JP4004297B2 - ワイパ装置とその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両フロントガラスを払拭するためのワイパ装置とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両フロントガラスを払拭するためのワイパ装置として、一対のワイパブレードをそれぞれ別個のワイパモータにより駆動するとともに、各ワイパブレードの払拭領域が一定の範囲でオーバラップする構成のワイパ装置(オーバラップ式ワイパ装置)が開発されている。
【0003】
図1は、オーバラップ式ワイパ装置の概要を示す図である。同図に示すように、オーバラップ式ワイパ装置は、運転席側ワイパブレード10と助手席側ワイパブレード20とを備えている。運転席側ワイパブレード10には、運転席側ワイパモータ11からの駆動力がリンク機構12を介して伝えられる。一方、助手席側ワイパブレード20には、助手席側ワイパモータ21からの駆動力がリンク機構22を介して伝えられる。
【0004】
通常、運転席側ワイパモータ11は一方向に正回転し、その回転駆動力をリンク機構12が運転席側ワイパブレード10の往復回動動作に変換する。これにより運転席側ワイパブレード10は、フロントガラス1の下端縁側に設定された始動位置2とフロントガラス1の一方の側端縁側に設定された上側折返し位置3との間を往復移動する。
【0005】
同様に、助手席側ワイパモータ21も通常は一方向に正回転し、その回転駆動力をリンク機構22が助手席側ワイパブレード20の往復回動動作に変換する。これにより助手席側ワイパブレード20も、フロントガラス1の下端縁側に設定された始動位置2とフロントガラス1の他方の側端縁側に設定された上側折返し位置4との間を往復移動する。
【0006】
これら各ワイパブレード10,20の往復移動は、それぞれ始動位置2から開始されるが、互いの干渉を回避するために、一方のワイパブレード10又は20が先行して移動し、他方のワイパブレード20又は10がそれに追従するように制御されている。一般に、始動位置2から上側折返し位置3,4へ向かう行き動作では、運転席側ワイパブレード10が先行して移動し、助手席側ワイパブレード20がこれに追従する。逆に、上側折返し位置3、4から始動位置2へ向かう戻り動作では、助手席側ワイパブレード20が先行して移動し、運転席側ワイパブレード10がこれに追従するように制御されている。
【0007】
そして、運転席側ワイパブレード10は、フロントガラス1の運転席側払拭領域1Aを払拭し、助手席側ワイパーブレード20は、フロントガラス1の助手席側払拭領域1Bを払拭する。これら各ワイパブレードの払拭領域1A,1Bは、図1にハッチングで示す領域(以下、オーバラップ領域という)1Cでオーバラップしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さて、降雪時の運転では、フロントガラス1に付着した雪が、各ワイパブレード10,20により掻き集められて、フロントガラス1の下縁に設定した始動位置2に蓄積して雪だまりを形成する現象が生じ得る。始動位置2に雪だまりができた場合、特に下側に位置する助手席側ワイパブレード20が始動位置2付近で雪だまりの抵抗から移動しにくくなる。このため、助手席側ワイパブレード20に対し、始動位置2に向けて後ろから移動してきた運転席側ワイパブレード10が衝突するおそれがあった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、降雪時に生じ得る不都合を回避して適正なワイパ動作を補償することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1のワイパ装置に関する発明は、車両フロントガラスの運転席側払拭領域を払拭する運転席側ワイパブレードと、車両フロントガラスの助手席側払拭領域を払拭する助手席側ワイパブレードと、運転席側ワイパブレードを駆動する運転席側ワイパモータと、助手席側ワイパブレードを駆動する助手席側ワイパモータとを備え、各ワイパブレードがそれぞれ車両フロントガラスの下端縁側に設定された始動位置と車両フロントガラスの各側端縁側に設定された上側折返し位置との間の払拭領域を往復移動するとともに、始動位置から一定の範囲に設定され運転席側払拭領域と助手席側払拭領域とが重複するオーバラップ領域を各ワイパブレードがオーバラップして払拭する構成のワイパ装置において、
通常時は各ワイパモータの一定方向の正回転により各ワイパブレードを往復移動させ、
さらに各ワイパブレードのうち、上側折返し位置から始動位置へ向かう戻り動作時に先行して移動する一方のワイパブレードを駆動する一方のワイパモータの角速度を測定するとともに、
一方のワイパブレードが始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、一方のワイパモータの角速度をあらかじめ設定した第1のしきい値と比較し、
該一方のワイパモータの角速度が第1のしきい値より低下しているとき、該角速度に基づき他方のワイパブレードを始動位置より手前で反転させる下側反転位置を算出し、
他方のワイパブレードが下側反転位置に到達すると、該他方のワイパブレードを駆動する他方のワイパモータを逆回転させて該他方のワイパブレードを戻り動作から上側折返し位置へ向かう行き動作に反転させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、制御手段は、他方のワイパブレードが上側折返し位置に到達すると、他方のワイパモータを再び正回転させて、この他方のワイパブレードを戻り動作に反転させ、該他方のワイパブレードを通常の払拭領域より狭い下側反転位置と上側折返し位置との間の払拭領域で往復移動させる構成とすることが好ましい(請求項2)
【0012】
このように、雪だまりの少ないうちから他方のワイパモータを正逆回転させることで、各ワイパブレードの干渉を確実に回避するができる。
【0013】
また、制御手段は、一方のワイパブレードが始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、一方のワイパモータの角速度を第1のしきい値よりも低いあらかじめ設定した第2のしきい値と比較し、
一方のワイパモータの角速度が第2のしきい値よりも低下しているとき、該角速度に基づき該一方のワイパブレードについても始動位置より手前で反転させる下側反転位置を算出し、
一方のワイパブレードが下側反転位置に到達すると、該一方のワイパブレードを駆動する一方のワイパモータを逆回転させて該一方のワイパブレードを戻り動作から行き動作に反転させる構成とすることができる(請求項3)。
【0014】
この場合、制御手段は、一方のワイパブレードが上側折返し位置に到達すると、一方のワイパモータを再び正回転させて、この一方のワイパブレードを戻り動作に反転させ、該一方のワイパブレードを通常の払拭領域より狭い下側反転位置と上側折返し位置との間の払拭領域で往復移動させる構成とすることが好ましい(請求項4)。
【0015】
これらの構成により、雪だまりが大きくなった場合であっても、各ワイパブレードの動作が阻害されるおそれがなくなり、各ワイパブレードの円滑な動作が補償される。
【0016】
また、制御手段は、一方のワイパブレードが始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、一方のワイパモータの角速度を第1のしきい値よりも低いあらかじめ設定した第2のしきい値と比較し、
一方のワイパモータの角速度が第2のしきい値よりも低下しているとき、該一方のワイパモータを停止させる構成としてもよい(請求項5)。
【0017】
この構成により、一方のワイパブレードによる始動位置への雪の掻き集めを抑制することができる。
【0018】
なお、ワイパ装置に関する本発明を一般的なオーバラップ式ワイパ装置に適用する場合、例えば、上記一方のワイパブレードを助手席側ワイパブレード、上記一方のワイパモータを助手席側ワイパモータとするとともに、上記他方のワイパブレードを運転席側ワイパブレード、上記他方のワイパモータを運転席側ワイパモータとすればよい(請求項6)。これにより、降雪時における運転席側ワイパブレードの円滑な動作を補償し、ドライバが座る運転席側の視界を確保することができる。
【0019】
次に、ワイパ装置の制御方法に係る請求項7の発明は、車両フロントガラスの運転席側払拭領域を払拭する運転席側ワイパブレードと、車両フロントガラスの助手席側払拭領域を払拭する助手席側ワイパブレードと、運転席側ワイパブレードを駆動する運転席側ワイパモータと、助手席側ワイパブレードを駆動する助手席側ワイパモータとを備え、各ワイパブレードがそれぞれ車両フロントガラスの下端縁側に設定された始動位置と車両フロントガラスの各側端縁側に設定された上側折返し位置との間の払拭領域を往復移動するとともに、始動位置から一定の範囲に設定され運転席側払拭領域と助手席側払拭領域とが重複するオーバラップ領域を各ワイパブレードがオーバラップして払拭する構成のワイパ装置において、
通常時は各ワイパモータの一定方向の正回転により各ワイパブレードを往復移動させるステップと、
各ワイパブレードのうち、上側折返し位置から始動位置へ向かう戻り動作時に先行して移動する一方のワイパブレードを駆動する一方のワイパモータの角速度を測定するステップと、
一方のワイパブレードが始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、一方のワイパモータの角速度をあらかじめ設定した第1のしきい値と比較するステップと、
該一方のワイパモータの角速度が第1のしきい値より低下しているとき、該角速度に基づき他方のワイパブレードを始動位置より手前で反転させる下側反転位置を算出するステップと、
他方のワイパブレードが下側反転位置に到達すると、該他方のワイパブレードを駆動する他方のワイパモータを逆回転させて該他方のワイパブレードを戻り動作から上側折返し位置へ向かう行き動作に反転させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
さらに、他方のワイパブレードが上側折返し位置に到達すると、他方のワイパモータを再び正回転させて、この他方のワイパブレードを戻り動作に反転させるステップを含み、該他方のワイパブレードを通常の払拭領域より狭い下側反転位置と上側折返し位置との間の払拭領域で往復移動させてもよい(請求項8)。
【0021】
この発明によれば、請求項1及び2の発明と同様に、雪だまりの少ないうちから他方のワイパモータを正逆回転させることで、各ワイパブレードの干渉を確実に回避するができる。
【0022】
また、ワイパ装置の制御方法に関する本発明は、一方のワイパブレードが始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、一方のワイパモータの角速度を第1のしきい値よりも低いあらかじめ設定した第2のしきい値と比較するステップと、
一方のワイパモータの角速度が第2のしきい値よりも低下しているとき、該角速度に基づき該一方のワイパブレードについても始動位置より手前で反転させる下側反転位置を算出するステップと、
一方のワイパブレードが下側反転位置に到達すると、該一方のワイパブレードを駆動する一方のワイパモータを逆回転させて該一方のワイパブレードを戻り動作から行き動作に反転させるステップと、を含む方法としてもよい(請求項9)。
【0023】
この場合、一方のワイパブレードが上側折返し位置に到達すると、一方のワイパモータを再び正回転させて、この一方のワイパブレードを戻り動作に反転させるステップを含み、該一方のワイパブレードを通常の払拭領域より狭い下側反転位置と上側折返し位置との間の払拭領域で往復移動させる方法とすることが好ましい(請求項10)。
【0024】
これらの構成により、雪だまりが大きくなった場合であっても、各ワイパブレードの動作が阻害されるおそれがなくなり、各ワイパブレードの円滑な動作が補償される。
【0025】
また、ワイパ装置の制御方法に関する本発明は、一方のワイパブレードが始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、一方のワイパモータの角速度を第1のしきい値よりも低いあらかじめ設定した第2のしきい値と比較するステップと、
一方のワイパモータの角速度が第2のしきい値よりも低下しているとき、該一方のワイパモータを停止させるステップと、を含む方法とすることもできる(請求項11)。
【0026】
この構成により、一方のワイパブレードによる始動位置への雪の掻き集めを抑制することができる。
【0027】
なお、ワイパ装置の制御方法に関する本発明を一般的なオーバラップ式ワイパ装置に適用する場合、例えば、上記一方のワイパブレードを助手席側ワイパブレード、上記一方のワイパモータを助手席側ワイパモータとするとともに、上記他方のワイパブレードを運転席側ワイパブレード、上記他方のワイパモータを運転席側ワイパモータとすればよい(請求項12)。これにより、降雪時における運転席側ワイパブレードの円滑な動作を補償し、ドライバが座る運転席側の視界を確保することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1に示した構成のオーバラップ式ワイパ装置に適用した実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明及び図面において、「間欠」を「Int」、「低速」を「Lo」、「高速」を「Hi」と表記する場合もある。また、「運転席」を「Dr」、「助手席」を「As」と表記する場合もある。
【0029】
図1に示したとおり、本実施形態に係るワイパ装置は、運転席側ワイパモータ11の駆動力をリンク機構12を介して運転席側ワイパブレード10に伝えるとともに、助手席側ワイパモータ21の駆動力をリンク機構22を介して助手席側ワイパブレード20に伝え、これら各ワイパブレード10,20がオーバラップして車両フロントガラス1を払拭する構成となっている。
【0030】
〈制御システムの構成〉
図2は、上記ワイパ装置の制御システムを示す回路構成図である。
同図に示すように、制御システムは、切替スイッチ30、運転席側検出部40、助手席側検出部50、及び制御手段としてのコントローラ70によって主要部が構成されており、コントローラ70は、中央処理部(以下、CPUという)71、電源回路72、リセット回路73、運転席側モータ駆動回路74、助手席側モータ駆動回路75、運転席側Hi/Lo切替リレー76、助手席側Hi/Lo切替リレー77、及びリレー駆動回路78を含んでいる。
【0031】
切替スイッチ(ワイパスイッチ)30は、各ワイパモータ11,21を「停止(Off)」「間欠(Int)運転」「低速(Lo)運転」「高速(Hi)運転」のいずれかのモードに切り替えるためのスイッチである。
【0032】
この切替スイッチ30により、停止以外の運転モードが選択されたときは、その運転モードに対応した信号(運転モード信号)が、コントローラ70の入力回路を介してCPU71へ入力される。また、停止が選択されたときには、運転モード信号は出力されない。
【0033】
CPU71は、運転モード信号の有無及び内容に基づき、切替スイッチ30による運転モードの選択を判別する。そして、CPU71は、入力された運転モード信号に基づき、該当する運転モードにより各ワイパモータ11,21を駆動制御する。また、切替スイッチ30には、間欠運転モードにおいて、各ワイパモータ11,21の駆動間隔を設定するための間欠ボリューム31が設けてある。
【0034】
また、切替スイッチ30は、ウォッシャモータ32の作動スイッチも兼ねており、切替スイッチ30がウォッシャモードに切り替えられると、ウォッシャモータ32に駆動電圧が出力される。ウォッシャモータ32はこの駆動電圧により回転して、洗浄液をフロントガラス1に向けて噴射する。
【0035】
運転席側検出部40は、回転量検出センサ41及び始動位置検出スイッチ42、上側折返し位置検出スイッチ43を含んでいる。
このうち、回転量検出センサ41は、運転席側ワイパモータ11の原点からの回転量を検出するためのセンサであり、運転席側ワイパモータ11のハウジング(図示せず)に設けられたホールIC41aと、同モータ11のアマチュア軸に取り付けられたマグネット41bとで構成されている。マグネット41bは、90゜間隔でN極とS極とが交互に取り付けてあり、これら各マグネット41bがアマチュア軸と一体に回転してホールIC41aの対向位置にきたとき、ホールIC41aから正負の起電力が交互に出力される。この起電力は、コントローラ70の入力回路で波形成形されて、運転席側ワイパモータ11の1回転につき2パルスの回転信号がCPU71に入力される。
【0036】
CPU71は、この回転信号に基づき、運転席側ワイパモータ11の回転量、すなわち運転席側ワイパブレード10の払拭位置を認識する。
【0037】
始動位置検出スイッチ42は、運転席側ワイパブレード10が、始動位置2に到達したことを検出するためのスイッチである。既述したように、始動位置2は、フロントガラス1の下端縁側に設定されており(図1参照)、通常、運転席側ワイパモータ11は、この始動位置2に対応する回転位置を原点として駆動制御されている。始動位置検出スイッチ42は、運転席側ワイパブレード10の往復動作と同期する運転席側ワイパモータ11の出力軸に固定された回転駆動系(例えば、ウォームホイール)に取り付けられており、運転席側ワイパブレード10が始動位置2に到達したとき、この始動位置検出スイッチ42からコントローラ70の入力回路を介して始動位置検出信号がCPU71に入力される。
【0038】
CPU71は、この始動位置検出信号の入力により、運転席側ワイパブレード10が始動位置2へ到達したことを認識するとともに、上記回転量検出センサ41からの回転信号に基づく運転席側ワイパモータ11の累積回転量を初期化する。
【0039】
上側折返し位置検出スイッチ43は、運転席側ワイパブレード10が、上側折返し位置3に到達したことを検出するためのスイッチである。既述したように、上側折返し位置3は、フロントガラス1の一方の側端縁側に設定されており、運転席側ワイパブレード10は、始動位置2とこの上側折返し位置3の間を往復運動して、フロントガラス1を払拭する(図1参照)。上側折返し位置検出スイッチ43からは、運転席側ワイパブレード10が上側折返し位置3に到達したとき、上側折返し位置検出信号が出力され、同信号はコントローラ70の入力回路を介してCPU71に入力される。
【0040】
CPU71は、この上側折返し位置検出信号の入力により、運転席側ワイパブレード10が上側折返し位置3へ到達したことを認識する
【0041】
助手席側検出部50も、ホールIC51aとマグネット51bからなる回転量検出センサ51と、始動位置検出スイッチ52、上側折返し位置検出スイッチ53を含んでいる。これら各構成要素は、運転席側検出部40のものと同様に構成されている。
そして、回転量検出センサ51は、助手席側ワイパモータ21の原点からの回転位置を検出するためのセンサであり、助手席側ワイパモータ21の1回転につき2パルスの回転位置信号が入力回路を介してCPU71に入力される。
【0042】
CPU71は、この回転信号に基づき、助手席側ワイパモータ21の回転量、すなわち助手席側ワイパブレード20の払拭位置を認識する。
【0043】
始動位置検出スイッチ52は、助手席側ワイパブレード20が、始動位置2に到達したことを検出するためのスイッチであり、助手席側ワイパブレード20が始動位置2に到達したとき、この始動位置検出スイッチ52からコントローラ70の入力回路を介して始動位置検出信号がCPU71に入力される。
【0044】
CPU71は、この始動位置検出信号の入力により、助手席側ワイパブレード20が始動位置2へ到達したことを認識するとともに、上記回転量検出センサ51からの回転信号に基づく助手席側ワイパモータ21の累積回転量を初期化する。
【0045】
上側折返し位置検出スイッチ53は、助手席側ワイパブレード20が、フロントガラス1の他方の側端縁側に設定された上側折返し位置4に到達したことを検出するためのスイッチであり、助手席側ワイパブレード20が上側折返し位置4に到達したとき、この上側折返し位置検出スイッチ53から上側折返し位置検出信号が出力され、コントローラ70の入力回路を介してCPU71に入力される。
【0046】
CPU71は、この上側折返し位置検出信号の入力により、助手席側ワイパブレード20が上側折返し位置4へ到達したことを認識する。
【0047】
次に、コントローラ70の構成について説明する。
電源回路72は、電源80から供給される電圧をワイパ装置の駆動に必要な電圧に変換して出力する回路である。なお、電源から電源回路72までの電源供給ライン上に電力の供給又は停止を実行する始動スイッチ81が設けてある。一般に、この始動スイッチ81は、車両のエンジンキーに連動している。
【0048】
リセット回路73は、始動スイッチ81のON操作に伴い電源回路72へ電力が供給されたとき、CPU71内のメモリを初期化するための回路である。
【0049】
運転席側モータ駆動回路74は、電源回路72から入力した駆動電圧を運転席側ワイパモータ11のブラシに出力して、運転席側ワイパモータ11を回転駆動するための回路である。ここで、運転席側ワイパモータ11のブラシへは、図3(a)に示すように、一定の時間間隔をもって断続的に駆動電圧が出力される。そして、駆動電圧の出力時間Bを出力周期Aで割った値B/AをDuty比と称し、このDuty比をもって運転席側ワイパモータ11の回転速度が制御される構成となっている。
【0050】
すなわち、図3(b)に示すように、駆動電圧の出力時間B1を短くすると、運転席側ワイパモータ11に流れる駆動電流が小さくなるので、運転席側ワイパモータ11の回転速度は遅くなる。一方、図3(c)に示すように駆動電圧の出力時間B2を長くすると、運転席側ワイパモータ11に流れる駆動電流が大きくなるので、運転席側ワイパモータ11の回転速度は速くなる。
【0051】
このDuty比は、CPU71から運転席側モータ駆動回路74に出力される速度指令信号(PWM信号)に基づいて設定される。
【0052】
助手席側モータ駆動回路75も、上述した運転席側モータ駆動回路74と同様の構成及び機能を備えており、電源回路72から入力した駆動電圧を助手席側ワイパモータ21のブラシに出力して、助手席側ワイパモータ21を回転駆動するための回路である。この助手席側モータ駆動回路75からも、CPU71の速度指令信号に基づき設定されたDuty比をもって、駆動電圧が助手席側ワイパモータ21のブラシに出力される。
【0053】
図4は、本実施形態で各ワイパモータの駆動制御に用いる標準のDuty比パターンを示す図である。
すなわち、本実施形態では、各ワイパブレード10,20が始動位置2から払拭動作を開始して上側折返し位置3,4で反転し、再び始動位置2に戻ってくるまでの間に、運転席側ワイパモータ11のDuty比を、パターン101に示すごとく変化させるとともに、助手席側ワイパモータ21のDuty比を、パターン102に示すごとく変化させている。これら各Duty比のパターンは、CPUのメモリにあらかじめ設定してある。
【0054】
すなわち、行き動作においては、始動位置2から第1の払拭位置P1を越えるまでの区間G1について、運転席側ワイパモータ11への電流出力レベルを、第1の払拭位置P1近くまでほぼ100%のDuty比に設定し、その後、Duty比を徐々に低下させている。一方、区間G1における助手席側ワイパモータ21への電流出力レベルは、始動位置2において50%程度のDuty比に設定し、その後、第1の払拭位置P1に至るまで徐々にDuty比を大きくしている。そして、第1の払拭位置P1において、各ワイパモータ11,21のDuty比がほぼ同じになるように設定してある。
【0055】
ここで、第1の払拭位置P1は、オーバラップ領域1Cの終端付近に設定してある。区間G1について、各ワイパモータ11,21を上記のDuty比で駆動することにより、運転席側ワイパモータ11が大きな回転トルクで回転して、行き動作で先行する運転席側ワイパブレード10を迅速に移動させることができ、オーバラップ領域1Cでの各ワイパブレード10,20の衝突が防止される。
【0056】
続く行き動作の後半においては、第1の払拭位置P1から上端折返し位置3,4までの区間G2で、運転席側ワイパモータ11への電流出力レベルをさらに低下させていき、上端折返し位置3,4に至る間際から43%程度でDuty比を一定にしている。一方、区間G2における助手席側ワイパモータ21への電流出力レベルは、90乃至80%程度のDuty比を維持している。
【0057】
これにより、区間G2では、助手席側ワイパモータ21が大きな回転トルクで回転し、助手席側ワイパブレード20を迅速に移動させることができる。その結果、区間G1における助手席側ワイパブレード20の遅れをとりもどして、各ワイパブレード10,20をほぼ同期して上側折返し位置3,4へ到達させることができる。
【0058】
次に、戻り動作においては、上側折返し位置3,4から第2の払拭位置P2を越えるまでの区間R1について、助手席側ワイパモータ21への電流出力レベルを、90乃至80%程度のDuty比に設定している。一方、区間R1における運転席側ワイパモータ11への電流出力レベルは、上側折返し位置3,4からしばらくの間を43%程度のDuty比に設定し、その後、第2の払拭位置P2に至るまで徐々にDuty比を大きくしている。そして、第2の払拭位置P2において、各ワイパモータ11,21のDuty比がほぼ同じになるように設定してある。
【0059】
ここで、第2の払拭位置P2は、オーバラップ領域1Cへの侵入端付近に設定してある。区間R1について、各ワイパモータ11,21を上記のDuty比で駆動することにより、助手席側ワイパモータ21が大きな回転トルクで回転するので、助手席側ワイパブレード20が迅速に移動する。したがって、助手席側ワイパブレード20をオーバラップ領域1Cへ先行して侵入させて、各ワイパブレード10,20の衝突を防止することができる。
【0060】
続く戻り動作の後半においては、第2の払拭位置P2から始動位置2までの区間R2で、助手席側ワイパモータ21への電流出力レベルを徐々に低下させている。一方、区間R2における運転席側ワイパモータ11への電流出力レベルは、100%のDuty比になるまで更に上昇させている。
【0061】
これにより、区間R2では、運転席側ワイパモータ11が大きな回転トルクで回転し、運転席側ワイパブレード10を迅速に移動させることができる。その結果、区間R1における運転席側ワイパブレード10の遅れをとりもどして、各ワイパブレード10,20をほぼ同期して始動位置2へ到達させることができる。
【0062】
図2に戻り、運転席側Hi/Lo切替リレー76は、運転席側ワイパモータ11に設けられたLoブラシとHiブラシに対して、駆動電圧を出力するブラシを選択するためのリレーである。同様に、助手席側Hi/Lo切替リレー77は、助手席側ワイパモータ21に設けられたLoブラシとHiブラシに対して、駆動電圧を出力するブラシを選択するためのリレーである。
本実施形態では、各ワイパモータ11,21に3ブラシモータと称するモータを使用している。この3ブラシモータでは、コモンブラシとLoブラシの間に駆動電圧を出力したときのアマチュア軸の回転速度(すなわち、モータの回転速度)に比べ、コモンブラシとHiブラシの間に駆動電圧を出力したときにはモータの回転速度が速くなる。
【0063】
リレー駆動回路78は、各Hi/Lo切替リレー76,77を駆動するための回路であり、CPU71からの指令信号に基づき、リレー駆動回路78から各Hi/Lo切替リレー76,77に対して切替信号が出力される。各Hi/Lo切替リレー76,77は、この切替信号に基づいて、駆動電圧を出力するブラシ(Hiブラシ又はLoブラシ)を選択する。
【0064】
すなわち、CPU71は、切替スイッチ30から「低速運転(Lo)」の運転モード信号を入力したとき、リレー駆動回路78にLoブラシを選択する旨の指令信号を出力する。この指令信号に基づき、リレー駆動回路78が各Hi/Lo切替リレー76,77を切替制御して、各モータ駆動回路74,75からの駆動電圧をLoブラシへ出力するように設定する。
【0065】
また、CPU71は、切替スイッチ30から「高速運転(Hi)」の運転モード信号を入力したとき、リレー駆動回路78にHiブラシを選択する旨の指令信号を出力する。この指令信号に基づき、リレー駆動回路78が各Hi/Lo切替リレー76,77を切替制御して、各モータ駆動回路74,75からの駆動電圧をHiブラシへ出力するように設定する。
【0066】
運転モードが「間欠運転(Int)」の場合は、各ワイパモータ11,21はLoブラシが使用される。すなわち、CPU71は、切替スイッチ30から「間欠運転(Int)」の運転モード信号を入力したとき、リレー駆動回路78にLoブラシを選択する旨の指令信号を出力する。この指令信号に基づき、リレー駆動回路78が各Hi/Lo切替リレー76,77を切替制御して、各モータ駆動回路74,75からの駆動電圧をLoブラシへ出力するように設定する。さらに、間欠運転モードでは、間欠ボリューム31で設定された駆動間隔をもって各モータ駆動回路74,75が制御され、各モータ駆動回路74,75からは、駆動電圧パルスの出力と停止が間欠的に繰り返される。
【0067】
〈ワイパ装置の全体制御〉
次に、上述した制御システムによるワイパ装置の制御方法について説明する。
図5は、ワイパ装置の制御方法に関するメインルーチンを示すフローチャートである。上述した制御システムは、同図に示すフローチャートにしたがって各ワイパモータを制御している。
【0068】
まず、始動スイッチ81の接続により車両電源80からの電流が電源回路72に投入されると、リセット回路73がこれを検出し、リセット回路73はリセット信号をCPU71に出力する。そして、ステップS1において、CPU71がリセット信号を検出すると、ステップS2において、CPU71が初期化される。初期化されたCPU71は、新規に切替スイッチ30、各回転量検出センサ41,51、各始動位置検出スイッチ42,52、及び各上側折返し位置検出スイッチ43,53からCPU71に送られてくる信号データをメモリに記憶する。この各入力信号の検出動作は、電源80が切断されるまで継続して行われる。
【0069】
次いで、切替スイッチ30が「高速運転」又は「低速運転」のモードに設定されていた場合は、ステップS3で分岐して通常運転制御を実行する(ステップS4)。また、本実施形態では、通常運転制御に加え、状況に応じて、ブレードロック時の制御(ステップS5)と降雪時の制御(ステップS6)が実行される。これら各制御については、それぞれサブルーチンとして扱い、後に詳述する。
【0070】
一方、切替スイッチ30が「間欠運転」のモードに設定されていた場合は、次のステップS7で分岐して各ワイパモータ11,21の間欠運転を実行する。間欠運転では、Loブラシを用いた低速運転と間欠ボリューム31により設定された時間の停止を交互に繰り返す。このため、CPU71は、ステップS8で停止期間か運転期間かを判別し、停止期間のときは停止制御に移行する(ステップS9)。なお、本実施形態では、停止制御(ステップS9)についても、特有の制御方法を採用しているため、サブルーチンとして扱い、後に詳述する。また、運転期間のときは、各ワイパモータ11,21を低速運転で駆動する(ステップS10)。
【0071】
この間欠運転においても、状況に応じてブレードロック時の制御(ステップS5)や降雪時の制御(ステップS6)に移行して、これら特殊な制御が実行されることもある。
【0072】
上記ワイパ装置の制御は、車両電源80が切断されるまで継続して行われ、車両電源80が切断されたとき終了する(ステップS11)。
【0073】
〈通常運転時の制御〉
ステップS4に示す通常運転制御は、図6〜図8に示すフローチャートに基づいて実行される。
すなわち、通常運転制御では、まず図6に示すように、CPU71が切替スイッチ30からの運転モード信号を参照して、運転モードの設定が高速運転であるか否かを判別する(ステップS101)。そして、運転モードの設定が高速運転でない場合、すなわち低速運転モードの場合は、各ワイパモータ11,21を低速運転の正回転で駆動する(ステップS102)。
【0074】
一方、運転モードの設定が高速運転であった場合は、ステップS101からステップS103へ移行する。ここで、CPU71は、運転モード信号の変化を常時監視しており、同信号の変化に基づき切替スイッチ30の操作を判別している。そして、切替スイッチ30が、間欠運転から高速運転に切り替えられたとき、その旨を示すフラグ(Int/Hiフラグ=1)をたてる(ステップS104)。また、切替スイッチ30が、低速運転から高速運転に切り替えられたときは、その旨を示すフラグ(Lo/Hiフラグ=1)をたてる(ステップS105,S106)。
【0075】
次に、図7に示すステップS107に移行して、Int/Hiフラグ=1 がたっている場合は、間欠運転から高速運転への切り替え時に特有の制御を実行する(ステップS108〜S112)。この制御は、各ワイパブレードが間欠運転から高速運転に切り替わったとき、各ワイパモータ11,21の同期ずれと急な速度上昇などに起因して各ブレードが干渉する危険を回避するための制御である。
【0076】
すなわち、CPU71は、Int/Hiフラグ=1 がたっている場合に、運転席側検出部40に設けた始動位置検出スイッチ42と上側折返し位置検出スイッチ43からの信号に基づき、運転席側ワイパブレード10が始動位置2又は上側折返し位置3に到達したか否かを確認する(ステップS108,S109)。そして、運転席側ワイパブレード10がこれら各位置に到達していないときは、低速のままの間欠運転を継続して(ステップS110)、図5のメインルーチンへ帰還する。
【0077】
上述したメインルーチンから通常運転制御のサブルーチンを経たループを繰り返して低速のままの間欠運転を継続し、その後、図7のステップS108又はS109において、CPU71が運転席側ワイパモータ11の始動位置2又は上側折返し位置3への到達を検出したとき、Int/Hiフラグをリセットするとともに(ステップS111)、各ワイパモータ11,21を高速運転に切り替えて制御する(ステップS112)。
【0078】
始動位置2及び上側折返し位置3はワイパブレード10,20の折返し点であり、ワイパブレード10,20はこれらの位置でいったん速度が零となり、この位置から徐々に速度が上昇していく。そこで、この速度がいったん零となる始動位置2又は上側折返し位置3に、運転席側ワイパブレード10が到達するタイミングをもって、高速運転への切り替えを実行することにより、急な速度上昇に伴う各ワイパブレード10,20の干渉を回避することが可能となる。なお、上記の制御では、運転席側ワイパブレード10の位置に着目して、高速運転への切り替えを実行したが、これに限らず、助手席側ワイパブレード20が始動位置2又は上側折返し位置3に到達するタイミングで、高速運転への切り替えを実行してもよい。
【0079】
図7に示すステップS107において、Int/Hiフラグ=1 がたっていないとき、すなわちInt/Hiフラグ=0 のときは、図8のステップS113に移行して、Lo/Hiフラグを確認する。そして、Lo/Hiフラグ=1 がたっていないとき、すなわちLo/Hiフラグ=0 であったときは、そのまま各ワイパモータ11,21を高速運転に切り替えて(ステップS114)、図5のメインルーチンに帰還する。
【0080】
一方、図8のステップS113において、Lo/Hiフラグ=1 がたっている場合は、低速運転から高速運転への切り替え時に特有の制御を実行する(ステップS115〜S121)。この制御は、各ワイパブレード10,20が低速運転の正回転から高速運転の正回転に切り替わったとき、各ワイパモータ11,21の同期ずれと急な速度上昇などに起因して各ワイパブレード10,20が干渉する危険を回避するための制御である。
【0081】
すなわち、CPU71は、Lo/Hiフラグ=1 がたっている場合に、先行するワイパブレード10又は20の駆動用ワイパモータ11又は21をまず高速運転の作動状態に切り替えるとともに、切替カウンタの値を1つ加算する(ステップS115,S116)。切替カウンタは、CPU71の回路に内蔵されており、あらかじめ任意のしきい値が設定されている。このしきい値は、先行するワイパブレード10又は20を高速運転の作動状態に切り替えてから、後行の他方のワイパブレード20又は10を高速運転の作動状態に切り替えるまでの時間に対応し、先行するワイパブレード10又は20の高速動作が立ち上がるまでの必要かつ充分な値に、あらかじめ設定してある。
【0082】
なお、本実施形態では、始動位置2から上側折返し位置3,4へ向かう行き動作にあっては運転席側ワイパブレード10が先行するワイパブレードとなり、逆向きの戻り動作にあっては助手席側ワイパブレード20が先行するワイパブレードとなる。
【0083】
続くステップS117で、切替カウンタの値をしきい値と比較して、切替カウンタの値がしきい値より少ないときは、後行するワイパブレード20又は10の駆動用ワイパモータ21又は11を低速正回転のまま運転し(ステップS118)、図5のメインルーチンへ帰還する。
【0084】
上述したメインルーチンから通常運転制御のサブルーチンを経たループを繰り返すと、図8のステップS116において切替カウンタの値が1つずつ加算されていく。そして、切替カウンタの値があらかじめ設定してあるしきい値になったとき(ステップS117)、後行するワイパブレード20又は10の駆動用ワイパモータ21又は11を高速運転の作動状態に切り替える(ステップS119)。このようにして、先行するワイパブレード10又は20が高速動作に切り替わってから、充分な間隔をおいて後行するワイパブレード20又は10を高速動作に切り替えることで、後行するワイパブレード20又は10が先行するワイパブレード10又は20へ追突する障害を確実に防止することができる。
【0085】
CPU71は、後行するワイパブレード20又は10の駆動用ワイパモータ21又は11を高速運転の作動状態に切り替えた後、切替カウンタをリセットするとともに(ステップS120)、Lo/Hiフラグをリセットして(ステップS121)、図5のメインルーチンへ帰還する。
【0086】
なお、各ワイパブレードを間欠運転から高速運転に切り替えるための制御は、次のステップSにより実行することもできる。すなわち、図7に示したステップS107において、Int/Hiフラグ=1 がたっている場合に、同図のステップS108〜ステップS112に代えて、図8に示したステップS115〜ステップS121と同様の制御を実行することもできる。
【0087】
具体的には、CPU71は、Int/Hiフラグ=1 がたっている場合に、図7のステップS107から図8のステップS115に移行して、先行するワイパブレード10又は20の駆動用ワイパモータ11又は21をまず高速運転の作動状態に切り替えるとともに、切替カウンタの値を1つ加算する(ステップS115,S116)。続くステップS117で、切替カウンタの値をしきい値と比較して、切替カウンタの値がしきい値より少ないときは、後行するワイパブレード20又は10の駆動用ワイパモータ21又は11を低速正回転のまま運転し(ステップS118)、図5のメインルーチンへ帰還する。
【0088】
上述したメインルーチンから通常運転制御のサブルーチンを経たループを繰り返すと、図8のステップS116において切替カウンタの値が1つずつ加算されていく。そして、切替カウンタの値があらかじめ設定してあるしきい値になったとき(ステップS117)、後行するワイパブレード20又は10の駆動用ワイパモータ21又は11を高速運転の作動状態に切り替える(ステップS119)。このようにして、先行するワイパブレード10又は20が高速動作に切り替わってから、充分な間隔をおいて後行するワイパブレード20又は10を高速動作に切り替えることで、後行するワイパブレード20又は10が先行するワイパブレード10又は20へ追突する障害を確実に防止することができる。
【0089】
CPU71は、後行するワイパブレード20又は10の駆動用ワイパモータ21又は11を高速運転の作動状態に切り替えた後、切替カウンタをリセットするとともに(ステップS120)、ステップS121でInt/Hiフラグをリセットして、図5のメインルーチンへ帰還する。
【0090】
〈停止時の制御〉
次に、図5に示した停止制御(ステップS9)について、図9を主に参照して説明する。
停止制御は、切替スイッチ30が「停止」に設定されているか、又は切替スイッチ30が「間欠運転」のモードに設定されていた場合に実行される。
さて、各ワイパブレード10,20は、始動位置2に戻って停止する。ここで、停止とは、「停止」モードの場合には各ワイパブレード10,20が始動位置2で停止することであり、「間欠運転」モードの場合には始動位置2で休止している状態をいう。
しかし、払拭速度によっては慣性により各ワイパブレード10,20がオーバーランしてしまい、始動位置2からずれた位置で停止してしまうおそれがある。各ワイパブレード10,20の払拭速度は、フロントガラス1の表面状態によって変化する。例えば、フロントガラス1にあたる雨滴の量が多いときは、フロントガラス1の摩擦抵抗が小さくなるため、各ワイパブレード10,20の払拭速度は速くなる傾向がある。本実施形態では、このような事情を考慮して、フロントガラス1の表面状態にかかわらず、各ワイパブレード10,20をオーバーランすることなく始動位置2へ停止させるために、以下の制御を実行している。
【0091】
すなわち、図9に示すように、切替スイッチ30が「停止」に切り替えられるか、又は間欠運転モードにおいて停止期間から運転期間に切り替えられたとき、CPU71はその切替タイミングを検出して(ステップS201)、所定の払拭位置における払拭速度を算出する(ステップ202)。ここで、切替スイッチ30の「停止」への切替タイミングは、切替スイッチ30から出力される運転モード信号の出力OFFを検出することで認識することができる。また、間欠運転モードにおいて、停止期間から運転期間への切替タイミングは、運転期間が開始される毎に発生する。
【0092】
助手席側ワイパブレード20の現在位置は、助手席側検出部50に設けた回転量検出センサ51から出力される回転信号により検出することができる。そして、本実施形態では、例えば、図10に示すように、助手席側ワイパブレード20の軌道上に一定の払拭範囲Dを設定し、助手席側ワイパブレード20がこの払拭範囲Dを通過する時点に回転量検出センサ51から入力した回転信号に基づいて、払拭速度を算出している。なお、払拭範囲Dを通過する時点の回転信号はメモリに蓄積されているため、CPU71はこの蓄積データを読み込んで適時払拭速度を算出することが可能である。
【0093】
払拭速度は、回転量検出センサ51から一定時間あたりに出力される回転信号のパルス数に比例するため、このパルス数を計数することにより算出することができる。例えば、通常の払拭速度のとき図11(a)に示すパルス間隔で回転量検出センサ51から回転信号が出力されるものとしたとき、助手席側ワイパブレード20の払拭速度が上昇すれば(すなわち、助手席側ワイパモータ21の回転速度が上昇すれば)、それに対応して回転量検出センサ51から出力される回転信号のパルス間隔が、例えば図11(b)に示すように短くなり、一定時間内に回転量検出センサ51から出力されるパルス数が増加する。一方、助手席側ワイパブレード20の払拭速度が低下すれば(すなわち、助手席側ワイパモータ21の回転速度が低下すれば)、それに対応して回転量検出センサ51から出力される回転信号のパルス間隔は、例えば図11(c)に示すように長くなり、一定時間内に回転量検出センサ51から出力されるパルス数が減少する。したがって、一定時間あたりに回転量検出センサ51から出力された回転信号のパルス数に基づいて、助手席側ワイパブレード20の払拭速度を算出することができる。
同様に、運転席側ワイパブレード10の払拭速度も回転量検出センサ41から出力される回転信号のパルス数を計数することにより算出することができる。
【0094】
次に、CPU71は算出した払拭速度に基づいて、各ワイパモータ11,21を駆動するDuty比を図4に示した標準のDuty比パターンよりも低下させていく開始位置(以下、単に「開始位置」ということもある)を決定する(ステップS203)。なお、標準のDuty比パターンとは、すなわち標準の回転速度パターンである。本実施形態では、切替スイッチ30が連続運転モードから停止モード又は間欠運転モードに切り替えられたとき、各ワイパブレード10,20が始動位置2へ向かう戻り動作時に、上記決定した開始位置(すなわち、タイミング)から、あらかじめ設定してあるDuty比の低下パターンにしたがい、各ワイパモータ11,21の回転速度を徐々に低下させることにより、各ワイパブレード10,20を減速しながら始動位置2へ移動させてオーバーランの防止を図っている。
【0095】
Duty比を低下させていく開始位置は、上記ステップS202で算出した払拭速度に基づいて決定される。例えば、標準の払拭速度における開始位置(標準開始位置)が図10のEに示す位置に設定してあるものとして、ステップS202で算出した払拭速度が標準の払拭速度よりも速い場合は、その速度比に応じて標準開始位置Eよりも始動位置2に遠い払拭位置からDuty比の低下を開始することで、オーバーランを防止して始動位置2へ各ワイパブレード10,20を停止させることが可能となる。
【0096】
一方、ステップS202で算出した払拭速度が標準の払拭速度よりも遅い場合は、その速度比に応じて上記標準開始位置Eよりも始動位置2に近い払拭位置からDuty比の低下を開始することで、各ワイパブレード10,20を速やかに始動位置2へ移動させることができる。
【0097】
CPU71は、ステップS203で開始位置を決定した後、ステップS204に移行して、助手席側ワイパブレード20の現在位置を確認するとともに、その現在位置が開始位置を通過したか否かを判別する。助手席側ワイパブレード20の現在位置は、回転量検出センサ51からの回転信号により確認することができる。
【0098】
そして、助手席側ワイパブレード20の現在位置が、開始位置に到達していない場合は、図4に示した標準のDuty比パターンに基づき各ワイパモータ11,21の運転を継続し(ステップS205)、図5のメインルーチンに帰還する。
【0099】
再び、図5のメインルーチンから図9に示す停止制御に移行してきたときは、もはや運転切替タイミングを過ぎているので、ステップS201からステップS206を経てステップS204に移行し、助手席側ワイパブレード20の現在位置が開始位置を通過したか否かを判別する。助手席側ワイパブレード20の現在位置が、いまだ開始位置に到達していない場合は、図4に示した標準のDuty比パターンに基づき各ワイパモータ11,21の運転を継続し(ステップS205)、再び図5のメインルーチンに帰還する。
【0100】
これらステップS201、S206、S204、S205、及びメインルーチンを通る処理を繰り返し、ステップS204において開始位置の通過を確認したとき、CPU71は、ステップS207に移行して、あらかじめ設定してあるDuty比の低下パターンにしたがい、Duty比を低下させていく。なお、Duty比の低下パターンは、連続的に低下させたり、段階的に低下させたりする等、任意に設定することができる。
【0101】
ステップS208では、各ワイパブレード10,20が始動位置2へ到達したかどうかを、各回転量検出センサ41,51からの回転信号に基づき判断し、いまだ始動位置2へ到達していないときは、図5のメインルーチンからステップS207までの制御ステップを繰り返して、Duty比を徐々に低下させていく。そして、各ワイパブレード10,20が始動位置2へ到達したとき、それぞれのワイパモータ11,21を個別に停止させるとともに(ステップS209)、ステップ203で決定しメモリに記憶された開始位置に関するデータをリセットする(ステップS210)。
【0102】
このように、各ワイパモータ11,21に出力するDuty比をあらかじめ設定してある停止までの低下パターンにしたがい徐々に低下させていくことで、各ワイパブレード10,20を減速させながら移動していき、始動位置2へ適切に停止させることが可能となる。なお、各ワイパモータ11,21が停止中のときは、ステップS206において、そのまま図5のメインルーチンに帰還する。
【0103】
図12は、停止制御の他の方式を示すブロック図である。なお、図9に示した制御方式と同じステップには同一の符号を付してある。
図9に示した制御方式では、ステップS203において、Duty比を図4に示した標準のDuty比パターンよりも低下させていく開始位置を決定し(ステップS203)、この開始位置からあらかじめ設定してある停止までの低下パターンにしたがい、Duty比を徐々に低下させることにより(ステップS207)、各ワイパブレード10,20を減速しながら始動位置2へ移動させてオーバーランの防止を図っていた。
【0104】
これに対し、図12に示す制御方式では、ステップS202で所定の払拭位置における払拭速度を算出した後、その払拭速度に基づきDuty比の低下割合を決定するとともに(ステップS203a)、この低下割合にしたがってあらかじめ設定した所定の開始位置からDuty比を徐々に低下させることにより(ステップS207a)、各ワイパブレード10,20を減速しながら始動位置2へ移動させていき、オーバーランの防止を図る方式としてある。
【0105】
Duty比を低下させていく開始位置は任意に設定することができ、助手席側ワイパブレード20がその開始位置を通過した時点から(ステップS204)、Duty比を徐々に低下させていく。
【0106】
Duty比の低下割合は、ステップS202で算出した払拭速度に基づいて決定される。例えば、標準の払拭速度における低下割合(標準低下割合)をあらかじめ設定しておき、ステップS202で算出した払拭速度が標準の払拭速度よりも速い場合は、その速度比に応じて標準低下割合よりもDuty比の低下割合を上げることで、オーバーランを防止して始動位置2へ各ワイパブレード10,20を停止させることが可能となる。
【0107】
一方、ステップS202で算出した払拭速度が標準の払拭速度よりも遅い場合は、その速度比に応じて上記標準低下割合よりもDuty比の低下割合を下げることで、各ワイパブレード10,20を速やかに始動位置2へ移動させることができる。
【0108】
〈ブレードロック時の制御〉
次に、図5に示したブレードロック時の制御(ステップS5)について、図13及び図14を主に参照して説明する。
フロントガラス1に障害物が付着する等の原因により、各ワイパブレード10,20の移動が阻害されて停止(以下、この現象をブレードロック又は単にロックということもある)するに至ったとき、切替スイッチ30を「停止」のモードに切り替えると、障害物を除去した後も各ワイパブレード10,20はそのまま停止状態を続ける。しかしながら、一般にブレードロックが生じるときは各ワイパブレード10,20が払拭領域の中間位置で停止することが多い。このように払拭領域の中間位置で各ワイパブレード10,20が停止した場合、運転席や助手席からの視界を各ワイパブレード10,20が一部遮蔽してしまうため目障りである。
【0109】
また、助手席側ワイパブレード20がオーバラップ領域1C内でロックした場合に、運転席側ワイパブレード10の駆動をそのまま継続すると、助手席側ワイパブレード20は運転席側ワイパブレード10と干渉する。さらに、ブレードロックが解除され、助手席側ワイパブレード20を作動復帰させる際にも、各ワイパブレード10,20の位置関係によっては、オーバラップ領域1C内で相互干渉するおそれがある。
【0110】
そこで、本実施形態では、ブレードロックが生じた際のこのような不都合を回避するために、CPU71が以下の制御を実行する構成としてある。
すなわち、図2に示すCPU71に内蔵されたメモリ(図示せず)には、ブレードロックの発生を判別するために、各回転量検出センサ41,51から出力される回転信号(パルス)の間隔(時間)に関するしきい値があらかじめ設定してある。このしきい値は、高速運転、低速運転、及び間欠運転にそれぞれ対応して、その通常運転時における各回転量検出センサ41,51からの回転信号の出力間隔(時間)よりも明らかに長い任意の時間に設定してある。
【0111】
CPU71は、図13のステップS301で各回転量検出センサ41,51からの回転信号の出力間隔(以下、単に信号出力間隔ということもある)を検出し、まず運転席側検出部40に設けた回転量検出センサ41からの信号出力間隔を上記しきい値と比較する(ステップS302)。そして、この信号出力間隔がしきい値を超えていた場合は、運転席側ワイパブレード10にロックが発生していると判断し、Drロックフラグ=1 をたてる(ステップS303)。続いて、助手席側検出部50に設けた回転量検出センサ51からの信号出力間隔を上記しきい値と比較する(ステップS304)。そして、この信号出力間隔がしきい値を超えていた場合は、助手席側ワイパブレード20にロックが発生していると判断し、Asロックフラグ=1 をたてる(ステップS305)。
【0112】
次に、ステップS306でDrロックフラグ=1 がたっているかどうかを判別し、Drロックフラグ=1 がたっているときは、各ワイパモータ11,21の運転を停止して(ステップS307)、図14に示すステップS314へ移行する。一方、Drロックフラグ=1 がたっていないときは、ステップS308へ移行する。
【0113】
ステップS308では、Asロックフラグ=1 がたっているかどうかを判別し、Asロックフラグ=1 がたっていないときは、図5のメインルーチンへ帰還する。一方、Asロックフラグ=1 がたっているときは、助手席側ワイパブレード20の停止位置がオーバラップ領域1C内かどうかを判別する(ステップS309)。ここで、助手席側ワイパブレード20の停止位置は、回転量検出センサ51からの回転信号により認識することができる。
【0114】
判別の結果、助手席側ワイパブレード20がオーバラップ領域1C内でロックしていた場合は、助手席側ワイパモータ21の運転を停止するとともに(ステップS310)、助手席側ワイパブレード20の停止位置に応じて、運転席側ワイパブレード10の移動許容範囲を決定する(ステップS311)。つまり、オーバラップ領域1Cで停止している助手席側ワイパブレード20に衝突しないように戻り方向の移動端を決定する。そして、この移動端と上側折返し位置3の間で、運転席側ワイパブレード10を往復移動させるように、運転席側ワイパモータ11を正逆転して作動させ(ステップS312)、図14に示すステップS314へ移行する。このように運転席側ワイパモータ11を正逆転して作動させることで、オーバラップ領域1Cで停止している助手席側ワイパブレード20への運転席側ワイパブレード10の衝突が回避されるとともに、助手席側ワイパブレード20がロックした状態にあっても運転席側の視界を確保することができる。
【0115】
一方、ステップS309における判別の結果、助手席側ワイパブレード20がオーバラップ領域1C外でロックしていた場合は、助手席側ワイパモータ21の運転のみ停止し、運転席側ワイパモータ11は通常運転を継続し(ステップS313)、図14に示すステップS314へ移行する。
【0116】
図14に示すステップS314では、ブレードロック後に障害物が除去されて切替スイッチ30の再操作があったかどうかを検出する。切替スイッチ30の再操作があったときは、SW切替フラグ=1 をたてる(ステップS315)。ここで検出される切替スイッチ30の再操作は、「高速運転」「低速運転」「間欠運転」「停止」のいずれかのモードへの切り替え操作である。「停止」モードへの切り替え操作も含まれる。一方、切替スイッチ30が再操作されていないときは、再操作されるまでそのまま待機する(ステップS316)。
【0117】
SW切替フラグ=1 がたったときは、次にDrロックフラグ=1 がたっているかどうかを確認する(ステップS317)。そして、Drロックフラグ=1 がたっているときは、切替スイッチ30が「停止」モードに切り替えられたかどうかを確認する(ステップS318)。ここで、切替スイッチ30のモードが「停止」モードではないときは、各ワイパモータ11,21を通常運転に復帰させるとともに(ステップS319)、SW切替フラグ、Drロックフラグ、Asロックフラグをそれぞれ0にして(ステップS320、S321、S322)、図5のメインルーチンに帰還する。
【0118】
Drロックフラグ=1 がたっているときは、図13のステップS307に示したごとく、各ワイパモータ11,21が停止しているので、その状態から通常運転に復帰しても各ワイパブレード10,20が干渉するおそれはない。
【0119】
また、ステップS318において、切替スイッチ30のモードが「停止」モードであった場合は、次に各ワイパブレード10,20が停止している位置から始動位置2に向けて移動するように各ワイパモータ11,21を運転する(ステップS323)。そして、各ワイパブレード10,20が始動位置2に到達したとき(ステップS324)、各ワイパモータ11,21を停止するとともに(ステップS325)、SW切替フラグ、Drロックフラグ、Asロックフラグをそれぞれ0にして(ステップS320、S321、S322)、図5のメインルーチンに帰還する。
【0120】
このように、運転席側ワイパブレード10と助手席側ワイパブレード20の少なくとも一方がブレードロックした後、切替スイッチ30の再操作で「停止」モードに切り替えられたとき、強制的に各ワイパブレード10,20を始動位置2まで移動させることで、払拭範囲の中間位置で各ワイパブレード10,20の少なくとも一方がロックした場合であっても、各ワイパブレード10,20が始動位置2まで移動するので、運転席及び助手席からの視界を確保することができる。
【0121】
ステップS317において、Drロックフラグ=1 がたっていないときは、ステップS326に移行し、運転席側ワイパモータ11の運転状態を確認する。そして、図13のステップS312に示したように、運転席側ワイパモータ11が各ワイパブレード10,20の干渉を回避するように正逆転している場合は、助手席側ワイパブレード20が停止している位置から始動位置2に向けて移動するように、助手席側ワイパモータ21を運転し(ステップS328)、助手席側ワイパブレード20が始動位置2に到達したとき(ステップS329)、同ワイパモータ11,21を停止する(ステップS330)。
【0122】
一方、運転席側ワイパモータ11が、図13のステップ313に示したように、通常運転を継続している場合は、運転席側ワイパブレード10の現在位置によっては、そのまま助手席側ワイパブレード20を停止位置から始動位置2に向けて移動させると干渉するおそれがある。そこで、運転席側ワイパブレード10の現在位置及び移動方向(行き方向か戻り方向か)を回転量検出センサ41からの回転信号により検出し、運転席側ワイパブレード10が助手席側ワイパブレード20の停止位置と対称な位置よりも上側折返し位置3に近い位置にいるか、あるいは運転席側ワイパブレード10がオーバラップ領域1C外で行き動作をしているかどうか確認する(ステップS327)。
【0123】
すなわち、次のステップS328において助手席側ワイパブレード20を始動位置2へ移動させるが、このとき運転席側ワイパブレード10が、助手席側ワイパブレード20よりも内側、すなわち始動位置2寄りに位置しており、当該位置から始動位置2へ向けて移動していた場合や、オーバラップ領域1C内で行き動作をしていた場合は、オーバラップ領域1Cにおいて各ワイパブレード10,20が衝突するおそれがある。
【0124】
そこで、この場合はステップS327において助手席側ワイパモータ21の運転を停止させておく。そして、運転席側ワイパブレード10が助手席側ワイパブレード20の停止位置と対称な位置よりも外側にくるか、あるいはオーバラップ領域1C外での行き動作になった時点で、助手席側ワイパブレード20を始動位置2へ向けて移動させるように助手席側ワイパモータ21を運転し(ステップS328)、助手席側ワイパブレード20が始動位置2に到達したとき(ステップS329)、同ワイパモータ21を停止する(ステップS330)。
【0125】
次に、助手席側ワイパブレード20が始動位置2へ到達した後、運転席側ワイパモータ11を通常運転に復帰させて(ステップS331)、運転席側ワイパブレード10を始動位置2まで移動させる(ステップ332)。なお、図13のステップS313から移行してきた場合は、運転席側ワイパモータ11が通常運転をすでに継続しているので、ステップS331ではそのまま通常運転を継続させることになる。
【0126】
その後、切替スイッチ30が「停止」モードに切り替えられたかどうかを確認する(ステップS333)。ここで、切替スイッチ30のモードが「停止」モードではないときは、助手席側ワイパモータ21を通常運転に復帰させるとともに(ステップS334)、SW切替フラグ、Asロックフラグをそれぞれ0にして(ステップS335、S336)、図5のメインルーチンに帰還する。
【0127】
助手席側ワイパブレード20のみがロックした場合は、上述したとおり(図13のステップS312、S313)、運転席側ワイパモータ11は継続して駆動しているので、復旧時に各ワイパモータ11,21の同期がとれていない。したがって、本実施形態では上記のとおり、まず各ワイパブレード10,20を始動位置2に戻して各ワイパモータ11,21の同期をとるようにしている。
【0128】
一方、ステップS333において、切替スイッチ30の「停止」モードを検出したときは、各ワイパモータ11,21を停止させるとともに(ステップS337)、SW切替フラグ、Asロックフラグをそれぞれ0にして(ステップS335、S336)、図5のメインルーチンに帰還する。ここで、各ワイパブレード10,20は、すでにステップS328〜S332において始動位置2に移動させてあるので、運転席及び助手席からの視界を確保することができる。
【0129】
〈降雪時の制御〉
次に、図5に示した降雪時の制御(ステップS6)について、図15〜図17を主に参照して説明する。
降雪時の運転では、フロントガラス1に付着した雪が、各ワイパブレード10,20により掻き集められて、フロントガラス1の下縁に設定した始動位置2に蓄積して雪だまりを形成する現象が生じ得る。始動位置2に雪だまりができた場合、特に下側に位置する助手席側ワイパブレード20が始動位置2付近で雪だまりの抵抗から移動しにくくなる。このため、助手席側ワイパブレード20に対し、始動位置2に向けて後ろから移動してきた運転席側ワイパブレード10が衝突するおそれがあった。
【0130】
また、始動位置2付近に雪だまりが形成されて、各ワイパブレード10,20が始動位置2まで到達できなくなると、始動位置検出スイッチ42,52による各ワイパブレード10,20の位置検出ができなくなるため、各ワイパモータ11,21の回転角度と各ワイパブレード10,20の位置との間の同期をとることができなくなる。CPU71は、回転量検出センサ41,51からの回転信号、すなわち各ワイパモータ11,21の回転角度から各ワイパブレード10,20の位置を認識するため、上記のように同期がとれなくなった場合、各ワイパブレード10,20の位置を正確に把握できなくなり、適正な制御を補償することができないという問題が生じる。
【0131】
そこで、本実施形態では、降雪時のこのような不都合を回避するために、CPU71が以下の制御を実行する構成としてある。
すなわち、図2に示すCPU71に内蔵されたメモリ(図示せず)には、雪だまりの発生を検出するために、始動位置2から離間した位置であって、該始動位置2付近のあらかじめ定められた所定位置での助手席側ワイパモータ21の角速度に関する第1,第2のしきい値があらかじめ設定してある。このうち、第1のしきい値は、助手席側ワイパモータ21の回転角度、すなわち助手席側ワイパブレード20の位置が始動位置2に到達するものの、雪だまりにより助手席側ワイパブレード20が移動しにくく、これを放置しておいた場合に運転席側ワイパブレード10と衝突する可能性のある角速度を任意に設定してある。また、第2のしきい値は、更に雪だまりが大きくなり、助手席側ワイパブレード20が始動位置2へ到達でできなくなる程度の角速度を任意に設定してある。
【0132】
CPU71は、図15のステップS401で助手席側検出部50に設けた回転量検出センサ51からの回転信号の出力間隔(時間)を検出し、この出力間隔に基づいて助手席側ワイパモータ21の角速度を検出している。続くステップS402では助手席側ワイパモータ21の回転角度が、始動位置2付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したかどうかを確認する。なお、各ワイパモータ11,21の回転角度と各ワイパブレード10,20の位置は、CPU71に内蔵された位置カウンタによって同期がとられている。
【0133】
助手席側ワイパモータ21の回転角度、即ち、助手席側ワイパブレード20が、始動位置2付近のあらかじめ定められた所定位置に到達すると、該所定位置における助手席側ワイパモータ21の角速度と上記第1のしきい値とを比較し(ステップS403)、角速度が第1のしきい値より大きい場合は、雪だまりフラグを0とし(ステップS404)、一方、角速度が第1のしきい値よりも低下している場合は、雪だまり発生と判断して雪だまりフラグ=1 をたてる(ステップS405)。その後、助手席側ワイパモータ21の回転角度が始動位置2に到達すると、助手席側ワイパモータ21の位置カウンタをリセットし(ステップS406)、同ワイパモータ11,21の回転角度0°を助手席側ワイパブレード20の始動位置2に同期させる。
【0134】
次いで、雪だまりフラグ=1 がたっているかどうか確認し(ステップS407)、雪だまりフラグ=1 がたっていないときは、雪だまりが発生していないため、ステップS408に移行し、運転席側ワイパモータ11の回転角度が、始動位置2に到達したかどうかを確認する。そして、始動位置2に到達したときは、その時点で運転席側ワイパモータ11の位置カウンタをリセットし(ステップS409)、同ワイパモータ11の回転角度0°を運転席側ワイパブレード10の始動位置2に同期させる。また、運転席側ワイパモータ11の回転角度が、始動位置2に到達していないときは、そのまま各ワイパモータ11を通常運転して(ステップS410)、図5のメインルーチンに帰還する。
【0135】
一方、雪だまりフラグ=1 がたっている場合は、図16のステップS411に移行して、始動位置2付近のあらかじめ定められた所定位置における角速度に基づき運転席側ワイパモータ11を逆回転させる回転角度、すなわち運転席側ワイパブレード10の下側反転位置を算出し、運転席ワイパモータ11の回転角度がこの下側反転位置に到達した時点で(ステップS412)、同ワイパモータ11を逆回転させて、運転席側ワイパブレード10を戻り動作から行き動作に反転させる(ステップS413)。
【0136】
このように、本実施形態では、雪だまりの状況に応じて、まず運転席側ワイパブレード10を始動位置2に到達する手前の任意の位置(下側反転位置)で、戻り動作から行き動作に反転させている。すなわち、始動位置2に堆積する雪だまり量が大きくなるにしたがい、各ワイパブレード10,20が始動位置2から離間した位置で戻り動作が妨げられる。そこで、雪だまりの少ないうちから運転席側ワイパモータ11を逆回転させて、運転席側ワイパブレード10の円滑な動作を補償し、ドライバが座る運転席側の視界を確保している。
【0137】
ここで、運転席側ワイパモータ11が逆転を開始する下側反転位置は、助手席側ワイパモータ21の始動位置2付近のあらかじめ定められた所定位置における角速度に応じて変化する。すなわち、雪だまりが少なく角速度の低下も小さい場合は、始動位置2近傍に下側反転位置が設定される。そして、雪だまりが大きくなるにしたがい、角速度が低下してくるので、この角速度の低下に対応して下反転位置を始動位置2から離間させていく。
【0138】
次に、運転席側ワイパモータ11の回転角度が、上側折返し位置3に到達したときは(ステップS414)、同ワイパモータ11を再び正回転させて運転席側ワイパブレード10を戻り動作に変える(ステップS415)。
【0139】
ここで、上側折返し位置3に到達したかどうかの判断は、運転席側検出部40に設けた上側折返し位置検出スイッチ43からの検出信号(上側折返し位置検出信号)に基づいて行われる。つまり、始動位置2から上側折返し位置3までの移動距離に対応する運転席側ワイパモータ11の回転角度は、あらかじめCPU71のメモリにインプットされているが、任意の下側折返し位置で運転席側ワイパモータ11が逆回転した場合、CPU71は回転量検出センサ41からの回転信号に基づいて上側折返し位置3を認識することができない。そこで、本実施形態では、図2に示したように上側折返し位置検出スイッチ43を設け、このスイッチからの検出信号により、運転席側ワイパブレード10が上側折返し位置3に到達したことを認識するようにしてある。なお、この構成は、助手席側ワイパブレード20についても同様である。
【0140】
また、CPU71は、上側折返し位置検出スイッチ43から検出信号を入力した時点で、運転席側ワイパモータ11の位置カウンタをリセットし(ステップS416)、運転席側ワイパモータ11の回転角度180°を運転席側ワイパブレード10の上側折返し位置3に同期させている。すなわち、始動位置2のみで位置カウンタをリセットした場合、雪だまり発生時は上述したように始動位置2に到達する手前で運転席側ワイパブレード10を反転させるので、始動位置2における位置カウンタのリセットができなくなり、その結果、運転席側ワイパモータ11の回転角度と運転席側ワイパブレード10の払拭位置との間にずれが生じてしまう。そこで、本実施形態では、上側折返し位置3に上側折返し位置検出スイッチ43を設け、同スイッチからの検出信号に基づいて運転席側ワイパモータ11の位置カウンタをリセットしている。
【0141】
次に、CPU71は、助手席側ワイパモータ21の始動位置2付近のあらかじめ定められた所定位置での角速度と上記第2のしきい値とを比較する(ステップS417)。ここで角速度が第2のしきい値よりも大きいときは、助手席側ワイパモータ21を通常運転して(ステップS418)、図5のメインルーチンに帰還する。
【0142】
これに対し、角速度が第2のしきい値よりも低下しているときは、雪だまりが拡大していると判断して、図17(a)のステップS419に移行し、始動位置2付近のあらかじめ定められた所定位置における角速度に基づき助手席側ワイパモータ21の下側反転位置を算出する。そして、助手席側ワイパモータ21の回転角度がこの下側反転位置に到達した時点で(ステップS420)、同ワイパモータ21を逆回転させて、助手席側ワイパブレード20を戻り動作から行き動作に反転させる(ステップS421)。
【0143】
このように、本実施形態では、雪だまりの状況に応じて、まず運転席側ワイパブレード10を始動位置2に到達する手前の任意の位置(下側反転位置)で反転させるとともに(上記ステップS413)、雪だまりが大きくなった場合は、助手席側ワイパブレード20についても始動位置2に到達する手前の任意の位置(下側反転位置)で反転させるようにしている。なお、下側反転位置の算出は、運転席側ワイパモータ11のときと同様に、始動位置2付近のあらかじめ定められた所定位置での角速度に基づいて行っている。
【0144】
次に、助手席側ワイパモータ21の回転角度が、上側折返し位置4に到達したときは(ステップS422)、同ワイパモータ21を再び正回転させて助手席側ワイパブレード20を戻り動作に変える(ステップS423)。ここでも、上側折返し位置4に到達したかどうかの判断は、助手席側検出部50に設けた上側折返し位置検出スイッチ53からの検出信号(上側折返し位置検出信号)に基づいて行われる。
【0145】
さらに、CPU71は、上側折返し位置検出スイッチ53から検出信号を入力した時点で、助手席側ワイパモータ21の位置カウンタをリセットし(ステップS424)、助手席側ワイパモータ21の回転角度180°を助手席側ワイパブレード20の上側折返し位置4に同期させている。雪だまりが発生したときは、以上のステップを経て、図5のメインルーチンに帰還する。
【0146】
また、図16のステップS417で角速度が第2のしきい値よりも低下していたときは、図17(b)に示すように、助手席側ワイパモータ21を停止させて(ステップS430)、図5のメインルーチンに帰還するようにしてもよい。
【0147】
助手席側ワイパモータ21の運転を継続していると、フロントガラス1に付着した雪を、助手席側ワイパブレード20が戻り動作の毎に始動位置2付近へ掻き集めてきてしまい、始動位置2付近の雪だまりが増大していく。そこで、車両の運転に影響の少ない助手席側ワイパブレード20については、雪だまりの状況に応じて停止させることで、更なる雪だまりの増大を抑制することができる。
【0148】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、降雪時に生じ得る不都合を回避して適正なワイパ動作を補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 オーバラップ式ワイパ装置の概要を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態に係るオーバラップ式ワイパ装置の制御システムを示す回路構成図である。
【図3】 各ワイパモータのブラシに出力される駆動電圧のDuty比について説明するための図である。
【図4】 本発明の実施形態で各ワイパモータの駆動制御に用いる標準のDuty比パターンを示す図である。
【図5】 本発明の実施形態に係るワイパ装置の制御方法に関するメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 図5に示したメインルーチンにおけるステップS4の通常運転制御に関するフローチャートである。
【図7】 図6に続く、通常運転制御に関するフローチャートである。
【図8】 図7に続く、通常運転制御に関するフローチャートである。
【図9】 図5に示したメインルーチンにおけるステップS9の停止制御に関するフローチャートである。
【図10】 本発明の実施形態に係る停止制御において、払拭速度を算出する払拭範囲の一例を示す図である。
【図11】 回転量検出センサから入力される回転信号パルスと、払拭速度との関係を説明するための波形図である。
【図12】 本発明の実施形態に係る停止制御の他の方式を示すフローチャートである。
【図13】 図5に示したメインルーチンにおけるステップS5のブレードロック時の制御に関するフローチャートである。
【図14】 図13に続く、ブレードロック時の制御に関するフローチャートである。
【図15】 図5に示したメインルーチンにおけるステップS6の降雪時の制御に関するフローチャートである。
【図16】 図15に続く、降雪時の制御に関するフローチャートである。
【図17】 図16に続く、降雪時の制御に関するフローチャートである。
【符号の説明】
1:車両フロントガラス
1A,1B:払拭領域
1C:オーバラップ領域
2:始動位置
3:上側折返し位置
4:上側折返し位置
10:運転席側ワイパブレード
11:運転席側ワイパモータ
12:リンク機構
20:助手席側ワイパブレード
21:助手席側ワイパモータ
22:リンク機構
30:切替スイッチ
31:間欠ボリューム
32:ウォッシャモータ
40:運転席側検出部
41:回転量検出センサ
42:始動位置検出スイッチ
43:上側折返し位置検出スイッチ
50:助手席側検出部
51:回転量検出センサ
52:始動位置検出スイッチ
53:上側折返し位置検出スイッチ
70:コントローラ(制御手段)
71:CPU(中央処理部)
72:電源回路
73:リセット回路
74:運転席側モータ駆動回路
75:助手席側モータ駆動回路
76:運転席側Hi/Lo切替リレー
77:助手席側Hi/Lo切替リレー
78:リレー駆動回路
80:電源
81:始動スイッチ
Claims (12)
- 車両フロントガラスの運転席側払拭領域を払拭する運転席側ワイパブレードと、車両フロントガラスの助手席側払拭領域を払拭する助手席側ワイパブレードと、前記運転席側ワイパブレードを駆動する運転席側ワイパモータと、前記助手席側ワイパブレードを駆動する助手席側ワイパモータとを備え、前記各ワイパブレードがそれぞれ車両フロントガラスの下端縁側に設定された始動位置と車両フロントガラスの各側端縁側に設定された上側折返し位置との間の払拭領域を往復移動するとともに、前記始動位置から一定の範囲に設定され前記運転席側払拭領域と前記助手席側払拭領域とが重複するオーバラップ領域を各ワイパブレードがオーバラップして払拭する構成のワイパ装置において、
通常時は前記各ワイパモータの一定方向の正回転により前記各ワイパブレードを往復移動させ、
さらに前記各ワイパブレードのうち、前記上側折返し位置から前記始動位置へ向かう戻り動作時に先行して移動する一方のワイパブレードを駆動する一方のワイパモータの角速度を測定するとともに、
前記一方のワイパブレードが前記始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、前記一方のワイパモータの角速度をあらかじめ設定した第1のしきい値と比較し、
該一方のワイパモータの角速度が前記第1のしきい値より低下しているとき、該角速度に基づき他方のワイパブレードを前記始動位置より手前で反転させる下側反転位置を算出し、
前記他方のワイパブレードが前記下側反転位置に到達すると、該他方のワイパブレードを駆動する他方のワイパモータを逆回転させて該他方のワイパブレードを戻り動作から前記上側折返し位置へ向かう行き動作に反転させる制御手段を備えたことを特徴とするワイパ装置。 - 請求項1に記載したワイパ装置において、
前記制御手段は、前記他方のワイパブレードが前記上側折返し位置に到達すると、前記他方のワイパモータを再び正回転させて、この他方のワイパブレードを戻り動作に反転させ、該他方のワイパブレードを通常の払拭領域より狭い前記下側反転位置と上側折返し位置との間の払拭領域で往復移動させることを特徴とするワイパ装置。 - 請求項1又は2に記載したワイパ装置において、
前記制御手段は、前記一方のワイパブレードが前記始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、前記一方のワイパモータの角速度を前記第1のしきい値よりも低いあらかじめ設定した第2のしきい値と比較し、
前記一方のワイパモータの角速度が前記第2のしきい値よりも低下しているとき、該角速度に基づき該一方のワイパブレードについても前記始動位置より手前で反転させる下側反転位置を算出し、
前記一方のワイパブレードが前記下側反転位置に到達すると、該一方のワイパブレードを駆動する一方のワイパモータを逆回転させて該一方のワイパブレードを戻り動作から行き動作に反転させることを特徴とするワイパ装置。 - 請求項3に記載したワイパ装置において、
前記制御手段は、前記一方のワイパブレードが前記上側折返し位置に到達すると、前記一方のワイパモータを再び正回転させて、この一方のワイパブレードを戻り動作に反転させ、該一方のワイパブレードを通常の払拭領域より狭い前記下側反転位置と上側折返し位置との間の払拭領域で往復移動させることを特徴とするワイパ装置。 - 請求項1又は2に記載したワイパ装置において、
前記制御手段は、前記一方のワイパブレードが前記始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、前記一方のワイパモータの角速度を前記第1のしきい値よりも低いあらかじめ設定した第2のしきい値と比較し、
前記一方のワイパモータの角速度が前記第2のしきい値よりも低下しているとき、該一方のワイパモータを停止させることを特徴とするワイパ装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載したワイパ装置において、
前記一方のワイパブレードが助手席側ワイパブレードであり、且つ前記一方のワイパモータが助手席側ワイパモータであるとともに、前記他方のワイパブレードが運転席側ワイパブレードであり、且つ前記他方のワイパモータが運転席側ワイパモータであることを特徴とするワイパ装置。 - 車両フロントガラスの運転席側払拭領域を払拭する運転席側ワイパブレードと、車両フロントガラスの助手席側払拭領域を払拭する助手席側ワイパブレードと、前記運転席側ワイパブレードを駆動する運転席側ワイパモータと、前記助手席側ワイパブレードを駆動する助手席側ワイパモータとを備え、前記各ワイパブレードがそれぞれ車両フロントガラスの下端縁側に設定された始動位置と車両フロントガラスの各側端縁側に設定された上側折返し位置との間の払拭領域を往復移動するとともに、前記始動位置から一定の範囲に設定され前記運転席側払拭領域と前記助手席側払拭領域とが重複するオーバラップ領域を各ワイパブレードがオーバラップして払拭する構成のワイパ装置において、
通常時は前記各ワイパモータの一定方向の正回転により前記各ワイパブレードを往復移動させるステップと、
前記各ワイパブレードのうち、前記上側折返し位置から前記始動位置へ向かう戻り動作時に先行して移動する一方のワイパブレードを駆動する一方のワイパモータの角速度を測定するステップと、
前記一方のワイパブレードが前記始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、前記一方のワイパモータの角速度をあらかじめ設定した第1のしきい値と比較するステップと、
該一方のワイパモータの角速度が前記第1のしきい値より低下しているとき、該角速度に基づき他方のワイパブレードを前記始動位置より手前で反転させる下側反転位置を算出するステップと、
前記他方のワイパブレードが前記下側反転位置に到達すると、該他方のワイパブレードを駆動する他方のワイパモータを逆回転させて該他方のワイパブレードを戻り動作から前記上側折返し位置へ向かう行き動作に反転させるステップと、を含むことを特徴とするワイパ装置の制御方法。 - 請求項7に記載したワイパ装置の制御方法において、
更に、前記他方のワイパブレードが前記上側折返し位置に到達すると、前記他方のワイパモータを再び正回転させて、この他方のワイパブレードを戻り動作に反転させるステップを含み、該他方のワイパブレードを通常の払拭領域より狭い前記下側反転位置と上側折返し位置との間の払拭領域で往復移動させることを特徴とするワイパ装置の制御方法。 - 請求項7又は8に記載したワイパ装置の制御方法において、
更に、前記一方のワイパブレードが前記始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、前記一方のワイパモータの角速度を前記第1のしきい値よりも低いあらかじめ設定した第2のしきい値と比較するステップと、
前記一方のワイパモータの角速度が前記第2のしきい値よりも低下しているとき、該角速度に基づき該一方のワイパブレードについても前記始動位置より手前で反転させる下側反転位置を算出するステップと、
前記一方のワイパブレードが前記下側反転位置に到達すると、該一方のワイパブレードを駆動する一方のワイパモータを逆回転させて該一方のワイパブレードを戻り動作から行き動作に反転させるステップと、を含むことを特徴とするワイパ装置の制御方法。 - 請求項9に記載したワイパ装置の制御方法において、
更に、前記一方のワイパブレードが前記上側折返し位置に到達すると、前記一方のワイパモータを再び正回転させて、この一方のワイパブレードを戻り動作に反転させるステップを含み、該一方のワイパブレードを通常の払拭領域より狭い前記下側反転位置と上側折返し位置との間の払拭領域で往復移動させることを特徴とするワイパ装置の制御方法。 - 請求項7又は8に記載したワイパ装置の制御方法において、
更に、前記一方のワイパブレードが前記始動位置付近のあらかじめ定められた所定位置に到達したとき、前記一方のワイパモータの角速度を前記第1のしきい値よりも低いあらかじめ設定した第2のしきい値と比較するステップと、
前記一方のワイパモータの角速度が前記第2のしきい値よりも低下しているとき、該一方のワイパモータを停止させるステップと、を含むことを特徴とするワイパ装置の制御方法。 - 請求項7乃至11のいずれか一項に記載したワイパ装置の制御方法において、
前記一方のワイパブレードが助手席側ワイパブレードであり、且つ前記一方のワイパモータが助手席側ワイパモータであるとともに、前記他方のワイパブレードが運転席側ワイパブレードであり、且つ前記他方のワイパモータが運転席側ワイパモータであることを特徴とするワイパ装置の制御方法。
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