JP3995184B2 - Nonylphenol-degrading bacteria - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノニルフェノールを分解することができる新規なスフィンゴモナス(Sphingomonas) 属に属する菌株、及びその利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工場排水、井戸水、水道水などの環境水中における様々な化学物質の存在が環境汚染の原因として大きな社会問題となっている。
ノニルフェノール(NP)は多くの商工業用物質における重要な中間体として周知である。ノニルフェノールの主要な用途は、工業分野で広く使用されている非イオン性界面活性剤の一つであるノニルフェノールポリエトキシレート(NPnEO)の合成原料である。しかし、NPは都市水環境にppb(μg/L)のオーダーで存在する汚染物質の一つとしても知られており、泥土(sediment)および表面水の両方に検出される(Giger W,他、(1984) Science 225, 623-625;Ahel M,他、(1985) Anal. Chem. 57, 1577-1583;Brunner PH,他、(1988) Water Res. 22, 1465-1472;Marcomini A,他、(1990) Marine Chem. 29, 307-323;Rudel RA, 他、(1996) Sci. Technol. 32, 861-869;Isobe T,他、(1998) 水環境学会誌,21, 203-208;及びKojima S,他、(1998) 水環境学会誌, 21, 302-309)。
【0003】
NPがエストロゲン活性を示すことが実証されている(Soto AM,他、(1991) Environ. Health Perspect. 92, 167-173;Jobling S, 他、(1993) Aquatic Toxicol. 27, 361-372;Ren L, 他、(1997) Chemico-Biol. Interact. 104, 55-64;及びSonnenschein C, 他、(1998) J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 65, 143-150)。最近の研究によれば、NPは毒性が高く、ある種の水性生物に蓄積することが実証されている(Granmo A,他、(1989) Environ. Pollut. 59, 115-127;Ekelund R, 他、(1990) Environ. Pollut. 64, 107-120;Ahel M,他、(1993) Environ. Pollut. 79, 243-248;Shurin JB,他、(1997) Environ. Toxicol. Chem. 16, 1269-1276;Gray MA, 他、(1997) Environ. Toxicol. Chem. 16, 1082-1086;Ashfield LA,他、(1998) Environ. Toxicol. Chem. 17, 679-686;及びColdham NG, 他、(1998) Drug Metab. Dispos. 26, 347-354)。
【0004】
例えば、ムラサキガイについては、各々3.0 ppm (96時間)、500 ppb (360時間)、 140 ppb (850時間)の LD50値が報告されている(Granmo A, 他、(1989) Environ. Pollut. 59, 115-127)。魚類及びムラサキガイにおける生物濃度ファクターは各々1,300及び3,400であることが報告されている(Ekelund R,他、(1990) Environ. Pollut. 64, 107-120)。 雌ニジマス幼魚をNP (10〜50 ppb) に露出すると生育が阻害され、30ppbのNPで処理した魚では卵体細胞指数(ovosomatic index)は有意に上昇した (Ashfield LA,他、(1998) Environ. Toxicol. Chem. 17, 679-68617)。
【0005】
NPが水環境中で頻繁に検出される主な原因は、放出されたNPnEOの微生物分解である。NPnEOはある種の細菌により容易に分解されてNPになる(Ahel M,他、(1994) Arch. Environ. Contam. Toxicol. 26, 540-548;Maki H, 他、(1994) Appl. Environ. Microbiol. 60, 2265-2271;Kvestak R, 他、(1995) Arch. Environ. Contam. Toxicol. 29, 551-556;Frassinetti S, 他、(1996) Environ. Technol. 17, 199-213;及びJohn DM,他、(1998) J. Bacteriol. 180, 4332-4338)。また、NPは比較的安定な化学物質である(Dorn PB,他、(1993) Environ. Toxicol. Chem. 12, 1751-1762;及びGinkel GC. (1996) Biodegradation 7, 151-164)。
【0006】
天然に生息する微生物のNP分解活性に関する研究は数例しか報告されていない(Sundaram KMS, 他、(1981) J. Environ. Sci. Health B16, 767-776;及びEkelund R, 他、 (1993) Environ. Pollut. 79, 59-61)。n−NP(直鎖ノニル基を有するNPの一異性体)分解酵母の単離について一例の報告がある(Corti A,他、(1995) Environ. Pollut. 90, 83-87)。しかし、環境中にはNPの分岐ノニル基に関する多数の構造異性体が存在するので、この酵母はバイオレメディエーションには応用できない。
【0007】
より最近、ベルギーの活性汚泥から単離されたSphingomonas spがNPを分解することが報告された(Tanghe T,他、(1999) Appl. Environ. Microbiol. 65, 746-75229)。しかし、この報告におけるNPの微生物分解に関する情報は限定的なものである。
【0008】
NPの深刻な生物学的影響が幾つか報告されている。そのうちの一つは、生殖器官に異常を有する雄のコイの発生であり、これはNPの影響によるものであると考られている。従って、バイオレメディエーションに応用できる新規なNP分解菌を単離及び同定することが望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ノニルフェノールを分解することができる菌株を単離及び同定することを解決すべき課題とした。本発明はまた、上記単離したNPを分解することができる菌株によるNPの分解機構を解明することを解決すべき課題とした。
【0010】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討してきた結果、これまでに水環境中での微生物相にNP分解活性を見出しており、東京の汚水処理プラントへの排水中に顕著なNP分解活性が観測されることを報告している(Fujii K, 他、(2000) 66, 44-48) 。しかしながら、この文献ではNP分解菌の単離は報告されていない。今回、本発明者らは、新規なNP分解菌(S−3株と命名)を単離することに成功した。さらに、この単離したNP分解菌の特徴を分析した結果、この菌は新種の菌であることが判明した。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
【0011】
即ち、本発明によれば、ノニルフェノールを分解することができるSphingomonas 属に属する菌株が提供される。
本発明の菌株の好ましい具体例としては、フェノールを分解することができず、ノニルフェノールをアルコールに分解し、及び/またはノニルフェノールのノニル基についての複数の構造異性体を分解することができる菌株である。
本発明の菌株の好ましい具体例としては、グラム陰性、好気性、桿状の細菌であり、コロニーが円形、連続状、凸状、乾燥、透明かつクリーム白色であり、25℃で生育できるが、4℃又は42℃では生育できない菌株である。
【0012】
本発明の菌株の好ましい具体例としては、グルコース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、トレハロース、フルクトース、スクロース又はマルトースから選択される炭水化物を同化しない菌株である。即ち、本発明の好ましい菌株としては、ノニルフェノール以外の多くの炭素源を資化せず、ノニルフェノールのみを特異的に資化する菌株である。
本発明の菌株の好ましい具体例としては、オキシダーゼ、カタラーゼ、アルカリホスファターゼ、酸ホスファターゼ、ロイシンアリールアミダーゼ、バリンアリールアミダーゼ、ナフトール−AS−BI−ホスホヒドラーゼ、ホスホヒドラーゼ、及びエステラーゼの酵素活性が陽性である菌株である。
本発明の菌株の好ましい具体例としては、DNAのG+C含有量が約63モル%である菌株である。
【0013】
本発明の菌株の好ましい具体例としては、主要な非極性脂肪酸は18:1及び16:0であり、主要な2−ヒドロキシ脂肪酸は14:0 2−OHであり、3−ヒドロキシ脂肪酸は存在せず、スフィンゴ糖脂質(Sphingoglycolipid)は存在し、主要なイソプレノイドキノンはユビキノンQ-10である菌株である。
本発明の菌株の好ましい具体例としては、唯一の炭素源としてノニルフェノールを含む培地を使用したスクリーニングにより単離される菌株である。
本発明の菌株の好ましい具体例としては、受託番号FERM P−17864を有する菌株である。
【0014】
本発明の別の側面によれば、上記した本発明のSphingomonas属に属する菌株を用いることを特徴とする、ノニルフェノールを分解する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明のSphingomonas属に属する菌株を用いることを特徴とする、排水の処理方法が提供される。
【0015】
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明のSphingomonas属に属する菌株を用いた、ノニルフェノールを分解するためのバイオリアクターが提供される。本発明のバイオリアクターは、好ましくは、排水処理用である。
本発明のさらに別の側面によれば、唯一の炭素源としてノニルフェノールを含む培地を使用してスクリーニングを行うことを特徴とする、ノニルフェノールを分解することができるSphingomonas 属に属する菌株のスクリーニング方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様及び実施方法について詳細に説明する。
(1)本発明によるNPを分解することができるSphingomonas属の菌株
本発明は、ノニルフェノールを分解することができるSphingomonas属に属する菌株に関する。本明細書において、ノニルフェノールとは、ベンゼン環の上に1個の水酸基と1個のノニル基(−C9H19)基とを有する化合物を全て包含する意味で使用される。該水酸基と該ノニル基の位置関係はパラ位である。本発明のSphingomonas属の菌株は、内分泌撹乱物質として作用する可能性がある環境中のノニルフェノールを分解することが好ましい。非イオン界面活性剤として使用されるノニルフェノールポリエトキシレート(NPnEO)が分解されることにより生じるノニルフェノールは水酸基のパラ位にノニル基が存在することから、本発明で言うノニルフェノールは、水酸基のパラ位にノニル基を有する。また、ノニル基(−C9H19)についても可能な構造異性体の全てが包含されるものとする。
【0017】
本発明の新規微生物は、Sphingomonas 属に属する菌株であり、本発明者が単離した一例の菌株(S−3株)は、受託番号FERM P−17864として寄託されている。
上記菌株は、東京の汚水処理プラントの排水から単離されたものである。S−3株の単離のために、0.1%(w/v)の NPを含むYNB 寒天(pH7.0;25℃)(NP/YNB寒天)を使用した。
【0018】
以下の実施例に詳述する通り、得られた微生物の菌学的性質を調べ、新規微生物であることを確認した。得られた菌学的性質を以下に示す。
〔1〕形態学的性質
(1)細胞の形:桿状
(2)大きさ:長さ2.0〜3.1μm;直径1.1〜1.4 μm
(3)グラム染色:陰性
【0019】
〔2〕生育状態
コロニーは円形、連続状、凸状、乾燥、透明、クリーム白色である。
【0020】
〔3〕生理学的性質
(1)生育温度:25℃で生育できるが、4℃又は42℃では生育できない。
(2)酸素要求性:好気的
(3)同化性:ノニルフェノールを同化するが、グルコース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、トレハロース、フルクトース、スクロース、及びマルトースを同化しない。
(4)オキシダーゼ、カタラーゼ、アルカリホスファターゼ、酸ホスファターゼ、ロイシンアリールアミダーゼ、バリンアリールアミダーゼ、ナフトール-AS−BI-ホスホヒドラーゼ、ホスホヒドラーゼ、及びエステラーゼは陽性の酵素活性を示す。
(5)DNAのGC含量はは63モル%
(6)主要な非極性脂肪酸は18:1及び16:0であり、主要な2−ヒドロキシ脂肪酸は14:0 2−OHである。3−ヒドロキシ脂肪酸は検出されない。スフィンゴ糖脂質(Sphingoglycolipid)は存在する。主要なイソプレノイドキノンはユビキノンQ-10である。
【0021】
本発明のノニルフェノール分解菌は、排水処理プラント等の排水等から、例えば、0.1%(w/v)の NPを含むYNB 寒天(pH7.0;25℃)(NP/YNB寒天)を使用してスクリーニングすることにより単離することができる。 NPを含むYNB寒天は、唯一の炭素源としてノニルフェノールを含む培地である。単離された菌株は、ノニルフェノールを検出するためのHPLC等の常用手段を用いて培養液を経時的に分析することなどにより、ノニルフェノール分解活性を検査することができる。
【0022】
本発明のノニルフェノール分解菌を培養するための培地組成としては、通常これらの分解菌が生育しうるものであれば天然培地及び合成培地のいずれも使用できる。また、培地は固体または液体培地のいずれでもよい。培地は通常、炭素源、窒素源、無機物を含む。炭素源としては、ノニルフェノールが好ましく、その他の各種炭化水素が含まれていてもよい。窒素源としては、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、各種アミノ酸等の有機窒素類、また硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の各種無機窒素である。炭素源、窒素源とも、単独または組合わせて用いられる。その他の無機物として、カリウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、カルシウム塩などの無機塩類などを必要に応じて適宜使用する。
本発明のノニルフェノール分解菌の培養は、通常の方法で行うことができる。培養温度は例えば、15〜35℃、より好ましくは20〜30℃、特に好ましくは25℃である。培養のpHは例えば6〜8であり、好ましくは7である。培養は震盪あるいは通気撹拌などの好気条件下で行う。
【0023】
(2)本発明のNPを分解することができるSphingomonas属に属する菌株を用いるノニルフェノールの分解方法並びに排水の処理方法
本発明のノニルフェノール分解菌を用いるノニルフェノール分解方法並びに排水の処理方法は、本発明のノニルフェノール分解菌を、ノニルフェノールを含む処理対象物(例えば、工場排水、井戸水、水道水等の環境水)に接触させ、該分解菌の作用により該対象処理物中のノニルフェノールを分解し、無毒化する方法である。
【0024】
(3)本発明のSphingomonas属に属する菌株を用いるバイオリアクター
本発明のバイオリアクターは、本発明のノニルフェノール分解菌を担体に固定化し、環境水などの処理対象物を通液するタンク内にこの担体を設置することによって構築することができる。また、制御装置、ポンプ、各種センサー等を設置してもよい。
担体としては、本発明の菌株を固定化することができるものであればどのようなものでもよい。例えば、アルギン酸、ポリビニールアルコール、ゲランガム、アガロース、セルロース、デキストラン等のゲル状物質に包括固定する方法や、ガラス、活性炭、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、木材、シリカゲル等の表面に吸着固定する方法を挙げることができる。
【0025】
固定法の具体例としては、菌株の培養液を担体に流し込むだけの固定法、アスピレーターを用いて担体を減圧下におき、菌株の培養液を担体に流し込むことからなる固定法、および菌株の培養液を滅菌した培地と担体との混合物に流し込み、振盪培養し、前記混合物から取り出した担体を自然乾燥する方法などが挙げられる。
【0026】
本発明のバイオリアクターを用いるノニルフェノール分解処理(例えば、排水処理)は、回分式、半回分式、連続式などの任意の様式により行うことができる。
排水などの処理対象物の温度を15〜35℃前後、好ましくは20〜30℃前後、より好ましくは25℃前後に調整して処理すればよい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
実施例1:NP分解菌の単離とNP分解産物の分析
(材料と方法)
1.化学物質
アミノ酸なしの酵母窒素ベース(YNB)、YPDブロス、及びバクトアガーはDifco Laboratories (Detroit, MI)から購入した。ノニルフェノール(NP) (Cat.No. 28315-02) はKanto Chemical (Tokyo, Japan)から得た。この試薬はNPの側鎖のノニル基に関する各種の構造異性体を含む。他の材料及び化学物質は市販品を入手できる。
【0028】
2.NP分解菌の培養条件
0.1%(w/v)、即ち1,000 ppmの NPを含むYNB (pH7.0;25℃)を最少培養培地(NP/YNB培地)として使用した。YNBは、窒素源としての(NH4)2SO4、他の塩類(KH2PO4, MgSO4, NaCl,及びCaCl2)、微量金属及び極少量のビタミンから成る。Difco Manualに記載されている通り、他の炭素源は存在せず、NP はNP/YNB培地中のほぼ唯一の炭素源であると考えられる。
【0029】
液体培養のためには、NP/YNB寒天プレートからの単一株コロニー又は(互いに単離されていない微生物から成る)混合培養物を滅菌楊子で拾い上げ、新しいNP/YNB培地に接種した。培地は続いて25℃の暗室中で90rpmの速度でロータリー震盪機でインキューベートした。
【0030】
3.NPの分解アッセイ
Mightysil RP−18GP HPLCカラム (Kanto Chemical Co. Ltd.)を備えた逆相HPLCシステム (TOSOH Co. Ltd., Tokyo, Japan) を使用してNPの生分解アッセイを行った。各培養物(各々、0、2、4、6、8、 及び10日、1サンプル当たり15mL)を60 mLの脱イオン水で希釈し、225 mLのアセトニトリルと混合した。混合物を続いて0.2 μmのOmnipore Membrane Filter (Millipore Corporation, Bedford, MA) で濾過し、HPLCシステムに供した。移動相としては(流速:1.0 mL/分)、アセトニトリル/水の混合物(75/25体積%)を使用した。NPは 277 nmのUV吸収で検出した。
【0031】
4.NP分解菌の全バイオマス
10日間培養サンプル(30 mL)を 4,000×gで4℃で10分間遠心した。次いで、沈殿した細菌細胞を150 μLの0.85% NaClに再懸濁し、計量瓶に回収した。懸濁物を105℃で5時間インキュベートして完全に乾燥させた。細菌の全バイオマスをAEG-120 電子マイクロバランス(Shimadzu, Tokyo, Japan)を用いて計量した。
【0032】
5.NP分解微生物の16S−リボソームDNA(16S−rDNA)のクローニング及び系統分析
NP分解微生物を分析するための16S−rDNAクローニングの試みの概要を図1に示す。混合培養物(15 mL)を4℃で4,000×gで10分間遠心し、細菌細胞を回収した。全細菌DNAを、プロテイナーゼK及びドデシル硫酸ナトリウムで溶解した後に、フェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿することによって得た。次に、16S−rDNAの部分領域をTaq DNA ポリメラーゼ(Takara Shuzo Co., Kyoto, Japan) 及び2つの一般的細菌プライマー(27F, 5'-AGAGTTTGATCCTGGCTCAG-3'(配列番号1); 530R, 5'-GTATTACCGCGGCTGCTGGC-3'(配列番号2))を用いてAB-1820サーマルサイクラー(ATTO Corporation, Tokyo, Japan)においてPCRを行うことにより増幅した。温度プロフィールは94℃で60秒、58℃で60秒及び72℃で90秒を25サイクルとし、最後の重合反応は72℃で7分間行った。TOPO TAクローニングキット(Invitrogen, Carlsbad, CA)を使用して、増幅したPCR産物及びpCR2.1ベクターをライゲーションし、得られたプラスミドを大腸菌に導入した。形質転換された細胞はLB寒天プレート(50μg/mL以下のアンピシリンを添加)からランダムに拾い、含有プラスミドをアルカリ法により独立に回収した。プラスミドに挿入した16S−rDNAフラグメンの各々をモデル373A DNAシークエンサー(Perkin-Elmer, Foster City, CA)を用いて解析した。得られたヌクレオチド配列は類似性サーチプログラムBLAST (Basic Local Alignment Search Tool)に供した(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST を参照(Altschul SF,他、(1990) J. Mol. Biol. 215, 403-410))。既知の菌種の16S−rDNAヌクレオチド配列は、Entrezヌクレオチド配列データベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/nucleotide.html)から得た。
16S−rDNA配列に基づく系統樹は、いわゆる近隣接合法(Neighbor-Joining法)のClustal W program (Saitou N, 他、(1987) Mol. Biol. Evol. 4, 406-425;及びThompson JD,他、(1994) Nucleic Acids Res. 22, 4673-4680)を用いて構築した。
【0033】
6.ガスクロマトグラフィー及び質量分光分析 ( GC/MS )
生分解生成物の同定は、QP−5000 質量分析計をインターフェースしたGC-17Aガスクロマトグラフ(Shimadzu, Tokyo, Japan)により分析した。条件は以下の通りである。カラム、HiCap-CBP−20M融合シリカカラム(0.25 mm×20 m, Shimadzu);注入体積, 1μL; キャリアガス、ヘリウム(2mL/分); 温度勾配, 50℃で3分, 50から150℃は5℃/分, 150から220℃は10℃/分, 220℃で20分; 全作動時間は50分。電子衝撃イオン化のためのイオン化エネルギー及び温度は各々70eV及び260℃である。分析するサンプルは、20日間培養物からヘキサンで抽出し、得られた上清(有機相)をロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。ヘッドスペース容器中の20日間培養物のガス相も、Carbowax/DVB-SPMEユニット(SUPELCO, Bellefonte, PA)を用いて分析した。各サンプルの全イオンクロマトグラムをモニターし、質量スペクトル上の分解産物の分子量及びフラグメント化パターンを分析することにより分解産物を同定した。
【0034】
7.NMR分析
NMRスペクトルは、5mm径のチューブ中の過重水素化溶媒中のサンプル溶液についてJEOL GX-270 NMRスペクトル測定器を用いて得た。1H-NMR スペクトルを270 MHzで記録した。スペクトルのサイズは37,000ポイントであり、取得時間は2秒であった。
【0035】
8.電子顕微鏡
電子顕微鏡写真の作製において、7日間培養物(15ml)の細菌細胞を遠心によって回収し、500μL の0.85% NaClに再懸濁した。次に、細胞を炭素被覆したメッシュ上で乾燥し、3%の酢酸ウラニルで染色し、透過型電子顕微鏡 (Model H-7000, Hitachi, Tokyo, Japan)で観察した。
【0036】
(結果と考察)
1.NP分解微生物の微生物的プロフィール
n−NP分解酵母が細菌同定されているので(Corti A, 他、(1995) Environ. Pollut. 90, 83-8728)、本発明者は最初に、酵母又は真菌がNP分解微生物中に存在するかどうかを、(i)顕微鏡分析及び(ii)酵母の増殖に適したYPD寒天上での増殖実験によって調べた、しかし、これらの何れも観察されず、この微生物は主として細菌からなることが示唆された。
【0037】
本実施例で使用したNPは高度に分岐したノニル基に関する各種構造異性体の混合物であるため、複数種の細菌がNPの分解に共働的に関与しているものと仮定した。従って、7日間の混合培養物中の細菌の16S−rDNAをクローニングし(図1)、得られた配列をBLASTの類似性検索プログラムに供した。45個のランダムに選択したクローンを2つのグループ(表1中、グループI及びII)に分類した。グループIのクローンは、シュードモナス(Pseudomonas)種の部分的16S−rDNA配列と相同性が高いことが判明し、グループ−IIのクローンはスフィンゴモナス(Sphingomonas) 種とほぼ同一であった。2日間及び10日間の混合培養物を用いた同様の実験を行った結果、同様の結果が得られた。16S−rDNA 配列に基づく系統樹を既知の種および各グループの代表的クローンから構築し、グループI及びIIのこれらのクローンは各々、既知のシュードモナス(Pseudomonas)種又はスフィンゴモナス(Sphingomonas)種と密接な系統関係を示す(図2)。両グループは、炭素源として生分解耐性化合物を利用する多くの種を包含することが知られている。例えば、ピー・プチダ(P. putida)の幾つかの株は、フェノール、ベンゼン及びトルエンを同化することが知られている(Duetz WA, 他、(1994) Appl. Environ. Microbiol. 60, 2858-2863;及びFeist CF,他、(1969) J. Bacteriol. 100, 869-877)。さらに最近、ピー・プチダ(P. putida)は NPnEO(n=6-20)をそのエトキシ基を攻撃することによりNP2EOに分解することが判明した(John DM,他、(1998) J. Bacteriol. 180, 4332-4338)。ピー・メンドシナ(P. mendocina)はトルエンを同化することが知られている(White GM, 他、(1991) J. Bacteriol. 173, 3017-3020)。ピー・スツツゼリ(P. stutzeri)はo−キシレン(Baggi G,他、(1987) Environ. Microbiol. 53, 2192-2132)又はナフタレン(Garcia-Valdes E,他、(1989)Appl. Environ. Microbiol. 54, 2478-2485)を利用することが知られている。一方、ピー・シュードアルカリゲネス(P. pseudoalcaligenes)はPCBを炭素源として利用することができる(Furukawa K,他、(1986) J. Bacteriol. 166, 392-398)。スフィンゴモナス(Sphingomonas)種であるエス・パウシモビリス(S. paucimobilis )Q1及びエス・ヤノイクイアエ(S. yanoikuyae) B1は ナフタレン又はビフェニルを同化することが知られている(Furukawa K, 他、(1983) J. Bacteriol. 154, 1356-1362;Gibson DT, 他、(1973) Biochem. Biophys. Res. Commun. 50, 211-219;Khan AA,他、(1996) Int. J. Syst. Bacteriol. 46, 466-469;及びKuhm AE,他、(1991) Biodegradation 2, 115-120)。エス・クロロフェノリカ(S. chlorophenolica )及びエス・スバルクチカ(S. subarctica)は塩素化フェノールを同化することができる(McCarthy DL, 他(1997) Appl. Environ. Microbiol. 63, 1883-1888;Nohynek LJ,他、(1996) Int. J. Syst. Bacteriol. 46, 1042-1055;Ohtsubo Y,他、(1999) FEBS letters 459, 395-398;及びRadehaus PM, 他、(1992) Appl. Environ. Microbiol. 58, 2879-2885)。エス・ヘルビシドボランス(S. Herbicidovorans)は除草剤を炭素源として利用することが報告されている(Horvath M,他、(1990) Appl. Microbiol. Biotechnol. 33, 213-216;Zipper C,他、(1996) Appl. Environ. Microbiol. 62, 4318-4322;及びZipper C, 他、(1998) J. Bacteriol. 180, 3368-3374)。
【0038】
【表1】
【0039】
2.NP分解菌の単離
次に、Pseudomonas 種の菌株(P−株)及びSphingomonas種の菌株(S−株)を単離して分離するために、7日間の混合培養物の一部をNP/YNB寒天プレート上に接種した。P−株は1週間のインキュベーション後に単離され、S−株は1月のインキュベーション後に小さなコロニーとして最終的に現れた。従って、P−株及び/又はS−株のランダムの単一コロニーをNP/YNB培地中に接種し、 7日間培養し、その培養物がNPの分解に必要かつ十分であるかどうかを調べた。NP (1,000 ppm)はS−株、並びに混合培養物により分解されたが、P−株はNPを分解できなかった(図3)。この結果は、S−株がNPの分解に必要かつ十分であることを示している。
【0040】
次に、S−株のNP分解活性を、単一コロニーをNP/YNB培地に接種することにより詳細に調べた(図4)。独立したアッセイにおいて、1,000 ppmのNPの初期濃度を用いて、NPは2日以内に分解し始め、10日以内にほぼ完全に減少した。液体培養物中のS−株の全バイオマスは、10日間の培養後に有意に増加することが判明し(図5)、これはNPが唯一の炭素源として利用されていることを示している。NP/YNBはいわゆる最小増殖培地なので、微生物の増殖は顕著ではない。余分な細菌沈殿物の廃棄が操作の際に頻繁には必要ではないので、S−株をNP分解バイオリアクターに適用することが可能である。S−株の透過型電子顕微鏡写真を図6に示す。
【0041】
最近、Sphingomonas属の菌株TTNP3がNPを分解することが報告されている(Tanghe T, 他、(1999)Appl. Environ. Microbiol. 65, 746-752)。TTNP3株はベルギーの汚水処理プラントの活性汚泥から単離されたものであり、本発明の菌株は東京の汚水処理プラントへの流入下水から独立に単離されたものである。Tanghe らはTTNP3株の16S−rDNAを分析することによってTTNP3株は Sphingomonas属の新種であると結論付けた。TTNP3株のコロニーは黄色であり平滑であることが報告されているのに対し、本発明のS−株のコロニーは白色でラフ(rough)である。さらに、TTNP3はフェノールを同化することが報告されているが、S−株は炭素源としてフェノールを使用することができない。これらの相違点からS−株とTTNP3は同一の属に属するが、同一種ではないことが強く示唆される。
【0042】
NP分解経路におけるP−株の役割は不明である。S−株のNP-分解活性は、図3に示す通りP−株により影響を受けない。しかし、 P−株はNPが唯一の炭素源である集積培養によって単離された。S−株及びP−株は共生関係を形成している可能性がある。上記の通り、多くのPseudomonas種菌株が中間代謝産物の候補である芳香族化合物を同化することができる。一方、Sphingomonas 属のある種は、増殖にビタミン等の微量補栄養要素を必要とすることが知られている(Eguchi, M., personal communication)。従って、P−株がS−株の増殖のための補栄養要素を与え、S−株はP−株からの供与のためにNP分解経路の中間代謝物を排泄している可能性がある。材料および方法に記載した通り、微量ビタミンはYNBに添加したので、NPの分解に対するP−株の寄与を観察することはできなかった。
【0043】
3.NPの分解産物
NPの芳香部分を上記したようなHPLC条件を用いてUV吸収によりモニターした結果、ベンゼン、フェノール又は短いアルキル鎖を有するアルキルフェノールは培養物中には検出できなかった。従って、GC/MSをさらに使用して培養培地及びガス相における生分解産物を同定した。NPは分解され、アルコール(主としてノナノール)が20日目の培養物中に検出された(図7及び表2)。アルコールは培養物のガス相にも検出された。異なる保持時間を有するノナノールが培養培地及びガス相の両方で検出されたことから、分岐した炭化水素鎖に関するノナノールの多様な構造異性体が存在することが示された(表2)。本実施例で使用したNPは分岐したノニル基に関する多様な異性体を含んでいるので、アルコールはNPのノニル基に由来することが示唆される。上記した分解機構の提案はノニルベンゼンの生分解機構(Sariaslani FS,他、(1974) Biochem. J. 140, 31-45)やノニル基はノニルベンゼン又はNPの芳香族部分に先だって分解されるというTanghe'の推察とは対立するものである。しかし、短いアルキル鎖を有するアルキルフェノールはS−株によって分解されないという知見は、NPとノニルベンゼンの分解機構の相違を反映している。
【0044】
【表2】
【0045】
フェノール化合物は多くの生物に対して高い毒性を示すことが多い。さらに最近、ある種のフェノール化合物は内分泌撹乱化学物質であることが判明している。即ち、NPの芳香族部分が生分解の際に無傷のままでいるかどうかを調べることは重要である。HPLC及びGC/MSでは、NP以外の芳香属化合物は検出されなかった。また、1H-NMRを使用して20日目の培養物を分析したが、芳香環のシグナルはほぼ完全に消失したようである。従って、NPの芳香族部分が分解されているものと予測される。
【0046】
実施例2:NP分解菌の単離と特徴分析
(材料と方法)
1.化学物質
アミノ酸なしの酵母窒素ベース(YNB)、バクトアガー、及びTryptic Soy寒天はDifco Laboratories (Detroit, MI)から購入した。NP (Cat.No. 28315-02) はKanto Chemical (Tokyo, Japan)から得た。普通ブイヨン及び普通寒天はEiken Chemical(東京、日本)から購入した。他の材料及び化学物質は市販品を入手できる。
【0047】
2.NP分解細菌の単離
東京の汚水処理プラントの排水からS−3株を単離した。S−3株の単離のためには、0.1%(w/v)、即ち、1,000 ppmの NPを含むYNB 寒天(pH7.0;25℃)(NP/YNB寒天)を使用した。YNBは、Difco Manualに記載されている通り、窒素源としての(NH4)2SO4、他の塩類(KH2PO4, MgSO4, NaCl, and CaCl2), 微量金属及び極少量のビタミンから成る。従って、NPはNP/YNB培地中のほぼ唯一の炭素源であると考えられる。
【0048】
3.細菌株
本実施例で使用した細菌株を表3に記載する。これらは、the Institute for Fermentation (IFO)(大阪、日本)、the Japan Collection of Microorganisms (JCM)(埼玉、日本)、Deutsche Sammlung von Mikro-organismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ)(Brunswick, ドイツ)、並びにthe Microbial Culture Collection at the Division of Microbiology (HAMBI)(ヘルシンキ大学、フィンランド)から入手した。推奨される既知の生育培地を使用してこれらの生物体を生育した。S−3株は、2000年(平成12年)5月23日付で受託番号FERM P−17864として、工業技術院生命工学工業技術研究所、日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号305-8566)に寄託されている。
【0049】
【表3】
【0050】
4.形態構造
細胞の形態構造は透過型電子顕微鏡を用いて調べた(TEM Model H-7000, 日立、東京、日本)。電子顕微鏡写真の作製において、細菌細胞は500μlの0.85%NaClに懸濁した。続いて、細胞を炭素被覆メッシュ上で乾燥し、3%酢酸ウラシルで染色して観察した。
【0051】
5.生理学的及び生化学的特徴
生育のための酸素要求は、普通寒天及びBBL GasPak Anaerobic System (Becton Dickinson, Cockeysville, MD)を使用して調べた。オキシダーゼ試験又はカタラーゼ試験は、各々Poremedia Oxidase Test Indicator (Eiken) 又は3.0%過酸化水素を用いて行った。API50カルボハイドレート基質ストリップ(BioMerieux, Lyon, フランス)を使用して試験生物の同化パターンを調べた。1.0%の炭水化物を含むYNB(25℃でpH7.0)を用いて好気的に培養することにより、API 50により得られたデータの正当性を確認した。APIZYM (BioMerieux) を使用して、生化学的特徴を調べた。スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)(この属の典型種の菌株)をコントロール実験のために使用した。
【0052】
6.DNA調製
細胞をTris-EDTA緩衝液(pH 8.0)に懸濁し、リゾチーム(最終濃度2 mg/ml) 及び硫酸ドデシルナトリウム(最終濃度0.5%)で溶解した。染色体DNAを標準法(Sambrook J,他、(1989) Molecular Cloning: a laboratory Manual, 2nd edn. Cold Spring Harbor, NY: Cold Spring Harbor Laboratory)で精製したが、最終工程では、RNase 処理、CTAB処理、及びエタノール沈殿は全て2回行った。
【0053】
7.DNA塩基組成及びDNA−DNAホモロジー
DNA塩基組成、即ち、グアニン+シトシン(G+C)含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法で調べた(Tamaoka J & Komagata K. (1984) FEMS MicrobiolLett 25, 125-128)。スフィンゴモナス・クロロフェノリカ(Sphingomonas chlorophenolica)をコントロール実験のために使用した。
DNA−DNAホモロジーを、基質としての1,2−フェニレンジアミン(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)及び発色酵素としてストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ結合物 (Boehringer, Mannheim, Germany)を使用するフォトビオチン標識及び発色検出 (Satomi M,他、(1997) Int J Syst Bacteriol 47, 832-836)を用いたマイクロプレートハイブリダイゼーション法(Ezaki T, 他、(1989) Int J Syst Bacteriol 39, 224-229)により調べた。
【0054】
8.16S−rDNA配列決定及び系統分析
ほぼ完全な16S−rDNAを、大腸菌16S−rDNA(Weisburg WG, 他、(1991) J Bacteriol 173, 697-703)の位置8−27(フォワードプライマー)及び1492−1510(リバースプライマー)に対応する、ユニバーサルプライマーセットを使用するPCRにより増幅した。PCRの反応条件は、Suzuki T 他、(1994) FEMS Microbiol Lett 115, 13-18に記載されたものと同様とした。増幅したDNAフラグメントの直接配列決定は、Satomi M, 他、(1997)Int J Syst Bacteriol 47, 832-836に記載の通り行った。S−3株と他の菌種との16S−rDNA配列の類似性を、BLASTアルゴリズムを使用してGeneBanc、EMBL、及びDDBJデータベース中の既知の全配列データと比較した(Altschul SF, 他、(1990)J Mol Biol 215, 403-410)。データ分析は、CLUSTAL Wソフトウエア(Thompson JD, 他、(1994) Nucleic Acids Res. 22, 4673-4680)を用いて実施した。ヌクレオチド置換速度(Knuc 値)をKimura M. (1980) J Mol Biol 16, 111-120の方法により計算し、系統樹は、Saitou N他、(1987) Mol Biol Evol 4, 406-425の近隣接合法(Neighbor-Joining法)を用いて構築した。系統樹分析で使用した細菌の配列受託番号は表3に示す。
【0055】
9.脂肪酸組成
全細胞脂質をBligh EJ 他、(1959)Can J Biochem Physiol 37, 911-917に記載の方法に従い抽出した。抽出した脂質を脂肪酸メチルエステルに転換し、the American Oil Chemists Society (1990)の測定法に供した。水酸化脂肪酸をトリメチルシリル化してから、GC/MS 分析に供した。GC/MS 分析では、QP−5000質量分析計をインターフェースしたGC-17Aガスクロマトグラフ(Shimadzu, Tokyo, Japan) を使用した。実験条件は以下の通りである。OMEGA WAX カラム(0.25 mm×30 m, Supelco, PA);注入体積, 0.8 μL;キャリアガス,ヘリウム(1 mL/分);温度勾配、150℃で4分間、150から180℃は5℃/分、180から240℃は2℃/分、240℃で10分間; 全作動時間は50分間。注入口温度は250℃。電子衝撃イオン化のためのイオン化エネルギー及び温度は各々70eV及び280℃である。Sphingomonas chlorophenolica をコントロール実験のために使用した。
【0056】
10.極性脂質
極性脂質を細胞膜から分離し、一次元溶媒系としてクロロホルム:メタノール:水(65:25:4、体積/体積)を使用し、次いで二次元の溶媒系としてクロロホルム:メタノール:酢酸:水(80:12:15:4、体積/体積)を使用する二次元薄層クロマトグラフィー(TLC)により分析した。α−ナフトール/硫酸、過ヨウ素酸塩-Schiff、Zinzadze、及びニンヒドリンを各々使用して、糖、α−グリコール、リン酸塩及び遊離アミノ基を検出した。Sphingomonas chlorophenolicaをコントロール実験のために使用した。
【0057】
11.イソプレノイドキノン組成
イソプレノイドキノンの型及びイソプレノイドの長さは、Yamada & Kuraishi、微生物の化学分類実験法 (1982)、p143−155に記載された方法に従って分析した。全細胞の全アセトン可溶抽出物を溶出剤としてベンゼンを使用する一次元TLCにより分離した。イソプレノイドの長さは逆相カラム (Cosmosil C-18 Econopak column; Nakarai Tesque)を使用するHPLCにより分析した。Sphingomonas chlorophenolicaをコントロール実験のために使用した。
【0058】
12.新規単離物のヌクレオチド配列受託番号
S−3株の16S−rDNA配列はDDBJ データベース(日本DNA データバンク, Shizuoka, Japan)に受託番号AB040739として登録されている。
【0059】
(結果と考察)
1.形態構造の特徴
S−3株は好気性、グラム陰性、及び桿状(長さ2.0〜3.1μm で直径1.1〜1.4 μm)であった。図8はS−3株の電子顕微鏡写真を示す。この株は、普通寒天及びTryptic Soy 寒天上に25℃で3〜4日間でクリーム白色のコロニーを形成した。S−3株は、NP/YNB寒天上に視覚できるコロニーを形成するのに約1週間かかるが、NP/YNBは材料及び方法で記載した通り、最小塩培地なのでこれは説明できる。コロニーの生育は4℃及び42℃の温度では観察されなかった。
【0060】
2.生理学的及び生化学的特徴
S−3株の特徴を表4に要約する。S−3株は本実験で試験した炭水化物を何れも同化しなかった。これらの実験でコントロールとして使用したエス・パウシモビリス(S. paucimobilis)は、多数の異なる種類の炭水化物を同一の実験条件下で同化したので、実験系は正常に機能していると考えられる。また、1.0%の炭水化物又はNPを含有するYNB(25℃でpH7.0)を用いてS−3株をロータリー震盪器で好気培養したが、この場合、炭水化物は同化されず、NPは細菌の生育に利用された。従って、本実施例の結果は信頼できるものであると言える。ある種のSphingomonas種(例えば、エス・スチギア(S. stygia)、エス・テラエ(S. terrae)、及びエス・サッカロリティカ(S. asaccharolytica)は数種類のみの炭水化物を同化することが報告されていることを考慮すると(Takeuchi M, 他、(1995)Int J Syst Bacteriol45, 334-341;及びStolz A,他、(2000) Int J Syst EvolMicrobiol 50, 35-41)、S−3株は実際に炭水化物を同化しないか数種のみの炭水化物を同化していることが強く示唆される。
【0061】
【表4】
【0062】
オキシダーゼ及びカラターゼの活性は陽性であり、複数の他の酵素活性も検出された。しかし、本実施例で試験した炭水化物分解酵素の活性は全て陰性であっり、この結果は、炭水化物の同化に関する知見と一致する(表4)。
【0063】
3.DNA分析
S−3株のゲノムDNAのG+C含量は63モル%と測定された(表5)。この値はSphingomonas 属の他の菌株について測定される範囲内(即ち、61.6〜67.8モル%)(Takeuchi M,他、(1993)Syst Appl Bacteriol 16, 2227-2238;及びYabuuchi E, 他、(1990)Microbiol Immunol 34, 99-119)である。
【0064】
【表5】
【0065】
16S−rDNA配列の分析の結果(図9)から、S−3株は、 エス・ヤノイクイアエ(S. yanoikuyae)、エス・クロロフェノリカ(S. chlorophenolica)、エス・フラバ(S. flava)、エス・アグレスティス(S. agrestis)、エス・パウシモビリス(S. paucimobilis)及び エス・ヘルビシドボランス(S. herbicidovorans)を含む複数のSphingomonas sppと類似性を示した。しかし、これらの菌種との16S−rDNAの配列類似性は最大でも96%であったことから、S−3株は別種とみなすべきである。従って、DNA−DNAハイブリダイゼーション実験を行い、S−3株と既知のSphingomonas種との関係に関する情報を得た。S−3株と同一のクラスターを形成する6つの菌種、並びに16S−rDNA の系統樹(図9)において別個の種を形成する4つのランダムの菌種を調べた。表5はこれらの種の間におけるDNA−DNA再会合値を示すが、比較的低レベルのハイブリダイゼーションが示される(最大27%)。系統発生的に定義される菌種は、約70%以上のDNA−DNAハイブリダイゼーション値を示す株から成ることが推奨されている(Wayne LG,他、(1987)Int J Syst Bacteriol37, 463-464)。従って、S−3株は他の既知のSphingomonas種とは別種である。
【0066】
4.S−3株の細胞脂肪酸組成物及び極性脂質パターン
S−3株の全細胞脂肪酸プロフィールを表6に示す。検出された主要な非極性脂肪酸は18:1 と16:0であり、2-ヒドロキシミリスチン酸(14:0 2-OH)が優勢なヒドロキシル化脂肪酸として存在している。しかしながら、3−ヒドロキシル化 脂肪酸は検出されなかった。これらの結果は、Sphingomonas 属の説明(Yabuuchi E, 他、(1990) Microbiol Immunol 34, 99-119;Takeuchi M,他、(1993) Syst Appl Bacteriol 16, 2227-2238;及びTakeuchi M,他、(1994)Int J Syst Bacteriol 44, 308-314;Kampfer P,他、(1997) Int J Syst Bacteriol 47, 577-583;及びStolz A,他、(2000) Int J Syst Evol Microbiol 50, 35-41)と一致する。Sphingomonas属に見られる独特の脂質であるスヒンゴ糖脂質(Shingoglycolipid)もTLC分析により検出された。
【0067】
【表6】
【0068】
5.イソプレノイドキノン分析
S−3株のイソプレノイドキノン組成を測定した。S−3株は主としてQ−10から成るユビキノンを含有していた。主なイソプレノイドキノンとしてユビキノンQ−10が存在することは、Sphingomonas属に典型的である(Yabuuchi E, 他、(1990) Microbiol Immunol 34, 99-119;Yrjala K,他、(1998) Int J Syst Bacteriol 48, 1057-62;及びStolz A,他、(2000) Int J Syst Evol Microbiol 50, 35-41)。
【0069】
6.結論
最近、Sphingomonas 属において生体異物分解菌種が幾つか報告されており、その研究は活発になされている。例えば、エス・パウシモビリス(S. paucimobilis)及びエス・ヤノイクイアエ(S. yanoikuyae)はナフタレン及びビフェニルを同化することが知られている(Gibson DT,他、(1973)Biochem Biophys Res Commun 50, 211-219;Furukawa K, 他、 (1983)J Bacteriol 154, 1356-1362;Yabuuchi E, 他、(1990) Microbiol Immunol 34, 99-119;Kuhm AE,他、(1991)Biodegradation 2, 115-120;及びKhan AA,他(1996) Int J SystBacteriol 46, 466-469)。エス・クロロフェノリカ(S. chlorophenolica),エス・フラバ(S. flava)及びエス・スバルクチカ(S. subarctica)は、塩素化フェノールを同化することができる(RadehausPM他、(1992)Appl Environ Microbiol 58, 2879-2885;Nohynek LJ, 他、(1996) Int J Syst Bacteriol46, 1042-1055;McCarthy DL,他、(1997)Appl Environ Microbiol 63, 1883-1888;及びOhtsubo Y, 他、(1999) FEBS letters 459, 395-398)。エス・ヘルビシドボランス(S. herbicidovorans)は炭素源として除草剤を利用できることが判明している(Horvath M, 他、(1990) Appl Microbiol Biotechnol 33, 213-216;Zipper C, 他、(1996) Appl Environ Microbiol62, 4318-4322;及びZipper C,他、(1998) J Bacteriol180, 3368-3374)。エス・アグレスティス(S. agrestis) 及びエス・キセノファガ(S. xenophaga)は数種の芳香族及びクロロ芳香族化合物を同化することが報告されている(Kilpi S,他、(1980) FEMS Microbiol lett 8, 177-182;Yrjala K,他、(1998) Int J Syst Bacteriol48, 1057-62;及びStolz A,他、(2000) Int J Syst EvolMicrobiol 50, 35-41)。
【0070】
16S−rDNA 配列(図9)、ゲノムDNAのG+C含有量(表5)、イソプレノイドキノン組成、全細胞脂肪酸プロフィール(表6)、及びスフィンゴ糖脂質の存在から、S−3株はSphingomonas属に属することが示唆される。
また、S−3株と他の既知のSphingomonas 種間の16S−rDNAの類似性から(図9)、S−3株は新種であることが示唆される。また、S−3株(表4)と他のSphingomonas (Yabuuchi E,他、(1990)Microbiol Immunol 34, 99-119;Takeuchi M,他、(1995) Int J Syst Bacteriol 45, 334-341;Kampfer P,他、(1997)Int J Syst Bacteriol 47, 577-583;及びStolz A, 他、(2000) Int J Syst Evol Microbiol 50, 35-41)の表現型の特徴を比較することにより有意な相違が示され、S−3株が既知の菌種とは別個のものであることが裏付けられる。さらに、DNA−DNAハイブリダイゼーション実験(表5)により、S−3株がSphingomonas属の新種であることが示される。
【0071】
本実施例で得られた表現型、遺伝型、及び系統発生のデータから、S−3株は スフィンゴモナス(Sphingomonas)属の新種に分類されると結論付けられる。従って、この新規の菌株をスフィンゴモナス・クロアカ(Sphingomonas cloaca)と命名する。
【0072】
Sphingomonas cloacaは、東京の汚水処理プラントの排水から単離された、グラム陰性、好気性、桿状の細菌である(長さ2.0〜3.1μm;直径1.1〜1.4 μm)。コロニーは円形、連続状、凸状、乾燥、透明、クリーム白色である。細胞は25℃で生育できるが、4℃又は42℃では生育できない。ノニルフェノール(内分泌撹乱物質の1種)は同化されるが、本実施例で試験した炭水化物(グルコース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、トレハロース、フルクトース、スクロース、及びマルトース)は同化されない。オキシダーゼ、カタラーゼ、アルカリホスファターゼ、酸ホスファターゼ、ロイシンアリールアミダーゼ、バリンアリールアミダーゼ、ナフトール−AS−BI−ホスホヒドラーゼ、ホスホヒドラーゼ、及びエステラーゼは陽性の酵素活性を示す。DNAのG+C含有量は63モル%と測定された。主要な非極性脂肪酸は18:1及び16:0であり、主要な2−ヒドロキシ脂肪酸は14:0 2−OHである。3−ヒドロキシ脂肪酸は検出されなかった。スフィンゴ糖脂質(Sphingoglycolipid)は存在する。主要なイソプレノイドキノンはユビキノンQ-10である。
本発明の代表的菌株は S−3株(FERM P−17864)である。S−3株の16S−rDNA 配列は、DDJBデータベースに受託番号AB040379として登録されている。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、新規なSphingomonas sp. 菌株が提供される。本発明の菌株はノニルフェノールを分解することができる。本発明の菌株を用いて排水処理などを行うことにより環境中のノニルフェノールを分解することができ、これによりノニルフェノールが環境に蓄積することによる環境汚染を防止することができる。
【0074】
【配列表】
【0075】
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、16S−rDNAをクローニング法の流れ図を示す。
【図2】図2は、NP分解菌の系統樹を示す。グループI(A)及びII(B)の系統に基づく樹は、各々の代表的クローン及び既知の菌種由来の16S−rDNA配列に基づいて構築した。スケールを示す棒は=100ヌクレオチドにつき2ヌクレオチド
【図3】図3は、S−株、P株、又は混合株(S及びP)の培養物によるNPの分解を示す。NPの回収率は、溶液中に残存するNPの百分率である。S−株の7日目の純粋培養物におけるNPの回収率を、平均±S.E.M(4サンプルを試験した)として、P−株又は混合培養物の相対値として示す。*P<0.01(Studentのt-試験による)
【図4】図4は、混合培養物(A)又はS−株(B)によるNPの分解の典型的な時間経過を示す。NPの回収率は、溶液中に残存するNPの百分率である。4回の独立した実験の結果(白丸、黒丸、白四角及び黒四角) を示す。
【図5】図5は、10日間の培養後のNP分解混合培養物の全バイオマスの増加を示す。10日目の培養物の細菌バイオマスの乾燥重量を、平均±S.E.M(4サンプルを試験した)として、0日目の培養物のものの相対値として示す。*P<0.01(Studentのt-試験による)
【図6】図6は、7日目の混合培養物中の細菌の透過型電子顕微鏡写真を示す(8000倍)。
【図7】図7は、分解産物のGC/MS分析の結果を示す。0日目の培養物(A)及び20日目の培養物(B)のヘキサン抽出物の全イオンクロマトグラムを示す。20日目の培養物の独特のピークを四角で囲み、その同定を表2に示す。
【図8】図8は、S−3細胞の透過型電子顕微鏡写真を示す(12,000倍)。棒の長さ=1μm
【図9】図9は、S−3株及び関連細菌の16S−rDNA配列に基づく近隣接合法(Neighbor-Joining法)により構築した系統樹を示す。スケールを示す棒は、進化距離 (Knuc) 0.01を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides a novel compound capable of decomposing nonylphenol.SphingomonasThe present invention relates to a strain belonging to the genus (Sphingomonas) and a method for using the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the presence of various chemical substances in environmental water such as factory effluent, well water, and tap water has become a major social problem as a cause of environmental pollution.
Nonylphenol (NP) is well known as an important intermediate in many commercial and industrial materials. The primary use of nonylphenol is as a raw material for the synthesis of nonylphenol polyethoxylate (NPnEO), which is one of the nonionic surfactants widely used in the industrial field. However, NP is also known as one of the pollutants present in the urban water environment on the order of ppb (μg / L) and is detected in both mud (sediment) and surface water (Giger W, et al., (1984) Science 225, 623-625; Ahel M, et al. (1985) Anal. Chem. 57, 1577-1583; Brunner PH, et al. (1988) Water Res. 22, 1465-1472; Marcomini A, et al. (1990) Marine Chem. 29, 307-323; Rudel RA, et al. (1996) Sci. Technol. 32, 861-869; Isobe T, et al. (1998) Journal of Water Environment Society, 21, 203-208; Kojima S, et al. (1998) Journal of Water Environment Society, 21, 302-309).
[0003]
NP has been demonstrated to exhibit estrogenic activity (Soto AM, et al. (1991) Environ. Health Perspect. 92, 167-173; Jobling S, et al. (1993) Aquatic Toxicol. 27, 361-372; Ren L, et al. (1997) Chemico-Biol. Interact. 104, 55-64; and Sononneschein C, et al. (1998) J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 65, 143-150). Recent studies have demonstrated that NP is highly toxic and accumulates in certain aquatic organisms (Granmo A, et al. (1989) Environ. Pollut. 59, 115-127; Ekelund R, et al. (1990) Environ. Pollut. 64, 107-120; Ahel M, et al. (1993) Environ. Pollut. 79, 243-248; Shurin JB, et al. (1997) Environ. Toxicol. Chem. 16, 1269- Gray MA, et al., (1997) Environ. Toxicol. Chem. 16, 1082-1086; Ashfield LA, et al., (1998) Environ. Toxicol. Chem. 17, 679-686; and Coldham NG, et al., (1998) ) Drug Metab. Dispos. 26, 347-354).
[0004]
For example, for mussels, LD of 3.0 ppm (96 hours), 500 ppb (360 hours), and 140 ppb (850 hours), respectively.50Values have been reported (Granmo A, et al. (1989) Environ. Pollut. 59, 115-127). Bioconcentration factors in fish and mussels have been reported to be 1,300 and 3,400, respectively (Ekelund R, et al. (1990) Environ. Pollut. 64, 107-120). Exposure of female rainbow trout larvae to NP (10-50 ppb) inhibited growth, and fish treated with 30 ppb NP significantly increased the ovosomatic index (Ashfield LA, et al., (1998) Environ Toxicol. Chem. 17, 679-68617).
[0005]
The main cause of frequent detection of NPs in the aquatic environment is microbial degradation of released NPnEO. NPnEO is readily degraded by certain bacteria to become NP (Ahel M, et al. (1994) Arch. Environ. Contam. Toxicol. 26, 540-548; Maki H, et al. (1994) Appl. Environ. Microbiol. 60, 2265-2271; Kvestak R, et al. (1995) Arch. Environ. Contam. Toxicol. 29, 551-556; Frassinetti S, et al. (1996) Environ. Technol. 17, 199-213; and John DM, et al. (1998) J. Bacteriol. 180, 4332-4338). NP is also a relatively stable chemical (Dorn PB, et al. (1993) Environ. Toxicol. Chem. 12, 1751-1762; and Ginkel GC. (1996) Biodegradation 7, 151-164).
[0006]
Only a few studies on the NP degradation activity of naturally occurring microorganisms have been reported (Sundaram KMS, et al. (1981) J. Environ. Sci. Health B16, 767-776; and Ekelund R, et al. (1993). Environ. Pollut. 79, 59-61). There is an example of the isolation of n-NP (an isomer of NP having a linear nonyl group) degrading yeast (Corti A, et al. (1995) Environ. Pollut. 90, 83-87). However, since there are many structural isomers related to the branched nonyl group of NP in the environment, this yeast cannot be applied to bioremediation.
[0007]
More recently, Sphingomonas sp isolated from Belgian activated sludge has been reported to degrade NPs (Tanghe T, et al. (1999) Appl. Environ. Microbiol. 65, 746-75229). However, the information regarding the microbial degradation of NP in this report is limited.
[0008]
Several serious biological effects of NP have been reported. One of them is the development of male carp with abnormal reproductive organs, which is thought to be due to the effects of NP. Therefore, it has been desired to isolate and identify a novel NP-degrading bacterium that can be applied to bioremediation.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
This invention made it the subject which should be solved to isolate and identify the strain which can decompose | disassemble nonylphenol. Another object of the present invention is to elucidate the mechanism of NP degradation by a strain capable of degrading the isolated NP.
[0010]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventor has found NP decomposition activity in the microflora in the water environment so far, and significant NP decomposition in the wastewater to the sewage treatment plant in Tokyo. It has been reported that activity is observed (Fujii K, et al. (2000) 66, 44-48). However, this document does not report the isolation of NP-degrading bacteria. This time, the present inventors succeeded in isolating a novel NP-degrading bacterium (named S-3 strain). Furthermore, as a result of analyzing the characteristics of this isolated NP-degrading bacterium, it was found that this bacterium is a new species. The present invention has been completed based on these findings.
[0011]
That is, according to the present invention, a strain belonging to the genus Sphingomonas which can degrade nonylphenol is provided.
Preferable specific examples of the strain of the present invention are strains that cannot decompose phenol, can decompose nonylphenol into alcohol, and / or can decompose a plurality of structural isomers of the nonyl group of nonylphenol. .
Preferred specific examples of the strain of the present invention are gram-negative, aerobic, and rod-shaped bacteria. The colonies are round, continuous, convex, dry, transparent and cream white, and can grow at 25 ° C. It is a strain that cannot grow at ℃ or 42 ℃.
[0012]
Preferable specific examples of the strain of the present invention are strains that do not assimilate a carbohydrate selected from glucose, galactose, xylose, arabinose, trehalose, fructose, sucrose, or maltose. That is, a preferable strain of the present invention is a strain that specifically assimilate only nonylphenol without assimilating many carbon sources other than nonylphenol.
Preferable specific examples of the strain of the present invention include strains having positive enzyme activities of oxidase, catalase, alkaline phosphatase, acid phosphatase, leucine arylamidase, valine arylamidase, naphthol-AS-BI-phosphohydrase, phosphohydrase, and esterase. is there.
A preferred specific example of the strain of the present invention is a strain having a G + C content of DNA of about 63 mol%.
[0013]
In a preferred embodiment of the strain of the present invention, the major nonpolar fatty acids are 18: 1 and 16: 0, the major 2-hydroxy fatty acids are 14: 0 2-OH, and no 3-hydroxy fatty acids are present. First, sphingoglycolipid exists and the main isoprenoid quinone is ubiquinone Q-10.
A preferred specific example of the strain of the present invention is a strain isolated by screening using a medium containing nonylphenol as the sole carbon source.
A preferable specific example of the strain of the present invention is a strain having the accession number FERM P-17864.
[0014]
According to another aspect of the present invention, there is provided a method for degrading nonylphenol, which comprises using the above-described strain belonging to the genus Sphingomonas of the present invention.
According to still another aspect of the present invention, there is provided a wastewater treatment method characterized by using the above-described strain belonging to the genus Sphingomonas of the present invention.
[0015]
According to still another aspect of the present invention, there is provided a bioreactor for degrading nonylphenol using the aforementioned strain belonging to the genus Sphingomonas of the present invention. The bioreactor of the present invention is preferably for wastewater treatment.
According to still another aspect of the present invention, there is provided a screening method for a strain belonging to the genus Sphingomonas capable of degrading nonylphenol, wherein screening is performed using a medium containing nonylphenol as a sole carbon source. Is done.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments and methods of the present invention will be described in detail.
(1) Sphingomonas genus strain capable of degrading NP according to the present invention
The present invention relates to a strain belonging to the genus Sphingomonas that can degrade nonylphenol. In this specification, nonylphenol means one hydroxyl group and one nonyl group (—C on the benzene ring.9H19) Group is used to include all compounds having a group. The positional relationship between the hydroxyl group and the nonyl group is para. The strain of the genus Sphingomonas of the present invention preferably degrades nonylphenol in the environment that may act as an endocrine disruptor. Nonylphenol produced by the decomposition of nonylphenol polyethoxylate (NPnEO) used as a nonionic surfactant has a nonyl group at the para position of the hydroxyl group. Has a nonyl group. In addition, a nonyl group (—C9H19All possible structural isomers are also included.
[0017]
The novel microorganism of the present invention is a strain belonging to the genus Sphingomonas, and an example strain (S-3 strain) isolated by the present inventor has been deposited under the accession number FERM P-17864.
The strain is isolated from wastewater from a sewage treatment plant in Tokyo. For isolation of the S-3 strain, YNB agar (pH 7.0; 25 ° C.) (NP / YNB agar) containing 0.1% (w / v) NP was used.
[0018]
As described in detail in the following examples, the microbiological properties of the obtained microorganism were examined and confirmed to be a novel microorganism. The obtained mycological properties are shown below.
[1] Morphological properties
(1) Cell shape: rod shape
(2) Size: Length 2.0-3.1 μm; Diameter 1.1-1.4 μm
(3) Gram staining: negative
[0019]
[2] Growth state
Colonies are round, continuous, convex, dry, transparent, cream white.
[0020]
[3] Physiological properties
(1) Growth temperature: Can grow at 25 ° C, but cannot grow at 4 ° C or 42 ° C.
(2) Oxygen demand: Aerobic
(3) Assimilation: Assimilates nonylphenol, but does not assimilate glucose, galactose, xylose, arabinose, trehalose, fructose, sucrose, and maltose.
(4) Oxidase, catalase, alkaline phosphatase, acid phosphatase, leucine arylamidase, valine arylamidase, naphthol-AS-BI-phosphohydrase, phosphohydrase, and esterase show positive enzyme activity.
(5) The GC content of DNA is 63 mol%
(6) The major nonpolar fatty acids are 18: 1 and 16: 0 and the major 2-hydroxy fatty acids are 14: 0 2-OH. 3-hydroxy fatty acids are not detected. Sphingoglycolipid exists. The major isoprenoid quinone is ubiquinone Q-10.
[0021]
The nonylphenol-degrading bacterium of the present invention uses, for example, YNB agar (pH 7.0; 25 ° C.) (NP / YNB agar) containing 0.1% (w / v) NP from wastewater from a wastewater treatment plant or the like. It can be isolated by screening. YNB agar containing NP is a medium containing nonylphenol as the only carbon source. The isolated strain can be tested for nonylphenol degrading activity, for example, by analyzing the culture solution over time using conventional means such as HPLC for detecting nonylphenol.
[0022]
As a medium composition for culturing the nonylphenol-degrading bacterium of the present invention, any of a natural medium and a synthetic medium can be used as long as these decomposing bacteria can grow. The medium may be a solid or liquid medium. The medium usually contains a carbon source, a nitrogen source, and an inorganic substance. As a carbon source, nonylphenol is preferable and other various hydrocarbons may be contained. Nitrogen sources include yeast extract, meat extract, peptone, organic nitrogen such as various amino acids, and various inorganic nitrogen such as ammonium nitrate and ammonium sulfate. Both a carbon source and a nitrogen source are used alone or in combination. As other inorganic substances, inorganic salts such as potassium salt, magnesium salt, iron salt, calcium salt and the like are appropriately used as necessary.
The culture of the nonylphenol-degrading bacterium of the present invention can be performed by a usual method. The culture temperature is, for example, 15 to 35 ° C, more preferably 20 to 30 ° C, and particularly preferably 25 ° C. The pH of the culture is, for example, 6-8, preferably 7. Culture is performed under aerobic conditions such as shaking or aeration stirring.
[0023]
(2) Nonylphenol decomposition method and wastewater treatment method using a strain belonging to the genus Sphingomonas capable of decomposing NP of the present invention
The nonylphenol decomposing method using the nonylphenol-decomposing bacterium of the present invention and the wastewater treatment method are such that the nonylphenol decomposing bacterium of the present invention is brought into contact with a treatment object containing nonylphenol (for example, environmental water such as factory effluent, well water, tap water). In this method, nonylphenol in the target treatment product is decomposed and detoxified by the action of the decomposing bacteria.
[0024]
(3) Bioreactor using a strain belonging to the genus Sphingomonas of the present invention
The bioreactor of the present invention can be constructed by immobilizing the nonylphenol-degrading bacterium of the present invention on a carrier and placing this carrier in a tank through which a treatment object such as environmental water flows. Moreover, you may install a control apparatus, a pump, various sensors, etc.
Any carrier can be used as long as it can immobilize the strain of the present invention. Examples include a method of comprehensively fixing to a gel-like substance such as alginic acid, polyvinyl alcohol, gellan gum, agarose, cellulose, dextran, and a method of adsorbing and fixing to the surface of glass, activated carbon, polystyrene, polyethylene, polypropylene, wood, silica gel, etc. be able to.
[0025]
Specific examples of the immobilization method include an immobilization method in which a culture solution of a strain is simply poured into a carrier, an immobilization method in which the carrier is placed under reduced pressure using an aspirator, and the culture solution of the strain is poured into a carrier, Examples thereof include a method of pouring the liquid into a mixture of a sterilized medium and a carrier, shaking culture, and naturally drying the carrier taken out of the mixture.
[0026]
Nonylphenol decomposition treatment (for example, wastewater treatment) using the bioreactor of the present invention can be performed in any manner such as batch, semi-batch, and continuous.
What is necessary is just to adjust and process the temperature of process target objects, such as waste_water | drain, to about 15-35 degreeC, Preferably it is about 20-30 degreeC, More preferably, it is about 25 degreeC.
The following examples further illustrate the present invention, but the present invention is not limited to the examples.
[0027]
【Example】
Example 1: Isolation of NP-degrading bacteria and analysis of NP degradation products
(Materials and methods)
1. Chemical substance
Amino acid-free yeast nitrogen base (YNB), YPD broth, and bacto agar were purchased from Difco Laboratories (Detroit, MI). Nonylphenol (NP) (Cat. No. 28315-02) was obtained from Kanto Chemical (Tokyo, Japan). This reagent contains various structural isomers related to the nonyl group on the side chain of NP. Other materials and chemicals are commercially available.
[0028]
2. Culture conditions for NP-degrading bacteria
YNB (pH 7.0; 25 ° C.) containing 0.1% (w / v), that is, 1,000 ppm of NP was used as a minimal culture medium (NP / YNB medium). YNB is a (NHFour)2SOFour, Other salts (KH2POFour, MgSOFour, NaCl, and CaCl2), Consisting of trace metals and very small amounts of vitamins. As described in the Difco Manual, there is no other carbon source, and NP is considered to be almost the only carbon source in NP / YNB media.
[0029]
For liquid culture, single strain colonies from NP / YNB agar plates or mixed cultures (consisting of microorganisms not isolated from each other) were picked up with sterile insulators and inoculated into fresh NP / YNB medium. The medium was subsequently incubated on a rotary shaker at a speed of 90 rpm in a dark room at 25 ° C.
[0030]
3. NP degradation assay
NP biodegradation assays were performed using a reverse phase HPLC system (TOSOH Co. Ltd., Tokyo, Japan) equipped with a Mightysil RP-18GP HPLC column (Kanto Chemical Co. Ltd.). Each culture (0, 2, 4, 6, 8, and 10 days, respectively, 15 mL per sample) was diluted with 60 mL deionized water and mixed with 225 mL acetonitrile. The mixture was then filtered through a 0.2 μm Omnipore Membrane Filter (Millipore Corporation, Bedford, Mass.) And subjected to an HPLC system. As the mobile phase (flow rate: 1.0 mL / min), a mixture of acetonitrile / water (75/25% by volume) was used. NP was detected by UV absorption at 277 nm.
[0031]
4). Total biomass of NP-degrading bacteria
A 10-day culture sample (30 mL) was centrifuged at 4,000 xg for 10 minutes at 4 ° C. The precipitated bacterial cells were then resuspended in 150 μL 0.85% NaCl and collected in a measuring bottle. The suspension was incubated at 105 ° C. for 5 hours to dry completely. Total bacterial biomass was weighed using AEG-120 electronic microbalance (Shimadzu, Tokyo, Japan).
[0032]
5. Cloning and phylogenetic analysis of 16S-ribosomal DNA (16S-rDNA) of NP-degrading microorganisms
An overview of 16S-rDNA cloning attempts to analyze NP degrading microorganisms is shown in FIG. The mixed culture (15 mL) was centrifuged at 4,000 × g for 10 minutes at 4 ° C. to recover bacterial cells. Total bacterial DNA was obtained by lysis with proteinase K and sodium dodecyl sulfate followed by phenol / chloroform extraction and ethanol precipitation. Next, a partial region of 16S-rDNA was divided into Taq DNA polymerase (Takara Shuzo Co., Kyoto, Japan) and two general bacterial primers (27F, 5'-AGAGTTTGATCCTGGCTCAG-3 '(SEQ ID NO: 1); 530R, 5' -GTATTACCGCGGCTGCTGGC-3 '(SEQ ID NO: 2)) was amplified by performing PCR in an AB-1820 thermal cycler (ATTO Corporation, Tokyo, Japan). The temperature profile was 25 cycles of 94 ° C. for 60 seconds, 58 ° C. for 60 seconds and 72 ° C. for 90 seconds, and the final polymerization reaction was carried out at 72 ° C. for 7 minutes. Using the TOPO TA cloning kit (Invitrogen, Carlsbad, Calif.), The amplified PCR product and the pCR2.1 vector were ligated, and the resulting plasmid was introduced into E. coli. The transformed cells were randomly picked from LB agar plates (added with 50 μg / mL or less ampicillin), and the contained plasmids were independently recovered by the alkaline method. Each 16S-rDNA fragment inserted in the plasmid was analyzed using a model 373A DNA sequencer (Perkin-Elmer, Foster City, CA). The obtained nucleotide sequence was subjected to a similarity search program BLAST (Basic Local Alignment Search Tool) (see http: //www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST (Altschul SF, et al., (1990) J. Am. Mol. Biol. 215, 403-410)). The 16S-rDNA nucleotide sequence of known bacterial species was obtained from the Entrez nucleotide sequence database (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/nucleotide.html).
The phylogenetic tree based on the 16S-rDNA sequence is the so-called Neighbor-Joining Clustal W program (Saitou N, et al., (1987) Mol. Biol. Evol. 4, 406-425; and Thompson JD, et al. (1994) Nucleic Acids Res. 22, 4673-4680).
[0033]
6). Gas chromatography and mass spectrometry ( GC / MS )
Biodegradation products were identified by GC-17A gas chromatograph (Shimadzu, Tokyo, Japan) interfaced with a QP-5000 mass spectrometer. The conditions are as follows. Column, HiCap-CBP-20M fused silica column (0.25 mm x 20 m, Shimadzu); injection volume, 1 μL; carrier gas, helium (2 mL / min); temperature gradient, 3 min at 50 ° C, 5 from 50 to 150 ° C ℃ / minute, 150-220 ℃ is 10 ℃ / minute, 220 ℃ for 20 minutes; total operating time is 50 minutes. The ionization energy and temperature for electron impact ionization are 70 eV and 260 ° C., respectively. Samples to be analyzed were extracted from the culture with hexane for 20 days, and the resulting supernatant (organic phase) was concentrated using a rotary evaporator. The gas phase of the 20-day culture in the headspace vessel was also analyzed using a Carbowax / DVB-SPME unit (SUPELCO, Bellefonte, PA). The total ion chromatogram of each sample was monitored and the degradation products were identified by analyzing the molecular weight and fragmentation pattern of the degradation products on the mass spectrum.
[0034]
7). NMR analysis
NMR spectra were obtained using a JEOL GX-270 NMR spectrometer for sample solutions in perdeuterated solvents in 5 mm diameter tubes.1H-NMR spectra were recorded at 270 MHz. The spectrum size was 37,000 points and the acquisition time was 2 seconds.
[0035]
8). electronic microscope
In making electron micrographs, the bacterial cells of the 7 day culture (15 ml) were collected by centrifugation and resuspended in 500 μL 0.85% NaCl. Next, the cells were dried on a carbon-coated mesh, stained with 3% uranyl acetate, and observed with a transmission electron microscope (Model H-7000, Hitachi, Tokyo, Japan).
[0036]
(Results and discussion)
1. Microbial profile of NP-degrading microorganisms
Since n-NP degrading yeast has been identified as a bacterium (Corti A, et al., (1995) Environ. Pollut. 90, 83-8728), the present inventor first presents yeast or fungi in NP degrading microorganisms. Whether or not (ii) by microscopic analysis and (ii) growth experiments on YPD agar suitable for yeast growth, but none of these were observed, suggesting that this microorganism is mainly composed of bacteria It was done.
[0037]
Since NP used in this example is a mixture of various structural isomers related to a highly branched nonyl group, it was assumed that multiple types of bacteria are cooperatively involved in the degradation of NP. Therefore, bacterial 16S-rDNA in a 7-day mixed culture was cloned (FIG. 1) and the resulting sequence was subjected to a BLAST similarity search program. Forty-five randomly selected clones were classified into two groups (Group I and II in Table 1). Group I clonesPseudomonas(Pseudomonas) species were found to be highly homologous to the partial 16S-rDNA sequence and group II clones were identifiedSphingomonas(Sphingomonas) Almost identical to the species. Similar experiments using 2 and 10 day mixed cultures resulted in similar results. A phylogenetic tree based on the 16S-rDNA sequence was constructed from known species and representative clones of each group, each of these clones of groups I and II being knownPseudomonas(Pseudomonas) species orSphingomonasIt shows a close phylogenetic relationship with (Sphingomonas) species (FIG. 2). Both groups are known to include many species that utilize biodegradable compounds as carbon sources. For example,P. PuchidaSeveral strains of (P. putida) are known to assimilate phenol, benzene and toluene (Duetz WA, et al. (1994) Appl. Environ. Microbiol. 60, 2858-2863; and Feist CF (1969) J. Bacteriol. 100, 869-877). More recentlyP. Puchida(P. putida) was found to degrade NPnEO (n = 6-20) to NP2EO by attacking its ethoxy group (John DM, et al., (1998) J. Bacteriol. 180, 4332-4338). .P. Mendocina(P. mendocina) is known to assimilate toluene (White GM, et al. (1991) J. Bacteriol. 173, 3017-3020).P. Stutsuzeri(P. stutzeri) is o-xylene (Baggi G, et al. (1987) Environ. Microbiol. 53, 2192-2132) or naphthalene (Garcia-Valdes E, et al. (1989) Appl. Environ. Microbiol. 54, 2478. -2485) is known to be used. on the other hand,P. Pseudoalkaligenes(P. pseudoalcaligenes) can utilize PCB as a carbon source (Furukawa K, et al. (1986) J. Bacteriol. 166, 392-398).Sphingomonas(Sphingomonas) is a speciesS. Paushimobilis(S. paucimobilis) Q1 andS. Yanoiquiae(S. yanoikuyae) B1 is known to assimilate naphthalene or biphenyl (Furukawa K, et al. (1983) J. Bacteriol. 154, 1356-1362; Gibson DT, et al. (1973) Biochem. Biophys. Commun. 50, 211-219; Khan AA, et al. (1996) Int. J. Syst. Bacteriol. 46, 466-469; and Kuhm AE, et al. (1991)
[0038]
[Table 1]
[0039]
2. Isolation of NP-degrading bacteria
Next, to isolate and isolate Pseudomonas sp. Strain (P-strain) and Sphingomonas sp. Strain (S-strain), a portion of the 7-day mixed culture was inoculated on NP / YNB agar plates. . The P-strain was isolated after 1 week of incubation and the S-strain finally appeared as a small colony after 1 month of incubation. Therefore, a random single colony of P-strain and / or S-strain was inoculated into NP / YNB medium and cultured for 7 days to determine whether the culture was necessary and sufficient for NP degradation. . NP (1,000 ppm) was degraded by the S-strain and the mixed culture, but the P-strain was not able to degrade NP (FIG. 3). This result indicates that the S-strain is necessary and sufficient for NP degradation.
[0040]
Next, the NP-degrading activity of the S-strain was examined in detail by inoculating a single colony into NP / YNB medium (FIG. 4). In an independent assay, using an initial concentration of 1,000 ppm NP, NP began to degrade within 2 days and almost completely decreased within 10 days. The total biomass of the S-strain in liquid culture was found to increase significantly after 10 days of culture (FIG. 5), indicating that NP is being utilized as the sole carbon source. Since NP / YNB is a so-called minimal growth medium, the growth of microorganisms is not significant. Since disposal of excess bacterial precipitate is not often required during operation, the S-strain can be applied to an NP-degrading bioreactor. A transmission electron micrograph of the S-strain is shown in FIG.
[0041]
Recently, it has been reported that the strain TTNP3 of the genus Sphingomonas degrades NP (Tanghe T, et al. (1999) Appl. Environ. Microbiol. 65, 746-752). The TTNP3 strain was isolated from activated sludge of a Belgian sewage treatment plant, and the strain of the present invention was isolated independently from sewage flowing into a sewage treatment plant in Tokyo. Tanghe et al. Concluded that the TTNP3 strain was a new species of the genus Sphingomonas by analyzing the 16S-rDNA of the TTNP3 strain. The colony of the TTNP3 strain is reported to be yellow and smooth, whereas the colony of the S-strain of the present invention is white and rough. Furthermore, although TTNP3 has been reported to assimilate phenol, the S-strain cannot use phenol as a carbon source. These differences strongly suggest that S-strain and TTNP3 belong to the same genus but are not the same species.
[0042]
The role of the P-strain in the NP degradation pathway is unknown. The NP-degrading activity of the S-strain is not affected by the P-strain as shown in FIG. However, the P-strain was isolated by enrichment culture where NP is the only carbon source. S-strain and P-strain may form a symbiotic relationship. As described above, many Pseudomonas species strains can assimilate aromatic compounds that are candidates for intermediate metabolites. On the other hand, certain species of the genus Sphingomonas are known to require micronutrients such as vitamins for growth (Eguchi, M., personal communication). Thus, it is possible that the P-strain provides a supplemental element for growth of the S-strain, and the S-strain is excreting intermediate metabolites of the NP degradation pathway for donation from the P-strain. As described in Materials and Methods, trace vitamins were added to YNB, so the contribution of the P-strain to NP degradation could not be observed.
[0043]
3. NP degradation products
As a result of monitoring the NP fragrance moiety by UV absorption using HPLC conditions as described above, no benzene, phenol or alkylphenols with short alkyl chains could be detected in the culture. Therefore, GC / MS was further used to identify biodegradation products in the culture medium and gas phase. NP was degraded and alcohol (mainly nonanol) was detected in the culture on day 20 (FIG. 7 and Table 2). Alcohol was also detected in the gas phase of the culture. Nonanols with different retention times were detected both in the culture medium and in the gas phase, indicating that there are various structural isomers of nonanol for branched hydrocarbon chains (Table 2). Since NP used in this example contains various isomers related to branched nonyl groups, it is suggested that the alcohol is derived from the nonyl group of NP. The proposed decomposition mechanism is that nonylbenzene biodegradation mechanism (Sariaslani FS, et al. (1974) Biochem. J. 140, 31-45) and the nonyl group are decomposed prior to the aromatic moiety of nonylbenzene or NP. Contrary to Tanghe's guess. However, the finding that alkylphenols with short alkyl chains are not degraded by S-strain reflects the difference in the degradation mechanism of NP and nonylbenzene.
[0044]
[Table 2]
[0045]
Phenolic compounds are often highly toxic to many organisms. More recently, certain phenolic compounds have been found to be endocrine disrupting chemicals. That is, it is important to examine whether the aromatic portion of NP remains intact during biodegradation. Aromatic compounds other than NP were not detected by HPLC and GC / MS. Also,1The 20 day culture was analyzed using 1 H-NMR and the aromatic ring signal appears to have almost completely disappeared. Therefore, it is predicted that the aromatic part of NP is decomposed.
[0046]
Example 2: Isolation and characterization of NP-degrading bacteria
(Materials and methods)
1. Chemical substance
Amino acid-free yeast nitrogen base (YNB), bacto agar, and Tryptic Soy agar were purchased from Difco Laboratories (Detroit, MI). NP (Cat. No. 28315-02) was obtained from Kanto Chemical (Tokyo, Japan). Ordinary bouillon and ordinary agar were purchased from Eiken Chemical (Tokyo, Japan). Other materials and chemicals are commercially available.
[0047]
2. Isolation of NP-degrading bacteria
S-3 strain was isolated from wastewater from a sewage treatment plant in Tokyo. For isolation of the S-3 strain, YNB agar (pH 7.0; 25 ° C.) (NP / YNB agar) containing 0.1% (w / v), that is, 1,000 ppm of NP was used. YNB is (NH as a nitrogen source as described in the Difco Manual.Four)2SOFour, Other salts (KH2POFour, MgSOFour, NaCl, and CaCl2), Consisting of trace metals and very small amounts of vitamins. Therefore, NP is considered to be almost the only carbon source in NP / YNB medium.
[0048]
3. Bacterial strain
The bacterial strains used in this example are listed in Table 3. These include the Institute for Fermentation (IFO) (Osaka, Japan), the Japan Collection of Microorganisms (JCM) (Saitama, Japan), Deutsche Sammlung von Mikro-organismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ) (Brunswick, Germany), and the Obtained from the Microbial Culture Collection at the Division of Microbiology (HAMBI) (University of Helsinki, Finland). These organisms were grown using the recommended known growth media. The S-3 strain was deposited on May 23, 2000, under the accession number FERM P-17864, Institute of Biotechnology, Institute of Industrial Technology, 1-3 1-3 Higashi, Tsukuba City, Ibaraki, Japan (postal mail) No. 305-8566).
[0049]
[Table 3]
[0050]
4). Morphological structure
The morphological structure of the cells was examined using a transmission electron microscope (TEM Model H-7000, Hitachi, Tokyo, Japan). In making electron micrographs, the bacterial cells were suspended in 500 μl 0.85% NaCl. Subsequently, the cells were dried on a carbon-coated mesh, stained with 3% uracil acetate and observed.
[0051]
5. Physiological and biochemical characteristics
Oxygen requirements for growth were examined using normal agar and BBL GasPak Anaerobic System (Becton Dickinson, Cockeysville, MD). The oxidase test or catalase test was performed using Poremedia Oxidase Test Indicator (Eiken) or 3.0% hydrogen peroxide, respectively. API50 carbohydrate substrate strips (BioMerieux, Lyon, France) were used to examine the assimilation patterns of the test organisms. The validity of the data obtained by
[0052]
6). DNA preparation
Cells were suspended in Tris-EDTA buffer (pH 8.0) and lysed with lysozyme (
[0053]
7). DNA base composition and DNA-DNA homology
The DNA base composition, ie, guanine + cytosine (G + C) content was examined by high performance liquid chromatography (HPLC) method (Tamaoka J & Komagata K. (1984)
Photobiotin labeling using DNA-DNA homology using 1,2-phenylenediamine (Sigma Chemical Co., St. Louis, MO) as a substrate and streptavidin-peroxidase conjugate (Boehringer, Mannheim, Germany) as a chromogenic enzyme And by microplate hybridization method (Ezaki T, et al., (1989) Int J Syst Bacteriol 39, 224-229) using color detection (Satomi M, et al., (1997) Int J Syst Bacteriol 47, 832-836) Examined.
[0054]
8. 16S-rDNA sequencing and phylogenetic analysis
Nearly complete 16S-rDNA corresponds to positions 8-27 (forward primer) and 1492-1510 (reverse primer) of
[0055]
9. Fatty acid composition
Whole cell lipids were extracted according to the method described in Bligh EJ et al. (1959) Can J Biochem Physiol 37, 911-917. The extracted lipid was converted into a fatty acid methyl ester and used for the measurement method of the American Oil Chemists Society (1990). Hydroxylated fatty acid was trimethylsilylated and then subjected to GC / MS analysis. In the GC / MS analysis, a GC-17A gas chromatograph (Shimadzu, Tokyo, Japan) interfaced with a QP-5000 mass spectrometer was used. The experimental conditions are as follows. OMEGA WAX column (0.25 mm x 30 m, Supelco, PA); injection volume, 0.8 μL; carrier gas, helium (1 mL / min); temperature gradient, 150 ° C. for 4 min, 150-180 ° C. for 5 ° C./min 180-240 ° C, 2 ° C / min, 240 ° C for 10 minutes; total operating time is 50 minutes. The inlet temperature is 250 ° C. The ionization energy and temperature for electron impact ionization are 70 eV and 280 ° C., respectively. Sphingomonas chlorophenolica was used for control experiments.
[0056]
10. Polar lipids
Polar lipids are separated from the cell membrane, using chloroform: methanol: water (65: 25: 4, volume / volume) as the one-dimensional solvent system, followed by chloroform: methanol: acetic acid: water (80: 12: 15: 4, volume / volume) was analyzed by two-dimensional thin layer chromatography (TLC). Sugar, α-glycol, phosphate and free amino groups were detected using α-naphthol / sulfuric acid, periodate-Schiff, Zinzadze, and ninhydrin, respectively. Sphingomonas chlorophenolica was used for control experiments.
[0057]
11. Isoprenoid quinone composition
The isoprenoid quinone type and isoprenoid length were analyzed according to the method described in Yamada & Kuraishi, Microorganism Chemical Classification Experiment (1982), p143-155. Whole acetone soluble extracts of whole cells were separated by one-dimensional TLC using benzene as eluent. The isoprenoid length was analyzed by HPLC using a reverse phase column (Cosmosil C-18 Econopak column; Nakarai Tesque). Sphingomonas chlorophenolica was used for control experiments.
[0058]
12 Nucleotide sequence accession number of new isolate
The 16S-rDNA sequence of S-3 strain is registered in the DDBJ database (Nippon DNA Data Bank, Shizuoka, Japan) as accession number AB040739.
[0059]
(Results and discussion)
1. Features of morphological structure
The S-3 strain was aerobic, gram-negative, and rod-shaped (length 2.0-3.1 μm and diameter 1.1-1.4 μm). FIG. 8 shows an electron micrograph of the S-3 strain. This strain formed cream white colonies on normal agar and Tryptic Soy agar at 25 ° C. for 3-4 days. S-3 strain takes about a week to form visible colonies on NP / YNB agar, which can be explained as NP / YNB is a minimal salt medium as described in Materials and Methods. Colony growth was not observed at temperatures of 4 ° C and 42 ° C.
[0060]
2. Physiological and biochemical characteristics
The characteristics of the S-3 strain are summarized in Table 4. S-3 strain did not assimilate any of the carbohydrates tested in this experiment. Used as a control in these experimentsS. Paushimobilis(S. paucimobilis) assimilated many different types of carbohydrates under the same experimental conditions, so the experimental system appears to function normally. In addition, S-3 strain was aerobically cultured on a rotary shaker using YNB (pH 7.0 at 25 ° C.) containing 1.0% carbohydrate or NP. In this case, carbohydrate was not assimilated, and NP It was used for growth. Therefore, it can be said that the result of this embodiment is reliable. Certain sphingomonas species (eg,S Stigia(S. stygia),S Terrae(S. terrae), andS. SaccharolyticaConsidering that S. asaccharolytica has been reported to assimilate only a few carbohydrates (Takeuchi M, et al. (1995) Int J Syst Bacteriol 45, 334-341; and Stolz A, et al. (2000) Int J
[0061]
[Table 4]
[0062]
The activity of oxidase and caratase was positive and several other enzyme activities were also detected. However, the activities of the carbohydrate degrading enzymes tested in this example were all negative, and this result is consistent with the findings regarding carbohydrate assimilation (Table 4).
[0063]
3. DNA analysis
The G + C content of the genomic DNA of S-3 strain was determined to be 63 mol% (Table 5). This value is within the range measured for other strains of the genus Sphingomonas (ie 61.6-67.8 mol%) (Takeuchi M, et al. (1993) Syst Appl Bacteriol 16, 2227-2238; and Yabuuchi E, Et al. (1990) Microbiol Immunol 34, 99-119).
[0064]
[Table 5]
[0065]
From the result of analysis of 16S-rDNA sequence (FIG. 9), S-3 strain is S. Yanoiquiae(S. yanoikuyae),S Chlorophenolica(S. chlorophenolica),S Flava(S. flava),S Aggretis(S. agrestis),S. Paushimobilis(S. paucimobilis) and S. HelbisidvoransIt showed similarities with multiple Sphingomonas spp including (S. herbicidovorans). However, since the sequence similarity of 16S-rDNA with these bacterial species was 96% at the maximum, the S-3 strain should be regarded as a different species. Therefore, DNA-DNA hybridization experiments were performed to obtain information on the relationship between the S-3 strain and known Sphingomonas species. Six strains forming the same cluster as the S-3 strain were examined, as well as four random species forming separate species in the 16S-rDNA phylogenetic tree (FIG. 9). Table 5 shows the DNA-DNA reassociation values between these species, but shows a relatively low level of hybridization (up to 27%). Phylogenetically defined strains are recommended to consist of strains that exhibit DNA-DNA hybridization values of about 70% or more (Wayne LG, et al. (1987) Int J Syst Bacteriol 37, 463-464. ). Therefore, the S-3 strain is a different species from other known Sphingomonas species.
[0066]
4). Cellular fatty acid composition and polar lipid pattern of S-3 strain
Table 6 shows the total cell fatty acid profile of the S-3 strain. The major nonpolar fatty acids detected are 18: 1 and 16: 0, with 2-hydroxymyristic acid (14: 0 2-OH) being the predominant hydroxylated fatty acid. However, 3-hydroxylated fatty acids were not detected. These results are described in the description of the genus Sphingomonas (Yabuuchi E, et al. (1990) Microbiol Immunol 34, 99-119; Takeuchi M, et al. (1993) Syst Appl Bacteriol 16, 2227-2238; and Takeuchi M, et al., ( (1994) Int J Syst Bacteriol 44, 308-314; Kampfer P, et al. (1997) Int J Syst Bacteriol 47, 577-583; and Stolz A, et al. (2000) Int J
[0067]
[Table 6]
[0068]
5. Isoprenoid quinone analysis
The isoprenoid quinone composition of the S-3 strain was measured. S-3 strain contained ubiquinone consisting mainly of Q-10. The presence of ubiquinone Q-10 as the major isoprenoid quinone is typical of the genus Sphingomonas (Yabuuchi E, et al. (1990) Microbiol Immunol 34, 99-119; Yrjala K, et al. (1998) Int J Syst Bacteriol 48, 1057-62; and Stolz A, et al. (2000) Int J
[0069]
6). Conclusion
Recently, several xenobiotic-degrading bacterial species have been reported in the genus Sphingomonas, and their research is being actively conducted. For example,S. Paushimobilis(S. paucimobilis) andS. Yanoiquiae(S. yanoikuyae) is known to assimilate naphthalene and biphenyl (Gibson DT, et al. (1973) Biochem
[0070]
The S-3 strain belongs to the genus Sphingomonas due to its 16S-rDNA sequence (Figure 9), G + C content of genomic DNA (Table 5), isoprenoid quinone composition, total cellular fatty acid profile (Table 6), and the presence of glycosphingolipids. It is suggested.
Moreover, the similarity of 16S-rDNA between the S-3 strain and other known Sphingomonas species (FIG. 9) suggests that the S-3 strain is a new species. In addition, S-3 strain (Table 4) and other Sphingomonas (Yabuuchi E, et al. (1990) Microbiol Immunol 34, 99-119; Takeuchi M, et al. (1995) Int J Syst Bacteriol 45, 334-341; Kampfer P, et al. (1997) Int J Syst Bacteriol 47, 577-583; and Stolz A, et al. (2000) Int J
[0071]
From the phenotype, genotype, and phylogeny data obtained in this example, the S-3 strain isSphingomonasIt is concluded that it is classified as a new species of the genus (Sphingomonas). So this new strainSphingomonas cloacaName it (Sphingomonas cloaca).
[0072]
Sphingomonas cloaca is a gram-negative, aerobic, rod-shaped bacterium (length 2.0-3.1 μm; diameter 1.1-1.4 μm) isolated from the wastewater of a sewage treatment plant in Tokyo. Colonies are round, continuous, convex, dry, transparent, cream white. Cells can grow at 25 ° C but cannot grow at 4 ° C or 42 ° C. Nonylphenol (one of the endocrine disruptors) is assimilated, but the carbohydrates tested in this example (glucose, galactose, xylose, arabinose, trehalose, fructose, sucrose, and maltose) are not assimilated. Oxidase, catalase, alkaline phosphatase, acid phosphatase, leucine arylamidase, valine arylamidase, naphthol-AS-BI-phosphohydrase, phosphohydrase, and esterase show positive enzyme activity. The G + C content of the DNA was measured as 63 mol%. The major nonpolar fatty acids are 18: 1 and 16: 0, and the major 2-hydroxy fatty acid is 14: 0 2-OH. 3-hydroxy fatty acid was not detected. Sphingoglycolipid exists. The major isoprenoid quinone is ubiquinone Q-10.
A representative strain of the present invention is the S-3 strain (FERM P-17864). The 16S-rDNA sequence of the S-3 strain is registered in the DDJB database as accession number AB040379.
[0073]
【The invention's effect】
According to the present invention, a novel Sphingomonas sp. Strain is provided. The strain of the present invention can degrade nonylphenol. By performing wastewater treatment using the strain of the present invention, nonylphenol in the environment can be decomposed, thereby preventing environmental pollution due to nonylphenol accumulating in the environment.
[0074]
[Sequence Listing]
[0075]
[0076]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a flow chart of a method for cloning 16S-rDNA.
FIG. 2 shows a phylogenetic tree of NP-degrading bacteria. Trees based on Group I (A) and II (B) strains were constructed based on 16S-rDNA sequences from each representative clone and known species. Scale bars are = 2 nucleotides per 100 nucleotides
FIG. 3 shows the degradation of NP by cultures of S-strain, P-strain or mixed strains (S and P). The recovery rate of NP is the percentage of NP remaining in the solution. NP recovery in day 7 pure cultures of S-strain was expressed as mean ± S. E. Shown as M (4 samples tested) as relative value of P-strain or mixed culture. * P <0.01 (according to Student's t-test)
FIG. 4 shows a typical time course of NP degradation by mixed culture (A) or S-strain (B). The recovery rate of NP is the percentage of NP remaining in the solution. The results of four independent experiments (white circles, black circles, white squares and black squares) are shown.
FIG. 5 shows the increase in total biomass of NP-degraded mixed culture after 10 days of culture. The dry weight of the bacterial biomass of the 10 day culture is the mean ± S.D. E. M (4 samples tested) is shown as the relative value of the
FIG. 6 shows transmission electron micrographs of bacteria in the mixed culture on day 7 (8000 ×).
FIG. 7 shows the results of GC / MS analysis of degradation products. The total ion chromatogram of the hexane extract of the culture (A) of the 0th day and the culture (B) of the 20th day is shown. The unique peak of the 20th day culture is boxed and the identification is shown in Table 2.
FIG. 8 shows a transmission electron micrograph of S-3 cells (12,000 times). Bar length = 1μm
FIG. 9 shows a phylogenetic tree constructed by the neighbor-joining method (Neighbor-Joining method) based on the 16S-rDNA sequence of S-3 strain and related bacteria. The scale bar is the evolutionary distance (Knuc) Indicates 0.01.
Claims (7)
(1)フェノールを分解することができない;
(2)ノニルフェノールをアルコールに分解する;
(3)ノニルフェノールのノニル基についての複数の構造異性体を分解することができる;
(4)グラム陰性、好気性、桿状の細菌であり、コロニーが円形、連続状、凸状、乾燥、透明かつクリーム白色であり、25℃で生育できるが、4℃又は42℃では生育できない;
(5)グルコース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、トレハロース、フルクトース、スクロース、マルトース、リボース、D−マンノース、ラムノース、N−アセチルグルコサミン、アルブチン、サリシン、セロビオース、メリビオース、D−フコース、L−フコース、D−ツラノース、β−ゲンチオビオース、アミドン、アミグダリン、D−ラフィノース、メレキシトース、及びラクトースを同化しない;
(6)オキシダーゼ、カタラーゼ、アルカリホスファターゼ、酸ホスファターゼ、ロイシンアリールアミダーゼ、バリンアリールアミダーゼ、ナフトール−AS−BI−ホスホヒドラーゼ、ホスホヒドラーゼ、及びエステラーゼの酵素活性が陽性である;
(7)DNAのG+C含有量が約63モル%である;
(8)主要な非極性脂肪酸は18:1及び16:0であり、主要な2−ヒドロキシ脂肪酸は14:0 2−OHであり、3−ヒドロキシ脂肪酸は存在せず、スフィンゴ糖脂質(Sphingoglycolipid)は存在し、主要なイソプレノイドキノンはユビキノンQ-10である:A strain belonging to Sphingomonas (Sphingomonas) genus capable of degrading nonylphenol, strains further has the following features.
(1) unable to decompose phenol;
(2) decomposing nonylphenol into alcohol;
(3) It is possible to decompose a plurality of structural isomers about the nonyl group of nonylphenol;
(4) Gram-negative, aerobic, rod-shaped bacteria, colonies are round, continuous, convex, dry, transparent and cream white and can grow at 25 ° C but cannot grow at 4 ° C or 42 ° C;
(5) Glucose, galactose, xylose, arabinose, trehalose, fructose, sucrose, maltose, ribose, D-mannose, rhamnose, N-acetylglucosamine, arbutin, salicin, cellobiose, melibiose, D-fucose, L-fucose, D- Does not assimilate turanose, β-gentiobiose, amidone, amygdalin, D-raffinose, melexitose, and lactose ;
(6) The enzyme activities of oxidase, catalase, alkaline phosphatase, acid phosphatase, leucine arylamidase, valine arylamidase, naphthol-AS-BI-phosphohydrase, phosphohydrase, and esterase are positive;
(7) the G + C content of the DNA is about 63 mol%;
(8) Major non-polar fatty acids are 18: 1 and 16: 0, major 2-hydroxy fatty acids are 14: 0 2-OH, no 3-hydroxy fatty acids are present, and Sphingoglycolipid And the major isoprenoid quinone is ubiquinone Q-10:
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