JP3997760B2 - 熱管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温熱及び冷熱を効率良く管理供給する熱管理システムに関するもので、給湯、暖房及び冷房等を行うシステムに適用して有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
給湯、暖房及び冷房等を行うシステムとして、深夜等の電力料金が比較的に安い時間帯にヒートポンプを稼働させて温水や冷水(氷も含む。)を生成し、その生成した温水又は冷水を保温タンク内に貯蔵して、保温タンク内の温水又は冷水を、昼間に供給することにより給湯、暖房及び冷房等を行うシステムが製品化されている。
【0003】
ところで、上記システムでは、ヒートポンプの室外熱交換器にて大気から吸熱して温水を生成するので、外気温が低い冬場の温水生成時には、室外熱交換器の外表面に霜が付着してまう。そして、室外熱交換器の外表面に霜が付着すると、吸熱効率が低下するので、通常、着霜したとき又は所定時間毎に、減圧される前の圧縮機から吐出した高温の冷媒を室外熱交換器内に供給することにより、室外熱交換器を内部から加熱して着霜した霜を融解除去する除霜運転を行っている。
【0004】
しかし、室外熱交換器が吸熱しているときには、室外熱交換器の温度が大気温度以下まで低下しているので、除霜運転の初期段階においては、室外熱交換器に供給された高温冷媒の熱は、室外熱交換器の温度を上昇させるために消費され、霜の融解に消費されない。
【0005】
また、除霜運転が終了して吸熱運転が再び開始されると、吸熱運転の初期段階においては、室外熱交換器の温度が大気温度まで低下しない間は、冷媒は大気の熱を吸熱することができない。
【0006】
さらに、除霜運転と吸熱運転とでは冷媒の状態がそれそれ全く異なるので、運転を切り換える際の過程で、目標とする能力が発揮できない非効率な状態が発生する。
【0007】
以上に述べたように、従来の除霜運転方法では、効率よく除霜運転と吸熱運転とを切り替えることができない。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、効率よく除霜運転と吸熱運転とを切り替えることができる熱管理システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、高圧側熱交換器(112)及び低圧側熱交換器(114)を有し、低温側の熱を高温側に移動させるヒートポンプユニット(110)と、高圧側熱交換器(112)にて加熱された温水の温熱を保温貯蔵する温熱タンク(121)と、低圧側熱交換器(114)にて冷却された冷水の冷熱を保温貯蔵する冷熱タンク(122)と、低圧側熱交換器(114)にて冷却された冷水と大気とを熱交換する吸熱器(124)と、高温側熱交換器(112)にて加熱されれた温水、及び温熱タンク(121)に保温貯蔵された温水のうち少なくとも一方の温水を熱源として吸熱器(124)を加熱する加熱器(125)とを備え、吸熱器は、冷水が流通する冷水チューブ(124)を蛇行させたものであり、加熱器は、温水が流通する温水チューブ(125)を冷水チューブ(124)と近接して蛇行させたものであることを特徴とする。
【0010】
これにより、吸熱器(124)により冷水と大気とを熱交換させて、冷水を介して大気から吸熱するので、ヒートポンプユニット(110)に大気から吸入するための吸熱器を設けることなく、大気から吸熱することができる。
【0011】
このため、本発明に係る熱管理システム、特に、ヒートポンプユニット(110)において、「従来の技術及び発明が解決しようとする課題」で述べたような問題は原理的に発生しない。したがって、本発明に係る熱管理システムでは、効率よく除霜運転と吸熱運転とを切り替えることができるので、熱管理システムに投入するエネルギを無駄なく利用することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、吸熱器(124)を構成する冷水チューブ及び加熱器(125)を構成する温水チューブ(125)は、温熱タンク(121)及び冷熱タンク(122)を収納するタンクユニットケーシング(123)の外表面に固定されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、吸熱器(124)が固定されたタンクユニットケーシング(123)が大気との伝熱面積を増大させて冷水と大気との熱交換を促進するフィンとして機能するので、別途、吸熱器(124)にフィンを設けることなく、吸熱能力を増大させることができる。
【0015】
また、吸熱器(124)及び加熱器(125)がタンクユニットケーシング(123)に一体化されているので、タンクユニットケーシング(123)を設置すると同時に、吸熱器(124)及び加熱器(125)の設置を終了させることができ、熱管理システムの設置工数を低減することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、ヒートポンプユニット(110)を夜間に稼動させて、温熱を温熱タンク(121)に蓄えるとともに、冷熱を冷熱タンク(122)に蓄え、さらに、昼間に冷水を吸熱器(124)と冷熱タンク(122)との間で循環させて、大気の熱を冷水に吸熱させることを特徴とする。
【0017】
これにより、温水を生成するに必要な動力をさらに低減させることができるので、熱管理システムの効率を向上させることができる。
【0018】
また、除霜運転は、外気温度が上昇し、かつ、吸熱器(124)に日射が当たる昼間に行うこととなるので、効率よく除霜運転を行うことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明では、冷熱タンク(122)から流出する冷水と温熱タンク(121)から流出する温水とを熱交換する熱交換器(160)を備えることを特徴とする。
【0020】
これにより、高圧側熱交換器(112)に流入する温水の温度を低下させることができるので、高圧側熱交換器(112)に流入する冷媒と高圧側熱交換器(112)に流入する温水との温度差を大きくすることができる。したがって、ヒートポンプユニット(110)から温水に多くの熱を与えることができるので、ヒートポンプユニット(110)の効率を向上させることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明では、熱交換器(160)から流出する冷水の温度が高くなるほど、ヒートポンプユニット(110)の圧縮機(111)の回転数を低減することを特徴とする。
【0022】
これにより、ヒートポンプユニット(110)の効率を高く維持しつつ、ヒートポンプユニット(110)の圧縮機の稼動に伴う騒音を低減することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明では、熱交換器(160)から流出して低圧側熱交換器(114)に流入する前の冷水の一部を冷熱タンク(122)に戻すバイパス回路(170)を備えることを特徴とする。
【0024】
これにより、低圧側熱交換器(114)に流入する冷水量を減少させることができるので、低圧側熱交換器(114)から流出する冷水の温度を十分に低下させることができ、冷熱タンク(122)に蓄えられた冷熱が減少してしまうことを防止できる。請求項7に記載の発明では、冷媒として、二酸化炭素を用いたことを特徴とする。
【0025】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る熱管理システムを給湯及び空調を行う熱供給システムに適用したものであって、図1は本実施形態に係る熱管理システム100の模式図である。
【0027】
この熱管理システム100は、ヒートポンプユニット110、タンクユニット120、及び室内ユニット130等からなるものである。
【0028】
そして、ヒートポンプユニット110は、冷媒を吸入圧縮する圧縮機111、圧縮機111から吐出した高温の冷媒と給湯用の温水とを熱交換する高圧側熱交換器112、高圧側熱交換器112から流出した冷媒を減圧する減圧器113、及び減圧された低温の冷媒と冷熱供給用の冷水とを熱交換する低圧側熱交換器114を有し、低温側の熱を高温側に移動させる周知の蒸気圧縮式ヒートポンプユニットである。
【0029】
因みに、本実施形態では、冷媒として二酸化炭素を用い、冷水として水にエチレングリコール系の不凍液を混ぜた流体を用いている。特に、二酸化炭素を冷媒とする場合には、ヒートポンプユニット側にバルブ等を追加して、除霜運転、冷房運転、暖房運転等を切り換えることが困難であるので、冷水や温水等の二次媒体を用いて運転を切り換えることが望ましい。因みに、減圧器113の開度及び圧縮機111の回転数は、ヒートポンプユニット110の成績係数が所定値以上となるように制御される。
【0030】
また、タンクユニット120は、図2に示すように、高圧側熱交換器112にて加熱された温水の温熱を保温貯蔵する温熱タンク121、低圧側熱交換器114にて冷却された冷水の冷熱を保温貯蔵する冷熱タンク122、及び両タンク121、122を収納する金属(本実施形態では、冷間圧延鋼板)製のタンクユニットケーシング123等からなるものである。
【0031】
なお、本実施形態に係る温熱タンク121では、高圧側熱交換器112により加熱された温水をそのまま保温貯蔵することにより温熱を蓄え、一方、冷熱タンクでは、低圧側熱交換器114により冷却された冷水によって冷熱タンク122内の蓄冷材122aを冷却して蓄冷材122aの凝縮熱(潜熱)及び顕熱相当の冷熱を蓄える。
【0032】
そして、タンクユニットケーシング123の外表面には、冷水が流通する冷水チューブ124、及び温水が流通する温水チューブ125が接着固定されており、両チューブ124、125は、互いに近接配置された状態で蛇行している。
【0033】
ここで、「両チューブ124、125は、互いに近接配置されている」とは、図2に示すように、両チューブ124、125が所定間隔を有して離れている場合は勿論、両チューブ124、125が接触している場合も含む意味である。
【0034】
そして、冷水チューブ124は、大気(外気)中に晒されて冷水と大気とが熱交換することができるように構成されて、大気から熱を吸熱する吸熱器として機能し、温水チューブ125は、冷水チューブ124を加熱する加熱器として機能する。因みに、本実施形態では、温水チューブ125の熱の多くは、タンクユニットケーシング123を介して冷水チューブ124に伝達される。
【0035】
また、室内ユニット130は、図1に示すように、冷水と室内に吹き出す空気とを熱交換する第1熱交換器131、温水と室内に吹き出す空気とを熱交換する第2熱交換器132、及び送風機133等からなるもので、空気流れ上流側から、送風機133、第1熱交換器131、第2熱交換器132の順に並んでいる。
【0036】
なお、図1中、温水ポンプ131は温水を循環させる温水を循環させるものであり、冷水ポンプ132は冷水を循環させるものであり、温水バルブ141は温水の循環経路を切り換えるものであり、冷水バルブ142は冷水の循環経路を切り換えるものである。
【0037】
次に、本実施形態に係る熱管理システムの作動を述べる。
【0038】
1.夏期等の冷房、つまり冷熱を必要とする時期に温水を生成する場合
深夜等の電力料金が比較的安いときにヒートポンプユニット110を稼動させた状態で、図3に示すように、低圧熱交換器114と冷熱タンク122との間で冷水を循環させるとともに、高圧側熱交換器112と温熱タンク121との間で温水を循環させる。
【0039】
これにより、ヒートポンプユニット110により冷水から吸熱された熱が温水に与えられ、一方、ヒートポンプ110により冷却された冷水は、蓄冷材122a及び冷水又は冷熱タンク122から熱を吸熱することにより、冷熱タンク114には冷熱が蓄えられるとともに、温熱タンク114には温熱が蓄えられる。
【0040】
そして、昼間等の冷房が必要なときには、冷熱タンク122と室内ユニット130との間で冷水を循環させて冷房運転を行う。このとき、冷熱タンク122と室内ユニット130との間で循環する冷却水の流量は、室内ユニット130にて必要な冷房能力を発揮しつつ、冷熱タンク122に戻ってくる冷水温度が所定温度以下、すなわち冷熱タンク122内の温度と冷熱タンク122に戻ってくる冷水温度との差が所定温度差以下となるように循環流量を制御する。
【0041】
なお、給湯は、ユーザからの要望に応じて温熱タンク121に蓄えられた温水を供給することにより行う。
【0042】
1.2 深夜に蓄えられた冷熱の残量が所定量以下となった場合
温熱タンク121内に十分量の温熱が蓄えられているときには、冷房に必要な能力を確保することができる程度の熱量を冷水から吸熱するようにヒートポンプユニット110を稼動させながら、冷水を低圧側熱交換器114と室内ユニット130との間で循環させて冷房運転を行い、一方、温水を高圧側熱交換器112と放熱器をなす温水チューブ125との間で循環させて大気中に放熱する。
【0043】
因みに、通常、冷房に必要な能力を確保することができる程度の熱量を冷水から吸熱するようにヒートポンプユニット110を稼動させると、高圧側冷媒温度は、給湯用の温水温度(約90℃)より低く、大気中に放熱される放熱量は、温水生成時に温水に供給される熱量をより小さい。
【0044】
なお、温熱タンク121内に十分量の温熱が蓄えられていないときには、上記した深夜運転と同様な運転を行う。
【0045】
2.冷房を必要としない時期に温水を生成する場合
深夜等の電力料金が比較的安いときにヒートポンプユニット110を稼動させた状態で、図3に示すように、低圧熱交換器114と冷熱タンク122との間で冷水を循環させるとともに、高圧側熱交換器112と温熱タンク121との間で温水を循環させる。
【0046】
これにより、ヒートポンプユニット110により冷水から吸熱された熱が温水に与えられ、一方、ヒートポンプ110により冷却された冷水は、蓄冷材122a及び冷水又は冷熱タンク122から熱を吸熱することにより、冷熱タンク114が冷却されるとともに、温熱タンク114には温熱が蓄えられる。
【0047】
なお、この場合、冷水温度が大気温度より低くなったときには、冷水を吸熱器をなす冷水チューブ124と低圧側熱交換器114との間で循環させて大気から吸熱してもよい。
【0048】
そして、昼間は温熱タンク121に蓄えられた温水を供給して給湯を行うとともに、冷水を吸熱器をなす冷水チューブ124と冷熱タンク122との間で循環させて大気から吸熱する。
【0049】
このとき、冷水チューブ124が着霜した場合には、温水チューブ125に温熱タンク121に蓄えられた温水を循環させて冷水チューブ124に着霜した霜を融解する除霜運転を行う。
【0050】
なお、本実施形態では、着霜したか否かは、冷水チューブ124が固定されたタンクユニットケーシング123の表面温度及び外気温度に基づいて判定している。
【0051】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0052】
本実施形態では、吸熱器をなす冷水チューブ124により冷水と大気とを熱交換させて冷水を介して大気から吸熱するので、ヒートポンプユニット110に大気から吸入するための吸熱器を設けることなく、大気から吸熱することができる。
【0053】
このため、本実施形態に係る熱管理システム100、特に、ヒートポンプユニット110において、「従来の技術及び発明が解決しようとする課題」で述べたような問題は原理的に発生しない。したがって、本実施形態に係る熱管理システム100では、効率よく除霜運転と吸熱運転、つまり温水生成運転とを切り替えることができるので、圧縮機111に投入するエネルギを無駄なく利用することができる。
【0054】
また、冷水チューブ124が固定されたタンクユニットケーシング123が大気との伝熱面積を増大させて冷水と大気との熱交換を促進するフィンとして機能するので、別途、冷水チューブ124にフィンを設けることなく、吸熱能力を増大させることができる。
【0055】
また、冷水チューブ124及び温水チューブ125がタンクユニットケーシング123に一体化されているので、タンクユニット120を設置すると同時に、吸熱器、すなわち冷水チューブ124及び加熱器、すなわち温水チューブ125の設置を終了させることができ、熱管理システム100の設置工数を低減することができる。
【0056】
また、冷熱タンク122、すなわち冷水及び蓄冷材122aを介して大気から吸熱するので、前述のごとく、冬期等の冷房を必要としないときであっても、電力料金が安い深夜にヒートポンプユニット110を稼動させ、外気温度が上昇した昼間に冷水と外気(大気)とを熱交換させることができる。
【0057】
したがって、温水を生成するに必要な動力をさらに低減することができるので、熱管理システム100の効率を向上させることができる。
【0058】
また、除霜運転は、外気温度が上昇し、かつ、冷水チューブ124に日射が当たる昼間に行うこととなるので、効率よく除霜運転を行うことができる。
【0059】
また、ヒートポンプユニット110内を循環する冷媒は、常に、同一方向に循環するので、冷媒流れを切り換える四方弁等を必要としないので、ヒートポンプユニット110の製造原価上昇を抑制することができる。
【0060】
(第2実施形態)
第1実施形態では、室内ユニット130(第2熱交換器132)に温熱タンク121内の温水を直接に供給したが、本実施形態は、図4に示すように、熱交換器150を設けることにより、間接的に室内ユニット130に温熱タンク121に蓄えられた熱を供給するようにしたものである。
【0061】
(第3実施形態)
本実施形態は、図5に示すように、第1実施形態に係る熱管理システム(図1参照)に、冷熱タンク122から流出する冷水と温熱タンク121から流出する温水とを熱交換する冷温水熱交換器160を設けたものである。
【0062】
そして、冷温水熱交換器160から流出する冷水の温度が高くなるほど、図6に示すように、圧縮機111の回転数を低減するようにヒートポンプユニット110を制御するとともに、冷温水熱交換器160から流出する冷水の温度が目標温度となるように冷水ポンプ132の回転数を制御する。
【0063】
なお、冷水ポンプ132の制御は、図7に示すように、冷温水熱交換器160から流出する冷水の温度が目標温度より所定温度以上、高くなった場合には、冷水ポンプ132の回転数を大きくし、逆に、冷温水熱交換器160から流出する冷水の温度が目標温度より所定温度以上、低くなった場合には、冷水ポンプ132の回転数を下げるものである。
【0064】
因みに、目標温度とは、冷熱タンク122に戻ってくる冷水の温度が所定温度以下となり、かつ、ヒートポンプユニット110の成績係数が所定値以上となるような冷水温度である。
【0065】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0066】
本実施形態では、冷熱タンク122から流出する冷水と温熱タンク121から流出する温水とを熱交換する冷温水熱交換器160を設けたので、高圧側熱交換器112に流入する温水の温度を低下させることができる。
【0067】
したがって、高圧側熱交換器112に流入する冷媒と高圧側熱交換器112に流入する温水との温度差を大きくすることができるので、ヒートポンプユニット110から温水に多くの熱を与えることができ、ヒートポンプユニット110の効率を向上させることができる。
【0068】
このため、仮に温熱タンク121に比較的高い温度の温水が残っている場合であっても、高圧側熱交換器112に流入する温水の温度が低下するので、温熱タンク121に残った温度の温水によらず、常に、ヒートポンプユニット110の効率を高く維持することができる。
【0069】
ところで、ヒートポンプユニット110を成績係数が所定値以上となるように制御する場合おいて、高圧側熱交換器112に流入する温水の温度が上昇すると、前述のごとくヒートポンプユニット110の効率が低下しようとするため、高い成績係数を維持すべく、高圧側冷媒圧力が上昇していき、圧縮機111や高圧側熱交換器112等のヒートポンプユニット110の高圧側機器が損傷してしまうおそれがある。
【0070】
しかし、本実施形態では、前述のごとく、高圧側熱交換器112に流入する温水の温度を低下させることができるので、高圧側冷媒圧力が過度に上昇することを防止でき、ヒートポンプユニット110の高圧側機器が損傷してしまうことを未然に防止できる。
【0071】
また、冷温水熱交換器160から流出する冷水の温度が高くなるほど、圧縮機111の回転数を低減するようにヒートポンプユニット110を制御するので、ヒートポンプユニット110の効率を高く維持しつつ、圧縮機111の稼動に伴う騒音を低減することができる。
【0072】
また、圧縮機111の稼働率を低減することができるので、圧縮機111の寿命を長くすることができる。
【0073】
(第4実施形態)
本実施形態は、第3実施形態に係る熱管理システムの変形例である。具体的には、図8に示すように、冷温水熱交換器160から流出して低圧側熱交換器114に流入する前の冷水の一部を、冷熱タンク122のうち上下方向略中間部に戻すバイパス回路170、及びバイパス回路170に流す冷却水量を調節するバイパス弁171を設けたものである。
【0074】
なお、図9はバイパス弁171の開度制御、すなわちバイパス回路170に流す冷水量と冷温水熱交換器160に流入する温度との関係を示すもので、低圧側熱交換器114から流出する温度が低くなり、目標温度に近づくほど、バイパス弁171の開度を小さくし、逆に、低圧側熱交換器114から流出する温度が高くなり、目標温度から離れるほど、バイパス弁171の開度を大きくする。
【0075】
また、冷水ポンプ132の制御は、第3実施形態(図7)と同じである。
【0076】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0077】
第3実施形態において、高圧側熱交換器112に流入する温水の温度を確実に低下させるには、冷温水熱交換器160に流入する冷水の流量を増大させればよいが、冷温水熱交換器160に流入する冷水の流量を増大させると、低圧側熱交換器114にて熱交換を終えて低圧側熱交換器114から流出する冷水の温度を十分に低下させることができず、冷熱タンク122に流入する冷水温度が上昇してしまうので、冷熱タンク122に蓄えられた冷熱が減少してしまうおそれがある。
【0078】
これに対して、本実施形態では、冷温水熱交換器160から流出して低圧側熱交換器114に流入する前の冷水の一部を冷熱タンク122に戻すので、低圧側熱交換器114に流入する冷水量が減少する。このため、低圧側熱交換器114から流出する冷水の温度を十分に低下させることができるので、冷熱タンク122に蓄えられた冷熱が減少してしまうことを防止できる。
【0079】
また、本実施形態では、冷温水熱交換器160から流出して低圧側熱交換器114に流入する前の冷水の一部を、冷熱タンク122のうち上下方向略中間部に戻すので、冷温水熱交換器160にて加熱された冷水が、冷熱タンク122のうち最も温度が低い下方側に流入して、下方側に蓄えられた冷熱が消失してしまうことを防止できる。
【0080】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、冷媒として二酸化炭素を用いることにより高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプユニットであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、フロンを冷媒とした高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力未満となるヒートポンプユニットであってもよい。
【0081】
また、第3、4実施形態では、冷温水熱交換器160にて冷水と温水とが常に熱交換されてしまうが、例えば冷温水熱交換器160を迂回して冷水又は温水を流すバイパス回路を設け、温水温度が所定温度以上の場合にのみ冷水と温水とを熱交換するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱管理システムの模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るタンクユニットの模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る熱管理システムの作動説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る熱管理システムの模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る熱管理システムの模式図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る熱管理システムにおける、冷水温度と圧縮機の回転数との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第3、4実施形態に係る熱管理システムにおける、目標温度と冷水ポンプの回転数との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の第4実施形態に係る熱管理システムの模式図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る熱管理システムにおける、目標温度とバイパス水量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100…熱管理システム、110…ヒートポンプユニット、
121…温熱タンク(温水タンク)、122…冷熱タンク(畜冷タンク)、
130…室内ユニット。
Claims (7)
- 高圧側熱交換器(112)及び低圧側熱交換器(114)を有し、低温側の熱を高温側に移動させるヒートポンプユニット(110)と、
前記高圧側熱交換器(112)にて加熱された温水の温熱を保温貯蔵する温熱タンク(121)と、
前記低圧側熱交換器(114)にて冷却された冷水の冷熱を保温貯蔵する冷熱タンク(122)と、
前記低圧側熱交換器(114)にて冷却された冷水と大気とを熱交換する吸熱器(124)と、
前記高温側熱交換器(112)にて加熱されれた温水、及び前記温熱タンク(121)に保温貯蔵された温水のうち少なくとも一方の温水を熱源として前記吸熱器(124)を加熱する加熱器(125)とを備え、
前記吸熱器は、冷水が流通する冷水チューブ(124)を蛇行させたものであり、
前記加熱器は、温水が流通する温水チューブ(125)を前記冷水チューブ(124)と近接して蛇行させたものであることを特徴とする熱管理システム。 - 前記吸熱器(124)を構成する冷水チューブ及び前記加熱器(125)を構成する温水チューブ(125)は、前記温熱タンク(121)及び前記冷熱タンク(122)を収納するタンクユニットケーシング(123)の外表面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の熱管理システム。
- 前記ヒートポンプユニット(110)を夜間に稼動させて、温熱を前記温熱タンク(121)に蓄えるとともに、冷熱を前記冷熱タンク(122)に蓄え、
さらに、昼間に冷水を前記吸熱器(124)と前記冷熱タンク(122)との間で循環させて、大気の熱を冷水に吸熱させることを特徴とする請求項1または2に記載の熱管理システム。 - 前記冷熱タンク(122)から流出する冷水と前記温熱タンク(121)から流出する温水とを熱交換する熱交換器(160)を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱管理システム。
- 前記熱交換器(160)から流出する冷水の温度が高くなるほど、前記ヒートポンプユニット(110)の圧縮機(111)の回転数を低減することを特徴とする請求項4に記載の熱管理システム。
- 前記熱交換器(160)から流出して前記低圧側熱交換器(114)に流入する前の冷水の一部を前記冷熱タンク(122)に戻すバイパス回路(170)を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の熱管理システム。
- 冷媒として、二酸化炭素を用いたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱管理システム。
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