JP3990809B2 - Fluororesin coating method, fixing member manufacturing method, and electrophotographic apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒または円柱基材上のへのフッ素樹脂の被覆方法及び、この方法により製造したトナー定着部材、およびこのトナー定着部材を備えた複写機・LBP等の電子写真画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真画像形成装置の定着部材として用いられる定着ローラ、定着フィルム、加圧ローラ等は、その使用上トナーの離型性が求められるため、表層にフッ素樹脂を用いることが多い。
【0003】
また、フルカラートナー画像を形成する場合には、最大4層のトナー層を定着するための、定着ローラまたは定着フィルムにおいては、表層トナー離型層であるフッ素樹脂層が熱を完全にトナーに伝え、トナーの記録材への定着性を良好にするためトナーや転写材の凹凸に追従できるような柔軟性を持つ必要がある。そのためトナー離型層であるフッ素樹脂層の下層に、柔軟性のある弾性層を設けた構成の定着部材が用いられる。
【0004】
従来電子写真画像形成装置の定着部材として用いられる定着部材としては、円筒または円柱状の金属芯上に、弾性層を形成し、その外周面にトナー離型層としてのフッ素樹脂を成膜したものが多く用いられている。また最近では、耐熱性樹脂芯上に、弾性層を形成し、その外周面にトナー離型層としてのフッ素樹脂を成膜したものも用いられている。
【0005】
円筒または円柱状の基材の周壁へフッ素樹脂を被覆する方法として、基材上にフッ素樹脂粉体またはフッ素樹脂分散液を塗装した後加熱焼成する方法が用いられていた。上記フッ素樹脂を加熱焼成する際には、フッ素樹脂の融点以上まで加熱し、焼成成膜する方法が取られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例のようなフッ素樹脂被覆方法には、次のような問題点がある。
【0007】
まず、基材が弾性体の場合弾性体上にフッ素樹脂を塗装し、加熱焼成すると、フッ素樹脂の溶融粘度が極めて高いため、フッ素樹脂の融点よりかなり高い温度で加熱焼成しても、成膜したフッ素樹脂層の平滑性が低くなる。また、上記のようなフッ素樹脂焼成条件を実行すると、その温度に耐えるような弾性体が存在しないため、弾性体に極めて大きなダメージを与える。その結果、弾性層の圧縮永久歪が悪化し、定着用部材に要求される紙搬送性が得られなくなる。またそのダメージを抑えるために、フッ素樹脂の焼成温度を低く抑えようとすると、フッ素樹脂が完全に溶融しきれず、表面に、クラックが生じたり、所望する表面性が得られないという問題点があった。
【0008】
上記の問題を解決する目的で、発明者等は、弾性体とフッ素樹脂層の外側に配した面転写部材との間で、フッ素樹脂層を加圧し面転写部材の表面模様をフッ素樹脂表面に転写しながら、フッ素樹脂の加熱焼成成膜を行なう方法を提案した。その結果、フッ素樹脂の表面模様を制御しながら、フッ素樹脂を従来よりも低い温度で成膜することが可能となり、下材である弾性体(ゴム)のダメージを比較的小さく抑えることができるようになった。しかしながら、この方法においても、弾性体(ゴム)のダメージを完全に抑えることはできなかった。
【0009】
この発明の目的は、上記諸問題を解決するフッ素樹脂の円筒または円柱の外壁への被覆方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、クラックのないフッ素樹脂層を基体に被覆できる被覆方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、所望の表面粗さを持つフッ素樹脂層を基体に被覆できる被覆方法を提供することにある。
【0012】
また本発明の他の目的は、上記フッ素樹脂層の被覆方法を用いた定着部材の製造方法及びそれを用いた電子写真装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によるフッ素樹脂の被覆方法は、(i)周面にフッ素樹脂粉末層を有する、円筒または円柱状の、シリコーンゴムからなる弾性層を有する多層構成の基材を、赤外線の透過率が50%以上である円筒状の面転写部材の中空部に挿入し、該基材と該面転写部材とを各々の中心線が一致するように固定する工程(但し、赤外線の吸収が、該面転写部材≦フッ素樹脂<該基材表面である)と、
(ii)該面転写部材の外側に配置した赤外線ヒーターを用いて、前記工程(i)で得た、基材を固定した面転写部材を回転させつつ、赤外線の吸収が、面転写部材≦フッ素樹脂<基材表面であることを用いて融着界面を選択的に加熱することにより、該弾性層と該面転写部材との熱膨張率の差を利用して該フッ素樹脂粉末層を該弾性層と該面転写部材とで加圧した状態で加熱してフッ素樹脂層とする工程と、を有することを特徴とするフッ素樹脂被覆方法である。
【0014】
本発明によれば、円筒または円柱のような基材上にフッ素樹脂(FEP、PFA、PTFE等)の粉体またはそれらの水性塗料をコーティングしてフッ素樹脂粉体層を形成し、その基材の外側に配した円筒状の面転写部材との間で、基材と面転写部材の熱膨張率の差を利用しフッ素樹脂粉体層を加圧しながら加熱する。加熱方法として赤外線ヒータを用い加圧下で面転写部材の外側より加熱することにより基材表層のフッ素樹脂層を効率的に加熱することができ、面転写部材の表面模様をフッ素樹脂層表面に転写させることができるものであり、そうすることによって、任意の模様及び粗さを付与することが可能となる。
【0015】
また、本発明においては、フッ素樹脂粉体層を加圧下で加熱することで、クラックのないフッ素樹脂層を形成するための加熱条件が緩和され、また、面転写部材側からの加熱により、フッ素樹脂層の下にゴム層などの他のポリマー層がある場合には、ポリマー層の熱劣化を防止することができる。
【0016】
基材の表面へのフッ素樹脂粉末の塗布は静電塗布法でもよいが、容易性の点で、フッ素樹脂粉体を含む水性塗料を用いることが好適である。
【0017】
また、基材表面のフッ素樹脂の粉末を予備加熱して焼成し、基材表面に固定化させることはハンドリングの点で好適である。
【0018】
また、面転写部材が赤外線を50%以上透過することが、加熱を効率的に行う上で好適である。さらに、赤外線によるフッ素樹脂の加熱を効率的に行う点で、赤外線の吸収が面転写部材≦フッ素樹脂層<基層表面であることが好適である。
【0019】
本発明における円筒または円柱状の基材としては、特に制約はないが、鉄・アルミニウム等の金属芯金上にシリコーンゴム・フッ素ゴム等の耐熱性ゴムが形成された多層構成の基材を用いる。これらは定着ローラ基材として好ましい。また定着フィルム基材としては、ポリイミド等の耐熱性樹脂またはニッケル・鉄等の金属からなるフィルム上にシリコーンゴム・フッ素ゴム等の耐熱性ゴムが形成された多層構成の基材を用いる。
【0020】
実際の基材(基層)の構成は後述する実施例及び図面により詳細に記したが、例えば(1)芯金・シリコーンゴムプライマ−層・シリコーンゴム・フッ素ゴム/フッ素樹脂層(2)ポリイミドフィルム・シリコーンゴムプライマ−層・シリコーンゴム・フッ素ゴム/フッ素樹脂層
などがある。
【0021】
本発明に用いられるフッ素樹脂としては市販のパーフルオロエチレンプロピレン樹脂(FEP)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等が用いられる。
【0022】
円筒状面転写部材の材質としては、フッ素樹脂粉末の焼成成膜時に必要な温度に耐えることができれば特に制約はないが、ポリイミド・ポリフェニレンサルファイド等の耐熱性樹脂を用いることが好ましい。面転写部材としてポリイミドの薄層チューブガラスを用いると扱いやすく耐熱性および高温時の強度に優れているため繰り返し使用が可能となり面転写部材の耐久性が向上する。
【0023】
面転写部材の形状は円筒状であり、その内径は、前記基材上にフッ素樹脂層を形成した円筒または円柱状部材の外径よりも僅かに大きく、長さは少なくとも同じであることが必要である。両者を嵌合したときの隙間は、両者の組合せにおける加熱時の熱膨張係数の差にもよるができるだけ狭いことが好ましく通常5〜1000μmである。
【0024】
面転写部材の内面仕上は(1)まず除去加工で作るもの(金属型)の場合内面をドリル加工、旋盤加工、等で形成した後ホーニングで仕上所望の面粗さ迄持っていく。また荒したい場合はホーニング後のブラスト仕上等を行う。
【0025】
(2)付加加工で作るもの(金属電鋳、樹脂)の場合転写部材のマスタ棒を作りその表面に金属、樹脂を形成しマスターからはずして使用するのだが、マスタの表面を切削、研磨、磨き加工等により仕上げ所望の面粗さとしておけばよい。またマスタの表面をブラストやエッチング等により荒したり模様をつけておけばそれを面転写部材内面に転写することも可能である。
【0026】
上記面転写部材の内部にフッ素樹脂粉末をコーティングした基材を挿入し一体化したものを加熱するための赤外線ヒーターは、特に限定するものではないが、例えば上記面転写部材と同等の長さの平行光タイプのラインヒーターを用い、面転写部材から両者の軸を平行にして適当な距離に保ち、面転写部材を回転させながら加熱する。ヒーターの出力および距離等は、加熱時間が数分ないし拾数分で均一に加熱されるように適宜決定すればよい。加熱時のフッ素樹脂層の温度は、使用するフッ素樹脂の溶融温度であり使用するフッ素樹脂により異るが通常約280〜320℃である。
【0027】
またフッ素樹脂粉末層をあらかじめ予備加熱焼成成膜した後、上記操作を行ってもよい。フッ素樹脂の予備加熱焼成は、フッ素樹脂を完全に成膜させるまで行ってもよいが、特にその必要はなく、一時的にフッ素樹脂の溶融温度まで上昇させれば十分である。この際、フッ素樹脂の表面にクラック・凹凸等が存在してもよい。また予備加熱焼成後のフッ素樹脂被覆基材と面転写体を加熱する工程におけるフッ素樹脂層の温度は、200℃以上であれば特に制約はないが、溶融温度まで上昇させる必要はなく、好ましくは240℃〜290℃である。この方法を用いると予備加熱焼成を行わなかった場合より、少ない熱量でフッ素樹脂に任意の表面模様を付与することができる。基材として樹脂やゴム等の耐熱性のない材質を用いた場合、フッ素樹脂の加熱焼成時に基材の熱劣化が起こるが、この方法を用いると赤外線による急速加熱により基材の熱劣化を防止することができる。またフッ素樹脂層加圧時に高温を必要としないため作業効率も良い上に、加圧装置等の装置の軽量化が図られる。面転写体の材質は、上記したように特に制約はない。
【0028】
フッ素樹脂がコーティングされた基材の熱膨張率が、面転写部材の熱膨張率より大きい場合、フッ素樹脂のコーティングされた基材を面転写部材に挿入し赤外線ヒータを用い面転写部材の外側より加熱すると、基材の熱膨張が面転写部材の熱膨張より大きいため、基材と面転写部材との間でフッ素樹脂層が加圧され、フッ素樹脂表面に面転写部材の内面模様が転写される。
【0029】
またフッ素樹脂がコーティングされた基材の熱膨張率が、面転写部材の熱膨張率より小さい場合、フッ素樹脂のコーティングされた基材を外面を固定された面転写部材に挿入し赤外線ヒータを用い面転写部材の外側より加熱する、外面を固定された面転写部材と基材との間でフッ素樹脂層が加圧され、フッ素樹脂表面に面転写部材の内面模様が転写される。
【0030】
上記したいずれの方法においても、基材は多層構成でかつ基材の表層が耐熱性のゴムで構成されていてもよい。
【0031】
赤外線ヒータを用い面転写部材の外側より加熱し面転写部材間でフッ素樹脂を加圧成膜すると、フッ素樹脂の焼成成膜時に付与する温度を低く設定してもフッ素樹脂の成膜を容易に行うことができること、表面のフッ素樹脂を直接加熱できること、急速加熱が可能であること等により、基材の劣化を押えることができる。またその際、面転写部材の内面をフッ素樹脂表面に転写することができ、フッ素樹脂表面に所望の模様を形成することが可能となる。さらに面転写部材が赤外線を50%以上透過させる材料であれば面転写部材自体にはあまり吸収されずにそのエネルギーはフッ素樹脂に届き面転写部材の熱膨張も減ることにより、より少ないエネルギーで面転写部材の内面をフッ素樹脂表面に転写することができ、フッ素樹脂表面に所望の模様を形成することが可能となる。つまり基層の熱劣化もさらに押えることができる。また、赤外線の吸収が面転写部材≦フッ素樹脂<基層表面(融着界面)とすることで融着界面を直接加熱することができ、したがってより効率的に転写部材の内面をフッ素樹脂表面に転写し、フッ素樹脂表面に所望の模様を形成することが可能となる。
【0032】
また加熱の前および/または加熱中に円筒状の基材の内面を冷却しておけば基層の熱劣化を抑えることができる。
【0033】
電子写真画像形成装置に使用される定着部材はその機能上トナーの離型性が要求される。定着部材の中で特にトナーと接触する定着ローラ及び定着フィルムにおいては、印刷画像の光沢ムラを防ぐため、表層フッ素樹脂の平滑性が要求される。印刷画像の光沢ムラとは、トナー画像の表面に定着ローラ及び定着フィルムの表層フッ素樹脂の表面模様が転写されることにより発生し、ベタ画像、特に写真印刷のカラー画像を印刷する場合に顕著にあらわれる。発明者等の検討によれば、上記印刷画像の光沢ムラは、定着ローラ及び定着フィルムの表面粗さに依存し、定着ローラおよび定着フィルムの表層フッ素樹脂の表面粗さを十点平均粗さ(Rz)5μm以下にすれば防止することができる。しかしながら、上記したように、現在までフッ素樹脂表面に所望の粗さを形成することは極めて困難であり、画像光沢ムラを防止するために定着ローラ及び定着フィルムの表層フッ素樹脂を研磨して粗さを制御する手法を用いていた。
【0034】
本発明の方法を用い、定着ローラまたは定着フィルム基材上にフッ素樹脂をコーティングし、フッ素樹脂を赤外線ヒータを用い面転写部材の外側より加熱しながら定着ローラまたは定着フィルム基材を面転写部材で加圧することにより、定着ローラ及び定着フィルムの表層フッ素樹脂に所望の模様を形成することが可能となった。すなわち面転写部材内面に、粗さ5μm以下の模様をあらかじめ形成しておけば、定着ローラ及び定着フィルム表層フッ素樹脂表面に面転写部材の内面が転写され、粗さ5μm以下でかつ所望の粗さのフッ素樹脂を成膜することができる。その結果として画像光沢ムラを防止できる。加圧ローラはRz20ミクロン以下で画像荒れは認められない。
【0035】
定着部材の中で特に転写材の搬送性の要求される定着部材においては、定着部材表層フッ素樹脂に転写材の搬送能力を有するようなある程度の粗さが必要となる。発明者等の検討によれば、転写材の搬送に十分なフッ素樹脂の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で2〜20μmの範囲であることがわかっている。その範囲内で、要求される搬送性およびその他の性能(画像性能等)によって、最良の表面粗さは決定される。
【0036】
本発明の方法を用い、定着部材の基材上にフッ素樹脂をコーティングし、フッ素樹脂を赤外線ヒータを用い面転写部材の外側より加熱しながらその基材を面転写部材で加圧することにより、定着部材表層フッ素樹脂に所望の模様を形成することが可能となった。すなわち面転写部材の内面に、粗さ2〜20μmの模様をあらかじめ形成しておけば、定着部材表層フッ素樹脂表面に面転写部材の内面が転写され、粗さ2〜20μmでかつ所望の粗さのフッ素樹脂を成膜することができる。その結果として、要求される転写材の搬送性を定着部材に与えることができる。
【0037】
図10は、本発明によるトナー定着部材を適用する電子写真装置としては、感光体、潜像形成手段、形成した潜像をトナーで現像する手段、現像したトナー像を転写材に転写する手段、および、転写材上のトナー像を定着する手段を有する電子写真装置が挙げられる。この装置の一例が図10に示される。
【0038】
5は感光体であり、軸5aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動する。
【0039】
感光体5はその回転過程で帯電手段6によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで電光部7にて不図示の像露光手段により光像露光L(スリット露光あるいはレーザービーム走査露光など)を受ける。これにより、感光体周面に像露光に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0040】
その静電潜像は、次いで現像手段8でトナー現像され、そのトナー現像像が転写手段9により不図示の給紙部から感光体5と転写手段9との間に感光体5の回転と同期取りされて給送された転写材Pの面に順次転写されていく。像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離されて像定着手段2へ導入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。像転写後の感光体5の表面はクリーニング手段3にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、前露光手段1により除電処理がされて繰返して像形成に使用される。感光体の均一帯電手段6としてはコロナ帯電装置や導電ローラーによる直接帯電装置が使用される。また、転写装置9もコロナ転写手段および導電ローラーによる直接帯電手段が使用される。
【0041】
【発明の実施の形態】
参考例1
本発明に係る第1の参考例について図1を参照しながら説明する。
【0042】
11は最外層にフッ素樹脂コーティングを有する円筒状基材であり、その断面図を図1Bに示す。111は円筒状基材の芯金でありアルミニウムで構成され、その外径は40mmである。芯金111上には、表層フッ素樹脂と芯金を接着するためフッ素樹脂プライマー層112が形成され、その上層にフッ素樹脂コーティング層113が形成されている。プライマー層112はフッ素樹脂プライマーの水性塗料をスプレーにより塗装した後150℃で30分乾燥させることにより形成し、その際その厚みは8μmであった。上記のようなプライマー層塗工が終わった後、フッ素樹脂(PFA)のディスパージョンをスプレーにより塗装し、150℃で30分乾燥した。フッ素樹脂層の厚みは25μmであった。
【0043】
12は面転写部材であり、内径40.1mm、肉厚0.05mmの円筒形をしている。面転写部材内面には、基材上にコーティングされたフッ素樹脂膜に転写したい表面模様が形成されている。本参考例においては面転写部材内面を表面粗さ5μmに加工して用いた。また本実施例において面転写部材内面を表面粗さ5μmに加工して用いた。また本実施例において面転写部材12の材質としては基材11により熱膨張率の小さいNi電鋳フィルムを用いた。
【0044】
フッ素樹脂コーティングされた基材11を面転写部材12の内部に挿入し、更に基材と面転写部材の中心線が一致するように、図示しない固定部材により固定し一体化した。その際フッ素樹脂コーティングされた基材11と面転写部材12の間には、約20μmの隙間がある。上記のように一体化した、フッ素樹脂コーティングされた基材11と面転写部材12を赤外線ヒータ18により面転写部材12の外側から加熱した。本参考例では基材とほぼ同等の長さ(300mm)を持つ3kw出力の赤外線ラインヒータ(平行光タイプ)を面転写部材表面より約50mm離して配置した。この状態で3kwで約10分間加熱した。その際基材を構成するアルミの熱膨張が、面転写部材を構成するNiより大きいため、アルミがより膨張して、面転写部材と基材との間にあった約20μmの隙間が埋まり、さらにフッ素樹脂層が加圧された状態を作り出す。また赤外線加熱により基材表層のフッ素樹脂(PFA)が軟化し成膜がなされる。上記の工程終了後、基材及び面転写部材を冷却し、面転写部材から基材を抜き出す。
【0045】
このようにして得られたフッ素樹脂の焼成膜の表面の粗さは、十点平均粗さ(Rz)で5μmであり、面転写部材の表面模様がフッ素樹脂表面に転写され、かつフッ素樹脂が成膜された。またその際成膜されたフッ素樹脂層表面を電子顕微鏡で観察したところ、表面にクラック等の不良は観察されなかった。またオーブンでの加熱(約20分)より非常に短時間で加工できた。
【0046】
参考例2
本発明に係る第2の参考例について図2を参照しながら説明する。
【0047】
21は最外層にフッ素樹脂コーティングを有する円筒状基材であり、その断面図を図2Bに示す。211は円筒状基材の芯金でありアルミニウムで構成され、その外径は40mmである。芯金211上には、表層フッ素樹脂と芯金を接着するためフッ素樹脂プライマー層212が形成され、その上層にフッ素樹脂コーティング層213が形成されている。プライマー層212はフッ素樹脂プライマーの水性塗料をスプレーにより塗装した後150℃で30分乾燥させることにより形成し、その際その厚みは8μmであった。フッ素樹脂コーティング層は上記のようなプライマー層塗工が終わった後、フッ素樹脂(PFA)のディスパージョンをスプレーにより塗装し、150℃で30分乾燥した後、350℃で20分予備加熱焼成したものであり、その厚みは25μmであった。その際フッ素樹脂層は完全には成膜されておらず、表面にクラック・凹凸等の不良が見られ表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で15μmであった。22は面転写部材であり、内径40.1mm、肉厚0.05mmの円筒形をしている。面転写部材内面には、基材上にコーティングされたフッ素樹脂膜に転写したい表面模様が形成されている。本参考例においては面転写部材内面を表面粗さ5μmに加工して用いた。面転写部材22の材質としては基材21より熱膨張率の小さいNi電鋳フィルムを用いた。フッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成のされた基材21を、面転写部材22の内部に挿入し、更に基材と面転写部材の中心線が一致するように、図示しない固定部材により固定し一体化した。その際フッ素樹脂コーティングされた基材21と面転写部材22の間には、約20μmの隙間がある。上記のように一体化した、フッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成された基材21と面転写部材22を赤外線ヒータ28により面転写部材22の外側から加熱した。本参考例では基材とほぼ同等の長さ(300mm)を持つ3kw出力の赤外線ラインヒータ(平行光タイプ)を面転写部材表面より約50mm離して配置した。この状態で3kwで約8分間加熱した。その際基材を構成するアルミの熱膨張が、面転写部材を構成するNiより大きいため、アルミがより膨張して、面転写部材と基材との間にあった約20μmの隙間が埋まり、さらにフッ素樹脂層が加圧された状態を作り出す。また赤外線加熱により基材表層のフッ素樹脂(PFA)が軟化し成膜される。上記の工程終了後、基材及び面転写部材を冷却し、面転写部材から基材を脱型する。
【0048】
このようにして得られたフッ素樹脂の焼成膜の表面の粗さは、十点平均粗さ(Rz)で5.2μmであり、面転写部材の表面模様がフッ素樹脂表面に転写され、かつフッ素樹脂が成膜された。またその際成膜されたフッ素樹脂層表面を電子顕微鏡で観察したところ、表面にクラック等の不良は観察されなかった。またオーブンでの加熱(約20分)より非常に短時間で加工できた。
【0049】
参考例3
本発明に係る第3の参考例について図3を参照しながら説明する。
【0050】
31は最外層にフッ素樹脂を有する円筒状基材であり、その断面図を図3Bに示す。311は円筒状基材の芯金でありSUSで構成され、その外径は40mmである。芯金311上にはプライマー層312を介してLTVのシリコーンゴム層313が接着されておりその厚みは1mmである。上記シリコーンゴム層はプライマーを塗布した芯金を円筒状金型に挿入し、LTVの未加硫シリコーンゴムを注入し、それを加熱硬化することにより形成した。314はシリコーンゴム層313と表層フッ素樹脂層を接着するためのプライマー層であり、フッ素ゴムとフッ素樹脂(FEP)の混合物で構成される。上記プライマー層314はフッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物から成る水性塗料をスプレーにより塗装し200℃で30分加熱硬化させて得られたもので、その厚みは25μmであった。上記プライマー層314上にはフッ素樹脂(FEP)層315が形成されている。フッ素樹脂層315はフッ素樹脂(FEP)ディスパージョンをスプレーで塗装し、150℃で20分乾燥した後、300℃で20分の予備加熱焼成したものであり、厚みは15μmであった。その際フッ素樹脂層は完全に成膜されておらず、表面にクラック・凹凸等の不良が見られた。またフッ素樹脂表面の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で15μmであった。32は面転写部材であり、内径42.2mm、肉厚0.05mmの円筒形をしている。面転写部材内面には、基材上にコーティングされたフッ素樹脂膜に転写したい表面模様が形成されている。本参考例においては面転写部材内面を表面粗さ5μmに加工して用いた。面転写部材32の材質としてはNi電鋳フィルムを用いた。フッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成された基材31を、面転写部材32の内部に挿入し、更に基材と面転写部材の中心線が一致するように、図示しない固定部材により固定し一体化した。その際フッ素樹脂コーティングされた基材31と面転写部材32の間には、約60μmの隙間がある。上記のように一体化したフッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成された基材31と面転写部材32を赤外線ヒータ38により面転写部材32の外側から加熱した。本参考例では基材とほぼ同等の長さ(300mm)を持つ3kw出力の赤外線ラインヒータ(平行光タイプ)を面転写部材表面より約50mm離して配置した。この状態で3kwで約6分間加熱した。その際基材を構成するシリコーンゴムの熱膨張が、面転写部材を構成するNiより大きいため、シリコーンゴムがより膨張して、面転写部材と基材との間にあった約60μmの隙間が埋まり、さらにフッ素樹脂層が加圧された状態を作り出す。また赤外線加熱により基材表層のフッ素樹脂(FEP)が軟化し成膜される。上記の工程終了後、基材及び面転写部材を冷却し、面転写部材から基材を抜き出す。
【0051】
このようにして得られたフッ素樹脂の焼成膜の表面の粗さは、十点平均粗さ(Rz)で4.8μmであり、面転写部材の表面模様がフッ素樹脂表面に転写され、かつフッ素樹脂が成膜された。またその際成膜されたフッ素樹脂層表面を電子顕微鏡で観察したところ、表面にクラック等の不良は観察されなかった。またオーブンでの加熱(約20分)より非常に短時間で加工できた。ただし若干のシリコーンゴムの劣化が見られた。
【0052】
実施例1
本発明の第1の実施例について図4を参照しながら説明する。
【0053】
41は最外層にフッ素樹脂を有する円筒状基材であり、その断面図を図4Bに示す。411は円筒状基材の芯金でありSUSで構成され、その外径は40mmである。芯金411上にはプライマー層412を介してLTVのシリコーンゴム層413が接着されておりその厚みは1mmである。上記シリコーンゴム層はプライマーを塗布した芯金を円筒状金型に挿入し、LTVの未加硫シリコーンゴムを注入し、それを加熱硬化することにより形成した。414はシリコーンゴム層413と表層フッ素樹脂層を接着するためのプライマー層であり、フッ素ゴムとフッ素樹脂(FEP)の混合物で構成される。上記プライマー層414はフッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物から成る水性塗料をスプレーにより塗装し200℃で30分加熱硬化させて得られたもので、その厚みは25μmであった。上記プライマー層414上にはフッ素樹脂(FEP)層415が形成されている。フッ素樹脂層415はフッ素樹脂(FEP)のディスパージョンをスプレーで塗装し、150℃で20分乾燥した後、300℃で20分の予備加熱焼成したものであり、厚みは15μmであった。その際フッ素樹脂層は完全には成膜されておらず、表面にクラック・凹凸等の不良が見られた。またフッ素樹脂表面の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で15μmであった。42は面転写部材であり、内径42.2mm、肉厚1mmの円筒形をしている。本実施例において面転写部材42の材質としては耐熱ガラスを用いた。面転写部材内面には、基材上にコーティングされたフッ素樹脂膜に転写したい表面模様が形成されている。本実施例においては面転写部材内面の表面粗さは5μmであった。
【0054】
この耐熱ガラスは赤外線の透過率は90%以上でありかつフッ素樹脂であるFEPの赤外線透過率はやはり約90%である。また本実施例で用いた融着界面にはプライマーとしてフッ素ゴムとフッ素樹脂(FEP)の混合物を用いているがこれは赤外線透過率は10%以下であった。
【0055】
フッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成された基材41を、面転写部材42の内部に挿入し、更に基材と面転写部材の中心線が一致するように、図示しない固定部材により固定し一体化した。その際フッ素樹脂コーティングされた基材41と面転写部材42の間には、約60μmの隙間がある。上記のように一体化した、フッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成された基材41と面転写部材42を赤外線ヒータ48により面転写部材42の外側から加熱した。本実施例では基材とほぼ同等の長さ(300mm)を持つ3kw出力の赤外線ラインヒータ(平行光タイプ)を面転写部材表面より約50mm離して配置した。この状態で3kwで約3分間加熱した。基材を構成するシリコーンゴムの熱膨張が面転写部材を構成する耐熱ガラスより大きく、面転写部材(耐熱ガラス)およびフッ素樹脂は赤外線をあまり吸収しないためさらに熱膨張も少なく選択的に融着界面が加熱されるため、シリコーンゴムがより膨張して、面転写部材と基材との間にあった約60μmの隙間が埋まり、さらにフッ素樹脂層が加圧された状態を効率的に低エネルギーで作り出す。また赤外線加熱により基材表層のフッ素樹脂(FEP)が軟化し成膜される。上記の工程終了後、基材及び面転写部材を冷却し、面転写部材から基材を抜き出す。
【0056】
このようにして得られたフッ素樹脂の焼成膜の表面の粗さは、十点平均粗さ(Rz)で4.8μmであり、面転写部材の表面模様がフッ素樹脂表面に転写され、かつフッ素樹脂が成膜された。またその際成膜されたフッ素樹脂層表面を電子顕微鏡で観察したところ、表面にクラック等の不良は観察されなかった。結果的には参考例3より短時間で加工できた。さらにシリコーンゴム上にフッ素樹脂融着する際に起こるゴム劣化を防ぐこともできた。
【0057】
耐熱ガラスをその内径を精度よく円筒状に加工することは難しく、また繰り返し加熱冷却すると割れやすいためこの例は特殊な用途のみ適用される。
【0058】
実施例2
本発明の第2の実施例について図5を参照しながら説明する。
【0059】
51は最外層にフッ素樹脂を有する円筒状基材であり、その断面図を図5Bに示す。511は円筒状基材の芯金でありSUSで構成され、その外径は40mmである。芯金511上にはプライマー層512を介してLTVのシリコーンゴム層513が接着されておりその厚みは1mmである。上記シリコーンゴム層はプライマーを塗布した芯金を円筒状金型に挿入し、LTVの未加硫シリコーンゴムを注入し、それを加熱硬化することにより形成した。514はシリコーンゴム層513と表層フッ素樹脂層を接着するためのプライマー層であり、フッ素ゴムとフッ素樹脂(FEP)の混合物で構成される。上記プライマー層514はフッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物から成る水性塗料をスプレーにより塗装し200℃で30分加熱硬化させて得られたもので、その厚みは25μmであった。上記プライマー層514上にはフッ素樹脂(FEP)層515が形成されている。フッ素樹脂515はフッ素樹脂(FEP)のディスパージョンをスプレーで塗装し、150℃で20分乾燥した後、300℃で20分の予備加熱焼成したものであり、厚みは15μmであった。その際フッ素樹脂層は完全には成膜されておらず、表面にクラック・凹凸等の不良が見られた。またフッ素樹脂表面の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で15μmであった。52は面転写部材であり、内径42.2mm、肉厚0.05mmの円筒形をしている。本実施例において面転写部材52の材質としてポリイミドを用いた。面転写部材内面には、基材上にコーティングされたフッ素樹脂膜に転写したい表面模様が形成されている。本実施例においては面転写部材内面の表面粗さは5μmであった。
【0060】
このポリイミドの赤外線の透過率は90%でありかつフッ素樹脂(FEP)の赤外線透過率はやはり約90%である。また本実施例で用いた融着界面にはプライマーとしてフッ素ゴムとフッ素樹脂(FEP)の混合物を用いているがこれは赤外線透過率は10%以下であった。
【0061】
フッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成された基材51を、面転写部材52の内部に挿入し、更に基材と面転写部材の中心線が一致するように、図示しない固定部材により固定し一体化した。その際フッ素樹脂コーティングされた基材51と面転写部材52の間には、約60μmの隙間がある。上記のように一体化した、フッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成された基材51と面転写部材52を赤外線ヒータ58により面転写部材52の外側から加熱した。本実施例では基材とほぼ同等の長さ(300mm)を持つ3kw出力の赤外線ラインヒータ(平行光タイプ)を面転写部材表面より約50mm離して配置した。この状態で3kwで約3分間加熱した。その際基材のを構成するシリコーンゴムの熱膨張が面転写部材を構成するポリイミドより大きく、面転写部材(ポリイミド)およびフッ素樹脂は赤外線をあまり吸収しないためさらに熱膨張も少なく選択的に融着界面が加熱されるため、面転写部材と基材との間にあった約60μmの隙間が埋まり、さらにフッ素樹脂層が加圧された状態を効率的に低エネルギーで作り出す。また赤外線加熱により基材表層のフッ素樹脂(FEP)が軟化し成膜される。上記の工程終了後、基材及び面転写部材を冷却し、面転写部材から基材を抜き出す。
【0062】
このようにして得られたフッ素樹脂の焼成膜の表面の粗さは、十点平均粗さ(Rz)で4.8μmであり、面転写部材の表面模様がフッ素樹脂表面に転写され、かつフッ素樹脂が成膜された。またその際成膜されたフッ素樹脂層表面を電子顕微鏡で観察したところ、表面にクラック等の不良は観察されなかった。もちろんシリコーンゴム上にフッ素樹脂融着する際に起こるゴム劣化を防ぐこともきた。
【0063】
ポリイミドのフィルムは精度よくそして所望の面精度を持たせたマスターを作製し、それにコーティング、硬化させはがすことにより容易に作製できる。また高温時強度にも優れるため面転写部材としての繰り返し使用の耐久性を向上できる。さらに柔軟性を持つことから取り扱いもしやすく量産に向いている。
【0064】
実施例3
本発明の第3の実施例について図6を参照しながら説明する。
【0065】
実施例2と同様の条件で加工する際、赤外線を照射する5分前から照射した後5分間の間芯金の中空部に−10℃の冷却エアー69を毎分1リットルの流速で流した。これによりそれまで加熱後10分ほどかかっていた基材及び面転写部材を冷却し、面転写部材から基材を抜き出すまでの時間を減らすことができた。また赤外線の出力を3.5kwで2分半としてもこれまでと同等のフッ素樹脂の焼成膜が得られた。その表面の粗さは、十点平均粗さ(Rz)で4.8μmであり、面転写部材の表面模様がフッ素樹脂表面に転写され、かつフッ素樹脂が成膜された。またその際成膜されたフッ素樹脂層表面を電子顕微鏡で観察したところ、表面にクラック等の不良は観察されなかった。もちろんシリコーンゴム上にフッ素樹脂が融着する際に起こるゴム劣化もなかった。つまり結果的には脱型までの時間を実施例2より若干ではあるが短縮できた。
【0066】
実施例4
本発明の第4の実施例について図7を参照しながら説明する。
【0067】
71は最外層にフッ素樹脂を有する円筒状基材であり、その断面図を図7Bに示す。711は円筒状基材の基層を形成する厚さ50μmの熱硬化型ポリイミドフィルムであり、その外径は40mmである。ポリイミドフィルム711上にはプライマー層712を介してLTVのシリコーンゴム層713が接着されておりその厚みは300μmである。上記シリコーンゴム層はプライマーを塗布したりポリイミドフィルムに、トルエンに溶解したLTV未加硫シリコーンゴムをスプレー塗装し、それを加熱硬化することにより形成した。714はシリコーンゴム層713と表層フッ素樹脂層を接着するためのプライマー層であり、フッ素ゴムとフッ素樹脂(FEP)の混合物で構成される。上記プライマー層714上にはフッ素樹脂(FEP)層715が形成されている。フッ素樹脂層715はフッ素樹脂(FEP)のディスパージョンをスプレーで塗装し、150℃で20分乾燥した後、300℃で20分の予備加熱焼成したものであり、厚みは15μmであった。その際フッ素樹脂層は完全には成膜されておらず、表面にクラック・凹凸等の不良が見られた。またフッ素樹脂表面の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で15μmであった。
【0068】
72は面転写部材であり、内径42.8mm、肉厚0.05mmの円筒形をしている。面転写部材内面には、基材上に被覆されたフッ素樹脂転写したい表面模様が形成されている。本実施例においては面転写部材内面の表面粗さ5μmに加工して用いた。また面転写部材72の材質としてはポリイミドを用いた。
【0069】
フッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成された基材71に、フィルム内径と等しい外径を持つ円筒状の内面固定治具73(アルミ製)を挿入、一体化し、面転写部材72の内部に挿入し、更に基材と面転写部材の中心線が一致するように、図示しない固定部材により固定し一体化した。その際フッ素樹脂チューブ被覆された基材71と面転写部材72の間には、約60μmの隙間がある。
【0070】
上記のように一体化した、フッ素樹脂コーティング及びフッ素樹脂の予備加熱焼成された基材71と面転写部材72を赤外線ヒータ78により面転写部材72の外側から加熱した。本実施例では基材とほぼ同等の長さ(300mm)を持つ3kw出力の赤外線ラインヒータ(平行光タイプ)を面転写部材表面より約50mm離して配置した。この状態で3kwで約3分間加熱した。その際基材を構成するシリコーンゴムの熱膨張が面転写部材を構成するポリイミドより大きく、面転写部材(ポリイミド)およびフッ素樹脂は赤外線をあまり吸収しないため、さらに熱膨張も少なく選択的に融着界面が加熱されるため、面転写部材と基材との間にあった約60μmの隙間が埋まり、さらにフッ素樹脂層が加圧された状態を効率的に低エネルギーで作り出す。また赤外線加熱により基材表層のフッ素樹脂(FEP)が軟化し成膜される。上記の工程終了後、基材及び面転写部材を冷却し、面転写部材から基材を抜き出す。
【0071】
このようにして得られたフッ素樹脂の焼成膜の表面の粗さは、十点平均粗さ(Rz)で4.9μmであり、面転写部材の表面模様がフッ素樹脂表面に転写され、かつフッ素樹脂が成膜された。またその際成膜されたフッ素樹脂層表面を電子顕微鏡で観察したところ、表面にクラック等の不良は観察されなかった。もちろんシリコーンゴム上にフッ素樹脂が融着する際に起こるゴム劣化もなかった。
つまり上記のようなフィルム状のものにもフッ素樹脂を被覆することができた。
【0072】
実施例5
実施例2と同様の方法でカラー画像形成装置の定着ローラーを作成した。
【0073】
図8にカラー画像形成装置に使用される定着ローラの断面図を示す。811は定着ローラのアルミニウム芯金であり、その外径は58mmである。その芯金上に実施例5と同様の方法で、1mmのシリコーンゴム層813、25μmのフッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物から成るプライマー層814、フッ素樹脂(FEP)層815が形成されている。フッ素樹脂層815はフッ素樹脂(FEP)のディスパージョンをスプレーで塗装し、150℃で20分乾燥した後、300℃で20分の予備加熱焼成をしたものであり、厚みは15μmであった。その際フッ素樹脂層は完全には成膜されておらず、表面にクラック・凹凸等の不良が見られた。またフッ素樹脂表面の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で15μmであった。
【0074】
上記のような方法で作成した定着ローラを、内径60.2mm、肉厚0.05mmの円筒形をしているポリイミドでできた面転写部材に挿入固定、一体化して赤外線ヒータにより面転写部材の外側から基材とほぼ同等の長さ(300mm)を持つ3kw出力の赤外線ラインヒータ(平行光タイプ)を面転写部材表面より約50mm離して約3分間加熱した。その際面転写部材の内面の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で10μm(実施例5.1)、5μm(実施例5.2)、2μm(実施例5.3)の3種類を用意し、それぞれ上記条件において定着ローラを作成した。それぞれの面転写部材を用いて作成した定着ローラについて、その表面粗さと、定着ローラとしての評価を表1に示す。
【0075】
比較例1
実施例5において、予備加熱焼成後のフッ素樹脂被覆定着ローラについて、面転写工程なしでの表面粗さの測定および画像評価を行い、表1に示した。ただしこの定着ローラの表面はクラック、凹凸等の不良が残ったままであった。
【0076】
【表1】
〇:光沢ムラなし
△:一部光沢ムラあり
×:光沢ムラあり
【0077】
表1より、面転写部材の内面の表面粗さを調整することにより、フッ素樹脂表面に任意の粗さを形成することが可能であることがわかる。またカラー画像形成装置において問題となる画像光沢ムラについては、上記の方法でフッ素樹脂表面の粗さを制御することにより解決される。
【0078】
実施例6
実施例2と同様の方法で加圧ローラ駆動のフィルム定着方式を用いた加圧ローラを作成した。
【0079】
図9に加圧ローラ駆動のフィルム定着方式の定着装置に用いられる加圧ローラの断面図を示す。911は加圧ローラのアルミニウム芯金であり、その外径は10mmである。その芯金上に実施例5と同様の方法で、3mmのシリコーンゴム層913、25μmのフッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物から成るプライマー層914、フッ素樹脂(FEP)層915が形成されている。フッ素樹脂層915はフッ素樹脂(FEP)のディスパージョンをスプレーで塗装し、150℃で20分乾燥した後、300℃で20分の予備加熱焼成をしたもであり、厚みは15μmであった。その際フッ素樹脂層は完全には成膜されておらず、表面にクラック・凹凸等の不良が見られた。またフッ素樹脂表面の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で15μmであった。
【0080】
上記のような方法で作成した加圧ローラを、内径16.6mm、肉厚0.05mmの円筒形をしているポリイミドでできた面転写部材に挿入固定、一体化して赤外線ヒータにより面転写部材の外側から基材とほぼ同等の長さ(300mm)を持つ3kw出力の赤外線ラインヒータ(平行光タイプ)を面転写部材表面より約50mm離して約3分間加熱した。その際の面転写部材の内面の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で25μm(実施例6・1)、10μm(実施例6・2)、1.5μm(実施例6・3)の3種類を用意し、それぞれ上記条件において定着ローラを作成した。それぞれの面転写部材を用いて作成した加圧ローラについて、その表面粗さと、加圧ローラとしての評価を表2に示す。
【0081】
比較例2
実施例6おいて、予備加熱焼成後のフッ素樹脂被覆加圧ローラについて、面転写部材に挿入することなく、実施例6と同じ条件で約10分赤外線加熱をしてフッ素樹脂を成膜した。これは表面を完全に成膜するに必要な時間であり、このため表面粗さは良くなったが下層のシリコーンゴムが劣化しセットが落ちてしまい搬送性も悪くなってしまった。
【0082】
この加圧ローラについて表面粗さの測定搬送性および画像評価を行い、表2に示した。
【0083】
【表2】
〇:良好
△:一部不良あり
×:不良あり
【0084】
表2より、面転写部材の内面の表面粗さを調整することにより、フッ素樹脂表面に任意の粗さを形成することが可能であることがわかる。また加圧ローラの駆動のフィルム定着装置における転写材搬送性及び画像不良については、上記の方法でフッ素樹脂表面の粗さを制御することにより解決される。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、円筒または円柱基材上にフッ素樹脂の粉体またはその水性塗料をコーティングし、その基材を円筒状の面転写部材に挿入し、赤外線ヒータを用い面転写部材の外側より加熱することにより基材と面転写部材の熱膨張率の差を利用し面転写部材によりフッ素樹脂層を加圧した状態で加熱して、面転写部材の表面模様をフッ素樹脂層表面に転写させることによって、基材を劣化させずに、クラックのないフッ素樹脂を形成することができるようになった。また、フッ素樹脂層の表面への任意の模様または粗さの付与ができるようになった。
【0086】
また上記方法を用いて、画像形成装置の定着装置に用いられる、トナーと直接接する定着部材を作成した場合、表層フッ素樹脂の表面粗さを制御することができ、画像の光沢ムラを防止することが可能となった。
【0087】
また上記方法を用いて、画像形成装置の定着装置の駆動側に用いられる定着部材を作成した場合、表層フッ素樹脂の表面粗さを制御することができ、搬送性及び画像荒れ不良を防止することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の説明図で、Aのフッ素樹脂被覆方法の概略図、Bは被覆された基材の断面図である。
【図2】 参考例2の説明図で、Aはフッ素被覆方法の概略図、Bは被覆された基材の断面図である。
【図3】 参考例3の説明図で、Aはフッ素樹脂被覆方法の概略図、Bは被覆された基材の断面図である。
【図4】 実施例1の説明図で、Aはフッ素樹脂被覆方法の概略図、Bは被覆された基材の断面図である。
【図5】 実施例2の説明図で、Aはフッ素樹脂被覆方法の概略図、Bは被覆された基材の断面図である。
【図6】 実施例3の説明図で、Aはフッ素樹脂被覆方法の概略図、Bは被覆された基材の断面図である。
【図7】 実施例4の説明図で、Aはフッ素樹脂被覆方法の概略図、Bは被覆された基材の断面図である。
【図8】 実施例5の定着ローラの断面図である。
【図9】 実施例6の加圧ローラの断面図である。
【図10】 電子写真装置の概略図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
BACKGROUND OF THE
[0002]
[Prior art]
A fixing roller, a fixing film, a pressure roller, and the like used as a fixing member of an electrophotographic image forming apparatus often use a fluororesin for the surface layer because toner releasability is required for use.
[0003]
In the case of forming a full-color toner image, in the fixing roller or fixing film for fixing a maximum of four toner layers, the fluororesin layer as the surface toner release layer completely transfers heat to the toner. In order to improve the fixing property of the toner to the recording material, it is necessary to have flexibility to follow the unevenness of the toner and the transfer material. Therefore, a fixing member having a configuration in which a flexible elastic layer is provided under the fluororesin layer that is a toner release layer is used.
[0004]
Conventionally, as a fixing member used as a fixing member of an electrophotographic image forming apparatus, an elastic layer is formed on a cylindrical or columnar metal core, and a fluororesin is formed as a toner release layer on the outer peripheral surface thereof. Is often used. Recently, an elastic layer formed on a heat-resistant resin core and a fluororesin film as a toner release layer formed on the outer peripheral surface thereof are also used.
[0005]
As a method of coating the peripheral wall of a cylindrical or columnar substrate with a fluororesin, a method of heating and firing after coating the fluororesin powder or fluororesin dispersion on the substrate has been used. When the fluororesin is heated and fired, a method of heating to a melting point of the fluororesin or higher to form a fired film has been taken.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional fluororesin coating method has the following problems.
[0007]
First, when the base material is an elastic body, coating the fluororesin on the elastic body, and heating and baking, the melt viscosity of the fluororesin is extremely high. The smoothness of the obtained fluororesin layer is lowered. Moreover, when the fluororesin firing conditions as described above are executed, there is no elastic body that can withstand the temperature, so that the elastic body is extremely damaged. As a result, the compression set of the elastic layer deteriorates and the paper transportability required for the fixing member cannot be obtained. In addition, in order to suppress the damage, if an attempt is made to keep the firing temperature of the fluororesin low, there is a problem that the fluororesin cannot be completely melted, cracks are generated on the surface, and desired surface properties cannot be obtained. It was.
[0008]
In order to solve the above problems, the inventors pressurized the fluororesin layer between the elastic body and the surface transfer member disposed outside the fluororesin layer so that the surface pattern of the surface transfer member becomes the surface of the fluororesin. We proposed a method of heat-firing film formation of fluororesin while transferring. As a result, while controlling the surface pattern of the fluororesin, it becomes possible to deposit the fluororesin at a lower temperature than before, and the damage to the elastic body (rubber) as the lower material can be kept relatively small. Became. However, even with this method, damage to the elastic body (rubber) could not be completely suppressed.
[0009]
An object of the present invention is to provide a method of coating the outer wall of a cylinder or column of fluororesin that solves the above problems.
[0010]
Another object of the present invention is to provide a coating method capable of coating a substrate with a crack-free fluororesin layer.
[0011]
Another object of the present invention is to provide a coating method capable of coating a substrate with a fluororesin layer having a desired surface roughness.
[0012]
Another object of the present invention is to provide a method for coating the fluororesin layer.The present invention provides a method for manufacturing a fixing member using the same and an electrophotographic apparatus using the same..
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The fluororesin coating method according to the present invention comprises (i) a fluororesin powder layer on the peripheral surface.,Cylindrical or cylindricalMulti-layer structure with elastic layer made of silicone rubberA step of inserting a base material into a hollow portion of a cylindrical surface transfer member having an infrared transmittance of 50% or more and fixing the base material and the surface transfer member so that their center lines coincide with each other.(However, infrared absorption is the surface transfer member ≦ the fluororesin <the substrate surface)When,
(Ii) Using an infrared heater disposed outside the surface transfer member, while rotating the surface transfer member to which the substrate is fixed obtained in the step (i), Infrared absorption using the surface transfer member ≤ fluororesin <base material surfaceThe fluororesin powder layer is heated in a state where the elastic layer and the surface transfer member are pressurized by utilizing the difference in thermal expansion coefficient between the elastic layer and the surface transfer member. And a step of forming a fluororesin layer.
[0014]
According to the present invention, a fluororesin powder layer is formed by coating a fluororesin (FEP, PFA, PTFE, etc.) powder or an aqueous paint thereof on a base material such as a cylinder or a column. The fluororesin powder layer is heated while being pressurized using the difference in thermal expansion coefficient between the base material and the surface transfer member between the cylindrical surface transfer member disposed outside the substrate. By heating from the outside of the surface transfer member under pressure using an infrared heater as the heating method, the fluororesin layer on the surface of the substrate can be efficiently heated, and the surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin layer. By doing so, it becomes possible to give an arbitrary pattern and roughness.
[0015]
Further, in the present invention, the heating conditions for forming the crack-free fluororesin layer are relaxed by heating the fluororesin powder layer under pressure. When there is another polymer layer such as a rubber layer under the resin layer, thermal degradation of the polymer layer can be prevented.
[0016]
Application of the fluororesin powder to the surface of the substrate may be performed by an electrostatic coating method, but it is preferable to use a water-based paint containing fluororesin powder from the viewpoint of ease.
[0017]
In addition, it is preferable in terms of handling that the fluororesin powder on the surface of the base material is preheated and fired to be immobilized on the surface of the base material.
[0018]
In addition, it is preferable for the surface transfer member to transmit infrared rays by 50% or more for efficient heating. Further, in terms of efficiently heating the fluororesin with infrared rays, it is preferable that the absorption of infrared rays is surface transfer member ≦ fluorine resin layer <base layer surface.
[0019]
The cylindrical or columnar substrate in the present invention is not particularly limited, but a metal core such as iron or aluminum.MoneyA base material with a multilayer structure in which heat-resistant rubber such as silicone rubber and fluorine rubber is formedRu. These are preferable as a fixing roller base material. In addition, as a fixing film substrate, a film made of a heat-resistant resin such as polyimide or a metal such as nickel or iron is used.AboveA base material with a multilayer structure in which heat-resistant rubber such as silicone rubber and fluorine rubber is formedRu.
[0020]
The actual structure of the base material (base layer) was described in detail in the examples and drawings described later.1) Metal core, Silicone rubber primer layer, Silicone rubber, Fluoro rubber / Fluoro resin layer (2) Polyimide film, silicone rubber primer layer, silicone rubber, fluororubber / fluororesin layer
and so on.
[0021]
As the fluororesin used in the present invention, commercially available perfluoroethylene propylene resin (FEP), perfluoroalkoxy resin (PFA), polytetrafluoroethylene resin (PTFE) and the like are used.
[0022]
The material of the cylindrical surface transfer member is not particularly limited as long as it can withstand the temperature required when the fluororesin powder is fired and formed.ButIt is preferable to use a heat-resistant resin such as imide / polyphenylene sulfide. Polyimide thin layer chew as surface transfer memberBugaIf lath is used, it is easy to handle and has excellent heat resistance and strength at high temperatures, so that it can be used repeatedly and durability of the surface transfer member is improved.
[0023]
The shape of the surface transfer member is cylindrical, and the inner diameter thereof is slightly larger than the outer diameter of the cylindrical or columnar member in which the fluororesin layer is formed on the substrate, and the lengths must be at least the same. It is. The gap when both are fitted is preferably as narrow as possible, although it depends on the difference in thermal expansion coefficient during heating in the combination of the two, and is usually 5 to 1000 μm.
[0024]
The inner surface finish of the surface transfer member is as follows: (1) First, in the case of a product made by removal processing (metal mold), the inner surface is formed by drilling, lathe processing, etc., and then finished to the desired surface roughness by honing. Also, if you want to roughen, perform blasting after honing.
[0025]
(2) In the case of products made by additional processing (metal electroforming, resin) The master rod of the transfer member is made and the metal and resin are formed on the surface and removed from the master, but the master surface is cut, polished, What is necessary is just to make it a desired surface roughness by polishing or the like. If the surface of the master is roughened or patterned by blasting or etching, it can be transferred to the inner surface of the surface transfer member.
[0026]
An infrared heater for heating the surface transfer member into which the substrate coated with fluororesin powder is integrated is not particularly limited. For example, the infrared heater has the same length as the surface transfer member. A parallel light type line heater is used to keep both axes parallel to the surface transfer member and maintain an appropriate distance, and the surface transfer member is heated while rotating. What is necessary is just to determine suitably the output, distance, etc. of a heater so that a heating time may be uniformly heated in several minutes thru | or the number of pick-up. The temperature of the fluororesin layer at the time of heating is the melting temperature of the fluororesin used, and is usually about 280 to 320 ° C. although it varies depending on the fluororesin used.
[0027]
Further, the above-described operation may be performed after the fluororesin powder layer is preliminarily heated and fired. The preheating and baking of the fluororesin may be performed until the fluororesin is completely formed, but this is not particularly necessary, and it is sufficient if the fluororesin is temporarily raised to the melting temperature of the fluororesin. At this time, cracks, irregularities, etc. may exist on the surface of the fluororesin. Further, the temperature of the fluororesin layer in the step of heating the fluororesin-coated substrate and the surface transfer body after preheating and firing is not particularly limited as long as it is 200 ° C. or higher, but it is not necessary to raise it to the melting temperature, preferably It is 240 degreeC-290 degreeC. When this method is used, an arbitrary surface pattern can be imparted to the fluororesin with a smaller amount of heat than when no preheating and firing are performed. When a non-heat-resistant material such as resin or rubber is used as the base material, thermal deterioration of the base material occurs when the fluororesin is heated and fired. However, when this method is used, thermal deterioration of the base material is prevented by rapid heating with infrared rays. can do. In addition, since high temperature is not required at the time of pressurizing the fluororesin layer, the work efficiency is good, and the weight of the pressurizer and the like can be reduced. The material of the surface transfer member is not particularly limited as described above.
[0028]
When the coefficient of thermal expansion of the substrate coated with fluororesin is greater than the coefficient of thermal expansion of the surface transfer member, insert the substrate coated with fluororesin into the surface transfer member and use an infrared heater from the outside of the surface transfer member. When heated, the thermal expansion of the substrate is greater than that of the surface transfer member, so the fluororesin layer is pressurized between the substrate and the surface transfer member, and the inner surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin. The
[0029]
If the thermal expansion coefficient of the substrate coated with fluororesin is smaller than that of the surface transfer member, insert the fluororesin coated substrate into the surface transfer member with the outer surface fixed and use an infrared heater. The fluororesin layer is pressed between the surface transfer member heated from the outside of the surface transfer member and fixed on the outer surface and the base material, and the inner surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin.
[0030]
In any of the methods described above, the base material may have a multilayer structure, and the surface layer of the base material may be made of heat-resistant rubber.
[0031]
When an infrared heater is used and heated from the outside of the surface transfer member and a fluororesin is pressed between the surface transfer members, the fluororesin can be easily formed even if the temperature applied during the baking of the fluororesin is set low. Deterioration of the substrate can be suppressed by being able to carry out, being able to directly heat the surface fluororesin, being capable of rapid heating, and the like. At that time, the inner surface of the surface transfer member can be transferred onto the surface of the fluororesin, and a desired pattern can be formed on the surface of the fluororesin. Furthermore, if the surface transfer member is a material that transmits infrared rays by 50% or more, the surface transfer member itself is not absorbed so much, and its energy reaches the fluororesin and the thermal expansion of the surface transfer member is also reduced.ByThe inner surface of the surface transfer member can be transferred to the surface of the fluororesin with less energy, and a desired pattern can be formed on the surface of the fluororesin. That is, the thermal deterioration of the base layer can be further suppressed. In addition, by absorbing infrared rays as surface transfer member ≦ fluorine resin <base layer surface (fusion interface), the fusion interface can be directly heated, so the inner surface of the transfer member can be more efficiently transferred to the fluororesin surface. Thus, a desired pattern can be formed on the surface of the fluororesin.
[0032]
If the inner surface of the cylindrical base material is cooled before and / or during heating,suppressbe able to.
[0033]
The fixing member used in the electrophotographic image forming apparatus is required to have toner releasability in view of its function. Among the fixing members, in particular, the fixing roller and the fixing film that come into contact with the toner are required to have smoothness of the surface layer fluororesin in order to prevent uneven gloss of the printed image. Gloss unevenness of a printed image occurs when the surface pattern of the surface layer fluororesin of the fixing roller and the fixing film is transferred to the surface of the toner image, and is noticeable when printing a solid image, particularly a color image for photographic printing. Appears. According to studies by the inventors, the gloss unevenness of the printed image depends on the surface roughness of the fixing roller and the fixing film, and the surface roughness of the surface layer fluororesin of the fixing roller and the fixing film is determined by the ten-point average roughness ( Rz) 5 μm or less can prevent this. However, as described above, it has been extremely difficult to form a desired roughness on the surface of the fluororesin until now, and the surface layer fluororesin of the fixing roller and the fixing film is polished to prevent the image gloss unevenness. The method of controlling was used.
[0034]
Using the method of the present invention, a fluororesin is coated on the fixing roller or fixing film substrate, and the fixing roller or fixing film substrate is heated with the surface transfer member while heating the fluororesin from the outside of the surface transfer member using an infrared heater. By applying pressure, a desired pattern can be formed on the surface fluororesin of the fixing roller and the fixing film. That is, if a pattern having a roughness of 5 μm or less is formed in advance on the inner surface of the surface transfer member, the inner surface of the surface transfer member is transferred to the surface of the fixing roller and the fixing film surface fluororesin, and the roughness is 5 μm or less and the desired roughness. It is possible to form a film of fluororesin. As a result, image gloss unevenness can be prevented. The pressure roller is Rz 20 microns or less, and no image roughness is observed.
[0035]
Among the fixing members, in particular, a fixing member that requires transferability of the transfer material requires a certain degree of roughness so that the transfer member surface layer fluororesin has a transfer material transfer capability. According to the inventors' investigation, it has been found that the surface roughness of the fluororesin sufficient for transporting the transfer material is in the range of 2 to 20 μm in terms of 10-point average roughness (Rz). Within that range, the best surface roughness is determined by the required transportability and other performance (image performance, etc.).
[0036]
Using the method of the present invention, the fluororesin is coated on the base material of the fixing member, and the base material is pressed by the surface transfer member while heating the fluororesin from the outside of the surface transfer member using an infrared heater. It became possible to form a desired pattern on the member surface layer fluororesin. That is, if a pattern having a roughness of 2 to 20 μm is formed in advance on the inner surface of the surface transfer member, the inner surface of the surface transfer member is transferred to the surface of the fixing member surface layer fluororesin, and the desired roughness is 2 to 20 μm. It is possible to form a film of fluororesin. As a result, the required transfer material transportability can be imparted to the fixing member.
[0037]
FIG. 10 shows an electrophotographic apparatus to which the toner fixing member according to the present invention is applied. The photosensitive member, the latent image forming means, the means for developing the formed latent image with toner, the means for transferring the developed toner image to a transfer material, An electrophotographic apparatus having means for fixing a toner image on a transfer material is also included. An example of this device is shown in FIG.
[0038]
Reference numeral 5 denotes a photoconductor, which is driven to rotate at a predetermined peripheral speed in the direction of the arrow about the
[0039]
The photosensitive member 5 is uniformly charged at a predetermined positive or negative potential on the peripheral surface thereof by the charging means 6 during the rotation process, and then the light image exposure L (slit exposure or laser exposure) is performed by the image exposure means (not shown) in the
[0040]
The electrostatic latent image is then developed with toner by the developing unit 8, and the toner developed image is synchronized with the rotation of the photoconductor 5 between the photoconductor 5 and the transfer unit 9 from a paper supply unit (not shown) by the transfer unit 9. The image is sequentially transferred onto the surface of the transfer material P taken and fed. The transfer material P that has received the image transfer is separated from the surface of the photosensitive member, introduced into the image fixing means 2, undergoes image fixing, and is printed out as a copy (copy). After the image transfer, the surface of the photoreceptor 5 is cleaned by the transfer unit 3 after removal of the transfer residual toner, is subjected to charge removal processing by the
[0041]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Reference example1
The present inventionPertaining toFirstReference exampleWill be described with reference to FIG.
[0042]
11 is a cylindrical base material having a fluororesin coating on the outermost layer, and a cross-sectional view thereof is shown in FIG. 1B. 111 is a cored bar of a cylindrical base material, which is made of aluminum and has an outer diameter of 40 mm. A fluororesin primer layer 112 is formed on the core metal 111 to bond the surface fluororesin and the core metal, and a fluororesin coating layer 113 is formed thereon. The primer layer 112 was formed by applying an aqueous paint of a fluororesin primer by spraying and then drying at 150 ° C. for 30 minutes, and the thickness thereof was 8 μm. After the primer layer coating as described above was finished, a fluororesin (PFA) dispersion was applied by spraying and dried at 150 ° C. for 30 minutes. The thickness of the fluororesin layer was 25 μm.
[0043]
A surface transfer member 12 has a cylindrical shape having an inner diameter of 40.1 mm and a wall thickness of 0.05 mm. On the inner surface of the surface transfer member, a surface pattern to be transferred to the fluororesin film coated on the substrate is formed. BookReference exampleThe surface transfer member inner surface was processed to have a surface roughness of 5 μm. In this example, the inner surface of the surface transfer member was processed to have a surface roughness of 5 μm. In this embodiment, the surface transfer member 12 is made of a Ni electroformed film having a low coefficient of thermal expansion due to the base material 11.
[0044]
The fluororesin-coated base material 11 was inserted into the surface transfer member 12, and further fixed and integrated by a fixing member (not shown) so that the center lines of the base material and the surface transfer member coincided. At that time, there is a gap of about 20 μm between the fluororesin-coated substrate 11 and the surface transfer member 12. The fluororesin-coated substrate 11 and the surface transfer member 12 integrated as described above were heated from the outside of the surface transfer member 12 by the infrared heater 18. BookReference exampleThen, a 3 kW output infrared line heater (parallel light type) having approximately the same length (300 mm) as that of the substrate was disposed about 50 mm away from the surface transfer member surface. In this state, the mixture was heated at 3 kw for about 10 minutes. At that time, the thermal expansion of the aluminum constituting the base material is larger than that of the Ni constituting the surface transfer member, so that the aluminum expands further, filling the gap of about 20 μm between the surface transfer member and the base material, and further fluorine. A state where the resin layer is pressurized is created. Also, the fluororesin (PFA) on the surface of the base material is softened by infrared heating to form a film. After completion of the above steps, the substrate and the surface transfer member are cooled, and the substrate is extracted from the surface transfer member.
[0045]
The surface roughness of the fluororesin fired film thus obtained is 5 μm in terms of 10-point average roughness (Rz), the surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin, and the fluororesin is A film was formed. Further, when the surface of the formed fluororesin layer was observed with an electron microscope, no defects such as cracks were observed on the surface. In addition, it could be processed in a much shorter time than heating in an oven (about 20 minutes).
[0046]
Reference example2
The present inventionPertaining toSecondReference exampleWill be described with reference to FIG.
[0047]
21 is a cylindrical base material having a fluororesin coating on the outermost layer, and a cross-sectional view thereof is shown in FIG. 2B. 211 is a core of a cylindrical base material, which is made of aluminum and has an outer diameter of 40 mm. A fluororesin primer layer 212 is formed on the core metal 211 to adhere the surface fluororesin and the core metal, and a fluororesin coating layer 213 is formed thereon. The primer layer 212 was formed by applying an aqueous paint of a fluororesin primer by spraying and then drying at 150 ° C. for 30 minutes, and the thickness thereof was 8 μm. After the primer layer coating as described above has been completed, the fluororesin coating layer was sprayed with a fluororesin (PFA) dispersion, dried at 150 ° C. for 30 minutes, and then preheated and fired at 350 ° C. for 20 minutes. The thickness was 25 μm. At that time, the fluororesin layer was not completely formed, and defects such as cracks and irregularities were observed on the surface, and the surface roughness was 15 μm in terms of 10-point average roughness (Rz). A surface transfer member 22 has a cylindrical shape with an inner diameter of 40.1 mm and a wall thickness of 0.05 mm. On the inner surface of the surface transfer member, a surface pattern to be transferred to the fluororesin film coated on the substrate is formed. BookReference exampleThe surface transfer member inner surface was processed to have a surface roughness of 5 μm. As the material of the surface transfer member 22, a Ni electroformed film having a smaller coefficient of thermal expansion than the base material 21 was used. The base material 21 on which the fluororesin coating and the fluororesin are preheated and fired is inserted into the surface transfer member 22, and further fixed by a fixing member (not shown) so that the center lines of the base material and the surface transfer member coincide. And integrated. At that time, there is a gap of about 20 μm between the fluororesin-coated substrate 21 and the surface transfer member 22. The base material 21 and the surface transfer member 22, which were integrated as described above and were preheated and fired with the fluororesin coating, and the surface transfer member 22 were heated from the outside of the surface transfer member 22 by the infrared heater 28. BookReference exampleThen, a 3 kW output infrared line heater (parallel light type) having approximately the same length (300 mm) as that of the substrate was disposed about 50 mm away from the surface transfer member surface. In this state, it was heated at 3 kw for about 8 minutes. At that time, the thermal expansion of the aluminum constituting the base material is larger than that of the Ni constituting the surface transfer member, so that the aluminum expands further, filling the gap of about 20 μm between the surface transfer member and the base material, and further fluorine. A state where the resin layer is pressurized is created. Further, the fluororesin (PFA) on the surface layer of the substrate is softened by infrared heating to form a film. After completion of the above steps, the substrate and the surface transfer member are cooled, and the substrate is removed from the surface transfer member.
[0048]
The surface roughness of the fluororesin fired film thus obtained is 5.2 μm in terms of 10-point average roughness (Rz), the surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin, and fluorine A resin film was formed. Further, when the surface of the formed fluororesin layer was observed with an electron microscope, no defects such as cracks were observed on the surface. In addition, it could be processed in a much shorter time than heating in an oven (about 20 minutes).
[0049]
Reference example3
The present inventionPertaining toThirdReference exampleWill be described with reference to FIG.
[0050]
31 is a cylindrical base material having a fluororesin in the outermost layer, and a cross-sectional view thereof is shown in FIG. 3B. Reference numeral 311 denotes a cored bar of a cylindrical base material, which is made of SUS and has an outer diameter of 40 mm. An LTV silicone rubber layer 313 is bonded onto the cored bar 311 via a primer layer 312 and has a thickness of 1 mm. The silicone rubber layer was formed by inserting a core metal coated with a primer into a cylindrical mold, injecting uncured silicone rubber of LTV, and heating and curing it. 314 is a primer layer for adhering the silicone rubber layer 313 and the surface fluororesin layer, and is composed of a mixture of fluororubber and fluororesin (FEP). The primer layer 314 was obtained by spraying an aqueous paint composed of a mixture of fluororubber and fluororesin by spraying and heating and curing at 200 ° C. for 30 minutes, and its thickness was 25 μm. A fluororesin (FEP) layer 315 is formed on the primer layer 314. The fluororesin layer 315 was obtained by applying a fluororesin (FEP) dispersion by spraying, drying at 150 ° C. for 20 minutes, and pre-baking at 300 ° C. for 20 minutes, and the thickness was 15 μm. At that time, the fluororesin layer was not completely formed, and defects such as cracks and irregularities were observed on the surface. The surface roughness of the fluororesin surface was 15 μm in terms of 10-point average roughness (Rz). 32 is a surface transfer member having an inner diameter of 42.2 mm,ThicknessIt has a cylindrical shape of 0.05 mm. On the inner surface of the surface transfer member, a surface pattern to be transferred to the fluororesin film coated on the substrate is formed. BookReference exampleThe surface transfer member inner surface was processed to have a surface roughness of 5 μm. As the material of the surface transfer member 32, a Ni electroformed film was used. The
[0051]
The surface roughness of the fluororesin fired film thus obtained is 4.8 μm in terms of 10-point average roughness (Rz), the surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin, and fluorine A resin film was formed. Further, when the surface of the formed fluororesin layer was observed with an electron microscope, no defects such as cracks were observed on the surface. In addition, it could be processed in a much shorter time than heating in an oven (about 20 minutes). However, some deterioration of the silicone rubber was observed.
[0052]
Example1
First of the present invention1This embodiment will be described with reference to FIG.
[0053]
Reference numeral 41 denotes a cylindrical base material having a fluororesin in the outermost layer, and a cross-sectional view thereof is shown in FIG. 4B. Reference numeral 411 denotes a cylindrical cored bar made of SUS and having an outer diameter of 40 mm. An LTV silicone rubber layer 413 is bonded onto the cored bar 411 via a primer layer 412, and the thickness thereof is 1 mm. The silicone rubber layer was formed by inserting a core metal coated with a primer into a cylindrical mold, injecting uncured silicone rubber of LTV, and heating and curing it. Reference numeral 414 denotes a primer layer for adhering the silicone rubber layer 413 and the surface fluororesin layer, and is composed of a mixture of fluororubber and fluororesin (FEP). The primer layer 414 was obtained by spraying an aqueous paint composed of a mixture of fluororubber and fluororesin by spraying and heating and curing at 200 ° C. for 30 minutes, and its thickness was 25 μm. A fluororesin (FEP)
[0054]
This heat-resistant glass has an infrared transmittance of 90% or more, and the infrared transmittance of FEP which is a fluororesin is also about 90%. In addition, a mixture of fluororubber and fluororesin (FEP) was used as a primer for the fusion interface used in this example, but this had an infrared transmittance of 10% or less.
[0055]
The base material 41 that has been pre-heated and baked with the fluororesin coating and the fluororesin is inserted into the surface transfer member 42 and further fixed with a fixing member (not shown) so that the center lines of the base material and the surface transfer member coincide. Integrated. At that time, there is a gap of about 60 μm between the fluororesin-coated substrate 41 and the surface transfer member 42. The base material 41 and the surface transfer member 42, which were integrated as described above and were preheated and fired with the fluororesin coating, and the surface transfer member 42 were heated from the outside of the surface transfer member 42 by the infrared heater 48. In this example, a 3 kw output infrared line heater (parallel light type) having a length (300 mm) substantially the same as that of the base material was disposed about 50 mm away from the surface of the surface transfer member. In this state, the mixture was heated at 3 kw for about 3 minutes. The thermal expansion of the silicone rubber composing the base material is larger than that of the heat-resistant glass composing the surface transfer member, and the surface transfer member (heat-resistant glass) and fluororesin do not absorb much infrared rays, so there is less thermal expansion and the selective fusion interface As a result, the silicone rubber expands further, filling the gap of about 60 μm between the surface transfer member and the substrate, and further creating a state where the fluororesin layer is pressurized with low energy efficiently. Further, the fluororesin (FEP) on the substrate surface layer is softened by infrared heating to form a film. After completion of the above steps, the substrate and the surface transfer member are cooled, and the substrate is extracted from the surface transfer member.
[0056]
The surface roughness of the fluororesin fired film thus obtained is 4.8 μm in terms of 10-point average roughness (Rz), the surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin, and fluorine A resin film was formed. Further, when the surface of the formed fluororesin layer was observed with an electron microscope, no defects such as cracks were observed on the surface. In terms of resultsReference exampleIt was possible to process in less time than 3. Furthermore, it was possible to prevent rubber deterioration that occurred when the fluororesin was fused onto the silicone rubber.
[0057]
This example is applicable only to special applications because it is difficult to process heat-resistant glass into a cylindrical shape with an accurate inner diameter, and it is easy to break when heated and cooled repeatedly.
[0058]
Example2
First of the present invention2This embodiment will be described with reference to FIG.
[0059]
51 is a cylindrical base material having a fluororesin in the outermost layer, and a cross-sectional view thereof is shown in FIG. 5B. Reference numeral 511 denotes a cored bar of a cylindrical base material, which is made of SUS and has an outer diameter of 40 mm. An LTV silicone rubber layer 513 is bonded onto the cored bar 511 via a primer layer 512, and the thickness thereof is 1 mm. The silicone rubber layer was formed by inserting a core metal coated with a primer into a cylindrical mold, injecting uncured silicone rubber of LTV, and heating and curing it. Reference numeral 514 denotes a primer layer for adhering the silicone rubber layer 513 and the surface fluororesin layer, and is composed of a mixture of fluororubber and fluororesin (FEP). The primer layer 514 was obtained by spraying an aqueous paint composed of a mixture of fluororubber and fluororesin by spraying and heating and curing at 200 ° C. for 30 minutes, and its thickness was 25 μm. A fluororesin (FEP) layer 515 is formed on the primer layer 514. The fluororesin 515 was obtained by spraying a fluororesin (FEP) dispersion by spraying, drying at 150 ° C. for 20 minutes, and pre-baking at 300 ° C. for 20 minutes, and the thickness was 15 μm. At that time, the fluororesin layer was not completely formed, and defects such as cracks and irregularities were observed on the surface. The surface roughness of the fluororesin surface was 15 μm in terms of 10-point average roughness (Rz). A surface transfer member 52 has a cylindrical shape with an inner diameter of 42.2 mm and a wall thickness of 0.05 mm. In this embodiment, polyimide is used as the material of the surface transfer member 52. On the inner surface of the surface transfer member, a surface pattern to be transferred to the fluororesin film coated on the substrate is formed. In this example, the surface roughness of the inner surface of the surface transfer member was 5 μm.
[0060]
The infrared transmittance of this polyimide is 90%, and the infrared transmittance of fluororesin (FEP) is also about 90%. In addition, a mixture of fluororubber and fluororesin (FEP) was used as a primer for the fusion interface used in this example, but this had an infrared transmittance of 10% or less.
[0061]
The base material 51 that has been pre-heated and baked with the fluororesin coating and the fluororesin is inserted into the surface transfer member 52 and fixed with a fixing member (not shown) so that the center lines of the base material and the surface transfer member coincide. Integrated. At that time, there is a gap of about 60 μm between the fluororesin-coated substrate 51 and the surface transfer member 52. The base 51 and the surface transfer member 52, which were integrated as described above, and the pre-heated and fired fluororesin coating and the surface transfer member 52 were heated from the outside of the surface transfer member 52 by the infrared heater 58. In this example, a 3 kw output infrared line heater (parallel light type) having a length (300 mm) substantially the same as that of the base material was disposed about 50 mm away from the surface of the surface transfer member. In this state, the mixture was heated at 3 kw for about 3 minutes. At that time, the thermal expansion of the silicone rubber constituting the base material is larger than that of the polyimide constituting the surface transfer member, and the surface transfer member (polyimide) and the fluororesin do not absorb much infrared rays, so there is less thermal expansion and it is selectively fused. Since the interface is heated, a gap of about 60 μm between the surface transfer member and the substrate is filled, and a state in which the fluororesin layer is pressurized is efficiently created with low energy. Further, the fluororesin (FEP) on the substrate surface layer is softened by infrared heating to form a film. After completion of the above steps, the substrate and the surface transfer member are cooled, and the substrate is extracted from the surface transfer member.
[0062]
The surface roughness of the fluororesin fired film thus obtained is 4.8 μm in terms of 10-point average roughness (Rz), the surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin, and fluorine A resin film was formed. Further, when the surface of the formed fluororesin layer was observed with an electron microscope, no defects such as cracks were observed on the surface. Of course, it has also prevented the rubber deterioration that occurs when the fluororesin is fused on the silicone rubber.
[0063]
A polyimide film can be easily prepared by preparing a master having a high precision and a desired surface accuracy, and coating, curing and peeling it. Further, since it is excellent in strength at high temperature, durability of repeated use as a surface transfer member can be improved. Furthermore, since it has flexibility, it is easy to handle and suitable for mass production.
[0064]
Example3
First of the present invention3This embodiment will be described with reference to FIG.
[0065]
Example2When processing under the same conditions as above, cooling at −10 ° C. to the hollow part of the core metal for 5 minutes after irradiation from 5 minutes before irradiation with infrared raysAir69 was run at a flow rate of 1 liter per minute. As a result, the base material and the surface transfer member, which had taken about 10 minutes after heating, were cooled, and the time required for extracting the base material from the surface transfer member could be reduced. Moreover, the same fluororesin fired film was obtained even when the infrared output was set at 3.5 kW for 2 minutes and a half. The surface roughness was 4.8 μm in terms of 10-point average roughness (Rz), the surface pattern of the surface transfer member was transferred onto the surface of the fluororesin, and the fluororesin was deposited. Further, when the surface of the formed fluororesin layer was observed with an electron microscope, no defects such as cracks were observed on the surface. Of course, there was no rubber deterioration that occurred when the fluororesin was fused onto the silicone rubber. In other words, as a result, the time until demolding2It could be shortened to a slight extent.
[0066]
Example4
First of the present invention4This embodiment will be described with reference to FIG.
[0067]
Reference numeral 71 denotes a cylindrical base material having a fluororesin in the outermost layer, and a cross-sectional view thereof is shown in FIG. 7B. Reference numeral 711 denotes a thermosetting polyimide film having a thickness of 50 μm that forms the base layer of the cylindrical substrate, and its outer diameter is 40 mm. An LTV silicone rubber layer 713 is adhered on the polyimide film 711 via a primer layer 712, and the thickness thereof is 300 μm. The silicone rubber layer was formed by applying a primer or spray-coating a polyimide film with LTV unvulcanized silicone rubber dissolved in toluene and heating and curing it. Reference numeral 714 denotes a primer layer for adhering the silicone rubber layer 713 and the surface fluororesin layer, and is composed of a mixture of fluororubber and fluororesin (FEP). A fluororesin (FEP) layer 715 is formed on the primer layer 714. The fluororesin layer 715 was obtained by spraying a fluororesin (FEP) dispersion by spraying, drying at 150 ° C. for 20 minutes, and pre-baking at 300 ° C. for 20 minutes, and the thickness was 15 μm. At that time, the fluororesin layer was not completely formed, and defects such as cracks and irregularities were observed on the surface. The surface roughness of the fluororesin surface was 15 μm in terms of 10-point average roughness (Rz).
[0068]
Reference numeral 72 denotes a surface transfer member, which has a cylindrical shape with an inner diameter of 42.8 mm and a wall thickness of 0.05 mm. On the inner surface of the surface transfer member, a surface pattern which is coated on the base material and desired to be transferred with the fluororesin is formed. In this example, the surface of the surface transfer member was processed to have a surface roughness of 5 μm. The surface transfer member 72 is made of polyimide.
[0069]
A cylindrical inner surface fixing jig 73 (made of aluminum) having an outer diameter equal to the inner diameter of the film is inserted and integrated into the base material 71 that has been preheated and fired with the fluororesin coating and the fluororesin, and is integrated into the surface transfer member 72. Then, it was fixed and integrated by a fixing member (not shown) so that the center lines of the base material and the surface transfer member coincided. At that time, there is a gap of about 60 μm between the base material 71 covered with the fluororesin tube and the surface transfer member 72.
[0070]
The base 71 and the surface transfer member 72, which were integrated as described above and were preheated and fired with the fluororesin coating, and the surface transfer member 72 were heated from the outside of the surface transfer member 72 by the infrared heater 78. In this example, a 3 kw output infrared line heater (parallel light type) having a length (300 mm) substantially the same as that of the base material was disposed about 50 mm away from the surface of the surface transfer member. In this state, the mixture was heated at 3 kw for about 3 minutes. At that time, the thermal expansion of the silicone rubber composing the base material is larger than that of the polyimide composing the surface transfer member, and the surface transfer member (polyimide) and fluororesin do not absorb much infrared rays, so there is less thermal expansion and it is selectively fused. Since the interface is heated, a gap of about 60 μm between the surface transfer member and the substrate is filled, and a state in which the fluororesin layer is pressurized is efficiently created with low energy. Further, the fluororesin (FEP) on the substrate surface layer is softened by infrared heating to form a film. After completion of the above steps, the substrate and the surface transfer member are cooled, and the substrate is extracted from the surface transfer member.
[0071]
The surface roughness of the fluororesin fired film thus obtained is 4.9 μm in terms of ten-point average roughness (Rz), the surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin, and fluorine A resin film was formed. Further, when the surface of the formed fluororesin layer was observed with an electron microscope, no defects such as cracks were observed on the surface. Of course, there was no rubber deterioration that occurred when the fluororesin was fused onto the silicone rubber.
That is, the film-like material as described above could be coated with the fluororesin.
[0072]
Example5
Example2A fixing roller for a color image forming apparatus was prepared in the same manner as described above.
[0073]
FIG. 8 shows a cross-sectional view of a fixing roller used in the color image forming apparatus. 811 is an aluminum cored bar of the fixing roller, and its outer diameter is 58 mm. A 1 mm silicone rubber layer 813, a primer layer 814 made of a mixture of 25 μm fluororubber and fluororesin, and a fluororesin (FEP) layer 815 are formed on the metal core in the same manner as in Example 5. The fluororesin layer 815 was obtained by applying a dispersion of fluororesin (FEP) with a spray, drying at 150 ° C. for 20 minutes, and pre-baking at 300 ° C. for 20 minutes, and the thickness was 15 μm. At that time, the fluororesin layer was not completely formed, and defects such as cracks and irregularities were observed on the surface. The surface roughness of the fluororesin surface was 15 μm in terms of 10-point average roughness (Rz).
[0074]
The fixing roller prepared by the above method is inserted and fixed to a surface transfer member made of a cylindrical polyimide having an inner diameter of 60.2 mm and a wall thickness of 0.05 mm, and integrated with an infrared heater to fix the surface transfer member. A 3 kw output infrared line heater (parallel light type) having a length (300 mm) substantially the same as that of the substrate from the outside was heated by about 50 mm from the surface transfer member surface for about 3 minutes. At that time, the surface roughness of the inner surface of the surface transfer member was 10 μm in ten-point average roughness (Rz) (Example)5. 1) 5 μm (Example)5. 2) 2 μm (Example)5. 3) were prepared, and a fixing roller was prepared under the above conditions. Table 1 shows the surface roughness and the evaluation as a fixing roller of the fixing roller prepared using each surface transfer member.
[0075]
Comparative Example 1
[0076]
[Table 1]
○: No gloss unevenness
Δ: Some gloss unevenness
×: gloss unevenness
[0077]
From Table 1, it can be seen that any roughness can be formed on the fluororesin surface by adjusting the surface roughness of the inner surface of the surface transfer member. Further, image gloss unevenness which is a problem in the color image forming apparatus can be solved by controlling the roughness of the surface of the fluororesin by the above method.
[0078]
Example6
Example2A pressure roller using a film fixing method driven by a pressure roller was prepared in the same manner as described above.
[0079]
FIG. 9 is a cross-sectional view of a pressure roller used in a pressure roller driving film fixing type fixing device. Reference numeral 911 denotes an aluminum cored bar of the pressure roller, and its outer diameter is 10 mm. On the core metal, a 3 mm silicone rubber layer 913, a primer layer 914 made of a mixture of 25 μm fluororubber and fluororesin, and a fluororesin (FEP) layer 915 are formed in the same manner as in Example 5. The fluororesin layer 915 was obtained by applying a dispersion of fluororesin (FEP) with a spray, drying at 150 ° C. for 20 minutes, and pre-baking at 300 ° C. for 20 minutes, and the thickness was 15 μm. At that time, the fluororesin layer was not completely formed, and defects such as cracks and irregularities were observed on the surface. The surface roughness of the fluororesin surface was 15 μm in terms of 10-point average roughness (Rz).
[0080]
The pressure roller prepared by the method as described above is inserted and fixed to a surface transfer member made of a cylindrical polyimide having an inner diameter of 16.6 mm and a thickness of 0.05 mm, and integrated with an infrared heater to transfer the surface transfer member. A 3 kw output infrared line heater (parallel light type) having a length (300 mm) substantially the same as that of the substrate was heated from the outside of the surface about 50 mm away from the surface of the surface transfer member for about 3 minutes. The surface roughness of the inner surface of the surface transfer member at that time is 25 μm in ten-point average roughness (Rz) (Example)6・ 1) 10μm (Example)6・ 2), 1.5 μm (Example)6-Three types of 3) were prepared, and a fixing roller was prepared under the above conditions. Table 2 shows the surface roughness of the pressure rollers prepared using the respective surface transfer members and the evaluation as the pressure roller.
[0081]
Comparative Example 2
Example6In this example, the pre-heated and fired fluororesin-coated pressure roller is not inserted into the surface transfer member.6Infrared heating was performed for about 10 minutes under the same conditions as above to form a fluororesin film. This is the time required to completely form the surface. For this reason, the surface roughness was improved, but the underlying silicone rubber deteriorated, the set fell, and the transportability also deteriorated.
[0082]
The pressure roller was measured for surface roughness and was subjected to image evaluation.
[0083]
[Table 2]
Y: Good
Δ: Partially defective
×: defective
[0084]
From Table 2, it can be seen that an arbitrary roughness can be formed on the surface of the fluororesin by adjusting the surface roughness of the inner surface of the surface transfer member. Further, transfer material conveyance and image defects in a film fixing device driven by a pressure roller can be solved by controlling the roughness of the surface of the fluororesin by the above method.
[0085]
【The invention's effect】
As described above, a fluororesin powder or a water-based paint thereof is coated on a cylindrical or cylindrical base material, the base material is inserted into a cylindrical surface transfer member, and an infrared heater is used from the outside of the surface transfer member. By heating, the surface pattern of the surface transfer member is transferred to the surface of the fluororesin layer by using the difference in the thermal expansion coefficient between the substrate and the surface transfer member and heating the surface while pressing the fluororesin layer with the surface transfer member. As a result, it has become possible to form a crack-free fluororesin without degrading the base material. In addition, an arbitrary pattern or roughness can be imparted to the surface of the fluororesin layer.
[0086]
In addition, when a fixing member that is used in a fixing device of an image forming apparatus and is in direct contact with toner is created using the above method, the surface roughness of the surface fluororesin can be controlled, and uneven gloss of the image can be prevented. Became possible.
[0087]
In addition, when a fixing member used on the driving side of the fixing device of the image forming apparatus is prepared using the above method, the surface roughness of the surface fluororesin can be controlled, and transportability and poor image roughness can be prevented. Became possible.
[Brief description of the drawings]
[Figure 1]Reference example1 is a schematic view of a fluororesin coating method of A, and B is a cross-sectional view of a coated substrate.
[Figure 2]Reference example2A and 2B, A is a schematic view of a fluorine coating method, and B is a cross-sectional view of a coated substrate.
[Fig. 3]Reference example3 is a schematic diagram of a fluororesin coating method, and B is a cross-sectional view of a coated substrate.
FIG. 4 Example1FIG. 4A is a schematic view of a fluororesin coating method, and B is a cross-sectional view of a coated substrate.
FIG. 5 Example2FIG. 4A is a schematic view of a fluororesin coating method, and B is a cross-sectional view of a coated substrate.
FIG. 6 Example3FIG. 4A is a schematic view of a fluororesin coating method, and B is a cross-sectional view of a coated substrate.
FIG. 7 Example4FIG. 4A is a schematic view of a fluororesin coating method, and B is a cross-sectional view of a coated substrate.
FIG. 8 Example5FIG. 3 is a cross-sectional view of the fixing roller.
FIG. 9 Example6It is sectional drawing of a pressure roller.
FIG. 10 is a schematic view of an electrophotographic apparatus.
Claims (8)
(ii)該面転写部材の外側に配置した赤外線ヒーターを用いて、前記工程(i)で得た、基材を固定した面転写部材を回転させつつ、赤外線の吸収が、面転写部材≦フッ素樹脂<基材表面であることを用いて融着界面を選択的に加熱することにより、該弾性層と該面転写部材との熱膨張率の差を利用して該フッ素樹脂粉末層を該弾性層と該面転写部材とで加圧した状態で加熱してフッ素樹脂層とする工程と、を有することを特徴とするフッ素樹脂被覆方法。(I) A cylindrical surface transfer member having an infrared ray transmittance of 50% or more from a base material having a cylindrical or columnar elastic layer made of silicone rubber and having a fluororesin powder layer on the peripheral surface Step of fixing the base material and the surface transfer member so that their center lines coincide with each other (however, the absorption of infrared rays is such that the surface transfer member ≦ the fluororesin <the surface of the base material) And)
(Ii) Using an infrared heater disposed outside the surface transfer member, while absorbing the surface transfer member obtained in the step (i) and rotating the surface transfer member to which the substrate is fixed , absorption of infrared rays is not less than surface transfer member ≦ fluorine By selectively heating the fusion interface using resin <substrate surface , the elastic resin layer is made elastic by utilizing the difference in thermal expansion coefficient between the elastic layer and the surface transfer member. And a step of heating the surface transfer member under pressure with the surface transfer member to form a fluororesin layer.
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