JP3991100B2 - エアロゾル粒子の発生分散方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアロゾル粒子の発生分散方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
気体を分散媒としたエアロゾル粒子の形成方法は、生活手段及び工業的手段として各方面において汎用されている。例えば、ヘアスプレーを利用すると、頭髪剤をアルコールなどの溶媒に加圧溶解させて状態で、ノズルから大気中に放出させ、溶媒を気化させ、微細な微粒子状の頭髪剤をエアロゾル粒子として、広範囲に、均一な状態で供給し、良好な整髪状態を表現することができる。その他にも、このような技術として殺虫剤などへの利用、塗装、各種膜の形成などをあげることができ、均一で微細な微粒子状のエアロゾル粒子を形成することに対する要望は強く、高度な加工や新しい材料の形成に必要な技術として注目されている。
ところで、数ミクロン以下の固体の一般的な特性として、その材質を問わず、高い凝集性を示し、通常の環境条件下では、複数の一次粒子が凝集して高次の凝集体を形成しているのが普通であり、この凝集体の形成は避けることが困難とされている。
しかしながら、例えば、フィルタの捕集能力検定用粒子、微小間隙形成のためのスペーサ粒子など粒子を利用する多くの分野において、高次の凝集体の形成は好ましいものではなく、粒子が一次粒子に分散された状態であることが求められ、その技術の開発は意義深いものである。
そこで、従来から凝集性の高い固体を分散させる方法が数多く提案され、例えば、水やアルコールなどの溶媒で凝集性固体を分散させ、これを噴霧した後、乾燥させる方法が知られている。しかしながら、この方法では、噴霧気体中に含まれる液滴粒子数の制御が困難であり、固体が一次粒子まで分散した状態で高濃度のエアロゾル粒子を得ることができない。さらに、得られるエアロゾル粒子中にエアロゾル粒子以外の不純物粒子(蒸発残渣)が含有する現象が見られ、その含有量も大きな問題である。また、凝集性固体の分散方法として、溶媒の気化機構を利用する方法も知られている。例えば、固体粒子エアロゾルの発生装置(特許文献1)及び凝集性微粒子の解砕分散方法(特許文献2)は、液化ガスを溶媒として凝集性固体を懸濁させ、この液化ガスを気化させ、その相変化における膨張力を利用することで、一次粒子にまで分散したエアロゾル粒子を高濃度で得る方法である。これらの方法は、溶媒として利用する液化ガスを液化条件に維持すること(例えば、極めて低温に維持する必要がある。)が、困難な点に大きな問題を抱えている。また、エアロゾルの発生装置(特許文献3)では、凝集性固体を分散した常温で液体の分散溶媒を急激に沸騰するように加熱し、その相変化における膨張力を利用することで、一次粒子にまで分散したエアロゾル粒子を得ることが提案されている。しかしながら、この方法では、気化した溶媒が凝結し、エアロゾル粒子が再凝集することのないように、溶媒を回収しなければならないという問題点を有している。
このように従来のエアロゾル粒子の形成方法から、エアロゾル粒子の形成に際し、エアロゾル形成物質の溶媒が重要な役割を担っていることが分かり、その技術の汎用性の高さから、できる限り一次粒子の状態として存在する微細なエアロゾル粒子を形成する方法及び装置の開発が強く待望されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−300638号公報
【特許文献2】
特開平4−300645号公報
【特許文献3】
特開平7−51556号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、エアロゾル粒子の形成に際し、より適切な溶媒として超臨界流体を選択し、この溶媒を用いて、できる限り一次粒子の状態として存在する微細なエアロゾル粒子を形成する方法及び装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究努力を重ね以下の知見を得て前記課題を解決することができることを確信した。
エアロゾル粒子の形成に際し、より適切な溶媒として超臨界流体を選択した。溶媒としての超臨界流体の利用は、固体からなるエアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させると、超臨界流体との接触によって、エアロゾル形成物質に凝集力を与えている原因が除去され、或いは凝集性の程度が大幅に緩和されてエアロゾル粒子を形成しようとする物質が凝集してできた凝集体が解砕を起こすとともに、その超臨界懸濁流体を、超臨界流体を気化させる環境条件下に放出すると、状態変化に際して大きな膨張力を得ることができ、その状態変化に伴って発生する大きな膨張力を用いてエアロゾル粒子を形成しようとする物質が凝集してできた凝集体に対して、解砕を起こすことができ、一次粒子化されたエアロゾル粒子の形成が可能となることを見出し、さらに、このようにして得られる発生分散させたエアロゾル粒子の供給手段からエアロゾル粒子を取り出すことができることを見出して、この知見により、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)エアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させて形成される超臨界懸濁流体を、超臨界流体を気化させる環境条件下に放出し、超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中でエアロゾル形成物質を一次粒子化されたエアロゾル粒子として発生分散させることを特徴とするエアロゾル粒子の発生分散方法。
(2)エアロゾル形成物質が固体からなり、超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中で一次粒子化されたエアロゾル粒子として発生分散させることを特徴とする前記1記載のエアロゾル粒子の発生分散方法。
(3)超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中で一次粒子化されたエアロゾル粒子を発生分散及び貯蔵し、取り出して用いることを特徴とする前記1記載のエアロゾル粒子の発生分散方法。
(4)一次粒子化されたエアロゾル粒子の発生分散を噴霧又はインパクター処理により行うことを特徴とする前記1又は3記載のエアロゾル粒子の発生分散方法。
(5)一次粒子化されたエアロゾル粒子に希釈用ガスを供給し、得られるエアロゾル粒子濃度を制御することを特徴とする前記1、3又は4記載のエアロゾル粒子の発生分散方法。
(6)超臨界流体を供給する供給手段、エアロゾル形成物質を供給する供給手段及び形成される超臨界懸濁流体を排出する排出手段を有する、エアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させる超臨界懸濁流体形成槽と、超臨界懸濁流体形成槽から排出された超臨界懸濁流体を、超臨界流体が気化させる環境条件下に放出させ、気化された超臨界流体中にエアロゾル形成物質が分散された状態で一次粒子化されたエアロゾル粒子を発生分散させるエアロゾル粒子発生分散手段からなることを特徴とするエアロゾル粒子の発生分散装置。
(7)エアロゾル形成物質が固体からなり、固体を超臨界流体中に懸濁状態として形成させる超臨界懸濁流体形成槽と、超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中で一次粒子化されたエアロゾル粒子として発生分散させるエアロゾル粒子発生分散手段からなることを特徴とする前記6記載のエアロゾル粒子の発生分散装置。
(8)超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中で一次粒子化されたエアロゾル粒子を発生分散及び貯蔵する一次粒子化されたエアロゾル粒子発生分散槽及び、これに続いて、一次粒子化されたエアロゾル粒子取り出し手段を設けたことを特徴とする前記6記載のエアロゾル粒子の発生分散装置。
(9)一次粒子化されたエアロゾル粒子の発生分散を行うための噴霧ノズル又はインパクターなどの発生分散手段が設けられていることを特徴とする前記6又は8記載のエアロゾル粒子の発生分散装置。
(10)一次粒子化されたエアロゾル粒子の発生濃度を制御するための希釈用ガス供給手段が設けられていることを特徴とする前記6、8又は9記載のエアロゾル粒子の発生分散装置。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の内容について、図面を用いて説明する。図1及び2は、本発明の装置を示す系統図である。
本発明のエアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させて形成される超臨界懸濁流体を、超臨界流体を気化させる環境条件下に放出し、超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中でエアロゾル粒子として発生分散させる方法を行うための装置が図1である。
また、前記の方法において、超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中でエアロゾル粒子を発生分散及び貯蔵し、取り出して用いるエアロゾル粒子を得る方法を行うための装置が図2である。
【0008】
図1の装置は、以下のように構成されている。
エアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させて超臨界懸濁流体を形成するため、超臨界懸濁流体形成槽1及びこれに接続するエアロゾル粒子を得るエアロゾル粒子発生分散手段8から構成される。
エアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させて超臨界懸濁流体を形成するため、超臨界懸濁流体形成槽1は、超臨界流体を流量調節手段5を経て供給する供給手段4、エアロゾル形成物質を供給する供給手段3及び形成される超臨界懸濁流体を排出する排出手段6を有する。
また、超臨界流体を気化させる環境条件下に放出し、超臨界流体を気化させた気体中で超臨界懸濁流体からエアロゾル粒子を形成することによりエアロゾル粒子を得るエアロゾル粒子発生分散手段8は、超臨界懸濁流体形成槽1から排出された超臨界懸濁流体が流量調整手段7を介して供給され、発生分散手段8から超臨界流体は気化される環境条件下に放出され、気化された超臨界流体中にエアロゾル形成物質が分散された状態でエアロゾル粒子を発生させる。
また、発生分散手段8において、例えば、噴霧ノズル又はインパクターなどの発生分散手段を備えた装置構成にしてもよい。噴霧ノズルは、超臨界懸濁流体を微霧として噴霧し、さらにインパクターは、噴霧ノズルを介した流体を平板にぶつけ、流れの方向を曲げることによって、十分な慣性を有する解砕や一次粒子化せずに残った凝集体を取り除くものであり、その結果、エアロゾル粒子の良好な発生分散ができる。
また、発生分散手段8において、例えば、得られるエアロゾル粒子濃度を調節する必要がある場合には、必要に応じて希釈ガスを供給することができる。発生分散手段8に希釈用ガス供給手段を備えた2流体ノズルを用い、希釈用ガス供給手段によって、ガスフィルターで不純物が除去された希釈用ガスが、流量調整手段で制御された流量で2流体ノズルに供給され、従って発生分散するエアロゾル粒子が、供給された希釈用ガスの量に応じて希釈され、その結果、濃度が制御されたエアロゾル粒子を得ることができる。
【0009】
図2の装置は、以下のように構成されている。
前記図1の場合と同じである超臨界懸濁流体形成槽1、これに接続するエアロゾル粒子を発生させるエアロゾル粒子発生分散槽9及びエアロゾル粒子を取り出すエアロゾル粒子供給手段13から構成される。
エアロゾル粒子発生分散槽9では、エアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させて得られる超臨界懸濁流体を、超臨界流体を気化させる環境条件下に放出し、超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中でエアロゾル粒子を形成する。
エアロゾル粒子発生分散槽9は、形成される超臨界懸濁流体を供給し、エアロゾル粒子を発生分散させる発生分散手段8及びエアロゾル粒子を排出する排出手段11を有する。
エアロゾル粒子を取り出すエアロゾル粒子供給手段13には、前記エアロゾル粒子を排出する排出手段11に続き流量調節手段12を介してエアロゾル粒子が供給され、取り出される。
また、発生分散手段8において、例えば、噴霧ノズル又はインパクターなどの発生分散手段を備えた装置構成にしてもよい。噴霧ノズルは、超臨界懸濁流体を微霧として噴霧し、さらにインパクターは、噴霧ノズルを介した流体を平板にぶつけ、流れの方向を曲げることによって、十分な慣性を有する解砕や一次粒子化せずに残った凝集体を取り除くものであり、その結果、エアロゾル粒子の良好な発生分散ができる。
また、エアロゾル粒子発生分散槽9において、例えば、得られるエアロゾル粒子濃度を調節する必要がある場合には、必要に応じて希釈ガスを供給することができる。エアロゾル粒子発生分散槽9に、希釈用ガス供給手段によって、ガスフィルターで不純物が除去された希釈用ガスが、流量調整手段で制御された流量でエアロゾル粒子発生分散槽9に供給され、従って発生分散するエアロゾル粒子が、供給された希釈用ガスの量に応じて希釈され、その結果、濃度が制御されたエアロゾル粒子を得ることができる。また、発生分散手段8に希釈用ガス供給手段を備えた2流体ノズルを用いても同様にエアロゾル粒子の発生濃度を制御することができる。
【0010】
エアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させて超臨界懸濁流体を形成するため、超臨界懸濁流体形成槽1については、以下の通りである。
超臨界流体には、適宜選択して用いることができる。具体的には、二酸化炭素、亜酸化窒素、エタン、プロパン、エチレン、代替フロン、水などを挙げることができる。
フィルタを介して清浄化された二酸化炭素、エタン、エチレン、代替フロンなどを臨界状態に加熱加圧し、超臨界流体として、超臨界流体供給手段4により、流量調整手段5を介して、超臨界流体懸濁形成槽1に供給される。
また、超臨界懸濁流体形成槽1内には、例えば、攪拌羽根や攪拌子を用いる高速ミキサーや、超音波発生装置を設置して用いることによって攪拌混合された懸濁流体を得ることもできる。
この懸濁による超臨界流体との接触によって、エアロゾル形成物質に凝集力を与えている原因が除去され、或いは凝集性の程度が大幅に緩和されてエアロゾル粒子を形成しようとする物質が凝集してできた凝集体が解砕を起こす。
【0011】
エアロゾル形成物質には、固体が用いられ、粉体状で、エアロゾル形成物質供給手段3により、超臨界懸濁流体形成槽1に供給される。エアロゾル形成物質は、構成原料、形状などによる特定の制約や限定はなく、種々な物質を用いることができる。
具体例としては、スチレン、メタクリル酸エステル、その他のビニルモノマーから得られる重合体または共重合体、並びにエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂などの種々の重合体または共重合体の粒子などの有機物質、さらには、各種金属、非金属、セラミックスの粒子などの無機物質をあげることができる。
これらは適当な大きさの粒径のものが用いられる。具体的には、凝集性の高い数ミクロン以下の大きさのもが用いられる。
【0012】
超臨界流体供給手段4は、流量調節手段5が設けられている。また、超臨界懸濁流体形成槽1は、その周囲に調温ジャケット2を有し、超臨界流体を超臨界状態又は亜超臨界状態に保たれるようにする。
超臨界流体は、超臨界流体とは超臨界状態の流体を意味し、また、超臨界状態とは臨界温度、臨界圧力を超えた、いわゆる超臨界状態のほか、そのような臨界温度、臨界圧力をわずかに下回るような状態であるが、状態変化が極めて短時間に起こるため、上記の超臨界流体とほぼ同様の取り扱いができるような亜臨界状態も含み、超臨界流体には亜臨界状態の亜臨界流体も含むものとする。
超臨界流体として二酸化炭素を用いる場合には、温度が30〜80℃、好ましくは、30〜50℃、圧力が40〜400atm、好ましくは100〜300atmに維持されることが必要である。
【0013】
エアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させて形成される超臨界懸濁流体を、超臨界流体を気化させる環境条件下に放出し、超臨界流体を気化させた気体中でエアロゾル粒子を発生分散させる。
前記の工程で得られる超臨界懸濁流体は、超臨界懸濁流体排出手段6を経て排出され、流量供給手段7により流量調節が行われ、ノズルにより形成されるエアロゾル粒子発生分散手段8において、エアロゾル粒子を発生分散させ、エアロゾル粒子発生分散槽9に供給される。ノズルについては、超臨界懸濁流体を噴霧する単管により形成されるノズル、または、超臨界懸濁流体の他に、得られるエアロゾル粒子の濃度を調節する必要がある場合には、必要に応じて希釈用ガスを供給することができる2重管により形成される2流体ノズルを用いることができる。
この放出により、超臨界流体中に懸濁した固体は、粒子間の間隙などに入り込んだ超臨界流体が急激に体積膨張することにより、凝集体の解砕、一次粒子化が起こり、超臨界流体の気化気体中にエアロゾル粒子を発生させることができ、エアロゾル粒子として分散することができる。
エアロゾル粒子発生分散槽9の周囲には、調温ジャケット10を有する。調温ジャケット10は、温度変化を補償できる調温機能を有するものであればよく、その作用に見合う材料及び形状のものを選択して利用する。
【0014】
前工程のエアロゾル粒子発生分散槽9で発生させたエアロゾル粒子を取り出し、エアロゾル粒子を供給する方法及びエアロゾル粒子供給手段13は、以下の通りである。
生成したエアロゾル粒子発生分散槽9で発生するエアロゾル粒子は、必要に応じて取り出して利用される。エアロゾル粒子放出手段11を経て排出され、流量調整手段12により流量調節が行われ、エアロゾル粒子供給手段13から、エアロゾル粒子は取り出され、利用される。
【0015】
本発明で得られる、固体を超臨界流体中に懸濁させて形成される超臨界懸濁流体を、超臨界流体を気化させる環境条件下に放出する結果、超臨界流体を気化させた気体中で固体の解砕、一次粒子化が起こりエアロゾル粒子を得ることができる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例により、より詳細に本発明の内容について説明する。
実施例1
超臨界懸濁流体形成槽1にエアロゾル形成物質供給手段3から、10mgの一次粒子が数μmの平均粒径を有するガラス粒子を投入し、超臨界流体供給手段4から温度が40℃、圧力が100atmの超臨界二酸化炭素を流入して懸濁させた。供給時点のガラス粒子は、数十から数百μmの大きさの高次の凝集体である。
この懸濁液を超臨界懸濁流体排出手段6から流量調整手段7を介して、0.13mmの相当オリフィス径を有する噴霧ノズルで構成されるエアロゾル粒子発生分散手段8から放出し、エアロゾル粒子を発生分散させた。光散乱式粒子計数器により、数十から数百μmの大きさの高次の凝集体であったガラス粒子は、数μmの平均粒径を有した高濃度の一次粒子にまで分散したエアロゾル粒子として発生したことを確認した。さらに、エアロゾル粒子として発生分散したガラス粒子をスライドガラス上に沈着させ、光学顕微鏡により観察し、一次粒子にまで分散したことを確認した。図3(a)には、光学顕微鏡により観察した供給時点のガラス粒子の凝集体の様子を、図3(b)には、本実施例により発生分散されたガラス粒子の様子を示す。
【0017】
実施例2
実施例1と同様にして、超臨界懸濁流体形成槽1にエアロゾル形成物質供給手段3から10mgの一次粒子が約1μmの平均粒径を有するポリメチルメタクリレート粒子を投入し、超臨界流体供給手段4から温度が40℃、圧力が100atmの超臨界二酸化炭素を流入して懸濁させた。供給時点のポリメチルメタクリレート粒子は、数十から数百μmの大きさの高次の凝集体である。
この懸濁液を超臨界懸濁流体排出手段6から流量調整手段7を介して、0.13mmの相当オリフィス径を有する噴霧ノズルで構成されるエアロゾル粒子発生分散手段8から放出し、エアロゾル粒子を発生分散させた。光散乱式粒子計数器により、数十から数百μmの大きさの高次の凝集体であったポリメチルメタクリレート粒子は、約1μmの平均粒径を有した高濃度の一次粒子にまで分散したエアロゾル粒子として発生したことを確認した。さらに、エアロゾル粒子として発生分散したポリメチルメタクリレート粒子をスライドガラス上に沈着させ、光学顕微鏡により観察し、一次粒子にまで分散したことを確認した。図4(a)には、光学顕微鏡により観察した供給時点のポリメチルメタクリレート粒子の凝集体の様子を、図4(b)には、本実施例により発生分散されたポリメチルメタクリレート粒子の様子を示す。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、一次粒子にまで分散した状態の微細なエアロゾル粒子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エアロゾル粒子発生分散装置の概略図
【図2】 エアロゾル粒子発生分散装置の概略図
【図3】 光学顕微鏡により観察したガラス粒子の様子
(a)供給時点の凝集体
(b)発生分散後の一次粒子
【図4】 光学顕微鏡により観察したポリメチルメタクリレート粒子の様子
(a)供給時点の凝集体
(b)発生分散後の一次粒子
【符号の説明】
1 超臨界懸濁流体形成槽
2 調温ジャケット
3 エアロゾル形成物質供給手段
4 超臨界流体供給手段
5 流量調整手段
6 超臨界懸濁流体排出手段
7 流量調整手段
8 エアロゾル粒子発生分散手段
9 エアロゾル粒子発生分散槽
10 調温ジャケット
11 エアロゾル粒子放出手段
12 流量調整手段
13 エアロゾル粒子供給手段
Claims (10)
- エアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させて形成される超臨界懸濁流体を、超臨界流体を気化させる環境条件下に放出し、超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中でエアロゾル形成物質を、一次粒子化されたエアロゾル粒子として発生分散させることを特徴とするエアロゾル粒子の発生分散方法。
- エアロゾル形成物質が固体からなり、超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中で一次粒子化されたエアロゾル粒子として発生分散させることを特徴とする請求項1記載のエアロゾル粒子の発生分散方法。
- 超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中で一次粒子化されたエアロゾル粒子を発生分散及び貯蔵し、取り出して用いることを特徴とする請求項1記載のエアロゾル粒子の発生分散方法。
- 一次粒子化されたエアロゾル粒子の発生分散を噴霧又はインパクター処理により行うことを特徴とする請求項1又は3記載のエアロゾル粒子の発生分散方法。
- 一次粒子化されたエアロゾル粒子に希釈用ガスを供給し、得られるエアロゾル粒子濃度を制御することを特徴とする請求項1、3又は4記載のエアロゾル粒子の発生分散方法。
- 超臨界流体を供給する供給手段、エアロゾル形成物質を供給する供給手段及び形成される超臨界懸濁流体を排出する排出手段を有する、エアロゾル形成物質を超臨界流体中に懸濁させる超臨界懸濁流体形成槽と、超臨界懸濁流体形成槽から排出された超臨界懸濁流体を、超臨界流体が気化させる環境条件下に放出させ、気化された超臨界流体中にエアロゾル形成物質が分散された状態で一次粒子化されたエアロゾル粒子を発生分散させるエアロゾル粒子発生分散手段からなることを特徴とするエアロゾル粒子の発生分散装置。
- エアロゾル形成物質が固体からなり、固体を超臨界流体中に懸濁状態として形成させる超臨界懸濁流体形成槽と、超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中で一次粒子化されたエアロゾル粒子として発生分散させるエアロゾル粒子発生分散手段からなることを特徴とする請求項6記載のエアロゾル粒子の発生分散装置。
- 超臨界懸濁流体から超臨界流体を気化させた気体中で一次粒子化されたエアロゾル粒子を発生分散及び貯蔵する一次粒子化されたエアロゾル粒子発生分散槽及び、これに続いて、一次粒子化されたエアロゾル粒子取り出し手段を設けたことを特徴とする請求項6記載のエアロゾル粒子の発生分散装置。
- 一次粒子化されたエアロゾル粒子の発生分散を行うための噴霧ノズル又はインパクターなどの発生分散手段が設けられていることを特徴とする請求項6又は8記載のエアロゾル粒子の発生分散装置。
- 一次粒子化されたエアロゾル粒子の発生濃度を制御するための希釈用ガス供給手段が設けられていることを特徴とする請求項6、8又は9記載のエアロゾル粒子の発生分散装置。
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