙げられる。
【0028】
本発明に用いられるアミノ基を有するGAGとしては、前記の水酸基を有するGAGとして例示したGAGのアミノ糖の置換アミノ基(アセチルアミノ基、スルホアミノ基等)をアミノ基に変換した化合物、例えば、脱アセチル誘導体等が挙げられる。また、GAGの水酸基あるいはカルボキシル基にアミノ基を有するスペーサー化合物、例えば、ジアミン、アミノ酸等を共有結合させて、アミノ基を有するスペーサー化合物結合GAGとすること、あるいはGAGの還元末端にアミノ基を有するスペーサー化合物を導入してスペーサー化合物結合GAGとすることによってもアミノ基を有するGAGとすることができる。GAGの還元末端にアミノ基を有するスペーサー化合物を結合したGAGを使用すると、GAGの還元末端、すなわち特定の一カ所に、カルボン酸を結合させることが可能となる。
【0029】
スペーサー化合物の導入法としては、例えばスペーサー化合物としてのアミノ基を保護したアミノ酸等のカルボキシル基とGAGの水酸基とをエステル結合させた後、脱保護する方法、ジアミンの一方のアミノ基とGAGのカルボキシル基とをアミド結合させる方法、およびGAGの還元末端とジアミンとを適当な溶媒中で混合してシッフ塩基として結合させ、好ましくはさらに還元剤で処理することでGAGとジアミンとを還元アミノ化により結合させる方法等が挙げられる。
【0030】
スペーサー化合物としてのアミノ基を保護したアミノ酸としては、グリシンやロイシン等の任意の天然のアミノ酸を用いることが出来る。また、6−アミノカプロン酸のような任意の炭素数のω−アミノ酸等を用いることもでき、この場合スペーサーとしての自由度を増すことができる。アミノ基の保護基としては例えば、接触還元で除去可能なベンジルオキシカルボニル(Z)基、塩基で除去可能な9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基、トリフルオロ酢酸水溶液で除去される第3ブトキシカルボニル(Boc)基等が好ましい。
【0031】
スペーサー化合物としてジアミンを用いる場合は、
H2 N−(CH2 )n −NH2 (nは好ましくは2〜18)等で示されるジアミン(例えば、1,6−ヘキサンジアミン等)やアミノ酸でもあるリジン及びそのエステル体などが使用できる。
また、アミノ基を保護したアミノアルコールをスペーサー化合物として用いてGAGのカルボキシル基とエステル結合させて次いで脱保護することによりアミノ基を有するスペーサー化合物結合GAGとしてもよい。
【0032】
スペーサー化合物の導入法としてはカルボジイミド類を使用してGAGのカルボキシル基にアミド結合もしくはエステル結合する等の公知法が操作の簡便さやコスト的に優れている。また、上記のGAGのカルボキシル基をRpt−Xで活性化させて混合酸無水物Bとし、これを前記式(5)の反応によってジアミンと反応させてもよい。
【0033】
GAGのカルボキシル基を混合酸無水物Bとして活性化し、1級アミンまたは2級アミンと反応させる場合に使用する1級アミンまたは2級アミンとしては、例えばアミノ酸(グルタミン、フェニルアラニン等)、アミノ酸エステル(フェニルアラニンベンジルエステル等)、ペプチド、ペプチドエステル、ペプチドアミド、タンパク質、分子内にアミノ基を持ち有用な薬理作用を有する生理活性物質(トラネキサム酸、サイクロセリン、ベスタチン、アミノセファロスポリン酸、ピリドキサミン、アドリアマイシン、メトトレキサート等)、アミノ酸またはジアミンをスペーサー化合物として結合させアミノ基を持たせた化合物、アミノ糖(グルコサミン、ガラクトサミン等)、アミノ基を有する脂質(ホスファチジルエタノールアミン等)等が挙げられる。
【0034】
上記混合酸無水物Aと水酸基またはアミノ基を有するGAGとの反応、または混合酸無水物Bと1級アミンもしくは2級アミンとの反応の後、エタノール沈澱や透析等などの公知の方法で精製することが可能である。また、反応後に生成物が析出する場合は、ガラスフィルター等により濾集し、重曹水、水、及びエタノール等の適当な溶媒で順次洗浄するといったより簡便な精製操作で目的物を得ることが出来る。
【0035】
前記式(3)〜(5)の反応において、水酸基を有するGAGまたはアミノ成分に対する混合酸無水物および触媒の量は、所望のGAG誘導体の種類、すなわち、GAGの種類、分子量あるいは混合酸無水物の種類ならびにGAGに対するカルボン酸または1級アミンもしくは2級アミンの所望導入数等により適宜選定され得るが、一般的にアミノ成分とアミド結合を形成させる場合には所望導入数の1.0〜3.0倍モルの混合酸無水物を用いればよく、GAGの水酸基とエステル結合を形成させる場合には所望導入数の2.0〜10倍モルの混合酸無水物を用いればよい。なお、GAG誘導体へのカルボン酸または1級アミンもしくは2級アミンの導入率は、GAG構成二糖単位当たりの導入モル数の百分率として定義できる。導入モル数は、プロトンNMRの積分強度の測定により決定できる。
【0036】
さらに、本発明の製造法によれば、カルボン酸としてアミノ基を保護したアミノ酸を選択し、混合酸無水物Aとして前記式(4)の方法で反応させることで、アミノ基を有するGAGのアミノ基に本発明の方法によってアミノ基を保護したアミノ酸のカルボキシル基を結合後、このアミノ保護基を除去し、再びN−保護アミノ酸を本発明の方法で結合する操作を繰り返すことにより、GAG上で順次アミノ酸を伸長させるペプチド合成を行いGAG−ペプチド結合体を合成することも可能である。この場合、アミノ基の保護基としては例えば、10%ジエチルアミン水溶液等で速やかに除去できる9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基等が好ましい。
【0037】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
調製例1
コンドロイチン硫酸へのスペーサーとしての1,6−ヘキサンジアミンの導入平均分子量3万のコンドロイチン硫酸ナトリウム(10g)を水(100ml)に溶解しDMF(100ml)を加えた。N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(40ミリモル)のDMF溶液(30ml)と1,6−ヘキサンジアミン・2塩酸塩(20ミリモル)を加えた後、室温でジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(20ミリモル)のDMF溶液(40ml)を加えた。室温下にて1晩攪拌後、析出したジシクロヘキシル尿素をエタノールによりガラスフィルター上で洗浄除去した。エタノール洗浄後、ガラスフィルター上に得られた沈殿をさらに3回エタノール沈殿法により精製した後、減圧乾燥したところ1,6−ヘキサンジアミンが導入されたコンドロイチン硫酸を白色粉末として7.67g得た。270MHzのプロトンNMRの測定の結果、コンドロイチン硫酸のアセチル基由来のシグナルと(δ=2ppm)とスペーサーの4つのメチレン基由来のシグナル(δ=1.3−1.7ppm)の強度比(3:2.60)よりコンドロイチン硫酸の構成2糖単位あたりの上記ジアミンの導入率は32%であった。
【0038】
ここで、導入率は以下の式で表される。
導入率(%)=2糖単位当たりのジアミンの導入モル数×100
調製例2
コンドロイチン硫酸へのスペーサーとしてのリジンメチルエステルの導入
平均分子量3万のコンドロイチン硫酸ナトリウム(3g)を水(30ml)に溶解しDMF(30ml)を加えた。リジン(Z)メチルエステル塩酸塩(3ミリモル)とHOBt(6ミリモル)を加えた後、氷冷下にてDCC(6ミリモル)のDMF溶液(10ml)を加えた。室温で1晩攪拌後、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回エタノール沈澱法により精製後、水(10ml)に溶解し脱イオン水にて3日間透析した。0.22ミクロンのフィルターで濾過後、凍結乾燥したところ標記化合物を白色粉末として3.08g得た。270MHzのプロトンNMRの測定の結果、コンドロイチン硫酸のアセチル基由来のシグナルと(δ=2ppm)とZ基のベンゼン環由来のシグナル(δ=7.3−7.5ppm)の強度比(3:1.23)よりコンドロイチン硫酸の2糖単位あたりのリジン(Z)メチルエステルの導入率は25%であった。このものを水溶液中で蟻酸アンモニウムと10%パラジウム炭素による接触還元に付してZ基を除去したところリジンメチルエステル結合コンドロイチン硫酸を得た。
【0039】
実施例1
デオキシコール酸修飾コンドロイチン硫酸の合成
デオキシコール酸(0.1ミリモル)のDMF溶液(1ml)にトリエチルアミン(0.2ミリモル)と塩化ジメチルホスフィノチオイル(Mpt−Cl)(0.1ミリモル)のDMF溶液(0.2ml)を室温下にて加えた。このものを5分後、調製例2で合成した修飾率25%のリジンメチルエステル結合コンドロイチン硫酸(50mg)の水−DMF(1:1,v/v)溶液(2ml)に氷冷下にて加えた。室温下にて1晩攪拌後、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回エタノール沈澱法により精製後、水(10ml)に溶解し脱イオン水にて2日間透析した。0.22ミクロンのフィルターで濾過後、凍結乾燥したところ標記化合物を白色粉末として58mg得た。270MHzのプロトンNMRの測定の結果、コンドロイチン硫酸のアセチル基由来のシグナルと(δ=2ppm)とデオキシコール酸の1方のメチル基由来のシグナル(δ=1.3−0.7ppm)の強度比(3:0.81)よりコンドロイチン硫酸の構成2糖単位あたりのデオキシコール酸の導入率は27%であった。
【0040】
ここで、導入率は以下の式で表される。
導入率(%)=2糖単位当たりのデオキシコール酸の導入モル数×100
実施例2
アセチルサリチル酸修飾コンドロイチン硫酸の合成
調製例2で合成した修飾率25%のリジンメチルエステル結合コンドロイチン硫酸(50mg)を用い、実施例1のデオキシコール酸に代えてアセチルサリチル酸(アスピリン)を使用し同様の操作を行った。ただし混合酸無水物を作る際、アセチルサリチル酸、トリエチルアミン、Mpt−Clおよびそれらの溶媒は実施例1の5倍量を使用した。収量56mg。アスピリン(アセチルサリチル酸)の導入率は28%であった。
【0041】
実施例3
Z−アミノ酸を結合させたコンドロイチン硫酸の合成
Z−ロイシン(0.5ミリモル)のDMF溶液(2ml)にトリエチルアミン(0.5ミリモル)とMpt−Cl(0.5ミリモル)のDMF溶液(0.5ml)を室温下にて加えた。このものを5分後、コンドロイチン硫酸のトリエチルアミン塩(100mg)と4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.5ミリモル)のDMF溶液(2ml)に氷冷下にて加え、さらにトリエチルアミン(0.5ミリモル)を加えた。室温下にて1晩攪拌後、5%炭酸水素ナトリウム溶液(5ml)を加え、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回エタノール沈澱法により精製後、水(10ml)に溶解し脱イオン水にて3日間透析した。0.22ミクロンのフィルターで濾過後、凍結乾燥したところ標記化合物を白色粉末として107mg得た。270MHzのプロトンNMRの測定の結果、コンドロイチン硫酸のアセチル基由来のシグナルと(δ=2ppm)とZ−ロイシンのベンゼン環由来のシグナルの強度比(3:1.9)よりコンドロイチン硫酸の構成2糖単位あたりのZ−ロイシンの導入率は38%であった。
【0042】
実施例4
ヒアルロン酸の還元末端への保護アミノ酸の結合 A)Fmoc−Ser(OtBu)−OH(0.1ミリモル)のDMF溶液(1ml)にトリエチルアミン(0.1ミリモル)とMpt−Cl(0.1ミリモル)のDMF溶液(0.1ml)を氷冷下にて加えた。このものを5分後、還元末端に、常法による水素化シアノホウ素ナトリウムを用いた還元アミノ化法で1,6−ヘキサンジアミンを結合させた平均分子量4万のヒアルロン酸(100mg)の水−DMF(1:1)溶液(8ml)に氷冷下にて加え、さらにトリエチルアミン(0.1ミリモル)を加えた。室温下にて1晩攪拌後、5%炭酸水素ナトリウム溶液(5ml)を加え、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回エタノール沈澱法により精製後、水(10ml)に溶解し脱イオン水にて7日間透析した。0.22ミクロンのフィルターで濾過後、凍結乾燥して白色粉末として106mg得た。270MHzのプロトンNMRの測定の結果、ヒアルロン酸のアセチル基由来のシグナルと(δ=2ppm)と第3ブチル(tBu)基由来のシグナルの強度比(3:0.162)よりセリン1分子当たりのヒアルロン酸は2糖単位で56ユニット結合していた。
【0043】
B)コンドロイチン硫酸の還元末端への保護アミノ酸の結合
実施例4A)のヒアルロン酸に代えて平均分子量3万のコンドロイチン硫酸を使用し同様の反応を実施したところ、1,6−ヘキサンジアミンが結合したコンドロイチン硫酸(100mg)より目的物を98mg得られた。NMRよりセリン1分子当たりのコンドロイチン硫酸は2糖単位で60ユニット結合していた。
【0044】
実施例5
サラゾスルファピリジン修飾ヒアルロン酸の合成
平均分子量4万のヒアルロン酸のナトリウム塩をイオン交換樹脂を用いた常法によりトリエチルアミン塩とした。このヒアルロン酸トリエチルアミン塩(200mg)のDMF溶液(15ml)にDMAP(0.2ミリモル)を加えたものに、実施例1と同様の方法で調製したサラゾスルファピリジン(0.2ミリモル)の混合酸無水物を加え、室温下1晩攪拌した。実施例3と同様の後処理後、標記化合物を黄色粉末として117mg得た。NMRより求めたサラゾスルファピリジンの導入率は5%であった。
【0045】
実施例6
インドメタシン修飾コンドロイチン硫酸(アミド結合で導入)の合成
インドメタシン(1ミリモル)のDMF(2ml)溶液に氷冷下にて、トリエチルアミン(1ミリモル)とMpt−Cl(1ミリモル)のDMF(2ml)を加えた。このものを5分後、1、6ーヘキサンジアミンがスペーサーとして結合した平均分子量3万のコンドロイチン硫酸(200mg、調製例1と同様の方法で調製、導入率 32%)の水−DMF(1:1)溶液(8ml)に加え、続いてトリエチルアミン(1ミリモル)を加えた。室温にて1晩攪拌後、実施例3と同様の処理したところ標記化合物を白色粉末として242mg得た。NMRより求めた導入率は24%であった。
【0046】
実施例7
インドメタシン修飾ヒアルロン酸(エステル結合で導入)の合成
インドメタシン(1ミリモル)のDMF溶液(1ml)にトリエチルアミン(1ミリモル)とMpt−Cl(1ミリモル)のDMF溶液(1ml)を氷冷下にて加えた。このものを5分後、平均分子量80万のヒアルロン酸のトリエチルアミン塩(100mg)/DMF溶液50mlと4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.5ミリモル)/DMF溶液(1ml)の混合溶液に氷冷下にて加え、さらにトリエチルアミン(1ミリモル)を加えた。室温下にて1晩攪拌後、5%炭酸水素ナトリウム溶液(2ml)を加え、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに5回80%エタノールにより洗浄、精製、減圧乾燥し標記化合物を白色粉末として140mg得た。
【0047】
吸光光度法により予め算出した検量線より求めたインドメタシン含量とカルバゾール硫酸法より求めたヒアルロン酸含量との比較より算出したインドメタシン導入率は、29.8%であった。
実施例8
インドメタシン仕込み量と導入率の関係
実施例7記載の方法に従いインドメタシンの仕込み量(反応当量)と導入率の関係を調べた。又、ヒアルロン酸も平均分子量を5万、30万、80万のものを用いた。
【0048】
結果を図1に記載した。
図1を見ると仕込量と導入率の関係は、ほぼ一次の関係になっていることが分かる。又、ヒアルロン酸の平均分子量で見ると5万と30万はほぼ同様の挙動を示したが、80万のものについては全体的に反応性が低下していることが分かる。これは、高分子量による粘度の増加による影響であろうと考えられる。
【0049】
実施例9
t−ブトキシカルボニルグリシン修飾ヒアルロン酸の製造
平均分子量100万のヒアルロン酸ナトリウム80mg(2糖単位として0.2ミリモル)を20mlの水に溶解した後、ジオキサン10mlを加えた。この溶液にカルボキシル基をMpt−Clで混合酸無水物として活性化したt−ブトキシカルボニルグリシン175mg(1.0ミリモル)とトリエチルアミン139μl(1.0ミリモル)と4−ジメチルアミノピリジン122mg(1.0ミリモル)のジメチルホルムアミド溶液3mlを氷冷下にて加えた後、室温で1時間半攪拌を続けた。得られた溶液に150mlの酢酸ナトリウム飽和エタノールを注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回エタノール沈澱法により精製後、減圧乾燥することにより標記t−ブトキシカルボニルグリシン修飾ヒアルロン酸を白色粉末として75mg得た。NMRのヒアルロン酸アセチル基由来のシグナルと(δ=2ppm)と第3ブチル基由来のシグナル(δ=1.5ppm)の強度比より求めたt−ブトキシカルボニルグリシンのヒアルロン酸構成二糖単位当たりの導入率は11%であった。
【0050】
実施例10
ベンジルオキシカルボニルグリシン修飾ヒアルロン酸およびグリシン修飾ヒアルロン酸の製造
t−ブトキシカルボニルグリシンに代えてベンジルオキシカルボニルグリシン(Zグリシンとも記す)209mg(1.0ミリモル)を用い実施例7と同様の方法に従った。
【0051】
精製後、減圧乾燥することにより標記ベンジルオキシカルボニルグリシン修飾ヒアルロン酸を白色粉末として74mg得た。NMRのヒアルロン酸アセチル基由来のシグナルと(δ=2ppm)とベンジルオキシカルボニルグリシンのベンジル基由来のシグナル(δ=7.5ppm)の強度比より求めたベンジルオキシカルボニルグリシンのヒアルロン酸構成二糖単位当たりの導入率は11%であった。
【0052】
ベンジルオキシカルボニルグリシン修飾ヒアルロン酸60mg(0.15mmol/unit)を水50mlに溶解し、アルゴン雰囲気下で10%パラジウム(Pd)活性炭15mg、蟻酸アンモニウム19mg(0.3mmol)加え、室温で6時間攪拌した後、再び同量のPd活性炭、蟻酸アンモニウムを加え攪拌した。6時間後、再度同様の操作をした後、0.22μmのフィルターで活性炭を除去し、溶液を脱イオン水にて2日間透析した後、凍結乾燥により51mgの白色物を得た。NMRによりベンジル基由来のピーク(δ=7.5ppm)の消失を確認した。
【0053】
実施例11
t−ブトキシカルボニルグリシン修飾ヒアルロン酸(分子量15万)の製造
平均分子量15万のヒアルロン酸ナトリウム80mg(2糖単位として0.2ミリモル)を20mlの水に溶解した後、ジオキサン10mlを加えた。この溶液にt−ブトキシカルボニルグリシンのカルボキシル基をMpt−Clで混合酸無水物として活性化したt−ブトキシカルボニルグリシン175mg(1.0ミリモル)とトリエチルアミン139μl(1.0ミリモル)と4−ジメチルアミノピリジン122mg(1.0ミリモル)のジメチルホルムアミド溶液を氷冷下にて加えた後、室温で1時間半攪拌を続けた。得られた溶液に150mlの酢酸ナトリウム飽和エタノールを注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回エタノール沈澱法により精製後、減圧乾燥することにより標記t−ブトキシカルボニルグリシン修飾ヒアルロン酸を白色粉末として55mg得た。NMRより求めたt−ブトキシカルボニルグリシンのヒアルロン酸構成二糖単位当たりの導入率は5%であった。
【0054】
実施例12
A)コンドロイチン硫酸混合酸無水物及びベスタチン修飾コンドロイチン硫酸の合成
平均分子量3万のコンドロイチン硫酸のナトリウム塩をイオン交換樹脂を用いた常法によりトリエチルアミン塩とした。このコンドロイチン硫酸トリエチルアミン塩(50mg)のDMF溶液(2ml)に、氷冷下にてMpt−Cl(0.1ミリモル)のDMF溶液(0.2ml)を加えコンドロイチン硫酸混合酸無水物を調製した。
【0055】
5分後、ベスタチン(0.05ミリモル)とトリエチルアミン(0.05ミリモル)、さらに水(0.5ml)を加えて室温下1晩攪拌した。5%炭酸水素ナトリウム溶液(5ml)を加えた後、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回エタノール沈澱法により精製後、水(10ml)に溶解し脱イオン水にて4日間透析した。0.22ミクロンのフィルターで濾過後、凍結乾燥したところ標記化合物を白色粉末として57mg得た。270MHzのプロトンNMRの測定の結果、コンドロイチン硫酸アセチル基由来のシグナルと(δ=2ppm)とベスタチンのベンゼン環由来のシグナルの強度比(3:0.41)よりコンドロイチン硫酸の2糖単位あたりのベスタチンの導入率は8%であった。
【0056】
B)トラネキサム酸修飾コンドロイチン硫酸の合成
実施例10A)のベスタチンに換えてトラネキサム酸を使用し同様の操作を行ったところ、標記化合物を導入率15%で得た。
実施例13
フェニルアラニンベンジルエステル修飾コンドロイチン硫酸の合成
平均分子量3万のコンドロイチン硫酸のナトリウム塩をイオン交換樹脂を用いた常法によりトリエチルアミン塩としてDMFに溶解し、4Aのモレキュラーシーブを加えてこの溶液を乾燥した。このコンドロイチン硫酸トリエチルアミン塩(100mg)のDMF溶液(2ml)に、氷冷下にてMpt−Cl(0.2ミリモル)のDMF溶液(0.4ml)を加えた。5分後、フェニルアラニンベンジルエステルのトシル塩(0.2ミリモル)とトリエチルアミン(0.4ミリモル)を加えて室温下1晩攪拌した。5%炭酸水素ナトリウム溶液(5ml)を加えた後、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回エタノール沈澱法により精製後、水(10ml)に溶解し、脱イオン水にて3日間透析した。0.22ミクロンのフィルターで濾過後、凍結乾燥したところ標記化合物を白色粉末として103mg得た。270MHzのプロトンNMRの測定の結果、コンドロイチン硫酸のアセチル基由来のシグナルと(δ=2ppm)とのフェニルアラニンベンジルエステルのベンゼン環由来のシグナルの強度比(3:2.5)よりコンドロイチン硫酸の2糖単位あたりのフェニルアラニンベンジルエステルの導入率は25%であった。
【0057】
上記と同様の実験で、モレキュラーシーブによる該DMF溶液の乾燥を行わなかった場合、導入率は13%であった。
実施例14
アドリアマイシン修飾コンドロイチン硫酸の合成
平均分子量3万のコンドロイチン硫酸のナトリウム塩をイオン交換樹脂を用いた常法に従いテトラブチルアンモニウム塩とした。このコンドロイチン硫酸テトラブチルアンモニウム塩(50mg)のDMF(10ml)溶液に氷冷下にてMpt−Cl(0.05ミリモル)のDMF(0.1ml)とトリエチルアミン(0.1ミリモル)を加えた。10分後アドリアマイシン(10mg)の水溶液(1ml)を加え、室温で1晩攪拌した。常法に従って処理したところ標記化合物を赤色粉末として50mg得た。NMRより求めた導入率は9%であった。
【0058】
なお、公知のカルボジイミド法によってはコンドロイチン硫酸にアドリアマイシンを導入できなかった。
実施例15
メトトレキサート修飾ヒアルロン酸(エステル結合で導入)の合成
メトトレキサート(0.25ミリモル)のDMF溶液(1ml)にトリエチルアミン(0.25ミリモル)とMpt−Cl(0.25ミリモル)のDMF溶液(1ml)を氷冷下にて加えた。このものを5分後、平均分子量80万のヒアルロン酸のトリエチルアミン塩(100mg)/DMF溶液50mlと4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.125ミリモル)/DMF溶液(1ml)の混合溶液に氷冷下にて加え、さらにトリエチルアミン(0.25ミリモル)を加えた。室温下にて1晩攪拌後、5%炭酸水素ナトリウム溶液(2ml)を加え、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回80%エタノールにより洗浄した。得られた沈殿を水に溶解した後、脱イオン水にて1晩透析し、凍結乾燥し標記化合物を白色粉末として77mg得た。
【0059】
吸光光度法により予め算出した検量線より求めたメトトレキサート含量とカルバゾール硫酸法より求めたヒアルロン酸含量との比較より算出したメトトレキサート導入率は、2.7%であった。
実施例16
ヒアルロン酸混合酸無水物及びメトトレキサート修飾ヒアルロン酸(アミド結合で導入)の合成
平均分子量80万のヒアルロン酸のナトリウム塩をイオン交換樹脂を用いた常法によりトリエチルアミン塩とした。このヒアルロン酸トリエチルアミン塩(100mg)のDMF溶液50mlに、氷冷下にてMpt−Cl(0.25ミリモル)のDMF溶液(0.25ml)を加えヒアルロン酸混合酸無水物を調製した。
【0060】
5分後、メトトレキサート(0.25ミリモル)のDMF溶液1mlとトリエチルアミン(0.25ミリモル)を加えて室温下1晩攪拌した。5%炭酸水素ナトリウム溶液(5ml)を加えた後、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回80%エタノールにより洗浄後、水(10ml)に溶解し脱イオン水にて3日間透析した。凍結乾燥したところ標記化合物を白色粉末として83mg得た。
【0061】
吸光光度法により予め算出した検量線より求めたメトトレキサート含量とカルバゾール硫酸法より求めたヒアルロン酸含量との比較より算出したメトトレキサート導入率は、3.0%であった。
実施例17
グルタミン修飾ヒアルロン酸(エステル結合で導入)の合成
Fmoc-Gln-OH(1ミリモル)のDMF溶液(1ml)にトリエチルアミン(1ミリモル)とMpt−Cl(1ミリモル)のDMF溶液(1ml)を氷冷下にて加えた。このものを5分後、平均分子量80万のヒアルロン酸のトリエチルアミン塩(100mg)/DMF溶液50mlと4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.5ミリモル)/DMF溶液(1ml)の混合溶液に氷冷下にて加え、さらにトリエチルアミン(1ミリモル)を加えた。室温下にて5時間攪拌後、5%炭酸水素ナトリウム溶液(2ml)を加え、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱をさらに3回80%エタノールにより洗浄後、水(10ml)に溶解し脱イオン水にて1日透析した。凍結乾燥したところFmoc-Gln-ヒアルロン酸を白色粉末として127mg得た。
【0062】
吸光光度法により予め算出した検量線より求めたFmoc-Gln-OH含量とカルバゾール硫酸法より求めたヒアルロン酸含量との比較より算出したグルタミン導入率は、31.3%であった。
又、更にこのFmoc-Gln-ヒアルロン酸57mgに氷冷下、15%ジエチルアミン水溶液(20ml)を加え、室温にて1時間撹拌した。5%炭酸水素ナトリウム溶液(2ml)を加え、酢酸ナトリウム飽和エタノールに注ぎ、生じた沈澱を遠心分離した。得られた沈澱を80%エタノールにより洗浄後、水(10ml)に溶解し脱イオン水にて1日透析した。凍結乾燥したところ標記化合物を白色粉末として39mg得た。
【0063】
実施例18
コンドロイチン硫酸上でのペプチドの伸長
Fmoc−ロイシン(0.5ミリモル)を実施例3と同様の方法でMpt−Clと反応させ混合酸無水物とした。このものに調製例1で合成したヘキサンジアミン結合コンドロイチン硫酸(平均分子量3万、スペーサー導入率32%、100mg)の水−DMF(1:1)溶液(4ml)を滴下し、さらにトリエチルアミン(0.5ミリモル)を加えた。実施例3と同様に後処理したところFmoc−Leu−ヘキサンジアミンーコンドロイチン硫酸を白色粉末として99mg得た。270MHzのプロトンNMRより求めたロイシンの導入率はコンドロイチン硫酸のカルボキシル基に対して18%(スペーサーに対して100%)であった。Fmoc−Leu−ヘキサンジアミン−コンドロイチン硫酸(95mg)に氷冷下、10%ジエチルアミン水溶液(5ml)を加え、1時間放置した。脱イオン水で2日間透析後、0.22ミクロンのフィルターで濾過、凍結乾燥したところ、Leu−ヘキサンジアミン−コンドロイチン硫酸を白色粉末として85mg得た。270MHzのプロトンNMRの測定の結果、ロイシン由来のシグナルは残り、Fmoc基由来のシグナルは消失していた。
【0064】
以下同様に、Fmoc−フェニルアラニン、Fmoc−グリシン、Fmoc−グリシン、Fmoc−チロシンの結合とFmoc基の除去を繰り返し、最終的にロイシンエンケファリン修飾コンドロイチン硫酸を得た。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明はDDSや医療材料の素材として有望なGAG誘導体の新しい製造法として有用なものである。さらに本発明の製造法は、温和な条件のもとでの反応であるのでGAGの低分子化等の副反応が少ないこと、反応時間が短く、混合酸無水物が比較的安定であるので修飾率のコントロールが比較的容易である点で優れた方法である。更に含水有機溶媒中で反応させる(アシル化する)ことも出来る。
【0066】
また、本発明の方法により製造されたインドメタシン、アドリアマイシン、サラゾスルファピリジン等の生理活性物質が結合したGAG誘導体は、水溶性、活性の持続性等の面で生理活性物質単独の場合に比べ優れた効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8におけるインドメタシンの仕込量と導入率の関係を示すグラフである。図中(mol/mol)は、インドメタシンのモル数/ヒアルロン酸(2糖)モル数を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a glycosaminoglycan derivative and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Glycosaminoglycans (hereinafter sometimes referred to as “GAG”), such as heparin, which is an antithrombotic agent, and hyaluronic acid, which is a therapeutic agent for arthritis, are already known for their usefulness, such as chondroitin sulfate. There are some applications that have not been developed enough. On the other hand, peptides and proteins are a group of compounds that have the potential to be useful pharmaceuticals because they exhibit various excellent pharmacological actions, but are often difficult to put into practical use due to instability in vivo. . Therefore, it is known that these compounds are modified with high molecular weight compounds to improve in vivo stability. GAG and amino acids, peptides, proteins, lipids and other low molecular organic compounds with excellent biocompatibility And the like (polysaccharide hybrids) are considered to be suitable for such purposes, and the usefulness of both can be increased or new functions can be provided.
[0003]
For example, hyaluronic acid is naturally present in animal tissues, has bioresorbability, and has no toxicological or immunological effects, so it is used as a drug or cosmetic product itself. A peptide-bound product is an excellent drug delivery system drug. Moreover, it becomes a medical material excellent in biocompatibility by insolubilizing hyaluronic acid by chemical modification.
[0004]
As a chemical modification method of GAG for obtaining the above-mentioned polysaccharide hybrid, since GAG is insoluble in an organic solvent, GAG is suspended in dimethylformamide (DMF) and reacted with acid chloride using pyridine as a catalyst (Eur J. Biochem., 1, 46-50 (1967), Chem. Express, 6 (9), 647-650 (1991)), and GAG have a carboxyl group and are water-soluble. A method is known in which GAG and amines are combined by treatment with an activated condensing agent such as water-soluble carbodiimide (WSC) in the presence of hydroxysuccinimide (HONSu) or the like.
[0005]
In addition, a method is known in which sodium salt of heparin is substituted with ammonium salt or tertiary amine salt, solubilized in DMF, and then reacted with symmetric acid anhydride of carboxylic acid using dimethylaminopyridine as a catalyst ( Carbohydr.Res., 236 107-119 (1992)).
On the other hand, as a chemical synthesis method of peptides, a reaction of condensing amino acids by a mixed acid anhydride method using dimethylphosphinothioyl chloride (Mpt-Cl) is known (Chem. Lett., 1 , p45-48 (1982)). This method is a method in which a hydroxyl group of an amino acid can be reacted unprotected in peptide synthesis and can also be reacted in an alcohol solvent. Also known is a method for producing N-acylamino sugars, in which a mixed acid anhydride derived from carboxylic acid such as acetic acid, benzoic acid, glycolic acid and glucuronic acid and Mpt-Cl is reacted with an amino sugar such as glucosamine or galactosamine. (JP-A 61-197589).
[0006]
However, the mixed acid anhydride method using a di-lower alkylphosphinothioyl halide has not been used for chemical modification of polysaccharides including glycosaminoglycans.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Conventional chemical modification methods for GAG require harsh reaction conditions such as heating and long-time reactions, and often involve low molecular weight and side reactions. In addition, in the method using an activated condensing agent such as WSC, an activated condensing agent or an activated carboxyl group reacts with water and gradually decomposes, and an excessive reagent is used because the reaction is slow. Therefore, it was difficult to control the amidation rate. Further, it has often been a problem because it is difficult to remove the activated condensing agent used excessively, its decomposition product, and especially acyl urea by-produced by acyl transfer.
[0008]
Further, the method of reacting ammonium salt or tertiary amine salt of heparin with a symmetric acid anhydride of carboxylic acid introduces a desired amount of carboxylic acid into heparin because the symmetric acid anhydride is unstable and decomposes during the reaction. There was a problem that it was difficult.
An object of the present invention is to provide a method for chemically modifying GAG in a short time under mild conditions and a GAG derivative that can be produced by the method.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of earnest research, the present inventors have succeeded in solving the above-described problems with the following configuration.
That is, the present invention
1) A mixed acid anhydride obtained by reacting a carboxylic acid with a halogenated di-lower alkylphosphinothioyl and a glycosaminoglycan having a hydroxyl group or an amino group are reacted, and the carbonyl group of the mixed acid anhydride is reacted with Production of a glycosaminoglycan derivative comprising a carboxylic acid and a glycosaminoglycan ester-bonded or amide-bonded, wherein the glycosaminoglycan is ester-bonded or amide-bonded to the hydroxyl group or amino group of the glycosaminoglycan Law,
2) The glycosaminoglycan derivative according to 1) above, wherein the functional group other than the carboxyl group is protected with a protecting group, and the protecting group is removed after the ester bond reaction or the amide bond reaction. Manufacturing method,
3) A glycosaminoglycan mixed acid comprising a glycosaminoglycan having a carboxyl group and a halogenated di-lower alkyl phosphinothioyl oil, and the resulting glycosaminoglycan and a halogenated di-lower alkyl phosphinothioyl oil. A method for producing a glycosaminoglycan derivative, characterized by producing an anhydride,
4) reacting a glycosaminoglycan mixed acid anhydride obtained by reacting a glycosaminoglycan having a carboxyl group and a halogenated di-lower alkylphosphinothioyl with a primary amine or a secondary amine, What is claimed is: 1. A glycosaminoglycan derivative comprising a glycosaminoglycan and a primary amine or a secondary amine bonded with an amide bond, wherein a carbonyl group of a mixed acid anhydride and an amino group of the amine are bonded with an amide bond Manufacturing method,
5) The production method according to any one of 1) to 4) above, wherein the reaction is carried out in an anhydrous organic solvent in the presence of a neutralizing agent,
6) The production method according to 1) or 4) above, wherein the reaction is carried out in an aqueous solution containing a water-miscible organic solvent,
7-1) The above glycosaminoglycan is chondroitin sulfate, hyaluronic acid or a spacer compound-bound glycosaminoglycan in which a spacer compound having a hydroxyl group or an amino group is bound, and the carboxylic acid has one or more carboxyl groups A glycosaminoglycan derivative formed by the ester bond or amide bond of a carboxylic acid produced by the method according to 1) above and a glycosaminoglycan having a hydroxyl group or an amino group,
7-2) The above glycosaminoglycan is a chondroitin sulfate, hyaluronic acid or a spacer compound-bound glycosaminoglycan having an amino group obtained by covalently bonding a diamine as a spacer compound to these carboxyl groups, and the carboxylic acid is indomethacin, deoxy An ester bond between a carboxylic acid produced by the method 1) which is cholic acid, acetylsalicylic acid, salazosulfapyridine, methotrexate, leucine enkephalin, leucine, serine, glycine or glutamine and a glycosaminoglycan having a hydroxyl group or an amino group Or a glycosaminoglycan derivative formed by amide bond,
8-1) The above glycosaminoglycan is a chondroitin sulfate, hyaluronic acid or a spacer compound-bound glycosaminoglycan in which a spacer compound having a carboxyl group is bound thereto, and the primary amine or secondary amine is a primary amino group Or a glycosaminoglycan derivative formed by amide bond between a glycosaminoglycan having a carboxyl group and a primary amine or a secondary amine, which is a physiologically active substance having a secondary amino group and produced by the method described in 4) above ,
8-2) Produced by the method according to 4) above, wherein the glycosaminoglycan is chondroitin sulfate or hyaluronic acid, and the primary amine or secondary amine is bestatin, tranexamic acid, adriamycin, methotrexate, phenylalanine or glutamine. It is a glycosaminoglycan derivative formed by amide bond between a glycosaminoglycan having a carboxyl group and a primary amine or secondary amine.
[0010]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
Carboxylic acid and halogenated di-lower alkylphosphinothioyl (hereinafter referred to as Rpt-X. X is halogen, Rpt is a di-lower alkylphosphinothioyl group used in the present invention: general formula R 2 P = S (wherein R represents an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, preferably a methyl group). ) Is reacted with the carboxylic acid and Rpt-X at −25 ° C. to 40 ° C., preferably 0 ° C. to 25 ° C. For 1 minute to 1 hour, preferably 1 minute to 10 minutes. Further, a glycosaminoglycan mixed acid anhydride (hereinafter also referred to as “mixed acid anhydride B”) obtained by reacting a glycosaminoglycan having a carboxyl group with Rpt-X is the GAG having a carboxyl group. And Rpt-X can be obtained by reacting them under the same conditions as those for preparing the mixed acid anhydride A.
[0011]
The formation reaction of the mixed acid anhydride A is represented by the following formula (1).
R′-COOH + Rpt-X → R′-COORpt (1)
(R ′ is a residue excluding one carboxyl group of the carboxylic acid.)
The formation reaction of the mixed acid anhydride B is represented by the following formula (2).
gag-COOH + Rpt-X → gag-COORpt (2)
(Gag is a residue excluding one carboxyl group of GAG.)
In the present invention, GAG is a concept including GAG itself and derivatives obtained by introducing a spacer compound or the like into GAG itself.
[0012]
The mixed acid anhydride B of the above formula (2), that is, gag-COORpt, is a kind of GAG derivative produced by the method of the present invention, and is obtained by further reacting with a primary amine or secondary amine. It is also a raw material for a novel GAG derivative.
[0013]
The carboxylic acid used in the reaction of the above formula (1) includes all compounds having a carboxyl group that can react with Rpt-X, and a functional group other than the carboxyl group of the compound (for example, amino group, hydroxyl group, etc.) May be a compound protected with a protecting group.
Specific examples of carboxylic acids include amino acid protected amino groups (Fmoc-Gln-OH, Fmoc-Leu-OH, Z-Leu-OH, Boc-Leu-OH, Fmoc-Pro-OH, Boc-Gly- OH, Z-Gly-OH, Fmoc-Ser (O t Bu) -OH, etc., wherein Fmoc- is a 9-fluorenylmethyloxycarbonyl group, Z- is a benzyloxycarbonyl group, Boc- is a tertiary butoxycarbonyl group, t Bu represents a tertiary butyl group. ), Peptides in which the amino group is protected as in the case of the above amino acids, physiologically active substances having a carboxyl group in the molecule and having a useful pharmacological action (for example, indomethacin, deoxycholic acid, acetylsalicylic acid, salazosulfapyridine, nicotine) Acid, thioctic acid, indole-3 acetic acid, retinoic acid, methotrexate, etc.), a compound having a carboxyl group by binding a dicarboxylic acid as a spacer compound to a compound having an amino group or a hydroxyl group by a known method, an aliphatic carboxylic acid (Palmitic acid, linoleic acid, linolenic acid, etc.), cinnamic acid, salicylic acid, trans-epoxysuccinic acid and the like.
[0014]
Examples of the GAG having a carboxyl group used in the reaction of the above formula (2) include hyaluronic acid, chondroitin sulfate, chondroitin, dermatan sulfate, heparin, heparan sulfate and the like. In particular, hyaluronic acid and chondroitin sulfate are preferable because they are excellent in terms of biocompatibility, activity persistence of GAG derivatives, and the like.
Although said GAG is not limited to origin and molecular weight, Generally molecular weight is about 10,000-5 million, Preferably about 20,000-2 million is mentioned. Either free or salt-type GAG can be used, but alkali salts such as alkali metal salts, alkaline earth metal salts, amines (for example, tertiary amines such as triethylamine, N-methylmorpholine, diisopropylethylamine, etc.) salts, etc. In particular, a sodium salt or potassium salt that is generally easily available is preferable.
[0015]
The GAG having a carboxyl group can also be synthesized by bonding a known compound such as a spacer compound having a carboxyl group by a known method so as to have at least a carboxyl group.
Examples of the spacer compound used in the synthesis include dicarboxylic acids, amino acids, and derivatives obtained by introducing a protecting group into these carboxyl groups.
[0016]
Examples of the spacer compound include R 1 -(CH 2 ) N -R 2 (R 1 = R 2 = Carboxyl group or R 1 = Protected carboxyl group and R 2 = Amino group, n is 2 to 18), but is not limited thereto. Here, the protective group may be any group capable of deprotecting the protective group of the carboxyl group after the preparation of GAG to which the spacer compound is bound.
[0017]
In the present invention, “GAG having a carboxyl group” is defined as not included in “carboxylic acid” for convenience.
As Rpt-X, a known one can be used, but preferably a chloride, bromide or the like is used, and the lower alkyl group is an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, preferably a methyl group. Specific examples include dimethylphosphinothioyl chloride (Mpt-Cl).
[0018]
When the carboxyl group is a free acid during the formation reaction of the mixed acid anhydride A or B, in order to neutralize hydrochloric acid generated with the formation of the mixed acid anhydride A or B (activation of the carboxyl group) It is preferable to add a tertiary amine such as triethylamine, N-methylmorpholine and diisopropylethylamine in an equimolar amount with Rpt-X. Further, when the carboxyl group is a salt of the base, it is not necessary to add a base.
[0019]
The above formation reaction is preferably carried out in a single or mixed organic solvent such as dimethylformamide (DMF), N, N-dimethylacetamide (DMA), dimethyl sulfoxide (DMSO), tetrahydrofuran (THF), chloroform, dichloromethane, etc. In an organic solvent.
For example, when the mixed acid anhydride A is produced by reacting (activating) a carboxylic acid with Rpt-X, the reaction is carried out in an aprotic organic solvent such as chloroform or DMF. Further, when the mixed acid anhydride B is produced by similarly activating the carboxyl group of GAG having a carboxyl group, alkali metal salts (sodium salt, potassium salt, etc.) of GAG carboxyl group and sulfate group by known methods. Alternatively, the alkaline earth metal salt or the like can be reacted with an ammonium salt or a tertiary amine salt solubilized in an aprotic organic solvent such as DMF. In this case, if the residual moisture is removed using a molecular sieve after dissolving GAG in an organic solvent, decomposition of the mixed acid anhydride can be suppressed. The introduction rate of secondary amine is improved.
[0020]
Rpt-X can be used in excess with respect to GAG having a carboxylic acid or a carboxyl group, but usually 1.0 to 1.2 equivalents, preferably equimolar (1.0 equivalents) is used. The desired mixed acid anhydride can be obtained. As the acid anhydride method, a symmetric acid anhydride method and a mixed acid anhydride method are known, and when the symmetric acid anhydride method is used to obtain a desired acid anhydride, two or more equivalents of carboxylic acid are required. In contrast, in the mixed acid anhydride method of the present invention, an equimolar amount of carboxylic acid or GAG having a carboxyl group may be used.
[0021]
The mixed acid anhydride thus obtained can be isolated, but the mixed acid anhydride A is a GAG having a hydroxyl group or an amino group and the mixed acid anhydride B is a primary amine or 2 A glycosaminoglycan derivative can also be produced by reacting with a secondary amine.
The reaction between the mixed acid anhydride A and a GAG containing a hydroxyl group is represented, for example, by the following formula (3).
[0022]
R′-COORpt + HO-gag → R′-COO-gag (3)
The reaction between the mixed acid anhydride A and GAG having an amino group is represented, for example, by the following formula (4).
R'-COORpt + H 2 N-gag → R′-CONH-gag (4)
The reaction of the mixed acid anhydride B with a primary amine or secondary amine is represented by the following formula (5), for example, when the reaction with a primary amine is exemplified.
[0023]
gag-COORpt + H 2 N-A → gag-CONH-A (5)
(A represents a residue obtained by removing one amino group from an amine.)
When the carboxylic acid is introduced into the GAG having a hydroxyl group by the reaction of the formula (3), it can be introduced by reacting the mixed acid anhydride A with the hydroxyl group of the GAG to form an ester bond. In this case, examples of the solvent used in the reaction include an aqueous solution containing a water-miscible organic solvent and an anhydrous organic solvent. In view of good reaction efficiency, an anhydrous organic solvent is preferable.
[0024]
Specific examples of water-miscible organic solvents include dioxane, tetrahydrofuran (THF), N, N-dimethylacetamide (DMA), acetamide, DMF, dimethylsulfoxide (DMSO), hexamethylphosphoric triamide (HMPA), N- Examples include methyl pyrrolidone and pyridine.
Examples of the aqueous solution include an aqueous solution containing a range of about 0 to 50% in total of one or more selected from any of the exemplified water-miscible organic solvents.
[0025]
Specific examples of the anhydrous organic solvent include the water-miscible organic solvents exemplified above and a single or mixed solvent such as chloroform and dichloromethane.
Examples of GAG having a hydroxyl group include GAG such as hyaluronic acid, chondroitin sulfate, chondroitin, dermatan sulfate, heparin, heparan sulfate, keratan sulfate, and derivatives thereof. Moreover, the compound which couple | bonded the spacer compound which has a hydroxyl group with these GAG may be sufficient.
[0026]
Specifically, mixed acid anhydride A may be GAG (free form), GAG sodium salt or potassium salt, or GAG sodium salt or potassium salt substituted with ammonium salt or tertiary amine salt. The reaction is carried out at −25 ° C. to 60 ° C., preferably 0 ° C. to 25 ° C. for 5 minutes to 24 hours. At this time, it is preferable to add an N, N-dialkylaminopyridine-based catalyst, particularly a catalyst for esterification reaction such as 4-dimethylaminopyridine (DMAP) or 4-pyrrolidinopyridine. The reaction at becomes possible.
[0027]
In addition, a tertiary amine such as triethylamine, diisopropylethylamine, pyridine, N-methylmorpholine, or an inorganic base such as sodium bicarbonate may be added as an acid neutralizer for the purpose of neutralizing the acid generated by the reaction. preferable.
The mixed acid anhydride A and GAG having an amino group are reacted by the reaction of the above formula (4), or the mixed acid anhydride B and a primary amine or secondary amine (hereinafter referred to as “amino group” by the reaction of the above formula (5). GAG having a primary amine, or a primary amine or a secondary amine may be collectively referred to as an amino component), for example, at −25 ° C. to 60 ° C., preferably 0 ° C. to 25 ° C., for 5 minutes to 24 hours. The reaction can be carried out in the above anhydrous organic solvent or in an aqueous solution containing a water-miscible organic solvent, preferably for 30 minutes to 2 hours. Under the present circumstances, it is preferable to add the said neutralizing agent as an acid neutralizing agent in order to neutralize the acid (di-lower alkyl thiophosphinic acid) produced | generated with reaction progress. Examples of the water content of the aqueous solution include 0 to 80% by volume.
[0028]
The GAG having an amino group used in the present invention is a compound obtained by converting a substituted amino group (acetylamino group, sulfoamino group, etc.) of the amino sugar of the GAG exemplified as the GAG having a hydroxyl group into an amino group, for example, desorption. An acetyl derivative etc. are mentioned. In addition, a spacer compound having an amino group to the hydroxyl group or carboxyl group of GAG, for example, a diamine, an amino acid or the like is covalently bonded to form a spacer compound-binding GAG having an amino group, or has an amino group at the reducing end of GAG A GAG having an amino group can also be obtained by introducing a spacer compound to form a spacer compound-bound GAG. When GAG in which a spacer compound having an amino group is bound to the reducing end of GAG is used, it becomes possible to bind a carboxylic acid to the reducing end of GAG, that is, to one specific position.
[0029]
As a method for introducing the spacer compound, for example, a method in which a carboxyl group such as an amino acid in which an amino group as a spacer compound is protected and a hydroxyl group of GAG are ester-bonded and then deprotected, one amino group of diamine and a carboxyl group of GAG are used. GAG and diamine can be combined by reductive amination by mixing the group with an amide bond, and mixing the reducing end of GAG and diamine in a suitable solvent to form a Schiff base and preferably further treating with a reducing agent. The method of combining etc. is mentioned.
[0030]
As the amino acid protecting the amino group as the spacer compound, any natural amino acid such as glycine and leucine can be used. Further, an ω-amino acid having an arbitrary carbon number such as 6-aminocaproic acid can be used, and in this case, the degree of freedom as a spacer can be increased. Examples of the protecting group for the amino group include a benzyloxycarbonyl (Z) group that can be removed by catalytic reduction, a 9-fluorenylmethyloxycarbonyl (Fmoc) group that can be removed by a base, and an trifluoroacetic acid aqueous solution. A 3-butoxycarbonyl (Boc) group and the like are preferable.
[0031]
When using diamine as a spacer compound,
H 2 N- (CH 2 ) n -NH 2 A diamine (for example, 1,6-hexanediamine or the like) represented by (n is preferably 2 to 18) or the like, a lysine that is also an amino acid, or an ester thereof, can be used.
Alternatively, an amino alcohol having a protected amino group may be used as a spacer compound to form an ester bond with a carboxyl group of GAG, followed by deprotection to form a spacer compound-bound GAG having an amino group.
[0032]
As a method for introducing the spacer compound, a known method such as amide bond or ester bond to the carboxyl group of GAG using carbodiimides is excellent in terms of ease of operation and cost. Alternatively, the carboxyl group of GAG may be activated with Rpt-X to form mixed acid anhydride B, which may be reacted with diamine by the reaction of the above formula (5).
[0033]
Examples of the primary amine or secondary amine used when the carboxyl group of GAG is activated as a mixed acid anhydride B and reacted with a primary amine or secondary amine include amino acids (glutamine, phenylalanine, etc.), amino acid esters ( Phenylalanine benzyl ester, etc.), peptides, peptide esters, peptide amides, proteins, physiologically active substances with amino groups in the molecule and useful pharmacological action (tranexamic acid, cycloserine, bestatin, aminocephalosporic acid, pyridoxamine, adriamycin , Methotrexate, etc.), amino acids or diamines bonded as spacer compounds to give amino groups, amino sugars (glucosamine, galactosamine, etc.), lipids having amino groups (phosphatidylethanolamine, etc.) Etc. The.
[0034]
After the reaction of the mixed acid anhydride A with GAG having a hydroxyl group or an amino group, or the reaction of the mixed acid anhydride B with a primary amine or secondary amine, purification is performed by a known method such as ethanol precipitation or dialysis. Is possible. In addition, when the product is precipitated after the reaction, the target product can be obtained by a simpler purification operation such as collecting with a glass filter or the like and sequentially washing with an appropriate solvent such as sodium bicarbonate water, water, and ethanol. .
[0035]
In the reactions of the above formulas (3) to (5), the amount of the mixed acid anhydride and catalyst relative to the GAG having a hydroxyl group or the amino component is the desired type of GAG derivative, that is, the type of GAG, molecular weight or mixed acid anhydride. Can be appropriately selected according to the desired introduction number of carboxylic acid or primary amine or secondary amine to GAG, etc. In general, when an amide bond is formed with an amino component, the desired introduction number of 1.0 to 3 is selected. A mixed acid anhydride of 0.0 moles may be used, and when forming an ester bond with a hydroxyl group of GAG, a mixed acid anhydride of 2.0 to 10 moles of the desired introduction number may be used. The introduction rate of carboxylic acid or primary amine or secondary amine into the GAG derivative can be defined as a percentage of the number of moles introduced per GAG constituent disaccharide unit. The number of moles introduced can be determined by measuring the integrated intensity of proton NMR.
[0036]
Furthermore, according to the production method of the present invention, an amino acid having a protected amino group is selected as the carboxylic acid, and the amino acid of the GAG having an amino group is reacted as the mixed acid anhydride A by the method of the above formula (4). After coupling the carboxyl group of the amino acid whose amino group was protected by the method of the present invention to the group, this amino protecting group was removed, and the operation of coupling the N-protected amino acid again by the method of the present invention was repeated on GAG. It is also possible to synthesize a GAG-peptide conjugate by synthesizing a peptide that sequentially extends amino acids. In this case, as the amino-protecting group, for example, a 9-fluorenylmethyloxycarbonyl (Fmoc) group that can be quickly removed with a 10% diethylamine aqueous solution or the like is preferable.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail by way of examples.
Preparation Example 1
Introduction of 1,6-hexanediamine as a spacer into chondroitin sulfate Sodium chondroitin sulfate (10 g) having an average molecular weight of 30,000 was dissolved in water (100 ml), and DMF (100 ml) was added. After adding a DMF solution (30 ml) of N-hydroxybenzotriazole (HOBt) (40 mmol) and 1,6-hexanediamine dihydrochloride (20 mmol), dicyclohexylcarbodiimide (DCC) (20 mmol) was added at room temperature. DMF solution (40 ml) was added. After stirring overnight at room temperature, the precipitated dicyclohexylurea was washed and removed with ethanol on a glass filter. After washing with ethanol, the precipitate obtained on the glass filter was further purified by ethanol precipitation three times and then dried under reduced pressure to obtain 7.67 g of chondroitin sulfate into which 1,6-hexanediamine had been introduced as a white powder. As a result of 270 MHz proton NMR measurement, the intensity ratio of the signal derived from the acetyl group of chondroitin sulfate (δ = 2 ppm) and the signal derived from the four methylene groups of the spacer (δ = 1.3-1.7 ppm) (3: From 2.60), the introduction rate of the diamine per 2 disaccharide units constituting the chondroitin sulfate was 32%.
[0038]
Here, the introduction rate is expressed by the following equation.
Introduction rate (%) = number of moles of diamine introduced per disaccharide unit × 100
Preparation Example 2
Introduction of lysine methyl ester as a spacer into chondroitin sulfate
Sodium chondroitin sulfate (3 g) having an average molecular weight of 30,000 was dissolved in water (30 ml), and DMF (30 ml) was added. Lysine (Z) methyl ester hydrochloride (3 mmol) and HOBt (6 mmol) were added, and then DCC (6 mmol) in DMF (10 ml) was added under ice cooling. After stirring overnight at room temperature, the mixture was poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further purified three times by ethanol precipitation, dissolved in water (10 ml) and dialyzed against deionized water for 3 days. Filtration through a 0.22 micron filter followed by lyophilization gave 3.08 g of the title compound as a white powder. As a result of 270 MHz proton NMR measurement, the intensity ratio of the signal derived from the acetyl group of chondroitin sulfate (δ = 2 ppm) to the signal derived from the benzene ring of Z group (δ = 7.3-7.5 ppm) (3: 1 .23), the introduction rate of lysine (Z) methyl ester per disaccharide unit of chondroitin sulfate was 25%. This was subjected to catalytic reduction with ammonium formate and 10% palladium on carbon in an aqueous solution to remove the Z group, whereby lysine methyl ester-linked chondroitin sulfate was obtained.
[0039]
Example 1
Synthesis of deoxycholic acid modified chondroitin sulfate
To a DMF solution (1 ml) of deoxycholic acid (0.1 mmol), a DMF solution (0.2 ml) of triethylamine (0.2 mmol) and dimethylphosphinothioyl chloride (Mpt-Cl) (0.1 mmol) was added. Added at room temperature. After 5 minutes, this was added to a solution of lysine methyl ester-linked chondroitin sulfate (50 mg) synthesized in Preparation Example 2 in water-DMF (1: 1, v / v) (2 ml) under ice-cooling. added. After stirring overnight at room temperature, the mixture was poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further purified three times by ethanol precipitation, dissolved in water (10 ml) and dialyzed against deionized water for 2 days. Filtration through a 0.22 micron filter followed by lyophilization gave 58 mg of the title compound as a white powder. As a result of proton NMR measurement at 270 MHz, the intensity ratio of the signal derived from the acetyl group of chondroitin sulfate (δ = 2 ppm) and the signal derived from one methyl group of deoxycholic acid (δ = 1.3-0.7 ppm) From (3: 0.81), the introduction rate of deoxycholic acid per constituent disaccharide unit of chondroitin sulfate was 27%.
[0040]
Here, the introduction rate is expressed by the following equation.
Introduction rate (%) = mol number of deoxycholic acid introduced per saccharide unit × 100
Example 2
Synthesis of acetylsalicylic acid modified chondroitin sulfate
The same operation was performed using lysine methyl ester-linked chondroitin sulfate (50 mg) synthesized in Preparation Example 2 with acetylsalicylic acid (aspirin) instead of deoxycholic acid in Example 1. However, when making mixed acid anhydrides, acetylsalicylic acid, triethylamine, Mpt-Cl and their solvents were used in 5 times the amount of Example 1. Yield 56 mg. The introduction rate of aspirin (acetylsalicylic acid) was 28%.
[0041]
Example 3
Synthesis of chondroitin sulfate conjugated with Z-amino acid
To a DMF solution (2 ml) of Z-leucine (0.5 mmol), a DMF solution (0.5 ml) of triethylamine (0.5 mmol) and Mpt-Cl (0.5 mmol) was added at room temperature. After 5 minutes, this was added to a DMF solution (2 ml) of chondroitin sulfate triethylamine salt (100 mg) and 4-dimethylaminopyridine (DMAP) (0.5 mmol) under ice-cooling, and triethylamine (0.5 mg) was added. Mmol) was added. After stirring overnight at room temperature, 5% sodium hydrogen carbonate solution (5 ml) was added, poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further purified three times by ethanol precipitation, dissolved in water (10 ml) and dialyzed against deionized water for 3 days. After filtration through a 0.22 micron filter and lyophilization, 107 mg of the title compound was obtained as a white powder. As a result of 270 MHz proton NMR measurement, the intensity ratio of the signal derived from the acetyl group of chondroitin sulfate (δ = 2 ppm) and the signal derived from the benzene ring of Z-leucine (3: 1.9) is a constituent disaccharide of chondroitin sulfate. The introduction rate of Z-leucine per unit was 38%.
[0042]
Example 4
Binding of protected amino acid to the reducing end of hyaluronic acid A) Fmoc-Ser (O t To a DMF solution (1 ml) of Bu) -OH (0.1 mmol), a DMF solution (0.1 ml) of triethylamine (0.1 mmol) and Mpt-Cl (0.1 mmol) was added under ice cooling. . 5 minutes later, this was treated with hyaluronic acid (100 mg) having an average molecular weight of 40,000 in which 1,6-hexanediamine was bound to the reducing end by a reductive amination method using sodium cyanoborohydride by a conventional method. To the DMF (1: 1) solution (8 ml) was added under ice cooling, and further triethylamine (0.1 mmol) was added. After stirring overnight at room temperature, 5% sodium hydrogen carbonate solution (5 ml) was added, poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further purified three times by ethanol precipitation, dissolved in water (10 ml) and dialyzed against deionized water for 7 days. After filtration through a 0.22 micron filter, it was freeze-dried to obtain 106 mg as a white powder. As a result of 270 MHz proton NMR measurement, a signal derived from the acetyl group of hyaluronic acid (δ = 2 ppm) and tertiary butyl ( t From the intensity ratio of the signal derived from the Bu group (3: 0.162), 56 units of hyaluronic acid per serine molecule were linked in units of 2 sugars.
[0043]
B) Binding of protected amino acid to the reducing end of chondroitin sulfate
When a similar reaction was carried out using chondroitin sulfate having an average molecular weight of 30,000 instead of hyaluronic acid in Example 4A), 98 mg of the desired product was obtained from chondroitin sulfate (100 mg) bound with 1,6-hexanediamine. . According to NMR, 60 units of chondroitin sulfate per one molecule of serine were bound in disaccharide units.
[0044]
Example 5
Synthesis of salazosulfapyridine-modified hyaluronic acid
A sodium salt of hyaluronic acid having an average molecular weight of 40,000 was converted to a triethylamine salt by an ordinary method using an ion exchange resin. A mixture of salazosulfapyridine (0.2 mmol) prepared in the same manner as in Example 1 was added to a solution of this triethylamine salt of hyaluronic acid (200 mg) in DMF (15 ml) and DMAP (0.2 mmol). Acid anhydride was added and stirred overnight at room temperature. After the same post-treatment as in Example 3, 117 mg of the title compound was obtained as a yellow powder. The introduction rate of salazosulfapyridine determined by NMR was 5%.
[0045]
Example 6
Synthesis of indomethacin-modified chondroitin sulfate (introduced by amide bond)
Triethylamine (1 mmol) and Mpt-Cl (1 mmol) in DMF (2 ml) were added to a solution of indomethacin (1 mmol) in DMF (2 ml) under ice cooling. After 5 minutes, this was mixed with 1,6-hexanediamine as a spacer, chondroitin sulfate having an average molecular weight of 30,000 (200 mg, prepared in the same manner as in Preparation Example 1, introduction rate 32%) in water-DMF (1: 1) To the solution (8 ml) was added followed by triethylamine (1 mmol). After stirring at room temperature overnight, the same treatment as in Example 3 was performed to obtain 242 mg of the title compound as a white powder. The introduction rate determined from NMR was 24%.
[0046]
Example 7
Synthesis of indomethacin-modified hyaluronic acid (introduced by ester bond)
To a DMF solution (1 ml) of indomethacin (1 mmol), a DMF solution (1 ml) of triethylamine (1 mmol) and Mpt-Cl (1 mmol) was added under ice cooling. After 5 minutes, this was added to a mixed solution of hyaluronic acid triethylamine salt (100 mg) / DMF solution 50 ml and 4-dimethylaminopyridine (DMAP) (0.5 mmol) / DMF solution (1 ml) with an average molecular weight of 800,000. Added under cooling, more triethylamine (1 mmol) was added. After stirring overnight at room temperature, 5% sodium hydrogen carbonate solution (2 ml) was added, poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further washed 5 times with 80% ethanol, purified and dried under reduced pressure to obtain 140 mg of the title compound as a white powder.
[0047]
The indomethacin introduction rate calculated from a comparison between the indomethacin content determined from the calibration curve calculated in advance by the spectrophotometric method and the hyaluronic acid content determined from the carbazole sulfate method was 29.8%.
Example 8
Relationship between indomethacin charge and introduction rate
According to the method described in Example 7, the relationship between the amount of indomethacin charged (reaction equivalent) and the introduction rate was examined. Hyaluronic acid having an average molecular weight of 50,000, 300,000 or 800,000 was used.
[0048]
The results are shown in FIG.
As can be seen from FIG. 1, the relationship between the charged amount and the introduction rate is almost linear. Further, when viewed in terms of the average molecular weight of hyaluronic acid, 50,000 and 300,000 showed almost the same behavior, but it was found that the reactivity of 800,000 was lowered overall. This is believed to be due to the increase in viscosity due to high molecular weight.
[0049]
Example 9
Production of t-butoxycarbonylglycine-modified hyaluronic acid
After dissolving 80 mg of sodium hyaluronate having an average molecular weight of 1 million (0.2 mmol as a disaccharide unit) in 20 ml of water, 10 ml of dioxane was added. To this solution, 175 mg (1.0 mmol) of t-butoxycarbonylglycine whose carboxyl group was activated with Mpt-Cl as a mixed acid anhydride, 139 μl (1.0 mmol) of triethylamine, and 122 mg (1.0 mmol of 4-dimethylaminopyridine) 3 ml of a dimethylformamide solution was added under ice-cooling, and stirring was continued for 1 hour and a half at room temperature. 150 ml of sodium acetate saturated ethanol was poured into the resulting solution, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further purified three times by ethanol precipitation and then dried under reduced pressure to obtain 75 mg of the title t-butoxycarbonylglycine-modified hyaluronic acid as a white powder. NMR per hyaluronic acid constituent disaccharide unit of t-butoxycarbonylglycine obtained from the intensity ratio of the signal derived from the acetyl group of hyaluronate (δ = 2 ppm) and the signal derived from the tertiary butyl group (δ = 1.5 ppm) The introduction rate was 11%.
[0050]
Example 10
Production of benzyloxycarbonylglycine modified hyaluronic acid and glycine modified hyaluronic acid
The same procedure as in Example 7 was followed using 209 mg (1.0 mmol) of benzyloxycarbonylglycine (also referred to as Z-glycine) instead of t-butoxycarbonylglycine.
[0051]
After purification, 74 mg of the title benzyloxycarbonylglycine-modified hyaluronic acid was obtained as a white powder by drying under reduced pressure. Hyaluronic acid constituent disaccharide unit of benzyloxycarbonylglycine determined from the intensity ratio of NMR-derived signal derived from acetyl group of hyaluronic acid (δ = 2ppm) and signal derived from benzyl group of benzyloxycarbonylglycine (δ = 7.5ppm) The introduction rate per hit was 11%.
[0052]
Dissolve 60 mg (0.15 mmol / unit) of benzyloxycarbonylglycine-modified hyaluronic acid in 50 ml of water, add 15 mg of 10% palladium (Pd) activated carbon and 19 mg (0.3 mmol) of ammonium formate under an argon atmosphere, and stir at room temperature for 6 hours. After that, the same amount of Pd activated carbon and ammonium formate were added again and stirred. After 6 hours, the same operation was performed again, the activated carbon was removed with a 0.22 μm filter, the solution was dialyzed against deionized water for 2 days, and 51 mg of a white product was obtained by lyophilization. The disappearance of the peak derived from the benzyl group (δ = 7.5 ppm) was confirmed by NMR.
[0053]
Example 11
Production of t-butoxycarbonylglycine modified hyaluronic acid (molecular weight 150,000)
After dissolving 80 mg of sodium hyaluronate having an average molecular weight of 150,000 (0.2 mmol as a disaccharide unit) in 20 ml of water, 10 ml of dioxane was added. To this solution, 175 mg (1.0 mmol) of t-butoxycarbonylglycine obtained by activating the carboxyl group of t-butoxycarbonylglycine as a mixed anhydride with Mpt-Cl, 139 μl (1.0 mmol) of triethylamine and 4-dimethylamino A dimethylformamide solution of 122 mg (1.0 mmol) of pyridine was added under ice-cooling, and stirring was continued for 1 hour and a half at room temperature. 150 ml of sodium acetate saturated ethanol was poured into the resulting solution, and the resulting precipitate was centrifuged. The obtained precipitate was further purified three times by the ethanol precipitation method and then dried under reduced pressure to obtain 55 mg of the title t-butoxycarbonylglycine-modified hyaluronic acid as a white powder. The introduction rate of t-butoxycarbonylglycine per hyaluronic acid constituent disaccharide unit determined by NMR was 5%.
[0054]
Example 12
A) Synthesis of chondroitin sulfate mixed acid anhydride and bestatin modified chondroitin sulfate
A sodium salt of chondroitin sulfate having an average molecular weight of 30,000 was converted to a triethylamine salt by an ordinary method using an ion exchange resin. A chondroitin sulfate mixed acid anhydride was prepared by adding a DMF solution (0.2 ml) of Mpt-Cl (0.1 mmol) to a DMF solution (2 ml) of this chondroitin sulfate triethylamine salt (50 mg).
[0055]
After 5 minutes, bestatin (0.05 mmol), triethylamine (0.05 mmol) and water (0.5 ml) were added and stirred overnight at room temperature. After adding 5% sodium hydrogen carbonate solution (5 ml), the mixture was poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further purified three times by ethanol precipitation, dissolved in water (10 ml) and dialyzed against deionized water for 4 days. Filtration through a 0.22 micron filter followed by lyophilization gave 57 mg of the title compound as a white powder. As a result of the proton NMR measurement at 270 MHz, the bestatin per disaccharide unit of chondroitin sulfate was determined from the intensity ratio of the signal derived from the acetyl group of chondroitin sulfate (δ = 2 ppm) and the signal derived from the benzene ring of bestatin (3: 0.41). The introduction rate of was 8%.
[0056]
B) Synthesis of tranexamic acid modified chondroitin sulfate
The same operation was carried out using tranexamic acid in place of bestatin in Example 10A), and the title compound was obtained at an introduction rate of 15%.
Example 13
Synthesis of phenylalanine benzyl ester modified chondroitin sulfate
A sodium salt of chondroitin sulfate having an average molecular weight of 30,000 was dissolved in DMF as a triethylamine salt by a conventional method using an ion exchange resin, 4A molecular sieve was added, and this solution was dried. To a DMF solution (2 ml) of this chondroitin sulfate triethylamine salt (100 mg), a DMF solution (0.4 ml) of Mpt-Cl (0.2 mmol) was added under ice cooling. After 5 minutes, tosyl salt (0.2 mmol) of phenylalanine benzyl ester and triethylamine (0.4 mmol) were added and stirred overnight at room temperature. After adding 5% sodium hydrogen carbonate solution (5 ml), the mixture was poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further purified three times by ethanol precipitation, dissolved in water (10 ml), and dialyzed against deionized water for 3 days. Filtration through a 0.22 micron filter followed by lyophilization gave 103 mg of the title compound as a white powder. As a result of 270 MHz proton NMR measurement, the intensity ratio (3: 2.5) of the signal derived from the benzene ring of phenylalanine benzyl ester to the signal derived from the acetyl group of chondroitin sulfate (δ = 2 ppm), disaccharides of chondroitin sulfate The introduction rate of phenylalanine benzyl ester per unit was 25%.
[0057]
In the same experiment as above, when the DMF solution was not dried with molecular sieve, the introduction rate was 13%.
Example 14
Synthesis of adriamycin modified chondroitin sulfate.
A sodium salt of chondroitin sulfate having an average molecular weight of 30,000 was converted to a tetrabutylammonium salt according to a conventional method using an ion exchange resin. Mpt-Cl (0.05 mmol) in DMF (0.1 ml) and triethylamine (0.1 mmol) were added to a DMF (10 ml) solution of this chondroitin sulfate tetrabutylammonium salt (50 mg). Ten minutes later, an aqueous solution (1 ml) of adriamycin (10 mg) was added, and the mixture was stirred overnight at room temperature. Treatment according to a conventional method gave 50 mg of the title compound as a red powder. The introduction rate determined by NMR was 9%.
[0058]
Note that adriamycin could not be introduced into chondroitin sulfate by the known carbodiimide method.
Example 15
Synthesis of methotrexate-modified hyaluronic acid (introduced by ester bond)
To a DMF solution (1 ml) of methotrexate (0.25 mmol), a DMF solution (1 ml) of triethylamine (0.25 mmol) and Mpt-Cl (0.25 mmol) was added under ice cooling. After 5 minutes, this was added to a mixed solution of hyaluronic acid triethylamine salt (100 mg) / DMF solution 50 ml and 4-dimethylaminopyridine (DMAP) (0.125 mmol) / DMF solution (1 ml) with an average molecular weight of 800,000. Added under cooling, more triethylamine (0.25 mmol) was added. After stirring overnight at room temperature, 5% sodium hydrogen carbonate solution (2 ml) was added, poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further washed 3 times with 80% ethanol. The resulting precipitate was dissolved in water, dialyzed overnight against deionized water, and lyophilized to give 77 mg of the title compound as a white powder.
[0059]
The methotrexate introduction rate calculated by comparing the methotrexate content obtained from the calibration curve calculated in advance by the spectrophotometric method and the hyaluronic acid content obtained from the carbazole sulfate method was 2.7%.
Example 16
Synthesis of hyaluronic acid mixed acid anhydride and methotrexate modified hyaluronic acid (introduced by amide bond)
A sodium salt of hyaluronic acid having an average molecular weight of 800,000 was converted to a triethylamine salt by an ordinary method using an ion exchange resin. To 50 ml of a DMF solution of this triethylamine salt of hyaluronic acid (100 mg), a DMF solution (0.25 ml) of Mpt-Cl (0.25 mmol) was added under ice cooling to prepare a hyaluronic acid mixed acid anhydride.
[0060]
After 5 minutes, 1 ml of a DMF solution of methotrexate (0.25 mmol) and triethylamine (0.25 mmol) were added and stirred overnight at room temperature. After adding 5% sodium hydrogen carbonate solution (5 ml), the mixture was poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further washed three times with 80% ethanol, dissolved in water (10 ml), and dialyzed against deionized water for 3 days. Lyophilization gave 83 mg of the title compound as a white powder.
[0061]
The methotrexate introduction rate calculated by comparing the methotrexate content obtained from the calibration curve calculated in advance by the spectrophotometric method and the hyaluronic acid content obtained from the carbazole sulfate method was 3.0%.
Example 17
Synthesis of glutamine-modified hyaluronic acid (introduced by ester bond)
To a DMF solution (1 ml) of Fmoc-Gln-OH (1 mmol), a DMF solution (1 ml) of triethylamine (1 mmol) and Mpt-Cl (1 mmol) was added under ice cooling. After 5 minutes, this was added to a mixed solution of hyaluronic acid triethylamine salt (100 mg) / DMF solution 50 ml and 4-dimethylaminopyridine (DMAP) (0.5 mmol) / DMF solution (1 ml) with an average molecular weight of 800,000. Added under cooling, more triethylamine (1 mmol) was added. After stirring at room temperature for 5 hours, 5% sodium hydrogen carbonate solution (2 ml) was added, poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was further washed three times with 80% ethanol, dissolved in water (10 ml) and dialyzed against deionized water for 1 day. When lyophilized, 127 mg of Fmoc-Gln-hyaluronic acid was obtained as a white powder.
[0062]
The glutamine introduction rate calculated by comparing the Fmoc-Gln-OH content obtained from the calibration curve calculated in advance by the spectrophotometric method and the hyaluronic acid content obtained from the carbazole sulfate method was 31.3%.
Further, 15% diethylamine aqueous solution (20 ml) was added to 57 mg of this Fmoc-Gln-hyaluronic acid under ice cooling, and the mixture was stirred at room temperature for 1 hour. A 5% sodium hydrogen carbonate solution (2 ml) was added, poured into sodium acetate saturated ethanol, and the resulting precipitate was centrifuged. The resulting precipitate was washed with 80% ethanol, dissolved in water (10 ml), and dialyzed against deionized water for 1 day. Lyophilization gave 39 mg of the title compound as a white powder.
[0063]
Example 18
Elongation of peptides on chondroitin sulfate
Fmoc-leucine (0.5 mmol) was reacted with Mpt-Cl in the same manner as in Example 3 to obtain a mixed acid anhydride. To this was added dropwise a water-DMF (1: 1) solution (4 ml) of hexanediamine-conjugated chondroitin sulfate (average molecular weight 30,000, spacer introduction rate 32%, 100 mg) synthesized in Preparation Example 1, and triethylamine (0. 5 mmol) was added. Post-treatment was conducted in the same manner as in Example 3 to obtain 99 mg of Fmoc-Leu-hexanediamine-chondroitin sulfate as a white powder. The introduction rate of leucine determined from 270 MHz proton NMR was 18% with respect to the carboxyl group of chondroitin sulfate (100% with respect to the spacer). A 10% aqueous diethylamine solution (5 ml) was added to Fmoc-Leu-hexanediamine-chondroitin sulfate (95 mg) under ice cooling, and the mixture was allowed to stand for 1 hour. After dialysis with deionized water for 2 days, filtration through a 0.22 micron filter and lyophilization, 85 mg of Leu-hexanediamine-chondroitin sulfate was obtained as a white powder. As a result of 270 MHz proton NMR measurement, a signal derived from leucine remained, and a signal derived from the Fmoc group disappeared.
[0064]
Similarly, the binding of Fmoc-phenylalanine, Fmoc-glycine, Fmoc-glycine, and Fmoc-tyrosine and the removal of the Fmoc group were repeated, and finally leucine enkephalin-modified chondroitin sulfate was obtained.
[0065]
【The invention's effect】
As described above, the present invention is useful as a new method for producing a GAG derivative that is promising as a raw material for DDS and medical materials. Furthermore, since the production method of the present invention is a reaction under mild conditions, there are few side reactions such as low molecular weight of GAG, the reaction time is short, and the mixed acid anhydride is relatively stable. This is an excellent method in that the rate control is relatively easy. Furthermore, it can be reacted (acylated) in a water-containing organic solvent.
[0066]
In addition, GAG derivatives bound by physiologically active substances such as indomethacin, adriamycin, and salazosulfapyridine produced by the method of the present invention are superior to those of the physiologically active substance alone in terms of water solubility and sustained activity. Expected to be effective.
[Brief description of the drawings]
1 is a graph showing the relationship between the amount of indomethacin charged and the introduction rate in Example 8. FIG. In the figure, (mol / mol) indicates the number of moles of indomethacin / the number of moles of hyaluronic acid (disaccharide).
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