JP3985389B2 - 光ディスク記録装置、光ディスクの記録方法及び光ディスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク記録装置、光ディスクの記録方法及び光ディスクに関し、例えばグルーブにより所望のデータを記録する光ディスクシステムに適用することができる。本発明は、変調信号を多重化してグルーブの蛇行等を形成する際に、1ビットを記録するグルーブ等の角間隔をほぼ一定値に保持したまま、レーザービーム照射位置が外周側に変位するに従って多重化するデータ量を増大させることにより、情報記録面を有効に利用して所望のデータを記録し、またノイズの影響を有効に回避してこの記録したデータを高速度でアクセスすることができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンパクトディスク等の光ディスクにおいては、所定の基準周期を基準にして順次ピット列又はマーク列を形成することにより、所望のデータを記録するようになされており、この記録方式として角速度一定の条件(CAV:Constant Angular Velocity )によるものと、線速度一定の条件(CLV:Constant Liner Velocity )によるものとが提案されている。
【0003】
すなわち角速度一定の条件による記録方式においては、光ディスクを一定の回転速度により回転駆動してアクセスするものであり、例えばサンプルサーボによるアドレスデータの記録方式を適用することにより、格段的にアクセス速度を向上することができる。
【0004】
すなわちサンプルサーボにおいては、情報記録面に放射状に同期パターンを記録し、ジャストトラッキングしていない場合でも、この同期パターンよりクロックを再生可能とする方法であり、この同期パターンにトラックアドレスを割り当てることにより、シーク中でもトラックアドレスを検出することができ、その分アクセス速度を向上することができる。
【0005】
しかしながらこの方法の場合、内周側における線速度により外周側の記録密度が制限されることにより、またユーザーデータを記録することができるエリアが同期パターンと同期パターンとの間に限られてしまうことにより、情報記録面を有効に利用することが困難な欠点がある。
【0006】
これに対して線速度一定の条件による記録方式においては、レーザービーム照射位置における線速度が一定となるように、レーザービーム照射位置に応じて光ディスクの回転速度を可変する方式であり、この方式の場合、光ディスクの内外周で記録密度を等しくすることができ、その分角速度一定の条件による場合に比して情報記録面を有効に利用して記録密度を向上することができる。
【0007】
しかしながらレーザービーム照射位置に応じて光ディスクの回転速度を切り換えることが必要なことにより、アクセスに時間を要し、またスピンドルサーボ系の制御が煩雑になり、さらには消費電力が増大する欠点がある。
【0008】
このため例えば特開平7−111048号公報にあっては、この種の光ディスクを角速度一定の条件により回転駆動すると共に、その結果アクセス位置に応じて変化するデータ転送速度に対応するように再生系の動作を切り換えるように構成することにより、線速度一定の条件により所望のデータを記録した光ディスクを角速度一定の条件によりアクセスする方法が開示されている。
【0009】
この方法においては、ジャストトラッキングしてアドレスを検出することにより、サンプルサーボには及ばないものの、アクセス時間を短縮することができ、またスピンドルモータの回転制御回路を簡略化することができ、さらにはスピンドルモータに高トルクのモータを使用する必要がないことにより、装置全体としての消費電力を低減することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来の光ディスク装置においては、光ディスクにレーザービームを照射して得られる戻り光の受光結果を短い時間間隔により2値識別してピット列により記録されたデータを再生する。これにより従来の光ディスクにおいては、ノイズの混入等によりビット誤りが発生する欠点があった。
【0011】
このようなノイズの混入等によるビット誤りを有効に回避して所望のデータを高密度記録することができれば、便利であると考えられる。このとき線速度一定の条件により所望のデータを記録する場合のように、情報記録面を有効に利用することが望まれる。
【0012】
このような記録において、特開平7−111048号公報に開示のように、さらにはサンプルサーボによる場合のように、高速度でアクセスするができれば、便利であると考えられる。
【0013】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、情報記録面を有効に利用して所望のデータを記録し、またノイズの影響を有効に回避してこの記録したデータを高速度でアクセスすることができる光ディスク記録装置、光ディスクの記録方法及び光ディスクを提案しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1又は請求項9に係る発明においては、光ディスク記録装置又は光ディスクの記録方法に適用して、1のデータ列における1ビットに対応するレーザービーム照射軌跡の長さが、ほぼ一定の角間隔であるようにして、外周側程、多重化するデータ量を増大させる。
【0015】
また請求項15に係る発明においては、光ディスクに適用して、1のデータ列における1ビットに対応するレーザービーム照射軌跡の長さが、ほぼ一定の角間隔であるように設定されて、外周側程、多重化するデータ量が増大されてなるようにする。
【0017】
請求項1又は請求項9に係る構成によれば、光ディスク記録装置又は光ディスクの記録方法に適用して、1のデータ列における1ビットに対応するレーザービーム照射軌跡の長さが、ほぼ一定の角間隔であるようにして、外周側程、多重化するデータ量を増大させることにより、グルーブ壁面の蛇行等により1ビットのデータをトラックの長手方向に分散させて記録するようにしてノイズの影響を有効に回避する場合に、1ビットを割り当てる角間隔においては内外周でほぼ等しく設定して、外周側ではデータの多重化により一定の角間隔の領域に記録するデータ量を増大させることができ、これにより線速度一定の条件による場合のように情報記録面の有効利用を図ることができる。
【0018】
このとき1のデータ列における1ビットに対応するレーザービーム照射軌跡の長さが、ほぼ一定の角間隔であるようにすることにより、外周側にあっては、1ビットを分散記録するレーザービーム照射軌跡の長さが長くなる。従って、例えば角速度一定の条件によりディスク状記録媒体を駆動して、光学系を含めた伝達特性においては、内周側に比して外周側で周波数特性が向上し、これにより外周側で多重化するデータ量を増大させて、このデータを確実に再生することが可能となる。
【0019】
またこのように1ビットを記録するレーザービーム照射軌跡の長さをほぼ一定値に保持して、外周側では多重化するデータ量を増大させれば、角速度一定の条件によりディスク状記録媒体をアクセスして、アクセス速度を向上することができる。
【0020】
これらにより請求項15に係る構成によれば、1ビットを記録する前記レーザービーム照射軌跡の長さをほぼ一定値に保持したまま、外周側程、多重化するデータ量が増大されてなることにより、情報記録面を有効に利用して所望のデータを記録し、またノイズの影響を有効に回避してこの記録したデータを高速度でアクセスすることができる光ディスクを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0023】
(1)実施の形態の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る光ディスク記録装置1を示すブロック図である。この光ディスク記録装置1は、ディスク原盤2を露光して情報源3A及び3Bより出力されるユーザーデータDA、DBをディスク原盤2に記録する。光ディスクの製造工程では、このディスク原盤2を現像した後、電鋳処理することにより、マザーディスクを作成し、このマザーディスクよりスタンパーを作成する。さらに光ディスクの製造工程では、このようにして作成したスタンパーよりディスク基板を作成し、このディスク基板に反射膜、保護膜を形成して光ディスクを作成する。
【0024】
すなわちこの光ディスク記録装置1において、スピンドルモータ4は、ディスク原盤2を回転駆動し、底部に保持したFG信号発生回路より、所定の回転角毎に信号レベルが立ち上がるFG信号FGを出力する。スピンドルサーボ回路5は、このFG信号FGの周波数が所定の周波数になるようにスピンドルモータ4を駆動し、これによりディスク原盤2を角速度一定の条件により回転駆動する。
【0025】
レーザー6は、ガスレーザー等により構成され、ディスク原盤露光用のレーザービームL1を射出する。光変調器7は、電気音響光学素子等で構成されるAOM(Acoustic Optical Modulator)であり、同期信号SYに応じてレーザービームL1オンオフを制御することにより、同期パターン発生回路8より出力される同期信号SYに応じて光量が変化してなるレーザービームL1を出射する。これにより光変調器7は、所定のタイミングでレーザービームL1に同期パターンを介挿して射出する。
【0026】
ビームスプリッタ9は、この光変調器7より出射されるレーザビームを2本の光束に分割して出射し、ミラー10は、この2つのレーザービームLA及びLBのうちの、ビームスプリッタ9で反射されたレーザービームLBの光路を折り曲げ、残るレーザービームLAとほぼ平行な光路により出射する。
【0027】
光偏向器11Aは、電気音響光学素子などで構成されるAOD(Acoustic Optical Deflector)であり、変調信号VpAに応じてレーザービームLAの射出方向をディスク原盤2の半径方向に対応する方向に変位させて出射する。これに対して光偏向器11Bは、同様に、電気音響光学素子などで構成されるAODであり、変調信号VpBに応じてレーザービームLBの射出方向をディスク原盤2の半径方向に対応する方向に変位させて出射する。
【0028】
このようにして得られたレーザービームLA及びLBは、ミラーMA及びMBにより光路が折り曲げられてディスク原盤2に向けて出射され、対物レンズ12によりディスク原盤2に集光される。これらミラーMA及びMB及び対物レンズ12は、図示しないスレッド機構により、ディスク原盤2の回転に同期してディスク原盤2の外周方向に順次移動し、これによりレーザービームLA及びLBによる露光位置を順次ディスク原盤2の外周方向に変位させる。
【0029】
これによりこの光ディスク記録装置1では、ディスク原盤2を角速度一定の条件により回転駆動した状態で、ミラーMA、MB及び対物レンズ12の移動によりらせん状にグルーブを形成するようになされている。
【0030】
ここで図2に示すように、この光ディスク記録装置1においては、ディスク原盤2の法線と対物レンズ12の光軸とがほぼ一致するように設定され、この対物レンズ12の光軸に対して所定の傾きにより一方のレーザービームLAが入射される。これによりこの光ディスク記録装置1では、レーザービームLAの集光位置において、このレーザービームLAの光軸が対物レンズ12の光軸より0.1〔μm〕だけ離間した位置でディスク原盤2の表面と交差するようになされ、この離間した方向がディスク原盤2の半径方向になるようになされている。
【0031】
これに対して光ディスク記録装置1は、対物レンズ12の光軸を通るディスク原盤2の円周方向に延長する平面に対して、残るレーザービームLBをレーザービームLAと対称に対物レンズ12に入射し、これによりレーザービームLAとは逆側であって、対物レンズ12の光軸より0.1〔μm〕だけ離間した位置において、レーザービームLBの光軸がディスク原盤2の表面と交差するようになされている。これにより光ディスク記録装置1においては、2つのレーザービームLA及びLBによるビームスポットがディスク原盤2の半径方向に0.2〔μm〕だけ離間して、一部重なり合って形成されるようになされている。
【0032】
ディスク原盤2は、このように2つのビームスポットSA及びSBが一部重なり合って露光された後、現像された際に、この2つのビームスポットSA及びSBの照射軌跡に1つのグルーブに対応する細長い突起が形成されるように、感光剤の感度等が設定されるようになされている。これによりこの光ディスク記録装置1においては、レーザービームLA及びLBによりグルーブの内側壁面及び外側壁面を形成するようになされている。
【0033】
さらにこのとき光ディスク記録装置1においては、このビームスポットSA及びSBを形成するレーザービームLA及びLBの出射方向が光偏向器11A及び11Bによりディスク原盤2の半径方向に変位することにより、それぞれこの光偏向器11A及び11Bを駆動する変調信号VpA及びVpBに応じてグルーブの内周側壁面及び外周側壁面を独立して蛇行させるようになされている。
【0034】
これによりこの実施の形態では変調信号VpA及びVpBの信号レベルの変化に対応するようにグルーブの内周側壁面及び外周側壁面の連続的な変位であるアナログ的な記録により所望のデータを記録するようになされ、従来のコンパクトディスク等ピット列により所望のデータを記録する場合のような、歪み、ノイズ等によるビット誤りの発生を防止するようになされている。
【0035】
タイミングジェネレータ(TG)14は、FG信号FGを基準にして、この光ディスク記録装置1の動作基準でなる種々の基準信号を生成して出力する。タイミングジェネレータ14は、この基準信号の生成処理において、チャンネルクロックCKを生成し、さらにこのチャンネルクロックCKを分周してデータ転送用クロックBCLK、タイミング信号SLCT等を生成して出力する。
【0036】
なおここでデータ転送用クロックBCLKは、記録に供するデータを転送する転送基準のクロックであり、この実施の形態ではディスク原盤2が所定の角間隔だけ回転する周期で出力される。またタイミング信号SLCTは、同期信号SYをディスク原盤2に記録するタイミングを示す基準信号であり、この実施の形態ではディスク原盤2の1回転に所定回数出力されるようになされ、これにより光ディスク記録装置1においては、ディスク原盤2に所定の角間隔で同期信号SYを記録して、この同期信号SYによる同期パターンを放射状のパターンとして記録する。
【0037】
かくするにつき同期パターン発生回路8は、このタイミング信号SLCTを基準にして同期信号SYを生成して出力する。ここで同期信号SYは、再生時の基準となる同期のパターン、アドレス情報、サーボ情報等により構成され、データ転送用クロックBCLKの再生に必要な基準信号、チャンネルクロックCKの再生に必要な基準信号が少なくとも含まれる。この実施の形態において、同期パターンは、大まかなトラッキング制御によっても正しくアドレス情報を検出可能に、例えばグレイコードによりアドレス情報等が割り当てらてるようになされている。これによりこの光ディスク記録装置1では、サンプルサーボを手法の適用してディスク原盤2より作成される光ディスクをアクセスできるようになされている。
【0038】
情報源3A及び3Bは、このタイミングジェネレータ14より出力される基準信号を基準にして、また後段である誤り訂正符号発生回路(ECC)15A及び15Bにおけるデータ処理に同期したタイミングにより順次所定のユーザーデータDA及びDBを出力する。
【0039】
誤り訂正符号発生回路15A及び15Bは、それぞれこのデータDA及びDBを受け、誤り訂正符号(ECC:Error Correcting Code )を付加した後、インターリーブ処理して出力する。このとき誤り訂正符号発生回路15A及び15Bは、それぞれ処理結果を8ビットバラレルのデータDA1(ab0、ab1、……、ab7)及びDB1(bb0、bb1、……、bb7)により出力する。このとき誤り訂正符号発生回路15A及び15Bは、後段であるビット数変換回路16A及び16Bにおけるデータ処理に対応して処理結果を出力する。
【0040】
ビット数変換回路16A及び16Bは、半径カウンタ17より出力されるトラック番号RXに応じて、それぞれ誤り訂正符号発生回路15A及び15Bより出力される8ビットバラレルのデータDA1(ab0、ab1、……、ab7)及びDB1(bb0、bb1、……、bb7)を所定ビットパラレルのデータにより出力する。
【0041】
すなわち半径カウンタ17は、FG信号FGを分周してカウントし、ディスク原盤2の露光開始時にカウント値をリセットする。これにより半径カウンタ17は、ディスク原盤2が1回転する毎にカウント値をアップカウントして、ディスク原盤2の半径方向について、レーザービームLA及びLBの照射位置をトラック番号により示すカウント値を取得し、このカウント値をトラック番号RXとして出力する。かくするにつきこのトラック番号RXは、同期パターン発生回路8で生成される同期パターンSYのアドレス情報のうちの、トラック番号のアドレスと対応することになる。
【0042】
ビット数変換回路16A及び16Bは、このトラック番号RXに応じて、内周側よりディスク原盤2の情報記録面を3つの領域に分割し、レーザービーム照射位置が最内周の領域である場合、8ビットパラレルにより入力されるデータDA1及びDB1を4ビットパラレルに変換して出力する。またレーザービーム照射位置が続く外周側の領域である場合、8ビットパラレルにより入力されるデータDA1及びDB1を6ビットパラレルに変換して出力し、レーザービーム照射位置が最外周の領域である場合、8ビットパラレルにより入力されるデータDA1及びDB1をそのままのビット数により出力する。
【0043】
ここで図3は、ビット数変換回路16Aを示すブロック図である。なおビット数変換回路16Bにおいては、処理対象のデータが異なる点を除いて、このビット数変換回路16Aと同一に構成されることにより、ここではビット数変換回路16Aについてのみ詳細構成を説明し、ビット数変換回路16Bについての詳細構成の説明は省略する。
【0044】
すなわちビット数変換回路16Aにおいて、半径デコーダ19は、トラック番号RXをカウントすることにより、上述したようにディスク原盤2を内周側より3つの領域に分割してなる各領域を示す領域判定信号を生成し、この領域判定信号をデータセレクタ20の切り換え信号として出力する。
【0045】
8−4ビット変換回路(8−4変換)21は、8ビットパラレルにより入力されるデータDA1(DB1)をラッチし、この8ビットのデータDA1(DB1)の上位側4ビットのデータを出力した後、続いて下位側4ビットのデータを出力する。これにより8−4ビット変換回路21は、8ビットパラレルによる1バイトのデータDA1(DB1)を4ビットパラレルによる2バイトのデータに変換して出力する。
【0046】
8−6ビット変換回路(8−6変換)22は、8ビットパラレルにより入力されるデータDA1(DB1)について、このデータDA1(DB1)の連続する3バイトを単位にして順次ラッチし、この8ビットパラレル×3バイトのデータDA1(DB1)を6ビットパラレル×4バイトのデータに変換して出力する。
【0047】
データセレクタ20は、半径デコーダ19より出力される切り換え信号を基準にして、これら8−4ビット変換回路21、8−6ビット変換回路22の出力データ、誤り訂正符号発生回路15Aの出力データDA1を選択出力する。すなわちデータセレクタ20は、レーザービーム照射位置が最内周の領域である場合(例えばRX<10000の場合)、8−4ビット変換回路21より出力される4ビットパラレルのデータを選択し、このデータを下位側4ビットab0〜ab3に割り当て、さらにその上位に論理0である4ビットのデータab4〜ab7を割り当てて出力する。
【0048】
またデータセレクタ20は、レーザービーム照射位置が続く外周側の領域である場合(例えば10000<RX<15000の場合)、8−6ビット変換回路22より出力される6ビットパラレルのデータを選択し、このデータを下位側6ビットab0〜ab5に割り当て、さらにその上位に論理0である2ビットのデータab6、ab7を割り当てて出力する。
【0049】
これに対してレーザービーム照射位置が最外周の領域である場合(例えば15000<RXの場合)、誤り訂正符号発生回路15Aの出力データDA1を選択し、このデータを8ビットab0〜ab7のデータにより出力する。
【0050】
これらの処理においてデータセレクタ20は、データ転送用クロックBCLKに同期して出力データを順次送出する。これにより光ディスク記録装置1においては、レーザービーム照射位置に応じてこのデータセレクタ20より送出されるユーザーデータのデータ量が変化することになる。またこのデータ送出の周期にあっては、レーザービーム照射位置である露光位置が変化しても、一定の周期に保持される。
【0051】
これにより情報源3A及び3B、誤り訂正符号発生回路15A及び15Bにおいては、それぞれ後段のデータ処理に同期したタイミングにより順次データ出力することにより、このビット数変換回路16A及び16Bより送出されるデータDA1のビット数に応じてデータ転送速度を可変することになり、これによりディスク原盤2に設定された領域に応じて、データ転送速度を順次段階的に切り換えるようになされている。
【0052】
これらにより光ディスク記録装置1では、角速度一定の条件により光ディスクを回転駆動して内周側と外周側とで変化する線速度に応じて、外周側程、ユーザーデータDA及びDBのデータ転送速度を増大させてディスク原盤2に記録し、ディスク原盤2の情報記録面の全面において記録密度をほぼ最適化するようになされている。
【0053】
変調回路26A及び26Bは、ビット数変換回路16A及び16Bの出力データDA2(ab0、ab1、……、ab7)及びDB2(bb0、bb1、……、bb7)を変調して変調信号を生成した後、この変調信号を多重化することにより、レーザービームL1の変調に使用する変調信号VpA及びVpBを生成して出力する。
【0054】
図4は、変調回路26Aを示すブロック図である。なお変調回路26Bにおいては、処理対象のデータが異なる点を除いて、このビット数変換回路26Aと同一に構成されることにより、ここではビット数変換回路26Aについてのみ詳細構成を説明し、ビット数変換回路16Bについての詳細構成の説明は省略する。
【0055】
変調回路26Aにおいて、レベル変換回路(LT)27A〜27Hは、それぞれDフリップフロップ、加算回路及び振幅調整回路等により同一に構成される。レベル変換回路27A〜27Hは、それぞれデータDA2の各ビットab0〜ab7を受け、0レベルから所定の信号レベルに立ち上がる各ビットab0〜ab7のデータについて、信号レベルが0レベルを中心に変化するように補正して出力する。
【0056】
すなわち図5に示すように、レベル変換回路27A〜27Hは、Dフリップフロップ28において、データ転送用クロックBCLKを基準にして各ビットab0〜ab7の連続するデータを順次ラッチして保持する。因みに、これら各ビットab0〜ab7のデータは、TTL(Transistor Transistor Logic)レベルによりDフリップフロップ28から出力され、これによりこのDフリップフロップ28の出力端電圧VSは、0〔V〕から+4〔V〕程度の範囲で変化する
【0057】
バイアス発生回路29は、このDフリップフロップ28の出力端電圧VSの振幅値Vspに対して、その1/2の負側電圧−Vsp/2によるバイアス用の直流電圧を発生して出力する。加算回路30は、Dフリップフロップ28より出力される各ビットab0〜ab7のデータに対して、この直流電圧を加算することにより、これら各ビットab0〜ab7の信号レベルが、0〔V〕を中心にして−2〔V〕〜2〔V〕の範囲で変化するように補正して出力する。
【0058】
増幅回路(G1)31は、この加算回路30の出力データを所定の利得で増幅して出力することにより、各ビットab0〜ab7の信号レベルが、0〔V〕を中心にして−1〔V〕〜1〔V〕の範囲で変化するように補正する。これによりレベル変換回路27A〜27Hは、データDA2の各ビットab0〜ab7に対応して、信号レベルが0〔V〕を中心にして−1〔V〕〜1〔V〕の範囲で変化してなる8系統の極性信号P0〜P7を出力する。
【0059】
クロック発生回路33は、チャンネルクロックCKを基準にして変調信号の生成に供するクロックCK1〜CK4を生成する。ここでクロックCK1及びCK2は、それぞれチャンネルクロックCKを16分周及び8分周して生成されるクロックであり、クロックCK3及びCK4は、チャンネルクロックCKを4分周及び2分周して生成されるクロックである。クロック発生回路33は、クロックCK3及びCK4については、レーザービーム照射位置がディスク原盤2の外周側に変位すると、順次送出を開始するようになされている。
【0060】
すなわち図6に示すように、クロック発生回路33において、分周回路(1/16)34は、チャンネルクロックCKを16分周して第1のクロックCK1を生成するのに対し、続く分周回路(1/8)35は、チャンネルクロックCKを8分周して第2のクロックCK2を生成する。
【0061】
分周回路(1/4)36は、チャンネルクロックCKを4分周して第3のクロックCK3を生成し、この第3のクロックCK3をアンド回路37に出力する。続く分周回路(1/2)38は、チャンネルクロックCKを2分周して第4のクロックCK4を生成し、この第4のクロックCK4をアンド回路39に出力する。
【0062】
半径デコーダ40は、トラック番号RXをカウントし、その結果得られるカウント値の識別結果を2系統のイネーブル信号EN1及びEN2としてそれぞれアンド回路37及び39に出力する。これにより半径デコーダ40は、ビット数変換回路16A、16Bについて上述したディスク原盤2の3つの領域について、レーザービーム照射位置が最内周の領域である場合、第3及び第4クロックCK3及びCK4の送出を中止するように、アンド回路37及び39の動作を制御する。これに対してレーザービーム照射位置が続く外周側の領域である場合、第3のクロックCK3については送出を開始するように、また第4クロックCK4については引き続き送出を中止するように、アンド回路37及び39の動作を制御する。さらにレーザービーム照射位置が最外周の領域である場合、第3及び第4のクロックCK3及びCK4を送出するようにアンド回路37及び39の動作を制御する。
【0063】
変調回路26A及び26Bは、これによりディスク原盤2を角速度一定の条件により回転駆動した状態で、レーザービーム照射位置がディスク原盤2の外周側に変位してレーザービーム照射位置における線速度が増大すると、その分変調に使用するクロックの種類を周波数の低い側より順次増大させ、ビット数変換回路16A、16Bから出力されるデータDA2、DB2について、この増大させたクロックによりデータ転送速度の増大分を変調するようになされている。
【0064】
バンドパスフィルタ(BPF)42A〜42Dは(図4)、それぞれクロックCK1〜CK4を帯域制限することにより、これらクロックCK1〜CK4の基本周波数信号を抽出して出力する。すなわちバンドパスフィルタ42Aは、クロックCK1を帯域制限して周波数f1による基準信号SAを生成するのに対し、バンドパスフィルタ42Bは、クロックCK2を帯域制限して、基準信号SAに対して周波数が2倍である周波数f2による基準信号SBを生成する。バンドパスフィルタ42Cは、クロックCK3を帯域制限して、基準信号SAに対して周波数が3倍である周波数f3による基準信号SCを生成するのに対し、バンドパスフィルタ42Dは、クロックCK4を帯域制限して、基準信号SAに対して周波数が4倍である周波数f4による基準信号SDを生成する。
【0065】
+45°位相シフト回路(+45°)43A、43B、43C及び43Dは、それぞれバンドパスフィルタ42A〜42Dより出力される正弦波信号SA〜SDの位相を45度進ませて出力する。すなわち図7に示すように、+45°位相シフト回路43A、43B、43C及び43Dは、それぞれ抵抗44及びコンデンサ45によるローパスフィルタに正弦波信号SA〜SDを入力する。ここで各+45°位相シフト回路43A、43B、43C及び43Dにおいては、正弦波信号SA〜SDの周波数fに対してそれぞれ次式の関係式が成立するように、抵抗44の抵抗値R44及びコンデンサ45の容量C45が選定されるようになされ、これにより正弦波信号SA〜SDの位相を45度進ませて出力する。
【0066】
【数1】
【0067】
増幅回路46は、このローパスフィルタの出力信号を3〔dB〕増幅して出力することにより、このように位相を補正して変化する信号レベルを補正する。これらにより+45°位相シフト回路43A、43B、43C及び43Dは、それぞれ正弦波信号による一定振幅の基準信号S1、S3、S5、S7を出力する。
【0068】
−45°位相シフト回路(−45°)48A、48B、48C及び48Dは、それぞれバンドパスフィルタ42A〜42Dより出力される正弦波信号SA〜SDの位相を45度遅延させて出力する。すなわち図8に示すように、−45°位相シフト回路48A、48B、48C及び48Dは、それぞれコンデンサ49及び抵抗50によるハイパスフィルタに正弦波信号SA〜SDを入力する。ここで各−45°位相シフト回路48A、48B、48C及び48Dにおいては、正弦波信号SA〜SDの周波数fに対してそれぞれ次式の関係式が成立するように、コンデンサ49の容量C49及び抵抗50の抵抗値R50が選定されるようになされ、これにより正弦波信号SA〜SDの位相を45度遅延させて出力する。
【0069】
【数2】
【0070】
増幅回路51は、このハイパスフィルタの出力信号を3〔dB〕増幅して出力することにより、このように位相を補正して変化する信号レベルを補正する。これらにより−45°位相シフト回路48A、48B、48C及び48Dは、それぞれ余弦波信号でなる一定振幅の基準信号S2、S4、S6、S8を出力する。
【0071】
これらにより+45°位相シフト回路43A、43B、43C、43D及び−45°位相シフト回路48A、48B、48C、48Dは、次式により示すように、基本周波数f1の整数倍となるように周波数が設定されてなる周波数の異なる複数組の直交する基準信号S1〜S8を生成するようになされている。
【0072】
【数3】
【0073】
乗算回路53A〜53Hは(図4)、これら各基準信号S1〜S8をそれぞれレベル変換回路27A〜27Hより出力される極性信号P0〜P7と乗算することにより、これら各基準信号S1〜S8をそれぞれ対応する極性信号P0〜P7により変調して出力する。
【0074】
増幅回路54A〜54Hは、それぞれ乗算回路53A〜53Hの出力信号を増幅して出力する。これにより増幅回路54A〜54Hより出力される変調信号V1〜V8においては、それぞれ増幅回路54A〜54Hの利得をK1〜K8とおいて次式により表される。
【0075】
【数4】
【数5】
【0076】
ここでこれら増幅回路54A〜54Hは、光学系を介して再生時に検出されるこれら各変調信号V1〜V8の振幅がほぼ等しくなるように、次式により示すように、増幅対象でなる変調信号V1〜V8の周波数が高くなるに従って利得K1〜K8が増大するように設定される。
【0077】
すなわち光ディスクを再生する場合には、再生に使用する光スポットの大きさが有限であるために再生信号の振幅が周波数成分によって変化し、一般の再生系に用いられる光学系では、ほぼ周波数が高くなるに従って再生信号の振幅も減少する。増幅回路54A〜54Hは、このような周波数特性による影響を軽減するために、入力されるキャリア信号S1〜S8の周波数に応じて増幅率K1〜K8が次式に示す関係に設定され、これにより記録再生系の周波数特性を補正するようになされている。
【0078】
【数6】
【0079】
加算回路55は、これら変調信号V1〜V8を加算して加算信号Vkを出力する。バイアス発生回路56は、この加算信号Vkの信号レベルの変化が光偏光器11Aの駆動に適した信号レベルの変化になるように、所定のバイアス電圧を生成して出力する。加算回路42は、このバイアス発生回路41より出力されるバイアス電圧を加算信号Vkに加算して変調信号VpA(VpB)を出力することにより、0レベルを中心にして信号レベルが変化する加算信号Vkを0レベルより信号レベルが立ち上がる変調信号VpA(VpB)に変換する。
【0080】
図9は、このようにして光ディスク記録装置1で露光されたディスク原盤2より作成される光ディスクを示す斜視図である。ディスク原盤2においては、レーザービームの出射方向が変調信号VpA及びVpBにより変調され、さらに基準信号S1〜S8による変調信号V1〜V8を加算して変調信号VpA及びVpBが生成されていることにより、連続した露光軌跡の内周側及び外周側の軌跡が変調信号VpA及びVpBの信号レベルに応じて変化するように露光される。
【0081】
これにより光ディスク60においては、図9において符号Aにより拡大して示すように、変調信号VpA及びVpBの信号レベルに応じて内周側壁面及び外周側壁面が蛇行してなるグルーブが形成される。またこの連続したグルーブにおいて、一定の間隔で、ピット列による同期パターンが記録される。これにより光ディスク60においては、サンプルサーボを適用してアドレス検出できるようになされている。なおこのようにして形成されるグルーブにおいては、幅が極めて細くなり、あたかも途切れてランドとなるような場合もある。
【0082】
さらに角速度一定の条件によりディスク原盤2を駆動して、外周側に向かうに従って、順次段階的に、これらグルーブ壁面を蛇行させる基準である変調信号V1〜V8の系列が増大することにより、各変調信号V1〜V8の1ビットが記録されるグルーブの長さについては、内外周で一定の角間隔に設定され、かつ外周側に向かうに従って順次段階的に変調信号V1〜V8の多重化によるデータ量が増大してデータDA及びDBが記録される。
【0083】
これにより光ディスク60においては、角速度一定の条件により回転駆動して増大する外周側の線速度に応じて、外周側で記録密度を増大するようになされている。
【0084】
なおこの光ディスクの製造工程においては、このようにして形成したグルーブの蛇行により戻り光の偏光面が効率よく変化するように、ディスク原盤2に塗布する感光剤の選定、露光の条件、現像の条件等の選定により、グルーブの深さ、ディスク表面に対するグルーブ壁面の傾き等が最適化されて、光ディスク60が形成されるようになされている。
【0085】
図10は、この光ディスク60を再生する光ディスク再生装置を示すブロック図である。この光ディスク再生装置61において、スピンドルモータ62は、光ディスク60に記録された同期パターンを基準にしたサーボ回路63の制御により光ディスク60を角速度一定の条件により回転駆動する。
【0086】
光ピックアップ64は、光ディスク60にレーザービームを照射し、その戻り光を受光することにより、戻り光の偏光面に応じて信号レベルが変化する偏光検出信号TRFを生成する。また光ピックアップ64は、この偏光検出信号TRFの生成とは別に、所定の受光素子により戻り光を受光し、その受光結果A〜Hを出力する。
【0087】
すなわち図11に示すように、光ピックアップ64において、半導体レーザ70は、一定の光量により直線偏光のレーザービームを射出する。半導体レーザ70は、光ディスク60の情報記録面において、このレーザービームの偏光面がグルーブの延長方向に対して45度の角度になるように配置される。これにより半導体レーザ70は、光ディスク60に対してグルーブの延長方向に対して平行な偏光成分と垂直な偏光成分との合成光によりレーザービームを照射し、その結果グルーブの蛇行により戻り光の偏光面が変化するようになされている。
【0088】
続くコリメータレンズ71は、半導体レーザ70より射出されたレーザービームを平行光線に変換する。続くグレーティング72は、コリメータレンズ71より出射されたレーザービームを0次の回折光であるメインビームと、+1次及び−1次の回折光であるサイドビームとに分離し、これらメインビーム及びサイドビームによるレーザービームをビームスプリッタ74で反射させて対物レンズ73に出射する。
【0089】
対物レンズ73は、ビームスプリッタ74より入射するメインビーム及びサイドビームによるレーザービームを光ディスク60に照射し、さらにこれらメインビーム及びサイドビームによる光ディスク60からの戻り光を受光する。
【0090】
ここで後述するディテクタ77の受光面と対比させて図12に示すように、光ピックアップ64は、このようにしてメインビーム及びサイドビームによりレーザービームを光ディスク60に照射して形成される光スポット(以下メインスポット及びサイドスポットと呼ぶ)SM及びSS1、SS−1が光ディスク60におけるグルーブの延長する方向に並ぶように、メインビーム及びサイドビームによるレーザービームを照射する。さらに光ピックアップ64は、メインスポットSMがジャストトラッキングによりグルーブの壁面に照射されたとき、各サイドスポットSS1、SS−1がそれぞれ光ディスク60の内周側及び外周側において、このグルーブの壁面にほぼ接するように、メインビーム及びサイドビームによるレーザービームを照射する。これにより光ディスク再生装置61では、いかゆる3スポット法によりトラッキング制御できるようになされている。
【0091】
ビームスプリッタ74は(図11)、グレーティング72より入射するメインビーム及びサイドビームを反射して対物レンズ73に出射するのに対し、対物レンズ73より入射する戻り光を透過して光路を分離し、ビームスプリッタ75に出射する。
【0092】
ビームスプリッタ75は、ビームスプリッタ74より入射する戻り光を透過及び反射することにより、この戻り光を2条の光束に分離して出射する。
【0093】
集光レンズ76は、ビームスプリッタ75を透過した戻り光を入射し、この戻り光を収束光束に変換する。なお集光レンズ76より出射される戻り光は、図示しないシリンドリカルレンズにより非点収差が与えられる。
【0094】
ディテクタ77は(図12)、集光レンズ76より出射されるメインビーム及びサイドビームによる戻り光を受光する。ここでディテクタ77においては、光ディスク60の半径方向及び円周接線方向にそれぞれ対応する方向に延長する分割線により受光面を4つの領域A〜Dに分割したディテクタ77SMによりメインビームによる戻り光を受光する。またディテクタ77は、光ディスク60の円周接線方向に対応する方向に延長する分割線により受光面を領域E及びFと、領域G及びHとにそれぞれ分割したディテクタ77SS1、77SS−1により各サイドビームの戻り光を受光する。ディテクタ77は、これら各領域A〜Hの受光結果をそれぞれ出力する。
【0095】
集光レンズ78は、ビームスプリッタ75で反射された戻り光を入射し、この戻り光を収束光束に変換する。
【0096】
ピンホール79は、戻り光の集光位置に設置され、メインビーム及びサイドビームによる戻り光のうち、中心部のメインビームによる戻り光を選択的に通過する。これにより光ディスク再生装置61では、グルーブ壁面の内外周にそれぞれビームースポットを形成してなるサイドビームの戻り光については、偏光面の検出に利用しないようにし、グルーブ壁面の蛇行検出の感度を向上するようになされている。
【0097】
コリメータレンズ80は、ピンホール79を通過した戻り光を平行光線に変換する。位相補償板81は、コリメータレンズ80より出射された戻り光に所定の位相差を与え、これにより光ディスク60の複屈折等による偏光面の変化を補正する。これにより位相補償板81は、グルーブ壁面の蛇行により変化する偏光面の検出精度を向上する。
【0098】
偏光ビームスプリッタ82は、位相補償板81より出射される戻り光を受け、紙面に垂直な偏光方向の成分(S偏光成分)を反射すると共に紙面に平行な偏光方向の成分(P偏光成分)を透過し、これにより偏光面に応じて相補的に光量が変化する2条の光束に戻り光を分離する。
【0099】
ディテクタ83及び84は、偏光ビームスプリッタ82により分離された2条の光束をそれぞれ受光し、受光光量に応じて信号レベルの変化する受光結果K及びJを出力する。減算器85は、この2つのディテクタ83及び84の受光結果K及びJを受け、これら受光結果K及びJの差分信号を生成することにより、戻り光の偏光面に応じて信号レベルが変化する偏光検出信号TRFを生成して出力する。
【0100】
光ピックアップ64は、図示しないスレッド機構により光ディスク60の半径方向に可動できるように構成され、これにより光ディスク60に形成されたグルーブの内周側壁面又は外周側壁面より選択的に偏光検出信号TRFを検出できるようになされている。
【0101】
マトリックス回路(MA)65は(図10)、オペアンプ等により構成され、光ピックアップ64より出力される領域A〜Hの受光結果を図示しない電流電圧変換回路により電流電圧変換処理した後、続く増幅回路により所定利得で増幅する。さらにマトリックス回路65は、各領域A〜Hの電流電圧変換結果を対応する符号により表して次式により示すように、これら受光結果を演算処理し、これによりフォーカスエラー信号FS、トラッキングエラー信号TK、再生信号HFを生成する。
【0102】
【数7】
【0103】
かくするにつきこのようにして得られたトラッキングエラー信号TKは、メインスポットSMの中心がグルーブ壁面の蛇行中心を走査しているときに信号レベルが0レベルとなり、この蛇行中心よりメインスポットSMが内周側及び外周側に変位すると、それぞれ0レベルより正側及び負側に信号レベルが変化する。
【0104】
これによりサーボ回路63においては、トラッキングエラー信号TKの信号レベルが0レベルになるように光ピックアップ64の対物レンズ73を可動することにより、グルーブ壁面の蛇行中心と各メインビームSMの中心とが一致するようにトラッキング制御することになる。またサーボ回路63は、フォーカスエラー信号FSの信号レベルが0レベルになるように、対物レンズ73を可動し、これによりフォーカス制御する。
【0105】
PLL回路87は、同期パターンより得られる再生信号HFを選択的に処理することにより、データ転送用クロックBCLK、チャンネルクロックCKを再生する。
【0106】
アドレス復号回路88は、再生信号HFより同期パターンを検出し、この同期パターンよりトラック番号によるアドレス情報AXを復号して出力する。なお光ディスク再生装置61においては、上述したように光ディスク60に記録された同期パターンによりスピンドルモータを制御すると共に、この同期パターンよりアドレス情報を取得し、このアドレス情報を基準にして光ディスク60をアクセスするようになされている。これにより光ディスク再生装置61では、いわゆるサンプルサーボにより光ディスク60をアクセスするようになされている。
【0107】
復号回路89は、光ディスク記録装置1について上述した変調回路26A、26Bに対応し、データ転送用クロックBCLK、チャンネルクロックCK、アドレス情報AXを基準にして偏光検出信号TRFを処理することにより、グルーブの内周側壁面、外周側壁面の蛇行により記録されたデータDA2(ab0〜ab7)、DB2(bb0〜bb7)を再生する。
【0108】
ビット数変換回路90は、光ディスク記録装置1について上述したビット数変換回路16A、16Bに対応し、復号回路89により再生された再生データDA2、DB2を元の8ビットパラレルのデータDA1、DB1に変換して出力する。
【0109】
誤り訂正回路(ECC)91は、再生データDA1、DB1をインターリーブ処理した後、記録時に付加した誤り訂正符号(ECC:Error Correcting Code )に基づいて誤り訂正処理し、その結果得られる再生データDA又はDBを必要に応じて外部機器に出力する。
【0110】
図13は、復号回路89を示すブロック図である。復号回路89において、クロック再生回路93は、トラック番号によるアドレス情報AXを基準にしてチャンネルクロックCKを分周することにより、記録時に生成したクロックCK1〜CK4を再生して出力する。
【0111】
すなわち図14に示すように、クロック再生回路93において、分周回路(1/16)94は、チャンネルクロックCKを16分周して第1のクロックCK1を生成するのに対し、続く分周回路(1/8)95は、チャンネルクロックCKを8分周して第2のクロックCK2を生成する。
【0112】
分周回路(1/4)96は、チャンネルクロックCKを4分周して第3のクロックCK3を生成し、この第3のクロックCK3をアンド回路97に出力する。続く分周回路(1/2)98は、チャンネルクロックCKを2分周して第4のクロックCK4を生成し、この第4のクロックCK4をアンド回路99に出力する。
【0113】
アドレスデコーダ100は、トラック番号によるアドレス情報AXをカウントし、その結果得られるカウント値の識別結果を2系統のイネーブル信号EN1及びEN2としてそれぞれアンド回路97及び99に出力する。これによりアドレスデコーダ100は、光ディスク記録装置1について上述したディスク原盤2の3つの領域について、レーザービーム照射位置が最内周の領域である場合、第3及び第4クロックCK3及びCK4の送出を中止するように、アンド回路97及び99の動作を制御する。これに対してレーザービーム照射位置が続く外周側の領域である場合、第3のクロックCK3については送出を開始するように、また第4クロックCK4については引き続き送出を中止するように、アンド回路97及び99の動作を制御する。さらにレーザービーム照射位置が最外周の領域である場合、第3及び第4のクロックCK3及びCK4を送出するようにアンド回路97及び99の動作を制御する。
【0114】
バンドパスフィルタ(BPF)102A〜102Dは(図13)、それぞれクロックCK1〜CK4を帯域制限して出力することにより、クロックCK1〜CK4の高調波成分を抑圧して記録時において生成した正弦波信号SA〜SDをそれぞれ再生する。
【0115】
+45°位相シフト回路(+45°)103A〜103Dは、それぞれ光ディスク記録装置1における+45°位相シフト回路43A〜43Dと同一に構成され、これによりそれぞれ正弦波信号SA〜SDの位相を45度進ませてなる基準信号S1、S3、S5及びS7を出力する。
【0116】
−45°位相シフト回路(−45°)104A〜104Dは、それぞれ光ディスク記録装置1における−45°位相シフト回路(−45°)48A〜48Dと同一に構成され、それぞれ正弦波信号SA〜SDの位相を45度遅延させてなる基準信号S2、S4 、S6、S8を出力する。
【0117】
これらにより+45°位相シフト回路103A〜103Dと、−45°位相シフト回路104A〜104Dとは、記録時に生成したと同一の、周波数が異なる複数組の直交した基準信号S1〜S8を生成する。
【0118】
乗算回路105A〜105Hは、偏光検出信号TRFと各基準信号S1〜S8とをそれぞれ乗算し、その乗算結果M1〜M8を出力する。積分回路(Σ)106A〜106Hは、データ転送用クロックBCLKの周期で乗算回路105A〜105Hの出力信号M1〜M8を積分して出力する。
【0119】
かくするにつきこの実施の形態において、周波数が整数倍の直交する正弦波信号の組により基準信号S1〜S8が構成され、またこのうちの最も周波数の低い基準信号S1に同期して変化するビットab0〜ab7により対応する基準信号S1〜S8をそれぞれ変調した後、加算して変調信号VpA、VpBを生成していることにより、データ転送用クロックBCLKの周期で乗算結果M1〜M8を積分して得られる積分結果X1〜X8は、対応する各ビットab0〜ab7の論理レベルに応じて値が変化し、対応しない他のビットab0〜ab7の論理レベルによっては信号レベルが変化しないようになる。
【0120】
比較回路107A〜107Hは、積分結果X1〜X8を所定のしきい値と比較することにより、光ディスク記録装置1におけるビットab0〜ab7(bb0〜bb7)の信号レベルを再生して出力する。Dフリップフロップ108A〜108Hは、各比較回路107A〜107Hの出力信号をデータ転送用クロックBCLKによりラッチし、これによりab0〜ab7(bb0〜bb7)による再生データDA2(DB2)を出力する。
【0121】
図15は、ビット数変換回路90の構成を示すブロック図である。ここで記録時の処理に対応して、復号回路89の出力データDA2、SB2においては、光ディスクの最内周の領域においては、8ビットのうちの下位側4ビットにユーザーデータが割り当てられ、上位側4ビットに対応する周期の成分については、記録時、クロック発生回路33においてクロックCK3、CK4の出力を中止して何ら光ディスク60に記録されていないことにより、論理「0」のデータが継続して出力されることになる。
【0122】
また続く外周側の領域においては、8ビットのうちの下位側6ビットにユーザーデータが割り当てられ、上位側2ビットに対応する周期の成分については、記録時、クロック発生回路33においてクロックCK4の出力を中止して何ら光ディスク60に記録されていないことにより、論理「0」のデータが継続して出力されることになる。
【0123】
これに対して最外周の領域においては、8ビットの全てにユーザーデータが割り当てられて再生される。
【0124】
これによりビット数変換回路90において、4−8ビット変換回路(4−8変換)110は、再生データDA2(DB2)の下位側4ビットを入力してラッチし、連続する2バイト×4のデータを8ビット×1のデータに変換して出力する。
【0125】
6−8ビット変換回路(6−8変換)111は、再生データDA2(DB2)の下位側6ビットを入力してラッチし、連続する4バイト×6のデータを8ビット×3のデータに変換して出力する。
【0126】
アドレスデコーダ112は、トラック番号によるアドレス情報AXをカウントすることにより、光ディスク60を内周側より3つの領域に分割してなる各領域の領域判定信号を生成し、この領域判定信号をデータセレクタ113の切り換え信号として出力する。
【0127】
データセレクタ113は、アドレスデコーダ112より出力される切り換え信号を基準にして、これら8−4ビット変換回路21、8−6ビット変換回路22の出力データ、復号回路89の出力データDA2、(DB2)を選択出力する。すなわちデータセレクタ20は、レーザービーム照射位置が最内周の領域である場合(例えばRX<10000の場合)、4−8ビット変換回路110より出力されるデータを選択出力する。またレーザービーム照射位置が続く外周側の領域である場合(例えば10000<RX<15000の場合)、6−8ビット変換回路111の出力データを選択し、レーザービーム照射位置が最外周の領域である場合(例えば15000<RXの場合)、復号回路89の出力データDA2、(DB2)を選択出力する。
【0128】
(2)実施の形態の動作
以上の構成において、情報源3Aより出力されるデータDAは(図1)、誤り訂正符号発生回路15Aにおいて誤り訂正符号が付加されてインターリーブ処理された後、8ビットパラレルによりビット数変換回路16Aに入力され、ここでディスク原盤2に設定された最内周の領域に記録する場合には、4ビットパラレルのデータに変換されるのに対し、続く外周側領域、最外周の領域にそれぞれ記録する場合には、それぞれ6ビットパラレルのデータに変換され、また8ビットパラレルのデータのまま続く変調回路26Aに入力される(図3)。
【0129】
この変調回路26Aにおいて(図4及び図5)、これらのデータDA2は、データ転送用クロックBCLKに同期したタイミングにより順次入力され、レベル変換回路20A〜20Hによりそれぞれ0レベルを基準にして信号レベルが変化するように信号レベルが補正されて極性信号P0〜P7が生成される。
【0130】
変調回路26Aにおいては(図4及び図6)、チャンネルクロックCKを分周して、それぞれ周波数f1のクロックCK1、周波数f1の2倍の周波数である周波数f2のクロックCK2、周波数f1の3倍の周波数である周波数f3のクロックCK3、周波数f1の4倍の周波数である周波数f4のクロックCK4が生成され、バンドパスフィルタ42A〜42DによりこれらクロックCK1〜CK4から周波数が整数倍に設定されてなる直交信号である正弦波信号S1、S3、S5、S7及び余弦波信号S2、S4、S6、S8である基準信号S1〜S8が生成される(図7及び図8)。
【0131】
変調回路26Aにおいては(図4)、これらの基準信号S1〜S8と対応する極性信号P0〜P7とが乗算されて変調信号V1〜V8が生成され、これらの変調信号V1〜V8が加算されて変調信号VpAが生成される。
【0132】
光ディスク記録装置1においては、この変調信号VpAによりレーザービームLAの出射方向がディスク原盤2の半径方向に変位され、これによりディスク原盤2の露光軌跡が変調信号VpAの信号レベルに応じて蛇行するように形成される。さらにこのディスク原盤2を処理して作成される光ディスクにおいて、対応するグルーブ壁面が変調信号VpAに応じて蛇行するように形成される。
【0133】
これによりこの実施の形態では、基準信号S1〜S8を変調して生成された変調信号V1〜V8の多重化により変調信号VpAが生成されると共に、この変調信号VpAに応じてレーザービームLAが変調され、グルーブの変化であるグルーブ壁面の蛇行により所望のデータDAが記録される。
【0134】
このようにしたグルーブ壁面の蛇行による記録にあっては、1ビットのデータが所定長さのグルーブ壁面に割り当てられて、1ビットがこの所定長さのグルーブの総合的な変化として記録される。すなわちこのグルーブの長さに対応するデータ転送用クロックBCLKの1周期に分散されて、1ビットのデータが記録されることになる。これに対して従来の光ディスクにおいては、ピット又はマークにおけるエッジのタイミングにより1ビットのデータを順次記録再生することになる。
【0135】
これによりこの実施の形態において、このディスク原盤2より作成される光ディスク60の再生結果は、瞬間的なノイズの影響が低減されて実効的なSNRを向上することができ、またノイズによるビット誤りを有効に回避して高密度記録のマージを充分に確保することが可能となる。
【0136】
このようにしてグルーブ壁面の蛇行を形成するにつき、この実施の形態では、変調回路26Aの増幅回路54A〜54Hにおいて(図4)、周波数が高い変調信号程大きな利得で増幅され、これにより再生時においては、何れの変調信号V1〜V8においてもほぼ等しい振幅により再生されるように、記録再生系における周波数特性に対応して変調信号VpAの信号レベルが補正されてグルーブ壁面の蛇行が形成される。
【0137】
これにより多重化された各変調信号V1〜V8については、充分なSN比により再生することができ、これによってもノイズによるビット誤りを有効に回避して高密度記録のマージを充分に確保することが可能となる。
【0138】
またこのようにしてグルーブの壁面の変化を検出して得られる再生信号の周波数帯域においては、これら基準信号S1〜S8の振幅変調による周波数帯域を合成したものとなる。これによりこの種のシステムにおけるノイズの集中する周波数帯域を避けるように基準信号S1〜S8の周波数を設定して、さらに一段と実効的なSNRを向上することができ、その分従来に比して高密度記録に対するマージンを充分に確保することが可能となる。
【0139】
さらにこのノイズの周波数帯域だけでなく、記録再生系全体の周波数特性に応じて正弦波信号SA〜SDの周波数を設定することにより、記録再生系の周波数特性を有効かつ効率良く利用して高密度記録することが可能となる。
【0140】
また光ディスク記録装置1においては、誤り訂正符号発生回路15B、ビット数変換回路16B、変調回路26Bにより、情報源3BからのデータDBが同様に処理されて変調信号VpBが生成され、この変調信号VpBにより残るグルーブ壁面の蛇行が形成され、これにより同様にして情報源3BのデータDBについても記録される。
【0141】
これによりこのディスク原盤2より作成される光ディスク60においては、グルーブの内周側壁面と外周側壁面とにそれぞれ独立したデータDA及びDBが戻り光の偏光面の変化により検出可能に記録され、その分単にグルーブの蛇行により所望のデータを記録する場合に比して、さらには何れか一方のグルーブ壁の蛇行だけにより所望のデータを記録する場合に比して、所望のデータを高密度に記録することが可能となる。
【0142】
かくするにつき、このようなデータDA及びDBとして2系統のオーディオデータをそれぞれ割り当てるようにすれば、何れかの所望のオーディオデータによる音楽を選択的に試聴することも可能となる。
【0143】
ところで光ディスク記録装置1において、ディスク原盤2は、スピンドルサーボ回路5により角速度一定の条件により回転駆動された状態でレーザービームLA及びLBにより露光される。またレーザービームLA及びLBを変調する変調信号VpA及びVpBにあっては、一定の周波数であるデータ転送用クロックBCLKを基準にして生成される。これによりディスク原盤2において、1ビットのデータが割り当てられてなるグルーブの長さは、ディスク原盤2の内周側と外周側とで等しい角間隔となる。これにより光ディスク60においては、角速度一定の条件により回転駆動して、内周側領域及び外周側領域をそれぞれアクセスする場合でも、一定の繰り返し周期によりグルーブ壁面の蛇行を検出、処理して、光ディスク60に記録されたデータを再生することが可能となる。従ってその分、簡易な構成により高密度記録されてなる光ディスク60を高速度でアクセスすることが可能となる。
【0144】
このような角速度一定の条件による記録において、光ディスク記録装置1では、最内周の領域を記録する場合には、変調回路26A、26Bのクロック発生回路33において(図4及び図6)、周波数f3及びf4による基準信号S5〜S8の生成が中止されて、4つの変調信号V1〜V4の多重化により変調信号VpAが生成され、またビット数変換回路16Aより4ビットに変換されたデータDA1により変調してこれらの変調信号V1〜V4が生成される。
【0145】
また続く外周側領域を記録する場合には、周波数f4による基準信号S7及びS8の生成が中止されて、6つの変調信号V1〜V6の多重化により変調信号VpAが生成され、またビット数変換回路16Aより6ビットに変換されたデータDA1により変調してこれら変調信号V1〜V6が生成される。
【0146】
また最外周の領域を記録する場合には、8つの変調信号V1〜V8の多重化により変調信号VpAが生成され、またビット数変換回路16Aより出力される8ビットによるデータDA1により変調してこれら変調信号V1〜V8が生成される。
【0147】
これにより光ディスク記録装置1では、複数の変調信号V1〜V8の多重化により変調信号VpA、VpBを生成して、各変調信号V1〜V8を生成するデータ列の1ビットについては、ディスク原盤2の内外周で等しい角間隔となるようにした状態で、外周側程、変調信号V1〜V8の生成に供する基準信号S1〜S8の数が増大されると共に、これに対応して変調に供するデータDA1及びDB1生成におけるデータ配列が切り換えられ、これにより外周側程多重化するデータ量が増大される。これにより光ディスク記録装置1では、線速度一定の条件により記録する場合と同様にして、情報記録面を有効利用することが可能となる。
【0148】
かくするにつき、光ディスクの再生においては、有限径のレーザービームを照射して得られる戻り光を受光して光ディスクに記録されたデータを再生する系であることにより、角速度一定の条件により再生する場合には、内周側に比して外周側程、利用可能な周波数帯域が増大し、またこの周波数帯域の増大が高域側で発生することになる。
【0149】
これによりこの実施の形態では、外周側程、変調信号VpA、VpBの生成に供する変調信号V1〜V8の数を増大して、すなわち外周側に向かうに従って、基準信号S1〜S8の数を順次段階的に増大させると共に、これと対応するようにビット数変換回路16A、16Bの処理を切り換えることにより、このように外周側に増大する周波数帯域を有効に利用して情報記録面を有効利用することができ、これにより角速度一定の条件により再生する場合でも、多重化したデータを確実に再生することが可能となる。
【0150】
またこのとき、周波数の低い側より、順次、変調信号VpA、VpBの生成に供する変調信号V1〜V8の数を増大させることにより、このようにして周波数帯域が拡大する側に変調信号VpA、VpBの周波数帯域が拡大するようにでき、これによっても多重化したデータを確実に再生することが可能となる。
【0151】
このようにしたグルーブ壁面の蛇行による情報源3A及び3BのデータDA及びDBの記録において、光ディスク記録装置1では、同期パターン発生回路8によりトラック番号を含む同期信号SYが生成され、この同期信号SYによりレーザービームL1が間欠的にオンオフ制御され、このオンオフ制御されたレーザービームLAが2つの光束に分離されてグルーブ壁面の蛇行形成に供される。
【0152】
これにより光ディスク60においては、グルーブが途中で途切れ、ピット列により同期信号SYが記録されることになる。
【0153】
このとき光ディスク記録装置1においては、ディスク原盤2の1回転に所定回数だけ同期信号SYが記録され、これにより光ディスク60においては、トラック番号を含んでなる同期パターンが放射状に記録される。これにより光ディスク60では、サンプルサーボの手法を適用して高速アクセスすることが可能となる。
【0154】
かくするにつきこの光ディスク60は(図10)、光ピックアップ64よりレーザービームが照射され、その戻り光が光ピックアップ64により受光され、その受光結果より記録されたデータが再生される。このとき光ディスク再生装置61においては、光ディスク60を角速度一定の条件により回転駆動して光ディスクをアクセスし、これによりスピンドルモータ62の速度切り換えによるアクセス速度の低下を防止し、またスピンドルモータ62の回転制御回路、スピンドルモータ62の構成を簡略化し、さらには装置全体としての消費電力を低減する。
【0155】
このとき光ディスク60では(図11)、グレーティング72によりレーザービームが3つのビームに分解されて照射される。さらにその戻り光がディテクタ77により受光されて受光結果A〜Hがマトリックス回路65で処理される。これにより光ディスク60では、3スポット法によりトラッキングエラー信号TKが生成され、このトラッキングエラー信号TKを基準にしたサーボ回路63の制御によりグルーブ内周側壁面の蛇行中心又はグルーブ外周側壁面の蛇行中心をメインビームが走査するようにトラッキング制御される(図12)。また同様にしてフォーカスエラー信号FSが生成され、このフォーカスエラー信号FSによりフォーカス制御される。
【0156】
また同様の処理によりピット列に応じて信号レベルが変化する再生信号HFが生成され、この再生信号HFの選択的な処理により、スピンドルサーボの処理が実行される。またこの再生信号HFを基準にしたPLL回路87の動作により、正弦波信号SA〜SDの生成基準でなるチャンネルクロックCK、データ転送用クロックBCLKが再生される。
【0157】
光ディスク再生装置61においては、このピット列より得られる再生信号HFの処理において、同期パターンよりトラック番号が再生され、このトラック番号により必要に応じてシーク、トラックジャンプの処理が繰り返され、これによりサンプルサーボの手法を適用して高速度で光ディスク60をアクセスする。
【0158】
また戻り光にあっては、ピンホール79によりメインビームによる戻り光が抽出され、この戻り光が偏光ビームスプリッタ82により偏光面が直交する2つの成分に分解されてそれぞれ受光素子84及び83で受光される。さらにこれらの受光結果J、Kの差分信号が生成され、これにより戻り光の偏光面の変化を検出して、グルーブ壁面の蛇行に応じて信号レベルが変化する偏光検出信号TRFが生成される。
【0159】
光ディスク再生装置61においては、このようにして戻り光の受光結果より生成された各種信号のうち、チャンネルクロックCKがクロック再生回路93で分周されて基準信号S1〜S8の生成基準であるクロックCK1〜CK4が再生される(図14)。またこれらのクロックCK1〜CK4がバンドパスフィルタ102A〜102Dにより帯域制限されて正弦波信号SA〜SDが再生され、この正弦波信号SA〜SDが+45°位相シフト回路103A〜103D、−45°位相シフト回路104A〜104Dにより処理されることにより基準信号S1〜S8が再生される。
【0160】
光ディスク記録装置61においては、それぞれ乗算回路105A〜105Hにおいて、これら基準信号S1〜S8と偏光検出信号TRFとが乗算され、その乗算結果M1〜M8が積分回路106A〜106Hによりデータ転送用クロックBCLKの周期で積分される。さらに積分結果X1〜X8がそれぞれ比較回路107A〜107Hで2値化され、これにより基準信号S1〜S8と偏光検出信号TRFとを積和演算処理して8系統の変調信号V1〜V8の変調に供した8系統のデータ列ab0〜ab7が再生される。
【0161】
このとき偏光検出信号TRFに混入したノイズ成分においては、積分回路106A〜106Hにおける積分により平滑化され、これによっても再生データDA1(ab0〜ab7)、DB1(bb0〜bb7)におけるビット誤りが従来に比して格段的に向上される。
【0162】
また偏光検出信号TRF自体、ノイズ成分の多い低い周波数帯域が抑圧されて、従来の方式による再生信号に比してSNRが格段的に向上していることにより、これによってもビット誤りが従来に比して格段的に向上する。
【0163】
このようにして処理される偏光検出信号TRFにおいては、ほぼ一様な信号レベルにより各変調信号V1〜V8の成分を再生できるように、記録時、増幅回路56A〜56Hにより増幅されていることにより、特定の変調信号V1〜V8についてのSNRの劣化等を回避し得、これによっても高密度に記録したデータを確実に再生することができる。
【0164】
かくしてこのようにして得られる再生データDA2又はDB2が、続くビット数変換回路90(図5)において、元の配列に戻された後、誤り訂正回路91により誤り訂正処理されて元のデータDA、DBが正しく再生される。
【0165】
(3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、変調信号を多重化してグルーブの壁面を蛇行させる際に、1ビットに割り当てるグルーブの角間隔をほぼ一定値に保持したまま、レーザービーム照射位置が外周側に変位するに従って多重化するデータ量を増大させることにより、情報記録面を有効に利用して所望のデータを記録し、またノイズの影響を有効に回避してこの記録したデータを高速度でアクセスすることができる。
【0166】
またこのとき1系列のデータの配列を変更して、複数の基準信号に対応するデータ列を生成して変調信号を生成するようにして、レーザービーム照射位置が外周側に変位するに従ってこの基準信号の数を増大させることにより、角速度一定の条件により光ディスクを駆動して外周側で増大する周波数帯域を有効に利用して、記録密度を向上することができる。
【0167】
また放射状に同期信号を記録することにより、さらにはこの同期信号にアドレス情報を割り当てることにより、サンプルサーボの手法を適用してアクセス速度をさらに向上することができる。
【0168】
さらにグルーブの内周側壁面と外周側壁面とにそれぞれ独立したデータが記録されることにより、その分単にグルーブの蛇行により所望のデータを記録する場合に比して、記録密度を向上することができる。
【0169】
これらによりこのようにして生成される光ディスクにおいては、所望のデータを高密度記録して高速にアクセス可能とすることができ、またこの光ディスクを再生する光ディスク装置においては、これら記録系の構成に対応する構成とすることにより、短いアクセス時間により光ディスクをアクセスして、簡易な構成で高密度記録したデータを確実に再生することができる。
【0170】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、再生側において偏光検出信号と基準信号との積和演算によりデータを再生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)用いた高速フーリエ変換により偏光検出信号を解析して、光ディスクに記録されたデータを再生してもよい。
【0171】
また上述の実施の形態においては、最も周波数の低い正弦波信号SAと同期するようにデータ転送用クロックBCLKを生成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じてデータ転送用クロックBCLKを種々の周期に設定することができる。なお他の正弦波信号の周波数によっても異なるが、データ転送用クロックBCLKの周期を最も周波数の低い正弦波信号SAと同じ周期の整数倍とすることで、再生時における積分回路の処理において目的外の変調信号の影響を最も効率良くキャンセルすることができる。
【0172】
さらに上述の実施の形態においては、最も周波数の低い1組の直交信号S1及びS2の周波数f1に対して、他の組の直交信号S3及びS4、S5及びS6、S7及びS8の周波数f2、f3、f4を整数倍に設定する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上充分に他の変調信号の影響を受けることなく各ビットを復調できる場合、整数倍以外の周波数に設定してもよい。
【0173】
また上述の実施の形態においては、乗算回路105A〜105Hより得られる同期検波結果である乗算結果を積分回路106A〜107Hで処理して再生データDA2、DB2を再生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば積分回路に代えてローパスフィルタを用いる場合等、必要に応じて種々の構成を適用することができる。
【0174】
さらに上述の実施の形態においては、8系統のデータ列ab0〜ab7、bb0〜bb7を同一のデータ転送速度により記録再生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じて何れかのデータ列の転送速度を低減してもよい。すなわち例えば周波数特性の劣化する低域側、高域側に割り当てるデータ列についてデータ転送速度を低減すれば、その分このデータ列については光ディスク上における長い距離に1ビットを分散記録できることにより、ノイズによるビット誤りを一段と改善することが可能となる。
【0175】
また上述の実施の形態においては、4組、8系統の基準信号S1〜S8の何れも変調して処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば最も周波数の高い基準信号の1つについては、アドレス情報等に割り当てても良く、さらには何ら変調しないで、クロック生成用の基準信号として記録してもよい。
【0176】
さらに上述の実施の形態においては、複数組の直交する基準信号S1〜S8を2値により変調する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各基準信号を多値により変調してもよい。この場合さらに一段と記録密度を向上することができる。
【0177】
また上述の実施の形態においては、2つのレーザービームを用いてそれぞれグルーブの内周側壁面及び外周側壁面を蛇行させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、グルーブの中央部分を露光させるレーザービームを別途配置して3つのレーザービームによりディスク原盤を露光する場合等、種々の構成を広く適用することができる。
【0178】
さらに上述の実施の形態においては、再生側において、グルーブの内周側壁面及び外周側壁面に記録されたデータを選択的に再生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、同時並列的に再生するようにしてもよい。
【0179】
また上述の実施の形態においては、偏光面の変化によりグルーブ壁面の蛇行を検出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、戻り光の位相によりグルーブ壁面の蛇行を検出する場合等、種々の検出手法を広く適用することができる。
【0180】
また上述の実施の形態においては、厳密な意味で、1の変調信号における1ビットに対応するグルーブの長さが一定の角度になるように設定する場合、すなわち再生側では角速度一定の条件により容易に再生可能に光ディスクを作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は概ねこの長さがほぼ一定の角度となるように設定して変調信号を多重化することにより記録密度を増大し、またアクセス速度を向上することができる。従って上述したディスク原盤の3つの領域について、各領域で線速度一定の条件によりディスク原盤を露光して、ディスク原盤の全面においては、概ねこの1ビットに対応する長さが一定の角度となるようにしてもよい。なおこの場合、再生系にあっては、ZCAVにより光ディスクを再生することが考えられる。
【0181】
なお上述の実施の形態においては、グルーブ壁面を蛇行させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、グルーブ自体を蛇行させても良く、またグルーブの幅、深さの変化によりこの種のデータを記録してもよい。また相変化型光ディスク、光磁気ディスクに所望のデータを記録する場合にも広く適用することができる。
【0182】
また上述の実施の形態においては、レーザービームのガイド溝をであるグルーブの変化により所望のデータを記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これとは逆にトラックに沿ったらせん状又は同心円状の細長い突起である突条の変化により所望のデータを記録する場合にも広く適用することができる。
【0183】
さらに上述の実施の形態においては、ディスク原盤を露光して光ディスクを作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば追記型の光ディスク等に所望のデータを記録する場合等、種々の光ディスクシステムに広く適用することができる。
【0184】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、変調信号を多重化してグルーブの蛇行等を形成する際に、1ビットを割り当てるレーザービーム照射軌跡の角間隔をほぼ一定値に保持したまま、レーザービーム照射位置が外周側に変位するに従って多重化するデータ量を増大させることにより、情報記録面を有効に利用して所望のデータを記録し、またノイズの影響を有効に回避してこの記録したデータを高速度でアクセスすることができる光ディスク記録装置、光ディスクの記録方法を得ることができる。
【0185】
また1のデータ列における1ビットに対応するレーザービーム照射軌跡の長さが、ほぼ一定の角間隔であるように設定されて、外周側程、多重化するデータ量が増大されてなるようにすることにより、情報記録面を有効に利用して所望のデータを記録し、またノイズの影響を有効に回避してこの記録したデータを高速度でアクセスすることができる光ディスクを得ることができる。
【0186】
またこれらの構成と対応するように再生系を構成することにより、高密度記録したデータを確実に再生して、かつ高速アクセスすることができる光ディスク再生装置、光ディスクの再生方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ディスク記録装置を示すブロック図である。
【図2】図1の光ディスク装置の光学系の説明に供する略線図である。
【図3】図1の光ディスク記録装置に適用されるビット数変換回路を示すブロック図である。
【図4】図1の光ディスク記録装置に適用される変調回路を示すブロック図である。
【図5】図4の変調回路のレベル変換回路を示すブロック図である。
【図6】図4の変調回路のクロック発生回路を示すブロック図である。
【図7】図4の変調回路の+45°位相シフト回路を示すブロック図である。
【図8】図4の変調回路の−45°位相シフト回路を示すブロック図である。
【図9】図1の光ディスク記録装置を用いて作成された光ディスクを示す斜視図である。
【図10】図9の光ディスクを再生する光ディスク再生装置を示すブロック図である。
【図11】図10の光ディスク再生装置の光ピックアップを示す略線図である。
【図12】図11の光ピックアップの説明に供する略線図である。
【図13】図10の光ディスク再生装置の復号回路を示すブロック図である。
【図14】図11の復号回路のクロック再生回路を示すブロック図である。
【図15】図10の光ディスク再生装置のビット数変換回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……光ディスク記録装置、2……ディスク原盤、3A、3B……情報源、11A、11B……光偏光器、16A、16B、90……ビット数変換回路、26A、26B……変調回路、17……半径カウンタ、19……半径デコーダ、60……光ディスク、61……光ディスク再生装置、64……光ピックアップ、89……復号回路
Claims (19)
- レーザービームの照射により所望のデータをディスク状記録媒体に記録する光ディスク記録装置において、
前記ディスク状記録媒体を回転駆動する駆動手段と、
複数の基準信号をそれぞれ対応するデータ列により変調して複数の変調信号を生成し、前記複数の変調信号を多重化して記録信号を生成する記録信号生成手段と、
前記記録信号に応じて前記レーザービームを変化させて前記ディスク状記録媒体に照射するレーザービーム照射手段とを備え、
前記記録信号生成手段は、
1の前記データ列における1ビットに対応する前記レーザービーム照射軌跡の長さが、ほぼ一定の角間隔であるようにして、外周側程、多重化するデータ量を増大させる
ことを特徴とする光ディスク記録装置。 - 前記記録信号生成手段は、
1系列のデータの配列を変更して、前記複数の基準信号に対応するデータ列を生成し、
前記レーザービーム照射位置が外周側に変位するに従って、前記基準信号の数を増大させる
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録装置。 - 前記ディスク状記録媒体に放射状に同期信号を記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録装置。 - 前記同期信号にアドレス情報を割り当てる
ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク記録装置。 - 前記レーザービームの照射により
グルーブの蛇行、又はグルーブ壁面の蛇行を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録装置。 - 前記レーザービームの照射により
グルーブの内周側壁面及び外周側壁面の蛇行を形成し、
前記内周側壁面及び外周側壁面の蛇行を、
独立した第1及び第2のデータより生成された第1及び第2の記録信号によりそれぞれ形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録装置。 - 前記記録信号生成手段は、
前記変調信号を加算することにより、前記変調信号を多重化して前記記録信号を生成し、
前記複数の基準信号が、
所定の周波数の整数倍の周波数による正弦波信号及び又は余弦波信号である
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録装置。 - 前記駆動手段は、
角速度一定の条件により前記ディスク状記録媒体を回転駆動する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録装置。 - レーザービームの照射により所望のデータをディスク状記録媒体に記録する光ディスクの記録方法において、
複数の基準信号をそれぞれ対応するデータ列により変調して複数の変調信号を生成し、前記複数の変調信号を多重化して記録信号を生成する記録信号の生成ステップと、
前記記録信号に応じて前記レーザービームを変化させて前記ディスク状記録媒体に照射するレーザービームの照射ステップとを有し、
前記記録信号の生成ステップは、
1の前記データ列における1ビットに対応する前記レーザービーム照射軌跡の長さが、ほぼ一定の角間隔であるようにして、外周側程、多重化するデータ量を増大させる
ことを特徴とする光ディスクの記録方法。 - 前記記録信号の生成ステップは、
1系列のデータの配列を変更して、前記複数の基準信号に対応するデータ列を生成し、
前記レーザービーム照射位置が外周側に変位するに従って、前記基準信号の数を増大させる
ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスクの記録方法。 - 前記ディスク状記録媒体に放射状に同期信号を記録する
ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスクの記録方法。 - 前記同期信号にアドレス情報を割り当てる
ことを特徴とする請求項11に記載の光ディスクの記録方法。 - 前記レーザービームの照射により、
グルーブの蛇行、又はグルーブ壁面の蛇行を形成する
ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスクの記録方法。 - 前記レーザービームの照射により、
グルーブの内周側壁面及び外周側壁面の蛇行を形成し、
前記内周側壁面及び外周側壁面の蛇行を、
独立した第1及び第2のデータより生成された第1及び第2の記録信号によりそれぞれ形成する
ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスクの記録方法。 - 情報記録面に形成されたレーザービーム照射軌跡の変化により所望のデータが記録されてなる光ディスクであって、
複数の基準信号をそれぞれ対応するデータ列により変調して生成された複数の変調信号の多重化による記録信号に応じて、前記レーザービーム照射軌跡の変化が形成され、
1の前記データ列における1ビットに対応する前記レーザービーム照射軌跡の長さが、ほぼ一定の角間隔であるように設定されて、外周側程、多重化するデータ量が増大されてなる
ことを特徴とする光ディスク。 - 放射状に同期信号が記録された
ことを特徴とする請求項15に記載の光ディスク。 - 前記同期信号にアドレス情報が割り当てられた
ことを特徴とする請求項16に記載の光ディスク。 - 前記レーザービーム照射軌跡の変化が、
グルーブの蛇行、又はグルーブ壁面の蛇行である
ことを特徴とする請求項15に記載の光ディスク。 - 前記レーザービーム照射軌跡の変化が、
グルーブの内周側壁面及び外周側壁面の蛇行であり、
前記内周側壁面及び外周側壁面の蛇行が、
独立した第1及び第2のデータに応じて形成された
ことを特徴とする請求項15に記載の光ディスク。
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