JP3995612B2 - Ultrasonic receiving apparatus and ultrasonic receiving method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を受信することにより超音波画像を得るために用いられる超音波受信装置及び超音波受信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波撮像装置においては、超音波の送信及び受信を行う素子(振動子)としてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:polyvinyl difluoride)等の高分子圧電素子を含む圧電素子を用いた1次元センサアレイが一般的であった。このような1次元センサアレイを機械的に移動させながら、被検体の複数の断面における2次元画像を取得し、さらに、それらの2次元画像を合成することにより3次元画像を得ていた。
【0003】
しかしながら、この手法によれば、1次元センサアレイの移動方向にタイムラグがあるため、異なる時刻における断面像を合成することになるので、合成画像がぼけたものとなってしまう。従って、超音波撮像装置を用いて超音波エコー観察等を行う場合のように、生体を対象とする被写体には適していない。
【0004】
超音波を用いて高品位な3次元画像を取得するためには、センサアレイを移動させることなく2次元画像を取得できる2次元センサが必要である。
しかしながら、上記PZTやPVDFを用いて2次元センサアレイを作製する場合には、素子の微細加工と、多数の微細素子への配線が必要であり、現状以上の微細化と素子集積は困難である。また、それらが解決されたとしても、素子間のクロストークが増大したり、微細配線による電気的インピーダンスの上昇によりSN比が劣化したり、微細素子の電極部が破壊し易くなるといった問題があるので、PZTやPVDFを用いた2次元センサアレイの実現は困難である。
【0005】
一方、受信した超音波信号を光信号に変換して検出する方式のセンサも知られている。このような光検出方式の超音波センサとして、ファイバブラッググレーティング(FBGと略称)を用いるもの(非特許文献1参照)や、ファブリーペロー共振器(FPRと略称)構造を用いるもの(非特許文献2参照)が報告されている。このような超音波センサを用いて2次元センサアレイを作製すると、多数の微細素子への電気的配線が不要で、且つ、良好な感度が得られるという利点がある。
【0006】
また、2次元の検出面を有する光検出方式の超音波センサも知られている。例えば、非特許文献3には、ファブリーペロー構造を有するポリマー膜を超音波の検出に用いることが記載されている。このような膜状の超音波センサは、多数の微細素子に対する加工が不要であるために、コストを抑制することができる。光検出方式の超音波センサは、超音波を受けて光の反射特性が変化する超音波検出素子を利用したものである。ここで、反射特性とは、光の波長に対する反射強度の関係を示すものである。
【0007】
しかしながら、このような超音波検出素子は、温度や湿度の変化によって光の反射特性が変化するため、検出感度のバラツキが大きい。また、2次元検出面を有する超音波検出素子においては、検出面の位置ごとに光の反射特性が異なり、検出感度のバラツキが生じてしまう。このように、光検出方式を用いた超音波受信装置においては、温度等の環境的要因や構造的要因による検出感度の変化やバラツキを制御することが、実用上の大きな問題である。このために、例えば、光源から出射される光の波長を、超音波検出素子の感度が高くなる点に調整することが考えられるが、非常に急峻な反射特性に対して光源光の波長を合わせ込むのは困難である。一方、ブロードバンド光を、位置に応じて異なる反射特性を有する超音波検出素子に入射し、反射光をフィルタ分離する方式も考えられるが、この場合には、超音波検出素子の構成が複雑になり、コストが高くなるという問題がある。さらに、超音波検出素子の検出領域ごとに反射特性を変化させる方式も考えられるが、この場合にも超音波検出素子の構成が複雑になり、やはり、コストが高くなってしまう。
【0008】
また、このような超音波受信装置において検出感度を上げるためには、例えば、超音波検出素子が有する光の反射特性における光反射率の傾斜を高くしたり、超音波を受信する際の超音波センサの歪み量を大きくすることが考えられる。しかしながら、反射特性における光反射率の傾斜を高くすると、同時に検出に用いられる光の波長調整精度も厳しくなる。また、超音波センサの歪み量を大きくするためには、超音波センサの超音波受信面に柔らかい部材を用いれば良いが、これにより、超音波センサにおける反射特性の温度依存性も高くなり、検出動作が不安定になってしまう。
【0009】
【非特許文献1】
タカハシ(TAKAHASHI)、他2名、「ファイバブラッググレーティングを用いた水中音響センサ(Underwater Acoustic Sensor with Fiber Bragg Grating)」、オプティカルレビュー(OPTICAL REVIEW), Vol. 4, No. 6 (1997),P. 691-694
【非特許文献2】
ウノ(UNO)、他1名、「メガヘルツ超音波領域測定のためのファイバーオプティックマイクロプローブの制作と性能(Fabrication and Performance of a Fiber Optic Micro-Probe for Megahertz Ultrasonic Field Measurement)」, 電学論(T. IEE Japan), Vol. 118-E, No. 11 (1998), P. 487-492
【非特許文献3】
ベアード(Beard)、他2名、「広帯域な超音波検出のためのファブリーペローポリマーフィルムセンシングコンセプトの処理機構(Transduction Mechanisms of the Fabry-Perot Polymer Film Sensing Concept for Wideband Ultrasound Detection)」 アイ・イー・イー・イー会報(IEEE TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL), VOL. 46, NO. 6 (NOVEMBER 1999), P.1575-1582
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、光検出方式の超音波受信装置及び超音波受信方法において、装置の大型化やコストの増加を抑えつつ、検出信号のSN比等を向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明に係る超音波受信装置は、ブロードバンド光を発生する光源と、受信される超音波に応じて伸縮し、伸縮に応じて光反射率が変動することにより、光源が発生した光を強度変調する超音波有感部を含む超音波検出素子と、該超音波検出素子によって強度変調された光を分光する分光手段と、該分光手段によって分光された光を複数の波長成分ごとに検出することにより、第1の波長成分を検出して得られた第1の検出信号と第2の波長成分を検出して得られた第2の検出信号とを少なくとも発生する複数の光電変換素子を有する光検出手段と、第1の検出信号と第2の検出信号とを用いて演算処理を行うことにより、超音波検出素子によって受信された超音波に関する情報を求める演算処理手段とを具備する。
【0012】
ここで、上記分光手段は、超音波検出素子の複数の検出エリアから導かれた複数の光線をそれぞれ同時に分光しても良く、上記光検出手段は、分光手段によって分光された複数の光線をそれぞれの波長ごとに検出しても良い。
【0013】
また、本発明に係る超音波受信方法は、受信される超音波に応じて伸縮し、伸縮に応じて光反射率が変動することにより、光源が発生した光を強度変調する超音波検出素子に光を入射し、超音波検出素子に超音波が受信されることによって強度変調された光を分光し、複数の光電変換素子を有する光検出手段を用いて複数の波長成分ごとに検出することにより、超音波検出素子の複数の検出エリアの各々について、第1の波長成分を検出して得られた第1の検出信号と第2の波長成分を検出して得られた第2の検出信号とを少なくとも発生するステップ(a)と、第1の検出信号と第2の検出信号とを用いて演算処理を行うことにより、超音波検出素子の複数の検出エリアの各々において受信された超音波に関する情報を求めるステップ(b)とを具備する。
【0014】
ここで、ステップ(b)は、第1の検出信号と第2の検出信号とを、いずれか一方の位相を反転した後に加算することを含んでも良い。
本発明によれば、超音波検出素子において変調された光の複数の波長成分を検出して得られた複数の検出信号を用いて演算処理を施すので、検出信号のSN比等を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波受信装置を適用した超音波撮像装置を示すブロック図である。この超音波受信装置は、超音波を受信して検出信号を出力する超音波受信部1と、超音波受信部1から出力された検出信号を処理する信号処理部2と、タイミングコントロール部3とを有している。また、超音波撮像装置は、画像メモリ(2次記憶部)61と、画像処理部62と、画像表示部63と、超音波送信部80と、駆動信号発生回路81とをさらに有している。
【0016】
超音波受信部1は、光源11と、分波器12と、超音波検出素子20と、分光素子15と、光検出器16とを有しており、受信した超音波信号を光信号に変換して伝送し、さらに電気信号である検出信号に変換して出力する。光検出器16は、超音波検出素子20の各々の検出領域に対応して、分光された複数の波長成分を検出するための複数の光電変換素子を有している。超音波受信部1の構成については、後で詳しく説明する。
【0017】
信号処理部2は、TGC(time gain compensation)増幅器51と、A/D変換器52と、1次記憶部53と、位相整合部54と、動作波長制御部55と、演算処理部56とを有しており、超音波受信部1から出力される検出信号を処理することにより、超音波受信部1の複数の検出領域における超音波の強度等の情報を表す信号を生成する。
【0018】
TGC増幅器51は、光検出器16から出力された検出信号を、検出時間に応じて利得を変化させながら増幅することにより、被検体内における超音波の減衰を調整する。A/D変換器52は、検出信号をディジタル信号(データ)に変換し、1次記憶部53は、それらの信号を時系列に記憶する。位相整合部54は、1次記憶部53に記憶されたデータに基づいて演算処理を行うことによって位相を調整する。
【0019】
動作波長制御部55は、超音波を受信する前にキャリブレーションを行う際に、光検出器16から出力された信号に基づいて、超音波検出素子20の各々の検出領域に対応する複数の光電変換素子の内のいずれの光電変換素子を超音波の検出用に選択するかを決定する。本発明によれば、1つの検出領域に対応して複数の検出信号が使用されるが、本実施形態においては、1つの検出領域に対応して、第1の検出信号及び第2の検出信号を得るために、2つの光電変換素子が選択される。従って、複数の検出領域に対応して、複数の第1の光電変換素子と複数の第2の光電変換素子、即ち、2組の光電変換素子が選択される。また、動作波長制御部55は、超音波を受信する際に、選択された2組の光電変換素子から出力された検出信号が1次記憶部53に記憶されるように、光検出器16又は信号処理部2を制御する。
【0020】
さらに、演算処理部56は、1次記憶部53に記憶されている2組の検出信号(データ)を用いて演算処理を行うことにより、超音波の強度等を求める。
画像メモリ(2次記憶部)61は、位相整合されたデータに基づく複数枚の面データを記憶する。画像処理部62は、それらのデータに基づいて、2次元データ又は3次元データを再構成すると共に、補間、レスポンス変調処理、階調処理等の処理を施す。画像表示部63は、例えば、CRTやLCD等のディスプレイ装置であり、これらの処理を施された画像データに基づいて画像を表示する。
【0021】
駆動信号発生回路81は、超音波を送信するための駆動信号を発生する。超音波送信部80は、駆動信号発生回路81から発生する駆動信号に基づいて超音波を送信する。超音波送信部80は、例えば、圧電素子に電極を形成した振動子によって構成される。圧電素子は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:polyvinyl difluoride)等の高分子圧電素子に代表される圧電性を有する材料等を含んでいる。振動子の電極に、駆動信号発生回路81からパルス状の電気信号或いは連続波電気信号を送って電圧を印加すると、圧電効果により圧電素子は伸縮する。これにより、振動子から超音波パルス或いは連続波超音波が発生する。
【0022】
タイミングコントロール部3は、所定のタイミングで駆動信号を発生するように駆動信号発生回路81を制御すると共に、送信時刻から一定時間経過後に光検出器16から出力される検出信号を取り込むように、信号処理部2を制御する。なお、超音波検出素子20と超音波送信部80とは、図1に示すように別々に設けても良いし、超音波検出素子20と超音波送信部80とを組み合わせることにより、超音波用探触子を形成しても良い。
【0023】
図2は、図1に示す超音波受信部1の構成を示す模式図である。超音波受信部1は、光源11から出射した光を平行光にして分波器に導くコリメートレンズ17と、超音波検出素子20から反射された光を平行光にして分波器に導くコリメートレンズ18とをさらに有している。また、コリメートレンズ18と超音波検出素子20との間で光を導くために、光伝送路13及びコリメート部14が設けられている。
以下においては、超音波検出素子20における光の波長と反射強度との関係を、反射特性と呼ぶものとする。
【0024】
光源11としては、反射特性の傾斜帯域以上の範囲をカバーできる帯域幅を有するものを用いることが望ましい。このような広帯域光(ブロードバンド)光を発生する光源として、例えば、LED(発光ダイオード)、SLD(スーパールミネッセントダイオード)、ASE(Amplified Spontaneous Emission)光源、若しくは、線幅の比較的大きいLD(レーザダイオード)等の光源が用いられる。
【0025】
分波器12は、ハーフミラー、光サーキュレータ、又は、偏光ビームスプリッター等によって構成され、第1の方向から入射した入射光を第2の方向に通過させると共に、第2の方向から戻ってくる光を第1の方向とは別の第3の方向に反射する。本実施形態においては、分波器12としてハーフミラーを用いている。ハーフミラーは、入射光を入射方向の反対方向に透過させ、入射方向の反対方向から戻ってくる光を、入射方向とほぼ90°をなす方向に反射する。
【0026】
光伝送路13は、分波器12を通過した光を超音波検出素子20に導く。光伝送路13としては、多数の(例えば、1024本)光ファイバを束ねたバンドルファイバが用いられる。図2には、1ライン上に配列された光ファイバOF1〜OFMが示されている。図2に示すように、多数の光ファイバは、超音波検出素子側(図中左側)においては受信面の形状(例えば、円状)に合わせて束ねられ、分波器12側(図中右側)においては、1ライン上に配列される。或いは、1ライン上に配列された光ファイバを、複数段に重ねても良い。
【0027】
光伝送路13の先端部は、コリメート部14を介して超音波検出素子20に、光軸を合わせて接続されている。コリメート部14は、例えば、コリメートレンズがアレイ化されたコリメートレンズアレイを含んでいる。光伝送路13及びコリメート部14の構成については、後で詳しく説明する。
【0028】
超音波検出素子20は、伝搬する超音波によって歪みを生じる2次元の受信面20aと、受信面20aにおいて受信される超音波に応じて伸縮する超音波有感部とを有している。この伸縮に応じて超音波有感部の光反射率が変動するので、光伝送路13及びコリメート部14を通って超音波検出素子20に入射した光は強度変調を受けて反射される。
【0029】
分光素子15は、例えば、回折格子やプリズム等によって構成され、入射光を波長に応じて異なる方向に出射する。即ち、分光素子15は、光ファイバOF1〜OFMから平行に出射された光線L1〜LMを分光し、分光された複数の光線を光検出器16に導く。
【0030】
或いは、分光素子15として、AWG(アレイ導波路格子)分光素子を用いても良い。図3に、AWG分光素子の構成を示す。
AWG分光素子としては、プレーナ光波回路(PLC:planar lightwave circuit)に含まれるアレイ導波路格子を用いるのが一般的である。図3に示すように、このアレイ導波路格子は、一本の入力導波路91が接続された入力側スラブ導波路92と、複数の出力導波路93a、93b、…が接続された出力側スラブ導波路94との間を、一定の導波路長差を有する複数のアレイ導波路95a、95b、…により接続して構成される。
【0031】
入力側スラブ導波度92は、入力導波路91の端部を曲率中心とする扇形をしている。また、出力側スラブ導波路94は、複数の出力導波路93a、93b、…の端部を曲率中心とする扇形をしている。複数のアレイ導波路95a、95b、…は、それぞれの光軸が入力側スラブ導波路92及び出力側スラブ導波路94の両方の曲率中心を通るように、放射状に配置されている。これにより、入力側スラブ導波路92及び出力側スラブ導波路94が、レンズと同等の機能を実現する。
【0032】
異なる複数の波長λ1〜λNを有する入射光は、入力導波路91に入射し、入力側スラブ導波路92のレンズ作用により複数のアレイ導波路95a、95b、…に導光される。入射光に含まれる複数の波長成分は、アレイ導波路95a、95b、…において励振し、それぞれの波長に応じた導波路長を有する複数の出力導波路93a、93b、…に導光される。
【0033】
再び図2を参照すると、光検出器16は、分光素子15によって分光された複数の波長成分を検出する。光検出器16としては、複数の光電変換素子が2次元に配列され、入射光を位置ごとに分割して検出することができる2次元光電変換器が用いられる。例えば、PDA(フォトダイオードアレイ)や、MOS型センサ等を用いることができる。或いは、CCD(charge coupled device)等のプログラマブルな2次元センサを用いても良い。
【0034】
これらの光学素子は、超音波検出素子の所定の微小領域から反射される光線に含まれる所定の波長を有する成分が、光検出器16の所定の光電変換素子に入射するように配置されている。本実施形態においては、超音波検出素子の異なる領域に接続されている光ファイバOF1、OF2、…から出射した光線L1、L2、…を、2次元に配列されている光電変換素子の第1列、第2列、…にそれぞれ対応させている。また、分光された成分の波長λ1、λ2、…を、光電変換素子の第1行、第2行、…にそれぞれ対応させている。このような対応が得られるように光学系を配置することにより、光検出器16の第n行第m列に位置する光電変換素子から出力される信号は、光ファイバOFmから出射した光線Lmに含まれる波長λnを有する成分であると特定される。
【0035】
次に、図4を参照しながら、超音波検出素子20の構造及び超音波の検出原理について詳しく説明する。超音波検出素子20は、基板21と、該基板の上に積層された多層膜22とを含む多層膜センサである。
基板21は、超音波を受信することによって歪みを生じる膜状の基板であり、例えば、直径2cm程度の円か、それ以上の面積を有している。基板21には、異なる屈折率を有する2種類の材料層を交互に積層することにより、ブラッググレーティング構造を有する多層膜22が形成されている。図4には、屈折率n1を有する材料層Aと、屈折率n2を有する材料層Bとが示されている。
【0036】
多層膜22の周期構造のピッチ(間隔)をdとし、入射光の波長をλとすると、ブラッグの反射条件は次の式で表される。ただし、mは任意の整数である。
2d・sinθ=mλ ・・・(1)
ここで、θは入射面から測った入射角であり、θ=π/2とすると次の式のようになる。
2d=mλ ・・・(2)
ブラッググレーティングは、ブラッグの反射条件を満たす特定の波長の光を選択的に反射し、その他の波長の光を透過させる。
【0037】
超音波検出素子20に超音波を伝搬させると、超音波の伝搬に伴い超音波検出素子20が歪み、多層膜22の各位置において周期構造のピッチdが変化する。これに伴い、選択的に反射される光の波長λが変化する。ブラッググレーティングの反射特性においては、最も光反射率の高い(透過率の低い)中心波長の前後に光反射率の変化する傾斜帯域がある。この傾斜帯域の範囲に中心波長を有する光を多層膜22に入射させながら基板21に超音波を加えると、受信面の各位置における超音波の強さに応じた反射光(又は透過光)の強度変化を観測できる。この光の強度変化を超音波の強度に換算することにより、超音波の2次元強度分布情報を取得できる。
【0038】
基板21の材料としては、石英ガラス(SiO2)やBK7(ショット社の製品)等の光学ガラス等が用いられる。また、材料層A及びBに用いられる物質としては、屈折率が互いに10%以上異なる物質の組み合わせが望ましい。これには、例えば、SiO2と酸化チタン(Ti2O3)との組み合わせや、SiO2と酸化タンタル(Ta2O5)との組み合わせ等が挙げられる。材料層A及びBは、基板21上に、真空蒸着やスパッタリング等の方法によって形成される。
【0039】
ところで、超音波の多重反射を抑制するためには、超音波が伝搬する距離を長くすることが有効である。超音波は、伝搬する際に少なからず減衰し、その伝搬距離が長いほど減衰量は大きくなる。そこで、十分な伝搬距離を取れば、一端に伝搬した超音波が他端において反射して戻る間に、超音波を十分に減衰させることができるからである。このため、本実施形態においては、光伝送路として光ファイバを用い、受信した超音波を光ファイバに伝搬させている。即ち、光伝送路に、光を通過させる機能と共に超音波を減衰させるバッキング部としての機能を持たせている。
【0040】
図5は、図2に示す光伝送路13、コリメート部14、及び、超音波検出素子20の一部を拡大して示す断面図である。図5に示すように、光伝送路(バンドルファイバ)13に含まれる光ファイバOF1、OF2、…は、コリメート部(コリメートレンズアレイ)14に含まれる複数のコリメートレンズ14aに、それぞれ光軸を合わせて接続され、さらに、超音波検出素子20に2次元的に配置されて接続されている。光ファイバOF1、OF2、…は、接着剤25を用いて束ねられている。
【0041】
光ファイバOF1、OF2、…は、例えば、2m程度の長さを有するシングルモード又はマルチモードファイバであり、樹脂系材料を含む粘度の低い部材(被覆材23)で覆われている。光ファイバを伝搬する間に超音波を減衰させるためには、2mという長さは効果的であるが、光ファイバを上記の部材で被覆することにより、超音波の伝搬エネルギー損失をさらに大きくして超音波減衰を早めることができる。
【0042】
ここで、光ファイバOF1、OF2、…中を伝送される光は、該光ファイバから出射する際に回折する。このため、光ファイバ13aを超音波検出素子20に直接接続すると光が拡散してしまい、超音波検出素子内で十分な干渉が生じなくなる。このため、超音波検出素子の検出感度が著しく悪くなってしまう。この現象を避けるため、光ファイバOF1、OF2、…の一端には、出射光の拡散を防止するためにコリメートレンズ14aがそれぞれ接続されている。コリメートレンズアレイに含まれる複数のコリメートレンズ14aは、それぞれの光ファイバによって導かれた光を、超音波検出素子20の超音波受信面における複数の位置に対してコリメートする。
【0043】
コリメートレンズ14aとしては、グラディアントインデックスレンズ(gradient index lens、以下GRINレンズと略す)が用いられる。GRINレンズは、例えば、セルフォック(Selfoc:日本板硝子株式会社の登録商標)レンズという製品名で知られている。GRINレンズは、位置によって異なる屈折率を有する屈折率分布型レンズであり、その長さを変えることによって光学特性が変化する。例えば、GRINレンズを物体像面間距離(光が正立に結像するピッチ)の1/4の長さにすると、入射光が平行光となって出射される。
【0044】
本実施形態においては、セルフォックレンズが多数配列されたセルフォックレンズアレイNA0.46(日本板硝子株式会社の製品)を、0.25Lの長さ(Lは、物体像面間距離)で使用し、それぞれのセルフォックレンズをコリメートレンズ14aとして光ファイバに接続している。
図5に示すように、コリメートレンズ14aを被覆材23によって覆っても良い。光ファイバOF1、OF2、…におけるものと同様に、超音波を早く減衰させるためである。
【0045】
光ファイバとコリメートレンズ、又は、コリメートレンズと超音波検出素子は、融着又は接着剤を用いて接続される。接着剤を用いる場合には、エポキシ系を含む樹脂系接着剤を用いることが望ましい。このような接着剤においては、音響インピーダンスが光ファイバ及びコリメートレンズの部材や超音波検出素子の基板と近似しているので、超音波が伝搬する際にそれぞれの部材の境界において反射するのを抑制できるからである。また、複数の光ファイバを束ねるための接着剤25としても、エポキシ系を含む樹脂系接着剤を用いることが望ましい。超音波を減衰させ、隣接する光ファイバ間における超音波のクロストークを防ぐと共に、ケーブルとしての柔軟性を保つことができるからである。本実施形態においては、このような接着剤として、STYCAST(Emerson&Cuming社の製品)を用いている。
【0046】
次に、本実施形態に係る超音波受信装置の動作について、図2、図6、及び、図7を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る超音波受信装置を含む超音波撮像装置の動作を示すフローチャートである。
まず、超音波の受信を行う前に、キャリブレーションを行い、超音波の検出において用いられる光の波長、即ち、動作波長を設定する。ここで、キャリブレーションとは、その時々の超音波検出素子の反射特性を測定し、検出信号として採用する波長成分を決定する作業のことをいう。本実施形態においては、ブロードバンド光に含まれる複数の波長成分の中から、2つの所定の波長成分から得られる第1の検出信号と第2の検出信号を用いて画素信号を生成する。超音波検出素子は、温度や湿度等の周囲の環境に対して非常に敏感であり、光の反射特性が変化しやすい。例えば、ブラッググレーティングを用いた超音波検出素子の反射光の中心波長は、0.01nm/℃の割合で変化する。また、2次元受信面を有する超音波検出素子においては、受信面の微小領域ごとに構造的なバラツキがある。このため、超音波を受信する前に、超音波検出素子の微小領域ごとに、2つの動作波長を設定しておく。
なお、このキャリブレーションは、超音波の受信を開始した後に、随時行っても良い。
【0047】
ステップS1において、超音波受信装置を駆動する。これより、例えば、図7の(a)に示すようなスペクトル特性を有するブロードバンド光が、光源11から出射する。光源から出射した光は、コリメートレンズ17、分波器12、コリメートレンズ18を通過し、1ライン上に配列されている光ファイバOF1〜OFMに入射する。各光ファイバを介して伝送された光は、超音波検出素子20の各微小領域に入射し、各微小領域の光反射率に対応して反射した光が光ファイバから出射する。光ファイバOF1〜OFMから出射した光線L1〜LMは、再び、コリメートレンズ18を通過し、分波器12によって反射され、分光素子15に入射する。光線L1〜LMは、分光素子15において分光され、それぞれの波長成分が、光検出器16のそれぞれの列に含まれる複数の光電変換素子に、波長に応じて入射する。
【0048】
これにより、ステップS2において、光線L1〜LMに対応する光検出器16のそれぞれの列から、波長λ1〜λNに対応する光電変換素子の検出信号が得られる。それぞれの光電変換素子から出力された信号は、TGC増幅器51及びA/D変換器52においてデータ変換され、1次記憶部53に記憶される。図7の(b)は、光検出器16の第m列に含まれる光電変換素子から出力された信号に基づいて得られたグラフであり、光ファイバOFmを通過し、これに対応する超音波検出素子の微小領域から反射された光線Lmのスペクトル分布を示している。図7の(b)に示すように、光線Lmは、ブラッグの反射条件によって選択的に反射される波長λXにおいて、最も高い強度を有している。
【0049】
次に、ステップS3において、光検出器16の列ごとに、検出に用いる2つの光電変換素子を選択する。図7の(c)に示すように、動作波長制御部55は、ステップS2において得られた信号に基づいて微小領域ごとに光の反射特性を求め、これに基づいて検出に用いる複数の波長(動作波長)を決定し、それらの波長成分が入射する2つの光電変換素子を選択する。なお、動作波長の決定の仕方については、後で詳しく説明する。
【0050】
同様にして、光ファイバOF1、OF2、…から出射される光線L1、L2、…が入射する複数の列について、検出信号を取得する光電変換素子を2組選択することにより、動作波長が設定される。
【0051】
次に、超音波の受信を行う。
ステップS4において、超音波受信装置を駆動する。これにより、光源から出射したブロードバンド光は、光ファイバOF1〜OFMを介して超音波検出素子20の微小領域に入射する。それぞれの微小領域から反射された光線L1〜LMは、分光素子15において分光され、光検出器16に入射する。
【0052】
次に、ステップS5において、超音波撮像装置に含まれる超音波送信部80から超音波を送信し、被検体から反射されたエコー波を受信する。これにより、超音波検出素子20の各微小領域において周期構造のピッチが変化し、ブラッググレーティングの反射特性が変化するので、ステップS3において選択された光電変換素子に入射する光の強度も変化する。
【0053】
次に、ステップS6において、少なくとも選択された2組の光電変換素子から出力される検出信号を取得する。光検出器16は、動作波長制御部55の制御の下で、ステップS3において選択された光電変換素子からの検出信号を信号処理部2に出力する。
ステップS6において取得された検出信号は、TGC増幅器51及びA/D変換器52において処理され、1次記憶部53に時系列に記憶される(ステップS7)。
【0054】
次に、ステップS8において、演算処理部56は、1次記憶部53に記憶されている検出信号を用いて演算処理を行う。この演算処理は、光検出器に含まれる1列の光電変換素子について、選択された2組の信号を用いて行われ、その結果得られた信号は、1つの画素に関する信号(画素信号)を表す。この演算処理については、後で詳しく説明する。この検出信号は、再び1次記憶部53に時系列に記憶される。
【0055】
ステップS9において、位相整合部54は、演算処理を施された後に記憶された検出信号に対して位相整合を行う。
さらに、ステップS10において、位相整合された信号は、画像メモリ61に、フレームごとに記憶され、さらに、画像処理部62において2次元又は3次元データとして再構成され、補間、レスポンス変調処理、階調処理等の画像処理を施された後に、画像表示部63に表示される。
【0056】
次に、動作波長の設定及び検出信号の演算処理について、詳しく説明する。
図7の(c)は、光線Lmに対応する超音波検出素子の微小領域におけるブラッググレーティングの反射特性を表している。先にも述べたように、この反射特性においては、最も光反射率の高い中心波長λXの前後に、光反射率が変化する傾斜帯域Δλn及びΔλmが存在する。この傾斜帯域Δλn及びΔλmに中心波長を有する波長成分λn及びλmの強度は、超音波を受信することによって生じる超音波検出素子の幾何的変化によって大きく変化する。即ち、傾斜帯域Δλn及びΔλmの分光領域において、大きな強度変化が観察される。この強度変化を超音波の強度に換算すれば受信された超音波情報を得ることができるが、強度変化が僅かだったりノイズが多い場合には、正確な測定を行うことができない。このため、本実施形態においては、検出信号を増幅し、SN比を高くするために、取得された信号に対して演算処理を行っている。以下、この演算処理について、具体的に説明する。
【0057】
(1)等しい光反射率を有する複数の波長を設定する場合
図8の(a)に示すように、動作波長として、最も光反射率の高い中心波長λXの両側にある所定の光反射率(例えば、25%)を有する波長成分(λA及びλB)を動作波長として決定する。超音波を受信することにより、この反射特性は、時刻t0〜t4において、図8の(a)〜(c)に示すように変化する。これに伴い、波長成分λA及びλBの強度は、図9の(a)及び(b)に示すように変化する。ここで、図9の(a)は、波長成分λAの強度を示す検出信号SAの波形を示し、図9の(b)は、波長成分λBの強度を示す検出信号SBの波形をそれぞれ示している。
【0058】
波長λXの両側にある波長λA及びλBを動作波長として選択すると、図9(a)及び(b)に示すように、振幅の絶対値が等しく、位相が反対の信号が得られる。そこで、この場合には、いずれかの信号の位相を反転してから加算する。例えば、図9の(b)に示すように、検出信号SBの反転信号SBバーを得て、図9の(c)に示すように、検出信号SAと反転信号SBバーとを加算する。この加算された信号を、1つの画素信号とする。
【0059】
ここで、信号SA及びSBの振幅の絶対値をそれぞれ|SA|及び|SB|とし、ノイズをそれぞれNA、NBとすると、加算された場合の振幅は|SA|+|SB|、ノイズは(NA 2+NB 2)1/2となる。従って、SN比は、次式で表される。
S/N=(|SA|+|SB|)/(NA 2+NB 2)1/2
ここで、両信号の振幅の絶対値が等しいので、
となる。このように、1つの画素信号として、検出信号SAや検出信号SBを単独で用いる場合には、SN比はSA/NAであるが、複数の信号を用いて演算処理を行うことにより、SN比は21/2倍に上昇する。また、演算処理によって得られた信号においては、加算した信号振幅は常に一定なので、温度変化等によって反射特性の初期位相がシフトした場合でも、温度変化等によるレベル変動や波形歪みの影響を受け難いというメリットがある。
【0060】
(2)異なる光反射率を有する複数の波長を選択する場合
図10の(a)に示すように、異なる光反射率(例えば、25%及び50%)を有する波長を動作波長として設定する。波長λXに対して同じ側にある波長λC及びλDを動作波長として選択すると、超音波を受信することによって図10の(a)〜(c)に示すように反射特性が変化した結果、図11の(a)及び(b)に示すように、同位相の検出信号SC及びSDが得られる。この場合には、図11の(c)に示すように、検出信号SCと検出信号SDとを単純に加算して1つの画素信号とすれば良い。
【0061】
なお、本実施形態においては、1つの光線に含まれる2つの波長成分から得られる2つの検出信号を演算処理することにより、1つの画素信号を取得しているが、3つ以上の波長成分から得られる3つ以上の検出信号を用いて同様の演算処理を行っても良い。
【0062】
次に、本発明の第2の実施形態に係る超音波受信装置について、図12を参照しながら説明する。図12は、本実施形態に係る超音波受信装置を適用した超音波撮像装置を示すブロック図である。
図12に示すように、この超音波撮像装置は、第1の実施形態における信号処理部2の替わりに、信号処理部4を有している。本実施形態に係る超音波受信装置は、超音波受信部1と、信号処理部4と、タイミングコントロール部3とを含んでおり、第1の実施形態とは、信号処理における動作が異なっている。その他の構成については、第1の実施形態と同様である。
【0063】
信号処理部4は、反転回路71と、加算回路72と、TGC増幅器73と、A/D変換器74と、1次記憶部75と、位相整合部76と、動作波長制御部77と、選択回路78とを有している。
選択回路78は、動作波長制御部77の制御の下で、光検出器16の複数の光電変換素子から出力される複数の検出信号の中から、2組の検出信号を選択する。反転回路71は、選択回路78が選択した第1組の検出信号を反転して出力する。加算回路72は、反転回路71によって反転された第1組の検出信号を、光電変換素子から入力された第2組の検出信号にそれぞれ加算して出力する。これらの回路は、例えば、オペアンプ等によって構成することができる。
【0064】
TGC増幅器73は、加算回路72から出力された信号を、検出時間に応じて利得を変化させながら増幅することにより、被検体内における超音波の減衰を調整する。A/D変換器74は、TGC増幅器73によって増幅された信号をディジタル信号に変換する。1次記憶部75は、A/D変換器74から出力された信号を時系列に記憶し、位相整合部76は、1次記憶部75に記憶された信号に基づいて演算処理を行うことにより位相を整合する。動作波長制御部77は、光検出器16に含まれる列ごとに、動作波長成分が入射する複数の光電変換素子を選択すると共に、選択された光電変換素子から出力される検出信号が加算回路72又は反転回路71に入力されるように、光検出器16又は信号処理部3を制御する。
【0065】
次に、本実施形態に係る超音波受信装置の動作について、図12〜図14を参照しながら説明する。図13は、本実施形態に係る超音波受信装置を含む超音波撮像装置の動作を示すフローチャートである。
本実施形態においては、第1の実施形態におけるステップS1〜S3と同様にキャリブレーションを行い、ステップS4〜S6と同様に超音波を受信し、選択された複数の光電変換素子からの検出信号を取得する。ここでは、図8の(a)〜(c)に示す波長λA及びλBを動作波長として設定する。
【0066】
ステップS21において、反転回路71は、所定の光電変換素子から出力された第1組の検出信号を入力して反転する。次に、ステップS22において、加算回路72は、反転回路71によって反転された第1組の検出信号と、別の所定の光電変換素子から出力された第2組の検出信号とを入力し、第1組の検出信号と第2組の検出信号とをそれぞれ加算して出力する。ここで、図14の(a)は、波長成分λAに対応する検出信号SAの波形を示している。また、図14の(b)は、波長成分λBに対応する検出信号SBの波形を示し、図14の(b)における破線は、反転信号SBバーの波形を示している。さらに、図14の(c)は、検出信号SAと反転信号SBバーとを加算した信号の波形を示している。
【0067】
ステップS23において、加算回路72から出力された信号は、TGC増幅器73及びA/D変換器74による信号処理を経て、1次記憶部75に時系列に記憶される。さらに、1次記憶部75に記憶された信号は、位相整合部76によって位相整合される。
さらに、第1の実施形態と同様に、位相整合された信号は、画像メモリ61にフレームごとに記憶され、さらに、画像処理部62において2次元又は3次元データとして再構成され、補間、レスポンス変調処理、階調処理等の画像処理を施された後に、画像表示部63に表示される(ステップS10)。
【0068】
本実施形態によれば、アナログ信号を加算するので、図14の(c)に示すように、信号に含まれるAC成分が増幅されると共に、DC成分がゼロに近くなる。このため、アンプやADC等の信号処理系におけるダイナミックレンジが小さくて済む。
【0069】
本発明の第1又は第2の実施形態は、次のように変形することができる。この変形例について、図15を参照しながら説明する。この例は、図2における超音波検出素子20の替わりに、図15に示す超音波検出素子(エタロンセンサ)30を用いている。その他の構成については、図1又は図12を用いて説明したのと同様である。
図15に示すように、基板31は、超音波によって変形する膜状の基板である。基板31に対向して、基板32が配置されており、これらはエタロンと同様の構造を形成している。
【0070】
基板31及び32の光反射率をR、これらの基板の間隔をdとし、入射光の波長をλとすると、エタロンの透過率は次のように表される。ただし、nは任意の整数である。
T={1+4R/(1−R)2・sin2(φ/2)}-1 …(3)
φ=2π/λ・2nd・cosθ …(4)
ここで、θは出射面の垂線から測った出射角であり、θ=0とすると次の式のようになる。
φ=4πnd/λ …(5)
エタロンは、波長λの光を透過率Tで透過し、光反射率R=(1−T)で反射する。
【0071】
超音波検出素子30に超音波を伝搬させると、基板31が歪み、受信面の各位置において基板31及び32の間隔dが変化するので、波長λの光の反射率が変化する。そこで、図6を用いて説明したのと同様に、事前検出を行い、光検出器において、光反射率の変化の大きい領域に中心波長を有する光が入射する光電変換素子を選択し、ブロードバンド光を入射させながら基板31に超音波を印加する。これにより、受信面の各位置における超音波の強さに応じた反射光において、波長成分ごとの強度変化を観測できる。この波長成分を示す検出信号について演算処理を施すことにより、超音波の強度を2次元的に計測することができる。
【0072】
本発明の第1又は第2の実施形態における別の変形例について、図16を参照しながら説明する。この変形例は、図2に示す超音波検出素子20、光伝送路13、及び、コリメート部14の替わりに、図16の(a)に示すように、超音波有感部を有するバンドルファイバ40を用いている。その他の構成については、図1又は図12を用いて説明したのと同様である。
【0073】
図16の(b)に、バンドルファイバ40に含まれる複数のファイバ40aの構成を示す。複数のファイバ40aの各々は、光ファイバ41とコリメートレンズ42とを含んでいる。本実施形態においては、第1の実施形態におけるものと同様に、コリメートレンズ42として、0.25Lの長さを有するセルフォックレンズを用いている。また、両者は、融着又はエポキシ系を含む樹脂系接着剤によって接続されている。
【0074】
コリメートレンズ42の一端には、2種類の材料層が交互に積層された多層膜43が形成されている。この多層膜43が、ブラッググレーティング構造を構成し、超音波有感部として働く。多層膜43の材料としては、例えば、SiO2と酸化チタン(Ti2O3)との組み合わせや、SiO2と酸化タンタル(Ta2O5)との組み合わせ等が用いられる。このような材料層は、コリメートレンズ42上に、真空蒸着やスパッタリング等の方法によって形成されている。
【0075】
ファイバ40aは、ファイバ40aの一端に伝搬した超音波が他端において反射する前に、超音波が減衰してしまうように、粘度の低い部材(被覆材44)によって覆われている。さらに、図16の(b)に示すように、被覆材44がコリメートレンズ42まで覆うようにしても良い。これにより、ファイバ40aに伝搬した超音波のエネルギー損失を大きくすることができるので、超音波を早く減衰させてバッキング部としての効果を上げることができる。
このような複数のファイバ40aを、エポキシ系を含む樹脂系接着剤を用いて多数束ねることにより、超音波有感部を有するバンドルファイバ40が作製される。
【0076】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、超音波検出素子の各々の検出領域において変調された光の複数の波長成分を検出して得られた複数の検出信号を用いて演算処理を施すので、検出信号のSN比を向上させることができる。これらの検出信号は、キャリブレーションにより超音波検出素子の反射特性を求め、その反射特性に基づいて超音波の検出に用いる光電変換素子を選択することにより得られるので、温度や湿度等の環境によって反射特性が変化しても、検出感度の変動を低減することができ、超音波検出素子の構造的な歪みによる微小領域ごとの感度のバラツキを抑えて高い検出感度を維持することができる。さらに、ブロードバンド光を用い、その分光光の中から超音波の検出に用いる波長を選択するので、環境や検出領域に応じて光の波長を制御する必要がなく、また、検出領域ごとの反射特性を変える必要もない。これより、超音波受信装置の構成を簡単にして小型化することができる。従って、超音波受信装置の製造が容易になり、コストを削減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波受信装置を適用した超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波受信部の構成を示す模式図である。
【図3】AWG分光素子の構成を示す図である。
【図4】図2に示す超音波検出素子の超音波検出原理を説明するための図である。
【図5】図2に示す超音波検出素子、コリメート部、及び、光伝送路の接続部分を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る超音波受信装置を含む超音波撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る超音波受信装置の動作を説明するための図である。
【図8】超音波検出素子における光の反射特性の変化を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る超音波受信装置の動作における信号処理方法を説明するための図である。
【図10】超音波検出素子における光の反射特性の変化を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る超音波受信装置の動作における別の信号処理方法を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る超音波受信装置を適用した超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る超音波受信装置を含む超音波撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る超音波受信装置の動作における信号処理方法を説明するための図である。
【図15】本発明の第1又は第2の実施形態に係る超音波受信装置の変形例を説明するための図である。
【図16】本発明の第1又は第2の実施形態に係る超音波受信装置の別の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 超音波受信部 2、4 信号処理部
3 タイミングコントロール部 11 光源
12 分波器 13 光伝送路
14 コリメート部
14a、17、18 コリメートレンズ
15 分光素子 16 光検出器
20、30 超音波検出素子 20a 受信面
21、31、32 基板 22、43 多層膜
23、44 被覆材 25 接着剤
40 超音波有感部を有するバンドルファイバ
40a ファイバ 41、OF1〜OFM 光ファイバ
42 コリメートレンズ 51、73 TGC増幅器
52、74 A/D変換器 53、75 1次記憶部
54、76 位相整合部 55、77 動作波長制御部
56 演算処理部 61 画像メモリ(2次記憶部)
62 画像処理部 63 画像表示部
71 反転回路 72 加算回路
78 選択回路 80 超音波送信部
81 駆動信号発生回路 91 入力導波路
92 入力側スラブ導波路 93a、93b、… 出力導波路
94 出力側スラブ導波路 95a、95b、… アレイ導波路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ultrasonic receiving apparatus and an ultrasonic receiving method used for obtaining an ultrasonic image by receiving ultrasonic waves.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in an ultrasonic imaging apparatus, a piezoelectric ceramic represented by PZT (lead zirconate titanate) or PVDF (polyfluoride) is used as an element (vibrator) for transmitting and receiving ultrasonic waves. One-dimensional sensor arrays using piezoelectric elements including polymer piezoelectric elements such as polyvinyl difluoride are common. While moving such a one-dimensional sensor array mechanically, a two-dimensional image at a plurality of cross-sections of a subject is acquired, and a three-dimensional image is obtained by combining the two-dimensional images.
[0003]
However, according to this method, since there is a time lag in the moving direction of the one-dimensional sensor array, cross-sectional images at different times are synthesized, so that the synthesized image becomes blurred. Therefore, it is not suitable for a subject that is intended for a living body as in the case where ultrasonic echo observation or the like is performed using an ultrasonic imaging apparatus.
[0004]
In order to acquire a high-quality three-dimensional image using ultrasonic waves, a two-dimensional sensor that can acquire a two-dimensional image without moving the sensor array is necessary.
However, when producing a two-dimensional sensor array using the above-mentioned PZT or PVDF, fine processing of elements and wiring to a large number of fine elements are necessary, and miniaturization and element integration beyond the current level are difficult. . Even if they are solved, there is a problem that crosstalk between elements increases, an SN ratio is deteriorated due to an increase in electrical impedance due to fine wiring, and an electrode portion of the fine element is easily broken. Therefore, it is difficult to realize a two-dimensional sensor array using PZT or PVDF.
[0005]
On the other hand, there is also known a sensor that detects a received ultrasonic signal by converting it into an optical signal. As such an optical detection type ultrasonic sensor, one using a fiber Bragg grating (abbreviated as FBG) (see Non-Patent Document 1) or one using a Fabry-Perot resonator (abbreviated as FPR) structure (Non-Patent Document 2). Have been reported). When a two-dimensional sensor array is manufactured using such an ultrasonic sensor, there is an advantage that electrical wiring to a large number of fine elements is unnecessary and good sensitivity can be obtained.
[0006]
An optical detection type ultrasonic sensor having a two-dimensional detection surface is also known. For example, Non-Patent
[0007]
However, such an ultrasonic detection element has a large variation in detection sensitivity because the light reflection characteristics change due to changes in temperature and humidity. In addition, in an ultrasonic detection element having a two-dimensional detection surface, the light reflection characteristics differ depending on the position of the detection surface, resulting in variations in detection sensitivity. As described above, in an ultrasonic receiving apparatus using a light detection method, it is a big practical problem to control a change or variation in detection sensitivity due to environmental factors such as temperature and structural factors. For this purpose, for example, the wavelength of the light emitted from the light source may be adjusted to a point where the sensitivity of the ultrasonic detection element is increased. However, the wavelength of the light source light is adjusted to a very steep reflection characteristic. It is difficult to install. On the other hand, a method of making broadband light incident on an ultrasonic detection element having different reflection characteristics depending on the position and filtering the reflected light may be considered, but in this case, the configuration of the ultrasonic detection element becomes complicated. There is a problem that the cost becomes high. Furthermore, a method of changing the reflection characteristics for each detection region of the ultrasonic detection element is also conceivable, but in this case also, the configuration of the ultrasonic detection element becomes complicated and the cost is increased.
[0008]
Further, in order to increase the detection sensitivity in such an ultrasonic receiving device, for example, the inclination of the light reflectance in the light reflection characteristics of the ultrasonic detecting element is increased, or the ultrasonic wave when receiving the ultrasonic wave is used. It is conceivable to increase the amount of distortion of the sensor. However, if the slope of the light reflectance in the reflection characteristics is increased, the accuracy of adjusting the wavelength of the light used for detection also becomes severe. In addition, in order to increase the distortion amount of the ultrasonic sensor, a soft member may be used on the ultrasonic receiving surface of the ultrasonic sensor, but this also increases the temperature dependence of the reflection characteristics of the ultrasonic sensor, and the detection. Operation becomes unstable.
[0009]
[Non-Patent Document 1]
TAKAHASHI and two others, “Underwater Acoustic Sensor with Fiber Bragg Grating”, OPTICAL REVIEW, Vol. 4, No. 6 (1997), P. 691-694
[Non-Patent Document 2]
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[Non-Patent Document 3]
Beard and two others, “Transduction Mechanisms of the Fabry-Perot Polymer Film Sensing Concept for Wideband Ultrasound Detection”・ Ei Newsletter (IEEE TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL), VOL. 46, NO. 6 (NOVEMBER 1999), P.1575-1582
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, in view of the above points, the present invention is to improve the S / N ratio of a detection signal and the like while suppressing the increase in size and cost of the device in the photodetection type ultrasonic reception device and the ultrasonic reception method. Objective.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the ultrasonic receiver according to the present invention expands and contracts according to the light source that generates broadband light and the received ultrasonic waves, and the light reflectance varies according to the expansion and contraction. An ultrasonic detection element including an ultrasonic sensitive unit that modulates the intensity of light generated by the light source, a spectral unit that splits the light whose intensity is modulated by the ultrasonic detection element, and a plurality of lights dispersed by the spectral unit By detecting each wavelength component, at least a first detection signal obtained by detecting the first wavelength component and a second detection signal obtained by detecting the second wavelength component are generated. Arithmetic processing for obtaining information related to the ultrasonic wave received by the ultrasonic detecting element by performing arithmetic processing using the light detection means having a plurality of photoelectric conversion elements and the first detection signal and the second detection signal. Means .
[0012]
Here, the spectroscopic unit may simultaneously split a plurality of light beams guided from a plurality of detection areas of the ultrasonic detection element, respectively, and the light detection unit may respectively split the plurality of light beams separated by the spectroscopic unit. You may detect for every wavelength.
[0013]
In addition, the ultrasonic receiving method according to the present invention is an ultrasonic detecting element that modulates the intensity of light generated by a light source by expanding and contracting according to received ultrasonic waves and changing light reflectance according to expansion and contraction. Light is incident, and the intensity-modulated light is dispersed by receiving the ultrasonic wave at the ultrasonic detection element, and detected for each of a plurality of wavelength components using a light detection means having a plurality of photoelectric conversion elements. A first detection signal obtained by detecting the first wavelength component and a second detection signal obtained by detecting the second wavelength component for each of the plurality of detection areas of the ultrasonic detection element; At least in step (a), and by performing arithmetic processing using the first detection signal and the second detection signal, the ultrasonic wave received in each of the plurality of detection areas of the ultrasonic detection element Step for obtaining information (b Comprising the door.
[0014]
Here, step (b) may include adding the first detection signal and the second detection signal after inverting one of the phases.
According to the present invention, arithmetic processing is performed using a plurality of detection signals obtained by detecting a plurality of wavelength components of light modulated by the ultrasonic detection element, so that the SN ratio of the detection signal is improved. Can do.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. The same constituent elements are denoted by the same reference numerals, and the description thereof is omitted.
FIG. 1 is a block diagram showing an ultrasonic imaging apparatus to which the ultrasonic receiving apparatus according to the first embodiment of the present invention is applied. The ultrasonic receiving apparatus includes an
[0016]
The
[0017]
The
[0018]
The
[0019]
When the calibration is performed before receiving the ultrasonic wave, the operating
[0020]
Further, the
The image memory (secondary storage unit) 61 stores a plurality of pieces of plane data based on the phase-matched data. The
[0021]
The drive
[0022]
The
[0023]
FIG. 2 is a schematic diagram showing a configuration of the
Hereinafter, the relationship between the wavelength of light and the reflection intensity in the
[0024]
As the
[0025]
The
[0026]
The
[0027]
The tip of the
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
Alternatively, an AWG (arrayed waveguide grating) spectroscopic element may be used as the
As an AWG spectroscopic element, an arrayed waveguide grating included in a planar lightwave circuit (PLC) is generally used. As shown in FIG. 3, the arrayed waveguide grating includes an input-
[0031]
The input-
[0032]
Different wavelengths λ1~ ΛNIs incident on the
[0033]
Referring again to FIG. 2, the
[0034]
These optical elements are arranged so that a component having a predetermined wavelength included in a light beam reflected from a predetermined minute region of the ultrasonic detection element is incident on a predetermined photoelectric conversion element of the
[0035]
Next, the structure of the
The board |
[0036]
When the pitch (interval) of the periodic structure of the
2d · sin θ = mλ (1)
Here, θ is an incident angle measured from the incident surface, and when θ = π / 2, the following equation is obtained.
2d = mλ (2)
The Bragg grating selectively reflects light of a specific wavelength that satisfies the Bragg reflection condition and transmits light of other wavelengths.
[0037]
When the ultrasonic wave is propagated to the ultrasonic
[0038]
The material of the
[0039]
By the way, in order to suppress the multiple reflection of the ultrasonic wave, it is effective to increase the distance that the ultrasonic wave propagates. Ultrasonic waves are attenuated to a large extent when propagating, and the amount of attenuation increases as the propagation distance increases. Therefore, if a sufficient propagation distance is provided, the ultrasonic wave can be sufficiently attenuated while the ultrasonic wave propagated to one end is reflected and returned at the other end. For this reason, in the present embodiment, an optical fiber is used as the optical transmission path, and the received ultrasonic wave is propagated to the optical fiber. In other words, the optical transmission path is provided with a function as a backing part for attenuating ultrasonic waves as well as a function for transmitting light.
[0040]
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view showing a part of the
[0041]
Optical fiber OF1, OF2,... Are, for example, single mode or multimode fibers having a length of about 2 m and are covered with a low-viscosity member (covering material 23) containing a resin-based material. In order to attenuate the ultrasonic wave while propagating through the optical fiber, a length of 2 m is effective. However, by covering the optical fiber with the above member, the propagation energy loss of the ultrasonic wave can be further increased. Ultrasonic attenuation can be accelerated.
[0042]
Here, optical fiber OF1, OF2,... The light transmitted through is diffracted when it is emitted from the optical fiber. For this reason, when the optical fiber 13a is directly connected to the
[0043]
As the
[0044]
In this embodiment, a Selfoc lens array NA0.46 (product of Nippon Sheet Glass Co., Ltd.) in which a number of Selfoc lenses are arranged is used with a length of 0.25 L (L is the distance between object image planes). Each Selfoc lens is connected to an optical fiber as a
As shown in FIG. 5, the collimating
[0045]
The optical fiber and the collimating lens, or the collimating lens and the ultrasonic detection element are connected using fusion or an adhesive. When using an adhesive, it is desirable to use a resin adhesive including an epoxy resin. In such adhesives, the acoustic impedance is similar to that of optical fiber and collimating lens members and the substrate of the ultrasonic detection element, so that reflection of ultrasonic waves at the boundary of each member is suppressed when propagating. Because it can. In addition, it is desirable to use a resin adhesive including an epoxy as the adhesive 25 for bundling a plurality of optical fibers. This is because the ultrasonic wave is attenuated to prevent ultrasonic crosstalk between adjacent optical fibers and to maintain flexibility as a cable. In the present embodiment, STYCAST (product of Emerson & Cuming) is used as such an adhesive.
[0046]
Next, the operation of the ultrasonic receiving apparatus according to the present embodiment will be described with reference to FIG. 2, FIG. 6, and FIG. FIG. 6 is a flowchart showing the operation of the ultrasonic imaging apparatus including the ultrasonic receiving apparatus according to this embodiment.
First, before receiving ultrasonic waves, calibration is performed to set the wavelength of light used in ultrasonic detection, that is, the operating wavelength. Here, the calibration refers to an operation of measuring the reflection characteristics of the ultrasonic detection element and determining a wavelength component to be used as a detection signal. In the present embodiment, a pixel signal is generated using a first detection signal and a second detection signal obtained from two predetermined wavelength components from among a plurality of wavelength components included in broadband light. The ultrasonic detection element is very sensitive to the surrounding environment such as temperature and humidity, and the light reflection characteristics are likely to change. For example, the center wavelength of reflected light of an ultrasonic detection element using a Bragg grating changes at a rate of 0.01 nm / ° C. Further, in an ultrasonic detection element having a two-dimensional receiving surface, there is a structural variation for each minute region of the receiving surface. For this reason, before receiving an ultrasonic wave, two operating wavelengths are set for each minute region of the ultrasonic detection element.
This calibration may be performed at any time after the reception of ultrasonic waves is started.
[0047]
In step S1, the ultrasonic receiver is driven. Thereby, for example, broadband light having a spectral characteristic as shown in FIG. 7A is emitted from the
[0048]
Thereby, in step S2, the light beam L1~ LMFrom each column of
[0049]
Next, in step S3, two photoelectric conversion elements used for detection are selected for each column of the
[0050]
Similarly, optical fiber OF1, OF2,...1, L2The operating wavelength is set by selecting two sets of photoelectric conversion elements that acquire detection signals for a plurality of columns on which.
[0051]
Next, ultrasonic waves are received.
In step S4, the ultrasonic receiver is driven. Thereby, the broadband light emitted from the light source is converted into the optical fiber OF.1~ OFMThrough the microscopic region of the
[0052]
Next, in step S5, an ultrasonic wave is transmitted from the ultrasonic
[0053]
Next, in step S6, detection signals output from at least two selected sets of photoelectric conversion elements are acquired. The
The detection signal acquired in step S6 is processed in the
[0054]
Next, in step S <b> 8, the
[0055]
In step S <b> 9, the
Further, in step S10, the phase-matched signal is stored for each frame in the
[0056]
Next, operation wavelength setting and detection signal calculation processing will be described in detail.
(C) in FIG.mRepresents the reflection characteristics of the Bragg grating in the minute region of the ultrasonic detection element corresponding to. As described above, in this reflection characteristic, the center wavelength λ having the highest light reflectivity is obtained.XBefore and after the slope band Δλ where the light reflectance changesnAnd ΔλmExists. This slope band ΔλnAnd ΔλmA wavelength component λ having a center wavelength atnAnd λmThe intensity of is greatly changed by the geometric change of the ultrasonic detection element caused by receiving the ultrasonic wave. That is, the slope band ΔλnAnd ΔλmA large intensity change is observed in the spectral region. If this intensity change is converted into the intensity of the ultrasonic wave, the received ultrasonic information can be obtained, but if the intensity change is slight or there is a lot of noise, accurate measurement cannot be performed. For this reason, in this embodiment, in order to amplify the detection signal and increase the SN ratio, arithmetic processing is performed on the acquired signal. Hereinafter, this arithmetic processing will be specifically described.
[0057]
(1) When setting a plurality of wavelengths having equal light reflectance
As shown in FIG. 8A, the center wavelength λ having the highest light reflectivity is set as the operating wavelength.XWavelength components (λ having a predetermined light reflectance (for example, 25%) on both sides ofAAnd λB) As the operating wavelength. By receiving ultrasonic waves, this reflection characteristic is0~ TFourIn FIG. 8, it changes as shown in (a) to (c) of FIG. Accordingly, the wavelength component λAAnd λBThe intensity changes as shown in FIGS. 9A and 9B. Here, (a) in FIG. 9 shows the wavelength component λ.ASignal S indicating the intensity ofAFIG. 9B shows the wavelength component λ.BSignal S indicating the intensity ofBThe waveforms are shown respectively.
[0058]
Wavelength λXWavelength λ on both sides ofAAnd λBIs selected as the operating wavelength, as shown in FIGS. 9A and 9B, a signal having the same absolute value of amplitude and opposite phase can be obtained. Therefore, in this case, the phase of any signal is inverted and then added. For example, as shown in FIG.BInverted signal SBAs shown in FIG. 9C, the detection signal S is obtained.AAnd inverted signal SBAdd the bar. This added signal is defined as one pixel signal.
[0059]
Where signal SAAnd SBThe absolute value of the amplitude of each | SA| And | SB|, And each noise is NA, NBThen, the amplitude when added is | SA| + | SB|, Noise is (NA 2+ NB 2)1/2It becomes. Therefore, the S / N ratio is expressed by the following equation.
S / N = (| SA| + | SB|) / (NA 2+ NB 2)1/2
Here, since the absolute values of the amplitudes of both signals are equal,
It becomes. Thus, the detection signal S is used as one pixel signal.AAnd detection signal SBIs used alone, the S / N ratio is SA/ NAHowever, the signal-to-noise ratio is 2 by performing arithmetic processing using a plurality of signals.1/2Doubles. In addition, in the signal obtained by the arithmetic processing, since the added signal amplitude is always constant, even if the initial phase of the reflection characteristic is shifted due to a temperature change or the like, it is difficult to be affected by level fluctuations or waveform distortion due to a temperature change or the like. There is a merit.
[0060]
(2) When selecting a plurality of wavelengths having different light reflectivities
As shown in FIG. 10A, wavelengths having different light reflectances (for example, 25% and 50%) are set as operating wavelengths. Wavelength λXWavelength λ on the same side with respect toCAnd λDIs selected as the operating wavelength, the reflection characteristics are changed as shown in FIGS. 10 (a) to 10 (c) by receiving ultrasonic waves, and as shown in FIGS. 11 (a) and 11 (b), In-phase detection signal SCAnd SDIs obtained. In this case, as shown in FIG.CAnd detection signal SDAre simply added to form one pixel signal.
[0061]
In the present embodiment, one pixel signal is obtained by performing arithmetic processing on two detection signals obtained from two wavelength components included in one light beam, but from three or more wavelength components. Similar arithmetic processing may be performed using three or more detection signals obtained.
[0062]
Next, an ultrasonic receiving apparatus according to the second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 12 is a block diagram showing an ultrasonic imaging apparatus to which the ultrasonic receiving apparatus according to this embodiment is applied.
As shown in FIG. 12, this ultrasonic imaging apparatus has a
[0063]
The
The
[0064]
The
[0065]
Next, the operation of the ultrasonic receiving apparatus according to the present embodiment will be described with reference to FIGS. FIG. 13 is a flowchart showing the operation of the ultrasonic imaging apparatus including the ultrasonic receiving apparatus according to this embodiment.
In this embodiment, calibration is performed in the same manner as in steps S1 to S3 in the first embodiment, ultrasonic waves are received in the same manner as in steps S4 to S6, and detection signals from a plurality of selected photoelectric conversion elements are received. get. Here, the wavelength λ shown in (a) to (c) of FIG.AAnd λBIs set as the operating wavelength.
[0066]
In step S21, the inverting
[0067]
In step S <b> 23, the signal output from the
Further, as in the first embodiment, the phase-matched signal is stored in the
[0068]
According to the present embodiment, since analog signals are added, the AC component included in the signal is amplified and the DC component is close to zero, as shown in FIG. For this reason, the dynamic range in a signal processing system such as an amplifier or an ADC is small.
[0069]
The first or second embodiment of the present invention can be modified as follows. This modification will be described with reference to FIG. In this example, an ultrasonic detection element (etalon sensor) 30 shown in FIG. 15 is used instead of the
As shown in FIG. 15, the
[0070]
When the light reflectance of the
T = {1 + 4R / (1-R)2・ Sin2(Φ / 2)}-1 ... (3)
φ = 2π / λ · 2nd · cos θ (4)
Here, θ is an emission angle measured from the normal of the emission surface, and when θ = 0, the following equation is obtained.
φ = 4πnd / λ (5)
The etalon transmits light of wavelength λ with a transmittance T and reflects it with a light reflectance R = (1−T).
[0071]
When ultrasonic waves are propagated to the
[0072]
Another modification of the first or second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In this modification, instead of the
[0073]
FIG. 16B shows a configuration of a plurality of
[0074]
At one end of the collimating
[0075]
The
A
[0076]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, arithmetic processing is performed using a plurality of detection signals obtained by detecting a plurality of wavelength components of light modulated in each detection region of the ultrasonic detection element. The SN ratio of the detection signal can be improved. These detection signals are obtained by obtaining the reflection characteristics of the ultrasonic detection element by calibration and selecting a photoelectric conversion element to be used for ultrasonic detection based on the reflection characteristics, so depending on the environment such as temperature and humidity. Even if the reflection characteristics change, fluctuations in detection sensitivity can be reduced, and high detection sensitivity can be maintained by suppressing variations in sensitivity for each minute region due to structural distortion of the ultrasonic detection element. Furthermore, since the wavelength used for ultrasonic detection is selected from the spectral light using broadband light, there is no need to control the wavelength of light according to the environment and detection area, and the reflection characteristics for each detection area There is no need to change. Thus, the configuration of the ultrasonic receiving apparatus can be simplified and reduced in size. Accordingly, the ultrasonic receiving device can be easily manufactured, and the cost can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a configuration of an ultrasonic imaging apparatus to which an ultrasonic receiving apparatus according to a first embodiment of the present invention is applied.
FIG. 2 is a schematic diagram illustrating a configuration of an ultrasonic receiving unit illustrated in FIG.
FIG. 3 is a diagram showing a configuration of an AWG spectroscopic element.
4 is a diagram for explaining the principle of ultrasonic detection of the ultrasonic detection element shown in FIG. 2; FIG.
5 is an enlarged cross-sectional view illustrating a connection portion of the ultrasonic detection element, the collimator unit, and the optical transmission path illustrated in FIG. 2;
FIG. 6 is a flowchart showing an operation of the ultrasonic imaging apparatus including the ultrasonic receiving apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a diagram for explaining the operation of the ultrasonic receiving apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a diagram showing a change in light reflection characteristics in the ultrasonic detection element.
FIG. 9 is a diagram for explaining a signal processing method in the operation of the ultrasonic receiving apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a diagram showing a change in light reflection characteristics in the ultrasonic detection element.
FIG. 11 is a diagram for explaining another signal processing method in the operation of the ultrasonic receiving apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a block diagram showing a configuration of an ultrasonic imaging apparatus to which an ultrasonic receiving apparatus according to a second embodiment of the present invention is applied.
FIG. 13 is a flowchart showing an operation of an ultrasonic imaging apparatus including an ultrasonic receiving apparatus according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a diagram for explaining a signal processing method in the operation of the ultrasonic receiving apparatus according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 15 is a diagram for explaining a modification of the ultrasonic receiving apparatus according to the first or second embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a diagram for explaining another modified example of the ultrasonic receiving apparatus according to the first or second embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1
3
12
14 Collimating section
14a, 17, 18 Collimating lens
15
20, 30
21, 31, 32
23, 44
40 Bundled fiber with ultrasonic sensitive part
42
52, 74 A /
54, 76
56
62
71
78
81 Drive
92 Input
94 Output-
Claims (5)
受信される超音波に応じて伸縮し、伸縮に応じて光反射率が変動することにより、前記光源が発生した光を強度変調する超音波有感部を含む超音波検出素子と、
前記超音波検出素子によって強度変調された光を分光する分光手段と、
前記分光手段によって分光された光を複数の波長成分ごとに検出することにより、第1の波長成分を検出して得られた第1の検出信号と、第2の波長成分を検出して得られた第2の検出信号とを少なくとも発生する複数の光電変換素子を有する光検出手段と、
第1の検出信号と第2の検出信号とを用いて演算処理を行うことにより、前記超音波検出素子によって受信された超音波に関する情報を求める演算処理手段と、
を具備する超音波受信装置。A light source that generates broadband light;
An ultrasonic detecting element including an ultrasonic sensitive part that modulates the intensity of light generated by the light source by expanding and contracting according to the received ultrasonic wave, and the light reflectance varies according to the expansion and contraction;
A spectroscopic means for spectroscopically splitting the light whose intensity is modulated by the ultrasonic detection element;
By detecting the light separated by the spectroscopic means for each of the plurality of wavelength components, the first detection signal obtained by detecting the first wavelength component and the second wavelength component are obtained. Photodetecting means having a plurality of photoelectric conversion elements that generate at least a second detection signal;
An arithmetic processing means for obtaining information on the ultrasonic wave received by the ultrasonic detection element by performing an arithmetic process using the first detection signal and the second detection signal;
An ultrasonic receiving apparatus comprising:
第1の検出信号と第2の検出信号とを用いて演算処理を行うことにより、前記超音波検出素子の複数の検出エリアの各々において受信された超音波に関する情報を求めるステップ(b)と、
を具備する超音波受信方法。The light is incident on an ultrasonic detecting element including an ultrasonic sensitive part that modulates the intensity of incident light by expanding and contracting according to the received ultrasonic wave, and the light reflectance varies according to the expansion and contraction. By dispersing the intensity-modulated light by receiving the ultrasonic wave in the sound wave detecting element, and detecting the dispersed light for each of a plurality of wavelength components using a light detecting means having a plurality of photoelectric conversion elements, For each of the plurality of detection areas of the ultrasonic detection element, a first detection signal obtained by detecting the first wavelength component and a second detection signal obtained by detecting the second wavelength component And (a) generating at least
A step (b) of obtaining information relating to ultrasonic waves received in each of the plurality of detection areas of the ultrasonic detection element by performing arithmetic processing using the first detection signal and the second detection signal;
An ultrasonic receiving method comprising:
ステップ(a)が、ステップ(c)において選択された2組の光電変換素子を用いて、前記超音波検出素子の複数の検出エリアの各々について第1の検出信号と第2の検出信号とを発生することを含む、請求項4記載の超音波受信方法。Prior to step (a), light is incident on the ultrasonic detection element, the light reflected by the ultrasonic detection element is dispersed, and the light detection means is used to detect each of a plurality of wavelength components. Further comprising the step (c) of selecting two sets of photoelectric conversion elements to be used for ultrasonic detection from among the plurality of photoelectric conversion elements of the light detection means,
Step (a) uses the two sets of photoelectric conversion elements selected in step (c) to generate a first detection signal and a second detection signal for each of the plurality of detection areas of the ultrasonic detection element. The ultrasonic receiving method according to claim 4, comprising generating.
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