JP4004689B2 - Method for producing diaryl carbonate - Google Patents

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定した高品質のジアリールカーボネートの製造方法に関するものである。本発明で得られたジアリールカーボネートは溶融エステル交換法による芳香族ポリカーボネートを製造する原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲン及び/又はアリールクロロフォーメートとを芳香族複素環式含窒素塩基性化合物の存在下に反応させ、ジアリールカーボネートを得る手法は良く知られている(例えば、特開昭58−50977号公報参照)。この手法では、芳香族含窒素複素環化合物を触媒として、芳香族モノヒドロキシ化合物(フェノール)2モルに対し1モルのホスゲンを、40〜180℃の温度で、必要により溶媒中で、2モルの塩化水素の脱離を伴う縮合反応を行い、ジアリールカーボネート(炭酸ジフェニル)を製造する。しかし、炭酸ジフェニルの中間生成物であるフェニルクロロフォーメートの生成速度に較べて、該クロロフォーメート体とフェノールの反応による炭酸ジフェニルの生成速度が、充分な速度をもっていない。そのため、反応終了時に少量のクロロフォーメート体が残留して、ジアリールカーボネートの純度を低下させ、着色のない芳香族ポリカーボネート製造時に悪影響を及ぼす。
【0003】
この製造法の改良として、特開平10−77250号公報や特開平9−278714号公報に、特定の条件下で反応させることにより、クロロフォーメート体の残量を効果的に低減可能なことが記載されている。すなわち、芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応に際し、クロロフォーメート体を未反応の芳香族モノヒドロキシ化合物に対し当量以下で生成させ、さらに、得られた反応液中のクロロフォーメート体を該未反応モノヒドロキシ化合物と反応させて、実質的全量をジアリールカーボネートに変換する手法が記載されている。
【0004】
更に、特開平10−245366号公報に、この様にして得られたジアリールカーボネートの品質として、製品中に含まれる加水分解性の塩素を基準として、中和、洗浄、蒸留といった工程を経ることで良好な品質を維持できることが記載されている。その他、特開平11−5766号公報には、洗浄条件を規定したものが、特開平11−5767号公報には、洗浄水の再利用を規定したものが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、クロロフォーメート体や微量に含有した塩素の低減に有効な手法が種々提案され、ジアリールカーボネートの品質の課題はほぼ解決されたように認識される。しかし、これらの手法に従って、ジアリールカーボネート製造を工業的に実施する場合、原料ホスゲンをどの様に有効に使用し、製品に転化させるか等について、格別有効な手段は提案されていない。
例えば、この反応系のスケールを大きくする段階で、増大するホスゲンの供給量に比例して反応槽を大きくすれば同じ反応効率が確保できる訳ではなく、特にホスゲンを有効に利用できるだけの液深等はスケールに見合った量の増大が期待できない。また、反応槽中の他の液状反応原料とガス状で接触するホスゲンの場合、ガス線速を小さいスケールと同一にするのは不可能で、これによって生じる反応効率の低下は他の手段で補うことが不可欠であった。
すなわち、芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲン及び/又はアリールクロロフォーメートとを芳香族複素環式含窒素塩基性化合物の存在下に反応させてジアリールカーボネートを得る際に、ホスゲンの反応効率を如何に向上させるかが、重要な課題であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、一定の攪拌動力を与えることによって、ガス状のホスゲンをより有効に反応に使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、ジアリールカーボネートの製造に際し、最も効率よくホスゲンを使用できる条件の提供を目的とする。
【0007】
本発明の要旨は、芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲン及び/又はアリールクロロフォーメートとを芳香族複素環式含窒素塩基性化合物の存在下に、120〜190℃の温度で反応させるジアリールカーボネートの製造方法において、下記数式(1)で求められる、反応させる際の反応器内の単位流量当たりの攪拌動力(P/q)として、250(kgf・m/l)以上の動力を与えることを特徴とするジアリールカーボネートの製造方法に存する。
P/q=Np・ρ・n3 ・d5 /q(kgf・m/l) ・・・(1)
Np:攪拌動力定数、ρ:反応液の比重(kg/m3 )、n:撹拌機の回転数(rps)、d:撹拌機の翼径(m)、q:反応液の流量(l/sec)
【0008】
【発明の実施の形態】
原料及び補助材料
芳香族モノヒドロキシ化合物: 芳香族モノヒドロキシ化合物としては、芳香環に直接ヒドロキシ基が結合しているものであり、フェノール、クレゾールやブチルフェノール等のアルキルフェノール類、アリールフェノール類、ハロゲン化フェノール類及びヘテロ原子を介してアルキル又はアリール基の結合したフェノール類が使用できる。
アリールクロロフォーメート: アリールクロロフォーメートとしては、前記芳香族モノヒドロキシ化合物のクロロフォーメートが使用できる。
【0009】
ホスゲン: ホスゲンとしては、塩化メチレンや四塩化炭素や塩素等の不純物を含有しない純粋のものが好ましい。ホスゲン導入量としては、芳香族モノヒドロキシ化合物1.0モルに対して1.0モル以下が好ましく、0.4〜0.5モルがさらに好ましい。化学量論量は0.5モルであるが、ホスゲンの導入量を化学量論量以下に抑制することにより、未反応の芳香族モノヒドロキシ化合物が必然的に残存し、反応中間体であるアリールクロロフォーメートと芳香族モノヒドロキシ化合物のジアリールカーボネート生成反応が促進されて、工業用グレードの着色のないポリカーボネートが得られる。
【0010】
芳香族複素環式含窒素塩基性化合物又はその塩: 触媒として用いられる芳香族複素環式含窒素塩基性化合物としては、窒素原子が芳香族の5員環又は6員環中に存在しており、かつ、反応条件下にホスゲン又は炭酸エステルと強固な結合を生じやすい官能基(例えば、アミノ基又はヒドロキシ基)を有していない塩基性窒素化合物であり、環には、窒素原子の他に酸素、硫黄等の他のヘテロ原子を有していても良い。かかる触媒の具体例としては、ピリジン、キノリン、ピコリン、イミダゾール類、ベンズイミダゾール類、ピラゾール類、トリアゾール類及びベンゾトリアゾール類である。
【0011】
芳香族複素環式含窒素塩基性化合物触媒(以下、「塩基性触媒」と略称することがある。)は、反応混合物中で直ちに相当する塩酸塩に変化する。この塩酸塩は遊離型の塩基性触媒と解離平衡の状態にあるため、遊離型の塩基性触媒の代わりに、塩基性触媒の塩、例えば、塩酸塩や硫酸塩等の無機酸塩、蟻酸塩や酢酸塩等の有機酸塩を使用することができる。これらの触媒は、芳香族モノヒドロキシ化合物1.0モルに対して、0.001〜0.20モルの量で使用することが好ましく、0.01〜0.10モルの使用がさらに好ましい。
【0012】
アルカリ: 塩酸塩型の塩基性触媒の中和剤として用いられるアルカリとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びバリウムの水酸化物、炭酸及びリン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩が使用できる。
【0013】
フローシート
本発明のジアリールカーボネート製造方法の一例を、図1のフローシートを用いて説明する。
図中、1は第1反応器、2は第2反応器、3は第3反応器、4は中和槽、5は分離槽、6は蒸留装置、11、12、13及び14はそれぞれ芳香族モノヒドロキシ化合物、芳香族複素環式含窒素塩基性化合物又はその塩、ホスゲン及び不活性ガス導入用の配管、21、22、23、24、25、26及び27はそれぞれ第1反応器反応混合物、第2反応器排ガス、第2反応器排液、第3反応器排ガス、第3反応器排液、中和液及び分離有機相排出用の配管、31、32、33及び34はそれぞれ第1反応器、第2反応器、第3反応器及び中和槽に設置された撹拌機を示す。
【0014】
反応:
加熱溶融した芳香族モノヒドロキシ化合物(11)、芳香族複素環式含窒素塩基性化合物又はその塩(12)及びガス状のホスゲン(13)を、第1反応器(1)に連続的に供給し、120〜190℃の温度で、撹拌(31)を行いながら反応を行う。その際、ホスゲン(13)は図示するように反応器内の液相部に導入される。また、芳香族複素環式含窒素塩基性化合物又はその塩(12)は、加熱溶融した芳香族モノヒドロキシ化合物(11)の一部又は全部と混合して導入してもよい。
【0015】
第1反応器反応混合物は気液分散状態のまま連続的に排出され、配管(21)を経て第2反応器(2)に導入され、撹拌下(32)更に反応を進めホスゲンの転化率を向上させる。第2反応器排ガスは、主に反応によって発生した塩化水素及び未反応ホスゲンからなり、配管(22)から排出され、コンデンサー(図示せず)を経て系外にパージされる。従って、このホスゲンの消費率を向上させることは重要となる。
【0016】
第2反応器排液は配管(23)から排出され、更に第3反応器(3)に導入され、撹拌(33)下、窒素ガスのような不活性ガス(14)を吹き込んで液中に溶存する塩化水素ガスを除去し、クロロフォーメート体の押し切り反応(芳香族モノヒドロキシ化合物との平衡反応によるジアリールカーボネートへの転換)を促進する。第3反応器排ガスは、不活性ガスに同伴された塩化水素であり、配管(24)から排出され、塩化水素は必要に応じ精製を施し回収塩酸として再利用される。不活性ガスは、塩酸回収後この反応器に再循環使用することもできる。なお、反応器2基の場合は、第2反応器を省略し、第1反応器と第3反応器で運転することもできる。
【0017】
分離・回収:
反応終了後の混合物中には、ジアリールカーボネート、未反応芳香族モノヒドロキシ化合物、微量不純物及び触媒である芳香族複素環式含窒素塩基性化合物の塩酸塩が含まれており、塩素の含有量は、触媒の使用量に応じて約300〜60,000ppmとなる。第3反応器排液(25)は、中和槽(4)に供給し撹拌下(34)別に導入(図示せず)されるアルカリ水溶液と接触させて塩酸塩を中和する。中和液は配管(26)を経て分離槽(5)に導入し、ここで有機相と水相に分離し、有機相を抜き出して更に温水と接触させた後、再び、これを分離槽で有機相と水相に分離する。塩素は水相とともに除去される。
【0018】
最終的に分離された有機相は配管(27)を経て蒸留装置(6)に供給し、そこで蒸留によって、遊離型の塩基性触媒、未反応芳香族モノヒドロキシ化合物及びジアリールカーボネートを分離回収する。蒸留は蒸留時の加熱によるジアリルカーボネートの分解を押さえるためには1〜100torr、実用上は5〜50torrの減圧蒸留が好ましい。蒸留装置は、複数の蒸留塔(図示せず)から構成されていてもよい。例えば、塩基性触媒を容易に効率良く回収するために、第1蒸留塔で軽沸物(未反応芳香族モノヒドロキシ化合物、遊離の芳香族複素環式含窒素塩基性化合物及び水分等)を分離し、第2蒸留塔で高沸不純物と製品ジアリールカーボネートに分離してもよい。
【0019】
本発明のジアリールカーボネートの製造は、連続式でも、バッチ式(回分式)でもよい。
【0020】
撹拌動力:
本発明のジアリールカーボネート製造方法では、芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応は、通常、気液接触の形態で行われる。従って、ホスゲンガスを塩基性触媒が溶存する芳香族モノヒドロキシ化合物含有反応液中に導入して、両反応原料を接触させて反応させる場合、ホスゲンガスの反応液への拡散が重要である。ところが、ガス供給線速を大きくすると、ガスが反応液へ殆ど拡散せずに通り抜ける「吹き抜け」の現象を起こす。この現象を避けようとすると、ガス供給速度を制限するか、多数の反応器を用いる必要があり、いずれも反応器容量当たりの生産量が小さくせざるを得ない。ガス供給速度は生産設備の能力を左右するので、重要な問題である。実験設備等の小さいスケールでは、線速0.1cm/秒以下に制限されても問題はないが、実用規模の線速0.5cm/秒以上のスケール、その上の線速1cm/秒のオーダー、10cm/秒のオーダーとなると、「吹き抜け」は避けられず、撹拌動力その他の拡散改善策を考慮する必要が出てくる。
【0021】
本発明のジアリールカーボネートの製造方法においては、下記数式(1)で求められる、反応が進行する反応器における反応液の単位流量当たりの攪拌動力(P/q)として、ある限界値以上の動力を与えることが必要である。
P/q=Np・ρ・n3 ・d5 /q(kgf・m/l) ・・・(1)
Np:攪拌動力定数、ρ:反応液の比重(kg/m3 )、
n:撹拌機の回転数(rps)、d:撹拌機の翼径(m)、
q:反応液の流量(l/sec)
具体的には、単位流量当たりの攪拌動力(P/q)として、250(kgf・m/l)以上、好ましくは300(kgf・m/l)以上、更に好ましくは350(kgf・m/l)以上の動力が反応液に伝わることが必要である。この限界値より低い動力しか与えられない場合は、反応が未だ拡散律速の領域にあり、ホスゲンの反応効率が最高値に達していないことを意味する。反応律速の領域内にあることを確実にし、ホスゲンの反応効率が動力に依存しないようにするためには、与えられる動力の値を上記の好ましい値又はさらに好ましい値以上とするのがよい。
【0022】
本発明方法では、塩酸酸性条件下の反応であるため、反応器、攪拌翼の材質として通常のステンレスが使用困難であり、一般にはグラスライニング製又はテフロンライニング製とならざるを得ない。その結果、攪拌翼エッジ部には必然的にRが取られ、攪拌効率として悪い方向になってしまう。その様な状況下でもガス体のホスゲンを高効率で反応させるためにも、上記限界値以上の攪拌動力は必要である。
【0023】
攪拌翼の種類として、ガス分散効率を向上させうるものであれば、何れのタイプであっても問題なく、一般的なタービン翼、ファウドラー翼、デイスクタービン翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック)、マックスブレンド翼等が好んで使用される。
【0024】
ただ何れのタイプの翼を使用しても、芳香族モノヒドロキシ化合物、アリールクロロフォーメート及びジアリールカーボネートからなる反応液の液粘性では、実液系では回転数に対する負荷動力が計算動力の様な傾きで上昇しないため、上記攪拌動力を負荷させるには相当の攪拌回転数とガス分散の工夫が必要となる。例えば、攪拌混合を向上させるにはバッフルを設置することが好ましい。また、ガス分散効率を向上させるべく、ホスゲン導入孔は可能な限り多数であることが好ましく、一般にはテフロン管に細孔を開けた吹き込み管やガラス製のボールフィルター等細孔のあるものを使用することが好ましい。
【0025】
スケール・アップ:
一定の攪拌動力が反応に加わったことを検知する手段として、小スケールでの攪拌軸にトルクメーターを設置し動力値を実測する。次いで、前記の数式(1)により計算上の動力値を求め、両動力値を比較してNp値(機器定数)を算出する。このNpを使用して、相似形にてスケール・アップした場合の負荷動力値を算出し、これが前記の限界値よりも大きいことを確かめれば、スケール・アップ可能である。この様に、必要動力値をスケール・アップの指標とすることで、ジアリールカーボネートの製造が工業的レベルまでスケール・アップ可能となった。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例1〜3
オイル循環方式の外部加熱装置に接続されたジャケット付きガラス製反応容器(内容積が0.85リットル、実液410mlの位置にオーバーフロー管を設置、容器内塔断面積=57cm2 )を3個連続で接続した。第2と3の反応容器には、生成した塩酸ガスを系外へ除くためのコンデンサー付き排気管を接続した。溶融フェノール420g/hr及びピリジン17g/hr(ピリジン/フェノール=5mol%相当)を第1反応容器へ連続供給しながら、150℃へ昇温した。攪拌翼としてガラス製のデイスクタービン2段翼を使用し、表1記載の撹拌回転数にて、供給されるフェノールの0.48モル比のホスゲン(212g/hr)を第1反応容器へ連続供給した。この時のホスゲン線速及びホスゲン転化率を表1に示した。
この時攪拌機に取り付けられたトルクメーターから読みとられた動力値と、攪拌回転数と翼径から前記数式(1)にて計算された動力値とを比較して、Np値を5.2と算出した。
【0027】
第1反応容器から流出した反応混合物は、オーバーフロー管を介して第2反応器へ供給し、第2反応器から流出した反応混合物は同様に第3反応器へ供給した。第3反応器から流出した反応混合物は、ガラス製の受器に抜き出した。第3反応器には、窒素ガスの吹き込み管を設置し、反応混合物中へ窒素ガスを連続供給し残留した塩酸を脱気した。
【0028】
同組成を、85℃にて5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和後、静置してから水相と有機相を別々に抜き出した。水酸化ナトリウム水溶液添加後のpHは9であった。抜き出した有機相を、再度、同温度にて脱塩水洗浄後、静置してから水相と有機相を別々に抜き出した。
【0029】
スルザーパッキング(住友重機工業製)を充填した真空蒸留塔にて、分離した有機相を蒸留精製した。最初の蒸留で軽沸成分であるフェノールとピリジン及び水を追い出し、その次の蒸留でジフェニールカーボネートを蒸留精製した。
【0030】
この様にして得られたジフェニルカーボネートの純度をガスクロ及び液クロにて分析すると共に、5gをトルエン10mlに加え、常温で溶解後、超純水(Clを含有しないイオン交換水)10mlを加え、マグネチックスターラを用い1000rpmで10分間撹拌した後、水相中の残留塩素をイオンクロマトグラフで分析した。
【0031】
実施例4〜6
オイル循環方式の外部加熱装置に接続されたジャケット付きガラスライニング製反応容器(内容積が60リットル、実液29lの位置にオーバーフロー管を設置、容器内塔断面積=962cm2 )を2個連続で接続した。第2の反応容器には、生成した塩酸ガスを系外へ除くためのコンデンサー付き排気管を接続した。あらかじめピリジンを5モル%添加して撹拌しておいた溶融フェノールを、約29l/hr(フェノール29.7kg/hr、ピリジン1.24kg/hrに相当)で第1反応容器へ連続供給しながら、150℃へ昇温した。攪拌翼としてテフロン製のデイスクタービン翼を使用し、表1記載の撹拌回転数にて、供給されるフェノールの0.48モル比のホスゲン(15.0kg/hr)を第1反応容器へ連続供給した。
この時のホスゲン線速及ホスゲン転化率を表1に示した。また、表1には、上記実施例1で得られた小スケールのNp値5.2を使用し、前記数式(1)を用いて計算した数値を、撹拌動力値(P/q)として示した。
以降の操作は実施例1と同様に実施した。
【0032】
実施例7〜9
実施例4と同条件にて各原料供給量を1/2に減らすことで各反応槽の滞留時間を2時間とした。
【0033】
比較例1〜2
実施例1に用いた装置を用い、表1に示す攪拌回転数に変更した以外実施例1と同様の操作を実施した。
【0034】
比較例3〜4
実施例4に用いた装置にて、表1に示す攪拌回転数に変更した以外実施例4と同様の操作を実施した。
【0035】
比較例5
実施例7の滞留時間で、表1に示す攪拌回転数に変更した以外実施例7と同様に実施した。
【0036】
【表1】

Figure 0004004689
【0037】
この様に、反応器のスケール・アップした場合(ホスゲンの線速が向上)でも、一定の攪拌動力以上の負荷動力があれば、反応を拡散律速から反応律速に変え得ることが判る。
一方拡散律速状態の負荷動力では、フェノールの転化率が低いばかりか、ホスゲンの転化率も低く、非常にロスの多い反応となる。
【0038】
【発明の効果】
本発明のジアリールカーボネート製造法により、安定した高品質のジアリールカーボネートを高収率で得ることができ、反応器のスケールもより大きなものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジアリールカーボネートの製造方法を示すフローシート図。
【符号の説明】
1 第1反応器
2 第2反応器
3 第3反応器
4 中和槽
5 分離槽
6 蒸留装置
11〜14 導入用の配管
21〜27 排出用の配管
31〜34 撹拌機[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a stable and high-quality diaryl carbonate. The diaryl carbonate obtained in the present invention is useful as a raw material for producing an aromatic polycarbonate by a melt transesterification method.
[0002]
[Prior art]
A technique for obtaining a diaryl carbonate by reacting an aromatic monohydroxy compound with phosgene and / or an aryl chloroformate in the presence of an aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound is well known (for example, see Japanese Patent Application Laid-Open (JP-A)). 58-50977). In this method, using an aromatic nitrogen-containing heterocyclic compound as a catalyst, 1 mol of phosgene is added to 2 mol of an aromatic monohydroxy compound (phenol) at a temperature of 40 to 180 ° C. A condensation reaction involving elimination of hydrogen chloride is performed to produce diaryl carbonate (diphenyl carbonate). However, compared with the formation rate of phenyl chloroformate, which is an intermediate product of diphenyl carbonate, the rate of formation of diphenyl carbonate due to the reaction of the chloroformate and phenol is not sufficient. For this reason, a small amount of chloroformate remains at the end of the reaction, lowering the purity of the diaryl carbonate and adversely affecting the production of uncolored aromatic polycarbonate.
[0003]
As an improvement of this production method, the remaining amount of chloroformate can be effectively reduced by reacting under specific conditions in JP-A-10-77250 and JP-A-9-278714. Are listed. That is, in the reaction of the aromatic monohydroxy compound and phosgene, a chloroformate is formed in an equivalent amount or less with respect to the unreacted aromatic monohydroxy compound, and the chloroformate in the obtained reaction solution is further converted into the chloroformate. A technique is described in which a substantially total amount is converted to diaryl carbonate by reacting with an unreacted monohydroxy compound.
[0004]
Furthermore, in JP-A-10-245366, as the quality of the diaryl carbonate thus obtained, the hydrolyzable chlorine contained in the product is used as a reference, through steps such as neutralization, washing and distillation. It is described that good quality can be maintained. In addition, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-5766 describes what defines the cleaning conditions, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-5767 describes what defines the reuse of the cleaning water.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, various methods effective for reducing the amount of chloroformate and chlorine contained in a trace amount have been proposed, and it is recognized that the quality problem of diaryl carbonate has been almost solved. However, when diaryl carbonate production is carried out industrially according to these methods, no particularly effective means has been proposed for how to effectively use raw material phosgene and convert it into a product.
For example, at the stage of increasing the scale of this reaction system, the same reaction efficiency cannot be ensured by increasing the reaction tank in proportion to the increasing supply amount of phosgene. Cannot be expected to increase in proportion to the scale. In addition, in the case of phosgene in gaseous contact with other liquid reaction raw materials in the reaction tank, it is impossible to make the gas linear velocity the same as a small scale, and the reduction in reaction efficiency caused by this is compensated by other means. It was essential.
That is, how the reaction efficiency of phosgene is improved when diaryl carbonate is obtained by reacting an aromatic monohydroxy compound with phosgene and / or aryl chloroformate in the presence of an aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound. It was an important issue to do.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations to solve this problem, the present inventors have found that gaseous phosgene can be used more effectively in the reaction by giving a constant stirring power, thereby completing the present invention. It came. The object of the present invention is to provide the conditions under which phosgene can be used most efficiently in the production of diaryl carbonate.
[0007]
The gist of the present invention is to produce a diaryl carbonate in which an aromatic monohydroxy compound and phosgene and / or aryl chloroformate are reacted at a temperature of 120 to 190 ° C. in the presence of an aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound. The method is characterized in that a power of 250 (kgf · m / l) or more is applied as the stirring power (P / q) per unit flow rate in the reactor at the time of reaction, which is determined by the following formula (1). A method for producing diaryl carbonate.
P / q = Np · ρ · n 3 · d 5 / q (kgf · m / l) (1)
Np: stirring power constant, ρ: specific gravity of the reaction solution (kg / m 3 ), n: rotation speed of the stirrer (rps), d: blade diameter of the stirrer (m), q: flow rate of the reaction solution (l / sec)
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Raw materials and auxiliary materials Aromatic monohydroxy compounds: Aromatic monohydroxy compounds are those in which a hydroxy group is bonded directly to an aromatic ring, such as phenols, alkylphenols such as cresol and butylphenol, and arylphenols. Further, halogenated phenols and phenols having an alkyl or aryl group bonded through a hetero atom can be used.
Aryl chloroformate: As the aryl chloroformate, the chloroformate of the aromatic monohydroxy compound can be used.
[0009]
Phosgene: As the phosgene, pure one containing no impurities such as methylene chloride, carbon tetrachloride and chlorine is preferable. The amount of phosgene introduced is preferably 1.0 mol or less, more preferably 0.4 to 0.5 mol, relative to 1.0 mol of the aromatic monohydroxy compound. Although the stoichiometric amount is 0.5 mol, the unreacted aromatic monohydroxy compound is inevitably left by suppressing the introduction amount of phosgene below the stoichiometric amount, and the reaction intermediate aryl The diaryl carbonate formation reaction of chloroformate and aromatic monohydroxy compound is promoted to obtain an industrial grade uncolored polycarbonate.
[0010]
Aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound or salt thereof: As an aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound used as a catalyst, a nitrogen atom is present in an aromatic 5-membered ring or 6-membered ring. And a basic nitrogen compound that does not have a functional group (for example, an amino group or a hydroxy group) that tends to form a strong bond with phosgene or a carbonate ester under reaction conditions. It may have other hetero atoms such as oxygen and sulfur. Specific examples of such catalysts are pyridine, quinoline, picoline, imidazoles, benzimidazoles, pyrazoles, triazoles and benzotriazoles.
[0011]
The aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound catalyst (hereinafter sometimes abbreviated as “basic catalyst”) immediately changes to the corresponding hydrochloride in the reaction mixture. Since this hydrochloride is in a dissociation equilibrium with the free basic catalyst, instead of the free basic catalyst, a salt of the basic catalyst, for example, an inorganic acid salt such as hydrochloride or sulfate, formate, etc. And organic acid salts such as acetate can be used. These catalysts are preferably used in an amount of 0.001 to 0.20 mol, more preferably 0.01 to 0.10 mol, relative to 1.0 mol of the aromatic monohydroxy compound.
[0012]
Alkali: As the alkali used as a neutralizing agent for the basic catalyst of the hydrochloride type, hydroxides of sodium, potassium, calcium and barium, sodium and ammonium salts of carbonic acid and phosphoric acid can be used.
[0013]
Flow sheet An example of the method for producing diaryl carbonate of the present invention will be described with reference to the flow sheet of FIG.
In the figure, 1 is a first reactor, 2 is a second reactor, 3 is a third reactor, 4 is a neutralization tank, 5 is a separation tank, 6 is a distillation apparatus, and 11, 12, 13 and 14 are aromas. Monohydroxy compound, aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound or salt thereof, piping for introducing phosgene and inert gas, 21, 22, 23, 24, 25, 26 and 27 are respectively the first reactor reaction mixture , The second reactor exhaust gas, the second reactor exhaust liquid, the third reactor exhaust gas, the third reactor exhaust liquid, the neutralizing liquid and the separated organic phase discharge pipes 31, 32, 33 and 34 are respectively the first The agitator installed in the reactor, the second reactor, the third reactor and the neutralization tank is shown.
[0014]
reaction:
Heated and melted aromatic monohydroxy compound (11), aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound or salt (12) and gaseous phosgene (13) are continuously supplied to the first reactor (1). The reaction is carried out at a temperature of 120 to 190 ° C. while stirring (31). At that time, phosgene (13) is introduced into the liquid phase part in the reactor as shown in the figure. Moreover, you may introduce | transduce an aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound or its salt (12), mixing with a part or all of the aromatic monohydroxy compound (11) heated and melted.
[0015]
The reaction mixture in the first reactor is continuously discharged in a gas-liquid dispersion state, introduced into the second reactor (2) through the pipe (21), and further reacted under stirring (32) to increase the conversion rate of phosgene. Improve. The second reactor exhaust gas mainly consists of hydrogen chloride and unreacted phosgene generated by the reaction, and is discharged from the pipe (22) and purged outside the system through a condenser (not shown). Therefore, it is important to improve the phosgene consumption rate.
[0016]
The second reactor effluent is discharged from the pipe (23) and further introduced into the third reactor (3). Under stirring (33), an inert gas (14) such as nitrogen gas is blown into the liquid. The dissolved hydrogen chloride gas is removed, and the push-off reaction of the chloroformate body (conversion to diaryl carbonate by an equilibrium reaction with an aromatic monohydroxy compound) is promoted. The third reactor exhaust gas is hydrogen chloride accompanying the inert gas, and is discharged from the pipe (24). The hydrogen chloride is purified as necessary and reused as recovered hydrochloric acid. The inert gas can also be recycled to the reactor after hydrochloric acid recovery. In the case of two reactors, the second reactor can be omitted and the first reactor and the third reactor can be operated.
[0017]
Separation / collection:
In the mixture after completion of the reaction, diaryl carbonate, unreacted aromatic monohydroxy compound, trace impurities and hydrochloride of aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound as catalyst are contained, and the chlorine content is Depending on the amount of catalyst used, it is about 300-60,000 ppm. The third reactor effluent (25) is supplied to the neutralization tank (4) and brought into contact with an aqueous alkaline solution introduced (not shown) separately with stirring (34) to neutralize the hydrochloride. The neutralized liquid is introduced into the separation tank (5) via the pipe (26), where it is separated into an organic phase and an aqueous phase, and the organic phase is extracted and further brought into contact with warm water, and then again in the separation tank. Separate into organic and aqueous phases. Chlorine is removed along with the aqueous phase.
[0018]
The finally separated organic phase is supplied to a distillation apparatus (6) via a pipe (27), where free basic catalyst, unreacted aromatic monohydroxy compound and diaryl carbonate are separated and recovered by distillation. In order to suppress the decomposition of diallyl carbonate due to heating during distillation, distillation under reduced pressure of 1 to 100 torr, and practically 5 to 50 torr is preferable. The distillation apparatus may be composed of a plurality of distillation columns (not shown). For example, in order to easily and efficiently recover basic catalysts, light boiling materials (unreacted aromatic monohydroxy compounds, free aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compounds, moisture, etc.) are separated in the first distillation column. In the second distillation column, high boiling impurities and product diaryl carbonate may be separated.
[0019]
The production of the diaryl carbonate of the present invention may be a continuous type or a batch type (batch type).
[0020]
Stirring power:
In the diaryl carbonate production method of the present invention, the reaction between the aromatic monohydroxy compound and phosgene is usually carried out in the form of gas-liquid contact. Therefore, when phosgene gas is introduced into an aromatic monohydroxy compound-containing reaction solution in which a basic catalyst is dissolved and the reaction raw materials are brought into contact with each other to cause reaction, diffusion of phosgene gas into the reaction solution is important. However, when the gas supply line speed is increased, a phenomenon of “blow-through” occurs in which the gas passes through the reaction liquid without substantially diffusing. In order to avoid this phenomenon, it is necessary to limit the gas supply rate or use a large number of reactors, all of which have to reduce the production amount per reactor volume. The gas supply rate is an important issue because it affects the capacity of the production facility. On a small scale such as experimental equipment, there is no problem even if the linear speed is limited to 0.1 cm / sec or less, but the scale of practical scale linear speed 0.5 cm / sec or higher, and the linear speed on that scale is on the order of 1 cm / sec. When the order is 10 cm / second, “blow-through” is unavoidable, and it is necessary to consider stirring power and other measures for improving diffusion.
[0021]
In the method for producing a diaryl carbonate of the present invention, the stirring power (P / q) per unit flow rate of the reaction liquid in the reactor in which the reaction proceeds is obtained by the following mathematical formula (1), and a power exceeding a certain limit value is used. It is necessary to give.
P / q = Np · ρ · n 3 · d 5 / q (kgf · m / l) (1)
Np: stirring power constant, ρ: specific gravity of the reaction liquid (kg / m 3 ),
n: rotation speed of the stirrer (rps), d: blade diameter of the stirrer (m),
q: Flow rate of reaction solution (l / sec)
Specifically, the stirring power per unit flow rate (P / q) is 250 (kgf · m / l) or more, preferably 300 (kgf · m / l) or more, more preferably 350 (kgf · m / l). ) The above power must be transmitted to the reaction solution. If only a power lower than this limit value can be applied, it means that the reaction is still in the diffusion-controlled region and the reaction efficiency of phosgene has not reached the maximum value. In order to ensure that the reaction rate is within the range of the reaction rate and to prevent the reaction efficiency of phosgene from depending on the power, the value of the power to be given should be set to the above preferable value or more preferable value.
[0022]
In the method of the present invention, since the reaction is carried out under acidic conditions of hydrochloric acid, it is difficult to use ordinary stainless steel as the material of the reactor and the stirring blade, and in general, it must be made of glass lining or Teflon lining. As a result, R is inevitably taken at the agitating blade edge portion, and the agitation efficiency becomes worse. Even in such a situation, in order to react the gaseous phosgene with high efficiency, stirring power exceeding the above limit value is necessary.
[0023]
Any type of agitating blade can be used as long as the gas dispersion efficiency can be improved. General turbine blades, Faudler blades, disk turbine blades, full-zone blades (Shinko Pantech), Max. Blend wings are preferred.
[0024]
Regardless of which type of blade is used, the liquid power of the reaction liquid consisting of aromatic monohydroxy compound, aryl chloroformate and diaryl carbonate is such that the load power with respect to the rotational speed in the actual liquid system is a gradient like the calculated power. Therefore, in order to load the above stirring power, it is necessary to devise considerable stirring speed and gas dispersion. For example, it is preferable to install a baffle to improve stirring and mixing. In order to improve gas dispersion efficiency, the number of phosgene introduction holes is preferably as many as possible. Generally, a Teflon tube with a pore such as a blow tube or a glass ball filter is used. It is preferable to do.
[0025]
Scale-up:
As a means of detecting that a constant stirring power is applied to the reaction, a torque meter is installed on a small-scale stirring shaft to measure the power value. Next, the calculated power value is obtained by the above formula (1), and both power values are compared to calculate the Np value (equipment constant). Using this Np, the load power value when scaled up in a similar form is calculated, and it can be scaled up if it is confirmed that this is larger than the limit value. In this way, the production of diaryl carbonate can be scaled up to an industrial level by using the required power value as an index for scale-up.
[0026]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples and comparative examples.
Examples 1-3
Three consecutive glass reaction vessels with jackets connected to an oil circulation external heating device (with an internal volume of 0.85 liters, an overflow pipe installed at a position of 410 ml of actual liquid, and a cross-sectional area of the inner column of the vessel = 57 cm 2 ) Connected with. An exhaust pipe with a condenser for removing the generated hydrochloric acid gas out of the system was connected to the second and third reaction vessels. While continuously supplying 420 g / hr of molten phenol and 17 g / hr of pyridine (equivalent to 5 mol% pyridine / phenol), the temperature was raised to 150 ° C. A glass disk turbine two-stage blade is used as a stirring blade, and 0.48 molar ratio of phosgene (212 g / hr) of the supplied phenol is continuously supplied to the first reaction vessel at the stirring rotational speed shown in Table 1. did. The phosgene linear velocity and phosgene conversion rate at this time are shown in Table 1.
At this time, the power value read from the torque meter attached to the stirrer is compared with the power value calculated by the above formula (1) from the stirring rotation speed and the blade diameter, and the Np value is 5.2. Calculated.
[0027]
The reaction mixture flowing out from the first reaction vessel was supplied to the second reactor via the overflow pipe, and the reaction mixture flowing out from the second reactor was similarly supplied to the third reactor. The reaction mixture flowing out from the third reactor was extracted into a glass receiver. The third reactor was provided with a nitrogen gas blowing tube, and nitrogen gas was continuously supplied into the reaction mixture to degas the remaining hydrochloric acid.
[0028]
The same composition was neutralized by adding a 5% by weight aqueous sodium hydroxide solution at 85 ° C. and allowed to stand, and then the aqueous phase and the organic phase were extracted separately. The pH after addition of the aqueous sodium hydroxide solution was 9. The extracted organic phase was again washed with demineralized water at the same temperature and allowed to stand, and then the aqueous phase and the organic phase were extracted separately.
[0029]
The separated organic phase was purified by distillation in a vacuum distillation column packed with Sulzer Packing (manufactured by Sumitomo Heavy Industries). The light distillation components phenol, pyridine and water were driven out in the first distillation, and diphenyl carbonate was distilled and purified in the subsequent distillation.
[0030]
The purity of the diphenyl carbonate thus obtained was analyzed by gas chromatography and liquid chromatography, 5 g was added to 10 ml of toluene, dissolved at room temperature, and then 10 ml of ultrapure water (ion-exchanged water not containing Cl) was added. After stirring for 10 minutes at 1000 rpm using a magnetic stirrer, residual chlorine in the aqueous phase was analyzed by ion chromatography.
[0031]
Examples 4-6
Two consecutive glass-lined reaction vessels with jackets connected to an oil-circulating external heating device (with an internal volume of 60 liters, an overflow pipe installed at the position of 29 liters of actual liquid, and a cross-sectional area in the vessel = 962 cm 2 ) Connected. An exhaust pipe with a condenser for removing the generated hydrochloric acid gas out of the system was connected to the second reaction vessel. While continuously supplying 5 mol% of pyridine and stirring the molten phenol at about 29 l / hr (phenol 29.7 kg / hr, equivalent to pyridine 1.24 kg / hr) to the first reaction vessel, The temperature was raised to 150 ° C. Using a Teflon disk turbine blade as a stirring blade, 0.48 molar ratio of phosgene (15.0 kg / hr) of the supplied phenol was continuously supplied to the first reaction vessel at the stirring rotation speed shown in Table 1. did.
Table 1 shows the phosgene line speed and the phosgene conversion rate at this time. Further, Table 1 shows the numerical value calculated by using the mathematical formula (1) using the small-scale Np value of 5.2 obtained in Example 1 as the stirring power value (P / q). It was.
The subsequent operations were performed in the same manner as in Example 1.
[0032]
Examples 7-9
The residence time of each reaction tank was set to 2 hours by reducing each raw material supply amount to 1/2 under the same conditions as in Example 4.
[0033]
Comparative Examples 1-2
The same operation as in Example 1 was carried out except that the apparatus used in Example 1 was changed to the stirring rotation speed shown in Table 1.
[0034]
Comparative Examples 3-4
The same operation as in Example 4 was performed with the apparatus used in Example 4 except that the number of stirring revolutions shown in Table 1 was changed.
[0035]
Comparative Example 5
It was carried out in the same manner as in Example 7 except that the residence time in Example 7 was changed to the stirring rotational speed shown in Table 1.
[0036]
[Table 1]
Figure 0004004689
[0037]
Thus, even when the reactor is scaled up (the linear velocity of phosgene is improved), it can be seen that the reaction can be changed from diffusion-controlled to reaction-controlled if there is a load power exceeding a certain stirring power.
On the other hand, when the load power is in a diffusion-controlled state, not only the conversion rate of phenol is low, but also the conversion rate of phosgene is low, resulting in a very lossy reaction.
[0038]
【The invention's effect】
By the diaryl carbonate production method of the present invention, a stable and high-quality diaryl carbonate can be obtained in a high yield, and the scale of the reactor can be made larger.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flow sheet showing a method for producing a diaryl carbonate of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 1st reactor 2 2nd reactor 3 3rd reactor 4 Neutralization tank 5 Separation tank 6 Distillation apparatuses 11-14 Pipes 21-27 for introduction Pipes 31-34 for discharge Stirrer

Claims (4)

芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲン及び/又はアリールクロロフォーメートとを芳香族複素環式含窒素塩基性化合物の存在下に、120〜190℃の温度で反応させるジアリールカーボネートの製造方法において、下記数式(1)で求められる、反応させる際の反応器内の単位流量当たりの攪拌動力(P/q)として、250(kgf・m/l)以上の動力を与えることを特徴とするジアリールカーボネートの製造方法。
P/q=Np・ρ・n3 ・d5 /q(kgf・m/l) ・・・(1)
Np:攪拌動力定数、ρ:反応液の比重(kg/m3 )、n:撹拌機の回転数(rps)、d:撹拌機の翼径(m)、q:反応液の流量(l/sec)
In the process for producing a diaryl carbonate in which an aromatic monohydroxy compound and phosgene and / or aryl chloroformate are reacted at a temperature of 120 to 190 ° C. in the presence of an aromatic heterocyclic nitrogen-containing basic compound, the following formula ( A method for producing diaryl carbonate, characterized in that a power of 250 (kgf · m / l) or more is applied as the stirring power (P / q) per unit flow rate in the reactor during the reaction, which is obtained in 1) .
P / q = Np · ρ · n 3 · d 5 / q (kgf · m / l) (1)
Np: stirring power constant, ρ: specific gravity of the reaction solution (kg / m 3 ), n: rotation speed of the stirrer (rps), d: blade diameter of the stirrer (m), q: flow rate of the reaction solution (l / sec)
攪拌動力(P/q)として300kgf・m/l以上の動力を与えることを特徴とする請求項1記載のジアリールカーボネートの製造方法。  The method for producing a diaryl carbonate according to claim 1, wherein a power of 300 kgf · m / l or more is applied as the stirring power (P / q). 撹拌翼を有する攪拌機を備えた、グラスライニング製及び/又はテフロン(登録商標)ライニング製の反応器を使用することを特徴とする請求項2記載のジアリールカーボネートの製造方法。  The method for producing diaryl carbonate according to claim 2, wherein a reactor made of glass lining and / or Teflon (registered trademark) lining equipped with a stirrer having a stirring blade is used. ホスゲンの線速として0.5cm/秒以上の吹き込み速度で反応させることを特徴とする請求項2又は3記載のジアリールカーボネートの製造方法。  4. The process for producing a diaryl carbonate according to claim 2, wherein the reaction is performed at a blowing speed of 0.5 cm / second or more as a linear speed of phosgene.
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