JP3998097B2 - New material development apparatus and new material development method using arc plasma - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新素材開発装置に関し、特に複数のアークプラズマ発射器を用い複数の元素を組み合わせることにより、複数種の素材をまとめて形成することのできる新素材開発装置および新素材開発方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高温超電導、超巨大磁気抵抗、超耐熱合金など、画期的新素材への要求が高まっているが、タングステンなどの高融点材料、白金などの貴金属やランタンなどの希土類など特殊な場合を除いて2元素、3元素からなる素材はすでに詳細に探査されており、より多元素からなる素材についての探査が必要となっている。ところが多元素からなる複雑な素材の探査には理論的な予測が及ばない場合が多く、目的とする素材を得るまでには非常に多くの組成について試行錯誤を必要としている。このため、新素材開発に膨大な時間と費用を要することがいわば常識とされてきた。
【0003】
一方、新薬開発などの化学の分野では、コンビナトリアル合成法により、新しい化合物を効率的に探査する方法が一般化しつつある。コンビナトリアル合成法とは、組み合わせによって多数の化合物を一度に合成する手法である。また金属合金や酸化物などの材料探査においてもコンビナトリアル合成法の手法が取り入れられている。例えばX.D.Xiangらは、多元スパッタ法によりこの手法を酸化物超電導体の探査(非特許文献1:Science、Vol。268、1738、(1995))や、酸化コバルト化合物巨大磁気抵抗体の探査(特許文献1:USP 5776359)に用いている。さらに鯉沼らはこの手法によるレーザー分子線エピタキシャル成長装置を利用して無機系超構造の物質探査(特許文献2:特許第3018000号)を行なっている。
【0004】
これらの従来技術は、スパッタ法とエピタキシャル法との成膜方法の違いはあるものの、基本的にマスクを使用することにより、所定の基板上に所定の組成となるように物質を成膜し、材料のライブラリー(物質群)を形成するものである。
【0005】
しかしながら、スパッタ法およびエピタキシャル法では、ターゲット材から蒸発した材料は基板に到達するまでに拡散するので、その大半がマスクやチャンバー内に付着し材料が無駄になる比率が大きく、ターゲット材の使用効率が低い。またターゲット材から蒸発した材料が拡散しマスクやチャンバー内に付着してチャンバー内を汚染すると、汚染の除去に多くの時間と手間を要し装置の稼動率が低くなる。またターゲット材から蒸発した材料はマスクを回り込んで周辺のライブラリーを汚染する。さらに希土類、貴金属などの希少な元素のターゲット材を使用する場合には、ターゲット材の使用効率が低いことは新素材開発の費用の面からも好ましくない。
【0006】
これらの方法では、スパッタに用いるカソードターゲットや、真空蒸着、MBE(分子ビームエピタキシャル蒸着)で使用するKセルなどには、一般に1kVA以上の大きな電力を必要とする。また発熱量が大きいため冷却のための水冷構造を必要とし、断熱および絶縁構造を必要とする。このため装置が全体として大きなものとなる。
【0007】
またこれらの方法では真空チャンバー内でカソードターゲットやKセルなどに基板面を対向させて配置し成膜を行なうため、多元素からなる新素材を探索するには多数のターゲットやKセルなどをこの基板面を対向させて配置する必要があるものの、これらを配置できる場所が限定されるという問題がある。
【0008】
他方、薄膜を形成する方法としてアークプラズマを用いる方法が近年注目されるようになった。この方法はアーク放電によってカソードスポットから高い運動エネルギーを持つ物質の微粒子を発生させ、これをプラズマ銃から発射させて基板上に堆積させるもので、その基本的な構成は例えば特公昭58−3033号公報(特許文献3)にすでに開示されているものである。アークプラズマを用いて成膜を行なえば、スパッタ法の場合よりもさらに高い運動エネルギーを持つ物質の微粒子によって成膜が行なえるので、非常に良質の膜の形成が期待できる。しかしながら、この方法においてはカソードスポットにて高い運動エネルギーを持つ物質の微粒子が発生するほかに、原料液滴などの粗大粒子の飛散があり、これが基板上に直接到達して付着し膜の平坦性や均一性を損なうという問題があった。このため磁界などを用いて荷電を持つ物質微粒子を選択的に導く構成(特許文献4:特開平4−45262号公報)などの工夫がなされてきた。
【0009】
近年、コンパクトな構成の円筒型のアークプラズマ発射器(アークプラズマガン)が開発され、アークプラズマを用いた薄膜形成装置に著しい進歩がみられた(特許文献5:特許第2857743号公報)。この円筒型のアークプラズマ発射器はカソードとしての円柱状の原材料ターゲットの周囲に円筒型アノードを配置し、カソードの近くには絶縁材を介して円筒状にトリガ電極を配置し、このトリガ電極とカソードとの間の放電によりカソードスポットを発生させ、これとアノードとの間に接続ざれた主放電コンデンサによりパルス放電を行なって原材料ターゲットの原子とイオンを含むプラズマを発生させ、アーク電流と荷電プラズマ粒子との間に働くローレンツ力により荷電プラズマ粒子を円筒内で加速移動させ、発射するものである。
【0010】
このような円筒型のアークプラズマ発射器を用いた成膜装置には、荷電プラズマ粒子の飛行方向を偏向させる偏向手段を設けること(特許文献6:特開2000−8157号公報)や、カソード原材料ターゲットを加熱する加熱装置を設けること(特許文献7:特開平11−350113号公報)などの多くの改良がなされ、アークプラズマによる成膜が比較的簡便に行なえるようになった。この円筒型のアークプラズマ発射器はコンパクトに構成できるので、一つの成膜装置に複数個のアークプラズマ発射器を備えた構成(特許文献8:特開2000−8159号公報)とすることも比較的容易となった。
【0011】
しかしながら、複数の元素を組み合わせることにより複数種の素材をまとめて作製する新素材開発装置をこのようなアークプラズマ発射器を用いて構成したものについては全く知られておらず、従ってそのような構成を行なって実際に使用した場合に得られる作用や効果、あるいは問題点については全く不明であった。
【0012】
【非特許文献1】
Science、Vol。268、1738、(1995)
【特許文献1】
USP 5776359
【特許文献2】
特許第3018000号
【特許文献3】
特公昭58−3033号公報
【特許文献4】
特開平4−45262号公報
【特許文献5】
特許第2857743号公報
【特許文献6】
特開2000−8157号公報
【特許文献7】
特開平11−350113号公報
【特許文献8】
特開2000−8159号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多元素からなる多数の組成の異なる材料を効率的に製作することができ、多元素で構成される新素材の探索に適した新素材開発装置および新素材開発方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のアークプラズマ発射器によって複数の原材料ターゲットのプラズマをそれぞれ偏向し集束して成膜セルに誘導することにより、多元素からなる多数の組成の異なる材料を成膜セルに効率的に製作することを可能にした新素材開発装置および新素材開発方法を提供するものである。
【0015】
本発明の第1の新素材開発装置は、真空槽と、原材料ターゲットをカソードとして保持しアーク放電により前記原材料ターゲットの微粒子のアークプラズマを前記真空槽内に発射する複数個のアークプラズマ発射器と、前記複数個のアークプラズマ発射器電圧をパルス状に印加することによりアークプラズマをパルス状に発生させて前記複数個のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの数を制御し、1パルスあたりの成膜速度を0.01nm以上0.1nm以下に制御するプラズマ制御手段と、前記真空槽内に配置され複数の成膜セルを保持する成膜セル保持具と、前記複数のアークプラズマ発射器の発射するアークプラズマを1ヶ所に偏向集束させる偏向集束手段と、前記成膜セル保持具に保持された前記複数の成膜セルを順次移動させる移動機構と、前記複数のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマを制御するプラズマ制御手段とを備え、前記移動機構による複数の成膜セルの移動とプラズマ制御手段によるアークプラズマ制御により、成膜セル保持具に保持された複数の成膜セルの各セル毎に成膜を制御し、複数種の素材を一括して形成することを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の新素材開発装置は、真空槽と、原材料ターゲットをカソードとして保持しアーク放電により前記原材料ターゲットの微粒子のアークプラズマを前記真空槽内に発射する複数個のアークプラズマ発射器と、前記複数個のアークプラズマ発射器電圧をパルス状に印加することによりアークプラズマをパルス状に発生させて前記複数個のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの数を制御し、1パルスあたりの成膜速度を0.01nm以上0.1nm以下に制御するプラズマ制御手段と、前記真空槽内に配置され複数の成膜セルを保持する成膜セル保持具と、前記複数のアークプラズマ発射器の発射するアークプラズマを1ヶ所に偏向集束させる偏向集束手段と、前記アークプラズマの偏向集束位置を順次移動させる集束位置移動機構と、前記複数のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマを制御するプラズマ制御手段とを備え、前記移動機構による複数の成膜セルの移動とプラズマ制御手段によるアークプラズマ制御により、成膜セル保持具に保持された複数の成膜セルの各セル毎に成膜を制御し、複数種の素材を一括して形成することを特徴とする。
【0017】
さらに本発明の第3の新素材開発装置は、真空槽と、原材料ターゲットをカソードとして保持しアーク放電により前記原材料ターゲットの微粒子のアークプラズマを前記真空槽内に発射する複数個のアークプラズマ発射器と、前記複数個のアークプラズマ発射器電圧をパルス状に印加することによりアークプラズマをパルス状に発生させて前記複数個のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの数を制御し、1パルスあたりの成膜速度を0.01nm以上0.1nm以下に制御するプラズマ制御手段と、前記真空槽内に配置され成膜セルを保持する成膜セル保持具と、前記複数のアークプラズマ発射器の発射するアークプラズマを互いに一部で重なり合う複数の偏向集束領域に偏向集束させる偏向集束させる偏向集束手段と、前記複数のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの制御を行なうプラズマ制御手段とを備え、複数種の素材を成膜セル上に一括して形成することを特徴とする。
【0018】
本発明の新素材開発装置には、真空槽(チャンバー)を用い、材料の成膜をこのチャンバー内にて減圧下で行なうことができ、またチャンバーにガスを導入するガス導入機構を設け、所定の雰囲気に条件設定したチャンバ―内で成膜を行なうこともできる。
【0019】
本発明の新素材開発装置において、アークプラズマ発射器から発射されたプラズマを、偏向集束する偏向集束手段としては、永久磁石やソレノイドコイルなどを用いた磁界発生装置による磁界を用いることができる。また電界を用いることもでき、さらに磁界と電界とを併用することもできる。
【0020】
本発明の新素材開発装置において、成膜セルにブラズマを照射する際にマスクを用いることができる。マスクは成膜セルに近接させて配置し、マスクの開口部に位置する成膜セルだけにブラズマを照射することができる。
【0021】
本発明の第1の新素材開発装置においては、複数の成膜セルを順次移動させる移動機構を用いる。移動機構には制御装置を用い正確な位置移動を自動的に行なわせることができる。また本発明の第2の新素材開発装置においては、この移動機構の代わりに、偏向集束手段のプラズマの集束点を変えることにより、プラズマの照射位置の成膜セルを順次変える。プラズマの照射位置を順次変えるには、磁界発生装置の磁気回路に変化を加えることにより磁界を変化させればよく、また偏向電界を用いる場合には電界を変化させればよい。
【0022】
本発明の新素材開発装置において、複数のアークプラズマ発射器の各々には、電圧をパルス状に印加し、アークプラズマをパルス状に発生させて用いることができる。複数のアークプラズマ発射器が発生する各アークプラズマを制御するプラズマ制御手段としては、各アークプラズマ装置に印加する電圧パルスの数を制御することによって各アークプラズマ発射器の発生するアークプラズマの数を制御する方法を用いることができる。この制御手段により、各材料物質の堆積量の精密なディジタル制御を行なうことができる。
【0023】
また、これら複数のアークプラズマ発射器の各々には、個別に開閉を制御できるシャッタ機構を設けることにより、他のアークプラズマ発射器による汚染を防止することができる。
【0024】
上記装置新素材開発装置には、成膜セルを加熱したり冷却したりしてその温度を制御する成膜セルの温度制御機構を設けることができる。また複数のアークプラスマ発射器において、カソードとして保持された原材料ターゲットの温度を制御する温度制御機構を設けることもできる。
【0025】
また本発明の新素材開発方法は、真空槽内に成膜セルを配置し、原材料ターゲットをカソードとして有する複数個のアークプラズマ発射器から原材料ターゲットの微粒子のアークプラズマを前記真空槽内に発射し偏向集束を行なって前記成膜セルに前記アークプラズマを照射し、前記複数個のアークプラズマ発射器電圧をパルス状に印加することによってアークプラズマをパルス状に発生させて前記複数個のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの数を制御することにより1パルスあたりの成膜速度を0.01nm以上0.1nm以下に制御し、複数種の素材を成膜セルに一括して形成することを特徴とする。
【0026】
本発明の装置で用いるアークプラズマ法による成膜は、真空蒸着、MBE(分子ビームエピタキシー法)を用いた成膜に比べ2桁以上、スパッタ法に比べ1桁以上高いエネルギーを有する粒子が堆積して成膜が行なわれ、高真空中での成膜が可能であるため、より均一で不純物の少ない合金や化合物を得ることができる。このため本発明の装置を用いれば、成膜セルごとに組成の異なった新材料で均一で不純物が少ないものを効率的に製作することができる。また酸素や窒素などのガスを供給しながら成膜することにより、酸化物や窒化物の組成探査を行なうことができる。さらにプラズマガンからプラズマのパルスを成膜セルに照射し、1パルス当たりの成膜速度をオングストロームオーダとして厚さを制御することにより、多層構造化合物の組成を探査することが可能である。
【0027】
本発明に用いるアークプラズマ発射器としては、カソードとしての円柱状の原材料ターゲットの周囲に円筒型アノードを配置し、カソードの近くには絶縁材を介して円筒状にトリガ電極を配置し、このトリガ電極とカソードとの間の放電によりカソードスポットを発生させ、これとアノードとの間に接続ざれた主放電コンデンサによりパルス放電を行なって原材料ターゲットの原子とイオンを含むプラズマを発生させ、アーク電流と荷電プラズマ粒子との間に働くローレンツ力により荷電プラズマ粒子を円筒内で加速移動させ発射する構成のいわゆるアークプラズマガンを好ましく用いることができる。
【0028】
アークプラズマ発射器は消費電力が小さく発熱もほとんどないため、冷却機構などが不要でありガン本体が小型である。プラズマは磁気により誘導、集束することができるため、ガンの配置場所についての自由度が高いことから、多数のガンを配置しても、真空チャンバーが大型化することを防止できる。したがって、装置全体が小型、低消費電力となり、設置が容易で真空引きの時間短縮など稼動効率も向上する。本装置を用いれば、このように均一で不純物の少なく、組成の異なった新材料を成膜セルごとに自動的かつ効率的に製作することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態の新素材開発装置について、その構造を模式的に示した斜視図である。この新素材開発装置には、真空排気ポンプ1を備えた真空チャンバー2に複数のアークプラズマガン3が設置され、この複数のアークプラズマガン3に対し、ガンが発射するプラズマ4をチャンバー2内で偏向、集束させる磁界を発生するための磁気ヨーク5と永久磁石6からなる磁気回路が配置されている。プラズマの集束点近傍には開口部を設けたマスク7が配置されている。マスク7の下方には成膜セル10が配置されており、この成膜セル10にプラズマが照射されると成膜がなされる。この成膜セル10は、成膜セル保持具であるXY移動ステージ8に保持され、このXY移動ステージ8およびステージ駆動機構9によって移動できるように配置されている。
【0030】
各アークプラズマガンには、それぞれ個別に開閉を制御できるシャッタ機構11が設けられている。また成膜セルを個別または全部を加熱する加熱装置12と、ガス供給を行うガス導入機構13とが設けられている。さらに移動ステージ8には、図示しない水冷冷却機構を備えている。
【0031】
この装置において、各アークプラズマガンには材料素材を構成する元素を有する導電性ターゲットを備えている。各アークプラズマガンは電源の制御により、プラズマをパルス状に発生するように構成されている。また成膜セルは、移動ステージまたは磁気回路による集束点の変更により切替えできるように構成されている。
【0032】
アークプラズマを用いた成膜方法によれば、例えば毎秒1パルスのプラズマを用いて成膜を行うことにより、その成膜速度として約0.01〜0.1nm/パルスが得られる。従ってこの装置を用いれば1パルスあたり数原子層の程度の成膜が可能であるため、複数のアークプラズマガンからそれぞれの元素を成膜セルに同時または交互に成膜し、それらのパルス数を制御することにより、組成の制御や多層膜構造の制御を行なうことができる。また1パルス当たりの成膜速度がオングストロームオーダであることを利用した多層構造化合物の組成探査が可能である。
【0033】
こうした構成の新素材開発装置を用い、例えば真空チャンバ内を所定の圧力まで真空引または窒素など所定の雰囲気圧力とした後、移動ステージを用いて最初に成膜する成膜セルをマスク開口部直下に移動させる。次にアークプラズマガンによりアークプラズマを発射し、単独または複数同時の成膜を行う。
【0034】
ヨークと永久磁石からなる磁気回路を形成し、成膜セル内に磁束が通過するように構成することにより、プラズマが成膜セル内に誘導される。マスクとプラズマの誘導により、蒸着材料の周りこみによる他のセルやチャンバ内壁の汚染が防止され、小さなカソードで効率的に成膜することができる。
【0035】
成膜セルに成膜する薄膜の組成制御は、各構成元素をカソードとするそれぞれのアークプラズマガンの時間あたりのパルス数、またはカソードへの印加電力を制御することで行う。各アークプラズマガンには、個別に開閉可能なシャッタ機構が付けられ、成膜を行わないアークプラズマガンのカソードが、他のアークプラズマガンからの中性粒子により汚染されることを防止する。
【0036】
一つのセルに所定の組成と膜厚に成膜した後、移動ステージにて次の成膜セルをマスク開口部の直下に移動させ、薄膜の組成を変化させて成膜を行う。以後順次、成膜セルの移動、成膜のプロセスを繰り返すことで、移動ステージ上の成膜セルに組成の異なった薄膜状の材料ライブラリーが完成する。完成した材料ライブラリーは、DSCやX線回折などにより各種特性を測定し、望まれる物性を有する新材料を探査する。特に成膜セルをDSCの熱分析用セルと共用することで、すぐに熱分析を行うことができる。さらに成膜セルは直径数mm程度で製作可能のため、XRDやEDSなどによる組成分析、構造解析を行う際に、測定装置に一度に多数個のセルをセットすることが可能となり、測定効率が上昇する。
【0037】
すでに述べた通り、アークプラズマ法は高いエネルギーの粒子が堆積して成膜がなされ、高真空中での成膜が可能なため、各構成元素が成膜時に十分に混合され、より均一で不純物の少ない合金、化合物ライブラリを製作することができる。また窒化物や酸化物の化合物や多層膜のライブラリを製作することもできる。また成膜時または成膜後に成膜セルを加熱することにより、さらに均一な材料を成膜することが可能となり、他方で熱処理による結晶化や結晶粒の制御を行うこともできる。
【0038】
(実施例1)
図1に示した装置を用いた本発明の第1の実施例について述べる。本実施例ではZr、Cu、Alからなる合金のアモルファス形成能を調査するため、3本のアークプラズマガン3に構成元素であるZr、Cu、Alをそれぞれカソードとして装着した。ステージ8上には成膜セル10として示差走査熱量計(DSC)の銀セルを4×4のマトリクス状に16個装着した。図2に成膜セルの配置図を示す。以後、各成膜セルを行、列によりAa、Ab、・・・等と呼称する。
【0039】
この状態で真空チャンバー2内を高真空ポンプ1にて10−5Paまで真空引を行い、ステージ駆動機構9にてステージ8を駆動して、成膜セルAaをマスク7の中央にある開口部直下へ移動させる。その後、各アークプラズマガン3より、所定の組成となるように各構成元素をパルス状にアークプラズマ放射させ成膜する。例えば成膜セルAaにZr70Cu20Al10(添字は原子%)となるように成膜する場合は、各アークプラズマガン3から1回のパルスで生成される蒸着原子数が同数と仮定すると、Zr、Cu、Alを装着した各アークプラズマガン3のパルス数を単位時間あたり7:2:1の割合にて成膜を行えばよい。
【0040】
一つの成膜セルの成膜が完了した後、ステージ駆動機構9にてステージ8を駆動して、次の成膜セル(例えば成膜セルAb)をマスク7開口部の下に移動させ、同様に各アークプラズマガン3のパルス数を制御して成膜を行う。一連の手順は全て図示しないコンピュータにより制御され、本実施例の場合、約12時間で全ての成膜セルに成膜を完了した。本実施例の場合、表1に示す割合にて各アークプラズマガン3よりのパルス数を制御した。また、Zr、Cu、Alそれぞれの元素の成膜パルス数の割合は108:24:28であるから、Zr、Cu、Alのカソードを装着するアークプラズマガン3の本数を、それぞれ5本、1本、2本とし、各カソードの寿命が約40,000パルスであるので、16個セルに対して、それぞれ各構成元素合計で16,600パルス以上、膜厚にして約1.7μm成膜することができた。
【表1】

Figure 0003998097
【0041】
成膜後、16個のセルを封止してDSC分析することにより、結晶化温度およびガラス転移温度を体系的に調査することができた。本実施例の場合には、探査材料は全て導電性の元素から構成されていたが、SiやBなど絶縁性の元素が必要な場合には、導電性の元素と混合した材料をカソードと使用すればよい。例えば、Pd、Cu、Siからなる合金の組成探査を行う場合、純Siは絶縁材料なので、そのままではカソードとしてアークプラズマガンに使用することができない。このような場合には例えばPdCuSiの合金カソードとPd、Cuの各カソードを用いればよい。
【0042】
また、本実施例では真空雰囲気化で成膜を行ったが、ガス導入機構13を用いて酸素や窒素を供給しながら成膜することにより、酸化物や窒化物を成膜することができる。ガスの流量は図示しない質量流量計と、真空ポンプ1に接続された図示しないバルブの調整により制御することができる。さらに加熱装置12として赤外線ランプヒータと反射ミラーを使用し、マスク7直下の成膜セルに赤外線を集光させることで、各成膜セルごとに成膜時の温度条件を制御することができる。この際にセルの温度を熱電対や赤外線温度計など公知の温度計測手段により計測し温度を制御することもできる。さらには、移動ステージ8内に水冷管を具備することで、成膜時の温度上昇防止や、加熱時の温度制御性を向上させることができる。
【0043】
(実施例2)
図3に本発明の第2の実施例の装置構成を示す。本実施例では、真空排気ポンプ1を有する真空チャンバー2に設置された複数のアークプラズマガン3と、そのプラズマをチャンバー2内で偏向、集束させるヨーク5と永久磁石6と、プラズマの通過点に一端がある回転テーブル20と、その回転テーブルを駆動する回転機構21、および回転テーブル20上に設置された四個の成膜セル22と、四箇所の開口部を有するマスク23とを有する新素材開発装置を用いた。
【0044】
本実施例では、真空チャンバー2を高真空ポンプ1にて10−5Paまで真空引を行い、図4に示したように仕切板30にて4個の成膜セル22に分割された回転テーブル20をステッピングモータを用いた回転機構21により回転させ、一つの成膜セル22が永久磁石6の直上に来るように配置する。なお、回転テーブル20と仕切板30および図4には図示しないマスク23は、すべて非磁性材料であるアルミ合金により製作されている。また、成膜セル22には、厚さ0.5mmのアルミナ基板を用いた。
【0045】
アークプラズマガンのカソード3−1、3−2、3−3には、それぞれCu、Zr、Tiが装着され、これらの元素からなる合金の抵抗率が最小となる組成探査を行った。まずアークプラズマガンのカソード3−1に電圧パルスを印加すると、永久磁石6とヨーク5による磁界により、プラズマが永久磁石6の周囲とアークプラズマガンの中心線との交点31に収束する。成膜セル22は、この磁界の途中に置かれているため、図4中の点線で囲まれた成膜セル22上の領域32にCuが、0.1nm/パルスの速度で成膜される。
【0046】
同様にアークプラズマガンのカソード3−2に電圧パルスを印加すると領域33に、アークプラズマガンのカソード3−3に電圧パルスを印加すると領域34に、それぞれZrおよびTiが成膜された。このように3本のアークプラズマガンのカソードを順番に作動させることで、図5に示すようにCu、Zr、Tiおよび、その合金が成膜された。各元素の成膜された領域32〜34は中心が最も成膜速度が大きく、周辺に行くにしたがって成膜速度が低下する。したがって2元または3元の合金が形成されている部分は、各元素の成膜速度に比例して連続的に組成が変化している。合金の各部を四探針法により抵抗率を測定し、最も抵抗率の小さい部分の組成をエネルギー分散型X線解析装置により組成を特定することにより、最も抵抗率の低い合金組成を効率よく探査することができる。
【0047】
なお、本実施例では各アークプラズマガンのカソードを順次作動させ成膜を行なったが、同時に成膜しても効果は同様である。また、各アークプラズマガンへの印加電圧、パルス波形は、カソード材料の成膜速度、目標とする組成範囲により適宜調節することができる。
【0048】
なお、上記実施例では、成膜セルよりも上方にアークプラズマガンを配置しているが、これらの上下の位置関係を逆転させて下方にアークプラズマガンを配置し、これらの上方に配置した成膜セルに向けプラズマを発射するようにしいもよい。このように本発明の新素材開発装置は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
本発明の装置に用いるアークプラズマ発射器は小型に構成でき、発生したプラズマは磁気により誘導し集束することができるので、原材料の損失を非常に少なくできるとともに、装置全体が小型にでき小型であることの多くの利点が得られる。また本発明の装置では操作の一連の手順はコンピュータにより制御し自動化することができる。このため、本発明の装置を用いれば、原材料の損失を非常に少なくして組成の異なった多数の多元素の材料をライブラリーとして効率的に作製できる。これら多元素の材料のライブラリーは効率的に測定評価を行なうのに適している。このようにして本発明により、新材料開発を非常に効率的に進めることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の新素材開発装置を模式的に示した斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態における成膜セルの配置を示す図である。
【図3】 本発明の他の一実施形態の新素材開発装置を模式的に示した斜視図である。
【図4】 図3に示した装置の平面図である。
【図5】 Cu、Zr、Tiおよびその合金の成膜を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1……真空排気ポンプ、2……真空チャンバー、3……アークプラズマガン、3−1〜3……アークプラズマガンのカソード、4……プラズマ、5……磁気ヨーク、6……永久磁石、7……マスク、8……XY移動ステージ、9……ステージ駆動機構、10……成膜セル、11……シャッタ機構、12……加熱装置、13……ガス導入機構、20……回転テーブル、21……回転機構、22……成膜セル、23……マスク、30……仕切板、31……永久磁石の周囲とアークプラズマガンの中心線との交点、32〜34……成膜セル上の領域。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a new material development apparatus, and more particularly, to a new material development apparatus and a new material development method capable of forming a plurality of types of materials together by combining a plurality of elements using a plurality of arc plasma projectors.
[0002]
[Prior art]
The demand for innovative new materials such as high-temperature superconductivity, super-giant magnetoresistance, and super heat-resistant alloys is increasing, except for special cases such as high melting point materials such as tungsten, precious metals such as platinum, and rare earths such as lanthanum. The materials consisting of two elements and three elements have already been explored in detail, and it is necessary to explore materials consisting of more elements. However, in many cases, the search for complex materials composed of multiple elements cannot be theoretically predicted, and trial and error are required for a very large number of compositions to obtain the target material. For this reason, it has been common sense that it takes a lot of time and money to develop new materials.
[0003]
On the other hand, in the field of chemistry such as new drug development, a method for efficiently exploring new compounds by combinatorial synthesis is becoming common. The combinatorial synthesis method is a method of synthesizing a large number of compounds at once by a combination. Combinatorial synthesis is also used for exploring materials such as metal alloys and oxides. For example, X. D. Xiang et al. Explored this technique by multi-source sputtering (Non-patent Document 1: Science, Vol. 268, 1738, (1995)) and exploration of a cobalt oxide compound giant magnetic resistor (Patent Document 1). : USP 5776359). Furthermore, Suganuma et al. Conducted a material exploration of inorganic superstructure using a laser molecular beam epitaxial growth apparatus based on this technique (Patent Document 2: Patent No. 3018000).
[0004]
Although these conventional techniques have a difference in the film formation method between the sputtering method and the epitaxial method, basically, by using a mask, a material is formed on a predetermined substrate to have a predetermined composition, It forms a library of materials (substance group).
[0005]
However, in the sputtering method and epitaxial method, the material evaporated from the target material diffuses before reaching the substrate, so that most of the material adheres to the mask or chamber and the material is wasted. Is low. Further, if the material evaporated from the target material diffuses and adheres to the mask or the chamber and contaminates the inside of the chamber, it takes a lot of time and labor to remove the contamination, and the operating rate of the apparatus is lowered. The material evaporated from the target material goes around the mask and contaminates the surrounding library. Furthermore, when using target elements of rare elements such as rare earths and noble metals, the low use efficiency of the target material is not preferable in terms of the cost of developing new materials.
[0006]
In these methods, a large electric power of 1 kVA or more is generally required for a cathode target used for sputtering, a K cell used for vacuum deposition, MBE (molecular beam epitaxial deposition), or the like. Moreover, since the calorific value is large, a water cooling structure for cooling is required, and a heat insulating and insulating structure is required. For this reason, the apparatus becomes large as a whole.
[0007]
In these methods, the substrate surface is placed facing the cathode target, K cell, etc. in the vacuum chamber to form a film. Therefore, in order to search for new materials composed of multiple elements, a large number of targets, K cells, etc. are used. Although it is necessary to arrange the substrate surfaces to face each other, there is a problem that a place where these can be arranged is limited.
[0008]
On the other hand, in recent years, a method using arc plasma has attracted attention as a method for forming a thin film. In this method, fine particles of a material having a high kinetic energy are generated from a cathode spot by arc discharge, and this is fired from a plasma gun and deposited on a substrate. The basic structure thereof is, for example, Japanese Patent Publication No. 58-3033. This is already disclosed in the publication (Patent Document 3). When film formation is performed using arc plasma, film formation can be performed with fine particles of a material having a higher kinetic energy than in the case of sputtering, so that a very high quality film can be expected. However, in this method, fine particles of a material having high kinetic energy are generated at the cathode spot, and coarse particles such as raw material droplets are scattered, which directly reaches and adheres to the substrate, and the flatness of the film. There was a problem that the uniformity was impaired. For this reason, a contrivance has been made such as a configuration for selectively guiding charged fine substance particles using a magnetic field (Patent Document 4: Japanese Patent Laid-Open No. 4-45262).
[0009]
In recent years, a cylindrical arc plasma projector (arc plasma gun) having a compact configuration has been developed, and remarkable progress has been made in a thin film forming apparatus using arc plasma (Patent Document 5: Japanese Patent No. 2857743). In this cylindrical arc plasma projector, a cylindrical anode is arranged around a cylindrical raw material target as a cathode, and a trigger electrode is arranged in a cylindrical shape through an insulating material near the cathode. A cathode spot is generated by the discharge between the cathode and a main discharge capacitor connected between the cathode and the anode, and a pulse discharge is performed to generate a plasma containing the atoms and ions of the raw material target. Charged plasma particles are accelerated and moved in a cylinder by Lorentz force acting between the particles and launched.
[0010]
A film forming apparatus using such a cylindrical arc plasma projector is provided with a deflecting means for deflecting the flight direction of charged plasma particles (Patent Document 6: Japanese Patent Laid-Open No. 2000-8157), or a cathode raw material. Many improvements such as providing a heating device for heating the target (Patent Document 7: Japanese Patent Laid-Open No. 11-350113) have been made, and film formation by arc plasma can be performed relatively easily. Since this cylindrical arc plasma projector can be configured in a compact manner, a configuration in which a plurality of arc plasma projectors are provided in one film forming apparatus (Patent Document 8: Japanese Patent Laid-Open No. 2000-8159) is also compared. Easy.
[0011]
However, it is not known at all about a new material development apparatus that uses a combination of a plurality of elements to make a plurality of types of materials and uses such an arc plasma launcher. It was completely unknown about the action, effect, or problem that can be obtained in the actual use.
[0012]
[Non-Patent Document 1]
Science, Vol. 268, 1738, (1995)
[Patent Document 1]
USP 5776359
[Patent Document 2]
Patent No. 3018000
[Patent Document 3]
Japanese Patent Publication No.58-3033
[Patent Document 4]
JP-A-4-45262
[Patent Document 5]
Japanese Patent No. 2857743
[Patent Document 6]
JP 2000-8157 A
[Patent Document 7]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-350113
[Patent Document 8]
JP 2000-8159 A
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a new material development apparatus and a new material development method that can efficiently produce a large number of different materials composed of multiple elements and that are suitable for searching for new materials composed of multiple elements. It is in.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, a plurality of raw material target plasmas are deflected and focused by a plurality of arc plasma projectors, respectively, and guided to a deposition cell. A new material development device and a new material development method that make it possible to manufacture a new material.
[0015]
A first new material development apparatus of the present invention includes a vacuum chamber, and a plurality of arc plasma projectors that hold the raw material target as a cathode and emit arc plasma of fine particles of the raw material target into the vacuum chamber by arc discharge. , By applying the plurality of arc plasma projector voltages in pulses, arc plasma is generated in pulses to control the number of arc plasmas generated by each of the plurality of arc plasma projectors. Plasma control means for controlling the film formation rate of 0.01 nm to 0.1 nm; A film forming cell holder that is disposed in the vacuum chamber and holds a plurality of film forming cells, deflection focusing means that deflects and focuses arc plasma emitted from the plurality of arc plasma projectors, and the film forming cell A moving mechanism that sequentially moves the plurality of film forming cells held by a holder; and a plasma control unit that controls arc plasma generated by each of the plurality of arc plasma projectors. Film formation is controlled for each of a plurality of film formation cells held by a film formation cell holder by moving the film formation cell and arc plasma control by the plasma control means, and a plurality of types of materials are formed at once. It is characterized by that.
[0016]
The second new material development apparatus of the present invention includes a vacuum chamber, and a plurality of arc plasma emitters that hold the raw material target as a cathode and emit arc plasma of fine particles of the raw material target into the vacuum chamber by arc discharge. , By applying the plurality of arc plasma projector voltages in pulses, arc plasma is generated in pulses to control the number of arc plasmas generated by each of the plurality of arc plasma projectors. Plasma control means for controlling the film formation rate of 0.01 nm to 0.1 nm; A deposition cell holder that is disposed in the vacuum chamber and holds a plurality of deposition cells, a deflection focusing means that deflects and focuses arc plasma emitted from the plurality of arc plasma projectors, and the arc plasma A focusing position moving mechanism for sequentially moving the deflection focusing position; and plasma control means for controlling the arc plasma generated by each of the plurality of arc plasma projectors. According to the arc plasma control by the control means, film formation is controlled for each of the plurality of film formation cells held by the film formation cell holder, and a plurality of types of materials are collectively formed.
[0017]
Furthermore, a third new material development apparatus according to the present invention includes a vacuum chamber, and a plurality of arc plasma launchers that hold the raw material target as a cathode and emit arc plasma of fine particles of the raw material target into the vacuum chamber by arc discharge. When, By applying the plurality of arc plasma projector voltages in pulses, arc plasma is generated in pulses to control the number of arc plasmas generated by each of the plurality of arc plasma projectors. Plasma control means for controlling the film formation rate of 0.01 nm to 0.1 nm; The film-forming cell holder disposed in the vacuum chamber and holding the film-forming cell and the arc plasma emitted by the plurality of arc plasma projectors are deflected and focused to a plurality of deflection focusing regions partially overlapping each other. A deflection focusing means and a plasma control means for controlling arc plasma generated by each of the plurality of arc plasma projectors, wherein a plurality of types of materials are collectively formed on a film forming cell. .
[0018]
The new material development apparatus of the present invention uses a vacuum chamber (chamber), can form a film in the chamber under reduced pressure, and is provided with a gas introduction mechanism for introducing gas into the chamber. It is also possible to carry out film formation in a chamber set in the atmosphere of
[0019]
In the new material development apparatus of the present invention, a magnetic field generated by a magnetic field generator using a permanent magnet, a solenoid coil, or the like can be used as the deflection focusing means for deflecting and focusing the plasma emitted from the arc plasma projector. An electric field can also be used, and a magnetic field and an electric field can be used in combination.
[0020]
In the new material development apparatus of the present invention, a mask can be used when the film formation cell is irradiated with plasma. The mask is arranged close to the film formation cell, and the plasma can be irradiated only to the film formation cell located at the opening of the mask.
[0021]
In the first new material development apparatus of the present invention, a moving mechanism for sequentially moving a plurality of film forming cells is used. The moving mechanism can automatically perform accurate position movement using a control device. In the second new material development apparatus of the present invention, instead of this moving mechanism, the film formation cell at the plasma irradiation position is sequentially changed by changing the plasma focusing point of the deflection focusing means. In order to sequentially change the irradiation position of the plasma, it is only necessary to change the magnetic field by changing the magnetic circuit of the magnetic field generator, and when the deflection electric field is used, the electric field may be changed.
[0022]
In the new material development apparatus of the present invention, a voltage can be applied to each of the plurality of arc plasma projectors in a pulsed manner to generate arc plasma in a pulsed manner. As plasma control means for controlling each arc plasma generated by a plurality of arc plasma projectors, the number of arc plasmas generated by each arc plasma projector is controlled by controlling the number of voltage pulses applied to each arc plasma device. A method of controlling can be used. This control means enables precise digital control of the amount of each material substance deposited.
[0023]
In addition, each of the plurality of arc plasma projectors can be provided with a shutter mechanism capable of individually controlling opening and closing, thereby preventing contamination by other arc plasma projectors.
[0024]
The apparatus new material development apparatus can be provided with a temperature control mechanism for the film forming cell that controls the temperature by heating or cooling the film forming cell. A plurality of arc plasma launchers can also be provided with a temperature control mechanism for controlling the temperature of the raw material target held as the cathode.
[0025]
In addition, the new material development method of the present invention has a film forming cell arranged in a vacuum chamber, and discharges arc plasma of fine particles of the raw material target into the vacuum chamber from a plurality of arc plasma projectors having the raw material target as a cathode. Irradiate the arc plasma to the deposition cell by deflecting and focusing And applying a plurality of arc plasma projector voltages in pulses to generate arc plasma in pulses to control the number of arc plasmas generated by each of the plurality of arc plasma projectors. The film formation rate per pulse is controlled to 0.01 nm or more and 0.1 nm or less, and plural types of materials are formed in a film formation cell at once. It is characterized by.
[0026]
In the film formation by the arc plasma method used in the apparatus of the present invention, particles having energy that is two orders of magnitude or more higher than the film formation using vacuum evaporation or MBE (molecular beam epitaxy) and one order of magnitude higher than the sputtering method are deposited. Since the film is formed and can be formed in a high vacuum, a more uniform alloy and compound with less impurities can be obtained. For this reason, by using the apparatus of the present invention, it is possible to efficiently produce a new material having a different composition for each film forming cell and having a small amount of impurities. Further, by performing film formation while supplying a gas such as oxygen or nitrogen, the composition of oxides or nitrides can be investigated. Furthermore, the composition of the multilayer structure compound can be explored by irradiating the film formation cell with a plasma pulse from a plasma gun and controlling the thickness with the film formation rate per pulse as an angstrom order.
[0027]
As the arc plasma projector used in the present invention, a cylindrical anode is arranged around a cylindrical raw material target as a cathode, and a trigger electrode is arranged in a cylindrical shape through an insulating material near the cathode. A cathode spot is generated by discharge between the electrode and the cathode, and a pulse discharge is performed by a main discharge capacitor connected between this and the anode to generate a plasma containing atoms and ions of the raw material target, and an arc current and A so-called arc plasma gun having a configuration in which charged plasma particles are accelerated and moved in a cylinder by Lorentz force acting between the charged plasma particles can be preferably used.
[0028]
Since the arc plasma launcher consumes little power and generates little heat, it does not require a cooling mechanism and the gun body is small. Since the plasma can be induced and focused by magnetism, the degree of freedom with respect to the location of the gun is high. Therefore, even if a large number of guns are arranged, it is possible to prevent the vacuum chamber from becoming large. Therefore, the entire apparatus becomes small in size and low in power consumption, is easy to install, and improves the operation efficiency such as shortening the evacuation time. By using this apparatus, it is possible to automatically and efficiently manufacture a new material having a uniform composition with less impurities and a different composition for each film forming cell.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a perspective view schematically showing the structure of a new material development apparatus according to an embodiment of the present invention. In this new material development apparatus, a plurality of arc plasma guns 3 are installed in a vacuum chamber 2 equipped with a vacuum exhaust pump 1, and plasma 4 emitted by the guns is generated in the chamber 2 against the plurality of arc plasma guns 3. A magnetic circuit including a magnetic yoke 5 and a permanent magnet 6 for generating a magnetic field to be deflected and focused is disposed. A mask 7 having an opening is disposed in the vicinity of the plasma focusing point. A film formation cell 10 is disposed below the mask 7, and film formation is performed when the film formation cell 10 is irradiated with plasma. The film forming cell 10 is held by an XY moving stage 8 which is a film forming cell holder, and is arranged so that it can be moved by the XY moving stage 8 and the stage drive mechanism 9.
[0030]
Each arc plasma gun is provided with a shutter mechanism 11 that can individually control opening and closing. Further, a heating device 12 that individually or entirely heats the film formation cell and a gas introduction mechanism 13 that supplies a gas are provided. Furthermore, the moving stage 8 is provided with a water cooling cooling mechanism (not shown).
[0031]
In this apparatus, each arc plasma gun is provided with a conductive target having elements constituting a material material. Each arc plasma gun is configured to generate plasma in a pulsed manner under the control of a power source. The film forming cell is configured to be switched by changing the focusing point by a moving stage or a magnetic circuit.
[0032]
According to the film formation method using arc plasma, for example, by performing film formation using plasma of 1 pulse per second, a film formation rate of about 0.01 to 0.1 nm / pulse can be obtained. Therefore, if this apparatus is used, it is possible to form several atomic layers per pulse. Therefore, each element is deposited simultaneously or alternately from a plurality of arc plasma guns on the deposition cell, and the number of pulses is set. By controlling, it is possible to control the composition and the multilayer film structure. In addition, it is possible to search for the composition of the multilayer structure compound using the fact that the film formation rate per pulse is on the order of angstroms.
[0033]
Using the new material development device with such a configuration, for example, after the vacuum chamber is evacuated to a predetermined pressure or a predetermined atmospheric pressure such as nitrogen, the film formation cell for the first film formation using the moving stage is directly below the mask opening. Move to. Next, arc plasma is emitted by an arc plasma gun to form a single film or a plurality of films simultaneously.
[0034]
A magnetic circuit composed of a yoke and a permanent magnet is formed, and the magnetic flux passes through the film forming cell, whereby plasma is induced in the film forming cell. By induction of the mask and the plasma, contamination of other cells and the inner wall of the chamber due to the surrounding of the deposition material is prevented, and the film can be efficiently formed with a small cathode.
[0035]
The composition control of the thin film deposited in the deposition cell is performed by controlling the number of pulses per time of each arc plasma gun using each constituent element as a cathode, or the power applied to the cathode. Each arc plasma gun is provided with a shutter mechanism that can be individually opened and closed to prevent the cathode of the arc plasma gun that is not to be deposited from being contaminated by neutral particles from other arc plasma guns.
[0036]
After forming a film with a predetermined composition and film thickness in one cell, the next film formation cell is moved directly below the mask opening on the moving stage, and film formation is performed by changing the composition of the thin film. Thereafter, by sequentially repeating the movement of the film formation cell and the film formation process, a thin film material library having a different composition is completed in the film formation cell on the moving stage. The completed material library measures various properties by DSC, X-ray diffraction, etc., and searches for new materials having desired physical properties. In particular, the thermal analysis can be performed immediately by sharing the film formation cell with the DSC thermal analysis cell. Furthermore, since the deposition cell can be manufactured with a diameter of about several millimeters, it is possible to set a large number of cells at once in the measurement device when performing composition analysis and structural analysis using XRD, EDS, etc. To rise.
[0037]
As already mentioned, the arc plasma method deposits high energy particles to form a film and allows film formation in a high vacuum. It is possible to produce an alloy and compound library with a small amount of material. It is also possible to produce a library of nitride or oxide compounds or multilayer films. Further, by heating the deposition cell during or after deposition, a more uniform material can be deposited, and on the other hand, crystallization and control of crystal grains can be performed by heat treatment.
[0038]
Example 1
A first embodiment of the present invention using the apparatus shown in FIG. 1 will be described. In this example, in order to investigate the amorphous forming ability of the alloy composed of Zr, Cu, and Al, the constituent elements Zr, Cu, and Al were mounted on the three arc plasma guns 3 as cathodes. On the stage 8, 16 silver cells of a differential scanning calorimeter (DSC) were mounted as a film forming cell 10 in a 4 × 4 matrix. FIG. 2 shows a layout of the film formation cell. Hereinafter, each deposition cell is referred to as Aa, Ab,.
[0039]
In this state, the inside of the vacuum chamber 2 is set to 10 with the high vacuum pump 1. -5 Vacuuming is performed to Pa, the stage 8 is driven by the stage driving mechanism 9, and the film forming cell Aa is moved directly below the opening at the center of the mask 7. Thereafter, each arc plasma gun 3 irradiates each constituent element with arc plasma in a pulsed manner to form a film so as to have a predetermined composition. For example, Zr is applied to the film formation cell Aa. 70 Cu 20 Al 10 When forming the film so that the subscript is atomic%, assuming that the number of vapor deposition atoms generated by one pulse from each arc plasma gun 3 is the same, each arc plasma equipped with Zr, Cu, Al Film formation may be performed with the number of pulses of the gun 3 at a ratio of 7: 2: 1 per unit time.
[0040]
After the film formation of one film formation cell is completed, the stage 8 is driven by the stage drive mechanism 9, and the next film formation cell (for example, the film formation cell Ab) is moved under the opening of the mask 7 in the same manner. In addition, film formation is performed by controlling the number of pulses of each arc plasma gun 3. A series of procedures are all controlled by a computer (not shown). In the case of this example, film formation was completed in all the film formation cells in about 12 hours. In the case of this example, the number of pulses from each arc plasma gun 3 was controlled at the ratio shown in Table 1. Further, since the ratio of the number of film formation pulses of each element of Zr, Cu, and Al is 108: 24: 28, the number of arc plasma guns 3 to which the cathodes of Zr, Cu, and Al are attached is set to 5 and 1 respectively. Since the life of each cathode is about 40,000 pulses, the total number of constituent elements is 16,600 pulses or more, and the film thickness is about 1.7 μm. I was able to.
[Table 1]
Figure 0003998097
[0041]
After film formation, 16 cells were sealed and subjected to DSC analysis, whereby the crystallization temperature and glass transition temperature could be systematically investigated. In the case of this example, the exploration materials were all composed of conductive elements, but when insulating elements such as Si and B are required, materials mixed with conductive elements are used as the cathode. do it. For example, when exploring the composition of an alloy made of Pd, Cu, and Si, pure Si is an insulating material, and cannot be used as it is for an arc plasma gun as a cathode. In such a case, for example, an alloy cathode of PdCuSi and cathodes of Pd and Cu may be used.
[0042]
In this embodiment, the film is formed in a vacuum atmosphere, but an oxide or a nitride can be formed by using the gas introduction mechanism 13 while supplying oxygen or nitrogen. The gas flow rate can be controlled by adjusting a mass flow meter (not shown) and a valve (not shown) connected to the vacuum pump 1. Further, by using an infrared lamp heater and a reflection mirror as the heating device 12 and condensing infrared rays on the film forming cell immediately below the mask 7, the temperature condition during film formation can be controlled for each film forming cell. At this time, the temperature of the cell can also be controlled by measuring the temperature of the cell with a known temperature measuring means such as a thermocouple or an infrared thermometer. Furthermore, by providing a water-cooled tube in the moving stage 8, it is possible to prevent temperature rise during film formation and to improve temperature controllability during heating.
[0043]
(Example 2)
FIG. 3 shows an apparatus configuration of the second embodiment of the present invention. In the present embodiment, a plurality of arc plasma guns 3 installed in a vacuum chamber 2 having an evacuation pump 1, a yoke 5 and a permanent magnet 6 for deflecting and focusing the plasma in the chamber 2, and a plasma passing point. A new material having a rotary table 20 having one end, a rotary mechanism 21 for driving the rotary table, four film forming cells 22 installed on the rotary table 20, and a mask 23 having four openings. The development equipment was used.
[0044]
In this embodiment, the vacuum chamber 2 is set to 10 by the high vacuum pump 1. -5 As shown in FIG. 4, the rotary table 20 divided into four film forming cells 22 is rotated by a rotating mechanism 21 using a stepping motor as shown in FIG. The cell 22 is arranged so as to be directly above the permanent magnet 6. The rotary table 20, the partition plate 30, and the mask 23 (not shown in FIG. 4) are all made of an aluminum alloy that is a nonmagnetic material. Further, an alumina substrate having a thickness of 0.5 mm was used for the film formation cell 22.
[0045]
Cu, Zr, and Ti were respectively attached to the cathodes 3-1, 3-2, and 3-3 of the arc plasma gun, and the composition exploration was performed to minimize the resistivity of the alloy composed of these elements. First, when a voltage pulse is applied to the cathode 3-1 of the arc plasma gun, the plasma converges at the intersection 31 between the periphery of the permanent magnet 6 and the center line of the arc plasma gun by the magnetic field generated by the permanent magnet 6 and the yoke 5. Since the film formation cell 22 is placed in the middle of this magnetic field, Cu is formed at a rate of 0.1 nm / pulse in the region 32 on the film formation cell 22 surrounded by the dotted line in FIG. .
[0046]
Similarly, when a voltage pulse was applied to the cathode 3-2 of the arc plasma gun, Zr and Ti were deposited in the region 33, and when a voltage pulse was applied to the cathode 3-3 of the arc plasma gun, a region 34 was formed. By sequentially operating the cathodes of the three arc plasma guns in this way, Cu, Zr, Ti, and alloys thereof were formed as shown in FIG. In the regions 32 to 34 where each element is formed, the center has the highest film formation speed, and the film formation speed decreases toward the periphery. Therefore, the composition of the portion where the binary or ternary alloy is formed changes continuously in proportion to the film formation rate of each element. The resistivity of each part of the alloy is measured by the four-probe method, and the composition of the part with the lowest resistivity is specified by the energy dispersive X-ray analyzer, so that the alloy composition with the lowest resistivity is efficiently investigated. can do.
[0047]
In this embodiment, film formation was performed by sequentially operating the cathodes of the arc plasma guns. However, the effect is the same even if film formation is performed simultaneously. Further, the voltage applied to each arc plasma gun and the pulse waveform can be appropriately adjusted according to the film forming rate of the cathode material and the target composition range.
[0048]
In the above embodiment, the arc plasma gun is disposed above the deposition cell. However, the upper and lower positional relationships are reversed, the arc plasma gun is disposed below, and the components disposed above these are disposed. A plasma may be fired at the membrane cell. Thus, the new material development apparatus of the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications can be made without departing from the scope of the present invention.
[0049]
【The invention's effect】
The arc plasma projector used in the apparatus of the present invention can be configured in a small size, and the generated plasma can be induced and focused by magnetism, so that loss of raw materials can be greatly reduced and the entire apparatus can be reduced in size and size. There are many advantages of that. In the apparatus of the present invention, a series of operations can be controlled and automated by a computer. For this reason, if the apparatus of this invention is used, the loss of a raw material can be made very small and many multi-element materials from which a composition differs can be produced efficiently as a library. These libraries of multi-element materials are suitable for efficient measurement evaluation. In this way, the present invention has made it possible to proceed with new material development very efficiently.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view schematically showing a new material development apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an arrangement of film forming cells according to an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a perspective view schematically showing a new material development apparatus according to another embodiment of the present invention.
4 is a plan view of the apparatus shown in FIG. 3. FIG.
FIG. 5 is a diagram schematically showing the film formation of Cu, Zr, Ti and their alloys.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Vacuum exhaust pump, 2 ... Vacuum chamber, 3 ... Arc plasma gun, 3-1 to 3 ... Cathode of arc plasma gun, 4 ... Plasma, 5 ... Magnetic yoke, 6 ... Permanent magnet, 7 ... Mask, 8 ... XY moving stage, 9 ... Stage drive mechanism, 10 ... Deposition cell, 11 ... Shutter mechanism, 12 ... Heating device, 13 ... Gas introduction mechanism, 20 ... Rotary table , 21... Rotating mechanism, 22... Deposition cell, 23... Mask, 30 .. Partition plate, 31... Intersection between the periphery of the permanent magnet and the arc plasma gun center line, 32 to 34. The area on the cell.

Claims (5)

真空槽と、
原材料ターゲットをカソードとして保持しアーク放電により前記原材料ターゲットの微粒子のアークプラズマを前記真空槽内に発射する複数個のアークプラズマ発射器と、
前記複数個のアークプラズマ発射器電圧をパルス状に印加することによりアークプラズマをパルス状に発生させて前記複数個のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの数を制御し、1パルスあたりの成膜速度を0.01nm以上0.1nm以下に制御するプラズマ制御手段と、
前記真空槽内に配置され複数の成膜セルを保持する成膜セル保持具と、
前記複数のアークプラズマ発射器の発射するアークプラズマを1ヶ所に偏向集束させる偏向集束手段と、
前記成膜セル保持具に保持された前記複数の成膜セルを順次移動させる移動機構と、
前記複数のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマを制御するプラズマ制御手段とを備え、
前記移動機構による複数の成膜セルの移動とプラズマ制御手段によるアークプラズマ制御により、成膜セル保持具に保持された複数の成膜セルの各セル毎に成膜を制御し、複数種の素材を一括して形成することを特徴とする新素材開発装置。
A vacuum chamber;
A plurality of arc plasma emitters that hold the raw material target as a cathode and emit arc plasma of fine particles of the raw material target into the vacuum chamber by arc discharge;
By applying the plurality of arc plasma projector voltages in pulses, arc plasma is generated in pulses to control the number of arc plasmas generated by each of the plurality of arc plasma projectors. Plasma control means for controlling the film formation rate of 0.01 nm to 0.1 nm;
A deposition cell holder that is disposed in the vacuum chamber and holds a plurality of deposition cells;
Deflection focusing means for deflecting and focusing the arc plasma emitted by the plurality of arc plasma projectors in one place;
A moving mechanism for sequentially moving the plurality of film forming cells held by the film forming cell holder;
Plasma control means for controlling arc plasma generated by each of the plurality of arc plasma projectors,
By controlling movement of a plurality of film forming cells by the moving mechanism and arc plasma control by a plasma control means, film formation is controlled for each of the plurality of film forming cells held by the film forming cell holder, and a plurality of types of materials are controlled. A new material development device characterized by forming a batch of materials.
真空槽と、
原材料ターゲットをカソードとして保持しアーク放電により前記原材料ターゲットの微粒子のアークプラズマを前記真空槽内に発射する複数個のアークプラズマ発射器と、
前記複数個のアークプラズマ発射器電圧をパルス状に印加することによりアークプラズマをパルス状に発生させて前記複数個のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの数を制御し、1パルスあたりの成膜速度を0.01nm以上0.1nm以下に制御するプラズマ制御手段と、
前記真空槽内に配置され複数の成膜セルを保持する成膜セル保持具と、
前記複数のアークプラズマ発射器の発射するアークプラズマを1ヶ所に偏向集束させる偏向集束手段と、
前記アークプラズマの偏向集束位置を順次移動させる集束位置移動機構と、
前記複数のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマを制御するプラズマ制御手段とを備え、
前記移動機構による複数の成膜セルの移動とプラズマ制御手段によるアークプラズマ制御により、成膜セル保持具に保持された複数の成膜セルの各セル毎に成膜を制御し、複数種の素材を一括して形成することを特徴とする新素材開発装置。
A vacuum chamber;
A plurality of arc plasma emitters that hold the raw material target as a cathode and emit arc plasma of fine particles of the raw material target into the vacuum chamber by arc discharge;
By applying the plurality of arc plasma projector voltages in pulses, arc plasma is generated in pulses to control the number of arc plasmas generated by each of the plurality of arc plasma projectors. Plasma control means for controlling the film formation rate of 0.01 nm to 0.1 nm;
A deposition cell holder that is disposed in the vacuum chamber and holds a plurality of deposition cells;
Deflection focusing means for deflecting and focusing the arc plasma emitted by the plurality of arc plasma projectors in one place;
A focusing position moving mechanism for sequentially moving the deflection focusing position of the arc plasma;
Plasma control means for controlling arc plasma generated by each of the plurality of arc plasma projectors,
By controlling movement of a plurality of film forming cells by the moving mechanism and arc plasma control by a plasma control means, film formation is controlled for each of the plurality of film forming cells held by the film forming cell holder, and a plurality of types of materials are controlled. A new material development device characterized by forming a batch of materials.
真空槽と、
原材料ターゲットをカソードとして保持しアーク放電により前記原材料ターゲットの微粒子のアークプラズマを前記真空槽内に発射する複数個のアークプラズマ発射器と、
前記複数個のアークプラズマ発射器電圧をパルス状に印加することによりアークプラズマをパルス状に発生させて前記複数個のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの数を制御し、1パルスあたりの成膜速度を0.01nm以上0.1nm以下に制御するプラズマ制御手段と、
前記真空槽内に配置され成膜セルを保持する成膜セル保持具と、
前記複数のアークプラズマ発射器の発射するアークプラズマを互いに一部で重なり合う複数の偏向集束領域に偏向集束させる偏向集束手段と、
前記複数のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの制御を行なうプラズマ制御手段と
を備え、複数種の素材を成膜セル上に一括して形成することを特徴とする新素材開発装置。
A vacuum chamber;
A plurality of arc plasma emitters that hold the raw material target as a cathode and emit arc plasma of fine particles of the raw material target into the vacuum chamber by arc discharge;
By applying the plurality of arc plasma projector voltages in pulses, arc plasma is generated in pulses to control the number of arc plasmas generated by each of the plurality of arc plasma projectors. Plasma control means for controlling the film formation rate of 0.01 nm to 0.1 nm;
A deposition cell holder that is disposed in the vacuum chamber and holds the deposition cell;
Deflection focusing means for deflecting and focusing arc plasmas emitted by the plurality of arc plasma projectors to a plurality of deflection focusing regions that partially overlap each other;
And a plasma control means for controlling arc plasma generated by each of the plurality of arc plasma projectors, wherein a plurality of types of materials are collectively formed on a film forming cell.
前記成膜セルの温度を制御する成膜セル温度制御機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の新素材開発装置。The new material development apparatus according to claim 1, further comprising a film formation cell temperature control mechanism for controlling a temperature of the film formation cell. 真空槽内に成膜セルを配置し、原材料ターゲットをカソードとして有する複数個のアークプラズマ発射器から原材料ターゲットの微粒子のアークプラズマを前記真空槽内に発射し偏向集束を行なって前記成膜セルに前記アークプラズマを照射し、前記複数個のアークプラズマ発射器電圧をパルス状に印加することによってアークプラズマをパルス状に発生させて前記複数個のアークプラズマ発射器の各々が発生するアークプラズマの数を制御することにより1パルスあたりの成膜速度を0.01nm以上0.1nm以下に制御し、複数種の素材を成膜セルに一括して形成することを特徴とする新素材開発方法。A film formation cell is arranged in the vacuum chamber, and arc plasma of fine particles of the raw material target is emitted from the plurality of arc plasma projectors having the raw material target as a cathode into the vacuum chamber and deflected and focused on the film formation cell. The number of arc plasmas generated by each of the plurality of arc plasma emitters by irradiating the arc plasma and generating the arc plasma in pulses by applying the plurality of arc plasma emitter voltages in pulses. A new material development method characterized in that the film formation rate per pulse is controlled to 0.01 nm or more and 0.1 nm or less by controlling the above, and a plurality of types of materials are collectively formed in the film formation cell.
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