【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、２つのサドルが前後に配設されている自転車に関するものである。更に詳しく述べると本発明は、後方の高い位置に設定された常用サドルと、前方の低い位置に設定された狭幅の補助サドルとを具備し、常用サドルがほぼ水平状態から前方斜め下向き状態に揺動可能になっており、それによって常用サドルから補助サドルへの乗り移りを容易にした２サドル型自転車に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
【特許文献１】
特開２０００−３１３３７８公報
【特許文献２】
特開２００１−４８０７３公報
【０００３】
通常の１人乗り用の自転車は、サドルを１個のみ装備している。そのサドル位置（高さ）は、運転者の好みや身体的条件などによって適切に調整される。ペダルをこぎ易くし、しかも効率よくこぐためには、サドルの位置は、運転者の足がのびきる直前でペダル下死点に達するように調整することが望ましい。反面、安全に停車するためには、サドルの位置は、運転者の両足が着地できるように調整することが望ましい。
【０００４】
このような相反する要求を満たすことができるように、自転車に跨ったままでサドルの高さを調節できる機構を備えた自転車が既に数多く提案されている（例えば、特許文献１参照）。この種のサドル高さ調節機構は、上端にサドルが取り付けられているサドルポストをサドルパイプ内で摺動自在に嵌装し、サドルパイプ内にサドルポストを上方に付勢するスプリング等の付勢手段を設けると共に、サドルポストとサドルパイプとの固定及び解放を行う位置切替操作手段を有する構造である。サドルポストとサドルパイプとは係止ピンなどで固定・解放可能となっており、サドル位置切替は、係止ピンに直結されているレバー、あるいは係止ピンにワイヤなどで連結されているレバーを操作することで行われる。また、付勢手段として、スプリングの他に油圧機構を使用する構成も提案されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなサドル高さ調節機構は、乗車中にサドルをスムーズに上下変位できねばならず、かなりの重量が加わるサドルを強固に支持できなければならないし、スプリングを内蔵させるためサドルパイプなどが大径となったり付帯機構などが必要となる。そのため、構造が複雑化し、故障などの可能性が高くなり、コストも高くなる。また、スプリングを内蔵させたり、位置切替操作手段を設けねばならず、十分な機械的強度も確保しなければならないないことから、既存の自転車に適用することは困難である。
【０００６】
そのようなサドル高さ調節機構とは全く異なる問題解決手法として、２つのサドルが前後に配設されている自転車が提案されている（特許文献２参照）。このような２サドル型は、構造的に極めて簡単であり、機械的強度の点でも問題はなく、低コストで実現できる利点がある。しかし、各サドルの高さ（位置）設定や使用状況（乗り移りにし易さ）などの点で必ずしも満足しうるものとはなっていない。
【０００７】
本発明の目的は、通常の走行時と停車直前・停車時（あるいは発車直後）で最適のサドル位置を実現でき、乗り移りが容易であり、しかもそのための構造が簡単で、既存の通常の自転車にも容易に適用できるため低コストで実現できるような２サドル型自転車を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、２つのサドルが前後に配設されている自転車において、後方のサドルは高い位置に設定された常用サドルであり、前方のサドルは低い位置に設定された狭幅の補助サドルであって、前記常用サドルはほぼ水平状態と前方斜め下向き状態の範囲で揺動可能になっており、前方斜め下向き状態とすることによって常用サドルから補助サドルへの乗り移りを容易化したことを特徴とする２サドル型自転車である。ここで、常用サドルの高さと補助サドルの高さの差は、ペダル下死点位置の地面からの高さにほぼ等しく設定され、それによって常用サドルでの着座では運転者の足がのびきる直前でペダル下死点に達し、補助サドルでの着座では運転者の両足が着地可能に調整されているのが最適である。常用サドルはほぼ水平状態と前方斜め下向き状態の範囲で揺動可能になっているのに対して、典型的には補助サドルは不動状態でよい。
【０００９】
例えば、常用サドルをフリーな状態で揺動可能に支持し、常用サドルに着座している運転者の体重前方移動によって、常用サドルがほぼ水平状態から前方斜め下向き状態に傾斜するような構造とする。あるいは、係止ピンの嵌入によって、常用サドルがほぼ水平状態で維持され、バネによって前方斜め下向き状態に傾斜するように付勢されている構造でもよい。ここで係止ピンは、固定部材と揺動部材とを係止・解放する部材である。その場合には、運転者の体重前方移動によって係止ピンが自然に外れるような構造でもよいし、レバー操作などによって係止ピンを強制的に外す構造でもよい。前方斜め下向きの傾斜角は、常用サドルと補助サドルの形状や位置などにもよるが、６０度程度以下でよく、２０〜４５度程度の範囲内が好ましい。僅かな傾斜角でも、水平状態で固定されている場合よりも、常用サドルから補助サドルへの乗り移りは容易となる。なお、常用サドルが所定の傾斜角で止まるようにストッパなどを設ける。
【００１０】
本発明において、「２サドル型」とは着座する位置が２箇所あることを意味している。従って、通常、常用サドルと補助サドルとは別部材である。しかし、両者が連続し、外観上あたかも一体と見えるような構造も含まれる。具体的には、常用サドルと補助サドルの両者を覆うようにカバー部材を取り付ける。カバー部材はハード構造でもよいし、ソフト構造でもよい。いずれにしても常用サドルが揺動可能であるので、常用サドルと補助サドルの間の連絡部分は、伸縮変形可能とするのが好ましい。本質的に補助サドルは不動状態でよいのであるが、常用サドルと連続させた場合に両者の段差のために通常使用時にはギャップが大きくなる。そこで常用サドルの揺動と連動して補助サドルも水平と前方斜め下向き状態との間で揺動するようにしてもよい。但し、常用サドルと補助サドルは交互に水平状態となるような動きをするものとする。このようにすると、外観上は単に１つの大きなサドルが設けられているように見えるため、デザイン的な違和感は少なくなる。
【００１１】
本発明の適用対象となる自転車本体は、任意の形式であってよい。一般的な実用タイプの他、スポーツタイプなどでもよい。勿論、車体や車輪の大きさなどにも無関係に適用できる。
【００１２】
【実施例】
図１は本発明に係る２サドル型自転車の一実施例を示す全体説明図である。サドル部分を除けば、自転車本体は周知の構造であるので、それについての説明は省略する。本発明では、自転車本体１０に、２つのサドルが前後に配設されている。後方のサドルは高い位置に設定された常用サドル１２であり、前方のサドルは低い位置に付設されている補助サドル１４である。常用サドル１２は、通常時に運転者が着座して自転車をこぐためのサドルであり、補助サドル１４は、停車時（停車直前の減速時）に着座するためのサドルである。
【００１３】
図２のサドル平面図からも分かるように、後方の常用サドル１２は乗り心地を重視した通常のサドル（例えば後ろ側が幅広のサドル）でよい。それに対して前方の補助サドル１４は、乗り心地よりも後方の常用サドルに着座しペダルをこぐ際に邪魔にならないことを考慮し、全体を幅狭の形状とする。勿論、補助サドルとはいえサドルであるから、着座できる必要最小限の幅は確保する。
【００１４】
本発明では、図１からも分かるように、補助サドル１４は不動状態となっているのに対して、常用サドル１２はほぼ水平状態（実線で示す状態）と前方斜め下向き状態（点線で示す状態）の範囲で揺動可能に支持されており、この点に特徴がある。補助サドル１４が不動状態というのは、一旦適切に高さ調節がなされた後はサドル自体は動かないように固定されていることを意味しており、高さ変更ができないということではない。常用サドル１２も同様であって、高さ調節は可能であり、一旦適切に高さ調節がなされた後はサドル自体は所定の範囲で揺動可能になっている。
【００１５】
ここで、常用サドル１２の高さと補助サドル１４の高さの差Ｈは、ペダル下死点位置の地面からの高さｈにほぼ等しくなるように設定する。それによって、図３のＡに示すように、常用サドル１２に着座した状態では運転者の足がのびきる直前でペダル下死点に達し、また図３のＢに示すように、補助サドル１４に着座した状態では運転者の両足（つま先だけでもよい）が着地するように設定する。この調整状態が最適である。常用サドルは、より高い位置に設定してあるので、常用サドル着座時は、慣性モーメントが大きくなり運転の安定性が向上し、且つ最大の効率でこぐ力を発揮でき、補助サドル着座時は、当然のことながら減速停車時の安全性が向上する。
【００１６】
常用サドル１２に着座している運転者が体重を前方に移動すると、それによって常用サドル１２がほぼ水平状態から前方斜め下向き状態へと傾斜し、運転者は前方斜め下向きに傾斜した常用サドル１２を滑り降りるような格好となるので、高い常用サドル１２から低い補助サドル１４への乗り移りが極めて容易となる。なお、低い補助サドル１４から高い常用サドル１２への移行は、常用サドルが水平状態でも前方斜め傾斜の状態でも、比較的容易に行える。
【００１７】
走行開始時に、地面を蹴って助走し常用サドルに着座するに際し、後側から跨る場合には常用サドルは水平状態となっている必要がある。前側から跨る場合は常用サドルは水平状態でも前方斜め傾斜状態でもよい。従って、常用サドルは、運転者の要望に応じて水平状態と前方斜め傾斜状態で止まるようにするのが好ましい。そのためには、例えば常用サドルの揺動の摩擦抵抗をある程度大きくしておけばよい。
【００１８】
サドル取付状態の一例を図４に示す。自転車フレームの一部を構成しているサドルパイプ２０に常用サドルポスト２２を出没自在（矢印ａで示す）に嵌入し、締結レバー２４で所望の位置（高さ）で緊締可能とする。常用サドルポスト２２の上端には常用サドル１２が、ほぼ水平状態（図４のＡ参照）から前方斜め下向き状態（図４のＢ参照）の範囲のみで軸ｘ−ｘ（図２参照）の回りで完全にフリーな状態で揺動可能となるように、軸支されている。揺動範囲の規制は、ストッパなどで行えばよい。そして、上端に補助サドル１４を固定した補助サドルポスト２６を連結部材２８によって常用サドルポスト２２に固定する。連結部材２８は、連結パイプ３０の両端に締め付け可能な結合パイプ３２ａ，３２ｂが交差するような向きで連設した構造であり、一方の結合パイプ３２ａは常用サドルポスト２２に嵌合して所定の位置で締め付け固定し、他方の結合パイプ３２ｂは補助サドルポスト２６に嵌合して所定の位置で締め付け固定するようになっている。
【００１９】
常用サドルポスト２２を上下（矢印ａ）し、所望の状態で締結レバー２４を締め付けることで常用サドル１２の位置を調整固定する。連結部材２８の一方の結合パイプ３２ａを常用サドルポスト２２に嵌合してサドルパイプ２０の上端位置で締め付け固定する。補助サドルポスト２６を上下（矢印ｂ）し、所望の位置で他方の結合パイプ３２ｂを締め付けることで補助サドル１４の位置を調整固定する。これによって常用サドル１２と補助サドル１４の両方の位置（高さ）が独立に調整できる。
【００２０】
通常時は、運転者は常用サドル１２上で運転者の重心位置が軸位置ｘよりも後方となるように着座している。この時、常用サドル１２はほぼ水平状態となっている（図４のＡに示す状態）。この常用サドル１２に着座した状態では、運転者の足がのびきる直前でペダル下死点に達するようになり、最高の効率で運転者の脚力がペダルに伝達される。停車直前では、運転者は常用サドル１２上で運転者の重心位置が軸位置ｘよりも前方となるように（白抜き矢印で示す）体重移動する。すると、常用サドル１２は前方斜め下向き状態に回転する（図４のＢに示す状態）。従って、運転者は常用サドル１２から滑り降りるような格好で補助サドル１４へと円滑に容易に移動できる。補助サドル１４での着座では、運転者の両足が着地するように設定されているため、安全に停車できる。
【００２１】
このようなサドル取り付け構造にすると、常用サドル１２はサドルパイプ２０の延長線上に設置できるため、常用サドルポスト２２を上下するだけで、容易に従来同様に最適位置に設定できる。もともとサドルパイプは自転車本体のフレームとして最適位置で最適な向きに設定されているからである。また補助サドル１４も補助サドルポスト２６を上下するだけで、容易に最適高さに設定できる。補助サドル１４に着座した状態でペダルをこぐことは必ずしも容易ではないが、本来この状態で長時間ペダルをこぐことは想定しておらず、安全性を優先して専ら停止時、停止直前（あるいは発車直後）のみの使用に限られるため、特に支障は生じない。図４に示すようなサドル取付構造は、既存の自転車に対して、サドル付きのサドルポストを揺動可能な常用サドル付きの常用サドルポストに交換し、連結部材、及び補助サドル付きの補助サドルポストを付加するだけで、容易に対応可能である。
【００２２】
図５は常用サドルの他の例を示す説明図である。サドル本体４０が常用サドルポスト２２の上端に揺動可能に軸支されている。常用サドルポスト２２の上部には水平部材４２が固定され、該水平部材４２の前端の斜切面４２ａがストッパとなって前方傾斜の揺動限界となる。水平部材４２の後部には回転軸ｘを中心とする円弧状に湾曲した筒状体４４が立設され、他方、サドル本体４０の後方下面からは回転軸ｘを中心とする円弧状に湾曲した棒状嵌入片４６が吊設されていて、該嵌入片４６が前記筒状体４４に遊嵌するようになっている。筒状体４４の上端がストッパとなって水平復元側の揺動限界となる。筒状体４４の外周にはサドル本体４０の後部を押し上げるような向きに付勢するコイルバネ４８が嵌装されている。なお、棒状嵌入片を長くすると、筒状体を省略することも可能である。
【００２３】
図５のＡに示す水平状態では、図５のＢに示すように、筒状体４４と嵌入片４６の穴４４ａ，４６ａが連通状態となって係止ピン５０の先端部が挿入され、バネ５２で押し付けられて係止状態が保たれる。サドル本体４０を前方に傾けたい場合には、係止ピン５０の後端に結合されているワイヤ５４を引っ張る。ワイヤ５４の端部を、ハンドルに装着されているレバー（図示するのを省略する）に連結したり、サドル近傍にレバーを装着して係止ピンに直結するなどの構成も可能である。図５のＣに示すように、ワイヤ５４を引っ張って係止ピン５０を引き抜くと、筒状体４４と嵌入片４６との係止が解かれ、コイルバネ４８の付勢力によって嵌入片４６が筒状体４４から抜ける方向に、即ちサドル本体４０が前方斜め下向きに回転し、水平部材４２の前端の斜切面４２ａ（ストッパ）で止まる（図５のＤ参照）。
【００２４】
運転者が体重を後方に移動すると、コイルバネ４８が収縮し、嵌入片４６が筒状体４４内の奥まで嵌入し、筒状体４４と嵌入片４６ポールの穴４４ａ，４６ａが連通状態になると、係止ピン５０がバネ５２で挿入されて係止状態に戻る。
【００２５】
サドル本体４０にクッション材やスプリングを組み込むことでクッション性をもたせて、それに適当なカバーを設けることで常用サドルとすることができる。
【００２６】
なお、図５に示す例では、円弧状に湾曲した筒状体が立設され、他方、サドル本体の後方下面からは円弧状に湾曲した棒状嵌入片が吊設されていて、該嵌入片が前記筒状体に遊嵌するようになっている。しかし円弧状に成形するのはコストがかかることから、特に揺動範囲が狭かったり曲率が小さい場合には、便宜的に直線状の筒状体と棒状嵌入片の組み合わせ、あるいは直線状の棒状部材のみで構成することもできる。
【００２７】
なお、上記の実施例では、常用サドルと補助サドルとが外観的に完全に独立した個別の構造であったが、常用サドルと補助サドルが一見連続した構造も可能である。その例を図６に示す。常用サドル１２と補助サドル１４の両者を覆うようにカバー部材６０を取り付ける。カバー部材６０はハード構造でもよいし、ソフト構造でもよい。いずれにしても常用サドル１２が揺動可能であるので、常用サドル１２の部分と補助サドル１４の部分との間の連絡部分６０ａは、伸縮変形可能とする。Ａは通常使用時（常用サドル使用時）の状態を、Ｂは停車直前の補助サドル使用時の状態を示している。またＣは平面図である。このようにすると、外観上は単に１つの大きなサドルが設けられているように見えるため、デザイン的な違和感は少なくなる。なお、連絡部分は伸縮変形しないものでもよい。その場合、Ｂの過渡的な状態ではカバー部材の先端が前方に延びるが、通常時はＡのように正常にフィットした状態に収まるために、特に問題は生じない。
【００２８】
図７に他の例を示す。本質的に補助サドルは不動状態でよいのであるが、常用サドルと連続させた場合に波、図６のＡに示すように、両者の段差のために通常使用時にはギャップが大きくなる。そこで図７では、常用サドル１２の揺動と連動して補助サドル１４も水平と前方斜め下向き状態との間で揺動するようにしている。Ａに示す通常使用時は、常用サドル１２は水平状態であるのに対して補助サドル１４は前方斜め下向き状態となる。乗り移り時は、常用サドル１２は前方斜め下向き状態となるのに対して補助サドル１４は水平状態である。このように交互に水平状態となるような動きをするものとする。そして、常用サドル１２と補助サドル１４を覆うようにカバー部材６２を設ける。なお、連絡部分６２ａは伸縮変形可能な構造であってもよいし、そうでなくてもよい。
【００２９】
【発明の効果】
本発明は上記のように、後方の高い位置に設定された常用サドルと、前方の低い位置に設定された狭幅の補助サドルを有する構造の自転車であるので、常用サドル着座時には運転者の足がのびきる直前でペダル下死点に達するように調整できるため、最大の効率でこぐ力を発揮でき、且つ補助サドル着座時には運転者の両足が着地できるように調整できるため、安全に停車することができる。このような自転車に必要な相反する課題を、極めて単純な構成で実現できる。しかも、常用サドルがほぼ水平状態から前方斜め下向きの範囲で揺動可能に設定されているため、減速時に高い常用サドルから低いサドルへ容易に円滑に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る２サドル型自転車の一実施例を示す全体説明図。
【図２】そのサドルの平面図。
【図３】運転時の状態を示す説明図。
【図４】サドルの取り付け構造の一例を示す説明図。
【図５】常用サドルの他の例を示す説明図。
【図６】常用サドルと補助サドルが連続した形態の例を示す説明図。
【図７】常用サドルと補助サドルが連続した形態の他の例を示す説明図。
【符号の説明】
１０ 自転車本体
１２ 常用サドル
１４ 補助サドル[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a bicycle in which two saddles are arranged at the front and rear. More specifically, the present invention includes a service saddle set at a high rear position and a narrow auxiliary saddle set at a low front position, and the service saddle is changed from a substantially horizontal state to a front obliquely downward state. The present invention relates to a two-saddle type bicycle that can swing and thereby facilitates the transfer from a regular saddle to an auxiliary saddle.
[0002]
[Prior art]
[Patent Document 1]
JP 2000-313378 A [Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 2001-48073
A normal single-seater bicycle is equipped with only one saddle. The saddle position (height) is appropriately adjusted according to the driver's preference and physical conditions. In order to make pedaling easier and more efficient, it is desirable to adjust the position of the saddle so that the bottom dead center of the pedal is reached immediately before the driver's feet are extended. On the other hand, in order to stop safely, it is desirable to adjust the position of the saddle so that both feet of the driver can land.
[0004]
Many bicycles having a mechanism capable of adjusting the height of the saddle while straddling the bicycle have already been proposed so as to satisfy such conflicting requirements (see, for example, Patent Document 1). This type of saddle height adjustment mechanism has a saddle post with a saddle attached to the upper end of the saddle post. The saddle post is slidably fitted in the saddle pipe, and the saddle post is biased upward in the saddle pipe. And a position switching operation means for fixing and releasing the saddle post and the saddle pipe. The saddle post and saddle pipe can be fixed and released with a locking pin, etc., and the saddle position can be switched by using a lever that is directly connected to the locking pin or a lever that is connected to the locking pin with a wire. It is done by operating. Further, a configuration using a hydraulic mechanism in addition to a spring as a biasing means has been proposed.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, such a saddle height adjustment mechanism must be able to smoothly move the saddle up and down while riding, and it must be able to firmly support the saddle that adds considerable weight, and a saddle pipe etc. to incorporate a spring Requires a large diameter or an accompanying mechanism. This complicates the structure, increases the possibility of failure, and increases the cost. Further, since it is necessary to incorporate a spring or to provide a position switching operation means and to ensure sufficient mechanical strength, it is difficult to apply to an existing bicycle.
[0006]
As a problem solving method that is completely different from such a saddle height adjusting mechanism, a bicycle in which two saddles are arranged at the front and rear has been proposed (see Patent Document 2). Such a 2-saddle type is extremely simple in structure, has no problem in terms of mechanical strength, and has an advantage that it can be realized at low cost. However, it is not always satisfactory in terms of the height (position) setting of each saddle and the use situation (easy to change).
[0007]
The object of the present invention is to realize an optimum saddle position during normal driving, immediately before stopping, or at the time of stopping (or immediately after departure), and can be easily transferred, and the structure for that purpose is simple, and the conventional ordinary bicycle is used. It is to provide a two-saddle type bicycle that can be easily applied and can be realized at low cost.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, in a bicycle in which two saddles are arranged at the front and rear, the rear saddle is a regular saddle set at a high position, and the front saddle is a narrow auxiliary saddle set at a low position. The regular saddle is swingable in a range of a substantially horizontal state and a front obliquely downward state, and the transition from the regular saddle to the auxiliary saddle is facilitated by adopting the forward obliquely downward state. It is a 2-saddle type bicycle. Here, the difference between the height of the service saddle and the height of the auxiliary saddle is set to be almost equal to the height of the pedal bottom dead center position from the ground, so that the driver's feet are extended when seated in the service saddle. It is optimal that the bottom dead center of the pedal is reached immediately before and the driver's feet are adjusted so that they can land when seated on the auxiliary saddle. While the regular saddle is swingable in a range between a substantially horizontal state and a diagonally downward front direction, typically, the auxiliary saddle may be stationary.
[0009]
For example, the service saddle is supported so as to be swingable in a free state, and the service saddle is inclined from a substantially horizontal state to a front obliquely downward state by a forward movement of the weight of the driver seated on the service saddle. . Alternatively, a structure in which the service saddle is maintained in a substantially horizontal state by insertion of a locking pin, and is biased by a spring so as to be inclined obliquely forward and downward. Here, the locking pin is a member for locking and releasing the fixing member and the swinging member. In that case, the structure may be such that the locking pin naturally disengages when the driver moves forward in weight, or the locking pin may be forcibly removed by lever operation or the like. The forward oblique downward inclination angle depends on the shape and position of the regular saddle and the auxiliary saddle, but may be about 60 degrees or less, and preferably in the range of about 20 to 45 degrees. Even with a slight angle of inclination, it is easier to transfer from the regular saddle to the auxiliary saddle than when it is fixed in a horizontal state. A stopper or the like is provided so that the common saddle stops at a predetermined inclination angle.
[0010]
In the present invention, “two saddle type” means that there are two seating positions. Therefore, the regular saddle and the auxiliary saddle are usually separate members. However, there is a structure in which both are continuous and appear as if they are integrated. Specifically, a cover member is attached so as to cover both the regular saddle and the auxiliary saddle. The cover member may have a hard structure or a soft structure. In any case, since the service saddle can swing, it is preferable that the connecting portion between the service saddle and the auxiliary saddle can be expanded and contracted. In essence, the auxiliary saddle may be in a stationary state, but when used continuously with the regular saddle, the gap becomes large during normal use due to the difference in level between the two. Therefore, the auxiliary saddle may be swung between the horizontal state and the obliquely downward front direction in conjunction with the swing of the common saddle. However, it is assumed that the regular saddle and the auxiliary saddle move alternately in a horizontal state. In this way, since it looks as if only one large saddle is provided in appearance, the sense of discomfort in design is reduced.
[0011]
The bicycle main body to which the present invention is applied may be of any type. In addition to the general practical type, it may be a sports type. Of course, it can be applied regardless of the size of the vehicle body or wheels.
[0012]
【Example】
FIG. 1 is an overall explanatory view showing an embodiment of a two-saddle bicycle according to the present invention. Except for the saddle portion, the bicycle body has a well-known structure, and a description thereof is omitted. In the present invention, two saddles are arranged on the bicycle body 10 in the front-rear direction. The rear saddle is a service saddle 12 set at a high position, and the front saddle is an auxiliary saddle 14 attached at a low position. The regular saddle 12 is a saddle for a driver to sit and ride a bicycle in a normal state, and the auxiliary saddle 14 is a saddle for sitting when the vehicle is stopped (when decelerating immediately before stopping).
[0013]
As can be seen from the saddle plan view of FIG. 2, the rear common saddle 12 may be a normal saddle that emphasizes riding comfort (for example, a saddle with a wide rear side). On the other hand, the front auxiliary saddle 14 is seated on a regular saddle behind the rider's comfort so that it does not get in the way when pedaling, and the whole is made narrow. Of course, since it is a saddle although it is an auxiliary saddle, the minimum necessary width that can be seated is secured.
[0014]
In the present invention, as can be seen from FIG. 1, the auxiliary saddle 14 is in a non-moving state, whereas the service saddle 12 is in a substantially horizontal state (state shown by a solid line) and a front obliquely downward state (state shown by a dotted line). ) Is supported so as to be able to swing within the range. The state in which the auxiliary saddle 14 is stationary means that the saddle itself is fixed so as not to move once the height is adjusted appropriately, and does not mean that the height cannot be changed. Similarly, the regular saddle 12 can be adjusted in height, and once the height is adjusted appropriately, the saddle itself can swing within a predetermined range.
[0015]
Here, the difference H between the height of the regular saddle 12 and the height of the auxiliary saddle 14 is set to be substantially equal to the height h from the ground at the pedal bottom dead center position. Accordingly, as shown in FIG. 3A, when the driver's feet are seated on the service saddle 12, the bottom dead center of the pedal is reached, and as shown in FIG. 3B, the auxiliary saddle 14 is reached. In the state where the user is seated on the vehicle, the driver's feet (or only the toes) may be set to land. This adjustment state is optimal. Since the regular saddle is set at a higher position, the moment of inertia increases when the regular saddle is seated, driving stability is improved, and the power can be exerted with maximum efficiency. Naturally, the safety at the time of deceleration stop is improved.
[0016]
When the driver sitting on the service saddle 12 moves his weight forward, the service saddle 12 is inclined from a substantially horizontal state to a front obliquely downward state, and the driver removes the service saddle 12 inclined forward and obliquely downward. Since it looks like sliding down, it is very easy to transfer from the high service saddle 12 to the low auxiliary saddle 14. It should be noted that the transition from the low auxiliary saddle 14 to the high service saddle 12 can be performed relatively easily even when the service saddle is in a horizontal state or in a state of being inclined forward.
[0017]
When starting running and kicking the ground to run and sit on the service saddle, the service saddle needs to be horizontal when straddling from the rear side. When straddling from the front side, the service saddle may be horizontal or inclined forward. Therefore, it is preferable that the service saddle is stopped in a horizontal state and an obliquely inclined front direction according to the driver's request. For this purpose, for example, the frictional resistance of swinging of the common saddle may be increased to some extent.
[0018]
An example of the saddle mounting state is shown in FIG. A regular saddle post 22 is inserted into a saddle pipe 20 constituting a part of the bicycle frame so that it can be moved in and out (indicated by an arrow a), and can be tightened at a desired position (height) by a fastening lever 24. At the upper end of the service saddle post 22, the service saddle 12 is rotated about the axis xx (see FIG. 2) only in the range from the substantially horizontal state (see A in FIG. 4) to the front obliquely downward state (see B in FIG. 4). It is pivotally supported so that it can swing in a completely free state. The swing range may be restricted with a stopper or the like. Then, the auxiliary saddle post 26 having the auxiliary saddle 14 fixed to the upper end is fixed to the regular saddle post 22 by the connecting member 28. The connecting member 28 has a structure in which the connecting pipes 32a and 32b that can be fastened to both ends of the connecting pipe 30 are arranged in an intersecting direction, and one connecting pipe 32a is fitted to the common saddle post 22 and has a predetermined structure. The other coupling pipe 32b is fitted to the auxiliary saddle post 26 and is fastened and fixed at a predetermined position.
[0019]
The position of the service saddle 12 is adjusted and fixed by moving the service saddle post 22 up and down (arrow a) and tightening the fastening lever 24 in a desired state. One coupling pipe 32 a of the connecting member 28 is fitted to the regular saddle post 22 and fastened and fixed at the upper end position of the saddle pipe 20. The position of the auxiliary saddle 14 is adjusted and fixed by moving the auxiliary saddle post 26 up and down (arrow b) and tightening the other coupling pipe 32b at a desired position. As a result, the positions (heights) of both the regular saddle 12 and the auxiliary saddle 14 can be adjusted independently.
[0020]
Normally, the driver is seated on the service saddle 12 so that the center of gravity of the driver is behind the axial position x. At this time, the service saddle 12 is in a substantially horizontal state (the state shown in FIG. 4A). In the state of being seated on the regular saddle 12, the bottom dead center of the pedal is reached immediately before the driver's feet extend, and the driver's leg strength is transmitted to the pedal with the highest efficiency. Immediately before the vehicle stops, the driver moves his / her weight on the regular saddle 12 so that the center of gravity of the driver is ahead of the axial position x (indicated by a white arrow). As a result, the service saddle 12 rotates forward and obliquely downward (the state shown in FIG. 4B). Therefore, the driver can smoothly and easily move to the auxiliary saddle 14 in such a manner as to slide down from the service saddle 12. In the seating with the auxiliary saddle 14, since the driver's feet are set to land, the vehicle can be stopped safely.
[0021]
With such a saddle mounting structure, the service saddle 12 can be installed on the extension line of the saddle pipe 20, so that the service saddle post 22 can be easily set to the optimum position just by moving up and down. This is because the saddle pipe is originally set at the optimal position and the optimal orientation as the frame of the bicycle body. Further, the auxiliary saddle 14 can be easily set to the optimum height simply by moving the auxiliary saddle post 26 up and down. It is not always easy to pedal the pedal while sitting on the auxiliary saddle 14, but it is not assumed that the pedal is pedaled for a long time in this state. Since it is limited to use only immediately after departure), there is no particular problem. The saddle mounting structure as shown in FIG. 4 replaces a saddle post with a saddle with a normal saddle post with a swingable normal saddle, and a connecting member and an auxiliary saddle post with an auxiliary saddle. It can be easily handled by simply adding
[0022]
FIG. 5 is an explanatory view showing another example of a regular saddle. A saddle body 40 is pivotally supported on the upper end of the regular saddle post 22 so as to be swingable. A horizontal member 42 is fixed to the upper part of the regular saddle post 22, and the front end of the horizontal member 42 has a slanted cut surface 42 a as a stopper, which becomes a swing limit of the forward inclination. A cylindrical body 44 that is curved in an arc shape centered on the rotation axis x is erected at the rear portion of the horizontal member 42, and on the other hand, it is curved in an arc shape centered on the rotation axis x from the rear lower surface of the saddle body 40. A rod-like insertion piece 46 is suspended, and the insertion piece 46 is loosely fitted to the cylindrical body 44. The upper end of the cylindrical body 44 becomes a stopper and becomes the swing limit on the horizontal restoration side. A coil spring 48 is attached to the outer periphery of the cylindrical body 44 to urge the saddle body 40 in a direction that pushes up the rear part. If the rod-like insertion piece is lengthened, the cylindrical body can be omitted.
[0023]
In the horizontal state shown in FIG. 5A, as shown in FIG. 5B, the cylindrical body 44 and the holes 44a and 46a of the fitting piece 46 are in communication with each other, and the tip end portion of the locking pin 50 is inserted. By being pressed at 52, the locked state is maintained. In order to tilt the saddle body 40 forward, the wire 54 connected to the rear end of the locking pin 50 is pulled. It is also possible to connect the end of the wire 54 to a lever (not shown) attached to the handle, or attach the lever near the saddle and directly connect to the locking pin. As shown in FIG. 5C, when the wire 54 is pulled and the locking pin 50 is pulled out, the locking between the cylindrical body 44 and the insertion piece 46 is released, and the insertion piece 46 is cylindrical due to the urging force of the coil spring 48. The saddle body 40 rotates in the direction of coming out of the body 44, that is, obliquely downward and forward, and stops at the oblique cut surface 42a (stopper) at the front end of the horizontal member 42 (see D in FIG. 5).
[0024]
When the driver moves his / her body weight backward, the coil spring 48 contracts, the fitting piece 46 is fitted all the way into the cylindrical body 44, and the cylindrical body 44 and the holes 44a and 46a of the fitting piece 46 pole are in communication with each other. The locking pin 50 is inserted by the spring 52 to return to the locked state.
[0025]
A cushion material or a spring is incorporated into the saddle body 40 to provide cushioning, and a proper saddle can be provided by providing an appropriate cover.
[0026]
In the example shown in FIG. 5, a cylindrical body curved in an arc shape is erected, and on the other hand, a rod-shaped insertion piece curved in an arc shape is suspended from the rear lower surface of the saddle body, and the insertion piece is The tubular body is loosely fitted. However, since it is costly to form into an arc shape, especially when the swing range is narrow or the curvature is small, for the sake of convenience, a combination of a linear cylindrical body and a rod-like fitting piece, or a linear rod-like member It can also be configured with only.
[0027]
In the above-described embodiment, the common saddle and the auxiliary saddle have separate structures that are completely independent in appearance. However, a structure in which the common saddle and the auxiliary saddle are apparently continuous is also possible. An example is shown in FIG. A cover member 60 is attached so as to cover both the regular saddle 12 and the auxiliary saddle 14. The cover member 60 may have a hard structure or a soft structure. In any case, since the service saddle 12 can swing, the connecting portion 60a between the service saddle 12 and the auxiliary saddle 14 can be extended and contracted. A shows a state during normal use (when the regular saddle is used), and B shows a state when the auxiliary saddle is used immediately before stopping. C is a plan view. In this way, since it looks as if only one large saddle is provided in appearance, the sense of discomfort in design is reduced. Note that the connecting portion may not be stretched and deformed. In such a case, the tip of the cover member extends forward in the transitional state of B, but since it normally fits in a normally fitted state as in A, there is no particular problem.
[0028]
FIG. 7 shows another example. Essentially, the auxiliary saddle may be in an immobile state, but when it is made to be continuous with the regular saddle, the gap increases as shown in FIG. Therefore, in FIG. 7, the auxiliary saddle 14 also swings between the horizontal state and the diagonally downward front direction in conjunction with the swing of the service saddle 12. At the time of normal use shown in A, the service saddle 12 is in a horizontal state, while the auxiliary saddle 14 is in a front obliquely downward state. At the time of transfer, the service saddle 12 is inclined forward and downward while the auxiliary saddle 14 is horizontal. In this way, it is assumed that the movement is alternately horizontal. Then, a cover member 62 is provided so as to cover the regular saddle 12 and the auxiliary saddle 14. The connecting portion 62a may be a structure that can be expanded and contracted, or may not be so.
[0029]
【The invention's effect】
As described above, the present invention is a bicycle having a structure having a service saddle set at a high rear position and a narrow auxiliary saddle set at a low front position. Because it can be adjusted to reach the bottom dead center of the pedal just before the pedal stretches, it can exert its power with maximum efficiency, and it can be adjusted so that both feet of the driver can land when seated on the auxiliary saddle, so it stops safely be able to. Such conflicting problems necessary for a bicycle can be realized with a very simple configuration. In addition, since the service saddle is set so as to be able to swing from a substantially horizontal state to an obliquely downward frontward direction, it can easily and smoothly move from a high service saddle to a lower saddle during deceleration.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall explanatory view showing an embodiment of a two-saddle bicycle according to the present invention.
FIG. 2 is a plan view of the saddle.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing a state during operation.
FIG. 4 is an explanatory view showing an example of a saddle mounting structure.
FIG. 5 is an explanatory view showing another example of a regular saddle.
FIG. 6 is an explanatory diagram showing an example of a form in which a regular saddle and an auxiliary saddle are continuous.
FIG. 7 is an explanatory view showing another example in which a regular saddle and an auxiliary saddle are continuous.
[Explanation of symbols]
10 Bicycle body 12 Regular saddle 14 Auxiliary saddle
