JP3989269B2

JP3989269B2 - Bulky paper

Info

Publication number: JP3989269B2
Application number: JP2002082428A
Authority: JP
Inventors: 俊裕西林
Original assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Current assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date: 2002-03-25
Filing date: 2002-03-25
Publication date: 2007-10-10
Anticipated expiration: 2022-03-25
Also published as: JP2003278091A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、嵩高紙に関するものであり、さらに詳しくは、特に嵩があり、平滑性に優れ、繊維の特性を利用して紙力を補うことが可能な、印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙などに使用できる嵩高紙に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、紙は省資源、物流の面から軽量化の傾向にある。また、環境保全・循環型社会構築への取り組みから脱墨パルプの利用が積極的に行われている。しかし、脱墨パルプの比率を高めると紙は薄くなり、白色度、不透明度が低下することから、裏抜けが悪くなるという問題が生じる。これらのことから、紙を嵩高にすることは避けて通れない問題である。
【０００３】
紙の主原料には製紙用パルプが用いられている。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されている。その中でも、化学処理によって非セルロース成分を多量に除去した化学パルプが用いられることが多い。化学パルプの場合、繊維が剛直なために、未叩解で抄紙を行うと繊維間接触面積が小さくなり、嵩高な紙が形成される。そのため、一般的に嵩高効果を得るには軽叩解パルプが使用される。しかし、嵩の増加に伴い、表面の平滑性の低下、強度の低下といった問題が生じる。
【０００４】
また、機械的な処理だけを行って製造される機械パルプは、化学パルプより繊維が剛直なため、嵩高効果を得るには有利である。しかし、機械パルプは紙の黄色化の原因となるリグニンを多く含んでおり、紙の退色は避けられない。そのため、上質紙や保存性が要求される用途には用いることができない。
【０００５】
非木材パルプも剛直なパルプ原料の一つである。そのため、非木材パルプを配合することも嵩高効果を得る手段の一つである。しかし、非木材パルプは得られる時期や原産地が限られているため、安定供給するのが難しく、大量生産を行うことは難しい。
【０００６】
機械的な面における嵩高効果は、抄造時におけるプレス線圧の軽減や、カレンダー処理をソフトにするなどの手段によって得ることができる。しかしながら、機械的な処理だけでは限界があり、満足のいく嵩高効果が得られていないのが現状である。
【０００７】
さらに近年では、嵩高剤の添加によって紙の嵩を出す手段も行われている。嵩高剤には、親水基と疎水基を持つ化合物である界面活性剤がよく用いられる。しかし、嵩高剤のみによる嵩高効果は小さく、満足のいく水準には達していない。また、嵩高剤は繊維間の水素結合を阻害することで嵩高効果を生み出すため、紙力の低下が著しく、それを補うために紙力剤などを用いる必要がある。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、嵩が高く、平滑性に優れ、繊維の特性を利用して紙力を補うことが可能な、印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙などに使用できる嵩高紙を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、未叩解のリヨセルまたは叩解したリヨセルを含有する紙料を抄紙することによって、上記目的の嵩高紙が得られることを見出し、完成に至ったものである。
【００１０】
すなわち、本発明の嵩高紙は、繊維長２ｍｍ以下、繊維径２．４ｄｔｅｘ以下のリヨセル、填料、硫酸バンド、カチオン澱粉、内添サイズ剤を含有してなることを特徴とするものである。
【００１１】
本発明において、リヨセルが、未叩解のリヨセルであり、かつ全パルプに対して１０〜１５質量％含有してなることを特徴とするものである。
【００１２】
また、本発明において、リヨセルが、カナダ標準濾水度４５０ｍｌ以下に叩解されたリヨセルであり、かつリヨセルが全パルプに対して１６〜３５質量％含有してなることを特徴とするものである。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の嵩高紙について、詳細に説明する。
【００１４】
本発明において、用いられる「リヨセル」とは、ＩＳＯ規格および日本のＪＩＳ規格に定められている繊維用語で、セルロース誘導体を経ずに直接有機溶剤に溶解させて紡糸することによって得られる再生セルロース系繊維である。有機溶剤としては、アミンオキサイド系のものが使用されている。リヨセルはパルプと同じセルロースであり、退色もしないため紙中に配合しても問題はない。また、リヨセルは、レーヨン、キュプラなどの他の再生セルロース系繊維とは異なり、叩解可能という特徴を持つ。この理由は製造方法にある。レーヨンがセルロース誘導体を経由して製造されるのに対し、リヨセルはセルロースのままで有機溶媒に溶解させて繊維状に再生されるため、セルロース分子の重合度低下が少ないまま分子が再配向される。そのため、紡糸時に繊維軸方向に分子がきれいに並ぶことにより叩解が可能となる。ここで、叩解とは、水とともに機械的に処理することによって繊維の切断やフィブリル化が起き、シートにした場合に良好な特性を発現することを意味する。
【００１５】
他の再生セルロース系繊維であるレーヨンを用いても嵩高効果は得られる。しかし、その効果はリヨセルと比較すると小さい。さらに、配合することで紙力が低下した場合、レーヨンは叩解できないため繊維の特性を利用して紙力を補うことはできない。それに対し、リヨセルを用いた場合、条件に応じて適度に叩解することができ、紙力の問題が改善され、かつ嵩高な紙を抄造することが可能となる。
【００１６】
本発明において、リヨセルの繊維長は、２ｍｍ以下とすることが重要である。なぜなら、２ｍｍよりも長い繊維が多くなると地合が著しく悪くなるためである。また、２ｍｍよりも長い繊維はよれやすく、実機においてスクリーンに詰まる可能性があり、これがワイヤーパートに流れ出た場合、固まりとなることから製品に悪影響をもたらすためである。
【００１７】
本発明において、リヨセルの繊維径は、２．４ｄｔｅｘ以下とすることが重要であり、より好ましい繊維径としては１．７ｄｔｅｘ以下である。これは、リヨセルの繊維径が太すぎると紙表面の平滑性が悪くなり、印刷などに悪影響をもたらすからである。
【００１８】
未叩解のリヨセル、例えば、カナダ標準濾水度７００ｍｌ以上、をパルプ中に配合する場合、これまでにない高い嵩高効果が得られる。その反面、配合量を増やすと表面平滑性と紙力の低下が著しくなるという欠点も存在する。そのため、未叩解のリヨセルを用いる場合、嵩高効果、表面平滑性、紙力の関係を考慮し、適度な配合量とする必要がある。配合量としては１０〜１５質量％であることが好ましい。ここで、リヨセルの配合量が１０質量％未満では嵩高の効果が小さいため好ましくなく、また配合量が１５質量％を超えて多い場合は紙力の低下や表面平滑性の低下が顕著となるため好ましくない。
【００１９】
また、本発明における嵩高紙として、カナダ標準濾水度４５０ｍｌ以下に叩解したリヨセルを用いる場合、未叩解のリヨセルよりもさらに多く配合することができる。これにより、未叩解のリヨセルを用いた場合よりもさらに高い嵩高効果を得ることができ、且つ、表面平滑性が高く、紙力の強い嵩高紙を作製できる。
【００２０】
リヨセルを叩解して用いる場合、その配合量は１６〜３５質量％であることが好ましい。ここで、リヨセルの配合量が１６質量％未満では嵩高の効果が小さいため好ましくなく、また、配合量が３５質量％を超えて多い場合、表面平滑性の低下や紙力の低下が顕著となるため好ましくない。
【００２１】
本発明の嵩高紙は、リヨセル以外の原料パルプとして、化学パルプ、機械パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプなどを単独もしくは任意の割合で混合して使用する。抄紙機は特に限定されず、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、多層抄紙機、ヤンキー抄紙機などを使用できる。抄紙時のｐＨは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。
【００２２】
さらに、本発明の嵩高紙には、填料、硫酸バンド、カチオン澱粉、内添サイズ剤を含有し、必要に応じて、歩留まり向上剤、着色剤、染料、紙力増強剤、消泡剤、低密度化剤などを含有してもよい。また、各種のサイズプレスやコーターなどの装置で紙の表面に澱粉、ラテックス、表面サイズ剤、顔料、染料などを塗布することも可能である。
【００２３】
以上のように、繊維長が２ｍｍ以下、繊維径が２．４ｄｔｅｘ以下のリヨセルを未叩解の場合に１０〜１５質量％、カナダ標準濾水度４５０ｍｌ以下に叩解した場合に１６〜３５質量％配合することにより、表面平滑性が良く、紙力の強い嵩高紙が得られる。この嵩高紙については印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙などに使用することができる。
【００２４】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。なお、実施例において示す「部」および「％」は、特に明示しない限り、質量部および質量％を示す。
【００２５】
下記の実施例１〜８および比較例１〜１０における方法によって作製した嵩高紙について、下記の評価方法により測定し、評価を行った。結果は表１および表２に示した。
【００２６】
評価方法：
〈密度〉
ＪＩＳＰ８１１８に準拠して測定した。密度０．６５ｇ/ｃｍ³以下であれば本発明における嵩高紙である。
【００２７】
〈引張り強さ〉
ＪＩＳＰ８１１３に準拠して測定した。引張り強さ３ｋＮ/ｍ以上であれば紙力の強い嵩高紙である。
【００２８】
〈ベック平滑度〉
ＪＩＳＰ８１１９に準拠して測定した。ベック平滑度３．５秒以上であることが本発明における表面平滑性の高い嵩高紙である。
【００２９】
＜未叩解のリヨセルを使用＞
実施例１
カナダ標準濾水度３９０ｍｌの広葉樹晒クラフトパルプ（以下、ＬＢＫＰと記す）を６０％、カナダ標準濾水度４８０ｍｌの針葉樹晒クラフトパルプ（以下、ＮＢＫＰと記す）を３０％、繊維長２ｍｍ、繊維径１．７ｄｔｅｘの未叩解のリヨセルを１０％配合し、これに炭酸カルシウム６部、硫酸バンド０．７部、カチオン澱粉１部、内添サイズ剤０．０３部、カチオン性ポリアクリルアミド０．０３部、無機顔料０．０９部を添加した紙料を角型手抄機で絶乾坪量５４ｇ/ｍ²となるように抄紙し、実施例１の嵩高紙を作製した。脱水はロールプレス（線圧２５ｋｇ/ｃｍ²）を用いて行い、乾燥はシリンダードライヤーを用いて１０５℃で２分間行った。
【００３０】
実施例２
上記実施例１におけるパルプ配合を表１に示す配合量とした以外は実施例１と同様にして実施例２の嵩高紙を作製した。
【００３１】
実施例３
上記実施例１で使用したリヨセルの繊維径を２．４ｄｔｅｘとした以外は実施例１と同様にして実施例３の嵩高紙を作製した。
【００３２】
実施例４
上記実施例３におけるパルプ配合を表１に示す配合量とした以外は実施例３と同様にして実施例４の嵩高紙を作製した。
【００３３】
比較例１
上記実施例１におけるパルプ配合を表１に示す配合量にした以外は実施例１と同様にして比較例１の嵩高紙を作製した。
【００３４】
比較例２
上記実施例１で使用したリヨセルの繊維径を３．０ｄｔｅｘとし、パルプ配合を表１に示す配合量とした以外は実施例１と同様にして比較例２の嵩高紙を作製した。
【００３５】
比較例３
上記実施例１で使用したリヨセルの繊維径を３．０ｄｔｅｘとした以外は実施例１と同様にして比較例３の嵩高紙を作製した。
【００３６】
比較例４
上記実施例２で使用したリヨセルの繊維径を３．０ｄｔｅｘとした以外は実施例２と同様にして比較例４の嵩高紙を作製した。
【００３７】
比較例５
上記実施例１で使用したリヨセルに代えて、繊維長２ｍｍ、繊維径１．７ｄｔｅｘの未叩解のレーヨンを使用した以外は実施例１と同様にして比較例５の嵩高紙を作製した。
【００３８】
【表１】

【００３９】
評価：
表１に示した実施例１〜４、比較例１〜５の結果から明らかなように、繊維長２ｍｍ以下、繊維径２．４ｄｔｅｘ以下の未叩解のリヨセルを適量配合することで表面平滑性が高く、紙力の強い嵩高紙を作製できることがわかる。
【００４０】
実施例１、３、比較例３および実施例２、４、比較例４から明らかなように、リヨセルの繊維径の違いによる嵩高効果には大きな違いはない。しかし、繊維径が２．４ｄｔｅｘを超えた場合、表面平滑性が低下する。そのため、繊維径を２．４ｄｔｅｘ以下とすることが好ましい。
【００４１】
比較例２、３、４から明らかなように、リヨセルの配合量を減らすと嵩高効果が小さくなる。逆に、配合量を増やすと嵩高効果は高くなるものの、紙力と表面平滑性が低下する。そのため、配合量を１０〜１５質量％とすることが好ましい。
【００４２】
実施例１と比較例５の結果から明らかなように、同じ形状のレーヨンを同量配合してもリヨセルほど高い嵩高効果は得られない。そのため、再生セルロース系繊維の中でもリヨセルを用いることが好ましい。
【００４３】
＜叩解したリヨセルを使用＞
実施例５および実施例６
上記実施例１で使用したリヨセルをカナダ標準濾水度３９０ｍｌに叩解し、パルプ配合を表２に示す配合量とした以外は実施例１と同様にして実施例５、６の嵩高紙を作製した。
【００４４】
実施例７および実施例８
上記実施例３で使用したリヨセルをカナダ標準濾水度４５０ｍｌに叩解し、パルプ配合を表２に示す配合量とした以外は実施例３と同様にして実施例７、８の嵩高紙を作製した。
【００４５】
比較例６〜比較例８
上記比較例２で使用したリヨセルをカナダ標準濾水度４５０ｍｌに叩解し、パルプ配合を表２に示す配合量とした以外は比較例２と同様にして比較例６、７、８の嵩高紙を作製した。
【００４６】
比較例９および比較例１０
上記比較例２で使用したリヨセルをカナダ標準濾水度４８０ｍｌに叩解し、パルプ配合を表２に示す配合量とした以外は比較例２と同様にして比較例９、１０を作製した。
【００４７】
【表２】

【００４８】
評価：
本発明の実施例５〜８と比較例６〜１０の結果から明らかなように、配合するリヨセルの量および叩解度を工夫することにより、表面平滑性が高く、紙力の強い嵩高紙を得ることができるのは明らかである。
【００４９】
実施例２、６および実施例４、８の結果から明らかなように、叩解したリヨセルを用いることで、未叩解のリヨセルを用いた場合よりもさらに嵩高な、表面平滑性が高く、紙力の強い嵩高紙を製作することができる。また、リヨセルの配合量を増やすことで低下する紙力を、リヨセルの叩解可能という繊維の特性を利用して補っているため、紙力剤などの薬品を必要としないことも特徴である。
【００５０】
実施例５、７、比較例６および実施例６、８、比較例７の結果から明らかなように、繊維径を太くするほど表面平滑性が低下する。そのため、リヨセルを叩解して用いる場合においても、繊維径は２．４ｄｔｅｘ以下とするのが好ましい。
【００５１】
比較例６、７、８の結果から明らかなように、リヨセルを叩解して用いる場合においても配合量を増やすほど嵩高効果は高くなる。しかし、それとともに表面平滑性と紙力は低下する。そのため、リヨセルの配合量は１６〜３５質量％とすることが好ましい。
【００５２】
比較例６、９および比較例７、１０の結果から明らかなように、リヨセルの濾水度の値を高くすると嵩高効果は高くなるが、表面平滑性と紙力が低下する。配合量を１６〜３５質量％とする場合は表面平滑性が良く、紙力の強い嵩高紙を得るためにカナダ標準濾水度は４５０ｍｌ以下とすることが好ましい。
【００５３】
【発明の効果】
上記結果から明らかなように、本発明の嵩高紙は未叩解のリヨセルまたは叩解したリヨセルを含有することで、表面平滑性が高く、紙力が強い嵩高紙が得られることを特徴としている。また、繊維の特性を利用して紙力を補うことができるため、紙力剤などの薬品を必要としない。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to bulky paper, and more specifically, printing paper, information paper, and coated paper that are particularly bulky, excellent in smoothness, and capable of supplementing paper strength by utilizing the properties of fibers. The present invention relates to a bulky paper that can be used as a base paper.
[0002]
[Prior art]
In recent years, paper tends to be lighter in terms of resource saving and logistics. In addition, deinked pulp has been actively used for environmental conservation and recycling-oriented society construction. However, when the ratio of deinked pulp is increased, the paper becomes thinner, and the whiteness and opacity are lowered. For these reasons, making the paper bulky is an unavoidable problem.
[0003]
Paper pulp is used as the main raw material for paper. Generally, wood pulp is used for paper pulp. Among them, chemical pulp from which a large amount of non-cellulose components have been removed by chemical treatment is often used. In the case of chemical pulp, since the fibers are rigid, if paper making is performed without beating, the contact area between fibers becomes small, and a bulky paper is formed. Therefore, lightly beaten pulp is generally used to obtain a bulky effect. However, with the increase in bulk, problems such as a decrease in surface smoothness and a decrease in strength occur.
[0004]
In addition, mechanical pulp produced by performing only mechanical treatment is advantageous for obtaining a bulky effect because fibers are more rigid than chemical pulp. However, mechanical pulp contains a large amount of lignin that causes paper yellowing, and paper fading is inevitable. For this reason, it cannot be used for high-quality paper or applications that require storage stability.
[0005]
Non-wood pulp is another rigid pulp material. Therefore, blending non-wood pulp is one means for obtaining a bulky effect. However, since non-wood pulp is available in limited time and place of origin, it is difficult to stably supply it, and mass production is difficult.
[0006]
The bulky effect in the mechanical aspect can be obtained by means such as reducing the press line pressure during paper making or softening the calendar process. However, there is a limit to mechanical processing alone, and the present situation is that a satisfactory bulky effect has not been obtained.
[0007]
Furthermore, in recent years, means for increasing the volume of paper by adding a bulking agent has also been carried out. As the bulking agent, a surfactant which is a compound having a hydrophilic group and a hydrophobic group is often used. However, the bulking effect of the bulking agent alone is small and has not reached a satisfactory level. Further, since the bulking agent produces a bulking effect by inhibiting hydrogen bonding between fibers, the paper strength is remarkably reduced, and it is necessary to use a paper strength agent or the like to compensate for it.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a bulky paper that can be used for printing paper, information paper, base paper for coated paper, etc., which is bulky, excellent in smoothness, and capable of supplementing paper strength by utilizing the properties of fibers. It is to be.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor has found that the above-described bulky paper can be obtained by making a paper stock containing unbeaten lyocell or beaten lyocell, and has completed the invention.
[0010]
That is, the bulky paper of the present invention comprises lyocell having a fiber length of 2 mm or less and a fiber diameter of 2.4 dtex or less, a filler, a sulfuric acid band, a cationic starch, and an internal sizing agent .
[0011]
In the present invention, the lyocell is an unbeaten lyocell and is contained in an amount of 10 to 15% by mass based on the total pulp.
[0012]
In the present invention, the lyocell is a lyocell beaten to a Canadian standard freeness of 450 ml or less, and the lyocell is contained in an amount of 16 to 35% by mass based on the total pulp.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the bulky paper of the present invention will be described in detail.
[0014]
In the present invention, the term “lyocell” used is a fiber term defined in ISO standards and Japanese JIS standards, and is a regenerated cellulose system obtained by dissolving and spinning directly in an organic solvent without passing through a cellulose derivative. Fiber. As the organic solvent, amine oxide-based solvents are used. Since lyocell is the same cellulose as pulp and does not fade, there is no problem even if blended into paper. Unlike other regenerated cellulosic fibers such as rayon and cupra, lyocell has a feature that it can be beaten. The reason is in the manufacturing method. While rayon is produced via a cellulose derivative, lyocell is dissolved in an organic solvent in the form of cellulose and regenerated into a fibrous form, so that the molecules are reoriented with little decrease in the degree of polymerization of cellulose molecules. . Therefore, beating is possible when molecules are neatly arranged in the fiber axis direction during spinning. Here, beating means that the fiber is cut or fibrillated by mechanical treatment with water, and good characteristics are exhibited when the sheet is formed.
[0015]
Even if rayon, which is another regenerated cellulosic fiber, is used, a bulky effect can be obtained. However, the effect is small compared to lyocell. Furthermore, when the paper strength is reduced by blending, the rayon cannot be beaten and the paper strength cannot be compensated by utilizing the characteristics of the fiber. On the other hand, when lyocell is used, it can be beaten appropriately according to the conditions, paper strength problems can be improved, and bulky paper can be made.
[0016]
In the present invention, it is important that the fiber length of the lyocell is 2 mm or less. This is because when the number of fibers longer than 2 mm is increased, the formation is remarkably deteriorated. In addition, fibers longer than 2 mm are liable to be squeezed and may clog the screen in the actual machine. When this flows out to the wire part, it becomes a solid and has an adverse effect on the product.
[0017]
In the present invention, it is important that the fiber diameter of lyocell is 2.4 dtex or less, and a more preferable fiber diameter is 1.7 dtex or less. This is because if the fiber diameter of the lyocell is too large, the smoothness of the paper surface is deteriorated, and printing is adversely affected.
[0018]
When unbeaten lyocell, for example, Canadian standard freeness of 700 ml or more, is blended in the pulp, an unprecedented bulky effect is obtained. On the other hand, when the blending amount is increased, there is a drawback that the surface smoothness and the paper strength are remarkably lowered. Therefore, when using unbeaten lyocell, it is necessary to consider the relationship between bulkiness effect, surface smoothness, and paper strength, and to make it an appropriate blending amount. As a compounding quantity, it is preferable that it is 10-15 mass%. Here, if the blending amount of lyocell is less than 10% by mass, the effect of bulkiness is small, which is not preferable. If the blending amount exceeds 15% by mass, a decrease in paper strength and a decrease in surface smoothness are remarkable. It is not preferable.
[0019]
Further, when lyocell beaten to a Canadian standard freeness of 450 ml or less is used as the bulky paper in the present invention, it can be blended more than unbeaten lyocell. Thereby, it is possible to obtain a bulky effect that is higher than when unbeaten lyocell is used, and to produce a bulky paper with high surface smoothness and strong paper strength.
[0020]
When lyocell is beaten and used, the blending amount is preferably 16 to 35% by mass. Here, if the blending amount of lyocell is less than 16% by mass, the effect of bulkiness is small, which is not preferable. If the blending amount exceeds 35% by mass, the surface smoothness and the paper strength are significantly reduced. Therefore, it is not preferable.
[0021]
The bulky paper of the present invention uses, as raw material pulp other than lyocell, chemical pulp, mechanical pulp, non-wood pulp, deinked pulp, or the like alone or mixed at an arbitrary ratio. The paper machine is not particularly limited, and a long paper machine, a twin wire paper machine, a circular paper machine, a multilayer paper machine, a Yankee paper machine, and the like can be used. The pH during papermaking may be acidic, neutral, or alkaline.
[0022]
Further, the bulky paper of the present invention contains a filler, a sulfate band, a cationic starch, and an internal sizing agent, and if necessary, a yield improver, a colorant, a dye, a paper strength enhancer, an antifoaming agent, a low It may contain a densifying agent. It is also possible to apply starch, latex, surface sizing agents, pigments, dyes, etc. to the surface of paper with various size presses or coaters.
[0023]
As described above, 10 to 15% by mass when lyocell having a fiber length of 2 mm or less and a fiber diameter of 2.4 dtex or less is unbeaten, and 16 to 35% by mass when beaten to a Canadian standard freeness of 450 ml or less By doing so, a bulky paper with good surface smoothness and strong paper strength can be obtained. This bulky paper can be used for printing paper, information paper, base paper for coated paper, and the like.
[0024]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples. In the examples, “parts” and “%” indicate parts by mass and mass% unless otherwise specified.
[0025]
About the bulky paper produced by the method in the following Examples 1-8 and Comparative Examples 1-10, it measured by the following evaluation method and evaluated. The results are shown in Tables 1 and 2.
[0026]
Evaluation methods:
<density>
It measured based on JISP8118. If the density is 0.65 g / cm ³ or less, it is a bulky paper in the present invention.
[0027]
<Tensile strength>
Measurement was performed in accordance with JIS P8113. If the tensile strength is 3 kN / m or more, it is a bulky paper with strong paper strength.
[0028]
<Beck smoothness>
It measured based on JISP8119. The bulky paper having a high surface smoothness according to the present invention has a Beck smoothness of 3.5 seconds or more.
[0029]
<Use unbeaten lyocell>
Example 1
Canadian standard freeness 390ml hardwood bleached kraft pulp (hereinafter referred to as LBKP) 60%, Canadian standard drainage 480ml softwood bleached kraft pulp (hereinafter referred to as NBKP) 30%, fiber length 2mm, fiber diameter 10% of 1.7dtex unbeaten lyocell is blended, 6 parts calcium carbonate, 0.7 parts sulfate band, 1 part cationic starch, 0.03 parts internal sizing agent, 0.03 parts cationic polyacrylamide Then, a paper stock to which 0.09 part of inorganic pigment was added was paper-made with a square hand machine so as to have an absolutely dry basis weight of 54 g / m ² , thereby producing a bulky paper of Example 1. Dehydration was performed using a roll press (linear pressure 25 kg / cm ² ), and drying was performed at 105 ° C. for 2 minutes using a cylinder dryer.
[0030]
Example 2
A bulky paper of Example 2 was prepared in the same manner as in Example 1 except that the pulp content in Example 1 was changed to the amount shown in Table 1.
[0031]
Example 3
A bulky paper of Example 3 was produced in the same manner as in Example 1 except that the fiber diameter of the lyocell used in Example 1 was changed to 2.4 dtex.
[0032]
Example 4
A bulky paper of Example 4 was produced in the same manner as Example 3 except that the pulp composition in Example 3 was changed to the blending amount shown in Table 1.
[0033]
Comparative Example 1
A bulky paper of Comparative Example 1 was produced in the same manner as in Example 1 except that the pulp content in Example 1 was changed to the amount shown in Table 1.
[0034]
Comparative Example 2
A bulky paper of Comparative Example 2 was prepared in the same manner as in Example 1 except that the fiber diameter of the lyocell used in Example 1 was 3.0 dtex, and the amount of pulp was changed to the amount shown in Table 1.
[0035]
Comparative Example 3
A bulky paper of Comparative Example 3 was produced in the same manner as in Example 1 except that the fiber diameter of the lyocell used in Example 1 was set to 3.0 dtex.
[0036]
Comparative Example 4
A bulky paper of Comparative Example 4 was produced in the same manner as in Example 2 except that the fiber diameter of the lyocell used in Example 2 was set to 3.0 dtex.
[0037]
Comparative Example 5
A bulky paper of Comparative Example 5 was produced in the same manner as in Example 1 except that unbeaten rayon having a fiber length of 2 mm and a fiber diameter of 1.7 dtex was used instead of the lyocell used in Example 1 above.
[0038]
[Table 1]

[0039]
Rating:
As apparent from the results of Examples 1 to 4 and Comparative Examples 1 to 5 shown in Table 1, surface smoothness is obtained by blending an appropriate amount of unbeaten lyocell having a fiber length of 2 mm or less and a fiber diameter of 2.4 dtex or less. It can be seen that a bulky paper having a high paper strength can be produced.
[0040]
As is clear from Examples 1, 3, Comparative Example 3, Examples 2, 4, and Comparative Example 4, there is no significant difference in the bulkiness effect due to the difference in fiber diameter of lyocell. However, when the fiber diameter exceeds 2.4 dtex, the surface smoothness decreases. For this reason, the fiber diameter is preferably 2.4 dtex or less.
[0041]
As apparent from Comparative Examples 2, 3, and 4, when the amount of lyocell is reduced, the bulkiness effect is reduced. Conversely, increasing the blending amount increases the bulkiness effect, but decreases paper strength and surface smoothness. Therefore, it is preferable to make a compounding quantity into 10-15 mass%.
[0042]
As is apparent from the results of Example 1 and Comparative Example 5, even if the same amount of rayon having the same shape is blended, a bulky effect as high as that of lyocell cannot be obtained. Therefore, it is preferable to use lyocell among the regenerated cellulosic fibers.
[0043]
<Use beaten lyocell>
Example 5 and Example 6
The bulky paper of Examples 5 and 6 was prepared in the same manner as in Example 1 except that the lyocell used in Example 1 was beaten to a Canadian standard freeness of 390 ml and the pulp formulation was changed to the formulation shown in Table 2. .
[0044]
Example 7 and Example 8
The bulky paper of Examples 7 and 8 was produced in the same manner as in Example 3 except that the lyocell used in Example 3 was beaten to a Canadian standard freeness of 450 ml and the pulp formulation was changed to the formulation shown in Table 2. .
[0045]
Comparative Example 6 to Comparative Example 8
The bulky paper of Comparative Examples 6, 7, and 8 was prepared in the same manner as Comparative Example 2 except that the lyocell used in Comparative Example 2 was beaten to a Canadian standard freeness of 450 ml and the pulp formulation was changed to the formulation shown in Table 2. Produced.
[0046]
Comparative Example 9 and Comparative Example 10
Comparative Examples 9 and 10 were produced in the same manner as Comparative Example 2 except that the lyocell used in Comparative Example 2 was beaten to a Canadian standard freeness of 480 ml and the pulp composition was changed to the blending amount shown in Table 2.
[0047]
[Table 2]

[0048]
Rating:
As is clear from the results of Examples 5 to 8 and Comparative Examples 6 to 10 of the present invention, by devising the amount of lyocell to be blended and the beating degree, a bulky paper having high surface smoothness and strong paper strength is obtained. Obviously you can.
[0049]
As is clear from the results of Examples 2 and 6 and Examples 4 and 8, by using beaten lyocell, the bulkiness, surface smoothness, and paper strength are higher than in the case of using unbeaten lyocell. Strong bulky paper can be produced. In addition, the paper strength, which is reduced by increasing the amount of lyocell, is compensated by utilizing the fiber property that the lyocell can be beaten, so that it does not require chemicals such as paper strength agents.
[0050]
As is clear from the results of Examples 5 and 7, Comparative Example 6, and Examples 6 and 8, and Comparative Example 7, the surface smoothness decreases as the fiber diameter increases. Therefore, even when the lyocell is beaten and used, the fiber diameter is preferably 2.4 dtex or less.
[0051]
As is clear from the results of Comparative Examples 6, 7, and 8, even when lyocell is beaten and used, the bulking effect increases as the blending amount increases. However, the surface smoothness and paper strength decrease with it. Therefore, the blending amount of lyocell is preferably 16 to 35% by mass.
[0052]
As is apparent from the results of Comparative Examples 6 and 9 and Comparative Examples 7 and 10, when the freeness value of lyocell is increased, the bulkiness effect is increased, but the surface smoothness and paper strength are decreased. When the blending amount is 16 to 35% by mass, the Canadian standard freeness is preferably 450 ml or less in order to obtain a bulky paper with good surface smoothness and strong paper strength.
[0053]
【The invention's effect】
As apparent from the above results, the bulky paper of the present invention is characterized in that a bulky paper having high surface smoothness and strong paper strength can be obtained by containing unbeaten lyocell or beaten lyocell. Further, since the paper strength can be supplemented by utilizing the characteristics of the fiber, chemicals such as a paper strength agent are not required.

Claims

A bulky paper comprising lyocell having a fiber length of 2 mm or less and a fiber diameter of 2.4 dtex or less, a filler, a sulfate band, a cationic starch, and an internal sizing agent .

The bulky paper according to claim 1, wherein the lyocell is an unbeaten lyocell and is contained in an amount of 10 to 15% by mass based on the total pulp.

The bulky paper according to claim 1, wherein the lyocell is a lyocell beaten to a Canadian standard freeness of 450 ml or less, and is contained in an amount of 16 to 35% by mass based on the total pulp.