JP3993445B2 - ネットワークポリシー制御システムおよびこれに用いるポリシーサーバ - Google Patents

ネットワークポリシー制御システムおよびこれに用いるポリシーサーバ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラベルスイッチングルータを備えたIPネットワークにおけるセッションストリームの通信品質を保証することが可能なネットワークポリシー制御システムおよびこれに用いるポリシーサーバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のIP(Internet Protocol)ネットワークにおけるVoIP(Voice over Internet Protocol)を使用した通信のQoS(Quality of Service)保証方法に関する従来技術として、特開2001−274833号公報に開示されているVoIP用通信品質保証パス設定方法とネットワーク管理システムがある。この従来技術に開示されているVoIP用通信品質保証パス設定方法では、MPLS(Multi Protocol Label Switching)/IPネットワーク上で、VoIPストリームのためのQoSを保証することを目的としている。
【0003】
図44は、この従来技術に開示されているIPネットワーク117おいて、MPLSによりパケット転送を行い、QoSを保証するシステムの構成図である。この図44に示されるシステムでは、呼制御装置101と、エッジラベルスイッチングルータ(図44中では、EdgeLSRと表記)112、115と、メディアゲートウェイ(同じく、MGと表記)113、114と、ラベルスイッチング方式のMPLSサーバ120と、コアラベルスイッチングルータ(同じく、CoreLSRと表記)123〜127とから構成されている。ここで、エッジラベルスイッチングルータ112、115はそれぞれ電話機128、129を収容するメディアゲートウェイ113、114を収容している。また、呼制御装置101は電話機間の呼を制御する装置である。なお、以下では、ラベルスイッチングルータ(Label Switching Router)をLSRと表記する。
【0004】
電話機128が電話機129に対して発呼する場合には、呼制御装置101を介してセッションが確立される。一方、電話機128から電話機129の音声データは、メディアゲートウェイ113、114で音声データとVoIPストリームとの間の変換がなされ、メディアゲートウェイ113とメディアゲートウェイ114との間のIPネットワーク117上では、VoIPストリームが転送される。
【0005】
つぎに、このシステムにおけるVoIPストリームのQoS保証について説明する。まず、電話機128が電話機129に対して発呼し、メディアゲートウェイ113とメディアゲートウェイ114との間にVoIPコネクションを確立する際に、QoS保証が必要な場合に限り呼制御装置101は、MPLSサーバ120に対してVoIPストリームを転送するためのリソース予約を要求する。MPLSサーバ120は、もし、既にエッジLSR112とエッジLSR115との間にそのVoIPストリームを収容可能なQoS保証されたラベルスイッチパス(Label Switched Path、以下、LSPと表記する)が設定されている場合には、VoIPストリームを該LSPに流すためのフィルタ条件をエッジLSR112およびエッジLSR115に対して設定する。また、もし、そのVoIPストリームを収容するにはそのQoS保証されたLSPのリソースが不十分であるか、またはQoS保証されたLSPがエッジLSR112とエッジLSR115との間に設定されていない場合には、エッジLSR112およびエッジLSR115に対してQoS保証されたLSPを設定するように指示し、この設定したLSPにVoIPストリームを収容し、QoS保証を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、エッジLSR112、115がVoIPストリームを受信した時に、それをどのQoSを提供するLSPに転送すれば良いのかについて自律的に判断することができず、MPLSサーバ120からの設定を必要としていた。つまり、電話機128、129間で発呼が行われるときに、すなわちセッション確立時に、MPLSサーバ120からエッジLSR112、115に対してその電話機128、129間のVoIPストリームを流すためのQoSを含めたLSPの設定、すなわち、受信したパケットをどのLSPに転送するのかを定めたフィルタ条件の設定を行わなければならなかった。また、MPLSサーバ120は、このフィルタ条件をLSRに設定すると共に、LSPごとに残存リソース量を管理しなければならず、MPLSサーバ120に過大な負荷が発生してしまうという問題点があった。
【0007】
さらに、IPネットワーク117が、複数のVPNを収容する機能をもつネットワークである場合には、VPN(Virtual Private Network)ごとのリソース管理を行うことができないという問題点があった。さらにまた、ネットワークが大規模になるにつれ、呼数が膨大することが予想されるが、従来のVoIP用通信品質保証パス設定方法においては、セッション確立の度に呼制御装置101、MPLSサーバ120およびエッジLSR112、115の間でシーケンスが発生するため、過大な負荷が発生してしまうという問題点があった。
【0008】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、エッジLSRが異なるネットワーク内の二つの端末間で送信されるストリームを受信した時に、どのLSPに転送すべきかを自立的に判断することが可能なネットワーク制御システムおよびこれに用いるポリシーサーバを得ることを第一の目的とする。
【0009】
また、複数のVPNを収容する機能を有するIPネットワークにおいて、複数のVPNごとのリソース管理を行うことが可能なネットワーク制御システムおよびこれに用いるポリシーサーバを得ることを第二の目的とする。
【0010】
さらに、呼数の増大に対しても呼制御装置に対する過大な負荷を抑制することが可能なネットワークポリシー制御システムおよびこれに用いるポリシーサーバを得ることを第三の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、複数のLSRを備えるIPコアネットワークと、該IPコアネットワーク内の異なるLSRに収容される二つの端末と、該二つの端末間でのセッションの確立処理を行う呼制御装置とを備えるネットワークポリシー制御システムであって、前記IPコアネットワーク内における初段LSR、最終段LSRおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のLSPから構成されるバーチャル通信パスが定義されるバーチャル通信パス定義手段と、該バーチャル通信パスを前記LSRに設定するバーチャル通信パス設定手段と、前記二つの端末間のセッション確立時における前記呼制御装置からのリソース予約要求に対して、該セッションで送信されるストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに基づき前記ストリームを収容するバーチャル通信パスを前記バーチャル通信パス定義手段から選択し、該選択したバーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約を行うリソース予約手段と、を含むポリシーサーバをさらに備え、前記端末からのストリームを最初に受信した初段LSRは、前記ストリームのパケットに格納されている宛先アドレスおよびサービスクラスに適合するバーチャル通信パスを決定し、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームを転送することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、複数のLSRを備えるIPコアネットワークと、該IPコアネットワーク内の異なるLSRに収容される二つの端末と、該二つの端末間でのセッションの確立処理を行う呼制御装置とを備え、前記端末からのストリームを最初に受信した初段LSRによって、前記ストリームのパケットに格納されている宛先アドレスおよびサービスクラスに適合するバーチャル通信パスが決定され、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームが転送されるネットワークポリシー制御システムが提供される。ここで、ポリシーサーバのバーチャル通信パス定義手段によって、前記IPコアネットワーク内における初段LSR、最終段LSRおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のLSPから構成されるバーチャル通信パスが定義される。また、バーチャル通信パス設定手段によって、該バーチャル通信パスが前記LSRに設定される。さらに、リソース予約手段によって、前記二つの端末間のセッション確立時における前記呼制御装置からのリソース予約要求に対して、該セッションで送信されるストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに基づき前記ストリームを収容するバーチャル通信パスが前記バーチャル通信パス定義手段から選択され、該選択されたバーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームのリソース量が収容可能であると判断された場合にはリソース予約が行われる。
【0013】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、上記の発明において、前記LSRに収容される端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報を格納する利用者情報データベースをさらに備え、前記呼制御装置は、前記二つの端末間のセッション確立要求/応答を受信すると、前記利用者情報から取得した前記セッションのストリームに適用するサービスクラスと回線リソース量を取得して前記リソース予約要求を作成し、前記ポリシーサーバに送信するリソース予約要求手段を備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、利用者情報データベースに、前記LSRに収容される端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報が格納される。また、前記呼制御装置のリソース予約要求手段によって、前記二つの端末間のセッション確立要求/応答が受信されると、前記利用者情報から取得した前記セッションのストリームに適用するサービスクラスと回線リソース量を取得して前記リソース予約要求が作成され、前記ポリシーサーバに送信される。
【0015】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、上記の発明において、前記リソース予約手段は、前記バーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームの回線リソース量を収容できないと判断した場合には、前記バーチャル通信パスに回線リソース量の追加を行い、前記ストリームのサービスクラスおよび回線リソース量を前記バーチャル通信パスに確保する機能をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、前記リソース予約手段によって、前記バーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームの回線リソース量を収容できないと判断された場合には、前記バーチャル通信パスに回線リソース量の追加が行われ、前記ストリームのサービスクラスおよび回線リソース量が前記バーチャル通信パスに確保される。
【0017】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、上記の発明において、前記サービスクラスは、前記ストリームが前記IPコアネットワークの入力から出力までにかかる遅延時間をクラス付けした遅延クラスをさらに含むことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、前記サービスクラスに、前記ストリームが前記IPコアネットワークの入力から出力までにかかる遅延時間をクラス付けした遅延クラスが含まれる。
【0019】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、上記の発明において、前記回線リソース量は、保証される回線リソースの量によってクラス付けされた回線リソース量クラスによって定義されており、前記リソース予約手段は、前記回線リソース量クラスに対応するリソース量に比べて残存リソース量が十分に大きいLSPを、前記選択したバーチャル通信パスの中から選択する機能を備えることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、前記回線リソース量は、保証される回線リソースの量によってクラス付けされた回線リソース量クラスによって定義される。また、前記リソース予約手段によって、前記回線リソース量クラスに対応するリソース量に比べて残存リソース量が十分に大きいLSPが、前記選択したバーチャル通信パスの中から選択される。
【0023】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、複数のLSRを備えるIPコアネットワーク内の異なるLSRに収容される二つの端末におけるセッションの確立および送信されるストリームのポリシー制御を行うネットワークポリシー制御システムであって、前記LSRに収容される端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付して格納する利用者情報データベースと、前記二つの端末間のVPN識別子を含むセッション確立要求/応答を受信すると、前記VPN識別子に対応したセッションに送信するストリームに適用するサービスクラスと回線リソース量を前記利用者情報データベースから取得して前記リソース予約要求を作成し、ポリシーサーバに送信するリソース予約要求手段を備える呼制御装置と、前記IPコアネットワーク内における初段LSR、最終段LSRおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のLSPから構成されるとともに、VPNごとの回線リソース量が定められているバーチャル通信パスが定義されるバーチャル通信パス定義手段と、該バーチャル通信パスを前記LSRに設定するバーチャル通信パス設定手段と、前記二つの端末間のセッションの確立時における前記呼制御装置からのリソース予約要求に対して、該セッションに送信されるストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスとVPN識別子に適合するバーチャル通信パスを前記バーチャル通信パス定義手段から選択し、該選択したバーチャル通信パスの該当するVPNの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約を行うリソース予約手段と、を含むポリシーサーバと、を備え、前記端末からのストリームを最初に受信した初段LSRは、前記ストリームのパケットに格納されている宛先アドレス、サービスクラスおよびVPN識別子に適合するバーチャル通信パスを決定し、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームを転送することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、利用者情報データベースと、呼制御装置と、ポリシーサーバとを備え、複数のLSRを備えるIPコアネットワーク内の異なるLSRに収容される二つの端末におけるセッションの確立および送信されるストリームのポリシー制御が行われるネットワークシステムにおいて、前記端末からのストリームを最初に受信した初段LSRによって、前記ストリームのパケットに格納されている宛先アドレス、サービスクラスおよびVPN識別子に適合するバーチャル通信パスが決定され、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームが転送される。ここで、利用者情報データベースには、前記LSRに収容される端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報がVPNごとにVPN識別子を付して格納されている。また、呼制御装置にはリソース予約要求手段が備えられ、このリソース予約要求手段によって、前記二つの端末間のVPN識別子を含むセッション確立要求/応答が受信されると、前記VPN識別子に対応したセッションに送信するストリームに適用するサービスクラスと回線リソース量が前記利用者情報データベースから取得され、前記リソース予約要求が作成され、そしてポリシーサーバに送信される。さらに、ポリシーサーバにはバーチャル通信パス定義手段と、バーチャル通信パス設定手段と、リソース予約手段とが備えられている。バーチャル通信パス設定手段によって、前記IPコアネットワーク内における初段LSR、最終段LSRおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のLSPから構成されるとともに、VPNごとの回線リソース量が定められているバーチャル通信パスが定義される。バーチャル通信パス設定手段によって、定義されたバーチャル通信パスが前記LSRに設定される。リソース予約手段によって、前記二つの端末間のセッションの確立時における前記呼制御装置からのリソース予約要求に対して、該セッションに送信されるストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスとVPN識別子に適合するバーチャル通信パスが前記バーチャル通信パス定義手段から選択され、該選択されたバーチャル通信パスの該当するVPNの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断された場合にはリソース予約が行われる。そして、前記端末からのストリームを最初に受信した初段LSRによって、前記ストリームのパケットに格納されている宛先アドレス、サービスクラスおよびVPN識別子に適合するバーチャル通信パスが決定され、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームが転送される。
【0025】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、IPコアネットワーク内の異なるLSRに収容されるネットワークと、前記ネットワークのアドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付して、それぞれのネットワークごとに格納しVPN内に設置されるVPN内利用者情報データベースと、前記異なるネットワークのそれぞれに収容されるVPN内呼制御装置と、前記異なるネットワークに存在する二つの端末間のセッションの確立を行う呼制御装置と、前記二つの端末間のストリームの送信制御を行う呼制御装置およびポリシーサーバとを備えるネットワークポリシー制御システムであって、前記VPN内呼制御装置は、該VPN内呼制御装置に収容されるネットワーク内の端末からVPN識別子を含むセッション確立要求/応答を受信すると、前記端末の属するネットワークに設けられた前記VPN内利用者情報データベースの前記利用者情報から、前記VPN識別子に対応した前記ストリームに適用するサービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子を取得し、前記セッション確立要求/応答に添付して転送する手段を備え、前記呼制御装置は、前記VPN内呼制御装置から前記サービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子が添付されたセッション確立要求/応答を受信すると、前記ストリームのリソース予約要求を前記ポリシーサーバに対して送信するリソース予約要求手段を備え、前記ポリシーサーバは、前記IPコアネットワーク内における初段LSR、最終段LSRおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のLSPから構成されるとともに、VPNごとの回線リソース量が定められているバーチャル通信パスが定義されるバーチャル通信パス定義手段と、該バーチャル通信パスを前記LSRに設定するバーチャル通信パス設定手段と、前記VPN内呼制御装置からの前記リソース予約要求に対して、前記ストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスとVPN識別子に適合するバーチャル通信パスを前記バーチャル通信パス定義手段から選択し、該選択したバーチャル通信パスの該当するVPNの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合には、リソース予約を行うリソース予約手段と、を備え、前記端末を収容する初段LSRは、前記端末からのストリームに格納されている宛先アドレス、サービスクラスおよびVPN識別子と適合するバーチャル通信パスを決定し、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームを転送することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、IPコアネットワーク内の異なるLSRに収容されるネットワークと、前記ネットワークのアドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付して、それぞれのネットワークごとに格納しVPN内に設置されるVPN内利用者情報データベースと、前記異なるネットワークのそれぞれに収容されるVPN内呼制御装置と、前記異なるネットワークに存在する二つの端末間のセッションの確立を行う呼制御装置と、前記二つの端末間のストリームの送信制御を行う呼制御装置およびポリシーサーバとを備えるネットワークポリシー制御システムにおいて、前記端末を収容する初段LSRによって、前記端末からのストリームに格納されている宛先アドレス、サービスクラスおよびVPN識別子と適合するバーチャル通信パスが決定され、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームが転送される。ここで、前記VPN内呼制御装置によって、該VPN内呼制御装置と収容されるネットワーク内の端末からVPN識別子を含むセッション確立要求/応答が受信されると、前記端末の属するネットワークに設けられた前記VPN内利用者情報データベースの前記利用者情報から、前記VPN識別子に対応した前記ストリームに適用するサービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子が取得され、前記セッション確立要求/応答に添付して転送される。また、前記呼制御装置はリソース予約要求手段を備え、このリソース予約要求手段によって、前記VPN内呼制御装置から前記サービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子が添付されたセッション確立要求/応答が受信されると、前記ストリームのリソース予約要求が前記ポリシーサーバに対して送信される。さらに、前記ポリシーサーバは、バーチャル通信パス定義手段と、バーチャル通信パス設定手段と、リソース予約手段とを備えている。バーチャル通信パス定義手段によって、前記IPコアネットワーク内における初段LSR、最終段LSRおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のLSPから構成されるとともに、VPNごとの回線リソース量が定められているバーチャル通信パスが定義される。バーチャル通信パス設定手段によって、該バーチャル通信パスが前記LSRに設定される。そして、リソース予約手段によって、前記VPN内呼制御装置からの前記リソース予約要求に対して、前記ストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスとVPN識別子に適合するバーチャル通信パスが前記バーチャル通信パス定義手段から選択され、該選択されたバーチャル通信パスの該当するVPNの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断された場合には、リソース予約が行われる。
【0029】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、複数のLSRを備えるIPコアネットワークと、前記異なるLSRに収容される二つの端末と、該二つの端末からのセッション確立要求/応答を前記IPコアネットワーク内で最初に転送処理を行う副呼制御装置と、該副呼制御装置のそれぞれに関連付けされている副ポリシーサーバと、前記LSRに収容される端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報を格納する利用者情報データベースとを備えるネットワークポリシー制御システムであって、前記副呼制御装置は、セッション確立要求/応答を受信すると、もう一方の副呼制御装置に収容されている端末を送信先とするストリームに適用するサービスクラス/回線リソース量を前記利用者情報データベースから取得して、該セッション確立要求/応答に添付して転送する手段と、該副呼制御装置に関連付けされている前記副ポリシーサーバに対して、前記ストリームのリソース予約要求を送信する手段と、を備え、前記副ポリシーサーバは、該副ポリシーサーバに関連付けされている前記副呼制御装置から前記リソース予約要求に対して、前記ストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに適合するバーチャル通信パスを選択し、該選択したバーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合には、リソース予約を行うリソース予約手段を備え、一方の端末を送信先とするストリームのリソース予約処理が、前記ストリームの送信元側の端末に収容された副呼制御装置および副ポリシーサーバによって行われることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、複数のLSRを備えるIPコアネットワークと、前記異なるLSRに収容される二つの端末と、該二つの端末からのセッション確立要求/応答を前記IPコアネットワーク内で最初に転送処理を行う副呼制御装置と、該副呼制御装置のそれぞれに関連付けされている副ポリシーサーバと、前記LSRに収容される端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報を格納する利用者情報データベースとを備えるネットワークポリシー制御システムにおいて、一方の端末を送信先とするストリームのリソース予約処理が、前記ストリームの送信元側の端末に収容された副呼制御装置および副ポリシーサーバによって行われる。ここで、前記副呼制御装置は、セッション確立要求/応答を受信すると、もう一方の副呼制御装置に収容されている端末を送信先とするストリームに適用するサービスクラス/回線リソース量を前記利用者情報データベースから取得して、該セッション確立要求/応答に添付して転送する手段と、該副呼制御装置に関連付けされている前記副ポリシーサーバに対して、前記ストリームのリソース予約要求を送信する手段とを備える。また、前記副ポリシーサーバはリソース予約手段を備え、このリソース予約手段によって、該副ポリシーサーバに関連付けされている前記副呼制御装置から前記リソース予約要求に対して、前記ストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに適合するバーチャル通信パスが選択され、該選択されたバーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合には、リソース予約が行われる。
【0031】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、IPコアネットワーク内の異なるLSRに収容されるネットワークと、前記ネットワークのアドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付して、それぞれのネットワークごとに格納しVPN内に設置されるVPN内利用者情報データベースと、前記異なるネットワークのそれぞれに収容されるVPN内呼制御装置と、該VPN内呼制御装置に収容される副呼制御装置と、該副呼制御装置のそれぞれに関連付けされている副ポリシーサーバとを備えるネットワークポリシー制御システムであって、前記VPN内呼制御装置は、該VPN内呼制御装置に収容されるネットワーク内の端末からVPN識別子を含むセッション確立要求/応答を受信すると、前記端末の属するネットワークに設けられた前記VPN内利用者情報データベースの前記利用者情報から、前記VPN識別子に対応した前記ストリームに適用するサービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子を取得し、前記セッション確立要求/応答に添付して転送する手段を備え、前記副呼制御装置は、前記VPN内呼制御装置から前記サービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子が添付されたセッション確立要求/応答を受信すると、前記ストリームのリソース予約要求を該副呼制御装置に関連付けされている前記副ポリシーサーバに対して送信するリソース予約要求手段を備え、前記副ポリシーサーバは、前記リソース予約要求に対して、前記ストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスとVPN識別子に適合するバーチャル通信パスを選択し、該選択したバーチャル通信パスの該当するVPNの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約を行うリソース予約手段を備え、前記端末を収容する前記LSRは、前記端末からの前記ストリームに格納されている宛先アドレス、サービスクラスおよびVPN識別子と適合するバーチャル通信パスを決定し、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームを転送することを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、IPコアネットワーク内の異なるLSRに収容されるネットワークと、前記ネットワークのアドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付して、それぞれのネットワークごとに格納しVPN内に設置されるVPN内利用者情報データベースと、前記異なるネットワークのそれぞれに収容されるVPN内呼制御装置と、該VPN内呼制御装置に収容される副呼制御装置と、該副呼制御装置のそれぞれに関連付けされている副ポリシーサーバとを備えるネットワークポリシー制御システムにおいて、前記端末を収容する前記LSRによって、前記端末からの前記ストリームに格納されている宛先アドレス、サービスクラスおよびVPN識別子と適合するバーチャル通信パスが決定され、該決定されたバーチャル通信パスにしたがって前記ストリームが転送される。ここで、前記VPN内呼制御装置によって、該VPN内呼制御装置に収容されるネットワーク内の端末からVPN識別子を含むセッション確立要求/応答が受信されると、前記端末の属するネットワークに設けられた前記VPN内利用者情報データベースの前記利用者情報から、前記VPN識別子に対応した前記ストリームに適用するサービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子が取得され、前記セッション確立要求/応答に添付して転送される。また、前記副呼制御装置はリソース予約要求手段を備え、このリソース予約要求手段によって、前記VPN内呼制御装置から前記サービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子が添付されたセッション確立要求/応答が受信されると、前記ストリームのリソース予約要求が該副呼制御装置に関連付けされている前記副ポリシーサーバに対して送信される。さらに、前記副ポリシーサーバはリソース予約手段を備え、このリソース予約手段によって、前記リソース予約要求に対して、前記ストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスとVPN識別子に適合するバーチャル通信パスが選択され、該選択されたバーチャル通信パスの該当するVPNの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約が行われる。
【0033】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、上記の発明において、前記ネットワークポリシー制御システム内の前記副呼制御装置をまとめて管理する呼制御装置と、前記副ポリシーサーバをまとめて管理するポリシーサーバとを、さらに備えることを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、呼制御装置によって、前記ネットワークポリシー制御システム内の前記副呼制御装置がまとめて管理され、ポリシーサーバによって、前記副ポリシーサーバがまとめて管理される。
【0035】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、上記の発明において、前記副ポリシーサーバは、複数の副呼制御装置と関連付けすることが可能なことを特徴とする。
【0036】
この発明によれば、前記副ポリシーサーバによって、複数の副呼制御装置が関連付けされる。
【0037】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、上記の発明において、前記副呼制御装置と前記副ポリシーサーバとを同一の装置内に備えることを特徴とする。
【0038】
この発明によれば、前記副呼制御装置と前記副ポリシーサーバとが同一の装置内に備えられる。
【0039】
つぎの発明にかかるネットワークポリシー制御システムは、上記の発明において、前記副呼制御装置と前記副ポリシーサーバとを同一の前記LSR内に備えることを特徴とする。
【0040】
この発明によれば、前記副呼制御装置と前記副ポリシーサーバとが同一の前記LSR内に備えられる。
【0041】
つぎの発明にかかるポリシーサーバは、複数のラベルスイッチングルータを備えるIPコアネットワークと、該IPコアネットワーク内の異なるラベルスイッチングルータに収容される二つの端末と、該二つの端末間でのセッションの確立処理を行う呼制御装置とを備えるネットワークポリシー制御システムに用いるポリシーサーバにおいて、前記IPコアネットワーク内における初段ラベルスイッチングルータ、最終段ラベルスイッチングルータおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のラベルスイッチパスから構成されるバーチャル通信パスが定義されるバーチャル通信パス定義手段と、該バーチャル通信パスを前記ラベルスイッチングルータに設定するバーチャル通信パス設定手段と、前記二つの端末間のセッション確立時における前記呼制御装置からのリソース予約要求に対して、該セッションで送信されるストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに基づき前記ストリームを収容するバーチャル通信パスを前記バーチャル通信パス定義手段から選択し、該選択したバーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約を行うリソース予約手段と、を備えることを特徴とする。
【0042】
この発明によれば、バーチャル通信パス定義手段と、バーチャル通信パス設定手段と、リソース予約手段とを備えるポリシーサーバであって、複数のラベルスイッチングルータを備えるIPコアネットワークと、該IPコアネットワーク内の異なるラベルスイッチングルータに収容される二つの端末と、該二つの端末間でのセッションの確立処理を行う呼制御装置とを備えるネットワークポリシー制御システムに用いられるポリシーサーバが提供される。まず、バーチャル通信パス定義手段によって、前記IPコアネットワーク内における初段ラベルスイッチングルータ、最終段ラベルスイッチングルータおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のラベルスイッチパスから構成されるバーチャル通信パスが定義される。つぎに、バーチャル通信パス設定手段によって、該バーチャル通信パスが前記ラベルスイッチングルータに設定される。そして、リソース予約手段によって、前記二つの端末間のセッション確立時における前記呼制御装置からのリソース予約要求に対して、該セッションで送信されるストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに基づき前記ストリームを収容するバーチャル通信パスが前記バーチャル通信パス定義手段から選択され、該選択されたバーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約が行われる。
【0043】
つぎの発明にかかるポリシーサーバは、上記の発明において、前記バーチャル通信パス定義手段が、前記バーチャル通信パスにさらにVPNごとの回線リソース量を定める機能を備えることを特徴とする。
【0044】
この発明によれば、前記バーチャル通信パス定義手段によって、前記バーチャル通信パスにさらにVPNごとの回線リソース量がさらに定められる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照して、この発明にかかるネットワークポリシー制御システムおよびこれに用いるポリシーサーバの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0048】
実施の形態1.
図1は、この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態1を示す構成図である。このネットワークシステムは、呼制御装置(図1中では、CAと表記)1と、ポリシーサーバ(同じく、PSと表記)2と、利用者情報データベース(同じく、UDBと表記)3と、IPコアネットワーク4内で音声ストリームのMPLS(Multi Protocol Label Switching)によるルーティング処理を行うLSR41〜46と、LSR41に収容されるゲートウェイ装置(同じく、GWと表記)5と、LSR44に収容されるゲートウェイ装置6と、LSR41に収容されるアクセスネットワーク7と、LSR44に収容されるアクセスネットワーク8と、アクセスネットワーク7に存在する端末9と、アクセスネットワーク8に存在する端末10とを有している。
【0049】
この実施の形態1にかかるネットワークポリシー制御システムにおいては、従来技術と同様に、LSPには複数のセッションストリーム(確立されたセッション上で転送されるパケット群のこと)を収容することができる。また、端末9、10間のセッションを確立/制御するためのプロトコルとしては、セッションを確立する際に、発呼側が要求(以下、セッション確立要求という)を発行し、着呼側がそれに対して応答(以下、セッション確立応答という)を返す構成を有するSIP(Session Initiation Protocol)、ITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication sector)によって勧告されたH323、またはSS7(Signaling System 7)のようなプロトコルを使用することができる。
【0050】
つぎに、図1のネットワークシステムにおけるLSRへのバーチャル通信パスを設定する処理手順について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ネットワーク管理者によって、ポリシーサーバ2上で、ネットワーク利用者のサービスグレードを示す利用者情報が定義され(ステップS1)、該利用者情報が図3に示される利用者情報データベース3に保存される(ステップS2)。この利用者情報には、フロー識別情報(端末アドレス/アドレスマスク、トランスポートプロトコル種別、符号化手法等)、および該フローに適用するサービスグレードを示すCoS(Class of Service、サービスクラス)、必要回線リソース量が定義されている。
【0051】
また、ポリシーサーバ2上で、初段LSR、最終段LSR、これらの初段LSRと最終段LSRとの間で必要な回線リソース量、およびCoSを含むバーチャル通信パス情報が、ネットワーク管理者によって定義される(ステップS3)。この発明では、バーチャル通信パス情報から特定されるパスをバーチャル通信パスと呼ぶ。すなわち、バーチャル通信パスは[初段LSR、最終段LSR、CoS]の組み合わせによって一意的に識別される。
【0052】
ポリシーサーバ2はこれらの利用者情報とバーチャル通信情報からなる入力情報を記憶し、バーチャル通信パス情報から、実際にネットワークに設定する複数または単一のLSPを決定する(ステップS4)。例えば、図1中で、バーチャル通信パスの初段LSRがLSR41、最終段LSRがLSR44と入力された場合には、「LSR41−LSR42−LSR43−LSR44」と、「LSR41−LSR46−LSR45−LSR44」という2つの経路のLSPが、バーチャル通信パスの構成要素となることが考えられる。そして、ポリシーサーバ2は、これらのLSPの中から、ネットワークトポロジデータベース(TDB)を参照して最適なLSPのセットを決定する機能を有している。なお、バーチャル通信パスを構成するこれらLSPの回線リソース量の合計は、バーチャル通信パスの回線リソース量に一致するように決定される。
【0053】
図4は、属性情報を含むバーチャル通信パスの構成例を示す図である。ここで、バーチャル通信パス識別子(VID)は、バーチャル通信パスを一意的に識別する識別子であり、LSP識別子(LSPID)は、バーチャル通信パスに所属するLSPを一意的に識別する識別子である。また、宛先アドレス/アドレスマスクはポリシーサーバ2がネットワークトポロジデータベースから取得するものであり、例えば、図1に示されるLSR41を初段LSRとし、LSR44を最終段LSRとした場合のバーチャル通信パスの場合、宛先アドレス/アドレスマスクはアクセスネットワーク8の宛先アドレス/アドレスマスクとなる。以上で、LSR41〜46へのLSPの設定処理は終了する。
【0054】
そして、ポリシーサーバ2は、ネットワーク管理者による操作にしたがって、これらのLSP群をIPコアネットワーク上の個々のLSR41〜46に設定する(ステップS5)。具体的には、LSPの初段LSRに対して、LSPに関する情報を通知し、IETF(Internet Engineering Task Force)において検討されているRSVP−TE(Resource ReSerVation Protocol for Traffic Engineering、RFC(Request For Comments)3209)等のシグナリングプロトコルで設定するように要求する。この際、いずれかのバーチャル通信パスの初段LSRとなっているLSRには、バーチャル通信パス識別子、リソース量、CoS、宛先アドレス/アドレスマスク、およびLSP識別子を含むバーチャル通信パスの属性情報もあわせて設定される。
【0055】
なお、LSPの設定において、初段LSRおよび最終段LSRとして設定された各LSPのLSR41〜46は、該LSPにおけるエッジLSRとしての機能を有する。
【0056】
つぎに、このシステムにおける発呼端末と着呼端末間のセッション確立からセッションストリームを送信するまでの手順について、図5〜図7のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、図1において、端末9が端末10に対して発呼した場合を例に挙げて説明する。
【0057】
まず、端末9はセッション確立要求を端末10に対して送信する(ステップS11)が、該セッション確立要求は端末10へ送信される前に、呼制御装置1によって受信される(ステップS12)。このセッション確立要求には、一般的に、セッションを一意的に識別するためのセッション識別子、発呼端末アドレス(端末9のアドレス)、着呼端末アドレス(端末10のアドレス)、セッションストリームが使用するトランスポートプロトコル、トランスポートプロトコルのポート番号および符号化種別等が含まれる。なお、以下の説明では、端末9を発呼端末と呼び、端末10を着呼端末と呼ぶ。
【0058】
セッション確立要求を受信した呼制御装置1は、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについて、セッション確立要求の内容と利用者情報データベース3とを照合し、上記ストリームに適用するCoS/回線リソース量を取得する(ステップS13)。例えば、着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームが図3に示される利用者情報データベース3の1番目のエントリに適合した場合には、呼制御装置1は転送優先度クラス=1および廃棄優先度クラス=2であるCoSと、10Mbpsのリソース量を取得する。
【0059】
そして、呼制御装置1は、セッション識別子、宛先端末アドレス、送信元端末アドレス、CoSおよびリソース量の情報を含むリソース予約要求をポリシーサーバ2に送信する(ステップS14)。ここで、リソース予約要求に含まれる情報について説明すると、セッション識別子は、セッションを一意的に識別する識別子である。また、宛先端末アドレスは、リソース予約を行うストリームの宛先アドレスであり、この場合には、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに関するリソース予約であるので、宛先端末アドレスは発呼端末9のアドレスとなる。送信元端末は、リソース予約を行うストリームの送信元アドレスであり、この場合には、着呼端末10のアドレスとなる。CoSは、利用者情報データベース3から取得したCoSであり、リソース量は、同じく利用者情報データベース3から取得したリソース量である。
【0060】
ポリシーサーバ2はリソース予約要求を受信する(ステップS31)と、ネットワークトポロジデータベースから、上記リソース予約要求の送信元端末アドレス(すなわち、着呼端末10のアドレス)を収容するLSR44を導き出す(ステップS32)。また、ポリシーサーバ2は、LSR44が初段LSRとなっているバーチャル通信パスの宛先アドレス/アドレスマスクおよびCoSと、リソース予約要求に含まれる宛先端末アドレス(すなわち、発呼端末9のアドレス)およびCoSとを照合し、一致するバーチャル通信パスを、上記セッションを収容するバーチャル通信パスとして決定する(ステップS33)。
【0061】
その後、ポリシーサーバ2は、合致するバーチャル通信パスに上記ストリームを収容することが可能であるかを判定する(ステップS34)。すなわち、バーチャル通信パスの残存リソース量が十分で、上記ストリームで必要なリソース量を確保できる場合、または、バーチャル通信パスの残存リソース量は不十分であるが、バーチャル通信パス内のLSPのリソース量の増加もしくは新規LSPの設定などの手段によって、リソース量の追加が可能である場合には、バーチャル通信パスに上記ストリームを収容可能であると判断する。ここで、バーチャル通信パス内のLSPのリソース量を増加する設定や新規LSPの設定は、LSPの初段LSRに対して上述したシグナリングプロトコルによって行われる。
【0062】
そして、ポリシーサーバ2は、バーチャル通信パスに上記ストリームが収容可能であると判断する(ステップS34でYesの場合)と、そのバーチャル通信パスの残存リソース量から上記ストリームのリソース量を減算した該バーチャル通信パスの残存リソース量をバーチャル通信パスに関連付けて、セッション識別子と上記ストリームのリソース量と共に記憶する(ステップS35)。その後、ポリシーサーバ2は、呼制御装置1にリソース予約応答(成功)を返送する(ステップS36)。
【0063】
一方、上述したステップS34で、バーチャル通信パスに上記ストリームを収容不可能であるとポリシーサーバ2が判断する場合(ステップS34でNoの場合)には、ポリシーサーバ2は呼制御装置1に対してリソース予約応答(失敗)を返送する(ステップS37)。以上のステップS31〜S37で、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約確認処理が終了する。
【0064】
呼制御装置1はポリシーサーバ2からリソース予約応答を受信する(ステップS15)と、該リソース予約応答が成功か否かについて判断を行う(ステップS16)。リソース予約応答が成功である場合(ステップS16でYesの場合)には、上述したステップS13で取得したCoS/回線リソース量をセッション確立要求に添付して、着呼端末10へ転送する(ステップS17)。
【0065】
一方、リソース予約応答が失敗である場合(ステップS16でNoの場合)には、呼制御装置1は、セッション制御プロトコルで規定された、発呼端末9にセッション確立応答失敗を通知するメッセージを送信するなどの失敗時のシーケンスを実行し(ステップS19)、処理が終了する。
【0066】
着呼端末10は、呼制御装置1からセッション確立要求を受信する(ステップS18)と、セッション確立要求に必要な変更を行ってセッション確立応答を作成し、該セッション確立応答を発呼端末9に対して、呼制御装置1経由で送信する(ステップS20)。呼制御装置1は着呼端末10からのセッション確立応答を受信すると(ステップS21)、セッションの発呼端末9から着呼端末10の方向/着呼端末10から発呼端末9の方向のそれぞれのストリームに適用するCoS/回線リソース量を利用者情報データベースから取得する(ステップS22)。なお、このステップS22における着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームのリソース予約確認については、セッション確立要求時に既に行っているが、着呼端末10でセッション情報のネゴシエーションがなされているために、セッション確立応答時にも必要となる。そして、上記ストリームについてのリソース予約要求をポリシーサーバ2へ送信する(ステップS23)。
【0067】
ポリシーサーバ2におけるセッションの発呼端末9から着呼端末10の方向/着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに対するリソース予約確認は、上述した図7のステップS31〜S37と同様の処理によってなされる。すなわち、ポリシーサーバ2は、上記ストリームを収容するバーチャル通信パスを求め、該バーチャル通信パスに上記ストリームを収容することができる場合にはリソース予約応答(成功)を、収容できない場合にはリソース予約応答(失敗)を呼制御装置1に対して送信する。
【0068】
その後、呼制御装置1がポリシーサーバ2からリソース予約応答を受信する(ステップS24)と、呼制御装置1は該リソース予約応答が成功であるか否かについて判断する(ステップS25)。リソース予約応答が成功であると判断された場合(ステップS25でYesの場合)には、このリソース予約処理の過程で取得したセッションの発呼端末9から着呼端末10への方向のストリームに適用するCoS/回線リソース量を、セッション確立応答に添付して発呼端末9へ転送する(ステップS26)。
【0069】
一方、リソース予約応答が失敗である場合(ステップS25でNoの場合)には、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行し(ステップS28)、処理が終了する。失敗時のシーケンスとして、例えば、呼制御装置1が着呼端末10にセッション確立キャンセルメッセージを送信すると、着呼端末10はこのメッセージに対して呼制御装置1に成功/失敗を通知し、そして、呼制御装置1は、発呼端末9に対してセッション確立応答失敗を通知するメッセージを送信する処理などが行われる。
【0070】
発呼端末9はCoS/回線リソース量を添付したセッション確立応答を受信する(ステップS27)と、発呼端末9と着呼端末10との間にセッションが確立されたものと認識し、発呼端末9と着呼端末10との間のセッション確立処理が終了する。
【0071】
その後、発呼端末9は、発呼端末9と着呼端末10との間にセッションが確立されたものと認識した後に、該セッションに着呼端末10へストリームの送信を開始する。この際、ストリームを、セッション確立応答に含まれていたリソース量以下で転送し、ストリームを構成するパケットにはセッション確立応答に含まれていたCoSを付加して転送する。このCoSを設定するパケットのフィールドは、IPv4ではToSフィールドに該当し、IPv6ではFlowLabelフィールドに該当する。
【0072】
LSR41は、ゲートウェイ装置5を介して、発呼端末9からのストリームを構成するパケットを受信すると、自身に設定されているバーチャル通信パスの宛先アドレス/アドレスマスクおよびCoSと、ストリームを構成するパケットの宛先アドレスおよびCoSとを照合し、該ストリームを転送するためのバーチャル通信パスを決定する。このLSR41が決定したバーチャル通信パスは、上述した図7のステップS33でポリシーサーバ2が決定したバーチャル通信パスと一致するものである。
【0073】
そして、ストリームのパケットを受信した初段LSR41は、セッションの確立時にリソースが確保されたバーチャル通信パスに該ストリームのパケットを転送する。ここで、バーチャル通信パスを構成するLSPが単一である場合には、そのLSPにストリームを転送する。また、バーチャル通信パスを構成するLSPが複数である場合には、各LSPのリソース量を超えないように考慮してストリームを各LSPにスケジューリングしながら転送する。
【0074】
一方、着呼端末10は、上述したステップS18でセッション確立要求を受信した段階において、発呼端末9と着呼端末10との間にセッションが確立されたものと認識する。そして、上述した発呼端末9におけるストリームの送信手順と同様の処理方法によってストリームを構成するパケットの送信を開始する。
【0075】
ストリームを構成するパケットを、ゲートウェイ装置6を介して、着呼端末10から受信したLSR44は上述したLSR41と同様の転送処理方法によって、該ストリームを、バーチャル通信パスを構成するLSPに転送する。このようにして、発呼端末9と着呼端末10との間でストリームの送信が実現される。
【0076】
上述したように、この実施の形態1によれば、初段LSR、最終段LSRおよびCoSが同じLSPの集合をバーチャル通信パスと定義し、ポリシーサーバ2によってセッションに対するリソース予約がなされたバーチャル通信パスと、初段LSR41、44によってストリームの宛先アドレスとCoSとから求められたバーチャル通信パスとは必然的に一致するので、端末9、10間のセッション確立ごとにポリシーサーバ2はエッジLSRに対して逐一設定を行う必要がないという効果を奏する。また、エッジLSRにおいて、ストリームのパケットごとに、該ストリームの転送を行うか否かを決めるフィルタリング処理が不用になり、エッジLSRの負荷が軽減される。
【0077】
実施の形態2.
つぎに、図8〜図10を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、上述した実施の形態1において、ネットワーク管理者がCoSを定義する際に、IPコアネットワーク4にストリームが入力されてから出力されるまでにかかる遅延時間をクラス分けしてなる遅延クラスをさらに定義するものである。
【0078】
図8は、遅延クラスのクラス分けの例を示す図であり、図9は、CoSに遅延クラスをさらに含めた利用者情報データベース3の構成例を示す図であり、そして図10は、CoSに遅延クラスをさらに含めたバーチャル通信パスの構成例を示す図である。
【0079】
図8の例では、遅延クラスは、最大遅延時間と最小遅延時間との組み合わせによって、1〜4の4段階にクラス分けされている。遅延クラス1は、最大遅延時間が100msであり、最小遅延時間は0であり、最も遅延が許されない端末に対して設定される。また、遅延クラス2は、100ms〜400msの遅延時間であり、遅延クラス3は、400ms〜1000msの遅延時間であり、そして遅延クラス4は、1000ms以上の遅延時間である。
【0080】
図9に示される利用者情報データベース3は、図3に示される利用者情報データベース3のCoSにおいて、さらに遅延クラスが付加されている。この遅延クラスは、図8に示される遅延クラスによって最大遅延時間と最小遅延時間が定義されている。
【0081】
また、図10に示されるバーチャル通信パスは、図4に示されるバーチャル通信パスのCoSにおいて、さらに遅延クラスを属性として定義可能な構成としている。この遅延クラスも、図8に示される遅延クラスによって最大遅延時間と最小遅延時間が定義されている。この遅延クラスは、バーチャル通信パスを構成するLSPの経路を決定する際に使用される。具体的には、LSPの遅延時間が遅延クラスに定義された最小遅延時間以上で最大遅延時間以下と計算される場合に、該LSPがバーチャル通信パスを構成するLSPの経路として決定される。なお、遅延時間の計算方法としては、ポリシーサーバ2、エッジLSR41、44が、回線、LSRの遅延時間を含むネットワークトポロジデータベースから算出することによって行われる。
【0082】
なお、CoSに遅延クラスが付加された場合も、実施の形態1の図2および図5〜図7で説明した手順によってセッション確立処理およびポリシー制御処理が行われる。
【0083】
この実施の形態2によれば、IPコアネットワーク4において遅延時間も考慮した利用者のサービスグレード付けが可能となる。
【0084】
実施の形態3.
つぎに、図11〜図13を用いてこの発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、上述した実施の形態2で、ネットワーク管理者がCoSを定義する際、IPコアネットワーク4で保証されるリソース量をさらにクラス分けした回線リソース量クラスを定義するものである。
【0085】
図11は、回線リソース量クラスのクラス分けの例を示す図であり、そして図12は、CoSに回線リソース量クラスをさらに含めた利用者情報データベース3の構成例を示す図である。なお、この回線リソース量クラスは、バーチャル通信パスに対して属性定義するものではない。
【0086】
図11の例では、回線リソース量クラスは、最大帯域と最低保証帯域と最大バーストサイズとの組み合わせによって、1〜4の4段階にクラス分けされている。回線リソース量クラス1は、最大帯域が64kbpsであり、最低保証帯域は8kbpsであり、最大バーストサイズは8kbyteであり、回線リソース量としては最も低いクラスとなっている。回線リソース量クラスの段階が上がるにつれ、内容は高い保証を与えるものとなっており、回線リソース量クラス4は、最大帯域が16Mbpsであり、最低保証帯域が8Mbpsであり、最大バーストサイズは8kbyteであり、回線リソース量としては最も高いクラスとなっている。なお、この回線リソース量クラスとリソース量の対応表は、利用者情報データベース3と、エッジLSR41〜46に設定される。
【0087】
図12に示される利用者情報データベース3は、図9に示される利用者情報データベース3の「CoS」フィールドにおいて、さらに回線リソース量クラスが付加され、「リソース量」フィールドが削除された構成となっている。この「CoS」フィールドの回線リソース量クラスは、上述した図11に示される回線リソース量クラスによって規定されている。
【0088】
この実施の形態3における発呼端末9から着呼端末10へのセッション確立およびポリシー制御の処理手順は、上述した実施の形態1で説明した図5〜図7に示される処理と同様にして行われるので、説明は省略する。ただし、発呼端末9からセッション確立要求を受信した呼制御装置1が、着呼端末10から発呼端末9のストリームについてのリソース予約確認処理を行う図5のステップS13において、実施の形態1では、呼制御装置1は、セッション確立要求の内容に適合する利用者情報データベース3内のエントリから直接にリソース量を取得していたが、この実施の形態3では、呼制御装置1は、セッション確立要求の内容と利用者情報データベース3とを照合し、利用者情報データベース3内の合致するエントリのCoSフィールドに回線リソース量クラスが定義されている場合に、図11に示されるような回線リソース量クラスとリソース量の対応表からリソース量を取得する点が異なる。図6のステップS22における発呼端末9から着呼端末10の方向および着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約確認処理も同様である。
【0089】
発呼端末9および着呼端末10からストリームが送信された後のLSRのストリームパケットの転送処理について図13のフローチャートを参照しながら説明する。
【0090】
発呼端末9から着呼端末10へのセッションが確立されると、上述した実施の形態1の場合と同じように、発呼端末9および着呼端末10はストリームの送信を開始する。このとき、バーチャル通信パスの初段LSRとなっているLSR41およびLSR44は、ストリームを受信する(ステップS41)と、該LSR41、44自身に設定されているバーチャル通信パスの宛先アドレス/アドレスマスクおよび回線リソース量クラスを除いたCoSと、上記ストリームを構成するパケットの宛先アドレスおよび回線リソース量クラスを除いたCoSとを照合し(ステップS42)、上記ストリームを転送するためのバーチャル通信パスを決定する(ステップS43)。例えば、図12に示される情報がLSRに設定されている場合では、転送優先度クラス=1、廃棄優先度クラス=2、遅延クラス=3のバーチャル通信パスが決定される。
【0091】
そして、図11に示したような回線リソース量クラスとリソース量の対応表とストリームに含まれるCoSの回線リソース量クラスからリソース量を取得する(ステップS44)。その後、取得したCoSにしたがって、上記ストリームに対するQoS制御を行う(ステップS45)。
【0092】
例えば、上記ストリームの回線リソース量クラスとして3が設定されている場合には、LSR41、44は、図11からその最低保証帯域1Mbpsに比べて十分に大きい残存帯域を有するLSPを、検索されたバーチャル通信パスの中からストリームの転送先として設定する。その後、設定したLSPの残存帯域から最低保証帯域(1Mbps)を減算する。そして、上記ストリームに対して最大帯域8Mbpsでシェーピングを行い、1Mbpsの最低保証帯域と8kbyteの最大バーストサイズを保証する。
【0093】
その後、ストリームの転送が設定したLSPの間で所定期間行われない場合には、上記したストリームに対する回線リソース量をLSPに確保する設定を解除する。すなわち、LSPの残存帯域に、上記設定時に減算した最低保証帯域(1Mbps)を加算する。
【0094】
以上のように、この実施の形態3によれば、回線リソース量を最大帯域、最低保証帯域および最大バーストサイズの組み合わせによってクラス分けして、CoSに定義することによって、バーチャル通信パスのエッジLSRにおいて、一層きめ細かなストリームのQoS制御が可能となる。
【0095】
実施の形態4.
つぎに、図14〜図17を用いてこの発明の実施の形態4について説明する。この実施の形態4は、IPコアネットワークが複数のVPNを収容する機能を有し、しかもVPNごとのリソース管理を行うことが可能なネットワークポリシー制御システムを提供するものである。
【0096】
図14は、この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態4を示す構成図である。このネットワークシステムは、呼制御装置(図14中では、CAと表記)1と、ポリシーサーバ(同じく、PSと表記)2と、IPコアネットワーク4内でセッションストリームのMPLSによるルーティング処理を行うLSR41〜46と、LSR41に収容されるゲートウェイ装置(同じく、GWと表記)5−1〜5−nと、LSR44に収容されるゲートウェイ装置6−1〜6−nと、LSR41に収容されるアクセスネットワーク7−1〜7−nと、LSR44に収容されるアクセスネットワーク8−1〜8−nと、アクセスネットワーク7−1に存在する端末9と、アクセスネットワーク8−1に存在する端末10とを有している。
【0097】
つぎに、IPコアネットワーク4を介したVPNを用いた通信におけるVPNごとのリソース管理の処理方法について説明する。
【0098】
ネットワーク管理者は、ポリシーサーバ2上でLSPを定義すると共に、定義したLSPをIPコアネットワーク4上に存在するLSR41〜46に設定する。このときの設定において、必要回線リソース量と宛先ネットワークとをVPNごとに定義する。
【0099】
ここで、端末9が端末10に対して発呼した場合のセッション確立およびポリシー制御の処理手順について図15〜図16のフローチャートを参照しながら説明する。
【0100】
端末9は、まずセッション確立要求を端末10へ送信する(ステップS51)が、該セッション確立要求は端末10へ送信される前に、呼制御装置1によって受信される(ステップS52)。このとき、端末9自身に設定されているVPN−IDが、セッション確立要求に付加されて送信される。なお、以下の説明では、端末9を発呼端末と呼び、端末10を着呼端末と呼ぶ。
【0101】
セッション確立要求を受信した呼制御装置1は、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについて、リソース予約処理を行う(ステップS53)。このリソース予約処理は、呼制御装置1がポリシーサーバ2に対して、セッション識別子、発呼端末アドレス、着呼端末アドレス、上記ストリームに必要な回線リソース量、およびVPN−IDを含む、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約要求を送信することによって行われる。
【0102】
ポリシーサーバ2はリソース予約要求を受信する(ステップS71)と、上記ストリームを収容するLSPの候補を決定し(ステップS72)、そのLSPに上記ストリームを収容可能であるかを、LSPのVPNに割り当てられたリソース量と上記ストリームに必要なリソース量とを比較することによって判定する(ステップS73)。上記ストリームを収容するのに十分なリソース量を有するLSPが存在する場合(ステップS73でYesの場合)には、このLSPに上記ストリームを転送するように該LSPの初段LSR44に設定し(ステップS74)、リソース予約応答(成功)を呼制御装置1に返送する(ステップS75)。
【0103】
一方、ステップS73で、上記ストリームを収容するのに十分なリソース量を有するLSPが存在しない場合(ステップS73でNoの場合)には、リソース予約応答(失敗)を呼制御装置1に返送する(ステップS76)。以上のポリシーサーバ2によるステップS71〜S76の処理工程で、上述したストリームに対するリソース予約処理が完了する。
【0104】
呼制御装置1は、ポリシーサーバ2からリソース予約応答を受信する(ステップS54)と、該リソース予約応答が成功であるか否かを判断する(ステップS55)。リソース予約応答が成功である場合(ステップS55でYesの場合)には、呼制御装置1は、セッション確立要求を着呼端末10へ転送する(ステップS56)。一方、リソース予約応答が失敗である場合(ステップS55でNoの場合)には、呼制御装置1はセッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS57)。
【0105】
着呼端末10は、呼制御装置1からセッション確立要求を受信する(ステップS58)と、セッション確立応答を発呼端末9に対して返送する(ステップS59)。しかし、この場合にも、セッション確立応答は、発呼端末9に送信される前に呼制御装置1によって受信される(ステップS60)。
【0106】
呼制御装置1はセッション確立応答を受信すると、このセッション確立応答に含まれる情報を基に、セッションの発呼端末9から着呼端末10の方向/着呼端末10から発呼端末9の方向のそれぞれのストリームに関するリソース予約要求をポリシーサーバ2へ送信し、リソース予約処理を行う(ステップS61)。ポリシーサーバ2では、上述した図17のステップS71〜S76でのリソース予約処理が行われ、リソース予約応答が呼制御装置1に対して送信される。
【0107】
呼制御装置1は、ポリシーサーバ2からリソース予約応答を受信する(ステップS62)と、該リソース予約応答が成功であるか否かについて判断する(ステップS63)。リソース予約応答が成功である場合(ステップS63でYesの場合)には、セッション確立応答を発呼端末9に転送する(ステップS64)。そして発呼端末9は、セッション確立応答を受信し、セッションの確立処理が終了する。一方、ステップS63でリソース予約応答が失敗である場合(ステップS63でNoの場合)には、呼制御装置1はセッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS66)。
【0108】
発呼端末9はセッション確立応答を受信すると、そして着呼端末10はセッション確立要求を受信すると、セッションストリームの送信をそれぞれ開始する。セッションストリームはLSR41、44において、設定された情報に基づきLSPに転送される。
【0109】
以上説明してきたように、この実施の形態4によれば、IPコアネットワーク4においてVPNごとのリソース管理を行うことが可能となる。
【0110】
実施の形態5.
つぎに、図18〜図24を用いてこの発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態5は、IPコアネットワークが複数のVPNを収容する機能を持ち、しかもVPNごとのリソース管理を行うことが可能なネットワークポリシー制御システムを提供するものである。
【0111】
図18は、この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態5を示す構成図である。このネットワークポリシー制御システムでは、上述した実施の形態4の図14において、さらに、利用者情報データベース(図18中では、UDBと表記)3がさらに付加されたものであり、その他の構成については図14と同一であるので、その説明は省略する。
【0112】
つぎに、IPコアネットワーク4におけるVPNごとのリソース管理の処理方法について説明する。
【0113】
図18のネットワークシステムにおけるLSRのバーチャル通信パスを設定する処理手順について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ネットワーク管理者によって、ポリシーサーバ2上で、VPNごとに利用者情報が入力され(ステップS81)、該利用者情報が図20に示される利用者情報データベース3に、VPNごとに保存される(ステップS82)。この利用者情報データベースに格納される利用者情報は、基本的には実施の形態1の図3に示した利用者情報データベース3の構成と同じであるが、この実施の形態5の利用者情報データベース3は、フロー識別情報、CoSおよび必要回線リソース量などの複数の情報が、VPNごとに定義されている点が異なる。
【0114】
その後、ポリシーサーバ2上で、ネットワーク管理者によって、初段LSR、最終段LSR、必要回線リソース量およびCoSを含むバーチャル通信パス情報が定義される(ステップS83)。このバーチャル通信パスの定義は、上述した実施の形態1におけるバーチャル通信パスの定義方法と基本的には同じであるが、リソース量と宛先アドレス/アドレスマスクをVPNごとに定義する必要がある。ポリシーサーバ2はこのバーチャル通信パス情報を記憶し、バーチャル通信パス情報から、実際にネットワークに設定する複数または単一のLSPを決定し(ステップS84)、このLSP群をネットワーク上の個々のLSR41〜46に設定する。
【0115】
図21は、属性情報を含むバーチャル通信パスの構成例を示す図である。このバーチャル通信パスの構成は実施の形態1の図4に示されるバーチャル通信パスの構成と基本的には同じであるので、同じ構成を有する部分についての説明は省略する。実施の形態1の図4に示されるバーチャル通信パスの構成と異なるのはリソース量と宛先アドレス/アドレスマスクであり、これらはVPNごとに定義されるようになっている。
【0116】
つぎに、このシステムにおける発呼端末と着呼端末との間にVPNを確立し、セッションストリームを転送する場合の処理手順について図22〜図24のフローチャートを参照しながら説明する。
【0117】
まず、端末9は、自身に設定されているVPN−IDを付加したセッション確立要求を端末10に対して送信する(ステップS91)が、該セッション確立要求は端末10へ送信される前に、呼制御装置1によって受信される(ステップS92)。なお、以下の説明では、端末9を発呼端末といい、端末10を着呼端末という。
【0118】
VPN−IDが付加されたセッション確立要求を受信した呼制御装置1は、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについて、セッション確立要求に含まれるVPN−IDを取得し、セッション確立要求の内容と利用者情報データベース3のVPNの欄とを照合し、上記ストリームに適用するVPNのCoS/回線リソース量を取得する(ステップS93)。そして呼制御装置1は、これらを、セッション確立要求に含まれていた発呼端末アドレス、着呼端末アドレスおよびセッションを一意に識別する識別子(以下、セッション識別子という)と合わせて、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに関するリソース予約要求としてポリシーサーバ2に対して送信する(ステップS94)。
【0119】
ポリシーサーバ2は、リソース予約要求を受信する(ステップS111)と、実施の形態1の図7に示されるステップS32〜S33と同様の方法で、バーチャル通信パスを検索する(ステップS112〜S113)。その後、バーチャル通信パスにセッションを収容することが可能であるかを判定する(ステップS114)。すなわち、バーチャル通信パスのVPNに割り当てられた残存リソース量が十分である場合、または、バーチャル通信パスのVPNに割り当てられた残存リソース量が不十分であるが、バーチャル通信パス内のLSPのリソース量増加もしくは新規LSPの設定の手段によって、リソース量の追加が可能である場合には、ポリシーサーバ2は、バーチャル通信パスに上記ストリームを収容可能であると判断する(ステップS114でYesの場合)。そして、ポリシーサーバ2は、該バーチャル通信パスのVPNに割り当てられた残存リソース量からセッションに必要なリソース量を減算し、バーチャル通信パスに関連付けてセッション識別子とそのリソース量を記憶する(ステップS115)。その後、呼制御装置1にリソース予約応答(成功)を返送する(ステップS116)。一方、ステップS114でバーチャル通信パスのVPNに割り当てられた残存リソース量にセッションを収容することが不可能であると判断された場合(ステップS114でNoの場合)には、ポリシーサーバ2は、呼制御装置1にリソース予約応答(失敗)を返送する(ステップS117)。以上のステップS111〜S117で、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約確認処理が完了する。
【0120】
呼制御装置1は、ポリシーサーバ2からリソース予約応答を受信する(ステップS95)と、該リソース予約応答が成功であるか否かを判断する(ステップS96)。リソース予約応答が成功である場合(ステップS96でYesの場合)には、呼制御装置1は、上記のステップS93で取得したCoS/回線リソース量をセッション確立要求に添付して、着呼端末10へ転送する(ステップS97)。一方、リソース予約応答が失敗である場合(ステップS96でNoの場合)には、呼制御装置1は、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS98)。
【0121】
着呼端末10は、セッション確立要求を受信する(ステップS99)と、自身に設定されているVPN−IDを付加したセッション確立応答を発呼端末9へ送信する(ステップS100)が、該セッション確立応答は発呼端末9に受信される前に呼制御装置1によって受信される(ステップS101)。
【0122】
呼制御装置1はセッション確立応答を受信すると、セッション確立応答中のVPN−IDを取得し、セッションの発呼端末9から着呼端末10の方向/着呼端末10から発呼端末9の方向のそれぞれのストリームに対して、VPNのCoS/回線リソース量を取得する(ステップS102)。そして、呼制御装置1は、セッションの発呼端末9から着呼端末10の方向/着呼端末10から発呼端末9の方向のそれぞれのストリームについてのリソース予約要求をポリシーサーバ2へ送信し(ステップS103)、リソース予約確認処理を行う。ポリシーサーバ2によって行われるリソース予約確認処理は、上述した図24のステップS111〜ステップS117での処理と同じであるので、説明を省略する。
【0123】
呼制御装置1は、ポリシーサーバ2からリソース予約応答を受信する(ステップS104)と、該リソース予約応答が成功であるか否かを判断する(ステップS105)。リソース予約応答が成功である場合(ステップS105でYesの場合)には、呼制御装置1は、上記のステップS102で取得したセッションの発呼端末9から着呼端末10の方向のストリームに適用するCoSおよびリソース量を添付して発呼端末9へ転送し(ステップS106)、発呼端末9はセッション確立応答を受信する(ステップS107)。一方、リソース予約応答が失敗である場合(ステップS105でNoの場合)には、呼制御装置1は、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS108)。
【0124】
このとき、上述した実施の形態1の場合と同様に、発呼端末9はセッション確立応答を受信すると、着呼端末10はセッション確立要求を受信すると、それぞれセッションストリームの送信を開始する。
【0125】
発呼端末9から着呼端末10へ送信されるストリームの初段LSRであるLSR41は、発呼端末9からのセッションストリームを受信すると、実施の形態1の場合と同様に、セッションストリームを転送するバーチャル通信パスを決定する。そして、セッションストリームの受信インタフェース番号からVPN−IDのラベルを求め、セッションストリームを構成する各パケットに、該VPN−IDのラベルをセカンドラベルとして設定する。なお、トップラベルには、転送するLSPのラベルが設定される。この転送するLSPは、実施の形態1と同様の手法で決定され、セッションストリームがVPN−IDで定められるVPNを介して転送される。
【0126】
一方、着呼端末10から発呼端末9へ送信されるストリームの初段LSRであるLSR44も、着呼端末10からのセッションストリームを受信すると、上記したLSR41の場合と同様の手順によって、セッションストリームがLSPに転送される。
【0127】
以上のように、この実施の形態5によれば、端末9、10間で確立されるセッションに対してサービスクラスのグレード付けを行ったバーチャル通信パス情報がポリシーサーバ2とともにLSR41〜46に設定されるので、セッション確立時のバーチャル通信パスに対するリソース予約はポリシーサーバ2が行い、セッションストリームの転送はバーチャル通信パスにしたがってLSR41〜46が自律的に行うように構成される。その結果、ポリシーサーバ2がセッション確立時にエッジLSR41、44に逐一設定を行う必要がなくなるので、ポリシーサーバ2の負荷を軽減することが可能となる。また、IPコアネットワーク4においてVPNごとのリソース管理を行うことが可能となる。
【0128】
実施の形態6.
つぎに、図25〜図28を用いてこの発明の実施の形態6について説明する。この実施の形態6は、アクセスネットワーク7−1〜7−n、8−1〜8−n内の端末9、10がIPコアネットワーク4を経由したセッションを確立する際に、利用者情報等のVPN内の情報が外部に公開されないネットワーク構成を有するネットワークポリシー制御システムを提供するものである。
【0129】
図25は、この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態6を示す構成図である。このネットワークシステムは、実施の形態4の図14で説明したネットワークシステムに、さらに、VPN内のポリシー制御を行うVPN内ポリシーサーバ(図25中では、VPSと表記)25と、VPN内の利用者情報を格納するためのVPN内利用者情報データベース(同じく、VUDBと表記)23、24と、VPNのアクセスネットワーク7−1〜7−n、8−1〜8−nを収容したVPN内呼制御装置(同じく、VCAと表記)21、22とを備える構成となっている。
【0130】
ここで、VPNの管理者は、利用者情報を外部に公開されることを欲しないシステム利用者の利用者情報をVPN内ポリシーサーバ25上で定義し、該定義した利用者情報をVPNのそれぞれのアクセスネットワークに備えられているVPN内利用者情報データベース23、24に設定する。また、VPN内呼制御装置21、22には、該VPN内呼制御装置21、22自身が担当するVPNのVPN−IDが設定されている。図25の例では、アクセスネットワーク7−1内の端末9とアクセスネットワーク8−1内の端末10との間にVPN1を設定する場合であるので、VPN内呼制御装置21、22には、VPN−IDとして「1」が設定されることになる。
【0131】
つぎに、このシステムにおける発呼端末と着呼端末との間のVPNを用いたセッション確立の手順について図26〜図28のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、図25において、アクセスネットワーク7−1内の端末9が、アクセスネットワーク8−1内の端末10に対して発呼して、VPNを確立する場合を例に挙げて説明する。
【0132】
端末9は、セッション確立要求を端末10に対して送信する(ステップS120)。該セッション確立要求は、まず、VPN内呼制御装置21によって受信される(ステップS121)。VPN内呼制御装置21は、セッション確立要求を受信すると、該セッション確立要求の内容とアクセスネットワーク7−1内のVPN内利用者情報データベース23とを照合し、セッションストリームに適用するCoS/回線リソース量およびVPN−IDを取得し、これらの情報をセッション確立要求に含めて転送する(ステップS122)。なお、以下の説明では、端末9を発呼端末と呼び、端末10を着呼端末と呼ぶ。
【0133】
呼制御装置1は、VPN内呼制御装置21からセッションストリームに適用するCoS/回線リソース量およびVPN−IDが添付されたセッション確立要求を受信する(ステップS123)と、該セッション確立要求に含まれている情報を用いて着呼端末10から発呼端末9への方向のストリームに対するリソース予約要求を生成し、ポリシーサーバ2に対して送信する(ステップS124)。そして、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに対して、実施の形態5の図24のステップS111〜S117で説明したリソース予約確認処理を行う。
【0134】
呼制御装置1はポリシーサーバ2からリソース予約応答を受信する(ステップS125)と、該リソース予約応答が成功か否かを判断する(ステップS126)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS126でYesの場合)には、セッション確立要求を転送する(ステップS127)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS126でNoの場合)には、呼制御装置1は、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS128)。
【0135】
着呼端末10は、VPN内呼制御装置22を経由して、セッション確立要求を受信する(ステップS129)と、セッション確立応答を端末9に対して返信する(ステップS130)。
【0136】
VPN内呼制御装置22は、着呼端末10からのセッション確立応答を受信する(ステップS131)と、セッション確立応答の内容とアクセスネットワーク8−1内のVPN内利用者情報データベース24とを照合し、セッションストリームに適用するCoS/回線リソース量およびVPN−IDを取得し、これらの情報をセッション確立応答に含めて転送する(ステップS132)。
【0137】
呼制御装置1は、VPN内呼制御装置22からセッション確立応答を受信する(ステップS133)と、該セッション確立応答に含まれている情報からセッションの発呼端末9から着呼端末10の方向/着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに対するリソース予約要求を生成し、リソース予約要求をポリシーサーバ2へ送信する(ステップS134)。ポリシーサーバ2は、このセッションの発呼端末9から着呼端末10の方向/着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに対して、実施の形態5の図24のステップS111〜S117で説明したリソース予約確認処理を行う。
【0138】
呼制御装置1はポリシーサーバ2からリソース予約応答を受信する(ステップS135)と、該リソース予約応答が成功か否かを判断する(ステップS136)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS136でYesの場合)には、セッション確立応答を転送する(ステップS137)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS136でNoの場合)には、呼制御装置1は、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行して(ステップS138)、セッション確立処理が終了する。
【0139】
発呼端末9は、VPN内呼制御装置21を経由して、セッション確立応答を受信し(ステップS139)、発呼端末9と着呼端末10との間にVPNが確立される。
【0140】
以上の工程において、発呼端末9はセッション確立応答を受信すると、そして、着呼端末10はセッション確立要求を受信すると、セッションストリームの送信をそれぞれ開始する。LSR41、44でのセッションストリームの転送方法については、上述した実施の形態5と同様であるので説明を省略する。
【0141】
以上で説明したように、この実施の形態6によれば、VPN内利用者情報データベースを各VPNのアクセスネットワーク内に設けたので、利用者情報が外部に公開されることがなく、利用者情報の管理に安全性が保たれる。また、VPNごとにID番号(識別子)を付すので、端末ごとにVPN−IDを設定する必要がなく、VPNの管理が容易になるという効果がある。
【0142】
実施の形態7.
つぎに、図29〜図33を用いてこの発明の実施の形態7について説明する。この実施の形態7は、大規模なネットワークにおける呼数の増大に対する呼制御装置、ポリシーサーバおよびエッジLSRとの間における過大な負荷を分散することが可能なネットワークポリシー制御システムおよびその方法を提供するものである。
【0143】
図29は、この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態7を示す構成図である。このネットワークシステムは、実施の形態1の図1で説明したネットワークシステムに、さらに、エッジLSR41、44を制御する副ポリシーサーバ33、34と、該副ポリシーサーバ33、34に関連付けされている副呼制御装置31、32とを備える構成となっている。その他の構成については、図1と同一であるので、その説明を省略している。
【0144】
副呼制御装置31、32は、エッジLSRであるLSR41、44が収容するアクセスネットワーク7、8内の端末9、10が発行したセッション確立要求/応答をIPコアネットワーク4内で最初に中継する呼制御装置である。そして、それぞれの副呼制御装置31、32に対して、副ポリシーサーバ33、34が設置されている。なお、呼制御装置1は、複数存在する副呼制御装置31、32を管理し、ポリシーサーバ2は、複数存在する副ポリシーサーバに対してIPコアネットワーク4内の複数の副呼制御装置31、32と関連付けを行うなどの複数の副ポリシーサーバ33、34の管理を行っている。
【0145】
つぎに、IPコアネットワーク4におけるVPNごとのリソース管理の処理方法について説明する。
【0146】
図29のネットワークシステムにおけるLSRのLSPを設定する処理手順について、図30〜図33のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、端末9が端末10に対して発呼した場合の動作を例に挙げて説明する。
【0147】
端末9は、セッション確立要求を端末10に対して送信する(ステップS141)が、該セッション確立要求は、副呼制御装置31および呼制御装置1を経由して、副呼制御装置32によって受信される(ステップS142)。副呼制御装置32は、受信したセッション確立要求に含まれる情報を基に、セッションの端末10から端末9の方向のストリームについて、セッション識別子、発呼端末アドレス、着呼端末アドレスおよび上記ストリームに必要な回線リソース量を含むリソース予約要求を副ポリシーサーバ34に対して送信する(ステップS143)。以下の説明では、端末9を発呼端末と呼び、端末10を着呼端末10と呼ぶ。
【0148】
副ポリシーサーバ34はリソース予約要求を受信する(ステップS171)と、上記ストリームを収容するLSPの候補を決定し(ステップS172)、そのLSPに上記ストリームを収容可能であるかを、LSPのリソース量と上記ストリームに必要なリソース量とを比較することによって判定する(ステップS173)。LSPが十分なリソース量を有する場合(ステップS173でYesの場合)には、副ポリシーサーバ34は、そのLSPに上記ストリームを転送するようにLSPの初段LSR(図29の場合ではLSR44)に設定し(ステップS174)、リソース予約応答(成功)を副呼制御装置32に返送する(ステップS175)。一方、LSPが十分なリソース量を有しない場合(ステップS173でNoの場合)には、副ポリシーサーバ34はリソース予約応答(失敗)を副呼制御装置32に返送する(ステップS176)。以上のステップS171〜S176で上述した副ポリシーサーバ34によるリソース予約処理が完了する。
【0149】
副呼制御装置32は、リソース予約応答を受信する(ステップS144)と、該リソース予約応答が成功であるか否かを判断する(ステップS145)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS145でYesの場合)には、セッション確立要求を着呼端末10に転送する(ステップS146)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS145でNoの場合)には、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS147)。
【0150】
着呼端末10はセッション確立要求を受信する(ステップS148)と、発呼端末9に対して、セッション確立応答を返送する(ステップS149)。
【0151】
セッション確立応答は、まず、副呼制御装置32によって受信され(ステップS150)、副呼制御装置32はセッション確立応答に含まれる情報を基に、上記セッション確立要求受信時と同様に、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約要求を副ポリシーサーバ34に送信する(ステップS151)。
【0152】
副ポリシーサーバ34は、副呼制御装置32からリソース予約要求を受信すると、上述した図33のステップS171〜S176で説明したリソース予約確認処理を行い、リソース予約応答を副呼制御装置32に対して送信する。
【0153】
副呼制御装置32は、副ポリシーサーバ34からリソース予約応答を受信する(ステップS152)と、該リソース予約応答が成功であるか否かを判断する(ステップS153)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS153でYesの場合)には、セッション確立応答を転送する(ステップS154)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS153でNoの場合)には、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS155)。
【0154】
副呼制御装置32から送信されたセッション確立応答は、呼制御装置1を経由して、副呼制御装置31によって、受信される(ステップS156)。副呼制御装置31は、セッション確立応答に含まれる情報を基に、セッションの発呼端末9から着呼端末10方向のストリームについてのリソース予約要求を副ポリシーサーバ33に送信する(ステップS157)。
【0155】
副ポリシーサーバ33は、副呼制御装置31からリソース予約要求を受信すると、上述した図33のステップS171〜S176で説明したリソース予約確認処理と同様にして発呼端末9から着呼端末10方向のストリームについてのリソース予約処理を行い、リソース予約応答を副呼制御装置31に対して送信する。
【0156】
副呼制御装置31はリソース予約応答を受信する(ステップS158)と、該リソース予約応答が成功であるか否かについて判断する(ステップS159)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS159でYesの場合)には、発呼端末9に対してセッション確立応答を転送し(ステップS160)、発呼端末9は、セッション確立応答を受信する(ステップS161)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS159でNoの場合)には、副呼制御装置31はセッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS162)。
【0157】
以上の工程において、発呼端末9はセッション確立応答を受信すると、そして、着呼端末10はセッション確立要求を受信すると、発呼端末9および着呼端末10はそれぞれセッションストリームの送信を開始する。ここで、セッションストリームはLSR41、44において、上述した工程で設定された情報に基づいてLSPに転送される。
【0158】
以上で説明したように、この実施の形態7によれば、セッション確立要求に伴うリソース予約確認処理が副呼制御装置、副ポリシーサーバで処理され、処理の負荷が分散されるので、呼数の増大に対しても対応することができるという効果がある。
【0159】
実施の形態8.
つぎに、図34〜図38を用いてこの発明の実施の形態8について説明する。この実施の形態8は、大規模なネットワークにおける呼数の増大に対する呼制御装置、ポリシーサーバおよびエッジLSRとの間における過大な負荷を分散することが可能なネットワークポリシー制御方法を提供するものである。
【0160】
図34は、この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態8を示す構成図である。このネットワークシステムは、実施の形態7の図29で説明したネットワークシステムにおいて、利用者情報データベース35、36が、副呼制御装置31、32ごとに設けられている構成となっている。その他の構成については、図29と同一であるので、その説明を省略している。
【0161】
このシステムにおいて、ネットワーク管理者は、実施の形態1と同様に、ポリシーサーバ2上で利用者情報を利用者情報データベース35、36に保存する。ただし、この利用者情報データベース35、36は副呼制御装置31、32に対応する形で設置されている。
【0162】
ここで、図34のネットワークシステムにおけるLSR41〜46のLSPを設定する処理手順について、図35〜図38のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、端末9が端末10に対して発呼した場合の動作を例に挙げて説明する。
【0163】
まず、端末9は、端末10に対してセッション確立要求を送信する(ステップS181)。該セッション確立要求は、副呼制御装置31および呼制御装置1を介して、副呼制御装置32によって受信される(ステップS182)。副呼制御装置32は、セッション確立要求の内容と利用者情報データベース36とを照合し、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに適用するCoS/回線リソース量を取得し(ステップS183)、そして、副ポリシーサーバ34に対して着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約要求を送信する(ステップS184)。
【0164】
副ポリシーサーバ34は、上述した実施の形態1の図7のステップS31〜S37で説明したリソース予約確認処理と同様にして、着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約処理を行い、リソース予約応答を副呼制御装置32に対して送信する。
【0165】
副呼制御装置32は、副ポリシーサーバ34からリソース予約応答を受信する(ステップS185)と、該リソース予約応答が成功であるか否かを判断する(ステップS186)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS186でYesの場合)には、セッション確立要求を着呼端末10に対して転送する(ステップS187)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS186でNoの場合)には、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS188)。
【0166】
着呼端末10は副呼制御装置32からセッション確立要求を受信する(ステップS189)と、セッション確立応答を発呼端末に対して返送する(ステップS190)。
【0167】
副呼制御装置32はセッション確立応答を受信する(ステップS191)と、セッション確立応答の内容と利用者情報データベース36とを照合し、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに適用するCoS/回線リソース量を取得し(ステップS192)、そして、副ポリシーサーバ34に対して着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約要求を送信する(ステップS193)。なお、着呼端末10から発呼端末9の方向のリソース予約処理は既に行われているが、着呼端末10におけるセッション確立要求受信およびセッション確立応答返送時に、セッション情報のネゴシエーションがなされているために、ここでも着呼端末10から発呼端末9の方向のリソース予約処理が行われている。
【0168】
副ポリシーサーバ34は、副呼制御装置32からリソース予約要求を受信すると、上述した実施の形態1の図7のステップS31〜S37で説明した処理と同様にして、着呼端末10から発呼端末9の方向のリソース予約確認処理を行い、リソース予約応答を副呼制御装置32に対して送信する。
【0169】
副呼制御装置32は副ポリシーサーバ34からリソース予約応答を受信する(ステップS194)と、該リソース予約応答が成功であるか否かについて判断する(ステップS195)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS195でYesの場合)には、セッション確立応答を転送する(ステップS196)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS195でNoの場合)には、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS197)。
【0170】
副呼制御装置32から送信されたセッション確立応答は、呼制御装置1を介して、副呼制御装置31によって受信される(ステップS198)。セッション確立応答を受信した副呼制御装置31は、セッション確立応答の内容と利用者情報データベース35とを照合し、セッションの発呼端末9から着呼端末10の方向のストリームに適用するCoS/回線リソース量を取得し(ステップS199)、そして、副ポリシーサーバ33に対してセッションの発呼端末9から着呼端末10の方向のストリームについてのリソース予約要求を送信する(ステップS200)。
【0171】
副ポリシーサーバ33は、副呼制御装置31からリソース予約要求を受信すると、上述した実施の形態1の図7のステップS31〜S37で説明した処理と同様にして、セッションの発呼端末9から着呼端末10の方向のストリームについてのリソース予約確認処理を行い、リソース予約応答を副呼制御装置31に対して送信する。
【0172】
副呼制御装置31はリソース予約応答を受信する(ステップS201)と、該リソース予約応答が成功であるか否かについて判断する(ステップS202)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS202でYesの場合)には、セッション確立応答を発呼端末9に対して転送し(ステップS203)、発呼端末9はセッション確立応答を受信する(ステップS204)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS202でNoの場合)には、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS205)。
【0173】
以上の工程において、発呼端末9はセッション確立応答を受信すると、そして、着呼端末10はセッション確立要求を受信すると、発呼端末9および着呼端末10はそれぞれセッションストリームの送信を開始する。また、セッションストリームのLSRにおける転送方法については、実施の形態1と同様なのでその説明を省略する。
【0174】
以上説明してきたように、この実施の形態8によれば、端末9、10間で確立されるセッションに対してサービスクラスのグレード付けを行ったバーチャル通信パス情報がポリシーサーバ2とともにLSR41〜46に設定されるので、セッション確立時のバーチャル通信パスに対するリソース予約はポリシーサーバ2が行い、セッションストリームの転送はバーチャル通信パスにしたがってLSR41〜46が自律的に行うように構成される。その結果、ポリシーサーバ2がセッション確立時にエッジLSR41、44に逐一設定を行う必要がなくなるので、ポリシーサーバ2の負荷を軽減することが可能となる。また、エッジLSRにおいて、セッションストリームごとのフィルタリングが不用なためその分の負荷も軽減される。さらに、セッション確立要求に伴うリソース予約確認処理が副呼制御装置、副ポリシーサーバで処理されるため、それらで行われる処理の負荷が分散されるという効果がある。
【0175】
実施の形態9.
つぎに、図39〜図43を用いてこの発明の実施の形態9について説明する。この実施の形態9は、アクセスネットワーク7−1〜7−n、8−1〜8−n内の端末9、10がIPコアネットワーク4を経由したセッションを確立する際に、利用者情報等のVPN内の情報が外部に公開されないネットワーク構成を有すると共に、大規模なネットワークにおける呼数の増大に対する呼制御装置、ポリシーサーバおよびエッジLSRとの間における過大な負荷を分散することが可能なネットワークポリシー制御システムを提供するものである。
【0176】
図39は、この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態9を示す図である。このネットワークシステムは、実施の形態6の図25で説明したネットワークシステムにおいて、さらに、エッジLSR41、44を制御する副ポリシーサーバ33、34と、該副ポリシーサーバ33、34と関連付けされている副呼制御装置31、32とを備える構成となっている。これらの装置は実施の形態8の図34で示したものと同一であるので、また、その他の構成については図25で示したものと同一であるので、その説明を省略している。なお、呼制御装置1は、複数存在する副呼制御装置31、32を管理し、ポリシーサーバ2は、複数存在する副ポリシーサーバ33、34を管理している。
【0177】
ここで、図39のネットワークシステムにおけるVPNの確立手順について、図40〜図43のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、端末9が端末10に対して発呼した場合の動作を例に挙げて説明する。
【0178】
端末9は、端末10に対してセッション確立要求を送信する(ステップS210)。以下、端末9を発呼端末と呼び、端末10を着呼端末と呼ぶ。該セッション確立要求は、まず、VPN内呼制御装置21によって受信される(ステップS211)。VPN内呼制御装置21は、セッション確立要求を受信すると、該セッション確立要求の内容とアクセスネットワーク7−1内のVPN内利用者情報データベース23とを照合し、セッションストリームに適用するCoS/回線リソース量およびVPN−IDを取得し、これらの情報をセッション確立要求に含めて転送する(ステップS212)。
【0179】
送信されたセッション確立要求は、副呼制御装置31と呼制御装置1を介して、副呼制御装置32によって受信される(ステップS213)。副呼制御装置32は、セッション確立要求を受信すると、該セッション確立要求に含まれている情報から、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに対してリソース予約要求を生成し、副ポリシーサーバ34に対して送信する(ステップS214)。そして、実施の形態5の図24のステップS111〜S117で説明した処理と同様にして、副ポリシーサーバ34は、セッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約確認処理を行う。ただし、図5では、ポリシーサーバ2が処理を行っているが、この実施の形態9では、ステップS111〜S117の処理は副呼制御装置32に関連付けされている副ポリシーサーバ34によって行われる。
【0180】
副呼制御装置32は、副ポリシーサーバ34からリソース予約応答を受信する(ステップS215)と、該リソース予約応答が成功であるか否かについての判断を行う(ステップS216)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS216でYesの場合)には、副呼制御装置32は、セッション確立要求を転送する(ステップS217)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS216でNoの場合)には、呼制御装置は、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS218)。
【0181】
副呼制御装置32によって転送されたセッション確立要求は、VPN内呼制御装置22を介して、着呼端末10によって受信される(ステップS219)。セッション確立要求を受信した着呼端末10は、セッション確立応答を発呼端末9に対して返送する(ステップS220)。
【0182】
着呼端末10によって送信されたセッション確立応答は、VPN内呼制御装置22によって受信される(ステップS221)。VPN内呼制御装置22は、セッション確立応答を受信すると、該セッション確立要求の内容とアクセスネットワーク8−1内のVPN内利用者情報データベース24とを照合し、セッションストリームに適用するCoS/回線リソース量およびVPN−IDを取得し、これらの情報をセッション確立要求に含めて転送する(ステップS222)。
【0183】
副呼制御装置32はセッション確立応答を受信する(ステップS223)と、セッション確立応答に含まれる情報からセッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームに対してリソース予約要求を生成し、副ポリシーサーバ34にリソース予約要求を送信して、リソース予約確認処理を行う(ステップS224)。そして、実施の形態5の図24のステップS111〜S117で説明した処理と同様にして、副ポリシーサーバ34はセッションの着呼端末10から発呼端末9の方向のストリームについてのリソース予約確認処理を行う。ただし、図5では、ポリシーサーバ2が処理を行っているが、ここでの処理は、副呼制御装置32に関連付けされている副ポリシーサーバ34によって行われる。
【0184】
副呼制御装置32は、副ポリシーサーバ34からリソース予約応答を受信する(ステップS225)と、該リソース予約応答が成功であるか否かについて判断を行う(ステップS226)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS226でYesの場合)には、副呼制御装置32はセッション確立応答を転送する(ステップS227)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS226でNoの場合)には、副呼制御装置32は、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS228)。
【0185】
副呼制御装置32によって送信されたセッション確立応答は、呼制御装置1を介して、副呼制御装置31によって受信される(ステップS229)。副呼制御装置31は、セッション確立応答を受信すると、セッションの発呼端末9から着呼端末10の方向のストリームについてのリソース予約要求を生成し、副ポリシーサーバ33へリソース予約要求を送信して、リソース予約確認処理を行う(ステップS230)。そして、実施の形態5の図24のステップS111〜S117で説明した処理と同様にして、セッションの発呼端末9から着呼端末10の方向のストリームについてのリソース予約確認処理が行われる。ただし、図5では、ポリシーサーバ2が処理を行っているが、ここでの処理は、副呼制御装置31に関連付けされている副ポリシーサーバ33によって行われる。
【0186】
副呼制御装置31は、副ポリシーサーバ33からリソース予約応答を受信する(ステップS231)と、該リソース予約応答が成功であるか否かについて判断を行う(ステップS232)。リソース予約応答(成功)である場合(ステップS232でYesの場合)には、副呼制御装置31はセッション確立応答を転送する(ステップS233)。一方、リソース予約応答(失敗)である場合(ステップS232でNoの場合)には、副呼制御装置31は、セッション制御プロトコルで規定された失敗時のシーケンスを実行する(ステップS234)。
【0187】
そして、副呼制御装置31によって送信されたセッション確立応答は、VPN内呼制御装置21を介して、発呼端末9によって受信される(ステップS235)。
【0188】
以上の工程において、発呼端末9はセッション確立応答を受信すると、そして、着呼端末10はセッション確立要求を受信すると、発呼端末9および着呼端末10はそれぞれセッションストリームの送信を開始する。また、セッションストリームのLSRにおける転送方法については、実施の形態1と同様なのでその説明を省略する。
【0189】
以上で説明したように、この実施の形態9によれば、VPN内利用者情報データベースを各VPNのアクセスネットワーク内に設けたので、利用者情報が外部に公開されることがなく、利用者情報の管理に安全性が保たれる。また、VPNごとにID番号を付すので、端末ごとにVPN−IDを設定する必要がないという効果がある。その結果、VPNの管理が容易になる。さらに、セッションに対してサービスグレード付けを行い、かつセッション確立ごとにエッジLSRに逐一設定を行うことなく、IPコアネットワークにおいてセッションストリームのためのリソースを確保可能かについて判定することが可能となる。また、エッジLSRにおいて、セッションストリームごとのLSPの設定やフィルタリングが不用なためその分の負荷も軽減される。さらに、セッション確立要求に伴うリソース予約確認処理が副呼制御装置、副ポリシーサーバで処理されるため、それらで行われる処理の負荷が分散されるという効果がある。
【0190】
なお、以上で説明した実施の形態において、副呼制御装置31、32とそれに関連付けられている副ポリシーサーバ33、34およびエッジLSR41、44は、別個の装置であるかのように記載したが、副呼制御装置31、32と副ポリシーサーバ33、34は、例えばソフトウェアといった処理単位に相当するので、副呼制御装置31、32と副ポリシーサーバ33、34を同一装置内で動作させるように構成したり、副呼制御装置31、32と副ポリシーサーバ33、34をエッジLSR41、44内で動作させるように構成したりすることも可能である。
【0191】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、IPコアネットワーク内における初段LSR、最終段LSRおよびサービスクラスの組み合わせで特定されるLSPをまとめてバーチャル通信パスとして定義するように構成したので、ポリシーサーバはバーチャル通信パスの単位でのみポリシー管理を行うことができる。また、ポリシーサーバはセッションに送信されるストリームについてのバーチャル通信パスのリソース予約を行うだけであり、LSRに対するセッション確立時の設定処理を行う必要がない。その結果、ポリシーサーバの負荷を減らすことができる。さらに、初段LSRとなるLSRは、受信したストリームのパケットから得られたサービスクラスと宛先アドレスからバーチャル通信パスを選択し、該バーチャル通信パスにストリームを転送する処理だけを行う。そして、従来では必要だった、該LSRによる受信したストリームのフィルタリング処理を行う必要がないので、ストリームの転送処理の高速化を図ることが可能となる。
【0192】
つぎの発明によれば、サービスを利用する端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報を格納する利用者情報データベースを備えるように構成したので、利用者単位でサービスクラスの設定を行うことができ、利用者に応じたサービスを提供することができる。
【0193】
つぎの発明によれば、ポリシーサーバは、選択したバーチャル通信パスの残存リソース量がストリームの回線リソース量を収容できないと判断した場合には、前記バーチャル通信パスに回線リソース量の追加を行って、前記ストリームのサービスクラスおよび回線リソース量を確保する機能を有するリソース予約手段を備えるように構成したので、多数のセッションが確立され、同じバーチャル通信パス内を転送されるストリームの量が多くなっても、自動的に該バーチャル通信パスの回線リソース量を増加させることによって、利用者に対するサービスの品質を維持することができる。
【0194】
つぎの発明によれば、サービスクラスにIPコアネットワークの入力から出力までにかかる遅延時間をクラス付けした遅延クラスを備えるように構成したので、利用者に対して一層多様な種類のサービスを提供することができる。
【0195】
つぎの発明によれば、回線リソース量は、保証される回線リソース量によってクラス付けされた回線リソース量クラスによって定義されるように構成したので、ストリームを最初に受信する初段LSRは、該回線リソース量クラスによって前記ストリームに対して一層きめ細かなQoS制御を行うことができる。
【0197】
つぎの発明によれば、初段LSR、最終段LSRおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のLSPから構成されるとともに、VPNごとの回線リソース量が定められるバーチャル通信パスがポリシーサーバとLSRに設定されるように構成されるので、ポリシーサーバはセッションに送信されるストリームについてのバーチャル通信パスのリソース予約を行うだけで、LSRに対してセッション確立時に設定を行う必要がない。また、ポリシーサーバは、IPコアネットワークにおいて、VPNごとのリソース管理を行うことが可能となる。さらに、LSRは、受信したストリームのパケットから得られたサービスクラスと宛先アドレスとVPN識別子とからバーチャル通信パスを選択し、該バーチャル通信パスにストリームを転送するだけでよく、従来必要であった受信したストリームのフィルタリング処理を行う必要がなくなるので、ストリームの転送処理の高速化を図ることが可能となる。
【0198】
つぎの発明によれば、利用者の端末が属するネットワークのアドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付してそれぞれのネットワークごとに格納するVPN内利用者情報データベースをVPN内部に備えるように構成したので、利用者情報データベースの外部からの不正な侵入を抑制し、VPNの安全性を高めることができる。また、ポリシーサーバは、ネットワークに存在する端末ごとにVPN識別子を設定する必要がないので、ポリシーサーバの処理を軽減することが可能となる。
【0200】
つぎの発明によれば、副ポリシーサーバは、選択したバーチャル通信パスの残存リソース量がストリームの回線リソース量を収容できないと判断した場合には、前記バーチャル通信パスに回線リソース量の追加を行って、前記ストリームのサービスクラスおよび回線リソース量を確保する機能を有するリソース予約手段を備えるように構成したので、多数のセッションが確立され、同じバーチャル通信パス内を転送されるストリームの量が多くなっても、自動的に該バーチャル通信パスの回線リソース量を増加させることができる。その結果、品質を落とすことなく利用者にサービスを提供することが可能となる。また、副呼制御装置と副ポリシーサーバとを備えるように構成したので、ネットワークが大規模になった場合に増大するセッション確立の処理を、一台の呼制御装置とポリシーサーバで行うのではなく、同じ機能を有する複数の副呼制御装置と副ポリシーサーバで実行するので、処理の負荷を分散することが可能となる。
【0201】
つぎの発明によれば、利用者の端末が属するネットワークのアドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付してそれぞれのネットワークごとに格納するVPN内利用者情報データベースをVPN内部に備えるように構成したので、利用者情報データベースの外部からの不正な侵入を抑制し、VPNの安全性を高めることができる。また、副呼制御装置と副ポリシーサーバとを備えるように構成したので、ネットワークが大規模になった場合に増大するセッション確立の処理を、一台の呼制御装置とポリシーサーバで行うのではなく、同じ機能を有する複数の副呼制御装置と副ポリシーサーバで実行するので、処理の負荷を分散することが可能となる。
【0202】
つぎの発明によれば、副呼制御装置を呼制御装置で管理し、副ポリシーサーバをポリシーサーバで管理するように構成したので、それぞれの副呼制御装置および副ポリシーサーバにおける役割の分担を行うことができ、システム全体での処理の効率化を図ることが可能となる。
【0203】
つぎの発明によれば、副ポリシーサーバは複数の副呼制御装置と関連付けできるように構成したので、システム上における副ポリシーサーバの配置を、その負荷の程度を考慮して自由に設計することができる。
【0204】
つぎの発明によれば、副呼制御装置と副ポリシーサーバとを同一の装置内に備えるように構成したので、システム内に設置する装置の数を抑えて、システム構成の複雑化を抑制することができる。
【0205】
つぎの発明によれば、副呼制御装置と副ポリシーサーバとを同一の前記LSR内に備えるように構成したので、システム内に設置する装置の数を抑えて、システム構成の複雑化を抑制することができる。
【0206】
つぎの発明によれば、ポリシーサーバは、選択したバーチャル通信パスの残存リソース量がストリームの回線リソース量を収容できないと判断した場合には、前記バーチャル通信パスに回線リソース量の追加を行って、前記ストリームのサービスクラスおよび回線リソース量を確保する機能を有するリソース予約手段を備えるように構成したので、多数のセッションが確立され、同じバーチャル通信パス内を転送されるストリームの量が多くなっても、自動的に該バーチャル通信パスの回線リソース量を増加させることによって、利用者に対するサービスの品質を維持することができる。
【0207】
つぎの発明によれば、ポリシーサーバのバーチャル通信パス定義手段は、バーチャル通信パスにさらにVPNごとの回線リソース量を定める機能を備えるように構成したので、IPコアネットワークを介して通信を行うネットワーク間にVPNを構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】 バーチャル通信パスの設定手順を示すフローチャートである。
【図3】 利用者情報データベースの構成の一例を示す図である。
【図4】 属性情報を含むバーチャル通信パスの構成例を示す図である。
【図5】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッション確立の処理手順を示すフローチャートである(その1)。
【図6】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その2)。
【図7】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その3)。
【図8】 この発明の実施の形態2で用いるサービスクラス(CoS)の遅延クラスのクラス分けの一例を示す図である。
【図9】 利用者情報データベースの構成の一例を示す図である。
【図10】 属性情報を含むバーチャル通信パスの構成例を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態3における回線リソース量のクラス分けの一例を示す図である。
【図12】 利用者情報データベースの構成の一例を示す図である。
【図13】 バーチャル通信パスの設定手順を示すフローチャートである。
【図14】 この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図15】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その1)。
【図16】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その2)。
【図17】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その3)。
【図18】 この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態5の構成を示すブロック図である。
【図19】 バーチャル通信パスの設定手順を示すフローチャートである。
【図20】 利用者情報データベースの構成の一例を示す図である。
【図21】 属性情報を含むバーチャル通信パスの構成例を示す図である。
【図22】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その1)。
【図23】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その2)。
【図24】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その3)。
【図25】 この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態6の構成を示すブロック図である。
【図26】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その1)。
【図27】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その2)。
【図28】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その3)。
【図29】 この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態7の構成を示すブロック図である。
【図30】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その1)。
【図31】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その2)。
【図32】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その3)。
【図33】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その4)。
【図34】 この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態8の構成を示すブロック図である。
【図35】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その1)。
【図36】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その2)。
【図37】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その3)。
【図38】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その4)。
【図39】 この発明にかかるネットワークポリシー制御システムの実施の形態9の構成を示すブロック図である。
【図40】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その1)。
【図41】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その2)。
【図42】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その3)。
【図43】 発呼端末と着呼端末との間におけるセッションの確立処理手順を示すフローチャートである(その4)。
【図44】 MPLS/IPネットワーク上におけるVoIPストリームのQoSの保証を行うシステムの従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 呼制御装置、2 ポリシーサーバ、3,35,36 利用者情報データベース、4 IPコアネットワーク、5,6 ゲートウェイ、7,8 アクセスネットワーク、9,10 端末、21,22 VPN内呼制御装置、23,24 VPN内利用者情報データベース、25 VPN内ポリシーサーバ、31,32副呼制御装置、33,34 副ポリシーサーバ、41〜46 ラベルスイッチングルータ。

Claims (15)

  1. 複数のラベルスイッチングルータを備えるIPコアネットワークと、該IPコアネットワーク内の異なるラベルスイッチングルータに収容される二つの端末と、該二つの端末間でのセッションの確立処理を行う呼制御装置とを備えるネットワークポリシー制御システムであって、
    前記IPコアネットワーク内における初段ラベルスイッチングルータ、最終段ラベルスイッチングルータおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のラベルスイッチパスから構成されるバーチャル通信パスが定義されるバーチャル通信パス定義手段と、
    該バーチャル通信パスを前記ラベルスイッチングルータに設定するバーチャル通信パス設定手段と、
    前記二つの端末間のセッション確立時における前記呼制御装置からのリソース予約要求に対して、該セッションで送信されるストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに基づき前記ストリームを収容するバーチャル通信パスを前記バーチャル通信パス定義手段から選択し、該選択したバーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約を行うリソース予約手段と、
    を含むポリシーサーバをさらに備え、
    前記端末からのストリームを最初に受信した初段ラベルスイッチングルータは、前記ストリームのパケットに格納されている宛先アドレスおよびサービスクラスに適合するバーチャル通信パスを決定し、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームを転送することを特徴とするネットワークポリシー制御システム。
  2. 前記ラベルスイッチングルータに収容される端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報を格納する利用者情報データベースをさらに備え、
    前記呼制御装置は、前記二つの端末間のセッション確立要求/応答を受信すると、前記利用者情報から取得した前記セッションのストリームに適用するサービスクラスと回線リソース量を取得して前記リソース予約要求を作成し、前記ポリシーサーバに送信するリソース予約要求手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワークポリシー制御システム。
  3. 前記リソース予約手段は、前記バーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームの回線リソース量を収容できないと判断した場合には、前記バーチャル通信パスに回線リソース量の追加を行い、前記ストリームのサービスクラスおよび回線リソース量を前記バーチャル通信パスに確保する機能をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のネットワークポリシー制御システム。
  4. 前記サービスクラスは、前記ストリームが前記IPコアネットワークの入力から出力までにかかる遅延時間をクラス付けした遅延クラスをさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のネットワークポリシー制御システム。
  5. 前記回線リソース量は、保証される回線リソースの量によってクラス付けされた回線リソース量クラスによって定義されており、
    前記リソース予約手段は、前記回線リソース量クラスに対応するリソース量に比べて残存リソース量が十分に大きいラベルスイッチパスを、前記選択したバーチャル通信パスの中から選択する機能を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のネットワークポリシー制御システム。
  6. 複数のラベルスイッチングルータを備えるIPコアネットワーク内の異なるラベルスイッチングルータに収容される二つの端末におけるセッションの確立および送信されるストリームのポリシー制御を行うネットワークポリシー制御システムであって、
    前記ラベルスイッチングルータに収容される端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付して格納する利用者情報データベースと、
    前記二つの端末間のVPN識別子を含むセッション確立要求/応答を受信すると、前記VPN識別子に対応したセッションに送信するストリームに適用するサービスクラスと回線リソース量を前記利用者情報データベースから取得して前記リソース予約要求を作成し、ポリシーサーバに送信するリソース予約要求手段を備える呼制御装置と、
    前記IPコアネットワーク内における初段ラベルスイッチングルータ、最終段ラベルスイッチングルータおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のラベルスイッチパスから構成されるとともに、VPNごとの回線リソース量が定められているバーチャル通信パスが定義されるバーチャル通信パス定義手段と、
    該バーチャル通信パスを前記ラベルスイッチングルータに設定するバーチャル通信パス設定手段と、
    前記二つの端末間のセッションの確立時における前記呼制御装置からのリソース予約要求に対して、該セッションに送信されるストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに適合するバーチャル通信パスを前記バーチャル通信パス定義手段から選択し、該選択したバーチャル通信パスの該当するVPNの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約を行うリソース予約手段と、
    を含むポリシーサーバと、
    を備え、前記端末からのストリームを最初に受信した初段ラベルスイッチングルータは、前記ストリームのパケットに格納されている宛先アドレスおよびサービスクラスに適合するバーチャル通信パスを決定し、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームを転送することを特徴とするネットワークポリシー制御システム。
  7. IPコアネットワーク内の異なるラベルスイッチングルータに収容されるネットワークと、前記ネットワークのアドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付して、それぞれのネットワークごとに格納しVPN内に設置されるVPN内利用者情報データベースと、前記異なるネットワークのそれぞれに収容されるVPN内呼制御装置と、前記異なるネットワークに存在する二つの端末間のセッションの確立を行う呼制御装置と、前記二つの端末間のストリームの送信制御を行う呼制御装置およびポリシーサーバとを備えるネットワークポリシー制御システムであって、
    前記VPN内呼制御装置は、該VPN内呼制御装置に収容されるネットワーク内の端末からVPN識別子を含むセッション確立要求/応答を受信すると、前記端末の属するネットワークに設けられた前記VPN内利用者情報データベースの前記利用者情報から、前記VPN識別子に対応した前記ストリームに適用するサービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子を取得し、前記セッション確立要求/応答に添付して転送する手段を備え、
    前記呼制御装置は、前記VPN内呼制御装置から前記サービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子が添付されたセッション確立要求/応答を受信すると、前記ストリームのリソース予約要求を前記ポリシーサーバに対して送信するリソース予約要求手段を備え、
    前記ポリシーサーバは、
    前記IPコアネットワーク内における初段ラベルスイッチングルータ、最終段ラベルスイッチングルータおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のラベルスイッチパスから構成されるとともに、VPNごとの回線リソース量が定められているバーチャル通信パスが定義されるバーチャル通信パス定義手段と、
    該バーチャル通信パスを前記ラベルスイッチングルータに設定するバーチャル通信パス設定手段と、
    前記VPN内呼制御装置からの前記リソース予約要求に対して、前記ストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに適合するバーチャル通信パスを前記バーチャル通信パス定義手段から選択し、該選択したバーチャル通信パスの該当するVPNの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合には、リソース予約を行うリソース予約手段と、
    を備え、
    前記端末を収容する初段ラベルスイッチングルータは、前記端末からのストリームに格納されている宛先アドレスおよびサービスクラスと適合するバーチャル通信パスを決定し、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームを転送することを特徴とするネットワークポリシー制御システム。
  8. 複数のラベルスイッチングルータを備えるIPコアネットワークと、前記異なるラベルスイッチングルータに収容される二つの端末と、該二つの端末を収容し該二つの端末からのセッション確立要求/応答を前記IPコアネットワーク内で最初に転送処理を行う副呼制御装置と、該副呼制御装置のそれぞれに関連付けされている副ポリシーサーバと、前記ラベルスイッチングルータに収容される端末の端末アドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報を格納する利用者情報データベースとを備えるネットワークポリシー制御システムであって、
    前記副呼制御装置は、
    セッション確立要求/応答を受信すると、もう一方の副呼制御装置に収容されている端末を送信先とするストリームに適用するサービスクラス/回線リソース量を前記利用者情報データベースから取得して、該セッション確立要求/応答に添付して転送する手段と、
    該副呼制御装置に関連付けされている前記副ポリシーサーバに対して、前記ストリームのリソース予約要求を送信する手段と、
    を備え、
    前記副ポリシーサーバは、該副ポリシーサーバに関連付けされている前記副呼制御装置から前記リソース予約要求に対して、前記ストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに適合するバーチャル通信パスを選択し、該選択したバーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合には、リソース予約を行うリソース予約手段を備え、
    一方の端末を送信先とするストリームのリソース予約処理が、前記ストリームの送信元側の端末に収容された副呼制御装置および副ポリシーサーバによって行われることを特徴とするネットワークポリシー制御システム。
  9. IPコアネットワーク内の異なるラベルスイッチングルータに収容されるネットワークと、前記ネットワークのアドレス、サービスクラスおよび回線リソース量を含む利用者情報をVPNごとにVPN識別子を付して、それぞれのネットワークごとに格納しVPN内に設置されるVPN内利用者情報データベースと、前記異なるネットワークのそれぞれに収容されるVPN内呼制御装置と、該VPN内呼制御装置に収容される副呼制御装置と、該副呼制御装置のそれぞれに関連付けされている副ポリシーサーバとを備えるネットワークポリシー制御システムであって、
    前記VPN内呼制御装置は、該VPN内呼制御装置に収容されるネットワーク内の端末からVPN識別子を含むセッション確立要求/応答を受信すると、前記端末の属するネットワークに設けられた前記VPN内利用者情報データベースの前記利用者情報から、前記VPN識別子に対応した前記ストリームに適用するサービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子を取得し、前記セッション確立要求/応答に添付して転送する手段を備え、
    前記副呼制御装置は、前記VPN内呼制御装置から前記サービスクラス/回線リソース量およびVPN識別子が添付されたセッション確立要求/応答を受信すると、前記ストリームのリソース予約要求を該副呼制御装置に関連付けされている前記副ポリシーサーバに対して送信するリソース予約要求手段を備え、
    前記副ポリシーサーバは、前記リソース予約要求に対して、前記ストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに適合するバーチャル通信パスを選択し、該選択したバーチャル通信パスの該当するVPNの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約を行うリソース予約手段を備え、
    前記端末を収容する前記ラベルスイッチングルータは、前記端末からの前記ストリームに格納されている宛先アドレスおよびサービスクラスと適合するバーチャル通信パスを決定し、該バーチャル通信パスにしたがって前記ストリームを転送することを特徴とするネットワークポリシー制御システム。
  10. 前記ネットワークポリシー制御システム内の前記副呼制御装置をまとめて管理する呼制御装置と、前記副ポリシーサーバをまとめて管理するポリシーサーバとを、さらに備えることを特徴とする請求項8または9に記載のネットワークポリシー制御システム。
  11. 前記副ポリシーサーバは、複数の副呼制御装置と関連付けすることが可能なことを特徴とする請求項10のいずれか一つに記載のネットワークポリシー制御システム。
  12. 前記副呼制御装置と前記副ポリシーサーバとを同一の装置内に備えることを特徴とする請求項8または9に記載のネットワークポリシー制御システム。
  13. 前記副呼制御装置と前記副ポリシーサーバとを同一の前記ラベルスイッチングルータ内に備えることを特徴とする請求項8または9に記載のネットワークポリシー制御システム。
  14. 複数のラベルスイッチングルータを備えるIPコアネットワークと、該IPコアネットワーク内の異なるラベルスイッチングルータに収容される二つの端末と、該二つの端末間でのセッションの確立処理を行う呼制御装置とを備えるネットワークポリシー制御システムに用いるポリシーサーバにおいて、
    前記IPコアネットワーク内における初段ラベルスイッチングルータ、最終段ラベルスイッチングルータおよびサービスクラスの組み合わせで特定され、一以上のラベルスイッチパスから構成されるバーチャル通信パスが定義されるバーチャル通信パス定義手段と、
    該バーチャル通信パスを前記ラベルスイッチングルータに設定するバーチャル通信パス設定手段と、
    前記二つの端末間のセッション確立時における前記呼制御装置からのリソース予約要求に対して、該セッションで送信されるストリームの送信元および宛先端末のアドレスとサービスクラスに基づき前記ストリームを収容するバーチャル通信パスを前記バーチャル通信パス定義手段から選択し、該選択したバーチャル通信パスの残存リソース量に前記ストリームのリソース量を収容可能と判断した場合にはリソース予約を行うリソース予約手段と、
    を備えることを特徴とするポリシーサーバ。
  15. 前記バーチャル通信パス定義手段は、前記バーチャル通信パスにさらにVPNごとの回線リソース量を定める機能を備えることを特徴とする請求項14に記載のポリシーサーバ。
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