JP3996737B2 - スポット溶接装置及びスポット溶接方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インダイレクト溶接に好適なスポット溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のドアのヘミングプレス部などではインダイレクト方式のスポット溶接が多く採用される。ここで、溶接側電極とアース側電極とを使用したインダイレクト方式のスポット溶接装置の従来例を図8に示す。このスポット溶接装置は、溶接ロボットのアーム50の先端の溶接ヘッド部51に左右一対のエアーシリンダ52a、52bと左右一対の電極53a、53bを所定間隔Lxを開けて下向きに固定したもので、各々の電極53a、53bの下端先端部を被溶接材1(下板2と上板3)に点p,qで接触させて一方の溶接側電極53b側の点qでスポット溶接を行なうようになっている。なお、他方のアース側電極53aは溶接トランスの二次側に接続される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来装置によるインダイレクト溶接では、以下に述べるような種々の課題が指摘されている。
【0004】
すなわち、被溶接材1上の打点p,qの間隔が一対の電極53a、53bの間隔Lxで一義的に決まるため、被溶接材1上での打点p、qの間隔変更に対応できない。このため、例えば図9のように車台チャンネル材(下板)2に沿ってフロアパネル(上板)3を所定間隔複数箇所でスポット溶接する場合は、スポット溶接箇所と同数か或いは少なくとも半数程度のアース用電極挿通穴4をフロアパネル3に形成する必要がある。しかし、アース用電極挿通穴4を多数形成すると工数が嵩むことは勿論のこと、フロアパネル3の強度低下等の問題が発生する。
【0005】
一方、図8の従来のスポット溶接装置は、各電極53a、53bの一対のエアーシリンダ52a、52bにエアーを供給しているが、このエアー供給は非溶接時も含めて長時間連続的に行なわれていた。このため、エアーコンプレッサ駆動用電力を含めた装置全体のエネルギー消費が非常に大きかった。
【0006】
また、図8の状態でスポット溶接する場合、下板2が厚板のように十分な剛性があれば電極53a、53bの加圧力を受止める上で別段問題はないが、下板2が軽量化を要求される車台チャンネル材のような場合では、電極53a、53bの加圧力を必ずしも十分に受止めることができない可能性も考えられる。
【0007】
また、図8のようなスポット溶接装置の電極の先端で被溶接材を何回か溶接すると電極の先端が摩耗して被溶接材の溶接品質が低下してくるので、電極の先端を定期的に研磨するようにしているが、電極の先端を研磨すると、アームで溶接ヘッド部を被溶接材の真上の溶接ポイント位置に移動させたときに電極の先端と被溶接材の間隔が電極研磨量だけ増大する。このため、電極の先端と被溶接材の間隔増大に対応させてアームによる溶接ヘッド部の溶接ポイント位置を、アーム駆動系のガンエコライジング機構で補正するようにしている。ところが、このガンエコライジング機構の補正作業の間にスポット溶接装置を休止させるなどして稼動率が低下することがあり、また、ガンエコライジング機構の高精度化が難しくてエコライジング補正不十分を原因とする溶接品質の低下が問題となっていた。
【0008】
図8のようなスポット溶接装置は、アームで電極を被溶接材に近付けておいてから、エアーシリンダで被溶接材に一定の加圧力で加圧させ、その後に所定時間だけ通電する所定のサイクルタイムでインダイレクト溶接するようにしているが、この1回の溶接のサイクルタイムにおけるアームとエアーシリンダの駆動時間や通電時間がそれぞれに決まっているため、1回の溶接サイクルタイムの短縮が難しい。
【0009】
インダイレクト溶接を行なう場合の2つの打点は必ずしも共通の平坦面上に在るとは限らず、例えば互いに直交する二平面に1点ずつ打点が在ると、図8のようなスポット溶接装置では最早インダイレクト溶接をすることができない。そこで、このような場合は直交二平面に在る2つの打点に適合させた直交二面専用形状の電極を備えた直交二面専用のスポット溶接装置が使用されるが、打点の位置に対応した複数のスポット溶接装置を用意し、かつ、これらを切換え使用するとなるとコスト的及び時間的な無駄が非常に多くなる。
【0010】
本発明は前記の各課題に鑑みてなされたもので、より高品質、より高速度でインダイレクト溶接を実行でき、しかも汎用性に優れたスポット溶接装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を達成するため、アーム先端の溶接ヘッド部に配設した略平行な一対の棒状電極の先端部で被溶接材をインダイレクト溶接するスポット溶接装置において、前記溶接ヘッド部に、一対の電極の間隔を可変にする電極間隔可変機構を設置する。また、前記電極間隔可変機構を、一対の電極の一方を他方の電極とは別の位置を中心として所定半径で旋回させる電極旋回機構で構成する。このように一対の電極の間隔を可変とすることで、被溶接材上の2つの打点の間隔が任意に変更できて、間隔の異なる打点でのインダイレクト溶接も可能な汎用性に優れたスポット溶接装置が提供できる。
【0012】
また、前記溶接ヘッド部と一対の電極との間に、一対の電極を被溶接材に向けて個別に加圧する加圧手段を配設すると共に、前記一対の電極の溶接ヘッド部に対する相対変位を検出するセンサを配設し、前記センサの変位検出信号に基づいて前記一対の電極間に溶接電流を流す。
【0013】
ここで、前記加圧手段は電極に一定の加圧力を付与するエアーシリンダやばね材等であり、この加圧手段の加圧力で電極を被溶接材に当接させた状態でアームで溶接ヘッド部を被溶接材に向けて移動させると、溶接ヘッド部に対して電極が相対移動し、この相対移動時の変位をセンサが検出して溶接のための通電が開始される。このように溶接ヘッド部に対する電極の相対変位を検出して溶接動作を即時開始させることで、1回の溶接のサイクルタイムが短縮される。
【0014】
また、前記一対の電極に対する溶接電流の供給を中継するために溶接ヘッド部に固設された固定電極板と、一対の電極に一体的かつ電気的に連結されたガン本体と、このガン本体から電極の軸方向に伸縮自在に突出して先端が固定電極板に電気的に常接したコンタクトピンとを有する。ここでのコンタクト用ガン本体は、溶接ヘッド部に対して相対移動する電極と溶接ヘッド部側との通電経路を常に安定に確保する手段として有用である。
【0015】
また本発明は、アーム先端の溶接ヘッド部に配設した略平行な一対の棒状電極の軸方向の先端部で被溶接材をインダイレクト溶接するスポット溶接装置において、前記一対の電極の少なくとも一方の先端部に、この先端部から側方に張出した膨出部を形成し、この膨出部を有する一方の電極の膨出部の凸曲面と他方の電極の軸方向の先端部とを被溶接材に接触させて溶接することを特徴とする。ここでの電極先端部の膨出部は、棒状電極の軸心に対して先端部を約45°だけ側方下方に傾斜させた傾斜先端部分や、丸棒状電極の先端部の外周を全周に亘って茸傘状に膨出させた瘤状部分が可能である。この膨出部が溶接装置の一対の電極の両方、或いは、一方にだけ形成され、必要に応じて被溶接材の直交二面にある打点のインダイレクト溶接に使用される。また、膨出部を有する電極の先端は、従来同様に被溶接材に接触してインダイレクト溶接できるようにしてあり、この先端の接触部と膨出部の接触部のいずれか一方が選択的にインダイレクト溶接に使用される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図7を参照して説明する。
【0017】
図1に示されるスポット溶接装置は、アーム10先端の溶接ヘッド部11に設置した略平行な一対の棒状電極12a、12bの先端部で被溶接材1をインダイレクト溶接する。溶接ヘッド部11には、アース側電極12aと溶接側電極12bの相互間隔Wを可変にする電極間隔可変機構20が配設される。電極間隔可変機構20は、一対の電極12a、12bの一方を他方に対して軸方向と直交方向に接近離反させる機構で、両電極12a、12bの一方を固定式に他方を可動式にして可動式電極だけを固定式電極に対して接近離反駆動させるもの、或いは、両電極12a,12bを共に可動式にして両方で相互に接近離反駆動させるものが適用される。
【0018】
図1には一方の電極12aを固定構造にし、他方の電極12bを可動構造にしたものが示され、この場合の電極間隔可変機構20は、固定式の電極12aに対して可動式の電極12bを固定式電極12aと略平行な姿勢のまま軸方向と直交方向に旋回させる電極旋回機構23を備える。電極旋回機構23は、可動式電極12bを真下に支持して所定半径の円軌道を旋回させる回転体21と、この回転体21に減速機24を介して連結されたモータ22を有する。
【0019】
溶接ヘッド部11の下面側に一対の電極12a、12bを下向きに支持する一対の電極支持部31a,31bが設置される。また各電極支持部31a,31bに加圧手段としてのエアーシリンダ32a,32bを介して電極12a、12bが支持される。一対の加圧手段32a、32bは、対応する電極12a、12bに一定の加圧力を付与するもので、エアーシリンダ32a,32bに代えてばね材等で構成することも可能である。各電極支持部31a、31bにエアーシリンダ32a、32bが上下動可能に保持され、エアーシリンダ32a、32bから下方に電極12a、12bが突出する。また、溶接ヘッド部11には各電極支持部31a、31bに対する電極12a、12bの上下の相対移動による相対変位を検出するセンサ33a、33bと、このセンサ33a、33bからの変位検出信号が入力されると一対の電極121a、12bの間に溶接電流を流して溶接動作を開始させる溶接スタート回路34が設置される。2つのセンサ33a、33bからの変位検出信号が溶接スタート回路34に溶接開始指令信号として入力される。このときの変位検出信号は,後述するアーム10のオーバストローク駆動停止信号としても使用される。
【0020】
溶接ヘッド部11には、図2に示すように溶接電圧発生用トランス40が内蔵され、このトランス40の下方に一対の固定電極板41,42が定位置に水平状態で固定される。固定電極板41,42の下面は平坦で、この下面に一対のコンタクト用ガン43,44のコンタクトピン43b,44bの先端が摺動可能に常接する。一対の各ガン43,44は、一対の電極12a、12bと一体かつ電気的に連結されたガン本体43a,44aを有し、このガン本体43a,44aから真上にコンタクトピン43b,44bが上下動可能に突出して固定電極板41,42に常接するようにしてある。この常接構造によって溶接動作時に相対的に上下動する電極12a、12bとトランス40の間の通電経路が簡単な構造でもって容易に確保され、かつ、後述する一方の可動式電極12bの軸方向と直交する横方向の相対移動時においても前記通電経路が容易に確保される。
【0021】
一方の可動式電極12bを旋回させる電極旋回機構23は、図3に示すように中心点Oを中心にした半径Rで電極12bを旋回させる。この電極12bの旋回で他方の固定式電極12aとの間隔Wが最小間隔W1と最大間隔W2の間で連続的に可変とされる。最大間隔W2と最小間隔W1の差は旋回半径Rの2倍である。
【0022】
電極旋回機構23で旋回される電極12bと他方の電極12aは従来同様の丸棒形状としてもよいが、図1の溶接装置においては旋回する可動式電極12bの先端部形状を図6に示すようにする一方、旋回させない固定式電極12aの先端部を従来同様に丸棒形状にしている。旋回側電極12bの先端部は電極12bの軸心に対して約45°傾斜させて側方下方に張出させた膨出部13を一体に有する。膨出部13は略楕円状凸曲面を成して、その下部が電極12bの軸方向と略直交する平面の被溶接材1に当たる接触部K1となり、膨出部13の側方部が電極12bの軸方向と略平行な平面の被溶接材1に接触する接触部K2となる。なお、ここでいう膨出部13は、前記のように電極12bの先端部から側方に膨らませた形状の他、電極12bの先端部から側方に大きくL字状に張出させた形状も含むものである。
【0023】
前記膨出部13を有する電極12bの電極支持部31bが回転体21の下面に連結され、この電極支持部31bに電極12bがその膨出部13の張出し方向に相対移動可能に支持される。回転体21には、電極12bに対して膨出部13の張出し方向に一定の加圧力を付与する加圧手段としてのエアシリンダ32cと、電極12bと電極支持部31bの横方向の相対変位を検出するセンサ33cが付設される。なお、エアシリンダ32cはばね材等に置換えることも可能である。3つのエアーシリンダ32a、32b、32cには所定の圧力でエアーが充填されていて、エアーの補充は圧力低下を補うため等の必要時だけに行われ、後述する溶接動作時などでエアー供給は行われない。センサ33cは、他のセンサ33a、33bと同様に溶接スタート回路34に溶接開始指令信号を出力する。
【0024】
次に、図1のスポット溶接装置による被溶接材1のインダイレクト溶接の動作例を説明する。
【0025】
図1(A)は、溶接ヘッド部11をアーム10で被溶接材1の真上まで移動させて溶接動作を開始させる前の状態が示される。この状態において,アーム10が溶接ヘッド部11を下降させて一対の電極12a,12bの先端が被溶接材1の所定の2点(打点)に接触して、各エアーシリンダ32a,32bの充填エアー圧で決まる一定の圧力で電極12a,12bを加圧すると、図1(B)の白抜き矢印で示すように、アーム10が下方に移動して溶接ヘッド部11を更に下降させる。つまり、各電極12a,12bの先端が対応する各エアーシリンダ32a,32bの充填エアー圧で被溶接材1に一定の加圧力で接触するときのアーム10の位置は従来の溶接ポイントの停止位置に相当し、ここで本発明においてはアーム10を各エアーシリンダ32a、32bの加圧力に抗してオーバーストローク駆動させて溶接ヘッド部11を更に下降させる。
【0026】
このオーバーストローク駆動が開始されると、各エアーシリンダ32a,32bと電極ヘッド12a,12bが被溶接材1によって下降停止状態に保持されているので、溶接ヘッド部11と各電極支持部31a,31bだけが下降して、一方の電極支持部31aに対して電極12aが相対上昇移動すると共に、他方の電極支持部31bに対して電極12bも相対上昇移動して、これらの相対変位を各センサ33a,33bが検出する。センサ33a、33bは、電極支持部31a,31bに対する電極12a,12bの軸方向の相対変位を検出するリードスイッチ等であり、各センサ33a,33bからの変位検出信号が溶接スタート回路34に入力されると、この入力信号がオーバーストローク駆動停止信号となって即座にアーム10のオーバーストローク駆動が停止され、同時に入力信号が溶接開始指令信号となって両電極間の通電が開始されてインダイレクト溶接が開始される。
【0027】
即ち、アーム10を従来同様に溶接ポイントの位置まで移動させ、この位置で従来は停止させてエアーシリンダを駆動させていたが、本発明においてはエアーシリンダ側を停止状態にしてアーム側をオーバーストローク駆動させ、このオーバーストローク駆動の開始直後にセンサを作動させてアーム側のオーバーストローク駆動を停止させると同時に溶接のための通電を開始するのである。従って、アーム10が溶接ポイントに移動してオーバーストローク駆動した直後に通電が開始されるので、1回の溶接のサイクルタイムが短縮される。
【0028】
また、1回の溶接の全サイクルタイムの間、基本的にエアーシリンダ32a,32bへのエアー供給が無いので,エアー消費量の大幅な低減が可能となり、溶接装置全体の消費電力の低減が可能となる。
【0029】
更に,図1(B)の溶接動作時に各電極12a,12bによる被溶接材1への加圧力がエアーシリンダ32a,32bの充填エアー圧で一定に規制され、かつ、この加圧力が過大となる前にセンサ33a,33bが作動してアーム10のオーバーストローク駆動が停止するので、被溶接材1が電極からの加圧力で変形する可能性が少なくなり、図1においては被溶接材1の下板2に薄板を使用することが容易となる。
【0030】
また、図1(B)のように各電極12a、12bの先端を被溶接材1に当接させてからアーム10のオーバーストローク駆動で被溶接材1と電極12a,12bの適正な接触圧を確保することで、各電極12a、12bの先端が摩耗しても、この摩耗に関係なくアーム10がオーバーストローク駆動して常に適正な加圧力による溶接動作が実行される。つまり、各電極12a、12bの先端が摩耗すると、この摩耗量に応じてアーム10のオーバーストローク駆動量が増えて、電極摩耗がアーム10のオーバーストローク駆動で吸収された形となり、そのため、電極摩耗で従来行われているアーム駆動系のガンエコライジング機構による補正作業が不要となり、その分、溶接装置の稼動率が向上する。
【0031】
図1(A),(B)の鎖線で示すように可動式の電極12bを固定式の電極12aから離反させて電極間隔Wを増大させても、前記同様の溶接動作が実行される。このような間隔Wの変更による溶接形態例が図4(A),(B)に示される。
【0032】
図4(A)は、被溶接材1としての上板3に形成したアース用電極挿通穴4の中心に打点pを設定すると共に、挿通穴4に隣接する上板3の中心位置に別の打点qを設定し、電極間隔Wが両打点p,qの間隔に合うように調整された状態を示している。
【0033】
図4(B)は上板3の1つの挿通穴4の側方に連続して続く上板31,32の中心位置に連続した打点q,qを設定して,これらを順に溶接する場合が示される。図4(B)の実線で示すように挿通穴4の打点pと上板31の打点qに一対の電極12a,12bを当接させて1回目のインダイレクト溶接を終了すると、上板32の左方の打点qに可動式の電極12bが届くように電極間隔Wを拡大させて、図4(B)の鎖線で示すように挿通穴4の打点pと上板32の打点qに電極12a,12bを当接させて2回目のインダイレクト溶接をする。このような電極間隔Wを変更させての連続したインダイレクト溶接の実行で、連続した多数点のスポット溶接等の作業性が向上し、また、被溶接材上の様々な間隔の打点への対応が可能となって汎用性が一段と良くなる。
【0034】
図4(B)の連続溶接を応用したスポット溶接の一例を図5に示すと、このスポット溶接は図9と同様に直線上の多数点を複数の挿通穴4、…を使用して連続的に行われる。例えば、一対の電極12a,12bの間隔Wを図9の一定の電極間隔Lxと同等にした場合の間隔をWxとし、この間隔Wxの2倍の間隔2Wxが図3の最大間隔W2以下として、図5の被溶接材1の上板3に5Wxだけ離れた2箇所に挿通穴4、4を形成し、挿通穴4、4の間にWxのピッチで4箇所の打点q1〜q4を設定する。そして,まず例えば電極間隔Wxで電極12bにより打点q1をインダイレクト溶接し、次に電極間隔を2Wxに拡大して次の打点q2をインダイレクト溶接する。そしてこの2Wxの電極間隔を保持したまま電極12aを右側の次の挿通穴4に移動させ、打点q3をインダイレクト溶接し、最後に電極間隔をWxに戻して残りの打点q4をインダイレクト溶接する。
【0035】
図5のようにスポット溶接することで隣接する2点の挿通穴4、4の間隔が5Wx(図9の従来は3Wxが限界)と拡がり,その分、被溶接材1に必要に形成する挿通穴4の数や配列密度が低減されて被溶接材の強度アップが可能となる。
【0036】
以上のインダイレクト溶接は、一対の電極12a,12bの先端を使って行われ、図6に示す可動式電極12bにおいてはその先端の接触部K1が使用される。この可動式電極12bにおいては、膨出部13の接触部K2を使ってのインダイレクト溶接も可能であり、その形態例が図7に示される。図7の被溶接材1は直交する2平面m,nに1点ずつの打点p,qを有し、一方の打点pは電極12a,12bの軸方向と略直交する水平平面にあり,他方の打点qは電極12a,12bの軸方向と略平行な垂直平面にある袋打点である。
【0037】
図7の被溶接材1における水平面側の打点pにアース側電極12aの先端をエアーシリンダ32aの一定の加圧力で加圧させ、垂直面側の袋打点の打点qに溶接側電極12bの膨出部13の接触部K2をエアーシリンダ32cの一定の加圧力で加圧させる。この状態でアーム10で溶接ヘッド部11を図7の白抜き矢印で示すように横方向にオーバーストローク駆動させると、電極12bが打点qで停止状態にあって溶接ヘッド部11に対して相対移動し、この相対変位がセンサ33cで検出される。センサ33cの変位検出信号でアーム10のオーバストローク駆動が停止して両電極12a、12b間で直ちに通電が開始され、図7の袋打点qがインダイレクト溶接される。
【0038】
以上の実施の形態においては、必要に応じて一対の電極の両方に膨出部を設けることもできる。この場合、一対の電極の両方の膨出部で被溶接材を挟持してダイレクト溶接することも可能となる。
【0039】
また、以上の実施形態は、一方を他方に対して固定した固定式電極と、この固定式電極に対して接近離反可能に旋回させた可動式電極の内の可動式電極に膨出部を形成したが、固定式電極の先端部だけに膨出部を形成してもよい。また、これら電極の膨出部を電極の丸棒状先端部の外周側面の全周に亘り茸傘状に形成してもよく,或いは、電極の棒状先端部の180°反対の両側方にだけ膨出させて形成してもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明は前述の如く、アーム先端の溶接ヘッド部に一対の電極の間隔を可変にする電極間隔可変機構を設置したので、被溶接材のインダイレクト溶接される2点の間隔が任意に選択できて、より多品種の被溶接材のインダイレクト溶接に対応することが可能となる。また、電極間距離の短縮化ないし最適化を通じて溶接抵抗減少ないし溶接電力の低減を達成することができる。
【0041】
また、溶接ヘッド部に電極を相対移動可能に設置して、アームのオーバーストローク駆動による溶接動作時の電極と電極支持部との相対変位をセンサで検出することにより一対の電極間の通電による溶接動作を即時開始させるようにしたので、溶接動作の始動から通電終了までの時間ロスが少なくなって1回の溶接のサイクルタイムの短縮が図れる。
【0042】
さらに、電極の摩耗による溶接動作の変動成分がアームのオーバーストローク駆動で吸収されて、電極摩耗で従来必要とされていたアーム駆動系の補正作業が不要となって、スポット溶接装置の稼動率向上が図れる。
【0043】
また、一対の電極の先端部を被溶接材に加圧させる加圧手段には、一定の加圧力を維持するもの,例えば一定圧のエアーを充填したエアーシリンダや,単純構造のばね材が適用でき、これら加圧手段はエネルギー補充を必要としない省エネルギー部材であって、スポット溶接装置の省電力化を図ることができる。
【0044】
また、一対の棒状電極の一方或いは両方の先端部に、この先端部側面を使って被溶接材の溶接ができる膨出部を形成することで、膨出部を有する電極の下端先端の接触部と膨出部の頂点の接触部のいずれか一方を使っての溶接作業が可能となり、これにより直交二平面にある2打点のインダイレクト溶接も可能となる汎用性に優れたスポット溶接装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係るスポット溶接装置の実施の形態を示す溶接前の要部側面図、(B)は溶接時の側面図である。
【図2】図1のスポット溶接装置の通電経路を示す要部の側面図である。
【図3】図1のスポット溶接装置における電極間隔可変機構による電極の間隔変更動作を説明するための平面図である。
【図4】(A)は図1のスポット溶接装置による溶接動作例を示す側面図、(B)は他の溶接動作例を示す側面図である。
【図5】図1のスポット溶接装置によるスポット溶接動作を説明するための被溶接材の斜視図である。
【図6】図1のスポット溶接装置における電極の部分拡大側面図である。
【図7】図6の電極を使った溶接動作例を示す側面図である。
【図8】従来のスポット溶接装置の溶接動作時の側面図である。
【図9】図8のスポット溶接装置によるスポット溶接動作を説明するための被溶接材の斜視図である。
【符号の説明】
1 被溶接材
10 アーム
11 溶接ヘッド部
12a 電極
12b 電極
13 膨出部
20 電極間隔可変機構
21 回転体
22 モータ
23 電極旋回機構
31a 電極支持部
31b 電極支持部
32a エアーシリンダ(加圧手段)
32b エアーシリンダ(加圧手段)
32c エアーシリンダ(加圧手段)
33a センサ
33b センサ
33c センサ
34 溶接スタート回路
40 トランス
41 固定電極板
42 固定電極板
43 コンタクト用ガン
43a ガン本体
43b コンタクトピン
44 コンタクト用ガン
44a ガン本体
44b コンタクトピン

Claims (1)

  1. アーム先端の溶接ヘッド部に配設した略平行な一対の棒状電極の軸方向の先端部で被溶接材をインダイレクト溶接するスポット溶接装置において、
    前記一対の電極の少なくとも一方の先端部に、この先端部から側方に張出した膨出部を形成し、この膨出部を有する一方の電極の膨出部の凸曲面と他方の電極の軸方向の先端部とを被溶接材に接触させて溶接することを特徴とするスポット溶接装置。
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