JP3985585B2 - Ultrasonic processing equipment - Google Patents

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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波振動により加工を行う超音波加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、工具を超音波振動させるとともにその周囲に砥粒を供給して、該砥粒を工具の振動によって被加工物に当てることにより、被加工物の表面に当該工具の表面に倣った形状を形成できるように構成した超音波加工装置が知られている。
また、工具の周囲に砥粒を供給する際に、適宜の液体に分散させた砥粒液の状態で供給する構成の超音波加工装置も公知とされている。
【0003】
そして、上記のような超音波加工装置構成において加工効率を向上させ加工時間を短縮するための手法として、工具の振動振幅を増大させる方法や、工具を被加工物に対し押し付ける加工圧を増大させる方法が、従来から知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、超音波加工装置において工具の振動振幅を大きくすると、砥粒が工具と被加工物との界面に到達する前に、工具の振動により跳ね飛ばされて飛散してしまい、無駄になる砥粒の割合が多くなってしまう問題がある。
また、被加工物が例えば脆性材料である場合は、工具の振動振幅や加工圧を大きくすると被加工物が破損してしまうおそれもあり、これらの手法にも限界がある。特に、脆性材料に対する精密加工を歩留まり良く行うことは、従来の超音波加工では非常に困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、超音波により工具を振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、前記砥粒を液体に分散された状態で前記工具の周囲に供給する、砥粒供給手段と、前記工具を、前記砥粒分散液が当該工具周辺に保持されるモードで振動させる、励振手段と、を備えたものである。
このような振動モードは、振動源の配置や工具に対する振動伝達媒体の構成を適宜調整することにより得られる。
【0007】
請求項2においては、前記工具はホーンに取り付けられるとともに、このホーンに超音波振動子を固定して、該超音波振動子の振動を前記ホーンを介して工具に伝達させるように構成したものである。
【0008】
請求項3においては、前記工具は、ホーンの一側に形成された工具取付面に取り付けられるとともに、このホーンの他側に超音波振動子を固定して、該超音波振動子の振動を前記ホーンを介して工具に伝達させるように構成し、前記励振手段は、前記工具取付面における縁部が振動の節となるように、かつ、その中央部が振動の腹となるように励振するとともに、当該工具取付面の前記中央部に、前記工具を取り付けるための取付箇所が形成されているものである。
【0009】
請求項4においては、前記ホーンは振幅拡大率が1より小さい形状に構成されているものである。
【0010】
請求項5においては、前記ホーンは、前記工具取付面側に向かうにつれてその断面積を増大させていく部分を有するように構成したものである。
【0011】
請求項6においては、前記被加工物は脆性材料であるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
〔装置全体の概略構成〕
本発明の一実施形態としての超音波穿孔装置(超音波加工装置)の全体側面図が図1に、全体正面図が図2に、それぞれ示される。この図1,図2に示すように、この超音波穿孔装置1は、床上に設置される基台2の上にコラム3を立設し、このコラム3に穿孔ヘッド部4を支持する構成となっている。
【0014】
コラム3にはネジ軸5が上下方向に配置され、回転自在に支持されている。このネジ軸5に昇降体6が螺着されて、ネジ軸5と昇降体6とにより公知のボールネジ機構が構成されている。このネジ軸5には、コラム3上に設置されたモータ7のモータ軸が連結されている。この構成においてモータ7を正逆方向に回転駆動することで、昇降体6の上下位置を変更することができる。
コラム3には更にリニアガイドが上下方向に配設されて(図略)、このリニアガイドに沿って上下変位可能に、連結体8が備えられている。この連結体8に前記昇降体6が連結されることで、連結体8(ひいては、この連結体8に備えられる穿孔ヘッド部4)を上下方向(Z方向)に移動させることができる。
【0015】
連結体8には穿孔ヘッド部4が上下摺動自在に支持される。穿孔ヘッド部4には穿孔を行うための工具9が取り付けられるとともに、この工具9に超音波振動を与えるための機構(励振手段)が備えられている。この工具9は、高硬度のダイヤモンド(PCD)工具に構成されている。
【0016】
基台2上には水平方向(XY方向)に移動可能な移動テーブル10が設置され、この移動テーブル10の上に、図2に示すように、昇降テーブル11、カメラ部41、研磨装置42の三者が並べて配置される。
昇降テーブル11上面の前記工具9に対向し得る位置には、被加工物としてのワーク13が固定可能とされる。このワーク13としては種々のものが考えられるが、本実施形態は、インクジェットプリンタ等のインクジェットヘッドに圧電式アクチュエータとして使用される、圧電セラミック材料(PZT)を加工する場合を示している。
【0017】
カメラ部41は、工具9の向きの調整を容易とすべく、工具9を下側から撮影するためのものである。また、研磨装置42は、後述するホーン23の工具取付面23aが砥粒によって摩耗したときに、当該工具取付面23aを研磨するためのものである。
【0018】
装置全体を覆うように基台2上にはカバー43が設置されて、穿孔作業時に発生する切り粉や後述する砥粒液が周囲に飛散しないように配慮されている。装置の正面には開閉可能な両開き式の扉44が設けられ(図1)、ワーク13の交換作業などの必要に応じて扉44を開いてカバー43内部にアクセスできるようになっている。
【0019】
〔穿孔ヘッド部の構成〕
穿孔ヘッド部4の構成について、側面図である図3、正面図である図4、および平面断面図である図5を主に参照しながら具体的に説明する。
この穿孔ヘッド部4は、前記連結体8に支持される基部フレーム14に、前記工具9を支持するための工具フレーム17を上下摺動自在に連結した構成となっている。基部フレーム14には支軸15が水平に架設され、この支軸15に、前後方向に細長いバランス体16の中央部が枢支されて揺動自在とされている。
基部フレーム14上にはエアシリンダ18が設置され(図3,図4)、このシリンダロッド19が下方に延出して、前記バランス体16の一端に連結されている。そして、バランス体16の前記シリンダロッド19が連結された一端に、前記工具フレーム17が連結されている。基部フレーム14には変位センサ20が設けられ、工具フレーム17の基部フレーム14に対する相対変位を検出できるように構成されている。
【0020】
図3に示すように、工具フレーム17の下端には環状のホーン支持部21が軸受22を介して旋回可能に設けられ、このホーン支持部21にホーン23が固定される。ホーン23は上下方向に細長く形成され、その上部には超音波振動子24が固着されるとともに、ホーン23の下端には平坦な工具取付面23aが形成され、この工具取付面23aに対して前記工具9が脱着可能に取り付けられる。前記超音波振動子24は、工具9を振動させる励振手段の主要部をなすものである。ホーン23の形状についての詳細は後述する。
なお、基部フレーム14や工具フレーム17を覆うように板状のカバー45が設けられて、内部の超音波振動子24等を保護できるようになっている。また、工具フレーム17には、工具9の角度を微調整するために回転される調整ツマミ27と、当該微調整後に工具9が不用意に回転しないように固定するための固定ネジ36が備えられている。
【0021】
〔昇降テーブルの構成〕
ワーク13を固定するための昇降テーブル11の構成を、図6の側面図を参照して説明する。
この昇降テーブル11は、移動テーブル10の上に立設固定された基部フレーム29と、この基部フレーム29に図示せぬリニアガイドを介して昇降自在に設けられた昇降フレーム31と、を有している。
【0022】
前記基部フレーム29にはリフトシリンダ30が取り付けられ、このシリンダロッド32が上方に延出して、その先端が前記昇降フレーム31に連結されている。
リフトシリンダ30はエアシリンダ式に構成されており、圧縮空気を供給/ドレンすることで、昇降フレーム31の上下位置を変更することができる。基部フレーム29には変位センサ33が設置されて、昇降フレーム31の上下位置を測定できるようになっている。
また、内部のリフトシリンダ30や変位センサ33を保護すべく、箱状のカバー46が昇降フレーム31に設けられる。
【0023】
昇降フレーム31の上部は水平に構成され、この上に、ワーク13を取り付けるためのワーク台12が設置される。また、ワーク台12の脇の位置において、昇降フレーム31上にクランプ機構34が設けられている。このクランプ機構34はエアシリンダで構成されており、ワーク台12上にワーク13を載置した状態でエアシリンダを作動させると、伸張するシリンダロッド35がワーク13を水平方向へ押圧し、ワーク台12に設けられたガイド部に突き当てた状態で固定するようになっている。
【0024】
この超音波穿孔装置1は図示せぬ砥粒液溜めを備えており、この砥粒液溜めには、砥粒(例えば、粒径4〜6μm程度のSiC)を分散させた液体が注入されている。砥粒液溜めに接続させて、パイプや可撓性のホースや管継手などからなる砥粒液循環経路が形成され、この経路が、前記昇降テーブル11近傍に設けた中継パイプ47(図1,図2,図6に図示)に接続されている。この中継パイプ47には供給孔48が形成されるとともに、更に該供給孔48の近傍位置において、案内棒49が下向きに突設されている。案内棒49は湾曲状に構成されて斜め方向に向きを変え、その先端が、昇降テーブル11上のワーク台12の直上方に位置している。
この構成で、砥粒液溜めに設置された図略のポンプを駆動させると、砥粒液は中継パイプ47内に送られ、その一部が供給孔48を介して外部に漏出する。中継パイプ47の外面に漏れ出た砥粒液は案内棒49を伝ってワーク台12上に落下し、工具9による加工に用いられる。このように、上述のポンプや中継パイプ47や案内棒49などによって、砥粒液を工具9の周囲に供給する砥粒供給手段が構成される。
【0025】
〔穿孔作業の様子の説明〕
以上に示した構成において、実際に工具9を超音波振動させてワーク13に穿孔する作業を説明する。
まず、ワーク13を前記クランプ機構34によりワーク台12上に固定したのち、前記移動テーブル10をXY方向に移動させるとともに、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させ、図6の鎖線で示すように、前記工具9がワーク13のすぐ上に僅かな隙間をおいて位置するようにする。
そして、変位センサ33で昇降フレーム31の位置を常時測定しながら、リフトシリンダ30に圧縮空気を供給して、シリンダロッド32を徐々に伸張させて昇降フレーム31を上方向へ移動させ、ワーク13を上昇させる。そして、ワーク13の上面が工具9に接触した瞬間の昇降フレーム31の位置を、装置1を制御するコントローラの適宜の記憶手段にゼロ位置として記憶しておく。
そして、穿孔ヘッド部4の超音波振動子24を駆動し、ホーン23を介して上下方向の超音波振動を工具9に付与しながら、リフトシリンダ30に圧縮空気を供給してワーク13を上昇させ、工具9に対し押し付ける。また、前記砥粒液循環経路のポンプが駆動されることにより、中継パイプ47から案内棒49を経由して砥粒液が工具9の周囲に供給される。
これによりワーク13は、工具9との間にある砥粒によって削られてゆき、工具9に倣った形状の溝や孔等がワーク13の上面に形成される。
【0026】
なお、前述した穿孔ヘッド部4のエアシリンダ18(図3)は、工具フレーム17の変位を変位センサ20で測定しながら必要に応じて圧縮空気の給排を行って、工具フレーム17を支持する力を調節している。これにより、穿孔作業中にワーク13に対し過大な力で工具9が押し付けられることが防止されるので、本実施形態の圧電セラミックのような脆性材料のワーク13を加工する場合でも、ワーク13の破損が十分に回避される構成となっている。
【0027】
工具9によりワーク13に穿孔を行っている間も、前記昇降フレーム31の位置が変位センサ33(図6)によって常時測定されている。そして昇降フレーム31が、前記ゼロ位置から所定の距離だけ上昇した時点で、リフトシリンダ30への圧縮空気の供給が停止され、ワーク13の上昇が停止される。この結果、前記ワーク13には、正確に当該距離だけの深さの孔あるいは溝を形成することができる。
【0028】
〔ホーンの構成〕
次に、前述の穿孔ヘッド部4において超音波振動子24の振動を工具9に伝えるホーン23について、詳細に説明する。
本実施形態においては後述するように、工具9に対し、その周囲に砥粒液を保持するモードで振動させるために、図3に符号23で示す形状のホーンを用いている。このホーン23は鉄を素材としており、上下方向に細い丸棒状の形状とされている。そして、その上下方向中央よりやや上寄りの位置には薄い鍔部23bが形成されて、この鍔部23bが前述のホーン支持部21に固定されるようになっている。
【0029】
このホーン23は、超音波振動子24および工具9を含んだ系の固有振動数が20kHzとなるよう、その形状が定められている。そして、ワーク13に対する加工作業時には、前記超音波振動子24を当該固有振動数である20kHzで振動させることで、工具9の振幅が安定して得られるように配慮されている。
【0030】
ホーン23は、鍔部23bから下に向かって順に、やや細い略一様な太さの第一の部分P1と、該第一の部分P1の下端から太さを徐々に増大させてゆく第二の部分P2と、前記第一の部分P1よりもやや太い一様な太さの第三の部分P3とを有し、この第三の部分P3の下端に前述の工具取付面23aが形成されている。このようにホーン23は、工具取付面23aに向かってP1→P2→P3と、断面積(太さ)を増大させていく部分を有し、いわゆる末広がり状(略ラッパ状)の形状を有している。
【0031】
ホーン23についてこのような形状を採用することとしたのは、シミュレーションの解析結果および実験結果に基づくものである。次に、このシミュレーション解析および実験の内容について説明する。
【0032】
先ず、ホーン23の形状として、図7の(a)(b)(c)に示すような三種類のモデルを想定した。
(a)のモデルは「末広型(ラッパ型)」のモデルであって、本実施形態で実際に採用されたモデルである。
(b)のモデルは、鍔部23bのすぐ下から工具取付面23aに至るまで全く一様な太さとされており、「ずん胴型」のモデルである。
(c)のモデルは、鍔部23bから工具取付面23aまでの間に太い部分が一旦現れるが、工具取付面23aに至るまでに再び細くなっており、「先細型」のモデルである。
これら(a)(b)(c)のモデルはいずれも、その下端面の工具取付面23aの中央部に取付孔(取付箇所)23cを形成してあり、この取付孔23cに、工具9側の凸部9aを適宜の方法(例えば、ネジ止めや焼き嵌め等)で取り付けることができるようにしている。
また、これら(a)(b)(c)のモデルはいずれも、振動の系の固有振動数が20kHzとなるよう、その形状が定められている。
【0033】
この三種類のホーンのモデル(a)(b)(c)の形状データをそれぞれコンピュータに入力した上で、各モデルについて、その上面に取り付けられた超音波振動子24が所定の振幅で20kHzで振動した場合のホーン23の振動をシミュレーション解析した。
【0034】
図8は、各モデルの振動の解析結果を示したものである。(a)(b)(c)の各モデルについて、ホーンが伸びた瞬間の状態が左側に、縮んだ瞬間の状態が右側に、それぞれ示されている。付されているハッチングは各部位の振幅を表したものであり、ハッチングの間隔が狭いほど振幅が大きいことを示している。なお、図8のスケールに示してある数値は、その箇所の振幅をホーンの最大振幅で除した無次元値である。
各ホーン23は軸対称形状であるため、図中には、軸を含んだ平面で切った断面の右半部のみを示している。また、図においては各モデルが大きく変形しているが、これは振動の様子の把握を容易とすべく誇張して表現しているためであり、実際の変形(振動)は振幅10μm未満の微小なものである。
【0035】
図8に示されるように、各モデルにおいて、ホーン支持部21に固定される鍔部23bの部分では振幅が殆どなく(最大振幅の0.1倍未満)、この部分が振動の節となっている。
そして、各モデルとも、当該鍔部23bから下に向かうにつれて、振幅が大きい部分(振動の腹)→小さい部分(振動の節)の順に現れ、工具取付面23a付近では振幅が再び大きくなっていることが分かる。
【0036】
ただし、(b)(c)では、ホーンの工具取付面23a付近で比較的大きな振幅(最大振幅の0.9倍以上)が現れているのに対し、(a)のモデルにおいて工具取付面23aの振幅は、ホーン最大振幅の0.5〜0.6倍と相対的に小さいことが分かる。
【0037】
次に、これら(a)(b)(c)の三種類のモデル形状のホーン23を、実際に鉄を用いて製作した。そして、それぞれのホーン23に工具9を取り付け、工具9の加工圧や砥粒液の供給流量や超音波振動子24の振動などの条件を同一として、実際に加工作業を行う実験を行った。
すると、振動振幅が小さく振動エネルギーの低いはずの(a)の「末広型」モデルが、他の(b)(c)のモデルに比してその加工効率が数倍以上になるという、予期せぬ結果が得られた。
【0038】
そこで、各形状のホーン23のそれぞれについて加工の様子を詳細に観察したところ、(a)の「末広型」モデルにおいては、振動している工具9に砥粒液が接触しても、工具9の振動によって飛散されず、むしろ工具9の振動によって工具9の表面に保持されていることが確認された。
一方、(b)(c)の形状のホーン23では、振動している工具9に砥粒液が接触している部分を観察すると、砥粒液の殆どが小さい飛沫となって飛散していることが確認された。
【0039】
以上のことより、三つのモデルのうち(a)の「末広型」のモデルにおいては、上記シミュレーション結果によると工具取付面23a付近において振幅の小さくかつ安定した振動が得られており、従って、この工具取付面23aに取り付けられる工具9が、砥粒液を飛散させずその表面に保持する態様で振動するものと考えられる。
そして、このようなモードで工具9を振動させた場合には、工具9の表面に砥粒液が保持されることで、工具9とワーク13との界面に到達してワーク13の加工に貢献する砥粒の割合が多くなるために、加工効率の向上という上記結果が得られたのであろうと推論される。特に、工具9とワーク13の界面の周縁部だけでなく、中央部分にも砥粒が行き渡り易くなるので、工具9の中央部分の加工が容易となり、上述のような良好な結果が得られたのであろうと推測される。
【0040】
これは、(a)の「末広型」モデルにおいては、太さを増大させてゆく前述の第二の部分P2を振動が伝播する際にその振幅が減少されて、その振動がそのまま、太さの一様な第三の部分P3を伝わって工具取付面23aに至るためであることが、一因として考えられる。即ち、この(a)の「末広型」モデルの形状は、当該第二の部分P2があるためにその振幅拡大率が1より小さくなっており、この結果として、工具取付面23a付近において振幅の小さい安定的な振動が得られるものと考えられる。
これに対し、(b)の「ずん胴型」モデルにおいては、太さを増大させる部分を有していない。また、(c)の「先細型」モデルにおいては、太さを増大させる部分を有しているが、工具取付面23aに至るまでに再び細くなっている。従って、これら(b)(c)のモデルは(a)の「末広型」モデルのような振幅を抑えた振動が工具9に得られないために、工具9表面に砥粒液を保持できず、砥粒液を周囲に飛散させている結果となっているものと考えられる。
【0041】
図9も図8と同じく上述のシミュレーションの解析結果であるが、各モデルの特に工具取付面23a付近の振動の様子について、拡大して示したものである。(a)(b)(c)の各モデルについて、ホーンが伸びた瞬間の状態が下側に、縮んだ瞬間の状態が上側に、それぞれ示されている。図9には図8と同様に、各モデルの断面の右半部が代表して示されている。
付されているハッチングは図8と同様に各部位の振幅を表したものであり、ハッチングの間隔が狭いほど振幅が大きいことを示している。但し、(a)と(b)(c)とでは前述のとおり工具取付面23aの振幅が大幅に異なるため、ハッチング間隔と振幅との対応スケールも異なるものを使用して示している。また、図9においても図8と同様に、そのスケール部分に示してある数値は、その箇所の振幅をホーンの最大振幅で除した無次元値である。
【0042】
この図9(a)に示すように、「末広型」モデルにおいては、工具取付面23aの部分が、ホーンが伸びた瞬間には下方に凸となる曲面を形成し、ホーンが縮んだ瞬間には下に凹となる曲面を形成していることが分かる。即ち、この「末広型」モデルのホーン23は、前記工具取付面23aの縁部が振動の節となるように、かつ、その中央部(工具9の取付箇所が形成されている中央部)が振動の腹となるように励振されているのである。
一方、図9(b)の「ずん胴型」モデル、(c)の「先細型」モデルにおいては、工具取付面23aの変動をほとんど認めることができない。
【0043】
このように、(a)の「末広型」モデルのホーンが、その振動時に工具取付面23aを凹←→凸と変形することで、以下のような効果が奏されることが考えられる。
即ち図10に示すように、工具取付面23aが凹面状に変形するとき(図中上側)は、ホーン23周囲にある砥粒液が工具取付面23a中央部まで吸い込まれる。その一方で、凸面状に変形するとき(図中下側)は、工具取付面23a中央部付近にある砥粒液が外側に向かって押し出される。なお、図10において砥粒は小さい点で示され、その点から向かう矢印は砥粒の流れの向きを示している。従って、工具取付面23aの上記振動によって、(i)工具9の周囲に供給された新しい砥粒を工具9に向けて吸い込むとともに、(ii)工具9とワーク13との界面に到達して既に加工に使われた使用済みの砥粒を周囲に吐き出す、ポンプのような作用が営まれる。従って、工具9の周辺部と、工具9とワーク13との界面と、の間で砥粒が循環する流れを意図的に作り出すことができる。これは、工具9の周辺部に供給された新鮮な砥粒が工具9とワーク13との間の界面に素早く到達し、かつ、加工に貢献した使用済みの砥粒が工具9とワーク13との間の界面から素早く排出されることを意味する。この効果も、上述した加工効率の向上の一因となっているものと考えられる。
【0044】
以上の実験およびその考察により明らかにされたことをまとめると、以下のとおりである。
・第一に、工具9の振幅および振動数を特定の条件(モード)とすることで、その工具9に接触する砥粒液を飛散させず、むしろ当該工具9の表面に砥粒液を保持し得る態様で当該工具9を振動させ得ることが明らかとされた。
・第二に、このような振動を工具9に与えてワーク13に加工を施す場合は、それ以外の場合に比して、高い加工効率が得られることが明らかとされた。
・第三に、上述のような振動条件を最も簡素な構成で安定的に得るには、ホーンの形状を末広型の形状(あるいは、振幅拡大率が1未満の形状)とすることが望ましいことが明らかとされた。
・第四に、ホーン23の工具取付面23aにおける縁部が振動の節となるように、中央部の工具取付箇所が振動の腹となるように励振させることが、加工効率の向上の観点から望ましいことが明らかとされた。
【0045】
本実施形態の超音波穿孔装置1は上記の知見を利用するものであって、工具9に上述のモードの振動を与えてワーク13を加工する構成とされている。この結果、上述のように加工効率の向上を図ることができるほか、無駄になる砥粒を少なくできるので、砥粒の消費量を抑制してランニングコストを低減できる。
なお、本実施形態では上述のように、砥粒液を案内棒49の外面を伝わらせて工具9の周囲に供給する構成となっている。これは、砥粒液が砥粒を分散させたものであって沈殿固化し易く、特に本実施形態のように砥粒液の供給流量を抑える場合は、細いパイプを通じて砥粒液を供給する構成とすると、パイプが容易に詰まってしまうからである。
【0046】
なお、工具9に上述のような振動を与える条件としては、本実施形態では図8に示すように、振幅5〜6μm程度、振動数20kHzとしてある。ただし、この条件に限定されるものではない。例えば、砥粒液の物性によって、工具9の表面に砥粒液を保持できる振動条件は多少異なる。
【0047】
工具9の振動が、その表面に砥粒液を保持するモードでの振動であるか否かの判定は、例えば以下の手法を用いればよい。
即ち、適宜の容器に砥粒液を入れたものを用意し、この容器内の砥粒液に工具9を浸漬させた状態で工具9を振動させ、当該振動を維持しながら容器をゆるやかに下降させて(あるいは工具9側を上昇させて)、工具9を砥粒液の液面から相対的に引き上げる形とする。このときに、工具9の表面に残った砥粒液が当該工具9をその内部に包含するような全体として大きな液滴を形成して、かつその液滴が落下しない場合は、工具9が上記のモードで振動していると判定できる。工具9の振動が停止している場合、あるいは振動条件が上述のモードから外れている場合は、工具9上の砥粒液は、微小な飛沫となって殆どが飛散するか、重力により直ちに工具9から落下することになる。
【0048】
なお、ホーン23の形状としては、前述の(a)の形状に限られるものではない。要は、工具9に対し、その周囲(表面)に砥粒液を保持できる振動を付与できれば良いのである。従って、前述の(b)あるいは(c)の形状のホーン23を用いたとしても、前記超音波振動子24の振幅などを種々変えれば、工具9の部分に砥粒液を保持させ得る態様の振動を得ることは、少なくとも理論上は不可能ではないと思われる。
しかしながら、(a)の如き末広形状のホーン23は、簡素な構成で、工具9の部分に小振幅の振動を安定して得られる点で優れている。
【0049】
更には、上述のように本実施形態のワーク13は圧電セラミック材料(PZT)としているが、本発明の技術的範囲はこの材料を加工する場合に限られない。ただし本発明では、加工圧が小さくても砥粒液内の砥粒を効率的に用いることで加工効率を向上できるため、破損し易く加工圧をあまり大きくできない脆性材料の加工に特に好適であり、またその加工仕上がりも美麗である。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0051】
即ち、請求項1に示す如く、超音波により工具を振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、前記砥粒を液体に分散された状態で前記工具の周囲に供給する、砥粒供給手段と、前記工具を、前記砥粒分散液が当該工具周辺に保持されるモードで振動させる、励振手段と、を備えたので、
砥粒分散液が工具の振動によって無駄に飛散されず、前記工具周辺に保持されることとなるから、工具周辺に供給される砥粒のうち、工具と被加工物との界面に到達して加工に貢献する砥粒の割合が多くなる。従って、加工速度が上昇する。特に、工具と被加工物の界面の周縁部だけでなく、中央部分にも砥粒が行き渡り易くなるので、工具の中央部分の加工が容易となり、加工速度の上昇による加工時間の短縮に貢献できる。
また、工具の振動によっても砥粒が殆ど飛散されず無駄が少なくなるので、ランニングコストを低減できる。
【0052】
請求項2に示す如く、前記工具はホーンに取り付けられるとともに、このホーンに超音波振動子を固定して、該超音波振動子の振動を前記ホーンを介して工具に伝達させるように構成したので、
ホーンの形状を種々設定することで、砥粒液を工具周囲に保持できるモードの振動を安定して得ることができる。
【0053】
請求項3に示す如く、前記工具は、ホーンの一側に形成された工具取付面に取り付けられるとともに、このホーンの他側に超音波振動子を固定して、該超音波振動子の振動を前記ホーンを介して工具に伝達させるように構成し、前記励振手段は、前記工具取付面における縁部が振動の節となるように、かつ、その中央部が振動の腹となるように励振するとともに、当該工具取付面の前記中央部に、前記工具を取り付けるための取付箇所が形成されているので、
工具取付面が凹状に変形したときは工具に近づく向きに砥粒が流れ、凸状に変形したときは工具から離れる向きに砥粒が流れる。このように、▲1▼工具の周辺部と、▲2▼工具と被加工物との界面と、の間で砥粒が循環する流れを意図的に作り出すことができるから、工具の周辺部に供給された新鮮な砥粒が工具と被加工物との界面に到達し易くなって、加工効率が向上する。
【0054】
請求項4に示す如く、前記ホーンは振幅拡大率が1より小さい形状に構成されているので、
工具の振幅を小さく抑えることができるから、砥粒液を工具周囲に保持し易くなる。また、工具の振動が安定的に得られる。
【0055】
請求項5に示す如く、前記ホーンは、前記工具取付面側に向かうにつれてその断面積を増大させていく部分を有するように構成したので、
前述のような工具取付面が凹←→凸となるような振動を、容易に安定して得ることができる。
【0056】
請求項6に示す如く、前記被加工物は脆性材料であるので、
加工圧を大きくしなくても大きな加工効率を得られるから、破損し易い脆性材料であっても、短時間で加工することができる。また、その加工の仕上がりも良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波穿孔装置の全体的な構成を示した側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】穿孔ヘッド部の側面図一部断面図。
【図4】同じく正面図。
【図5】同じく平面断面図。
【図6】昇降テーブルの側面断面図。
【図7】実験で想定されたホーンの形状モデルを示す斜視図。(a)は末広型、(b)はずん胴型、(c)は先細型を示す。
【図8】各モデルのホーンの振動をシミュレーション解析した結果を示す図。
【図9】各モデルにおける工具取付面近傍の振動について、シミュレーション解析結果を示す図。
【図10】末広型形状のホーンを使用して加工を行った場合の砥粒の流れを示した図。
【符号の説明】
1 超音波穿孔装置(超音波加工装置)
9 工具
13 ワーク(被加工物)
23 ホーン
23a 工具取付面
23c 取付孔(工具の取付箇所)
24 超音波振動子(励振手段)
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ultrasonic processing apparatus that performs processing by ultrasonic vibration.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a tool is ultrasonically vibrated, and abrasive grains are supplied to the periphery of the tool, and the abrasive grains are applied to the work piece by the vibration of the tool, so that the surface of the work piece follows the surface of the tool. There is known an ultrasonic processing apparatus configured so as to be able to form a film.
Also known is an ultrasonic machining apparatus configured to supply abrasive grains around a tool in a state of an abrasive liquid dispersed in an appropriate liquid.
[0003]
And as a method for improving the processing efficiency and shortening the processing time in the ultrasonic processing apparatus configuration as described above, a method for increasing the vibration amplitude of the tool or a processing pressure for pressing the tool against the workpiece is increased. Methods are conventionally known.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, if the vibration amplitude of the tool is increased in the ultrasonic processing apparatus, the abrasive grains are spattered and scattered by the vibration of the tool before reaching the interface between the tool and the workpiece, and the abrasive grains are wasted. There is a problem that the ratio of increases.
In addition, when the workpiece is, for example, a brittle material, there is a risk that the workpiece may be damaged if the vibration amplitude or processing pressure of the tool is increased, and these methods have limitations. In particular, it has been very difficult to perform precision machining on brittle materials with high yield by conventional ultrasonic machining.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The problem to be solved by the present invention is as described above. Next, means for solving the problem will be described.
[0006]
That is, according to the first aspect of the present invention, in an ultrasonic processing apparatus that forms a shape following a tool shape on a workpiece by vibrating the tool with ultrasonic waves and transmitting the vibration to the abrasive grains, the abrasive grains are liquid Abrasive grain supply means that is supplied to the periphery of the tool in a state of being dispersed in the tool, and an excitation means that vibrates the tool in a mode in which the abrasive dispersion liquid is held around the tool. It is.
Such a vibration mode can be obtained by appropriately adjusting the arrangement of the vibration source and the configuration of the vibration transmission medium with respect to the tool.
[0007]
In claim 2, the tool is attached to a horn, and an ultrasonic vibrator is fixed to the horn, and the vibration of the ultrasonic vibrator is transmitted to the tool through the horn. is there.
[0008]
In claim 3, the tool is attached to a tool mounting surface formed on one side of the horn, and an ultrasonic vibrator is fixed to the other side of the horn so that the vibration of the ultrasonic vibrator is The exciter is configured to transmit to a tool through a horn, and the excitation means excites the edge of the tool mounting surface to be a vibration node and the center to be a vibration antinode. The attachment location for attaching the tool is formed in the central portion of the tool attachment surface.
[0009]
According to a fourth aspect of the present invention, the horn is configured to have a shape with an amplitude magnification factor smaller than 1.
[0010]
In Claim 5, the said horn is comprised so that it may have a part which increases the cross-sectional area as it goes to the said tool attachment surface side.
[0011]
In the present invention, the workpiece is a brittle material.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be specifically described with reference to the accompanying drawings.
[0013]
[Schematic configuration of the entire device]
An overall side view of an ultrasonic perforation apparatus (ultrasonic processing apparatus) as an embodiment of the present invention is shown in FIG. 1, and an overall front view is shown in FIG. As shown in FIGS. 1 and 2, the ultrasonic drilling apparatus 1 has a structure in which a column 3 is erected on a base 2 installed on a floor, and a drilling head portion 4 is supported on the column 3. It has become.
[0014]
A screw shaft 5 is disposed on the column 3 in the vertical direction, and is rotatably supported. A lifting / lowering body 6 is screwed onto the screw shaft 5, and the screw shaft 5 and the lifting / lowering body 6 constitute a known ball screw mechanism. The screw shaft 5 is connected to a motor shaft of a motor 7 installed on the column 3. In this configuration, the vertical position of the elevating body 6 can be changed by rotationally driving the motor 7 in the forward and reverse directions.
The column 3 is further provided with a linear guide (not shown) in the vertical direction, and a connecting body 8 is provided so as to be vertically displaced along the linear guide. By connecting the lifting / lowering body 6 to the connecting body 8, the connecting body 8 (and consequently the drilling head part 4 provided in the connecting body 8) can be moved in the vertical direction (Z direction).
[0015]
The piercing head unit 4 is supported on the connecting body 8 so as to be slidable in the vertical direction. A tool 9 for performing drilling is attached to the drilling head portion 4, and a mechanism (excitation means) for applying ultrasonic vibration to the tool 9 is provided. The tool 9 is configured as a high hardness diamond (PCD) tool.
[0016]
A movable table 10 movable in the horizontal direction (XY direction) is installed on the base 2, and on the movable table 10, as shown in FIG. 2, the lifting table 11, the camera unit 41, and the polishing device 42 are arranged. The three are arranged side by side.
A work 13 as a workpiece can be fixed at a position on the upper surface of the lifting table 11 that can face the tool 9. Various types of work 13 can be considered, but this embodiment shows a case where a piezoelectric ceramic material (PZT) used as a piezoelectric actuator for an inkjet head such as an inkjet printer is processed.
[0017]
The camera unit 41 is for taking an image of the tool 9 from below in order to facilitate adjustment of the direction of the tool 9. The polishing device 42 is for polishing the tool mounting surface 23a when a tool mounting surface 23a of the horn 23 described later is worn by abrasive grains.
[0018]
A cover 43 is installed on the base 2 so as to cover the entire apparatus, and consideration is given so that chips generated during drilling work and an abrasive liquid described later are not scattered around. A double-open door 44 that can be opened and closed is provided on the front of the apparatus (FIG. 1), and the inside of the cover 43 can be accessed by opening the door 44 as required for work replacement work or the like.
[0019]
[Configuration of drilling head]
The configuration of the piercing head unit 4 will be specifically described mainly with reference to FIG. 3 which is a side view, FIG. 4 which is a front view, and FIG. 5 which is a plan sectional view.
The drilling head portion 4 is configured such that a tool frame 17 for supporting the tool 9 is slidably connected to a base frame 14 supported by the connecting body 8. A support shaft 15 is installed horizontally on the base frame 14, and a central portion of a balance body 16 elongated in the front-rear direction is pivotally supported on the support shaft 15 so as to be swingable.
An air cylinder 18 is installed on the base frame 14 (FIGS. 3 and 4), and the cylinder rod 19 extends downward and is connected to one end of the balance body 16. The tool frame 17 is connected to one end of the balance body 16 to which the cylinder rod 19 is connected. The base frame 14 is provided with a displacement sensor 20 so that the relative displacement of the tool frame 17 with respect to the base frame 14 can be detected.
[0020]
As shown in FIG. 3, an annular horn support portion 21 is provided at the lower end of the tool frame 17 so as to be rotatable via a bearing 22, and a horn 23 is fixed to the horn support portion 21. The horn 23 is elongated in the vertical direction, and an ultrasonic vibrator 24 is fixed to the upper part of the horn 23. A flat tool attachment surface 23a is formed at the lower end of the horn 23. A tool 9 is detachably attached. The ultrasonic vibrator 24 is a main part of the excitation means for vibrating the tool 9. Details of the shape of the horn 23 will be described later.
A plate-like cover 45 is provided so as to cover the base frame 14 and the tool frame 17 so that the internal ultrasonic transducer 24 and the like can be protected. In addition, the tool frame 17 is provided with an adjustment knob 27 that is rotated to finely adjust the angle of the tool 9 and a fixing screw 36 for fixing the tool 9 so that it does not rotate carelessly after the fine adjustment. ing.
[0021]
[Configuration of lifting table]
The structure of the raising / lowering table 11 for fixing the workpiece | work 13 is demonstrated with reference to the side view of FIG.
The elevating table 11 has a base frame 29 that is erected and fixed on the movable table 10, and an elevating frame 31 that is provided on the base frame 29 through a linear guide (not shown) so as to be movable up and down. Yes.
[0022]
A lift cylinder 30 is attached to the base frame 29, the cylinder rod 32 extends upward, and the tip thereof is connected to the lift frame 31.
The lift cylinder 30 is configured as an air cylinder, and the vertical position of the lift frame 31 can be changed by supplying / draining compressed air. A displacement sensor 33 is installed on the base frame 29 so that the vertical position of the elevating frame 31 can be measured.
A box-shaped cover 46 is provided on the lifting frame 31 to protect the internal lift cylinder 30 and the displacement sensor 33.
[0023]
The upper part of the raising / lowering frame 31 is comprised horizontally, and the workpiece base 12 for attaching the workpiece | work 13 is installed on this. A clamp mechanism 34 is provided on the lifting frame 31 at a position beside the work table 12. The clamp mechanism 34 is composed of an air cylinder. When the air cylinder is operated in a state where the workpiece 13 is placed on the workpiece table 12, the extending cylinder rod 35 presses the workpiece 13 in the horizontal direction, and the workpiece table 12 is fixed in a state where it abuts against the guide portion provided on the main body 12.
[0024]
The ultrasonic drilling device 1 includes an abrasive liquid reservoir (not shown), and a liquid in which abrasive grains (for example, SiC having a particle diameter of about 4 to 6 μm) are dispersed is injected into the abrasive liquid reservoir. Yes. An abrasive liquid circulation path comprising a pipe, a flexible hose, a pipe joint and the like is formed by connecting to the abrasive liquid reservoir, and this path is connected to the relay pipe 47 (FIG. 1, FIG. 2 and 6). A supply hole 48 is formed in the relay pipe 47, and a guide rod 49 protrudes downward at a position near the supply hole 48. The guide bar 49 is formed in a curved shape and changes its direction in an oblique direction, and its tip is located immediately above the work table 12 on the lifting table 11.
With this configuration, when a pump (not shown) installed in the abrasive liquid reservoir is driven, the abrasive liquid is sent into the relay pipe 47, and a part thereof leaks to the outside through the supply hole 48. The abrasive liquid leaking to the outer surface of the relay pipe 47 falls on the work table 12 through the guide rod 49 and is used for processing by the tool 9. Thus, the above-mentioned pump, relay pipe 47, guide rod 49, and the like constitute an abrasive supply means for supplying the abrasive liquid around the tool 9.
[0025]
[Description of drilling operation]
In the configuration described above, an operation of actually vibrating the tool 9 by ultrasonic vibration of the work 13 will be described.
First, after the work 13 is fixed on the work table 12 by the clamp mechanism 34, the moving table 10 is moved in the X and Y directions, and the motor 7 is driven to lower the perforation head unit 4, and the chain line in FIG. As shown by the above, the tool 9 is positioned just above the workpiece 13 with a slight gap.
Then, while constantly measuring the position of the lifting frame 31 with the displacement sensor 33, compressed air is supplied to the lift cylinder 30, the cylinder rod 32 is gradually extended to move the lifting frame 31 upward, and the workpiece 13 is moved. Raise. Then, the position of the lifting frame 31 at the moment when the upper surface of the work 13 comes into contact with the tool 9 is stored as a zero position in an appropriate storage means of the controller that controls the apparatus 1.
Then, the ultrasonic vibrator 24 of the drilling head unit 4 is driven, and the workpiece 13 is raised by supplying compressed air to the lift cylinder 30 while applying vertical ultrasonic vibration to the tool 9 via the horn 23. And press against the tool 9. In addition, the abrasive liquid is supplied to the periphery of the tool 9 from the relay pipe 47 via the guide rod 49 by driving the pump of the abrasive liquid circulation path.
As a result, the workpiece 13 is scraped by the abrasive grains between the workpiece 9 and grooves or holes having a shape following the tool 9 are formed on the upper surface of the workpiece 13.
[0026]
The air cylinder 18 (FIG. 3) of the drilling head unit 4 described above supports the tool frame 17 by supplying and discharging compressed air as necessary while measuring the displacement of the tool frame 17 by the displacement sensor 20. The power is adjusted. This prevents the tool 9 from being pressed against the workpiece 13 with an excessive force during the drilling operation. Therefore, even when the workpiece 13 made of a brittle material such as the piezoelectric ceramic of the present embodiment is machined, The structure is such that damage is sufficiently avoided.
[0027]
The position of the elevating frame 31 is always measured by the displacement sensor 33 (FIG. 6) while the work 13 is drilled with the tool 9. When the elevating frame 31 is raised by a predetermined distance from the zero position, the supply of compressed air to the lift cylinder 30 is stopped and the work 13 is stopped from rising. As a result, the workpiece 13 can be formed with a hole or groove having a depth of exactly the distance.
[0028]
[Horn configuration]
Next, the horn 23 that transmits the vibration of the ultrasonic transducer 24 to the tool 9 in the above-described drilling head unit 4 will be described in detail.
In this embodiment, as will be described later, a horn having a shape indicated by reference numeral 23 in FIG. 3 is used to cause the tool 9 to vibrate in a mode for holding the abrasive liquid around it. The horn 23 is made of iron and has a round bar shape that is thin in the vertical direction. A thin flange 23b is formed at a position slightly above the center in the vertical direction, and the flange 23b is fixed to the horn support 21 described above.
[0029]
The shape of the horn 23 is determined so that the natural frequency of the system including the ultrasonic transducer 24 and the tool 9 is 20 kHz. At the time of machining the workpiece 13, consideration is given to stably obtaining the amplitude of the tool 9 by vibrating the ultrasonic vibrator 24 at the natural frequency of 20 kHz.
[0030]
The horn 23 has a first portion P1 having a slightly thin and substantially uniform thickness in order from the flange portion 23b and a second portion that gradually increases in thickness from the lower end of the first portion P1. Part P2 and a third part P3 having a uniform thickness slightly thicker than the first part P1, and the aforementioned tool mounting surface 23a is formed at the lower end of the third part P3. Yes. In this way, the horn 23 has a portion where the cross-sectional area (thickness) increases toward P1 → P2 → P3 toward the tool mounting surface 23a, and has a so-called divergent shape (substantially trumpet shape). ing.
[0031]
The reason why such a shape is adopted for the horn 23 is based on the simulation analysis result and the experimental result. Next, the contents of this simulation analysis and experiment will be described.
[0032]
First, as the shape of the horn 23, three types of models as shown in FIGS. 7A, 7B, and 7C were assumed.
The model (a) is a “Suehiro type (trumpet type)” model, and is a model actually adopted in the present embodiment.
The model (b) has a completely uniform thickness from just below the flange portion 23b to the tool mounting surface 23a, and is a “pipe-type” model.
The model (c) is a “tapered” model, although a thick portion once appears between the flange 23b and the tool mounting surface 23a, but becomes thinner again until reaching the tool mounting surface 23a.
In any of these models (a), (b), and (c), a mounting hole (mounting location) 23c is formed in the center of the tool mounting surface 23a at the lower end surface, and the tool 9 side is formed in the mounting hole 23c. The convex portion 9a can be attached by an appropriate method (for example, screwing or shrink fitting).
In addition, the models of these models (a), (b), and (c) are determined so that the natural frequency of the vibration system is 20 kHz.
[0033]
After inputting the shape data of the three types of horn models (a), (b), and (c) to the computer, the ultrasonic transducer 24 attached to the upper surface of each model has a predetermined amplitude of 20 kHz. The simulation of the vibration of the horn 23 when it vibrates was performed.
[0034]
FIG. 8 shows the analysis result of the vibration of each model. For each of the models (a), (b), and (c), the state when the horn is extended is shown on the left side, and the state when the horn is contracted is shown on the right side. The hatching attached represents the amplitude of each part, and indicates that the smaller the hatching interval is, the larger the amplitude is. In addition, the numerical value shown on the scale of FIG. 8 is a dimensionless value which remove | divided the amplitude of the location by the maximum amplitude of the horn.
Since each horn 23 has an axisymmetric shape, only the right half of the cross section taken along the plane including the axis is shown in the drawing. In the figure, each model is greatly deformed because it is exaggerated to facilitate understanding of the state of vibration, and the actual deformation (vibration) is a minute with an amplitude of less than 10 μm. It is a thing.
[0035]
As shown in FIG. 8, in each model, there is almost no amplitude in the portion of the flange portion 23b fixed to the horn support portion 21 (less than 0.1 times the maximum amplitude), and this portion becomes a vibration node. Yes.
In each model, as it goes downward from the flange 23b, it appears in the order of a portion with a larger amplitude (vibration antinode) → a portion with a smaller amplitude (node of vibration), and the amplitude increases again in the vicinity of the tool mounting surface 23a. I understand that.
[0036]
However, in (b) and (c), a relatively large amplitude (0.9 times or more of the maximum amplitude) appears near the tool mounting surface 23a of the horn, whereas the tool mounting surface 23a in the model of (a). It can be seen that the amplitude of is relatively small, 0.5 to 0.6 times the maximum horn amplitude.
[0037]
Next, these three types of model-shaped horns 23 (a), (b), and (c) were actually manufactured using iron. Then, the tools 9 were attached to the respective horns 23, and an experiment for actually performing the machining operation was performed under the same conditions such as the machining pressure of the tools 9, the supply flow rate of the abrasive liquid, and the vibration of the ultrasonic vibrator 24.
Then, the “suehiro type” model (a), which should have low vibration amplitude and low vibration energy, is expected to have several times more processing efficiency than the other models (b) and (c). The result was not obtained.
[0038]
Then, when the state of processing was observed in detail for each of the horns 23 of each shape, in the “Suehiro type” model of (a), even if the abrasive liquid contacts the vibrating tool 9, the tool 9 It was confirmed that the surface of the tool 9 was held by the vibration of the tool 9 rather than being scattered by the vibration of the tool 9.
On the other hand, in the horn 23 having the shapes (b) and (c), when the portion where the abrasive liquid is in contact with the vibrating tool 9 is observed, most of the abrasive liquid is scattered as small droplets. It was confirmed.
[0039]
From the above, in the “Suehiro type” model of (a) among the three models, according to the simulation result, a stable vibration having a small amplitude is obtained in the vicinity of the tool mounting surface 23a. It is considered that the tool 9 attached to the tool attachment surface 23a vibrates in such a manner that the abrasive liquid is held on the surface without being scattered.
When the tool 9 is vibrated in such a mode, the abrasive liquid is held on the surface of the tool 9, thereby reaching the interface between the tool 9 and the work 13 and contributing to the machining of the work 13. It is inferred that the above result of improving the processing efficiency would be obtained because the proportion of abrasive grains to be increased. In particular, since the abrasive grains easily spread not only at the peripheral portion of the interface between the tool 9 and the workpiece 13 but also at the central portion, the processing of the central portion of the tool 9 is facilitated, and the above-described good results were obtained. It is speculated that.
[0040]
This is because, in the “Suehiro type” model of (a), when the vibration propagates through the second portion P2 which increases the thickness, the amplitude is decreased, and the vibration remains as it is. It is considered that this is because it reaches the tool mounting surface 23a through the uniform third portion P3. That is, the shape of the “Suehiro type” model of (a) has an amplitude enlargement ratio smaller than 1 because of the presence of the second portion P2, and as a result, the amplitude of the model near the tool mounting surface 23a is reduced. It is considered that a small and stable vibration can be obtained.
On the other hand, the “slider trunk type” model of (b) does not have a portion that increases the thickness. Further, in the “tapered” model of (c), there is a portion that increases the thickness, but it is narrowed again until reaching the tool mounting surface 23a. Therefore, these models (b) and (c) cannot hold the abrasive liquid on the surface of the tool 9 because the vibration with suppressed amplitude is not obtained in the tool 9 like the “Suehiro type” model in (a). It is considered that the result is that the abrasive liquid is scattered around.
[0041]
FIG. 9 also shows the analysis result of the above-mentioned simulation as in FIG. 8, but shows an enlarged view of the vibration state of each model, particularly in the vicinity of the tool mounting surface 23a. For each model of (a), (b), and (c), the state when the horn is extended is shown on the lower side, and the state when the horn is contracted is shown on the upper side. In FIG. 9, as in FIG. 8, the right half of the cross section of each model is shown as a representative.
The hatching shown represents the amplitude of each part as in FIG. 8, and indicates that the smaller the hatching interval is, the larger the amplitude is. However, since the amplitude of the tool mounting surface 23a is significantly different between (a), (b), and (c), the corresponding scales of hatching intervals and amplitudes are different. Also in FIG. 9, as in FIG. 8, the numerical value shown in the scale portion is a dimensionless value obtained by dividing the amplitude of that portion by the maximum amplitude of the horn.
[0042]
As shown in FIG. 9A, in the “Suehiro type” model, the tool mounting surface 23a portion forms a curved surface that protrudes downward when the horn is extended, and at the moment when the horn contracts. It can be seen that forms a curved surface that is concave downward. That is, the horn 23 of this “Suehiro type” model has an edge portion of the tool attachment surface 23a serving as a vibration node, and a central portion thereof (a central portion where the attachment portion of the tool 9 is formed). It is excited to become a vibration belly.
On the other hand, in the “cylinder type” model of FIG. 9B and the “tapered type” model of FIG. 9C, almost no variation of the tool mounting surface 23a can be recognized.
[0043]
As described above, it is conceivable that the horn of the “Suehiro type” model (a) deforms the tool mounting surface 23a from the concave to the convex at the time of vibration, and the following effects can be obtained.
That is, as shown in FIG. 10, when the tool mounting surface 23a is deformed into a concave shape (upper side in the figure), the abrasive liquid around the horn 23 is sucked to the center of the tool mounting surface 23a. On the other hand, when deforming into a convex shape (lower side in the figure), the abrasive liquid near the center of the tool attachment surface 23a is pushed outward. In FIG. 10, the abrasive grains are indicated by small points, and an arrow from the point indicates the direction of the abrasive grain flow. Therefore, by the vibration of the tool mounting surface 23a, (i) new abrasive grains supplied around the tool 9 are sucked toward the tool 9, and (ii) the interface between the tool 9 and the work 13 has already been reached. Acts like a pump that discharges used abrasive grains used for processing to the surrounding area. Therefore, it is possible to intentionally create a flow in which abrasive grains circulate between the peripheral portion of the tool 9 and the interface between the tool 9 and the workpiece 13. This is because fresh abrasive grains supplied to the periphery of the tool 9 quickly reach the interface between the tool 9 and the workpiece 13, and used abrasive grains that contribute to the processing are the tool 9 and the workpiece 13. It means that it is discharged quickly from the interface between. This effect is also considered to contribute to the improvement of the processing efficiency described above.
[0044]
The following is a summary of what has been clarified by the above experiment and its discussion.
First, by setting the amplitude and frequency of the tool 9 to specific conditions (modes), the abrasive liquid that contacts the tool 9 is not scattered, but rather the abrasive liquid is held on the surface of the tool 9 It has been clarified that the tool 9 can be vibrated in such a manner.
Secondly, it has been clarified that when such a vibration is applied to the tool 9 and the workpiece 13 is machined, a higher machining efficiency can be obtained than in other cases.
Third, in order to stably obtain the vibration conditions as described above with the simplest configuration, it is desirable that the shape of the horn is a divergent shape (or a shape with an amplitude magnification factor of less than 1). It was made clear.
Fourthly, from the viewpoint of improving machining efficiency, it is possible to excite so that the edge of the tool mounting surface 23a of the horn 23 becomes a vibration node so that the center of the tool mounting portion becomes an antinode of vibration. Desired to be desirable.
[0045]
The ultrasonic drilling apparatus 1 of the present embodiment utilizes the above knowledge, and is configured to process the workpiece 13 by applying vibrations in the above-described mode to the tool 9. As a result, the processing efficiency can be improved as described above, and the amount of abrasive grains that are wasted can be reduced, so that the consumption of abrasive grains can be suppressed and the running cost can be reduced.
In the present embodiment, as described above, the abrasive liquid is supplied to the periphery of the tool 9 along the outer surface of the guide rod 49. This is a composition in which the abrasive liquid is a dispersion of abrasive grains and is easy to precipitate and solidify. In particular, when the supply flow rate of the abrasive liquid is suppressed as in this embodiment, the abrasive liquid is supplied through a thin pipe. This is because the pipe is easily clogged.
[0046]
In this embodiment, as shown in FIG. 8, the conditions for giving the above-described vibration to the tool 9 are an amplitude of about 5 to 6 μm and a frequency of 20 kHz. However, it is not limited to this condition. For example, the vibration conditions for holding the abrasive liquid on the surface of the tool 9 are slightly different depending on the physical properties of the abrasive liquid.
[0047]
For example, the following method may be used to determine whether or not the vibration of the tool 9 is vibration in a mode in which the abrasive liquid is held on the surface thereof.
That is, prepare an appropriate container filled with the abrasive liquid, vibrate the tool 9 with the tool 9 immersed in the abrasive liquid in the container, and gently lower the container while maintaining the vibration. The tool 9 is lifted relatively from the liquid surface of the abrasive liquid. At this time, if the abrasive liquid remaining on the surface of the tool 9 forms a large droplet as a whole so as to include the tool 9 therein, and the droplet does not fall, the tool 9 It can be determined that it vibrates in the mode. When the vibration of the tool 9 is stopped, or when the vibration condition is out of the above-described mode, the abrasive liquid on the tool 9 is almost scattered as a fine droplet, or the tool is immediately caused by gravity. It will fall from 9.
[0048]
The shape of the horn 23 is not limited to the shape of (a) described above. The point is that the tool 9 only needs to be vibrated to hold the abrasive liquid around it (surface). Therefore, even if the horn 23 having the shape (b) or (c) described above is used, the abrasive liquid can be held in the portion of the tool 9 by variously changing the amplitude of the ultrasonic vibrator 24 or the like. It seems that it is not impossible at least theoretically to obtain vibration.
However, the divergent horn 23 as shown in (a) is excellent in that a small amplitude vibration can be stably obtained in the portion of the tool 9 with a simple configuration.
[0049]
Furthermore, as described above, the workpiece 13 of the present embodiment is a piezoelectric ceramic material (PZT), but the technical scope of the present invention is not limited to processing this material. However, in the present invention, since the processing efficiency can be improved by efficiently using the abrasive grains in the abrasive liquid even if the processing pressure is low, it is particularly suitable for processing brittle materials that are easily damaged and cannot be increased too much. And the processing finish is also beautiful.
[0050]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, the following effects can be obtained.
[0051]
That is, as shown in claim 1, in an ultrasonic processing apparatus for forming a shape following a tool shape on a workpiece by vibrating a tool with ultrasonic waves and transmitting the vibration to the abrasive grains, the abrasive grains are Abrasive grain supply means for supplying the periphery of the tool in a state of being dispersed in a liquid, and an excitation means for vibrating the tool in a mode in which the abrasive dispersion liquid is held around the tool. So
Since the abrasive dispersion liquid is not scattered unnecessarily by the vibration of the tool and is held around the tool, it reaches the interface between the tool and the workpiece among the abrasive grains supplied around the tool. The proportion of abrasive grains that contribute to processing increases. Therefore, the processing speed increases. In particular, since the abrasive grains easily spread not only at the peripheral part of the interface between the tool and the workpiece but also at the central part, machining of the central part of the tool becomes easy and it can contribute to shortening of the processing time by increasing the processing speed. .
Further, since the abrasive grains are hardly scattered by the vibration of the tool and waste is reduced, the running cost can be reduced.
[0052]
Since the tool is attached to the horn and an ultrasonic vibrator is fixed to the horn, the vibration of the ultrasonic vibrator is transmitted to the tool through the horn. ,
By setting the shape of the horn in various ways, it is possible to stably obtain vibration in a mode that can hold the abrasive liquid around the tool.
[0053]
According to a third aspect of the present invention, the tool is attached to a tool mounting surface formed on one side of the horn, and an ultrasonic vibrator is fixed to the other side of the horn so as to vibrate the ultrasonic vibrator. It is configured to transmit to the tool via the horn, and the excitation means excites so that an edge portion of the tool mounting surface becomes a vibration node and a central portion thereof becomes a vibration antinode. In addition, since an attachment point for attaching the tool is formed in the central portion of the tool attachment surface,
When the tool mounting surface is deformed into a concave shape, the abrasive particles flow toward the tool, and when the tool mounting surface is deformed into a convex shape, the abrasive particles flow away from the tool. In this way, it is possible to intentionally create a flow in which abrasive grains circulate between (1) the peripheral part of the tool and (2) the interface between the tool and the work piece. The supplied fresh abrasive grains easily reach the interface between the tool and the workpiece, and the processing efficiency is improved.
[0054]
As shown in claim 4, since the horn is configured in a shape having an amplitude magnification ratio smaller than 1,
Since the amplitude of the tool can be kept small, the abrasive liquid can be easily held around the tool. Moreover, the vibration of the tool can be obtained stably.
[0055]
As shown in claim 5, since the horn is configured to have a portion that increases its cross-sectional area toward the tool mounting surface side,
Such vibration that the tool mounting surface is concave ← → convex can be easily and stably obtained.
[0056]
As shown in claim 6, since the workpiece is a brittle material,
Since high processing efficiency can be obtained without increasing the processing pressure, even a brittle material that is easily damaged can be processed in a short time. Moreover, the finish of the process is also favorable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing an overall configuration of an ultrasonic drilling apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a front view of the same.
FIG. 3 is a side sectional view of a perforation head part.
FIG. 4 is a front view of the same.
FIG. 5 is a plan sectional view of the same.
FIG. 6 is a side sectional view of the lifting table.
FIG. 7 is a perspective view showing a shape model of a horn assumed in an experiment. (A) shows a divergent type, (b) a barrel type, and (c) shows a tapered type.
FIG. 8 is a diagram showing a result of simulation analysis of horn vibration of each model.
FIG. 9 is a diagram showing a simulation analysis result of vibration in the vicinity of the tool mounting surface in each model.
FIG. 10 is a diagram showing the flow of abrasive grains when processing is performed using a horn having a divergent shape.
[Explanation of symbols]
1 Ultrasonic drilling device (ultrasonic processing device)
9 Tool 13 Workpiece (Workpiece)
23 Horn 23a Tool mounting surface 23c Mounting hole (Tool mounting location)
24 Ultrasonic transducer (excitation means)

Claims (6)

超音波により工具を振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、前記砥粒を液体に分散された状態で前記工具の周囲に供給する、砥粒供給手段と、
前記工具を、前記砥粒分散液が当該工具周辺に保持されるモードで振動させる、励振手段と、
を備えたことを特徴とする超音波加工装置。
In an ultrasonic processing apparatus that forms a shape following a tool shape on a workpiece by vibrating the tool with ultrasonic waves and transmitting the vibration to the abrasive grains, the tool is in a state where the abrasive grains are dispersed in a liquid. Abrasive grain supply means for supplying to the periphery of
An excitation means for vibrating the tool in a mode in which the abrasive dispersion is held around the tool;
An ultrasonic processing apparatus comprising:
請求項1に記載の超音波加工装置であって、
前記工具はホーンに取り付けられるとともに、このホーンに超音波振動子を固定して、該超音波振動子の振動を前記ホーンを介して工具に伝達させるように構成したことを特徴とする超音波加工装置。
The ultrasonic processing apparatus according to claim 1,
The ultrasonic processing characterized in that the tool is attached to a horn, an ultrasonic vibrator is fixed to the horn, and the vibration of the ultrasonic vibrator is transmitted to the tool through the horn. apparatus.
請求項2に記載の超音波加工装置であって、
前記工具は、ホーンの一側に形成された工具取付面に取り付けられるとともに、このホーンの他側に超音波振動子を固定して、該超音波振動子の振動を前記ホーンを介して工具に伝達させるように構成し、
前記励振手段は、前記工具取付面における縁部が振動の節となるように、かつ、その中央部が振動の腹となるように励振するとともに、
当該工具取付面の前記中央部に、前記工具を取り付けるための取付箇所が形成されていることを特徴とする超音波加工装置。
The ultrasonic processing apparatus according to claim 2,
The tool is attached to a tool mounting surface formed on one side of the horn, an ultrasonic vibrator is fixed to the other side of the horn, and the vibration of the ultrasonic vibrator is applied to the tool via the horn. Configured to communicate,
The excitation means excites so that an edge portion of the tool mounting surface becomes a vibration node and a center portion thereof becomes a vibration antinode,
An ultrasonic machining apparatus, wherein an attachment location for attaching the tool is formed at the central portion of the tool attachment surface.
請求項3に記載の超音波加工装置であって、前記ホーンは振幅拡大率が1より小さい形状に構成されていることを特徴とする超音波加工装置。4. The ultrasonic processing apparatus according to claim 3, wherein the horn is configured to have a shape with an amplitude expansion ratio smaller than 1. 5. 請求項3または請求項4に記載の超音波加工装置であって、
前記ホーンは、前記工具取付面側に向かうにつれてその断面積を増大させていく部分を有するように構成したことを特徴とする超音波加工装置。
The ultrasonic processing apparatus according to claim 3 or 4, wherein:
The ultrasonic processing apparatus according to claim 1, wherein the horn has a portion whose cross-sectional area is increased toward the tool mounting surface.
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の超音波加工装置であって、前記被加工物は脆性材料であることを特徴とする超音波加工装置。The ultrasonic processing apparatus according to any one of claims 1 to 5, wherein the workpiece is a brittle material.
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