JP3995509B2 - Magnetron and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジやマイクロ波加熱機器等に使用されるマグネトロンに関するもので、詳しくは、アノードのストラップリングとアノード板とのロウ付け部の疲労破壊を抑止して長寿命化を図ると同時に、生産性の向上を実現するための改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10及び図11は、電子レンジやマイクロ波加熱機器等に使用される従来のマグネトロンのアノードを示したものである。
図示のように、このアノード1は、中心軸上に図示せぬカソードが挿通される円筒状のアノード本体3と、このアノード本体3の上下両端部に装備される図示せぬ磁石と、このアノード本体3の内周面に中心軸に向かう放射状に装備される偶数枚のアノード板(ベインとも呼ばれる)7a,7b.7c,…と、偶数枚のアノード板7a,7b.7c,…の先端部を一枚置きに同電位に接続した2本のストラップリング11,12と、高周波エネルギーを外部に導き出すためいずれかのアノード板に接続されたアンテナ15と、を備えた構成である。
【0003】
各アノード板7a,7b,7c,…の先端部には、2本のストラップリング11,12を挿通するリング挿通孔14,15が貫通形成されている。
各ストラップリング11,12は、所定長の棒状部材を所定直径の円環状に湾曲成形したCリング状である。
【0004】
一方のストラップリング11は、各アノード板7a,7b,7c,…のリング挿通孔14に挿通させた後、偶数番目のアノード板7b,7d,7f,…に対して、リング挿通孔14の開口縁との間を、高融点ロウ材(例えば、銀ロウ)によるロウ付けにより電気的及び機械的に接合される。そのため、偶数番目のアノード板7b,7d,7f,…に形成するリング挿通孔14は、挿通するストラップリング11をロウ付けするために、挿通するストラップリング11の外周面と孔の内周面との間の隙間が小さくなるように内径が設定されている。また、図11に示すように、奇数番目のアノード板7a,7c,7e,…に形成するリング挿通孔14は、挿通するストラップリング11が非接触となるように、内径が、偶数番目のアノード板7b,7d,7f,…に形成するリング挿通孔14よりも大きく設定されている。
【0005】
他方のストラップリング12は、各アノード板7a,7b,7c,…のリング挿通孔15に挿通させた後、奇数番目のアノード板7a,7c,7e,…に対して、リング挿通孔15の開口縁との間を、高融点ロウ材によるロウ付けにより電気的及び機械的に接合される。そのため、奇数番目のアノード板7a,7c,7e,…に形成するリング挿通孔15は、挿通するストラップリング12をロウ付けするために、挿通するストラップリング12の外周面と孔の内周面との間の隙間が小さくなるように内径が設定されている。また、図11に示すように、偶数番目のアノード板7b,7d,7f,…に形成するリング挿通孔15は、挿通するストラップリング12が非接触となるように、内径が、奇数番目のアノード板7a,7c,7e,…に形成するリング挿通孔15よりも大きく設定されている。
【0006】
即ち、奇数番目のアノード板7a,7c,7e,…相互は、ロウ付けによって接続されたストラップリング11を介して、互いに同電位に接続されている。一方、偶数番目のアノード板7b,7d,7f,…相互は、ロウ付けによって接続されたストラップリング12を介して、互いに同電位に接続されている。
【0007】
ストラップリング11及びストラップリング12の対向する両端部は、図12(a)に示すように、高融点ロウ材によるロウ付けによって接続して、一続きの円環に仕上げる。図12(a)において、符号18で示す部分が、高融点ロウ材によるロウ付け部である。
また、各ストラップリング11,12とアノード板7a,7b,7c,…とのロウ付けによる接合は、図12(a)に示すように、ストラップリング11,12を構成している棒状部材の全周を高融点ロウ材によってロウ付けすることにより行う。図12(a)において、符号19で示す部分が、高融点ロウ材によるロウ付け部である。
【0008】
なお、各ストラップリング11,12の端部のロウ付け部18は、通常、図12(a)に示すように、各ストラップリング11,12をロウ付けするリング挿通孔14,15内に位置させることで、ロウ付けによる接合強度の向上を図る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したストラップリング11,12やアノード板7a,7b,7c,…は、LC回路を構成する導体でもあることから、電気伝導率の優れた金属を使用することが好ましく、これまで、純度が99.96%以上の無酸素銅が使用されてきた。
しかし、無酸素銅は、電気伝導率が高いだけでなく、熱伝導性も良く、しかも、耐熱性が低く、熱膨張係数が大きいという物性がある。
【0010】
そのため、ストラップリング11,12やアノード板7a,7b,7c,…を無酸素銅で形成した従来のマグネトロンは、稼働時に、カソードのフィラメントの放熱でアノード板7a,7b,7c,…が昇温し易く、熱膨張係数が大きいために昇温によってアノード板7a,7b,7c,…が大きく熱膨張する。
そして、アノード板7a,7b,7c,…が大きく熱膨張すると、アノード板7a,7b,7c,…に接合されているストラップリング11,12や、ストラップリング11,12とアノード板7a,7b,7c,…とのロウ付け部19に、曲げ荷重や剪断荷重等の大きな負荷がかかる。そして、アノード板7a,7b,7c,…の熱膨張や熱収縮の繰り返しが、図12(b)に示すように、ロウ付け部19に疲労破壊による破断(クラック)21を招き、アノードの寿命を低下させるという問題があった。
【0011】
なお、ロウ付け部18,19の破断は、アノード本体3及びアノード板7a,7b,7c,…及びストラップリング11,12で構成されるLC回路の静電容量の低下を招き、結果的には、マグネトロンとしての発振周波数異常による動作不良を招く。
【0012】
更に、近年は、マグネトロンの高出力化に対する市場要望も強い。
マグネトロンの高出力化は、マグネトロンを構成しているカソードとアノードとの間に加える直流電界の増強、あるいは、前記直流電界に直交する方向に加える磁界の増強等で可能になる。
【0013】
しかし、直流電界の増強は、カソードの放熱量の増大を伴い、カソードの放熱によって加熱されるアノード板7a,7b,7c,…が耐熱性の低い無酸素銅製の場合には、アノード板の先端部が過昇温に陥って軟化するなどの不都合が発生する虞がある。そして、アノード板の過昇温を防止するために、アノードの外周に取り付ける冷却フィンによる冷却性能を向上させようと、冷却フィンを大型化すると、マグネトロン自体が大型化してしまうという問題が生じる。
一方、磁界の増強は、アノードの両端の磁極に取り付ける磁石を、より大型の磁石に交換することで可能であるが、この場合も、結局、大型磁石の装備のために、マグネトロン自体が大型化してしまうという問題があった。
【0014】
また、ストラップリングは、各アノード板のリング挿通孔に順次挿通しなければならないために、組み付け性が悪く、マグネトロンの生産性を向上させることができないという問題があった。
【0015】
本発明は、前述した問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、アノードのストラップリングとアノード板とのロウ付け部の疲労破壊を抑止して長寿命化を図ることができ、しかも、小型化や高出力化を実現することのできると共に、生産性の改善を図ることができるマグネトロンを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るマグネトロンは、請求項1に記載したように、少なくともアノード本体の内周面に中心軸に向かう放射状に装備される偶数枚のアノード板(ベイン)とこれら偶数枚のアノード板の先端部を一枚置きに同電位に接続するストラップリングとを備えたマグネトロンにおいて、
前記アノード板を、前記カソード側に位置する先端部と、この先端部を除いた本体部とで構成し、前記先端部は前記本体部よりも耐熱性に優れた別の金属材料で形成され、前記アノード板の本体部と先端部とに跨るように、前記ストラップリングを挿通させるリング挿通孔を設けたことを特徴とする。
【0017】
マグネトロンの稼働時、アノードに装備されたアノード板はカソードの放熱を受けて昇温する。
このアノード板の昇温のメカニズムは、カソードの放熱を、カソード側に位置しているアノード板の先端部が受け、先端部の熱伝導特性に応じた伝熱で本体部が昇温することになる。
【0018】
しかし、先端部は、本体部よりも耐熱性に優れた別の金属材料で形成されていて本体部への熱伝導を抑える。従って、先端部は、本体部の昇温を抑えて、アノード板の熱膨張や熱収縮を抑えることができ、アノード板の熱膨張や熱収縮で、アノード板とストラップリングとのロウ付け部に作用する負荷を軽減させる。
【0019】
そして、リング挿通孔は、本体部と先端部とのそれぞれの突き合わせ面に形成したリング挿通溝を合わせることで、挿通孔として完成した形態になるもので、本体部に先端部を接合する前の段階であれば、ストラップリングを本体部のリング挿通溝に位置決めした状態で本体部と先端部とを突き合わせることで、ストラップリングを容易にアノード板に組み付けできる。
【0020】
また、請求項2に記載のマグネトロンは、上記目的を達成するために、請求項1に記載のマグネトロンにおいて、更に、前記アノード板の本体部を無酸素銅で形成し、前記アノード板の先端部をニッケル成分を含む高耐熱性金属で形成したことを特徴とするものである。
【0021】
ニッケル成分を含む高耐熱性金属として、例えば、ニッケルと銅とを30:70の比率で合成した銅・ニッケル合金(キプロ)は、軟化開始温度が550〜600℃、熱伝導性が29W/(m・K)、熱膨張係数が16.2(×10−6/゜K)、融点が1170℃、電気伝導率が4.6(% IACS)である。
無酸素銅の場合は、軟化開始温度が200〜220℃、熱伝導性が391W/(m・K)、熱膨張係数が17.7(×10−6/゜K)、融点が1083℃、電気伝導率が101(% IACS)である。
【0022】
即ち、銅・ニッケル合金は、無酸素銅と比較して、電気伝導率は低いが、耐熱性が顕著に高く、また熱伝導性が低いために、本体部の昇温防止に適する。
従って、アノード板全体を無酸素銅で形成していた従来の場合と比較すると、アノード板の熱膨張や熱収縮を抑え、アノード板の熱膨張や熱収縮の繰り返しに起因するロウ付け部の疲労破壊を抑止して、長寿命化を実現することができる。
しかも、ニッケルは磁性体であるため、先端部に含まれるニッケル成分が、アノードの上下に組み付けられた磁石による磁界強度を、強度差が低減するように作用させる。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明に係るマグネトロンの製造方法は、請求項3に記載したように、少なくともアノード本体の内周面に中心軸に向かう放射状に装備される偶数枚のアノード板とこれら偶数枚のアノード板の先端部を一枚置きに同電位に接続するストラップリングとを備えたマグネトロンの製造方法において、
前記アノード板を、前記カソード側に位置する先端部と、この先端部を除いた本体部とで構成し、本体部と先端部のそれぞれの突き合せ面に形成したリング挿通溝の前記本体部のリング挿通溝に前記ストラップリングを位置決めした状態で前記本体部に前記先端部を接合して製作することを特徴とする。
【0024】
ストラップリングは、本体部に先端部を接合することによって、アノード板を挿通するようにしているので、従来のストラップリングをアノード板の孔に突き通すような面倒な作業が省略できて、ストラップリングの組み付け性が向上し、マグネトロンの生産性の向上を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るマグネトロンの好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るマグネトロンの第1の実施の形態の縦断面図を示したものである。
この第1の実施の形態のマグネトロン31は、例えば工業用のマイクロ波加熱機器等に使用されるもので、内部が作用空間32となるアノード33と、このアノード33の中心軸上に挿通されるカソード35と、前記アノード33の上部に組み付けられて高周波エネルギーの放出部となるアンテナ筒37と、アノード33を収容する本体ケース39と、アノード33と本体ケース39との間に張設されてアノード33の発熱を外部に逃がす冷却フィン41とで構成されている。
【0026】
前記アノード33は、中心軸上にカソード35が挿通される円筒状のアノード本体51と、このアノード本体51の上下両端部に装備される磁極52,53と、このアノード本体51の内周面に中心軸に向かう放射状に装備される偶数枚(本例では、10枚)のアノード板55a,55b,55c,…と、前記アノード板55a,55b,55c,…の先端部を一枚置きに同電位に接続した2本のストラップリング57,58と、高周波エネルギーを外部に導き出すために一枚のアノード板55aに接続されたアンテナ61とを備えている。
また、上下の磁極52,53の外面には、作用空間32へ磁束を導くための磁石62,63が装備されている。
【0027】
本実施の形態のアノード板55a,55b,55c,…は、図4及び図5に示すように、カソード35側に位置する先端部75と、この先端部75を除いた本体部76とで構成し、先端部75は、本体部76を形成する金属材料よりも耐熱性に優れた別の金属材料で形成している。
具体的には、アノード板55a,55b,55c,…の本体部76は純度99.96%の無酸素銅で形成し、先端部75はニッケルと銅を30:70の比率で合成した高耐熱性の銅・ニッケル合金で形成している。
先端部75は、銀ロウ等の高融点ロウ材によって、本体部76の先端面に接合・一体化する。
【0028】
各アノード板55a,55b,55c,…の本体部76の先端部側には、2本のストラップリング57,58を挿通するリング挿通孔65,66が貫通形成されている。
各ストラップリング57,58は、所定長の直線状の棒状部材を全てのアノード板55a,55b,55c,…のリング挿通孔65,66に挿通した後に、所定直径の円環状に湾曲成形したCリング状である。各ストラップリング57,58の対向する端部間には、図2に示すように、小さな隙間S1,S2が残る。
【0029】
一方のストラップリング57は、全てのアノード板55a,55b,55c,…のリング挿通孔65に挿通させてCリング状に湾曲成形した後に、奇数番目のアノード板55a,55c,55e,…に対して、リング挿通孔65の開口縁との間を、高融点ロウ材(例えば、銀ロウ)によるロウ付けにより電気的及び機械的に接合される。
そのため、奇数番目のアノード板55a,55c,55e,…に形成するリング挿通孔65は、挿通するストラップリング57をロウ付けするために、挿通するストラップリング57の外周面と孔の内周面との間の隙間が小さくなるように内径が設定されている。
また、図2及び図3に示すように、偶数番目のアノード板55b,55d,55f,…に形成するリング挿通孔65は、挿通するストラップリング57が非接触となるように、内径が、奇数番目のアノード板55a,55c,55e,…に形成するリング挿通孔65よりも大きく設定されている。
【0030】
他方のストラップリング58は、全てのアノード板55a,55b,55c,…のリング挿通孔66に挿通させてCリング状に湾曲成形した後に、偶数番目のアノード板55b,55d,55f,…に対して、リング挿通孔66の開口縁との間を、高融点ロウ材によるロウ付けにより電気的及び機械的に接合される。
そのため、偶数番目のアノード板55b,55d,55f,…に形成するリング挿通孔66は、挿通するストラップリング58をロウ付けするために、挿通するストラップリング58の外周面と孔の内周面との間の隙間が小さくなるように内径が設定されている。
また、図2及び図3に示すように、奇数番目のアノード板55a,55c,55e,…に形成するリング挿通孔66は、挿通するストラップリング58が非接触となるように、内径が、偶数番目のアノード板55b,55d,55f,…に形成するリング挿通孔66よりも大きく設定されている。
【0031】
即ち、奇数番目のアノード板55a,55c,55e,…相互は、ロウ付けによって接続されたストラップリング57を介して、互いに同電位に接続される。一方、偶数番目のアノード板55b,55d,55f,…相互は、ロウ付けによって接続されたストラップリング58を介して、互いに同電位に接続される。
【0032】
なお、各ストラップリング57,58の両端部は、図3に示すように、ロウ付けされるアノード板のリング挿通孔65,66内で対向させ、対向する端面同士を、高融点ロウ材によってロウ付けによって接続して、一続きの円環に仕上げると同時に、アノード板との接合強度を向上させる。
【0033】
以上のように構成されたマグネトロン31においては、稼働時に、アノード33に装備されたアノード板55a,55b,55c,…は、カソード35の放熱を受けて昇温する。
このアノード板55a,55b,55c,…の昇温のメカニズムは、既述したようにカソード35の放熱を、カソード35側に位置しているアノード板の先端部75が受け、先端部75の熱伝導特性に応じた伝熱で本体部76が昇温することになる。
【0034】
また、本実施の形態で先端部75を形成している銅・ニッケル合金(キプロ)は、軟化開始温度が550〜600℃、熱伝導性が29W/(m・K)、熱膨張係数が16.2(×10−6/゜K)、融点が1170℃、電気伝導率が4.6(% IACS)である。
これに対して、本体部76を形成している無酸素銅の場合は、軟化開始温度が200〜220℃、熱伝導性が391W/(m・K)、熱膨張係数が17.7(×10−6/゜K)、融点が1083℃、電気伝導率が101(% IACS)である。
【0035】
即ち、先端部75に使用した銅・ニッケル合金は、無酸素銅と比較して、電気伝導率は低いが、耐熱性が顕著に高く、また熱伝導性が低いために、本体部76への熱伝導を抑えて、本体部76の昇温を抑える。
従って、上記のように、各アノード板の先端部75を銅・ニッケル合金で形成し、本体部76を無酸素銅で形成することで、アノード板全体を無酸素銅で形成していた従来の場合と比較すると、アノード板55a,55b,55c,…の昇温を抑えて熱膨張や熱収縮を抑制することができる。即ち、アノード板55a,55b,55c,…の熱膨張や熱収縮によってアノード板55a,55b,55c,…とストラップリング57,58とのロウ付け部に作用する負荷を軽減することができる。
従って、アノード板55a,55b,55c,…の熱膨張や熱収縮の繰り返しに起因するロウ付け部の疲労破壊を抑止して、長寿命化を実現することができる。
【0036】
しかも、ニッケルは磁性体であるため、先端部75に含まれるニッケル成分が、アノードの上下の磁極に組み付けられた磁石による磁束を収束して磁界強度差を低減する役割を果たす。従って、磁石の大型化等によらずに、磁界の増強を実現して、高出力化を図ることができ、マグネトロンの小型化と高出力化の双方を実現することができる。
【0037】
本発明者等の実験によれば、アノード板の全体を無酸素銅で形成した場合には、アノード板の先端の磁界分布は、図6の曲線F1に示す分布となるが、本実施の形態のようにアノード板の先端部を上記の銅・ニッケル合金で形成した場合には、アノード板先端での磁界分布が図6の曲線F2に示す分布となり、分布域全域でフラットに近似した特性で、磁界強度が向上していることが確認できた。
【0038】
なお、高耐熱性金属は、その一方で、電気伝導率が低くなるという特性を持つが、アノード板55a,55b,55c,…相互を電気的及び機械的に連結するストラップリング57,58は電気伝導率が高い金属で形成した本体部76にロウ付けしているため、アノード板55a,55b,55c,…とストラップリング57,58との間の電気的な接続特性は良好に維持できる。
【0039】
なお、本発明に係るマグネトロンにおいて、各アノード板におけるリング挿通孔65,66の装備位置、高耐熱性金属で形成する先端部75の形状、更には、ストラップリング57,58の断面形状等は、上記の実施の形態に限定するものではなく、例えば、図7乃至図9に示す各実施の形態のように、適宜に改善することができる。
図7に示した実施の形態では、アノード本体51の内周に突設する各アノード板81を構成する本体部76と先端部75とに跨るように、前記ストラップリング57,58を挿通させるリング挿通孔65,66を設けている。本体部76を無酸素銅で、先端部75を高耐熱性金属である銅・ニッケル合金で形成する点は第1の実施の形態と同様である。
【0040】
このように構成されたマグネトロンにおいては、リング挿通孔65,66は、本体部76と先端部75とのそれぞれの突き合わせ面に形成したリング挿通溝65a,65b,66a,66bを合わせることで、挿通孔として完成した形態になるもので、本体部76に先端部75を接合する前の段階であれば、ストラップリング57,58は切り離し部分のない円環状でも、ストラップリング57,58を本体部76のリング挿通溝65b,66bに位置決めして先端部75を接合することで、本体部76に組み付けることができる。
切り離し部分のない円環状のストラップリングは、板材の打ち抜きや、円筒体の輪切りによって簡単に製造することができ、例えば、直線状の棒状部材を所定の直径に湾曲成形してCリング状に形成していた従来のストラップリングの製造工程と比較すると、ストラップリングの製造が容易になる。
【0041】
また、切り離し部分のない円環状のストラップリングを採用した場合は、従来のCリング状のストラップリングを採用した場合と比較して、アノード板との組付けの際に、リング挿通孔65,66へ線材を突き通すような面倒な作業が不要で、溝に割り込ませる簡単な作業で済むため、ストラップリング57,58の組み付け性が向上し、生産性の向上を図ることができる。
【0042】
図8に示したアノード板83は、図7に示したアノード板81を更に改良したものである。
このアノード板83は、本体部76と先端部75とに跨るように、前記ストラップリング57,58を挿通させるリング挿通孔65,66を設けた点は、第2の実施の形態と共通である。また、本体部76を無酸素銅で、先端部75を高耐熱性金属である銅・ニッケル合金で形成する点も、第2の実施の形態と共通である。
しかし、本実施の形態の先端部75は、上下方向の寸法が本体部76よりも短く設定されていて、本体部76の先端側の上下に、先端部75の上下を押さえる爪部76a,76bが装備されている。
このように、本体部76に先端部75を押さえる爪部76a,76bを設けることで、ロウ付けによる接合面が立体的な配置となり、接合強度を向上させることができる。
【0043】
図9に示したアノード板85は、図8に示したアノード板83を更に改良したものである。
このアノード板85は、本体部76と先端部75とに跨るように、前記ストラップリング57,58を挿通させるリング挿通孔65,66を設けた点は、第2の実施の形態と共通である。また、本体部76を無酸素銅で、先端部75を高耐熱性金属である銅・ニッケル合金で形成する点も、第2の実施の形態と共通である。
しかし、リング挿通孔65,66が矩形の貫通穴で、更に、ストラップリング57,58に横断面形状が矩形の円環を使用している。
このリング挿通孔65,66は、例えば、無酸素銅等で形成した円筒体を輪切りにすること、あるいは無酸素銅で形成した板材を円環状に打ち抜くことで、切り離しのない円環を形成している。
【0044】
なお、本発明において、アノード板の先端部に使用する銅・ニッケル合金の成分比は、上記の実施の形態に限らない。
必要な耐熱性等に応じて、適宜に成分比を調整することが可能である。
また、アノード板の先端部に使用する高耐熱性金属は、上記の銅・ニッケル合金に限らない。
例えば、アノード板の本体部を無酸素銅で形成するとして、無酸素銅よりも耐熱性に優れた金属としては、銅に錫を添加した銅・錫合金や、銅にジルコニウムを添加したジルコニウム合金等が考えられ、これらの銅合金も先端部を形成する高耐熱性金属として、十分に有用である。
なお、耐熱性は、無酸素銅→銅・錫合金→ジルコニウム合金→銅・ニッケル合金の順に向上する。そして、熱伝導性や熱膨張係数や電気伝導率は耐熱性に反比例するように、無酸素銅→銅・錫合金→ジルコニウム合金→銅・ニッケル合金の順に次第に減少する。
【0045】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載した本発明のマグネトロンによれば、アノード板の本体部は、耐熱性に優れた先端部を装備しているために、カソードの放熱による昇温が抑えられる。そのため、アノード板の熱膨張や熱収縮の繰り返しで、アノード板相互を連結しているストラップリングとアノード板とのロウ付け部の疲労破壊を抑止して、長寿命化を実現することができる。
【0046】
更に、アノード板の本体部と先端部のそれぞれの突き合せ面に形成したリング挿通溝を合わせることでリング挿通孔としているので、ストラップリングは切り離し部分のない円環状でも、本体部に容易に組み付けることができて、生産性の向上を図ることができる。
【0047】
また、請求項2に記載した本発明のマグネトロンでは、アノード板の先端部にニッケル成分を含む高耐熱性金属を適用しているので、アノード板全体を無酸素銅で形成していた従来の場合と比較すると、アノード板の熱膨張や熱収縮を抑え、アノード板の熱膨張や熱収縮の繰り返しに起因するロウ付け部の疲労破壊を抑止して、長寿命化を実現することができる。
しかも、ニッケルは磁性体であるため、アノード上下に装備される磁石による磁束を収束させるように作用して、磁界強度差を低減することができる。従って、磁石の大型化等によらずに、磁界の増強を実現して、高出力化を図ることができ、マグネトロンの小型化と高出力化の双方を実現することができる。
【0048】
更に、請求項3に記載した本発明のマグネトロンの製造方法では、本体部と先端部とを接合することによって、ストラップリングがアノード板を挿通するようにしているので、従来のストラップリングをアノード板の孔に突き通すような面倒な作業が省略できて、ストラップリングの組み付け性が向上し、マグネトロンの生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネトロンの第1の実施の形態の縦断面図である。
【図2】図1に示したマグネトロンのアノードの拡大斜視図である。
【図3】図2に示したアノードの横断面図である。
【図4】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図5】図2に示したアノード板の拡大斜視図である。
【図6】図1に示したマグネトロンにおけるアノード板(ベイン)先端の磁界分布を示すグラフである。
【図7】本発明に係るマグネトロンにおけるアノード板の第2の実施の形態の拡大斜視図である。
【図8】本発明に係るマグネトロンにおけるアノード板の第3の実施の形態の拡大斜視図である。
【図9】本発明に係るマグネトロンにおけるアノード板の第4の実施の形態の拡大斜視図である。
【図10】従来のマグネトロンにおけるアノードの斜視図である。
【図11】図10に示したアノードの縦断面図である。
【図12】図10に示したアノードにおけるアノード板とストラップリングとのロウ付け部の形態を示す横断面図で、(a)は適正な接合状態を示す横断面図、(b)は接合不良が生じた状態の横断面図である。
【符号の説明】
31 マグネトロン
32 作用空間
33 アノード
35 カソード
37 アンテナ筒
39 本体ケース
41 冷却フィン
51 アノード本体
52,53 磁極
55a〜55j アノード板(ベイン)
57,58 ストラップリング(ストラップリング)
61 アンテナ
65,66 リング挿通孔
75 先端部
76 本体部
76a,76b 爪部
81,83,85 アノード板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetron used in a microwave oven, a microwave heating device, or the like, and more specifically, at the same time as preventing fatigue fracture of a brazed portion between an anode strap ring and an anode plate and extending the life. The present invention relates to an improvement for realizing an improvement in productivity.
[0002]
[Prior art]
10 and 11 show a conventional magnetron anode used in a microwave oven, a microwave heating apparatus, or the like.
As shown in the figure, the
[0003]
Each of the
[0004]
One
[0005]
The
[0006]
That is, the odd-numbered
[0007]
The opposite ends of the
Further, the joining of the
[0008]
The
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, since the strap rings 11 and 12 and the
However, oxygen-free copper has not only high electrical conductivity, but also good thermal conductivity, low physical resistance, and high thermal expansion coefficient.
[0010]
Therefore, in the conventional magnetron in which the strap rings 11 and 12 and the
When the
[0011]
Note that the breakage of the
[0012]
Furthermore, in recent years, there is a strong market demand for higher output of magnetrons.
Increasing the output of the magnetron can be achieved by increasing the DC electric field applied between the cathode and the anode constituting the magnetron, or by increasing the magnetic field applied in the direction orthogonal to the DC electric field.
[0013]
However, the enhancement of the DC electric field is accompanied by an increase in the amount of heat released from the cathode. When the
On the other hand, the magnetic field can be increased by replacing the magnets attached to the magnetic poles at both ends of the anode with larger magnets. However, in this case as well, the magnetron itself becomes larger due to the large magnets. There was a problem that.
[0014]
In addition, since the strap ring must be sequentially inserted through the ring insertion holes of each anode plate, there is a problem that the assemblability is poor and the productivity of the magnetron cannot be improved.
[0015]
The present invention has been made in view of the above-described problems, and its purpose is to suppress fatigue fracture of the brazed portion between the anode strap ring and the anode plate, thereby extending the life, It is an object of the present invention to provide a magnetron that can realize downsizing and high output and can improve productivity.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a magnetron according to the present invention comprises an even number of anode plates (vanes) radially provided toward the central axis on at least an inner peripheral surface of an anode body. In a magnetron provided with a strap ring that connects the tips of the even number of anode plates to the same potential every other piece,
The anode plate is composed of a tip portion located on the cathode side and a main body portion excluding the tip portion, and the tip portion is formed of another metal material having higher heat resistance than the main body portion.And provided with a ring insertion hole through which the strap ring is inserted so as to straddle the main body and the tip of the anode plate.It is characterized by that.
[0017]
During operation of the magnetron, the anode plate mounted on the anode is heated by receiving heat from the cathode.
The temperature increase mechanism of the anode plate is that the tip of the anode plate located on the cathode side receives heat from the cathode, and the temperature of the main body rises by heat transfer according to the heat conduction characteristics of the tip. Become.
[0018]
However, the tip portion is formed of another metal material that has better heat resistance than the main body portion, and suppresses heat conduction to the main body portion. Therefore, the tip part can suppress the temperature rise of the main body part and suppress the thermal expansion and thermal contraction of the anode plate, and the thermal expansion and thermal contraction of the anode plate can cause the brazed part between the anode plate and the strap ring. Reduce the acting load.
[0019]
And the ring insertion hole is a completed form as an insertion hole by matching the ring insertion grooves formed on the respective abutting surfaces of the main body part and the tip part, and before the tip part is joined to the main body part If it is a stage, a strap ring can be easily assembled | attached to an anode plate by abutting a main-body part and a front-end | tip part in the state which positioned the strap ring in the ring insertion groove of the main-body part.
0020]
In order to achieve the above object, the magnetron according to claim 2 is the magnetron according to
0021]
As a highly heat-resistant metal containing a nickel component, for example, a copper / nickel alloy (Cypro) synthesized with nickel and copper in a ratio of 30:70 has a softening start temperature of 550 to 600 ° C. and a thermal conductivity of 29 W / ( m · K), the coefficient of thermal expansion is 16.2 (× 10 −6 / ° K), the melting point is 1170 ° C., and the electric conductivity is 4.6 (% IACS).
In the case of oxygen-free copper, the softening start temperature is 200 to 220 ° C., the thermal conductivity is 391 W / (m · K), the thermal expansion coefficient is 17.7 (× 10 −6 / ° K), the melting point is 1083 ° C., The electrical conductivity is 101 (% IACS).
0022]
That is, the copper / nickel alloy has a lower electrical conductivity than oxygen-free copper, but has a remarkably high heat resistance and a low thermal conductivity, and is therefore suitable for preventing temperature rise of the main body.
Therefore, compared with the conventional case where the entire anode plate is made of oxygen-free copper, the thermal expansion and thermal shrinkage of the anode plate is suppressed, and the fatigue of the brazed portion caused by repeated thermal expansion and thermal shrinkage of the anode plate is suppressed. It is possible to suppress the destruction and realize a long life.
In addition, since nickel is a magnetic material, the nickel component contained in the tip portion acts to reduce the strength difference between the magnetic field strengths of the magnets assembled above and below the anode.
0023]
In order to achieve the above object, a method for manufacturing a magnetron according to the present invention comprises:3As described in the above, at least the even number of anode plates that are radially provided toward the central axis on the inner peripheral surface of the anode body and the strap ring that connects the tips of the even number of anode plates every other piece to the same potential In a method of manufacturing a magnetron comprising:
The anode plate is composed of a front end portion located on the cathode side and a main body portion excluding the front end portion, and the main body portion of the ring insertion groove formed on each abutment surface of the main body portion and the front end portion. The tip end portion is joined to the main body portion with the strap ring positioned in the ring insertion groove.
0024]
Since the strap ring is inserted through the anode plate by joining the tip to the main body, the troublesome work of penetrating the conventional strap ring through the hole in the anode plate can be omitted. Assemblability is improved and magnetron productivity can be improved.
0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of a magnetron according to the present invention will be described in detail based on the drawings.
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a first embodiment of a magnetron according to the present invention.
The
0026]
The
0027]
As shown in FIGS. 4 and 5, the
Specifically, the
The
0028]
Ring insertion holes 65 and 66 through which the two strap rings 57 and 58 are inserted are formed through the
Each of the strap rings 57 and 58 is formed by inserting a linear bar member having a predetermined length into the ring insertion holes 65 and 66 of all the
0029]
One
Therefore, the ring insertion holes 65 formed in the odd-numbered
2 and 3, the
0030]
The
Therefore, the ring insertion holes 66 formed in the even-numbered
2 and 3, the ring insertion holes 66 formed in the odd-numbered
0031]
That is, the odd-numbered
0032]
As shown in FIG. 3, both end portions of the strap rings 57 and 58 are opposed to each other in the ring insertion holes 65 and 66 of the anode plate to be brazed, and the opposite end surfaces are brazed with a high melting point brazing material. It is connected by attaching to finish a continuous ring, and at the same time, the bonding strength with the anode plate is improved.
0033]
In the
As described above, the heating mechanism of the
0034]
Further, the copper / nickel alloy (Cipro) forming the
On the other hand, in the case of oxygen-free copper forming the
0035]
That is, the copper / nickel alloy used for the
Therefore, as described above, the
Therefore, it is possible to suppress the fatigue failure of the brazed portion caused by repeated thermal expansion and contraction of the
0036]
In addition, since nickel is a magnetic material, the nickel component contained in the
0037]
According to the experiments by the present inventors, when the entire anode plate is made of oxygen-free copper, the magnetic field distribution at the tip of the anode plate becomes the distribution shown by the curve F1 in FIG. When the tip of the anode plate is made of the above-mentioned copper / nickel alloy as shown in FIG. 6, the magnetic field distribution at the tip of the anode plate is the distribution shown by the curve F2 in FIG. It was confirmed that the magnetic field strength was improved.
0038]
On the other hand, the high heat resistance metal has a characteristic that the electric conductivity is low, but the
0039]
In the magnetron according to the present invention, the position of the ring insertion holes 65 and 66 in each anode plate, the shape of the
In the embodiment shown in FIG. 7, the rings through which the strap rings 57 and 58 are inserted so as to straddle the
0040]
In the magnetron configured as described above, the ring insertion holes 65 and 66 are inserted by matching the
An annular strap ring without a cut-off part can be easily manufactured by punching a plate material or by cutting a cylindrical body. Compared with the conventional manufacturing process of the strap ring, the manufacturing of the strap ring is facilitated.
0041]
Further, when an annular strap ring without a separation portion is adopted, the ring insertion holes 65 and 66 are more easily assembled with the anode plate than when a conventional C ring-shaped strap ring is adopted. The troublesome work of penetrating the wire is not necessary, and a simple work of interrupting the wire is sufficient, so that the assembly of the strap rings 57 and 58 is improved and the productivity can be improved.
0042]
An
The
However, the
As described above, by providing the
0043]
The
This
However, the ring insertion holes 65 and 66 are rectangular through holes, and the strap rings 57 and 58 are circular rings having a rectangular cross section.
The ring insertion holes 65 and 66 are formed, for example, by cutting a cylindrical body formed of oxygen-free copper or the like, or by punching a plate material formed of oxygen-free copper into an annular shape, thereby forming an annular ring without separation. ing.
0044]
In the present invention, the component ratio of the copper / nickel alloy used for the tip of the anode plate is not limited to the above embodiment.
The component ratio can be appropriately adjusted according to the necessary heat resistance and the like.
Moreover, the high heat-resistant metal used for the front-end | tip part of an anode plate is not restricted to said copper * nickel alloy.
For example, if the main body of the anode plate is made of oxygen-free copper, the metal having better heat resistance than oxygen-free copper includes a copper / tin alloy in which tin is added to copper, and a zirconium alloy in which zirconium is added to copper. These copper alloys are also sufficiently useful as a high heat-resistant metal that forms the tip portion.
The heat resistance is improved in the order of oxygen-free copper → copper / tin alloy → zirconium alloy → copper / nickel alloy. The thermal conductivity, thermal expansion coefficient, and electrical conductivity gradually decrease in the order of oxygen-free copper → copper / tin alloy → zirconium alloy → copper / nickel alloy so as to be inversely proportional to the heat resistance.
0045]
【The invention's effect】
As described above, according to the magnetron of the present invention described in
[0046]
Furthermore, since the ring insertion grooves are formed by matching the ring insertion grooves formed on the abutting surfaces of the main body and the tip of the anode plate, the strap ring can be easily assembled to the main body even in an annular shape without a separation part. And productivity can be improved.
[0047]
Further, in the magnetron of the present invention described in claim 2, since a high heat-resistant metal containing a nickel component is applied to the tip of the anode plate, the conventional anode plate is formed of oxygen-free copper. In comparison with the above, it is possible to suppress the thermal expansion and thermal contraction of the anode plate, to suppress the fatigue failure of the brazed portion due to the repeated thermal expansion and thermal contraction of the anode plate, and to realize a long life.
Moreover, since nickel is a magnetic material, it acts to converge the magnetic flux generated by the magnets installed above and below the anode, thereby reducing the magnetic field strength difference. Therefore, the magnetic field can be increased and the output can be increased without increasing the size of the magnet, and both the magnetron can be reduced in size and increased in output.
0048]
Further claims3In the method of manufacturing a magnetron according to the present invention described above, the strap ring is inserted through the anode plate by joining the main body portion and the tip portion, so that the conventional strap ring penetrates the hole of the anode plate. The troublesome work can be omitted, the assembly of the strap ring can be improved, and the productivity of the magnetron can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a magnetron according to a first embodiment of the present invention.
2 is an enlarged perspective view of an anode of the magnetron shown in FIG. 1. FIG.
3 is a cross-sectional view of the anode shown in FIG.
4 is a cross-sectional view taken along line BB in FIG.
FIG. 5 is an enlarged perspective view of the anode plate shown in FIG.
6 is a graph showing a magnetic field distribution at the tip of an anode plate (vane) in the magnetron shown in FIG. 1;
FIG. 7 is an enlarged perspective view of a second embodiment of an anode plate in a magnetron according to the present invention.
FIG. 8 is an enlarged perspective view of a third embodiment of an anode plate in a magnetron according to the present invention.
FIG. 9 is an enlarged perspective view of a fourth embodiment of an anode plate in a magnetron according to the present invention.
FIG. 10 is a perspective view of an anode in a conventional magnetron.
11 is a longitudinal sectional view of the anode shown in FIG.
12 is a cross-sectional view showing a form of a brazed portion between an anode plate and a strap ring in the anode shown in FIG. 10, wherein (a) is a cross-sectional view showing a proper bonding state, and (b) is a poor bonding. FIG.
[Explanation of symbols]
31 Magnetron
32 working space
33 Anode
35 cathode
37 Antenna tube
39 Body case
41 Cooling fin
51 Anode body
52, 53 magnetic pole
55a-55j Anode plate (Bain)
57,58 Strap ring (Strap ring)
61 Antenna
65, 66 Ring insertion hole
75 Tip
76 Body
76a, 76b Nail part
81, 83, 85 Anode plate
Claims (3)
前記アノード板を、前記カソード側に位置する先端部と、この先端部を除いた本体部とで構成し、前記先端部は前記本体部よりも耐熱性に優れた別の金属材料で形成され、前記アノード板の本体部と先端部とに跨るように、前記ストラップリングを挿通させるリング挿通孔を設けたことを特徴とするマグネトロン。In a magnetron comprising at least an even number of anode plates radially arranged toward the central axis on the inner peripheral surface of the anode body and a strap ring for connecting the tip portions of the even number of anode plates every other piece to the same potential ,
The anode plate is constituted by a tip portion located on the cathode side and a main body portion excluding the tip portion, and the tip portion is formed of another metal material having higher heat resistance than the main body portion , A magnetron comprising a ring insertion hole through which the strap ring is inserted so as to straddle a main body portion and a tip portion of the anode plate .
前記アノード板を、前記カソード側に位置する先端部と、この先端部を除いた本体部とで構成し、本体部と先端部のそれぞれの突き合せ面に形成したリング挿通溝の前記本体部のリング挿通溝に前記ストラップリングを位置決めした状態で前記本体部に前記先端部を接合して製作することを特徴とするマグネトロンの製造方法。An magnetron having at least an even number of anode plates radially arranged toward the central axis on the inner peripheral surface of the anode body and a strap ring that connects the tip portions of the even number of anode plates to the same potential every other piece. In the manufacturing method,
The anode plate is composed of a front end portion located on the cathode side and a main body portion excluding the front end portion, and the main body portion of the ring insertion groove formed on each abutment surface of the main body portion and the front end portion. A magnetron manufacturing method, wherein the tip end portion is joined to the main body portion with the strap ring positioned in a ring insertion groove.
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