JP3984022B2 - 署名画像の対応点探索装置、対応点探索方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

署名画像の対応点探索装置、対応点探索方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、署名領域を含む入力画像と該入力画像の署名領域の比較対象となる参照画像とを対応付ける対応点を探索する署名画像の対応点探索装置、対応点探索方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関し、特に、入力画像の署名領域と参照画像の対応点を探索する場合に、筆記変動を効率良く吸収しつつ高速に対応点を探索することができ、併せて入力画像から署名領域の切り出しを含めて高速な処理をおこなうことができる署名画像の対応点探索装置、対応点探索方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、欧米だけではなく日本においても、署名(サイン)による確認が本人認証の一つとして利用されている。たとえば、クレジットカードにより商品を購入する場合には、印鑑については必要ではなく、サインにより本人であることを確認することになる。
【0003】
ところで、かかるサインによる確認を担当者の目視のみによっておこなうこととすると、他人によるなりすましを防止することが難しい。このため、従来からオンラインサイン照合技術およびオフラインサイン照合技術と呼ばれる2種類のサイン照合技術が知られている。
【0004】
このオンラインサイン照合技術は、ペンの筆跡速度、筆圧、始点と終点の位置、ペンの空中での軌跡といった様々な動的な情報を照合情報に基づいて、本人が筆記したサインか否かを判定する技術である。これに対して、オフラインサイン照合技術は、これらの動的な情報やリアルタイムの情報を用いることなく、紙上に残されたサインの形状のみを判断材料としてサインの真偽を判定する技術である。
【0005】
このように、サイン照合技術には2種類のものがあるわけであるが、後者のオフラインサイン照合技術は、動的な情報を取得するための設備などを必要とせず、幅広く応用され得るものであるので、特に注目を浴びている。従来のオフライン照合技術として様々な手法が発表されているが、これらの手法では画像を2値化してから照合をおこなうものが一般的であり、具体的には、署名の特徴を何らかの特徴量に変換して照合値として算出することになる。
【0006】
かかる従来のオフラインサイン照合技術では、画像を2値化してから照合をおこなうため、2値化が困難な署名、たとえば背景に地模様があったり、種々の印字文字、印刷文字が含まれたような小切手の署名の場合には、余分な情報が含まれてしまい、照合値を算出することが難しくなってしまう。
【0007】
このため、大西弘之氏等は、2001年3月23日に米国に出願された出願番号09/815,267において、大局的により最適な対応点を安定して求めることができる対応点探索技術を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この先行技術によれば、繰り返し処理によって多大の計算コストがかかるため、迅速な署名照合をおこなうのが難しいという問題がある。すなわち、精度の良い照合をおこなうためには、対応点を密に求める必要があるが、この対応点の数を増やすと計算量が累増してしまう結果となる。
【0009】
また、署名は手書き文字であり、小切手上に記入するたびに大きさが変わったり斜めに傾いたりする筆記変動があるので、これらの筆記変動により本来的に対応点を求めるまでに多大の計算量を要するものである。さらに、スキャナの光学的・機械的な問題による変動が考えられるので、これらの変動により多くの計算量が必要となる。
【0010】
このように、入力画像の署名領域と参照画像の対応点を探索する場合に、筆記変動を効率良く吸収しつつ高速に対応点を探索する署名画像の対応点探索技術をいかに実現するかが極めて重要な課題となっている。この際、署名が入力画像上のどの位置にあるかは小切手の種類により千差万別であるので、かかる入力画像から署名領域の切り出しを含めて処理の高速化を図ることが重要となる。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、入力画像の署名領域と参照画像の対応点を探索する場合に、筆記変動を効率良く吸収しつつ高速に対応点を探索することができ、併せて入力画像から署名領域の切り出しを含めて高速な処理をおこなうことができる署名画像の対応点探索装置、対応点探索方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る署名画像の対応点探索装置は、署名領域を含む入力画像と該入力画像の署名領域の比較対象となる参照画像とを対応付ける対応点を探索する署名画像の対応点探索装置であって、前記入力画像と前記参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索し、前記入力画像から署名領域を切り出す署名領域切出手段と、前記署名領域切出手段により切り出された前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索して、前記入力画像の署名領域から線形歪みを除去した補正画像を作成する補正画像作成手段と、前記補正画像作成手段により作成された補正画像と前記参照画像との対応点を前記第2の画像解像度よりも解像度が高い第3の画像解像度で探索する精探索手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明に係る署名画像の対応点探索装置は、請求項1の発明において、前記補正画像作成手段は、前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索する粗探索処理手段と、前記粗探索処理手段により探索された対応点に基づいて回転角、拡大縮小率または並行移動量を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された回転角、拡大縮小率または並行移動量に基づいて前記入力画像の署名領域から線形歪みを除去する線形歪み除去手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明に係る署名画像の対応点探索装置は、請求項2の発明において、前記補正画像作成手段は、前記入力画像の署名領域と前記参照画像とを所定の倍率で縮小する画像縮小手段をさらに備え、前記粗探索処理手段は、前記画像縮小手段により縮小された前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索することを特徴とする。
【0016】
また、請求項の発明に係る署名画像の対応点探索装置は、請求項1、2または3の発明において、前記第1の画像解像度は、前記第2の画像解像度よりも解像度が低いことを特徴とする。
【0017】
また、請求項の発明に係る署名画像の対応点探索装置は、請求項1〜4のいずれか一つの発明において、前記署名領域切出手段は、前記入力画像と前記参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索する広域探索手段と、前記広域探索手段により探索された対応点に基づいて前記入力画像から署名領域を切り出す切出手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項の発明に係る署名画像の対応点探索装置は、請求項の発明において、前記署名領域切出手段は、前記入力画像と前記参照画像とを所定の倍率で縮小する画像縮小手段をさらに備え、前記広域探索手段は、前記画像縮小手段により縮小された前記入力画像と前記参照画像との対応点を前記第1の画像解像度で探索することを特徴とする。
【0019】
また、請求項の発明に係る署名画像の対応点探索方法は、署名領域を含む入力画像と該入力画像の署名領域の比較対象となる参照画像とを対応付ける対応点を探索する署名画像の対応点探索装置による対応点探索方法であって、前記入力画像と記憶部に記憶された参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索し、前記入力画像から署名領域を切り出す署名領域切出工程と、前記署名領域切出工程により切り出された前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索して、前記入力画像の署名領域から線形歪みを除去した補正画像を作成する補正画像作成工程と、前記補正画像作成工程により作成された補正画像と前記参照画像との対応点を前記第2の画像解像度よりも解像度が高い第3の画像解像度で探索する精探索工程とを含んだことを特徴とする。
【0021】
また、請求項の発明に係る署名画像の対応点探索プログラムは、署名領域を含む入力画像と該入力画像の署名領域の比較対象となる参照画像とを対応付ける対応点を探索する署名画像の対応点探索装置に用いられる対応点探索プログラムであって、前記入力画像と記憶部に記憶された参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索し、前記入力画像から署名領域を切り出す署名領域切出手順と、前記署名領域切出手順により切り出された前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索して、前記入力画像の署名領域から線形歪みを除去した補正画像を作成する補正画像作成手順と、前記補正画像作成手順により作成された補正画像と前記参照画像との対応点を前記第2の画像解像度よりも解像度が高い第3の画像解像度で探索する精探索手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る署名画像の対応点探索装置、対応点探索方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
(署名照合装置の構成について)
図1は、本実施の形態で用いる署名照合装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示す署名照合装置100は、署名領域を含む入力画像と該入力画像の署名領域の比較対象となる参照画像とを対応付ける対応点を探索し、探索した対応点に基づいて署名の照合をおこなう装置である。
【0024】
同図に示すように、この署名照合装置100は、画像入力部110と、参照画像記憶部120と、広域サーチ処理部130と、粗サーチ処理部140と、精サーチ処理部150と、表示処理部160とを有する。なお、請求項1の粗探索手段は粗サーチ処理部140に対応し、請求項1の精探索手段は精サーチ処理部150に対応し、請求項4の署名領域切出手段は広域サーチ処理部130に対応する。
【0025】
画像入力部110は、参照画像および入力画像を入力する入力部である。具体的には、光学的に原稿を読み取って画像を取得するスキャナや、ネットワークから画像を取得するインターフェース部や、二次記憶装置から画像を読み出す読み出し部が該当する。ここで、この入力画像とは、対応点の探索対象となる画像であって、歪みや変形を伴うものであっても良い。これに対して、参照画像とは、入力画像の比較の対象となる画像であり、歪みなどを伴わないものであることが望ましい。
【0026】
参照画像記憶部120は、画像入力部110から入力した参照画像を記憶する記憶部であり、広域サーチ処理部130、粗サーチ処理部140、精サーチ処理部150および表示処理部160によりアクセスされる。たとえば、小切手の署名領域の参照画像を記憶する場合には、小切手の持ち主および口座を特定するユニークなID番号を参照画像と対応付けて参照画像記憶部120に記憶しておき、このID番号に基づいて参照画像を読み出すことになる。
【0027】
広域サーチ処理部130は、入力画像と参照画像を線形変換を用いてそれぞれ所定の倍率たとえば1/3に縮小し、各縮小画像をそれぞれ所定数のブロックたとえば4×2に分割して、各ブロックごとに対応点の広域サーチをおこない、この対応点に基づいて入力画像から署名領域を切り出す処理部である。
【0028】
図2は、この広域サーチ処理部130の細部構成を示す機能ブロック図であり、同図に示すように、この広域サーチ処理部130は、画像縮小処理部131と、分割処理部132と、類似度画像作成部133と、累積加算処理部134aおよび対応点決定部134bを有する対応点探索部134と、切り出し処理部135とからなる。なお、請求項6の広域探索手段は分割処理部132、類似度画像作成部133および対応点探索部134に対応し、請求項6の切り出し手段は切り出し処理部135に対応し、請求項7の画像縮小手段は画像縮小処理部131に対応する。
【0029】
画像縮小処理部131は、線形変換により入力画像および参照画像をたとえば1/3に縮小処理する処理部であり、分割処理部132は、縮小された入力画像および参照画像をたとえば4×2のブロックに分割する処理部である。類似度画像作成部133は、縮小した入力画像を分割した入力部分画像と縮小した参照画像を分割した参照部分画像との間の類似度を示す類似度画像を作成する処理部である。
【0030】
対応点探索部134は、類似度画像の累積加算をおこなう累積加算処理部134aと類似度画像の最大値の位置を検出してその変動が所定値以内である場合にその最大値を対応点とする対応点決定部134bとを用いて繰り返し処理により対応点を探索する処理部である。切り出し処理部135は、求まった対応点を用いて入力画像の中から署名領域の切り出しをおこなう処理部である。
【0031】
次に、図1に示した粗サーチ処理部140は、入力画像の署名領域と参照画像を線形変換を用いてそれぞれ所定の倍率たとえば1/2に縮小し、各縮小画像をそれぞれ所定数のブロックたとえば8×3に分割して、各ブロックごとに対応点の粗サーチをおこない、この対応点に基づいて回転角、拡大縮小率および/または並行移動量のパラメータを算出し、算出したパラメータに基づいて入力画像の署名領域から線形歪みを除去した後に、入力画像から署名領域を切り出す処理をおこなう。
【0032】
ここで、この粗サーチにおける縮小倍率(1/2)は、広域サーチの縮小倍率(1/3)よりも大きくすることが望ましく、また、粗サーチのブロック分割数(8×3)は、広域サーチのブロック分割数(4×2)よりも多くすることが望ましい。広域サーチにより切り出しをおこなう場合には、線形歪みを除去するほどの精度は必要ないからである。ただし、両者の縮小倍率およびブロック分割数を共通にして処理を簡略可することは可能である。
【0033】
図3は、この粗サーチ処理部140の細部構成を示す機能ブロック図であり、同図に示すように、この粗サーチ処理部140は、画像縮小処理部141と、分割処理部142と、類似度画像作成部143と、累積加算処理部144aおよび対応点決定部144bを有する対応点探索部144と、パラメータ算出部145と、線形歪み除去部146と、切り出し処理部147とからなる。なお、請求項2の粗探索手段は分割処理部142、類似度画像作成部143および対応点探索部144に対応し、請求項2の算出手段はパラメータ算出部145に対応し、請求項2の線形歪み除去手段は線形歪み除去部146に対応し、請求項3の画像縮小手段は画像縮小処理部141に対応する。
【0034】
画像縮小処理部141は、線形変換により入力画像および参照画像をたとえば1/2に縮小処理する処理部であり、分割処理部142は、縮小された入力画像の署名領域および参照画像をたとえば8×3のブロックに分割する処理部である。類似度画像作成部133は、縮小した入力画像を分割した入力部分画像と縮小した参照画像を分割した参照部分画像との間の類似度を示す類似度画像を作成する処理部である。対応点探索部144は、類似度画像の累積加算をおこなう累積加算処理部144aと類似度画像の最大値の位置を検出してその変動が所定値以内である場合にその最大値を対応点とする対応点決定部144bとを用いて繰り返し処理により対応点を探索する処理部である。
【0035】
パラメータ算出部145は、対応点に基づいて回転角、拡大縮小率および/または並行移動量のパラメータを算出する処理部である。対応点(X,Y)について、(X',Y')への変形が、拡大縮小率α・回転角θ・平行移動(u,v)によっておこなわれたとすると、
【数1】
Figure 0003984022
によって表される。ここで、a=αcosθ、b=αsinθとおくと、対応点間の自乗誤差は
【数2】
Figure 0003984022
で表され、全ての対応点間の自乗誤差が全体として最小となるパラメータ(α,θ,u,v)を算出する。
【0036】
線形歪み除去部146は、算出したパラメータに基づいて入力画像の署名領域から線形歪みを除去する処理部である。これらの歪みを取り除くことにより、次の精サーチでの探索範囲を最小限に絞り込むことができる。切り出し処理部147は、求まった対応点を用いてあらためて署名領域の切り出しをおこなう処理部である。
【0037】
次に、図1に示した精サーチ処理部150は、粗サーチ処理部140によりあらためて切り出された入力画像の署名領域と参照画像をそれぞれ所定数のブロックたとえば24×7に分割して、各ブロックごとに対応点の精サーチをおこない、この対応点に基づいて入力画像の署名領域を変形した変形補正画像を作成し、変形補正画像と参照画像との一致率および非変形率を求め、一致率と非変形率との積からなる照合値を出力する処理をおこなう。
【0038】
ここで、精サーチのブロック分割数(24×7)は、粗サーチのブロック分割数(8×3)や広域サーチのブロック分割数(4×2)よりも多くすることが望ましい。この精サーチでは、細かくしておかないと後処理の照合値計算が正確に行えなくなるからである。広域サーチや粗サーチでは、分割数を各々固定とし、精サーチでは、署名の参照画像の大きさにより分割数を変更するとよい。例えば、参照画像のメッシュを16画素間隔でサンプリングすることにより一例は24×7となっている。
【0039】
図4は、この精サーチ処理部150の細部構成を示す機能ブロック図であり、同図に示すように、この精サーチ処理部150は、分割処理部151と、類似度画像作成部152と、累積加算処理部153と、対応点決定部154と、変形補正画像作成部155と、一致率算定部156と、非変形率算定部157と、照合値算定部158とからなる。
【0040】
分割処理部151は、入力画像の署名領域および参照画像をたとえば24×7のブロックに分割する処理部である。類似度画像作成部152は、入力画像を分割した入力部分画像と参照画像を分割した参照部分画像との間の類似度を示す類似度画像を作成する処理部である。累積加算処理部153は、類似度画像の累積加算をおこなう処理部であり、対応点決定部154は、累積加算処理部153などと連携しながら累積加算後の類似度画像に基づいて対応点を決定する処理部である。
【0041】
変形補正画像作成部155は、対応点に基づいて入力画像の署名領域を変形した変形補正画像を作成する処理部であり、一致率算定部156は、変形補正画像と参照画像との一致率を算定する処理部であり、非変形率算定部157は、変形補正画像と参照画像との非変形率を算定する処理部であり、照合値算定部158は、一致率と非変形率との積からなる照合値を出力する処理部である。なお、ここで言う一致率とは、変形補正画像と参照画像の重なる比率のことであり、完全に一致したときに100%となる。また、非変形率とは、入力画像と参照画像の対応点間の距離(全画素での平均)を基に算出する値であり、全く変形がないときすなわち対応点を移動させる必要がないときに100%となり、変形が大きい程0に近づくようにしたものである。
【0042】
図5は、この照合値算定部158により算定される照合値の概念を説明するための説明図である。同図に示すように、一致率については更新回数すなわち対応点を求めるフィードバック回数が増えれば増えるほど100%に近づく。更新回数が増えるほど、正確に対応点が求まるからである。また、非変形率については更新回数が増えれば増えるほど所定の値(たとえば70%)に近づく。たとえば、70%変形している場合に、対応点が正確に決まれば決まるほど、この変形度合い(70%)が正確に求まるからである。
【0043】
ここで本来は、完全に対応点を一致させた後に非変形率を求める、言い換えれば一致率を100%にした状態で非変形率を求めることが望ましいが、かかる処理をおこなうためには更新回数をかなり増やさねばならず効率的ではない。そこで、本実施の形態では、非変形率が大きく変化しなくなった時点でフィードバックを打ち切り、この場合の一致率と非変形率の積(一致率×非変形率)を用いて一致率を100%にした状態での非変形率を推定しているのである。したがって、この推定値が照合値となる。なお、この一致率と非変形率を単に加えた値を照合値とするのではなく、両者の積を照合値とした理由は、一致率の変動を直に非変形率に伝えて、適切な更新回数で繰り返し処理を終えるためである。
【0044】
次に、図1に示した表示処理部160は、フィードバック処理を終えた時点で変形補正画像作成部155が作成した変形補正画像と参照画像を図示しない表示部に重ね合わせ表示する処理部である。具体的には、照合値算定部158により算定された照合値が所定のしきい値以上である場合には、かかる入力画像の署名領域の署名が本物であると判定して変形補正画像と参照画像を重ね合わせ表示し、しきい値未満である場合には、この署名が偽物であると判定してその旨を表示部に表示する。なお、偽物と判定した場合であっても、変形補正画像と参照画像を重ね合わせ表示することもできる。
【0045】
(署名照合装置の処理について)
次に、図1に示した署名照合装置100の処理手順について具体例を交えつつ詳細に説明する。図6は、図1に示した署名照合装置100の処理手順を示すフローチャートである。なお、参照画像についてはあらかじめ図7などに示した参照画像710が参照画像記憶部120に記憶されているものとする。
【0046】
図6に示すように、この署名照合装置100は、画像入力部110により図7に示す入力画像720を入力すると(ステップS601)、この入力画像に対応する参照画像710が参照画像記憶部120から読み出され(ステップS602)、広域サーチ処理部130による図7に示す広域サーチをおこなうか否かが判断される(ステップS603)。具体的には、かかる判断は広域サーチ処理部130によっておこなわれ、広域サーチをおこなわない場合には、処理をおこなわずに粗サーチ処理部140に処理を移管することになる。なお、広域サーチをおこなうか否かは図示しないスイッチなどで設定する。また、参照画像に対して入力画像が非常に大きい場合には、自動的に広域サーチを実行するよう設定することも可能である。
【0047】
そして、広域サーチをおこなう場合には(ステップS603肯定)、入力画像と参照画像を線形変換を用いてそれぞれ所定の倍率たとえば1/3に縮小し、各縮小画像をそれぞれ所定数のブロックたとえば4×2に粗く分割する(ステップS604)。図8は、広域サーチ処理部130がおこなう分割の一例を示す図である。同図(a)のものは、参照画像710を縮小して4×2のブロックに分割した一例を示しており、同図(b)のものは、入力画像720を縮小して4×2のブロックに分割した一例を示している。この図に示すように、かかる分割をおこなう際には、データの一部がそれぞれ重複する部分が生ずるようにしている。
【0048】
その後、各ブロックごとに対応点の広域サーチ(粗い対応点検索)を非線形マッチングによっておこない(ステップS605)、この対応点に基づいて入力画像の切り出し位置を算出し(ステップS606)、算出した切り出し位置から切り出した画像を入力画像の署名領域とする(ステップS607)。たとえば、図9の入力画像の署名領域730のように切り出されることになる。
【0049】
このようにして、広域サーチを終えたならば、粗サーチ処理部140による粗サーチをおこなう。なお、広域サーチをおこなわない場合には(ステップS603否定)、そのままステップS608に移行して図9に示す粗サーチ処理をおこなう。
【0050】
具体的には、まず入力画像の署名領域730と参照画像710を線形変換を用いてそれぞれ所定の倍率たとえば1/2に縮小し、各縮小画像をそれぞれ所定数のブロックたとえば8×3に粗く分割する(ステップS608)。図10は、粗サーチ処理部140がおこなう分割の一例を示す図である。同図(a)のものは、参照画像710を縮小して8×3のブロックに分割した一例を示しており、同図(b)のものは、入力画像の署名領域730を縮小して8×3のブロックに分割した一例を示している。この図に示すように、かかる分割をおこなう場合も、データの一部がそれぞれ重複する部分が生ずるようにしている。
【0051】
その後、各ブロックごとに対応点の粗サーチ(粗い対応点検索)を非線形マッチングによっておこない(ステップS609)、この対応点に基づいて回転角、拡大縮小率および並行移動量のパラメータを算出し(ステップS610)、算出したパラメータを用いて回転・拡大縮小・平行移動の補正をおこない(ステップS611)、補正した入力画像の署名領域を切り出す(ステップS612)。具体的には、図11に示すように粗サーチによる補正済みの入力画像の署名領域740が得られる。
【0052】
このようにして、粗サーチを終えたならば、引き続き精サーチ処理部150による図11に示す精サーチをおこなう。具体的には、入力画像の署名領域740と参照画像710をそれぞれ所定数のブロックたとえば24×7に細かく分割する(ステップS613)。図12は、精サーチ処理部150がおこなう分割の一例を示す図である。同図(a)のものは、参照画像710を24×7のブロックに分割した一例を示しており、同図(b)のものは、入力画像の署名領域740を24×7のブロックに分割した一例を示している。この図に示すように、かかる分割をおこなう場合も、データの一部がそれぞれ重複する部分が生ずるようにしている。
【0053】
その後、各ブロックごとに対応点の精サーチ(精密な対応点検索)をおこない(ステップS614)、この対応点を求める過程で得られた一致率と非変形率から照合値を算出する(ステップS615)。そして、この照合値が所定のしきい値以上である場合には(ステップS616肯定)、「真」であると判定して重ね合わせ表示をおこない(ステップS617)、しきい値に満たない場合には(ステップS616否定)、「偽」であると判定してその旨を表示する(ステップS618)。
【0054】
(類似度画像作成処理について)
広域サーチ処理部130の類似度画像作成部133、粗サーチ処理部140の類似度画像作成部143、精サーチ処理部150の類似度画像作成部152による類似度画像作成処理について説明する。
【0055】
例えば広域サーチの場合、図8(a)に8個の参照部分画像が、同図(b)に8個の入力部分画像が示されているが、各8個の対応する部分画像同士の類似度画像を求める。まず、同図(a)の左上の参照部分画像の中心位置を同図(b)の左上の入力部分画像の左上隅の画素に対応づけて正規化相関係数を計算し、その計算結果を類似度画像の左上隅の画素の画素値とする。その後、参照部分画像の中心位置を右にずらし、同様の処理をおこなう。上記処理を参照部分画像をずらしながら対応する入力部分画像の全画素についておこなうことにより、類似度画像が求められる。このような処理を対応する8個のブロック同士で行って類似度画像を求める。なお、参照部分画像の全ての画素の画素値が一定値である場合には、正規化相関係数の分母がゼロとなるため、この場合の類似度画像の画素値もゼロとなる。
【0056】
粗サーチ、精サーチの場合も画像と個数が異なるのみで、処理内容は同様となる。上記の例では類似度画像作成方法として正規化相関係数を用いたが、同様な類似度画像を作成できる手法、例えばハフ変換などを用いることも可能である。
【0057】
(累積加算処理について)
次に、広域サーチ処理部130の累積加算処理部134a、粗サーチ処理部140の累積加算処理部144a、精サーチ処理部150の累積加算処理部153による累積加算処理について説明する。
【0058】
図13〜図17は、広域サーチ処理部130の累積加算処理部134a、粗サーチ処理部140の累積加算処理部144a、精サーチ処理部150の累積加算処理部153による累積加算処理を説明するための説明図である。なお、ここでは、各ブロックは一般的な形式で表している。つまり横方向にN個、縦方向にM個の類似度画像があるものとする。図13に示すように、j方向に累積加算する場合には、n=1〜N−1の類似度画像について、
mn(u,v)=Cmn(u,v)+α・Max(Cmn-1(p,q))
を順次再帰的に計算する。ただし、Max()は最大値を示し、αは定数であり、0≦u≦U−1、0≦v≦V−1、0≦m≦M−1、0≦n≦N−1、u−1≦p≦u+1、v−1≦q≦v+1とする。
【0059】
すなわち、j方向に累積加算する場合には、図14に示すように、Cmn-1(p,q)を中心とする3×3画素のうちの最大の画素値を求め、この最大の画素値をα倍してCmn(p,q)の画素値に加算する処理を再帰的に繰り返すことになる。
【0060】
また、−j方向に累積加算する場合には、n=N−2〜0の類似度画像について、
mn(u,v)=Cmn(u,v)+α・Max(Cmn+1(p,q))
を順次再帰的に計算する。ただし、0≦u≦U−1、0≦v≦V−1、0≦m≦M−1、0≦n≦N−2とする。すなわち、−j方向に累積加算する場合には、図15に示すように、Cmn+1(p,q)を中心とする3×3画素のうちの最大の画素値を求め、この最大の画素値をα倍してCmn(p,q)の画素値に加算する処理を再帰的に繰り返すことになる。
【0061】
また、i方向に累積加算する場合には、m=1〜M−1の類似度画像について、
mn(u,v)=Cmn(u,v)+α・Max(Cm-1n(p,q))
を順次再帰的に計算する。ただし、0≦u≦U−1、0≦v≦V−1、1≦m≦M−1、0≦n≦N−1とする。すなわち、i方向に累積加算する場合には、図16に示すように、Cm-1n(p,q)を中心とする3×3画素のうちの最大の画素値を求め、この最大の画素値をα倍してCmn(p,q)の画素値に加算する処理を再帰的に繰り返すことになる。
【0062】
また、−i方向に累積加算する場合には、m=M−2〜0の類似度画像について、
mn(u,v)=Cmn(u,v)+α・Max(Cm+1n(p,q))
を順次再帰的に計算する。ただし、0≦u≦U−1、0≦v≦V−1、0≦m≦M−2、0≦n≦N−1とする。すなわち、−i方向に累積加算する場合には、図17に示すように、Cm+1n(p,q)を中心とする3×3画素のうちの最大の画素値を求め、この最大の画素値をα倍してCmn(p,q)の画素値に加算する処理を再帰的に繰り返すことになる。
【0063】
このように、累積加算処理自体は、広域サーチ処理部130の累積加算処理部134a、粗サーチ処理部140の累積加算処理部144aおよび精サーチ処理部150の累積加算処理部153とも同じであるが、繰り返し処理の終了条件が異なる。
【0064】
具体的には、広域サーチ処理部130の累積加算処理部134aおよび粗サーチ処理部140の累積加算処理部144aでは、各方向についての累積加算処理をおこなった時点で各類似度画像の最大値の位置(対応点)を検出し、この対応点の変化量が所定の値以下となった時点で繰り返し処理を終了する。
【0065】
これに対して、精サーチ処理部150の累積加算処理部153では、非変形率の変化分が所定の値以下となるまで累積加算処理をフィードバックして繰り返し、所定の値以下となった時点で繰り返しを終了し、そのときの各類似度画像の最大値の位置を最終的な対応点として決定する。たとえば、図18に示す各類似度画像が得られた場合に、非変形率の変化分が所定の範囲以下になると、図19に示すように各類似度画像の最大値の位置を求めてこれを対応点とする。ただし精サーチ処理においても、広域サーチ処理および粗サーチ処理と同様に、対応点の変化量が所定の値以下になった時点で繰り返し処理を終了することは可能である。
【0066】
(精サーチの処理手順について)
次に、図1に示した精サーチ処理部150の処理手順について説明する。図20は、図1に示した精サーチ処理部150の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、この精サーチ処理部150が参照画像と入力画像を取得したならば、この参照画像を図11(a)に示すような所定数のブロック(参照部分画像)に分割し(ステップS2001)、入力画像の署名領域を図11(b)に示すような所定数のブロック(入力部分画像)に分割する(ステップS2002)。
【0067】
そして、この参照部分画像と入力部分画像の間の類似度画像を作成した後(ステップS2003)、j方向の累積加算処理(ステップS2004)、−j方向の累積加算処理(ステップS2005)、i方向の累積加算処理(ステップS2006)、−i方向の累積加算処理(ステップS2007)をおこない、類似度画像の最大値の位置を検出する。具体的には、図14〜図17に示した加算処理を図13に示すように再帰的に繰り返すことにより、図18に示したような類似度画像を作成し、図19に示すように各類似度画像の最大値の位置である対応点を検出する。
【0068】
そして、この対応点に基づいて変形補正画像を作成し(ステップS2008)、この変形補正画像と参照画像の一致率と非変形率を算定する(ステップS2009)。そして、非変形率の変化分が所定値以内であるか否かを調べ(ステップS2010)、所定値以内でなければ(ステップS2010否定)、ステップS2004に移行して同様の処理を繰り返す。
【0069】
これに対して、この非変形率の変化分が所定値以内となったならば(ステップS2010肯定)、一致率と非変形率を掛け合わせて照合値を算定し(ステップS2011)、この照合値が所定値以上であるか否かを調べる(ステップS2012)。そして、所定値以上である場合には(ステップS2012肯定)、入力画像のサインを本物であると判定して、変形補正画像と参照画像を重ね合わせ表示し(ステップS2013)、所定値以上でない場合には(ステップS2012否定)、入力画像のサインを偽物であると判定して、一致しない旨を表示する(ステップS2014)。
【0070】
次に、図20のステップS2004に示したj方向の累積加算処理手順について説明する。図21は、図20のステップS2004に示したj方向の累積加算処理手順を示すフローチャートである。なお、−j方向、i方向、−i方向の累積加算処理も同様におこなうことができる。
【0071】
同図に示すように、まず変数m、uおよびvを0にするとともに、変数nを1とする初期化をおこなう(ステップS2101〜S2104)。ここで、この変数mはi方向のインデックスとして用いる変数であり、変数nはj方向のインデックスとして用いる変数である。また、変数u,vは探索範囲を示すi方向およびj方向の変数である。
【0072】
そして、この初期化を終えたならば、
mn(u,v)=Cmn(u,v)+α・Max(Cmn-1(p,q))
の算定式による計算をおこなう(ステップS2105)。
【0073】
その後、変数vをインクリメントし(ステップS2106)、この変数vがVよりも小さければ(ステップS2107肯定)、ステップS2105に移行して加算処理を繰り返す。つまり、探索範囲をj方向にずらすのである。
【0074】
これに対して、変数vがV以上であれば(ステップS2107否定)、変数uをインクリメントし(ステップS2108)、この変数uがUよりも小さければ(ステップS2109肯定)、ステップS2104に移行して加算処理を繰り返す。つまり、探索範囲をi方向にずらすことになる。
【0075】
そして、変数uがU以上であれば(ステップS2109否定)、ある画素についての計算を終了し、次の画素に移行する。具体的には、変数nをインクリメントして注目画素をj方向に移行させた後に(ステップS2110)、この変数nをNと比較し(ステップS2111)、この変数nがNよりも小さければ(ステップS2111肯定)、ステップS2103に移行して加算処理を繰り返す。
【0076】
これに対して、変数nがN以上であれば(ステップS2111否定)、変数mをインクリメントして注目画素をi方向に移行させた後に(ステップS2112)、この変数mがMよりも小さければ(ステップS2113肯定)、ステップS2102に移行して加算処理を繰り返し、変数mがM以上であれば(ステップS2113否定)、処理を終了する。上記一連の処理をおこなうことにより、各類似度画像の全画素についてj方向の累積加算結果が得られることになる。
【0077】
次に、図1に示した署名照合装置100による署名照合結果の一例についてさらに具体的に説明する。図22および図23は、図1に示した署名照合装置100による署名照合結果の一例を説明するための説明図である。なお、ここでは説明の便宜上、各更新回数ごとに変形補正画像と参照画像の重ね合わせ表示をおこなうこととする。また、ここでは広域サーチおよび粗サーチを終了し、精サーチをおける初期段階、更新3回目および更新10回目の状態(変形補正画像と参照画像の重ね合わせ表示)をそれぞれ示している。
【0078】
図22(a)に示すように、初期状態では、同図に示す入力画像から明らかなように、対応点のずれが大きいために、変形補正画像と参照画像の重なり部分が少なくなり、一致率が75.3%と低くなる。また、変形補正画像と参照画像の距離が大きいため、非変形率が25.1%と低い値である。
【0079】
これに対して、図22(b)に示すように、更新3回目になると、ある程度正確に対応点がとれてくるので、変形補正画像と参照画像の重なり部分が初期状態よりも大きくなり、一致率が79.2%となる。また、変形補正画像と参照画像の距離についても初期状態よりは短くなるので、非変形率が44.4%と改善する。
【0080】
さらに、図22(c)に示すように、更新10回目になると、より正確に対応点がとれてくるので、変形補正画像と参照画像の重なり部分が大きくなり、一致率が79.6%となる。また、変形補正画像と参照画像の距離についてもさらに短くなるので、非変形率が85.7%と改善する。
【0081】
そこで、同図に示す変形補正画像と参照画像の重ね合わせ表示600を見ると、図23に拡大表示したように、サインの多くの部分が重なり、重ならない部分がわずかとなる。かかる表示をユーザが視認することにより、サインの真偽判定を効率良くおこなうことができる。なお、これらをそれぞれ色分けすれば、さらに効率良くサインの一致度合いをユーザが把握することができる。
【0082】
上述してきたように、本実施の形態によれば、画像入力部110から入力画像を入力したならば、広域サーチ処理部130により縮小した入力画像と参照画像を粗くブロック分割して求めた対応点に基づいて入力画像の署名領域を切り出し、粗サーチ処理部140によりやや縮小した入力画像の署名領域と参照画像をやや粗くブロック分割して対応点に基づいて入力画像の署名領域を補正し、精サーチ処理部150により入力画像の署名領域と参照画像を細かくブロック分割して正確な対応点を求め、この対応点を求める過程で得た一致率と非変形率の積である照合値によって真偽判定をおこなうよう構成したので、力画像の署名領域と参照画像の対応点を探索する場合に、筆記変動を効率良く吸収しつつ高速に対応点を探索することができ、併せて入力画像から署名領域の切り出しを含めて高速な処理をおこなうことができる。
【0083】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上参照画像記憶部120に参照画像のみを記憶しておき、広域サーチ処理部130、粗サーチ処理部140および精サーチ処理部160で参照画像の類似度画像をそれぞれ作成することとしたが、これらを事前にまとめて作成しておき、参照画像記憶部120にまとめて記憶しておくこともできる。
【0084】
また、本実施の形態では、広域サーチ処理部130を用いて署名領域の自動切り出しをおこなう場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、オペレータが署名領域を手動で切り出した後、粗サーチ処理部140および精サーチ処理部160の処理をおこなわせることもできる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、入力画像と参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索して入力画像の署名領域を切り出し、切り出した入力画像の署名領域と参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索して、入力画像の署名領域から線形歪みを除去した補正画像を作成し、作成した補正画像と参照画像との対応点を第2の画像解像度よりも解像度が高い第3の画像解像度で探索するよう構成したので、入力画像から署名領域を切り出しを高速かつ効率良く行うとともに、探索範囲を絞り込み高速な処理をおこなうことができる。また、対応点の数が順次増えることになるので、粗い探索からより精密な探索をおこなうことができ、ローカルミニマムへの落ち込みを防ぐことができる。
【0086】
また、請求項2の発明によれば、入力画像の署名領域と参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索し、探索した対応点に基づいて回転角、拡大縮小率または並行移動量を算出し、算出した回転角、拡大縮小率または並行移動量に基づいて入力画像の署名領域から線形歪みを除去するよう構成したので、粗探索で求めた対応点をもとに回転角、拡大縮小率または並行移動量の歪みを補正できるため、署名の大きさの違いや傾きなどの筆記変動を吸収することができる。
【0087】
また、請求項3の発明によれば、入力画像の署名領域と参照画像とを所定の倍率で縮小し、縮小した入力画像の署名領域と参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索するよう構成したので、より一層処理を高速化することができる。
【0089】
また、請求項の発明によれば、第1の画像解像度が、第2の画像解像度よりも解像度が低くなるよう構成したので、署名領域を粗く切り出して処理の高速化を図ることができる。
【0090】
また、請求項の発明によれば、入力画像と参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索し、探索した対応点に基づいて入力画像から署名領域を切り出すよう構成したので、署名領域を粗く切り出して順次精細な対応付けをおこない、もって処理の高速化を図ることができる。
【0091】
また、請求項の発明によれば、入力画像と参照画像とを所定の倍率で縮小し、縮小した入力画像と参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索するよう構成したので、画像縮小による処理の高速化を図ることができる。
【0092】
また、請求項の発明によれば、入力画像と記憶部に記憶された参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索して入力画像の署名領域を切り出し、切り出した入力画像の署名領域と参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索して、入力画像の署名領域から線形歪みを除去した補正画像を作成し、作成した補正画像と参照画像との対応点を第2の画像解像度よりも解像度が高い第3の画像解像度で探索するよう構成したので、入力画像から署名領域を切り出しを高速かつ効率良く行うとともに、探索範囲を絞り込み高速な処理をおこなうことができる。また、対応点の数が順次増えることになるので、粗い探索からより精密な探索をおこなうことができ、ローカルミニマムへの落ち込みを防ぐことができる。
【0094】
また、請求項の発明によれば、入力画像と記憶部に記憶された参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索して入力画像の署名領域を切り出し、切り出した入力画像の署名領域と参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索して、入力画像の署名領域から線形歪みを除去した補正画像を作成し、作成した補正画像と参照画像との対応点を第2の画像解像度よりも解像度が高い第3の画像解像度で探索するよう構成したので、入力画像から署名領域を切り出しを高速かつ効率良く行うとともに、探索範囲を絞り込み高速な処理をおこなうことが可能なプログラムが得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態で用いる署名照合装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示した広域サーチ処理部の細部構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図1に示した粗サーチ処理部の細部構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図1に示した精サーチ処理部の細部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】照合値の概念を説明するための説明図である。
【図6】図1に示した署名照合装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】入力画像と参照画像の一例および広域サーチの概念を示す図である。
【図8】広域サーチ処理部がおこなう分割の一例を示す図である。
【図9】入力画像の署名領域の一例および粗サーチの概念を示す図である。
【図10】粗サーチ処理部がおこなう分割の一例を示す図である。
【図11】入力画像の署名領域(粗サーチ済み)の一例および精サーチの概念を示す図である。
【図12】精サーチ処理部がおこなう分割の一例を示す図である。
【図13】累積加算手順を説明するための説明図である。
【図14】j方向の累積加算処理を説明するための説明図である。
【図15】−j方向の累積加算処理を説明するための説明図である。
【図16】i方向の累積加算処理を説明するための説明図である。
【図17】−i方向の累積加算処理を説明するための説明図である。
【図18】累積加算後の類似度画像を示す図である。
【図19】図18に示した類似度画像の最大値の位置を示す図である。
【図20】図1に示した精サーチ処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】図20のステップS2004に示したj方向の累積加算処理手順を示すフローチャートである。
【図22】図1に示した署名照合装置による署名照合結果の一例を説明するための説明図(1)である。
【図23】図1に示した署名照合装置による署名照合結果の一例を説明するための説明図(2)である。
【符号の説明】
100 署名照合装置
110 画像入力部
120 参照画像記憶部
130 広域サーチ処理部
131 画像縮小処理部
132 分割処理部
133 類似度画像作成部
134 対応点探索部
134a 累積加算処理部
134b 対応点決定部
135 切り出し処理部
140 粗サーチ処理部
141 画像縮小処理部
142 分割処理部
143 類似度画像作成部
144 対応点探索部
144a 累積加算処理部
144b 対応点決定部
145 パラメータ算出部
146 線形歪み除去部
147 切り出し処理部
150 精サーチ処理部
151 分割処理部
152 類似度画像作成部
153 累積加算処理部
154 対応点決定部
155 変形補正画像作成部
156 一致率算定部
157 非変形率算定部
158 照合値算定部
160 表示処理部

Claims (8)

  1. 署名領域を含む入力画像と該入力画像の署名領域の比較対象となる参照画像とを対応付ける対応点を探索する署名画像の対応点探索装置であって、
    前記入力画像と前記参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索し、前記入力画像から署名領域を切り出す署名領域切出手段と、
    前記署名領域切出手段により切り出された前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索して、前記入力画像の署名領域から線形歪みを除去した補正画像を作成する補正画像作成手段と、
    前記補正画像作成手段により作成された補正画像と前記参照画像との対応点を前記第2の画像解像度よりも解像度が高い第3の画像解像度で探索する精探索手段と
    を備えたことを特徴とする署名画像の対応点探索装置。
  2. 前記補正画像作成手段は、前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索する粗探索処理手段と、前記粗探索処理手段により探索された対応点に基づいて回転角、拡大縮小率または並行移動量を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された回転角、拡大縮小率または並行移動量に基づいて前記入力画像の署名領域から線形歪みを除去する線形歪み除去手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の署名画像の対応点探索装置。
  3. 前記補正画像作成手段は、前記入力画像の署名領域と前記参照画像とを所定の倍率で縮小する画像縮小手段をさらに備え、前記粗探索処理手段は、前記画像縮小手段により縮小された前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索することを特徴とする請求項2に記載の署名画像の対応点探索装置。
  4. 前記第1の画像解像度は、前記第2の画像解像度よりも解像度が低いことを特徴とする請求項1、2または3に記載の署名画像の対応点探索装置。
  5. 前記署名領域切出手段は、前記入力画像と前記参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索する広域探索手段と、前記広域探索手段により探索された対応点に基づいて前記入力画像から署名領域を切り出す切出手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の署名画像の対応点探索装置。
  6. 前記署名領域切出手段は、前記入力画像と前記参照画像とを所定の倍率で縮小する画像縮小手段をさらに備え、前記広域探索手段は、前記画像縮小手段により縮小された前記入力画像と前記参照画像との対応点を前記第1の画像解像度で探索することを特徴とする請求項5に記載の署名画像の対応点探索装置。
  7. 署名領域を含む入力画像と該入力画像の署名領域の比較対象となる参照画像とを対応付ける対応点を探索する署名画像の対応点探索装置による対応点探索方法であって、
    前記入力画像と記憶部に記憶された参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索し、前記入力画像から署名領域を切り出す署名領域切出工程と、
    前記署名領域切出工程により切り出された前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索して、前記入力画像の署名領域から線形歪みを除去した補正画像を作成する補正画像作成工程と、
    前記補正画像作成工程により作成された補正画像と前記参照画像との対応点を前記第2の画像解像度よりも解像度が高い第3の画像解像度で探索する精探索工程と
    を含んだことを特徴とする署名画像の対応点探索方法。
  8. 署名領域を含む入力画像と該入力画像の署名領域の比較対象となる参照画像とを対応付ける対応点を探索する署名画像の対応点探索装置に用いられる対応点探索プログラムであって、
    前記入力画像と記憶部に記憶された参照画像との対応点を第1の画像解像度で探索し、前記入力画像から署名領域を切り出す署名領域切出手順と、
    前記署名領域切出手順により切り出された前記入力画像の署名領域と前記参照画像との対応点を第2の画像解像度で探索して、前記入力画像の署名領域から線形歪みを除去した補正画像を作成する補正画像作成手順と、
    前記補正画像作成手順により作成された補正画像と前記参照画像との対応点を前記第2の画像解像度よりも解像度が高い第3の画像解像度で探索する精探索手順と
    をコンピュータに実行させることを特徴とする署名画像の対応点探索プログラム。
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