JP4014935B2

JP4014935B2 - Objective lens for optical head

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Publication number: JP4014935B2
Application number: JP2002162604A
Authority: JP
Inventors: 晃一丸山; 修一竹内
Original assignee: ペンタックス株式会社
Priority date: 2001-06-13
Filing date: 2002-06-04
Publication date: 2007-11-28
Anticipated expiration: 2022-06-04
Also published as: JP2003066327A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録密度が異なる少なくとも２種類の光ディスクに対して利用可能な光ディスクヘッド用の対物レンズに関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、光ディスクの記録密度と記録面上に形成されるスポットの径との間には密接な関係がある。すなわち、スポット径は、記録面上のトラック幅を過不足なくカバーするサイズであることが要求される。記録密度が高い場合には、トラック幅は狭くなるため、スポット径を小さくする必要がある。他方、記録密度が低い場合には、トラック幅が広くなるため、スポット径を大きくする必要がある。トラック幅に対してスポット径が大きすぎると、隣接するトラックの情報がノイズ(ジッター)として混入する可能性があり、逆にトラック幅に対してスポット径が小さすぎると、特にＣＤ(コンパクトディスク)のように光の回折を利用して信号を再生する方式では、十分な回折効果が得られずに信号を読み落とす可能性がある。
【０００３】
スポット径は、波長が短いほど、かつ、ＮＡが大きいほど小さくなるため、記録密度が高いＤＶＤ(デジタルバーサタイルディスク)用の光学系では比較的短波長、高ＮＡであること、記録密度の低いＣＤ用の光学系では比較的長波長、低ＮＡであることが要求される。また、ＣＤ−Ｒ(ＣＤレコーダブル)を利用する場合には、その反射特性から780nm程度以上の長波長の光束が必要となる。したがって、ＤＶＤとＣＤ−Ｒとを利用可能な光ディスク装置は、650nm程度の比較的短波長の光束を発する光源と、780nm程度の比較的長波長の光束を発生する光源とを備える必要がある。
【０００４】
従来のＣＤ，ＤＶＤ両用の光ヘッド用光学系は、ＣＤの利用時にのみ開口を制限することにより、ＣＤ，ＤＶＤの両者に対して適切なサイズのスポットが形成されるようにしている。開口を制限するには、可変絞りや波長選択制フィルターを設ければよい。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のＣＤ，ＤＶＤ両用の光ヘッド用光学系のように、絞りやフィルターを別部品として設けると、部品点数が増えるため、重量、サイズが大きくなるという問題がある。
【０００６】
一方、対物レンズの表面に回折レンズ構造を形成し、その波長依存性を利用して２つの波長、２種類の光ディスクに応じて最適な波面を形成する技術が提案されている。この技術において、一般的には、回折レンズ構造を構成する各輪帯の境界は、回折レンズ構造による光路長の付加量がブレーズ波長のｍ(整数)倍となる位置として、光路差関数(回折光と非回折光との光路長差を光軸からの高さを変数として求める関数)に基づいて幾何的に求められる。このようにして境界を決定した回折レンズ構造は、ｍ次回折光を使うことになる。
【０００７】
しかしながら、輪帯の境界を上記のように決定すると、高NA専用領域の回折レンズ構造は、記録密度が低い光ディスクの利用時の不要光を十分に拡散させることができない場合がある。
【０００８】
この発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、絞りやフィルターを別部品として設けることなく、記録密度が低い光ディスクの利用時の不要光を十分に拡散させることができる光ヘッド用対物レンズの提供を目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本願の第１の発明にかかる光ヘッド用対物レンズは、上記の目的を達成させるため、高NA専用領域の巨視的形状及びこの領域内に形成される回折レンズ構造を定義する光路差関数を、記録密度の高い光ディスクに対応する波長の光をほぼ一点に集光させるように定め、高NA専用領域内に形成される回折レンズ構造に含まれる輪帯間の境界の少なくとも一部を、記録密度の低い光ディスクに対応する波長の光を十分に発散させるように、光路差関数により求められる境界とは異なる位置に設定したことを特徴とする。具体的には、記録密度の低い光ディスクに対応する波長の光に対し、輪帯の内周側の端と外周側の端とで波面収差の差が 0.6 λ以上の幅広輪帯を含むことが望ましい。
【００１０】
すなわち、第１の発明の光ヘッド用対物レンズは、正のパワーを有する屈折レンズと、この屈折レンズの少なくとも一方のレンズ面の少なくとも一部に形成された微細な段差を有する複数の輪帯から成る回折レンズ構造とを有し、少なくとも２つの異なる波長の光束を記録密度の異なる少なくとも二種類の光ディスクの記録面に対してそれぞれ収束させることを前提として、屈折レンズを、記録密度の低い光ディスクに必要充分な低NAの光束が透過する共用領域と、この共用領域の周囲に位置し、記録密度の高い光ディスクに対してのみ必要な高NAの光束が透過する高NA専用領域とに区分し、高NA専用領域に形成された回折レンズ構造に含まれる各輪帯の境界を、上記のように個別に設定したことを特徴とする。
【００１１】
開口制限機能を持たせるためには、高NA専用領域の回折レンズ構造の回折次数を２次、あるいは３次というように一律に決めるのではなく、当該領域全体を通る光のバランスを考える必要がある。特に、光ディスク用の光源はほぼ単色光と考えることができるため、異なる次数が混在していてもよい。高記録密度の光ディスクに対応する波長の光に対しては、全ての輪帯に入射した光がほぼ一点に集光するような面群を形成することが前提となるが、このような面群の構成にはかなり自由度がある。そこで、この前提を満たしつつ、各輪帯の幅、すなわち各輪帯の境界を個別に設定することにより、低記録密度の光ディスクに対応する波長の光を十分に発散させることができる。この場合、通常のレーザーの波長変動は設計波長から３％程度のずれであるので、ベースカーブから数λの偏差以内の形状であれば光路差関数により決定される段差の位置をずらしても、所望の波長特性を得ることができる。
【００１２】
本願の第２の発明にかかる光ヘッド用対物レンズは、高NA専用領域に形成された複数の輪帯から構成される回折レンズ構造の一部に、記録密度の低い光ディスクに対応する集光点を評価基準としたときに、記録密度の低い光ディスクに対応する波長について内周側の端と外周側の端とで光路長差が０．６λ以上の幅を持つ幅広輪帯を含ませたことを特徴とする。
【００１３】
すなわち、この発明にかかる光ヘッド用対物レンズは、正のパワーを有する屈折レンズと、この屈折レンズの少なくとも一方のレンズ面に形成された微細な段差を有する複数の輪帯から成る回折レンズ構造とを有し、少なくとも２つの異なる波長の光束を記録密度の異なる少なくとも二種類の光ディスクの記録面に対してそれぞれ収束させることを前提として、屈折レンズを、記録密度の低い光ディスクに必要充分な低NAの光束が透過する共用領域と、この共用領域の周囲に位置し、記録密度の高い光ディスクに対してのみ必要な高NAの光束が透過する高NA専用領域とに区分し、高NA専用領域に形成された回折レンズ構造に、上記のような幅広輪帯を含ませたことを特徴とする。
【００１４】
高NA専用領域の回折レンズ構造は、記録密度の高い光ディスクに対して無収差となるよう設計されるため、記録密度の低い光ディスクに対しては波面収差を発生させる。ここで、高NA専用領域を透過した長波長の光束の位相が特定の方向に偏らずに全方向(360°)に平均して分布していることが望ましい。位相が全方向に平均して分布していれば、高NA専用領域を透過した長波長の光束を一点に集光させずに拡散させることができ、実質的に開口を制限することができる。
【００１５】
レンズの特定の領域を透過した光束が光ディスクの記録面上の任意の評価点において持つ強度は、その領域を透過した光束の波面収差を回折積分することにより求めることができる。波面収差の分布がある値に偏っていれば(位相の方向が偏っていれば)、積分値が大きくなり、その評価点に光束が集光する。反対に、領域内で波面収差の値が偏らずに１波長の範囲でばらついていれば(位相がある程度ランダムに分布していれば)、積分値が０に近くなり、その評価点には集光しないこととなる。
【００１６】
波面収差の値は、基準となる光路長に対する光路長差により決定される。したがって、個々の輪帯の幅が狭い場合、すなわち、所定の評価点に対して輪帯の内側の端から外側の端までの光路長の変化幅が小さい場合には、波面収差のばらつきが小さく光束が収束する。これに対して、輪帯の内側の端から外側の端までの光路長の変化幅が１波長分あれば、波面収差は１波長の範囲でばらつき、その評価点には光は収束しないこととなる。なお、光路長差は、必ずしも１波長分である必要はなく、０．６λ以上であれば、評価点に集光しない程度に波面収差の値をばらつかせることができる。
【００１７】
この発明では、上記の原理に基づいて高NA専用領域の回折レンズ構造に光路長差が０．６λより大きくなる幅広輪帯を含ませている。この構成によれば、記録密度の高い光ディスクの利用時には、共用領域の回折レンズ構造により回折された回折光と、高NA専用領域の回折レンズ構造により回折された回折光とが共に良好に収束して比較的径の小さいスポットを形成する。一方、記録密度の低い光ディスクの利用時には、共用領域の回折レンズ構造により回折された回折光は良好に収束するが、高NA専用領域に形成された回折レンズ構造により回折された光束は一点には集光せずに拡散される。したがって、対物レンズの開口は共用領域に制限されて低NAとなるため、比較的径の大きなスポットが形成され、かつ、スポット近傍に不要光が集光するのを防ぐことができる。
【００１８】
なお、高NA専用領域に形成された回折レンズ構造は、記録密度の高い光ディスクの使用時に良好な性能が得られるよう特化することができるため、レーザーの波長変動による影響をなくすために色収差を補正したり、温度変化による屈折率変化、変形に起因する収差を補正する機能を持たせることができる。ただし、高NA専用領域に形成された回折レンズ構造における輪帯の境界部分の光軸方向の段差が１波長分である場合には、上記のような記録密度が低い光ディスクの使用時における開口制限の機能を持たせると、収差補正機能を持たせることが困難である。
【００１９】
そこで、高NA専用領域に形成された回折レンズ構造に上記のような収差補正機能を持たせる場合には、幅広輪帯の境界部分に、記録密度の高い光ディスクに対応する波長のｍ倍(ｍは２以上の整数)、例えば３倍、４倍、あるいは５倍の光路長差を持つ段差を形成することが望ましい。これにより、高NA専用領域に形成された回折レンズ構造に収差補正機能と開口制限機能とを併せ持たせることができる。
【００２０】
ただし、上記のように段差が大きくなると、対物レンズを樹脂成形で制作する場合に、成形条件によっては型の凹部が深くなって樹脂が完全に入り込まず、回折レンズ構造の段差の凸部がなまり、設計値通りの回折効果が得られず光量損失が大きくなる可能性がある。一般に、成形時間を短くする成形条件では、凸部の角がなまりやすい。
【００２１】
このような凸部の角部分のなまりを避けるためには、波長のｍ倍の光路長差を持つ段差を１波長分づつステップ状に形成し、各ステップ毎に幅狭輪帯を形成することが望ましい。段差を１波長分づつ分けることにより、光学的には波長のｍ倍の光路長差を持つ段差と等価でありながら、成型時の形状のなまりを防ぐことができ、光量損失を抑えることができる。
【００２２】
段差部分に幅狭輪帯を形成する場合、記録密度の低い光ディスクに対応する波長をλh、空気の屈折率をｎ0、屈折レンズの屈折率をｎ1、輪帯幅をＷとして、幅広輪帯は以下の条件(1)を満たし、幅広輪帯に挟まれた幅狭輪帯は以下の条件(2)を満たすことが望ましい。
10λh/(ｎ0 − ｎ1)＜Ｗ …(1)
λh/(ｎ0 − ｎ1)＜Ｗ＜10λh/(ｎ0 − ｎ1) …(2)
【００２３】
幅狭輪帯は、内周側の端と外周側の端とで与えられる光路長差が小さいため、記録密度の低い光ディスクの集光点を評価点とすると、波面収差のばらつきが小さく、光を集光させる。しかしながら、幅狭輪帯の幅を上記の条件(2)を満たす程度に抑えることにより、透過する光量を少なくすれば、強度を抑えることができるため、その影響は小さく抑えられる。
【００２４】
記録密度の低い光ディスクに対応する集光点を評価基準としたときに、記録密度の低い光ディスクに対応する波長について、幅広輪帯の内周側の端と外周側の端とで与えられる光路長差ΔＯＰＤは、０．６λ以上であれば効果があるが、以下の条件(3)を満たすことがより望ましい。
０．７５λ＜ΔＯＰＤ＜１．２５λ …(3)
【００２５】
光路長差を２λ以上にすれば、拡散光はより大きく広がるため記録密度の低い光ディスクの使用時の開口制限の機能を高めることはできるが、記録密度の高い光ディスクに対する収差補正の機能が低下する。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる光ヘッド用対物レンズの実施形態を説明する。図１は、実施形態にかかる対物レンズ１０を示す説明図であり、(Ａ)は正面図、(Ｂ)は縦断面図、(Ｃ)は縦断面の一部拡大図である。この対物レンズ１０は、ＤＶＤ、ＣＤ、ＣＤ−Ｒ互換の光情報記録再生装置の光ヘッドに適用され、光源である半導体レーザーから発したレーザー光を光ディスク等の媒体上に収束させる機能を有している。
【００２７】
対物レンズ１０は、非球面である２つのレンズ面１１，１２を有する両凸の樹脂製単レンズであり、一方のレンズ面１１に図１(Ａ)に示したように光軸を中心とした輪帯状のパターンとして回折レンズ構造が形成されている。回折レンズ構造は、各輪帯の境界に光軸方向の段差を持つ。
【００２８】
対物レンズ１０の表面は、記録密度の低いＣＤ，ＣＤ−Ｒ等の光ディスクに必要充分な低NAの光束が透過する共用領域Ｒｃと、この共用領域Ｒｃの周囲に位置し、ＤＶＤ等の記録密度の高い光ディスクに対してのみ必要な高NAの光束が透過する高NA専用領域Ｒｈとに区分される。回折レンズ構造は、共用領域Ｒｃ、高NA専用領域Ｒｈを含む全域に形成される。なお、共用領域は、NA0.45〜0.50の光束が透過するより内側の領域として設定される。
【００２９】
図２は図１に示す光ヘッド用対物レンズを使用した光ヘッドの光学系の説明図である。この光学系は、ＤＶＤ用モジュール２１、ＣＤ用モジュール２２、ビームコンバイナ２３、コリメートレンズ２４、対物レンズ１０で構成されている。各モジュール２１，２２は、半導体レーザーとセンサーとを一体化した素子である。
【００３０】
記録密度の高いＤＶＤを使用するためには、小さいビームスポットを作るために比較的短い波長の光が必要とされる。一方、記録密度の低いＣＤ，ＣＤ−Ｒを使用するためには、比較的大きなビームスポットを形成するために長い波長の光が必要とされ、かつ、少なくともＣＤ−Ｒを使用するためには、その分光反射率の関係で近赤外光が必要となる。そこで、ＤＶＤ用モジュール２１は、発振波長６５４ｎｍの半導体レーザーを備え、ＣＤ用モジュール２２は、発振波長７８８ｎｍの半導体レーザーを備える。
【００３１】
ＤＶＤ(図中実線で示す)の使用時には、ＤＶＤモジュール２１を作動させる。ＤＶＤモジュール２１の半導体レーザーから発した波長６５４ｎｍのレーザー光は、図中実線で示したようにＤＶＤの情報記録面に集光する。他方、ＣＤ，ＣＤ−Ｒの使用時(図中では代表してＣＤを示す)には、ＣＤモジュール２２を作動させる。ＣＤモジュール２２の半導体レーザーから発した波長７８８ｎｍのレーザー光は、図中破線で示したようにＣＤの情報記録面に集光する。
【００３２】
対物レンズ１０の共用領域Ｒｃに形成された回折レンズ構造は、使用される複数の波長、この例では６５４ｎｍ，７８８ｎｍの２波長について１次の回折光の回折効率が最大となるように設計されている。また、共用領域Ｒｃの回折レンズ構造は、０．６ｍｍの保護層を有するＤＶＤと、１．２ｍｍの保護層を有するＣＤ，ＣＤ−Ｒとに対し、使用波長の切換により球面収差の変化を補正するような波長依存性を有している。具体的には、入射光の波長が長波長側に変化した際に、球面収差が補正不足となる方向に変化する球面収差特性を有している。
【００３３】
光ディスク光学系の球面収差は、保護層の厚さが厚くなるほど補正過剰となる方向に変化する。一方、保護層の薄いＤＶＤについては短波長、保護層の厚いＣＤ，ＣＤ−Ｒについては長波長のレーザー光が用いられる。そこで、上記のように回折レンズ構造に波長が長波長に変化した場合に球面収差が補正不足となる方向に変化する特性を持たせることにより、保護層が厚くなることにより補正過剰となる球面収差を、回折レンズ構造の補正不足方向の球面収差を利用して打ち消すことができる。
【００３４】
一方、高NA専用領域Ｒｈに形成された回折レンズ構造は、記録密度の高いＤＶＤに対応する６５４ｎｍの光束を集光させる機能と、記録密度の低いＣＤに対応する７８８ｎｍの光束を拡散させる開口制限機能とを備えている。すなわち、高NA専用領域Ｒｈに形成された回折レンズ構造は、複数の輪帯から構成され、一部の輪帯の境界は、ＤＶＤに対応する波長654nmの光をほぼ一点に集光させると共に、ＣＤに対応する波長788nmの光を十分に発散させるように、回折レンズ構造を定義する光路差関数により求められる境界とは異なる位置に設定されている。具体的には、輪帯の一部に、ＣＤに対応する集光点を評価基準としたときに、ＣＤに対応する７８８ｎｍの波長について内周側の端と外周側の端とで光路長差が０．６λ以上の幅を持つ幅広輪帯を少なくとも１つ含んでいる。
【００３５】
次に、上述した実施形態に基づく具体的な実施例３例と、実施例の基本となる比較例とについて説明する。いずれも保護層の厚さが0.6mmのＤＶＤと、保護層の厚さが1.2mmのＣＤ、ＣＤ−Ｒとに兼用される光ヘッド用の対物レンズである。比較例と３つの実施例とは、共用領域、高NA専用領域のベースとなる非球面形状、回折レンズ構造を定義する光路差関数の値、そして共用領域に形成される回折レンズ構造の具体的形状が共通であり、高NA専用領域に形成される回折レンズ構造の具体的な形状のみが異なる。
【００３６】
比較例は、高NA専用領域に形成される回折レンズ構造の各輪帯が、ＤＶＤに対応する波長(654nm)について、内周側の端と外周側の端とで光路長差が１波長分となる幅に定められており、輪帯の境界部分の段差は、段差の内側と外側とで光路長差が１波長分となるよう定められている。高NA専用領域に形成される回折レンズ構造の各輪帯の幅は、ＣＤに対応する波長(788nm)については０．６λに満たない。すなわち、比較例の高NA専用領域に形成される回折レンズ構造は、前述した幅広輪帯を含まない。これに対して３つの実施例は、高NA専用領域に形成される回折レンズ構造の輪帯のうちの少なくとも一部に、幅広輪帯を含んでいる。
【００３７】
【比較例】
以下の表１は、比較例の対物レンズのデータを示す。比較例の対物レンズの第１面は、光軸からの高さｈが0≦h＜1.538となる共用領域と1.538≦h≦2.023となる高NA専用領域とに区分され、それぞれ互いに異なる光路差関数で定義される回折レンズ構造が形成されている。また、共用領域のベースカーブ(回折レンズ構造を除く屈折レンズとしての形状)と高NA専用領域のベースカーブとは別個の係数で定義される独立した非球面である。第２面は回折レンズ構造を有さない非球面である。
【００３８】
回折レンズ構造による光路長の付加量は、ｎ次(偶数次)の光路差関数係数Ｐn、回折次数ｍ、波長λを用いて、
φ(ｈ)＝(Ｐ₂ｈ²＋Ｐ₄ｈ⁴＋Ｐ₆ｈ⁶＋…）×ｍ×λ
により定義される光路差関数φ(ｈ)により表すことができる。光路差関数φ(ｈ)は、回折面上での光軸からの高さｈの点において、回折レンズ構造により回折されなかった場合の仮想的な光線と、回折レンズ構造により回折された光線との光路長差を示す。
【００３９】
また、非球面の形状は、光軸からの高さがｈとなる非球面上の座標点の非球面の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をＸ(h)、非球面の光軸上での曲率(1/r)をＣ、円錐係数をＫ、４次、６次、８次、１０次、１２次の非球面係数をA₄、A₆、A₈、A₁₀、A₁₂として、以下の式で表される。
Ｘ(h)=Ch²/(1+√(1-(1+K)C²h²))+A₄h⁴+A₆h⁶+A₈h⁸+A₁₀h¹⁰+A₁₂h¹²
【００４０】
表１では、第１面の共用領域のベースカーブと回折レンズ構造とを定義する各係数、第１面の高NA専用領域のベースカーブと回折レンズ構造とを定義する各係数、面間隔、使用波長での屈折率、そして、第２面の非球面形状を定義する各係数が示されている。
【００４１】
【表１】

【００４２】
比較例１の回折レンズ構造の共用領域Ｒcにおける輪帯番号Ｎと各輪帯の内周側の端の光軸からの高さhin、最外側の光軸からの高さhout、各輪帯の外周側の端部分での光軸を基準にした光路差関数の値φ(hout)の関係を以下の表２に示す。hin,houtの単位はｍｍ、φ(hout)の単位は波長である。光軸を含む円形の領域の輪帯番号を１とし、その外側の輪帯に内側から順に２，３，…と番号を付する。１〜１５輪帯が共用領域Ｒc、１６〜３５が高NA専用領域である。
【００４３】
【表２】

【００４４】
比較例１の回折レンズ構造の高NA専用領域Ｒｈにおける輪帯番号Ｎと各輪帯の内周側の端の光軸からの高さhin、最外側の光軸からの高さhout、各輪帯の外周側の端部分での光軸を基準にした光路差関数の値φ(hout)、輪帯幅(Ｗ)、ＣＤの集光点を評価点としたときの内周側の端での波面収差(WFin)、外周側の端での波面収差(WFout)、内周側の端と外周側の端との波面収差の差(ΔWF、光路長差と等価)との関係を以下の表３に示す。
【００４５】
【表３】

【００４６】
図３は、比較例の対物レンズに形成された回折レンズ構造のサグ量、すなわちベースカーブを基準にした回折レンズ構造の凹凸形状を示すグラフである。光軸からの高さhが1.40mm〜2.00mmの範囲、すなわち、共用領域Ｒcの周辺部から高NA専用領域のほぼ最外周部分までを示している。h=1.538mmの部分の大きな段差が共用領域Ｒcと高NA専用領域Ｒｈとの境界を示す。表３および図３に示されるように、高NA専用領域Ｒｈの最も内周側の輪帯は、内周側の端と外周側の端とで波面収差の差ΔWFが0.54λ、これより外側の輪帯はいずれもΔWFが0.24λあるいは0.25λであり、ΔWFが0.6λ以上の幅広輪帯を含んでいない。
【００４７】
比較例の対物レンズの高NA専用領域に形成された回折レンズ構造は、ＤＶＤ使用時に良好な性能が得られるように、レーザーの波長変動による影響をなくすよう色収差を補正する機能と、温度変化による屈折率変化、変形に起因する収差を補正する機能とを有する。
【００４８】
図４は、比較例の対物レンズによりＣＤに対応する波長の光を集光させた場合の光量分布を示すグラフであり、光軸上の光量を１として光軸からの距離と光量比との関係を示す。ただし、ＣＤ利用時のスポット近傍の光量を示すため、縦軸の上限を0.005としている。このため、中心に近い部分の光量は上限を越えており、表示されていない。
【００４９】
比較例の構成では、個々の輪帯の幅がＣＤ利用時の波長に対して０．６λより狭く、輪帯の内側の端から外側の端までの光路長の変化幅が小さいため、ＣＤ利用時の波面収差のばらつきが小さく、ＣＤ利用時に高NA専用領域を透過した不要光を十分に拡散させることができない。このため、比較例では、図４に示されるようにＣＤ利用時のスポット近傍(5〜10μm)の光量が比較的大きくなる。すなわち、比較例の高NA専用領域に形成された回折レンズ構造は、ＤＶＤに対する収差補正機能には優れているが、ＣＤ利用時の開口制限の機能が不十分である。したがって、ＣＤ再生時のトラッキング方法に３ビーム法を用いる場合のように、主ビームを受光するメインセンサに近接して副ビームを受光するトラッキング用センサが配置されていると、主ビームのフレアが比較的強い強度でトラッキング用センサに入射し、トラッキングエラー信号にノイズを発生させるといった問題を生じる。
【００５０】
【実施例１】
表４は、実施例１にかかる対物レンズ１０の高NA専用領域に形成された回折レンズ構造のデータを示す。実施例１では、最外周の輪帯を除く高NA専用領域の回折レンズ構造の５つの輪帯が、ＣＤに対応する波長について内周側の端と外周側の端とで光路長差が１波長分の幅を持つ幅広輪帯として形成されている。ただし、輪帯間の段差は、比較例と同様にＤＶＤに対応する波長で１波長分の光路長差を与えるように設定されている。
【００５１】
【表４】

【００５２】
図５は、実施例１の対物レンズに形成された回折レンズ構造のサグ量を示すグラフである。h=1.538mmの部分の段差が共用領域Ｒcと高NA専用領域Ｒｈとの境界を示す。表４および図５に示されるように、高NA専用領域Ｒｈの内周側の５つの輪帯は、内周側の端と外周側の端とで波面収差の差ΔWFが1.00λ、最も外側の輪帯はΔWFが0.27λであり、ΔWFが0.6λ以上の幅広輪帯を５つ含んでいる。
【００５３】
図６は、実施例１の対物レンズによりＣＤに対応する波長の光を集光させた場合の光量分布を示すグラフであり、比較例のデータを破線、実施例１のデータを実線で示している。
【００５４】
実施例１の構成では、輪帯の内側の端から外側の端までの光路長の変化幅がＣＤ利用時の波長で１波長分あるため、波面収差が１波長の範囲でばらつき、図６に示すように、ＣＤ利用時に影響を与えるスポット近傍(5〜10μm)の光量を比較例より小さく抑えることができる。ただし、上記のように輪帯間の段差が１波長分としてＣＤ利用時の開口制限機能を持たせると、ＤＶＤ利用時に収差を十分に補正することができなくなる。すなわち、実施例１の高NA専用領域に形成された回折レンズ構造は、ＣＤ利用時の開口制限の機能には優れているが、ＤＶＤに対する収差補正機能が不十分である。このため、ＤＶＤ利用時の温度変化、波長変化に対する許容幅が狭くなる。
【００５５】
【実施例２】
表５は、実施例２にかかる対物レンズ１０の高NA専用領域に形成された回折レンズ構造のデータを示す。実施例２では、高NA専用領域の最内周の輪帯を幅広輪帯とし、これより外側の輪帯を比較例と同様に構成している。また、幅広輪帯と、次の外側の輪帯との間の段差がＤＶＤ利用時の波長のｍ倍、ここでは５倍の光路長差を持つよう形成されている。
【００５６】
【表５】

【００５７】
図７は、実施例２の対物レンズに形成された回折レンズ構造のサグ量を示すグラフである。h=1.538mmの部分の大きな段差が共用領域Ｒcと高NA専用領域Ｒｈとの境界を示す。表５および図７に示されるように、高NA専用領域Ｒｈの最も内周側の輪帯は、内周側の端と外周側の端とで波面収差の差ΔWFが1.49λ、これより外側の輪帯はΔWFが0.24λまたは0.25λであり、ΔWFが0.6λ以上の幅広輪帯を１つ含んでいる。
【００５８】
図８は、実施例２の対物レンズによりＣＤに対応する波長の光を集光させた場合の光量分布を示すグラフであり、比較例のデータを破線、実施例２のデータを実線で示している。
【００５９】
実施例２の構成では、幅広輪帯を１つ設けることにより、図８に示すように、ＣＤ利用時に影響を与えるスポット近傍(5〜10μm)の光量を比較例より小さく抑えることができ、しかも、段差を光路長差５波長分とすることにより、ＤＶＤ利用時における温度変化や波長の変化に対する波面収差の劣化を比較例と同様に小さく抑えることができる。すなわち、実施例２の高NA専用領域に形成された回折レンズ構造は、ＣＤ利用時の開口制限の機能と、ＤＶＤに対する収差補正機能とが共に優れている。
【００６０】
【実施例３】
表６は、実施例３にかかる対物レンズ１０の高NA専用領域に形成された回折レンズ構造のデータを示す。実施例３では、高NA専用領域に４つの幅広輪帯を形成すると共に、その段差を光路長差５波長分とし、かつ、この段差を１波長分ずつステップ状に形成し、各ステップ毎に幅狭輪帯を形成している。すなわち、各幅広輪帯の間に４つの幅狭輪帯が挟まれるように配置されている。
【００６１】
【表６】

【００６２】
図９は、実施例３の対物レンズに形成された回折レンズ構造のサグ量を示すグラフである。h=1.538mmの部分の大きな段差が共用領域Ｒcと高NA専用領域Ｒｈとの境界を示す。表６および図９に示されるように、高NA専用領域Ｒｈの輪帯番号１６、２１、２６、３１の輪帯は、内周側の端と外周側の端とで波面収差の差ΔWFが約１λの幅広輪帯、これらの間の輪帯はΔWFが0.03λ〜0.06λの幅狭輪帯である。
【００６３】
輪帯間の段差を大きくすると、成形条件によっては型の凹部が深くなって樹脂が完全に入り込まず、成型品の段差の凸部がなまり、設計値通りの回折効果が得られず光量損失が大きくなる可能性がある。実施例３のように、大きな段差部分を１波長分ずつのステップに分けて幅狭輪帯を形成すれば、光学的には波長の５倍の光路長差を持つ段差と等価でありながら、成型時の形状のなまりを防ぐことができ、光量損失を抑えることができる。
【００６４】
このように光路長差が複数波長分となる段差部分に幅狭輪帯を形成する場合、ＣＤ利用時の波長をλh、空気の屈折率をｎ0、対物レンズの屈折率をｎ1、輪帯幅をＷとして、幅広輪帯は以下の条件(1)を満たし、幅広輪帯に挟まれた幅狭輪帯は以下の条件(2)を満たすよう設計される。
10λh/(ｎ0 − ｎ1)＜Ｗ …(1)
λh/(ｎ0 − ｎ1)＜Ｗ＜10λh/(ｎ0 − ｎ1) …(2)
【００６５】
具体的には、条件(2)に規定される幅狭輪帯の幅は、約0.0016〜0.0158mmの範囲であり、実施例３の幅狭輪帯はすべてこの条件を満たしている。幅狭輪帯は輪帯幅が狭いために波面収差のばらつきが小さく、幅狭領域を透過した光束はスポット近傍に集光する。しかし、幅狭輪帯の幅を条件(2)を満たす程度に抑えることにより、透過する光量を少なくし、強度を抑えることができるため、集光する光束の与える影響は小さく抑えられる。
【００６６】
図１０は、実施例３の対物レンズによりＣＤに対応する波長の光を集光させた場合の光量分布を示すグラフであり、比較例のデータを破線、実施例３のデータを実線で示している。
【００６７】
実施例３の構成では、幅広輪帯を４つ設けることにより、図１０に示すように、ＣＤ利用時に影響を与えるスポット近傍(5〜10μm)の光量を比較例より小さく抑えることができ、しかも、段差を光路長差５波長分とすることにより、ＤＶＤ利用時における温度変化や波長の変化に対する波面収差の劣化を比較例と同様に小さく抑えることができる。すなわち、実施例３の高NA専用領域に形成された回折レンズ構造は、ＣＤ利用時の開口制限の機能と、ＤＶＤに対する収差補正機能とが共に優れている。
【００６８】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、高NA専用領域に記録密度が低い光ディスクに対応する波長に対して０．６λ以上の光路長差を生じる幅広輪帯を少なくとも１つ設けることにより、記録密度が低い光ディスクの利用時に高NA専用領域に入射した光束を十分に拡散させることができる。したがって、絞りやフィルターを別部品として設けることなく、実質的に開口を制限することができ、記録密度が低い光ディスクに適したサイズのスポットを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施形態にかかる対物レンズの外形を示す説明図であり、(Ａ)は正面図、(Ｂ)は縦断面図、(Ｃ)は縦断面の一部拡大図である。
【図２】実施形態にかかる対物レンズを使用した光ヘッドの光学系の説明図である。
【図３】比較例の対物レンズに形成された回折レンズ構造のサグ量を示すグラフである。
【図４】比較例の対物レンズによりＣＤに対応する波長の光を集光させた場合の光量分布を示すグラフである。
【図５】実施例１の対物レンズに形成された回折レンズ構造のサグ量を示すグラフである。
【図６】実施例１の対物レンズによりＣＤに対応する波長の光を集光させた場合の光量分布を示すグラフである。
【図７】実施例２の対物レンズに形成された回折レンズ構造のサグ量を示すグラフである。
【図８】実施例２の対物レンズによりＣＤに対応する波長の光を集光させた場合の光量分布を示すグラフである。
【図９】実施例３の対物レンズに形成された回折レンズ構造のサグ量を示すグラフである。
【図１０】実施例３の対物レンズによりＣＤに対応する波長の光を集光させた場合の光量分布を示すグラフである。
【符号の説明】
１０対物レンズ
１１第１面
１２第２面
２１ＤＶＤ用モジュール
２２ＣＤ用モジュール
２３ビームコンバイナ
２４コリメートレンズ
ＤＶＤ，ＣＤ光ディスク[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an objective lens for an optical disk head that can be used for at least two types of optical disks having different recording densities.
[0002]
[Prior art]
In general, there is a close relationship between the recording density of an optical disc and the diameter of a spot formed on the recording surface. That is, the spot diameter is required to be a size that covers the track width on the recording surface without excess or deficiency. When the recording density is high, the track width becomes narrow, so it is necessary to reduce the spot diameter. On the other hand, when the recording density is low, the track width becomes wide, so the spot diameter needs to be increased. If the spot diameter is too large with respect to the track width, information on adjacent tracks may be mixed in as noise (jitter). Conversely, if the spot diameter is too small with respect to the track width, the CD (compact disc) is particularly large. As described above, in the method of reproducing the signal using the diffraction of light, there is a possibility that the signal is read out without obtaining a sufficient diffraction effect.
[0003]
Since the spot diameter is smaller as the wavelength is shorter and the NA is larger, the optical system for DVD (Digital Versatile Disc) having a high recording density has a relatively short wavelength and a high NA, and the CD has a low recording density. The optical system for use is required to have a relatively long wavelength and low NA. Further, when using a CD-R (CD recordable), a light beam having a long wavelength of about 780 nm or more is required due to its reflection characteristics. Therefore, an optical disc apparatus that can use a DVD and a CD-R needs to include a light source that emits a light beam with a relatively short wavelength of about 650 nm and a light source that generates a light beam with a relatively long wavelength of about 780 nm.
[0004]
In the conventional optical system for optical heads for both CD and DVD, the aperture is limited only when the CD is used, so that spots of an appropriate size are formed on both the CD and DVD. In order to limit the aperture, a variable aperture or a wavelength selective filter may be provided.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, when a diaphragm and a filter are provided as separate parts, as in the conventional optical system for optical heads for both CD and DVD, there is a problem that the number of parts increases and the weight and size increase.
[0006]
On the other hand, a technique has been proposed in which a diffractive lens structure is formed on the surface of an objective lens, and an optimum wavefront is formed according to two wavelengths and two types of optical disks by utilizing the wavelength dependency thereof. In this technique, generally, the boundary of each annular zone constituting the diffractive lens structure is defined as a position where the additional amount of the optical path length by the diffractive lens structure is m (integer) times the blaze wavelength. The optical path length difference between the light and the non-diffracted light can be obtained geometrically based on a function that obtains the height from the optical axis as a variable. The diffractive lens structure whose boundary is determined in this way uses m-th order diffracted light.
[0007]
However, when the boundaries of the annular zone are determined as described above, the diffractive lens structure in the high NA dedicated region may not be able to sufficiently diffuse unnecessary light when using an optical disk having a low recording density.
[0008]
The present invention has been made in view of the above-described problems of the prior art, and can sufficiently diffuse unnecessary light when using an optical disk having a low recording density without providing a diaphragm or a filter as a separate part. An object is to provide an objective lens for an optical head.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the objective lens for an optical head according to the first invention of the present application has an optical path difference function defining a macroscopic shape of a high NA dedicated region and a diffractive lens structure formed in the region. It is determined that light with a wavelength corresponding to an optical disk with a high recording density is collected at almost one point, and at least part of the boundary between the annular zones included in the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated area is recorded at the recording density. It is characterized in that it is set at a position different from the boundary obtained by the optical path difference function so as to sufficiently diverge light having a wavelength corresponding to an optical disc having a low optical density.Specifically, for light having a wavelength corresponding to an optical disk with a low recording density, there is a difference in wavefront aberration between the inner and outer ends of the annular zone. 0.6 It is desirable to include a wide annular zone of λ or more.
[0010]
That is, the objective lens for an optical head according to the first invention includes a refractive lens having positive power and a plurality of annular zones having fine steps formed on at least a part of at least one lens surface of the refractive lens. And a refractive lens on an optical disk with a low recording density on the premise that at least two light beams having different wavelengths converge on the recording surfaces of at least two types of optical disks with different recording densities. It is divided into a common area where necessary and low NA luminous flux is transmitted and a high NA dedicated area which is located around this shared area and transmits high NA luminous flux necessary only for optical disks with high recording density. The boundary of each annular zone included in the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region is individually set as described above.
[0011]
In order to provide an aperture limiting function, it is necessary to consider the balance of light passing through the entire area, rather than uniformly determining the diffraction order of the diffractive lens structure in the high NA dedicated area as second order or third order. is there. In particular, since the light source for an optical disk can be considered as almost monochromatic light, different orders may be mixed. For light of a wavelength corresponding to a high recording density optical disc, it is premised that a surface group is formed so that light incident on all the annular zones is condensed at almost one point. There is a considerable degree of freedom in the configuration of. Therefore, while satisfying this premise, by setting the width of each annular zone, that is, the boundary of each annular zone individually, light having a wavelength corresponding to an optical disk with a low recording density can be sufficiently diverged. In this case, since the wavelength variation of a normal laser is a deviation of about 3% from the design wavelength, if the shape is within a deviation of several λ from the base curve, even if the position of the step determined by the optical path difference function is shifted, Desired wavelength characteristics can be obtained.
[0012]
The objective lens for an optical head according to the second invention of the present application has a condensing point corresponding to an optical disk having a low recording density in a part of a diffractive lens structure composed of a plurality of annular zones formed in a high NA dedicated region. Was used as an evaluation criterion, and a wide ring zone having an optical path length difference of 0.6λ or more at the inner end and the outer end for a wavelength corresponding to an optical disk having a low recording density was included. It is characterized by.
[0013]
That is, an objective lens for an optical head according to the present invention includes a refractive lens having a positive power, and a diffractive lens structure including a plurality of annular zones having fine steps formed on at least one lens surface of the refractive lens. Provided that the refractive lens is made to converge at least two types of optical discs having different recording densities with respect to the recording surfaces of at least two types of optical discs. Is divided into a high NA dedicated area and a high NA dedicated area that is located around this shared area and transmits a high NA light flux that is necessary only for optical disks with high recording density. The formed diffractive lens structure includes the wide ring zone as described above.
[0014]
Since the diffractive lens structure in the high NA dedicated area is designed to be free of aberrations with respect to an optical disc with a high recording density, it generates wavefront aberration with respect to an optical disc with a low recording density. Here, it is desirable that the phase of the long-wavelength light beam transmitted through the high NA dedicated region is distributed in an average direction in all directions (360 °) without being biased in a specific direction. If the phase is distributed in an average direction in all directions, the long wavelength light beam transmitted through the high NA dedicated region can be diffused without converging at one point, and the aperture can be substantially limited.
[0015]
The intensity of the light beam transmitted through a specific region of the lens at any evaluation point on the recording surface of the optical disk can be obtained by diffracting and integrating the wavefront aberration of the light beam transmitted through the region. If the distribution of wavefront aberration is biased to a certain value (if the direction of the phase is biased), the integrated value becomes large, and the light beam is condensed at the evaluation point. On the other hand, if the wavefront aberration value does not deviate within the region and varies within the range of one wavelength (if the phase is distributed randomly to some extent), the integrated value is close to 0, and the evaluation points are collected. It will not light.
[0016]
The value of the wavefront aberration is determined by the optical path length difference with respect to the reference optical path length. Therefore, when the width of each annular zone is narrow, that is, when the change in the optical path length from the inner end to the outer end of the annular zone is small with respect to a predetermined evaluation point, the variation in wavefront aberration is small. The luminous flux converges. On the other hand, if the change in the optical path length from the inner end to the outer end of the annular zone is equivalent to one wavelength, the wavefront aberration varies in the range of one wavelength, and the light does not converge at the evaluation point. Become. Note that the optical path length difference does not necessarily have to be for one wavelength, and if it is 0.6λ or more, the value of the wavefront aberration can be varied to the extent that the light is not focused on the evaluation point.
[0017]
In the present invention, based on the above principle, a wide annular zone in which the optical path length difference is larger than 0.6λ is included in the diffractive lens structure in the high NA dedicated region. According to this configuration, when using an optical disk having a high recording density, both the diffracted light diffracted by the diffractive lens structure in the common area and the diffracted light diffracted by the diffractive lens structure in the high NA dedicated area converge well. To form a spot having a relatively small diameter. On the other hand, when using an optical disk with a low recording density, the diffracted light diffracted by the diffractive lens structure in the common area converges well, but the light beam diffracted by the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated area is at one point. Diffuse without condensing. Therefore, since the aperture of the objective lens is limited to the common area and has a low NA, a spot having a relatively large diameter can be formed, and unnecessary light can be prevented from being condensed near the spot.
[0018]
Note that the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated area can be specialized to obtain good performance when using an optical disk with a high recording density, so chromatic aberration can be reduced to eliminate the effects of laser wavelength fluctuations. It is possible to provide a function of correcting aberrations caused by corrections or changes in refractive index due to temperature changes. However, when the step in the optical axis direction of the boundary portion of the annular zone in the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region is for one wavelength, the aperture limitation when using the optical disk having the low recording density as described above is used. If this function is provided, it is difficult to provide an aberration correction function.
[0019]
Therefore, in the case where the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region has the aberration correction function as described above, m times the wavelength corresponding to the optical disk having a high recording density (m Is an integer of 2 or more), for example, it is desirable to form a step having a difference in optical path length of 3 times, 4 times, or 5 times. As a result, the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region can have both an aberration correction function and an aperture limiting function.
[0020]
However, when the step becomes large as described above, when the objective lens is produced by resin molding, depending on the molding conditions, the concave portion of the mold becomes deep and the resin does not completely enter, and the convex portion of the step of the diffractive lens structure becomes round. Therefore, there is a possibility that the diffraction effect as the design value cannot be obtained and the light loss is increased. In general, under the molding conditions that shorten the molding time, the corners of the convex portions tend to be rounded.
[0021]
In order to avoid such rounding of the corners of the convex part, a step having an optical path length difference of m times the wavelength is formed in steps of one wavelength, and a narrow annular zone is formed for each step. Is desirable. By dividing the step by one wavelength, it is optically equivalent to a step having an optical path length difference of m times the wavelength, but it is possible to prevent the shape from being rounded during molding and to suppress light loss. .
[0022]
When a narrow ring zone is formed in the stepped portion, the wavelength corresponding to an optical disk having a low recording density is λh, the refractive index of air is n0, the refractive index of the refractive lens is n1, and the ring zone width is W. It is desirable that a narrow ring zone that satisfies the following condition (1) and is sandwiched between wide ring zones satisfies the following condition (2).
10λh / (n0−n1) <W (1)
λh / (n0−n1) <W <10λh / (n0−n1) (2)
[0023]
The narrow ring zone has a small optical path length difference given between the inner and outer ends, and therefore, when the focusing point of an optical disc with a low recording density is used as an evaluation point, the variation in wavefront aberration is small. To collect light. However, by suppressing the width of the narrow annular zone to such an extent that the above condition (2) is satisfied, the intensity can be suppressed if the amount of transmitted light is reduced, so that the influence is suppressed to a small extent.
[0024]
The optical path length given by the inner and outer ends of the wide ring zone for the wavelength corresponding to the optical disc with the lower recording density when the focusing point corresponding to the optical disc with the lower recording density is used as the evaluation criterion. The difference ΔOPD is effective if it is 0.6λ or more, but it is more desirable to satisfy the following condition (3).
0.75λ <ΔOPD <1.25λ (3)
[0025]
If the optical path length difference is 2λ or more, the diffused light spreads larger, so that the function of limiting the aperture when using an optical disk with a low recording density can be improved, but the function of correcting aberrations for an optical disk with a high recording density is reduced. .
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of an objective lens for an optical head according to the present invention will be described. FIG. 1 is an explanatory view showing an objective lens 10 according to an embodiment, in which (A) is a front view, (B) is a longitudinal sectional view, and (C) is a partially enlarged view of the longitudinal section. This objective lens 10 is applied to an optical head of a DVD, CD, CD-R compatible optical information recording / reproducing apparatus, and has a function of converging a laser beam emitted from a semiconductor laser as a light source onto a medium such as an optical disk. ing.
[0027]
The objective lens 10 is a biconvex resin single lens having two

lens surfaces

11 and 12 which are aspherical surfaces, and the optical axis is centered on one lens surface 11 as shown in FIG. A diffractive lens structure is formed as an annular pattern. The diffractive lens structure has a step in the optical axis direction at the boundary of each annular zone.
[0028]
The surface of the objective lens 10 is located in the shared area Rc through which a light beam having a low NA necessary and sufficient for an optical disk such as a CD or CD-R having a low recording density is transmitted, and the recording density of a DVD or the like. It is divided into a high NA dedicated area Rh through which a high NA light beam required only for a high optical disc is transmitted. The diffractive lens structure is formed in the entire region including the common region Rc and the high NA dedicated region Rh. Note that the common area is set as an area on the inner side where the light flux of NA 0.45 to 0.50 is transmitted.
[0029]
FIG. 2 is an explanatory diagram of an optical system of an optical head using the optical head objective lens shown in FIG. This optical system includes a DVD module 21, a CD module 22, a beam combiner 23, a collimator lens 24, and the objective lens 10. Each of the

modules

21 and 22 is an element in which a semiconductor laser and a sensor are integrated.
[0030]
In order to use a DVD having a high recording density, light having a relatively short wavelength is required to produce a small beam spot. On the other hand, in order to use CD and CD-R having a low recording density, light having a long wavelength is required to form a relatively large beam spot, and at least to use CD-R, Near-infrared light is required because of the spectral reflectance. Therefore, the DVD module 21 includes a semiconductor laser having an oscillation wavelength of 654 nm, and the CD module 22 includes a semiconductor laser having an oscillation wavelength of 788 nm.
[0031]
When using a DVD (indicated by a solid line in the figure), the DVD module 21 is operated. Laser light having a wavelength of 654 nm emitted from the semiconductor laser of the DVD module 21 is focused on the information recording surface of the DVD as shown by the solid line in the figure. On the other hand, when the CD or CD-R is used (CD is representatively shown in the figure), the CD module 22 is operated. Laser light with a wavelength of 788 nm emitted from the semiconductor laser of the CD module 22 is condensed on the information recording surface of the CD as shown by the broken line in the figure.
[0032]
The diffractive lens structure formed in the shared region Rc of the objective lens 10 is designed so that the diffraction efficiency of the first-order diffracted light is maximized with respect to a plurality of wavelengths used, in this example, two wavelengths of 654 nm and 788 nm. Yes. In addition, the diffractive lens structure in the common region Rc corrects changes in spherical aberration by switching the wavelength used for DVDs having a protective layer of 0.6 mm and CDs and CD-Rs having a protective layer of 1.2 mm. It has such wavelength dependency. Specifically, it has a spherical aberration characteristic that changes in a direction in which the spherical aberration is undercorrected when the wavelength of the incident light changes to the longer wavelength side.
[0033]
The spherical aberration of the optical disk optical system changes in the direction of overcorrection as the thickness of the protective layer increases. On the other hand, a short wavelength laser beam is used for a DVD with a thin protective layer, and a long wavelength laser beam is used for a CD or CD-R with a thick protective layer. Therefore, as described above, when the diffractive lens structure has a characteristic in which the spherical aberration changes in the direction of undercorrection when the wavelength changes to a long wavelength, the spherical aberration becomes overcorrected due to the thicker protective layer. Can be canceled using spherical aberration in the direction of insufficient correction of the diffractive lens structure.
[0034]
On the other hand, the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region Rh has a function of condensing a 654 nm light beam corresponding to a DVD having a high recording density and an aperture limit for diffusing a 788 nm light beam corresponding to a CD having a low recording density. With functionality. That is, the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region Rh is composed of a plurality of annular zones, and the boundary of a part of the annular zones condenses light having a wavelength of 654 nm corresponding to the DVD at almost one point, It is set at a position different from the boundary determined by the optical path difference function that defines the diffractive lens structure so that light having a wavelength of 788 nm corresponding to CD is sufficiently diverged. Specifically, the optical path length difference between the inner peripheral side end and the outer peripheral side end with respect to the wavelength of 788 nm corresponding to the CD when the condensing point corresponding to the CD is used as an evaluation standard in a part of the annular zone. Includes at least one wide annular zone having a width of 0.6λ or more.
[0035]
Next, three specific examples based on the above-described embodiment and a comparative example serving as a basis for the examples will be described. Both are objective lenses for an optical head that are used for both a DVD having a protective layer thickness of 0.6 mm and CDs and CD-Rs having a protective layer thickness of 1.2 mm. The comparative example and the three examples are the common region, the aspherical shape that is the base of the high NA dedicated region, the value of the optical path difference function that defines the diffractive lens structure, and the specific diffractive lens structure formed in the common region The shape is common and only the specific shape of the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region is different.
[0036]
In the comparative example, each ring zone of the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region has a wavelength difference corresponding to DVD (654 nm), and the optical path length difference is one wavelength at the inner end and the outer end. The step at the boundary part of the annular zone is determined so that the optical path length difference is one wavelength between the inside and the outside of the step. The width of each annular zone of the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region is less than 0.6λ for the wavelength (788 nm) corresponding to CD. That is, the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region of the comparative example does not include the above-described wide annular zone. On the other hand, the three embodiments include a wide annular zone in at least a part of the annular zone of the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region.
[0037]
[Comparative example]
Table 1 below shows data of the objective lens of the comparative example. The first surface of the objective lens of the comparative example is divided into a common area where the height h from the optical axis is 0 ≦ h <1.538 and a high NA dedicated area where the height h is 1.538 ≦ h ≦ 2.023, and the optical path differences are different from each other. A diffractive lens structure defined by a function is formed. Further, the base curve of the common area (the shape as a refractive lens excluding the diffractive lens structure) and the base curve of the high NA dedicated area are independent aspheric surfaces defined by different coefficients. The second surface is an aspheric surface having no diffractive lens structure.
[0038]
The additional amount of the optical path length by the diffractive lens structure is obtained by using the n-order (even-order) optical path difference function coefficient Pn, the diffraction order m, and the wavelength λ.
φ (h) = (P₂h²+ P_Fourh^Four+ P₆h⁶+ ...) × m × λ
The optical path difference function φ (h) defined by The optical path difference function φ (h) is a virtual light beam when it is not diffracted by the diffractive lens structure at a point of height h from the optical axis on the diffractive surface, and a light beam diffracted by the diffractive lens structure. The optical path length difference is shown.
[0039]
In addition, the aspherical shape is defined by the distance (sag amount) from the tangential plane on the optical axis of the aspherical surface at the coordinate point on the aspherical surface where the height from the optical axis is h, X (h), Is the curvature (1 / r) on the optical axis of C, the conic coefficient is K, the fourth, sixth, eighth, tenth and twelfth aspherical coefficients are A._Four, A₆, A₈, A_Ten, A₁₂Is expressed by the following formula.
X (h) = Ch²/ (1 + √ (1- (1 + K) C²h²)) + A_Fourh^Four+ A₆h⁶+ A₈h⁸+ A_Tenh^Ten+ A₁₂h¹²
[0040]
In Table 1, each coefficient that defines the base curve and diffractive lens structure of the shared area of the first surface, each coefficient that defines the base curve and diffractive lens structure of the high NA dedicated region of the first surface, surface spacing, and usage Refractive index at wavelength and each coefficient defining the aspherical shape of the second surface are shown.
[0041]
[Table 1]

[0042]
In the common region Rc of the diffractive lens structure of Comparative Example 1, the zone number N, the height hin from the optical axis at the inner peripheral end of each zone, the height hout from the outermost optical axis, Table 2 below shows the relationship of the optical path difference function value φ (hout) with reference to the optical axis at the end portion on the outer peripheral side. The unit of hin and hout is mm, and the unit of φ (hout) is a wavelength. The annular zone number of the circular region including the optical axis is 1, and the outer annular zones are numbered 2, 3,... Sequentially from the inside. The 1 to 15 ring zones are shared areas Rc, and 16 to 35 are high NA dedicated areas.
[0043]
[Table 2]

[0044]
In the high NA dedicated region Rh of the diffractive lens structure of Comparative Example 1, the zone number N, the height hin from the optical axis at the inner peripheral end of each zone, the height hout from the outermost optical axis, and each wheel The optical path difference function value φ (hout) with reference to the optical axis at the outer peripheral end of the belt, the zone width (W), and the inner peripheral edge when the CD focusing point is the evaluation point Wavefront aberration (WFin), wavefront aberration at the outer edge (WFout), and difference in wavefront aberration between the inner edge and outer edge (ΔWF, equivalent to optical path length difference) Table 3 shows.
[0045]
[Table 3]

[0046]
FIG. 3 is a graph showing the sag amount of the diffractive lens structure formed on the objective lens of the comparative example, that is, the concavo-convex shape of the diffractive lens structure based on the base curve. The height h from the optical axis is in the range of 1.40 mm to 2.00 mm, that is, from the peripheral portion of the shared region Rc to the substantially outermost peripheral portion of the high NA dedicated region. A large level difference in the portion of h = 1.538 mm indicates the boundary between the common area Rc and the high NA dedicated area Rh. As shown in Table 3 and FIG. 3, the innermost annular zone of the high NA dedicated region Rh has a wavefront aberration difference ΔWF of 0.54λ between the inner end and the outer end, outside this None of these ring zones include ΔWF of 0.24λ or 0.25λ, and do not include wide zones with ΔWF of 0.6λ or more.
[0047]
The diffractive lens structure formed in the high NA dedicated area of the objective lens of the comparative example has a function of correcting chromatic aberration so as to eliminate the influence of the wavelength variation of the laser and a temperature change so that a good performance can be obtained when using the DVD. And a function of correcting aberration caused by refractive index change and deformation.
[0048]
FIG. 4 is a graph showing a light amount distribution when light of a wavelength corresponding to a CD is collected by the objective lens of the comparative example, where the light amount on the optical axis is 1, and the distance from the optical axis and the light amount ratio. Show the relationship. However, the upper limit of the vertical axis is set to 0.005 in order to indicate the amount of light near the spot when using the CD. For this reason, the amount of light near the center exceeds the upper limit and is not displayed.
[0049]
In the configuration of the comparative example, the width of each annular zone is narrower than 0.6λ with respect to the wavelength when using the CD, and the change in the optical path length from the inner end to the outer end of the annular zone is small. The dispersion of the wavefront aberration at the time is small, and the unnecessary light transmitted through the high NA dedicated area cannot be sufficiently diffused when using the CD. For this reason, in the comparative example, as shown in FIG. 4, the amount of light in the vicinity of the spot (5 to 10 μm) when using the CD is relatively large. That is, the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region of the comparative example is excellent in the aberration correction function for the DVD, but the aperture limiting function when using the CD is insufficient. Therefore, when a tracking sensor for receiving a sub beam is disposed close to the main sensor for receiving the main beam, as in the case of using the three beam method for the tracking method during CD reproduction, the flare of the main beam is reduced. A problem arises in that it enters the tracking sensor with a relatively strong intensity and generates noise in the tracking error signal.
[0050]
[Example 1]
Table 4 shows data of the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region of the objective lens 10 according to the first example. In Example 1, the five annular zones of the diffractive lens structure in the high NA exclusive area excluding the outermost annular zone have an optical path length difference of 1 at the inner end and the outer end for the wavelength corresponding to the CD. It is formed as a wide ring with a width corresponding to the wavelength. However, the step between the annular zones is set so as to give an optical path length difference of one wavelength at the wavelength corresponding to the DVD as in the comparative example.
[0051]
[Table 4]

[0052]
FIG. 5 is a graph showing the sag amount of the diffractive lens structure formed on the objective lens of Example 1. The level difference in the portion of h = 1.538 mm indicates the boundary between the common area Rc and the high NA dedicated area Rh. As shown in Table 4 and FIG. 5, the five annular zones on the inner peripheral side of the high NA dedicated region Rh have a wavefront aberration difference ΔWF of 1.00λ between the inner peripheral end and the outer peripheral end, and the outermost side. The ring zone has a ΔWF of 0.27λ and includes five wide ring zones having a ΔWF of 0.6λ or more.
[0053]
FIG. 6 is a graph showing a light amount distribution when light having a wavelength corresponding to a CD is collected by the objective lens of Example 1, in which the data of the comparative example is shown by a broken line, and the data of Example 1 is shown by a solid line. Yes.
[0054]
In the configuration of Example 1, since the change width of the optical path length from the inner end to the outer end of the annular zone is one wavelength at the time of using the CD, the wavefront aberration varies in the range of one wavelength. As shown, the amount of light in the vicinity of the spot (5 to 10 μm) that affects the use of the CD can be kept smaller than in the comparative example. However, if the step difference between the annular zones is set to one wavelength as described above and an aperture limiting function when using a CD is provided, the aberration cannot be sufficiently corrected when using a DVD. That is, the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region of Example 1 is excellent in the aperture limiting function when using a CD, but has an insufficient aberration correction function for a DVD. For this reason, the tolerance width with respect to the temperature change and wavelength change at the time of DVD use becomes narrow.
[0055]
[Example 2]
Table 5 shows data of the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region of the objective lens 10 according to Example 2. In the second embodiment, the innermost annular zone in the high NA dedicated area is a wide annular zone, and the outer annular zone is configured in the same manner as in the comparative example. Further, the step between the wide annular zone and the next outer annular zone is formed so as to have an optical path length difference of m times, here, 5 times the wavelength when using the DVD.
[0056]
[Table 5]

[0057]
FIG. 7 is a graph showing the sag amount of the diffractive lens structure formed on the objective lens of Example 2. A large level difference in the portion of h = 1.538 mm indicates the boundary between the common area Rc and the high NA dedicated area Rh. As shown in Table 5 and FIG. 7, the innermost annular zone of the high NA dedicated region Rh has a wavefront aberration difference ΔWF of 1.49λ between the inner peripheral end and the outer peripheral end, which is outside this range. The ring zone includes one wide ring zone having ΔWF of 0.24λ or 0.25λ and ΔWF of 0.6λ or more.
[0058]
FIG. 8 is a graph showing a light amount distribution when light having a wavelength corresponding to CD is collected by the objective lens of Example 2, in which data of the comparative example is shown by a broken line, and data of Example 2 is shown by a solid line. Yes.
[0059]
In the configuration of Example 2, by providing one wide ring zone, as shown in FIG. 8, the amount of light in the vicinity of the spot (5 to 10 μm) that affects the use of the CD can be suppressed to be smaller than that of the comparative example. By setting the step to the optical path length difference of 5 wavelengths, it is possible to suppress the deterioration of the wavefront aberration with respect to the temperature change and the wavelength change when using the DVD as in the comparative example. That is, the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated area of Example 2 is excellent in both the aperture limiting function when using a CD and the aberration correction function for DVD.
[0060]
[Example 3]
Table 6 shows data of the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region of the objective lens 10 according to Example 3. In the third embodiment, four wide annular zones are formed in the high NA dedicated area, the step is made to have an optical path length difference of 5 wavelengths, and the step is formed step by step for each wavelength. A narrow ring zone is formed. That is, it is arranged so that four narrow ring zones are sandwiched between each wide ring zone.
[0061]
[Table 6]

[0062]
FIG. 9 is a graph showing the sag amount of the diffractive lens structure formed on the objective lens of Example 3. A large level difference in the portion of h = 1.538 mm indicates the boundary between the common area Rc and the high NA dedicated area Rh. As shown in Table 6 and FIG. 9, the ring zones of the ring numbers 16, 21, 26, and 31 of the high NA dedicated region Rh have a wavefront aberration difference ΔWF between the inner peripheral end and the outer peripheral end. A wide annular zone of about 1λ, and an annular zone between them is a narrow annular zone with ΔWF of 0.03λ to 0.06λ.
[0063]
If the step between ring zones is increased, depending on the molding conditions, the concave portion of the mold will become deep and the resin will not enter completely, the convex portion of the step of the molded product will be lost, the diffraction effect as designed will not be obtained, and light loss will be lost It can grow. If the narrow annular zone is formed by dividing a large step portion into steps of one wavelength as in Example 3, it is optically equivalent to a step having an optical path length difference of 5 times the wavelength, It is possible to prevent rounding of the shape at the time of molding, and it is possible to suppress loss of light amount.
[0064]
In this way, when a narrow annular zone is formed in a step portion where the optical path length difference is for a plurality of wavelengths, the wavelength when using the CD is λh, the refractive index of air is n0, the refractive index of the objective lens is n1, and the annular zone width W is designed so that the wide annular zone satisfies the following condition (1), and the narrow annular zone sandwiched between the wide annular zones satisfies the following condition (2).
10λh / (n0−n1) <W (1)
λh / (n0−n1) <W <10λh / (n0−n1) (2)
[0065]
Specifically, the width of the narrow annular zone defined in the condition (2) is in the range of about 0.0016 to 0.0158 mm, and all the narrow annular zones in Example 3 satisfy this condition. Since the narrow annular zone has a narrow annular zone, the variation in wavefront aberration is small, and the light beam transmitted through the narrow region is condensed near the spot. However, by suppressing the width of the narrow annular zone to satisfy the condition (2), the amount of transmitted light can be reduced and the intensity can be suppressed.
[0066]
FIG. 10 is a graph showing a light amount distribution when light having a wavelength corresponding to a CD is collected by the objective lens of Example 3, in which data of the comparative example is shown by a broken line, and data of Example 3 is shown by a solid line. Yes.
[0067]
In the configuration of Example 3, by providing four wide ring zones, as shown in FIG. 10, the amount of light in the vicinity of the spot (5 to 10 μm) that affects the use of the CD can be suppressed to be smaller than that of the comparative example. By setting the step to the optical path length difference of 5 wavelengths, it is possible to suppress the deterioration of the wavefront aberration with respect to the temperature change and the wavelength change when using the DVD as in the comparative example. That is, the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region of Example 3 is excellent in both the aperture limiting function when using a CD and the aberration correction function for DVD.
[0068]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, by providing at least one wide ring zone that causes an optical path length difference of 0.6λ or more with respect to a wavelength corresponding to an optical disk having a low recording density in a high NA dedicated area, When using an optical disk with a low recording density, the light beam incident on the high NA dedicated area can be sufficiently diffused. Therefore, the aperture can be substantially limited without providing a diaphragm or a filter as a separate part, and a spot having a size suitable for an optical disc having a low recording density can be formed.
[Brief description of the drawings]
1A and 1B are explanatory views showing the outer shape of an objective lens according to an embodiment, in which FIG. 1A is a front view, FIG. 1B is a longitudinal sectional view, and FIG. 1C is a partially enlarged view of the longitudinal section;
FIG. 2 is an explanatory diagram of an optical system of an optical head using the objective lens according to the embodiment.
FIG. 3 is a graph showing a sag amount of a diffractive lens structure formed on an objective lens of a comparative example.
FIG. 4 is a graph showing a light amount distribution when light having a wavelength corresponding to a CD is collected by an objective lens according to a comparative example.
5 is a graph showing the sag amount of the diffractive lens structure formed on the objective lens of Example 1. FIG.
6 is a graph showing a light amount distribution when light having a wavelength corresponding to a CD is collected by the objective lens of Example 1. FIG.
7 is a graph showing the sag amount of the diffractive lens structure formed on the objective lens of Example 2. FIG.
8 is a graph showing a light amount distribution when light having a wavelength corresponding to a CD is collected by the objective lens of Example 2. FIG.
9 is a graph showing the sag amount of the diffractive lens structure formed on the objective lens of Example 3. FIG.
10 is a graph showing a light amount distribution when light having a wavelength corresponding to a CD is collected by the objective lens of Example 3. FIG.
[Explanation of symbols]
10 Objective lens
11 First side
12 Second side
21 DVD module
22 CD module
23 Beam combiner
24 collimating lens
DVD, CD optical disc

Claims

A refracting lens having a positive power, and a diffractive lens structure having a plurality of annular zones having fine steps formed on at least a part of at least one lens surface of the refracting lens, and having at least two different wavelengths In the objective lens for an optical head that converges the luminous flux of the light beam on the recording surfaces of at least two types of optical discs having different recording densities,
The refractive lens has a common area where a sufficiently low NA light beam necessary for an optical disk having a low recording density is transmitted, and a high NA light beam necessary only for an optical disk having a high recording density, which is positioned around the common area. It is divided into a high NA dedicated area that is transparent,
The optical path difference function that defines the macroscopic shape of the high NA dedicated area and the diffractive lens structure formed in the high NA dedicated area allows light of a wavelength corresponding to an optical disk having a high recording density to be condensed at almost one point. And at least part of the boundary between the annular zones included in the diffractive lens structure formed in the high NA-dedicated region sufficiently diverges light having a wavelength corresponding to an optical disc having a low recording density. The objective lens for an optical head, wherein the objective lens is set at a position different from a boundary obtained by the optical path difference function.

A refractive lens having a positive power and a diffractive lens structure composed of a plurality of annular zones having fine steps formed on at least one lens surface of the refractive lens, and recording light beams of at least two different wavelengths In the objective lens for an optical head that converges on the recording surfaces of at least two types of optical discs having different densities,
The refractive lens has a common area where a sufficiently low NA light beam necessary for an optical disk having a low recording density is transmitted, and a high NA light beam necessary only for an optical disk having a high recording density, which is positioned around the common area. It is divided into a high NA dedicated area that is transparent,
The diffractive lens structure formed in the common region has a wavelength dependency of spherical aberration that corrects a change in spherical aberration based on a change in the wavelength of incident light based on a difference in thickness of the protective layer of the optical disc,
The diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region is composed of a plurality of annular zones, and the wavelength corresponding to the optical disk having a high recording density when the focusing point corresponding to the optical disk having a high recording density is used as an evaluation criterion. And at least a part of the plurality of annular zones has an inner peripheral side with respect to a wavelength corresponding to an optical disk having a low recording density when a focusing point corresponding to the optical disk having a low recording density is used as an evaluation criterion. An objective lens for an optical head, characterized in that it is a wide ring zone having a width of an optical path length of 0.6λ or more between its end and the outer peripheral end.

The diffractive lens structure formed in the high NA-dedicated region has a step difference at the boundary of the wide annular zone with an optical path length difference of m times (m is an integer of 2 or more) of the wavelength corresponding to the optical disk with high recording density. The objective lens for an optical head according to claim 2, comprising:

A step having an optical path length difference of m times the wavelength corresponding to the optical disk having a high recording density formed at the boundary portion of the wide annular zone is formed in a step shape by one wavelength, and the narrow annular zone is formed for each step. The objective lens for an optical head according to claim 3, comprising:

The wide ring zone satisfies the following condition (1), where λh is the wavelength corresponding to the optical disk having a low recording density, n0 is the refractive index of air, n1 is the refractive index of the refractive lens, and W is the ring zone width. The objective lens for an optical head according to claim 4, wherein the narrow annular zone satisfies the following condition (2).
10λh / (n0−n1) <W (1)
λh / (n0−n1) <W <10λh / (n0−n1) (2)

The diffractive lens structure formed in the high NA dedicated region includes a plurality of the wide ring zones, and the wide ring zones have a recording density when a focusing point corresponding to an optical disk having a low recording density is used as an evaluation criterion. 6. The optical head according to claim 2, wherein the optical path length difference between the inner end and the outer end of the wavelength corresponding to a low optical disc has a width of 0.75λ or more. Objective lens.

The optical path length difference ΔOPD between the inner ring side end and the outer ring side end of the wide ring zone for a wavelength corresponding to an optical disk having a low recording density satisfies the following condition (3): 6. The objective lens for an optical head according to any one of 6 above.
0.75λ <ΔOPD <1.25λ (3)

The high NA At least a part of the annular zone included in the diffractive lens structure formed in the dedicated area is formed between an inner end and an outer end of the annular zone with respect to light having a wavelength corresponding to an optical disk having a low recording density. The difference in wavefront aberration is 0.6 2. The objective lens for an optical head according to claim 1, wherein the objective lens has a wide annular zone of [lambda] or more.