JP4005852B2

JP4005852B2 - Drum brake

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Publication number: JP4005852B2
Application number: JP2002171775A
Authority: JP
Inventors: 池田隆志
Original assignee: Nisshinbo Holdings Inc; Nisshinbo Industries Inc
Current assignee: Nisshinbo Holdings Inc
Priority date: 2002-06-12
Filing date: 2002-06-12
Publication date: 2007-11-14
Anticipated expiration: 2022-06-12
Also published as: JP2004019687A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シュー間隙自動調整装置を備えるドラムブレーキに関し、より詳細には、ブレーキが所定の高温に達した時に、ブレーキドラムとブレーキシューの間隙（これ以降、シュー間隙と呼ぶ）の自動調整作用を停止させる過調整防止機構に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、ドラムブレーキは、ブレーキシューのライニングの摩耗を補償してシュー間隙を一定に保つシュー間隙自動調整装置を具備している。長い下り坂等においてサービスブレーキを繰り返して使用すると、ブレーキドラムが高温になり径方向に膨張した分だけシュー間隙が一時的に大きくなる。このような状況下において、あたかもライニングが摩耗したとみなしてシュー間隙自動調整作用を続行してしまうドラムブレーキの構成では、ブレーキドラムが常温まで冷却されて元の大きさに戻った時に、シュー間隙が狭くなり過ぎて引き摺りを惹起するという不具合を生じる。この引き摺りを回避するため、通常のブレーキ使用時（所定の高温に達しない時）のシュー間隙を予め大きく設定すると、シュー間隙の過調整に起因する引き摺りを防止できる反面、ブレーキストロークが大きくなることによる操作フィーリングの悪化や効き遅れの問題を生じる。
【０００３】
上述した問題を解決するシュー間隙過調整防止機構を具備したドラムブレーキが、特公昭５８−４９７３９号公報に開示されている。このドラムブレーキにおける一対のブレーキシューは、シューリターンスプリングのばね力によるアンカーとの当接点を支点としての戻り位置が、サービスブレーキ用のホイールシリンダに隣接して、両ブレーキシュー間に掛け渡された後退規制装置としてのシュー間隙調整ストラットにより規制されている。
【０００４】
前記シュー間隙調整ストラットは、回転不能なおねじ部材（ねじロッド）、このおねじ部材にねじ係合するナット部材(ナット)、及び前記おねじ部材に滑嵌合する回転不能なスリーブ部材（筒胴）を構成要素とし、これに前記ナット部材を回転するためのアジャストレバー（アーム）とアジャストスプリング（爪ばね）を付設してインクリメンタル形のシュー間隙自動調整装置が構成されている。また、シュー間隙調整ストラットの軸線方向に離間可能に滑嵌合する二部材間（上記公報中では、ナット部材とボルト部材からなるねじ係合体とスリーブ部材との間）にシュー間隙過調整防止機構の構成要素である温度感応部材（バイメタル帯片）を介挿している。
【０００５】
この温度感応部材は、二つ折りした折り返し重合部におねじ部材を貫通させてスリーブ部材とナット部材間に介挿され、ブレーキが所定の温度に達した時、厳密には温度感応部材が所定の温度に達した時に、シューリターンスプリングのばね力に抗してサービスブレーキを作動すると、温度感応部材の折り返し重合部が拡開してスリーブ部材とねじ係合体を離間し、このねじ係合体を一方のブレーキシューの拡開に追従させると共に、スリーブ部材を他方のブレーキシューの拡開に追従させることにより、シュー間隙の自動調整作用を停止させて過調整を防止するよう構成されている。
【０００６】
上述したシュー間隙過調整防止機構は、インクリメンタル形以外のシュー間隙自動調整装置（例えば、ワンショット形）に適用できないため、これを解決するために考えられたのが、特開２００２−１０６６２０号公報に記載の発明である。このドラムブレーキに具備されるシュー間隙過調整防止機構は、シュー間隙調整ストラットとブレーキシュー間、或いはシュー間隙調整ストラットとブレーキレバー間にバイメタル製や形状記憶合金製の温度感応部材を介挿している。この構成によれば、ワンショット形のシュー間隙自動調整装置にも適用できるので汎用性に富む。
【０００７】
代表的なワンショット形のシュー間隙自動調整装置は、ストラット本体、ベルクランク状のアジャストレバー、このアジャストレバーをストラット本体に枢着するピン及び第二スプリングから成るシュー間隙調整ストラットと、ストラット本体と一方のブレーキシュー間に張設した第一スプリングから構成され、サービスブレーキ作動時における一対のブレーキシューの拡開量が所定の値を超えると、ストラット本体が第一スプリングのばね力により一方のブレーキシュー及びブレーキレバーに追従すると共に、他方のブレーキシューがアジャストレバーに作用し、アジャストレバーのストラット本体への係合位置が変位してシュー間隙調整ストラットの全長を伸長し、シュー間隙を自動的に調整するよう構成されている。
【０００８】
シュー間隙過調整防止機構は、二つ折りした温度感応部材の折り返し重合部をストラット本体とブレーキレバー間に介挿し、ブレーキドラムが高温になって温度感応部材が所定の温度に達している状態でサービスブレーキを作動すると、温度感応部材の折り返し重合部が第一スプリングのばね力に抗しながら拡開することにより、シュー間隙調整ストラットを他方のブレーキシューに追従させ、シュー間隙の自動調整作用を停止させて過調整を防止するよう構成されている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
前述したシュー間隙の過調整防止機構においては、以下に記載するような課題があった。
【００１０】
＜イ＞高温時にブレーキドラムが径方向に膨張している間、シュー間隙の自動調整作用は停止しており、又、ブレーキの非作動時に一対のブレーキシューは、シューリターンスプリングのばね力により温度感応部材の折り返し重合部が圧縮された位置まで戻されるので、シュー間隙はブレーキドラムの膨張分だけ大きくなっている。その結果、繰り返し使用するサービスブレーキの作動ストロークが大きくなって操作フィーリングの悪化を招いたり、ブレーキの効き遅れを生じたりする。
【００１１】
＜ロ＞前述したインクリメンタル形シュー間隙自動調整装置においては、スリーブ部材と温度感応部材がおねじ部材から離脱可能であるため、シュー間隙調整ストラットの取り扱いやブレーキの組立てが面倒であった。又、ブレーキを分解した際に、温度感応部材を組み忘れたり、紛失したりする恐れがあった。
【００１２】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたもので、ブレーキの高温時におけるシュー間隙の過調整を防止すると共に、ブレーキの非作動時におけるシュー間隙を小さく抑えて、サービスブレーキの操作フィーリングの悪化を抑えると共に、迅速なブレーキの効きを確保できる、ドラムブレーキを提供することを目的としている。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明におけるドラムブレーキにおいては、一対のブレーキシューの隣接する一方端部間にサービスブレーキアクチュエータを配設し、両ブレーキシューの戻り位置を規制して両ブレーキシューのブレーキドラムに対するシュー間隙を決める後退規制装置を前記両ブレーキシューの前記アクチュエータに隣接する対向間に掛け渡し、サービスブレーキ作動時における前記両ブレーキシューの拡開量が所定の値を超えると、前記後退規制装置の前記ブレーキシューとの当接位置を自動的に変位させて前記ブレーキシューの戻り位置をブレーキシューの拡開方向に変位させるシュー間隙自動調整装置を具備すると共に、所定の温度になるとシュー間隙自動調整作用を停止させる方向に前記後退規制装置を付勢してシュー間隙の過調整を防止する温度感応部材を付設したドラムブレーキにおいて、この温度感応部材の温度変形に伴う前記両ブレーキシューの拡開方向への作用力を、前記両ブレーキシューを前記戻り位置に戻す作用力より大きくし、サービスブレーキ非作動時において、前記両ブレーキシューを拡開させるようにしたものである。
【００１４】
又、ブレーキが高温になるに連れて大きくなる温度感応部材の温度変形に伴って大きくなる両ブレーキシューの外径の変化量が、同条件下におけるブレーキドラムの熱膨張に伴って大きくなるブレーキドラム内径の変化量と略同量になるよう構成するとよい。
【００１５】
又、ブレーキが所定の高温時に、温度感応部材の温度変形に伴う両ブレーキシューの外径の変化量と、同条件下におけるブレーキドラムの熱膨張に伴う内径の変化量とが略同量になるよう規制するストッパ手段を付設するとよい。
【００１６】
又、後退規制装置と交差する方向にレバー部材を配設して両ブレーキシューのいずれか一方に回転可能に枢支し、温度感応部材に折り返し重合部を形成し、この折り返し重合部をレバー部材と後退規制装置間に介挿し、この折り返し重合部の拡開量を規制するストッパ手段を付設するとよい。
【００１７】
又、後退規制装置と交差する方向にレバー部材を配設して両ブレーキシューのいずれか一方に回転可能に枢支し、このレバー部材の枢支部と自由端部の間を後退規制装置の一端部に係合すると共に、レバー部材の自由端部側の回動戻り位置を支持部材で規制し、温度感応部材に折り返し重合部を形成し、この折り返し重合部をレバー部材の自由端部側と支持部材間に介挿し、この折り返し重合部の拡開量を規制するストッパ装置を付設してもよい。
【００１８】
又、後退規制装置が、外周歯を一体に形成する回転可能な部材とこれに螺合して自身は回転不能な部材から成るねじ結合機構を有し、両ブレーキシューの拡開量が所定の値を超えると、外周歯を形成する部材が回転して軸線方向に相対変位し、ブレーキシューの戻り位置を拡開方向に自動的に変位させるよう構成するとよく、更には、外周歯を一体に形成する部材と、これに相対回転可能にかつ離間可能に滑嵌合して自身は回転不能な部材間に温度感応部材の折り返し重合部を介挿すると共に、この折り返し重合部の拡開量を規制するストッパ装置を付設してもよい。
【００１９】
又、後退規制装置が、アジャストレバーの一方向への回転を許容する小刻みな歯の噛合機構を有し、両ブレーキシューの拡開量が所定のシュー間隙を超えると、アジャストレバーが回転して小刻みな歯の噛合位置が変位し、ブレーキシューの戻り位置を拡開方向に自動的に変位させるよう構成するとよい。
【００２０】
上述のように構成したドラムブレーキによれば、ブレーキドラムが高温になった時、シュー間隙の自動調整作用を停止させる温度感応部材の温度変形に伴う作用力により、シューリターンスプリングのばね力に抗して一対のブレーキシューの戻り位置を規制するから、ブレーキの非作動時におけるシュー間隙を小さく抑えることができ、サービスブレーキの作動ストロークが大きくなることによる操作フィーリングの悪化を抑えられ、迅速なブレーキの効きを確保できる。
【００２１】
又、ブレーキが高温になるに連れて大きくなる温度感応部材の温度変形に伴う両ブレーキシューの外径の変化量が、同条件下における前記ブレーキドラムの熱膨張に伴う内径の変化量と略同量になるよう構成すれば、ブレーキの高温時におけるブレーキシューの引き摺りを確実に防止できる。
【００２２】
又、ブレーキが所定の高温時における前記温度感応部材の温度変形に伴う前記両ブレーキシューの外径の変化量が、同条件下における前記ブレーキドラムの熱膨張に伴う内径の変化量と略同量になるよう規制するストッパ手段を付設すれば、ブレーキが所定の高温時におけるブレーキシューの引き摺りを確実に防止できる。
【００２３】
又、後退規制装置の一端部がレバー部材を介して一方のブレーキシューを支持するドラムブレーキにも適用でき、レバー部材はパーキングブレーキ用のブレーキレバーや一対のブレーキシューの外径をブレーキの外部から手動で以って縮小できる縮径レバーでよく、種々の形式のドラムブレーキに採用できる。
【００２４】
又、ねじ結合部を自動的に相対変位させるインクリメンタル形のシュー間隙自動調整装置、或いは、小刻みな歯の噛合部を自動的に相対変位させるワンショット形のシュー間隙自動調整装置にも適用できて汎用性に富む。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるドラムブレーキの一例について説明する。
【００２６】
最初に、本発明の実施例１について、図１〜図３を参照しながら説明する。本例は、インクリメンタル形のシュー間隙自動調整装置及びフォワードプル形のパーキングブレーキ装置を具備するドラムブレーキであって、一対の対向するブレーキシュー１０，１５は、車両等の不動部に固定されるバックプレート２上に摺動可能となるようにシューホールド機構３，４で以って保持されている。両ブレーキシュー１０，１５の図１における上方隣接端は、バックプレート２に固定されたサービスブレーキ用のホイールシリンダ５に作動的に係合し、下方隣接端はバックプレート２に固定されたアンカーブロック６に支承されている。
【００２７】
図１における左方のブレーキシュー１０には、そのシューウェブ１２に重合してパーキングブレーキ用のブレーキレバー２０が配設されている。ブレーキレバー２０の基部２０ａはシューウェブ１２の上方端部にピン２１で以って回転可能に枢支され、アンカーブロック６側に位置する自由端部２０ｂに遠隔力伝達部材であるブレーキケーブル２２が接続される。又、自由端部２０ｂに近い左方側に、シューリム１１に当接する突起２０ｃを形成している。
【００２８】
ホイールシリンダ５に隣接して、ブレーキシュー１５とブレーキレバー２０の間にシュー間隙調整ストラット３１が掛け渡され、一対のブレーキシュー１０，１５間に張設されたシューリターンスプリング７，８のばね力で以って両ブレーキシュー１０，１５が前記ストラット３１に当接し、戻り位置が規制されている。
【００２９】
両ブレーキシュー１０，１５の後退規制装置としての前記シュー間隙調整ストラット３１は、アジャストボルト３２とアジャストナット３３及びソケット部材３４から成り、これにアジャストレバー３７とアジャストスプリング３８及びピン３９を付加してシュー間隙自動調整装置３０を構成している。又、シュー間隙調整ストラット３１に温度感応部材３５とストッパピン３６からなるシュー間隙の過調整防止機構を付設している。
【００３０】
シュー間隙自動調整機構を構成するアジャストレバー３７等は、図１に示すようにブレーキシュー１５上に備えられている。アジャストレバー３７は、シューウェブ１７に植設したピン３９に回転可能に枢支され、この枢支部から二股に伸長する一方腕３７ａがソケット部材３４の右端部に当接係合すると共に、爪部３７ｂがアジャストボルト３２の外周歯３２ａにラチェット係合し、枢支部から伸長する他方腕３７ｃとシューウェブ１７間に張設したアジャストスプリング３８により反時計方向に付勢している。
【００３１】
図２に基づいて、シュー間隙調整ストラット３１及びシュー間隙の過調整防止機構の構造について説明する。
【００３２】
アジャストボルト３２は、両端間のフランジ部外周に鋸歯状の外周歯３２ａを形成し、左方の軸部におねじ３２ｂを螺設していると共に、右方の軸部の両端間に環状の外周溝３２ｃを形成している。
【００３３】
全体としてＹ字状を呈するアジャストナット３３は、左方の圧潰平板部３３ａに形成した切り欠き３３ｂがシューウェブ１２とブレーキレバー２０（共に図２では図示せず）とを収容して相対回転不能に係合すると共に、底面がブレーキレバー２０の内端面に当接している。また、右方に螺設しためねじ３３ｃが前記アジャストボルト３２のおねじ３２ｂに螺合している。
【００３４】
全体としてＹ字状を呈するソケット部材３４は、右方の圧潰平板部３４ａに形成した切り欠き３４ｂがシューウェブ１７（図２では図示せず）を収容して相対回転不能に係合すると共に、底面がシューウェブ１７の内端面に当接している。また、左方の筒部３４ｃの穴が前記アジャストボルト３２の右方の軸部に相対回転可能に滑嵌合している。
【００３５】
前記アジャストボルト３２のフランジ部とソケット部材３４の左端面間には、図３に示す二つ折りした温度感応部材３５の折り返し重合部が介挿されている。温度感応部材３５は、バイメタルや形状記憶合金から成る帯状の板体をプレス加工により一体成型したもので、その折り返し重合部に穿設した穴３５ａ（図３に示す）が前記アジャストボルト３２の右方の軸部に遊嵌している。
【００３６】
前記ソケット部材３４の筒部３４ｃに設けたストッパピン３６の先端部がアジャストボルト３２の外周溝３２ｃの右方側に所定の隙間δ1を有して遊嵌することで、ソケット部材３４とアジャストボルト３２の軸方向へ向けた相対的な離間距離を規制するストッパ装置を構成している。
【００３７】
次に、前述した構成におけるシュー間隙自動調整作用について説明する。図１において、サービスブレーキ作動によりホイールシンダ５を加圧し、シューリターンスプリング７，８のばね力に抗して両ブレーキシュー１０，１５を拡開すると、アジャストスプリング３８のばね力によりアジャストレバー３７を反時計方向に回転すると共に、シュー間隙調整ストラット３１を左方へ押動し、ブレーキシュー１０及びブレーキレバー２０に追従させる。この時、ライニング１３，１８が摩耗していて、アジャストレバー３７の爪部３７ｂの回転量が外周歯３２ａの歯間ピッチを超えると、外周歯３２ａの一歯分アジャストボルト３２を回転してアジャストナット３３から螺出し、シュー間隙調整ストラット３１の全長を自動的に伸長してシュー間隙をほぼ一定に保つ。尚、パーキングブレーキ作動時には、シュー間隙調整ストラット３１に作用する軸力が増大するから、シュー間隙の自動調整作用は行われない。
【００３８】
続いて、シュー間隙の過調整防止作用について説明する。ブレーキが所定の高温になり、これに伴って図外のブレーキドラムが熱膨張すると同時に、温度感応部材３５の折り返し重合部の拡開力がシューリターンスプリング７，８のばね力のブレーキシュー１０，１５に加わる作用力、厳密にはこの作用力とアジャストスプリング３８のばね力のソケット部材３４に加わる作用力に打ち勝つと、アジャストボルト３２とソケット部材３４とを離間させながら略Ｖ字状に温度変形し、両ブレーキシュー１０，１５の戻り位置を拡開方向に変位させる。このブレーキが高温になるに連れて大きくなる両ブレーキシュー１０，１５の外径の変化量が、同条件下におけるブレーキドラムの熱膨張に伴う内径の変化量と略同量になるように設計すれば、ブレーキ非作動時にシュー間隙は増大しない。又、関係する部品のレイアウトの制約等によりそのような設計が困難な場合は、温度感応部材３５の温度変形に伴う両ブレーキシュー１０，１５の外径の変化量が、ブレーキドラムの熱膨張に伴う内径の変化量よりも最初は小さく、やがては同量になり、その後は大きくなるような設計が比較的対応しやすい。この場合は、ストッパピン３６が外周溝３２ｃの左端面に当接して相対移動を規制される隙間δ1を設定し、前記アジャストボルト３２とソケット部材３４とが離間可能な距離を所定の大きさとすることで、温度感応部材３５の温度変形に伴う両ブレーキシュー１０，１５の外径の変化量が、ブレーキドラムの熱膨張に伴う内径の変化量と略同量以内に収まるようにしている。
【００３９】
上述した本発明の実施例１によれば、ブレーキが所定の高温に達してブレーキドラムが径方向に膨張しても、温度感応部材３５の折り返し重合部がシューリターンスプリング７，８とアジャストスプリング３８のばね力によりブレーキシュー１０，１５に加わる作用力に打ち勝って略Ｖ字状に温度変形し、アジャストボルト３２とソケット部材３４とを離間させ、両ブレーキシュー１０，１５の戻り位置を拡開方向に変位させてシュー間隙を小さく保つから、その間、自動調整作用を停止してシュー間隙の過調整を防止することに加え、繰り返し使用するサービスブレーキの操作フィーリングの悪化を抑えると共に、迅速なブレーキの効きが確保できる。
【００４０】
又、ソケット部材３４に固定したストッパピン３６がアジャストボルト３２に形成した外周溝３２ｃに当接するストッパ装置により、温度感応部材３５の温度変形に伴う両ブレーキシュー１０，１５の外径の変化量が、ブレーキドラムの熱膨張に伴う内径の変化量よりも過度に大きくなることがないので、ブレーキの高温下におけるブレーキシュー１０，１５の引き摺りを惹起する恐れがない。又、シュー間隙の過調整防止機構を構成する温度感応部材３５とストッパピン３６とをシュー間隙調整ストラット３１に一体に組み付けて組立体として取り扱うことができてブレーキの組立てが容易であるし、ブレーキを分解した際にも部品の組み忘れや紛失する恐れがない。
【００４１】
次に、本発明の実施例２について、図４を参照しながら説明する。本例は前述した実施例１のシュー間隙調整ストラット３１とシュー間隙の過調整防止機構の構造が相違するものであるから、この相違点のみを中心に説明する。尚、相違する部品については４０の位の符号を付して説明する。
【００４２】
本例のシュー間隙調整ストラット４１は、回転可能なアジャストナット４３と、図１における右方のブレーキシュー１５に回転不能に当接係合するアジャストボルト４２と、図１におけるブレーキレバー２０に回転不能に当接係合するソケット部材４４から成る。これら三つの部品は、鋸歯状の外周歯４３ａを形成するアジャストナット４３のめねじ４３ｃの右方側から、おねじ４２ｂを螺設するアジャストボルト４２の軸部が螺合して貫通し、この突出する軸部にソケット部材４４の筒部４４ｃが相対回転可能に、かつ軸線方向に相対移動可能に嵌合している。
【００４３】
又、前述した実施例１に示す温度感応部材３５の折り返し重合部の穴３５ａが、アジャストボルト４２のおねじ４２ｂを螺設した軸部に遊嵌し、アジャストナット４３の左端面とソケット部材４４の右端面間に介挿されている。ストッパ装置である短冊状のストッパ部材４６の左方側がソケット部材４４に２本のリベットで以って固定され、ストッパ部材４６の右方側がアジャストナット４３を跨いで延出している。ストッパ部材４６の先端部に形成した折曲部４６ａとアジャストナット４３の右端面との間に前述した実施例１と同等の隙間δ1を有してシュー間隙の過調整防止機構を構成している。
【００４４】
次に、本発明の実施例３について、図５，図６を参照しながら説明する。本例は、前述した実施例１に対しシュー間隙の過調整防止機構の構造のみが相違するものであるから、この相違点を中心に説明するに留める。尚、相違する部品については５０の位の符号を付して説明し、同一部品については同一の符号を付してその説明を省略する。
【００４５】
本例は、アジャストボルト５２、ソケット部材５４と連携してシュー間隙調整ストラット５１を構成するアジャストナット５３とブレーキレバー５０との間にシュー間隙の過調整防止機構を具備したものである。この構造を図６に基づいて説明すると、後述する温度感応部材５５の折り返し重合部をアジャストナット５３の圧潰平板部５３ａに形成した切り欠き５３ｂの底面とブレーキレバー５０の内端面間に介挿し、又、切り欠き５３ｂ部の下方側の左端部に形成した鉤状部５３ｄがブレーキレバー５０に穿設した穴５０ｄの右方側に、前述した実施例１と同等の隙間δ1を有し遊嵌している。
【００４６】
温度感応部材５５は、二つ折りした一方の脚部５５ｂがアジャストナット５３の切り欠き５３ｂの底面に当接して圧潰平板部５３ａを挟持するよう略Ｃ字状に形成され、他方の脚部５５ｃに折曲形成した二つの係止部５５ｄ，５５ｄがブレーキレバー５０の裏面に係合している。尚、温度感応部材５５の取着対象はブレーキレバー５０でもよいし、又、他方の脚部５５ｃに形成した係止部５５ｄ，５５ｄは、アジャストナット５３の軸心に対する回転方向の遊びを小さく抑える効果を発揮するが必須ではない。
【００４７】
前述した構成において、温度感応部材５５が所定の温度に達すると略Ｖ字状に拡開し、アジャストナット５３とブレーキレバー５０とを離間させる。この最大移動距離はアジャストナット５３の鉤状部５３ｄがブレーキレバー５０の穴５０ｄに当接して規制される隙間δ1に相当し、そのシュー間隙の過調整防止作用の効果については前述した実施例１と同じであるから説明を省略する。
【００４８】
次に、本発明の実施例４について、図７〜図１０を参照しながら説明する。本例のドラムブレーキは、前述した実施例１に対しワンショット形のシュー間隙自動調整装置を具備するドラムブレーキを示し、これにシュー間隙の過調整防止機構を付設したものであるから、前述した実施例１と同一機能の部品及び部位については１００の位の符号を付して説明する。
【００４９】
すなわち、１０２はバックプレート，１０３と１０４は一対のシューホールド機構，１０５はホイールシリンダ，１０６はアンカーブロック，１０７と１０８は一対のシューリターンスプリング，１１０と１１５は一対のブレーキシュー，１２０はブレーキレバー，１２１はブレーキレバー１２０を枢支するピン，１２２はブレーキケーブル，１３５は温度感応部材，１３６はストッパピンである。これら部品の機能は、実施例１と同じであるからその説明を省略する。
【００５０】
図７におけるホイールシリンダ１０５に隣接して、ブレーキシュー１１０のシューウェブ１１２とブレーキレバー１２０間にブレーキシュー１１０と１１５の後退規制装置としてのシュー間隙調整ストラット１６１が掛け渡されている。このシュー間隙調整ストラット１６１により、アンカーブロック１０６との当接点を支点とした一対のブレーキシュー１１０，１１５の戻り位置が規制され、シュー間隙を決めている。
【００５１】
前記シュー間隙調整ストラット１６１は板状のストラット本体１６２、ベルクランク状のアジャストレバー１６３、このアジャストレバー１６３をストラット本体１６２に枢着するピン１６４及び第二スプリング１６５から成り、これに第一スプリング１６６を付加してシュー間隙自動調整装置１６０を構成している。
【００５２】
ストラット本体１６２は、その図８における右方に形成した切り欠き１６２ａがブレーキレバー１２０とシューウェブ１１７を収容し、切り欠き１６２ａの底面がブレーキレバー１２０に当接してブレーキシュー１１５の戻り位置を規制している。又、ストラット本体１６２の両端間の左方寄りには小刻みな歯１６２ｂが刻設され、この図８における上方側の部分は図７に示すように略板厚分の段差を設けて折曲され、左方側に延伸している。
【００５３】
アジャストレバー１６３の基部１６３ａはストラット本体１６２の左方端部に回転可能に、且つストラット本体１６２の長手方向の板面に沿って可動的に、言い換えると、ブレーキシュー１１０の拡開方向に移動可能にピン１６４で以って枢支されており、ストラット本体１６２とピン１６４間に張設した第二スプリング１６５の付勢力により、一方の腕部１６３ｂの円弧形端面に刻設した小刻みな歯１６３ｃが前記ストラット本体１６２の小刻みな歯１６２ｂに噛み合っている。又、他方の腕部１６３ｄはカム部１６３ｅを有し、このカム部１６３ｅがシューウェブ１１２に形成した矩形穴１１２ａのブレーキ外方側に当接してブレーキシュー１１０の戻り位置を規制すると共に、ブレーキ内方側に所定の隙間δ5を有して嵌入している。
【００５４】
シューウェブ１１７とストラット本体１６２間に張設した第一スプリング１６６のばね力は第二スプリング１６５のばね力よりも大きく設定してある。
【００５５】
ブレーキレバー１２０の自由端部１２０ｂに近いブレーキ内方側に、シューウェブ１１７の内端面に平行に対面する対向片１２０ｄが図９に示すように折曲形成されている。前記対向片１２０ｄの内面とシューウェブ１１７の内端面間には、図１０に示す二つ折りした温度感応部材１３５の折り返し重合部とストッパピン１３６の頭部１３６ｂが介挿され、ブレーキレバー１２０の戻り位置を規制している。本例の温度感応部材１３５は、一方の脚部１３５ｂの先端部に形成した略Ｃ字状部が対向片１２０ｄを抱持して弾着され、ストッパピン１３６の頭部１３６ｂの端面がシューウェブ１１７の内端面に当接すると共に、細径胴部１３６ｃが温度感応部材１３５の折り返し重合部と対向片１２０ｄを貫通し、この対向片１２０ｄの外面と細径胴部１３６ｃの端部に止着したワッシャ１６７との間に隙間δ2を形成している。
【００５６】
続いて、前述した構成におけるシュー間隙自動調整作用について、図７，図８を参照しながら説明する。サービスブレーキ作動により両ブレーキシュー１１０，１１５が拡開すると、一対のブレーキシュー１１０，１１５の拡開量が、シューウェブ１１２の矩形穴１１２ａとアジャストレバー１６３のカム部１６３ｅとの隙間δ5に加え、アジャストレバー１６３の小刻みな歯１６３ｃとストラット本体１６２の小刻みな歯１６２ｂとの噛合高さを越えるまでは、ストラット本体１６２は第一スプリング１６６のばね力によりブレーキシュー１１５及びブレーキレバー１２０に追従し、アジャストレバー１６３は第二スプリング１６５のばね力に抗してブレーキシュー１１０に追従する。そして、ライニング１１３，１１８が摩耗して一対のブレーキシュー１１０，１１５の拡開量が、前記した隙間δ5と噛合高さの合計を越えると、アジャストレバー１６３が回転して小刻みな歯１６３ｃの１歯相当分だけ、シューウェブ１１２の矩形穴１１２ａに当接するカム部１６３ｅのカム面の当接点を変位させる。これにより、シューウェブ１１２の矩形穴１１２ａの内縁を支持するカム部１６３ｅのカム面位置からブレーキレバー１２０を支持するストラット本体１６２の切り欠き１６２ａの底面までの距離Ｌ1を自動的に長くし、シュー間隙をほぼ一定に保つ。
【００５７】
続いて、シュー間隙の過調整防止作用について説明する。ブレーキが所定の高温になり、これに伴って図外のブレーキドラムが熱膨張すると同時に、温度感応部材１３５の折り返し重合部の拡開力がシューリターンスプリング１０７，１０８のばね力によりブレーキシュー１１０，１１５に加わる作用力、厳密にはこの作用力と第一スプリング１６６のばね力のストラット本体１６２に加わる作用力に打ち勝ち、略Ｖ字状に温度変形しながらブレーキレバー１２０を前進させ、前述した実施例１と同様、両ブレーキシュー１１０，１１５の戻り位置を拡開方向に変位させる。その結果、ブレーキの高温下におけるブレーキ非作動時にシュー間隙は増大しない。尚、この時に、シューリターンスプリング１０７，１０８と第一スプリング１６６のばね力に抗する温度感応部材１３５の拡開力は、図７において、ピン１２１の中心を通る水平線からブレーキレバー１２０がストラット本体１６２を押圧する点を通る水平線までの垂直な距離Ｌ2を、ピン１２１の中心を通る水平線から温度感応部材１３５がブレーキレバー１２０を付勢する作用点を通る水平線までの垂直な距離Ｌ1で除した値、即ち、Ｌ2／Ｌ1に前記のブレーキシュー１１０，１１５に加わる作用力を乗じた値より大きければよい。その結果、例えば温度感応部材１３５の板厚を薄くできる等、重量を大幅に軽減できるので安価にできる。又、ブレーキが所定の高温時における温度感応部材１３５の温度変形に伴ってブレーキレバー１２０が前進する最大移動距離は、対向片１２０ｄとワッシャ１６７との隙間δ2で決まり、この時のブレーキシュー１１０，１１５の外径の変化量が、同条件下における図外のブレーキドラムの内径の変化量と略同量になるよう設定してあるから、前述した実施例１と同等の効果が得られる。
【００５８】
次に、本発明の実施例５について、図１１，図１２を参照しながら説明する。図１１は図７のXI−XI断面に相当する構造図を示すもので、前述した本発明の実施例４と同一機能の部品及び部位については１００の位を２００の位に変えて説明する。
【００５９】
図１１におけるバックプレート２０２の左方にはブレーキ外方側に向けてパイプ部材２０９が固定されている。パーキングブレーキ用のブレーキケーブル２２２はインナーケーブル２２３とこれを保護するアウターケーシング２２５等から構成されている。アウターケーシング２２５の一端部に固定したケーシングキャップ２２６がパイプ部材２０９に嵌入して線ばねクリップ２６８で以って取着され、アウターケーシング２２５内を摺動可能なインナーケーブル２２３は、その一端部がブレーキレバー２２０の自由端部２２０ｂに形成した溝内に嵌入すると共に、一端部に固定した端末金具２２４が温度感応部材２３５の折り返し重合部とＬ字形のストッパ部材２３６の一方片２３６ｄを介して自由端部２２０ｂの右端面側に掛止されている。一方、ブレーキケーブル２２２の図外の他端部と図示する部分の間は車体に沿い適宜湾曲して配索され、アウターケーシング２２５の図外の他端部が車両の不動部に固定されると共に、インナーケーブル２２３の図外の他端部が車室内の操作レバーに接続されていて、ブレーキレバー２２０はインナーケーブル２２３の端末金具２２４により戻り位置が規制されている。又、ブレーキレバー２２０の自由端部２２０ｂと温度感応部材２３５間に介在する前記ストッパ部材２３６の一方片２３６ｄの折曲部から他方片２３６ｅにかけて形成した四角穴２３６ｆ内に、温度感応部材２３５の折り返し重合部の先端部が右方側に隙間δ3を有して嵌入している。
【００６０】
上述した構成におけるパーキングブレーキ作動は、インナーケーブル２２３を牽引するとブレーキレバー２２０が図７におけるブレーキレバー１２０と同様に時計方向に回転し、図７におけるシュー間隙調整ストラット１６１と同様のシュー間隙調整ストラット（図示せず）がブレーキシュー２１０を押圧すると共に、図７におけるピン１２１と同様のピンがブレーキシュー２１５を押圧して夫々拡開させる。
【００６１】
前述した構成において、温度感応部材２３５が所定の温度に達すると略Ｖ字状に拡開し、ブレーキレバー２２０の自由端部２２０ｂを図１１における左方に移動させるから、シュー間隙が小さくなり自動調整作用は停止する。本例における温度感応部材２３５の取着位置でのレバー比は、前述した本発明の実施例４に比べて大きくなり、それに応じて温度感応部材２３５の拡開力を小さくすることができる。又、ブレーキレバー２２０が前進する最大移動距離は、温度感応部材２３５と四角穴２３６ｆの内縁との隙間δ3により決まり、前述した実施例１と同等の効果が得られる。
【００６２】
尚、本発明は、前述した実施例１〜実施例５の構造に限定されるものではなく、例えば、パーキングブレーキ機構（ブレーキレバー２０，１２０，２２０とブレーキケーブル２２，１２２，２２２等）は必須ではないし、又、実施例では、レバー部材としてのブレーキレバーを具備するドラムブレーキについて説明したが、これに代えて、バックプレートの裏側からボルト部材を螺合して突出させ、その突出端部で以って図１や図７におけるブレーキレバー２０や１２０に該当する部材の自由端部の戻り位置を規制するよう支持し、この支持手段を解除することにより一対のブレーキシューの外径を縮小してブレーキドラムの取り外しを容易にする、所謂ブレーキシュー外径の縮径レバーでもよい。前記支持手段はこれに限定されるものではなく、要はブレーキの外部から手動で以って縮径レバーの戻りを可能にする構造であればよい。更に、シュー間隙自動調整機構とシュー間隙の過調整防止機構とを適宜組替えて用いることができるし、シュー間隙の過調整防止機構としての温度感応部材が被取着部材の軸部に嵌合する構造の場合には、温度感応部材の穴径と被取着部材の軸径との隙間を精密に加工しておき、温度感応部材がＶ字状に拡開した時に、その穴の対角部が軸部に当接して拡開量を規制するストッパ装置とすることも可能である等々、幾多の変更が可能であることは明らかである。
【００６３】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果のうち、少なくとも何れか一つの効果を奏する。
＜イ＞ブレーキが所定の高温に達してブレーキドラムが径方向に膨張しても、温度感応部材がブレーキシューを戻り位置に戻す作用力（シューリターンスプリングのばね力等）に打ち勝って温度変形し、ブレーキの非作動時における一対のブレーキシューの戻り位置を拡開方向に変位させてシュー間隙を小さく抑えるから、シュー間隙の自動調整作用を停止して過調整を防止することに加え、繰り返し使用するサービスブレーキの作動ストロークが大きくなることによる操作フィーリングの悪化を抑えられ、迅速なブレーキの効きを確保できる。
【００６４】
＜ロ＞ブレーキが高温になるに連れて大きくなる温度感応部材の温度変形に伴って大きくなるブレーキシューの外径の変化量が、同条件下におけるブレーキドラムの熱膨張に伴って大きくなるブレーキドラムの内径の変化量と略同量になるように構成すれば、ブレーキの高温時におけるブレーキシューの引き摺りを確実に防止できる。
【００６５】
＜ハ＞ブレーキが所定の高温時に、温度感応部材の温度変形に伴うブレーキシューの外径の変化量が、同条件下におけるブレーキドラムの熱膨張に伴う内径の変化量よりも過度に大きくなることを防止するストッパ装置を付設すれば、ブレーキが所定の高温時におけるブレーキシューの引き摺りを確実に防止できる。
【００６６】
＜ニ＞シュー間隙の過調整防止機構を構成する温度感応部材とストッパ装置は、ドラムブレーキの構成部品に一体に組み付けて組立体として取り扱うことができるので、ブレーキの組立てが容易であるし、ブレーキを分解した際にも部品の組み忘れや紛失の恐れがない。
【００６７】
＜ホ＞ブレーキシューの戻り位置を規制する後退規制装置の一端部が、レバー部材を介して一方のブレーキシューを支持するドラムブレーキにも適用でき、レバー部材はパーキングブレーキ用のブレーキレバーや一対のブレーキシューの外径をブレーキ外部から手動で縮小できる縮径レバーでよく、種々の形式のドラムブレーキに採用できる。
【００６８】
＜へ＞シュー間隙の過調整防止機構をレバー部材の自由端部側、具体的にはレバー部材のシュー間隙調整ストラットとの当接部から自由端部までの間、或いはパーキングブレーキ用のブレーキレバーのブレーキケーブルとの接続部に配設することにより、温度感応部材の拡開力を、その配設位置でのレバー比で按分した分だけ弱く設定できるから、板厚を薄くしたり、幅を狭めたりして重量を軽くすることができて小型化が可能であり、低コスト化が図れる。
【００６９】
＜ト＞ねじ結合部を自動的に相対変位させるインクリメンタル形のシュー間隙自動調整装置、或いは、小刻みな歯の噛合部を自動的に相対変位させるワンショット形にシュー間隙自動調整装置にも適用できて汎用性に富む。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１に係わるドラムブレーキの正面図
【図２】図１のシュー間隙調整ストラットとシュー間隙過調整防止装置との組立体の要部を断面した図
【図３】図１の温度感応部材を拡大した斜視図
【図４】本発明の実施例２に係わり、図１に相当する図
【図５】本発明の実施例３に係わるドラムブレーキの正面図
【図６】図５のVI−VI断面図
【図７】本発明の実施例４に係わるドラムブレーキの正面図
【図８】図７のXIII−XIII断面図
【図９】図７のIX−IX断面図
【図１０】図７の温度感応部材を拡大した斜視図
【図１１】本発明の実施例５に係わり、図７のXI−XI断面に相当する構造図
【図１２】図１１のXII−XII矢斜図
【符号の説明】
５，１０５，２０５ホイールシリンダ
７，８，１０７，１０８シューリターンスプリング
１０，１５，１１０，１１５，２１０，２１５ブレーキシュー
２０，５０，１２０，２２０ブレーキレバー
２２，１２２，２２２ブレーキケーブル
３０，１６０シュー間隙自動調整装置
３１，４１，５１，１６１シュー間隙調整ストラット
３２，４２，５２アジャストボルト
３３，４３，５３アジャストナット
３４，４４，５４ソケット部材
３５，５５，１３５，２３５温度感応部材
３６，１３６ストッパピン
３７，１６３アジャストレバー
４６，２３６ストッパ部材
１６２ストラット本体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a drum brake equipped with an automatic shoe gap adjusting device, and more specifically, an automatic adjustment action of a gap between a brake drum and a brake shoe (hereinafter referred to as a shoe gap) when the brake reaches a predetermined high temperature. The present invention relates to an over-adjustment prevention mechanism that stops the operation.
[0002]
[Prior art]
In general, the drum brake is provided with an automatic shoe clearance adjusting device that compensates for wear of the brake shoe lining and keeps the shoe clearance constant. When the service brake is repeatedly used on a long downhill or the like, the shoe gap temporarily increases by the amount that the brake drum becomes hot and expands in the radial direction. Under such circumstances, in a drum brake configuration in which it is assumed that the lining is worn and the automatic adjustment of the shoe clearance is continued, the shoe clearance is reduced when the brake drum is cooled to room temperature and returned to its original size. This causes a problem that drag becomes too narrow. In order to avoid this drag, if the shoe gap is set large in advance when normal brakes are used (when the predetermined high temperature is not reached), drag due to excessive adjustment of the shoe gap can be prevented, but the brake stroke becomes large. This causes problems such as deterioration in operation feeling and delay in effectiveness.
[0003]
Japanese Patent Publication No. 58-49739 discloses a drum brake having a shoe gap over-adjustment prevention mechanism that solves the above-described problems. The pair of brake shoes in this drum brake has a return position with the contact point with the anchor by the spring force of the shoe return spring as a fulcrum, and is spanned between both brake shoes adjacent to the wheel cylinder for service brakes. It is regulated by a shoe clearance adjusting strut as a backward regulating device.
[0004]
The shoe gap adjusting strut includes a non-rotatable screw member (screw rod), a nut member (nut) that is screw-engaged with the male screw member, and a non-rotatable sleeve member (cylindrical cylinder) that is slidably fitted to the male screw member ), And an adjustment lever (arm) and an adjustment spring (claw spring) for rotating the nut member are attached thereto, thereby forming an incremental shoe gap automatic adjusting device. Further, a shoe gap over-adjustment preventing mechanism is provided between two members that are slidably fitted so as to be separable in the axial direction of the shoe gap adjusting strut (in the above-mentioned publication, between a screw engaging body composed of a nut member and a bolt member and a sleeve member). A temperature sensitive member (bimetal strip) that is a constituent element of is inserted.
[0005]
This temperature-sensitive member is inserted between the sleeve member and the nut member by passing the screw member through the folded overlap portion, and when the brake reaches a predetermined temperature, strictly speaking, the temperature-sensitive member is When the service brake is actuated against the spring force of the shoe return spring when the temperature is reached, the folded portion of the temperature sensitive member expands to separate the sleeve member and the screw engagement body, This screw engagement body By causing the brake member to follow the expansion of one brake shoe and causing the sleeve member to follow the expansion of the other brake shoe, the automatic adjustment action of the shoe gap is stopped to prevent over-adjustment.
[0006]
The above-described shoe gap over-adjustment prevention mechanism cannot be applied to an automatic shoe gap adjusting device (for example, one-shot type) other than the incremental type, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-106620 has been considered to solve this problem. It is invention described in. The shoe gap over-adjustment prevention mechanism provided in this drum brake has a temperature sensitive member made of bimetal or shape memory alloy interposed between the shoe gap adjusting strut and the brake shoe or between the shoe gap adjusting strut and the brake lever. . According to this configuration, since it can be applied to a one-shot type shoe clearance automatic adjusting device, it is versatile.
[0007]
A typical one-shot type shoe clearance automatic adjusting device includes a strut body, a bell crank-shaped adjustment lever, a shoe clearance adjustment strut comprising a pin and a second spring for pivotally attaching the adjustment lever to the strut body, and a strut body. It is composed of a first spring stretched between one brake shoe, and when the amount of expansion of the pair of brake shoes exceeds a predetermined value when the service brake is activated, the strut body is moved to one brake by the spring force of the first spring. While following the shoe and brake lever, the other brake shoe acts on the adjust lever, and the engagement position of the adjust lever to the strut body is displaced to extend the overall length of the shoe gap adjusting strut, and the shoe gap is automatically adjusted. Configured to adjust.
[0008]
The shoe gap over-adjustment prevention mechanism is a service in which the folded part of the temperature-sensitive member folded in half is inserted between the strut body and the brake lever, and the brake drum is hot and the temperature-sensitive member has reached the specified temperature. When the brake is operated, the folding overlap part of the temperature sensitive member expands against the spring force of the first spring, causing the shoe gap adjustment strut to follow the other brake shoe and stops the automatic adjustment of the shoe gap. To prevent over-adjustment.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
In the aforementioned shoe gap over-adjustment prevention mechanism, as described below, Task was there.
[0010]
<B> While the brake drum expands in the radial direction at high temperatures, the automatic adjustment of the shoe gap is stopped, and when the brake is not in operation, the pair of brake shoes is heated by the spring force of the shoe return spring. Since the folded overlap portion of the sensitive member is returned to the compressed position, the shoe gap is increased by the amount of expansion of the brake drum. As a result, the operating stroke of the service brake that is repeatedly used increases, resulting in a deterioration of the operational feeling or a delay in the braking effect.
[0011]
<B> In the above-described incremental type shoe clearance automatic adjusting device, the sleeve member and the temperature sensitive member can be detached from the external thread member, so that the handling of the shoe clearance adjusting strut and the assembly of the brake are troublesome. Further, when the brake is disassembled, the temperature sensitive member may be forgotten or lost.
[0012]
The present invention has been made in view of the above problems, and prevents over-adjustment of the shoe gap when the brake is hot, and suppresses the shoe gap when the brake is not in operation, thereby reducing the operation feeling of the service brake. The purpose of the present invention is to provide a drum brake that can prevent the deterioration of the brake and ensure the effectiveness of a quick brake.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-described object, in the drum brake according to the present invention, a service brake actuator is disposed between adjacent one end portions of a pair of brake shoes, and the return positions of both brake shoes are regulated so as to restrict both brake shoes. When a reverse regulating device for determining a shoe gap with respect to the brake drum is passed between the two brake shoes adjacent to the actuator and the spread amount of both the brake shoes exceeds a predetermined value when the service brake is operated, An automatic shoe clearance adjusting device is provided that automatically displaces the contact position of the reverse regulating device with the brake shoe and displaces the return position of the brake shoe in the brake shoe expansion direction. With A temperature-sensitive member is provided to prevent over-adjustment of the shoe clearance by energizing the retraction restricting device in a direction to stop the automatic adjustment of the shoe clearance at a predetermined temperature. In the drum brake The acting force in the expanding direction of the two brake shoes accompanying the temperature deformation of the temperature sensitive member is larger than the acting force for returning the two brake shoes to the return position. When the service brake is inactive, both brake shoes should be expanded. It is a thing.
[0014]
Also, due to the temperature deformation of the temperature sensitive member that increases as the brake becomes hot With it The change in the outer diameter of both brake shoes contributes to the thermal expansion of the brake drum under the same conditions. Brake drum that grows with it It is good to comprise so that it may become substantially the same amount as the variation | change_quantity of an internal diameter.
[0015]
Also, when the brake is at a predetermined high temperature , Change in outer diameter of both brake shoes due to temperature deformation of temperature sensitive member When , The amount of change in the inner diameter accompanying the thermal expansion of the brake drum under the same conditions But It is preferable to provide stopper means for restricting the amount to be substantially the same.
[0016]
Further, a lever member is disposed in a direction intersecting with the reverse regulating device, and is pivotally supported on either one of the brake shoes to form a folded overlap portion on the temperature sensitive member. The folded overlap portion is formed as a lever member. It is preferable to provide a stopper means that is interposed between the retraction restricting device and restricts the amount of expansion of the folded overlapping portion.
[0017]
In addition, a lever member is disposed in a direction intersecting with the retraction restricting device, and is pivotally supported on one of the brake shoes so as to be rotatable. One end of the retreat restricting device is interposed between the pivot portion and the free end of the lever member. And the rotation return position on the free end side of the lever member is regulated by the support member, and the folded overlap portion is formed on the temperature sensitive member, and the folded overlap portion is connected to the free end side of the lever member. A stopper device that is interposed between the support members and regulates the amount of expansion of the folded overlap portion may be provided.
[0018]
Further, the retraction restricting device has a screw coupling mechanism comprising a rotatable member integrally forming the outer peripheral teeth and a non-rotatable member screwed to the rotatable member, and the expansion amounts of both brake shoes are predetermined. If the value exceeds the value, the member forming the outer peripheral teeth may rotate and relatively displace in the axial direction, and the return position of the brake shoe may be automatically displaced in the expanding direction. A folding overlap portion of the temperature sensitive member is interposed between the member to be formed and a member that is rotatable relative to and separate from the member to be formed, and the amount of expansion of the overlap overlap portion is increased. You may attach the stopper apparatus to regulate.
[0019]
In addition, the retraction restricting device has a small tooth meshing mechanism that allows the adjustment lever to rotate in one direction. When the expansion amount of both brake shoes exceeds a predetermined shoe clearance, the adjustment lever rotates. It is preferable that the meshing position of the teeth is displaced little by little and the return position of the brake shoe is automatically displaced in the expanding direction.
[0020]
According to the drum brake configured as described above, when the brake drum becomes hot, it resists the spring force of the shoe return spring by the acting force accompanying the temperature deformation of the temperature sensitive member that stops the automatic adjustment of the shoe gap. Since the return position of the pair of brake shoes is regulated, the shoe gap can be kept small when the brake is not in operation, and the deterioration of the operation feeling due to the increase in the service brake operating stroke can be suppressed, and the speed can be reduced. The effectiveness of the brake can be secured.
[0021]
Also, the amount of change in the outer diameter of both brake shoes accompanying the temperature deformation of the temperature-sensitive member that increases as the brake becomes hot is substantially the same as the amount of change in the inner diameter accompanying thermal expansion of the brake drum under the same conditions. If the amount is configured, the brake shoe can be reliably prevented from being dragged when the brake is at a high temperature.
[0022]
Further, when the brake is at a predetermined high temperature, the amount of change in the outer diameter of both brake shoes accompanying the temperature deformation of the temperature sensitive member is substantially the same as the amount of change in the inner diameter accompanying thermal expansion of the brake drum under the same conditions. If the stopper means for restricting the brake is provided, the brake shoe can be reliably prevented from being dragged when the brake is at a predetermined high temperature.
[0023]
It can also be applied to a drum brake in which one end portion of the reverse regulating device supports one brake shoe via a lever member, and the lever member allows the outer diameter of a brake lever for a parking brake or a pair of brake shoes to be externally provided from the brake. A diameter-reducing lever that can be reduced manually is sufficient, and can be used for various types of drum brakes.
[0024]
It can also be applied to an incremental type shoe clearance automatic adjustment device that automatically displaces screw joints, or a one-shot type shoe clearance automatic adjustment device that automatically displaces the meshing portions of small teeth. Rich in versatility.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an example of the drum brake according to the present invention will be described.
[0026]
First, Embodiment 1 of the present invention will be described with reference to FIGS. The present example is a drum brake having an incremental shoe gap automatic adjusting device and a forward pull type parking brake device, and a pair of opposing brake shoes 10 and 15 are fixed to a stationary part such as a vehicle. It is held by shoe hold mechanisms 3 and 4 so as to be slidable on the plate 2. The upper adjacent ends of both brake shoes 10 and 15 in FIG. 1 are operatively engaged with a service brake wheel cylinder 5 fixed to the back plate 2, and the lower adjacent ends are anchor blocks fixed to the back plate 2. 6 is supported.
[0027]
In the left brake shoe 10 in FIG. 1, a brake lever 20 for parking brake is disposed on the shoe web 12. A base portion 20a of the brake lever 20 is pivotally supported by an upper end portion of the shoe web 12 with a pin 21, and a brake cable 22 as a remote force transmission member is provided at a free end portion 20b located on the anchor block 6 side. Connected. Further, a protrusion 20c that contacts the shoe rim 11 is formed on the left side close to the free end 20b.
[0028]
Adjacent to the wheel cylinder 5, a shoe gap adjusting strut 31 is stretched between the brake shoe 15 and the brake lever 20, and the spring force of the shoe return springs 7 and 8 stretched between the pair of brake shoes 10 and 15. Thus, the brake shoes 10 and 15 abut against the strut 31 and the return position is restricted.
[0029]
The shoe gap adjusting strut 31 as a backward restricting device for the brake shoes 10 and 15 includes an adjusting bolt 32, an adjusting nut 33 and a socket member 34, and an adjusting lever 37, an adjusting spring 38 and a pin 39 are added thereto. The shoe gap automatic adjusting device 30 is configured. Further, the shoe gap adjusting strut 31 is provided with a shoe gap over-adjustment preventing mechanism including a temperature sensitive member 35 and a stopper pin 36.
[0030]
The adjustment lever 37 and the like constituting the shoe gap automatic adjusting mechanism are provided on the brake shoe 15 as shown in FIG. The adjusting lever 37 is pivotally supported by a pin 39 planted on the shoe web 17 and has an arm 37a that extends in a bifurcated manner from the pivotal support portion and abuts and engages with the right end portion of the socket member 34. 37b is ratchet-engaged with the outer peripheral teeth 32a of the adjusting bolt 32, and is biased counterclockwise by an adjusting spring 38 stretched between the other arm 37c extending from the pivotal support portion and the shoe web 17.
[0031]
The structure of the shoe gap adjusting strut 31 and the shoe gap over-adjustment preventing mechanism will be described with reference to FIG.
[0032]
The adjustment bolt 32 has a serrated outer peripheral tooth 32a formed on the outer periphery of the flange portion between both ends, a screw 32b is screwed on the left shaft portion, and an annular shape is formed between both ends of the right shaft portion. An outer peripheral groove 32c is formed.
[0033]
The adjustment nut 33 having a Y-shape as a whole has a notch 33b formed in the left crushing flat plate portion 33a that accommodates the shoe web 12 and the brake lever 20 (both not shown in FIG. 2) and cannot rotate relative to each other. The bottom surface is in contact with the inner end surface of the brake lever 20. Further, the screw 33c is screwed to the male screw 32b of the adjusting bolt 32 for screwing rightward.
[0034]
The socket member 34 having a Y-shape as a whole has a notch 34b formed in the crushing flat plate portion 34a on the right side to accommodate the shoe web 17 (not shown in FIG. 2) and engage with it in a relatively non-rotatable manner. The bottom surface is in contact with the inner end surface of the shoe web 17. Further, the hole of the left cylinder portion 34c is slidingly fitted to the right shaft portion of the adjustment bolt 32 so as to be relatively rotatable.
[0035]
Between the flange portion of the adjusting bolt 32 and the left end surface of the socket member 34, a folded overlapping portion of the temperature-sensitive member 35 folded in half as shown in FIG. 3 is inserted. The temperature-sensitive member 35 is formed by integrally forming a band-shaped plate made of a bimetal or a shape memory alloy by pressing, and a hole 35a (shown in FIG. 3) drilled in the folded overlap portion is provided on the right side of the adjusting bolt 32. It is loosely fitted on the other shaft.
[0036]
The tip of the stopper pin 36 provided on the cylindrical portion 34c of the socket member 34 is loosely fitted with a predetermined gap δ1 on the right side of the outer peripheral groove 32c of the adjustment bolt 32, so that the socket member 34 and the adjustment bolt A stopper device that restricts the relative separation distance in the axial direction of 32 is configured.
[0037]
Next, the shoe gap automatic adjusting action in the above-described configuration will be described. In FIG. 1, when the wheel cinder 5 is pressurized by the service brake operation and both brake shoes 10, 15 are expanded against the spring force of the shoe return springs 7, 8, the adjustment lever 37 is moved by the spring force of the adjustment spring 38. While rotating counterclockwise, the shoe gap adjusting strut 31 is pushed leftward to follow the brake shoe 10 and the brake lever 20. At this time, if the linings 13 and 18 are worn and the amount of rotation of the claw portion 37b of the adjustment lever 37 exceeds the inter-tooth pitch of the outer peripheral teeth 32a, the adjustment bolt 32 is rotated by one tooth of the outer peripheral teeth 32a to adjust. Screwing out from the nut 33, the entire length of the shoe gap adjusting strut 31 is automatically extended to keep the shoe gap substantially constant. When the parking brake is operated, the axial force acting on the shoe gap adjusting strut 31 increases, so that the shoe gap automatic adjusting action is not performed.
[0038]
Next, the over-adjustment preventing action of the shoe gap will be described. As the brake reaches a predetermined high temperature, a brake drum (not shown) is thermally expanded, and at the same time, the expansion force of the folded overlapping portion of the temperature sensitive member 35 is the brake force 10 of the spring force of the shoe return springs 7, 8. 15, strictly speaking, when this acting force and the acting force applied to the socket member 34 by the spring force of the adjusting spring 38 are overcome, the adjusting bolt 32 and the socket member 34 are separated from each other. While The temperature is deformed into a substantially V shape, and the return positions of both brake shoes 10 and 15 are displaced in the expanding direction. The amount of change in the outer diameter of both brake shoes 10 and 15 that increases as the brake temperature rises is designed to be substantially the same as the amount of change in the inner diameter accompanying the thermal expansion of the brake drum under the same conditions. For example, the shoe clearance does not increase when the brake is not operated. In addition, when such a design is difficult due to layout restrictions of related parts, the amount of change in the outer diameter of both brake shoes 10 and 15 due to the temperature deformation of the temperature sensitive member 35 contributes to the thermal expansion of the brake drum. A design that is initially smaller than the accompanying change in the inner diameter, eventually becomes the same, and then becomes larger is relatively easy to deal with. In this case, a gap δ1 is set so that the stopper pin 36 contacts the left end surface of the outer circumferential groove 32c and the relative movement is restricted, and the distance that the adjustment bolt 32 and the socket member 34 can be separated is set to a predetermined size. Thus, the amount of change in the outer diameter of both brake shoes 10 and 15 due to the temperature deformation of the temperature sensitive member 35 is set to be within the same amount as the amount of change in the inner diameter due to thermal expansion of the brake drum.
[0039]
According to the above-described first embodiment of the present invention, even when the brake reaches a predetermined high temperature and the brake drum expands in the radial direction, the folded overlapping portion of the temperature sensitive member 35 is connected to the shoe return springs 7 and 8 and the adjustment spring 38. Overcome the force applied to the brake shoes 10 and 15 by the spring force of Almost V-shaped Temperature deformation The adjustment bolt 32 and the socket member 34 are separated from each other. Since the return position of both brake shoes 10 and 15 is displaced in the expanding direction to keep the shoe gap small, during this time, the automatic adjustment action is stopped to prevent over-adjustment of the shoe gap, and the service is used repeatedly. In addition to suppressing the deterioration of brake operation feeling, it also ensures quick braking effectiveness. wear .
[0040]
Further, the stopper device in which the stopper pin 36 fixed to the socket member 34 abuts on the outer peripheral groove 32c formed in the adjusting bolt 32 allows the outer diameter of the brake shoes 10 and 15 to change with the temperature deformation of the temperature sensitive member 35. In addition, since the amount of change in the inner diameter accompanying the thermal expansion of the brake drum does not become excessively large, there is no possibility of causing the dragging of the brake shoes 10 and 15 at a high temperature of the brake. Further, the temperature sensitive member 35 and the stopper pin 36 constituting the shoe gap over-adjustment prevention mechanism can be integrally assembled to the shoe gap adjustment strut 31 and handled as an assembly, and the brake can be easily assembled. There is no risk of forgetting or losing parts when disassembling.
[0041]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In this example, the structure of the shoe gap adjusting strut 31 of the first embodiment and the shoe gap over-adjustment preventing mechanism are different, and only this difference will be mainly described. Different parts will be described with reference numerals of 40.
[0042]
The shoe gap adjusting strut 41 of this example is a rotatable adjustment nut 43, an adjustment bolt 42 that is non-rotatably abutted and engaged with the right brake shoe 15 in FIG. 1, and a brake lever 20 in FIG. It consists of a socket member 44 that abuts and engages. These three parts are threaded through the shaft portion of the adjusting bolt 42 in which the male screw 42b is screwed from the right side of the female screw 43c of the adjusting nut 43 forming the serrated outer peripheral tooth 43a. The cylindrical portion 44c of the socket member 44 is fitted to the protruding shaft portion so as to be relatively rotatable and relatively movable in the axial direction.
[0043]
Further, the hole 35a of the folded overlap portion of the temperature sensitive member 35 shown in the first embodiment is loosely fitted to the shaft portion in which the male screw 42b of the adjustment bolt 42 is screwed, and the left end surface of the adjustment nut 43 and the socket member 44 are fitted. It is inserted between the right end surfaces of. The left side of the strip-shaped stopper member 46 serving as a stopper device is fixed to the socket member 44 with two rivets, and the right side of the stopper member 46 extends across the adjustment nut 43. The shoe gap over-adjustment preventing mechanism is configured by having a gap δ1 equivalent to that of the first embodiment described above between the bent portion 46a formed at the tip of the stopper member 46 and the right end surface of the adjustment nut 43. .
[0044]
Next, Embodiment 3 of the present invention will be described with reference to FIGS. This example is different from the above-described first embodiment only in the structure of the shoe gap over-adjustment preventing mechanism, and only this difference will be mainly described. Different parts will be described with reference numerals of 50, and the same parts will be denoted with the same reference numerals and description thereof will be omitted.
[0045]
In this example, a shoe gap over-adjustment preventing mechanism is provided between the adjusting nut 53 and the brake lever 50 that constitute the shoe gap adjusting strut 51 in cooperation with the adjusting bolt 52 and the socket member 54. This structure will be described with reference to FIG. 6. A folded overlapping portion of a temperature sensitive member 55 to be described later is inserted between a bottom surface of a notch 53 b formed in the crushing flat plate portion 53 a of the adjusting nut 53 and an inner end surface of the brake lever 50. Further, a hook-like portion 53d formed at the left end portion on the lower side of the notch 53b has a clearance δ1 equivalent to that of the first embodiment described above on the right side of the hole 50d formed in the brake lever 50. is doing.
[0046]
The temperature sensitive member 55 is formed in a substantially C shape so that one leg portion 55b folded in half abuts the bottom surface of the notch 53b of the adjustment nut 53 and sandwiches the crushing flat plate portion 53a, and is formed on the other leg portion 55c. Two bent portions 55 d and 55 d that are bent are engaged with the back surface of the brake lever 50. Note that the temperature sensing member 55 may be attached to the brake lever 50, and the locking portions 55d and 55d formed on the other leg portion 55c suppress the play in the rotational direction with respect to the axis of the adjusting nut 53. It is effective but not essential.
[0047]
In the configuration described above, when the temperature sensitive member 55 reaches a predetermined temperature, the temperature sensitive member 55 expands in a substantially V shape, and the adjusting nut 53 and the brake lever 50 are separated. This maximum movement distance corresponds to the clearance δ1 which is regulated by the flange portion 53d of the adjusting nut 53 coming into contact with the hole 50d of the brake lever 50, and the effect of preventing the excessive adjustment of the shoe clearance is described in the first embodiment. The description is omitted because it is the same as.
[0048]
Next, a fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. The drum brake of this example is a drum brake having a one-shot type shoe gap automatic adjusting device as compared with the first embodiment described above, and is provided with a shoe gap over-adjustment preventing mechanism. Parts and parts having the same functions as those in the first embodiment will be described with reference numerals of 100.
[0049]
That is, 102 is a back plate, 103 and 104 are a pair of shoe hold mechanisms, 105 is a wheel cylinder, 106 is an anchor block, 107 and 108 are a pair of shoe return springs, 110 and 115 are a pair of brake shoes, and 120 is a brake lever. , 121 is a pin for pivotally supporting the brake lever 120, 122 is a brake cable, 135 is a temperature sensitive member, and 136 is a stopper pin. Since the functions of these components are the same as those in the first embodiment, the description thereof is omitted.
[0050]
Adjacent to the wheel cylinder 105 in FIG. 7, a shoe gap adjusting strut 161 as a backward restricting device for the brake shoes 110 and 115 is stretched between the shoe web 112 and the brake lever 120 of the brake shoe 110. The shoe gap adjusting strut 161 regulates the return position of the pair of brake shoes 110 and 115 with the contact point with the anchor block 106 as a fulcrum, thereby determining the shoe gap.
[0051]
The shoe gap adjusting strut 161 includes a plate-like strut body 162, a bell crank-like adjustment lever 163, a pin 164 for pivotally attaching the adjustment lever 163 to the strut body 162, and a second spring 165. Is added to configure the shoe gap automatic adjusting device 160.
[0052]
In the strut body 162, a notch 162a formed on the right side in FIG. 8 accommodates the brake lever 120 and the shoe web 117, and the bottom surface of the notch 162a abuts on the brake lever 120 to regulate the return position of the brake shoe 115. is doing. Further, a small tooth 162b is engraved on the left side between both ends of the strut body 162, and the upper portion in FIG. 8 is bent with a level difference of about the plate thickness as shown in FIG. , Extends to the left side.
[0053]
The base 163a of the adjustment lever 163 is rotatable to the left end of the strut main body 162 and movable along the longitudinal plate surface of the strut main body 162, in other words, movable in the expanding direction of the brake shoe 110. The pin 164 is pivotally supported by a pin 164, and a small tooth engraved on the arc-shaped end surface of one arm 163b by the biasing force of the second spring 165 stretched between the strut body 162 and the pin 164. 163 c meshes with the small teeth 162 b of the strut body 162. The other arm portion 163d has a cam portion 163e. The cam portion 163e abuts on the brake outer side of a rectangular hole 112a formed in the shoe web 112 to restrict the return position of the brake shoe 110, and The inner side is fitted with a predetermined gap Δ5.
[0054]
The spring force of the first spring 166 stretched between the shoe web 117 and the strut body 162 is the second spring 16. 5 Is set to be larger than the spring force.
[0055]
On the inner side of the brake near the free end portion 120b of the brake lever 120, an opposing piece 120d facing in parallel to the inner end surface of the shoe web 117 is bent as shown in FIG. Between the inner surface of the facing piece 120d and the inner end surface of the shoe web 117, a folded overlap portion of the temperature sensitive member 135 folded in half and a head portion 136b of the stopper pin 136 are inserted, and the return of the brake lever 120 is inserted. The position is regulated. In the temperature sensitive member 135 of this example, a substantially C-shaped portion formed at the tip of one leg portion 135b is elastically held by holding the opposing piece 120d, and the end surface of the head 136b of the stopper pin 136 is a shoe web. The small-diameter barrel portion 136c is in contact with the inner end surface of 117 and penetrates the folded overlap portion of the temperature-sensitive member 135 and the opposing piece 120d, and is fixed to the outer surface of the opposing piece 120d and the end portion of the small-diameter barrel portion 136c. A gap δ2 is formed between the washer 167 and the washer 167.
[0056]
Next, the shoe gap automatic adjusting action in the above-described configuration will be described with reference to FIGS. When both brake shoes 110 and 115 are expanded by the service brake operation, the expansion amount of the pair of brake shoes 110 and 115 is added to the gap δ5 between the rectangular hole 112a of the shoe web 112 and the cam portion 163e of the adjustment lever 163, The strut body 162 follows the brake shoe 115 and the brake lever 120 by the spring force of the first spring 166 until the engagement height between the small teeth 163c of the adjustment lever 163 and the small teeth 162b of the strut body 162 is exceeded. The adjustment lever 163 follows the brake shoe 110 against the spring force of the second spring 165. When the linings 113 and 118 are worn and the amount of expansion of the pair of brake shoes 110 and 115 exceeds the sum of the gap δ5 and the meshing height, the adjusting lever 163 rotates and 1 of the small teeth 163c. The contact point of the cam surface of the cam portion 163e that contacts the rectangular hole 112a of the shoe web 112 is displaced by an amount corresponding to the tooth. As a result, the distance L1 from the cam surface position of the cam portion 163e that supports the inner edge of the rectangular hole 112a of the shoe web 112 to the bottom surface of the notch 162a of the strut body 162 that supports the brake lever 120 is automatically increased. Keep the gap almost constant.
[0057]
Next, the over-adjustment preventing action of the shoe gap will be described. As the brake reaches a predetermined high temperature, a brake drum (not shown) is thermally expanded. At the same time, the expansion force of the folded overlapping portion of the temperature sensitive member 135 is caused by the spring force of the shoe return springs 107 and 108 to generate the brake shoes 110, The acting force applied to 115, strictly speaking, the acting force applied to the strut body 162 by the acting force and the spring force of the first spring 166 is overcome, and the brake lever 120 is advanced while the temperature is deformed substantially in a V shape. As in Example 1, the return positions of both brake shoes 110 and 115 are displaced in the expanding direction. As a result, the shoe clearance does not increase when the brake is not operated at a high temperature of the brake. At this time, the expansion force of the temperature sensitive member 135 that resists the spring force of the shoe return springs 107 and 108 and the first spring 166 is such that the brake lever 120 moves from the horizontal line passing through the center of the pin 121 in FIG. The vertical distance L2 to the horizontal line that passes through the point that presses 162 is divided by the vertical distance L1 from the horizontal line that passes through the center of the pin 121 to the horizontal line that passes through the point where the temperature sensitive member 135 biases the brake lever 120. It is sufficient that the value is larger than a value, that is, a value obtained by multiplying L2 / L1 by the acting force applied to the brake shoes 110 and 115. As a result, for example, the thickness of the temperature sensitive member 135 can be reduced, and the weight can be significantly reduced, so that the cost can be reduced. Further, the maximum moving distance that the brake lever 120 advances with the temperature deformation of the temperature sensitive member 135 when the brake is at a predetermined high temperature is determined by the gap δ2 between the facing piece 120d and the washer 167, and the brake shoes 110, Since the amount of change in the outer diameter of 115 is set to be substantially the same as the amount of change in the inner diameter of the brake drum (not shown) under the same conditions, the same effect as in the first embodiment can be obtained.
[0058]
Next, a fifth embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 11 is a structural diagram corresponding to the XI-XI cross section of FIG. 7. The parts and parts having the same functions as those of the fourth embodiment of the present invention described above will be described by changing the place of 100 to the place of 200.
[0059]
A pipe member 209 is fixed to the left side of the back plate 202 in FIG. 11 toward the brake outer side. The brake cable 222 for parking brake includes an inner cable 223 and an outer casing 225 that protects the inner cable 223. A casing cap 226 fixed to one end portion of the outer casing 225 is fitted into the pipe member 209 and attached by a wire spring clip 268. The end fitting 224 that fits into the groove formed in the free end 220b of the brake lever 220 and is fixed to one end is free via the folded portion of the temperature sensitive member 235 and the one piece 236d of the L-shaped stopper member 236. It is hooked on the right end face side of the end 220b. On the other hand, between the other end of the brake cable 222 (not shown) and the portion shown in the figure, the cable is routed appropriately along the vehicle body, and the other end of the outer casing 225 (not shown) is fixed to the stationary part of the vehicle. The other end of the inner cable 223 (not shown) is connected to an operation lever in the vehicle compartment, and the return position of the brake lever 220 is regulated by the terminal fitting 224 of the inner cable 223. Further, the temperature sensitive member 235 is folded back in a square hole 236f formed from the bent portion of one piece 236d of the stopper member 236 interposed between the free end portion 220b of the brake lever 220 and the temperature sensitive member 235 to the other piece 236e. The front end of the overlapping portion is fitted with a gap δ3 on the right side.
[0060]
In the parking brake operation in the configuration described above, when the inner cable 223 is pulled, the brake lever 220 rotates clockwise as in the brake lever 120 in FIG. 7, and the shoe gap adjusting strut (same as the shoe gap adjusting strut 161 in FIG. (Not shown) presses the brake shoe 210, and pins similar to the pin 121 in FIG. 7 press the brake shoe 215 to expand each.
[0061]
In the above-described configuration, when the temperature sensitive member 235 reaches a predetermined temperature, it expands in a substantially V shape, and the free end 220b of the brake lever 220 is moved to the left in FIG. The adjusting action stops. The lever ratio at the attachment position of the temperature sensitive member 235 in this example is larger than that in the above-described fourth embodiment of the present invention, and the expansion force of the temperature sensitive member 235 can be reduced accordingly. Further, the maximum moving distance by which the brake lever 220 moves forward is determined by the gap δ3 between the temperature sensitive member 235 and the inner edge of the square hole 236f, and the same effect as in the first embodiment can be obtained.
[0062]
In addition, this invention is not limited to the structure of Example 1-5 mentioned above, For example, a parking brake mechanism (brake lever 20,120,220 and brake cables 22,122,222 etc.) is essential. However, in the embodiment, the drum brake having a brake lever as a lever member has been described, but instead, a bolt member is screwed and projected from the back side of the back plate. Accordingly, it supports to restrict the return position of the free end portion of the member corresponding to the brake lever 20 or 120 in FIGS. 1 and 7, and the outer diameter of the pair of brake shoes is reduced by releasing this supporting means. Thus, a so-called brake shoe outer diameter reduction lever that facilitates removal of the brake drum may be used. The support means is not limited to this, and it may be any structure as long as it allows the return of the reduced diameter lever manually from the outside of the brake. Further, the shoe gap automatic adjustment mechanism and the shoe gap over-adjustment prevention mechanism can be appropriately combined and used, and a temperature sensitive member as a shoe gap over-adjustment prevention mechanism is fitted to the shaft portion of the attached member. In the case of the structure, when the gap between the hole diameter of the temperature sensitive member and the shaft diameter of the attached member is precisely processed and the temperature sensitive member expands in a V shape, the diagonal portion of the hole It is obvious that many changes are possible, such as a stopper device that abuts against the shaft portion and regulates the amount of expansion.
[0063]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, it exhibits at least one of the effects described below.
<A> When the brake reaches a predetermined high temperature, Is Even if it expands in the radial direction, the temperature-sensitive member overcomes the action force (such as the spring force of the shoe return spring) that returns the brake shoe to the return position and deforms in temperature, and the return position of the pair of brake shoes when the brake is not operating Since the shoe gap is kept small by displacing the shoe in the expanding direction, the automatic adjustment of the shoe gap is stopped to prevent over-adjustment, and the operation feeling of the service brake that is repeatedly used increases. To prevent the deterioration of the brakes and ensure quick braking wear .
[0064]
<B> For temperature deformation of temperature-sensitive members that increase as the brake temperature rises With it The amount of change in the outer diameter of the brake shoe contributes to the thermal expansion of the brake drum under the same conditions. Of the brake drum If it is configured to be substantially the same as the amount of change in the inner diameter, the brake shoe can be reliably prevented from being dragged when the brake is hot.
[0065]
<C> When the brake is at a predetermined high temperature , If a stopper device for preventing the change amount of the outer diameter of the brake shoe accompanying the temperature deformation of the temperature sensitive member from becoming excessively larger than the change amount of the inner diameter accompanying the thermal expansion of the brake drum under the same condition, The brake shoe can be reliably prevented from being dragged when the brake is at a predetermined high temperature.
[0066]
<D> The temperature-sensitive member and stopper device that constitute the shoe gap over-adjustment prevention mechanism can be assembled as an integrated assembly with the drum brake components, making it easy to assemble the brake. There is no risk of forgetting or losing parts when disassembling.
[0067]
<E> One end of the reverse regulating device that regulates the return position of the brake shoe can also be applied to a drum brake that supports one brake shoe via a lever member. The lever member is a brake lever for a parking brake or a pair of A diameter-reducing lever that can manually reduce the outer diameter of the brake shoe from the outside of the brake may be used, and can be adopted for various types of drum brakes.
[0068]
<To> The shoe gap over-adjustment prevention mechanism is provided on the free end side of the lever member, specifically, between the contact portion of the lever member with the shoe gap adjusting strut and the free end, or a brake lever for a parking brake. Since the expansion force of the temperature sensitive member can be set to be weaker by the ratio of the lever at the installation position, the plate thickness can be reduced or the width can be reduced. The weight can be reduced by narrowing, and the size can be reduced and the cost can be reduced.
[0069]
<G> Incremental shoe clearance automatic adjustment device that automatically displaces screw joints, or one-shot type automatic shoe clearance adjustment device that automatically displaces small tooth meshing portions automatically And versatile.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a drum brake according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the main part of the assembly of the shoe gap adjusting strut and the shoe gap over-adjustment preventing device shown in FIG.
FIG. 3 is an enlarged perspective view of the temperature sensitive member of FIG.
FIG. 4 relates to Embodiment 2 of the present invention and corresponds to FIG.
FIG. 5 is a front view of a drum brake according to a third embodiment of the present invention.
6 is a sectional view taken along line VI-VI in FIG.
FIG. 7 is a front view of a drum brake according to a fourth embodiment of the present invention.
8 is a sectional view taken along line XIII-XIII in FIG.
9 is a cross-sectional view taken along the line IX-IX in FIG.
10 is an enlarged perspective view of the temperature sensitive member of FIG.
FIG. 11 relates to Embodiment 5 of the present invention and is a structural diagram corresponding to the XI-XI cross section of FIG.
FIG. 12 is an XII-XII arrow oblique view of FIG.
[Explanation of symbols]
5,105,205 Wheel cylinder
7, 8, 107, 108 Shoe return spring
10, 15, 110, 115, 210, 215 Brake shoe
20, 50, 120, 220 Brake lever
22, 122, 222 Brake cable
30,160 Shoe gap automatic adjustment device
31, 41, 51, 161 Shoe gap adjusting strut
32, 42, 52 Adjustment bolt
33, 43, 53 Adjustment nut
34, 44, 54 Socket member
35, 55, 135, 235 Temperature sensitive member
36,136 Stopper pin
37,163 Adjust lever
46,236 Stopper member
162 Strut body

Claims

A service brake actuator is arranged between adjacent one ends of a pair of brake shoes, and a reverse regulating device for regulating the return position of both brake shoes and determining the shoe gap between the brake shoes of the brake shoes is provided on both brake shoes. When the extension amount of the two brake shoes exceeds a predetermined value when the service brake is operated, the contact position of the reverse regulating device with the brake shoe is automatically displaced. urging together, the backward movement limiting device in a direction to stop the automatic shoe clearance adjustment action when a predetermined temperature is allowed to comprise a automatic shoe clearance adjustment device for displacing the expansion direction of the brake shoe return position of the brake shoe drum brake odor was attached a temperature sensitive member to prevent over adjustment of the shoe clearance by ,
The acting force in the expanding direction of the two brake shoes accompanying the temperature deformation of the temperature sensitive member is made larger than the acting force for returning the two brake shoes to the return position, and the two brake shoes are operated when the service brake is not operated. It is characterized by expanding the
Drum brake.

In Claim 1, the amount of change in the outer diameter of the two brake shoes, which increases as the temperature of the temperature-sensitive member increases as the brake temperature increases, contributes to the thermal expansion of the brake drum under the same conditions. A drum brake, characterized in that the drum brake is configured to have substantially the same amount of change in the inner diameter of the brake drum that increases with the increase.

3. The amount of change in the outer diameters of the two brake shoes accompanying the temperature deformation of the temperature sensitive member and the change of the inner diameter accompanying the thermal expansion of the brake drum under the same conditions when the brake is at a predetermined high temperature. A drum brake comprising a stopper means for restricting the amount to be substantially the same amount.

The lever member according to any one of claims 1 to 3, wherein a lever member is disposed in a direction intersecting with the reverse regulating device, is pivotally supported on one of the brake shoes, and is turned back to the temperature sensitive member. A drum brake characterized in that an overlapping portion is formed, the folded overlapping portion is interposed between the lever member and the retraction regulating device, and stopper means for restricting the amount of expansion of the folded overlapping portion is provided.

The lever member according to any one of claims 1 to 3, wherein a lever member is disposed in a direction intersecting with the retraction restricting device, and is pivotally supported on one of the brake shoes. And a free end portion are engaged with one end portion of the retraction restricting device, a rotation return position on the free end portion side of the lever member is restricted by a support member, and a folded overlap portion is formed on the temperature sensitive member. The drum brake is characterized in that the folded overlap portion is interposed between the free end portion side of the lever member and the support member, and a stopper device for restricting the amount of expansion of the folded overlap portion is provided.

In any one of claims 1 to 3, wherein the backward movement limiting device is, itself screwed outer tooth to a rotatable member to form integrally a threaded coupling mechanism comprising a non-rotatable member When the amount of expansion of both brake shoes exceeds a predetermined value, the member forming the outer peripheral teeth rotates and relatively displaces in the axial direction, and the return position of the brake shoe is automatically displaced in the expansion direction. A drum brake characterized by being configured as described above.

6. The both brake shoes according to claim 4 or 5, wherein the retraction restricting device includes a rotatable member that integrally forms outer peripheral teeth and a screw coupling mechanism that is screwed into the rotatable member and cannot rotate itself. When the expansion amount of the brake belt exceeds a predetermined value, the members forming the outer peripheral teeth rotate and are relatively displaced in the axial direction, and the return position of the brake shoe is automatically displaced in the expansion direction. Drum brake is a feature.

7. A folding overlap portion of the temperature-sensitive member is interposed between a member that integrally forms the outer peripheral teeth and a non-rotatable member that is relatively rotatable and separable relative to the member. And a drum brake provided with a stopper device for restricting the amount of expansion of the folded overlap portion.

6. The reverse movement restricting device according to claim 1, wherein the backward restricting device has a small tooth meshing mechanism that allows rotation of the adjusting lever in one direction, and an amount of expansion of both the brake shoes is a predetermined amount. The drum brake is configured so that when the shoe clearance is exceeded, the adjusting lever rotates to displace the meshing position of the small teeth, and the return position of the brake shoe is automatically displaced in the expanding direction.